JP4791326B2 - 自動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高速自動車道および自動車専用道路のトンネル等に設置された水噴霧設備に使用される自動弁装置に関する。
従来、一定の長さを超える高速自動車道および自動車専用道路等のトンネルにあっては非常設備として水噴霧設備を設置しており、トンネル内で火災が発生した場合、火災発生区画に対応して設置されている自動弁装置を起動することにより水噴霧ヘッドから放水し、火災の抑制と延焼を防止をする。
ところで、火災が発生した場合に、予告なしに水噴霧設備を起動して放水を開始すると、放水した区画の視界が確保できなくなり、通行車両が事故を起こしたり、避難者が迅速に避難できなくなる恐れがあることから、起動時に低圧で放水することにより水噴霧設備が起動したことを知らせる予告放水を行い、一定の遅延時間後、例えば10秒後に規定圧力に上げて本来の放水を開始する段階的な放水制御を行うようにしている。
このような段階的な放水機能を実現するためには、自動弁装置に設けた主弁の2次側圧力を低圧と規定圧の2段階に制御するため、予告散水用の調圧パイロット弁と本格散水用の調圧パイロット弁を別々に設け、シリコンオイルを使用したタイマユニットの動作により、まず予告散水用調圧パイロット弁により自動弁を低圧制御し、所定の遅延時間後に本格散水用調圧パイロット弁による規定圧制御に切替えるようにしている(特許文献1)。
しかしながら、圧力の段階切替えを行う自動弁装置にあっては、施工現場での調整において、予告散水から本格散水に移行する時間並びに予告散水時の圧力、本格散水時の圧力は工場出荷時の設定と現場条件によって違いがあるため、現場施工時にその設定値を調整する必要が出てくることが予想される。また定期点検時においても、調整のずれを再調整することが想定される。
このような場合に従来の自動弁装置においては、予め設定されたシーケンスに従って連続的に自動弁開放、予告散水、本格散水へと切替え動作が行われるため、調整リング、ボタン、或いは調整ボルト等を回して自動弁の動作、確認、自動弁停止、再調整を繰り返す必要があり、効率的な調整を行うことができない。このため時間が非常に掛かるとともに、必要水量が多くなり、時間のない現場調整或いはメンテナンス時に問題となることが予想される。
また実放水を行って水噴霧設備の点検を行う場合、従来の自動弁装置では、本格散水における点検しか実施できなかった。このため必要水量が多くなり、給水量が少ない場合には、火災時の水量確保という観点から点検は間欠的に行う必要があるなど、効率的な点検が行えないなどの問題があった。さらには本格散水の場合には、トンネル横断面全体に散水されるため、ゴミ詰まりは目視では観察が難しく、別の点検装置を利用するなどの必要性があった。
そこで本願発明者にあっては、放水圧力を段階切替えにおける途中の状態を維持可能として施行時並びに点検時の調整を容易にする自動弁装置を提案している(特許文献2〜4)。
特開2002−355324号公報 特開2005−248970号公報 特開2005−287980号公報 特開2005−334388号公報
本願発明者が提案している自動弁装置にあっては、予告放水のための低圧放水モードから本格放水のための規定圧放水モードへ切替える切替機能を備えた圧力調整弁を使用している。即ち、圧力調整弁は、自動弁装置の起動時に、まず予告放水のための低圧設定による圧力制御状態で所定の遅延時間に亘り低圧放水モードとし、遅延時間経過で本格放水のための規定圧設定へ切替えて規定圧放水モードとしている。
しかしながら、この圧力調整弁は、一度、規定圧放水モードに切り替わると、自動弁装置の作動を一度完全に停止して復旧させた後に起動しないと、再び低圧放水モードでの放水ができない。
自動弁装置の放水圧力調整時やメンテナンス等においては、自動弁装置の1回の起動で低圧設定及び規定圧設定による放水圧力の調整が完了せず、再調整を必要とする場合があり、このため再調整のために自動弁装置の作動を一度完全に停止して復旧させ、再起動する作業を必要とし、再調整のために手間と時間がかかる問題がある。
本発明は、放水を停止することなく簡単な操作で規定圧放水モードから低圧放水モードに戻すことができる自動弁装置を提供することを目的とする。
本発明は自動弁装置を提供する。本発明の自動弁装置は、
駆動機構により動作し、閉鎖と所定開度との間で変位して1次側圧力水を所定の2次側放水圧力2次側圧力水として放水ヘッドに供給可能な自動弁と、
自動弁の閉鎖状態で駆動機構に1次側圧力水を供給し、自動弁を所定の初期開度に維持して2次側放水圧力を所定の低圧状態とする起動弁と、
自動弁の初期開度への開放後の2次側放水圧力により動作し、自動弁の駆動機構を制御して初期開度の維持を解除する初期放水圧力制御弁と、
シリンダ室内に第1シリンダ室と第2シリンダ室を仕切り形成して移動自在にジスクを配置し、ジスクの第2シリンダ室側への移動に伴う第2シリンダ室から第1シリンダ室への連通を遮断すると共にジスクの第1シリンダ室側への移動に伴う第1シリンダ室から第2シリンダ室への連通を許可する逆止弁をジスクに設け、更に第1シリンダ室と第2シリンダ室とを所定の流量に制限して連通する連通配管を設け、2次側放水圧力が低圧状態で2次側圧力水を第1シリンダ室に流入させ、逆止弁の連通遮断状態で連通配管を経由した第2シリンダ室から第1シリンダ室への流入を流量制限した状態でのジスクの移動により所定遅延時間後に所定の低圧設定から所定の規定圧設定に切替え、2次側放水圧力が規定圧状態で第1シリンダ室を減圧制御し、連通許可状態の逆止弁を経由した第1シリンダ室から第2シリンダ室への流入状態でのジスクの戻りにより所定の規定圧設定から所定の低圧設定に切替え、自動弁の駆動機構を切替えた低圧設定または規定圧設定に対応する2次側放水圧力に制御する圧力調整弁と、
圧力調整弁による規定圧設定の制御状態で、圧力調整弁への2次側圧力水の流入を停止するとに圧力調整弁を規定圧設定の制御状態として圧力調整弁内の加圧水を大気に開放し、圧力調整弁を低圧設定の制御状態に切り替える大気開放弁と、
を備えたことを特徴とする。

