JP4705066B2 - 原子力プラント、給水ノズルの熱疲労監視方法及び原子力プラントの運転方法 - Google Patents

原子力プラント、給水ノズルの熱疲労監視方法及び原子力プラントの運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、原子力プラント、給水ノズルの熱疲労監視方法及び原子力プラントの運転方法に係り、特に、沸騰水型原子炉プラントに適用するのに好適な原子力プラント、給水ノズルの熱疲労監視方法及び原子力プラントの運転方法に関する。
沸騰水型原子炉(BWR)は、原子炉圧力容器(以下、RPVという)内に、炉心シュラウドで取り囲まれた炉心が配置される。複数の燃料集合体が炉心に装荷されている。ダウンカマがRPVと炉心シュラウドの間に形成される。給水スパージャがダウンカマ内に配置され、給水スパージャはRPVに設けられた給水ノズル内に配置されるサーマルスリーブに接続される。
炉心に供給された冷却水は、燃料集合体に含まれる核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、一部が蒸気になる。炉心上方に位置する気水分離器は、蒸気と冷却水を分離する。冷却水から分離された蒸気は、蒸気乾燥器でさらに液滴が分離されてRPVから排出され、タービンに供給される。タービンを回転させてタービンから排出された蒸気は、復水器で凝縮されて水になる。この凝縮水は、給水として、給水配管及びサーマルスリーブ内を通って給水スパージャに設けられた複数の注水ノズルから炉心シュラウドヘッド上方の外周部空間に供給される。この給水は、気水分離器で分離された冷却水に混合されてダウンカマを下降し、炉心に導かれる。
給水の温度は冷却水の温度よりも低くなっている。冷却水と給水の温度差に基づいた給水ノズルの熱応力、熱疲労を低減するために、サーマルスリーブが、給水ノズル内に同心状に配置されている。サーマルスリーブの一端は給水ノズルの入口付近に結合されて、サーマルスリーブと給水ノズルは一体化されている。給水ノズルの内面とサーマルスリーブの外面との間には環状流路が形成されている。一方、給水スパージャに設けられた各注水ノズルの吐出口は、水平方向で、RPVの軸心の方を向いている。その吐出口の中心軸はサーマルスリーブの中心軸よりも上方に位置している。
給水ノズルに生じる熱疲労として、定格運転の給水時での穏やかな温度揺らぎに起因する「高サイクル熱疲労」、及び給水停止時、及びBWRの起動時での給水時に発生する「低サイクル熱疲労」が考えられる。BWRの定格運転の給水時では上記の環状流路内は高温の冷却水で満たされている。この高温の冷却水とサーマルスリーブ内を流れている低温の給水の間で、サーマルスリーブを介して熱交換が行われるので、環状流路内の一部の冷却水の温度は、環状流路内の冷却水の温度とサーマルスリーブ内の給水の温度の中間の温度となる。環状流路内に存在する高温の冷却水と給水により冷却されたその一部の冷却水では、密度に差が生じる。このため、環状流路内の冷却水は、高温の冷却水と給水によって冷却された温度の低い冷却水に分離され、環状流路内の冷却水は上部の高温部と下部の低温部に成層分離され、熱成層界面が環状流路内に形成される(特開2006−125950号公報の段落番号0020及び0021参照)。
特開2006−125950号公報は、熱応力及び熱疲労が懸念される給水ノズル部の構造、すなわち、健全性を確保しやすい給水ノズル部の構造を提案している。この給水ノズル部の構造は、給水ノズルの内面とサーマルスリーブの外面の間に形成される環状流路の間隔をδとし、給水ノズルの内径をDとしたとき、δ/D≦0.03を満足させるものである。このような給水ノズル部の構造を採用することによって、環状流路内での伝熱が自然対流熱伝達から熱伝導に変化し、環状流路内で成層化現象が生じなくなる。
上記した熱成層界面が形成される環状流路内での成層化現象が生じる給水ノズルの構造材の熱疲労を評価する手法が、特開2006−125950号公報の段落番号0030及び図6に記載されている。この図6は、左側でBWRの定格運転時における高サイクル熱疲労の評価を、右側でBWRの起動時での給水時、及び給水停止時における低サイクル熱疲労の評価を示している。特開2006−125950号公報は、その図6に記載された評価手法を用いて、δ/D≦0.03を満足した給水ノズル部の構造材の累積損傷係数を求めている。
高温水と低温水が混合する部位を対象にした熱疲労評価手法として、T字合流配管を対象とした配管の高サイクル熱疲労に関する評価指針が知られている(JSME(日本機械学会) S 017-2003参照)。
また、特開平2−218920号公報は、給水ノズルに取り付けられた温度センサで計測された温度を用いて、給水ノズル構造材の疲労累積係数を算出することを記載している。
特開2006−125950号公報 特開平2−218920号公報 JSME(日本機械学会) S 017-2003
特開2006−125950号公報は、熱疲労を抑制する給水ノズル部の構造として、δ/D≦0.03を満足する給水ノズル部を記載している。しかし、特開2006−125950号公報は、評価方法について概念のみを記載しており、また、熱疲労を評価する上で判定基準を満足できないときの対応策を記載していない。
本発明の目的は、稼働率を向上させることができる原子力プラント、給水ノズルの熱疲労監視方法及び原子力プラントの運転方法を提供することにある。
給水ノズルの構造部材の縦弾性係数をE、その構造部材の熱膨張係数をα、ポアソン比をν 、最大無次元応力範囲をΔσ max 、及び応力割増係数をKtとしたとき、監視装置が、給水ノズル付近の温度を検出する温度検出装置から出力された温度計測値の時系列データに基づいて、温度揺らぎ幅ΔT を求めて下記の式により、複数の非定常熱応力の計算値を求め、
σ alt =Kt・E・α・(ΔT /2)・(1−ν )・Δσ max
求められた複数の非定常熱応力の計算値に基づいて将来における非定常熱応力を予測し、予測された非定常熱応力非定常熱応力第1設定値未満であるかを判定し、予測された非定常熱応力が第1設定値以上になるときには、温度計測値の時系列データに基づいて、給水ノズルの熱疲労評価を行い、この熱疲労の評価で求められた複数の累積損傷係数の計算値に基づいて将来における累積損傷係数を予測し、予測された累積損傷係数が累積損傷係数の第2設定値未満であるかを判定し、制御装置が、予測された累積損傷係数が第2設定値以上になるとき、給水配管に設けられた給水加熱器に供給される蒸気の流量を増加させる。
予測された累積損傷係数がその設定値以上になるとき、給水配管に設けられた給水加熱器に供給される蒸気の流量が増加されるので、原子炉圧力容器内に供給される給水の温度が上昇する。このため、給水ノズル付近の流体の温度揺らぎ幅及びその温度揺らぎ幅の発生頻度を減少させることができ、予測された累積損傷係数がその設定値以上になった時点以降の運転サイクルの残りの期間において、原子力プラントの運転を継続させることができる。したがって原子力プラントの稼働率を向上させることができる。
給水ノズルの構造部材の縦弾性係数をE、その構造部材の熱膨張係数をα、ポアソン比をν 、最大無次元応力範囲をΔσ max 、及び応力割増係数をKtとしたとき、監視装置が、給水ノズル付近の温度を検出する温度検出装置から出力された温度計測値の時系列データに基づいて、温度揺らぎ幅ΔT を求めて下記の式により、複数の非定常熱応力の計算値を求め、
σ alt =Kt・E・α・(ΔT /2)・(1−ν )・Δσ max
求められた複数の非定常熱応力の計算値に基づいて将来における非定常熱応力を予測し、予測された非定常熱応力非定常熱応力第1設定値未満であるかを判定し、予測された非定常熱応力が第1設定値以上であるときには、温度計測値の時系列データに基づいて、給水ノズルの熱疲労評価を行い、この熱疲労の評価で求められた複数の累積損傷係数の計算値に基づいて将来における累積損傷係数を予測し、予測された累積損傷係数が累積損傷係数の第2設定値未満であるかを判定し、制御装置が、予測された累積損傷係数が第2設定値以上であるとき、原子炉圧力容器内の炉心に供給する冷却材流量を減少させることによっても、上記した目的を達成することができる。
本発明によれば、原子力プラントの稼働率を向上させることができる。
発明者らは、特開2006−125950号公報の図6に記載された給水ノズルの構造材の熱疲労を評価する手法を検討し、評価精度を向上させることができる新らたな熱疲労評価システムを考え出した。また、発明者らは、評価結果が判定基準を満足しない場合における対応策も、併せて考え出した。
