JP4775614B2 - 搭載物の固定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、搭載物の固定装置に関し、特に、バッテリー方式のフォークリフト等の車体にバッテリー等の搭載物を固定するのに有効な搭載物の固定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、バッテリー方式のフォークリフトは、動力源であるバッテリーをバランス用の錘として車体の後部に搭載し、走行時、荷役作業時等に車体の後部が浮き上がるのを防止し、車体のバランスをとり、荷役作業の安全性を確保している。また、バッテリーをベルト、ターンバックル、押し金具等の固定装置により車体側に固定し、走行時、荷役作業時等に車体からのバッテリーの落下、浮き上がり等を防止し、荷役作業の安全性を確保している。
【0003】
このような構成のバッテリー方式のフォークリフトにあっては、充電等のためにバッテリーを車体から取り外し、充電等が完了したバッテリーを車体に搭載し直すことが頻繁に行われ、その都度に、バッテリーを車体側に固定している固定装置による固定状態を解除する作業、バッテリーを車体側に固定装置により固定する作業が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような作業はオペレータの手作業により行われているために、オペレータのミスにより固定装置による固定状態を解除するのを忘れて、車体側にバッテリーが固定されたままの状態でバッテリーをフォークリフトのフォークで吊り上げてしまい、フォークを曲げてしまったり、固定装置により固定するのを忘れて、バッテリーの落下、浮き上がり等が発生し、荷役作業の安全性を確保することができなくなったりすることがある。
【0005】
この発明は、前記のような従来のもののもつ問題点を解決したものであって、バッテリーを車体へ固定する作業、固定状態を解除する作業をオペレータの手作業によらずに自動的に行うようにし、これによりオペレータのミスによりフォークリフトのフォークを曲げてしまったり、バッテリーの車体からの落下、浮き上がり等により荷役作業の安全性が失われたりするようなことがなく、荷役作業の安全性を確保することができる搭載物の固定装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するためにこの発明は、車両等に搭載した搭載物を車両等に固定する固定装置であって、前記搭載物に回動自在に設けられる少なくとも1つの固定レバーと、該固定レバーを所定の回動位置に保持する付勢部材とを具え、前記車両等に搭載物を搭載したときに、前記固定レバーが前記
付勢部材の付勢力により回動して先端部が車両側の係合孔内に係合され、前記固定レバーの一部に外力を加えたときに、前記固定レバーが前記付勢部材の付勢力に抗して回動して先端部が車両側の係合孔から離脱されるように構成した手段を採用したものである。そして、前記固定レバーは、回動ピンを介して前記搭載物に回動自在に設けられるとともに、一端部に前記搭載物から突出可能な固定爪を有し、他端部に前記搭載物の固定解除空間内に
突出可能な固定解除爪を有し、前記車両等に搭載物を搭載したときに、前記固定レバーが前記付勢部材の付勢力により回動して固定爪が車両側の係合孔内に係合され、前記固定レバーの固定解除爪に前記固定解除空間を介して外力を加えたときに、前記固定レバーが前記付勢部材
の付勢力に抗して回動して固定爪が車両側の係合孔から離脱されるように構成した手段を採用し、前記固定解除空間を、フォークリフトのフォークが挿入されるフォーク挿入用の空間としたものである。
さらに、前記固定レバーの回動平面は、前記搭載物に設けた固定解除空間内に含まれる手段を採用したものである。さらに、前記固定解除空間は、溝又は孔である手段を採用したものである。
さらに、前記付勢部材は引張りばねである手段を採用したものである。特に、前記搭載物は、バッテリーケースとその内部に収納されるバッテリーとからなるものとして、固定レバーと付勢部材と固定解除空間とをバッテリーケースに設けた構成を採用することができる。また、本発明に係る車両としては、バッテリー等の搭載物を車体に搭載でき、その車体に係合孔を設けた車両を例示することができる。
