JP4786652B2 - 揮発性物質の包装体及びその包装体を備えた車両空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、揮発性物質を透過する包装体及びその包装体を備えた車両空調装置に関する。
従来より、車両用のエアコンを作動させると悪臭が吹き出してくることが問題になっている。この原因として、エアコンの内部で繁殖した細菌などの微生物の活動が挙げられる。エアコンの内部は、エアコン作動中にエバポレータに付着する結露水によって、細菌が繁殖しやすい環境となっている。大量に繁殖した細菌が活動することにより、エアコン内部に悪臭が充満してしまう。この悪臭への対策として、エアコンの内部の抗菌処理や乾燥処理が考えられている。
抗菌処理の一つにエアコン内部の樹脂に抗菌剤を配合するという方法がある。しかし、この方法では、抗菌剤の上にダストが堆積すると効果がなくなってしまう。この対策として、揮発性の抗菌剤を使用するという提案がなされている(例えば、特許文献1〜3を参照。)。これらの発明では、揮発性の抗菌剤をエアコンの内部に配置する。しかし、この発明を車両用のエアコンに適用することは難しい。車両の内部は夏場非常に高い温度になり、エアコンの内部では50℃近くに達することがある。このように温度が高くなると抗菌剤の揮発量が増加し、抗菌剤を短期に消費してしまう。
この問題を解決するため、抗菌剤を収容するケースに関する発明がなされている(例えば特許文献4を参照。)。特許文献4は、抗菌剤としてアリルイソチオシアネート(AIT)を用いた場合、ケースの材質をポリプロピレンとすると、揮発したAITの一部がポリプロピレンを透過することに着目したものである。この特性を利用し、揮発性物質をガス透過性のある袋体に収容し、ケースの厚さやケースの表面積を変更することで、ケースを透過する揮発性物質の揮発速度をコントロールするものである。
特開平11−211126号公報 特開2000−88270号公報 特公平6−78821号公報 特開2004−224382号公報
しかし、上記のような抗菌剤を収容するケースを実際の車両用のエアコンの内部に配置するには、形状が車種ごとに異なるエアコンの通気流路の形状に適したものでなくてはならない。車両の多様化や高性能化などの進歩にともなって、エアコンが占有できる容積や形状にも種々の条件が付与される。したがって、抗菌剤を収容するケースには、エアコンの内部に配置するため寸法や形状が種々選択でき、且つ、抗菌成分を所定の速度で揮発できることが求められる。特許文献4の発明では、揮発性物質発生源である袋体が揮発させる揮発性物質の1日あたりの揮発量(以降、揮発性物質の1日あたりの揮発量のことを「揮発量」と称す。)を考慮していないため、雰囲気温度などの外的要因により変動する袋体からの揮発量に対して必ずしも適切な寸法や形状のケースを選択できない。また、適切な速度で抗菌成分を提供することができない。
したがって、本発明では、抗菌作用のある揮発性物質を揮発させる揮発性物質発生源と、この揮発性物質発生源を封入したケースという揮発性物質の包装体において、種々のエアコンの容積や形状に適した形状にできるように、且つ、揮発性物質を所定の速度で揮発できるように、揮発性物質発生源が揮発させる揮発量に応じたケースの寸法や形状とする揮発性物質の包装体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る揮発性物質の包装体は、揮発性物質を揮発させる揮発性物質発生源と、該揮発性物質発生源が封入され、壁の少なくとも一部分がガス透過性を有する樹脂で形成されたケースと、を備える揮発性物質の包装体において、前記揮発性物質発生源は、前記揮発性物質が封入されたガス透過性を有する袋体であり、該袋体の厚さは、40〜180μmとし、前記揮発性物質は、少なくとも1種以上の担持体に任意の配合比率で担持された混合物とされてなり、該混合物を前記袋体に封入し、前記ケースは、前記樹脂で形成された壁の表面積をXmmとし、前記樹脂で形成された壁の厚さをYmmとし、30℃雰囲気下で前記揮発性物質発生源が揮発させる前記揮発性物質の1日あたりの揮発量をZmg/日として、これら3つのパラメータで適正化するものであって、(式)X×Z/Yで求められる値が200000〜1500000であることを特徴とする。担持体の種類や配合比率を適切に設定することで、所望の量の揮発性物質を透過できる揮発性物質の包装体とすることができる。
