JP4776063B2 - ヒドロキシポリアミド及び組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性樹脂材料の前駆体であるアルカリ可溶性のヒドロキシポリアミドとこのポリマーを用いた感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜には、優れた耐熱性と電気特性、機械特性などを併せ持つポリイミド樹脂が用いられている。このポリイミド樹脂は、一般に感光性ポリイミド前駆体組成物の形で供され、これを塗布、活性光線によるパターニング、現像、熱イミド化処理等を施すことによって容易に形成させることが出来、従来の非感光型ポリイミドに比べて大幅な工程短縮が可能となるという特徴を有している。
【0003】
ところが、その現像工程においては、現像液としてN―メチル−2―ピロリドンなどの大量の有機溶剤を用いる必要があり、近年の環境問題の高まりなどから、脱有機溶剤対策が求められてきている。これを受け、最近になって、フォトレジストと同様に、希薄アルカリ水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が各種なされている。
中でも、水性アルカリ可溶性のヒドロキシポリアミド、例えばポリベンズオキサゾール(PBO)前駆体を、キノンジアジドなどの光活性成分と混合して用いる方法が、近年注目されている。(特開昭63―96162号公報など)
【0004】
これらは露光およびアルカリ水溶液による現像で、ポジ型パターンの形成が容易であり、現像性、保存安定性も良好で、ポリイミドと同等の熱硬化膜特性を有しているため、有機溶剤現像型ポリイミド前駆体の有望な代替材料として注目されている。しかしながら、これまで開示されている方法によって得られるPBO前駆体には、未だ問題点も多い。
【0005】
例えば、通常得られるPBO前駆体の末端がアミノ基の場合、ポジ型レジスト組成物中で用いられるジアゾキノン化合物の劣化を促進し、安定性が極端に悪化する。これを改良するために、アミノ末端基をアミド結合を介して別の官能基に変換する方法が提案されている(特開平5−197153号参照)。確かにこの方法によると、組成物中のジアゾキノン化合物の安定性が改良される。
しかしながら、このようにして得られた組成物は感度が低いという欠点があった。感光性樹脂組成物は、最終製品のスループットを高めるために感度の向上が求められているが、前述したポリマーを用いるとその要求に応えられなかった。さらには現像工程時に塗膜のウェハーへの接着性が低く微細なパターンを得ることが難しいという欠点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ジアゾキノン化合物を含むポジ型レジスト組成物において露光およびアルカリ水溶液による現像工程によりポジ型パターンの形成が可能で、高い感度を示し、さらに半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜用途として要求される耐熱性と力学性能をも高レベルで満足する耐熱性樹脂前駆体であるヒドロキシポリアミドと、該ポリマーを用いた感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリマーの末端基に着眼し、上記ポジ型レジスト組成物中のジアゾキノン化合物の劣化を生じさせず、かつ優れた耐熱性と硬化膜特性を発現させるべく鋭意検討を行った。その結果、ポリマー末端アミノ基をイミド基に変換することによって、前記特性を満足し、かつ、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いた現像時でも、露光部溶解除去性と未露光部溶解耐性を高いレベルで両立しうることを初めて見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、下記一般式で示されるヒドロキシポリアミドを提供するものである。
【0009】
【化2】
Figure 0004776063
【0010】
[但し、式中R1、R3は同じであっても、異なっていてもよい4価の芳香族基、R2は2価の芳香族基である。 nは2〜150の整数であり、Zは2価の有機基をあらわす。]
また、本発明は、(A)上記のヒドロキシポリアミド、100重量部、および(B)感光性キノンジアジド化合物、1〜50重量部を必須成分とするポジ型感光性樹脂組成物も提供する。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のヒドロキシポリアミドを得るには、まず芳香族ジカルボン酸又はその誘導体とビス−(O−アミノフェノール)類とを重縮合させる。
本発明に用いられる、2価の芳香族基R2を含むジカルボン酸又はその誘導体としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、3,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、3,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、3,3’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、3,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、3,3’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデン二安息香酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルアミド、1,4−フェニレンジエタン酸、1,1−ビス(4−カルボキシフェニル)―1−フェニル−2,2,2−トリフルオロエタン、ビス(4−カルボキシフェニル)テトラフェニルジシロキサン、ビス(4−カルボキシフェニル)テトラメチルジシロキサン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、5−t―ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,2−ビス−(p―カルボキシフェニル)プロパン、4,4’−(p―フェニレンジオキシ)二安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、もしくはこれらの酸クロライド体、およびヒドロキシベンゾトリアゾール等との活性エステル体などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらのものは単独あるいは混合して用いてもよい。
【0012】
