JP4791761B2 - 炭素含有耐火物 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融金属の処理炉、とくに、高炉、混銑車、取鍋、転炉、RH、あるいはAOD炉等の溶鋼処理炉の内張り材や、SN(スライディングノズル)プレート、注湯ノズル、浸漬ノズル、あるいはロングノズル等の連続鋳造用ノズル等に使用される炭素含有耐火物に関する。
係る用途の炭素含有耐火物としては、アルミナ−炭素質、アルミナ−炭化珪素−炭素質、マグネシア−炭素質、アルミナ−マグネシア−炭素質などが広く用いられている。
この炭素含有耐火物においては、製造時にバインダーとしてフェノール樹脂、タールあるいはピッチ等の有機バインダー等が使用されている。また、有機バインダーと併せて黒鉛あるいはカーボンブラック等の炭素原料が使用されることもある。そして加熱後にはカーボンボンドが生成していることがその特徴である。
カーボンボンドは、有機バインダーが加熱されることで炭化し生成するもので、耐火物の結合組織のひとつとして重要である。炭素含有耐火物の結合組織は複雑で、カーボンボンドに加えて、ガラス質、焼結ボンド等が複雑に絡み合っていると考えられている。この炭素含有耐火物には不焼成タイプと焼成タイプがあり、不焼成タイプの場合は使用時の受熱によりカーボンボンドが発達する。
この炭素含有耐火物はスラグに濡れ難く、しかも、耐熱衝撃性に優れていることから剥離損傷が少なく、安定した耐用性が得られる。
炭素含有耐火物における炭素含有量は、その用途によっても大きく異なり、少ないものではSNプレートの1〜3質量%のものから、多いものではマグネシアカーボンれんがの20〜40質量%含有するものがある。また、SNプレートの場合には、耐磨耗性や強度に対する要求レベルが高いため、その含有によって強度を低下することになる炭素含有量を下げている。他方において、マグネシアカーボンれんがは、マグネシア原料の熱膨張が大きいために、熱膨張による障害を緩和するために、黒鉛を比較的多く使用している。
しかし、炭素含有耐火物は炭素の存在による高い熱伝導率によって熱損失を招く欠点がある。また、容器内の溶融金属が溶鋼の場合には、耐火物中の炭素成分の溶鋼中への溶解によって製品の品質を低下させるいわゆるカーボンピックアップを生じる欠点がある。また、炭素の使用は強度の低下をもたらす傾向がある。この点から、炭素含有耐火物の炭素含有量は、耐熱衝撃性を低下させない範囲で極力少なくすることが望ましいといえる。
炭素含有耐火物において、炭素含有量を少なくするためには、耐スポーリング性に優れた耐火原料を使用することが有効である。例えば連続鋳造用ノズルの場合には、炭化珪素、アルミナジルコニア原料、ジルコニアムライト原料等を使用して耐熱衝撃性を改善することで炭素含有量を減らしている。
このように耐スポーリング性に優れた耐火原料の使用は低カーボン化には効果があるが、全ての炭素含有耐火物に使用できるものではなく、またその使用量は耐食性や強度の面から使用量に限界があり、改善が望まれている。
この炭素含有耐火物における耐スポーリング性の改善策としてカーボンボンドの形態が検討され、その検討結果に基づく提案が種々行われている。
例えば、特許文献1には、マグネシアカーボンれんがにおいて、メソフェーズピッチの添加は、強度向上に効果があると同時に弾性率を抑制することにより耐スポーリング性も向上する効果があると記載されている。しかしながら、このマグネシアカーボンれんがは、確かに耐スポーリング性は向上するものではあるが、さらに寿命を延ばすためには、強度の点で問題がある。
また、特許文献2には、カーボンブラックから得た超微粉黒鉛とフェノールレジンを合計で5%添加したマグネシアカーボンれんがが記載されている。超微粉黒鉛としては平均粒子径が500nm以下のものを使用しており、これによって、耐火物のマトリックス中の気孔構造を微細なものとし、これによって、粒子自体の耐食性及び耐酸化性が改善され、結果として耐熱衝撃性、耐食性さらには耐酸化性が改善されると記載されている。しかしながら、実炉への適用に際してはさらに強度の改善が必要とされる。