本発明に係る揮発性物質の包装体は、揮発性物質を揮発させる揮発性物質発生源と、該揮発性物質発生源が封入され、壁の少なくとも一部分がガス透過性を有する樹脂で形成されたケースと、を備える揮発性物質の包装体において、前記揮発性物質発生源は、少なくとも1種以上の担持体に前記揮発性物質を10〜90%の配合比率で担持させた混合物であり、前記ケースは、前記樹脂で形成された壁の表面積をXmmとし、前記樹脂で形成された壁の厚さをYmmとし、30℃雰囲気下で前記揮発性物質発生源が揮発させる前記揮発性物質の1日あたりの揮発量をZmg/日として、これら3つのパラメータで適正化するものであって、(式)X×Z/Yで求められる値が200000〜1500000であることを特徴とする。揮発性物質発生源を前記の混合物とし、ケースに直接封入した場合においても、所望の量の揮発性物質を透過できる揮発性物質の包装体とすることができる。
また、本発明に係る揮発性物質の包装体では、前記ケースは、30℃雰囲気下において前記揮発性物質を5〜30mg/日で透過することが好ましい。車両のエアコンの内部を抗菌するのに有効な量であり、これを包装体から揮発させることができる。
さらに、本発明に係る揮発性物質の包装体では、前記袋体は、該袋体の一部又は全部に前記揮発性物質の透過量を規制する透過規制層が形成されてなることを含む。透過規制層の種類や厚みを適切に設定することで、所望の量の揮発性物質を透過できる揮発性物質の包装体とすることができる。前記袋体は、前記袋体の外側から、不織布からなるシート、ポリエチレンからなるシート、二軸延伸ポリプロピレンからなるシート、ポリエチレンからなるシートの順で積層されてなることが好ましい。
また、本発明に係る揮発性物質の包装体では、前記袋体は、30℃雰囲気下において前記揮発性物質を10〜1000mg/日で透過することを含む。ケースから透過させる30℃雰囲気下における揮発性物質の量を5〜30mg/日とするために好適な量である。
また、本発明に係る揮発性物質の包装体では、前記揮発性物質が、イソチオシアネート化合物であることを含む。イソチオシアネート化合物は、抗菌剤として使用でき、食品にも利用される安全性の高い物質であり、これを包装体から揮発させることができる。
本発明に係る揮発性物質の包装体では、前記ケースを形成する前記樹脂が、ポリプロピレンであることを含む。ケースの壁をポリプロピレンで形成することにより、壁から揮発性物質を透過することができる。また、ポリプロピレンは耐薬品性に優れているため、揮発性物質による劣化を抑止することができる。
本発明に係る車両空調装置は、前述の揮発性物質の包装体を通気流路に備えたことを特徴とする。
本発明により、抗菌作用のある揮発性物質を揮発させる揮発性物質発生源と、この揮発性物質発生源を封入したケースという揮発性物質の包装体において、揮発性物質発生源が揮発させる揮発量に応じたケースの寸法や形状とすることで、種々のエアコンの容積や形状に適した形状にでき、且つ、揮発性物質を所定の速度で揮発できる。
第1実施形態に係る揮発性物質の包装体の斜視図である。 第1実施形態に係る揮発性物質の包装体の断面A−A’の模式図である。 第1実施形態の袋体の積層例を示す図である。 揮発性物質の透過の様子を説明する図である。 抗菌成分の配合比率と、袋体が揮発させる揮発量の関係を示すグラフである。 形状比X/Yと、壁を透過した量の関係を示すグラフである。 袋体を透過した量と、壁を透過した量の関係を示すグラフである。 X×Z/Yで示す値と、壁を透過した量の関係を示すグラフである。 第1実施形態に係る車両空調装置(HVAC:Heating Ventilation and AirConditioning)の一形態を示す概略図である。 第2実施形態に係る揮発性物質の包装体の断面A−A’の模式図である。 揮発性物質の包装体を備えたHVACと揮発性物質の包装体を備えないHVAの抗菌効果の違いを示すグラフである。
符号の説明
1はケース、2は収容部、3は上蓋、4は袋体、5は混合物、6は壁、7は不織布からなるシート、8はポリエチレンからなるシート、9は二軸延伸ポリプロピレンからなるシート、10はポリエチレンからなるシート、11は揮発性物質、12は袋体と混合物との間の空間、13はケースと袋体との間の空間、17〜26はグラフ中の線、50はインストルメントパネル(以降、「インパネ」と称す。)、51はインパネの内部空間、52は外気導入口、53は車内空気吸入口、54はブロアユニット、55はエバポレータ、56は車内吹出口、57は内外気切換箱、58はヒータコア、59はハウジング、60a、60b、60cは通気流路、61はインテークドア、62はフィルタユニット、100は包装体、200はHVAC、300は包装体、をそれぞれ示す。
