JP5402716B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、特定種類の気体を選択的に透過させる透過膜が設けられた車両用空調装置に関する。
従来、この種の車両用空調装置が特許文献1に記載されている。この従来技術では、酸素および二酸化炭素を選択的に透過させる性質を持つ透過膜の一方の面に内気を接触させるとともに、他方の面に外気を接触させている。
そして、乗員の呼吸によって内気の酸素濃度が外気の酸素濃度よりも低下するとともに、内気の二酸化炭素濃度が外気の二酸化炭素濃度よりも上昇すると、内気と外気の濃度差によって、外気側の酸素が透過膜を透過して室内に導入されるとともに、内気側の二酸化炭素が透過膜を透過して室外に放出される。
特開2004−203367号公報
ところで、例えば車両ドアが閉じる時、トンネルの出入り口を通過する時、空調装置による風量が変化した時、走行時の走行風による動圧(ラム圧)が発生した時などに、内気と外気とで瞬間的に圧力差が生じる。車両ドアが閉じる時には、内気の圧力が外気の圧力より高くなり、走行時のラム圧が発生した時には、外気の圧力が内気の圧力より高くなる。
透過膜は、例えば空調装置の内外気切替ドアのような、車両における内気と外気が接する場所に設けられている。そして、透過膜は、酸素や二酸化炭素を透過しやすくするために薄く形成されているので、内気と外気との間で瞬間的な圧力変動が生じた場合に、破損するおそれがある。
本発明は上記点に鑑みて、特定種類の気体を透過させる透過膜が設けられた車両用空調装置において、内気と外気との間で圧力変動が発生した場合に、透過膜の破損を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室外の外気を導入するための外気導入口(32)および車室内の内気を導入するための内気導入口(31)と、車室内に空調風を吹き出す吹出口(19〜21)とが形成されたケーシング(11)と、外気と内気との境界に配置され、外気と内気との間で特定種類の気体を透過させる透過膜(33a)と、外気導入口(32)または内気導入口(31)を開閉する内外気切替ドア(33)と、車両が停車しているか否かを判定する停車判定手段(50、S10)と、吹出口(19〜21)を開閉する吹出口開閉手段(19a〜21a)と、停車判定手段により車両が停車していると判定された場合に、内外気切替ドア(33)を外気導入口(32)を開放して内気導入口(31)を閉鎖する外気導入モード位置にするとともに、吹出口開閉手段(19a〜21a)により吹出口(19〜21)を閉鎖する透過膜保護制御を実行する透過膜保護制御実行手段(50、S20、S21)とを備えることを特徴としている。
このように、車両の停車に基づいて内外気の圧力変動の発生を予測し、内外気切替ドア(33)を強制的に外気モード位置にするとともに、吹出口開閉手段(19a〜21a)により吹出口(19〜21)を閉鎖することで、ケーシング(11)の内部と車両外部とが連通するとともに、ケーシング(11)の内部と車室内が遮断される。
これにより、停車中に車両ドアが開閉され、車室内の内気の圧力が上昇した場合であっても、透過膜(33a)が破損することを抑制できる。また、内外気の圧力変動の発生の予測を、車両の停車に基づいて判定することで、内気や外気の圧力を検知するための圧力センサのようなセンサを新規に設けることなく、透過膜保護制御を実行することができる。
また、請求項に記載の発明では、請求項1に記載の車両用空調装置において、車両が走行開始したか否かを判定する走行開始判定手段(50、S30)と、走行開始判定手段(50、S30)により車両が走行開始したと判定された場合に、透過膜保護制御を終了させる透過膜保護制御終了手段(50、S40、S41)とを備えることを特徴としている。
このように、車両の走行開始に基づいて内外気の圧力変動の発生が終了したと予測される場合に、透過膜保護制御を解除することで、透過膜(33a)による透過機能を再度発揮させることができる。
また、請求項に記載の発明では、請求項1に記載の車両用空調装置において、空調風を車室内に向かって送風する送風手段(12)と、送風手段(12)による送風か開始されたか否かを判定する送風開始判定手段(50、S31)と、送風開始判定手段(50、S31)により送風手段(12)による送風が開始されたと判定された場合に、透過膜保護制御を終了させる透過膜保護制御終了手段(50、S40、S41)とを備えることを特徴としている。
これにより、空調機能を発揮させることができるとともに、透過膜保護制御を解除することで、透過膜(33a)による透過機能を再度発揮させることができる。
請求項4に記載の発明では、車室外の外気を導入するための外気導入口(32)および車室内の内気を導入するための内気導入口(31)と、車室内に空調風を吹き出す吹出口(19〜21)とが形成されたケーシング(11)と、外気と内気との境界に配置され、外気と内気との間で特定種類の気体を透過させる透過膜(33a)と、外気導入口(32)または内気導入口(31)を開閉する内外気切替ドア(33)と、車両が停車しているか否かを判定する停車判定手段(50、S10)と、車両が走行開始したか否かを判定する走行開始判定手段(50、S30)と、停車判定手段により車両が停車していると判定された場合に、内外気切替ドア(33)を外気導入口(32)を開放して内気導入口(31)を閉鎖する外気導入モード位置にする透過膜保護制御を実行する透過膜保護制御実行手段(50、S20、S21)と、走行開始判定手段(50、S30)により車両が走行開始したと判定された場合に、透過膜保護制御を終了させる透過膜保護制御終了手段(50、S40、S41)とを備えることを特徴としている。
