JP2020100511A - マグネシアカーボンれんがの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】黒鉛含有量が5質量%以下のマグネシアカーボンれんがにおいて、さらに耐スポーリング性を向上する。【解決手段】耐火原料配合物に有機バインダーを添加して混練し成形後、熱処理して得られるマグネシアカーボンれんがであって、耐火原料配合物は、粒径1mm以上5mm未満のマグネシアを50質量%以上75質量%以下、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアを20質量%以上40質量%以下、粒径0.075mm未満のマグネシアを1質量%以上10質量%以下、並びに、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金を合量で1.5質量%以上4質量%以下含有し、黒鉛の含有量は5質量%以下(0を含む)であり、しかも粒径1mm以上3mm未満のマグネシアに対する粒径3mm以上5mm未満のマグネシアの質量比が0.8以上1.2以下である、マグネシアカーボンれんが。【選択図】なし

Description

本発明は、溶融金属容器や精錬炉などに使用されるマグネシアカーボンれんがに関する。
マグネシアカーボンれんがは一般的にカーボン源として黒鉛を含有するが、黒鉛を含有するため熱伝導率が高く溶融金属の放散熱による熱損失の問題や、カーボンピックアップの問題がある。また、転炉や二次精錬設備等の酸化雰囲気下で使用される場合、酸化による黒鉛の消失に伴い形成された気孔にスラグ成分が浸潤し骨材の溶解が加速されることで、耐食性が不十分となる問題もある。
これらの観点からは、マグネシアカーボンれんがには黒鉛ができるだけ少ないことが望ましいが、黒鉛が少なくなると、耐スポーリング性が低下するという問題が生じる。
そこで、この黒鉛を減量した場合に伴う耐スポーリング性の低下を抑制する手段が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、耐火原料配合物中の、粒径1mm未満のマグネシア粒子量に対する粒径1mm以上のマグネシア粒子量の質量比が1.27以上2.58以下、かつマグネシアと黒鉛の合計量に占める黒鉛の配合量が10質量%以下であるマグネシアカーボンれんがが開示されている。このマグネシアカーボンれんがは、一般的なマグネシアカーボンれんがと比較して粗粒を多く含むため、黒鉛含有量が少ないにも関わらず耐スポーリング性が良好であるとされている。
しかし、この特許文献1のマグネシアカーボンれんがにおいては、黒鉛含有量が5質量%以下の場合、依然として耐スポーリング性が不十分な場合がある。
また、特許文献2には、粒径が0.075mm未満のマグネシアを3.0質量%以上10.0質量%以下、並びに粒径が0.075mm以上5mm未満のマグネシアを87.0質量%以上96.0質量%以下含有し、かつ粒径が0.075mm以上1mm未満のマグネシアに対する粒径が1mm以上5mm未満のマグネシアの質量比が1.66以上2.34以下であり、黒鉛を含有しないマグネシアカーボンれんがが開示されている。このような粒度構成とすることで、使用時の受熱により緻密化と低弾性率化とを同時に満足するとされている。
本発明者らは、この特許文献2のマグネシアカーボンれんがについて、RH、DH、VOD鍋等の二次精錬設備を中心にさらに用途を拡大中であるが、これらの用途においてはさらに耐スポーリング性の向上が必要なケースがあることがわかってきた。
特開2013−72090号公報 特許第6279052号公報
本発明が解決しようとする課題は、黒鉛含有量が5質量%以下のマグネシアカーボンれんがにおいて、さらに耐スポーリング性を向上することにある。
本発明者らは、黒鉛含有量が5質量%以下のマグネシアカーボンれんがの耐スポーリング性を向上するためにアルミニウムの含有量について種々検討を行ったところ、粗粒が多く微粉が少ないれんが組織にアルミニウム及び/又はアルミニウム合金を合量で1.5質量%以上4質量%以下の範囲で含有する場合には、使用時の受熱により弾性率が低下するという、従来の黒鉛含有量が多いマグネシアカーボンれんがとは逆の結果になることを知見した。その結果、黒鉛含有量が5質量%以下でも耐スポーリング性及び耐食性に優れるマグネシアカーボンれんがを得ることができた。
すなわち、本発明の一観点によれば次のマグネシアカーボンれんがが提供される。
耐火原料配合物に有機バインダーを添加して混練し成形後、熱処理して得られるマグネシアカーボンれんがであって、
耐火原料配合物は、
粒径1mm以上5mm未満のマグネシアを50質量%以上75質量%以下、
粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアを20質量%以上40質量%以下、