以下、本発明について、図を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。
(第1実施形態)
本実施形態に係る揮発性物質の包装体は、揮発性物質を揮発させる揮発性物質発生源と、該揮発性物質発生源が封入され、壁の少なくとも一部分がガス透過性を有する樹脂で形成されたケースと、を備える揮発性物質の包装体において、前記揮発性物質発生源は、前記揮発性物質が封入されたガス透過性を有する袋体であり、該袋体の厚さは、40〜180μmとし、前記揮発性物質は、少なくとも1種以上の担持体に任意の配合比率で担持された混合物とされてなり、該混合物を前記袋体に封入し、前記ケースは、前記樹脂で形成された壁の表面積をXmmとし、前記樹脂で形成された壁の厚さをYmmとし、30℃雰囲気下で前記揮発性物質発生源が揮発させる前記揮発性物質の1日あたりの揮発量をZmg/日として、これら3つのパラメータで適正化するものであって、(式)X×Z/Yで求められる値が200000〜1500000である。
また、本実施形態に係る揮発性物質の包装体では、揮発性物質発生源は、少なくとも1種以上の担持体に前記揮発性物質を任意の配合比率で担持させた混合物を封入したガス透過性を有する袋体である。
ケースは、30℃雰囲気下において揮発性物質を5〜30mg/日で透過することが好ましい。車両のエアコンの内部を抗菌するのに有効な量であり、5mg/日未満では十分な抗菌性能が得られず、また、30℃雰囲気下において30mg/日を超える場合には、エアコン内部の温度が上昇した際に必要以上の前記揮発性物質が透過され、前記包装体の寿命を極端に短縮させてしまうからである。
本実施形態に係る揮発性物質の包装体について、図1及び2で説明する。図1は、本実施形態に係る包装体100の斜視図である。図2は、図1で示した包装体100の断面A−A’の模式図である。
包装体100は、揮発性物質を担持体に担持させた混合物5と、袋体4と、ケース1からなる。混合物5は袋体4に封入され、袋体4はケース1に封入される。ケース1は、収容部2と上蓋3とで形成される。袋体4はガス透過性を有する。また、ケース1の壁6の少なくとも一部分はガス透過性を有する。
揮発性物質は、イソチオシアネート化合物であることが好ましい。イソチオシアネート化合物のうち、特にアリルイソチオシアネート(AIT)が好適である。AITは、わさびの主成分として知られている化合物であり、抗菌剤として使用でき、食品にも利用される安全性の高い物質である。このAITを用いた場合、ケース1の壁6の材質をポリプロピレンとすると、壁6はAITを透過させることができる。揮発性物質発生源を揮発性物質を封入した袋体4とする場合、少なくとも1種以上の担持体に揮発性物質を任意の配合比率で担持させた混合物5として封入する配合比率とは、混合物5中の揮発性物質の質量含有率のことである。揮発性物質を担持させた混合物5には液状のもの、液状物を樹脂と混練させたもの、若しくは液状物を他の固形物に担持させて粉体状、顆粒状、固形状にしたものなど任意のものが例示される。揮発性物質を担持させる担持体としては、例えばロジン、ロジンエステル、パラフィンワックスなどの樹脂や、パルプ、紙、セルロース粒子(特に多孔質セルロース粒子、発泡セルロースビーズ)、ゼオライト、アルミナ、シリカゲル、ケイ酸カルシウムなどの固形物が挙げられる。また、混合物5中に不揮発性オイル、及び光安定化剤や酸化防止剤などを配合することも可能である。
袋体4は、ガス透過性を有する材質で形成される。袋体4の材質は特に限定されない。その材質は揮発性物質の種類によっても異なるが、例えばポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックや、不織布、紙であっても良い。これらの材質でシートを作製し、単独のシートで袋体4を形成しても良い。
さらに、袋体4は、少なくとも1種以上の担持体に揮発性物質を任意の配合比率で担持させた混合物5を封入し、且つ、袋体4の一部又は全部に揮発性物質の透過量を規制する透過規制層が形成されてなることが好ましい。透過規制層とは、例えば材質の異なる前述のシートを複数積層し、各シートの揮発性物質の透過量の違いを利用して、所望の透過量を得るものである。透過規制層の材質も特に限定されない。例えばポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックや、不織布、紙であっても良い。これらの材質でシートを作製して、複数のシートを積層して透過規制層を形成する袋体4としても良い。担持体の種類や配合比率、又は透過規制層の種類や厚みを適切に設定することで、所望の量の揮発性物質を透過できる揮発性物質の包装体とすることができる。揮発性物質の配合比率を10〜90%、好ましくは20〜70%とし、上述の袋体4に封入することで、ケース1は車両のエアコン内部を抗菌するのに有効な量の揮発性物質を透過できる。