ここで、圧力調整弁は、
1次側圧力水を導入する1次側入力ポートと、
導入した1次側圧力水を自動弁の駆動機構に供給する出力ポートと、
2次側放水圧力を検知する圧力検知ポートと、
検知した2次側放水圧力により開閉制御して出力ポートの圧力を調整する調整弁と、
第1スプリングの付勢による低圧設定位置で調整弁を開閉可能に維持するスライダと、
シリンダ室と、
シリンダ室内に移動自在に配置され、シリンダ室に第1シリンダ室と第2シリンダ室を仕切り形成するジスクと、
第1シリンダ室に2次側圧力水を導入する2次側入力ポートと、
第1シリンダ室と第2シリンダ室とを、所定の流量に制限して連通する連通配管と、
ジスクに設けられ、ジスクの第2シリンダ室側への移動に伴う第2シリンダ室から第1シリンダ室への連通を遮断し、ジスクの第1シリンダ室側への移動に伴う第1シリンダ室から第2シリンダ室への連通を許可する逆止弁と、
ジスクと一体に移動し、第2スプリングの付勢による初期位置でスライダを低圧設定位置に維持し、第1シリンダ室に導入した2次側圧力水によるジスクの移動でスライダを規定圧設定位置に移動して第2スプリングを押圧し調整弁を開放状態に維持するプランジャと、
を備える。

また、大気開放弁は、
弁ボディと
弁ボディ内に2次側圧力水を導入する入力ポートと、
弁ボディ内から圧力調整弁に2次側圧力水を供給する出力ポートと、
弁ボティ内に移動自在に配置され、第1スプリングの付勢による初期位置で入力ポートと出力ポートを連通し、外部操作による移動位置で入力ポートと出力ポートの連通を遮断するピストンと、
ピストンの弁ボディ側端面に設けた大気開放口と、
大気開放口の内側に形成された弁座と、
ピストン内に開閉可能に配置され、弁座に対し第2スプリングにより閉鎖位置に支持された大気開放弁体と、
ピストン外に大気開放口に相対して固定配置され、外部操作によるピストンの移動時に大気開放口を介して大気開放弁体を押し開いて出力ポートを大気に開放させるシャフトと、
を備える。大気開放弁のピストンは、弁ボディに対し外部からの押込み操作により移動自在に設ける。また大気開放弁のピストンは、弁ボディに対し外部からのねじ込み操作により移動自在に設けても良い。

大気開放弁の他の形態としては、
弁ボディと、
弁ボディ内に2次側圧力水を導入する入力ポートと
弁ボディ内から圧力調整弁に2次側圧力水を供給する出力ポートと、
弁ボディ内を大気に連通する大気開放ポートと、
弁ボディに配置され、第1切替位置で入力ポートと出力ポートを連通し、第2切替位置で出力ポートを入力ポートから切離して大気開放ポートに連通する弁体と、
を備えた三方切替弁としても良い。

本発明によれば、圧力調整弁を2次側圧力水の供給で規定圧設定とした規定圧放水モードの状態で、圧力調整弁の2次側圧力水の供給ポートに対し設けている大気開放弁を大気開放位置に操作することで、強制的に圧力調整弁が規定圧設定から低圧設定に切り替わり、放水を停止することなく簡単に低圧放水モードに戻すことができる。
このため自動弁装置の施工時やメンテナンス時の試験や調整のための規定圧放水モードから低圧放水モードへの切替えが簡単にでき、試験調整の作業時間を短縮し、これに伴いポンプ運転時間を短縮して省電力化が図られ、放水水量も低減して水源水槽の貯水量の減少を抑えることができる。
図1は本発明による自動弁装置の実施形態を示した説明図である。図1において、本発明の自動弁装置は自動弁10、起動弁12、初期放水圧力制御弁15、圧力調整弁16で基本的に構成され、更に圧力スイッチ46、自動排水弁48及びテスト放水弁50を設けている。
また本発明にあっては、圧力調整弁16による規定圧放水モードの状態で低圧放水モードに戻すための大気開放弁100を、圧力調整弁16のポートP4に対する加圧ラインに設けている。即ち、大気開放弁100は、圧力調整弁16による規定圧設定の制御状態で大気開放操作を行うと、圧力調整弁16に対する2次側圧力水の流入を停止すると同時に圧力調整弁16を規定圧設定の制御状態として加圧水を大気に開放して低圧設定の制御状態に切り替える。
自動弁10は弁ボディ20の一方に流入口22を持ち、他方に流出口24を持ち、流入口22側にはポンプ設備からの配管が接続され、流出口24にはトンネル内に設置した放水ヘッド側の配管が接続されている。この自動弁10の詳細は図2に取り出して示す。
図2において、自動弁10は、弁ボディ20の内部に仕切壁26を有し、仕切壁26の弁穴55に対し主弁30を配置している。弁穴55の上部には弁座28が形成され、弁座28に対し主弁30に設けた弁シール56を押圧することで弁を閉鎖状態としている。
主弁30はスリーブ32aと一体に備えた主ピストン32に連結されている。主ピストン32は主シリンダ34に摺動自在に設けられ、主ピストン32の下側に開放加圧側シリンダ室34aを形成し、上部に閉鎖加圧側シリンダ室34bを形成している。また主シリンダ34の内側にはシリンダ筒38が配置され、シリンダ筒38に対しても主ピストン32は摺動自在に挿入されている。
主シリンダ34の上部にはカバー62が装着され、カバー62の中にスプールロッドとして機能するステム40を装着した駆動軸36が配置され、駆動軸36の下端は主弁30にナット締めにより固定されている。ステム40は途中に弁体として機能するシール66を装着しており、このシール66の近傍のカバー62内の位置にスプール弁座64を形成している。
主シリンダ34に対しては、シリンダポートC1、C2が設けられ、図1に示したようにシリンダポートC1に対し配管L1、L2、L3を介して1次側の圧力水を導入することで主ピストン32を上方に移動することができる。このとき上側に位置する閉鎖加圧側シリンダ室34bには予め水が充填されており、閉鎖加圧側シリンダ室34bの水はシリンダポートC2から排出される。
またステム40を備えたカバー62に対しては、第1ポートとしてのポートS1と第2ポートしてのポートS2が設けられる。このポートS1、S2の間にスプール弁座64が位置する。尚、主弁30は下側にガイド部30aを一体に形成しており、主弁30の開閉時にガイド部30aを弁穴55に対し摺動させて開閉時の位置決めを行なっている。
再び図1を参照するに、自動弁10の流入口22側1次側には1次圧取出口42が設けられ、ここから配管L1を引き出して起動弁12に接続している。起動弁12は手動起動弁14が並列接続されている。起動弁12の2次側は配管L2を介して圧力調整弁16の入力ポートP1に接続される。圧力調整弁16の出力ポートP2は配管L3を介して自動弁10の開放加圧側シリンダ室34aに対するシリンダポートC1に接続されている。

