JP4784487B2 - 搬送設備 - Google Patents

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Description

本発明は、物品を載置して主搬送経路に沿って搬送する複数の物品支持体を備えた搬送設備に関するものである。
上記搬送設備の一例が、特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示されている搬送設備では、物品の搬送方向の上流端と下流端にそれぞれ回転自在に左右一対のスプロケットを配置し、これら上流端と下流端の左右一対のスプロケットにそれぞれ左右一対の駆動チェーンを張設し、これら左右の駆動チェーン間に渡って前記物品を支持する複数のスラットを設け、前記駆動チェーンを駆動することによって、スラットを搬送方向へ移動させ、スラットに支持された物品を搬送している。
また各スラットにそれぞれ、このスラットに外嵌して案内されスラット上の物品の側方に作用し、物品を左右方向へ移動させる移動シューを設け、前記各移動シューの下部にそれぞれ、外周に磁性体が取り付けられたガイドホイールを設けている。
そして、スラットが物品の搬送方向へ移動する搬送領域の搬送面に位置する領域に、各移動シューをガイドホイールの磁性体に作用する電磁石を使用してスラットに案内することにより、スラット上の物品の側方に移動シューを作用させて物品を左右方向へ移動させ、下流のコンベヤ(分岐経路)へ仕分ける仕分け機構を設けている。
また前記搬送領域の搬送面とは反対側に位置する戻り領域に、ガイドホイールに作用してスラットをスラット長手方向の左右いずれかの端部に振り分けるシュー振分装置を設けている。
このシュー振分装置は、ガイドホイールを案内するシューセンタリングガイドレールと、ガイドホイールを案内して前記シューセンタリングガイドレールからスラットの左右の端部に分岐する分岐ガイドレールと、これら分岐ガイドレールの入口近傍に配置された複数の電磁石を備え、ガイドホイール(移動シュー)を一方の分岐ガイドレールへ分岐するときに前記電磁石へ通電し、他方の分岐ガイドレールへ分岐するときに電磁石へ通電しない構成としている。
実用新案登録第2576862号公報
しかし、従来の搬送設備では、電磁石によりガイドホイールに作用して移動シューを振り分けているが、移動シュー自体に異常があるとき、移動シューが正常に振り分けられているかどうかは不明であり、またこのような異常のある移動シューにより、仕分け機構を使用して物品を分岐経路へ仕分ける際に、仕分けが正常に実行されない恐れがある。
そこで、本発明は、物品横押し体(移動シュー)が、往路案内装置(仕分け機構)において正常に動作するか否かを物品の仕分け作業前に確認できる搬送設備を提供することを目的としたものである。
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品の搬送方向の上流端と下流端にそれぞれ回転自在に左右一対の輪体を配置し、これら上流端と下流端の左右一対の輪体にそれぞれ左右一対の無端回動体を張設し、これら左右の無端回動体間に渡って前記物品を支持する複数の物品支持体を設け、前記無端回動体を駆動することによって、前記物品支持体を前記搬送方向へ移動させ、前記物品支持体に支持された物品を前記搬送方向へ搬送する搬送設備であって、前記各物品支持体にそれぞれ、この物品支持体に外嵌して案内され物品支持体上の物品の側方に作用する物品横押し体を設け、前記各物品横押し体の下部にそれぞれ、その少なくとも最外層が磁性体により構成された被案内体を設け、前記物品支持体が前記搬送方向へ移動する往路に、前記各物品横押し体を、前記被案内体の磁性体に作用する電磁石を使用して前記物品支持体に案内することにより、前記物品支持体上の物品の側方に前記物品横押し体を作用させて前記物品を左右方向へ移動させる往路案内装置を設け、前記物品支持体が前記搬送方向と逆の方向へ移動する復路に、前記各物品横押し体が、前記往路案内装置により作用されて左右方向へ移動可能か否かを確認する確認手段を設けたことを特徴とするものである。
上記構成によれば、各物品横押し体が復路を移動中に、確認手段により各物品横押し体が往路案内装置により作用されて左右方向へ移動可能か否かが確認され、往路案内装置により物品の仕分けが正常に実行されるかどうかが確認される。
