JP2687214B2 - 炭素含有耐火物 - Google Patents
炭素含有耐火物Info
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- JP2687214B2 JP2687214B2 JP62136504A JP13650487A JP2687214B2 JP 2687214 B2 JP2687214 B2 JP 2687214B2 JP 62136504 A JP62136504 A JP 62136504A JP 13650487 A JP13650487 A JP 13650487A JP 2687214 B2 JP2687214 B2 JP 2687214B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
この発明は耐火物、特に炭素含有耐火物に関する。
〔従来技術とその問題点〕
黒鉛をはじめとする炭素材料は、耐火骨材として一般
に用いられているアルミナ、あるいはマグネシア等より
熱伝導率が高く、線膨張率が低いため、上記各種の一般
耐火骨材より耐熱スポーリング性は優れている。 また、炭素材は溶銑、溶滓に対してぬれ難い性質、耐
火物組成物の過度の焼結を防ぐ性質、および熱間での強
度に優れる等の優れた性質を有している。この性質はア
ルミナ等の他の耐火骨材との共存下においても維持さ
れ、該他の耐火材料の短所を補完することになるため、
他の耐火骨材に加えて炭素質材料を添加することは従来
から行われている。 しかしながら、黒鉛等の炭素質材料は空気等の酸化性
雰囲気下では極めて容易に酸化消失してしまうために急
速に前記の長所が損なわれる。従って、酸化をいかに抑
えるかが炭素含有耐火物の重要な課題である。 この課題を解決するために従来より種々の試みがなさ
れている。例えば、特開昭54−39422号公報、特開昭54
−163913号公報、特開昭55−65348号公報、特開昭55−1
07749号公報等において、Al、Si、Mg等の炭素より酸素
親和力の大きい金属粉末を混入することが開示されてい
るが、満足すべき効果は得られていない。 また、特開昭60−176970号公報においては六硼化珪素
の添加により使用時に生成するB2O3−SiO2系ガラス相に
よる黒鉛等の炭素材料の被覆、およびB2O3と骨材(アル
ミナ等)との反応による融液の高粘性化を図り、酸素と
の接触を物理的に遮断して酸化を防止する方法が開示さ
れている。しかしながら、この場合、形成される融液の
粘性が充分でないので、安定した被膜が生成する以前に
溶損、あるいは摩耗により損傷されることが多く、充分
な効果を得ることができない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は上記従来の事情に鑑みて提案されたものであ
って、耐酸化性に極めて優れた炭素含有耐火物を提供す
ることを目的とする。 上記目的を達成するためにこの発明は以下の手段を採
用している。すなわち、炭素質原料5〜30重量%、耐火
骨材70〜95重量%からなる耐火材料に外掛けで三硼化珪
素を1〜8重量%含有せしめたものである。 〔作用〕 上記構成によって三硼化珪素は耐火物表面で、酸化し
て酸化硼素となり、耐火材料中の諸成分、例えば、Al2O
3と共に粘性の高い融液を形成して、該耐火物表面を被
覆し、黒鉛等炭素物質粒子の酸化を防止する。尚、この
効果は酸化硼素(B2O3)および炭化硼素(B4C)におい
ても認められるが、この発明において使用した三硼化珪
素はこれ等に比し,はるかに優れた酸化防止効果を有す
る。すなわち、三硼化珪素が酸化する際、酸化硼素と共
に同時に生ずる酸化珪素が上記の融液を更に低融点化
し、また、高粘性化して高温、特に、1300℃以上におい
てより強固に黒鉛等炭素物質粒子の表面を被覆するた
め、きわめて優れた酸化防止効果を示すものと考えられ
る。 この発明に使用する耐火骨材としては、アルミナ、マ
グネシア、ドロマイト、ジルコン、シリカ−アルミナ等
の酸化物や炭化珪素、窒化珪素等の非酸化物が使用さ
れ、特に限定するものではないが、マグネシア、アルミ
ナを主体とするものが好ましい。また、黒鉛等、炭素物
質としては土状黒鉛、鱗状黒鉛等の天然黒鉛ないし人造
黒鉛、カーボンブラック、石油コークス等非晶質炭素物
質が使用され、特に制限はないが、鱗状黒鉛の使用が好
ましい。 上記黒鉛等の炭素物質の構成割合は、炭素含有耐火物
の使用目的によって異なるが、耐火材料全量に対し、5
〜30重量%が好ましい。黒鉛が5重量%未満になると高
い耐スポーリング性等、炭素含有耐火物の特徴を十分に