また自動弁10の流出口24側(2次側には2次圧取出口44が設けられ、ここから配管L8が引き出され、圧力調整弁16のポートP4に接続される。更に配管L8は圧力調整弁16の圧力検知ポートP3に接続された後、初期放水圧力制御弁15側に接続される。また2次圧取出口44側に示すように配管L8には圧力スイッチ46が接続され、また排水側との間に自動排水弁48を接続し、これと並列にテスト放水弁50を接続している。

自動弁10の閉鎖加圧側シリンダ室34bのシリンダポートC2は配管L5接続され、更に配管L5は配管L4を介してステム40側のポートS1に接続される。更にステム40側のポートS2は配管L6接続され、この配管L6は圧力調整弁16側からの配管L8に接続される。

ここで自動弁10のステム40側の配管L5、配管L4、ポートS1、ステム40の周囲の流路、ポートS2、配管L6となる経路は主ピストン32を開放側に駆動した際の閉鎖加圧側シリンダ室34bからの水の流出を行なう循環経路を構成しており、この循環経路とステム40及びそのシール66により自動弁装置の停止制御機構が構成されている。
この停止制御機構は起動弁12の動作により1次側圧力水を開放加圧側シリンダ室34aに導入して主ピストン32を駆動して弁座28を開放した際に、主弁30の開度を予め示した初期開度に移動して停止させるための機能を有する。即ち、図2の自動弁10を参照すると、主ピストン32が開放加圧側シリンダ室34aに対する1次側圧力水の導入を受けて上方に移動すると、これに伴って駆動軸36に装着しているステム40も上昇する。
初期状態においてステム40側のポートS1とポートS2は内部の流路を介して連通しているが、駆動軸36が上昇してシール66スプール弁座64に当接すると、ポートS1、S2間が遮断され、この結果、図1におけるシリンダポートC2からの水の排出が止まり、主ピストン32が停止し、主弁30は所定の初期開度を維持することになる。

初期放水圧力制御弁15は自動弁10を初期開度に開いた状態で2次側に加圧用水を供給し、ヘッドからの予告放水が行なわれた際の2次側圧力の発生を受けて動作し、配管L4と配管L7の間を連通する。このため入力ポートI1、出力ポートI2、圧力検知ポートI3を有し、初期放水圧力制御弁15は、図1にあっては矢印15を配管L7側から離すことで弁の閉鎖状態を表している。
自動弁10を初期開度に開放した後に2次側圧力が発生して初期放水圧力制御弁15が開くと、シリンダポートC2からの配管L5が初期放水圧力制御弁15を通って配管L7に連通し、配管L7は配管L8を介して自動弁10の2次側に接続されているため、自動弁10の主ピストン32の停止が解除されて、開駆動可能な状態となる。
圧力調整弁16のポートP4に対する加圧ラインに設けた大気開放弁100は通常時は配管L8をポートP4に連通する状態にあり、自動弁10の開閉制御により、図3のタイムチャートに示すような放水圧力Pの制御を行なう。
図3において、時刻t0で起動弁12を動作すると、自動弁10は初期開度に開放することで2次側に加圧用水が供給され、2次側圧力が配管L8を介して圧力調整弁16の圧力検知ポートP3に加わる。初期状態にあって圧力調整弁16は例えば2次側圧力を0.15MPaとする低圧設定の状態にあり、従って時刻t1より放水圧力Pを低圧設定に保つように圧力制御を行なう低圧放水モードとなる。

