JP4784520B2 - ハイブリッド自動車およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド自動車およびその制御方法に関する。
従来から、この種のハイブリッド自動車として、エンジンと、このエンジンのクランクシャフトに接続されたキャリアと車軸に連結されたリングギヤとを有するプラネタリギヤと、このプラネタリギヤのサンギヤに動力を入出力する第1電動機と、車軸に動力を入出力可能な第2電動機とを含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、第1電動機の回転数が値0を含むロック範囲内の値となる第1電動機のロック状態が検出されると、ロック状態の滞留時間に応じた仮脱出トルクを設定する。そして、第1電動機の目標回転数が検出された回転数以上であれば仮脱出トルクを第1電動機に対するトルク指令に加算し、第1電動機の目標回転数が検出された回転数未満であれば仮脱出トルクを第1電動機に対するトルク指令から減算する。これにより、このハイブリッド自動車では、第1電動機のロック状態を回避してモータを駆動するためのインバータの過熱を抑制することができる。
特開2005−45863号公報
上記特許文献1に記載のハイブリッド自動車では、第1電動機の回転数を検出し、検出した回転数に基づいて第1電動機のロック状態を検出している。従って、上述の仮脱出トルクを用いたロック状態の回避制御が一旦実行された後に走行状態がさほど変化しないような場合、再度第1電動機の回転数がロック範囲内に含まれ、ロック状態の回避制御と通常の制御とが頻繁に繰り返されてしまうことがある。このため、上記従来のハイブリッド自動車では、第1電動機のトルク変動に伴ってエンジンの回転数や車軸に出力される動力が変動し、車両の挙動が乗員にとって不快なものとなってしまうおそれもある。
そこで、本発明によるハイブリッド自動車およびその制御方法は、第1電動機のロック状態を回避するための制御をより適正に実行して車両の挙動が乗員にとって不快なものとなるのを抑制することを目的とする。
本発明によるハイブリッド自動車およびその制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明によるハイブリッド自動車は、
内燃機関と、
前記内燃機関の出力軸と車軸と回転軸との3軸に連結され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に出力する3軸式動力入出力手段と、
前記回転軸に動力を入出力可能な第1電動機と、
前記車軸または該車軸とは異なる他の車軸に動力を入出力可能な第2電動機と、
前記第1および第2電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
前記第1電動機の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記検出された前記第1電動機の回転数に基づいて該第1電動機が所定のロック状態にあるか否かを判定するロック判定手段と、
前記第1電動機が前記ロック状態となるか否かを予測するロック予測手段と、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記ロック判定手段により前記第1電動機が前記ロック状態にあると判断されたとき、および前記ロック判定手段により前記第1電動機が前記ロック状態にはないと判断されると共に前記ロック予測手段により前記第1電動機が前記ロック状態となると予測されたときに、前記第1電動機が前記ロック状態から脱すると共に前記設定された要求駆動力に基づく動力が前記車軸に出力されるように前記内燃機関と前記第1および第2電動機とを制御するロック回避時制御手段と、
を備えるものである。
このハイブリッド自動車では、回転数検出手段により検出される第1電動機の回転数に基づいてロック判定手段により第1電動機が所定のロック状態にあると判断されると、第1電動機がロック状態から脱すると共に走行に要求される要求駆動力に基づく動力が車軸に出力されるように内燃機関と第1および第2電動機とが制御される。また、ロック判定手段により第1電動機がロック状態にはないと判断された場合であってもロック予測手段により第1電動機がロック状態となると予測されたときには、第1電動機がロック状態から脱すると共に要求駆動力に基づく動力が車軸に出力されるように内燃機関と第1および第2電動機とが制御される。これにより、ロック判定手段の判定結果からは第1電動機のロック状態を回避するための制御を実行する必要がない場合であっても、ロック予測手段により第1電動機がロック状態となると予測されていれば、第1電動機のロック状態を回避するための制御が実行(続行)されることになる。従って、このハイブリッド自動車では、第1電動機のロック状態を回避するための制御と通常の制御とが頻繁に繰り返されてしまうことを抑制して車両の挙動が乗員にとって不快なものとなるのを抑制することができる。
この場合、前記ロック状態は、前記第1電動機の回転数が値0を含む所定のロック範囲内に含まれる状態であってもよい。
また、上記ハイブリッド自動車は、前記第2電動機の回転数を検出する第2の回転数検出手段と、前記設定された要求駆動力と前記検出された前記第2電動機の回転数とに基づいて前記第1電動機の目標回転数を算出する目標回転数算出手段とを更に備えてもよく、前記ロック予測手段は、前記算出された前記第1電動機の目標回転数が前記ロック範囲内に含まれるときに前記第1電動機が前記ロック状態となると予測するものであってもよい。これにより、第1電動機がロック状態となるか否かをより適正に予測することが可能となる。
