JP6353284B2 - マグネシアカーボンれんが - Google Patents

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Description

本発明は、製鉄プロセスにおける転炉、電気炉、取鍋、真空脱ガス炉などの溶融金属処理炉に使用されるマグネシアカーボンれんがに関する。
マグネシアカーボンれんがは、マグネシアと黒鉛を主原料として構成される耐食性及び耐スポーリング性に優れたれんがであり、主に黒鉛を15〜20質量%含有するマグネシアカーボンれんがが転炉等の内張り材として使用されてきた。
ただし、例えば転炉で使用される場合、マグネシアカーボンれんがは黒鉛を多く含有するため、転炉の鉄皮温度上昇による鉄皮の熱変形が起こりやすくなる問題、伝熱による転炉内の熱損失の問題、あるいは溶銑中へカーボンが溶け出すカーボンピックアップの問題等がある。
そこで、近年、黒鉛の少ないマグネシアカーボンれんがの研究が盛んに行われているが、黒鉛を減量すると、耐食性や耐スポーリング性が低下する問題が生じてくる。そこで、これらの問題を改善するために様々な手法がとられている。すなわち、マグネシアカーボンれんがは、一般的に図1のようなフローで製作するが、原料であるマグネシア骨材の粒度配合や、金属、ピッチ、カーボンブラックなどの添加物の使用量や使用方法の変更により、従来から様々な改善が図られてきた。
例えば、特許文献1では、マグネシアカーボンれんがの黒鉛減量による耐食性低下の原因は、黒鉛の減量によってマトリックス部の耐スラグ濡れ性が低下しマトリックス部の溶損が著しく増大するためとしている。そして、このマトリックス部の溶損を改善するために、マトリックス部のマグネシアの体積を減少させることで、マトリックス部内のマグネシア粒子に対する黒鉛の含有比率が増大することになり、これによってマトリックス部がスラグに濡れ難くなるので耐用性を向上させることが可能であるとされている。具体的には、耐火原料配合物中の、粒径1mm未満のマグネシア粒子量に対する粒径1mm以上のマグネシア粒子量の質量比が1.27以上2.58以下で、かつ、マグネシアと黒鉛の合計量に占める黒鉛の配合量が10質量%以下であるマグネシアカーボンれんが開示されている。
また、特許文献2には、DBP吸収量が80ml/100g以上のカーボンブラックと、DBP吸収量が80ml/100g未満のカーボンブラックの両方を使用した黒鉛を含有しないマグネシアカーボンれんがが開示されている。DBP吸収量が大きい炭素質粒子を使用することで、耐火物のマトリックス中において極めて微細な気孔構造を形成することが可能となり、これによって動弾性率を適正化できるとともに耐熱衝撃性を改善でき、また、DBP吸収量が小さい炭素質粒子を併用することで、耐酸化性及び耐食性を改善できるとされている。
特開2013−72090号公報 特開2002−316865号公報
特許文献1及び特許文献2のれんがについては実炉使用の結果、共通の課題があり更に改善が必要であることが判明した。すなわち、使用後のれんがの稼働面付近の組織の見掛け気孔率が高くなりスラグの浸透が見られたことから、れんがの溶損原因は、転炉での使用中(稼働中)にれんがの組織が緩み、スラグがれんが組織中へ浸透しやすくなっていると判断した。
また、特に転炉の稼働初期や稼働率の低下時など、温度変動の大きな場合においては、黒鉛量が10質量%以下の場合には、黒鉛量が10質量%を超えるマグネシアカーボンれんがより、スポーリングによる損傷が顕著となり、改善の余地のあることがわかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、黒鉛量を10質量%以下にしても、耐食性及び耐スポーリング性に優れるマグネシアカーボンれんがを提供することにある。