透過規制層を形成した袋体4の一例を図3に示す。袋体4は、外側から、不織布からなるシート7、ポリエチレンからなるシート8、二軸延伸ポリプロピレンからなるシート9、ポリエチレンからなるシート10の順で積層される。このように透過規制層を形成することで、袋体4を透過する揮発性物質の量を適切に設定できる。図3の袋体4のうち、不織布からなるシート7は、袋体表面が外部と接触し損傷することを抑止するためのものである。また、内側のポリエチレンからなるシート10は、混合物5を封入するための接着層とするためのものである。
このような袋体4は、揮発性物質を30℃雰囲気下において10〜1000mg/日で揮発することが好ましい。10mg/日未満ではケース1からの揮発量が少なくなり、十分な抗菌性能が得られず、また、1000mg/日を超える場合には、エアコン内部の温度が上昇した際に必要以上の揮発性物質が揮発され、包装体100の寿命を極端に短縮させてしまうからである。この揮発量を維持するためには、例えば、袋体4の厚さは、40〜180μmとすることが好ましく、さらには70〜140μmとすることが好ましい。袋体を上記の厚さとすることで、袋体が揮発させる揮発性物質の揮発量を適切な量とし、エアコンの内部を抗菌するのに有効な量を包装体から揮発させることができる。例えば、袋体4を、不織布からなるシート7を50μmとし、ポリエチレンからなるシート8を15μmとし、二軸延伸ポリプロピレンからなるシート9を40μmとし、ポリエチレンからなるシート10を30μmとし、袋体4全体の厚さを135μmというようにシートを積層して形成できる。
ケース1は、壁6によりその外部空間と内部空間とを画している。図2では、ケース1全体がガス透過性を有する樹脂製の壁で形成された例を示す。図2で示すように収容部2の壁と上蓋3の壁のいずれもガス透過性を有する樹脂製としても良いが、収容部2の壁と上蓋3の壁のいずれか一方のみをガス透過性を有する樹脂製としても良い。壁6のうち樹脂製とする部分を適宜選択することで、ガス透過性を有する樹脂製の壁の表面積を調整することができる。ガス透過性を有する樹脂としては、特にポリプロピレンが好適である。ポリプロピレンはAITを透過するのに好適な材料である。また、壁6の材料にポリプロピレンを用いて、透明又は半透明の壁としても良く、ポリプロピレンにタルクを混入して白濁色としても良い。また、ポリプロピレンに顔料を加えて任意の色に着色しても良い。
ケース1に封入される袋体4の個数は、特に限定されない。1つの袋体4で目標の揮発性物質の揮発量を得られるようにしても良く、複数の袋体4から揮発される揮発性物質の量の総和で目標の揮発性物質の揮発量を得られるようにしても良い。また、異なる揮発性物質を含む袋体4を組み合わせて用いても良い。
袋体4は、ケース1の内部で支持体(不図示)により固定されていても良く、支持されてなくても良い。
次に、揮発性物質の透過の様子を図4で説明する。揮発性物質を含む混合物5から気化した揮発性物質11は、袋体4と混合物5との間の空間12に充満する。空間12と、ケース1と袋体4との間の空間13との揮発性物質11の濃度差により、気化した揮発性物質11は、袋体4に浸透し、袋体4から空間13に放出される。袋体4を透過した揮発性物質11が空間13に充満すると、空間13と、包装体100の外部空間との揮発性物質11の濃度差により、袋体4を透過した揮発性物質11は、壁6に浸透し、壁6から外部空間に放出される。以上のように揮発性物質11は包装体100から揮発される。
図5は、揮発性物質である抗菌成分を含む混合物中の抗菌成分の配合比率と、袋体が揮発させた抗菌成分の揮発量の関係を示すグラフである。図5の横軸は周囲の温度(℃)を示し、縦軸は袋体が揮発させた抗菌成分の揮発量の相対値を示す。抗菌成分の配合比率は、レベル1とレベル2の2段階を使用した。ここで、レベル2の配合比率は、レベル1の配合比率の2倍である。具体的には、レベル1が配合比率30%に対し、レベル2が配合比率60%のものを用いた。図5中の線17は抗菌成分の配合比率をレベル2としたものであり、線18は抗菌成分の配合比率をレベル1としたものである。図5に示すように袋体が揮発させた抗菌成分の揮発量は、抗菌成分の配合比率が大きい方が多いことがわかる。
