JP2011173492A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定種類の気体を透過させる透過膜が設けられた車両用空調装置において、内気と外気との間で圧力変動が発生した場合に、透過膜の破損を抑制する。
【解決手段】車室外の外気を導入するための外気導入口32および車室内の内気を導入するための内気導入口31が形成され、車室内に連通して車室内に送風される空気が流れるケーシング11と、外気とケーシング11内の空気との境界に配置され、外気とケーシング11内の空気との間で特定種類の気体を透過させる透過膜33aが設けられた車両用空調装置において、外気とケーシング11内の空気との境界に、内気とケーシング11内の空気の圧力差が所定値以上となった場合に、外気側とケーシング11内の空気側とを連通させる圧力調整手段38を設ける。
【選択図】図4

Description

本発明は、特定種類の気体を選択的に透過させる透過膜が設けられた車両用空調装置に関する。
従来、この種の車両用空調装置が特許文献1に記載されている。この従来技術では、酸素および二酸化炭素を選択的に透過させる性質を持つ透過膜の一方の面に内気を接触させるとともに、他方の面に外気を接触させている。
そして、乗員の呼吸によって内気の酸素濃度が外気の酸素濃度よりも低下するとともに、内気の二酸化炭素濃度が外気の二酸化炭素濃度よりも上昇すると、内気と外気の濃度差によって、外気側の酸素が透過膜を透過して室内に導入されるとともに、内気側の二酸化炭素が透過膜を透過して室外に放出される。
特開2004−203367号公報
ところで、例えば車両ドアが閉じる時、トンネルの出入り口を通過する時、空調装置による風量が変化した時、走行時の走行風による動圧(ラム圧)が発生した時などに、内気と外気とで瞬間的に圧力差が生じる。車両ドアが閉じる時には、内気の圧力が外気の圧力より高くなり、走行時のラム圧が発生した時には、外気の圧力が内気の圧力より高くなる。
透過膜は、空調装置の内外気切替ドアのような、車両における内気と外気が接する場所に設けられている。そして、透過膜は、酸素や二酸化炭素を透過しやすくするために薄く形成されているので、内気と外気との間で瞬間的な圧力変動が生じた場合に、破損するおそれがある。
本発明は上記点に鑑みて、特定種類の気体を透過させる透過膜が設けられた車両用空調装置において、内気と外気との間で圧力変動が発生した場合に、透過膜の破損を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室外の外気を導入するための外気導入口(32)および車室内の内気を導入するための内気導入口(31)が形成され、車室内に連通して車室内に送風される空気が流れるケーシング(11)と、外気と内気との境界に配置され、外気と内気との間で特定種類の気体を透過させる透過膜(33a)と、外気と内気との境界に設けられ、外気と内気の圧力差が所定値以上となった場合に、外気側と内気側とを連通させる圧力調整手段(38)とを備えることを特徴としている。
このように、気と内気の圧力差が所定値以上となった場合に、外気側と内気側とを連通させる圧力調整手段(38)を設けることで、内気と外気との圧力差が大きくなった場合であっても、透過膜(33a)が破損することを防止できる。
また、請求項2に記載の発明では、外気導入口(32)または内気導入口(31)を開閉する内外気切替ドア(33)を備え、透過膜(33a)は、内外気切替ドア(33)に設けられていることを特徴としている。
このように、車室外からの外気と車室内の内気とを切り替える内外気切替ドア(33)に透過膜(33a)を設けることで、透過膜(33a)の透過性能を効率よく発揮させることができる。
また、請求項3に記載の発明では、圧力調整手段(38)は、外気と内気の境界に設けられた弁体(38a、38b)と、弁体(38a、38b)に弾性力を作用させる弾性部材(38c、38d)とを備え、外気と内気の圧力差が所定値以上となった場合に、弁体(38a、38b)が外気側と内気側とを遮断する閉鎖位置から外気側と内気側とを連通させる開放位置に変位することを特徴としている。
このような構成の圧力調整手段(38)を用いることで、外気と内気の圧力差が所定値以上となった場合に、外気側と内気側を適切に連通させることができる。
また、請求項4に記載の発明では、透過膜(33a)の周縁に設けられ、透過膜(33a)を支持するフレーム(33c)を備え、圧力調整手段(38)は、透過膜(33a)のフレーム(33c)に設けられていることを特徴としている。
このように、圧力調整手段(38)を透過膜(33a)の近傍に設けることで、透過膜(33a)で発生する内気と外気の圧力差と圧力調整手段(38)で発生する内気と外気の圧力差を同等にすることができる。この結果、透過膜(33a)で発生する内気と外気の圧力差が所定値以上となった場合に、圧力調整手段(38)を確実に作動させることができ、透過膜(33a)の保護を適切に行うことができる。さらに、透過膜(33a)を内外気切替ドア(33)に設けた場合には、圧力調整部(38)を透過膜(33a)のフレーム(33c)に設けることで、圧力調整部(38)に何らかの故障が発生した場合に、容易に交換することができるという利点を有している。
また、請求項5に記載の発明では、圧力調整手段(38)は、ケーシング(11)に設けられていることを特徴としている。
これにより、例えば外気導入口(32)から離れた場所に圧力調整部(38)を設置して、圧力調整部(38)の寿命を短くするような車外の環境(風、雨、雪、温度変化など)から圧力調整部(38)を遠ざけ、圧力調整部(38)の使用可能期間をできるだけ長くすることができる。さらに、ケーシング(11)の任意の部位に圧力調整部38を設けることで、透過膜(33a)を保護するために適切な位置に圧力調整部(38)を配置することができる。例えば、車両ドアの開閉により車室内における内気の圧力が高くなりやすい場合には、ケーシング(11)における車室内に近い部位、すなわち吹出口(19〜21)に近い部位に圧力調整部(38)を配置することで、内気の圧力を低下させやすくなり、透過膜(33a)の保護をより適切に行うことができる。