発揮できず、また、30重量%を越えると耐食性が低下し
好ましくない。 本発明に使用される三硼化珪素粉末の粒径は、反応
性、均一性、分散性等反応活性化の面から250μm以
下、更に好ましくは44μm以下のものを使用するのが好
ましい。 この発明において、三硼化珪素の含有量は、黒鉛等炭
素物質を含む耐火材料に対し1〜8重量%である。その
含有量が1重量%未満では所期の効果が得られず、一
方、8重量%を越えると、耐酸化性はあるものの、酸化
硼素等の過剰の生成酸化物を生じ耐食性が劣化する。 上記のように粒度調整された耐火材料と三硼化珪素を
上記の範囲内での配合割合に調合し、タール、ピッチ、
フェノールレジン等の残留炭素量の多い有機樹脂の結合
剤のいずれか1種、または2種以上を加え、混練後加圧
成形した後、25℃〜200℃程度で乾燥、あるいいは熱処
理することによって不焼成耐火物が得られ、また、700
℃〜1500℃程度の還元雰囲気下で焼成することによって
焼成耐火物を得ることができる。 〔実施例〕 第1表は本発明品と比較品(1)(2)(3)
の配合割合と、諸特性を示すものであり、本発明品及び
比較品とも第1表に示す配合物にレゾール型フェノール
レジン3重量%を添加し、常温にて1時間混練後、1000
kg/cm2の圧力で20×20×100mmの形状に加圧成形を行
い、180℃にて8時間熱処理した。 この表からも明らかな如く、本発明品は比較品に比
し、酸化焼成後の重量減少率、脱炭層の深さとも小さ
く、耐酸化性が極めて優れていることがわかる。 〔発明の効果〕 以上説明したように、この発明は炭素含有原料に三硼
化珪素を混入しているので、低融点、高粘性の被膜を形
成でき、炭素含有原料の酸化を極めて少なくできる。
に用いられているアルミナ、あるいはマグネシア等より
熱伝導率が高く、線膨張率が低いため、上記各種の一般
耐火骨材より耐熱スポーリング性は優れている。 また、炭素材は溶銑、溶滓に対してぬれ難い性質、耐
火物組成物の過度の焼結を防ぐ性質、および熱間での強
度に優れる等の優れた性質を有している。この性質はア
ルミナ等の他の耐火骨材との共存下においても維持さ
れ、該他の耐火材料の短所を補完することになるため、
他の耐火骨材に加えて炭素質材料を添加することは従来
から行われている。 しかしながら、黒鉛等の炭素質材料は空気等の酸化性
雰囲気下では極めて容易に酸化消失してしまうために急
速に前記の長所が損なわれる。従って、酸化をいかに抑
えるかが炭素含有耐火物の重要な課題である。 この課題を解決するために従来より種々の試みがなさ
れている。例えば、特開昭54−39422号公報、特開昭54
−163913号公報、特開昭55−65348号公報、特開昭55−1
07749号公報等において、Al、Si、Mg等の炭素より酸素
親和力の大きい金属粉末を混入することが開示されてい
るが、満足すべき効果は得られていない。 また、特開昭60−176970号公報においては六硼化珪素
の添加により使用時に生成するB2O3−SiO2系ガラス相に
よる黒鉛等の炭素材料の被覆、およびB2O3と骨材(アル
ミナ等)との反応による融液の高粘性化を図り、酸素と
の接触を物理的に遮断して酸化を防止する方法が開示さ
れている。しかしながら、この場合、形成される融液の
粘性が充分でないので、安定した被膜が生成する以前に
溶損、あるいは摩耗により損傷されることが多く、充分
な効果を得ることができない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は上記従来の事情に鑑みて提案されたものであ
って、耐酸化性に極めて優れた炭素含有耐火物を提供す
ることを目的とする。 上記目的を達成するためにこの発明は以下の手段を採
用している。すなわち、炭素質原料5〜30重量%、耐火
骨材70〜95重量%からなる耐火材料に外掛けで三硼化珪
素を1〜8重量%含有せしめたものである。 〔作用〕 上記構成によって三硼化珪素は耐火物表面で、酸化し
て酸化硼素となり、耐火材料中の諸成分、例えば、Al2O
3と共に粘性の高い融液を形成して、該耐火物表面を被
覆し、黒鉛等炭素物質粒子の酸化を防止する。尚、この
効果は酸化硼素(B2O3)および炭化硼素(B4C)におい
ても認められるが、この発明において使用した三硼化珪
素はこれ等に比し,はるかに優れた酸化防止効果を有す
る。すなわち、三硼化珪素が酸化する際、酸化硼素と共
に同時に生ずる酸化珪素が上記の融液を更に低融点化
し、また、高粘性化して高温、特に、1300℃以上におい
てより強固に黒鉛等炭素物質粒子の表面を被覆するた
