JPH05270889A - 炭素含有耐火物 - Google Patents

炭素含有耐火物

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JPH05270889A
JPH05270889A JP3066865A JP6686591A JPH05270889A JP H05270889 A JPH05270889 A JP H05270889A JP 3066865 A JP3066865 A JP 3066865A JP 6686591 A JP6686591 A JP 6686591A JP H05270889 A JPH05270889 A JP H05270889A
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勲 持田
Kenji Ichikawa
健治 市川
Katsunori Ito
克則 伊東
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、幅広い温度範囲で高強度を保
持できる炭素含有耐火物及びその製造方法を提供するに
ある。 【構成】本発明は、耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び
炭化物の1種または2種以上の混合物50〜97重量
%、炭素原料3〜50重量%、及び光学的異方性を有す
るバルク状メソフェーズを60%以上含有する炭化収率
70%以上のメソフェーズピッチ粉末0.5〜15重量
%を添加配合し、更に必要によりフェノールレジン等の
熱硬化性樹脂を添加することを特徴とする炭素含有耐火
物及びその製造方法に係る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は200〜1000℃の幅
広い温度域で高強度特性を有し、熱衝撃抵抗性や熱間で
の耐摩耗性に優れた炭素含有耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】黒鉛等の炭素質物質を含む耐火組成物は
炭素のもっている高熱伝導性、溶融金属やスラグに対し
て濡れ難い性質、耐火物の過度の焼結を防ぐ性質などに
より、他の耐火骨材との共存下において、その耐火骨材
の長所を補完し、製銑用耐火物、製鋼用耐火物など幅広
く冶金用耐火物として使用されている。近年、強撹拌操
業等の使用条件の苛酷化により炭素含有耐火物の熱間で
の耐摩耗性、高強度化及び熱衝撃抵抗性向上の要求はま
すます強くなってきており、特に高強度化が望まれてい
る。
【0003】炭素含有耐火物は炭素源として一般的に天
然鱗状黒鉛が使用されているが、鱗状黒鉛は3000℃
に至るまで溶融することがないので、鱗状黒鉛粒同志や
鱗状黒鉛粒と他の骨材粒子の焼結による強度向上は期待
しにくい。このためバインダーに由来するカーボンボン
ド形成の良否が炭素含有耐火物の強度を決める重要な要
素となっている。
【0004】従来、炭素含有耐火物のバインダーには、
炭化収率40%以上の液状フェノールレジンや粉末レジ
ンとの併用、タール相溶性レジン及び炭化収率50〜6
0%で軟化点80〜90℃のピッチバインダーなどが使
用されているが、いずれも満足すべきものはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】バインダーに、フェノ
ールレジンを使用した炭素含有耐火物の強度は200〜
300℃まではレジン強度の発現によって高いが、昇温
するにつれてレジンの分解による強度低下が起こり、4
00〜1000℃の間で200℃の強度の約1/4程度
になる。更に、1000℃以上になるとレジン由来の炭
素の黒鉛化により強度は徐々に上昇するが、その程度は
小さい。しかもレジン由来の炭素の組織はガラス状組織
を呈しており、黒鉛に比較して熱衝撃抵抗性、耐酸化性
及び熱伝導性が低い。中間温度域(400〜1000℃)
の強度低下やガラス状炭素の結合組織は繰り返し加熱条
件下で使用される炭素含有耐火物組織の脆弱化(緩み)を
促進し、黒鉛の酸化損耗や溶銑、溶鋼などの摩耗損傷を
助長する。
【0006】フェノールレジンバインダーの欠点を改良
するものとしてタール相溶性レジンがあるが、レジンの
性質を強く残しており、中間温度域での強度改良効果は
小さい。
【0007】また、従来のピッチバインダーは揮発分量
が多いため200〜500℃の熱処理過程で膨張するた
め、緻密なれんが組織が得られ難い。
【0008】従って、本発明の目的は幅広い温度範囲で
高強度を保持できる炭素含有耐火物及びその製造方法を
提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は耐火性酸
化物、窒化物、硼化物及び炭化物の1種または2種以上
の混合物50〜97重量%、炭素原料3〜50重量%、
及び光学的異方性を有するバルク状メソフェーズを60
%以上含有する炭化収率70%以上のメソフェーズピッ
チ粉末0.5〜15重量%を添加配合し、更に必要によ
りフェノールレジン等の熱硬化性樹脂を添加することを
特徴とする炭素含有耐火物に係る。
【0010】係る炭素含有耐火物は下記の方法により製
造することができる: 耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化物の1種また
は2種以上の混合物50〜97重量%及び炭素原料3〜
50重量%よりなる耐火骨材85〜99.5重量%と、
光学的異方性を有するバルク状メソフェーズを60%以
上含有する炭化収率70%以上のメソフェーズピッチ粉
末0.5〜15重量%を常温で混練し、成形、乾燥し、
更に適宜焼成する;
【0011】耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化
物の1種または2種以上の混合物50〜97重量%及び
炭素原料3〜50重量%よりなる耐火骨材85〜99.