一般に、沸騰水型原子力発電プラント(原子力プラント)においては、給水温度制御を行っていないが、プラント全体の熱バランスの変化、具体的には復水器に供給されて蒸気を凝縮させる熱媒体(海水の場合が多い)の温度変化などで、同一の沸騰水型原子力発電プラントで同一の炉心及び熱出力であっても給水温度は1℃未満の範囲で変化する。給水温度の変化幅が出力向上時の炉心特性の低下を補うために給水温度を低下させる範囲内であれば、給水温度は、原子力プラントの通常運転時での給水温度の振れ幅以上である1℃以上下げればよい。ただし、給水配管及びサーマルスリーブによって導かれる給水は、RPVに流入した後にダウンカマ内で飽和温度の冷却水と混合される。したがって、サーマルスリーブと給水ノズルの間に温度差が生じる。給水温度を低下し過ぎるとそれらの温度差が大きくなり、熱疲労の観点から設計限界を超える懸念がある。
発明者らは、給水ノズルでの熱疲労の発生を懸念する要因を検討した。この要因を説明する前に、沸騰水型原子力発電プラントにおける給水ノズル付近の構造の概略を、図16を用いて説明する。
給水ノズル12がRPV3に設けられる。サーマルスリーブ13が給水ノズル12内に配置され、サーマルスリーブ13の根元は図示されていないが給水ノズル12に接合されている。給水ノズル12の内面とサーマルスリーブ13の外面の間に、環状流路(環状領域)14が形成されている。環状の流路であるダウンカマ11がRPV3と炉心シュラウドの間に形成される。RPV3内に配置された給水スパージャ17は、ヘッダー管18及び複数の注水ノズル19を有する。ヘッダー管18は、サーマルスリーブ13に接合されてRPV3の周方向に伸びている。各注水ノズル19はヘッダー管18の上面に取り付けられ、注水ノズル19の吐出口20は、炉心シュラウドの中心軸の方を向いている。ヘッダー管18及び複数の注水ノズル19は、ダウンカマ11よりも上方に位置するRPV3の外周部に配置される。シュラウドヘッドボルト21が給水スパージャ17の注水ノズル19の吐出口20付近に配置されている。シュラウドヘッドボルトリング22がシュラウドヘッドボルト21に取り付けられる。
上記の給水ノズル12付近の構造において、給水ノズル12での熱疲労の発生を懸念する要因として、(A)熱成層界面の温度揺らぎ、(B)給水スパージャ17よりも上方でRPV3の外周部での冷却水27の下降流による熱成層界面の温度変動、(C)給水スパージャ17の注水ノズル19から吐出された給水の跳ね返りによる熱成層界面の温度変動が存在する。
まず、熱成層界面の温度揺らぎについて説明する。環状流路14は高温の冷却水27で満たされ、サーマルスリーブ13内には低温の給水23が流れている。このため、環状流路14内の冷却水27とサーマルスリーブ13内の給水23は、サーマルスリーブ13を介して熱交換を行う。サーマルスリーブ13の外面に接する冷却水27は、その熱交換により温度が低下して密度が大きくなり、環状流路14の下部へ移動する。高温の冷却水27は密度が小さいため環状流路14の上部に存在する。この温度が低下した冷却水27を低温水25と称し、環状流路14内の高温の冷却水27を高温水24と称する。環状流路14内では、密度差により分離した低温水25と高温水24により熱成層界面26を生じる。熱成層界面26が静的に安定していれば、給水ノズル12及びサーマルスリーブ13には静的な熱応力が発生するだけである。
次に、給水スパージャ17よりも上方でRPV3の外周部での冷却水27の下降流による熱成層界面の温度変動について説明する。RPV3内において、上記したRPV3の外周部では注水ノズル19の上方から流下する高温の冷却水27の流量が支配的な流れを形成している。この冷却水27は、シュラウドヘッドボルトリング22及び給水ノズル12などの構造物に衝突あるいは構造物外周面を伝わって、環状流路14内へ跳ね返ることが懸念される。
給水スパージャ17の注水ノズル19から吐出された給水23の跳ね返りによる熱成層界面の温度変動について説明する。注水ノズル19の吐出口20からRPV3の中心に向かって吐出された低温の給水23の一部が、注水ノズル19の吐出口20の近傍に位置しているシュラウドヘッドボルトリング22によって給水ノズル12側に跳ね返り、環状流路14内の熱成層界面26へ作用して温度変動が生じる。これより、環状流路14内での温度変動が熱伝達を介して給水ノズル12内面及びサーマルスリーブ13外面へと伝播し、温度変動に起因した熱疲労がそれぞれの構造部材に発生する。この温度変動も低減する必要がある。シュラウドヘッドボルトリング22によって跳ね返った給水23を、跳ね返り水28と称する。給水23は、サーマルスリーブ13内での熱交換及びダウンカマ11内の冷却水27との接触により温度が上昇する。しかしながら、跳ね返り水28の温度は、熱成層界面26を形成する低温水25の温度より低いことが推定される。温度の低い跳ね返り水28が、直接、熱成層界面26へ作用すると温度揺らぎ幅が大きくなり、給水ノズル12及びサーマルスリーブ13における熱疲労が懸念される。この場合においても温度変動を低減する必要がある。
発明者らは、それらの温度変動をリアルタイムで検出して熱疲労評価を行い、将来に亘る運転時間を考慮して給水ノズルの熱疲労健全性を予測する監視装置を備えることが必要であるとの認識に至った。給水ノズル12及びサーマルスリーブ13に生じる熱疲労が設定条件を満足しない場合には設定条件を満足するように給水温度を調整し、原子力プラントの稼働率を向上させることが必要である。
以上の検討を反映した実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である沸騰水型原子力発電プラント(原子力プラント)を、図1〜図14を用いて以下に説明する。沸騰水型原子力発電プラントは、原子力プラントである原子力発電プラントの一種である。
本実施例の沸騰水型原子力発電プラント(以下、BWR発電プラントという)1は、図1に示すように、原子炉2、主蒸気配管29、タービン(高圧タービン30及び低圧タービン32)、復水器33、給水配管34、少なくとも1つの温度検出器(例えば、熱電対)41、監視装置42及び制御装置48を備えている。温度検出器41として、熱電対の替りに測温抵抗体を用いることも可能である。
原子炉2は、図2に示すように、RPV3、及びRPV3内に配置された炉心4、炉心シュラウド5、ジェットポンプ6、気水分離器9及び蒸気乾燥器10を有する。炉心4は、炉心シュラウド5に取り囲まれており、複数の燃料集合体(図示せず)が装荷されている。気水分離器9は炉心4の上方に設置され、蒸気乾燥器10は気水分離器9の上方に配置される。複数のジェットポンプ6が、炉心シュラウド5とRPV3の間に形成されるダウンカマ11内に配置される。内部にサーマルスリーブ13を配置した給水ノズル12が、上記したように、RPV3に設けられる。給水ノズル12付近の構成は、図4に示すように、図16に示された構成と同じである。給水ノズル12は、図3に示すように、RPV3の周方向において6箇所に設けられる。6個の給水スパージャ17が、図3に示すように、RPV3の外周部(各気水分離器9にそれぞれ設けられるスタンドパイプの群とRPV3の内面との間に形成される領域)に配置される。
RPV3に接続される主蒸気配管29は、高圧タービン30、湿分分離器31及び低圧タービン32をこの順序で接続している。復水器33が設けられ、給水配管34が復水器33とRPV3を連絡する。低圧給水加熱器35、給水ポンプ36及び高圧給水加熱器37が、この順序で給水配管34に設置されている。抽気配管39A及び39Bが、高圧タービン30に接続され、高圧給水加熱器37に接続される。抽気流量調節弁40が抽気配管39Bに設置される。高圧タービン30と湿分分離器31の間に位置する主蒸気配管29に接続された抽気配管39C、及び湿分分離器31に接続される抽気配管39Dも、高圧給水加熱器37に接続される。抽気配管39Eは、低圧タービン31と低圧給水加熱器35を接続する。給水バイパス管38が給水配管34と高圧給水加熱器37を接続する。再循環ポンプ7が設けられた再循環配管8がRPV3に接続される。抽気流量調節弁40は、さらに、他の抽気配管39A,39C〜39Eのうちの少なくとも1つに設けてもよい。
監視装置42は、図1に示すように、演算装置43、判定装置44、記憶装置45、入力装置46及び表示装置47を有する。演算装置43は、判定装置44、記憶装置45及び入力装置46に接続される。判定装置44は、記憶装置45及び表示装置47に接続される。温度検出器41の信号線が演算装置43に接続され、制御装置48は判定装置44に接続される。温度検出器41の先端は、ダウンカマ11内に配置されて給水ノズル12のノズルコーナ部16付近に位置している。温度検出器41及び温度検出器41の信号線は、例えば、RPV3の内面にスポット溶接で固定される複数の薄板(SUS製)でRPV3の内面に押さえられる。