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記復路に、前記往路案内装置により移動された前記物品横押し体を左右方向の一方の側に移動させて揃える復路案内装置を設け、前記確認手段は、この復路案内装置により揃えられた前記物品横押し体の移動経路にバイパス経路を設け、前記バイパス経路の入口に前記物品横押し体の被案内体の磁性体に作用して前記物品横押し体を前記バイパス経路へ導く電磁石を設け、前記バイパス経路へ移動した前記物品横押し体を、前記往路案内装置により作用されて左右方向へ移動可能な正常な物品横押し体と判断することを特徴とするものである。
上記構成によれば、復路案内装置により揃えられた物品横押し体が、電磁石が被案内体の磁性体に作用することにより、バイパス経路へ導かれると、この物品横押し体は正常と判断され、電磁石が被案内体の磁性体に作用してもバイパス経路へ導かれないとき、この物品横押し体は異常と判断される。
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記電磁石への通電は、前記無端回動体の起動指令または前記無端回動体が所定速度となることにより実行され、前記無端回動体の停止指令により停止されることを特徴とするものである。
上記構成によれば、無端回動体の停止指令により電磁石の通電が停止されることにより、前記停止指令が出力されてから実際に無端回動体が停止するまでの間、物品横押し体は、バイパス経路へ導かれることなく移動し、物品横押し体が停止したときに電磁石に吸い付いたまま物品横押し体(被案内体の磁性体)が残り、磁化されることが防止される。
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明であって、前記確認手段は、前記上流端の輪体に接近して配置されていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、確認手段は復路側で、上流端の輪体に接近して配置されることにより、物品支持体が往路側に移動して実際に物品が載せられる直前で、物品横押し体は正常か異常かが判断される。
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記確認手段により、前記往路案内装置により作用されて左右方向へ移動可能ではない異常な物品横押し体と判断すると、この異常な物品横押し体を案内する物品支持体に、前記物品を載置しないことを特徴とするものである。
上記構成によれば、異常な物品横押し体を案内する物品支持体に、物品を載置しないことにより、物品横押し体による物品の仕分けに異常が生じることが回避される。
本発明の搬送設備は、各物品横押し体が往路案内装置により作用されて左右方向へ移動可能か否かを、確認手段によって確認することにより、往路案内装置により仕分けが正常に実行されるかどうかを事前に確認できる、という効果を有している。
以下、本発明の実施の形態を図面の図1〜図10に基づいて説明する。なお、搬送設備の一例として、転換設備を説明する。
物品Dの搬送方向を長手方向としてこの長手方向と平行に対向して本体フレーム1が配置されており、本体フレーム1は、主搬送経路Aに沿って左右に配置された左右一対の上位フレーム材10と、上位フレーム材10と対向してその下方に配置された左右一対の下位フレーム材20と、下位フレーム材20から下方に連設した脚体3群と、上位フレーム材10と下位フレーム材20との間を上下で連結する複数の縦連結部材4と、左右の上位フレーム材10間を左右で連結し、左右の下位フレーム材20間を左右で連結する複数の横連結部材5などにより構成される。
上位フレーム材10には、長さ方向の全長に亘って内側に、後述する物品支持体50を支持案内する往路側案内レール部18(図8)が形成され、また下位フレーム材20には、長さ方向の全長に亘って中間内側に、物品支持体50を支持案内する復路側案内レール部21(図8)が形成され、この復路側案内レール部21の上方に位置して、物品支持体50の横向き案内面となる上端延長部22(図8)が形成されている。