5重量%と、光学的異方性を有するバルク状メソフェー
ズを60%以上含有する炭化収率70%以上のメソフェ
ーズピッチ粉末0.5〜15重量%をメソフェーズピッ
チ粉末が軟化する温度域で混練し、成形し、適宜焼成す
る;
【0012】耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化
物の1種または2種以上の混合物50〜97重量%及び
炭素原料3〜50重量%よりなる耐火骨材85〜99.
5重量%と、光学的異方性を有するバルク状メソフェー
ズを60%以上含有する炭化収率70%以上のメソフェ
ーズピッチ粉末0.5〜15重量%を常温で混練し、次
に、ピッチ粉末可溶の溶解油を外掛で1〜30重量%添
加、混練し、成形後、更に加熱処理または焼成する;
【0013】耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化
物の1種または2種以上の混合物50〜97重量%及び
炭素原料3〜50重量%よりなる耐火骨材85〜99.
5重量%と、光学的異方性を有するバルク状メソフェー
ズを60%以上含有する炭化収率70%以上のメソフェ
ーズピッチ粉末0.5〜15重量%を常温で混練し、成
形し、得られた成形体を200〜300℃の温度域で空
気酸化して該メソフェーズピッチを高分子化処理し、そ
の後加熱処理または焼成する;
【0014】耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化
物の1種または2種以上の混合物50〜97重量%及び
炭素原料3〜50重量%よりなる耐火骨材85〜99.
5重量%と、光学的異方性を有するバルク状メソフェー
ズを60%以上含有する炭化収率70%以上のメソフェ
ーズピッチ粉末0.5〜10重量%及びフェノールレジ
ン等の熱硬化性樹脂5重量%以下を常温で混練し、成
形、乾燥し、100〜300℃の範囲内の温度で加熱処
理する。
【0015】
【作用】本発明に使用するメソフェーズピッチ粉末は軟
化点を余り上げることなく、炭化収率を極めて高くした
もので、200〜300℃での流動性が良いため、耐火
骨材の周囲に速やかに均一に分散する。しかも、炭化収
率が高く、揮発ガスも少ないことから、形成されるカー
ボンボンドは緻密で、気泡をほとんど介在しないため、
非常に強固なれんが組織を形成することができる。
【0016】また、このカーボンボンドは加熱と共に強
度を増し、従来のレジンボンドでは強度低下の著しい5
00〜1000℃の温度でも高強度化が図れる。そして
レジン結合材に由来する炭素は一般的に黒鉛化度が低
く、酸化損耗し易い欠点を有しているが、メソフェーズ
ピッチ粉末に由来するボンドは光学的異方性組織を呈
し、高緻密質及び高純度であるため、酸化損耗に対して
も強い。一方、黒鉛化に必要な熱処理を受けないので、
仮焼炭素の状態であるが、極めて高い易黒鉛化物である
ため、黒鉛に準ずる熱伝導性や熱膨張係数を有してい
る。
【0017】これらの特性をより効果的にするために
は、メソフェーズピッチの形状がバルク状になっている
ことが好ましい。バルク状態のメソフェーズは従来メソ
フェーズ球晶が合体してできるものであり、合体するた
めには通常メソフェーズ小球体ができる400℃近辺以
上の温度が必要であるが、このような高温状態でのバル
ク状メソフェーズは粘度が高くなるため、バインダーと
して使用した場合、耐火骨材の粒子間への展開性が悪く
なる。本発明に用いるメソフェーズピッチの軟化点は1
80〜400℃が好ましい。
【0018】該メソフェーズピッチはバルク状で耐火骨
材粒子間に展開し、強固な結合組織を生成するものであ
る。なお、バルク状メソフェーズピッチの製造方法は限
定されるものではないが、ナフタレンか、アントラセン
をHF/BF3を用いて加圧下非脱水型縮合反応により
極めて低軟化点のバルク状メソフェーズピッチが容易に
得られる(持田勲他:炭素材料学会第15回年会要旨集
(1988)第32〜33頁)。
【0019】また、該メソフェーズピッチ粉末の炭化収
率は形成ボンドの配向性、緻密性及び純度から70%以
上の炭化収率を有するものが好ましい。なお、炭化収率
は高い程良いが、200〜300℃で適正な流動性が得
られることも必要である。
【0020】また、本発明方法によれば、耐火骨材とメ