BWR発電プラント1の定格出力状態における冷却水及び蒸気等の流れについて説明する。再循環ポンプ7の駆動によってダウンカマ11の下端部から吸引された冷却水27は、再循環配管8内に流入し、噴出流となってジェットポンプ6内に吐出される。この噴出流の作用によってダウンカマ11内の冷却水27がジェットポンプ6内に吸引される。昇圧されたこの冷却水27は、ジェットポンプ6から吐出されて下部プレナム64を経由して炉心4内に導かれる。
炉心4に供給された冷却水27は、燃料集合体に含まれる核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、一部が蒸気になる。気水分離器9は、蒸気(約280℃)と冷却水27(約280℃)を分離する。冷却水27から分離された蒸気は、蒸気乾燥器10でさらに液滴が分離されてRPV3から排出され、主蒸気配管29を通って高圧タービン30及び低圧タービン32に供給される。湿分分離器31は、高圧タービン30から排出された蒸気に含まれている水分を除去する。これらのタービンは、蒸気によって回転され、低圧タービン32に連結された発電機(図示せず)を回転させる。低圧タービン32から排出された蒸気は、復水器23で凝縮されて水になる。この凝縮水は、給水として、給水ポンプ36で昇圧され、給水配管34及びサーマルスリーブ13内を通って給水スパージャ17に設けられた複数の注水ノズル19からRPV3の外周部に供給される。この給水は、気水分離器9で分離されてダウンカマ11内を下降する冷却水27に混合され、ダウンカマ11内を下降し、ジェットポンプ6内に達する。
低圧タービン32から抽気された蒸気は、抽気配管39Eを通って低圧給水加熱器35に導かれ、給水配管34内を流れている給水を加熱する。主蒸気配管29から抽気された蒸気は、抽気配管39Cによって高圧給水加熱器37に導かれる。湿分分離器31から抽気された蒸気は、抽気配管39Dを通って高圧給水加熱器37に導かれる。高圧タービン30から抽気された蒸気は、抽気配管39A,39Bを通って高圧給水加熱器37に導かれる。給水配管34内を流れて高圧給水加熱器37内に到達した給水は、それらの抽気蒸気によって加熱され、さらに温度が上昇する。
監視装置42の機能を、以下に説明する。
BWR発電プラント1の運転条件(例えば、炉心流量、冷却水27の温度T及び給水23の温度T等)、及び給水ノズル12及びサーマルスリーブ13等の主要な仕様(寸法及び材質等)が、入力装置46から事前に演算装置43に入力され、記憶装置45に記憶される。記憶装置45は、詳細が後述されるデータベースA〜Iの各情報、設定値(温度差設定値ΔTcr、設定値である疲労限応力σcr及び累積損傷係数設定値Ufcr)の情報及び過去のデータも記憶している。
データベースA〜Hについて詳細に説明する(図5〜図7参照)。データベースAは、温度検出器41によって検出されたノズルコーナ部16付近における冷却水27の温度変動を示す時系列データ(図5参照)を記憶する。この温度変動の時系列データは、温度検出器41で測定したノズルコーナ部16付近における冷却水27の温度測定値を入力した演算装置43によって作成される。
データベースBは、図5に示す温度の減衰係数分布の情報を記憶している。この温度の減衰係数分布の情報は、環状流路14内の流体温度の減衰係数分布を示している。横軸はノズルコーナ部16のRPV3の内面(x=0、図16参照)からセーフエンド15(x=L、図4参照)までの無次元方向距離x/Lを表し、縦軸はその流体温度の最大減衰係数βmaxを表している。ここで、最大減衰係数βmaxは(1)式で定義される。また、最大減衰係数βmaxを用いた流体温度揺らぎ幅ΔTは(2)式で定義される。
βmax=ΔTp−p/(T−T) ……(1)
ΔT=ΔTin・βmax ……(2)
ここで、ΔTp−pはデータベースAに示す冷却水27の温度変動(図5参照)のピーク・ピーク値(最大値と最小値の差をピーク・ピーク値と定義する)、Tは注水ノズル19上方での冷却水27の温度、Tは給水23の温度である。ピーク・ピーク値ΔTp−pは給水ノズル12の周方向における最大の減衰係数を包絡している。また、冷却水温度T及び給水温度Tは、冷却水27と給水23が合流する前のそれぞれの温度であり、ΔTinは(T−T)である。最大減衰係数βmaxは後述のステップ52の処理における流体温度差に適用される。最大減衰係数βmaxが小さいほど、流体温度揺らぎ幅ΔTは小さくなる。さらには、温度揺らぎ幅ΔTに起因する非定常熱応力σaltも小さくなる。
データベースCは、図5に示す周波数特性の情報を記憶している。この周波数特性は、横軸が冷却水27の温度変動の周波数f、縦軸がパワースペクトル密度PSD
で表される。パワースペクトル密度は、温度変動振幅スペクトル(他に圧力や応力等もある)の2乗のスペクトルを単位周波数で基準化したものである。周波数特性の情報は、データベースAの温度変動の情報を用いて作成される。卓越するパワースペクトル密度PSD、すなわち流体が変動しやすい周波数があれば、そのパワースペクトル密度が発生した周波数を卓越周波数と判断し、卓越周波数が無ければランダム振動と判断する。
データベースDは図6に示す熱伝達増倍係数(非定常熱伝達率)の情報を記憶する。熱伝達増倍係数は、無次元軸方向距離x/Lの横軸、及び熱伝達増倍係数FPの縦軸で表されている。配管の構造材の熱応力を評価する際、流体温度揺らぎ幅は境界層を介した熱伝達率により配管の内面の温度変動幅へと減衰する。このとき、高低温水合流部(給水ノズル12内面のノズルコーナ部16)近傍での熱伝達率は、非定常特性の上、局所的にも変化するので、複雑な係数の取り扱いになる。そこで、(3)式より高低温水合流部近傍の非熱伝達率を簡便に求めることができる。
max=h*FP ……(3)
ここで、FPは熱伝達増倍係数、hmaxは非定常熱伝達率の最大値、hは定常熱伝達率である。また、定常熱伝達率hは(4)〜(6)式に基づいて算出される。
Nu∝f(Gr、Pr、1/δ) ……(4)
Nu∝f(h、δ、1/λ) ……(5)
Gr∝f(g、1/T、δ、ΔTin、1/ν) ……(6)
ここで、Nuはヌセルト数、Grはグラフホフ数、Prはプラントル数、δは環状流路の幅、λは給水ノズルの熱伝導率、gは重力加速度、Tは高温水24と低温水25の平均温度、νは動粘性係数である。
RPV3内においては注水ノズル19の上方から流下する高温の冷却水27の流量が支配的な流れを形成している。この冷却水27の流量がノズルコーナ部16に大きく影響するため、冷却水27から給水ノズル12の構造物への熱伝達率を把握する必要がある。
データベースEは図6に示す応力割増係数の情報を記憶する。この応力割増係数Ktは、実機の給水ノズル形状をモデル化し、温度検出器41からの温度計測値を用いて応力解析を行うと共に、単純な円管に同様な処理を施し、給水ノズル体系と円管体系の結果の比を取ることによって求められる。得られた応力割増係数は、給水ノズル12の構造及びホットコールドスポットを考慮したものになっている。なお、本実施例では、応力割増係数を1.0としている。
データベースFは図6に示す温度揺らぎ発生頻度(レインフロー)特性の情報を記憶する。温度揺らぎ発生頻度特性は横軸が温度揺らぎ幅ΔTで、縦軸が温度揺らぎの発生頻度Nで表されている。温度揺らぎの発生頻度特性を求める1つの方法として、レインフロー法を用いる。レインフロー法は、一般的に応力データに対して、応力の揺らぎ幅とその揺らぎ幅の発生頻度を整理する方法の一つであるが、本実施例では温度の揺らぎ幅に置き換えて処理を行う。
データベースGは図7に示す構造物の周波数応答関数の情報を記憶する。その周波数応答関数の情報は、横軸が無次元周波数fで、縦軸が無次元応力範囲Δσで表される。この周波数応答関数を用いた無次元応力範囲Δσ maxの算出は、後述のステップ53で行われる。その周波数応答関数の主要パラメータは、無次元周波数f及び無次元数のビオ数Biである。ここで、無次元周波数f及び無次元数のビオ数Biはそれぞれ(7)及び(8)式で求められる。
Bi=hmax・t/λ ……(7)
=f・t/a ……(8)
ここで、hmaxは非定常熱伝達率の最大値、tは給水ノズル12の肉厚、λは給水ノズル12の構造材の熱伝導率である。また、fは周波数、aは構造材の温度伝導度である。無次元応力範囲Δσにはビオ数Biも大きな影響を与える。
データベースHは図7に示す設計疲労線図の情報を記憶する。設計疲労線図は横軸が繰り返し回数Nで、縦軸が疲労限応力σで表される。なお、設計疲労線図として、例えばASME(米国の機械学会)C−Curveを用いる。演算装置51の各ステップの評価はJSME(日本の機械学会)の配管の高サイクル熱疲労に関する評価指針(JSME S 017-2003参照)に基づいたものである。
データベースIは図8に示すビオ数Biと最大無次元応力範囲Δσ maxの関係を示す情報を記憶している。