更に、前記ロック判定手段は、前記第1電動機が前記ロック状態にあると一旦判断すると、前記第1電動機の回転数が前記ロック範囲よりも広い値0を含む所定範囲外となるまで前記第1電動機が前記ロック状態にあると判断するものであってもよい。また、前記ロック予測手段は、前記ロック判定手段により前記第1電動機が前記ロック状態にはないと判断されているときに、前記第1電動機の回転数が前記所定範囲内に含まれると共に前記算出された前記第1電動機の目標回転数が前記ロック範囲内に含まれるときに前記第1電動機が前記ロック状態となると予測するものであってもよい。そして、前記ロック回避時制御手段は、前記第1電動機が前記ロック状態から脱するように該第1電動機に対するトルク指令を増加または減少側に補正するものであってもよい。
本発明によるハイブリッド自動車の制御方法は、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と車軸と回転軸との3軸に連結されると共に前記3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な第1電動機と、前記車軸または該車軸とは異なる他の車軸に動力を入出力可能な第2電動機と、前記第1および第2電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段とを備えるハイブリッド自動車の制御方法であって、
(a)前記第1電動機の回転数に基づいて該第1電動機が所定のロック状態にあるか否かを判定するステップと、
(b)前記第1電動機が前記ロック状態となるか否かを予測するステップと、
(c)ステップ(a)にて前記第1電動機が前記ロック状態にあると判断されたとき、およびステップ(a)にて前記第1電動機が前記ロック状態にはないと判断されると共にステップ(b)にて前記第1電動機が前記ロック状態となると予測されたときに、前記第1電動機が前記ロック状態から脱すると共に走行に要求される要求駆動力に基づく動力が前記車軸に出力されるように前記内燃機関と前記第1および第2電動機とを制御するステップと、
を含むものである。
この方法によれば、ロック判定手段の判定結果からは第1電動機のロック状態を回避するための制御を実行する必要がない場合であっても、ロック予測手段により第1電動機がロック状態となると予測されていれば、第1電動機のロック状態を回避するための制御が実行(続行)されることになる。従って、この方法によれば、第1電動機のロック状態を回避するための制御と通常の制御とが頻繁に繰り返されてしまうことを抑制して車両の挙動が乗員にとって不快なものとなるのを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。同図に示すハイブリッド自動車20は、エンジン22と、エンジン22の出力軸であるクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された車軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2等を潤滑・冷却するための潤滑冷却オイルを供給する機械式オイルポンプ55および電動オイルポンプ56と、ハイブリッド自動車20の全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下「ハイブリッドECU」という)70とを備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24により燃料噴射量や点火時期、吸入空気量等の制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22に対して設けられて当該エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号が入力される。そして、エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号や上記センサからの信号等に基づいてエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行う遊星歯車機構として構成されている。機関側回転要素としてのキャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、車軸側回転要素としてのリングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、動力分配統合機構30は、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側とにそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して最終的に駆動輪である車輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、何れも発電機として作動すると共に電動機として作動可能な周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介して二次電池であるバッテリ50と電力のやり取りを行う。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の何れか一方により発電される電力を他方のモータで消費できるようになっている。従って、バッテリ50は、モータMG1,MG2の何れかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになり、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されないことになる。モータMG1,MG2は、何れもモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流等が入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号等が出力される。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンを実行し、モータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。また、モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号等に基づいてモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からのバッテリ温度Tb等が入力されている。バッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70やエンジンECU24に出力する。更に、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量SOCも算出している。