また、本発明で好適に用いられる、4価の芳香族基R1、R3を含むビス−(O―アミノフェノール)としては、例えば、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ −4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ −3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノ −3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ −3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ −4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、これらのものは単独あるいは混合して用いてもよい。
【0013】
本発明のヒドロキシポリアミドは、上記原料からなる重縮合体であるが、芳香族ジカルボン酸クロライドや芳香族ジカルボン酸の活性エステル体の場合、適当な溶媒中ピリジン等の塩基性化合物存在下、ビス−(O−アミノフェノール)と混合することにより得ることができる。しかし、芳香族ジカルボン酸を用いる場合は適当な縮合剤が必要となる。このような縮合剤としては、従来公知の脱水縮合剤が用いることができ、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、1,1’−カルボニルジオキシ−ジ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N,N’−ジスクシンイミジルカーボネート、亜リン酸エステル等を挙げることができる。このうち、ジシクロヘキシルカルボジイミドの場合、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾールと共に用いることが好ましい。
【0014】
これらの方法によりポリマーの両末端がアミノ基となるように調製した後、末端アミノ基を酸無水物と縮合させる。ここで用いる酸無水物の例としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2−シクロペンタンジカルボン酸無水物、1,2−シクロブタンジカルボン酸無水物、1,2−シクロプロパンジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、2,3−ピリジンジカルボン酸無水物、1,1−シクロペンタン二酢酸無水物、無水シトラコン酸、無水ジフェン酸、無水3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水4−エチニルフタル酸、無水こはく酸、無水1,2−ナフタル酸、無水1,8−ナフタル酸、無水オレイン酸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
上記反応で得られた、ポリマーの末端アミノ基と酸無水物の縮合物の末端をイミド化させることにより本発明のヒドロキシポリアミドを得ることができる。イミド化の方法としては加熱や脱水剤、脱水剤と塩基性触媒、塩基性触媒など種々の公知の方法を用いることができる。このとき使う脱水剤としては従来公知の脱水剤を使用することができ、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸、無水トリフルオロ酢酸、アセチルクロライド、トシルクロライド、メシルクロライド、クロルギ酸エチル、トリフェニルホスフィンとジベンゾイミダゾリルジスルフィド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−カルボニルジイミダゾール、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、シュウ酸N,N’−ジスクシニミジルエステルなど、塩基性触媒を使う場合はピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、コリジン、トリエチルアミン、N−メチルモルフォリン、4−N,N’−ジメチルアミノピリジン、イソキノリン、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0016】
さらには、イミド化法を選べば両末端がアミノ基のポリマーに末端縮合用の酸無水物とイミド化剤を同時に加えることによって中間体を経由せずに本発明のヒドロキシポリアミドを得ることができる。
また、本発明のヒドロキシルポリアミドを得る別の方法としては、ビス−(O−アミノフェノール)類の1つのアミノ基のみを酸無水物と反応させてからイミド化させた化合物を合成しておき、これを芳香族ジカルボン酸またはその誘導体とビス−(O−アミノフェノール)類との重縮合時に加えておいてもよい。
【0017】
上記反応に用いる有機溶媒としては、生成するヒドロキシポリアミドを完全に溶解する極性溶媒が一般に好ましく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。その他、この極性溶媒以外に一般的有機溶媒であるケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類として例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等も使用することができる。この反応生成物は、そのままレジスト組成物に供することができるが、必要に応じて水又はメタノール等のヒドロキシポリアミドの貧溶媒中に投入し、さらに再沈を繰り返すことによって精製して使用することもできる。
【0018】
本発明によるヒドロキシポリアミドは、前記のようにフォトレジスト組成物、特に感光性ジアゾキノン化合物を感光剤として用いるポジ型レジスト組成物を製造するために有用である。このような感光性ジアゾキノン化合物は、1,2−ベンゾキノンジアジドあるいは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許第2,772,972号、同第2,797,213号、同第3,669,658号等により公知の物質である。このような化合物の具体的な例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0019】
【化3】
Figure 0004776063
【0020】
【化4】
Figure 0004776063
【0021】
この他、ポジ型レジスト組成物には、必要に応じてフェノール化合物、レベリング剤、シランカップリング剤等の添加剤を添加することができる。本発明のヒドロキシポリアミドは、上記感光剤や添加剤と共に溶剤に溶解しワニス状にして使用する。この場合の溶剤としては、 N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