監視装置42で実行される処理の詳細を、図9〜図14を用いて説明する。BWR発電プラント1のある運転サイクルでの運転中において、ダウンカマ11内を流下する冷却水27の、ノズルコーナ部16付近での温度が、温度検出器41によって測定される。測定された、冷却水27の温度測定値がリアルタイムで演算装置43に入力される。演算装置43は、入力した温度測定値を用いて、冷却水27の温度変動を示す時系列データを生成し、この時系列データをデータベースAの情報として記憶装置45に記憶させる。ノズルコーナ部16付近における冷却水27の温度は、給水ノズル12の熱疲労の評価に大きく影響を与える状態量である。
演算装置43は、上記の運転サイクルにおいて、大きく分けて、現在評価の機能(機能1)及び将来評価の機能(機能2)の各演算処理を実行する。機能1の処理では、温度変動の時系列データを基に、非定常熱応力σalt及び累積損傷係数Uf等が算出される。機能1によって累積損傷係数Ufを算出するために、演算装置43は、図9に示すステップ51〜54の各処理を実行する。演算装置43は、機能2の演算処理として、図11に示すステップ59及び60の処理を実行する。
まず、機能1の演算処理を説明する。流体温度差ΔTinを算出する(ステップ51)。この流体温度差ΔTin(=T−T)は、記憶装置45に記憶されている運転条件の情報、すなわち、冷却水27の温度T及び給水23の温度Tを用いて算出される。流体温度揺らぎ幅ΔTを算出する(ステップ52)。流体温度揺らぎ幅ΔTは(1)式及び(2)式を用いて求められる。(1)式に代入するΔTp−pは、データベースAに含まれている冷却水27の温度変動の時系列データに基づいて求められる。(1)式の(T−T)としてはステップ51で算出された流体温度差ΔTinを用いる。(1)式で算出された最大減衰係数βmaxは、データベースBに含まれている温度の減衰係数分布の情報を用いて適切であるかが評価される。(1)式によって求められた最大減衰係数βmax及び上記の流体温度差ΔTinが(2)式に代入され、流体温度揺らぎ幅ΔTが求められる。
非定常熱応力σaltを算出する(ステップ53)。非定常熱応力σaltの算出には、データベースC,D,E及びGに含まれる各情報が用いられる。非定常熱応力σaltは(9)式を用いて算出される。
σalt=Kt・E・α・(ΔT/2)・(1−ν)・Δσ max ……(9)
ここで、Eは給水ノズル12の構造部材の縦弾性係数、αはその構造部材の熱膨張係数、νはポアソン比及び最大無次元応力範囲Δσ maxである。応力割増係数KtはデータベースEに含まれる情報であり、温度揺らぎ幅ΔTはステップ52で算出されている。非定常熱応力σaltを求めるためには、さらに、最大無次元応力範囲Δσ maxを求める必要がある。最大無次元応力範囲Δσ maxは、無次元周波数f、ビオ数Bi及びデータベースGの情報を用いて求められる。無次元周波数fの算出にはデータベースCに含まれる情報が用いられ、ビオ数Biの算出にはデータベースDに含まれる情報が用いられる。
(8)式を用いた無次元周波数fの算出について説明する。演算装置43は、温度検出器41で検出された冷却水27の温度変動を示す時系列データ、及びデータベースCに含まれる、縮尺体系で求められた周波数fとパワースペクトル密度PSDの関係を示す情報(以下、f−PSD関係情報という)を記憶装置45から読み込む。冷却水27の温度変動を示す時系列データを基に、f−PSD関係情報を作成する。時系列データを基に作成されたf−PSD関係情報とデータベースCに含まれているf−PSD関係情報を比較し、冷却水27の温度変動を示す時系列データの周波数特性が把握される。例えば、図5に示されるデータベースCの周波数特性のように、パワースペクトル密度PSDが一部で大きくなる特定の周波数(この周波数を卓越周波数という)が存在するかが判断される。卓越周波数が存在する場合は、(8)式の周波数fに卓越周波数を代入し、無次元周波数fを算出する。(8)式の演算に必要な給水ノズル12の肉厚t及び温度伝導度aは記憶装置45に記憶されている。時系列データを基に作成されたf−PSD関係情報に卓越周波数が存在しない場合は、ランダム振動と判断し、無次元周波数fは算出されない。
ビオ数Biの算出について説明する。ビオ数Biの算出に用いる非定常熱伝達率hmaxは、環状流路14内の流体と給水ノズル12内面の間の定常熱伝達率(例えば、伝熱工学(著者 内田氏、184頁、 裳華房(1969))に記載された垂直密閉容器内の自然対流熱伝達の式を用いて算出)及びデータベースDに含まれる熱伝達増倍係数を用いて求められる。熱伝達増倍係数は、定常熱伝達率に対する非定常熱伝達率の割合で示される。ビオ数Biは、求めた非定常熱伝達率hmaxを(7)式に代入することにより求められる。(8)式の演算に必要な給水ノズル12の構造材の熱伝導率λは記憶装置45に記憶されている。
温度検出器41で検出された冷却水27の温度変動を示す時系列データの周波数特性に卓越周波数が存在する場合には、上記のように算出した無次元周波数f及びビオ数Biを用いてデータベースGに含まれる構造物の周波数応答関数の情報から、無次元周波数f及びビオ数Biと交わる無次元応力範囲Δσを最大無次元応力範囲Δσ maxと置き換えて、最大無次元応力範囲Δσ maxを求める。上記の時系列データの周波数特性に卓越周波数が存在しない場合には、(7)式で算出したビオ数Biを用いて、データベースI(図8参照)に含まれるビオ数Biと最大無次元応力範囲Δσ maxの関係を示す情報から最大無次元応力範囲Δσ maxを求める。ビオ数Biと最大無次元応力範囲Δσ maxの関係を示す情報は、記憶装置45に記憶されている。
非定常熱応力σaltは、得られた最大無次元応力範囲Δσ maxを(9)式に代入し、さらに、給水ノズル12の構造部材の縦弾性係数E、給水ノズル12の構造材の熱膨張係数α、ポアソン比ν、応力割増係数Kt及び温度揺らぎ幅ΔTを(9)式に代入することによって算出される。給水ノズル12の構造部材の縦弾性係数E、給水ノズル12の構造材の熱膨張係数α及びポアソン比νは記憶装置45に記憶されている。
累積損傷係数を算出する(ステップ54)。前述したデータベースFの温度揺らぎ発生頻度特性は、データベースAに含まれている冷却水27の温度変動を示す時系列データを用いて求められ、記憶装置45に記憶されている。温度揺らぎ発生頻度特性は、前述したように温度揺らぎ幅ΔT及び発生頻度Nで表される。温度揺らぎ発生頻度特性を求める1つの方法に、レインフロー法がある。レインフロー法は、一般的に応力データに対して、応力の揺らぎ幅及びその揺らぎ幅の発生頻度を整理する方法の一つである。しかしながら、ステップ54においては、応力の揺らぎ幅を冷却水27の温度の揺らぎ幅に置き換え、レインフロー法により温度揺らぎ発生頻度特性を求める。具体的には、データベースAに含まれている冷却水27の温度変動を示す時系列データをレインフロー処理して得られた特性(例えば、温度揺らぎ幅AがB回、温度揺らぎ幅CがD回など)、すなわち、各温度揺らぎ幅ΔTと対応する揺らぎ幅の発生頻度Nをそれぞれ求める。得られた各温度揺らぎ幅ΔTと対応する揺らぎ幅の発生頻度Nの関係を示す情報、及びデータベースHに含まれている許容応力σcrを用いて、温度揺らぎ幅ΔTごとに許容発生頻度を求める。これらの許容発生頻度の積算値を単位時間当たりの累積損傷係数とし、求められた累積損傷係数に運転時間を考慮することによって、最終的な累積損傷係数Ufを算出する。
上記の運転サイクルの期間中において、判定装置44で実行される処理を以下に説明する。判定装置44も、大きく分けて、演算装置43に対応して、現在評価の機能(機能1)及び将来評価の機能(機能2)の各処理を実行する。判定装置44の機能1の処理では、演算装置43で求められた流体温度差ΔTin、流体温度揺らぎ幅ΔT、非定常熱応力σalt及び累積損傷係数Ufの判定を行う(図10参照)。判定装置44は、機能2の処理として、図12に示すステップ61及び62の処理を実行する。
判定装置44における機能1の判定処理を、図10を用いて説明する。判定装置44は、演算装置43で算出された流体温度差ΔTin、流体温度揺らぎ幅ΔT、非定常熱応力σalt及び累積損傷係数Ufの各情報を入力し、これらの入力情報を用いて以下に示すステップ55〜58の各判定を行う。各判定に用いられる設定値(温度差設定値ΔTcr、疲労限応力σcr及び累積損傷係数設定値Ufcr)は記憶装置45から判定装置44に入力される。