これによれば、請求項1に記載の発明と同様に、車両の停車に基づいて内外気の圧力変動の発生を予測し、内外気切替ドア(33)を強制的に外気モード位置に切り替えることで、ケーシング(11)の内部と車両外部とが連通する。これにより、停車中に車両ドアが開閉され、内気の圧力が上昇した場合であっても、透過膜(33a)が破損することを抑制できる。また、内外気の圧力変動の発生の予測を、車両の停車に基づいて判定することで、内気や外気の圧力を検知するための圧力センサのようなセンサを新規に設けることなく、透過膜保護制御を実行することができる。
これに加えて、請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の発明と同様に、車両の走行開始に基づいて内外気の圧力変動の発生が終了したと予測される場合に、透過膜保護制御を解除することで、透過膜(33a)による透過機能を再度発揮させることができる。
また、請求項5に記載の発明では、車室外の外気を導入するための外気導入口(32)および車室内の内気を導入するための内気導入口(31)と、車室内に空調風を吹き出す吹出口(19〜21)とが形成されたケーシング(11)と、空調風を車室内に向かって送風する送風手段(12)と、外気と内気との境界に配置され、外気と内気との間で特定種類の気体を透過させる透過膜(33a)と、外気導入口(32)または内気導入口(31)を開閉する内外気切替ドア(33)と、送風手段(12)による送風か開始されたか否かを判定する送風開始判定手段(50、S31)と、車両が停車しているか否かを判定する停車判定手段(50、S10)と、停車判定手段により車両が停車していると判定された場合に、内外気切替ドア(33)を外気導入口(32)を開放して内気導入口(31)を閉鎖する外気導入モード位置にする透過膜保護制御を実行する透過膜保護制御実行手段(50、S20、S21)と、送風開始判定手段(50、S31)により送風手段(12)による送風が開始されたと判定された場合に、透過膜保護制御を終了させる透過膜保護制御終了手段(50、S40、S41)とを備えることを特徴としている。
これによれば、請求項1に記載の発明と同様に、車両の停車に基づいて内外気の圧力変動の発生を予測し、内外気切替ドア(33)を強制的に外気モード位置に切り替えることで、ケーシング(11)の内部と車両外部とが連通する。これにより、停車中に車両ドアが開閉され、内気の圧力が上昇した場合であっても、透過膜(33a)が破損することを抑制できる。また、内外気の圧力変動の発生の予測を、車両の停車に基づいて判定することで、内気や外気の圧力を検知するための圧力センサのようなセンサを新規に設けることなく、透過膜保護制御を実行することができる。
これに加え、請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の発明と同様に送風手段(12)による送風が開始されたときには透過膜保護制御を解除することにより空調機能を発揮させることができるとともに、透過膜保護制御の解除により透過膜(33a)による透過機能を再度発揮させることができる。
また、請求項に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、透過膜(33a)は、内外気切替ドア(33)に設けられていることを特徴としている。
これにより、内外気切替ドア(33)の占有スペースを利用して透過膜(33a)を設けることができ、透過膜(33a)を設けることで車両用空調装置の体積が増大することを防止できる。
また、請求項に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、透過膜(33a)は、ケーシング(11)に設けられていることを特徴としている。
これにより、透過膜(33a)の有効面積を大きくすることができ、透過膜(33a)の透過性能を向上させることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係る車両用空調装置の模式的な断面図である。 第1実施形態に係る空調制御装置のブロック図である。 第1実施形態に係る内外気切替箱の断面図である。 第1実施形態に係る透過膜保護制御のフローチャートである。 第2実施形態に係る透過膜保護制御のフローチャートである。 第3実施形態に係る透過膜保護制御のフローチャートである。 第4実施形態に係る透過膜保護制御のフローチャートである。 第5実施形態に係る透過膜保護制御のフローチャートである。 本発明の変形例に係る内外気切替箱の断面図である。 本発明の変形例に係る車両用空調装置の模式的な断面図である。
(第1実施形態)
以下、図面を用いて本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本実施形態の車両用空調装置1の全体構成図である。本実施形態の車両用空調装置1は、エンジン(内燃機関)を走行用駆動源とする車両に搭載されている。車両用空調装置1は、図1に示す室内空調ユニット10を備えている。室内空調ユニット10は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されて、その外殻を形成するケーシング11内に空調用送風機12、蒸発器13、ヒータコア17等を収容したものである。