また上位フレーム材10と下位フレーム材20との間には、側部外方を覆う、障子落とし込み形式の側カバー(側部カバー)8が設けられ、側カバー8の外面には操作用の把手9が設けられている。
上記のように構成された本体フレーム1の搬送方向上流端(始端部)には左右方向に従動軸30が回転自在に配設され、また本体フレーム1の搬送方向下流端(終端部)には左右方向に駆動軸31が回転自在に配設され、駆動軸31に駆動装置34が連動連結されている。駆動装置34は、電動機35と、これに一体化した減速機36とからなり、この減速機36の出力部が前記駆動軸31に連動連結されている。
前記従動軸30の両端には相対向して、左右一対の従動用スプロケット(輪体の一例)38が連結され、また前記駆動軸31の両端には相対向して、左右一対の駆動用スプロケット(輪体の一例)39が連結されており、駆動用スプロケット39は、駆動軸(回転軸)31に連結された駆動装置34により駆動される。
そして、これら搬送方向上流端に回転自在に設けた左右の従動用スプロケット38と搬送方向下流端に回転自在に設けた左右の駆動用スプロケット39との間にそれぞれ、左右一対の無端チェーン(無端回動体の一例)40が張設されている。これら左右一対の無端チェーン40の長さはそれぞれ、上流端の従動用スプロケット38と下流端の駆動用スプロケット39との間を往復する長さに一定の長さを加えた長さとしており、無端チェーン40に一定の弛み(ゆとり)を持たせている。
この無端チェーン40の弛みは、無端チェーン40の往路側には、構造上表れないが、下流端の駆動用スプロケット39から戻るときに表れ、復路側の無端チェーン40に予め弛みを持たせた構成となり、この弛みを原因として下流端の駆動用スプロケット39の下方に位置する復路側の無端チェーン40は下垂しようとする。この復路側の無端チェーン40の下垂を防止する下垂防止手段が、図6に示すように、下位フレーム材20の搬送方向下流側に設けられている。下垂防止手段は、例えば案内用スプロケット42、支持板43、ベルト体45、バランスウエイト46などから構成されている。下垂防止手段の詳細な説明は省略する。
また上記左右の無端チェーン40間に渡って物品Dを支持する物品支持体(スラット)50が等間隔で複数取り付けられている。
前記物品支持体50は、両無端チェーン40の移動方向となる主搬送経路Aに対して直交した方向を長さ方向51として配設されており、各物品支持体50にはそれぞれ、この物品支持体50に外嵌して案内されることで前記長さ方向51に移動自在で、物品支持体50上の物品Dの側方に作用する物品横押し体52が設けられている。
各物品横押し体52の下部側には、ローラ軸53が垂設され、このローラ軸53の突出下部に、案内ローラ(被案内体の一例)54が遊転自在に取り付けられ、その際にローラ軸53は、案内ローラ54に対して所定長さ下方に突出するように構成されている。また案内ローラ54は、少なくとも最外層(外周)が磁性体54aにより構成されている。
また前記物品支持体50は、型レール状に構成されており、長さ方向51の両端には、それぞれ外方へ突出する筒状体56が取り付けられている。この筒状体56に無端チェーン40をピン等を使用して結合することで、物品支持体50の両端が、それぞれ無端チェーン40に連結されている。また前記各筒状体56には、外周部がウレタンからなる回転体57が外嵌され、これら回転体57は、前記上位フレーム材10の往路側案内レール部18と下位フレーム材20の復路側案内レール部21の上向き支持面に支持案内される。また物品支持体50の両端部には外周部がウレタンからなるサイドローラ58が遊転自在に設けられ、これらサイドローラ58は、上位フレーム材10の往路側案内レール部18の横向き案内面と下位フレーム材20の上端延長部22の横向き案内面に案内される。
また図4および図5に示すように、本体フレーム1の片側外方には、主搬送経路Aに対して外方かつ下手側へと傾斜した複数の分岐経路B,Cを形成する分岐コンベヤ85が設けられる。これら分岐コンベヤ85は、コンベヤフレームに多数のローラを支持させることで構成される。
そして、複数の分岐経路B,C毎にそれぞれ、図9に示すように、物品支持体50が物品Dの搬送方向へ移動する往路で、かつ上位フレーム材10に連結される横連結部材5上に、各物品横押し体52を、案内ローラ54の磁性体54aに作用する電磁石(後述する)を使用して物品支持体50に案内することにより、物品支持体50上の物品Dの側方に物品横押し体52を作用させて物品Dを左右方向へ移動させる往路案内装置90が配設されている。
