JPH06293561A - 炭素含有耐火物 - Google Patents
炭素含有耐火物Info
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- JPH06293561A JPH06293561A JP5098378A JP9837893A JPH06293561A JP H06293561 A JPH06293561 A JP H06293561A JP 5098378 A JP5098378 A JP 5098378A JP 9837893 A JP9837893 A JP 9837893A JP H06293561 A JPH06293561 A JP H06293561A
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- pitch
- strength
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、鋼の連続鋳造設備に使用される炭
素含有耐火物に関するものである。 【構成】 アルミナ−炭素系耐火原料にフェノール樹脂
とピッチからなる混合物である有機物バインダーおよび
金属Siを添加して、混練・成形後非酸化性雰囲気中で
焼成したことを特徴とする炭素含有耐火物で、強度、耐
熱衝撃性が飛躍的に向上する。
素含有耐火物に関するものである。 【構成】 アルミナ−炭素系耐火原料にフェノール樹脂
とピッチからなる混合物である有機物バインダーおよび
金属Siを添加して、混練・成形後非酸化性雰囲気中で
焼成したことを特徴とする炭素含有耐火物で、強度、耐
熱衝撃性が飛躍的に向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の連続鋳造設備に使
用される炭素含有耐火物に関するものである。
用される炭素含有耐火物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造設備に使用されている炭素
含有耐火物の強度を向上させるために、金属添加が行わ
れている(特開昭52−85025号公報、特開昭55
−33874号公報、特開昭56−14061号公
報)。また、これらの耐火物の耐熱衝撃性を向上させる
ために、繊維添加(特開昭53−37138号公報)が
行われている。
含有耐火物の強度を向上させるために、金属添加が行わ
れている(特開昭52−85025号公報、特開昭55
−33874号公報、特開昭56−14061号公
報)。また、これらの耐火物の耐熱衝撃性を向上させる
ために、繊維添加(特開昭53−37138号公報)が
行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋼の連
続鋳造設備に使用されている炭素含有耐火物の耐用性を
向上させるためには、強度および耐熱衝撃性の向上を図
ることが必要不可欠である。炭素含有耐火物の強度を向
上させるために金属添加が行われているが、耐熱衝撃性
の向上には至っていない。また、炭素含有耐火物の耐熱
衝撃性を向上させるために繊維添加が行われているが、
強度の向上には至っていない。
続鋳造設備に使用されている炭素含有耐火物の耐用性を
向上させるためには、強度および耐熱衝撃性の向上を図
ることが必要不可欠である。炭素含有耐火物の強度を向
上させるために金属添加が行われているが、耐熱衝撃性
の向上には至っていない。また、炭素含有耐火物の耐熱
衝撃性を向上させるために繊維添加が行われているが、
強度の向上には至っていない。
【0004】本発明は、炭素含有耐火物に含まれている
アルミナの粒径を微細化し、さらに、有機物バインダ
ー、金属を添加し、混練・成形後非酸化性雰囲気中で焼
成することにより、高い強度と優れた耐熱衝撃性を有す
る炭素含有耐火物を提供することにある。
アルミナの粒径を微細化し、さらに、有機物バインダ
ー、金属を添加し、混練・成形後非酸化性雰囲気中で焼
成することにより、高い強度と優れた耐熱衝撃性を有す