機械式オイルポンプ55は、その回転軸がクランクシャフト26に連結されており、エンジン22により駆動されてオイルパン57に貯留されている冷却媒体としての潤滑冷却オイル(オートマチックトランスミッションフルード:ATF)を動力分配統合機構30や減速ギヤ35の機械部分、モータMG1およびMG2、インバータ41,42等に供給する。また、電動オイルポンプ56は、図示しない補機バッテリからの電力により駆動され、オイルパン57に貯留された潤滑冷却オイルを動力分配統合機構30や減速ギヤ35の機械部分、モータMG1およびMG2、インバータ41,42等に供給する。なお、オイルパン57には、そこに貯留されている潤滑冷却オイルの温度である油温Taftを検出する温度センサ58が設けられており、温度センサ58の検出値は、ハイブリッドECU70やモータECU40に送信される。
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッドECU70には、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)80からのイグニッション信号、シフトレバー81の操作位置であるシフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルストロークセンサ86からのブレーキペダルストロークBS、車速センサ87等からの車速V等が入力ポートを介して入力される。そして、ハイブリッドECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52等と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52等と各種制御信号やデータのやり取りを行っている。
上述のように構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクが計算され、この要求トルクに対応する動力がリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1とモータMG2とが制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御モードとしては、要求トルクに見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2から要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するように運転制御するモータ運転モード等がある。
ところで、ハイブリッド自動車20の走行中に回転数Nm1が値0を含む所定のロック範囲(−N0≦Nm1≦N0、例えばN0=50rpm)内に含まれたままとなるモータMG1のロック状態を生じると、何かの拍子にモータMG1の回転数Nm1が値0近傍でロックされてしまうことがある。そして、このようなロック状態にあるときにモータMG1に大きなトルクを出力させると、三相交流の1相に過大電流が流れてインバータ41が過熱してしまい、場合によってはインバータ41を破損させてしまうおそれもある。このため、実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1がロック状態にあるか否かを把握して当該ロック状態を回避することができるようにするために、モータECU40により図2のモータロック判定ルーチンが所定時間おきに実行される。
かかるモータロック判定ルーチンについて説明すると、このルーチンの開始に際してモータECU40の図示しないCPUは、モータMG1の回転数Nm1や図示しない電流センサからのインバータ41の各相の電流値、温度センサ58からの油温Taftといった判定に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS300)。次いで、入力したモータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1未満であるか否か、すなわち、回転数Nm1が所定範囲(−N1<Nm1<N1)内に含まれているか否かを判定する(ステップS310)。ここで、値N1は、上述のロック範囲を規定する値N0よりも大きな値(例えばN1=100rpm)として定められている。そして、回転数Nm1が値N1に基づく所定範囲内に含まれていなければ、モータMG1がロック状態にはなく当該ロック状態を回避するための制御が不要であるとみなして所定のモータロックフラグFlckを値0に設定し(ステップS380)、本ルーチンを一旦終了させる。一方、回転数Nm1が上記所定範囲内に含まれている場合には、更にモータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N0以下であるか否か、すなわち、回転数Nm1が上記ロック範囲内に含まれているか否かを判定する(ステップS320)。