JP4774578B2 - ベルレス式高炉における中心コークス装入方法 - Google Patents

ベルレス式高炉における中心コークス装入方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルレス式高炉においてその軸心部に中心コークスを専用のシュートから装入する方法に関し、特に前記中心コークスにより、旋回シュートからの装入原料が軸心部への流れ込むのを防止しつつ、前記中心コークスの軸心部における歩留まり領域を任意に制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炉操業において、装入物分布の制御は最も重要な操作因子である。その理由は、装入物分布により高炉内のガス流分布が支配され、それによってガス−装入物間の熱交換、鉱石の還元及び還元粉化、軟化溶融帯のレベル及び形状、並びにコークスのソリューションロス反応等が規定され、従って、装入物分布は燃料消費量、出銑量、銑鉄成分及び炉況等、操業成績に重要な影響を及ぼすことになるからである。現在高炉操業において行なわれている装入物分布の制御は、炉内半径方向における装入原料の層厚や粒径を調整することにより実施されており、ベルレス式高炉では、主に炉頂部に設置されている旋回シュートを適切に使用することにより、炉内半径方向の層厚分布の調整を行っている。具体的には、旋回シュートの傾斜角(以下傾動角という)を、原料装入中に所定の位置に移動させることにより原料を目標の落下位置に変更させる方法で実施している。
【0003】
一方、最近の高炉操業は羽口部より微粉炭を吹き込む操業形態が主流となってきており、その吹き込み量は年々増加傾向となっている。微粉炭を燃料として吹き込むことにより、装入されるコークス量を低減して、溶銑コストの低減を図ることができる。しかし、コークスは鉱石に比べて粒径が大きく設計されており、燃料としてだけでなく、炉内の空隙を保つスペーサーとしての役割も持っている。従って、微粉炭を吹込むことによりコークス量が減少するので、高炉内の通気性が悪化する。この炉内通気性を改善するための方法として主に用いられるものが、前述した装入物分布制御である。これまでの操業経験や理論計算から、微粉炭多量吹込み操業下での炉内の圧力損失を低減するためには、炉内半径方向の軸心部に通気性の良い状態をつくることが効果的である、従って、軸心部にコークス層を形成させる方法が効果的であることが判明した。
【0004】
この軸心部にコークス層を形成させる方法として、出願人は、特願平11−115390号において次の方法を提案した。即ち、ベルレス式高炉において中心コークスを投入するに当たり、中心コークスを投入するための専用シュートを、旋回シュートからの装入原料が衝突しない位置に設置すると共に、投入中の中心コークスが旋回シュートからの装入原料とぶつからないように中心コークスを投入する時間帯を設定し、しかも中心コークスの投入は、旋回シュートからの原料装入中に複数回に分けて投入する方法である。そして、中心コークスの投入1回当りの量を、中心コークス専用シュートに設けられたゲート弁の開時間で制御し、かつ、複数回の中心コークス投入量は各回ほぼ均等となるように設定することを特徴とするものである(以下、先行技術1という)。なお、このように中心コークスの投入には専用の投入シュートを用いて行なう装入方法を、中心コークス装入といい、また、軸心部に装入されるコークスを中心コークスと呼んで、ベルから装入される装入原料とは区別される。
【0005】
図4は、先行技術1の設備概略図を示し、図5は、その設備を用いて中心コークスを投入する方法を説明する図であって、(a)に図4のAA線矢視図概略図を、(b)に旋回シュートからの原料装入時間帯に対する中心コークス投入のサイクルを示す。同図(a)において、中心コークスの投入範囲を示す角度δは、旋回シュート3がこのδの範囲内の方向に向いている間に、専用シュート1から中心コークスを装入すべきであることを表わすものである。旋回シュート3から装入される原料を1チャージ分装入する間に、旋回シュートがn回旋回する場合、そのうち適当なa1回目、a2回目、a3回目に中心コークスを投入するように設定する。この際、中心コークスの投入タイミング及び投入量は、中心コークスによって旋回シュートからの装入原料が軸心部への流れ込むのをできるだけブロックできるように定めることが望ましいとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、先行技術では次の問題点がある。即ち、一般に、炉内の既存装入原料層である下層の表面形状、旋回シュートからの原料装入量、及び旋回シュートの傾動角により支配される装入原料表面上への装入原料の落下位置は、装入条件によってそれぞれ異なる。従って、中心コークスの投入タイミング及び投入量を同一に設定しても、中心コークスの堆積形状が常に同一になるとは限らないので、軸心部での中心コークスの歩留まり領域の大きさも常に同一になるとは限らない。そのために、炉内軸心部近傍のガス流分布や軸心部へ供給されるコークス性状に変動をきたすことになり、その結果、高炉の安定操業を阻害する原因となる。
