JP2013072602A - ボイラの蒸気量計測方法,ボイラの負荷分析方法,ボイラの蒸気量計測装置およびボイラの負荷分析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 蒸気ボイラ2からの蒸気量の時間的変動を連続的に計測するボイラの蒸気量計測方法であって、蒸気ボイラ2の蒸気流出路3A,3Bにおける第一検出位置と第二検出位置との間の差圧ΔPを計測する差圧計測ステップと、蒸気流出路3A,3Bに所定流量の蒸気または蒸気に代わる流体を流して計測した差圧ΔPと所定流量とから圧力損失係数Kを算出する圧力損失係数算出ステップと、差圧計測ステップで計測した差圧ΔPおよび圧力損失係数算出ステップで算出した圧力損失係数Kから蒸気量Xを連続的に算出し計測値として出力する蒸気量算出・出力ステップとを含む。
【選択図】図1
Description
前記蒸気ボイラの缶体または蒸気流出路の所定位置である第一検出位置と前記第一検出位置から下流側へ離間した前記蒸気流出路の第二検出位置との間の差圧ΔPを計測する差圧計測ステップと、
前記蒸気流出路に所定流量の蒸気または蒸気に代わる流体を流して計測した前記差圧ΔPと前記所定流量とから圧力損失係数Kを算出する圧力損失係数算出ステップと、
前記差圧計測ステップで計測した差圧ΔPおよび前記圧力損失係数算出ステップで算出した圧力損失係数Kから蒸気量Xを連続的に算出し計測値として出力する蒸気量算出・出力ステップとを含むボイラの蒸気量計測方法を特徴としている。
前記蒸気ボイラの缶体または蒸気流出路の所定位置である第一検出位置と前記第一検出位置から下流側へ離間した前記蒸気流出路の第二検出位置との間の差圧ΔPを計測する差圧検出手段と、
前記蒸気流出路に所定流量の蒸気または蒸気に代わる流体を流して計測した前記差圧ΔPと前記所定流量とから圧力損失係数Kを算出する圧力損失係数算出ステップと、前記差圧計測手段にて計測した差圧ΔPおよび前記圧力損失係数算出ステップで算出した圧力損失係数Kから蒸気量Xを連続的に算出し計測値として出力する蒸気量算出・出力ステップとを行う制御器とを備えるボイラの蒸気量計測装置を特徴としている。
差圧計測ステップは、前記ボイラの缶体,または缶体からの蒸気流出路(蒸気流出管または蒸気流出管路と言い換えることができる。)の所定位置である第一検出位置の圧力P1と、前記第一検出位置から下流側へ離間した前記蒸気流出路の第二検出位置の圧力P2との差である差圧ΔP(=P1―P2)を計測するステップである。
また、圧力損失係数算出ステップは、好ましくは、前記蒸気流出路に所定流量の蒸気を流して計測した前記差圧ΔPと前記所定流量とから圧力損失係数Kを算出するステップ(第一形態の算出ステップという。)である。しかしながら、前記蒸気流出路に蒸気に代わる所定流量の流体(気体または液体)を流して計測した前記差圧ΔPと前記所定流量とから圧力損失係数Kを算出するステップ(第二形態の算出ステップという。)とすることもできる。
ΔP=K×X2÷ρ・・・・・・式1
但し、ρは、圧力P1(あるいはP1とP2の平均値)における蒸気比重量(この値は既存の蒸気圧のみの関係式を利用して算出できる。)
ΔP=K’×ρ×V2/2・・・・・・式A
X=πR2×ρ×V・・・・・・式B
但し、Rは、蒸気流出路の管内半径である。
ΔP=(K’/2π2R4)×X2÷ρ=K×X2÷ρ
但し、K=K’/2π2R4
なお、式1では圧力損失算出式を蒸気量Xとの関係式で表現しているが、これに限定されるものではない。
できて、基準蒸気量X0を算出可能なデータがあれば、燃料流量Nおよび排ガス流速Mに限定されるものではない。たとえば、連続給水制御のボイラであれば給水量計測からも基準蒸気量X0を算出可能である。なお、前記算出元データは、燃料流量Nまたは排ガス流速Mだけを意味するのではなく、基準蒸気量X0を算出するために計測が必要なその他のデータを含む。
入熱量Q=燃料流量N×燃料比重×燃料低位発熱量(燃料低発熱量)
基準蒸気量X0=入熱量Q×ボイラ効率÷エンタルピー増加分
ップである。より具体的には、前記基準蒸気量X0を求めたときの前記差圧ΔPから前記圧力損失計算式1に基づき算出した蒸気量Xと、基準蒸気量X0とが等しいとして圧力損失係数Kを算出するようにしている。