特開平5−4861号公報 特開2002−265211号公報
本発明の解決課題は、優れた強度と耐熱衝撃性とを兼ね備え、優れた耐スラグ浸透性を維持でき、十分な耐用性を有する炭素含有耐火物を提供することにある。
本発明は、原料としてフラーレン類を添加した炭素含有耐火物は、破壊抵抗係数が大きくなり、その結果として耐スポーリング性と強度とが同時に向上するという知見に基づいて完成した。
すなわち、本発明は、耐火原料粉末に、それぞれ外掛けでフラーレン類5質量%以下と有機バインダーとして熱硬化性有機樹脂を1〜5質量%とを添加後、混練、成形、熱処理してなることを特徴とする。
フラーレン類とは、炭素原子がカゴ状に結び付いてできた中空のボール状分子であり、代表的なC60の構造は60個の炭素原子が正六角形20個と正五角形12個からなる球状の切頭二十面体を構成する炭素化合物である。このフラーレン類は従来知られていたグラファイト、ダイヤモンドに次ぐ炭素第三の同素体であるが、これら従来の炭素材料とは全く異なる特異な構造と物性を有するため、大きく注目されている。例えば、C60やC70は炭素物質でありながら、トルエン等の有機溶媒に溶解するため、その精製、分離も容易である。また、その対称性の極めて高い立体構造およびこれに基づく特異な電子構造と共に、これらフラーレン類は内部に異種の元素を閉じ込めたり、外部を種々の官能基で修飾することが可能であり、物性のコントロールや機能性材料としての応用について盛んに研究が行われている。例えば、ダイヤモンドコーティング、電池材料、塗料、断熱材、潤滑材、化粧品等の分野への利用が期待されている。
本発明に用いられるフラーレン類は、C2nで表わされる通常のフラーレン、あるいはこれらの修飾体が挙げられ、通常のフラーレンとしては、代表的なC60、C70や、C84、C120等の高次フラーレンを用いることが可能である。
これらフラーレン類は通常、アーク放電法、抵抗加熱法、燃焼法等で得られる煤中で混合物の形で存在し、溶媒抽出法等により煤から分離し、さらにそれぞれの成分に精製して得られるが、この各成分への精製前の混合物を用いることも可能であるし、精製後の単独物を混合して用いることも可能である。混合物中のフラーレン種は特に規定されないが、前述のフラーレン種を20質量%以上、特に50質量%以上含有するものが性能、および価格の面で好適である。これらフラーレン類の具体的製品として、フロンティアカーボン(株)製ナノムパープル(C60)、ナノムオレンジ(C70)、ナノムミックス(C60を55質量%以上、C70を20質量%以上含むフラーレン類の混合物)、ナノムブラック(フラーレン含有煤よりフラーレン類を除いたもの)が挙げられる。
フラーレンの修飾体としては、水素化物、フッ素化物、酸化物、水酸化物、マロン酸付加物、フェニル5重付加物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても混合して用いても構わない。
フラーレン類は、少量でも著しい効果が得られ、その使用量は耐火原料粉末に対して外掛けで5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。5質量%を超えると耐火物として十分な強度が得られなくなる。フラーレン類は粉末状で使用しても良いし、トルエン等の溶媒に溶解して使用してもよい。
耐火原料粉末にフラーレン類と有機バインダーを配合し、混練、成形後、高温で熱処理した耐火物を高倍率の電子顕微鏡で観察すると、結合組織中に添加したフラーレン類に加え直径5〜10nm、長さが100〜300nmのカーボンナノファイバーの生成が認められる。このカーボンナノファイバーは、組織中に均一に分布して生成し、その量も添加したフラーレン類より多い。このことから、添加したフラーレン類及び有機バインダーの一部がカーボンナノファイバーの形成に寄与したものと考えられる。