ケーシング11は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成しており、車室内に連通している。本実施形態のケーシング11は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング11内の空気流れ最上流側には、車室内の内気と車室外の外気とを切り替えて導入する内外気切替箱30が配置されている。内外気切替箱30については、後で詳細に説明する。なお、本明細書中において、「内気」とは車室内およびケーシング11の内部に存在する空気を意味し、「外気」とはそれら以外に存在する空気を意味している。従って、例えば車両ボディの内部であってケーシング11および車室内の外側に存在する空気は外気となる。
ケーシング11内における内外気切替箱30の空気流れ下流側には、内外気切替箱30を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風するための空調用送風機12が配置されている。空調用送風機12の空気流れ下流側には、蒸発器13が配置されている。蒸発器13は、その内部を流通する冷媒と送風空気とを熱交換させて送風空気を冷却する冷却用熱交換器として構成されている。蒸発器13は、図示しない圧縮機、凝縮器、膨張弁等とともに冷凍サイクルを構成している。
ケーシング11内における蒸発器13の空気流れ下流側には、加熱用冷風通路14と冷風バイパス通路15とが並列的に設けられ、これらの通路14、15の下流側には、混合空間16が設けられている。加熱用冷風通路14には、蒸発器13を通過した空気を加熱するヒータコア17が配置されている。ヒータコア17は、エンジン冷却水と送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱する加熱用熱交換器として構成されている。一方、冷風バイパス通路15は、蒸発器13を通過した空気を、ヒータコア17を通過させることなく(加熱することなく)、混合空間16に導くための空気通路である。
蒸発器13の空気流れ下流側であって、加熱用冷風通路14および冷風バイパス通路15の入口側には、加熱用冷風通路14および冷風バイパス通路15に流入する冷風の風量割合を変化させるエアミックスドア18が設けられている。エアミックスドア18によって、加熱用冷風通路14および冷風バイパス通路15に流入する冷風の風量割合を変化させることで、混合空間16内の空気温度(車室内に送風される送風空気の温度)を調整することができる。
ケーシング11の空気流れ最下流部には、混合空間16から温度調整された送風空気を空調対象空間である車室内に吹き出す吹出口19〜21が配置されており、各吹出口19〜21は、それぞれ車室内に向かって開口している。吹出口19〜21は、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口19、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口20、車両前面窓ガラスW内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口21からなる。各吹出口19〜21には、それぞれ、フェイス吹出口19の開口面積を調整するフェイスドア19a、フット吹出口20の開口面積を調整するフットドア20a、デフロスタ吹出口21の開口面積を調整するデフロスタドア21aが設けられている。これらの吹出口ドア19a〜21aの開閉状態を切り替えることで、車室内に吹き出される空調風の吹出モードを切り替えることができる。
吹出モードとしては、フェイス吹出口19を全開にしてフェイス吹出口19から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイスモード、フェイス吹出口19とフット吹出口20の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出すバイレベルモード、フット吹出口20を全開するとともにデフロスタ吹出口21を小開度だけ開口して、主にフット吹出口20から空気を吹き出すフットモード、およびフット吹出口20およびデフロスタ吹出口21を同程度開口して、フット吹出口20およびデフロスタ吹出口21の両方から空気を吹き出すフットデフロスタモードがある。
図2は、車両用空調装置1の空調制御装置50を示している。空調制御装置50は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御する。
空調制御装置50の入力側には、車室内温度を検出する内気センサ51、外気温を検出する外気センサ52、車室内の日射量を検出する日射センサ53等の種々の空調制御用のセンサ群の検出信号が接続されている。さらに、空調制御装置50は、車内LANを介してエンジン制御装置(エンジンECU)60やドア制御装置(ドアECU)70といった他の制御装置と接続されている。空調制御装置50は、エンジン制御装置60からエンジンの作動状態に関する信号やイグニションキーの操作位置に関する信号を受信することで、エンジンの作動状態やイグニションキーの操作位置を把握することができる。イグニションキーの操作位置には、キーの着脱が可能なオフ位置、カーオーディオ等に通電し、車両用空調装置1による送風が可能となるアクセサリ位置、エンジンの点火系に通電し、車両用空調装置1による空調が可能となるオン位置、エンジンスタータに通電するスタート位置がある。また、空調制御装置50は、ドア制御装置70から車両ドアの開閉状態に関する信号や窓ガラスの開閉状況に関する信号を受信することで、車両ドアの開閉状態や窓ガラスの開閉状況を把握することができる。