ソフェーズピッチ粉末を常温でも混合、成形でき、その
後焼成することでより良好な耐火物を得ることができ
る。メソフェーズピッチ粉末は成形体の形状を維持しつ
つ、200〜400℃での流動性により成形組織内に薄
く均一に分布するため、引き続いて起こる炭化によって
骨材間に均一な炭素結合を形成する。炭化に際してメソ
フェーズピッチは高い収率を示し、更に、生成する炭素
は微細モザイク組成である易黒鉛化物で、且つ緻密であ
るので、骨材間の炭素結合は極めて強固である。
【0021】この炭素結合は高温での焼成により黒鉛化
度が向上し、且つ収縮により一層緻密となるため、炭素
結合は更に強くなる。この焼成は還元雰囲気下で500
〜1500℃の温度で実施するのが好ましい。メソフェ
ーズピッチは400〜550℃から炭化、固化が始ま
り、高温処理するにつれて、その強度が向上する。この
ため焼成温度は高い程良いが、より高温側になると、酸
化物との酸化還元反応が生じるため、耐火骨材に適合し
た温度の選定が必要である。
【0022】更に、メソフェーズピッチ粉末の特徴を最
大限に生かす方法として、本発明の第2の方法によれ
ば、メソフェーズピッチ粉末が軟化する温度域で混練
し、加熱状態で成形することができる。この方法では揮
発する成分がほとんどなく、メソフェーズピッチ粉末が
耐火骨材表面に均一に分散するため、緻密且つ高強度の
れんが組織が得られる。
【0023】また、本発明の第3の方法によれば、メソ
フェーズピッチ粉末を常温または100℃以下の温度で
の混練にて均一に分散させるために、メソフェーズピッ
チ粉末を溶解できる溶解油を耐火骨材とメソフェーズピ
ッチの高い溶解性を利用してピッチ粉末を混合したもの
に添加し、混練後成形するもので、メソフェーズピッチ
が溶解し、耐火骨材表面に均一に分散する。なお、上記
溶解油としてはキシレン、トルエン、メチルナフタリ
ン、テトラハイドロフラン(THF)等を使用することが
できる。メソフェーズピッチの溶剤に対する溶解性は溶
剤をキノリンとした場合、キノリンに可溶な成分を20
〜80%含有するのが好ましい。なお、該溶解油の添加
量は外掛で1〜30重量%の範囲内である。また、混練
後、溶解油を一部または全部除去して成形することもで
きる。
【0024】本発明の炭素含有耐火物を不焼成れんがと
して得る場合には、常温での強度が必要である。この常
温強度を付与する方法として、本発明の第4の方法によ
れば、成形後200〜300℃の温度域の空気酸化とい
う不融化処理によってメソフェーズピッチが高分子化
し、300℃以下での強度を発現することができる。
【0025】更に、本発明の第5の方法によれば、結合
材として熱硬化性樹脂例えばフェノールレジンとメソフ
ェーズピッチ粉末を併用して混練して成形後100〜3
00℃の加熱処理を実施する。この方法はフェノールレ
ジンの欠点を補完するためにメソフェーズピッチ粉末を
添加するもので、フェノールレジンの分解によって強度
低下の起こる400〜1000℃での強度向上が図れ
る。また、フェノールレジンを使用するため、従来通り
の常温混練ができる。
【0026】本発明において使用するメソフェーズピッ
チの粒度及び分散に配慮が必要でメソフェーズピッチ粉
末の粒度は0.149mm以下に調製するのが好ましい。
【0027】なお、メソフェーズピッチ粉末の添加量は
耐食性の面から15重量%を超える範囲は望ましくな
い。また、0.5重量%未満になると強度発現効果は小
さくなる。また、メソフェーズピッチ粉末と熱硬化性樹
脂を併用する場合には、メソフェーズピッチ粉末の添加
量を0.5〜10重量%程度とし、熱硬化性樹脂の添加
量を5重量%以下とすることが好ましい。
【0028】また、本発明に使用できる耐火材料として
はマグネシア、スピネル、カルシア、ドロマイト、アル
ミナ、シリカ、ジルコニア及びジルコン等の酸化物や炭
化珪素、窒化珪素、窒化硼素、炭化硼素及び硼化ジルコ
ニウム(ZrB2)などの非酸化物を挙げることができ
る。
【0029】上記メソフェーズピッチは易黒鉛化性であ
り、耐火骨材に硼素化合物を併用すると、1000〜1
500℃の比較的低温度域から硼素が置換型の固溶によ
り炭素骨格を強固にし、高強度が得られる。また、耐酸
化性も向上する。
【0030】更に、Mo、Cr、Ti、Mn等の金属を