つまり、フラーレン類の使用は、それ自身があるいは有機バインダーを熱処理して得られる炭化物の一部がファイバー状に変化し、炭化物に可撓性及び引き抜き効果による靭性を付与し、より亀裂の伝播がしにくくなるため耐火物の破壊抵抗性を著しく増大させると考えられる。この現象は前述のフラーレンの特徴である正六角形と正五角形から構成される。
炭素化合物の構造に起因するものであって、従来のフェノール樹脂の炭化物の正六角形のみの構造ではこのようなファイバー状の3次元的な立体的な炭素構造をもたらしにくいと考えられる。
このフラーレン類使用の効果は、有機バインダーとして熱硬化性有機樹脂とともに、さらに、ピッチと併用すると大きくなる。これは、電子顕微鏡で観察すると、その併用によってより多くのカーボンナノファイバーが生成し、ピッチの一部がナノファイバーとして変化したものと推定される。これはピッチとフラーレン類が一体化しやすいためで、より破壊抵抗性に優れたファイバー強化による構造を呈しやすい効果も加わると考えられる。
このように、カーボンボンドの生成時にフラーレン類が存在することで強度と耐スポーリング性が飛躍的に向上するため、炭素含有耐火物において炭素含有量を減らすことができる。とくに、従来から炭素含有耐火物で使用されてきた黒鉛の量を減らす効果が大きく、その結果強度が向上し、カーボンピックアップも少なくなる。とくに、黒鉛使用量が10質量%以下の炭素含有耐火物において顕著な効果が得られる。
使用する耐火原料粉末としては、適正な粒度構成になるように粒度が調整された通常の炭素含有耐火物の製造に使用される耐火性酸化物、炭化物、窒化物、硼化物、金属、炭素材料等を含む混合物が使用できる。炭素材料としては、黒鉛、カーボンブラック等が使用できる。さらに、鉄、コバルト、ニッケルなどを添加するとカーボンナノファイバーの生成促進効果が得られる。
有機バインダーは、加熱により炭化してカーボンボンドを生成し、この点から熱硬化性有機樹脂、タールあるいはピッチ等を使用することができる。熱硬化性有機樹脂としては、フラーレン類添加による耐熱衝撃性向上効果が高い点からは、フェノール樹脂またはフラン樹脂がより好ましい。フェノール樹脂はノボラックでもレゾールでも使用可能である。また、シリコン樹脂等と組合わせて使用しても問題ない。有機バインダーとしての熱硬化性有機樹脂の添加量、1〜5質量%とする。1質量%未満では炭素ボンドが不足してフラーレン類の耐熱衝撃性改善効果が不十分となり、5質量%を超えるとフラーレン類を使用して炭素を減少する効果が生きてこない。この有機バインダーの添加量は、溶剤を除く正味の量を意味する。
タールやピッチも一般的に耐火物に使用しているものであれば、特に問題なく使用することができ、例えば軟化点の異なる軟ピッチ、中ピッチ、硬ピッチやメソフェーズピッチが使用できる。常温で固体のものでも、また、溶剤に溶かしたものでも使用できる。ピッチの添加量は、耐火原料粉末に対して外掛けで0.5〜5質量%が好ましい。0.5質量%未満では、カーボンナノファイバーの生成が不十分であり、5質量%を超えると気孔率が高くなり耐食性が低下する。
本発明の炭素含有耐火物は、転炉、RH、取鍋、電気炉等の溶鋼の精錬用容器に内張り用として一般的に使用されているマグネシアと黒鉛を主原料とし、有機バインダーをバインダーとしたマグネシアカーボンれんがに適用すると、耐スポーリング性が大幅に向上するため黒鉛の使用量を減らすことができる。そして、このマグネシアカーボンれんがは、耐火原料粉末としてマグネシア原料を80質量%以上含有するものがより好ましく、80質量%未満では耐食性が不十分である。