また圧力調整弁16は後の説明で明らかにするように、2次側圧力を大気開放弁100を介してポートP4に受けた際に、内蔵したピストンの駆動により設定圧を低圧設定から所定の遅延時間後に規定圧設定に切り替える機能を備えている。
このため時刻t1から例えば5〜15秒の範囲内で設定した一定時間、例えば10秒経過する時刻t2で、それまでの低圧設定による圧力設定から規定圧、例えば0.34MPaの設定による圧力制御、即ち規定圧放水モードに段階的に切り替わる。
このような図3の放水圧力の圧力制御によって、時刻t0から時刻t2までが予告放水の圧力制御であり、時刻t2以降が本格放水のための規定圧放水モードの圧力制御となる。
更に、自動弁装置の試験時や調整時には、規定圧放水モード中に例えば時刻t3で大気開放弁100を大気開放位置に操作すると、圧力調整弁16のポートP4に対する2次側圧力水の供給が遮断されると同時に、圧力調整弁16を規定圧設定に制御していた加圧水が大気に開放されることで低圧設定に戻り、再び、低圧放水モードとすることができる。
そして時刻t4で大気開放弁100の大気開放操作を止めて元の状態に戻した場合には、時刻t4から時刻t1の場合と同様にして、圧力調整弁16は2次側圧力水を大気開放弁100を介してポートP4に受けることで、内蔵するピストンの駆動により設定圧を低圧設定から所定の遅延時間後に規定圧設定に切り替え、規定圧放水モードに切り替わる。
図4(A)は本発明の圧力応答型制御弁として機能する図1の初期放水圧力制御弁15の断面図であり、図4(B)に閉鎖状態のシンボルを示す。
図4(A)において、初期放水圧力制御弁15は、弁ボディ101aの上部にカバー102を配置し、下側に弁ボディ101bを装着している。弁ボディ101aの上部にはダイヤフラム104が設けられ、ダイヤフラム104の下側にダイヤフラム室106を形成している。ダイヤフラム104は、スプール弁108の上部に押え金具112とリテーナ114で挟んだ状態でナット116のボルト部への締付けで固定されている。
スプール弁108は上端から下端に連通する連通孔110を中心軸方向に形成している。ダイヤフラム104を固定したリテーナ114の上部にはスプリング118が組み込まれる。スプリング118の上部はリテーナ122に当接しており、リテーナ122に対しては設定圧力調整ネジ120の先端が当接している。
スプリング118は、設定圧力調整ネジ120のねじ込み位置で決まるスプリング荷重をスプール弁108に加え、これによってスプール弁108が開動作を行うための設定圧を決めている。
弁ボディ101aには入力ポートI1と出力ポートI2が設けられている。出力ポートI2は、この実施形態にあっては圧力検知ポートを兼ねている。出力ポートI2はダイヤフラム室106に連通している。スプール弁108のダイヤフラム室106に開口したスプール孔の部分には弁座109が形成され、ここにスプールテーパ部に設けたシール111を当接することで、入力ポートI1と出力ポートI2の連通を遮断した閉鎖位置となっている。
ダイヤフラム104の下側にはフェールセーフダイヤフラム124がタンデム配置される。フェールセーフダイヤフラム124は、弁ボディ101aと弁ボディ101bの間に外周部が固定され、中央部に押え金具128、130をナットにより固定し、押え金具128の連通孔132にスプール弁108の下部を挿入している。なお、フェールセーフダイヤフラム124の上側の空隙は連通孔125により外部と連通している。
更に、カバー102には、小孔103が形成され、ダイヤフラム104の破損により漏洩した圧力水を小孔103から流出させることで、ダイヤフラム104の破損を外部から確認できるようにしている。
このような構造を持つ図4(A)の初期放水圧力制御弁15は閉鎖状態にあり、シンボルで表わすと図4(B)のようになり、ポートI1とポートI2の連通が断たれている。
図5(A)は開動作した図1の初期放水圧力制御弁の断面図であり、図5(B)は開放状態のシンボルである。
図5(A)において、圧力検知ポートを兼ねた出力ポートI2には図1に示すように、配管L7、L8を介して自動弁10の2次側の放水圧力が主弁30を初期開度に開放した際に加わる。この出力ポートI2に加わる2次側圧力はダイヤフラム室106に導入され、導入圧がスプリング118の押圧荷重で決まる設定圧を超えると、ダイヤフラム104が上方に変形し、スプリング118に抗してスプール弁108を上方にリフトする。
このため、スプール弁108のシール111が弁座109から離れて開動作し、閉鎖加圧側シリンダ34bの水を圧力水として配管L5、L4を介し入力ポートI1、開放した弁座109の隙間部分、ダイヤフラム室106を通って、出力ポートI2に連通し、入力ポートI1から出力ポートI2に圧力水が流れる。
この初期放水圧力制御弁15の開動作の状態は、図5(B)のシンボルに示すように、ポートI1とポートI2が2次側圧力Paを受けて連通した状態となる。
次にダイヤフラム104が破損した場合のフェールセーフ動作を説明する。ダイヤフラム104が破損した状態で出力ポートI2に2次側圧力が加わると、2次側圧力はダイヤフラム室106を介して破損したダイヤフラム104に加わり、ダイヤフラム104の破損部分からスプリング118を収納したカバー102内に流出する。
カバー102内に流出した圧力水は、スプール弁108の中心軸方向に形成した連通孔110を通って下部のフェールセーフダイヤフラム室126に流れ込み、フェールセーフダイヤフラム124を上方に変形し、押え金具128をスプール弁108の下側段部を当接し、これによってスプール弁108を図5と同じ開動作の状態に押し上げ、入力ポートI1と出力ポートI2を連通させる。
このため本発明の初期放水圧力制御弁15にあっては、ダイヤフラム104が破損した場合、圧力検知ポートを兼用した出力ポートI2に2次側圧力が加わると、この圧力水は破損したダイヤフラム104から流出した後に下部のフェールセーフダイヤフラム室126に流入してフェールセーフダイヤフラム124を押圧することとなり、破損したダイヤフラム104に代わってフェールセーフダイヤフラム124が機能することとなり、出力ポートI2からの導入圧がスプリング118で決まる設定圧を超えたときに、フェールセーフダイヤフラム124の力によりスプール弁108が開動作を行い、正常に初期放水圧力制御弁15を動作することができる。
図6は図1の圧力調整弁16の断面図であり、図7はポートP2側を見た断面図を示している。図6において、圧力調整弁16は下部の圧力調整部70と上部の圧力設定部72で構成されている。圧力調整部70には入力ポートP1、圧力検知ポートP3、更に図7に示す出力ポートP2が設けられている。
入力ポートP1はスプール弁76に対し連通され、スプール弁76は中間の鍔状の弁体部に対応してボディ側に弁座78を形成している。このため入力ポートP1から流入した圧力水はスプール弁76の周囲を通り、図7に示す出力ポートP2に流れる。この入力ポートP1から出力ポートP2に対する圧力水の流れに対し、圧力検知ポートP3に2次側圧力水を導入し、上部の圧力設定部72によりダイヤフラム弁74に加わる荷重との差圧に基づいてスプール弁76を開閉制御し、2次圧力がスプリング80で決まる設定圧となるように自動弁10に対する出力ポートP2の圧力を調整する。
この圧力調整動作は、ダイヤフラム弁74に加わる圧力がスプリング80による設定圧を越えると、ダイヤフラム弁74が上方に変形してスプール弁76をリフトし、入力ポートP1と出力ポートP2(図7参照)の間を遮断し、自動弁10の開放加圧側シリンダ室34aに対する圧力水の供給を遮断することで、スプリング60(図2参照)の力で主弁30を閉方向に動作する。
逆に、ダイヤフラム弁74に加わる圧力がスプリング80による設定圧を下回ると、ダイヤフラム弁74が下方に変形してスプール弁76を押下げ、入力ポートP1と出力ポートP2(図7参照)の間を連通し、自動弁10の開放加圧側シリンダ室34aに圧力水を供給して主弁30を開方向に動作する。これによって2次側圧力を設定圧に保つように自動弁10が制御される。
図6の初期状態において、スプリング80はダイヤフラム弁74の上部と、ガイドスリット86に対するピン84の挿入で位置決めされたスライダ82との間隔で決まるスプリング力により低圧設定の状態にある。
圧力調整弁16の上部に設けた圧力設定部72にはシリンダ90が設けられ、シリンダ90の中にジスク88が摺動自在に設けられている。ジスク88の下側にはフレーム95を介してプランジャ94が設けられており、プランジャ94の先端は下部のスライダ82にスプリング85を介して対向配置されている。
シリンダ90の1次シリンダ室90aにはポートP4で連通され、ここに2次側圧力水を導入する。このポートP4に対する加圧ラインには、図1に示したように、低圧設定の調整時に閉状態に遠隔制御される調整モード設定弁として大気開放弁100Aが設けられている。