回転数Nm1の絶対値が値N0以下であり、回転数Nm1が上記ロック範囲内に含まれる場合には、所定のフラグFが値0であるか否かを判定し(ステップS330)、フラグFが値0であればモータECU40に含まれる図示しないタイマをオンすると共にフラグFを値1に設定する(ステップS340)。かかるステップS340の処理は、フラグFが値1であればスキップされる。続いて、ステップS300にて入力したインバータ41の各相の電流値と油温Taftとに基づいてモータMG1がロック状態にあるとみなすための判定時間trefを設定する(ステップS350)。実施例では、インバータ41の各相の電流値と油温Taftと判定時間trefとの関係が予め定められて判定時間設定用マップとしてモータECU40の図示しないROMに記憶されており、判定時間trefとしては、与えられた電流値と油温Taftとに対応したものが当該マップから導出・設定される。そして、タイマの計時時間(滞留時間)tと判定時間trefとを比較し(ステップS360)、計時時間tが判定時間tref以上であれば、モータMG1がロック状態にあるとみなしてモータロックフラグFlckを値1に設定し(ステップS370)、本ルーチンを一旦終了させる。また、計時時間tが判定時間tref未満であれば、その時点ではモータロックフラグFlckを値0に設定し(ステップS380)、本ルーチンを一旦終了させる。なお、上記モータロック判定ルーチンが実行される際に、ステップS310にて回転数Nm1が上記所定範囲内に含まれていても、ステップS320にて回転数Nm1がロック範囲内にはないと判断された場合、タイマがリセットされると共にフラグFが値0に設定された上で一旦本ルーチンが終了させられ(ステップS390)、それによりモータロックフラグFlckの値は現在値に保持される。これにより、実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1の回転数Nm1がロック範囲内に含まれてステップS350にて設定される判定時間trefが経過した時点でモータMG1がロック状態にあるとみなされてモータロックフラグFlckが値1に設定されることになる。また、モータロックフラグFlckが値1に設定されているときに、回転数Nm1が上記ロック範囲に含まれなくなってもモータロックフラグFlckは直ちに値1に設定されることはなく、ステップS310にて回転数Nm1が値N1に基づく所定範囲内に含まれていないと判断された時点でモータロックフラグFlckが値1に設定されることになる。
続いて、上述のハイブリッド自動車20の動作、特にモータMG1の回転数Nm1が値0に近い範囲内にあるときの動作について説明する。図3は、ハイブリッドECU70により所定時間おきに(例えば、数msecおきに)実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図3の駆動制御ルーチンの開始に際して、ハイブリッドECU70のCPU72は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ87からの車速V、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2、充放電要求パワーPb*、バッテリ50の充放電に許容される電力である入出力制限Win,Wout、モータECU40のタイマの計時時間(滞留時間)t,モータロックフラグFlckの値といった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2や、計時時間t、モータロックフラグFlckの値は、モータECU40から通信により入力するものとした。また、充放電要求パワーPb*は、バッテリ50の残容量SOC等に基づいてバッテリECU52によってバッテリ50を充放電すべき電力として設定されるものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。同様に、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の温度Tbとバッテリ50の残容量SOCとに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
ステップS100のデータ入力処理の後、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動輪たる車輪39a,39bに連結された車軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定した上で、エンジン22に要求される要求パワーPe*を設定する(ステップS110)。実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係が予め定められて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶されており、要求トルクTr*としては、与えられたアクセル開度Accと車速Vとに対応したものが当該マップから導出・設定される。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。また、実施例において、要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものと充放電要求パワーPb*とロスLossとの総和として計算される。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、図示するようにモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除するか、あるいは車速Vに換算係数kを乗じることによって求めることができる。次いで、ステップS110にて設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22が効率よく運転されるようにエンジン22の目標運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS120)。