この往路案内装置90は、複数の分岐経路B,C毎に設けられており、始端部の片側(分岐経路B,Cとは反対の側)に設けられ、物品横押し体52の案内ローラ54を案内する始端案内部91と、この始端案内部91の終端に配置され、物品横押し体52を直進または内側方向へ振り分ける振り分け手段92と、振り分け手段92により振り分けられた物品横押し体52の案内ローラ54を案内する、下手側ほど内側へと傾斜し、他方の側(分岐経路B,C側)へ到る移動案内部93と、この移動案内部93の終端に配設され、物品横押し体52の案内ローラ54を直進案内する終端案内部94と、前記振り分け手段92より振り分けされず直進する物品横押し体52の案内ローラ54を案内する直線状の中間案内部95とから構成されている。
前記振り分け手段92は、図10に詳細に示すように、案内ローラ54の磁性体54aに吸着作用を及ぼして、案内ローラ54を始端案内部91から移動案内部93へ吸引する吸引装置101と、移動案内部93側へ吸引された案内ローラ54のローラ軸53の下端部を案内する始端部ガイド102から構成され、前記始端部ガイド102に連続して上記移動案内部93が設けられている。また、吸引装置101はそれぞれ、前後一対の永久磁石101a,101bと、これら両永久磁石101a,101b間に設けられた電磁石101cとで構成されている。上記振り分け手段92の電磁石101cへ流す電流をオン・オフすることにより、案内ローラ54の磁性体54aに及ぼす電磁石101cの吸着作用を制御して、物品Dの搬送・分岐が制御される。
また図1に示すように、物品支持体50が物品Dの搬送方向と逆の方向へ移動する復路で、かつ下位フレーム材20の横連結部材5上には、往路案内装置90により移動された物品横押し体52を左右方向の一方の側に移動させて揃える復路案内装置96が配設されている。この復路案内装置96は、物品横押し体52の案内ローラ54を前記片側(分岐経路B,Cとは反対の側)へ戻す(案内する)、他方の側(分岐経路B,C側)から下手側ほど内側へと傾斜し片側(分岐経路B,Cとは反対の側)へ到る移動案内部97と、この移動案内部97の終端に配設され、物品横押し体52の案内ローラ54を直進案内するリターン案内部(レール)98とから構成されている。
そして、この復路案内装置96の下流側(復路の従動軸30側)で、上流端の従動用スプロケット38に接近して、各物品横押し体52が、往路案内装置90により作用されて左右方向へ移動可能か否かを確認する(チェックする)チェック装置(確認手段の一例)60が配置されている。
チェック装置60は、図1に示す第1磁気センサ61およびチェック装置本体62と、図3に示すコントローラ71とから構成されている。
第1磁気センサ61は、復路案内装置96により揃えられた物品横押し体52の案内ローラ54が移動するリターン案内部(レール)98に沿って下位フレーム材20から内方へ突出するプレート61aに垂設され、通過している(チェックする)物品横押し体52を特定するために、物品横押し体52のローラ軸53を検出する。
またチェック装置本体62は、左右の下位フレーム材20間の横連結部材5の下方に取り付けられたプレート62aに配置され、復路案内装置96により揃えられた物品横押し体52の移動経路、すなわちリターン案内部(レール)98に案内されて物品横押し体52が直進する直進経路63に、物品横押し体52のバイパス経路64を設定している。そして、チェック装置本体62は、リターン案内部(レール)98に続いて配置され、物品横押し体52の案内ローラ54を案内する樹脂製の入口案内部68と、バイパス経路64の入口近傍に、物品横押し体52の案内ローラ54の磁性体54aに作用して物品横押し体52をバイパス経路64へ導く吸引装置65と、吸引装置65により吸引された物品横押し体52の案内ローラ54を導き、バイパス経路64を形成するバイパス案内部(レール)66と、バイパス案内部66に案内されて移動する物品横押し体52のローラ軸53を上方から検出する第2磁気センサ67から形成されている。また上記吸引装置65はそれぞれ、上流側の一対の電磁石65a,65bと、これら両電磁石65a,65bの下流側に設けられた永久磁石65cとで構成されている。