【0007】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにより、ベルレス式高炉における中心コークス装入において、装入条件が変動しても、中心コークスにより、旋回シュートからの装入原料が軸心部へ流れ込むのを防止しつつ、当該中心コークスの軸心部における歩留まり領域を目標通りに制御することができる、中心コークス装入方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。
その結果、先ず、旋回シュートから原料を装入している最中に、炉の軸心部に専用シュートからコークスを投入する場合には、軸心部に形成されるコークス(本明細書において「中心コークス」という)の歩留まり領域の大きさは、旋回シュートからの装入原料による軸心部への流れ込み層厚には依存せず、中心コークスの投入量と下層の原料装入物層の形状に依存することが判明した。その理由は、ベルレス式の装入装置である旋回シュートからの原料装入速度は、ベル式装入装置からの原料装入速度と比べて十分に小さいからである。
【0009】
また、中心コークスが旋回シュートから装入された原料を軸心部に流れ込むのをブロックする状態は、その原料の軸心部への流れ込み開始時間と、その原料の軸心周囲隣接部での層厚形成速度と、中心コークス1回の投入で形成される軸心部での中心コークスの層厚とにより変化することを知見した。
【0010】
この発明は、上記知見に基づきなされたものでり、その要旨は次の通りである。請求項1記載の発明に係るベルレス式高炉における中心コークス装入方法は、斜め上方から高炉の軸心部にコークスを投入するための専用シュートが設けられた炉頂装入装置を備えたベルレス式高炉の操業において、旋回シュートから原料を装入している間に、その専用シュートから軸心部にコークスを投入する中心コークスの装入方法である。そして、その旋回シュートから装入した原料が軸心部に流れ込む前に、その専用シュートからコークスを軸心部に投入し、投入されたコークスにより形成された軸心部のコークス堆積層によって、旋回シュートから装入された原料が軸心部へ流れ込むのを阻止し、且つ、上記旋回シュートから1バッチ分の原料の装入が継続している間に、上記専用シュートから軸心部にコークスを間欠的に投入して、上記コークス堆積層の軸心部に占める歩留が目標値を満たすように、そのコークスの投入タイミングとその投入量とを制御することに特徴を有するものである。
【0011】
そしてさらに、旋回シュートから1バッチ分の原料の装入が継続している間に、専用シュートから炉の軸心部へ投入するコークスの投入タイミングとして、第1投目は旋回シュートから装入された原料が軸心部へ流れ込み始める前に設定し、且つ、第2投目以降の投入はいずれも、前回までの投入により形成された当該コークスの軸心部での累積層厚が、今回の投入時前までに形成された、上記旋回シュートから装入された原料の軸心周囲隣接部への累積流れ込み層厚よりも大きく維持することができるように設定、旋回シュートからの通常原料の放出方向が専用シュートからの中心コークスの放出方向とぶつかる間、中心コークスの装入を停止して、中心コークスの投入方向の散乱を回避しつつ、上記専用シュートから軸心部にコークスを間欠的に投入することに特徴を有するものである。
【0012】
なお、図1に、本発明の方法により専用シュートから投入されたコークス、及び、旋回シュートから装入された原料が、下層の原料装入層の上に堆積分布した状態を模式的に示す。本明細書における炉の軸心部におけるコークスの累積層厚とは、同図中のLcokeを指し、旋回シュートから装入された原料の軸心周囲隣接部への流れ込み累積層厚とは、同図中のLoreを指し、そして、コークス堆積層の軸心部に占める歩留とは、専用シュートから投入されたコークス重量(W)に対する、同図中にSで示した斜線部の外周線が軸心(C)を中心として回転して得られる回転体の部分に相当するコークスの重量(WS)の割合(WS/W)を指す。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を、図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明のベルレス式高炉における中心コークスの装入方法に関して、一つの実施態様を説明する概略縦断面図であって、高炉の軸心部にコークスを目標の歩留まり領域の大きさに形成させる方法を模式的に示すものである。同図において、1は専用シュートであって、炉頂部に設けられており、中心コークス2を投入するためのものであり、一方、3は旋回シュートであって、中心コークス2以外のコークス及び鉱石等の原料(本明細書では「通常原料」という)4を装入するためのものである。そして、5は下層の原料装入物層であって、今回の中心コークス2及び通常原料4を装入する直前に炉内に形成されていたものを示す。
【0014】