空調制御装置50の出力側には、空調用送風機12、外気送風機37、内外気切替ドア用電動アクチュエータ54、エアミックスドア用電動アクチュエータ55、吹出モードドア用電動アクチュエータ56等が接続されている。空調用送風機12および外気送風機37は、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。また、各電動アクチュエータ54、55、56は、空調制御装置50から出力される制御信号によって作動が制御され、内外気モードに応じて内外気切替ドア33の位置を切り替える内外気制御、目標空調温度に応じてエアミックスドア18の開度を調整するエアミックス制御、吹出モードに応じて吹出口ドア19a〜21aの開閉を切り替える吹出口制御が行われる。
次に、図3に基づいて内外気切替箱30について説明する。図3は、内外気切替箱30の断面図であり、(a)は内気循環モードを示し、(b)は外気導入モードを示している。なお、図1では内気導入口31を左側に配置したが、図3では説明の便宜上、内気導入口31を右側に配置している。
図3に示すように、内外気切替箱30には、ケーシング11内に車室内の内気を導入するための内気導入口31および車室外の外気を導入するための外気導入口32が形成されている。さらに、内外気切替箱30の内部には、内気導入口31および外気導入口32を開閉して、ケーシング11内へ導入させる内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる内外気切替ドア33が配置されている。
また、内外気切替ドア33と空調用送風機12との間には、空気中の塵埃や臭気等を除去するフィルタ34が配置されている。内気導入口31と空調用送風機12との間は、内気が通過する内気流路35が設けられており、外気導入口32と空調用送風機12との間は、外気が通過する外気流路36が設けられている。
本実施形態の内外気切替ドア33は、ロータリドアとして構成されている。内外気切替ドア33は、回転操作されることで、内外気モードを切り替えることができる。内外気モードとしては、外気導入口32を閉じて内気導入口31を開ける内気循環モード(図3(a))と、外気導入口32を開けて内気導入口31を閉じる外気導入モード(図3(b))がある。内気循環モードでは、内外気切替ドア33によって外気流路36が遮断され、内気導入口31から内気流路35を介して空調用送風機12に内気が導入される。また、外気導入モードでは、内外気切替ドア33によって内気流路35が遮断され、空調用送風機12に外気導入口32から外気流路36を介して外気が導入される。
外気流路36には、外気流路36を第1外気流路36aと第2外気流路36bに区画する仕切板36cが設けられている。第2外気流路36bには、外気送風機37が配置されている。外気送風機37は、内外気切替ドア33が図3の実線位置にある内気循環モードにおいて、内外気切替ドア33から外部に向かう方向(図3中の下から上に向かう方向)に送風するように構成されている。
これにより、図3(a)に示す内気循環モードでは、外気導入口32から導入された外気が第1外気流路36aを内外気切替ドア33に向かって流れ、その後、仕切板36cと内外気切替ドア33との間でUターンして、第2外気流路36bから外部に排出される。一方、図3(b)に示す外気導入モードでは、外気送風機37は停止しており、外気導入口32から導入された外気は、第1外気流路36aと第2外気流路36bを内外気切替ドア33に向かって流れ、空調用送風機12に導入される。
内外気切替ドア33には、透過膜33aが設けられている。透過膜33aは、特定種類の気体(例えば酸素、二酸化炭素、水蒸気)が透過しやすいが他の種類定の成分の気体(例えば窒素、臭気)は透過しにくいというものである。透過膜33aの材料としては、シリコーン等の気体透過性高分子の膜やセロファンやセラミックの多孔体や不織布等を用いることができる。内外気切替ドア33に透過膜33aを設けることで、内外気切替ドア33の占有スペースを利用して透過膜33aを設けることができ、透過膜33aを設けることで車両用空調装置1の体積が増大することを防止できる。
また、透過膜33aは、内気中のある成分の濃度と外気中のその成分の濃度との差によって透過性能が発揮されるようになっている。そして、透過膜33aの内気側と外気側との間に、真空ポンプ等の差圧発生手段により大きな圧力差を設けることなく、すなわち内気と外気との間に差圧がない状態においても、透過膜33aの透過性能が発揮されるようになっている。
透過膜33aは、例えば襞折りにされた板状に形成することで、透過膜33aの表面積を大きくすることでき、透過性能を向上させることができる。また、図示を省略しているが、透過膜33aにはセラミック、繊維、多孔質金属、多孔質樹脂または樹脂スクリーンメッシュ等からなる支持体が積層されている。透過膜33aは、気体を透過し易くするために膜厚が薄くなっているため、支持体によって支持されている。
ここで、内外気切替ドア33が図3(a)に示す内気循環モードでは、内気導入口31から導入された内気は、内外気切替ドア33の一方の面(車室側の面)に供給される。つまり、空調用送風機12は、内気の流れを発生させて透過膜33aの一方の面に内気を送風する内気送風機として機能する。したがって、内気循環モードでは、透過膜33aは、一方の面が内気と接触して他方の面が外気と接触するように、内気流路35と外気流路36との境目に配置されることとなる。このように、車室外からの外気と車室内の内気とを切り替える内外気切替ドア33に透過膜33aを設けることで、透過膜33aの透過性能を効率よく発揮させることができる。