ΔP=K×X2÷ρ1・・・・・・式2
但し、ρ1は、空気密度
また、蒸気量算出・出力ステップは、蒸気量算出ステップと蒸気量出力ステップとを含む。蒸気量算出ステップは、前記圧力損失係数算出ステップで算出した圧力損失係数Kに基づき、蒸気量Xを連続的に算出するステップである。具体的には、前記差圧計測ステップで計測した差圧ΔPと前記圧力損失係数算出ステップで算出した圧力損失係数Kとから前記圧力損失計算式1に基づき、蒸気量Xを連続的に算出するステップである。
前記蒸気ボイラの缶体または蒸気流出路の所定位置である第一検出位置と前記第一検出位置から下流側へ離間した前記蒸気流出路の第二検出位置との間の差圧ΔPを計測する差圧検出手段と、
前記蒸気流出路に所定流量の蒸気または蒸気に代わる流体を流して計測した前記差圧Δ
Pと前記所定流量とから圧力損失係数Kを算出する圧力損失係数算出ステップと、前記差圧計測手段にて計測した差圧ΔPおよび前記圧力損失係数算出ステップで算出した圧力損失係数Kから前記圧力損失計算式1に基づき、蒸気量Xを連続的に算出する蒸気量算出ステップと、算出した蒸気量Xを計測値として出力する蒸気量出力ステップとを行う制御器とを備えることを特徴とするボイラの蒸気量計測装置である。
この実施例1の蒸気量計測装置1は、蒸気ボイラ(以下、単にボイラと称する。)2の蒸気量X(蒸気流出路3Aの蒸気流量)を計測する装置である。この蒸気量計測装置1は、差圧検出手段4と、元データ計測手段5と、蒸気量Xの計測を制御する制御器6とを主要部として備える。
点校正を含む演算処理を随時行うように構成する。
ΔP=K×X2÷ρ・・・・・・式1
但し、ρは、P1から求めた蒸気比重量
つぎに、実施例1の動作を図面に基づき説明する。今、既設のボイラ2の蒸気量Xを、蒸気量計測装置1を用いて計測するものとする。まず、ボイラ2の運転停止状態において、図1に示すように、第一圧力センサ8,第二圧力センサ9,排ガス流速計12,排ガス酸素濃度計13,排ガス温度計14,給気温度計15,給水温度計16を取り付ける。この状態で、ボイラ2の運転を開始するとともに、蒸気量計測装置1の起動スイッチ(図示省略)をONして計測を開始する。
まず、圧力損失係数Kの算出について説明する。この圧力損失係数Kの算出は、缶体7の圧力,すなわち第一圧力センサ8の圧力P1が安定しているときに行われる。具体的には、蒸気量計測装置1を操作する計測者が、P1出力を観測し、5分間連続して圧力の変動幅±数%以下の場合に安定と判定して、係数算出スイッチ(図示省略)をONすることで、圧力損失係数Kの算出が行われる。勿論、安定の判定および係数算出スイッチの操作は、自動的に行うように構成できる。
2では、差圧ΔPを算出し入力する。
X0=(η×HL×N)/(h1−h2)・・・・・・式3
但し、X0:基準蒸気量(kg/h),η:ボイラ効率(%),HL:燃料低位発熱量(kcal/m3N),N:燃料流量(m3N/h),h1:飽和蒸気のエンタルピー(kcal/kg),h2:給水のエンタルピー(kcal/kg)
N=Y1/{G0+Gw+(m−1)×A0}・・・・・・式4
但し、Y1:排ガス標準流量(m3N/h),
(G0+Gw+(m−1)×A0):実際湿り排ガス量(m3N/m3N,fuel)
G0:理論乾き排ガス量(m3N/m3N,fuel)
Gw:燃焼によって生じる水蒸気及び燃料中の水分による水蒸気量(m3N/m3N,fuel)
(G0+Gw):理論排ガス量(m3N/m3N,fuel)
A0:理論空気量(m3N/m3N,fuel)
m:空気比
Y1=Y2×273/(273+T1)・・・・・・式5
但し、Y2:排ガス実流量(m3/h),T1:排ガス温度計14で計測した排ガス温度(℃)
Y2=M×S×3600・・・・・式6
但し、M:排ガス流速計12で計測した排ガス流速(m/s),S:排ガス流路の断面積(m2)
つぎに、蒸気量算出・出力手順、すなわち蒸気量計測手順について説明する。図3を参照して説明するに、S5で、式1に、S4で算出した圧力算出係数Kと連続的に計測する差圧ΔPを代入することにより、蒸気量Xを連続的に算出する。S6では、算出した蒸気量Xを表示器17に例えば、図4のように出力する。図4は、計測値である缶体内圧力P1と式1より算出した蒸気量Xとの時間的変化の一例を示す。なお、図4の横軸(時間軸)の数値は、時間:分:秒を示している。
