JP4791318B2 - Nb3Sn超電導線材およびそのための前駆体 - Google Patents
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(A)Cu−Sn基合金中に、複数本のNbまたはNb基合金からなるNb基フィラメントが配置された超電導コア部と、その外周または中心部に安定化銅を有する。
(B)CuまたはCu基合金中に、1本または複数本のNbまたはNb基合金からなるNb基フィラメントと、1本または複数本のSnまたはSn基合金芯が配置された超電導コア部と、その外周に安定化銅を有する。
Ta,Nb,VおよびHfよりなる群から選ばれる異なる2種以上の金属を積層してなる積層構造物が、線材断面の半径方向に複数回繰り返して配置されると共に、異なる金属からなる円筒状部材を同芯状に配置して円筒状に構成されるか、または異なる金属からなるシート状部材を組み合わせて巻回して円筒状に構成されたものである点に要旨を有するものである。尚、上記(A)の構成の前駆体は、ブロンズ法に適用される前駆体を想定したものであり、上記(B)の構成の前駆体は内部Sn法に適用される前駆体を想定したものである。
直径:14mmのNb棒を、直径:14mmの孔を7本開けたCu−15.5質量%Sn−0.3質量%Ti合金棒(外径:68mm)中に挿入し、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押出しビレットを作製した。この押出しビレットを、途中で適宜500〜600℃で1時間の焼鈍を入れながら伸線加工し、六角断面形状のCu−Sn/Nb複合線(六角対辺:2.0mm)とした。このCu−Sn/Nb複合線を9583本束ねて、その外周に、下記表1に示す材質、厚さのシートAを5回巻き付け、その後下記表1に示す材質、厚さのシートBを巻き込みつつ、シートAとシートBの積層シートを9回巻き、その外側に、外径:120mm、内径:89mmのCu(安定化銅層)を配置した。こうして得られた複合線材を、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押し出しビレット(多芯型ビレット)とした。
直径:14mmのNb棒を、直径:14mmの孔を7本開けたCu−15.5質量%Sn−0.3質量%Ti合金棒(外径:68mm)中に挿入し、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押出しビレットを作製した。この押出しビレットを、途中で適宜500〜600℃で1時間の焼鈍を入れながら伸線加工し、六角断面形状のCu−Sn/Nb複合線(六角対辺:2.0mm)とした。このCu−Sn/Nb複合線を9583本束ねて、その外周に、下記表1に示す材質、厚さのシートAを5回巻き付け、その後下記表1に示す材質、厚さのシートBを巻き込みつつ、シートAとシートBの積層シートを23回巻き、その外側に、外径:120mm、内径:100mmのCu(安定化銅層)を配置した。こうして得られた複合線材を、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押し出しビレット(多芯型ビレット)とした。
直径:14mmのNb棒を、直径:14mmの孔を7本開けたCu−15.5質量%Sn−0.3質量%Ti合金棒(外径:68mm)中に挿入し、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押出しビレットを作製した。この押出しビレットを、途中で適宜500〜600℃で1時間の焼鈍を入れながら伸線加工し、六角断面形状のCu−Sn/Nb複合線(六角対辺:2.0mm)とした。このCu−Sn/Nb複合線を9583本束ねて、その外周に、下記表1に示す材質、厚さのシートAを5回巻き付け、その後下記表1に示す材質、厚さのシートBを巻き込みつつ、シートAとシートBの積層シートを33回巻き、その外側に、外径:120mm、内径:100mmのCu(安定化銅層)を配置した。こうして得られた複合線材を、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押し出しビレット(多芯型ビレット)とした。
