JP7129260B2 - 消防用弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トンネル水噴霧設備やスプリンクラー設備等の複数の弁装置が協働して放水する消防用弁装置に関する。
従来、トンネル水噴霧設備の自動弁装置、スプリンクラー設備の減圧機能付き流水検知装置、トンネル消火栓装置の自動調圧弁や定流量弁等の消防用弁装置や消防設備は、火災発生時に1又は複数の弁装置が起動、開放して消火用水を放水する機能を有している。
特開2008-104678号公報 特開2012-058807号公報
しかしながら、このような従来の消防用弁装置及び消防設備は、火災発生時と点検時に動作するのみで、通常監視時は長期間休止状態にある。このため定期点検を実施しているものの、現状の消防用弁装置及び消防設備においては空白時間が長く、正常状態にあることを確認できているわけではなく、いざ消火活動を行うに当たって、その機能が十分に発揮できるかは、厳密には分からないという問題がある。
例えば、プラントのプロセスバルブ等においては、常にバルブは作動しているため、故障はいち早く生産ラインの異常として判別できるが、消防用弁装置や消防設備は、常に作動するような使われ方がなされないため、点検時か最悪の場合には火災時に機器を使用する時に初めて異常が分かるということになりかねない問題が潜在している。
本発明は、休止状態にある通常監視時に異常を監視すると共に点検時や火災時の動作を監視して信頼性を確保可能とする消防用弁装置を提供することを目的とする。
(消防用弁装置)
本発明は、弁体の開閉に使用される可動体を備えた消防用弁装置に於いて、
可動体に設けられ可動体の変形に応じて発電信号を出力する発電部と
発電部から出力される発電信号に基づいて弁装置の状態を判定する監視部と、
が設けられたことを特徴とする。
(発電部の圧電構造)
発電部は、可動体の表面に積層された下側電極層、圧電層及び上側電極層を備える
(発電信号のピーク値監視)
監視部は、可動体の変位により発電部から出力される発電信号のピーク値に基づいて弁の動作量が正常かどうか状態を判定する。
(可動体の破断監視)
視部は発電信号の変化から可動体の破断を判定する
また、監視部は、発電部の下側電極層と上側電極層との間に所定の監視電流を流すために印加される監視電圧を監視し、監視電圧の増加に基づき可動体の破断を判定する。
(可動体の構成)
可動体はスプリング又はダイヤフラムである。
(基本的な効果)
本発明は、弁体の開閉に使用される可動体を備えた消防用弁装置に於いて、可動体に設けられ可動体の変形に応じて発電信号を出力する発電部と発電部から出力される発電信号に基づいて弁装置の状態を判定する監視部とが設けられたため、点検時に弁装置が作動すれば発電信号が出力されることで正常に動作したことが確認でき、例えば放水が行われても発電信号が正しく出力されない場合には、弁装置の可動体に異常があることが分かり、修理調整といった適切な対応策をとることができ、万一、火災となった場合に確実に動作して放水を行うことができる。
(発電部の圧電構造による効果)
また、発電部は、可動体の表面に積層された下側電極層、圧電層及び上側電極層を備えるため、可動体の表面上に銀ペーストを塗布して下部電極層を形成し、その表面に圧電性溶剤をスプレーコートした後、熱風乾燥して膜を生成し、次に、膜の表面より所定距離だけ離間したコロナ電極から所定の高電圧を所定時間印加して分極して圧電層を生成し、圧電層の上面に銀ペースを塗布して上部電極層を形成することで、可動体に発電部を簡単且つ容易に設けることができ、発電部を設けても可動体としての機能を損なうことはない。
(発電信号のピーク値監視による効果)
また、監視部は、可動体の変位により発電部から出力される発電信号のピーク値に基づいて弁の動作量が正常かどうか状態を判定するようにしたため、発電信号は可動体が変形した瞬間にピーク値を示し、その後に減衰するようになることから、弁装置が正常に動作したときの発電信号のピーク値を調べ、これに対応した閾値を設定しておくことで、点検時等に弁装置が正常に動作したか否かが確実に分かる。
可動体の破断監視による効果)
また、視部は発電信号の変化から可動体の破断を判定するか、監視部は、発電部の下側電極層と上側電極層との間に所定の監視電流を流すために印加される監視電圧を監視し、監視電圧の増加に基づき可動体の破断を判定するようにしたため、通常監視中に休止状態にある弁装置に組み込まれた可動体は所定の組込み荷重を受けた伸縮状態にあり、可動体に製造組立段階での傷や欠陥があると、休止状態で可動体が破断し、瞬時的に発電信号が出力さることになり、この発電信号の変化から破断を検出して警報することが可能となり、可動体を交換修理するといった適切な対応をとることができる。また、下側電極層と上側電極層との間に所定の監視電圧を印加していると可動体の破断により下側電極層と上側電極層との間が電気的に切り離されることで監視電圧が増加し、これにより可動体の破断を検出して警報することが可能となり、可動体を交換修理するといった適切な対応をとることができる。
(可動体の構成による効果)
また、可動体はスプリング又はダイヤフラムであり、スプリング又はダイヤフラムに発電部が設けられることで、弁体の動きに伴うスプリング又はダイヤフラムの変形に応じて発電信号が出力され、監視部により発電信号に基づいてスプリング又はダイヤフラムに異常があるかないかを確実に判定することができる。