粒径0.075mm未満のマグネシアを1質量%以上10質量%以下、
並びに、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金を合量で1.5質量%以上4質量%以下含有し、
黒鉛の含有量は5質量%以下(0を含む)である、
マグネシアカーボンれんが。
以下、本発明の特徴である耐火原料配合物の構成について説明する。
本発明では、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金(以下、総称して「アルミニウム金属・合金」という。)を耐スポーリング性向上及び耐食性向上の目的で使用するが、このうちアルミニウム金属・合金を添加することで耐スポーリング性が向上することは、従来の黒鉛含有量の多いマグネシアカーボンれんがとは逆の効果になっている。
その理由として以下のメカニズムが考えられる。
まず、れんが中のアルミニウムは、使用時に熱を受けると一部が酸化されてアルミナとなりマグネシアと反応してスピネルを生成する。このスピネルは生成する際に、いわゆるスピネル膨張と呼ばれる体積膨張を生じる。
従来のマグネシアカーボンれんがは、黒鉛を多く含むため低弾性な組織となっており、使用時の受熱によってスピネル膨張が生じた場合、この膨張をれんが組織中である程度吸収することができると考えられる。このため、使用時の受熱による弾性率の低下は少なく、むしろスピネルの焼結ボンドの発達によって組織の緻密化が進み弾性率が上昇し、耐スポーリング性が低下すると考えられる。
これに対して、本発明のマグネシアカーボンれんがは、黒鉛が少なくしかも粗粒が多く微粉が少ないため高弾性な組織となっており、スピネル膨張をれんが組織中で吸収し難い。このため、スピネル膨張によってれんが組織が膨張する際に粗粒(骨材粒子)どうしの接触部が減少したり、組織中に気孔あるいは微亀裂が形成されることで弾性率が低下し、耐スポーリング性が向上すると考えられる。また、本発明のマグネシアカーボンれんがは、マトリクスを構成する微粉が少ないためれんが組織中のボンドが不足しがちであるが、アルミニウム金属・合金を1.5質量%以上4質量%以下と比較的多く含むことから使用中にアルミニウムを起因とするスピネル等のボンドが多く生成するため、強度が向上しかつ耐食性も向上するというメリットも得られる。
以上のように、本発明のマグネシアカーボンれんがの耐火原料配合物(以下、単に「本発明の耐火原料配合物」という。)は、耐スポーリング性及び耐食性の向上を目的として、アルミニウム金属・合金を1.5質量%以上4質量%以下の範囲で含有する。アルミニウム金属・合金の含有量が1.5質量%未満ではスピネルの生成量が不足するため耐スポーリング性が不足し、耐食性も不足する。一方、アルミニウム金属・合金の含有量が4質量%を超えると、スピネル生成によるれんがの膨張が大きくなりすぎて使用中に迫割れが発生する問題がある。さらに、より耐スポーリング性及び耐食性が要求される場合にはアルミニウム金属・合金の含有量を2質量以上3量%以下とすることができる。
また、本発明の耐火原料配合物は、耐スポーリング性を向上するために、微粉が少なく粗粒の多い粒度構成としている。すなわち、本発明の耐火原料配合物は、粒径1mm以上5mm未満のマグネシアを50質量%以上75質量%以下含有する。粒径1mm以上5mm未満のマグネシアが50質量%未満では組織が緻密化し過ぎて耐スポーリング性が不十分となり、75質量%を超えると組織がポーラスになり過ぎて強度及び耐食性が不十分となる。
さらに本発明の耐火原料配合物では、前述の粒径1mm以上5mm未満のマグネシアの内訳として、粒径1mm以上3mm未満のマグネシアに対する粒径3mm以上5mm未満のマグネシアの質量比(以下「マグネシア質量比」という。)を0.8以上1.2以下とすることができる。このマグネシア質量比は耐スポーリング性に影響を与え、0.8未満では耐スポーリング性がやや不足し、1.2を超えると粗粒が多くなる結果、組織がポーラスになって強度及び耐食性がやや不十分となる。
また、本発明の耐火原料配合物において、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの含有量は20質量%以上40質量%以下とする。粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの含有量が20質量%未満では、組織がポーラスになり過ぎて強度及び耐食性が不足し、40質量%を超えると組織が緻密になり過ぎて耐スポーリング性が低下する。
さらに、本発明の耐火原料配合物において、粒径0.075mm未満のマグネシアの含有量は1質量%以上10質量%以下とする。粒径0.075mm未満のマグネシアは使用時の受熱によりボンド(結合組織)の一部を形成するため、1質量%未満では組織がポーラスになり過ぎて強度及び耐食性が不十分となり、10質量%を超えると組織が緻密になり過ぎて耐スポーリング性が低下する。