実施例では、予め定められたエンジン22を効率よく動作させるための動作ラインと要求パワーPe*とに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定するものとした。図5に、エンジン22の動作ラインと目標回転数Ne*と目標トルクTe*との相関曲線とを例示する。同図に示すように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とは、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定となることを示す相関曲線との交点から求めることができる。こうしてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定したならば、目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρ(サンギヤ31の歯数/リングギヤ32の歯数)とを用いた次式(1)の計算を実行してモータMG1の目標回転数Nm1*を設定する(ステップS130)。かかる式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図6に例示する。図中、左側のS軸はモータMG1の回転数Nm1に一致するサンギヤ31の回転数を示し、中央のC軸はエンジン22の回転数Neに一致するキャリア34の回転数を示し、右側のR軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。また、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1からトルクTm1を出力したときにこのトルク出力によりリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。モータMG1の目標回転数Nm1*を求めるための式(1)は、この共線図における回転数の関係を用いれば容易に導出することができる。
Nm1* = Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) …(1)
次に、ステップS100にて入力したモータロックフラグFlckが値0であるか否か、すなわちモータMG1がロック状態にはないか否かを判定する(ステップS140)。モータロックフラグFlckが値1であり、モータECU40側でモータMG1がロック状態にあると判断されている場合には、更にステップS100にて入力したモータMG1の回転数Nm1が正の値であるか否かを判定する(ステップS170)。そして、回転数Nm1が正の値であればモータMG1の目標回転数Nm1*を上述の値N1(例えば100rpm)に再設定し(ステップS180)、回転数Nm1が負の値であればモータMG1の目標回転数Nm1*を値−N1に再設定する(ステップS190)。これにより、目標回転数Nm1*がロック範囲内の値として設定されるのを回避することが可能となる。こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*を再設定したならば、モータMG1をロック状態から脱出させるためのトルク指令Tm1*に対する補正値であるロック脱出トルクToutを設定する(ステップS200)。ステップS200では、まずモータMG1の回転数Nm1がロック範囲内に含まれている時間である滞留時間すなわちモータECU40のタイマの計時時間tに基づいて仮脱出トルクTtmpを設定する。実施例では、図7に例示するような滞留時間と仮脱出トルクTtmpとの関係を規定する仮脱出トルク設定用マップがROM74に記憶されており、この仮脱出トルク設定用マップを用いて仮脱出トルクTtmpが設定される。図7に例示する仮脱出トルク設定用マップは、滞留時間が長くなるほど仮脱出トルクTtmpを大きな値に設定するように作成されており、これにより、モータMG1のトルクの変動をできるだけ最小限になるようにしながら回転数Nm1をロック範囲から脱出させることが可能となる。そして、目標回転数Nm1*と回転数Nm1とを比較し、目標回転数Nm1*が回転数Nm1以上であれば、仮脱出トルクTtmpをそのままロック脱出トルクToutとして設定し、目標回転数Nm1*が回転数Nm1未満であれば仮脱出トルクTtmpに値−1を乗じたものをロック脱出トルクToutとして設定する。これにより、回転数Nm1をより迅速にロック範囲外の値とするようにロック脱出トルクToutを設定することができる。続いて、ステップS120にて設定したエンジン22の目標トルクTe*に基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*の設定に用いられる基準トルクTbsを設定する(ステップS210)。実施例において、基準トルクTbsは、次式(2)に従い、目標トルクTe*をエンジン22に出力させたときに動力分配統合機構30のサンギヤ31に作用するトルクを押さえるトルクとして設定される。なお、式(2)も図6の共線図から容易に導出することができる。更に、次式(3)に従い、モータMG1のトルク指令Tm1*を基準トルクTbsと目標回転数Nm1*と回転数Nm1との偏差を打ち消すフィードバック項(比例項および積分項)とロック脱出トルクToutとの和として導出・設定する(ステップS220)。なお、式(3)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Tbs = -ρ・Te*/(1+ρ) …(2)
Tm1* = Tbs+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt+Tout …(3)
