JP2014091633A - カーボン含有れんが - Google Patents
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Abstract
【課題】れんが中のカーボン成分を低減したカーボン含有れんがにおいて、気孔率の増大という弊害を招くことなく、良好な耐酸化性を有する材質を提供すること。
【解決手段】耐火物原料を85質量%以上99.45質量%以下、窒化ほう素原料を0.05質量%以上5質量%以下含有し、れんが中のカーボン(C)成分が0.5質量%以上10質量%以下であることを特徴とするカーボン含有れんが。
【選択図】なし
【解決手段】耐火物原料を85質量%以上99.45質量%以下、窒化ほう素原料を0.05質量%以上5質量%以下含有し、れんが中のカーボン(C)成分が0.5質量%以上10質量%以下であることを特徴とするカーボン含有れんが。
【選択図】なし
Description
本発明は、溶鋼など溶融金属の精練・運搬容器に用いられるカーボン含有れんがに関する。
カーボン含有れんがの一例として、マグネシア−カーボンれんがは従来から、転炉、電気炉、溶鋼鍋あるいは真空脱ガス炉等の溶融金属容器の内張り材として広く使用されている。ただし、昨今の鋼材に要求される具備特性は厳しくなっており、その結果として、マグネシア−カーボンれんがの損耗によって溶鋼中にカーボンが溶出する「カーボンピックアップ」が問題となってきている。このため、マグネシア−カーボンれんがのカーボン含有量低減が求められている。
また、同じ背景で、溶鋼の処理温度上昇、滞留時間延長によって、処理中に精錬容器に奪われる溶鋼の熱量も増大している。黒鉛を多量に含むマグネシア−カーボンれんがは熱伝導率が高いため、カーボン含有量低減による低熱伝導率化の必要性も高まっている。
一方、カーボン含有量を低減すると、使用時にカーボンが酸化消失する脱炭層が表面付近に形成されやすく、れんが損耗増大の原因になるため、酸化防止剤の適用技術が一層重要となってくる。酸化防止剤としては、Al、 Al−Mg合金、Siなどの金属粉末や、炭化ほう素、窒化ほう素、ほう化マグネシウムなどのほう素含有化合物、炭化けい素などが知られている。
たとえば特許文献1では、Al−Mg合金と各種ほう素含有化合物を併用したマグネシア−カーボンれんがを検討しており、いずれのほう素含有化合物でも効果はあるが、より低温から酸化ほう素保護膜を形成しやすいほう化マグネシウムが最も好適であるとの結論を得ている。
しかしながら、カーボン含有量を低減したマグカーボンれんがで検討を行うと、従来の知見とは大きく異なる結果が得られることがわかってきた。すなわち、ほう化マグネシウムを使用すると、れんがの気孔率が増大するため、耐酸化性の面で十分な効果が得られず、その結果として、実際の精錬容器で使用した場合、期待した耐用が得られない場合が多い。
本発明が解決しようとする課題は、れんが中のカーボン成分を低減したカーボン含有れんがにおいて、気孔率の増大という弊害を招くことなく、良好な耐酸化性を有する材質を提供することにある。
本願発明者は、ほう化マグネシウムなどの酸化防止剤の添加によって気孔率が増大するメカニズムを解明する過程で本発明に至った。
すなわち、従来のカーボン含有れんがは15質量%以上の黒鉛を含有するのが一般的である。黒鉛はC軸方向に偏平な結晶が層状に重なっており、加圧すると層間で滑るため、黒鉛を多量に配合したれんがは、骨材、あるいは酸化防止剤など添加物の形状によって充填性に影響を受けることはほとんどない。一方、黒鉛添加量を低減するに従い、添加物の形状が角張ったものを使用すると、加圧した時に配合中の粒子間の移動が阻害されるため、充填性が低くなり、気孔率が増大する。
また、更に研究を重ねたところ、酸化防止剤として窒化ほう素を使用したものは、これまで述べたような気孔率の増大が見られないことが分かった。窒化ほう素のうち工業的に一般に利用されるものは六方晶、すなわち黒鉛と類似の結晶構造であり、層間の滑りによって変形することが可能なため、酸化防止剤として窒化ほう素を添加したれんがは、加圧した時に配合中の粒子間の移動が妨げられにくくなり、成形充填率が低下せず、気孔率増大がみられないと考えられる。
以上の知見に基づき想到された本発明のカーボン含有れんがは、耐火物原料を85質量%以上99.45質量%以下、窒化ほう素原料を0.05質量%以上5質量%以下含有し、れんが中のカーボン(C)成分が0.5質量%以上10質量%以下であることを特徴とするものである。