ステップ55において、流体温度差ΔTinが温度差設定値ΔTcr未満であるかが判定される。ステップ56では、流体温度揺らぎ幅ΔTが温度差設定値ΔTcr未満であるかが判定される。疲労限応力σcrは、データベースHに含まれている設計疲労線図(ASMEのC−Curve参照)における給水ノズル12の材料の疲労限応力σcrである。ステップ57では、非定常熱応力σaltが疲労限応力σcr未満であるかを判定する。ステップ58では、累積損傷係数Ufが累積損傷係数設定値Ufcr未満であるかを判定する。累積損傷係数設定値Ufcrは1である。ステップ55〜58の各判定結果の情報(「YES」または「NO」の情報)は、表示装置47に出力されて表示される。ステップ55〜58の各判定結果の情報は、制御装置48にも出力される。ステップ55〜58の各判定を行うことによって安全余裕を確認することができる。
以上に述べた演算装置43及び判定装置44で実行されるステップ51〜58の処理は、給水ノズル12の熱疲労を評価する処理である。この熱疲労の評価の最終的な判定が「NO」である場合に、以下に述べる制御装置48による給水温度の制御が行われる。
制御装置48は、ステップ58の判定が「NO」である場合、すなわち、「累積損傷係数Ufが1以上である」という判定情報を判定装置44から入力したとき、ステップ58の判定が「YES」になるように、給水23の温度を増加させる制御を実行する。制御装置48は、抽気流量調節弁40の開度を増大させ、高圧給水加熱器37に供給する抽気蒸気の流量を増大させる。これによって、RPV3に供給される給水23の温度は、少なくとも1℃以上、上昇される。
給水温度の上昇によって、その上昇の度合いに対応して原子炉出力が減少する。BWR発電プラントは、累積損傷係数Ufが1以上になった時点以降の、上記の運転サイクルの残りの期間において、その状態で運転が継続される。制御装置48によって給水温度を上昇させる制御を行わせるために、オペレータは、変更された給水温度の設定値を入力装置46から入力する。この変更された給水温度設定値は、制御装置48に入力される。ステップ58の判定が「YES」になるまで、給水温度設定値の変更が繰り返され、制御装置48は変更されたそれらの給水温度設定値を用いて抽気蒸気量の制御により給水温度を調節する。監視装置42は、温度検出器41の測定値に基づいて給水ノズル12の構成部材の健全性評価を繰り返して行う。
演算装置43及び判定装置44で実行されるそれぞれの機能2の処理について説明する。機能2の処理においても、事前に記憶装置45に記憶されている前述の情報が用いられる。
まず、演算装置43で実行される機能2の演算処理を、図11に基づいて説明する。演算装置43で実行されるステップ59,60で用いられる過去のデータは、ステップ53及び54にて今までに算出された非定常熱応力σalt及び累積損傷係数Ufのそれぞれの時系列データである。ステップ59において、非定常熱応力σaltが予測される。この予測は、記憶装置45に記憶されている過去のデータ(非定常熱応力σaltの時系列データ)を用いて、例えば、最小二乗法により近似して非定常熱応力σaltの第1の予測式を導き出すことによって行われる。この第1の予測式を用いて、目標として設定した日(例えば、定期検査日)における給水ノズル12のノズルコーナ部16での非定常熱応力σaltを算出する。図13に示された予測カーブaが、第1の予測式を用いて予測した、現在から将来に亘って予測した非定常熱応力σaltの推移の一例を表している。予測した、目標である設定日(例えばM月D日)での非定常熱応力σaltは、例えば、Bであって、現在のその値であるAの1.2倍になっている。次のステップ60では、累積損傷係数Ufが予測される。ステップ60でも、ステップ59と同様に、予測式が導き出される。この予測式は、記憶装置45に記憶されている過去のデータ(累積損傷係数Ufの時系列データ)を用いて、例えば、最小二乗法により近似して得られる累積損傷係数Ufの第2の予測式である。この第2の予測式を用いて、目標として設定した日(例えば、定期検査日)における給水ノズル12のノズルコーナ部16での累積損傷係数Ufを算出する。図13に示された予測カーブbが、第2の予測式を用いて予測した、現在から将来に亘って予測した累積損傷係数Ufの推移の一例を表している。予測した、目標である設定日(例えばM月D日)での累積損傷係数Ufは、例えば、Dであって、現在のその値であるCの5.0倍になっている。予測カーブaで示される、現在から将来に亘って予測した非定常熱応力σaltの推移を示す情報、及び予測カーブbで示される、現在から将来に亘って予測した累積損傷係数Ufの推移の情報は、演算装置43から表示装置47に出力されて表示装置47に表示される。
判定装置44で実行される機能2の判定処理を、図12を用いて説明する。機能2の判定処理は、ステップ61及び62の処理を含んでいる。ステップ59で予測された非定常熱応力σaltが疲労限応力σcr未満であるかが判定される(ステップ61)。疲労限応力σcrは、給水ノズル12の材料の疲労限応力σcrである。ステップ61の処理の後に、ステップ60で予測された累積損傷係数Ufが累積損傷係数設定値Ufcr未満であるかが判定される(ステップ62)。累積損傷係数設定値Ufcrは1である。ステップ61及び62の判定結果の情報(「YES」または「NO」)は、表示装置47に出力されて表示される。ステップ62の判定が「NO」であれば、「累積損傷係数Ufが1以上である」という判定情報が制御装置48に出力される。ステップ61及び62の判定結果の情報(「YES」または「NO」の情報)が、制御装置48に出力される。
制御装置48は、ステップ58の判定が「NO」である場合、すなわち、「累積損傷係数Ufが1以上である」という判定情報を入力したとき、ステップ62の判定が「YES」になるように、前述した機能1の場合のように抽気流量調節弁40の開度を制御し、給水23の温度を調節する。この制御によって、RPV3に供給される給水23の温度は、少なくとも1℃以上、上昇される。
BWR発電プラントは、累積損傷係数Ufが1以上になった時点以降の、上記の運転サイクルの残りの期間において、給水温度を減少させた状態で運転が継続される。
判定装置44で行われる機能2の判定処理は、前述したように、ステップ61での非定常熱応力σaltの判定処理とステップ62での累積損傷係数Ufの判定処理がある。ステップ61での非定常熱応力σaltの判定処理の一例を、図13を用いて説明する。図13に示す例では、設定日(M月D日)における非定常熱応力σaltはB(MPa)であり(現在の値Aの1.2倍)、疲労限応力σcr未満である。このため、ステップ61の判定は「YES」となり、次回の定期検査までの間で非定常熱応力σaltが疲労限応力σcrを超えないのでBWR発電プラント1を次回の定期検査まで継続して運転することができる。
ステップ62での累積損傷係数Ufの判定処理の一例を、図13を用いて説明する。図13に示す例では、設定日(M月D日)における累積損傷係数UfはDである。この予測された累積損傷係数Ufは、現在の値Cの5.0倍であるが、累積損傷係数設定値Ufcr、すなわち、1未満である。このため、ステップ62の判定は「YES」となり、次回の定期検査までの間で累積損傷係数Ufが累積損傷係数設定値Ufcrを超えないのでBWR発電プラント1を次回の定期検査まで継続して運転することができる。図13に示す例では、設定日(M月D日)より後に予想した累積損傷係数Ufが1に到達する。予想した累積損傷係数Ufが1になる日時が分かれば、次の定期検査までのBWR発電プラントの運転の仕方(運転条件の変更)やBWR発電プラント1の改造をいつの定期検査で行えばよいかを知ることができる。この改造工事は、例えば、定期点検期間中の工事であるため、大規模な工事は実施できない。これを実現する方法として、給水ノズル12内面とサーマルスリーブ13外面との間の環状流路14の幅を広くすることが考えられる。具体的には、従来よりも細い外径のサーマルスリーブに取り替えることで改造作業は終了する。これにより、運転条件を変更する前の通常の運転を行ったとしても、環状流路14の幅を広くすることで温度揺らぎ幅を小さくでき、さらには非定常熱応力も小さくできる。一方、運転条件の変更に関して運転条件の調整範囲を広げることを目的に、例えば、大規模な工事として、抽気配管39Bを内径がより大きな配管に取り替える工事が考えられる。これにより、次の運転サイクル(第2運転サイクル)におけるBWR発電プラント1の抽気配管の内径は、その前の運転サイクル(第1運転サイクル)におけるBWR発電プラント1の抽気配管の内径よりも大きくなる。抽気配管39Bの内径を大きくすれば、高圧給水加熱器37に供給する抽気蒸気量を増やすことができ、給水温度をそれだけ上昇させることができる。
BWR発電プラント1の改造を行う必要がある定期検査を決定する例を、図14を用いて説明する。例えば、表示装置47に表示された累積損傷係数Ufの予測カーブbが1に到達する日時が分かれば、その日時の直ぐ後に行う定期検査(またはその日時の直ぐ前に行う定期検査)でBWR発電プラント1の改造工事を行う必要がある。その日時の直ぐ後に行う定期検査でその改造工事を行う場合には、次回の定期検査のために、つまりプラントの運転を停止するまでの間、前述したように、累積損傷係数が1未満になるように給水温度等を変更する必要がある。