またバイパス案内部(レール)66の下流側部に対向して、吸引装置65によりバイパス経路64へバイパスされずに直進経路63を進んだ物品横押し体52の案内ローラ54を案内し、またバイパス経路64へバイパスされて合流した物品横押し体52の案内ローラ54を案内する下流案内部(レール)69が設けられている。
前記コントローラ71は、コンピュータからなり、吸引装置65の一対の電磁石65a,65bへの通電を制御し、バイパス経路64へ移動したか否かにより、物品横押し体52が、往路案内装置90により作用されて左右方向へ移動可能な否か、すなわち正常な物品横押し体52かどうかを判定している。
このコントローラ71は、図3に示すように、無端チェーン40を起動する起動スイッチ25の操作による起動指令によりセットされ、無端チェーン40を停止する停止スイッチ26の操作による停止指令によりリセットされるフリップフロップ73と、このフリップフロップ73がセット時、所定時間γでオンとなり一対の電磁石65a,65bへ通電信号を出力するタイマー72と、第1磁気センサ61により検出される物品横押し体52のローラ軸53の通過パルスをカウントすることにより、予め物品支持体50に順に付されたシリアル・ナンバーを特定するカウンタ74(但し、最大シリアル・ナンバーを超えるとナンバー1に戻る)と、カウンタ74のカウント値が変わったことを実行条件として、基準パルス列をカウントし、所定のパルス数αをカウントすると一定時間パルスを出力するタイマー75と、前記タイマー72から通電信号が出力されていることを実行条件として、タイマー75からパルスが出力されている間に、第2磁気センサ67により検出される物品横押し体52のローラ軸53の通過パルスを検出するかどうかにより、カウンタ74により特定されるシリアル・ナンバーの物品支持体50の物品横押し体52がバイパス経路64を通過したかどうか、すなわち正常かどうかを判定し、異常と判定した場合にはそのシリアル・ナンバーを出力する判定部76を備えている。前記タイマー72の所定時間γは、起動指令が入力されてから(フリップフロップ73がセットされてから)無端チェーン40の速度が所定の速度となるまでの時間に設定されており、上記フリップフロップ73およびタイマー72の動作により、電磁石65a,65bへの通電は、無端チェーン40が所定速度となることにより実行され、無端チェーン40の停止指令により停止される。
なお、上記判定部74より異常と判定されたシリアル・ナンバーの物品支持体50には、物品Dを載せることがないように、物品支持体50への物品Dの切り出しが制御される。すなわち、前記往路案内装置90により作用されて左右方向へ移動可能ではない異常な物品横押し体52と判断されると、この異常な物品横押し体52を案内する物品支持体50に、物品Dを載置しないようにしている。
またタイマー75の所定のパルス数αは、物品横押し体52が第1磁気センサ61の位置から第2磁気センサ67の位置まで到達するまでのパルス数に相当する。
またタイマー75のカウントアップが終了するまでに、カウンタ74のカウント値が変わると、別途、第2のタイマー(図示せず)により基準パルス列をカウントする必要があり、この第2のタイマーと第2磁気センサ67により検出される通過パルスにより、シリアル・ナンバーが増加した物品支持体50の物品横押し体52が正常かどうかを判定する。
また前記起動スイッチ25の起動指令と停止スイッチ26の停止指令はともに駆動装置34へ入力されており、駆動装置34は起動指令を入力すると、所定の加速度で電動機35の速度を増加し、無端チェーン40の速度を所定の加速度で所定の速度まで立上げ、また停止指令を入力すると、所定の減速度で電動機35の速度を落とし、例えば3〜4秒かけて無端チェーン40を停止する。なお、電動機35を急停止すると、駆動軸31は停止するが、従動軸30は慣性力により回転を続けるため、無端チェーン40は下流側へ移動し、下流端には、物品支持体50が折り重なってしまうという不具合が発生する。
上記構成による、物品Dの搬送および分岐の動作を説明する。