また、本発明の炭素含有耐火物を、主として取鍋等に使用されるアルミナ−マグネシア−カーボンれんがやスピネル−マグネシア−カーボンれんがに適用した場合、黒鉛の含有量が10質量%以下と少ない領域において耐スポーリング性と強度との向上効果が際立ち、より好ましくは3質量%以下で黒鉛を使用する。このアルミナ−マグネシア−カーボンれんが及びスピネル−マグネシア−カーボンれんがにおいては、マグネシア原料とアルミナ原料とを併せて80質量%以上含有することがより好ましい、80質量%未満の場合には、十分な耐食性が得られない。
さらに、カーボンピックアップの抑制と付着介在物を除去する目的で連続鋳造用ノズルや溶鋼容器の内張れんがとして使用されているマグネシア−ライム−カーボン系、マグネシア−ドロマイト−カーボン系、ドロマイト−カーボン系等に適用しても、本発明に基づいてフラーレン類を使用することで強度が向上し耐熱衝撃性が改善されるので黒鉛を全く使用しないか、3質量%以下に抑えることが可能となる。とくに、浸漬ノズル、上部ノズル、下部ノズル等の内孔の内孔体や内張り用として好適である。さらには、カーボンピックアップの問題が大きい浸漬ノズル、ロングノズルにおいても、黒鉛を使用したアルミナカーボン質やジルコニアカーボン質にも適用できる。
本発明の炭素含有耐火物は、通常の炭素含有耐火物の原料粉末に、フラーレン類と、有機バインダーを添加後、常法で混練、成形、熱処理することで得ることができる。
本発明は、フラーレン類がカーボンボンドの中で分散して存在ししかもカーボンナノファイバー生成に寄与するため、耐スポーリング性と強度が飛躍的に向上し耐火物の耐用性が向上する。
また、炭素含有量を減らすことができるので、カーボンピックアップを抑制することができ、鋼の品質が向上する。
さらに、低熱伝導率の耐火物が得られ、溶融金属の温度低下抑制あるいは鉄皮の変形防止効果が得られる。
以下、実施例によって本発明を説明する。
表1〜表3は、本発明の実施例の耐火原料粉末の配合組成(質量%)を上欄に、カーボンナノファイバーの形成に寄与せしめたフラーレン類と有機バインダーの配合量を外掛け配合量(質量%)で中欄に、その試験結果を下欄に示す。表1、表2は、配合物を成形後、250℃で加熱した不焼成れんがの場合を、また、表3は、成形後、1000℃で焼成した焼成れんがの場合の例を示す。
フラーレン類は、フロンティアカーボン社のミックスフラーレン(商品名;ナノムミックス)およびフラーレンを分離した煤(商品名;ナノムブラック)を使用し、それぞれの表においては、使用したフラーレンを商標名によって示している。
それぞれの表の下欄に示す試験結果において、曲げ強さはJIS−R2213に準じて測定した結果を示す。耐スポーリング性(熱衝撃性)は1600℃の溶銑中に3分間浸漬し、その後空冷を15分行い、この操作を10回繰り返した後の亀裂の大きさを目視で測定した結果を示す。耐食性は回転侵食法により、転炉スラグを用いて1700℃で5時間行い、溶損寸法を測定し、指数で示した。
表1、表2に示す例においては、配合組成物を混練し、フリクションプレスにて並形に加圧成形後、250℃で10時間加熱して供試耐火物を得た。得られた供試耐火物について、曲げ強さ、耐スポーリング性、耐食性を測定したものである。
Figure 0004791761
表1は耐火物原料としてアルミナまたはスピネルを使用した例を示す。それぞれの実施例1〜3の場合、フラーレン類を使用しない比較例1〜3とそれぞれ対比すると、強度、耐スポーリング性ともに向上していることがわかる。
とくに、同表において、実施例1は、SNプレートや注湯ノズル用の耐火物の例であり、フラーレン類を0.03質量%添加しているもので、スポーリングテスト後の試験サンプルには微小亀裂しか確認できず耐スポーリング性に優れたものであった。これに対して、同じSNプレートや注湯ノズルで従来使用されて来た比較例1は、スポーリングテスト後に中程度の亀裂が発生した。
また、実施例2は、溶銑鍋や混銑車用の材料の例であるが、従来の同目的の材質であるフラーレン類を添加しない比較例2と比べると、熱間強度の向上が著しく、また、耐スポーリング性も向上していることが分かる。さらに黒鉛含有量が少ないにもかかわらず優れた耐スポーリング性を示している。