る炭素含有耐火物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素5〜30
wt%および粒径150μm以下の粒度分布を有するア
ルミナ70〜95wt%からなる耐火原料100wt%
に対して、フェノール樹脂とピッチとの含有量がフェノ
ール樹脂/ピッチのwt%比で1/3〜1/1である有
機物バインダーを3〜15wt%、金属Siを2〜10
wt%添加し、混練・成形後非酸化性雰囲気中で焼成す
ることを特徴とする炭素含有耐火物である。
wt%および粒径150μm以下の粒度分布を有するア
ルミナ70〜95wt%からなる耐火原料100wt%
に対して、フェノール樹脂とピッチとの含有量がフェノ
ール樹脂/ピッチのwt%比で1/3〜1/1である有
機物バインダーを3〜15wt%、金属Siを2〜10
wt%添加し、混練・成形後非酸化性雰囲気中で焼成す
ることを特徴とする炭素含有耐火物である。
【0006】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。本発明
に用いる有機物バインダーは、フェノール樹脂とピッチ
との混合物であり、非酸化性雰囲気中で焼成すると、フ
ェノール樹脂よりも重量減少が小さく、焼成後において
も結晶質相を含み、かっこの有機物バインダーを用いた
ときに発現される強度は、フェノール樹脂またはピッチ
を単独に用いたときに発現される強度よりも高いことを
見いだした。
に用いる有機物バインダーは、フェノール樹脂とピッチ
との混合物であり、非酸化性雰囲気中で焼成すると、フ
ェノール樹脂よりも重量減少が小さく、焼成後において
も結晶質相を含み、かっこの有機物バインダーを用いた
ときに発現される強度は、フェノール樹脂またはピッチ
を単独に用いたときに発現される強度よりも高いことを
見いだした。
【0007】本発明者らは、この特性に着目し、アルミ
ナ−炭素質耐火物に有機物バインダーを添加することに
より強度と耐熱衝撃性の向上に効果があると考え、本発
明に至った。
ナ−炭素質耐火物に有機物バインダーを添加することに
より強度と耐熱衝撃性の向上に効果があると考え、本発
明に至った。
【0008】炭素の含有量を5〜30wt%としたの
は、耐熱衝撃性、耐スラグ浸潤性に優れるからである。
炭素が5wt%未満では、耐熱衝撃性、耐スラグ浸潤性
に劣り、炭素が30wt%を越えると耐酸化性が著しく
低下するからである。
は、耐熱衝撃性、耐スラグ浸潤性に優れるからである。
炭素が5wt%未満では、耐熱衝撃性、耐スラグ浸潤性
に劣り、炭素が30wt%を越えると耐酸化性が著しく
低下するからである。
【0009】炭素は、天然または人造黒鉛、メソフェー
ズカーボン、カーボンブラック等が使用可能であり、純
度は90%以上のものが望ましい。
ズカーボン、カーボンブラック等が使用可能であり、純
度は90%以上のものが望ましい。
【0010】本発明に用いるアルミナの粒径を150μ
m以下としたのは、強度、加工性、表面精度および潤滑
性に優れるからである。アルミナの粒径が150μmを
越えると、強度、加工性、表面精度および潤滑性に劣る
からである。
m以下としたのは、強度、加工性、表面精度および潤滑
性に優れるからである。アルミナの粒径が150μmを
越えると、強度、加工性、表面精度および潤滑性に劣る
からである。
【0011】本発明者らは、種々の実験を行い、アルミ
ナの粒径として以下の条件を満足すれば、成形時の充填
性に優れることを見いだした。そのアルミナの粒径と
は、粒径44μm〜150μmの範囲のものが10〜4
0wt%、粒径10μm〜44μmの範囲のものが30
〜60wt%および粒径10μm以下のものが20〜4
0wt%である。アルミナの粒径として、少なくとも1
つでも粒径44μm〜1150μmの範囲のものが10
〜40wt%、粒径10μm〜44μmの範囲のものが
30〜60wt%および粒径10μm以下のものが20
〜40wt%を満足しないものがあると成形時の充填性
に劣るからである。
ナの粒径として以下の条件を満足すれば、成形時の充填
性に優れることを見いだした。そのアルミナの粒径と
は、粒径44μm〜150μmの範囲のものが10〜4