本発明のカーボン含有れんがは、昨今その必要性が高まっている低カーボンれんがにおいて、その耐酸化性を著しく向上させ、耐火物の損耗を著しく低減することが可能となる。このため、従来、低カーボンれんがを使用することが困難であった用途、部位においても低カーボンれんがを使用することが可能となり、鋼の品位が向上する。また製造工程において精錬容器に奪われる溶鋼の熱量を低減できるため、製鋼プロセスにおけるエネルギー原単位の低減が可能となる。以上のように、本発明の産業上の利用価値は極めて高い。
本発明のカーボン含有れんがは、カーボンのほかに耐火物原料及び窒化ほう素原料を含有する。
耐火物原料としては、MgOを主成分とする電融マグネシアクリンカー、焼結マグネシアクリンカー、あるいはMgOとCaOを主成分とするマグライムクリンカー(ドロマイトクリンカー)など、耐火れんがに一般的に使用されている原料を使用できる。なかでも、電融マグネシアクリンカーは結晶径が大きく、スラグに溶けにくい性質を有するため、特に好ましい。典型的には、MgOとCaOの含有量が85質量%以上の耐火物原料を使用する。なお、スピネル、アルミナ、クロム鉱、ジルコニア、チタニアなど、MgOとCaO以外の耐火物原料を、必要に応じ組み合わせて使用することもできる。
れんが中の耐火物原料の含有量は85質量%以上99.45質量%以下とする。85質量%未満では、液相生成量が増大することによって耐食性が著しく劣り、99.45質量%を超えると、カーボン含有量あるいは窒化ほう素原料の含有量が下記下限値を下回るため、カーボン原料の不足あるいはカーボン原料の酸化によって、スラグ浸潤を抑制する効果が得られなくなる。
れんが中の窒化ほう素原料の含有量は0.05質量%以上5質量%以下とする。0.05質量%未満では酸化防止剤としての効果が得られず、5質量%を超えると使用中に酸化ほう素の量が多くなり、マグネシア−カーボンれんがの場合、主成分のマグネシアと反応して多量の低融物が生成するため、耐食性が低下し、好ましくない。なお、同様な理由で、好ましいのは0.05質量%以上1質量%以下の範囲である。窒化ほう素原料としては、耐火れんがに一般的に使用されている市販の原料を使用できる。
カーボン源となるカーボン原料としては、天然の鱗状黒鉛やそれを加工した膨張黒鉛、あるいは人造黒鉛、ピッチなどを使用できる。また、結合剤として使用するフェノール樹脂、エポキシ樹脂なども、カーボンを残留し、マトリックスへのスラグ浸潤抑制に寄与するため、カーボン原料に含まれる。れんが中の化学成分としてのカーボン含有量は、0.5質量%以上10質量%以下とする。0.5質量%未満ではスラグ浸潤を抑制する効果が得られず、10質量%を超えると黒鉛など滑りやすいカーボン原料の割合が増えるため、窒化ほう素とそれ以外のほう素含有化合物による成形充填率の差が小さくなり、本発明の効果である気孔率の低減効果が不明確になる。なお、カーボンピックアップによる溶鋼の汚染を考慮すると、カーボン含有量は7質量%以下とすることが好ましい。
これら以外の原料として、酸化防止剤としてAl、Al−Mg合金、Siなどの金属粉末や、炭化ほう素、ほう化マグネシウムなどのほう素含有化合物、炭化けい素などの添加物が使用可能である。ただし、これらの添加物を使用することによる成形充填性劣化を抑制するために、これらの添加物の合量は5質量%以下、かつ、ほう素含有化合物については、低融物生成による耐食性低下を抑制するために、窒化ほう素とその他のほう素含有耐火物の合量で5質量%以下、より好ましくは1質量%以下に制限することが好ましい。
本発明のカーボン含有れんがは、マグネシア−カーボンれんが等の通常のカーボン含有れんがの製造方法によって製造可能である。たとえば、マグネシア原料、カーボン原料、窒化ほう素及びその他の原料からなる配合物に、フェノール樹脂などの結合剤を添加して混練、成形後、150℃〜300℃で加熱処理する。
表1から表3に挙げる原料を表に記載の割合で秤量、混練し、油圧成形機で圧力200MPaで成形し、250℃×5時間の熱処理を行いれんがを得た。
得られたれんがについて、かさ比重及び見掛気孔率を測定すると共に、耐酸化性及びスラグに対する耐食性を評価した。
れんがのかさ比重及び見掛気孔率は、れんがから試験体を切断採取し、JIS R 2205に記載の手順で測定した。
