JP2015189605A - マグネシアカーボンれんが - Google Patents

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Abstract

【課題】Al−Mg合金を含有するMgO—Cれんがの実炉使用時における緻密性の向上を図り、これによりAl−Mg合金を比較的少ない量でその効果を最大に発現させ、もって耐用性の高いMgO−Cれんがを提供すること。【解決手段】マグネシアを70〜97質量%、黒鉛を3〜30質量%、及びAl−Mg合金を黒鉛含有量に対する質量比で0.003〜0.120含有し、しかも前記マグネシアの粒度構成として、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの中間粒が35質量%以上55質量%以下、前記粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの中間粒に対する粒径0.075mm未満のマグネシアの微粒の質量比が0.24以下である耐火原料配合物を使用し、これを混練し、成形後、熱処理する。【選択図】なし

Description

本発明は、溶融金属用容器の内張り材に好適に使用されるマグネシアカーボンれんがに関する。
マグネシアカーボンれんが(以下「MgO−Cれんが」という。)はマグネシアと黒鉛を主骨材として構成され、耐食性、耐スポーリング性に優れたれんがであり、転炉をはじめとする溶融金属用容器の内張り材として汎く用いられている。
近年の溶融金属用容器の操業過酷化に伴い、より耐用性に優れるMgO−Cれんがが求められるようになった。このMgO−Cれんがの耐用性を示す指標として耐酸化性や耐食性が挙げられる。これらの特性を向上させるためにはMgO−Cれんがを緻密化し、外気との通気性を低くすること、スラグや溶鉄の浸透を抑制することが有効であり、そのための手法としては、易酸化性粉末を添加する手法が一般的に用いられている。易酸化性粉末としてはAl、Mg、Cr、Zr、B、Caなどの金属及びこれら元素の2種以上の合金、更に、B、Cの化合物が挙げられる。
このなかで最も多く用いられているのがAlである。Alは黒鉛(炭素原料)よりも酸素親和力が強く酸化防止機能を有する。更に、酸化により生じたAlはれんが中のMgOと反応しMgO・Alを生成するが、このときの体積膨張により組織の緻密化が図られ、耐食性の向上効果が得られる。また、1000℃以上の温度では強度特性を著しく改善できる。一方、400℃付近から、添加したAlが強度を発現する1000℃付近までの中間温度域では有機バインダーの分解によってれんがの強度が低下する。この中間温度域の強度の低下によって、亀裂発生、剥離損耗を誘発することが欠点となる。
また、Alに代えてAl−Mg合金を添加することが特許文献1に開示されている。この特許文献1では、耐火原料50〜95重量%及び黒鉛5〜50重量%から構成される耐火物配合物にAl/Mgモル比70/30〜23/77の範囲にあるAl−Mg合金を外掛け0.5〜10重量%添加している。Al−Mg合金は溶融温度が低いことから中間温度域の強度が向上し、亀裂発生や剥離損耗を抑制できることや、Mg成分の添加により耐食性が向上することが示されている。
しかし、Al−Mg合金の添加量が多い場合や、酸化性ガスがれんが内に十分に供給されない場合、蒸気圧の高いMgは金属蒸気としてれんが系外へ放出され、れんがが高気孔率化し、耐食性が低下するという問題があった。そこで従来、以下の提案がなされている。
すなわち、特許文献2には、金属及び合金を含有した炭素含有耐火物においてベーキング後気孔率を5%以下に抑制することによって金属ガスの系外への放出を抑制し、緻密な組織が形成されることが示されている。また、特許文献3には、Al−Mgを含有するMgO−Cれんがに硼化物を添加することで、焼成中にBを含むガラス相が形成されMgガスの揮散が抑制され緻密な組織を維持できることが示されている。
一方、マグネシアの粒度構成もMgO−Cれんがの緻密化に影響を及ぼすことが知られており、例えば特許文献4では1〜0.2mmの範囲の中間粒を30〜45重量%、0.2mm以下の微粒を15〜25重量%とすることで耐酸化性、耐食性、熱間強度の向上が可能な緻密質MgO−Cれんがが提案されている。
特開昭58―190868号公報 特開平7−118057号公報 特開2004−123449号公報 特開平1−270564号公報