トンネル水噴霧設備の自動弁装置に設けられた複数の弁装置に組み込まれたスプリングとダイヤフラムの発電部の概略を示したブロック図 図1の自動弁装置の実施形態を示した説明図 図2の弁の構造を示した説明図 図2の自動弁装置により2段階に制御される放水圧力を示したタイムチャート 弁のスプリングに設けられた発電部の実施形態を示した説明図 図2の初期放水圧力制御弁の実施形態を閉鎖状態で示した説明図 初期放水圧力制御弁の開放動作を示した説明図 初期放水圧力制御弁のダイヤフラムに設けられた発電部の実施形態を示した説明図 図2の圧力調整弁の実施形態を低圧設定状態で示した説明図 図2の圧力調整弁を規定圧設定状態で示した説明図 圧力調整弁のダイヤフラムに設けられた発電部の実施形態を示した説明図
[トンネル水噴霧設備]
図1はトンネル水噴霧設備の自動弁装置に設けられた複数の弁装置に組み込まれたスプリングとダイヤフラムに設けられる発電部の概略を示したブロック図である。
図1に示すトンネル水噴霧設備の自動弁装置1は、トンネル内の監視員通路の壁面に沿って50メートル間隔で設置されており、自動弁装置1からトンネル壁面に沿って立ち上げられた給水配管2の先に、トンネル長手方向に設置された複数のヘッド3が接続されている。
自動弁装置1には、弁10、圧力調整弁16、初期放水圧力制御弁15が設けられており、トンネル内での火災発生により図示しないパイロット弁を開制御した場合に主弁10、圧力調整弁16及び初期放水圧力制御弁15が協働し、ヘッド3からの水噴霧を開始すると共に圧力調整弁16によりヘッド3の放水圧力が所定の低圧設定圧となるように弁10を制御し、ヘッド3の放水圧力が上昇して所定の初期放水開始圧力に達した場合に初期放水圧力制御弁15が開放して圧力調整弁16の設定圧を所定の規定放水圧に変更し、圧力調整弁16によりヘッド3の放水圧力が規定設定圧となるように弁10を制御し、放水圧力を2段階に変化させる放水制御を行う。
弁10のスプリング60、圧力調整弁16のスプリング80とダイヤフラム74、及び、初期放水圧力制御弁15のスプリング118とダイヤフラム104の各々には、発電部200が設けられている。
スプリング60,80,118に設けられた発電部200は、弁体の動きに伴うスプリング60,80,118の伸縮に応じた圧電作用により発電して発電信号を出力する。
また、ダイヤフラム74,104に設けられた発電部200は、弁体の動きに伴うダイヤフラム74,104の変形に応じた圧電作用により発電して発電信号を出力する。
自動弁装置1に設けられた発電部200からの発電信号は監視部202に出力される。監視部202には監視制御部204と送信206が設けられている。監視制御部204は、CPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路であり、CPUによるプログラムの実行で監視制御機能が実現される。また、監視制御部204には、発電部200の圧電作用により得られた電荷を電圧信号に変換するチャージアンプ(電荷増幅器)が設けられている。送信部206は有線通信又は無線通信の何れかとする。
監視制御部204は、点検時又は火災時に、弁10、圧力調整弁16及び初期放水圧力制御弁15の弁体が作動した場合にそれぞれ発電部200から出力される発電信号に基づいて、弁10、圧力調整弁16及び初期放水圧力制御弁15が正常に動作したか否か及び自動弁装置1として正常な制御パターン(逐次制御)で動作したか否かを判定し、異常を判定した場合は、送信部206に指示して防災センターに設置された防災監視盤に異常検出信号を送信して障害表示等を行わせる。
また、監視制御部204は、通常監視中の弁10、圧力調整弁16及び初期放水圧力制御弁15の休止状態で、発電部200から出力される発電信号によりスプリング60,80,118の破断や、ダイヤフラム74,104の破損を監視しており、発電信号の変化から破断又は破損を検出すると送信部204に指示してスプリング又はダイヤフラムの異常検出信号を防災監視盤に送信して障害警報を出力させる。
また、自動弁装置1には風力振動発電部208が設けられている。風力振動発電部208は、トンネル内に常に吹いている風を利用し、風を風車に当てて発生する振動による圧電作用で発電し、発電電力から直流電力に変換して監視部202に対し電源を供給している。このため、自動弁装置1に監視部202設けられても、電源線により外部から電源を供給する必要がなく、設備構成を簡単且つ容易にし、設備コスト及び運用コストを低減可能とする。
[自動弁装置]
(自動弁装置の概要)
図2は図1の自動弁装置の実施形態を示した説明図、図3は図2の弁の詳細を示した説明図、図4は図2の自動弁装置により2段階に制御される放水圧力を示したタイムチャートである。
図2に示すように、本実施形態の自動弁装置1は、本弁10、パイロット弁12、初期放水圧力制御弁15、圧力調整弁16で基本的に構成され、更に圧力スイッチ46、自動排水弁48及び テスト放水弁50が設けられている。
本弁10は弁ボディ20の一方に流入口22を持ち、他方に流出口24を持ち、流 入口22側にはポンプ設備からの配管が接続され、流出口24にはトンネル内に設置したヘッドへの配管が接続されている。
図3に示すように、本弁10は、弁ボディ20の内部に仕切壁26を有し、仕切壁26の弁穴55に対し主弁30を配置している。弁穴55の上部には弁座28が形成され、弁 座28に対し主弁30に設けた弁シール56を押圧することで閉鎖状態としている。
主弁30はスリーブ32aと一体に備えた主ピストン32に連結されている。主ピスト ン32は主シリンダ34に摺動自在に設けられ、主ピストン32の下側に開放加圧側シリンダ室34aを形成し、上部に閉鎖加圧側シリンダ室34bを形成している。また主シリンダ34の内側にはシリンダ筒38が配置され、シリンダ筒38に対しても主ピストン32は摺動自在に挿入されている。
主シリンダ34の上部にはカバー62が装着され、カバー62の中にスプールロッドとして機能するステム40を装着した駆動軸36が配置され、駆動軸36の下端は主弁30にナット締めにより固定されている。ステム40は途中に弁体として機能するシール66を装着しており、このシール66の近傍のカバー62内の位置にスプール弁座64を形成している。