ステップS220にてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定したならば、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと、トルク指令Tm1*と現在のモータMG1の回転数Nm1との積として得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で除することによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(4)および式(5)を用いて計算する(ステップS230)。次いで、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとに基づいてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを次式(6)を用いて計算し(ステップS240)、モータMG2のトルク指令Tm2*をステップS230にて計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値として設定する(ステップS250)。このようにしてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、車軸としてのリングギヤ軸32aに出力するトルクをバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(6)も図6の共線図から容易に導出することができる。こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定したならば、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*をエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS260)、再度ステップS100以降の処理を実行する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを得るための制御を実行する。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*を用いてモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*を用いてモータMG2が駆動されるようにインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
Tmin = (Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(4)
Tmax = (Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(5)
Tm2tmp = (Tr*+Tm1*/ρ)/Gr …(6)
一方、ステップS140にてモータロックフラグFlckが値0であり、モータECU40側でモータMG1がロック状態にはないと判断されている場合には、更にステップS100にて入力したモータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1未満であるか否か、すなわち回転数Nm1が上記所定範囲(−N1<Nm1<N1)内に含まれているか否かを判定する(ステップS150)。そして、回転数Nm1が値N1に基づく所定範囲内に含まれていなければ、ロック脱出トルクToutを値0に設定し(ステップS270)、ステップS210以降の処理を実行する。すなわち、モータロックフラグFlckが値0であってモータECU40側でモータMG1がロック状態にはないと判断されており、かつ回転数Nm1が値N1に基づく所定範囲内に含まれていなければ、モータMG1は確実にロック状態にはないことになるので、この場合には、ロック脱出トルクによるトルク指令Tm1*の補正を伴わない通常の制御が実行されることになる。また、ステップS150にて回転数Nm1が値N1に基づく所定範囲内に含まれていると判断された場合には、更にステップS130にて設定したモータMG1の目標回転数Nm1*の絶対値が値N0以下であるか否か、すなわちモータMG1の目標回転数Nm1*がロック範囲内に含まれているか否かを判定する(ステップS160)。ステップS160にてモータMG1の目標回転数Nm1*がロック範囲内に含まれていないと判断された場合には、回転数Nm1が値N1に基づく所定範囲内に含まれていたとしても、その後に回転数Nm1がロック範囲内に含まれる可能性が低い。従って、この場合には、ロック脱出トルクToutを値0に設定し(ステップS270)、ステップS210以降の処理(通常の制御)を実行する。これに対して、ステップS160にてモータMG1の目標回転数Nm1*がロック範囲内に含まれていると判断された場合には、その後に回転数Nm1がロック範囲内に含まれてモータMG1がロック状態となる可能性がある。従って、この場合には、ステップS170以降の処理、すなわちロック脱出トルクによるトルク指令Tm1*の補正を伴ったロック状態を回避するための制御が実行されることになる。