またジスク88には逆止弁96が設けられ、初期的にポートP4に圧力水を導入した際に上側の1次シリンダ室90aから下側の2次シリンダ室90bに水を流して充満させるようにしている。これに対し、水が充満した状態でポートP4に2次側圧力が加わった際のジスク88の下降に対し、逆止弁96は下側から上側への水の流れを阻止する。

シリンダ90のシリンダ室90a、90bのそれぞれに対してはポートP5、P6が設けられ、この間を配管L9で接続し、配管L9の途中には流量を調整自在なニードル18が設けられている。
このためポートP4に2次側圧力水を導入した際のジスク88の移動速度は2次シリンダ室90bから1次シリンダ室90aに水を流すニードル18の設定流量により決まり、これによってジスク88が初期位置から先端のプランジャ94がスライダ82に挿接してスプリング80を押圧することで低圧設定から規定圧設定に切り替えるまでの遅延時間が決まる。

一方、ポートP4に対する加圧ラインに設けた図1の大気開放弁100Aを調整時に閉状態としていると、1次シリンダ室90aに対し加圧水が供給されず、低圧設定を維持し続けることとなる。

図8は図1の大気開放弁の第1実施形態を示した説明図である。図8(A)は本実施形態の大気開放弁100Aの初期状態の断面図であり、図8(B)に大気開放のための操作状態を示している。
図8(A)において、大気開放弁100Aは弁ボディ150を有し、弁ボディ150の側方に2次側圧力水を供給する入力ポートQ1を形成し、下側に図1の圧力調整弁16のポートP2に2次側加圧水を供給する出力ポートQ2を形成している。