主シリンダ34に対しては、シリンダポートC1、C2が設けられ、図2に示したように、シリンダポートC1に対し配管L1、L2、L3を介して1次側の圧力水を導入することで主ピストン32を上方に移動することができる。このとき上側に位置する閉鎖加圧側シリンダ室34bには予め水が充填されており、閉鎖加圧側シリンダ室34bの水はシリンダポートC2から排出される。
またステム40を備えたカバー62に対しては、第1ポートとしてのポートS1と第2ポートしてのポートS2が設けられる。このポートS1、S2の間にスプール弁座64が位置する。
再び図2を参照するに、本弁10の流入口22側に開口した1次側には1次圧取出 口42が設けられ、ここから配管L1を接続してパイロット弁12に接続している。パイロット弁12には手動起動弁14が並列接続されている。パイロット弁12の2次側は配管L2により圧力調整弁16の入力ポートP1に接続される。圧力調整弁16の出力ポートP2は配管L3を介して本弁10の開放加圧側シリンダ室34aに対するシリンダポートC1に接続されている。
また本弁10の流出口24に開口した2次側には2次圧取出口44が設けられ、ここから配管L8が引き出され、圧力調整弁16のポートP4に接続される。更に配管L8は圧力調整弁16の圧力検知ポートP3に接続された後、初期放水圧力制御弁15側に接続される。また2次圧取出口44側に示すように配管L8には圧力スイッチ46が接続され、また排水側との間に自動排水弁48が接続され、これと並列にテスト放水弁50が接続されている。
本弁10の閉鎖加圧側シリンダ室34bのシリンダポートC2は配管L5に接続さ れ、更に配管L4を介してステム40側のポートS1に接続される。更にステム40側のポートS2は配管L6に接続され、この配管L6は圧力調整弁16側からの配管L8に接続される。
ここで本弁10のステム40側の配管L5、配管L4、ポートS1、ステム40の周囲の流路、ポートS2、配管L6となる経路は主ピストン32を開放側に駆動した際の閉鎖加圧側シリンダ室34bからの水の流出を行なう循環経路を構成しており、この循環経路とステム40及びそのシール66により自動弁装置1の停止制御機構が構成されている 。
この停止制御機構はパイロット弁12の動作により1次側圧力水を開放加圧側シリンダ室34aに導入して主ピストン32を駆動して弁座28を開放した際に、主弁30の開度を予め示した初期開度に移動して停止させるための機能を有する。即ち、図2の本弁10を参照すると、主ピストン32が開放加圧側シリンダ室34aに対する1次側圧力水の導入を受けて上方に移動すると、これに伴って駆動軸36に装着しているステム40も上昇する。
初期状態においてステム40側のポートS1とポートS2は内部の流路を介して連通し ているが、駆動軸36が上昇してシール66はスプール弁座64に当接すると、ポートS1、S2間が遮断され、この結果、図2におけるシリンダポートC2からの水の排出が止まり、主ピストン32が停止し、主弁30は所定の初期開度を維持することになる。
初期放水圧力制御弁15は本弁10を初期開度に開いた状態で2次側に加圧用水 を供給し、ヘッドからの予告放水が行なわれた際の2次側圧力の発生を受けて動作し、配管L4と配管L7の間を連通する。このため入力ポートI1、出力ポートI2、圧力検知ポートI3を有し、初期放水圧力制御弁15は、図2にあっては矢印15aを配管L7側から離すことで弁の閉鎖状態を表している。
本弁10を初期開度に開放した後に2次側圧力が発生して初期放水圧力制御弁15が開くと、シリンダポートC2からの配管L5が初期放水圧力制御弁15を通って配 管L7に連通し、配管L7は配管L8を介して本弁10の2次側に接続されているため、本弁10の主ピストン32の停止が解除されて、開駆動可能な状態となる。
圧力調整弁16は、本弁10の開閉制御により、図4のタイムチャートに示すような放水圧力Pの制御を行う。
図4の時刻t0でパイロット弁12を動作すると、本弁10は初期開度に開放することで2次側に加圧用水が供給され、2次側圧力が配管L8を介して圧力調整弁16の圧力検知ポートP3に加わる。初期状態にあって圧力調整弁16は例えば2次側圧力を0.15MPaとする低圧設定の状態にあり、従って時刻t1より放水圧力P1を低圧設定に保つように圧力制御を行なう。
また圧力調整弁16は後の説明で明らかにするように、初期放水圧力制御弁15の開放によりポートP4に加圧水を受けた際にピストンの駆動により設定圧を低圧設定から所定の遅延時間後に規定圧設定に切り替える機能を備えている。
このため時刻t1から 例えば5~15秒の範囲内で設定した一定時間、例えば10秒経過する時刻t2で、それまでの低圧設定による圧力設定から規定圧、例えば0.34MPaの設定による圧力制御に段階的に切り替わる。このような図4の放水圧力の圧力制御によって、時刻t0から時刻t2までが予告放水の圧力制御であり、時刻t2以降が本格放水のための圧力制御となる。
弁の発電部]
図5は弁のスプリングに設けられた発電部の実施形態を示した説明図であり、図5(A)にスプリングを示し、図5(B)にスプリングの断面を示す。
図5(A)に示すように、弁10に組み込まれたスプリング60はバネ性をもつ金属線をコイル状に巻き回しており、スプリング60の表面に発電部200が形成されている。
発電部200は、図5(B)に示すように、金属製のスプリング60の表面に、下側電極層210、圧電層212及び上側電極層214を積層形成し、下側電極層210と上側電極層214から一対のリード線216a,216bを外部に取り出している。