0wt%、粒径10μm〜44μmの範囲のものが30
〜60wt%および粒径10μm以下のものが20〜4
0wt%である。アルミナの粒径として、少なくとも1
つでも粒径44μm〜1150μmの範囲のものが10
〜40wt%、粒径10μm〜44μmの範囲のものが
30〜60wt%および粒径10μm以下のものが20
〜40wt%を満足しないものがあると成形時の充填性
に劣るからである。
【0012】アルミナの含有量を70〜95wt%とし
たのは、耐食性、耐熱衝撃性に優れるからである。アル
ミナが70wt%未満では耐食性に劣り、アルミナが9
5wt%を越えると耐熱衝撃性に劣るからである。アル
ミナは、焼結品、電融品が使用可能であり、純度は95
%以上のものが望ましい。
たのは、耐食性、耐熱衝撃性に優れるからである。アル
ミナが70wt%未満では耐食性に劣り、アルミナが9
5wt%を越えると耐熱衝撃性に劣るからである。アル
ミナは、焼結品、電融品が使用可能であり、純度は95
%以上のものが望ましい。
【0013】有機物バインダーの添加量を3〜15wt
%としたのは、強度および耐熱衝撃性に優れるからであ
る。添加量が3wt%未満では、強度が劣るからであ
る。添加量が15wt%を越えると耐熱衝撃性に劣るか
らである。
%としたのは、強度および耐熱衝撃性に優れるからであ
る。添加量が3wt%未満では、強度が劣るからであ
る。添加量が15wt%を越えると耐熱衝撃性に劣るか
らである。
【0014】フェノール樹脂およびピッチの含有量を、
フェノール樹脂/ピッチのwt%比で1/3〜1/1と
したのは、強度が優れるからである。フェノール樹脂お
よびピッチの含有量が、フェノール樹脂/ピッチのwt
%比で1/3未満では、有機物バインダー中のピッチ含
有量が多くなり強度が劣るからである。
フェノール樹脂/ピッチのwt%比で1/3〜1/1と
したのは、強度が優れるからである。フェノール樹脂お
よびピッチの含有量が、フェノール樹脂/ピッチのwt
%比で1/3未満では、有機物バインダー中のピッチ含
有量が多くなり強度が劣るからである。
【0015】フェノール樹脂およびピッチの含有量が、
フェノール樹脂/ピッチのwt%比で1/1を越える
と、有機物バインダー中のフェノール樹脂含有量が多く
なり、その結果、非酸化性雰囲気中での焼成による重量
減少が大きく、生成される欠陥の量が多くなり、強度が
劣るからである。
フェノール樹脂/ピッチのwt%比で1/1を越える
と、有機物バインダー中のフェノール樹脂含有量が多く
なり、その結果、非酸化性雰囲気中での焼成による重量
減少が大きく、生成される欠陥の量が多くなり、強度が
劣るからである。
【0016】本発明に用いるピッチは、結晶質相または
結晶質相もしくは非晶質相からなる混合相であり、非酸
化雰囲気中で800℃で焼成を行ったときに重量減少率
が30%以下であることが望ましい。さらに、ピッチに
含まれる結晶質相の量は、60%以上であることが望ま
しい。ピッチ中の結晶質相含有量が60%未満では、結
合剤として用いたときに発現される強度および耐熱衝撃
性に劣るからである。また、ピッチを非酸化雰囲気中で
800℃で焼成したときに重量減少率が30%を越える
と、強度が劣るからである。
結晶質相もしくは非晶質相からなる混合相であり、非酸
化雰囲気中で800℃で焼成を行ったときに重量減少率
が30%以下であることが望ましい。さらに、ピッチに
含まれる結晶質相の量は、60%以上であることが望ま
しい。ピッチ中の結晶質相含有量が60%未満では、結
合剤として用いたときに発現される強度および耐熱衝撃
性に劣るからである。また、ピッチを非酸化雰囲気中で
800℃で焼成したときに重量減少率が30%を越える
と、強度が劣るからである。
【0017】金属Siの添加量を2〜10wt%とした
のは、強度および耐酸化性に優れるからである。添加量
が2wt%未満では、強度および耐酸化性に劣るからで
ある。添加量が10wt%を越えると耐熱衝撃性に劣る
からである。添加する金属Siの粒径は、74μm以下
であることが望ましい。金属Siの粒径が74μm以下