【0007】
この発明は前記のような手段を採用したことにより、車両等に搭載物を搭載したときに、固定解除空間内からフォークリフトのフォークを離脱させることで、固定レバーが付勢部材(引張ばね)の付勢力により回動して先端部(固定爪)が車両側の係合孔内に係合され、これにより搭載物が車両側に自動的に固定されることになる。さらに、固定解除空間内にフォークを挿入して固定レバーの一部(固定解除爪)に外力を加えたときに、 固定レバーが付勢部材(引張ばね)の付勢力に抗して回動して先端部(固定爪)が車両側の係合孔から離脱され、これにより搭載物の車両側への固定状態が自動的に解除されることになる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すこの発明の実施の形態について説明する。
図1〜図6には、この発明による搭載物の固定装置の一実施の形態が示されていて、この搭載物の固定装置1は、バッテリー方式のフォークリフト13の車体14に搭載物2を搭載し、車体14側に固定するのに用いられるものであって、搭載物2側に回動自在に設けられる固定レバー6と、固定レバー6を回動自在に支持する回動ピン11と、固定レバー6を回動方向の所定の位置に保持する付勢部材である引張ばね12とを具えている。
【0009】
搭載物2は、箱形状のバッテリーケース3と、バッテリーケース3内に収納されるバッテリー4とからなるものであって、車体14の後部に設けられた段部15内に搭載されるようになっている。
【0010】
バッテリーケース3の底部には、バッテリーケース3を幅方向に貫通する断面四角形状の固定解除空間が5、5所定の間隔で互いに平行をなすように2箇所に設けられ、この固定解除空間5、5内にフォークリフト20のフォーク21が挿通するようになっている。固定解除空間5、5は、バッテリーケースの底部に断面四角形状の溝を設けて構成しても良いし、断面四角形状の孔を設けて構成しても良い(この実施の形態においては、断面四角形状の溝を設けている)。
【0011】
固定レバー6は、長方形板状をなす本体部7と、本体部7の長手方向の一端部に一体に設けられるとともに、本体部7の軸線と直交する方向に突出する板状の固定爪9と、本体部7の長手方向の他端部に一体に設けられるとともに、本体部7の軸線と直交する方向(固定爪9と反対方向)に突出する板状の固定解除爪10とから構成されている。固定解除爪10の先端は所定のアール面に形成されている。
【0012】
固定レバー6の本体部7の中心部には挿通用の孔8が貫通した状態で設けられ、この挿通用の孔8内に丸棒状の回動ピン11を回動自在に挿通させ、この状態で回動ピン11をバッテリーケース3の固定解除空間5の縁部に固定することで、固定レバー6が回動ピン11を中心として回動自在となるものである。なお、固定レバー6の回動平面は固定解除空間5内に含まれるものである。
【0013】
固定レバー6の固定爪9はバッテリーケース3の側面から突出、没入可能となっている。固定解除爪10は、固定解除空間5内に突出、離脱可能となっている。
【0014】
固定レバー6の本体部7の固定解除爪10の近傍には引張ばね12の一端が連結されるとともに、引張ばね12の他端はバッテリーケース3側に連結されるようになっている。したがって、この引張ばね12の付勢力により固定レバー6は定常状態で固定爪9がバッテリーケース3から突出し、固定解除爪10が固定解除空間5内に突出した状態に保持される。また、バッテリーケース3の固定解除空間5内にフォークリフト20のフォーク21を挿入して固定解除爪10に外力を加えたときには、固定解除爪10が外力によって押圧されることにより固定レバー6が引張ばね12の付勢力に抗して回動ピン11を中心として回動し、固定解除爪10が固定解除空間5から離脱し、固定爪9がバッテリーケース3内に没入するものである。
【0015】
固定レバー6の固定爪9に対応する車体14の段部15の部分には固定爪9を係合させる係合孔16がそれぞれ設けられ、この係合孔16内に固定レバー6の固定爪9を係合させることで、バッテリーケース3が車体14の段部15内に固定されるものである。
【0016】