直径:14mmのNb棒を、直径:14mmの孔を7本開けたCu−15.5質量%Sn−0.3質量%Ti合金棒(外径:68mm)中に挿入し、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押出しビレットを作製した。この押出しビレットを、途中で適宜500〜600℃で1時間の焼鈍を入れながら伸線加工し、六角断面形状のCu−Sn/Nb複合線(六角対辺:2.0mm)とした。このCu−Sn/Nb複合線を9583本束ねて、その外周に、下記表1に示す材質、厚さのシートAを5回巻き付け、その後下記表1に示す材質、厚さのシートBを巻き込みつつ、シートAとシートBの積層シートを6回巻き、その外側に、外径:120mm、内径:87mmのCu(安定化銅層)を配置した。こうして得られた複合線材を、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押し出しビレット(多芯型ビレット)とした。
直径:14mmのNb棒を、直径:14mmの孔を7本開けたCu−15.5質量%Sn−0.3質量%Ti合金棒(外径:68mm)中に挿入し、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押出しビレットを作製した。この押出しビレットを、途中で適宜500〜600℃で1時間の焼鈍を入れながら伸線加工し、六角断面形状のCu−Sn/Nb複合線(六角対辺:2.0mm)とした。このCu−Sn/Nb複合線を9583本束ねて、その外周に、厚さ0.2mmのNbシートを5回巻き付け、その後厚さ0.2mmのCuシートを巻き込みつつ、Nb/Cu積層シートを9回巻き、その外側に、外径:120mm、内径:89mmのCu(安定化銅層)を配置した。こうして得られた複合線材を、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押し出しビレット(多芯型ビレット)とした。
直径:14mmのNb棒を、直径:14mmの孔を7本開けたCu−15.5質量%Sn−0.3質量%Ti合金棒(外径:68mm)中に挿入し、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押出しビレットを作製した。この押出しビレットを、途中で適宜500〜600℃で1時間の焼鈍を入れながら伸線加工し、六角断面形状のCu−Sn/Nb複合線(六角対辺:2.0mm)とした。このCu−Sn/Nb複合線を9583本束ねて、その外周に、厚さ0.2mmのNbシートをまず5回巻き付け、更に20回巻き、その外側に、外径:120mm、内径:89mmのCu(安定化銅層)を配置した。こうして得られた複合線材を、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押し出しビレット(多芯型ビレット)とした。
直径:14mmのNb棒を、直径:14mmの孔を7本開けたCu−15.5質量%Sn−0.3質量%Ti合金棒(外径:68mm)中に挿入し、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押出しビレットを作製した。この押出しビレットを、途中で適宜500〜600℃で1時間の焼鈍を入れながら伸線加工し、六角断面形状のCu−Sn/Nb複合線(六角対辺:2.0mm)とした。このCu−Sn/Nb複合線を9583本束ねて、その外周に、厚さ0.2mmのNbシートをまず18回巻き付け、その後厚さ0.2mmのTaシートを巻き込みつつ、Nb/Ta積層シートを1回巻き、その外側に、外径:120mm、内径:89mmのCu(安定化銅層)を配置した。こうして得られた複合線材を、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押し出しビレット(多芯型ビレット)とした。
直径:14mmのNb棒を、直径:14mmの孔を7本開けたCu−15.5質量%Sn−0.3質量%Ti合金棒(外径:68mm)中に挿入し、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押出しビレットを作製した。この押出しビレットを、途中で適宜500〜600℃で1時間の焼鈍を入れながら伸線加工し、六角断面形状のCu−Sn/Nb複合線(六角対辺:2.0mm)とした。このCu−Sn/Nb複合線を9583本束ねて、その外周に、厚さ0.2mmのNbシートをまず17回巻き付け、その後厚さ0.1mmのTaシートおよび厚さ0.1mmのHfシートを巻き込むことで、Ta/Hf積層シートを1.0回巻き、その外側に、外径:120mm、内径:89mmのCu(安定化銅層)を配置した。こうして得られた複合線材を、エレクトロンビーム溶接によって端部を封止し、押し出しビレット(多芯型ビレット)とした。