図6は、揮発性物質である抗菌成分を含む混合物を袋体に封入し、この袋体をケースに封入し、ケースの壁の表面積Xと壁の厚さYの比である形状比X/Yと、壁を透過した抗菌成分の透過量の関係を示すグラフである。図6の横軸は周囲の温度(℃)を示し、縦軸は抗菌成分の壁からの透過量の相対値を示す。図6中の線19は、形状比X/Yを8000とし、抗菌成分の配合比率をレベル2(前述したレベル2と同様の比率)としたものである。線20は、形状比X/Yを8000とし、抗菌成分の配合比率をレベル1(前述したレベル1と同様の比率)としたものである。線21は、形状比X/Yを5000とし、抗菌成分の配合比率をレベル2(前述したレベル2と同様の比率)としたものである。図6に示すように形状比X/Yを8000と同じにした場合には、抗菌成分の配合比率が大きい方が、抗菌成分の壁からの透過量が多い。抗菌成分の配合比率を同じにした場合には、形状比X/Yが大きい方が、抗菌成分の壁からの透過量が多い。また、形状比X/Yを5000とし、抗菌成分の配合比率をレベル2とする場合と、形状比X/Yを8000とし、抗菌成分の配合比率をレベル1とする場合とは、壁からの透過量が略等しい。抗菌成分の配合比率を2倍にすることで、例えば壁の厚さを同じとすると壁の表面積を37.5%ほど低減できることがわかる。
図7は、揮発性物質である抗菌成分を含む混合物を袋体に封入し、この袋体をケースに封入し、袋体が揮発させた抗菌成分の揮発量と、壁を透過した抗菌成分の透過量の関係を示すグラフである。図7の横軸は壁の表面積X(mm)を示し、縦軸は抗菌成分の壁からの透過量の相対値を示す。図7においては、壁の厚さY(mm)は一定値としている。図7中の線22は、30℃雰囲気下で袋体が揮発させた抗菌成分の揮発量を100mg/日としたものである。線23は、30℃雰囲気下で袋体が揮発させた抗菌成分の揮発量を50mg/日としたものである。線24は、30℃雰囲気下で袋体が揮発させた抗菌成分の揮発量を25mg/日としたものである。発明者らの検討の結果、車両用のエアコンのために必要となる抗菌成分の量は、5〜30mg/日の範囲である。この範囲を満たすためには、袋体が揮発させた抗菌成分の揮発量が100mg/日のものでは、壁の表面積が3000〜6000mm必要になる。また、袋体が揮発させた抗菌成分の揮発量が25mg/日のものでは、壁の表面積が12000〜30000mm必要になる。このように、袋体が揮発させた抗菌成分の揮発量の大きさにより、求められる壁の表面積の範囲が変動する。
以上の検討より、種々のエアコンの容積や形状に適した形状であり、且つ、抗菌剤を所定の速度で揮発できる包装体とするためには、樹脂で形成された壁の表面積をXmmとし、樹脂で形成された壁の厚さをYmmとし、30℃雰囲気下で袋体が揮発させた抗菌成分の揮発量をZmg/日として、これら3つのパラメータで適正化することが必要となる。本実施形態に係る揮発性物質の包装体では、上記3つのパラメータをX×Z/Yで示す関数で定義し、この関数が示す値が200000〜1500000の範囲を満たすことで、前述の課題を克服する。
図8は、X×Z/Yで示す値と、壁を透過した抗菌成分の透過量の関係を示すグラフである。図8の横軸はX×Z/Yで示す値を示し、縦軸は抗菌成分の壁からの透過量(mg/日)を示す。車両用のエアコンのために必要となる壁を透過した抗菌成分の量を5〜30mg/日とすると、X×Z/Yで示す値は、200000〜1500000が最適な値であることがわかる。
以上のように、包装体100は、種々のエアコンの容積や形状に適した形状であり、且つ、抗菌剤を所定の速度で揮発できる。
次に、本実施形態に係る揮発性物質の包装体100をHVACに適用した場合として、包装体100の使用方法について説明する。図9は、本実施形態に係るHVAC200の一形態を示す概略図である。
HVAC200は、インパネ50の内部空間51に収容され、外気導入口52又は車内空気吸入口53から空気を取り込み、車内吹出口56から車内空間に空気を吐出するものである。HVAC200は、外気導入口52と、車内空気吸入口53と、内外気切換箱57と、ブロアユニット54と、ブロアユニット54の作動により空気流れを形成する通気流路60a、60b、60cと、包装体100と、フィルタユニット62と、エバポレータ55と、ヒータコア58と、フィルタユニット62とエバポレータ55とヒータコア58とを収めるハウジング59と、車内吹出口56とで構成される。