【0022】
本発明において用いられるポジ型レジスト組成物の使用方法は、まず該組成物を半導体ウェハーに塗布する。塗布方法としては、スピンナーを用いる回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられ、このうち回転塗布法の場合、スピンナーの回転数を変更することにより容易に膜厚を制御することができ、最終硬化後の膜厚を0.1〜20μmとなるようにする。
【0023】
次に、80〜140℃でプリベークして塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。次に照射部を現像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得る。
【0024】
用いられる現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール、エタノール等のアルコール類や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
【0025】
次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスするが、リンス液としては蒸留水を使用する。次に300〜400℃で加熱処理を行うことにより、オキサゾール環を有する耐熱性に優れたパターンを得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下実施例に基づき、本発明の具体的な実施形態の例を説明する。
【0027】
【実施例1】
容量1Lのセパラブルフラスラスコ中で、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)231g、ピリジン7.91g(0.1mol)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン65.93g(0.18mol)を室温(25℃)で混合攪拌し、ジアミンを溶解させた。これに、別途ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)133g中に4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド44.27g(0.15mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。この際、セパラブルフラスコは15〜20℃の水浴で冷却した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で30℃であった。
【0028】
滴下終了から60分攪拌放置後、反応液に5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物29.55g(0.18mol)、ピリジン34.80g(0.44mol)を添加し、20〜25℃で27時間撹拌したのち、氷浴で0℃に冷却してからDMDG12.38g中にジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)12.38g(0.06mol)を溶解したものを添加し、反応液を室温に戻して3時間撹拌してポリマー鎖の全アミン末端基の100%をイミド基で封止した。
【0029】
その後、上記反応液を濾過して不溶物を除去した後、2Lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、GPC重量平均分子量9600(ポリスチレン換算)のヒドロキシポリアミド(NI−1)を得た。
また、更にポリマーの精製が必要な場合、以下の方法にて実施することが可能である。即ち、上記で得られたポリマーをDMDG400gに再溶解したポリマー溶液を、イオン交換水で洗浄後、DMDGで置換された陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂49g及び41gがそれぞれ充填されたガラスカラムに流すことで処理を行った。このようにして精製されたポリマー溶液をイオン交換水5Lに滴下し、その際析出するポリマーを分離、洗浄した後真空乾燥を施すことにより精製されたポリマーを得ることができた。
【0030】
得られたポリマーの末端がイミド基になっていることはIRチャートで1384および1772cm−1のイミド基の特性吸収が現れたことにより確認した。
【0031】
【実施例2】
容量1Lのセパラブルフラスラスコ中で、テトラヒドロフラン(THF)396g、ピリジン9.49g(0.12mol)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン131.85g(0.36mol)を室温(25℃)で混合攪拌し、ジアミンを溶解させた。これに、別途THF59.1g中に5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物19.70g(0.12mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は80分、反応液温は最大で26℃であった。
【0032】
滴下終了から6時間攪拌放置後、反応液を陽イオン交換樹脂:アンバーリスト15(オルガノ株式会社製)30gが充填されたガラスカラムを通しピリジンを除去した。次にこの溶液からTHFを減圧留去してから真空乾燥する事により下記構造の化合物と2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパンの1:2の混合物を収率95%で得た。NMDがイミド化していることはIRチャートで1650,1550cm−1付近のアミド基を示す吸収がないこと、1384および1770cm−1のイミド基の特性吸収が現れたことにより確認した。
【0033】
【化5】
Figure 0004776063
【0034】
次に容量1Lのセパラブルフラスラスコ中で、この混合物74.76g、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)231g、ピリジン7.91g(0.1mol)を室温(25℃)で混合攪拌し、均一溶液とした。これに、別途ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)133g中に4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド44.27g(0.15mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。この際、セパラブルフラスコは15〜20℃の水浴で冷却した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で30℃であった。