実施例3は、同目的の材質であるフラーレン類を添加しない比較例3に較べ、耐スポーリング性が向上し、強度も向上している。
比較例4の場合は、フラーレンとともにカーボンボンドとなるピッチの添加量が6質量%と多い場合を示しているが、実施例4と比較するとフラーレンの添加効果、とくに耐食性が十分に得られていない。
Figure 0004791761
表2は、取鍋、転炉、RH等で使用される耐火原料が主としてマグネシア−スピネル質及びマグネシアカーボン質の例を示す。実施例5〜9は、フラーレン類を0.05〜1質量%添加した例を示し、比較例は表1の場合と同様に、それぞれ、フラーレン類を添加しない比較例5〜9と、フラーレン類とともにピッチを規定量以上添加した比較例10を示す。
この表2に示す場合も、表1に示す場合と同様の結果を示し、何れの実施例も耐スポーリング性、強度、それに耐食性においても優れた結果を示すことが分かる。また実施例6は、黒鉛含有量が10質量%以下と少ないにも関わらず耐スポーリング性が優れている。
Figure 0004791761
表3は、本発明を浸漬ノズルに使用する焼成れんがに適用した例を示す。それぞれの配合組成物を混練した後、ラバープレスで成形して、約150℃で乾燥した後、非酸化性雰囲気のもとで1000℃で焼成してサンプルを作製し、曲げ強さ、耐スポーリング性、耐食性を測定した。
この焼成れんがの場合、表1と表2に示す不焼成れんがの場合よりも少量の添加でフラーレン類の効果が得られている。表3に示すとおり、フラーレン類を添加した実施例10〜13の何れもが、従来使用されてきた材質の比較例11〜14と較べ、耐食性はほとんど変わらないが、熱間強度が大きく耐熱スポーリング性が優れていることが分かる。
表2に示す実施例6と比較例6を、それぞれ転炉用のマグネシアカーボンれんがを製造し、実際の転炉に同時に使用してみた結果、損耗速度の比較では実施例の場合が0.16mm/chであったのに対して、比較例の場合は0.20mm/chであり、本発明の炭素含有耐火物は、従来の炭素含有耐火物と較べ、格段に耐用性が優れていることがわかった。
本発明の炭素含有耐火物は、例えば高炉、溶鋼取鍋、溶銑取鍋、混銑車、転炉、RH、DH、VOD、AODなどの溶融金属容器の内張りあるいは、ロングノズル、浸漬ノズル、スライディングノズル等の連続鋳造用ノズルやストッパー等、さらにはガス吹込み用プラグ等に好適である。
とくに、本発明の炭素含有耐火物は、そして、その用途としてはカーボンピックアップが問題になっている用途に適しており、主として転炉やRH等に使用されるマグネシアカーボンれんが、連続鋳造に使用される浸漬ノズルやロングノズル、あるいは精錬用の取鍋に使用されるアルミナ−マグネシア−カーボンれんがにおいて黒鉛使用量を減らすことによるカーボンピックアップ減少及び耐用性向上効果が得られる。

Claims (6)

  1. 耐火原料粉末に、それぞれ外掛けでフラーレン類5質量%以下と有機バインダーとして熱硬化性有機樹脂を1〜5質量%とを添加後、混練、成形、熱処理してなる炭素含有耐火物。
  2. 有機バインダーとして熱硬化性有機樹脂とともにピッチを添加しており前記ピッチの添加量が、耐火原料粉末に対して、外掛けで0.5〜5質量%である請求項1に記載の炭素含有耐火物。
  3. 耐火原料粉末が、黒鉛を含有する請求項1または請求項2に記載の炭素含有耐火物。
  4. 黒鉛の含有量が10質量%以下である請求項3に記載の炭素含有耐火物。
  5. 耐火原料粉末が、マグネシア原料を80質量%以上含有する耐火原料粉末である請求項3または請求項4に記載の炭素含有耐火物。
  6. 耐火原料粉末が、マグネシア原料とアルミナ原料とを併せて80質量%以上含有する耐火原料粉末である請求項3または請求項4に記載の炭素含有耐火物。
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