起動スイッチ25の操作に基づいて、その起動指令により駆動装置34の電動機35を作動させ、減速機36に連動した駆動軸31を介してスプロケット39を強制回転させることで、両無端チェーン40を移動し得る。この両無端チェーン40の移動によって物品支持体50群を、回転体57を介して両案内レール部18,21の上向き支持面に支持案内させるとともに、サイドローラ58を介して往路側案内レール部18および上端延長部22の横向き案内面に案内させることで、安定した状態で移動し得る。これにより物品支持体50群が循環移動することから、始端部の物品支持体50群上に供給された物品Dは主搬送経路Aに沿って搬送される。
このような搬送を行う際に、物品支持体50群と一体的に移動する物品横押し体52は、その案内ローラ54が案内装置90,96群に案内されることによって、物品支持体50の長さ方向51に往復移動したり、物品支持体50とともに主搬送経路Aに沿って直線状に移動したりする。その際に物品横押し体52の往復移動は、物品支持体50に案内される状態で、すなわち、好適な摺接摩擦が生じた状態で、ガタつきがなく、かつ姿勢(向き)を大きく変化させることなく、常に安定して行える。
すなわち、始端案内部91に案内されている案内ローラ54は、振り分け手段92の電磁石101cが磁力を発生しないとき(案内ローラ54の磁性体54aに吸着作用を及ぼさないとき)に直進案内され、そして中間案内部95に案内される状態で直進する。これにより物品横押し体52は物品Dに作用せず、この物品Dは主搬送経路A上を直進状に搬送される。
また、始端案内部91に案内されている案内ローラ54は、振り分け手段92の電磁石101cが案内ローラ54の磁性体54aに吸着作用を及ぼすとき、すなわち吸引装置101の電磁石101cが通電されたとき、吸引装置101の電磁石101cおよび永久磁石101a,101bの磁力によって始端案内部91から移動案内部93側へ吸引される。すると、先ず始端部ガイド102によりローラ軸53が案内され、引き続いて、案内ローラ54が移動案内部93へ案内され、この移動案内部93に案内されて内側へ移動されて終端案内部94に案内される。これにより物品横押し体52群は、搬送方向に移動しながら主搬送経路Aを横切ることになり、物品横押し体52群が物品Dに横押し作用して、この物品Dを、その向きを変えながら、主搬送経路Aに対して傾斜状で分岐移動させ、外方の分岐コンベヤ85に渡すことになる。
このようにして終端案内部94の端部に達した案内ローラ54は主搬送経路Aの終端で反転する。そして復路案内装置96においては、まず移動案内部97に案内されて前記片側へと移動され、リターン案内部98に到り、片側に整列され、チェック装置60によりチェックを受ける。
すなわち吸引装置65の電磁石65a,65bへは無端チェーン40が所定の速度で移動されているときに通電されており、正常な物品横押し体52の場合、吸引装置65の電磁石65a,65bおよび永久磁石65cの磁力によってバイパス経路64側へ吸引され、タイマー75において所定のパルス数αがカウントされている間に、物品横押し体52は第1磁気センサ61の位置から第2磁気センサ67の位置まで到達し、正常と判断される。また異常な物品横押し体52の場合は、吸引装置65の電磁石65a,65bおよび永久磁石65cの磁力によってバイパス経路64側へ吸引されずに直進経路63を移動するために、タイマー75において所定のパルス数αがカウントされている間に、第2磁気センサ67が動作せず、異常と判断される。
このように、復路案内装置96により揃えられた物品横押し体52が、電磁石65a,65bが案内ローラ54の磁性体54aに作用することにより、バイパス経路64へ導かれると、この物品横押し体52は正常と判断され、電磁石65a,65bが案内ローラ54の磁性体54aに作用してもバイパス経路64へ導かれないとき、この物品横押し体52は異常と判断される。
そして、停止スイッチ23の停止指令により吸引装置65の電磁石65a,65bへの通電が停止され、このとき無端チェーン40は、停止するまでの所定の時間(例えば、3〜4秒)、移動しつづけ、物品横押し体52は直進経路63に沿って移動し、停止時に物品横押し体52の案内ローラ54が吸引装置65の永久磁石65cに吸着されたままとなることを回避でき、案内ローラ54自体が磁化されてしまう恐れが回避される。