特許文献2において、炭素含有耐火物中のAl−Mg合金の揮散を防ぎ緻密な組織を形成することは、本発明と趣旨を同じくするところがあるが、特許文献2ではベーキング後、すなわち150〜350℃程度の熱処理後の緻密性について言及されているのみで、実炉使用時に高温熱負荷を受けたときの緻密性については言及されておらず、れんがが結合(ボンド)を生成した後の状態での評価・考察がなされていない点で改善の余地があった。
特許文献3ではAl−Mg合金からのMgガスの揮発を硼化物の添加によって抑制することが記載されているが、硼化物から生成する硼酸成分は耐食性を低下させることがあり、これに頼らずにMgをれんが内に固定させる方法が望まれていた。
特許文献4の粒度構成については、熱処理後の気孔率が依然として高く、実炉使用時の緻密性の点で改善の必要があった。
以上に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、Al−Mg合金を含有するMgO―Cれんがの実炉使用時における緻密性の向上を図り、これによりAl−Mg合金を比較的少ない量でその効果を最大に発現させ、もって耐用性の高いMgO−Cれんがを提供することにある。
Al−Mg合金を含有するMgO−Cれんがが実炉で使用されるとき、気化したMgガスはれんが内での平衡分圧が非常に低いため、れんが外へ移動しようとする。稼働中(実炉使用中)のれんがを想定した場合、その稼動面からMgガスの大部分が逸散しようとするが、これを効率良く酸化してMgOとして固定することでれんがの耐用性は向上する。
本発明者らは、このMgガスを固定化する手法として、れんがの稼動面の緻密性を維持し、通気率を低くすることに着目し、そのために、原料配合中で大半を占めるマグネシアの粒度構成及びAl−Mg合金の添加量などについて検討した。そして、実炉使用時の緻密性を評価するために、MgO−Cれんがの1400℃還元焼成後の見掛け気孔率を指標とした。その結果、マグネシアの粒度構成及びAl−Mg合金の添加量を特定範囲として組み合わせることで、実炉使用時に緻密な組織を維持でき、極めて耐用性に優れるMgO−Cれんがが得られることを知見した。
すなわち、本発明によれば以下のMgO−Cれんがが提供される。
(1)マグネシアを70〜97質量%、黒鉛を3〜30質量%、及びAl−Mg合金を黒鉛含有量に対する質量比で0.003〜0.120含有し、しかも前記マグネシアの粒度構成として、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの中間粒が35〜55質量%以下、前記粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの中間粒に対する粒径0.075mm未満のマグネシアの微粒の質量比が0.24以下である耐火原料配合物を混練し、成形後、熱処理して得られるマグネシアカーボンれんが。
(2)前記Al−Mg合金が、粒径150μm以下の粒子を70質量%以上含有する(1)に記載のMgO−Cれんが。
以下、本発明を詳細に説明する。
マグネシアは耐火原料配合物中に70〜97質量%含有させる。70質量%未満ではMgO−Cれんがとしての耐食性が不足し、97質量%を超えると黒鉛が不足するため耐スポーリング性が低下する。なお、耐スポーリング性は本発明の主眼とするところではないが、溶融金属用容器の内張り材等として適用されるMgO−Cれんがとして必要最低限の耐スポーリング性は必要である。
黒鉛は、耐スポーリング性を付与するために耐火原料配合物中に3〜30質量%、好ましくは5〜20質量%含有させる。3質量%未満では耐スポーリング性が不足し、30質量%を超えると十分な耐食性が得られない。
マグネシアの粒度構成については、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの中間粒(以下「マグネシア中間粒」という。)が多いほど1400℃還元焼成後の残存膨張性を小さくできることから、見掛け気孔率も小さくすることができる。一方、このマグネシア中間粒が多すぎると成形充填性の低下につながり、1400℃還元焼成後の見掛け気孔率は上昇する。これらのことからマグネシア中間粒は、耐火原料配合物中に35〜55質量%、好ましくは43〜55質量%の割合で配合する。
また、粒径0.075mm未満のマグネシアの微粒(以下「マグネシア微粒」という。)は、多すぎると成形時の充填性が悪くなり、結果として1400℃還元焼成後の見掛け気孔率が高くなることから、多量に添加しすぎない方が良い。本発明においてこのマグネシア微粒の添加量の上限は、マグネシア中間粒との質量比によって規定する。具体的には、耐火原料配合物中においてマグネシア中間粒に対するマグネシア微粒の質量比を0.24以下とする。