Xを算出するので、刻々と変化する蒸気量Xを応答遅れなく計測できる。さらに、圧力損失係数Kの算出後は、燃料物性値に関係なく蒸気量Xを算出するので、燃料物性値が変化しても蒸気量Xを特許文献1,2の従来方法と比較して正確に算出することができる。この効果は、ボイラの燃料として、燃料性状が不安定な石炭やバイオ燃料などを使用している場合、あるいはボイラの制御変動が大きい場合に特に顕著である。
2 蒸気ボイラ
3A,3B 蒸気流出路
4 差圧検出手段
5 元データ計測手段
6 制御器
7 缶体
Claims (8)
- 蒸気ボイラからの蒸気量の時間的変動を連続的に計測するボイラの蒸気量計測方法であって、
前記蒸気ボイラの缶体または蒸気流出路の所定位置である第一検出位置と前記第一検出位置から下流側へ離間した前記蒸気流出路の第二検出位置との間の差圧ΔPを計測する差圧計測ステップと、
前記蒸気流出路に所定流量の蒸気または蒸気に代わる流体を流して計測した前記差圧ΔPと前記所定流量とから圧力損失係数Kを算出する圧力損失係数算出ステップと、
前記差圧計測ステップで計測した差圧ΔPおよび前記圧力損失係数算出ステップで算出した圧力損失係数Kから蒸気量Xを連続的に算出し計測値として出力する蒸気量算出・出力ステップとを含む
ことを特徴とするボイラの蒸気量計測方法。 - 前記圧力損失係数算出ステップは、
前記蒸気ボイラの基準蒸気量X0の算出元データを計測する算出元データ計測ステップと、
計測した前記算出元データから基準蒸気量X0を求める基準蒸気量算出ステップと、
前記基準蒸気量X0を求めたときの前記差圧ΔPから圧力損失係数Kを算出する係数算出ステップとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のボイラの蒸気量計測方法。 - 前記算出元データは、前記蒸気ボイラへの燃料流路の燃料流量Nまたは前記蒸気ボイラの排ガス流路の排ガス流速Mである
ことを特徴とする請求項2に記載のボイラの蒸気量計測方法。 - 請求項1に記載の蒸気量計測方法を用い、前記蒸気ボイラの蒸気使用負荷による最大蒸気使用量の測定および/または蒸気使用量の時間的変動の傾向測定を行う
ことを特徴とするボイラの負荷分析方法。 - 蒸気ボイラの蒸気量の時間的変動を連続的に計測するボイラの蒸気量計測装置であって、
前記蒸気ボイラの缶体または蒸気流出路の所定位置である第一検出位置と前記第一検出位置から下流側へ離間した前記蒸気流出路の第二検出位置との間の差圧ΔPを計測する差圧検出手段と、
前記蒸気流出路に所定流量の蒸気または蒸気に代わる流体を流して計測した前記差圧ΔPと前記所定流量とから圧力損失係数Kを算出する圧力損失係数算出ステップと、前記差圧計測手段にて計測した差圧ΔPおよび前記圧力損失係数算出ステップで算出した圧力損失係数Kから蒸気量Xを連続的に算出し計測値として出力する蒸気量算出・出力ステップとを行う制御器とを備える
ことを特徴とするボイラの蒸気量計測装置。 - 前記蒸気ボイラの基準蒸気量X0の算出元データを計測する元データ計測手段を備え、前記制御器による圧力損失係数算出ステップは、
計測した前記算出元データから基準蒸気量X0を求める基準蒸気量算出ステップと、
前記基準蒸気量X0を求めたときの前記差圧ΔPから圧力損失係数Kを算出する係数算出ステップとを含む
ことを特徴とする請求項5に記載のボイラの蒸気量計測装置。 - 前記元データ計測手段は、前記蒸気ボイラへの燃料流路の燃料流量Nを計測する燃料流
量計または前記蒸気ボイラの排ガス流路の排ガス流速Mを計測する排ガス流速計である
ことを特徴とする請求項6に記載のボイラの蒸気量計測装置。 - 請求項5に記載の蒸気量計測装置を備え、前記蒸気ボイラの蒸気使用負荷による最大蒸気使用量の測定および/または蒸気使用量の時間的変動の傾向測定を行うことを特徴とするボイラの負荷分析装置。
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