以上のように本実施の形態によれば、復路に設けたチェック装置60により各物品横押し体52が往路案内装置90により作用されて左右方向へ移動可能か否かが確認されることにより、各物品横押し体52毎に仕分けを正常に行えるかどうかを事前に確認でき、よって異常と判断された物品横押し体52を案内する物品支持体50に、物品Dを載置しないことにより、異常な物品横押し体52があったとしても仕分け作業全体を続行でき、信頼性を向上することができる。
また本実施の形態によれば、無端チェーン40の停止指令により65a,65bの通電が停止されることにより、停止指令が出力されてから実際に無端チェーン40が停止するまでの間、物品横押し体52は、バイパス経路64へ導かれることなく移動し、物品横押し体52が停止したときに永久磁石64cに吸い付けられたまま物品横押し体52が残り、磁化されることが防止される。
また本実施の形態によれば、チェック装置60は復路側で、上流端の従動用スプロケット38に接近して配置されることにより、物品支持体50が往路側に移動して実際に物品Dが載せられる直前で、物品横押し体52は正常か異常かが判断でき、信頼性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、物品支持体50を、型レール状に構成したスラットとしているが、型レール状に限ることはなく、筒状や棒状等でもよく、前後の物品支持体50により物品Dを支持できるものであればよい。また物品横押し体52の形状は、物品支持体50に案内され、物品Dの側方に作用できる形状であればその形状は問わない。
また実施の形態では、チェック装置60は、電磁石65a,65cへの通電を無端チェーン40が所定速度となることにより実行しているが、起動スイッチ25の操作による無端チェーン40の起動指令により直ぐに実行してもよい。このとき、タイマー75は、駆動軸31に連結されたエンコーダのパルスを入力し、無端チェーン40の速度に合わせて増減するパルスを入力する必要がある。
また実施の形態では、図4および図5に示すように、物品横押し体52の作用により主搬送経路Aより搬送方向右側の分岐経路B,Cへ物品Dを搬出しているが、図11(a)に示すように、物品Dを搬送の流れに従って右側の分岐経路Bまたは左側の分岐経路Eへ搬出するようにすることもでき、図11(b)に示すように、同じ位置に配置した右側の分岐経路Bと左側の分岐経路Eの一方を選択して搬出するようにすることもできる。また図11(c)に示すように、物品横押し体52の作用により、主搬送経路Aの上流端に並列に配置された複数(図では2本)の搬入経路Fから搬入された物品Dを、下流端に配置された1本の搬出経路Gへ搬出するとき、物品Dを搬送中に物品Dの位置を搬出経路Gの位置に合わせて移動させるようにすることができ、あるいは図11(d)に示すように、主搬送経路Aの上流端に配置された1本の搬入経路Fから搬入された物品Dを、下流端に並列に配置された複数(図では2本)の搬出経路Gへ選択して搬出するとき、物品Dを搬送中に物品Dの位置を選択した一方の搬出経路Gに合わせて移動させるようにすることもできる。また図11(e)に示すように、物品横押し体52の作用により、主搬送経路Aを搬送中の物品Dの位置を単に左右方向へ移動させることもできる。なお、図11(c)〜(e)では、複数の物品横押し体52を同時に左右方向へ移動させて物品Dを並行に移動させているが、図11(a),(b)に示すように、複数の物品横押し体52を順に斜めに移動させて物品Dを斜めに移動させて、目的の左右位置まで移動させるようにすることもできる。
また図11(a),図11(b)に示すように、左右の両側に分岐経路B,Eを設けるとき、往路案内装置90の形式は、物品横押し体52を左右に移動できる形式とされ、復路案内装置96には、物品横押し体52を、物品Dを左右のいずれ分岐経路B,Eに分岐するかにより、往路側に戻る前に左右に振り分ける下部振り分け手段が設けられる。この下部振り分け手段111は、図12に示すように、チェック装置60の下流側(従動軸30側)に配置されており、下流案内部(レール)69により案内された物品横押し体52を、下流側ほど外側へと傾斜した外移動ガイド部112a,112bに振り分けている。