液体ヘリウム中(温度4.2K)で、12T(テスラ)の外部磁場の下、試料(超電導線材)に通電し、4端子法によって発生電圧を測定し、この値が0.1μV/cmの電界が発生した電流値(臨界電流Ic)を測定し、この電流値を、線材の非Cu部当りの断面積で除して臨界電流密度Jcを求めた。
液体ヘリウム中(温度4.2K)で、各試料(超電導線材)について引張り試験を行ない、応力−歪み曲線を求め、原点付近の傾きを持つ直線を0.2%歪み量の位置まで平行移動し、応力−歪み曲線と交わる点の応力として求めた。
液体ヘリウム中(温度4.2K)で、12T(テスラ)の外部磁場の下、試料(超電導線材)に横方向に圧縮力を負荷しながら臨界電流(Ic)を測定し、臨界電流が無負荷時の90%に劣化したときの応力を劣化開始曲横応力として測定した。このとき、応力は荷重を線材断面積で除して求めた。
2 Cu−Sn基合金製母材(ブロンズマトリクス)
3,3a,3b 拡散障壁層
4,4a,13 安定化銅
5 一次スタック材
6 外層ケース
7 二次多芯ビレット
8 CuまたはCu基合金
9 Sn基金属芯
10 Nb基フィラメント
11,11a 超電導線材製造用前駆体
12 Cuマトリクス
Claims (8)
- Nb3Sn超電導線材を製造する際に用いる超電導線材製造用前駆体であって、下記(A)または(B)の構成の超電導線材製造用前駆体において、
(A)Cu−Sn基合金中に、複数本のNbまたはNb基合金からなるNb基フィラメントが配置された超電導コア部と、その外周または中心部に安定化銅を有する。
(B)CuまたはCu基合金中に、1本または複数本のNbまたはNb基合金からなるNb基フィラメントと、1本または複数本のSnまたはSn基合金芯が配置された超電導コア部と、その外周に安定化銅を有する。
Ta,Nb,VおよびHfよりなる群から選ばれる異なる2種以上の金属を積層してなる積層構造物が、線材断面の半径方向に複数回繰り返して配置されると共に、異なる金属からなる円筒状部材を同芯状に配置して円筒状に構成されるか、または異なる金属からなるシート状部材を組み合わせて巻回して円筒状に構成されたものであることを特徴とするNb3Sn超電導線材製造用前駆体。 - 前記積層構造物は、超電導コア部の外周に配置されたものである請求項1に記載のNb3Sn超電導線材製造用前駆体。
- 前記積層構造物は、超電導コア部と安定化銅の間に配置されたものである請求項1に記載のNb3Sn超電導線材製造用前駆体。
- Nb 3 Sn超電導線材を製造する際に用いる超電導線材製造用前駆体であって、下記(A)または(B)の構成の超電導線材製造用前駆体において、
(A)Cu−Sn基合金中に、複数本のNbまたはNb基合金からなるNb基フィラメントが配置された超電導コア部と、その外周または中心部に安定化銅を有する。
(B)CuまたはCu基合金中に、1本または複数本のNbまたはNb基合金からなるNb基フィラメントと、1本または複数本のSnまたはSn基合金芯が配置された超電導コア部と、その外周に安定化銅を有する。
Ta,Nb,VおよびHfよりなる群から選ばれる異なる2種以上の金属を積層してなる積層構造物が、線材断面の半径方向に複数回繰り返して配置されると共に、異なる金属からなる円筒状部材を同芯上に配置して棒状に構成されるか、または異なる金属からなるシート状部材を組み合わせて巻回して棒状に構成されたものであり、且つ線材の中心部に配置されるものであることを特徴とするNb 3 Sn超電導線材製造用前駆体。 - 前記積層構造物は、少なくとも3回繰り返して積層されたものである請求項1〜4のいずれかに記載のNb3Sn超電導線材製造用前駆体。
- 前記積層構造物は、線材断面に占める割合で8〜35面積%である請求項1〜5のいずれかに記載のNb3Sn超電導線材製造用前駆体。
- 超電導コア部と安定化銅部の間に、Snの拡散を防止する拡散障壁層が配置されたものである請求項1〜6のいずれかに記載のNb3Sn超電導線材製造用前駆体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の超電導線材製造用前駆体に対して、Nb3Sn生成熱処理を施してNb3Sn超電導相を形成したものであるNb3Sn超電導線材。
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