次に、上記構成の車両用空調装置1の作動を説明する。空調用制御装置50は、内外気切替ドア33を外気導入口32が閉鎖されて内気導入口31が開放された内気循環モード位置に変位させた場合に、空調用送風機12および外気送風機37を作動させる。これにより、内気流路35には空調用送風機12に導入される内気の流れが発生するとともに、外気流路36には内外気切替ドア33aの近傍でUターンする外気の流れが発生する。この結果、内外気切替ドア33を介して内気と外気が接触することとなる。
このとき、内気流路35の内気中のある成分の濃度が外気流路36の外気中のその成分の濃度と比較して低ければ、その成分の濃度差により外気中のその成分が透過膜33aを透過して内気と混ざる。このため内気中のその成分の濃度が上昇する。逆に、内気流路35の内気中のある成分の濃度が外気流路36の外気中のその成分の濃度と比較して高ければ、その成分の濃度差により内気中のその成分の気体が透過膜33aを透過して外気と混ざる。このため内気中のその成分の濃度が低下する。
例えば、車室内の乗員の呼吸により酸素が消費されて内気中の酸素濃度が低下すると、外気流路36の外気中の酸素が透過膜33aを透過して内気流路35に移動するので内気中の酸素濃度が上昇する。また、車室内の乗員の呼吸により二酸化炭素が発生して内気中の二酸化炭素濃度が上昇すると、内気流路35の内気中の二酸化炭素が透過膜33aを透過して外気流路36に移動するので内気中の二酸化炭素濃度が低下する。これにより、内気の酸素濃度および二酸化炭素濃度を外気に近づけることができる。そして、酸素濃度が向上し、二酸化炭素濃度が低下した内気が車室内に送風されるので、車室内の酸素濃度と二酸化炭素濃度を乗員にとって快適な濃度に維持することができる。さらに、外気流路36の外気中の液体や固体は透過膜33aを全く透過しないか僅かに透過するだけであるので、これらの液体や固体の内気流路35への侵入を透過膜33aによって抑制できる。
また、空調用制御装置50は、内外気切替ドア33を内気導入口31が全閉され外気導入口32が全開される外気導入モード位置に変位させた場合、外気送風機37を停止させる。これにより、外気導入モードでは、外気流路36を流れる外気が空調用送風機12に導入される。そして、外気導入モードでは、外気流路36にUターンする外気の流れを発生させる必要がないので、外気導入モード時には外気送風機37を停止させることで、省エネルギー化を図ることができる。
上述のように、透過膜33aは薄く形成されているため、内気と外気の圧力差が大きくなった場合に破損する可能性がある。そこで、本実施形態の空調制御装置50は、内気と外気の瞬間的な圧力変動の発生が予測される場合に、透過膜33aの保護を行う透過膜保護制御を実行するように構成されている。本実施形態では、車両ドアが閉じられることで、車室内の内気の圧力が上昇すると予測される場合に透過膜保護制御が実行される。
ここで、本実施形態の透過膜保護制御を図4に基づいて説明する。図4は、空調制御装置50が実行する透過膜保護制御のフローチャートである。空調制御装置50は、図示しないROM等に格納された制御プログラムにしたがって透過膜保護制御を実行する。
まず、車両が停車したか否かを判定する(S10)。S10の車両停車判定処理は、車両が完全に停車した場合(0km/h)に車両が停車したと判定してもよく、あるいは車速が所定速度(例えば10km/h)を下回った場合に車両が停車したと判定してもよい。すなわち、S10の判定処理は、車両ドアを開閉する可能性がある状況であるか否かを判断するために行われ、車両ドアの開閉は、車両が完全に停車した場合のみならず、微速で走行している場合にも行われる可能性があるからである。また、S10の車両停車判定処理は、車速に基づいて判定する構成のみならず、エンジンの作動状態やイグニションキーの操作位置に基づいて判定することもできる。具体的には、エンジンが停止した場合やイグニションキーの操作位置がオン位置でない場合(オフ位置またはアクセサリ位置にある場合)に車両が停車したと判定してもよい。
S10の判定処理の結果、車両が停車したと判定された場合には(S10:YES)、透過膜保護制御を開始する(S20)。本実施形態では、透過膜保護制御として、内外気モードに関わらず、内外気切替ドア33を強制的に外気導入モード位置(図3(b))に移動させる内外気制御を行う。つまり、内外気切替ドア33が外気導入モード位置にある場合には、それを維持し、内外気切替ドア33が内気循環モード位置にある場合には、外気導入モード位置に切り替える。
このように、内外気切替ドア33を強制的に外気導入モード位置にすることで、ケーシング11の内部と車両外部とが連通する。これにより、停車中に車両ドアが開閉され、車室内の内気の圧力が上昇した場合であっても、内気の圧力は外気に逃げることができる。このため、内気の瞬間的な圧力変動が透過膜33aにかかることがなく、透過膜33aの破損を防止でき、透過膜33aの耐久性を向上させることができる。
次に、車両が発車したか否かを判定する(S30)。S30の車両停車判定処理は、車両ドアを開閉する可能性がない状況であるか否かを判断するために行われる。このため、車速が所定速度(例えば10km)以上になった場合に、車両が発車したと判定することができる。
S30の判定処理の結果、車両が発車したと判定された場合には(S30:YES)、S20で開始した透過膜保護制御を終了させる(S40)。本実施形態では、透過膜保護制御として、内外気切替ドア33を強制的に外気導入モード位置(図3(b))に移動させる内外気制御を行っているので、透過膜保護制御を終了させるためには、内外気モードに応じた通常の内外気制御に復帰させればよい。