図14は、ケースAにおいて次回の定期検査前に累積損傷係数Ufが1に到達する場合を、ケースBにおいて次回定期検査後に累積損傷係数Ufが1に到達する場合をそれぞれ示している。ケースAでは、次回の定期検査前で累積損傷係数Ufが1に達した日に、BWR発電プラント1を計画外停止させないためにも前述したように給水温度の設定値(運転条件)を変更し、制御装置48による抽気流量調節弁40の開度を増大させる制御が行われる。さらに、抽気流量調節弁40の開度増大後において演算装置43がステップ54で算出した累積損傷係数Ufを反映し、演算装置43はステップ59において修正第2予測式を導き出す。この修正第2予測式を用いて、修正予測カーブb1で示される、将来に亘って予測した累積損傷係数Ufの推移の情報を算出する。累積損傷係数Ufは、制御装置48による給水温度の制御によって、次回の定期検査まで1未満になるので、BWR発電プラント1の運転を継続することができる。したがって、BWR発電プラント1の改造工事は、次回の定期検査において実施できることになる。
次回の定期検査よりも後で累積損傷係数Ufが1に到達するケースBでは、次回の定期検査においてBWR発電プラント1の改造工事を実施すればよい。
前述した機能1及び機能2の各判定処理において、判定装置44から「累積損傷係数Ufが1以上である」という判定情報を入力した制御装置48が実行する制御の内容を、図15に基づいて説明する。制御装置48は、判定装置44から「累積損傷係数Ufが1以上である」という判定情報を入力したとき、変更された給水温度の設定値を満足するように、抽気流量調節弁40の開度を増大させる。高圧タービン30から高圧給水加熱器37に供給される抽気蒸気量が増大し、注水ノズル19から、ダウンカマ11の上方に位置する、RPV3の外周部に供給される給水23の温度が上昇する。このため、ステップ51(図8参照)で算出される流体の温度差ΔTinが小さくなり、ステップ53で算出される非定常熱応力σaltが低減され、ステップ54で算出される累積損傷係数Ufも小さくなる。給水ノズル12の熱疲労が低減されてその構造健全性が向上する。
このような制御装置48の作用により給水温度が低下された状態で、次回の定期検査前の運転サイクルでの運転が終了する。この定期検査において、前述した細い外径のサーマルスリーブに取り替えることで改造作業が実施される。
本実施例によれば、予測された累積損傷係数がその設定値以上になるとき、給水配管34に設けられた高圧給水加熱器37に供給される蒸気の流量が増加されるので、RPV3内に供給される給水23の温度が上昇する。このため、給水ノズル12のノズルコーナ部16付近の流体の温度揺らぎ幅及び発生頻度を減少させることができ、予測された累積損傷係数がその設定値以上になった時点以降の、運転サイクルの残りの期間において、BWR発電プラント1の運転を継続させることができる。したがって、BWR発電プラント1の稼働率を向上させることができる。
監視装置42は、既設、新設及びそれらの電気出力を向上する原子力発電プラントに適用できるとともに、給水ノズル部分に発生確率の小さい不具合が生じたとしてもプラントの運転条件を変更することによって原子力発電プラントを停止させる必要がないため、原子力発電プラントの稼働率を向上させることができる。
本実施例は、データベースBに含まれる減衰係数分布情報を用いて、温度検出器41から出力された温度計測値の時系列データに基づいて算出される流体温度揺らぎ幅の妥当性を検証及び補正できるため、温度変動と高低温水の温度差から求められる温度揺らぎ幅の評価精度を向上できる。この温度揺らぎ幅は非定常熱応力の算出に使用される重要な係数であり、非定常熱応力の評価精度も向上できる。
本実施例は、データベースCに含まれる周波数特性情報を用いて温度検出器41から出力された温度計測値の時系列データに基づいて求められる周波数特性の妥当性を検証及び補正できるため、周波数特性の評価精度を向上できる。この周波数特性は卓越周波数の有無を確認するために重要な特性であり、周波数特性の評価精度向上は無次元応力範囲の評価精度の向上及び非定常熱応力の評価精度の向上をもたらす。
本実施例は、データベースDに含まれる熱伝達増倍係数の情報を用いてビオ数を求めている。まず、定常熱伝達率及び熱伝達増倍係数を基に非定常熱伝達率を求め、その非定常熱伝達率を用いてビオ数を求めている。ビオ数は無次元応力範囲を決めるために重要な係数であり、無次元応力範囲は非定常熱応力の算出式に使用される係数である。熱伝達増倍係数を精度良く求めることができるので、ビオ数及び無次元応力範囲の評価精度を5%程度向上させることができる。さらに非定常熱応力の評価精度も向上する。
本実施例は、データベースEに含まれる応力割増係数の情報を用いて非定常熱応力を求めている。この応力割増係数は非定常熱応力の算出に使用される重要な係数であり、この応力割増係数を用いることによって、非定常熱応力の評価精度を向上できる。
本実施例は、データベースB,C,D及びEに含まれる上記の各情報を用いて給水ノズル12の熱疲労の評価を行っているので、それぞれの情報を用いた上記の評価精度の向上が加味され、その熱疲労の評価精度をさらに向上させることができる。
本実施例は、温度検出器41によってノズルコーナ部16付近の冷却水27の温度を測定しているので、ノズルコーナ部16付近の温度を精度良く測定することができる。給水ノズル12の内面の温度の測定は、ノズルコーナ部16付近の冷却水27の温度を測定に比べて、精度良く測定することが困難である。給水ノズル12は圧力境界であるので、非接触の温度測定(例えば、赤外線サーモグラフィ、放射温度計)も有効である。
判定装置44で実行される機能1の判定処理(図9)は、以下のようにしてもよい。すなわち、ステップ55の判定が「NO」であるとき、ステップ56の判定を実行する。さらに、ステップ56の判定が「NO」である場合にステップ57の判定を実行し、ステップ57の判定が「NO」である場合にステップ58の判定を実行する。ステップ58の判定が「NO」であれば、「累積損傷係数Ufが1以上である」という判定情報が制御装置48に出力される。各ステップの判定結果の情報は表示装置47に出力されて表示される。もし、ステップ58よりも前のステップでの判定が「YES」になったときには、それよりも後の判定処理は中止される。例えば、ステップ56での判定が「YES」の場合には、ステップ57,58の処理は実行されないが、現状の余裕確認のためステップ58まで実行する。
判定装置44で実行される機能2の判定処理(図12)は、以下のように行うことも可能である。すなわち、ステップ61の判定が「NO」であるときに、ステップ62の判定を実行する。ステップ62の判定が「NO」であれば、「累積損傷係数Ufが1以上である」という判定情報が制御装置48に出力される。ステップ61の判定が「YES」であれば、ステップ62の処理を実行しないが、現状の余裕確認のためステップ62まで実行する。
本発明の他の実施例である実施例2のBWR発電プラントを、図17及び図18を用いて説明する。本実施例のBWR発電プラント1Aは、前述のBWR発電プラント1において制御装置48を制御装置48Aに替えた構成を有する。BWR発電プラント1Aの他の構成は、BWR発電プラント1の構成と同じである。
実施例1と異なる制御装置48Aの機能について説明する。制御装置48Aは、図18に示す制御を実行する。制御装置48Aは、判定装置44が機能1及び機能2の各判定処理において「累積損傷係数Ufが1以上である」という判定情報を出力したとき、この判定情報を入力する。この判定情報を入力した制御装置48Aは、抽気流量調節弁40の開度ではなく再循環ポンプ7の回転数を低下させる制御を実行する。再循環ポンプ7の回転数は、制御装置48Aによって、次回の定期検査を行うためにBWR発電プラント1Aの運転が停止されるまで累積損傷係数Ufが1未満を持続するように低減される。このような制御は、オペレータが、入力装置46から再循環ポンプ7の回転数の設定値(または炉心流量の設定値)に入力し、制御装置48Aがこの設定値に基づいて再循環ポンプ7の回転数を制御することによって行われる。
再循環ポンプ7の回転数を低下させる制御によって、再循環配管8内を流れる冷却水の流量が減少し、ジェットポンプ6から吐出されて炉心4に供給される冷却水27の流量(炉心流量)が減少する。このため、ステップ5(図参照)で算出される流体温度揺らぎ幅ΔT が小さくなり、ステップ53で算出される非定常熱応力σaltが低減され、ステップ54(図参照)で算出される累積損傷係数Ufも小さくなる。給水ノズル12の熱疲労が低減されてその構造健全性が向上する。