マグネシア中間粒とマグネシア微粒の以外のマグネシアの残部は、粒径1mm超の粗粒(以下「マグネシア粗粒」という。)である。このマグネシア粗粒の粒度の上限は特に規定されず、通常のMgO−Cれんがとして一般的に使用されている範囲であれば問題なく使用でき、例えば5mm以下で十分である。
Al−Mg合金は酸化防止及び組織の緻密化を目的として使用する。Al−Mg合金は、Alと比較して融点が低いことから、より耐酸化性に優れ、しかもSiよりも耐食性の付与に優れている。
Al−Mg合金の添加量については、従来、比較的多量に添加し、その効果を発揮させようとする試みがなされてきた。しかし、上述のような特性を付与するにあたり、添加量が多すぎた場合、酸化性ガスの供給が不十分で、れんが内で発生したMgガスが酸化されることなく系外へ放出されてしまう。また、本発明のMgO−Cれんがは上述したマグネシアの粒度構成の調整により、もともと気孔の少ない緻密な組織になることから、Mgガスの固定化による一層の緻密化には少量の添加でも充分効果が得られ、更には、多量の添加は耐スポーリング性の低下を招く点でも好ましくない。
本発明においてAl−Mg合金の添加量(含有量)の適正範囲は、黒鉛含有量との質量比で規定する。これは、黒鉛の酸化防止に必要な量に対して過剰にAl−Mg合金を添加しすぎるとれんがの使用中の組織の緻密性を保てないためである。つまり、れんがの昇温過程では、Al−Mg合金の一部は酸化によってアルミナ、マグネシア、あるいはスピネルを生成するがこの時体積膨張を伴うため微細組織中に気孔を生じ、さらに残存膨張率の上昇により組織の緻密性を低下させてしまう。さらにAl−Mg合金が揮発して気孔が増えるためである。この質量比は0.120以下、好ましくは0.09以下で充分な効果が発現する。ただし、0.003未満では充分な効果が得られない。
溶融金属容器(実炉)に内張りされたれんがの稼動初期は、損傷が進んだ稼動後半と比較するとれんが残厚が大きいことやれんが内部の温度が定常状態となっていないことから、温度勾配が大きい。このことから、稼動初期の損耗が速く、稼動末期はれんがの抜熱が強化されてれんが材質による損耗量の差は出にくい。つまり、稼動初期の損耗速度を低減することは炉寿命の延長に有効である。この観点から、これまで述べてきたように揮発したMgガスの稼動面側への移動・固化が、より稼動早期に促進され完了するほうが好ましい。このため、使用するAl−Mg合金は反応性の高い粒度の細かいものを用いるのが好ましく、具体的には粒径150μm未満の粒子を70質量%以上含有するAl−Mg合金を使用することが好ましい。
本発明では、Al−Mg合金以外の他の金属又は合金を併用使用することも可能である。例えば、Al及び/又はSiと併用使用すると、更に1400℃還元焼成後の見掛け気孔率を低くすることができる。例えば、Alは黒鉛含有量に対する質量比で0.003〜0.120の範囲、Siは黒鉛含有量に対する質量比で0.003〜0.05の範囲で使用することができる。そして、Al−Mg合金、Al及びSiを使用する場合には、その合量が黒鉛含有量に対する質量比で0.1〜0.20とすることで、充分な酸化防止効果が得られ、しかも緻密な組織が得られる。
本発明で使用する耐火原料配合物として、マグネシア、黒鉛、及びAl−Mg合金以外には、MgO−Cれんがの原料として一般的に使用されている原料、例えばAl−Mg合金以外の金属・合金、ピッチ、カーボンブラック、炭化硼素、繊維、及びガラス等も問題なく使用することができる。これらは、耐火原料配合物に占める割合で例えば5質量%以下で使用することができる。
ここで本発明では、緻密性を評価するために、上述のとおり1400℃還元焼成後の見掛け気孔率を指標とした。これは、試料を予め還元焼成したほうが実使用時の材料により近い状態を表すことができ、材料の緻密性評価の指標として有効と判断されるからである。また、焼成温度が1400℃未満ではMgO−Cれんが内部での反応が完了しきれず、熱負荷も十分でないため緻密性の評価として適当ではない。一方、焼成温度が1400℃を超えると焼結が進行して本発明による緻密性向上効果を分離して評価することが困難になるうえ、焼成する炉への負荷が大きく定常的な測定評価として好ましくない。焼成時間は試料が1400℃に晒される時間として3時間とした。3時間未満ではMgO−Cれんが内部での反応が完了しきれず適当ではない。また、これよりも長時間の焼成では焼結が進行して本発明による緻密性向上効果を分離して評価することが困難になる。すなわち、本発明では、1400℃で3時間還元雰囲気で焼成した後の試料について、媒液を白灯油としたアルキメデス法(JIS R 2205)により測定した見掛け気孔率を緻密性向上効果の指標とした。