【0035】
滴下終了から3時間後 上記反応液を2Lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、GPC重量平均分子量9000(ポリスチレン換算)のヒドロキシポリアミド(NI−2)を得た。
また、更にポリマーの精製が必要な場合、以下の方法にて実施することが可能である。即ち、上記で得られたポリマーをDMDG400gに再溶解したポリマー溶液を、イオン交換水で洗浄後、DMDGで置換された陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂49g及び41gがそれぞれ充填されたガラスカラムに流すことで処理を行った。このようにして精製されたポリマー溶液をイオン交換水5Lに滴下し、その際析出するポリマーを分離、洗浄した後真空乾燥を施すことにより精製されたポリマーを得ることができた。
【0036】
得られたポリマーの末端がイミド基になっていることはIRチャートで1385および1772cm−1のイミド基の特性吸収が現れたことにより確認した。
【0037】
【比較例1】
重縮合反応終了後の反応液にDCCを加えなかった以外は実施例1と同様の操作を行い、分子鎖末端がアミド基を介して封止されたGPC重量平均分子量10000(ポリスチレン換算)のヒドロキシポリアミド(NB)を調製した。
【0038】
【比較例2】
重縮合反応終了後の反応液に5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物のかわりにベンゾイルクロライドを用い、重縮合反応終了後の反応液にDCCを加えなかった以外は実施例1と同様の操作を行い、分子鎖末端がアミド基を介して封止されたGPC重量平均分子量10800(ポリスチレン換算)のヒドロキシポリアミド(BZ)を調製した。
【0039】
(評価)
上記各実施例及び比較例にて得られたポリマーを用いて、それぞれポジ型レジスト組成物を調製し、そのワニス粘度安定性、パターニング特性、加熱硬化後フィルムの機械物性などの評価を行った。
まず、各重合体100重量部、感光剤(化6参照)15重量部をGBL160重量部に溶解した後、0.2μmのフィルターで濾過して感光性樹脂組成物を調製した。
【0040】
【化6】
Figure 0004776063
【0041】
(1)フィルム機械物性評価
上記感光性組成物において、加熱硬化後得られるフィルムの機械物性の評価を行った。即ち、それぞれのワニスをスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に均一塗布し、100℃ホットプレート上で240秒間プリベークした後の膜厚が約12μmになるよう試料を作成した。次にこの試料を縦型キュア炉(光陽リンドバーグ製)にセットし、窒素雰囲気中、320℃で1時間のキュアリング(加熱硬化処理)を施し、耐熱性皮膜であるポリベンズオキサゾール(PBO)膜とした。
【0042】
このキュア膜をシリコンウェハーから剥離し、機械物性評価に供した。評価方法はASTM D−882−88に準拠した。結果を表1に示す。
この結果から、ポリマー末端基をイミド基で改質したポリマーNI−1,2より得られた組成物は優れた機械特性(特に伸度)を示すことが分かった。それに対し、ポリマー末端をアミド基で改質したNB,BZより得られた組成物は320℃キュアにおいては、伸度が不十分で脆弱なフィルムしか得られなかった。
【0043】
【表1】
Figure 0004776063
【0044】
(2)パターニング評価
上記3種類の感光性組成物について、0.5%アミノプロピルトリエトキシシランのメタノール溶液を用いて250℃、15分で処理したSiウェハー上に機械物性評価用の試料作成と同じ要領でプリベーク後10μmの膜厚になるように塗膜を形成した。次にこれを、テストパターン付きレチクルを通してi−線ステッパー(ニコン製)で露光量を段階的に変化させて露光を行った。この露光膜を、クラリアントジャパン社製AZ300MIF現像液[テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38%水溶液]を用いて現像を施し、23度の条件下で現像後膜厚が8μmとなるように現像時間を調整して現像を行いポジ型パターンを形成した。結果を表2に示す。
【0045】
本発明の実施例のポリマーを用いた組成物では、2.38%TMAH水溶液現像下においても優れた感度、解像度および接着性を示した。
【0046】
【表2】
Figure 0004776063
【0047】
以上の結果から、本発明のヒドロキシポリアミドを用いた感光性組成物は、優れたパターニング特性を有し、かつ機械物性的にも極めて柔軟性に富んだものとなり、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜用途として充分実用的なものである。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のヒドロキシポリアミドは、従来公知のものでは対応が難しかった2.38%TMAH水溶液現像下における優れたアルカリ溶解特性、パターニング特性を達成すると共に、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜用途として要求される力学性能とを高いレベルで満足し得る材料を提供するものである。

Claims (2)

  1. 下記一般式で示されるヒドロキシポリアミド。
    Figure 0004776063
    [但し、式中R1、R3は同じであっても、異なっていてもよい4価の芳香族基、R2は2価の芳香族基である。 nは2〜500の整数であり、Zは2価の有機基であって、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2−シクロペンタンジカルボン酸無水物、1,2−シクロブタンジカルボン酸無水物、1,2−シクロプロパンジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、2,3−ピリジンジカルボン酸無水物、1,1−シクロペンタン二酢酸無水物、無水シトラコン酸、無水ジフェン酸、無水3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水4−エチニルフタル酸、無水こはく酸、無水1,2−ナフタル酸、無水1,8−ナフタル酸又は無水オレイン酸の残基をあらわす。]
  2. (A)請求項1に記載のヒドロキシポリアミド、100重量部、および(B)感光性キノンジアジド化合物、1〜50重量部を必須成分とするポジ型感光性樹脂組成物。
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