発電部200は次のようにして作ることができる。スプリング60の表面上に銀ペーストを塗布して下側電極210を形成し、その表面に圧電性溶剤をスプレーコートした後、100℃で熱風乾燥して膜を生成する。次に、膜の表面より所定距離だけ離間したコロナ電極から例えば所定の高電圧を所定時間印加して分極し、圧電層212を生成する。続いて圧電層212の上面に銀ペースを塗布して上側電極214を形成し、下側電極210と上側電極214に導電接着剤を用いてリード線216a,216bを接続点218a,218bで接着して完成する。
発電部200は、スプリング60が伸縮による変形を受けて圧電作用により発電して発電信号を出力し、発電信号はスプリング60が変形した瞬間にピーク値を示し、その後に減衰するよう変化する。
このため図1に示した監視部202の監視制御部204は、発電部200から出力される発電信号のピーク値に基づいて状態を判定する。例えば、弁10の2段階の放水圧力の制御を行った際の主弁30の動きに応じたスプリング60の変位による発電部200からの発電信号のピーク値は、製造段階での動作試験等により予め分かっていることから、このピーク値に基づき所定の閾値を監視制御部204に予め設定しておく。
これにより監視制御部204は、スプリング60の発電部200から出力された発電信号のピーク値が所定の閾値以上又は超えた場合に正常と判定し、閾値未満又は以下の場合に異常と判定し、送信部206に指示して弁10の異常検出信号を防災監視盤に送信して障害警報を出力させる。
また、監視制御部204は、スプリング60の発電部200から出力された発電信号からスプリング60の破断を判定し、送信部206に指示して異常検出信号を防災監視盤に送信して障害警報を出力させる。
弁10の製造組立の段階で、スプリング60に傷や欠陥があると、通常監視による主弁10の休止状態で組立荷重を受けているスプリング60が折れて破断する場合がある。このときスプリング60の表面に形成された発電部200も途中で破断することになるが、破断する直前に発電部200に衝撃的な応力が加わることで、瞬時的に発電信号が出力され、この発電信号の変化からスプリング60の破断を検出することができる。
また、発電部200によりスプリング60の破断を検出する別の手法として、リード線216a,216bの間に監視制御部204側から所定の直流電圧を印加し、圧電層212の抵抗分に対応した監視電流を流すようにする。この場合、スプリング60が正常であれば、リード線間に所定の監視電圧が得られているが、スプリング60が破断すると、発電部200も途中で破断し、リード線216a,216b間が電気的に切り離されることで監視電圧が増加し、この監視電圧の増加からスプリング60の破断を検出することができる。
[初期放水圧力制御弁]
図6は図2の初期放水圧力制御弁の実施形態を閉鎖状態で示した説明図であり、図6(A)に断面を示し、図6(B)に閉鎖状態のシンボルを示す。
図6(A)および図7に示すように、初期放水圧力制御弁15は、弁ボディ101aの上部にカバー102が配置され、下側に弁ボディ101bが装着されている。弁ボディ101aの上部にはダイヤフラム104が設けられ、ダイヤフラム104の下側にダイヤフラム室106が形成されている。ダイヤフラム104は、スプール弁108の上部に押え金具112とリテーナ114で挟んだ状態でナット116のボルト部への締付けで固定されている。
スプール弁108は上端から下端に連通する連通孔110を中心軸方向に形成している。ダイヤフラム104を固定したリテーナ114の上部にはスプリング118が組み込まれる。スプリング118の上部はリテーナ122に当接しており、リテーナ122に対しては設定圧力調整ネジ120の先端が当接している。
スプリング118は、設定圧力調整ネジ120のねじ込み位置で決まるスプリング荷重をスプール弁108に加え、これによってスプール弁108が開動作を行うための設定圧を決めている。
弁ボディ101aには入力ポートI1と出力ポートI2が設けられている。出力ポートI2は、圧力検知ポートを兼ねている。出力ポートI2はダイヤフラム室106に連通している。スプール弁108のダイヤフラム室106に開口したスプール孔の部分には弁座109が形成され、ここにスプール弁108のシール111を当接することで、入力ポートI1と出力ポートI2の連通を遮断した閉鎖位置となっている。
ダイヤフラム104の下側にはフェールセーフダイヤフラム124がタンデム配置される。フェールセーフダイヤフラム124は、弁ボディ101aと弁ボディ101bの間に外周部が固定され、中央部に押え金具128、130をナットにより固定し、押え金具128の連通孔132にスプール弁108の下部を挿入している。
フェールセーフダイヤフラム124の上側の空隙は連通孔125により外部と連通している。更に、カバー102には、小孔103が形成され、ダイヤフラム104の破損により漏洩した圧力水を小孔103から流出させることで、ダイヤフラム104の破損を外部から確認できるようにている。
このような構造を持つ図6(A)の初期放水圧力制御弁15は閉鎖状態にあり、シンボルで表わすと図6(B)のようになり、ポートI1とポートI2の連通が断たれている 。
図7は初期放水圧力制御弁の開放動作を示した説明図であり、図7(A)に断面を示し、図7(B)に開放状態のシンボルを示す。
図7(A)に示す圧力検知ポートを兼ねた出力ポートI2には、図2に示したように、 配管L7、L8を介して本弁10の2次側の放水圧力が主弁30を初期開度に開放した際に加わる。この出力ポートI2に加わる2次側圧力はダイヤフラム室106に導入され、導入圧がスプリング118の押圧荷重で決まる設定圧を超えると、ダイヤフラム104が上方に変形し、スプリング118に抗してスプール弁108を上方にリフトする。