そして、上記のような構成の搭載物の固定装置1により搭載物2を車体14に搭載、固定するには、バッテリーケース3の固定解除空間5内にフォークリフト20のフォーク21を挿入し、固定レバー6の固定解除爪10をフォーク21によって押圧し、固定レバー6を引張ばね12の付勢力に抗して回動ピン11を中心として回動させ、固定解除爪10を固定解除空間5内から離脱させ、固定爪9をバッテリーケース3内に没入させる。
【0017】
そして、この状態でフォーク21を上昇させて搭載物2を吊り上げ、フォークリフト20を操作して搭載物2を車体14の段部15内に搭載し、フォーク21をバッテリーケース3の固定解除空間5内から離脱させ、固定レバー6を引張ばね12の付勢力により回動ピン11を中心として回動させ、固定解除爪10を固定解除空間5内に突出させ、固定爪9をバッテリーケース3から突出させ、車体14の段部15側の係合孔16内に係合させ、搭載物2を車体14側に固定する。
【0018】
そして、搭載物2を車体14側から取り外す場合には、バッテリーケース3の固定解除空間5内にフォークリフト20のフォーク21を挿入し、固定解除爪10をフォーク21で押圧し、固定レバー6を引張ばね12の付勢力に抗して回動ピン11を中心として回動させ、固定爪9を車体14の段部15側の係合孔16から離脱させ、この状態でフォーク21を上昇させ、フォークリフト20を操作して搭載物2を車体14側から取り外す。
【0019】
上記のように構成したこの実施の形態による搭載物の固定装置1にあっては、搭載物2のバッテリーケース3の固定解除空間5内にフォークリフト20のフォーク21を挿入することで、固定レバー6による搭載物2の固定状態が解除されるとともに、フォークリフト20のフォーク21を固定解除空間5内から離脱させることで、固定レバー6により搭載物2を固定することができるので、搭載物2の車体14への固定、固定解除をフォークリフト20のフォーク21を介して自動的に行うことができることになる。
【0020】
したがって、搭載物2の車体14へ搭載、搭載物2の車体14からの取り外しを繰り返し行っても、オペレータのミスにより固定装置1の固定状態を解除するのを忘れたり、固定装置1による固定を忘れたりするようなことはなく、固定装置1の固定状態の解除、固定装置1による固定を自動的に確実に行うことができることになる。この結果、搭載物2を車体14から取り外すときにフォークリフト20のフォーク21を曲げてしまったり、搭載物2を車体14側に固定するのを忘れてしまって、搭載物2が車体14から落下したり、浮き上がったりして、荷役作業の安全性が損なわれたりするようなことはなくなる。
【0021】
なお、前記の説明においては、車両をフォークリフトとし、搭載物をバッテリーケース及びその内部に収納されるバッテリーとしたが、それ以外の組み合わせにこの実施の発明による搭載物の固定装置を使用しても良いものであり、その場合にも同様の作用効果を奏するのは勿論のことである。
【0022】
【発明の効果】
この発明は、請求項1のように、車両等に搭載物をフォークリフトによって搭載したときに、固定解除空間内からフォークを離脱させると、固定レバーが付勢部材の付勢力により回動して先端部が車両側の係合孔内に係合され、固定解除空間内にフォークを挿入して固定レバーの一部に外力を加えたときに、固定レバーが付勢部材の付勢力に抗して回動して先端部が車両側の係合孔から離脱されるように構成したことにより、搭載物を車両等に搭載したときに、オペレータのミスにより搭載物を車両側に固定するのを忘れて、搭載物が車両等から落下したり、浮き上がったりするようなことはなく、安全性を確保することができることになる。さらに、搭載物の固定状態を解除するのを忘れて、搭載物と車両等とを一体に吊り上げてしまって、搭載物を取り外すフォークリフト等のフォーク等を曲げてしまうようなことはなくなる
【0023】
さらに、請求項2〜6のように、固定レバーは、回動ピンを介して搭載物に回動自在に設けられるとともに、一端部に搭載物から突出可能な固定爪を有し、他端部に搭載物の固定解除空間(溝又は孔)内に突出可能な固定解除爪を有し、車両等に搭載物を搭載したときに、フォークの押圧が解除された固定レバーが付勢部材(引張ばね)の付勢力により回動して固定爪が車両側の係合孔内に係合され、固定レバーの固定解除爪に固定解除空間(溝又は孔)を介してフォークを挿入して外力を加えたときに、固定レバーが付勢部材(引張ばね)の付勢力に抗して回動して固定爪が車両側の係合孔から離脱されるように構成したことにより、オペレー