なお、本発明の耐火原料配合物においてマグネシアの合量は、より高い耐食性を得るためには93質量%以上とすることができる。
ここで、本発明でいう粒径とは、耐火原料粒子を篩いで篩って分離したときの篩い目の大きさのことであり、例えば粒径0.075mm未満のマグネシアとは、篩い目が0.075mmの篩いを通過するマグネシアのことで、粒径0.075mm以上のマグネシアとは、篩い目が0.075mmの篩い目を通過しないマグネシアのことである。
本発明の耐火原料配合物において黒鉛の含有量は5質量%以下(0を含む)とする。すなわち、本発明においては黒鉛を含有しない場合もあるが、黒鉛を含有しない場合でも、前述のとおりアルミニウム金属・合金を1.5質量%以上4質量%以下含有することで耐スポーリング性向上効果が得られる。したがって、本発明のマグネシアカーボンれんがは黒鉛を含有することができない用途でも使用することができる。さらに、黒鉛を5質量%以下で含有できる場合にも、アルミニウム金属・合金を1.5質量%以上4質量%以下含有することで耐スポーリング性向上効果が得られる。一方、黒鉛の含有量が5質量%を超えると耐食性が低下し、また、使用時にカーボンピックアップの問題が顕著になる。
また、本発明のマグネシアカーボンれんががVOD等の二次精錬設備に使用される場合には、より耐スポーリング性を確保する点から黒鉛の含有量を0.5質量%以上とし、しかもよりカーボンピックアップを抑制する点から黒鉛の含有量を2質量%以下としたマグネシアカーボンれんがとすることもできる。さらに、カーボンピックアップの抑制効果を高める場合には、黒鉛の含有量を0.5質以上とし、かつれんが中の固定炭素量を2質量%未満とすることもできる。れんが中の固定炭素量を2質量%未満とするためには、れんが中の固定炭素としては黒鉛以外に、ピッチ、カーボンブラック、フェノール樹脂等の有機バインダー等があるため、れんが中のこれらの固定炭素量と黒鉛含有量の合量が2質量%未満となるような耐火原料配合物及び有機バインダーを使用することができる。
以上のとおり、本発明のマグネシアカーボンれんがは、黒鉛含有量が少なくしかも耐スポーリング性及び耐食性に優れるため、低炭素鋼が処理されるRHやVOD鍋の内張り用れんがとして好適に使用することができる。特に、スラグによる溶損が激しいVOD鍋のスラグラインあるいはRH下部槽に最適である。
本発明のマグネシアカーボンれんがは、黒鉛を含有しない、又は黒鉛含有量が5質量%以下と少なくても、耐スポーリング性及び耐食性に優れるため、十分な耐用性が得られる。また、二次精錬設備で使用した場合に、カーボンピックアップを抑制し鋼の品質を向上し、しかも熱損失も少なくなくすることができる。
本発明において耐火原料配合物に使用するマグネシアは、電融マグネシア、焼結マグネシアのいずれでも良く、これらを併用しても良い。その組成も特に限定されるものではないが、より高い耐食性を得るためにはMgO純度の高いマグネシアを使用することができ、例えばMgO純度96質量%以上、さらには98質量%以上としても良い。
アルミニウム金属・合金としては、マグネシアカーボンれんが等で一般的に使用されているものであれば問題なく使用可能である。また、粒径は0.075mm未満で使用することができる。
黒鉛としては、通常のマグネシアカーボンれんがに使用されている鱗状黒鉛を使用することができるが、合成黒鉛でも使用可能である。また、粒径は0.1mm未満で使用することができる。
マグネシア、黒鉛、アルミニウム金属・合金以外には、マグネシアカーボンれんがの原料として一般的に使用されている原料を、合量で3質量%以下程度であれば悪影響を及ぼすことなく使用することができる。例えば、シリコン、ピッチ、カーボンブラック、炭化ホウ素、炭化珪素、繊維、ガラス等である。
本発明のマグネシアカーボンれんがは、一般的なマグネシアカーボンれんがの製造方法によって製造することができる。すなわち、本発明のマグネシアカーボンれんがは、前述の耐火原料配合物に有機バインダーを添加して混練し成形後、熱処理することで得ることができる。熱処理温度は例えば150〜400℃とすることができる。
有機バインダーとしては、通常のマグネシアカーボンれんがで使用されている有機バインダーを使用することができ、例えばフラン樹脂やフェノール樹脂等が使用可能である。また、有機バインダーは、粉末又は適当な溶剤に溶かした液状、さらに液状と粉末の併用のいずれも形態でも使用可能である。混練、成形及び熱処理の方法及び条件も、一般的なマグネシアカーボンれんがの製造方法に準じる。