弁ボディ150の上部にはピストン152が摺動自在に組み込まれる。ピストン152は下側にスプリング154を配置しており、弁ボディ150のピストン152の挿入部に対するカバー155のねじ込みで、ピストン152側の段部との当接で抜け止めしている。
ピストン152の下側の先端部には大気開放口158が設けられ、大気開放口158の背後に弁座160を形成し、ここに大気開放弁体162を配置してスプリング164により閉鎖方向に付勢している。ピストン152の上方となる後部にはカバー166がねじ込み固定され、カバー166には複数の大気開放穴168が設けられている。
またピストン152の大気開放口158に相対する下側の位置には、弁ボディ150に対するベース172の固定で一体に起立されたシャフト170が配置されている。シャフト170は、ピストン152の上端のカバー166を押し込む操作を行った際のピストン152のストロークに対し、シャフト170に大気開放口158を嵌め入れることで後方に配置している大気開放弁体162をスプリング164に抗して相対的に押し上げることで、大気開放動作を行うようにしている。
またピストン152の下側は、入力ポートQ1と出力ポートQ2を遮断する弁部として機能しており、ピストン152が下側に押し下げられてシャフト170の周囲の弁ボディ150の摺動位置に達すると、入力ポートQ1と出力ポートQ2の連通を遮断して閉鎖状態とする。
図8(B)は本実施形態の大気開放弁100Aを大気開放位置に操作した場合の説明図である。図1の圧力調整弁16による規定圧放水モードの制御状態で低圧放水モードに戻したい場合には、図8(B)のように、大気開放弁100Aの上端のカバー166を矢印175で示すように手動操作で押し下げる。
この押下操作に伴いピストン152が下降し、図示のピストン152の下降位置で入力ポートQ1と出力ポートQ2の連通を遮断すると同時に、シャフト170の外側にピストン152の下降で大気開放口158が位置し、その背後に配置している大気開放弁体162がシャフト170の先端に当接して停止し、この状態でピストン152が下降することで弁座160が開き、出力ポートQ2を、連通穴174、大気開放口158、更にカバー166の大気開放穴168を介して外部に連通する。
このため、図6の圧力調整弁16のポートP4から1次シリンダ室90aに加わっている加圧水を大気側に排出させ、これによって低圧放水モードに戻すことができる。
更に図8の実施形態の大気開放弁100Aにあっては、図8(B)のように、ピストン152に矢印175の方向の力を加えて押し込んでいる状態においてのみ、入力ポートQ1と出力ポートQ2の遮断と出力ポートQ2の大気開放が行われており、押込み力を解除すればスプリング154,164の力により自動的に図8(A)の初期状態に復帰することができる。
このため、大気開放弁100Aを設けて低圧放水モードに操作した状態で、戻し忘れなどにより規定圧放水モードに切り替わらないという重大な事故を未然に防止することができる。
次に図1の実施形態における放水制御を説明する。図1の通常監視状態にあっては自動弁10の主弁30は閉鎖しており、主ピストン32の上側の閉鎖加圧側シリンダ室34b、ステム40の周囲、ポートS1、S2及びシリンダポートC2に接続している配管L4、L5、L6、L7、更に配管L8は充水されている。このとき起動弁12は閉鎖状態にある。また圧力調整弁16のポートP4の加圧ラインに設けた大気開放弁100は図8(A)のよう入力ポートQ1と出力ポートQ2を連通した開状態としている。
トンネル火災の発生により放水を行なう際には、遠隔操作などにより起動弁12を動作して開放させる。起動弁12を開放すると1次圧取出口42から配管L1、L2を介して1次側消火用水が圧力調整弁16の入力ポートP1に供給され、出力ポートP2から配管L3を通って自動弁10の開放加圧側シリンダ室34aに供給される。
このため主ピストン32が上方に移動し、図10に示すように主弁30が開き始める。この主弁30の開放に伴い、駆動軸36も上方に移動するが、スプール弁座64(図2参照)に当接すると流路が遮断され、シリンダポートC2からの液の流出ができなくなり、主ピストン32が停止して主弁30を所定の初期開度に維持する。
主弁30が初期開度に開放して1次側から2次側に加圧消火用水が供給されると、ヘッドからの放水に伴い2次側に圧力が発生する。この2次側に発生した圧力は2次圧取出口44から配管L8を経由して初期放水圧力制御弁15に加わり、矢印15aで示す閉鎖位置から破線の矢印15bで示す開放位置に作動する。これは図5(A)においてダイヤフラム104の力によりスプリング118に抗してスプール弁108が上方に移動し、入力ポートI1と出力ポートI2が連通した状態である。
このためシリンダポートC2からの初期放水圧力制御弁15を通って配管L8に流れる循環経路が形成され、自動弁10における主ピストン32の停止状態が解除され、開閉駆動可能な状態となる。
また2次側に発生した圧力は圧力調整弁16の圧力検知ポートP3にも供給され、このとき圧力調整弁16は図6及び図7に示したように低圧設定状態にあり、放水圧力を低圧設定に保つように自動弁10に対する出力ポートP2からの供給圧力を遮断し、低圧設定による放水圧力を維持する。
また自動弁10の初期開度により2次側に発生した圧力は、開状態にある大気開放弁100を介して圧力調整弁16のポートP4にも加わる。ポートP4に2次側圧力が加わると図6の圧力調整部70に設けているジスク88がニードル18の流量で決まる速度で下降を開始する。
ジスク88は所定の遅延時間後に図9に示すようにプランジャ94をスプリング80の上部を支持しているスライダ82を押圧する位置に移動し、ジスク88によりスライダ82を押し込み、スプリング80を圧縮して低圧設定から規定圧設定に切り替える。具体的にはジスク88がストッパー92の下端に当接する位置にジスク88がストロークすると、その時点で所定の規定圧設定に切り替わる。
このように圧力調整弁16が低圧設定から規定圧設定に切り替わると、設定規定圧を維持するように主ピストン32の開放加圧側シリンダ室34aに対する供給圧力を調整し、これによって規定圧設定による本格放水を行なうことになる。
放水の停止は起動弁12を非作動状態として閉鎖すればよい。起動弁12の閉鎖で圧力調整弁16に対する1次側圧力用水の供給が断たれれば出力ポートP2の圧力もなくなり、自動弁10の開放加圧側シリンダ室34aの圧力もなくなり、主弁30はスプリング60の力および主ピストン32の上部に作用する2次側圧力の力で閉鎖位置に戻る。
この主弁30が閉鎖状態に戻る時の主ピストン32の動きを決める水の流出は圧力調整弁16、出力ポートP2から圧力検知ポートP3に戻る流路による遅延動作により、緩やかに行なわれる。
続いて圧力調整弁16が低圧設定から規定圧設定に切り替わることによる規定圧放水モードの本格放水状態で、圧力調整弁16の調整のため再び低圧放水モードに戻したい場合には、図8(B)のように、大気開放弁100Aを矢印175で示す方向に操作力を加えてピストン152を押し込めばよい。
ピストン152が押し込まれると、入力ポートQ1と出力ポートQ2が遮断され、2次側圧力水の圧力調整弁16の1次シリンダ室90aに対する供給が遮断され、同時に出力ポートQ2がシャフト170に対する大気開放弁体162の当接で弁座160が開くことで、圧力調整弁16の1次シリンダ室に充填していた加圧水が大気開放弁100Aを通って外部に排出され、圧力調整弁16は図9の規定圧設定状態から図6及び図7の低圧設定状態に切り替わり、これによって放水を停止することなく低圧放水モードに戻すことができる。
低圧放水モードで必要な調整が済んだならば、図8(B)の開放操作状態にある大気開放弁100Aの矢印175方向の操作力を解除すると、ピストン152が押し上げられて図8(A)の初期状態に戻り、大気側との連通が遮断されると同時に入力ポートQ1が出力ポートQ2に連通し、2次側圧力水が圧力調整弁16の1次シリンダ室90aに供給されることで、ジスク88が下降して再び図9の規定圧設定状態に切り替わり、規定圧放水モードに切り替えることができる。

図11は図1の大気開放弁の第2実施形態を示した説明図である。図11(A)は本実施形態の大気開放弁100Bの初期状態の断面図であり、図11(B)に大気開放のための操作状態を示している。
図11(A)において、大気開放弁100Bは、弁ボディ150に対し入力ポートQ1と出力ポートQ2を持ち、弁ボディ150の上部にスプリング154を介してピストン152を摺動自在に組み込み、ピストン152の下方の先端部に大気開放口158を設け、その背後に弁座160を持つ大気開放弁体162を配置し、スプリング164で押圧している。
またピストン152の大気開放口158に相対した下側には、ベース172による固定で一体にシャフト170が形成されている。このような構成は図11の実施形態の大気開放弁100Bと同じであるが、図11の大気開放弁100Bにあっては、ピストン152を弁ボディ150に対し抜け止めしているカバー155にネジ穴176を設け、これに対応してピストン152の外周にネジ部178を形成し、カバー155に対しピストン152をねじ込み装着している。
本実施形態の大気開放弁100Bの開放操作は、図11(B)のように、ピストン152の上部に装着しているカバー166を矢印180で示す方向に回して下方にねじ込むことによりピストン152を下降させ、図示の位置にねじ込んだ状態で入力ポートQ1と出力ポートQ2を遮断すると同時に、ピストン152の大気開放口158がシャフト170を越えて下降することにより、シャフト170の先端に大気開放弁体162が当接して残ることで、弁座160が開き、出力ポートQ2を大気側に開放し、圧力調整弁16の1次シリンダ室90aの加圧水を排出するようにしている。
図11の実施形態の大気開放弁100Bにあっては、大気開放動作を行う際には、ピストン152を回してねじ込むことで大気開放位置に動作させ、その大気開放位置を保持することができ、図8の実施形態の大気開放弁100Aのように低圧放水モードを必要とする間、ピストン152を開放位置に押し続けなければならないという操作上の不便さを解消できる。
図12は図1の大気開放弁の第3実施形態を示した説明図である。図12の第3実施形態の大気開放弁100Cは、3方切替え弁を使用したことを特徴とする。図12(A)において、大気開放弁100Cは、弁ボディ188に対し、入力ポートQ1、出力ポートQ2及び大気開放ポートQ3の3つのポートを設けており、弁ボディ188の内部には操作レバー182により切替駆動される図12(B)に示す弁体184が組み込まれている。
図12(A)の操作レバー182の位置が初期位置であり、このとき図12(B)のように、弁体184は直角方向に連通した連通穴186の一方を入力ポートQ1に開口し、他方を出力ポートQ2に開口している。このため、図11(A)の大気開放弁100Cの初期状態にあっては、入力ポートQ1に対する2次側圧力水を出力ポートQ2から圧力調整弁16側に供給することができる。