タのミスにより搭載物を車両側に固定するのを忘れて、搭載物が車両等から落下したり、浮き上がったりするようなことはなく、確実に搭載物を車両等に固定することができるので、安全性を確保することができることになる。また、搭載物の固定状態を解除するのを忘れて、搭載物と車両等とを一体に吊り上げてしまい、搭載物を取り外すフォークリフト等のフォーク等を曲げてしまうようなことはなくなる。以上のような効果は、搭載物が、固定レバーと付勢部材と固定解除空間とを設けたバッテリーケースと、このバッテリーケースに収納されるバッテリーである場合に好適に奏される。また本発明は、バッテリー等の搭載物を車体に搭載され、その車体に係合孔を設けたフォークリフト等の車両である場合に、上述した効果が好適に奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による搭載物の固定装置の一実施の形態を示した概略図であって、フォークリフトとの関係を示した説明図である。
【図2】 この発明による搭載物の固定装置の一実施の形態を示した概略斜視図である。
【図3】 図2に示すものの部分拡大説明図である。
【図4】 固定レバーとフォークリフトの係合孔との関係を示した説明図である。
【図5】 フォークリフトの車体への固定状態を示した説明図である。
【図6】 フォークリフトの車体への固定状態を解除した状態を示した説明図である。
【符号の説明】
1……搭載物の固定装置
2……搭載物
3……バッテリーケース
4……バッテリー
5……固定解除空間
6……固定レバー
7……本体部
8……挿通用の孔
9……固定爪
10……固定解除爪
11……回動ピン
12……付勢部材(引張ばね)
13……フォークリフト
14……車体
15……段部
16……係合孔
20……フォークリフト
21……フォーク

Claims (6)

  1. 車両等に搭載した搭載物を車両等に固定する固定装置であって、前記搭載物に回動自在に設けられる少なくとも1つの固定レバーと、該固定レバーを所定の回動位置に保持する付勢部材とを具え、
    前記車両等に搭載物を搭載したときに、前記固定レバーが前記付勢部材の付勢力により回動して先端部が車両側の係合孔内に係合され、前記固定レバーの一部に外力を加えたときに、前記固定レバーが前記付勢部材の付勢力に抗して回動して先端部が車両側の係合孔から離脱されるように構成し
    前記固定レバーは、回動ピンを介して前記搭載物に回動自在に設けられるとともに、一端部に前記搭載物から突出可能な固定爪を有し、他端部に前記搭載物の固定解除空間内に突出可能な固定解除爪を有し、前記車両等に搭載物を搭載したときに、前記固定レバーが前記付勢部材の付勢力により回動して固定爪が車両側の係合孔内に係合され、前記固定レバーの固定解除爪に前記固定解除空間を介して外力を加えたときに、前記固定レバーが前記付勢部材の付勢力に抗して回動して固定爪が車両側の係合孔から離脱されるように構成しものであり、
    前記固定解除空間は、フォークリフトのフォークが挿入されるように前記搭載物に設けたフォーク挿入用の空間であることを特徴とする搭載物の固定装置。
  2. 前記固定レバーの回動平面は、前記搭載物に設けた固定解除空間内に含まれる請求項1に記載の搭載物の固定装置。
  3. 前記固定解除空間は、溝又は孔である請求項1又は2に記載の搭載物の固定装置。
  4. 前記付勢部材は引張りばねである請求項1〜3に記載の搭載物の固定装置。
  5. 前記搭載物は、バッテリーケース及び該バッテリーケースに収納されるバッテリーとからなるものであり、前記固定レバーと前記付勢部材と前記固定解除空間とを前記バッテリーケースに設けている請求項1〜4に記載の搭載物の固定装置。
  6. 請求項1〜5に記載の搭載物の固定装置を車体に搭載される車両であって、
    前記係合孔を前記車体に設けたことを特徴とする車両。
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