また、請求項6に記載の発明では、圧力調整手段(38)を覆う遮蔽部材(39)が設けられていることを特徴としている。
これにより、内気や外気の流れが圧力調整手段(38)に直接当たることがない。この結果、内気や外気の流れに起因する圧力変動をノイズとして除去することができ、圧力調整部(38)を必要なときにのみ作動させることができる。
また、請求項7に記載の発明では、圧力調整手段(38)は、複数設けられたフレーム(33c、33d、33f)と、各フレーム(33c、33d、33f)の間に設けられた弾性部材(33e)とを備え、複数のフレーム(33c、33d、33f)のうち、透過膜(33a)が接続されたフレーム(33c)は、外気と内気の圧力差に応じて、透過膜(33a)とともに変位可能であり、外気と内気の圧力差が所定値を下回っている場合には、隣接するフレーム(33c、33d、33f)同士が密接しており、外気と内気の圧力差が所定値以上となった場合に、隣接するフレーム(33c、33d、33f)の間に隙間が形成されることを特徴としている。
これにより、透過膜(33a)のフレーム(33c、33d、33f)自体を圧力調整部(38)として構成することができ、圧力調整部(38)を独立した構成として設ける必要がないので、省スペース化を図ることができる。
また、請求項8に記載の発明では、圧力調整手段(38)は、複数設けられたフレーム(33c、33d、33f)と、各フレーム(33c、33d、33f)の間に設けられた弾性部材(33e)とを備え、複数のフレーム(33c、33d、33f)のうち、透過膜(33a)が接続されたフレーム(33c)は、外気と内気の圧力差に応じて、透過膜(33a)とともに変位可能であり、隣接するフレーム(33c、33d、33f)は、一部同士が回動可能に連結されており、他の部位同士が前記弾性部材(33e)を介して接続されており、外気と内気の圧力差が所定値を下回っている場合には、隣接するフレーム(33c、33d、33f)同士が密接しており、外気と内気の圧力差が所定値以上となった場合に、隣接するフレーム(33c、33d、33f)における前記他の部位で隙間が形成されることを特徴としている。
これにより、透過膜(33a)のフレーム(33c、33d、33f)自体を圧力調整部(38)として構成することができ、圧力調整部(38)を独立した構成として設ける必要がないので、省スペース化を図ることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係る車両用空調装置の模式的な断面図である。 第1実施形態に係る空調制御装置のブロック図である。 第1実施形態に係る内外気切替箱の断面図である。 第1実施形態に係る内外気切替ドアと圧力調整弁の断面図である。 第2実施形態に係る内外気切替ドアと圧力調整弁の断面図である。 第3実施形態に係る圧力調整弁の断面図である。 第4実施形態に係る内外気切替ドアの断面図である。 第5実施形態に係る内外気切替ドアの断面図である。 (a)は第6実施形態に係る内外気切替ドアの平面図であり、(b)は内外気切替ドアの断面図である。 本発明の変形例に係る内外気切替箱の断面図である。 本発明の変形例に係る車両用空調装置の模式的な断面図である。
(第1実施形態)
以下、図面を用いて本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本実施形態の車両用空調装置1の全体構成図である。本実施形態の車両用空調装置1は、図1に示す室内空調ユニット10を備えている。室内空調ユニット10は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されて、その外殻を形成するケーシング11内に空調用送風機12、蒸発器13、ヒータコア17等を収容したものである。
ケーシング11は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成しており、車室内に連通している。本実施形態のケーシング11は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング11内の空気流れ最上流側には、車室内の内気と車室外の外気とを切り替えて導入する内外気切替箱30が配置されている。内外気切替箱30については、後で詳細に説明する。なお、本明細書中において、「内気」とは車室内およびケーシング11の内部に存在する空気を意味し、「外気」とはそれら以外に存在する空気を意味している。従って、例えば車両ボディの内部であってケーシング11および車室内の外側に存在する空気は外気となる。
ケーシング11内における内外気切替箱30の空気流れ下流側には、内外気切替箱30を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風するための空調用送風機12が配置されている。空調用送風機12の空気流れ下流側には、蒸発器13が配置されている。蒸発器13は、その内部を流通する冷媒と送風空気とを熱交換させて送風空気を冷却する冷却用熱交換器として構成されている。蒸発器13は、図示しない圧縮機、凝縮器、膨張弁等とともに冷凍サイクルを構成している。
ケーシング11内における蒸発器13の空気流れ下流側には、加熱用冷風通路14と冷風バイパス通路15とが並列的に設けられ、これらの通路14、15の下流側には、混合空間16が設けられている。加熱用冷風通路14には、蒸発器13を通過した空気を加熱するヒータコア17が配置されている。ヒータコア17は、エンジン冷却水と送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱する加熱用熱交換器として構成されている。一方、冷風バイパス通路15は、蒸発器13を通過した空気を、ヒータコア17を通過させることなく(加熱することなく)、混合空間16に導くための空気通路である。