であると、炭素との反応性に優れるからである。
のは、強度および耐酸化性に優れるからである。添加量
が2wt%未満では、強度および耐酸化性に劣るからで
ある。添加量が10wt%を越えると耐熱衝撃性に劣る
からである。添加する金属Siの粒径は、74μm以下
であることが望ましい。金属Siの粒径が74μm以下
であると、炭素との反応性に優れるからである。
【0018】炭素含有耐火物を焼成する雰囲気として
は、Ar、N2 、CO、CO2 等の非酸化性雰囲気であ
ることが望ましい。雰囲気を非酸化性とするのは、炭素
の酸化を防止するためである。雰囲気が酸化性雰囲気で
あると、600℃以上の温度では炭素が酸化するためで
ある。
は、Ar、N2 、CO、CO2 等の非酸化性雰囲気であ
ることが望ましい。雰囲気を非酸化性とするのは、炭素
の酸化を防止するためである。雰囲気が酸化性雰囲気で
あると、600℃以上の温度では炭素が酸化するためで
ある。
【0019】フェノール樹脂およびピッチの混合物であ
る有機物バインダーの作製方法としては、フェノール樹
脂とピッチとを機械的に混合する方法、フェノール樹脂
とピッチとを共通の溶剤で溶解して混合する方法が用い
られる。
る有機物バインダーの作製方法としては、フェノール樹
脂とピッチとを機械的に混合する方法、フェノール樹脂
とピッチとを共通の溶剤で溶解して混合する方法が用い
られる。
【0020】粒径150μm以下の粒度分布を有するア
ルミナ、有機物バインダーおよび金属Siを添加し、混
練・成形後非酸化性雰囲気中で焼成した本発明の炭素含
有耐火物は、以下の機構により強度、耐熱衝撃性の向上
をもたらす。
ルミナ、有機物バインダーおよび金属Siを添加し、混
練・成形後非酸化性雰囲気中で焼成した本発明の炭素含
有耐火物は、以下の機構により強度、耐熱衝撃性の向上
をもたらす。
【0021】粒径の小さいアルミナを使用することによ
り、耐火物組織を微細化すると共に、焼成中に焼結現像
が起こり粒子間に結合が付与され、強度の向上をもたら
す。また、このアルミナに粒度分布を持たせることによ
り、成形時の充填性が向上し、耐火物組織が緻密化する
ことから、強度はさらに向上する。このように、粒径1
50μm以下の粒度分布を有するアルミナを使用する
と、耐火物組織が緻密で微細化することから、強度が向
上し、加工性、表面精度および潤滑性も向上する。
り、耐火物組織を微細化すると共に、焼成中に焼結現像
が起こり粒子間に結合が付与され、強度の向上をもたら
す。また、このアルミナに粒度分布を持たせることによ
り、成形時の充填性が向上し、耐火物組織が緻密化する
ことから、強度はさらに向上する。このように、粒径1
50μm以下の粒度分布を有するアルミナを使用する
と、耐火物組織が緻密で微細化することから、強度が向
上し、加工性、表面精度および潤滑性も向上する。
【0022】有機物バインダーは、混練時において炭素
とアルミナとの両者に対する濡れ性に優れ、炭素とアル
ミナトとを均一に混練することができ、その結果、成形
時の充填性を向上させ、耐火組組織を緻密化することに
より、強度の向上をもたらす。
とアルミナとの両者に対する濡れ性に優れ、炭素とアル
ミナトとを均一に混練することができ、その結果、成形
時の充填性を向上させ、耐火組組織を緻密化することに
より、強度の向上をもたらす。
【0023】また、非晶質であるフェノール樹脂および
結晶質相を含むピッチの混合物である有機物バインダー
を非酸化性雰囲気中で焼成すると、焼成過程中にピッチ
由来の結晶質相が成長するが、フェノール樹脂由来の非
晶質相により、結晶質相の成長が妨げられ、焼成後には
ある小さな領域内で一定方向に配向した結晶質相が乱雑
に集合した構造を持つ炭素が得られ、強固なカーボン結
合を発現するために、強度の向上をもたらす。
結晶質相を含むピッチの混合物である有機物バインダー
を非酸化性雰囲気中で焼成すると、焼成過程中にピッチ
由来の結晶質相が成長するが、フェノール樹脂由来の非
晶質相により、結晶質相の成長が妨げられ、焼成後には
ある小さな領域内で一定方向に配向した結晶質相が乱雑