ここで、空調制御装置50が実行する各ステップと本発明の各手段との関係を説明すると、S10の処理が本発明の停車判定手段に対応し、S20の処理が本発明の透過膜保護制御実行手段に対応し、S30の処理が本発明の走行開始判定手段に対応し、S40の処理が本発明の透過膜保護制御終了手段に対応している。
以上説明した本実施形態によれば、透過膜33aにより内気と外気との間で特定種類の気体を移動させる構成において、内外気の圧力変動の発生が予測される場合に、内外気切替ドア33を強制的に外気導入モード位置に切り替える透過膜保護制御を実行することで、内気と外気との圧力差が大きくなった場合であっても、透過膜33aが破損することを抑制できる。
また、本実施形態では、内外気の圧力変動の発生の予測を、車速、エンジンの作動状態あるいはイグニションキーの操作位置に基づいて判定している。このため、内気や外気の圧力を検知するための圧力センサのようなセンサを新規に設けることなく、透過膜保護制御を実行することができる。このため、本実施形態の構成によれば、新規に圧力センサを設けた場合に比較して、コスト低減、センサの設置スペースの削減、軽量化などを図ることができる。
また、透過膜保護制御を行っている間は、透過膜33aによる透過機能を発揮させることができない。このため、車両が走行開始し、内外気の圧力変動が発生する可能性が低くなったと予測される場合に、透過膜保護制御を解除することで、必要以上に透過膜保護制御を行うことなく、透過膜33aによる透過機能を再度発揮させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第2実施形態と比較して、透過膜保護制御の内容が異なっている。以下、上記第1実施形態と異なる部分について説明する。
図5は、本第2実施形態の透過膜保護制御のフローチャートである。本第2実施形態では、S10の判定処理で、車両が停車したと判定された場合に(S10:YES)、透過膜保護制御として、吹出モードに関わらず、吹出口ドア19a〜21aですべての吹出口19〜21を閉鎖する吹出口制御を行う(S21)。
このように、すべての吹出口19〜21を強制的に閉鎖することで、ケーシング11の内部と車室内が遮断される。これにより、停車中に車両ドアが開閉され、車室内の内気の圧力が上昇した場合であっても、内気の圧力変動がケーシング11の内部に伝わることを抑制できる。このため、内気の瞬間的な圧力変動が透過膜33aにかかることがなく、透過膜33aの破損を抑制でき、透過膜33aの耐久性を向上させることができる。
そして、S30の判定処理の結果、車両が発車したと判定された場合には(S30:YES)、S21で開始した透過膜保護制御を終了させる(S41)。本実施形態では、透過膜保護制御として、すべての吹出口19〜21を強制的に閉鎖する吹出口制御を行っているので、透過膜保護制御を終了させるためには、吹出モードに応じた通常の吹出口制御に復帰させればよい。
本第2実施形態では、空調制御装置50が実行するS21の処理が本発明の透過膜保護制御実行手段に対応し、S41の処理が本発明の透過膜保護制御終了手段に対応している。
以上説明した本第2実施形態によれば、透過膜33aにより内気と外気との間で特定種類の気体を移動させる構成において、内外気の圧力変動の発生が予測される場合に、強制的にすべての吹出口19〜21を閉鎖する透過膜保護制御を実行することで、内気と外気との圧力差が大きくなった場合であっても、透過膜33aが破損することを抑制できる。
なお、本第2実施形態では、透過膜保護制御として、すべての吹出口19〜21を強制的に閉鎖する吹出口制御を行うように構成したが、この吹出口制御と、上記第1実施形態で説明した内外気切替ドア33を強制的に外気導入モード位置に移動させる内外気制御とを組み合わせて実行してもよい。このような構成によれば、透過膜33aをより確実に保護することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図6に基づいて説明する。本第3実施形態は、上記第1実施形態と比較して、透過膜保護制御の解除条件が異なっている。以下、上記各実施形態と異なる部分について説明する。
図6は、本第3実施形態の透過膜保護制御のフローチャートである。本第3実施形態では、S20で透過膜保護制御を開始した後で、車両用空調装置1が作動開始したか否かを判定する(S31)。車両用空調装置1が作動開始したか否かは、空調用送風機12が作動開始したか否か、すなわち車室内への送風が開始されたか否かによって判定することができる。
S31の判定処理の結果、車両用空調装置1が作動開始したと判定された場合には(S31:YES)、S20で開始した透過膜保護制御を終了させる(S40)。これにより、空調機能を発揮させることができるとともに、透過膜33aによる透過機能を再度発揮させることができる。
本第3実施形態では、空調制御装置50が実行するS31の処理が本発明の送風開始判定手段に対応し、そして、空調制御装置50が実行するS40の処理が本発明の透過膜保護制御終了手段に対応している。
なお、本第3実施形態の構成においても、透過膜保護制御として、内外気切替ドア33を強制的に外気導入モード位置に移動させる内外気制御をS20にて実行しているが、このような内外気制御の代わりに、すべての吹出口19〜21を強制的に閉鎖する吹出口制御を実行してもよく、あるいは上記内外気制御と上記吹出口制御の双方を同時に実行してもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図7に基づいて説明する。本第4実施形態は、上記第1実施形態に対して、透過膜保護制御の開始条件と終了条件が異なっている。以下、上記各実施形態と異なる部分について説明する。