本発明は、この見掛け気孔率を低減することを特徴とし、具体的には後述するとおり、見掛け気孔率7.5%以下を達成し、これにより従来のMgO−Cれんがと比較して耐用性の向上を図ったものである。
本発明のMgO−Cれんがは、マグネシアの粒度構成制御とAl−Mg合金添加の効果により、緻密な組織を有することから耐用性が極めて良好であり、しかも低温領域からの酸化防止効果に優れるため、転炉の全部位、鋼鍋スラグライン部、二次精錬容器に好適に適用され、炉寿命向上、炉材原単位低減に大きく貢献できる。
本発明で使用するマグネシアは、電融マグネシア、焼結マグネシアのいずれでも良く、これらを混合して使用してもよい。その組成は特に限定されるものではないが、より高い耐用性を得るためにはMgO純度は96%以上であることが好ましく、より好ましくは98%以上である。
本発明で使用するAl−Mg合金も、その組成は特に限定されるものではないが、より高い耐用性を得るためには純度は95%以上であることが好ましく、より好ましくは98%以上である。Al−Mg合金の形態としては、粉末状のものを使用する。
黒鉛としては、通常の鱗状黒鉛が使用可能であるが、これに代えて又はこれと併用して膨張黒鉛、人造黒鉛、キッシュグラファイトなどを使用しても良い。その組成は特に限定されるものではないが、より高い耐用性を得るためにはC純度が高い黒鉛を使用する方が良く、C純度は85%以上であることが好ましく、より好ましくは98%以上である。
本発明のMgO−Cれんがは一般的なMgO−Cれんがの製法によって製造することができ、すなわち本発明の耐火原料配合物を、混練し、成形後、熱処理することで得ることができる。熱処理の温度は、120℃〜400℃程度である。なお、混練時には結合材を添加するが、この結合材としては耐火物に一般的に使用されている有機バインダーを使用することができ、例えばフェノール樹脂やフラン樹脂などが使用できる。
ここで、本発明でいう粒径とは、耐火原料粒子を篩いで篩って分離したときの篩い目の大きさのことであり、例えば粒径0.075mm未満のマグネシアとは、篩い目が0.075mmの篩いを通過するマグネシアのことで、粒径0.075mm以上のマグネシアとは、篩い目が0.075mmの篩い目を通過しないマグネシアのことである。
表1及び表2に記載の耐火原料配合物に結合材としてフェノール樹脂を添加して混練し、フリクションプレスで成形後、250℃で熱処理した。マグネシアとしては純度98%の電融マグネシアを、黒鉛としては純度99%の天然鱗状黒鉛を使用した。Al−Mg合金としては、Al/Mgモル比が1.5のものと3.0のものとを使用した。表中の原料の単位は質量%である。また、表中の「(c)/(b)」は粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシア(マグネシア中間粒、表中の(b))に対する粒径0.075mm未満のマグネシア(マグネシア微粒、表中の(c))の質量比であり、「Al−Mg合金/黒鉛比」は、黒鉛添加量に対するAl−Mg合金添加量の質量比である。
熱処理したMgO−Cれんがから物性評価用試料を切り出して、緻密性、耐食性及び耐酸化性の評価を行った。
緻密性は、見掛け気孔率を測定することで評価した。この見掛け気孔率の測定においては、形状60×60×60mmの試料をコークスブリーズ中に埋め、電気炉において1400℃まで昇温し、3時間保持して自然放冷した。その後、溶媒を白灯油とし、JIS R 2205に準拠して測定した。
耐食性は、回転侵食試験にて評価した。回転侵食試験では、水平の回転軸を有する円筒の内面を供試れんがでライニングし、酸素−プロパンバーナーで加熱し、スラグを投入してれんが表面を侵食させた。試験温度及び時間は1700℃で5時間、スラグ組成はCaO/SiO=3.4、FeO=20%、MgO=3%とし、30分毎にスラグの排出、投入を繰り返した。試験終了後の各れんが中央部の寸法を測定して侵食量を算出し、表1に記載の「実施例1」の侵食量を100とする耐食性指数で表示した(耐食性指数=100×実施例1の侵食量(cm)/各例の侵食量(cm))。この耐食性指数は数値の大きいものほど耐食性に優れることを示す。