インパネ50は、ファイヤーボード(不図示)と運転席・助手席との間に、車両計器類、HVACユニット等の構成部品を配置したときに、これらを収容し、車室を仕切るものである。
外気導入口52は、運転手席とエンジン室とを区画する壁であるファイヤーボード(不図示)の壁面に設けられ、車室外と内外気切換箱57とを連通する穴である。車内空気吸入口53は、例えばインパネ50のうち助手席の前方の一部に設けられ、車室内と内外気切換箱57を連通する穴である。HVAC200を外気導入モード(FREモード)として使用する場合、ブロアユニット54の作動によりHAVC200内部に外気を取り込む。HVAC200を内気導入モード(RECモード)として使用する場合、ブロアユニット54の作動によりHAVC200内部に車内空気を取り込む。内外気切換箱57は、インテークドア61によりRECモードとFREモードの切換を行なう。
ブロアユニット54は、ハウジング59内の通気流路60a、60b、60cに設けられ、通気流路60a、60b、60c中の空気流れを形成する。図9では、ブロアユニット54は、遠心式のシロッコファンを示したが、ターボファンであっても良く、さらに貫流式ブロアであっても良い。
包装体100は、本発明に係る揮発性物質の包装体である。包装体100は、通気流路60a、60b、60cのいずれに配置されても良い。例えばブロアユニット54の上流に配置されても良く、図9に示すようにブロアユニット54とエバポレータ55の間の通気流路60bで、フィルタユニット62の上側及び下側に配置されても良い。包装体100は、前述した揮発性物質を透過し、HVAC200の内部に例えば抗菌成分を充満させる機能の他、フィルタユニット62と一体構造として、空気を浄化させる機能を有しても良い。フィルタユニット62は、集塵フィルタや脱臭フィルタとしても良い。
エバポレータ55は、空調の冷凍サイクルを構成する。冷凍サイクルは、少なくとも、気化状態の冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサ(不図示)と、コンプレッサから吐出された冷媒を冷却し冷媒を凝縮するコンデンサ(不図示)と、コンデンサで凝縮した冷媒を絞り作用により気液混合体にする膨張弁(不図示)と、膨張弁で気液混合体となった冷媒の蒸発熱により空気を冷却除湿するエバポレータ55とを備える。なお、エバポレータ55の下流には、ヒータコア58、エアミックスドア(不図示)が配置され、さらに下流には車内吹出口56として、ベント吹出口(不図示)、サイドベント吹出口(不図示)若しくはデフ吹出口(不図示)、又はフット吹出口(不図示)等の吹出口が設けられる。
次に、HVAC200の内部で包装体100から揮発された揮発性物質の拡散について説明する。包装体100を図9に示すようにブロアユニット54とエバポレータ55との間の通気流路60bに設けた例により説明する。例えば駐車時のようにHVAC200が作動していない場合、車内温度の上昇により包装体100から揮発性物質が揮発される。揮発された揮発性物質は、自然対流により、エバポレータ55やブロアユニット54に向けて拡散する。これにより、HVAC200の中でも特に結露が発生しやすく、細菌が繁殖しやすいエバポレータ55やブロアユニット54に抗菌剤などの揮発性物質を行き渡らせることができる。また、HVAC200が作動している場合、外気導入口52或いは車内空気吸入口53から車内吹出口56に向けた空気流れが通気流路60a、60b、60cを通じて形成される。したがって、包装体100から揮発された揮発性物質は、エバポレータ55やヒータコア58などの包装体100の後流の構成品の隅々まで行き渡る。なお、揮発性物質は、イソチオシアネート化合物であることが好ましく、特にAITが好適である。AITは、わさびの主成分として知られている化合物であり、抗菌剤として使用でき、食品にも利用される安全性の高い物質である。したがって、車内吹出口56から揮発性物質が搭乗者に向けて吐出されても安全である。
このようなHVAC200とすることで、内部の悪臭を低減できるHVACとすることができる。
(第2実施形態)
本実施形態に係る揮発性物質の包装体300では、揮発性物質発生源を、少なくとも1種以上の担持体に前記揮発性物質を10〜90%の配合比率で担持させた混合物とし、直接ケースに混合物を封入するものである。本実施形態に係る揮発性物質の包装体300を図10に示す。包装体300と、第1実施形態に係る包装体100との相異は袋体を有しないことのみである。したがって、包装体300は、揮発性物質の成分、混合物5の成分、ケース1の材質・形状・寸法等、揮発性物質の揮発のメカニズム、ケース1の揮発性物質の透過特性、HVAC200への適用について、包装体100と同等である。