このため、スプール弁108のシール111が弁座109から離れて開動作し、閉鎖加圧側シリンダ34bの水を圧力水として配管L5、L4を介し入力ポートI1、開放した弁座109の隙間部分、ダイヤフラム室106を通って、出力ポートI2に連通し、入力ポートI1から出力ポートI2に圧力水が流れる。
この初期放水圧力制御弁15の開動作の状態は、図7(B)のシンボルに示すように、ポートI1とポートI2が2次側圧力Paを受けて連通した状態となる。
次にダイヤフラム104が破損した場合のフェールセーフ動作を説明する。ダイヤフラム104が破損した状態で出力ポートI2に2次側圧力が加わると、2次側圧力はダイヤフラム室106を介して破損したダイヤフラム104に加わり、ダイヤフラム104の破損部分からスプリング118を収納したカバー102内に流出する。
カバー102内に流出した圧力水は、スプール弁108の中心軸方向に形成した連通孔110を通って下部のフェールセーフダイヤフラム室126に流れ込み、フェールセーフダイヤフラム124を上方に変形し、押え金具128をスプール弁108の下側段部を当接し、これによってスプール弁108を図5と同じ開動作の状態に押し上げ、入力ポートI1と出力ポートI2を連通させる。
このため本実施形態の初期放水圧力制御弁15にあっては、ダイヤフラム104が破損した場合、圧力検知ポートを兼用した出力ポートI2に2次側圧力が加わると、この圧力水は破損したダイヤフラム104から流出した後に下部のフェールセーフダイヤフラム室126に流入してフェールセーフダイヤフラム124を押圧することとなり、破損したダイヤフラム104に代わってフェールセーフダイヤフラム124が機能し、出力ポートI2からの導入圧がスプリング118で決まる設定圧を超えたときに、フェールセーフダイヤフラム124の力によりスプール弁108が開動作し、正常に初期放水圧力制御弁15を動作することができる。
[初期放水圧力制御弁の発電部]
(ダイヤフラムの発電部)
図8は初期放水圧力制御弁のダイヤフラムに設けられた発電部の実施形態を示した説明図であり、図8(A)にダイヤフラムの平面を示し、図8(B)にダイヤフラムの断面を示す。
図8(A)に示すように、初期放水圧力制御弁15に組み込まれたダイヤフラム104はゴム製の円形シート部材であり、中央にスプール通し穴104aが形成され、周囲4箇所にボトル通し穴104bが形成されている。
発電部200は、図8(B)に示すように、ゴム製のダイヤフラム104の上側の表面に、下側電極層210、圧電層212及び上側電極層214を積層形成し、下側電極層210と上側電極層214から一対のリード線216a,216bを外部に取り出している。
発電部200は次のようにして作ることができる。ダイヤフラム104の表面上に銀ペーストを塗布して下側電極210を形成し、その表面に圧電性溶剤をスプレーコートした後、ゴムの耐熱温度以下の温度、例えば80℃で熱風乾燥して膜を生成する。次に、膜の表面より所定距離だけ離間したコロナ電極から例えば所定の高電圧を所定時間印加して分極し、圧電層212を生成する。続いて圧電層212の上面に銀ペースを塗布して上側電極214を形成し、下側電極210と上側電極214に導電接着剤を用いてリード線216a,216bを接続点218a,218bで接着して完成する。
発電部200は、ダイヤフラム104が変形したときの圧電作用により発電して発電信号を出力し、発電信号はダイヤフラム104が変形した瞬間にピーク値を示し、その後に減衰するよう変化する。
このため図1に示した監視部202の監視制御部204は、発電部200から出力される発電信号のピーク値に基づいて状態を判定する。例えば、弁10に協働した初期放水圧力制御弁15のダイヤフラム104の変位による発電部200からの発電信号のピーク値は、製造段階での動作試験等により予め分かっていることから、このピーク値に基づき所定の閾値を監視制御部204に予め設定しておく。
これにより監視制御部204は、ダイヤフラム104の発電部200から出力された発電信号のピーク値が所定の閾値以上又は超えた場合に正常と判定し、閾値未満又は以下の場合に異常と判定し、送信部206に指示して初期放水圧力制御弁15の異常検出信号を防災監視盤に送信して障害警報を出力させる。
また、監視制御部204は、ダイヤフラム104の発電部200から出力された発電信号からダイヤフラム104の破損を判定し、送信部206に指示して異常検出信号を防災監視盤に送信して障害警報を出力させる。
初期放水圧力制御弁15の製造組立の段階で、ダイヤフラム104に傷や欠陥があると、通常監視状態で圧力水の力を受けているダイヤフラム104が破損する場合がある。このときダイヤフラム104の表面に形成された発電部200も破損することになるが、破損する直前に発電部200に衝撃的な応力が加わることで、瞬時的に発電信号が出力され、この発電信号の変化からダイヤフラム104の破損を検出することができる。
また、発電部200によりダイヤフラム104の破損を検出する別の手法として、リード線216a,216bの間に監視制御部204側から所定の直流電圧を印加し、圧電層212の抵抗分に対応した監視電流を流すようにする。この場合、ダイヤフラム104が正常であれば、リード線間に所定の監視電圧が得られているが、ダイヤフラム104が破損すると、発電部200も破損し、リード線216a,216b間に位置する圧電層212の抵抗が増加し、このため監視電圧が増加し、この監視電圧の増加からダイヤフラム104の破断を検出することができる。
なお、ダイヤフラム104が破断しても、フェールセーフダイヤフラム124により初期放水制御は維持される。
また、図8(A)では、ダイヤフラム104の表面の全面に発電部200を設けているが、発電部200を中心から外側に向けて放射状(花びら状)に形成するようにしても良い。
また、フェールセーフダイヤフラム124についても、ダイヤフラム104と同じ発電部200を設けても良い。