本発明者らは、黒鉛量が10質量%以下と少ないマグネシアカーボンれんがの耐食性低下の最も大きな要因は、使用中にれんが組織が緩んで気孔率が上昇することにあると考え、使用中のれんがの組織を緻密に維持することに着目してマグネシアの粒度構成と金属Al(アルミニウム)の添加量について検討した。なお、使用中のれんが組織の緻密さは1400℃で熱処理後の見掛け気孔率で評価した。更に、耐スポーリング性を向上するために黒鉛とカーボンブラックとの併用についても検討した。その結果、本発明のマグネシアカーボンれんがに想到するに至った。
すなわち、本発明は以下のマグネシアカーボンれんがを提供する。
(1)マグネシアを85質量%以上93質量%以下、黒鉛を6質量%以上10質量%以下、カーボンブラックを0.1質量%以上2質量%以下、及び金属Alを黒鉛とカーボンブラックとの合量に対して0.1質量%以上15質量%以下含み、しかも前記マグネシアの粒度構成として、粒径1mm以上5mm未満のマグネシアの粗粒が15質量%以上50質量%以下、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの中間粒が35質量%以上60質量%以下、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの中間粒に対する粒径0.075mm未満のマグネシアの微粒の質量比が0.24以下である耐火原料配合物を混練し、成形後、熱処理して得られるマグネシアカーボンれんが。
(2)前記カーボンブラックが、単球型のカーボンブラックとアグリゲート型のカーボンブラックとからなり、その質量比(単球型/アグリゲート型)が2.0以下である(1)に記載のマグネシアカーボンれんが。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、耐火原料配合物中のマグネシアの量については、85質量%未満では得られるれんがの耐食性が不十分となり、93質量%を超えると黒鉛やカーボンブラックの含有量減少により耐スポーリング性が低下するため、85質量%以上93質量%以下とした。
マグネシアの粒度構成については、耐火原料配合物中の粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの中間粒(以下「マグネシア中間粒」ともいう。)の量は、35質量%以上60質量%以下とした。すなわち、熱処理後の見掛け気孔率の増加抑制の観点から、マグネシア中間粒量は35質量%以上であることが必要であり、耐スポーリング性の低下抑制の観点から、マグネシア中間粒量は60質量%以下であることが必要である。耐火原料配合物中のマグネシア中間粒量は、43質量%以上55質量%以下であることが好ましい。
耐火原料配合物中の粒径0.075mm未満のマグネシア(以下「マグネシア微粒」ともいう。)は、れんがの組織強度向上に寄与する半面、れんがの成形時の充填性に影響を与え、多すぎると熱処理後の見掛け気孔率が高くなる。マグネシア微粒の適正な含有量は、前記のマグネシア中間粒量との相対的な割合で決まるが、本発明者らは、種々の試作品の評価試験の結果から、マグネシア中間粒に対するマグネシア微粒の質量比を0.24以下とすることが好適であることを見出した。この質量比を0.24以下とすることで成形時に充填性が良くなり熱処理後に見掛け気孔率の低い組織となる。
耐火原料配合物中の粒径1mm以上5mm未満のマグネシアの粗粒(以下「マグネシア粗粒」ともいう。)の量は、15質量%未満では機械強度低下が懸念され、50質量%を超えると相対的にマグネシア中間粒が不足して受熱後の気孔率が高くなるため、15質量%以上50質量%以下とした。
次に、金属Alについては、マグネシアカーボンれんがへの金属Alの添加自体は公知であるが、その添加方法は弾性率上昇、耐スポーリング性劣化が許される範囲で可能な限り多量に添加し、耐酸化性、熱間強度向上の効果を得ようと考えられてきた。しかし今回、本発明者らは、金属Alを多量に添加するとその昇温過程で生成されるアルミナ及びスピネルが体積膨張を伴うため微細組織中に気孔を生じ、更に残存膨張率の上昇により組織の緻密性を低下させる場合があるという知見を得た。金属Alの添加を比較的少量に留めると耐酸化性の低下が懸念されるが、マグネシアカーボンれんがの緻密性を確保することにより通気率を低減できるため耐酸化性は維持される。