耐酸化性の評価は次の手順で実施した。れんがから直径40mm、高さ40mmの円筒形の試料を切断採取し、炭化けい素を発熱体とする電気炉を用い、大気雰囲気で熱処理した。温度条件は1400℃×3時間である。熱処理後の試料を高さ約20mmの位置で水平に切断し、断面に肉眼視で確認される酸化層厚みをノギスで4か所測定し、平均値を記録した。酸化層厚みが薄いものほど耐酸化性が優れると判断される。
スラグに対する耐食性は、回転侵食試験にて評価した。回転侵食試験では、水平の回転軸を有する円筒の内面を数種類のれんがでライニングし、酸素−プロパンバーナーで加熱し、スラグを投入してれんが表面を侵食させた。試験条件は1700℃×5時間、スラグはCaO:60質量%、SiO2:30質量%、Al2O3:10質量%とし、30分毎に排出、投入を繰り返した。試験終了後の各れんが中央部の寸法を測定して侵食量を算出し、表1に記載の「実施例2」の侵食量を100とする指数で表示した。
表1は、燐状黒鉛及びアルミニウム粉末をそれぞれ3質量%含有するマグネシア−カーボンれんが用の原料配合物をベースに、ほう素含有化合物の添加量とれんがのかさ比重及び見掛気孔率との関係を示している。ほう素含有化合物を添加していない比較例14に対し、窒化ほう素を適用した実施例1〜5は、かさ比重はほどんど変わらず、添加量増加に伴い見掛気孔率が低減している。これに対し、炭化ほう素を適用した比較例15、16、及びほう化マグネシウムを適用した比較例17、18は、添加量増加に伴い見掛気孔率が増大し、かさ比重が低下している。
また、耐酸化性の指標となる酸化層厚みは、ほう素含有化合物の添加量との相関が強いが、同じ添加量であれば窒化ほう素添加品が最も耐酸化性に優れている。これは窒化ほう素添加品が最も低気孔率であることが影響していると考えられる。更に耐食性についても、窒化ほう素を適用した実施例2、5は、炭化ほう素を適用した比較例15、16、及びほう化マグネシウムを適用した比較例17、18に対し良好な値を示している。なお、実施例1〜5のそれぞれを比較すると、窒化ほう素添加量増加に伴い耐酸化性が改善している一方、耐食性は窒化ほう素1質量%付近までが良好で、それ以上添加量を増やすとむしろ悪化する傾向が見られる。このため、実機での適用部位による材質の使い分け、すなわちスラグに常に接触する部位か、炉内雰囲気による気相酸化が損耗の主因か、という判断が重要と考えられる。
表2は、アルミニウム粉末を3質量%、ほう素含有化合物を0.3質量%含有するマグネシア−カーボンれんが用の原料配合物をベースに、黒鉛添加量とかさ比重及び見掛気孔率との関係を示している。窒化ほう素添加品は、ほう化マグネシウム添加品に比べて明らかに低気孔率、高比重の傾向が見られるが、カーボン含有量増加に伴いその差は縮小し、 10質量%を超える範囲では明確な差が見られなくなる。
表3は、各種耐火物原料、カーボン原料、金属粉の組み合わせにおいて、ほう素含有化合物の種類がかさ比重及び見掛気孔率に及ぼす影響を示している。いずれの組み合わせにおいても、窒化ほう素添加品はほう化マグネシウム添加品に比べて低気孔率、高比重の傾向を示している。
Claims (4)
- 耐火物原料を85質量%以上99.45質量%以下、窒化ほう素原料を0.05質量%以上5質量%以下含有し、れんが中のカーボン(C)成分が0.5質量%以上10質量%以下であることを特徴とするカーボン含有れんが。
- 前記耐火物原料は、その化学成分において、MgOとCaOの含有量が合量で85質量%以上である請求項1に記載のカーボン含有れんが。
- 窒化ほう素原料の含有量が0.05質量%以上1質量%以下である請求項1又は請求項2に記載のカーボン含有れんが。
- れんが中のカーボン(C)成分が0.5質量%以上7質量%以下である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のカーボン含有れんが。
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CN116287534A (zh) * | 2023-01-28 | 2023-06-23 | 马鞍山利尔开元新材料有限公司 | 一种低碳复合转炉出钢口砖及其制备方法 |
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