(スプリングの発電部)
図6(A)に示すように、初期放水圧力制御弁15には、初期放水制御の設定圧を決めるスプリング118が組み込まれており、スプリング118の表面には発電部200が形成されている。
スプリング118の表面に形成される発電部200は、図5に示した弁10のスプリング60の表面に形成された発電部200と同じであり、図1に示した監視部202の監視制御部204は初期放水圧力制御弁15に組み込まれたスプリング118の発電部200から出力された発電信号からスプリング118の正常、異常、破断を判定し、異常又は破断を判定した場合は送信部206に指示して異常検出信号を防災監視盤に送信して障害警報を出力させる。
[圧力調整弁]
図9は図2の圧力調整弁の実施形態を低圧設定状態で示した説明図である。図9に示すように、圧力調整弁16は下部の圧力調整部70と上部の圧力設定部72で構成されている。圧力調整部70には入力ポートP1、圧力検知ポートP3、更に出力ポートP2が設けられている。
入力ポートP1はスプール弁76に対し連通され、スプール弁76は中間の鍔状の弁体部に対応してボディ側に弁座78を形成している。このため入力ポートP1から流入した圧力水はスプール弁76の周囲を通り、出力ポートP2に流れる。この入力ポートP1から出力ポートP2に対する圧力水の流れに対し、圧力検知ポートP3に2次側圧力水を導入し、上部の圧力設定部72によりダイヤフラム弁74に加わる荷重との差圧に基づいてスプール弁76を開閉制御し、2次圧力がスプリング80で決まる設定圧となるように本弁10に対する出力ポートP2の圧力を調整する。
この圧力調整動作は、ダイヤフラム74に加わる圧力がスプリング80による設定圧を越えると、ダイヤフラム74が上方に変形してスプール弁76をリフトし、入力ポートP1と出力ポートP2の間を遮断し、本弁10の開放加圧側シリンダ室34aに対する圧力水の供給を遮断することで、図3に示した本弁10のスプリング60の力で主弁30を閉方向に動作する。
逆に、ダイヤフラム74に加わる圧力がスプリング80による設定圧を下回ると、ダイヤフラム74が下方に変形してスプール弁76を押下げ、入力ポートP1と出力ポートP2の間を連通し、図3に示した本弁10の開放加圧側シリンダ室34aに圧力水を供給して主弁30開方向に動作する。これによって2次側圧力を設定圧に保つように本弁10が制御される。
図9の初期状態において、スプリング80はダイヤフラム弁74の上部と、ガイドスリット86に対するピン84の挿入で位置決めされたスライダ82との間隔で決まるスプリング力により低圧設定の状態にある。
圧力調整弁16の上部に設けた圧力設定部72にはシリンダ90が設けられ、シリンダ90の中にジスク88が摺動自在に設けられている。ジスク88の下側にはフレーム95を介してプランジャ94が設けられており、プランジャ94の先端は下部のスライダ82にスプリング85を介して対向配置されている。シリンダ90のシリンダ室90aにはポートP4で連通され、ここに2次側圧力水を導入する。
またジスク88には逆止弁96が設けられ、初期的にポートP4に圧力水を導入した際に上側のシリンダ室90aから下側のシリンダ室90bに水を流して充満させるようにしている。これに対し、水が充満した状態でポートP4に2次側圧力が加わった際のジスク88の下降に対し、逆止弁96は下側から上側への水の流れを阻止する。
シリンダ90のシリンダ室90a、90bのそれぞれに対してはポートP5、P6が設けられ、この間を配管L9で接続し、配管L9の途中には流量を調整自在なニードル18が設けられている。
このためポートP4に2次側圧力水を導入した際のジスク88の移動速度はシリンダ室90bからシリンダ室90aに水を流すニードル18の設定流量により決まり、これによってジスク88が初期位置から先端のプランジャ94がスライダ82に挿接してスプリング80を押圧することで低圧設定から規定圧設定に切り替えるまでの遅延時間が決まる。
図10は図2の圧力調整弁を規定圧設定状態で示した説明図である。本弁10の初期開度により2次側に発生した圧力ポートP4に加わると、図10の圧力調整部70に設けているジスク88がニードル18の流量で決まる速度で下降を開始する。
ジスク88は所定の遅延時間後に図10に示すようにプランジャ94をスプリング80の上部を支持しているスライダ82を押圧する位置に移動し、このジスク88によりスライダ82を押しこみ、スプリング80を圧縮して低圧設定から規定圧設定に切り替える。具体的にはジスク88がストッパー92の下端に当接する位置にジスク88がストロークすると、その時点で所定の規定圧設定に切り替わる。
このように圧力調整弁16が低圧設定から規定圧設定に切り替わると、図3に示した主弁10に設けられた主ピストン32の開放加圧側シリンダ室34aに対する供給圧力が設定規定圧を維持するように調整され、これによって規定圧設定による本格放水を行なうことになる。
[圧力調整弁の発電部]
(ダイヤフラムの発電部)
図11は圧力調整弁のダイヤフラムに設けられた発電部の実施形態を示した説明図であり、図11(A)にダイヤフラムの平面を示し、図11(B)にダイヤフラムの断面を示す。
図11(A)に示すように、圧力調整弁16に組み込まれたダイヤフラム74はゴム製のリング状シート部材であり、円形リブとなる外側嵌合部74bと内側嵌合部74cが形成され、その間をダイヤフラム部74aとしている。
図11(B)に示すように、ダイヤフラム部74aには発電部200が形成されている。発電部200は、ゴム製のダイヤフラム部74aの上側の表面に、下側電極層210、圧電層212及び上側電極層214を積層形成し、下側電極層210と上側電極層214から一対のリード線216a,216bを外部に取り出している。発電部200は図8に示した初期放水圧力制御弁15のダイヤフラム104の場合と同様にして作られる。