表1から表3に、耐火原料配合物の組成、及びその耐火原料配合物から得られたマグネシアカーボンれんがの物性を示す。これらのれんがは、表1〜3の耐火原料配合物に有機バインダーとしてフェノール樹脂を適量添加して混練し、オイルプレスによって230mm×114mm×100mmの形状に成形後、最高温度250℃で5時間保持の熱処理を施すことで得た。そして、得られたれんがから物性測定用試料を切り出して固定炭素量、見掛気孔率、音速弾性率及び熱間曲げ強さを測定するとともに、耐食性及び耐スポーリング性を評価した。また、実施例1から4並びに比較例2及び比較例3については、残存線変化率を測定した。
れんが中の固定炭素量は、JIS M 8812に準拠して測定した。
見掛気孔率の測定においては形状50×50×50mmの試料をコークスブリーズ中に埋め、電気炉において1400℃まで昇温し、5時間保持して自然放冷した。その後、溶媒を白灯油としJIS R 2205に準拠して測定した。この見掛気孔率が低いほど、れんがは緻密であり、耐食性向上に有効と判断される。
音速弾性率の測定においては形状20×20×80mmの試料を見掛気孔率の測定と同様にコークスブリーズ中に埋め、電気炉において1400℃まで昇温し、3時間保持して自然放冷した。
熱間曲げ強さは、JIS R 2656に準拠し窒素雰囲気下、1400℃で測定した。
耐食性は、回転侵食試験にて評価した。回転侵食試験では、水平の回転軸を有するドラム内面を供試れんがでライニングし、侵食剤を投入、加熱して、れんが表面を侵食させた。加熱源は酸素−プロパンバーナーとし、試験温度は1750℃、侵食剤の組成はCaO:20質量%、SiO:10質量%、Al:5質量%、Fe−Si:5質量%、鋼:60質量%とし、侵食剤の排出、投入を30分毎に10回繰り返した。鋼はバーナーで加熱される過程で溶融し、酸素と反応してFeOを生成することで供試れんがを溶損する。試験終了後、各れんがの最大溶損部の溶損量(mm)を測定し、表1に記載の「比較例2」のれんがの溶損量(mm)を100とする耐食性指数で表示した。この耐食性指数は数値が小さいほど耐食性が優れていることを示す。
耐スポーリング性の試験には、40×40×190mmの試料を1400℃で3時間還元雰囲気下において焼成したものを使用した。試験は1600℃に昇温した溶銑中に90秒間浸漬後、30秒水冷するサイクルを3回繰り返した。試験終了後、試料を切断し断面を観察して耐スポーリング性を評価した。具体的には、3回目で中程度以上の亀裂が生じたものを◎(優)、2回目で中程度以上の亀裂が発生したものを○(良)、1回目で中程度以上の亀裂が生じたものを×(不可)とし、評価が×(不可)の場合、実炉使用には適さないと判断した。
残存線変化率は20×20×80mmの試料を還元雰囲気で1400℃で3時間焼成後、及び還元雰囲気で1400℃で30時間焼成後の線変化率を測定した。
Figure 2020100511
Figure 2020100511
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表1に記載の実施例1から実施例4はアルミニウムの含有量が異なる場合であるが、本発明の範囲内であり、十分な耐スポーリング性及び耐食性を示した。
これに対して、比較例1はアルミニウムを含有しない場合、比較例2はアルミニウムが1質量%の場合であり、いずれも弾性率が高くなって耐スポーリング性が低下し、耐食性も低下した。一方、比較例3はアルミニウムが5質量%の場合であり、1400℃30時間焼成後の残存線変化率が1.34%と実施例4の0.91%に対して大幅に増加している。過去の知見から2次精錬炉等に使用されるマグネシアカーボンれんがにおいて1400℃30時間焼成後の残存線変化率(残存膨張)が1%を超えると使用中の熱膨張が大きすぎて迫割れが発生しれんがの寿命が低下する問題がある。
実施例5から実施例8は、マグネシア質量比(粒径1mm以上3mm未満のマグネシアに対する粒径3mm以上5mm未満のマグネシアの質量比)が異なる場合であるが、本発明の範囲内であり、十分な耐スポーリング性及び耐食性を示した。
ただし、実施例5はマグネシア質量比が低い(粒径3mm以上5mm未満のマグネシアが少ない)ため、緻密な組織となり弾性率がやや高くなって耐スポーリング性がやや低下した。また、実施例8はマグネシア質量比が高い(粒径1mm以上3mm未満のマグネシアが少ない)ため、ややポーラスな組織となって強度及び耐食性がやや低下した。
表2に記載の実施例9及び実施例10は、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの含有量が異なる場合であるが、本発明の範囲内であり、十分な耐スポーリング性及び耐食性を示した。