(包装体を透過できる揮発性物質の量とX×Z/Yの関係について)
上述した本発明に係る揮発性物質の包装体について、包装体の樹脂で形成された壁の表面積Xmmと、樹脂で形成された壁の厚さYmmと、30℃雰囲気下で袋体が揮発させた揮発性物質の揮発量をZmg/日とで表される関係式X×Z/Yの示す値が200000〜1500000の範囲を満たす場合、包装体から揮発できる揮発性物質の量が、車両のエアコンの内部を抗菌するのに有効な量(5〜30mg/日)の範囲にあることを実施例1〜4で検証を行なった。
(実施例1)
実施例1では、壁の表面積Xmm=8500mmとし、壁の厚みYmm=0.8mmとし、30℃雰囲気下で袋体が揮発させた揮発性物質の揮発量Zmg/日=50mg/日として、包装体を透過できる揮発性物質(AIT)の量を計測した。袋体及び包装体を透過したAIT量は、重量減少を経時的に計測することにより求めた。実施例1では、複数のシートを積層した袋体を使用した。各シートの厚さ及び積層順は次の通りである。外側から不織布からなるシート14g/m、ポリエチレンからなるシート15μm、二軸延伸ポリプロピレンからなるシート40μm、ポリエチレンからなるシート30μmである。また、抗菌成分の配合比率は、図5の説明中に記載したレベル1を用いた。
実施例1におけるX×Z/Yの示す値=531250であり、本発明に係る揮発性物質の包装体の範囲を満たす。実施例1の包装体を透過したAITの量を計測したところ、18mg/日であり、車両のエアコンの内部を抗菌するのに有効な量であることが確認できた。
(実施例2)
実施例2では、壁の表面積Xmm=3900mmとし、壁の厚みYmm=0.9mmとし、30℃雰囲気下で袋体が揮発させた揮発性物質の揮発量Zmg/日=94mg/日として、包装体を透過できるAITの量を計測した。計測は実施例1と同様の装置を使用した。実施例2では、実施例1と同様の袋体を使用した。抗菌成分の配合比率は、図5の説明中に記載したレベル2を用いた。
実施例2におけるX×Z/Yの示す値=407333であり、本発明に係る揮発性物質の包装体の範囲を満たす。実施例2の包装体を透過したAITの量を計測したところ、12mg/日であり、車両のエアコンの内部を抗菌するのに有効な量であることが確認できた。
(実施例3)
実施例3では、壁の表面積Xmm=8500mmとし、壁の厚みYmm=0.8mmとし、30℃雰囲気下で袋体が揮発させた揮発性物質の揮発量Zmg/日=140mg/日として、包装体を透過できるAITの量を計測した。計測は実施例1と同様の装置を使用した。実施例3では、複数のシートを積層した袋体を使用した。各シートの厚さ及び積層順は次の通りである。外側から不織布からなるシート14g/m、ポリエチレンからなるシート15μm、二軸延伸ポリプロピレンからなるシート20μm、ポリエチレンからなるシート30μmである。また、抗菌成分の配合比率は、図5の説明中に記載したレベル1を用いた。
実施例3におけるX×Z/Yの示す値=1487500であり、本発明に係る揮発性物質の包装体の範囲を満たす。実施例3の包装体を透過したAITの量を計測したところ、28mg/日であり、車両のエアコンの内部を抗菌するのに有効な量であることが確認できた。
(実施例4)
実施例4では、袋体を有さない形態とし、壁の表面積Xmm=8500mmとし、壁の厚みYmm=0.9mmとし、30℃雰囲気下で混合物が揮発させた揮発性物質の揮発量Zmg/日=150mg/日として、包装体を透過できる揮発性物質(AIT)の量を計測した。包装体を透過したAIT量は、重量減少を経時的に計測することにより求めた。実施例4の混合物は、ロジンエステル46.5質量部と、パラフィンワックス18.6質量部とを密閉可能なタンクで加熱溶融する。この後、AITを11.6質量部を加え、さらに、多孔質セルロース粒子23.3質量部を加えた後、冷却、固化する。以上により混合物を得た。
実施例4におけるX×Z/Yの示す値=1416667であり、本発明に係る揮発性物質の包装体の範囲を満たす。実施例4の包装体を透過したAITの量を計測したところ、26mg/日であり、車両のエアコンの内部を抗菌するのに有効な量であることが確認できた。
また、実施例1と実施例4を比較すると、X×Z/Yの示す値を大きくすることで包装体を透過したAITの量を増加できるといえる。