また、金属Alの粒度は小さい方が見掛け気孔率を低減するためには好ましい。これは金属Alが昇温過程で溶融、揮発して生じる気孔径を小さくでき、開放気孔化する確率が小さくなるためである。更にこのことは、マグネシアカーボンれんがの組織を早期に形成するためにも有効と考えられる。
金属Alの添加量(耐火原料配合物中の含有量)は黒鉛及びカーボンブラックとの合計量に対する比率で規定した。酸化防止材としての金属の必要添加量は酸化消失する黒鉛及びカーボンブラックの量に応じて決定するのが妥当であるからである。
金属Alの添加量は、黒鉛とカーボンブラックとの合量に対して0.1質量%以上15質量%以下が適当であり、0.3質量%以上10質量%以下であることが好ましい。このように金属Alの添加量を比較的少量に留めることにより、残存膨張の発生を抑制し、金属Alが揮発して生じる気孔を少なくでき、結果としてマグネシアカーボンれんがは緻密化される。0.1質量%以上添加する理由は、これ未満の添加量では耐酸化性が不十分であるためである。この効果は粒径75μm未満の細かい金属Alを使用することで一層顕著に発現される。具体的には、粒度構成として粒径75μm未満の含有量が85質量%以上の金属Alを使用することが好ましく、粒径45μm未満の含有量が85質量%以上の金属Alを使用することが更に好ましい。
次に、黒鉛は、耐スポーリング性と耐スラグ性を向上させるために6質量%以上10質量%以下で使用する。耐火原料配合物中の黒鉛量が6質量%未満では、耐スポーリング性が不十分となり、10質量%を超えると熱伝導率が高くなり熱ロスの面で問題が出てくる。
カーボンブラックは、熱伝導率の上昇を抑制して耐スポーリング性を向上する目的で使用する。本発明者らによる試験の結果、カーボンブラックによる耐スポーリング性向上の効果は、黒鉛量が10質量%以下のマグネシアカーボンれんがにおいて極めて顕著に得られることがわかった。すなわち、黒鉛量が10質量%を超える領域では黒鉛の耐スポーリング効果の貢献度が大きくカーボンブラックの添加効果が隠れてしまうが、黒鉛量が10質量%以下の場合にはカーボンブラックの影響が大きくなるとと考えられる。
カーボンブラックは、前記の理由から0.1質量%以上2質量%以下で使用する。0.1質量%未満では耐スポーリング性が不十分となり、2質量%を超えると耐食性が低下する。
ここで、カーボンブラックには、球状の単一粒子からなるもの(単球型)と、一次粒子が相互に会合して会合体(アグリゲート)を形成しているもの(アグリゲート型)とがあるが、本発明ではカーボンブラックの単球型とアグリゲート型との質量比(単球型/アグリゲート型)は、好ましくは2.0以下、より好ましくは0.1以上2.0以下とすることで、熱処理後の気孔率をより小さくすることができ、かつ耐スポーリング性を向上させることができる。
カーボンブラックにおいては、嵩比重が比較的小さなアグリゲート型と、嵩比重が比較的大きな単球型とでは、添加効果が若干異なっている。嵩比重が比較的小さなアグリゲート型は、れんが組織中に発生する熱応力の緩和効果に優れるものの、単球型と比較して耐食性が劣るという性質を有する。嵩比重が比較的大きな単球型は、アグリゲート型と比べて、れんが組織が比較的緻密になるため、れんが組織中に発生する熱応力の緩和効果は若干劣るものの、アグリゲート型と比べて耐食性が比較的優れている。よって、比較的耐食性を重視する場合は単球型の配合割合を増加させるのが良く、比較的耐熱衝撃性を重視する場合はアグリゲート型の配合割合を増加させるのが良い。
なお、本発明でいう粒径とは、耐火原料粒子を篩いで篩って分離したときの篩い目の大きさのことであり、粒径0.075mm未満のマグネシアとは、篩い目が0.075mmの篩いを通過するマグネシアのことで、粒径0.075mm以上のマグネシアとは、篩い目が0.075mmの篩い目を通過しないマグネシアのことである。