蒸発器13の空気流れ下流側であって、加熱用冷風通路14および冷風バイパス通路15の入口側には、加熱用冷風通路14および冷風バイパス通路15に流入する冷風の風量割合を変化させるエアミックスドア18が設けられている。エアミックスドア18によって、加熱用冷風通路14および冷風バイパス通路15に流入する冷風の風量割合を変化させることで、混合空間16内の空気温度(車室内に送風される送風空気の温度)を調整することができる。
ケーシング11の空気流れ最下流部には、混合空間16から温度調整された送風空気を空調対象空間である車室内に吹き出す吹出口19〜21が配置されており、各吹出口19〜21は、それぞれ車室内に向かって開口している。吹出口19〜21は、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口19、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口20、車両前面窓ガラスW内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口21からなる。各吹出口19〜21には、それぞれ、フェイス吹出口19の開口面積を調整するフェイスドア19a、フット吹出口20の開口面積を調整するフットドア20a、デフロスタ吹出口21の開口面積を調整するデフロスタドア21aが設けられている。これらの吹出口ドア19a〜21aの開閉状態を切り替えることで、車室内に吹き出される空調風の吹出モードを切り替えることができる。
吹出モードとしては、フェイス吹出口19を全開にしてフェイス吹出口19から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイスモード、フェイス吹出口19とフット吹出口20の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出すバイレベルモード、フット吹出口20を全開するとともにデフロスタ吹出口21を小開度だけ開口して、主にフット吹出口20から空気を吹き出すフットモード、およびフット吹出口20およびデフロスタ吹出口21を同程度開口して、フット吹出口20およびデフロスタ吹出口21の両方から空気を吹き出すフットデフロスタモードがある。
図2は、車両用空調装置1の空調制御装置50を示している。空調制御装置50は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御する。
空調制御装置50の入力側には、車室内温度を検出する内気センサ51、外気温を検出する外気センサ52、車室内の日射量を検出する日射センサ53等の種々の空調制御用のセンサ群の検出信号が接続されている。空調制御装置50の出力側には、空調用送風機12、外気送風機37、内外気切替ドア用電動アクチュエータ54、エアミックスドア用電動アクチュエータ55、吹出モードドア用電動アクチュエータ56等が接続されている。空調用送風機12および外気送風機37は、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。また、各電動アクチュエータ54、55、56は、空調制御装置50から出力される制御信号によって作動が制御され、内外気切替ドア33による内外気制御、エアミックスドア18の開度制御、吹出口ドア19a〜21aの吹出モード制御が行われる。
次に、図3に基づいて内外気切替箱30について説明する。図3は、内外気切替箱30の断面図であり、(a)は内気循環モードを示し、(b)は外気導入モードを示している。なお、図1では内気導入口31を左側に配置したが、図3では説明の便宜上、内気導入口31を右側に配置している。
図3に示すように、内外気切替箱30には、ケーシング11内に車室内の内気を導入するための内気導入口31および車室外の外気を導入するための外気導入口32が形成されている。さらに、内外気切替箱30の内部には、内気導入口31および外気導入口32を開閉して、ケーシング11内へ導入させる内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる内外気切替ドア33が配置されている。
また、内外気切替ドア33と空調用送風機12との間には、空気中の塵埃や臭気等を除去するフィルタ34が配置されている。内気導入口31と空調用送風機12との間は、内気が通過する内気流路35が設けられており、外気導入口32と空調用送風機12との間は、外気が通過する外気流路36が設けられている。
本実施形態の内外気切替ドア33は、ロータリドアとして構成されている。内外気切替ドア33は、回転操作されることで、外気導入口32を閉じて内気導入口31を開ける内気循環モード(図3(a))と、外気導入口32を開けて内気導入口31を閉じる外気導入モード(図3(b))とに切り替え可能となっている。内気循環モードでは、内外気切替ドア33によって外気流路36が遮断され、内気導入口31から内気流路35を介して空調用送風機12に内気が導入される。また、外気導入モードでは、内外気切替ドア33によって内気流路35が遮断され、空調用送風機12に外気導入口32から外気流路36を介して外気が導入される。
外気流路36には、外気流路36を第1外気流路36aと第2外気流路36bに区画する仕切板36cが設けられている。第2外気流路36bには、外気送風機37が配置されている。外気送風機37は、図3(a)に示す内気循環モードにおいて、内外気切替ドア33から外部に向かう方向(図3中の下から上に向かう方向)に送風するように構成されている。
これにより、図3(a)に示す内気循環モードでは、外気導入口32から導入された外気が第1外気流路36aを内外気切替ドア33に近づく方向に流れ、その後、仕切板36cと内外気切替ドア33との間でUターンして、第2外気流路36bを内外気切替ドア33から遠ざかる方向に流れ、外気導入口32から外部に排出される。一方、図3(b)に示す外気導入モードでは、外気送風機37は停止しており、外気導入口32から導入された外気は、第1外気流路36aと第2外気流路36bを通過して、空調用送風機12に導入される。