炉心流量を減少させることによって累積損傷係数Ufが小さくなる理由を以下に説明する。熱疲労の発生要因として懸念される上記した3つの要因のうち、(B)に示すように、ダウンカマ11よりも上方の領域であるRPV3の外周部の上部から流下してくる冷却水27の流れによって、環状流路14内に形成されている熱成層界面26が変動する。上記したように炉心流量の減少に伴ってRPV3の外周部を流下する冷却水量が減少することによって、環状流路14内の温度揺らぎ幅が小さくなる。したがって、非定常熱応力σalt及び累積損傷係数Ufも小さくなる。
本実施例は、実施例1で生じる効果を得ることができる。本実施例は、累積損傷係数Ufが1以上である場合に、炉心流量を減少させるので、給水温度を低下させる実施例1に比べて、RPV3以外の機器に負担を掛けずにRPV3に設置された機器を操作することにより熱疲労抑制効果を得ることができる。
実施例1及び2では温度検出器41によって給水ノズル12のノズルコーナ部16付近での冷却水27の温度を検出しているが、ノズルコーナ部16の内面の温度またはその外面の温度を検出し、この温度の計測値を演算装置43に入力することも可能である。これらの実施例は、再循環ポンプ7の替りにインターナルポンプを用いたBWR発電プラントに適用することもできる。
本発明の好適な一実施例である沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。 図1に示す原子炉の概略構成図である。 図2のIII−III断面図である。 図1に示す温度検出器の給水ノズル付近での配置を示す説明図である。 図1に示す記憶装置内のデータベースA,B,Cに記憶されている各情報を示す説明図である。 図1に示す記憶装置内のデータベースD,E,Fに記憶されている各情報を示す説明図である。 図1に示す記憶装置内のデータベースG,Hに記憶されている各情報を示す説明図である。 ビオ数Biと最大無次元応力範囲Δσ maxとの関係を示す特性図である。 図1に示す演算装置で実行される現在評価の機能の処理手順を示す説明図である。 図1に示す判定装置で実行される現在評価の機能の処理手順を示す説明図である。 図1に示す演算装置で実行される将来評価の機能の処理手順を示す説明図である。 図1に示す判定装置で実行される将来評価の機能の処理手順を示す説明図である。 図1に示す判定装置で実行されるステップ61,62の処理の具体例を示す説明図である。 図1に示す判定装置で実行されるステップ62の一例を示す説明図である。 図1に示す制御装置で実行される制御の一例を示す説明図である。 給水ノズルで生じる熱疲労の要因を説明するための給水ノズル付近の拡大構成図である。 本発明の他の実施例である沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。 図17に示す制御装置で実行される制御の一例を示す説明図である。
符号の説明
1,1A…沸騰水型原子力発電プラント、2…原子炉、3…原子炉圧力容器、4…炉心、5…炉心シュラウド、6…ジェットポンプ、7…再循環ポンプ、11…ダウンカマ、12…給水ノズル、13…サーマルスリーブ、14…環状流路、16…ノズルコーナ部、17…給水スパージャ、19…注水ノズル、23…給水、26…熱成層界面、27…冷却水、28…跳ね返り水、29…主蒸気配管、30…高圧タービン、32…低圧タービン、34…給水配管、35…低圧給水加熱器、37…高圧給水加熱器、39A〜39E…抽気配管、40…抽気流量調節弁、41…温度検出器、42…監視装置、43…演算装置、44…判定装置、45…記憶装置、48,48A…制御装置。

Claims (14)

  1. 給水ノズルを有する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器に接続された主蒸気配管と、前記原子炉容器内で発生して前記主蒸気配管内を導かれる蒸気が供給されるタービンと、前記タービンを通過した前記蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器で生成された凝縮水を給水として導き、前記給水ノズルに接続された給水配管と、前記給水配管に連絡され、前記給水ノズル内に配置されたサーマルスリーブと、前記原子炉圧力容器内に配置されて前記サーマルスリーブに接続され、前記給水を吐出する複数の注水ノズルを有する給水スパージャと、前記給水配管に設けられた前記給水を加熱する給水加熱器と、前記タービン及び前記主蒸気配管の少なくとも1つから抽気された蒸気を前記給水加熱器に導く少なくとも1本の抽気配管と、前記抽気配管に設けられた流量調節弁と、前記給水ノズル付近の温度を検出する温度検出装置と、監視装置と、制御装置とを備え、
    前記給水ノズルの構造部材の縦弾性係数をE、その構造部材の熱膨張係数をα、ポアソン比をν 、最大無次元応力範囲をΔσ max 、及び応力割増係数をKtとしたとき、前記監視装置は、前記温度検出装置から出力された温度計測値の時系列データに基づいて温度揺らぎ幅ΔT を求めて下記の式により、複数の非定常熱応力の計算値を求め、
    σ alt =Kt・E・α・(ΔT /2)・(1−ν )・Δσ max
    求められた複数の非定常熱応力の計算値に基づいて将来における前記非定常熱応力を予測し、予測された前記非定常熱応力非定常熱応力第1設定値未満であるかを判定し、前記予測された前記非定常熱応力が前記第1設定値以上になるときには、前記温度計測値の時系列データに基づいて、前記給水ノズルの熱疲労評価を行い、この熱疲労の評価で求められた複数の累積損傷係数の計算値に基づいて将来における前記累積損傷係数を予測し、予測された前記累積損傷係数が累積損傷係数の第2設定値未満であるかを判定し、
    前記制御装置は、前記予測された累積損傷係数が前記第2設定値以上になるとき、前記流量調節弁の開度を増加させることを特徴とする原子力プラント。
  2. 給水ノズルを有する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器に接続された主蒸気配管と、前記原子炉容器内で発生して前記主蒸気配管内を導かれる蒸気が供給されるタービンと、前記タービンを通過した前記蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器で生成された凝縮水を給水として導き、前記給水ノズルに接続された給水配管と、前記給水配管に連絡され、前記給水ノズル内に配置されたサーマルスリーブと、前記原子炉圧力容器内に配置されて前記サーマルスリーブに接続され、前記給水を吐出する複数の注水ノズルを有する給水スパージャと、前記給水配管に設けられた前記給水を加熱する給水加熱器と、前記タービン及び前記主蒸気配管の少なくとも1つから抽気された蒸気を前記給水加熱器に導く少なくとも1本の抽気配管と、前記抽気配管に設けられた流量調節弁と、前記給水ノズル付近の温度を検出する温度検出装置と、監視装置と、制御装置とを備え、
    前記給水ノズルの構造部材の縦弾性係数をE、その構造部材の熱膨張係数をα、ポアソン比をν 、最大無次元応力範囲をΔσ max 、及び応力割増係数をKtとしたとき、前記監視装置は、前記温度検出装置から出力された温度計測値の時系列データに基づいて温度揺らぎ幅ΔT を求めて下記の式により、複数の非定常熱応力の計算値を求め、
    σ alt =Kt・E・α・(ΔT /2)・(1−ν )・Δσ max
    求められた複数の非定常熱応力の計算値に基づいて将来における前記非定常熱応力を予測し、予測された前記非定常熱応力が非定常熱応力の第1設定値未満であるかを判定し、前記予測された前記非定常熱応力が前記第1設定値以上になるときには、前記温度計測値の時系列データに基づいて、前記給水ノズルの熱疲労評価を行い、この熱疲労の評価で求められた複数の累積損傷係数の計算値に基づいて将来における前記累積損傷係数を予測し、予測された前記累積損傷係数が累積損傷係数の第2設定値未満であるかを判定し、
    前記制御装置は、前記予測された累積損傷係数が前記第2設定値以上になるとき、前記原子炉圧力容器内の炉心に供給する冷却材流量を減少させることを特徴とする原子力プラント。
  3. 前記制御装置は、前記冷却材流量の減少を、前記炉心に前記冷却材を供給するポンプを制御することにより前記冷却材流量の減少させる請求項2に記載の原子力プラント。
  4. 前記監視装置は、前記温度計測値の時系列データに基づいて前記累積損傷係数を求め、この累積損傷係数と累積損傷係数設定値を比較することによって前記熱疲労の評価を行う請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の原子力プラント。