図13は圧力調整弁16の規定圧設定による規定圧放水モードの状態で低圧放水モードに戻すための大気開放弁100Cの操作状態を示している。図13(A)において、大気開放弁100Cの操作レバー182を初期位置の182’から90°旋回した大気開放位置に操作している。
大気開放位置に操作レバー182を操作すると、図13(B)のように、弁体184が同じく90°回転し、入力ポートQ1と出力ポートQ2を遮断すると同時に、出力ポートQ2を大気開放ポートQ3に連通する。
このため、入力ポートQ1からの2次側圧力水の圧力調整弁16のポートP4に対する供給が遮断され、同時にポートP4が大気開放ポートQ3に連通することで1次シリンダ室90aの加圧水が排水され、規定圧設定から低圧設定に圧力調整弁を切り替えて低圧放水モードに戻すことができる。

図14は本発明による自動弁装置の他の実施形態であり、本実施形態にあっては、圧力調整弁16のポートP5とポートP6を接続するニードル18を設けた配管に、低圧放水保持弁200を設けたことを特徴とする。
低圧放水保持弁200は常時開状態にあり、低圧保持操作を行うことで閉状態となってポートP5とポートP6の連通を遮断し、図6の圧力調整弁16のポートP4に2次側圧力水が加わっても、圧力調整部70に設けているジスク88が移動せず、低圧設定状態を維持することができる。
この低圧放水保持弁200の利用法は例えば次のようになる。自動弁装置の設置工事が完了した後に、圧力調整弁16について実放水をしながら予告放水に必要な低圧設定の値を調整をする場合、低圧放水保持弁200を閉状態にした後に起動弁12を動作する。このため自動弁10が初期開度に開放することで2次側に加圧用水が供給され、2次側圧力が配管L8を介して圧力調整弁16の圧力検知ポートP3に加わる。
初期状態にあって圧力調整弁16は低圧設定(未調整)の状態にあり、放水圧力P1を設定低圧に保つように低圧放水モードの圧力制御を行なう。しかし、低圧放水保持弁200を閉状態としているため、図3のように例えば10秒経過する時刻t2を過ぎても低圧設定のままで規定圧設定に切り替わることがなく、この状態で圧力調整弁16の設定圧を例えば0.15MPaの低圧設定となるように調整する。
圧力調整弁16の低圧設定の調整が済んだならば、例えば本格放水を確認するため低圧放水保持弁200の閉操作を解除して開状態にすると、例えば10秒後に調整済みの低圧設定による圧力設定から規定圧、例えば0.34MPaの設定による規定圧放水モードの圧力制御に切り替わる。
また規定圧放水モードの状態から再度、低圧放水モードとして調整したい場合には、大気開放弁100の操作で低圧放水モードに戻し、この状態で低圧放水保持弁200を閉状態に操作して低圧放水モードを保持して調整すればよい。
ここで、低圧放水保持弁200は圧力調整弁16のポートP4の供給配管に設けた大気開放弁100と直列に接続しても良い。
なお、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
規定圧設定から低圧設定に切り替える大気開放弁を圧力調整弁の加圧ラインに設けた本発明の自動弁装置の説明図 図1の自動弁の断面図 図1の自動弁装置により制御される放水圧力のタイムチャート 図1の初期放水圧力制御弁の断面図 開動作した図1の初期放水圧力制御弁の断面図 図1の圧力調整弁の断面図 図6の圧力調整弁におけるシリンダポート部分の断面図 図1の大気開放弁の第1実施形態を示した説明図 図6の圧力調整弁を設定規定圧の切替え状態とした場合の断面図 図1の実施形態において起動弁の動作により初期放水状態に動作した自動弁装置の説明図 図1の大気開放弁の第2実施形態を示した説明図 図1の大気開放弁の第3実施形態を示した説明図 図12の大気開放弁の切替操作の説明図 本発明による自動弁装置の他の実施形態を示した説明図
符号の説明
10:自動弁
12:起動弁
14:手動起動弁
15:初期放水圧力制御弁
16:圧力調整弁
18:ニードル
20,150,182:弁ボディ
22:流入口
24:流出口
26:仕切壁
28:弁座
30:主弁
32:主ピストン
32a:スリーブ
34:主シリンダ
34a:開放加圧側シリンダ室
34b:閉鎖加圧側シリンダ室
36:駆動軸
38:シリンダ筒
40:ステム
42:1次圧取出口
44:2次圧取出口
46:圧力スイッチ
48:自動排水弁
50:テスト放水弁
52:貯水タンク
54:給水弁
55:弁穴
56:弁シール
60、118:スプリング
62、102:カバー
64:スプール弁座
66:シール
70:圧力調整部
72:圧力設定部
74:ダイヤフラム弁
75:シリンダ圧導入室
76:スプール弁
77:排出室
82:スライダ
84:ピン
86:ガイドスリット
88:ジスク
90:シリンダ
90a:1次シリンダ室
90b:2次シリンダ室
92:ストッパ
94:プランジャ
95:フレーム
96:逆止弁
100,100A,100B,100C:大気開放弁
101a、101b:弁ボディ
104:ダイヤフラム
106:ダイヤフラム室
108:スプール弁
109:弁座
110:連通孔
111:シール
112、114:押え金具
114、122:リテーナ
116:ナット
120:設定圧力調整ネジ
124:フェールセーフダイヤフラム
126:フェールセーフダイヤフラム室
132:連通孔
152:ピストン
154,164:スプリング
155,166:カバー
156:通し穴
158:大気開放口
160:弁座
162:大気開放弁体
168:大気開放穴
170:シャフト
172:ベース
174:連通穴
176:ネジ穴
178:ネジ部
182:操作レバー
184:弁体