本発明のマグネシアカーボンれんがは、黒鉛量が少ないため、溶鋼中へのカーボンピックアップや熱伝導による鉄皮の熱変形を抑制できる。更に、内張りれんがとしての使用中でも組織の見掛け気孔率の上昇が抑制されている(緻密である)ため、マトリックス部へのスラグの浸透を大幅に抑制することで、耐食性の向上が図られる。また、金属Al量を比較的少量に留めることにより緻密化を図ることができ、補修モルタルの水分等の影響によるれんが組織の脆化(風化)も抑制できる。これらにより、従来の黒鉛量12〜20質量%のマグネシアカーボンれんがと同等以上の耐用性を確保することが可能となる。
また、複数種のカーボンブラックを組み合わせて使用すると、黒鉛量減少による耐スポーリング性低下を抑制することができる。
マグネシアカーボンれんがの一般的な製造フローを示す。
本発明で使用するマグネシアは、電融マグネシア、焼結マグネシアのいずれでも良く、これらを混合して使用しても良い。その組成も特に限定されるものではないが、耐食性の面からはMgO純度は96%以上であることが好ましく、より好ましくは98%以上である。
黒鉛は通常の鱗状黒鉛が使用可能であるが、これに代えて又はこれと併用して膨張黒鉛、人造黒鉛、キッシュグラファイトなどを使用しても良い。その組成は特に限定されるものではないが、より高い耐食性を得るためにはC純度が高い黒鉛を使用する方が良く、C純度は85%以上であることが好ましく、より好ましくは98%以上である。また鱗状黒鉛を使用する場合には、粒度は特に限定されないが、粒径0.15mm以上1mm未満の鱗状黒鉛が全体の鱗状黒鉛の40質量%以上含まれるものを使用することで、より緻密性を向上させることができる。
金属Alとしては、粉末状のものを使用することができる。
金属Al以外の金属としては、Si、Mg、Cr及びこれらの合金のうち1種以上を使用することができる。このなかでSiの使用は、れんが組織の緻密化の点から好ましい。Siを使用する場合、その使用量は黒鉛とカーボンブラックとの合量に対して10質量%以下が適当であり、より好ましくは5質量%以下である。
カーボンブラックのうち単球型としては、ファイン・サーマル・ブラック(FT)、ミディアム・サーマル・ブラック(MT)等を使用することができ、アグリゲート型としては、セミ・レインフォーシング・ファーネス・ブラック(SRF)、ジェネラル・パーパス・ファーネス・ブラック(GPF)、ファースト・エクストレーディング・ファーネス・ブラック(FEF)、スーパー・アブレージョン・ファーネス・ブラック(SAF)、ハイ・アブレージョン・ファーネス・ブラック等を使用することができる。
マグネシア、黒鉛、金属Al、及びカーボンブラック以外には、マグネシアカーボンれんがの原料として一般的に使用されているピッチ、炭化硼素(BC)、繊維、ガラス等も問題なく使用することができる。具体的には、耐火原料配合物中に5質量%以下であれば悪影響を及ぼさずに使用することができる。
本発明のマグネシアカーボンれんがは一般的なマグネシアカーボンれんがの製法によって製造することができ、すなわち本発明の耐火原料配合物を、混練し、成形後、熱処理することで得ることができる。熱処理の温度は、120℃〜400℃程度である。なお、混練時には結合材を添加するが、この結合材としてはフェノール樹脂を好適に使用できる。フェノール樹脂としては、ノボラック型、レゾール型、及びこの混合型のいずれでも使用できる。また、粉末又は適当な溶剤に溶かした液状、更に液状と粉末の併用のいずれも使用できる。
本発明によれば下記の実施例に示すとおり、1400℃の還元雰囲気で10時間焼成後の見掛け気孔率が8.3%以下のマグネシアカーボンれんがが得られるので、使用中にも十分緻密な組織となっているため耐食性に優れている。
この本発明のマグネシアカーボンれんがは、転炉、電気炉、取鍋、真空脱ガス炉などの溶融金属処理炉の内張り材として使用することができるが、特に従来の黒鉛量の多い(10質量%超)マグネシアカーボンれんがと同レベルの耐スポーリング性と耐食性を有し、しかも溶鋼中へのカーボンピックアップや熱伝導による鉄皮の熱変形を抑制することが可能な点から転炉での使用に適している。