これに対して、比較例4は粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの含有量が本発明の下限値を下回る場合であり、ポーラスな組織となり強度及び耐食性が低下した。一方、比較例5は粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの含有量が本発明の上限値を上回る場合であり、耐スポーリング性が低下した。
実施例11及び実施例12は、粒径0.075mm未満のマグネシアの含有量が異なる場合であるが、本発明の範囲内であり、十分な耐スポーリング性及び耐食性を示した。
これに対して、比較例6は粒径0.075mm未満のマグネシアの含有量が本発明の下限値を下回る場合であり、ポーラスな組織となり強度及び耐食性が低下した。一方、比較例7は粒径0.075mm未満のマグネシアの含有量が本発明の上限値を上回る場合であり、耐スポーリング性が低下した。
表3に記載の実施例13は黒鉛を含有しない場合、実施例14から実施例16は黒鉛の含有量が異なる場合であるが、いずれも本発明の範囲内であり、十分な耐スポーリング性及び耐食性を示した。これに対して、比較例8は黒鉛を7質量%含有する場合であり、耐食性が低下した。
実施例17はシリコンを含有した場合、実施例18はシリコンとピッチを含有した場合、実施例19はシリコンと炭化ホウ素を含有した場合であるが、いずれも十分な耐スポーリング性及び耐食性を示した。
本発明は、溶融金属容器や精錬炉などに使用されるマグネシアカーボンれんがの製造方法に関する。
すなわち、本発明の一観点によれば次のマグネシアカーボンれんがが提供される。
耐火原料配合物に有機バインダーを添加して混練し成形後、熱処理するマグネシアカーボンれんがの製造方法において
耐火原料配合物は、
粒径1mm以上5mm未満のマグネシアを50質量%以上75質量%以下、
粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアを20質量%以上40質量%以下、
粒径0.075mm未満のマグネシアを1質量%以上10質量%以下、
並びに、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金を合量で1.5質量%以上4質量%以下含有し、
黒鉛の含有量は5質量%以下(0を含む)である、
マグネシアカーボンれんがの製造方法
また、本発明のマグネシアカーボンれんががVOD等の二次精錬設備に使用される場合には、より耐スポーリング性を確保する点から黒鉛の含有量を0.5質量%以上とし、しかもよりカーボンピックアップを抑制する点から黒鉛の含有量を2質量%以下としたマグネシアカーボンれんがとすることもできる。さらに、カーボンピックアップの抑制効果を高める場合には、黒鉛の含有量を0.5質量%以上とし、かつれんが中の固定炭素量を2質量%未満とすることもできる。れんが中の固定炭素量を2質量%未満とするためには、れんが中の固定炭素としては黒鉛以外に、ピッチ、カーボンブラック、フェノール樹脂等の有機バインダー等があるため、れんが中のこれらの固定炭素量と黒鉛含有量の合量が2質量%未満となるような耐火原料配合物及び有機バインダーを使用することができる。

Claims (5)

  1. 耐火原料配合物に有機バインダーを添加して混練し成形後、熱処理して得られるマグネシアカーボンれんがであって、
    耐火原料配合物は、
    粒径1mm以上5mm未満のマグネシアを50質量%以上75質量%以下、
    粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアを20質量%以上40質量%以下、
    粒径0.075mm未満のマグネシアを1質量%以上10質量%以下、
    並びに、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金を合量で1.5質量%以上4質量%以下含有し、
    黒鉛の含有量は5質量%以下(0を含む)である、
    マグネシアカーボンれんが。
  2. 粒径1mm以上3mm未満のマグネシアに対する粒径3mm以上5mm未満のマグネシアの質量比が0.8以上1.2以下である、請求項1に記載のマグネシアカーボンれんが。
  3. アルミニウム及び/又はアルミニウム合金の含有量が合量で2質量%以上3質量%以下である、請求項1又は請求項2に記載のマグネシアカーボンれんが。
  4. 黒鉛の含有量が0.5質量%以上2質量%以下である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のマグネシアカーボンれんが。
  5. 黒鉛の含有量が0.5質量%以上、かつ固定炭素量が2質量%未満である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のマグネシアカーボンれんが。
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