発電部200は、ダイヤフラム74が変形したときの圧電作用により発電して発電信号を出力し、発電信号はダイヤフラム104が変形した瞬間にピーク値を示し、その後に減衰するよう変化する。
このため図1に示した監視部202の監視制御部204は、発電部200から出力される発電信号のピーク値に基づいて状態を判定する。例えば、弁10及び初期放水圧力制御弁15に協働した圧力調整弁16のダイヤフラム74の変位による発電部200からの発電信号のピーク値は、製造段階での動作試験等により予め分かっていることから、このピーク値に基づき所定の閾値を監視制御部204に予め設定しておく。
これにより監視制御部204は、ダイヤフラム74の発電部200から出力された発電信号のピーク値が所定の閾値以上又は超えた場合に正常と判定し、閾値未満又は以下の場合に異常と判定し、送信部206に指示して圧力調整弁16の異常検出信号を防災監視盤に送信して障害警報を出力させる。
また、監視制御部204は、ダイヤフラム74の発電部200から出力された発電信号からダイヤフラム74の破損を判定し、送信部206に指示して異常検出信号を防災監視盤に送信して障害警報を出力させる。
圧力調整弁16の製造組立の段階で、ダイヤフラム74に傷や欠陥があると、通常監視状態で圧力水の力を受けているダイヤフラム74が破損する場合がある。このときダイヤフラム74の表面に形成された発電部200も破損することになるが、破損する直前に発電部200に衝撃的な応力が加わることで、瞬時的に発電信号が出力され、この発電信号の変化からダイヤフラム74の破損を検出することができる。
また、発電部200によりダイヤフラム74の破損を検出する別の手法として、リード線216a,216bの間に監視制御部204側から所定の直流電圧を印加し、圧電層212の抵抗分に対応した監視電流を流すようにする。この場合、ダイヤフラム74が正常であれば、リード線間に所定の監視電圧が得られているが、ダイヤフラム74が破損すると、発電部200も破損し、リード線216a,216b間に位置する圧電層212の抵抗が増加し、このため監視電圧が増加し、この監視電圧の増加からダイヤフラム74の破損を検出することができる。
また、図11(A)では、ダイヤフラム74の表面の前面に発電部200を設けているが、発電部200を中心から外側に向けて放射状(花びら状)に形成するようにしても良い。
(スプリングの発電部)
図9に示すように、圧力調整弁16には、設定圧を決めるスプリング80が組み込まれており、スプリング80の表面には発電部200が形成されている。
スプリング80の表面に形成される発電部200は、図5に示した弁10のスプリング60の表面に形成された発電部200と同じであり、図1に示した監視部202の監視制御部204は圧力調整弁16に組み込まれたスプリング80の発電部200から出力された発電信号からスプリング80の正常、異常、破断を判定し、異常又は破断を判定した場合は送信部206に指示して異常検出信号を防災監視盤に送信して障害警報を出力させる。
[自動弁装置の制御と発電信号による監視]
次に図2の実施形態における自動弁装置1の放水制御を説明する。図2の通常監視状態にあっては本弁10の主弁30は閉鎖しており、主ピストン32の上側の閉鎖加圧側シリンダ室34b、ステム40の周囲、ポートS1、S2及びシリンダポートC2に接続している配管L4、L5、L6、L7、更に配管L8には加圧された消火用水が充水されている。 このときパイロット弁12は閉鎖状態にある。また圧力調整弁16のポートP4の加圧ライン に設けた電動弁100Aは開状態としている。
このとき図1に示した弁10、初期放水圧力制御弁15及び圧力調整弁16のスプリング60,80,118やダイヤフラム74,104に設けられた発電部200からは発電信号は出力されていない。
トンネル火災の発生により放水を行なう際には、遠隔操作などによりパイロット弁12を動作して開放させる。パイロット弁12を開放すると1次圧取出口42から配管L1、L2を介して1次側消火用水が圧力調整弁16の入力ポートP1に供給され、出力ポートP2から配管L3を通って本弁10の開放加圧側シリンダ室34aに供給される。
このため主ピストン32が上方に移動し、図2に示すように主弁30が開き始める。このときスプリング60が圧縮されることで、スプリング60の発電部200から発電信号が出力される。この主弁30の開放に伴い、駆動軸36も上方に移動するが、スプール弁座64(図3参照 )に当接すると流路が遮断され、シリンダポートC2からの水の流出ができなくなり、主ピストン32が停止して主弁30を所定の初期開度に維持する。
主弁30が初期開度に開放して1次側から2次側に加圧消火用水が供給されると、ヘッドからの放水に伴い2次側に圧力が発生する。この2次側に発生した圧力は2次圧取出口44から配管L8を経由して初期放水圧力制御弁15に加わり、矢印15で示す閉鎖位置から開放位置に作動する。
これは図7(A)においてダイヤフラム104の力によりスプリング118に抗してスプール弁108が上方に移動し、入力ポートI1と出力ポートI2が連通した状態である。
このときスプリング118が圧縮されることで、スプリング118の発電部200から発電信号が出力され、また、ダイヤフラム104も変形することでダイヤフラム104の発電部200から発電信号が出力される。
このためシリンダポートC2からの初期放水圧力制御弁15を通って配管L8に流れる循環経路が形成され、本弁10における主ピストン32の停止状態が解除され、開閉駆動可能な状態となる。
また2次側に発生した圧力は圧力調整弁16の圧力検知ポートP3にも供給され、このとき圧力調整弁16は図9に示したように低圧設定状態にあり、放水圧力を低圧設定に保つように本弁10に対する出力ポートP2からの供給圧力を遮断し、低圧設定による放水圧力を維持する。