内外気切替ドア33には、透過膜33aが設けられている。透過膜33aは、特定種類の気体(例えば酸素、二酸化炭素、水蒸気)が透過しやすいが他の種類定の成分の気体(例えば窒素、臭気)は透過しにくいというものである。透過膜33aの材料としては、シリコーン等の気体透過性高分子の膜やセロファンやセラミックの多孔体や不織布等を用いることができる。
また、透過膜33aは、内気中のある成分の濃度と外気中のその成分の濃度との差によって透過性能が発揮されるようになっている。そして、透過膜33aの内気側と外気側との間に、真空ポンプ等の差圧発生手段により大きな圧力差を設けることなく、すなわち内気と外気との間に差圧がない状態においても、透過膜33aの透過性能が発揮されるようになっている。
ここで、内外気切替ドア33が図3(a)に示す内気循環モードでは、内気導入口31から導入された内気は、内外気切替ドア33の一方の面(車室側の面)に供給される。つまり、空調用送風機12は、内気の流れを発生させて透過膜33aの一方の面に内気を送風する内気送風機として機能する。したがって、内気循環モードでは、透過膜33aは、一方の面が内気と接触して他方の面が外気と接触するように、内気流路35と外気流路36との境目に配置されることとなる。このように、車室外からの外気と車室内の内気とを切り替える内外気切替ドア33に透過膜33aを設けることで、透過膜33aの透過性能を効率よく発揮させることができる。
次に、内外気切替ドア33の具体的構成を図4に基づいて説明する。図4は、内外気切替ドア33と圧力調整部38の断面構成を示している。図4では、説明の便宜上、内外気切替ドア33を湾曲していない板状部材として表している。
図4に示すように、内外気切替ドア33は、透過膜33a、支持体33b、フレーム33cを備えている。透過膜33aは、襞折りにされた板状に形成されている。このように、襞折りにすることで、透過膜33aの表面積を大きくすることでき、透過性能を向上させることができる。透過膜33aの襞折りの折り目の方向は、特に限定されるものではなく、例えば仕切板36cの板面に対して、平行に配置されていてもよく、直交して配置されていてもよい。
支持体33bは、透過膜33aに対応して襞折りにされた板状に形成され、透過膜33aに積層(透過膜33aと支持体33bを上下に重ねた2層構造を形成)されている。本実施形態では、支持体33bは、透過膜33aの内気側に配置されている。透過膜33aは、気体を透過し易くするために膜厚が薄くなっているため、支持体33bによって支持されている。透過膜33aが支持体33bによって支持されなくても配置可能であれば、支持体33bを配置しなくてもよい。支持体33bは、セラミック、繊維、多孔質金属、多孔質樹脂、樹脂スクリーンメッシュ等から構成することができる。樹脂スクリーンメッシュとしては、SEFAR社製のポリエステルメッシュクロス(例えば品番:PET64−HC)等を用いることができる。フレーム33cは、4辺を有する枠体として構成され、透過膜33aと支持体33bの周縁部は、フレーム33cに固定されている。
上述のように、透過膜33aは薄く形成されているため、内気と外気の圧力差が所定値を上回った場合に破損する。このため、室内空調ユニット10には、内気と外気の圧力変動による透過膜33aの破損防止を目的として、内気と外気の圧力を調整するための圧力調整部38が設けられている。本実施形態では、圧力調整部38は、内外気切替ドア33のフレーム33cに設けられている。圧力調整部38は、内外気切替ドア33を境界とする内気と外気の圧力差が所定値以上となった場合に、内気流路35と外気流路36とを連通させる圧力調整弁として機能する。この「所定値」は、透過膜33aが破損する内気と外気の圧力差より低い値に設定されている。なお、本実施形態の圧力調整部38が本発明の圧力調整手段に相当している。
圧力調整部38には、2つの弁体38a、38bと2つのバネ部材38c、38dが設けられている。第1弁体38aは、圧力調整部38の外気側に配置されている。第1バネ部材38cは、第1弁体38aに接続され、第1弁体38aが閉じる方向(内気側に向かう方向)に弾性力を作用させるように構成されている。第2弁体38bは、圧力調整部38の内気側に配置されている。第2バネ部材38dは、第2弁体38bに接続され、第2弁体38bが閉じる方向(外気側に向かう方向)に弾性力を作用させるように構成されている。これにより、内気と外気の圧力差が所定値以上となった場合に、第1弁体38aまたは第2弁体38bのいずれかが開放し、内気流路35と外気流路36が連通する。
次に上記構成の車両用空調装置1の作動を説明する。空調用制御装置50は、内外気切替ドア33を外気導入口32が閉鎖され内気導入口31が開放された内気循環モード位置に変位させた場合に、空調用送風機12および外気送風機37を作動させる。これにより、内気流路35には空調用送風機12に導入される内気の流れが発生するとともに、外気流路36には内外気切替ドア33aの近傍でUターンする外気の流れが発生する。この結果、内外気切替ドア33を介して内気と外気が接触することとなる。
このとき、内気流路35の内気中のある成分の濃度が外気流路36の外気中のその成分の濃度と比較して低ければ、その成分の濃度差により外気中のその成分が透過膜33aを透過して内気と混ざる。このため内気中のその成分の濃度が上昇する。逆に、内気流路35の内気中のある成分の濃度が外気流路36の外気中のその成分の濃度と比較して高ければ、その成分の濃度差により内気中のその成分の気体が透過膜33aを透過して外気と混ざる。このため内気中のその成分の濃度が低下する。
例えば、車室内の乗員の呼吸により酸素が消費されて内気中の酸素濃度が低下すると、外気流路36の外気中の酸素が透過膜33aを透過して内気流路35に移動するので内気中の酸素濃度が上昇する。また、車室内の乗員の呼吸により二酸化炭素が発生して内気中の二酸化炭素濃度が上昇すると、内気流路35の内気中の二酸化炭素が透過膜33aを透過して外気流路36に移動するので内気中の二酸化炭素濃度が低下する。これにより、内気の酸素濃度および二酸化炭素濃度を外気に近づけることができる。そして、酸素濃度が向上し、二酸化炭素濃度が低下した内気が車室内に送風されるので、車室内の酸素濃度と二酸化炭素濃度を乗員にとって快適な濃度に維持することができる。さらに、外気流路36の外気中の液体や固体は透過膜33aを全く透過しないか僅かに透過するだけであるので、これらの液体や固体の内気流路35への侵入を透過膜33aによって抑制できる。