め、きわめて優れた酸化防止効果を示すものと考えられ
る。 この発明に使用する耐火骨材としては、アルミナ、マ
グネシア、ドロマイト、ジルコン、シリカ−アルミナ等
の酸化物や炭化珪素、窒化珪素等の非酸化物が使用さ
れ、特に限定するものではないが、マグネシア、アルミ
ナを主体とするものが好ましい。また、黒鉛等、炭素物
質としては土状黒鉛、鱗状黒鉛等の天然黒鉛ないし人造
黒鉛、カーボンブラック、石油コークス等非晶質炭素物
質が使用され、特に制限はないが、鱗状黒鉛の使用が好
ましい。 上記黒鉛等の炭素物質の構成割合は、炭素含有耐火物
の使用目的によって異なるが、耐火材料全量に対し、5
〜30重量%が好ましい。黒鉛が5重量%未満になると高
い耐スポーリング性等、炭素含有耐火物の特徴を十分に
発揮できず、また、30重量%を越えると耐食性が低下し
好ましくない。 本発明に使用される三硼化珪素粉末の粒径は、反応
性、均一性、分散性等反応活性化の面から250μm以
下、更に好ましくは44μm以下のものを使用するのが好
ましい。 この発明において、三硼化珪素の含有量は、黒鉛等炭
素物質を含む耐火材料に対し1〜8重量%である。その
含有量が1重量%未満では所期の効果が得られず、一
方、8重量%を越えると、耐酸化性はあるものの、酸化
硼素等の過剰の生成酸化物を生じ耐食性が劣化する。 上記のように粒度調整された耐火材料と三硼化珪素を
上記の範囲内での配合割合に調合し、タール、ピッチ、
フェノールレジン等の残留炭素量の多い有機樹脂の結合
剤のいずれか1種、または2種以上を加え、混練後加圧
成形した後、25℃〜200℃程度で乾燥、あるいいは熱処
理することによって不焼成耐火物が得られ、また、700
℃〜1500℃程度の還元雰囲気下で焼成することによって
焼成耐火物を得ることができる。 〔実施例〕 第1表は本発明品と比較品(1)(2)(3)
の配合割合と、諸特性を示すものであり、本発明品及び
比較品とも第1表に示す配合物にレゾール型フェノール
レジン3重量%を添加し、常温にて1時間混練後、1000
kg/cm2の圧力で20×20×100mmの形状に加圧成形を行
い、180℃にて8時間熱処理した。 この表からも明らかな如く、本発明品は比較品に比
し、酸化焼成後の重量減少率、脱炭層の深さとも小さ
く、耐酸化性が極めて優れていることがわかる。 〔発明の効果〕 以上説明したように、この発明は炭素含有原料に三硼
化珪素を混入しているので、低融点、高粘性の被膜を形
成でき、炭素含有原料の酸化を極めて少なくできる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.耐火骨材70〜95重量%、炭素質原料5〜30重量%か
らなる耐火材料に外掛けで三硼化珪素が1〜8重量%含
有されていることを特徴とする炭素含有耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62136504A JP2687214B2 (ja) | 1987-05-29 | 1987-05-29 | 炭素含有耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62136504A JP2687214B2 (ja) | 1987-05-29 | 1987-05-29 | 炭素含有耐火物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63297270A JPS63297270A (ja) | 1988-12-05 |
JP2687214B2 true JP2687214B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=15176709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62136504A Expired - Lifetime JP2687214B2 (ja) | 1987-05-29 | 1987-05-29 | 炭素含有耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2687214B2 (ja) |
-
1987
- 1987-05-29 JP JP62136504A patent/JP2687214B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63297270A (ja) | 1988-12-05 |
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