以上説明したように、実施例のハイブリッド自動車20では、回転位置検出センサ43の検出値から計算される回転数Nm1に基づいてモータECU40によりモータMG1が所定のロック状態にあると判断されてモータロックフラグFlckが値1に設定されると(図2のステップS370、ステップS140)、モータMG1がロック状態から脱すると共に走行に要求される要求トルクTr*に基づくトルクが車軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される(ステップS170〜S260)。また、モータECU40側でモータMG1がロック状態にはないと判断されてモータロックフラグFlckが値0に設定されていても、ステップS160にてモータMG1の目標回転数Nm1*がロック範囲内に含まれていると判断された場合には、モータMG1がロック状態から脱すると共に走行に要求される要求トルクTr*に基づくトルクが車軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される(ステップS170〜S260)。すなわち、ハイブリッド自動車20では、ステップS160(図3)にてステップS130にて設定したモータMG1の目標回転数Nm1*に基づいてモータMG1がロック状態となるか否かを実質的に予測しており、その予測結果とモータECU40によるモータMG1のロック判定の結果との双方に基づいてロック脱出トルクによるトルク指令Tm1*の補正を伴ったロック状態を回避するための制御が実行されるのである。そして、モータECU40によるモータMG1のロック判定の結果からはモータMG1のロック状態を回避するための制御を実行する必要がない場合であっても、ステップS160にてモータMG1がロック状態となると予測されていれば、ステップS170以降のモータMG1のロック状態を回避するための制御が続行されることになる。従って、実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1のロック状態を回避するための制御(ステップS170〜S260)と通常の制御(ステップS270、S210〜S260)とが頻繁に繰り返されてしまうことを抑制して車両の挙動が乗員にとって不快なものとなるのを抑制することができる。また、実施例のハイブリッド自動車20では、モータECU40側でモータMG1がロック状態にはないと判断されてモータロックフラグFlckが値0に設定されている最中に目標回転数Nm1*に基づいてモータMG1がロック状態となると予測されると、ロック脱出トルクによるトルク指令Tm1*の補正を伴ったロック状態を回避するための制御が実行されることから、モータMG1がロック状態となることを良好に抑制したり、より迅速にモータMG1をロック状態を脱出させたりすることが可能となる。
更に、上記実施例のように、要求トルクTr*から定まるエンジン22の目標トルクTe*と回転位置検出センサ44の検出値から計算されるモータMG2の回転数Nm2とからモータMG1の目標回転数Nm1*を設定し、設定した目標回転数Nm1*が上記ロック範囲内に含まれるときにモータMG1がロック状態となる可能性があるとみなせば、モータMG1がロック状態となるか否かをより適正に予測することが可能となる。更に、上記実施例のように、また、モータMG1の回転数Nm1が値N1に基づく所定範囲内に含まれると共に目標回転数Nm1*がロック範囲内に含まれるときにモータMG1がロック状態となる可能性があるとみなせば、ロック状態の予測精度をより一層向上させることが可能となる。更に、図2のモータロック判定ルーチンでは、モータMG1がロック状態にあると一旦判断されると、モータMG1の回転数Nm1がロック範囲よりも広い値0を含む所定範囲(−N1<Nm1<N1)外となるまでモータMG1がロック状態にあるものとしてモータロックフラグFlckが値1に設定されるので、これによっても、モータMG1のロック状態を回避するための制御と通常の制御とが頻繁に繰り返されてしまうことを抑制することができる。
なお、実施例のハイブリッド自動車20は、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aに接続された車軸に出力するものであるが、本発明の適用対象は、これに限られるものでもない。すなわち、本発明は、図8に示す変形例としてのハイブリッド自動車20Aのように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aに接続された車軸(車輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図8における車輪39c,39dに接続された車軸)に出力するものに適用されてもよい。
ここで、上記実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明しておく。すなわち、エンジン22が「内燃機関」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG1が「第1電動機」に相当し、モータMG2が「第2電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、回転位置検出センサ43やモータECU40が「回転数検出手段」に相当し、図2のモータロック判定ルーチンを実行するモータECU40が「ロック判定手段」に相当し、図3の駆動制御ルーチンを実行するハイブリッドECU70が「ロック予測手段」、「要求駆動力設定手段」および「ロック回避時制御手段」に相当する。また、回転位置検出センサ44やモータECU40が「第2の回転数検出手段」に相当し、図3の駆動制御ルーチンを実行するハイブリッドECU70が「目標回転数算出手段」に相当する。なお、これら実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行われるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明は、自動車の製造産業等において利用可能である。
本発明の一実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。 実施例のモータECU40により実行されるモータロック判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 実施例のハイブリッドECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインと目標回転数Ne*と目標トルクTe*との相関曲線とを例示する説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を例示する説明図である。 仮脱出トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 変形例に係るハイブリッド自動車20Aの概略構成図である。