図7は、本第4実施形態の透過膜保護制御のフローチャートである。本第4実施形態では、まず、車両ドアが開放したか否かを判定する(S11)。車両ドアが開放された場合は、近い将来に車両ドアが閉鎖され、車室内の内気の圧力が上昇すると確実に予測される状況である
この結果、車両ドアが開放したと判定された場合には(S11:YES)、透過膜保護制御を開始する(S20)。
次に、車両ドアが閉鎖して所定時間が経過したか否かを判定する(S32)。「所定時間」は、車両ドアの閉鎖に伴う内気の瞬間的な圧力変動が収まるのに必要な時間であればよく、例えば数秒程度とすることができる。
S32の判定処理の結果、車両ドアが閉鎖して所定時間が経過したと判定された場合は(S32)、S20で開始した透過膜保護制御を終了する(S40)。
本第4実施形態では、空調制御装置50が実行するS11の処理が本発明の車両ドア開放判定手段に対応している。
以上の本第4実施形態では、近い将来に車両ドアが閉鎖され、車室内の内気の圧力が上昇すると確実に予測される状況である車両ドアの開放を契機として、透過膜保護制御を開始することで、内気の圧力変動から透過膜33aを保護することができる。
また、車両ドアの閉鎖直後ではなく、車両ドアの閉鎖から所定時間が経過して、車室内の内気の瞬間的な圧力変動が確実に収まった後に、透過膜保護制御を終了することで、必要以上に透過膜保護制御を行うことなく、かつ、透過膜33aの保護を確実に行うことができる。
なお、本第4実施形態の構成においても、透過膜保護制御として、内外気切替ドア33を強制的に外気導入モード位置に移動させる内外気制御を実行してもよく、すべての吹出口19〜21を強制的に閉鎖する吹出口制御を実行してもよく、あるは双方を同時に実行してもよい。
また、上記第3実施形態では、車両用空調装置1の作動開始によって透過膜保護制御を終了させるように構成したが、車両が停車している場合には、車両用空調装置1の作動開始後も車両ドアが開閉される可能性がある。このため、上記第3実施形態と本第4実施形態を組み合わせて実行してもよい。つまり、車両用空調装置1の作動開始によって透過膜保護制御を終了させた後に、車両ドアが開放された場合に、透過膜保護制御を再開するように構成してもよい。これにより、近い将来に予想される車両ドアの閉鎖による内気の圧力変動から透過膜33aを保護することができる。この場合、車両ドアが閉鎖された場合に、透過膜保護制御を再度終了するようにすればよい。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図8に基づいて説明する。本第5実施形態は、上記第1実施形態に対して、透過膜保護制御の内容が異なっている。以下、上記各実施形態と異なる部分について説明する。
図8は、本第5実施形態の透過膜保護制御のフローチャートである。本第5実施形態では、まず、車両が走行中であるか否かを判定する(S12)。S12の判定処理では、車速が0km/hを上回っている場合に車両が走行中であると判定すればよい。
S12の判定処理の結果、車両が走行中であると判定された場合に(S12:YES)、窓ガラスが開放しているか否かを判定する(S13)。この結果、窓ガラスが開放していると判定された場合に(S13:YES)、透過膜保護制御を開始する(S20)。
次に、窓ガラスが閉鎖されたか否かを判定する(S33)。この結果、窓ガラスが閉鎖されたと判定された場合には(S33:YES)、S20で開始した透過膜保護制御を終了する(S40)。
以上の本第5実施形態では、車両走行中における窓ガラスの開放を起因として透過膜保護制御を開始することで、窓ガラスの開放によって発生する可能性がある内外気の圧力変動から透過膜33aを保護することができる。
なお、本第5実施形態の構成においても、透過膜保護制御として、内外気切替ドア33を強制的に外気導入モード位置に移動させる内外気制御を実行してもよく、すべての吹出口19〜21を強制的に閉鎖する吹出口制御を実行してもよく、あるは双方を同時に実行してもよい。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
例えば、上記各実施形態では、図3に示したように、外気流路36からみて仕切板36cが内外気切替ドア33に対して重なり合うように配置したが、図9に示すように、外気流路36からみて仕切板36cが内外気切替ドア33に対して重なり合わないように配置してもよい。図9の構成では、外気流路36の第1流路36aのみが内外気切替ドア33に対応する位置となる。
また、上記各実施形態では、透過膜33aを内外気切替ドア33に設けたが、これに限らず、透過膜は内気と外気の境界となる位置であれば、異なる場所に設けてもよい。例えば、図10に示すように、ケーシング11の壁面に透過膜40を設けることができる。図10の例では、ケーシング11における空調用送風機12と蒸発器13との間に透過膜40を設けたが、ケーシング11における他の部位に透過膜40を設けてもよい。このように、ケーシング11の壁面に透過膜33aを設けることで、透過膜33aの有効面積を大きくすることができ、透過膜33aの透過性能を向上させることができる。
また、上記各実施形態では、支持体33bを透過膜33aの内気側に積層した例について説明したが、これに限らず、支持体33bを透過膜33aの外気側に積層してもよく、支持体33bを透過膜33aの内気側と外気側の両面に積層してもよい。あるいは、支持体33bを透過膜33aに積層しないように構成してもよい。
10 室内空調ユニット
11 ケーシング
12 空調用送風機
13 蒸発器
14 ヒータコア
31 内気導入口
32 外気導入口
33 内外気切替ドア
33a 透過膜