に集合した構造を持つ炭素が得られ、強固なカーボン結
合を発現するために、強度の向上をもたらす。
【0024】有機物バインダーは、非酸化性雰囲気中で
の焼成後においても炭素およびアルミナとの密着性にす
ぐれるために、強度はさらに向上する。さらに、有機物
バインダーは、非酸化性雰囲気中での焼成後には強固な
カーボン結合を形成するが、ピッチ由来のソフトカーボ
ン結合を有する結晶質相を含むために、弾性率の上昇が
抑制され、耐熱衝撃性の向上をもたらす。
の焼成後においても炭素およびアルミナとの密着性にす
ぐれるために、強度はさらに向上する。さらに、有機物
バインダーは、非酸化性雰囲気中での焼成後には強固な
カーボン結合を形成するが、ピッチ由来のソフトカーボ
ン結合を有する結晶質相を含むために、弾性率の上昇が
抑制され、耐熱衝撃性の向上をもたらす。
【0025】また、本発明の炭素含有耐火物は、添加し
た金属Siの以下の反応により強度の向上をもたらす。
非酸化性雰囲気中での焼成中に金属Siは反応して針状
のβ−SiCを生成する。このβ−SiCは、耐火物組
織中の気孔に堆積し、組織を緻密化することにより、強
度の向上をもたらす。
た金属Siの以下の反応により強度の向上をもたらす。
非酸化性雰囲気中での焼成中に金属Siは反応して針状
のβ−SiCを生成する。このβ−SiCは、耐火物組
織中の気孔に堆積し、組織を緻密化することにより、強
度の向上をもたらす。
【0026】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明について説明す
る。鋼の連続鋳造設備に使用される本発明の有機物バイ
ンダーおよび金属Siを添加したアルミナ−炭素系耐火
物の実施例を表1に示す。
る。鋼の連続鋳造設備に使用される本発明の有機物バイ
ンダーおよび金属Siを添加したアルミナ−炭素系耐火
物の実施例を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】アルミナは電融アルミナを使用し、炭素は
天然黒鉛を使用した。フェノール樹脂は、ノボラック型
の液状のフェノール樹脂を使用し、ピッチはコールター
ルピッチを熱処理後溶剤分別したものを使用した。ピッ
チに含有される結晶質相の存在有無の確認は、X線回折
により行った。ピッチの重量減少率は、Ar雰囲気中で
800℃で焼成を行ったときの、焼成前後の重量変化か
ら算出した。有機物バインダーは、フェノール樹脂とピ
ッチとを両者の共通溶剤であるキノリンに溶解させるこ
とにより作製した。
天然黒鉛を使用した。フェノール樹脂は、ノボラック型
の液状のフェノール樹脂を使用し、ピッチはコールター
ルピッチを熱処理後溶剤分別したものを使用した。ピッ
チに含有される結晶質相の存在有無の確認は、X線回折
により行った。ピッチの重量減少率は、Ar雰囲気中で
800℃で焼成を行ったときの、焼成前後の重量変化か
ら算出した。有機物バインダーは、フェノール樹脂とピ
ッチとを両者の共通溶剤であるキノリンに溶解させるこ
とにより作製した。
【0029】表1に示す原料組成に有機物バインダーを
添加し、約80℃に加熱しなから混練を行った。その
後、この混合物をアイソスタティックプレスで成形し、
250℃で乾燥後、Ar雰囲気中で1200℃で焼成す
ることによりアルミナ−炭素系耐火物を得た。得られた
耐火物に対して、嵩比重,見掛気孔率の測定、強度試験
および耐熱衝撃性評価試験を実施した。強度は、室温お
よび熱間(1400℃)での曲げ強度を測定することに
より評価した。
添加し、約80℃に加熱しなから混練を行った。その
後、この混合物をアイソスタティックプレスで成形し、
250℃で乾燥後、Ar雰囲気中で1200℃で焼成す
ることによりアルミナ−炭素系耐火物を得た。得られた
耐火物に対して、嵩比重,見掛気孔率の測定、強度試験
および耐熱衝撃性評価試験を実施した。強度は、室温お
よび熱間(1400℃)での曲げ強度を測定することに
より評価した。
【0030】耐熱衝撃性の評価は、熱衝撃破壊抵抗係数
R(℃)により、粒径150μm以下の粒度分布を有す
るアルミナ、金属Siおよびピッチを添加していない耐