(抗菌効果の評価)
上述した本発明に係る揮発性物質の包装体を備えたHVACを用いて抗菌効果の評価を行なった。評価は、内部に本発明に係る揮発性物質の包装体を備えるHVACを実施例5とし、揮発性物質の包装体を備えないHVACを比較例1として行なった。包装体は、前述の実施例1と同様のものを使用した。結果を図11に示す。図11の横軸は、評価した月を示し、縦軸は、HVACを作動した際に排出されるドレイン水中の単位容積あたりの微生物の数(個/ml)を示す。図11中の線25は実施例5を示し、線26は比較例1を示す。この結果、実施例5では本発明に係る揮発性物質の包装体が揮発する抗菌剤の効果により、評価開始の梅雨時期(6月)当初から急激に微生物数が少なくなり、夏場(7〜8月)においても微生物数の増加の傾向は見られない。また、空気が乾燥してくる9月にはさらに微生物数が減った。一方、比較例1は、梅雨時期から急激に微生物数が増加し、夏場(7〜8月)も微生物数が多い状態で維持された。また、実施例5と比較例1とでは、実施例5の微生物数が二桁も少ないという結果を得た。したがって、本発明に係る揮発性物質の包装体を備えたHVACが、微生物を低減でき、結果としてHVAC内部からの悪臭を抑止するのに有効であるといえる。

Claims (9)

  1. 揮発性物質を揮発させる揮発性物質発生源と、
    該揮発性物質発生源が封入され、壁の少なくとも一部分がガス透過性を有する樹脂で形成されたケースと、を備える揮発性物質の包装体において、
    前記揮発性物質発生源は、前記揮発性物質が封入されたガス透過性を有する袋体であり、該袋体の厚さは、40〜180μmとし、
    前記揮発性物質は、少なくとも1種以上の担持体に任意の配合比率で担持された混合物とされてなり、該混合物を前記袋体に封入し、
    前記ケースは、前記樹脂で形成された壁の表面積をXmmとし、前記樹脂で形成された壁の厚さをYmmとし、30℃雰囲気下で前記揮発性物質発生源が揮発させる前記揮発性物質の1日あたりの揮発量をZmg/日として、これら3つのパラメータで適正化するものであって、(式)X×Z/Yで求められる値が200000〜1500000であることを特徴とする揮発性物質の包装体。
  2. 揮発性物質を揮発させる揮発性物質発生源と、
    該揮発性物質発生源が封入され、壁の少なくとも一部分がガス透過性を有する樹脂で形成されたケースと、を備える揮発性物質の包装体において、
    前記揮発性物質発生源は、少なくとも1種以上の担持体に前記揮発性物質を10〜90%の配合比率で担持させた混合物であり、
    前記ケースは、前記樹脂で形成された壁の表面積をXmmとし、前記樹脂で形成された壁の厚さをYmmとし、30℃雰囲気下で前記揮発性物質発生源が揮発させる前記揮発性物質の1日あたりの揮発量をZmg/日として、これら3つのパラメータで適正化するものであって、(式)X×Z/Yで求められる値が200000〜1500000であることを特徴とする揮発性物質の包装体。
  3. 前記ケースは、前記揮発性物質を30℃雰囲気下において5〜30mg/日で透過することを特徴とする請求項1又は2に記載の揮発性物質の包装体。
  4. 前記袋体は、該袋体の一部又は全部に前記揮発性物質の透過量を規制する透過規制層が形成されてなることを特徴とする請求項1又は3に記載の揮発性物質の包装体。
  5. 前記袋体は、前記袋体の外側から、不織布からなるシート、ポリエチレンからなるシート、二軸延伸ポリプロピレンからなるシート、ポリエチレンからなるシートの順で積層されてなることを特徴とする請求項4に記載の揮発性物質の包装体。
  6. 前記袋体は、30℃雰囲気下において前記揮発性物質を10〜1000mg/日で透過することを特徴とする請求項1、3、4又は5に記載の揮発性物質の包装体。
  7. 前記揮発性物質が、イソチオシアネート化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の揮発性物質の包装体。
  8. 前記ケースを形成する前記樹脂が、ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の揮発性物質の包装体。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の揮発性物質の包装体を通気流路に備えたことを特徴とする車両空調装置。
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