耐酸化性の評価においては、φ50×50mmの試料を大気雰囲気下で電気炉中1400℃で5時間焼成した。その後、試料の高さ方向の中央を切断し、炭素成分が脱炭して変色した部分の厚さを4方向計測してこの値の平均値を脱炭層厚さとし、表1に記載の「実施例1」の脱炭層厚さを100とする耐酸化性指数で表示した(耐酸化性指数=100×実施例1の脱炭層厚さの平均値(mm)/各例の脱炭層厚さの平均値(mm))。この耐酸化性指数は数値の大きいものほど耐酸化性に優れることを示す。
Figure 2015189605
Figure 2015189605
表1の実施例1〜17は、本発明の範囲内にある本発明の実施例である。いずれも見掛け気孔率7.5%以下を達成しており緻密性が良好で、かつ耐食性及び耐酸化性も良好であった。以下、各実施例の特徴を表2の比較例と対比しつつ説明する。
実施例1〜3はマグネシアの粒度構成が本発明の範囲内で異なっているが、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシア中間粒の含有量が増加するに従い、見掛け気孔率が低減され耐食性が向上している。
これに対して比較例1は、マグネシア中間粒の含有量が30質量%と本発明の下限値を下回る例であるが、Al−Mg合金の気化により生成したMgガスが系外へ放出されたため見掛け気孔率が上昇している。比較例2はマグネシア中間粒の含有量が60質量%と本発明の上限値を超える例であるが、成形充填性が低下したことから見掛け気孔率が上昇している。
実施例4は粒径0.075mm未満のマグネシア微粒を添加していないが、見掛け気孔率7.5%以下を達成している。
一方、比較例3は、マグネシア中間粒に対するマグネシア微粒の質量比「(c)/(b)」が0.30と本発明の上限値0.24を超えており、マグネシア微粉量が増加した結果、見掛け気孔率が上昇している。
実施例5〜7は、Al−Mg合金の含有量が本発明の範囲内で異なっているが、見掛け気孔率が7.5%以下で緻密な組織が形成されている。
これに対して、比較例4は、Al−Mg合金及び他の金属を使用していない例であり、マグネシアの粒度構成の適正化によって従来よりは緻密な組織は得られるが、見掛け気孔率7.5%以下は達成されていない。比較例5は実施例1のAl−Mg合金の代わりにAlを使用したものであり、見掛け気孔率が上昇し、しかも耐酸化性が劣っている。比較例6は実施例1のAl−Mg合金の代わりにSiを使用したものであり、見掛け気孔率が上昇し、しかも耐食性に劣っている。
以上からAl−Mg合金を使用することで、AlやSiを使用した場合と比較して焼成後の見掛け気孔率を低くすることができ、実炉使用時の耐用性向上の効果が得られることがわかる。
なお、比較例7は、黒鉛量に対するAl−Mg合金量比(Al−Mg合金/黒鉛比)が高い例であるが、酸化性ガスの供給が不足しMgガスが系外へ放出されたことによって高気孔率化したと考えられる。
実施例8は、Al−Mg合金中の粒径150μm未満のものの割合が70質量%を下回る例であるが、見掛け気孔率7.5%以下は達成されている。
実施例9はSiを併用、実施例10はAlを併用、実施例11はSiとAlとを併用した例であるが、いずれも7.5%を下回る見掛け気孔率が達成され、耐食性が向上している。
実施例12はAlとMgの含有比率が異なるAl−Mg合金を使用した例であるが、緻密な組織が得られ、耐食性も優れている。
実施例13はピッチを、実施例14はBC(炭化硼素)をそれぞれ添加した例であるが緻密な組織が得られ、耐食性も優れている。
実施例15〜17は黒鉛量を本発明の範囲内で変化させているが、いずれも見掛け低気孔率は7.5%以下で緻密な組織が得られている。
比較例5のMgO−Cれんが(従来品)と実施例14のMgO−Cれんが(本発明品)を実際の転炉で使用した結果、本発明品の損傷速度(mm/ch)は従来品に対して30%向上した。

Claims (2)

  1. マグネシアを70〜97質量%、黒鉛を3〜30質量%、及びAl−Mg合金を黒鉛含有量に対する質量比で0.003〜0.120含有し、しかも前記マグネシアの粒度構成として、粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの中間粒が35〜55質量%以下、前記粒径0.075mm以上1mm未満のマグネシアの中間粒に対する粒径0.075mm未満のマグネシアの微粒の質量比が0.24以下である耐火原料配合物を混練し、成形後、熱処理して得られるマグネシアカーボンれんが。
  2. 前記Al−Mg合金が、粒径150μm以下の粒子を70質量%以上含有する請求項1に記載のMgO−Cれんが。
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