また本弁10の初期開度により2次側に発生した圧力は、開状態にある電動弁10 0Aを介して圧力調整弁16のポートP4にも加わる。ポートP4に2次側圧力が加わると図9の圧力調整部70に設けているジスク88がニードル18の流量で決まる速度で下降を開始する。
ジスク88は所定の遅延時間後に図10に示すようにプランジャ94をスプリング80の上部を支持しているスライダ82を押圧する位置に移動し、このジスク88によりスライダ82を押しこみ、スプリング80を圧縮して低圧設定から規定圧設定に切り替える。具体的にはジスク88がストッパー92の下端に当接する位置にジスク88がストロークすると、その時点で所定の規定圧設定に切り替わる。
このときジスク88の動きによりスプリング80が圧縮されることで、スプリング80の発電部200から発電信号が出力される。
このように圧力調整弁16が低圧設定から規定圧設定に切り替わると、設定規定圧を維持するように主ピストン32の開放加圧側シリンダ室34aに対する供給圧力を調整し、これによって規定圧設定による本格放水を行なうことになる。
この圧力調整弁16による弁10に対する圧力調整により、圧力調整弁16のダイヤフラム74が軸方向に動くことで変形し、ダイヤフラム74の発電部200から発電信号が出力される。
放水の停止はパイロット弁12を閉鎖すればよい。パイロット弁12の閉鎖で圧力調整弁16に対する1次側圧力用水の供給が断たれれば出力ポートP2の圧力もなくなり、本弁10の開放加圧側シリンダ室34aの圧力もなくなり、主弁30はスプリン グ60の力および主ピストン32の上部に作用する2次側圧力の力で閉鎖位置に戻る。
この場合にも、弁10、初期放水圧力制御弁15及び圧力調整弁16のスプリング60,80,118やダイヤフラム74,104の初期状態に戻る弁部材の動きに応じて変形し、それぞれに設けた発電部200から発電信号が出力される。
図1に示した監視部202の監視制御部204は、前述した自動弁装置1の制御動作により得られる発電信号の逐次的なパターンを基準パターン予め記憶しており、実際に得られた発電信号と基準パターンを比較し、基準パターンと異なる動作パターンを判定した場合に制御異常を示す異常検出信号を防災監視盤に送信して障害表示を行わせる。
このような自動弁装置1の制御動作と発電信号に基づく監視は、点検の際に、図2に示したテスト放水弁50を開き、ヘッドから放水させることなく実放水試験を行った場合にも、同様に、実放水試験で得られた発電信号と基準パターンを比較し、基準パターンと異なる動作パターンを判定した場合に制御異常を示す異常検出信号を防災監視盤に送信して障害表示を行わせ、必要な点検修理を行なうこととなる。
[本発明の変形例]
(消火栓装置)
上記の実施形態は消防用弁装置として、トンネル水噴霧設備の自動弁装置を例にとるものであったが、これに限定されず、例えばスプリンクラー設備の流水検知装置も含まれる。
また、トンネル内の監視員通路側壁に沿っては、50メートル間隔で消火栓装置が設置されている。消火栓装置は、火災時に消火栓扉を開いてノズル付きのホースを引き出し、消火栓弁開閉レバーを開操作すると消火栓弁が開き、圧力調整弁で所定の設定圧力に調整された消火用水がノズルから放水される。
そこで、消火栓装置に設けている圧力調整弁に組み込まれているスプリングやダイヤフラムに、上記の実施形態の圧力調整弁に組み込まれたスプリングやダイヤフラムと同様に発電部を設け、圧力調整弁が動作したときのスプリングやダイヤフラムの動きに応じて発電部から出力される発電信号を監視部に入力し、異常を判別した場合に警報し、また通常監視での休止中でのスプリングの破断やダイヤフラムの破損を発電信号から判別して警報するようにしても良い。
更に、消火栓装置以外の消防用弁装置や消防設備の弁装置に組み込まれているスプリングやダイヤフラムに発電部を設けて状態を監視するようにしても良い。
(その他)
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
1:自動弁装置
3:ヘッド
4:筐体
5:扉
10:本弁
12:パイロット弁
15:初期放水圧力制御弁
16:圧力調整弁
60,80,118:スプリング
74,104:ダイヤフラム

Claims (5)

  1. 弁体の開閉に使用される可動体を備えた消防用弁装置に於いて、
    前記可動体に設けられ前記可動体の変形に応じて発電信号を出力する発電部と
    前記発電部から出力される前記発電信号に基づいて弁装置の状態を判定する監視部と、
    が設けられ
    前記発電部は、前記可動体の表面に積層された下側電極層、圧電層及び上側電極層を備えることを特徴とする消防用弁装置。
  2. 請求項記載の消防用弁装置に於いて、
    前記監視部は、前記可動体の変位により前記発電部から出力される前記発電信号のピーク値に基づいて弁の動作量が正常かどうか状態を判定することを特徴とする消防用弁装置。
  3. 請求項1又は2記載の消防用弁装置に於いて
    前記監視部は前記発電信号の変化から前記可動体の破断を判定することを特徴とする消防用弁装置。
  4. 請求項1乃至3何れかに記載の消防用弁装置に於いて、
    前記監視部は、前記発電部の前記下側電極層と前記上側電極層との間に所定の監視電流を流すために印加される監視電圧を監視し、前記監視電圧の増加に基づき前記可動体の破断を判定することを特徴とする消防用弁装置。
  5. 請求項1乃至4何れかに記載の消防弁装置に於いて、
    可動体はスプリング又はダイヤフラムであることを特徴とする消防用弁装置。
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