符号の説明
20,20A ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a〜39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、55 機械式オイルポンプ、56 電動オイルポンプ、57 オイルパン、58 温度センサ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルストロークセンサ、87 車速センサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (5)

  1. 内燃機関と、
    前記内燃機関の出力軸と車軸と回転軸との3軸に連結され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記回転軸に動力を入出力可能な第1電動機と、
    前記車軸または該車軸とは異なる他の車軸に動力を入出力可能な第2電動機と、
    前記第1および第2電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
    前記第1電動機の回転数を検出する回転数検出手段と、
    前記検出された前記第1電動機の回転数に基づいて該第1電動機が所定のロック状態にあるか否かを判定するロック判定手段と、
    前記第1電動機が前記ロック状態となるか否かを予測するロック予測手段と、
    走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記第2電動機の回転数を検出する第2の回転数検出手段と、
    前記設定された要求駆動力と前記検出された前記第2電動機の回転数とに基づいて前記第1電動機の目標回転数を算出する目標回転数算出手段と、
    前記ロック判定手段により前記第1電動機が前記ロック状態にあると判断されたとき、および前記ロック判定手段により前記第1電動機が前記ロック状態にはないと判断されると共に前記ロック予測手段により前記第1電動機が前記ロック状態となると予測されたときに、前記第1電動機が前記ロック状態から脱すると共に前記設定された要求駆動力に基づく動力が前記車軸に出力されるように前記内燃機関と前記第1および第2電動機とを制御するロック回避時制御手段と、
    を備え
    前記ロック状態は、前記第1電動機の回転数が値0を含む所定のロック範囲内に含まれる状態であり、前記ロック予測手段は、前記算出された前記第1電動機の目標回転数が前記ロック範囲内に含まれるときに前記第1電動機が前記ロック状態となると予測するハイブリッド自動車。
  2. 前記ロック判定手段は、前記第1電動機が前記ロック状態にあると一旦判断すると、前記第1電動機の回転数が前記ロック範囲よりも広い値0を含む所定範囲外となるまで前記第1電動機が前記ロック状態にあると判断する請求項に記載のハイブリッド自動車。
  3. 前記ロック予測手段は、前記ロック判定手段により前記第1電動機が前記ロック状態にはないと判断されているときに、前記第1電動機の回転数が前記所定範囲内に含まれると共に前記算出された前記第1電動機の目標回転数が前記ロック範囲内に含まれるときに前記第1電動機が前記ロック状態となると予測する請求項に記載のハイブリッド自動車。
  4. 前記ロック回避時制御手段は、前記第1電動機が前記ロック状態から脱するように該第1電動機に対するトルク指令を増加または減少側に補正する請求項1からの何れかに記載のハイブリッド自動車。
  5. 内燃機関と、該内燃機関の出力軸と車軸と回転軸との3軸に連結されると共に前記3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な第1電動機と、前記車軸または該車軸とは異なる他の車軸に動力を入出力可能な第2電動機と、前記第1電動機の回転数を検出する回転数検出手段と、前記第2電動機の回転数を検出する第2の回転数検出手段と、前記第1および第2電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段とを備えるハイブリッド自動車の制御方法であって、
    (a)前記回転数検出手段により検出された前記第1電動機の回転数に基づいて該第1電動機が所定のロック状態にあるか否かを判定するステップと、
    (b)前記第1電動機が前記ロック状態となるか否かを予測するステップと、
    (c)ステップ(a)にて前記第1電動機が前記ロック状態にあると判断されたとき、およびステップ(a)にて前記第1電動機が前記ロック状態にはないと判断されると共にステップ(b)にて前記第1電動機が前記ロック状態となると予測されたときに、前記第1電動機が前記ロック状態から脱すると共に走行に要求される要求駆動力に基づく動力が前記車軸に出力されるように前記内燃機関と前記第1および第2電動機とを制御するステップと、
    を含み、
    前記ロック状態は、前記第1電動機の回転数が値0を含む所定のロック範囲内に含まれる状態であり、ステップ(b)は、前記要求駆動力と前記第2の回転数検出手段により検出された前記第2電動機の回転数とに基づいて算出された前記第1電動機の目標回転数が前記ロック範囲内に含まれるときに前記第1電動機が前記ロック状態となると予測するハイブリッド自動車の制御方法。

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