内気循環モードにおいて、内気と外気の圧力差が所定値以上となった場合には、圧力調整部38が開放する。これにより、内気流路35と外気流路36が連通し、内気と外気の圧力が均一化する。例えば、車両ドアを閉じたような場合には、内気の圧力が瞬間的に増大する。この結果、内気の圧力が外気の圧力より所定値以上大きくなった場合に、圧力調整部38の第1弁体38aが開放する。これにより、内気流路35の内気が外気流路36に流入し、内気と外気の圧力が均一化する。また、内外気切替ドア33を外気導入モード位置から内気循環モード位置に切り替えたような場合には、外気の圧力が瞬間的に増大する。この結果、外気の圧力が内気の圧力より所定値以上大きくなった場合に、圧力調整部38の第2弁体38bが開放する。これにより、外気流路36の外気が内気流路35に流入し、内気と外気の圧力が均一化する。
また、空調用制御装置50は、内外気切替ドア33を内気導入口31が全閉され外気導入口32が全開される外気導入モード位置に変位させた場合、外気送風機37を停止させる。これにより、外気導入モードでは、外気流路36を流れる外気が空調用送風機12に導入される。そして、外気導入モードでは、外気流路36にUターンする外気の流れを発生させる必要がないので、外気導入モード時には外気送風機37を停止させることで、省エネルギー化を図ることができる。
以上説明した本実施形態によれば、透過膜33aにより内気と外気との間で特定種類の気体を移動させる構成において、圧力調整部38を設けることで、内気と外気との圧力差が大きくなった場合であっても、透過膜33aが破損することを抑制できる。
また、透過膜33aをケーシング11における外気導入口32の近くに配置された内外気切替ドア33に設け、さらに圧力調整部38を透過膜33aのフレーム33cに設けることで、圧力調整部38に何らかの故障が発生した場合に、容易に交換することができるという利点を有している。
さらに、圧力調整部38を透過膜33aのフレーム33cに設けることで、圧力調整部38を透過膜33aの近傍に配置することができ、透過膜33aで発生する内気と外気の圧力差と圧力調整部38で発生する内気と外気の圧力差を同等にすることができる。この結果、透過膜33aで発生する内気と外気の圧力差が所定値以上となった場合に、圧力調整部38を確実に開放させることができ、透過膜33aの保護を適切に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5に基づいて説明する。以下、上記第1実施形態と異なる部分について説明する。
図5は本第2実施形態に係る内外気切替ドア33と圧力調整部38を示す断面図である。図5に示すように、本第2実施形態では、圧力調整部38を覆うように遮蔽部材39が設けられている。本実施形態の遮蔽部材39は、内部に圧力調整部38が収容された直方体の箱状部材として構成されている。遮蔽部材39は、フレーム33cの近傍で開口しており、非密閉型の覆いとして構成されている。
このような構成により、内気流路35の内気の流れに起因する内気の圧力変動や外気流路36の外気の流れに起因する外気の圧力変動の影響が圧力調整部38に直接的に作用することを抑制することができる。
例えば、空調用送風機12を作動開始させた場合や内外気切替ドア33を外気導入モード位置から内気循環モード位置に変位させた場合に、内気の流れや外気の流れが圧力調整部38に直接当たって、圧力調整部38の近傍で局所的に内気と外気の圧力差が増大することが考えられる。このような場合、透過膜33aの両面側における内気と外気との圧力差が所定値より低い状態で圧力調整部38が開放状態となってしまい、透過膜33aの透過性能を低下させることとなる。
これに対し、本実施形態では、圧力調整部38を覆う遮蔽部材39を設けているので、内気や外気の流れが圧力調整部38に直接当たることがない。この結果、圧力調整部38の近傍で局所的に内気と外気の圧力差が増大して圧力調整部38が必要以上に開放してしまうことを抑制することができ、内気や外気の流れに起因する圧力変動をノイズとして除去することができる。これにより、圧力調整部(38)を必要なときにのみ作動させることができ、透過膜33aの透過性能が低下することを抑制することができる。
なお、図5に示した例では、遮蔽部材39を圧力調整部38を内気側と外気側の両方で覆うように構成したが、遮蔽部材39によって内気側と外気側のいずれか一方で圧力調整部38を覆うようにしてもよい。
また、図5に示した例では、遮蔽部材39の開口部を透過膜33aから遠い側におけるフレーム33cの近傍に設けたが、遮蔽部材39の開口部は内気や外気の流れが圧力調整部38に直接当たらない位置で設ければよく、図5の構成に限定されるものではない。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図6に基づいて説明する。本第3実施形態は、上記第1実施形態に対して、圧力調整部38の位置を異ならせている。以下、上記各実施形態と異なる部分について説明する。
図6は、本第3実施形態に係る圧力調整部38の断面図である。図6に示すように、本第3実施形態では、圧力調整部38を、内外気切替ドア33ではなく、室内空調ユニット10のケーシング11に設けている。ケーシング11における圧力調整部38を設ける位置は、内気と外気との境界となる任意の壁面とすることができる。
このような本第3実施形態の構成によっても、内気と外気との圧力差が大きくなった場合に、圧力調整部38が開放することで、透過膜33aが破損することを防止できる。