火物のそれを100として指数表示で示した。熱衝撃破
壊抵抗係数Rの計算式は、R=S(1−ν)/(E・
α)である。ここで、Sは曲げ強度(Kg/cm2 )、
νはポアッソン比、Eは弾性率(Kg/cm2 )、αは
熱膨張係数(/℃)である。耐熱衝撃性は、耐熱衝撃性
指数が大きいものほど優れている。
R(℃)により、粒径150μm以下の粒度分布を有す
るアルミナ、金属Siおよびピッチを添加していない耐
火物のそれを100として指数表示で示した。熱衝撃破
壊抵抗係数Rの計算式は、R=S(1−ν)/(E・
α)である。ここで、Sは曲げ強度(Kg/cm2 )、
νはポアッソン比、Eは弾性率(Kg/cm2 )、αは
熱膨張係数(/℃)である。耐熱衝撃性は、耐熱衝撃性
指数が大きいものほど優れている。
【0031】本発明の炭素含有耐火物は、表1に示すよ
うに、室温および熱間(1400℃)においても高い強
度を示すと共に耐熱衝撃性指数が高く極めて優れた耐熱
衝撃性を示した。
うに、室温および熱間(1400℃)においても高い強
度を示すと共に耐熱衝撃性指数が高く極めて優れた耐熱
衝撃性を示した。
【0032】一方、比較例6、7は、原料組成、フェノ
ール樹脂/ピッチwt%比およびアルミナの粒度分布が
適正でないために、強度および耐熱衝撃性に劣ってい
た。比較例8は、ピッチの結晶質相含有量が小さいため
に、強度および耐熱衝撃性に劣っていた。
ール樹脂/ピッチwt%比およびアルミナの粒度分布が
適正でないために、強度および耐熱衝撃性に劣ってい
た。比較例8は、ピッチの結晶質相含有量が小さいため
に、強度および耐熱衝撃性に劣っていた。
【0033】尚、比較例8は使用したピッチがキノリン
に不溶であったために、フェノール樹脂とピッチとを機
械的に混合することにより有機物バインダーを作製し
た。比較例9は、ピッチの重量減少率が30%を越えて
いるために、熱間(1400℃)での強度が劣ってい
た。
に不溶であったために、フェノール樹脂とピッチとを機
械的に混合することにより有機物バインダーを作製し
た。比較例9は、ピッチの重量減少率が30%を越えて
いるために、熱間(1400℃)での強度が劣ってい
た。
【0034】比較例10は、使用するアルミナが150
μm超のものを含んでいるために、強度が劣っていた。
比較例11は、使用するアルミナが150μm超のもの
を含んでいることとピッチ、金属Siが添加されていな
いために、強度が劣っていた。
μm超のものを含んでいるために、強度が劣っていた。
比較例11は、使用するアルミナが150μm超のもの
を含んでいることとピッチ、金属Siが添加されていな
いために、強度が劣っていた。
【0035】
【発明の効果】本発明によって、鋼の連続鋳造設備に使
用されている従来の炭素含有耐火物に対して強度および
耐熱衝撃性が飛躍的に向上したことは、連続鋳造操業時
の安定操業と生産性の向上をもたらし、溶鋼の製造コス
ト、さらには炉材コスト削減につながり、非常に有効で
ある。
用されている従来の炭素含有耐火物に対して強度および
耐熱衝撃性が飛躍的に向上したことは、連続鋳造操業時
の安定操業と生産性の向上をもたらし、溶鋼の製造コス
ト、さらには炉材コスト削減につながり、非常に有効で
ある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】有機物バインダーは、混練時において炭素
とアルミナとの両者に対する濡れ性に優れ、炭素とアル
ミナとを均一に混練することができ、その結果、成形時
の充填性を向上させ、耐火組組織を緻密化することによ
り、強度の向上をもたらす。
とアルミナとの両者に対する濡れ性に優れ、炭素とアル
ミナとを均一に混練することができ、その結果、成形時
の充填性を向上させ、耐火組組織を緻密化することによ
り、強度の向上をもたらす。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【表1】
Claims (4)
- 【請求項1】 炭素5〜30wt%および粒径150μ
m以下のアルミナ70〜95wt%からなる耐火原料1