少量添加することによって低温処理温度で黒鉛化度を向
上させ、高温処理と同じ効果が得られる触媒黒鉛化現象
で低温度域から高強度が得られる。
【0031】更に、本発明に使用できる炭素質物質とし
ては土状黒鉛、鱗状黒鉛等の天然黒鉛ないし人造黒鉛、
電極屑、炭素繊維、熱分解黒鉛などが挙げられる。
【0032】上述の耐火材料や炭素質物質は特に限定さ
れるものではなく、使用目的によって異なるが、マグネ
シア、カルシア、ドロマイト、スピネル及びアルミナを
主体とし、天然黒鉛を使用することが好ましい。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の炭素含有耐火
物を更に説明する。 実施例1 以下の表2に記載する配合割合をもつ混合物を常温また
は200℃で加熱混練し、得られた練土を1500kgf
/cm2の圧力で230mm×114mm×65mmの寸法に加
圧成形した。こうして得られた成形物をそれぞれ表2中
に示した処理方法により処理して炭素含有耐火物を得
た。
【0034】なお、実施例及び比較例に使用したメソフ
ェーズピッチ粉末並びに比較ピッチの諸特性を以下の表
1に記載する。
【0035】
【表1】 軟化点 異方性含量 収率 備考 (℃) (%) (%) メソフェーズピッチ1 218 100 85.5 合成ピッチ メソフェーズピッチ2 252 90 91.7 石炭系ピッチ メソフェーズピッチ3 258 100 92.0 石油系ピッチ 比較ピッチ1 215 0 60 比較ピッチ2 >400 60 85〜90
【0036】
【表2】
【0037】表2中、溶解油としてはキシレンを使用し
た。また、フェノールレジンとしてはレゾールタイプの
液状レジン残炭率40%を使用した。
【0038】試料の製造条件 成形:油圧プレス1.5ton/cm2 形状:230×114×65mm 還元焼成:ブリーズ詰のサヤに入れて焼成 200〜300加熱:空気酸化雰囲気12時間
【0039】実施例2 溶融金属容器用ガス吹込みノズルとして上記表2のAの
マグネシア、黒鉛を骨材とする配合に合成ピッチ系メソ
フェーズピッチ3重量%及びフェノールレジン3重量%
を添加した耐火物中に内径1.5mm、外径3.5mmのステ
ンレス管を装填した不焼成のガス吹込みノズルを製造し
た。
【0040】180ton転炉炉底に配設し、7kgf/cm2
のアルゴンガスを8Nm3/分の割合で吹込んで精錬を
行った。フェノールレジン3.0重量%、比較ピッチ3.
0重量%添加した比較品Hに対し、損耗速度が約20%
も減少し、熱スポーリングによる剥離及びガス洩れ等に
よる異常損傷も認められなかった。
【0041】実施例3 スライディングノズル用プレートれんがとして表2のF
のアルミナ、ムライト、黒鉛を骨材とする配合に合成メ
ソフェーズピッチを3.0重量%と石油系メソフェーズ
ピッチ2.0重量%添加し、溶解油としてトルエンを外
掛で3.0重量%添加後、200〜300℃で酸化不融
化処理を実施して不焼成プレートを製造した。
【0042】2ストランドの60tonタンディッシュに
おいてフェノールレジン4.0重量%添加不焼成プレー
トと比較した。両者とも6チャージの連鋳を完鋳した
が、メソフェーズピッチを添加した本発明品はフェノー
ルレジン添加品に対し、ノズル孔周囲の脱炭が軽微であ
り、ノズル孔のコーナ欠陥、摺動面の荒れが小さく効果
が確認された。
【0043】
【発明の効果】本発明の炭素含有耐火物は軟化点を余り
上げることなく、炭化収率を高くしたもので、200〜
300℃での流動性が良いメソフェーズピッチ粉末を使
用しているため、耐火骨材の周囲に速やかに均一に分散
し、更にメソフェーズピッチ粉末は炭化収率が高く、揮
発ガスも少ないことから、形成されるカーボンボンドは
緻密で、気泡をほとんど介在しないため、非常に強固な
れんが組織を形成することができる。
【0044】また、メソフェーズピッチ粉末によるカー
ボンボンドは加熱と共に強度を増し、従来のレジンボン
ドのみでは強度低下の著しい500〜1000℃の温度
でも炭素含有耐火物の高強度化が図れる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化
    物の1種または2種以上の混合物50〜97重量%及び
    炭素原料3〜50重量%よりなる耐火骨材85〜99.