また、ケーシング11の任意の部位に圧力調整部38を設けることで、例えば外気導入口32から離れた場所に圧力調整部38を設置することができる。これにより、圧力調整部38の寿命を短くするような車外の環境(風、雨、雪、温度変化など)から圧力調整部38を遠ざけることができ、圧力調整部38の使用可能期間をできるだけ長くすることができる。
また、ケーシング11の任意の部位に圧力調整部38を設けることで、透過膜33aを保護するために適切な位置に圧力調整部38を配置することができる。例えば、車両ドアの開閉により車室内における内気の圧力が高くなりやすい場合には、ケーシング11における車室内に近い部位、すなわち吹出口19〜21に近い部位に圧力調整部38を配置することで、内気の圧力を低下させやすくなり、透過膜33aの保護をより適切に行うことができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図7に基づいて説明する。本第4実施形態は、上記第1実施形態に対して、圧力調整部38の構成が異なっている。以下、上記各実施形態と異なる部分について説明する。
図7は、本第4実施形態の内外気切替ドア33の断面図である。図7(a)は内気と外気の圧力が均衡している状態を示し、図7(b)は内気の圧力が外気の圧力より高くなっている状態を示している。
図7に示すように、本第4実施形態の内外気切替ドア33は、2つのフレーム33c、33dが設けられている。第1フレーム33cには、透過膜33aと支持体33bが直接固定されており、第2フレーム33dは第1フレーム33cを支持している。第2フレーム33dは内側に向かって開口する断面コの字状となっており、その内部に第1フレーム33cを収容している。第1フレーム33cは、バネ部材33eを介して第2フレーム33dに固定されている。なお、本第4実施形態では、第1フレーム33c、第2フレーム33d、バネ部材33eが圧力調整部38を構成している。
バネ部材33eは第1フレーム33cの両面側に設けられており、第1フレーム33cは、第2フレーム33dに対して内気側または外気側に移動可能となっている。バネ部材33eの弾性力は、内気と外気の圧力差が所定値以上となった場合に、透過膜33aとともに第1フレーム33cが移動するように設定されている。
次に、上記構成の内外気切替ドア33の作動を説明する。まず、内気と外気の圧力差が所定値を下回っている場合には、図7(a)に示すように、第1フレーム33cと第2フレーム33dは隙間なく密接している。そして、内気と外気の圧力差が所定値以上となった場合には、図7(b)に示すように、透過膜33aと支持体33bが圧力の低い側に移動し、これに伴って第1フレーム33cが移動する。この結果、第1フレーム33cと第2フレーム33dとの間に隙間が形成され、内気流路35と外気流路36が連通する。これにより、内気と外気の圧力差が均一化するので、透過膜33aの破損を防止することができる。
以上説明した本第4実施形態によれば、透過膜33aのフレーム33c、33d自体を圧力調整部38として構成しているので、圧力調整部38のための膜面積方向のスペースが不要であり、省スペース化を図ることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図8に基づいて説明する。本第5実施形態は、上記第4実施形態に対して、内外気切替ドア33の第2フレーム33dに内気と外気とを連通させる貫通孔33hが設けられている点が異なっている。以下、上記各実施形態と異なる部分について説明する。
図8は、本第5実施形態の内外気切替ドア33の断面図である。図8(a)は内気と外気の圧力が均衡している状態を示し、図8(b)は内気の圧力が外気の圧力より高くなっている状態を示し、図8(c)は外気の圧力が内気の圧力より高くなっている状態を示している。
図8に示すように、本第5実施形態の内外気切替ドア33は、第2フレーム33dに内気と外気とを連通させる貫通孔33hが設けられている。図8における左側に設けられた貫通孔33hは、断面コの字形状の内側と外気側とを連通している。一方、図8における右側に設けられた貫通孔33hは、断面コの字形状の内側と内気側とを連通している。
図8(a)に示すように、内気と外気の圧力が均衡している状態では、第1フレーム33cが断面コの字形状の内側における貫通孔33hの開口部に位置している。このため、内気と外気の圧力が均衡している状態では、内気側と外気側が遮断されている。
図8(b)に示すように、内気の圧力が外気の圧力より高くなった場合には、透過膜33aとともに第1フレーム33cが外気側に移動する。これにより、図8における左側に設けられた貫通孔33hを介して、内気側と外気側が連通し、内気と外気の圧力差が均一化するので、透過膜33aの破損を防止することができる。
図8(c)に示すように、外気の圧力が内気の圧力より高くなった場合には、透過膜33aとともに第1フレーム33cが内気側に移動する。これにより、図8における右側に設けられた貫通孔33hを介して、内気側と外気側が連通し、内気と外気の圧力差が均一化するので、透過膜33aの破損を防止することができる。
以上説明した本第5実施形態においても、上記第4実施形態と同様、透過膜33aのフレーム33c、33d自体を圧力調整部38として構成しているので、圧力調整部38のための膜面積方向のスペースが不要であり、省スペース化を図ることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図9に基づいて説明する。本第6実施形態は、上記第4実施形態に対して、内外気切替ドア33の圧力調整機構の構成が異なっている。以下、上記各実施形態と異なる部分について説明する。
図9(a)は本第6実施形態の内外気切替ドア33の平面図であり、図9(b)は断面図である。図9に示すように、本第6実施形態の内外気切替ドア33は3つのフレーム33c、33d、33fを備えている。第2フレーム33dの内側に第1フレーム33cが配置されており、第3フレーム33fの内側に第2フレーム33dが配置されている。なお、本第6実施形態では、第1フレーム33c、第2フレーム33d、第3フレーム33f、バネ部材33eが圧力調整部38を構成している。