00wt%に対して、有機物バインダー3〜15wt%
および金属Siを2〜10wt%添加し、混練・成形後
非酸化性雰囲気中で焼成してなることを特徴とする炭素
含有耐火物。 - 【請求項2】 アルミナは、粒径44μm〜150μm
の範囲のものが10〜40wt%、粒径10μm〜44
μmの範囲のものが30〜60wt%および粒径10μ
m以下のものが20〜40wt%含むことを特徴とする
請求項1記載の炭素含有耐火物。 - 【請求項3】 有機物バインダーは、フェノール樹脂お
よびピッチからなる混合物であり、フェノール樹脂およ
びピッチの含有量は、フェノール樹脂/ピッチのwt%
比で1/3〜1/1であることを特徴とする請求項1記
載の炭素含有耐火物。 - 【請求項4】 ピッチは、結晶質相または結晶質相もし
くは非晶質相からなる混合相であり、非酸化性雰囲気中
で800℃で焼成を行ったときに重量減少率が30%以
下であることを特徴とする請求項3記載の炭素含有耐火
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5098378A JPH06293561A (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | 炭素含有耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5098378A JPH06293561A (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | 炭素含有耐火物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06293561A true JPH06293561A (ja) | 1994-10-21 |
Family
ID=14218218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5098378A Withdrawn JPH06293561A (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | 炭素含有耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06293561A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006008504A (ja) * | 2004-05-26 | 2006-01-12 | Kurosaki Harima Corp | 炭素含有耐火物 |
US7138084B2 (en) | 2000-08-31 | 2006-11-21 | Foseco International Limited | Refractory articles |
-
1993
- 1993-04-02 JP JP5098378A patent/JPH06293561A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7138084B2 (en) | 2000-08-31 | 2006-11-21 | Foseco International Limited | Refractory articles |
EP1282477B2 (en) † | 2000-08-31 | 2007-10-03 | Foseco International Limited | Refractory articles |
US8158053B2 (en) | 2000-08-31 | 2012-04-17 | Foseco International Limited | Refractory articles |
JP2006008504A (ja) * | 2004-05-26 | 2006-01-12 | Kurosaki Harima Corp | 炭素含有耐火物 |
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