  5. 前記監視装置は、前記温度計測値の時系列データに基づいて前記温度揺らぎ幅の発生頻度を求め、前記温度揺らぎ幅及び前記発生頻度を用いて前記累積損傷係数を求める請求項4に記載の原子力プラント。
  6. 前記監視装置は、給水ノズル付近の温度変動の周波数とパワースペクトル密度の関係を示す第3情報及び前記時系列データに基づいて得られる無次元周波数、及びビオ数を用いて、前記最大無次元応力範囲の情報を求める請求項1または2に記載の原子力プラント。
  7. 前記監視装置は、熱伝達増倍係数、及び前記環状領域内の流体と給水ノズルの内面の間の定常熱伝達率に基づいて、非定常熱伝達率を求め、この非定常熱伝達率を用いて前記ビオ数を求める請求項6に記載の原子力プラント。
  8. 前記監視装置は、熱伝達増倍係数、及び前記環状領域内の流体と給水ノズルの内面の間の定常熱伝達率に基づいて、非定常熱伝達率を求め、この非定常熱伝達率を用いてビオ数を求め、求められた前記ビオ数、及びビオ数と最大無次元応力範囲の関係を示す第4情報に基づいて最大無次元応力範囲の情報を求める請求項1または2に記載の原子力プラント。
  9. 前記監視装置は、前記原子炉圧力容器内に供給される前記給水の温度と前記原子炉圧力容器内の冷却材の温度との温度差情報を求め、この温度差情報と温度差設定値を比較することによって前記熱疲労の評価を行う請求項1または2に記載の原子力プラント。
  10. 前記監視装置は、前記温度計測値の時系列データに基づいて、前記給水ノズルと前記サーマルスリーブの間に形成された環状領域内での、前記給水ノズルの軸方向における温度の減衰係数分布情報を求め、前記環状領域内の軸方向における最大温度揺らぎ幅を表す最大減衰係数の分布を示す第2情報、及び前記減衰係数分布情報に基づいて最大減衰係数を求め、前記原子炉圧力容器内に供給される前記給水の温度と前記原子炉圧力容器内の冷却材の温度の温度差情報を求め、求められた前記最大減衰係数及び前記温度差情報に基づいて、前記環状領域内の流体の温度揺らぎ幅を求め、この温度揺らぎ幅と温度揺らぎ幅設定値を比較することによって前記熱疲労の評価を行う請求項1または2に記載の原子力プラント。
  11. 給水ノズルを有する原子炉圧力容器と、前記給水ノズル内に配置されたサーマルスリーブと、前記原子炉圧力容器内に配置されて前記サーマルスリーブに接続され、給水を吐出する複数の注水ノズルを有する給水スパージャと、給水加熱器が設けられて前記サーマルスリーブに接続され、前記給水を導く給水配管とを備えた原子力プラントの給水ノズルの熱疲労監視方法において、
    前記給水ノズルの構造部材の縦弾性係数をE、その構造部材の熱膨張係数をα、ポアソン比をν 、最大無次元応力範囲をΔσ max 、及び応力割増係数をKtとしたとき、前記給水ノズル付近の温度を検出する温度検出装置から出力された温度計測値の時系列データに基づいて、温度揺らぎ幅ΔT を求めて下記の式により、複数の非定常熱応力の計算値を求め、
    σ alt =Kt・E・α・(ΔT /2)・(1−ν )・Δσ max
    求められた複数の非定常熱応力の計算値に基づいて将来における前記非定常熱応力を予測し、予測された前記非定常熱応力が非定常熱応力の第1設定値未満であるかを判定し、前記予測された非定常熱応力が前記第1設定値以上になるときには、前記温度計測値の時系列データに基づいて、前記給水ノズルの熱疲労評価を行い、この熱疲労の評価で求められた複数の累積損傷係数の計算値に基づいて将来における前記累積損傷係数を予測し、予測された前記累積損傷係数が累積損傷係数の第2設定値未満であるかを判定し、前記予測された累積損傷係数が前記第2設定値以上になるとき、前記給水の温度を増加させることを特徴とする給水ノズルの熱疲労監視方法
  12. 給水ノズルを有する原子炉圧力容器と、前記給水ノズル内に配置されたサーマルスリーブと、前記原子炉圧力容器内に配置されて前記サーマルスリーブに接続され、給水を吐出する複数の注水ノズルを有する給水スパージャと、給水加熱器が設けられて前記サーマルスリーブに接続され、前記給水を導く給水配管とを備えた原子力プラントの給水ノズルの熱疲労監視方法において、
    前記給水ノズルの構造部材の縦弾性係数をE、その構造部材の熱膨張係数をα、ポアソン比をν 、最大無次元応力範囲をΔσ max 、及び応力割増係数をKtとしたとき、前記給水ノズル付近の温度を検出する温度検出装置から出力された温度計測値の時系列データに基づいて、温度揺らぎ幅ΔT を求めて下記の式により、複数の非定常熱応力の計算値を求め、
    σ alt =Kt・E・α・(ΔT /2)・(1−ν )・Δσ max
    求められた複数の非定常熱応力の計算値に基づいて将来における前記非定常熱応力を予測し、予測された前記非定常熱応力が非定常熱応力の第1設定値未満であるかを判定し、前記予測された非定常熱応力が前記第1設定値以上になるときには、前記温度計測値の時系列データに基づいて、前記給水ノズルの熱疲労評価を行い、この熱疲労の評価で求められた複数の累積損傷係数の計算値に基づいて将来における前記累積損傷係数を予測し、予測された前記累積損傷係数が累積損傷係数の第2設定値未満であるかを判定し、前記予測された累積損傷係数が前記第2設定値以上になるとき、前記原子炉圧力容器内の炉心に供給する冷却材流量を減少させることを特徴とする給水ノズルの熱疲労監視方法
  13. 給水ノズルを有する原子炉圧力容器と、前記給水ノズル内に配置されたサーマルスリーブと、前記原子炉圧力容器内に配置されて前記サーマルスリーブに接続され、給水を吐出する複数の注水ノズルを有する給水スパージャと、給水加熱器が設けられて前記サーマルスリーブに接続され、前記給水を導く給水配管とを備えた原子力プラントの運転方法において、
    前記給水ノズルの構造部材の縦弾性係数をE、その構造部材の熱膨張係数をα、ポアソン比をν 、最大無次元応力範囲をΔσ max 、及び応力割増係数をKtとしたとき、ある運転サイクルにおいて、前記給水ノズル付近の温度を検出する温度検出装置から出力された温度計測値の時系列データに基づいて、温度揺らぎ幅ΔT を求めて下記の式により、複数の非定常熱応力の計算値を求め、
    σ alt =Kt・E・α・(ΔT /2)・(1−ν )・Δσ max
    求められた複数の非定常熱応力の計算値に基づいて将来における前記非定常熱応力を予測し、予測された前記非定常熱応力が非定常熱応力の第1設定値未満であるかを判定し、前記予測された非定常熱応力が前記第1設定値以上になるときには、前記温度計測値の時系列データに基づいて、前記給水ノズルの熱疲労評価を行い、この熱疲労の評価で求められた複数の累積損傷係数の計算値に基づいて将来における前記累積損傷係数を予測し、予測された前記累積損傷係数が累積損傷係数の第2設定値未満であるかを判定し、前記運転サイクルの期間で前記予測された累積損傷係数が前記第2設定値以上になる時点以降において、前記給水の温度を増加させることを特徴とする原子力プラントの運転方法
  14. 給水ノズルを有する原子炉圧力容器と、前記給水ノズル内に配置されたサーマルスリーブと、前記原子炉圧力容器内に配置されて前記サーマルスリーブに接続され、給水を吐出する複数の注水ノズルを有する給水スパージャと、給水加熱器が設けられて前記サーマルスリーブに接続され、前記給水を導く給水配管とを備えた原子力プラントの運転方法において、
    前記給水ノズルの構造部材の縦弾性係数をE、その構造部材の熱膨張係数をα、ポアソン比をν 、最大無次元応力範囲をΔσ max 、及び応力割増係数をKtとしたとき、ある運転サイクルにおいて、前記給水ノズル付近の温度を検出する温度検出装置から出力された温度計測値の時系列データに基づいて、温度揺らぎ幅ΔT を求めて下記の式により、複数の非定常熱応力の計算値を求め、
    σ alt =Kt・E・α・(ΔT /2)・(1−ν )・Δσ max
    求められた複数の非定常熱応力の計算値に基づいて将来における前記非定常熱応力を予測し、予測された前記非定常熱応力が非定常熱応力の第1設定値未満であるかを判定し、前記予測された非定常熱応力が前記第1設定値以上になるときには、前記温度計測値の時系列データに基づいて、前記給水ノズルの熱疲労評価を行い、この熱疲労の評価で求められた複数の累積損傷係数の計算値に基づいて将来における前記累積損傷係数を予測し、予測された前記累積損傷係数が累積損傷係数の第2設定値未満であるかを判定し、前記運転サイクルの期間で前記予測された累積損傷係数が前記第2設定値以上になる時点以降において、前記原子炉圧力容器内の炉心に供給する冷却材流量を減少させることを特徴とする原子力プラントの運転方法
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