第1フレーム33cと第2フレーム33dは、4辺のうち1辺で回動可能に固定されている。図9(a)を用いて説明すると、第1フレーム33cと第2フレーム33dは、左側の1辺で第1連結軸33gによって連結されている。第1連結軸33gは、第1フレーム33cの左辺を貫通し、両端が第2フレーム33dに固定されている。第1連結軸33gによって連結されている第1フレーム33cと第2フレーム33dの接触面は、第2フレーム33dに対して第1フレーム33cが回動可能な湾曲形状となっている。そして、第1フレーム33cと第2フレーム33dは、上側、下側、右側の3辺でバネ部材33eを介して固定されている。バネ部材33eは第1フレーム33cの内気側に配置されている。このため、第1フレーム33cは、第1連結軸33gを回転軸として、図9(a)における上側、下側、右側の3辺で、外気側に移動可能となっている。
第2フレーム33dと第3フレーム33fについても、4辺のうち1辺で回動可能に固定されている。図9(a)を用いて説明すると、第2フレーム33dと第3フレーム33fは、右側の1辺で第2連結軸33hによって連結されている。第3連結軸33hは、第2フレーム33dの右辺を貫通し、両端が第3フレーム33fに固定されている。第2連結軸33hによって連結されている第2フレーム33dと第3フレーム33fの接触面は、第3フレーム33fに対して第2フレーム33dが回動可能な湾曲形状となっている。そして、第2フレーム33dと第3フレーム33fは、上側、下側、左側の3辺でバネ部材33eを介して固定されている。バネ部材33eは第2フレーム33cの外気側に配置されている。このため、第1フレーム33cと第2フレーム33dは、第2連結軸33hを回転軸として、図9(a)における上側、下側、左側の3辺で、外気側に移動可能となっている。
次に、上記構成の内外気切替ドア33の作動を説明する。まず、内気と外気の圧力差が所定値を下回っている場合には、第1フレーム33cと第2フレーム33dとの間、および第2フレーム33dと第3フレーム33fとの間は隙間なく密接している。
そして、内気の圧力が上昇し、内気と外気の圧力差が所定値以上となった場合には、透過膜33aと支持体33bが外気側に移動し、これに伴って図9(a)の上側、下側、右側の3辺で第1フレーム33cが外気側に移動する。この結果、第1フレーム33cと第2フレーム33dとの間に隙間が形成され、内気流路35と外気流路36が連通する。これにより、内気と外気の圧力差が均一化するので、透過膜33aの破損を防止することができる。
また、外気の圧力が上昇し、内気と外気の圧力差が所定値以上となった場合には、透過膜33aと支持体33bが内気側に移動し、これに伴って図9(a)の上側、下側、左側の3辺で第1フレーム33cと第2フレーム33dが内気側に移動する。この結果、第2フレーム33dと第3フレーム33fとの間に隙間が形成され、内気流路35と外気流路36が連通する。これにより、内気と外気の圧力差が均一化するので、透過膜33aの破損を防止することができる。
以上説明した本第6実施形態においても、透過膜33aのフレーム33c、33d、33f自体を圧力調整部38として構成しているので、圧力調整部38のための膜面積方向のスペースが不要であり、省スペース化を図ることができる。
なお、本第6実施形態では、第1フレーム33cが外気側、第2フレーム33dが内気側に移動可能に構成したが、これに限らず、例えば透過膜33aと各フレーム33c、33d、33fを反転させることで、第1フレーム33cが内気側、第2フレーム33dが外気側に移動可能となるように構成してもよい。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
例えば、上記各実施形態では、図3(a)に示したように、内気循環モードにおいて、内気外気流路36からみて仕切板36cが内外気切替ドア33に対して重なり合うように配置し、2つの外気流路36a、36bが内外気切替ドア33の上方に位置するように構成したが、図10に示すように、外気流路36からみて仕切板36cが内外気切替ドア33に対して重なり合わないように配置してもよい。図10の構成では、外気流路36の第1流路36aのみが内外気切替ドア33の上方に位置する構成となる。
また、上記各実施形態では、透過膜33aを内外気切替ドア33に設けたが、これに限らず、透過膜は内気と外気の境界となる位置であれば、異なる場所に設けてもよい。例えば、図11に示すように、ケーシング11の壁面に透過膜40を設けることができる。図11の例では、ケーシング11における空調用送風機12と蒸発器13との間に透過膜40を設けたが、ケーシング11における他の部位に透過膜40を設けてもよい。この場合、上記第1、第2実施形態のように、透過膜40のフレームに圧力調整部38を設けてもよく、上記第3実施形態のように、透過膜40と異なる部位に圧力調整部38を設けてもよい。
また、上記各実施形態の圧力調整部38は、内気の圧力が外気の圧力より所定値以上高くなった場合と外気の圧力が内気の圧力より所定値以上高くなった場合の両方で、内気と外気の圧力を均一化できるように構成したが、これに限らず、内気の圧力が外気の圧力より所定値以上高くなった場合、または外気の圧力が内気の圧力より所定値以上高くなった場合のいずれか一方のみで、内気と外気の圧力を均一化できるように構成してもよい。例えば、図4〜図6に示した構成の圧力調整部38であれば、第1弁体38aおよび第1バネ部材38cと、第2弁体38bおよび第2バネ部材38dのいずれか一方の組み合わせのみを設けるようにしてもよい。
また、上記各実施形態の圧力調整部38では、内気の圧力が外気の圧力より所定値以上高くなった場合に開放する弁機構と、外気の圧力が内気の圧力より所定値以上高くなった場合に開放する弁機構とを一体的に設けたが、これらを別体として設けてもよい。例えば、図4〜図6に示した構成の圧力調整部38であれば、第1弁体38aおよび第1バネ部材38cからなる第1圧力調整部と、第2弁体38bおよび第2バネ部材38dからなる第2圧力調整部を分離して構成すればよい。