    5重量%、及び光学的異方性を有するバルク状メソフェ
    ーズを60%以上含有する炭化収率70%以上のメソフ
    ェーズピッチ粉末0.5〜15重量%を添加配合してな
    ることを特徴とする炭素含有耐火物。
  2. 【請求項2】 耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化
    物の1種または2種以上の混合物50〜97重量%及び
    炭素原料3〜50重量%よりなる耐火骨材85〜99.
    5重量%と、光学的異方性を有するバルク状メソフェー
    ズを60%以上含有する炭化収率70%以上のメソフェ
    ーズピッチ粉末0.5〜15重量%を常温で混練し、成
    形、乾燥し、更に適宜焼成することを特徴とする炭素含
    有耐火物の製造方法。
  3. 【請求項3】 耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化
    物の1種または2種以上の混合物50〜97重量%及び
    炭素原料3〜50重量%よりなる耐火骨材85〜99.
    5重量%と、光学的異方性を有するバルク状メソフェー
    ズを60%以上含有する炭化収率70%以上のメソフェ
    ーズピッチ粉末0.5〜15重量%をメソフェーズピッ
    チ粉末が軟化する温度域で混練後、成形し、適宜焼成す
    ることを特徴とする炭素含有耐火物の製造方法。
  4. 【請求項4】 耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化
    物の1種または2種以上の混合物50〜97重量%及び
    炭素原料3〜50重量%よりなる耐火骨材85〜99.
    5重量%と、光学的異方性を有するバルク状メソフェー
    ズを60%以上含有する炭化収率70%以上のメソフェ
    ーズピッチ粉末0.5〜15重量%を常温で混練し、次
    に、ピッチ粉末可溶の溶解油を外掛で1〜30重量%添
    加、混練し、成形し、加熱処理または焼成することを特
    徴とする炭素含有耐火物の製造方法。
  5. 【請求項5】 耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化
    物の1種または2種以上の混合物50〜97重量%及び
    炭素原料3〜50重量%よりなる耐火骨材85〜99.
    5重量%と、光学的異方性を有するバルク状メソフェー
    ズを60%以上含有する炭化収率70%以上のメソフェ
    ーズピッチ粉末0.5〜15重量%を常温で混練し、成
    形し、得られた成形体を200〜300℃の温度域で空
    気酸化して該メソフェーズピッチを高分子化処理するこ
    とを特徴とすること炭素含有耐火物の製造方法。
  6. 【請求項6】 耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化
    物の1種または2種以上の混合物50〜97重量%及び
    炭素原料3〜50重量%よりなる耐火骨材85〜99.
    5重量%、光学的異方性を有するバルク状メソフェーズ
    を60%以上含有する炭化収率70%以上のメソフェー
    ズピッチ粉末0.5〜10重量%及び熱硬化性樹脂5重
    量%以下を添加配合してなることを特徴とする炭素含有
    耐火物。
  7. 【請求項7】 耐火性酸化物、窒化物、硼化物及び炭化
    物の1種または2種以上の混合物50〜97重量%及び
    炭素原料3〜50重量%よりなる耐火骨材85〜99.
    5重量%と、光学的異方性を有するバルク状メソフェー
    ズを60%以上含有する炭化収率70%以上のメソフェ
    ーズピッチ粉末0.5〜10重量%及び熱硬化性樹脂5
    重量%以下を常温で混練し、成形し、100〜300℃
    の範囲内の温度で加熱処理することを特徴とする炭素含
    有耐火物の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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