Claims (6)

  1. 駆動機構により動作し、閉鎖と所定の2次側圧力となる弁開度との間で変位して1次側圧力水を所定の2次側放水圧力2次側圧力水として放水ヘッドに供給可能な自動弁と、
    前記自動弁の閉鎖状態で前記駆動機構に1次側圧力水を供給し、前記自動弁を所定の初期開度に維持して2次側放水圧力を所定の低圧状態とする起動弁と、
    前記自動弁の初期開度への開放後の2次側放水圧力により動作し、前記自動弁の駆動機構を制御して前記初期開度の維持を解除する初期放水圧力制御弁と、
    シリンダ室内に第1シリンダ室と第2シリンダ室を仕切り形成して移動自在にジスクを配置し、前記ジスクの前記第2シリンダ室側への移動に伴う前記第2シリンダ室から第1シリンダ室への連通を遮断すると共に前記ジスクの前記第1シリンダ室側への移動に伴う前記第1シリンダ室から第2シリンダ室への連通を許可する逆止弁を前記ジスクに設け、更に前記第1シリンダ室と第2シリンダ室とを所定の流量に制限して連通する連通配管を設け、2次側放水圧力が前記低圧状態で前記2次側圧力水を前記第1シリンダ室に流入させ、前記逆止弁の連通遮断状態で前記連通配管を経由した前記第2シリンダ室から第1シリンダ室への流入を流量制限した状態での前記ジスクの移動により所定遅延時間後に所定の低圧設定から所定の規定圧設定に切替え、2次側放水圧力が前記規定圧状態で前記第1シリンダ室を減圧制御し、連通許可状態の前記逆止弁を経由した前記第1シリンダ室から第2シリンダ室への流入状態での前記ジスクの戻りにより前記規定圧設定から前記低圧設定に切替え、前記自動弁の駆動機構を前記切替えた低圧設定または規定圧設定に対応する2次側放水圧力に制御する圧力調整弁と、
    前記圧力調整弁による規定圧設定の制御状態で、前記圧力調整弁への前記2次側圧力水の流入を停止するとに前記圧力調整弁を規定圧設定の制御状態として前記圧力調整弁内の加圧水を大気に開放し、前記圧力調整弁を前記低圧設定の制御状態に切り替える大気開放弁と、
    を備えたことを特徴とする自動弁装置。
  2. 請求項1記載の自動弁装置に於いて、前記圧力調整弁は、
    前記1次側圧力水を導入する1次側入力ポートと、
    前記導入した1次側圧力水を前記自動弁の駆動機構に供給する出力ポートと、
    前記2次側放水圧力を検知する圧力検知ポートと、
    前記検知した2次側放水圧力により開閉制御して前記出力ポートの圧力を調整する調整弁と、
    第1スプリングの付勢による低圧設定位置で前記調整弁を開閉可能に維持するスライダと、
    シリンダ室と、
    前記シリンダ室内に移動自在に配置され、前記シリンダ室に第1シリンダ室と第2シリンダ室を仕切り形成するジスクと、
    前記第1シリンダ室に前記2次側圧力水を導入する2次側入力ポートと、
    前記第1シリンダ室と第2シリンダ室とを所定の流量に制限して連通する連通配管と、
    前記ジスクに設けられ、前記ジスクの第2シリンダ室側への移動に伴う前記第2シリンダ室から第1シリンダ室への連通を遮断し、前記ジスクの第1シリンダ室側への移動に伴う前記第1シリンダ室から第2シリンダ室への連通を許可する逆止弁と、
    前記ジスクと一体に移動し、第2スプリングの付勢による初期位置で前記スライダを前記低圧設定位置に維持し、前記第1シリンダ室に導入した前記2次側圧力水による前記ジスクの移動で前記スライダを規定圧設定位置に移動して前記第1スプリングを押圧し前記調整弁を開放状態に維持するプランジャと、
    を備えたことを特徴とする自動弁装置。
  3. 請求項1記載の自動弁装置に於いて、前記大気開放弁は、
    弁ボディと、
    前記弁ボディ前記2次側圧力水を導入する入力ポートと、
    前記弁ボディ内から前記圧力調整弁に前記2次側圧力水を供給する出力ポートと、
    前記弁ボティ内に移動自在に配置され、第1スプリングの付勢による初期位置で前記入力ポートと出力ポートを連通し、外部操作による移動位置で前記入力ポートと出力ポートの連通を遮断するピストンと、
    前記ピストンの前記弁ボティ側端面に設けた大気開放口と、
    前記大気開放口の内側に形成された弁座と、
    前記ピストン内に開閉可能に配置され、前記弁座に対し第2スプリングにより閉鎖位置に支持された大気開放弁体と、
    前記ピストン外に前記大気開放口に相対して固定配置され、外部操作による前記ピストンの移動時に前記大気開放口を介して前記大気開放弁体を押し開いて前記出力ポートを大気に開放させるシャフトと、
    を備えたことを特徴とする自動弁装置。
  4. 請求項記載の自動弁装置に於いて、前記大気開放弁のピストンは、前記弁ボディに対し外部からの押込み操作により移動自在に設けたことを特徴とする自動弁装置。
  5. 請求項記載の自動弁装置に於いて、前記大気開放弁のピストンは、前記弁ボディに対し外部からねじ込み操作により移動自在に設けたことを特徴とする自動弁装置。
  6. 請求項1記載の自動弁装置に於いて、前記大気開放弁は、
    弁ボディと、
    前記弁ボディ内に前記2次側圧力水を導入する入力ポートと、
    前記弁ボディ内から前記圧力調整弁に前記2次側圧力水を供給する出力ポートと、
    前記弁ボディ内を大気に連通する大気開放ポートと、
    前記弁ボディ内に配置され、第1切替位置で前記入力ポートと前記出力ポートを連通し、第2切替位置で前記出力ポートを前記入力ポートから切離して前記大気開放ポートに連通する弁体と、
    を備えた三方切替弁であることを特徴とする自動弁装置。
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