表1及び表2に記載の耐火原料配合物に結合材としてフェノール樹脂を添加して混練し、フリクションプレスで成形後、250℃で熱処理した。マグネシアとしては純度98質量%の電融マグネシアを使用し、黒鉛としては純度99%の天然鱗状黒鉛を使用した。カーボンブラックとしては単球型(FT)とアグリゲート型(SRF)を必要に応じて使用した。なお、表中のマグネシア欄の「(c)/(b)」は粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシア(マグネシア中間粒、表中の(b))に対する粒径0.075mm未満のマグネシア(マグネシア微粒、表中の(c))の質量比であり、カーボンブラック欄の「単球/アグリゲート」はカーボンブラックのアグリゲート型に対する単球型の質量比である。
Figure 0006353284
Figure 0006353284
前記の手順で作製した試験用れんがについて、実際の転炉使用における熱影響を考慮して、コークスブリーズ中に所定寸法に加工した試験用れんがを埋め、電気炉において1400℃まで昇温して10時間又は30時間保持し、自然放冷するという還元焼成を行った。その後、見掛け気孔率を測定するとともに、耐食性及び耐スポーリング性を評価し、各例のれんがを総合的に評価した。
見掛け気孔率測定の試料寸法は20×20×110mmであり、前記の10時間の還元焼成の後、溶媒を白灯油とし、JIS R 2205に準拠して測定した。
耐食性は、回転侵食試験にて評価した。加工済みの試験用れんがを前記の10時間の還元焼成の後、水平の回転軸を有する円筒の内面にライニングし、酸素−プロパンバーナーで加熱し、スラグを投入してれんが表面を侵食させた。試験温度及び時間は1700℃で5時間、スラグ組成はCaO/SiO=3.4、FeO=23%とし、1時間毎にスラグの排出、投入を繰り返した。試験終了後の各れんが中央部の寸法を測定して侵食量を算出し、表1に記載の「比較例1」の侵食量を100とする耐食性指数で表示した(耐食性指数=100×比較例1の侵食量(mm)/各例の侵食量(mm))。この耐食性指数は数値の大きいものほど耐食性に優れることを示す。
耐スポーリング試験の試料寸法は40×40×110mmであり、前記の30時間の還元焼成の後、1400℃の溶銑60秒浸漬、10秒水冷の熱衝撃を3回繰り返し、亀裂、剥落の状態を観察した。表中で、◎は試験後に亀裂がなかったもの、○は軽微な亀裂が発生したもの、△は中程度の亀裂が発生したもの、×は割れ又は大亀裂が発生したものである。
比較例1、2と、実施例1から4は、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシア中間粒量の、見掛け気孔率、耐食性及び耐スポーリング性への影響を調査したものである。実施例1から4はマグネシア中間粒量が異なるものであるが、本発明の範囲内であり、見掛け気孔率が低く、耐食性及び耐スポーリング性も優れている。これに対して比較例1はマグネシア中間粒量が30質量%と本発明の下限値を下回っており、見掛け気孔率が高く組織がラフになり、耐食性も劣る結果となっている。また、比較例2はマグネシア中間粒量が65質量%と本発明の上限値を超えており、耐スポーリング性が低下している。
比較例3と、実施例5、6は、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシア中間粒に対する粒径0.075mm未満のマグネシア微粒の質量比の、見掛け気孔率、耐食性及び耐スポーリング性への影響を調査したものである。実施例5はマグネシア微粒を含有しないもの、実施例6は前記質量比が0.23のものであるが、いずれも本発明の範囲内であり見掛け気孔率が低く耐食性及び耐スポーリング性も優れている。これに対して比較例3は前記質量比が0.30と本発明の上限値0.24よりも大きくなっており、耐食性と耐スポーリング性が劣る結果となっている。