本発明の実施の形態における搬送設備のチェック装置の全体平面図である。 同搬送設備のチェック装置の詳細平面図である。 同搬送設備のチェック装置の制御構成図である。 同搬送設備における一部斜視図である。 同搬送設備の概略平面図である。 同搬送設備の概略側面図である。 同搬送設備の一部切り欠き正面図である。 同搬送設備の要部の一部切り欠き正面図である。 同搬送設備の往路案内装置の平面図である。 同搬送設備の往路案内装置の図であり、(a)は要部平面図、(b)は要部側面図である。 同搬送設備において、物品横押し体により物品へ作用する他の形態を示す構成図である。 同搬送設備の復路のチェック装置と振り分け手段の関係を示す概略平面図である。
符号の説明
A 主搬送経路
B,C,E 分岐経路
D 物品
1 本体フレーム
10 上位フレーム材
20 下位フレーム材
25 起動スイッチ
26 停止スイッチ
30 従動軸
31 駆動軸
32 制動装置
34 駆動装置
38 従動用スプロケット(輪体)
39 駆動用スプロケット(輪体)
40 無端チェーン(無端回動体)
50 物品支持体
52 物品横押し体
53 ローラ軸
54 案内ローラ
54a 磁性体
60 チェック装置
61 第1磁気センサ
62 チェック装置本体
63 直進経路
64 バイパス経路
65 吸引装置
65a,65b 電磁石
65c 永久磁石
66 バイパス案内部
67 第2磁気センサ
68 入口案内部
69 下流案内部
71 コントローラ
90 往路案内装置
96 復路案内装置

Claims (5)

  1. 物品の搬送方向の上流端と下流端にそれぞれ回転自在に左右一対の輪体を配置し、これら上流端と下流端の左右一対の輪体にそれぞれ左右一対の無端回動体を張設し、これら左右の無端回動体間に渡って前記物品を支持する複数の物品支持体を設け、前記無端回動体を駆動することによって、前記物品支持体を前記搬送方向へ移動させ、前記物品支持体に支持された物品を前記搬送方向へ搬送する搬送設備であって、
    前記各物品支持体にそれぞれ、この物品支持体に外嵌して案内され物品支持体上の物品の側方に作用する物品横押し体を設け、前記各物品横押し体の下部にそれぞれ、その少なくとも最外層が磁性体により構成された被案内体を設け、
    前記物品支持体が前記搬送方向へ移動する往路に、前記各物品横押し体を、前記被案内体の磁性体に作用する電磁石を使用して前記物品支持体に案内することにより、前記物品支持体上の物品の側方に前記物品横押し体を作用させて前記物品を左右方向へ移動させる往路案内装置を設け、
    前記物品支持体が前記搬送方向と逆の方向へ移動する復路に、前記各物品横押し体が、前記往路案内装置により作用されて左右方向へ移動可能か否かを確認する確認手段を設けたこと
    を特徴とする搬送設備。
  2. 前記復路に、前記往路案内装置により移動された前記物品横押し体を左右方向の一方の側に移動させて揃える復路案内装置を設け、
    前記確認手段は、この復路案内装置により揃えられた前記物品横押し体の移動経路にバイパス経路を設け、前記バイパス経路の入口に前記物品横押し体の被案内体の磁性体に作用して前記物品横押し体を前記バイパス経路へ導く電磁石を設け、前記バイパス経路へ移動した前記物品横押し体を、前記往路案内装置により作用されて左右方向へ移動可能な正常な物品横押し体と判断すること
    を特徴とする請求項1に記載の搬送設備。
  3. 前記電磁石への通電は、前記無端回動体の起動指令または前記無端回動体が所定速度となることにより実行され、前記無端回動体の停止指令により停止されること
    を特徴とする請求項2に記載の搬送設備。
  4. 前記確認手段は、前記上流端の輪体に接近して配置されていること
    を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の搬送設備。
  5. 前記確認手段により、前記往路案内装置により作用されて左右方向へ移動可能ではない異常な物品横押し体と判断すると、この異常な物品横押し体を案内する物品支持体に、前記物品を載置しないこと
    を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の搬送設備。
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