35 内気流路
36 外気流路
37 外気送風機
50 空調制御装置
60 エンジン制御装置
70 ドア制御装置

Claims (7)

  1. 車両に搭載され、車室内の空調を行う車両用空調装置であって、
    車室外の外気を導入するための外気導入口(32)および車室内の内気を導入するための内気導入口(31)と、車室内に空調風を吹き出す吹出口(19〜21)とが形成されたケーシング(11)と、
    外気と内気との境界に配置され、外気と内気との間で特定種類の気体を透過させる透過膜(33a)と、
    前記外気導入口(32)または前記内気導入口(31)を開閉する内外気切替ドア(33)と、
    前記車両が停車しているか否かを判定する停車判定手段(50、S10)と、
    前記吹出口(19〜21)を開閉する吹出口開閉手段(19a〜21a)と、
    前記停車判定手段により前記車両が停車していると判定された場合に、前記内外気切替ドア(33)を前記外気導入口(32)を開放して前記内気導入口(31)を閉鎖する外気導入モード位置にするとともに、前記吹出口開閉手段(19a〜21a)により前記吹出口(19〜21)を閉鎖する透過膜保護制御を実行する透過膜保護制御実行手段(50、S20、S21)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記車両が走行開始したか否かを判定する走行開始判定手段(50、S30)と、
    前記走行開始判定手段(50、S30)により前記車両が走行開始したと判定された場合に、前記透過膜保護制御を終了させる透過膜保護制御終了手段(50、S40、S41)とを備えることを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置
  3. 前記空調風を車室内に向かって送風する送風手段(12)と、
    前記送風手段(12)による送風か開始されたか否かを判定する送風開始判定手段(50、S31)と、
    前記送風開始判定手段(50、S31)により前記送風手段(12)による送風が開始されたと判定された場合に、前記透過膜保護制御を終了させる透過膜保護制御終了手段(50、S40、S41)とを備えることを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置。
  4. 車両に搭載され、車室内の空調を行う車両用空調装置であって、
    車室外の外気を導入するための外気導入口(32)および車室内の内気を導入するための内気導入口(31)と、車室内に空調風を吹き出す吹出口(19〜21)とが形成されたケーシング(11)と、
    外気と内気との境界に配置され、外気と内気との間で特定種類の気体を透過させる透過膜(33a)と、
    前記外気導入口(32)または前記内気導入口(31)を開閉する内外気切替ドア(33)と、
    前記車両が停車しているか否かを判定する停車判定手段(50、S10)と、
    前記車両が走行開始したか否かを判定する走行開始判定手段(50、S30)と、
    前記停車判定手段により前記車両が停車していると判定された場合に、前記内外気切替ドア(33)を前記外気導入口(32)を開放して前記内気導入口(31)を閉鎖する外気導入モード位置にする透過膜保護制御を実行する透過膜保護制御実行手段(50、S20、S21)と、
    前記走行開始判定手段(50、S30)により前記車両が走行開始したと判定された場合に、前記透過膜保護制御を終了させる透過膜保護制御終了手段(50、S40、S41)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 車両に搭載され、車室内の空調を行う車両用空調装置であって、
    車室外の外気を導入するための外気導入口(32)および車室内の内気を導入するための内気導入口(31)と、車室内に空調風を吹き出す吹出口(19〜21)とが形成されたケーシング(11)と、
    前記空調風を車室内に向かって送風する送風手段(12)と、
    外気と内気との境界に配置され、外気と内気との間で特定種類の気体を透過させる透過膜(33a)と、
    前記外気導入口(32)または前記内気導入口(31)を開閉する内外気切替ドア(33)と、
    前記送風手段(12)による送風か開始されたか否かを判定する送風開始判定手段(50、S31)と、
    前記車両が停車しているか否かを判定する停車判定手段(50、S10)と、
    前記停車判定手段により前記車両が停車していると判定された場合に、前記内外気切替ドア(33)を前記外気導入口(32)を開放して前記内気導入口(31)を閉鎖する外気導入モード位置にする透過膜保護制御を実行する透過膜保護制御実行手段(50、S20、S21)と、
    前記送風開始判定手段(50、S31)により前記送風手段(12)による送風が開始されたと判定された場合に、前記透過膜保護制御を終了させる透過膜保護制御終了手段(50、S40、S41)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
  6. 前記透過膜(33a)は、前記内外気切替ドア(33)に設けられていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記透過膜(33a)は、前記ケーシング(11)に設けられていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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