比較例4、5と、実施例7から14は、カーボンブラックの添加量及び前記「単球/アグリゲート」の、見掛け気孔率、耐食性及び耐スポーリング性への影響を調査したものである。実施例7、8と比較例4とはカーボンブラックの有無が異なるだけであるが、耐スポーリング性が向上していることがわかる。実施例9は、実施例8のカーボンブラックを単球型からアグリゲート型に全て置き換えた例であるが、見掛け気孔率が増加して耐食性の低下が見られるものの、耐スポーリング性が大きく向上している。実施例10は、実施例9のアグリゲート型カーボンブラックを1.5倍に増量した例であるが、今回の評価方法では耐スポーリング性の向上効果は飽和し、耐食性の低下が見られる。実施例11から13は、実施例9をベースとして、単球型カーボンブラックの割合を増加させた例であるが、耐スポーリング性は悪化傾向にあるものの、見掛け気孔率減少とともに耐食性が向上している。なお、実施例12から13にかけては、単球/アグリゲートの比が2倍になっているものの、単球/アグリゲートの比が本発明の単球/アグリゲートの比の好ましい上限値である2.0に近づくにつれて、耐食性の向上効果は小さくなってきている。
比較例6、7と、実施例15、16は、黒鉛量の、見掛け気孔率、耐食性及び耐スポーリング性への影響を調査したものである。実施例15と実施例16は黒鉛量が本発明の範囲内で異なる例であるが、見掛け気孔率が低く、耐食性も優れ、更に黒鉛量が13質量%と多くしかもカーボンブラックを使用しない比較例7と同等の耐スポーリング性を有している。
比較例8、9と、実施例17から19は、金属Al添加の、見掛け気孔率、耐食性及び耐スポーリング性への影響を調査したものである。実施例17から19は金属Alの添加量が本発明の範囲内で異なる例であるが、見掛け気孔率が低く、耐食性及び耐スポーリング性も優れている。これに対して、比較例8は金属Alを含まない例で、耐食性及び耐スポーリング性が低下している。比較例9は金属Al添加量が黒鉛とカーボンブラックとの合量に対して18.9質量%と、本発明の上限値を超えており見掛け気孔率が高くなり、耐食性と耐スポーリング性も低下している。
実施例20と実施例21は金属として金属Siを使用した例、実施例22から24は、炭化硼素(BC)やピッチを使用した例であるが、いずれも本発明の範囲内であり良好な結果となっている。
実施例2、比較例1及び比較例7のれんがを、実際の転炉で使用した結果、いずれも最後まで使用することができたが、実施例2のれんがの損耗速度は0.15mm/chと、比較例1のれんがの損耗速度0.20mm及び比較例7の損耗速度0.17mm/chよりも勝っていた。

Claims (2)

  1. マグネシアを85質量%以上93質量%以下、黒鉛を6質量%以上10質量%以下、カーボンブラックを0.1質量%以上2質量%以下、及び金属Alを黒鉛とカーボンブラックとの合量に対して0.1質量%以上15質量%以下含み、しかも前記マグネシアの粒度構成として、粒径1mm以上5mm未満のマグネシアの粗粒が15質量%以上50質量%以下、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの中間粒が35質量%以上60質量%以下、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの中間粒に対する粒径0.075mm未満のマグネシアの微粒の質量比が0.24以下である耐火原料配合物を混練し、成形後、熱処理して得られるマグネシアカーボンれんが。
  2. 前記カーボンブラックが、単球型のカーボンブラックとアグリゲート型のカーボンブラックとからなり、その質量比(単球型/アグリゲート型)が2.0以下である請求項1に記載のマグネシアカーボンれんが。
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