このような構成によれば、内気の圧力が外気の圧力より所定値以上高くなった場合に開放する第1圧力調整部38a、38cと、外気の圧力が内気の圧力より所定値以上高くなった場合に開放する第2圧力調整部38b、38dを異なる部位に配置することができる。
例えば、車両ドアを閉じた場合に発生する内気の圧力上昇の影響は、ケーシング11における車室内に近い部位で大きくなり、走行風による動圧(ラム圧)で発生する外気の圧力上昇の影響は内外気切替ドア33の近傍で大きくなる。このため、第1圧力調整部38a、38cをケーシング11における車室内に近い部位(例えば吹出口19〜21の近傍)に設け、第2圧力調整部38b、38dを内外気切替ドア33に設けることで、適切に内気と外気の圧力を均一化して透過膜を保護することができる。
また、上記各実施形態の圧力調整部38では、内気と外気の圧力差に応じて、内気側と外気側との間を連通あるいは遮断させるために、バネ部材38c、38d、38eを用いたが、これに限らず、バネ部材に代えてゴムや弾力性のある樹脂などを用いてもよく、あるいは異なる機構により、内気側と外気側との間を連通あるいは遮断させるように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、透過膜33aを襞折りに構成した例について説明したが、これに限らず、透過膜33aは襞折りされていない平板形状としてもよい。
また、上記各実施形態では、支持体33bを透過膜33aの内気側に積層した例について説明したが、これに限らず、支持体33bを透過膜33aの外気側に積層してもよく、支持体33bを透過膜33aの内気側と外気側の両面に積層してもよい。支持体33bを透過膜33aの内気側、外気側のいずれか片面あるいは両面に積層した場合には、透過膜33aと支持体33bを熱圧着等で固定してもよい。
10 室内空調ユニット
11 ケーシング
12 空調用送風機
13 蒸発器
14 ヒータコア
31 内気導入口
32 外気導入口
33 内外気切替ドア
33a 透過膜
33c,33d,33f フレーム
35 内気流路
36 外気流路
37 外気送風機
38 圧力調整部
39 遮蔽部材

Claims (8)

  1. 車室外の外気を導入するための外気導入口(32)および車室内の内気を導入するための内気導入口(31)が形成され、車室内に連通して前記車室内に送風される空気が流れるケーシング(11)と、
    外気と内気との境界に配置され、外気と内気との間で特定種類の気体を透過させる透過膜(33a)と、
    外気と内気との境界に設けられ、外気と内気の圧力差が所定値以上となった場合に、外気側と内気側とを連通させる圧力調整手段(38)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記外気導入口(32)または前記内気導入口(31)を開閉する内外気切替ドア(33)を備え、
    前記透過膜(33a)は、前記内外気切替ドア(33)に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記圧力調整手段(38)は、外気と内気の境界に設けられた弁体(38a、38b)と、前記弁体(38a、38b)に弾性力を作用させる弾性部材(38c、38d)とを備え、
    外気と内気の圧力差が所定値以上となった場合に、前記弁体(38a、38b)が外気側と内気側とを遮断する閉鎖位置から外気側と内気側とを連通させる開放位置に変位することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記透過膜(33a)の周縁に設けられ、前記透過膜(33a)を支持するフレーム(33c)を備え、
    前記圧力調整手段(38)は、前記フレーム(33c)に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記圧力調整手段(38)は、前記ケーシング(11)に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  6. 前記圧力調整手段(38)を覆う遮蔽部材(39)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用空調装置。
  7. 前記圧力調整手段(38)は、複数設けられた前記フレーム(33c、33d)と、各フレーム(33c、33d)の間に設けられた弾性部材(33e)とを備え、
    前記複数のフレーム(33c、33d)のうち、前記透過膜(33a)が接続されたフレーム(33c)は、外気と内気の圧力差に応じて、前記透過膜(33a)とともに変位可能であり、
    外気と内気の圧力差が所定値を下回っている場合には、隣接する前記フレーム(33c、33d)同士が密接しており、外気と内気の圧力差が所定値以上となった場合に、隣接する前記フレーム(33c、33d)の間に隙間が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  8. 前記圧力調整手段(38)は、複数設けられた前記フレーム(33c、33d、33f)と、各フレーム(33c、33d、33f)の間に設けられた弾性部材(33e)とを備え、
    前記複数のフレーム(33c、33d、33f)のうち、前記透過膜(33a)が接続されたフレーム(33c)は、外気と内気の圧力差に応じて、前記透過膜(33a)とともに変位可能であり、
    隣接する前記フレーム(33c、33d、33f)は、一部同士が回動可能に連結されており、他の部位同士が前記弾性部材(33e)を介して接続されており、
    外気と内気の圧力差が所定値を下回っている場合には、隣接する前記フレーム(33c、33d、33f)同士が密接しており、外気と内気の圧力差が所定値以上となった場合に、隣接する前記フレーム(33c、33d、33f)における前記他の部位で隙間が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
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