予め、中心コークス2及び通常原料4の装入条件、装入設備条件、及び物理性状等の変化に対する、通常原料4が軸心部への流れ込みを開始する時間、中心コークス2が軸心部で形成する当該中心コークス2の層厚及び広がりの大きさ、及び、通常原料4が軸心周囲隣接部で形成する当該通常原料4の層厚形成速度を、適宜、モデル実験や実測試験等により把握しておく。
【0015】
先ず、図2(a)に示すように、旋回シュート3から通常原料4を切り出す。旋回シュート3から炉内に装入された通常原料4は、下層の原料装入物層5表面に達した後、通常原料層6を形成してある時間が経過すると軸心部へ流れ込もうとする。そこで、専用シュート1からの中心コークス2の第1回目の投入は、その流れ込み時より前に開始しなければならない(図2(b))。このように投入された中心コークス2は、通常原料層6が軸心部に流れ込んで層を形成する前に、ある層厚と広がりを持つ中心コークス堆積層7を形成するので、通常原料層6が軸心部へ流れ込むのをブロックする。ここで、第1回目の中心コークス2の投入量は、中心コークス堆積層7の大きさにより定まる中心コークス2の軸心部における歩留まり領域が、目標の大きさになるように設定する。
【0016】
さて、旋回シュート3からの通常原料4の装入は、その1バッチ分全量を継続して行なうが、これに対して中心コークス2の装入は、旋回シュート3からの通常原料4の放出方向が専用シュート1からの中心コークス2の放出方向とぶつかる間、これを停止して、中心コークス1の投入方向の散乱を回避する。但し、中心コークス2の投入の再開、即ち第2回目の投入開始タイミングは、すでに形成済みの通常原料層6の軸心周囲隣接部における層厚が、上記第1回目の中心コークス2の投入により既に形成済みの中心コークス堆積層7の厚さより大きくなる前としなければならない(図2(c)及び(d)参照)。以降、旋回シュート3からの通常原料4の1バッチ分の装入が完了するまで、中心コークス2の投入を、第2回目の中心コークス2の投入タイミングに準じて、第3回目以降を行なう。
【0017】
上述した方法で、中心コークス2と通常原料4との装入を行なうことにより、中心コークス2により通常原料4の軸心部への流れ込みをブロックしつつ、中心コークス2の歩留まり領域を目標の大きさに制御することが可能となる。
【0018】
【実施例】
本発明の方法を実施例により更に説明する。
本発明に係るベルレス式高炉における中心コークスの装入方法の試験を、1/10模型の高炉を使用して行なった。当該模型高炉は、図2に示した概略縦断面に準じて、中心コークス2を投入するための専用シュート1及び当該中心コークス2以外のコークス及び鉱石等の原料(「通常原料」)4を装入するための旋回シュート3を炉頂部に備えている。そして、試験開始前に下層の原料装入物層を形成させておく。
【0019】
[試験1の試験条件]
表1に、旋回シュート3から装入した通常原料4である鉱石の装入条件と、予め求めた装入条件因子による関数式に基づき、今回の装入条件を用いて算出した軸心周囲隣接部における鉱石の層厚形成速度Vore及び累積層厚Loreとを示す。そして、表2に、中心コークス2の軸心部における歩留まり領域の大きさが、中心から約80mmになるように設定し、しかも本発明における中心コークスがその投入タイミング及び投入量に関する条件を満たすようにした場合の中心コークスの装入条件を示す。
【0020】
【表1】
Figure 0004774578
【0021】
【表2】
Figure 0004774578
【0022】
表2に示した中心コークス2の装入条件は次のようにして決定した。
▲1▼先ず、中心コークス2の歩留まり領域を中心から約80mmに設定するために、別途事前調査で把握した中心コークス投入量とその歩留まり領域の大きさとの関係より、中心コークス1投入当たりの投入量を100gと決定した。
【0023】
▲2▼一方、旋回シュート3の傾動角が45°の場合における、鉱石装入開始後、当該鉱石が軸心部へ流れ込みを開始する時間を、表1の装入条件下で計算すると、4.4secと推定された。第1投目の中心コークス2の投入タイミングを、装入鉱石が軸心部へ流れ込む前のタイミングとすることが必要であり(以下、「中心コークスの第1投目必要条件」という)、この条件を満たすためには、旋回シュート3の回転数累計が、何回目に入る前に設定すべきであるかを計算した。当該計算は、表1に示した旋回シュートの旋回速度2.5secと累積旋回数Nとの積が、4.4sec秒を超えない累積旋回数を求めればよい。それによれば、N=1となる。従って、中心コークスの第1投目は旋回シュート3の第2旋回目とした。
【0024】
▲3▼中心コークスの第2投目は、第1投目の中心コークス投入により形成された軸心部における中心コークス層厚(第2投目以降においては「累積層厚」に相当する)Lcoke(この場合は49mm)が、軸心周囲隣接部における鉱石の累積層厚Loreよりも大きく確保されている間に行なうことが必要である(以下、「中心コークスの第2投目必要条件」という)。旋回シュートの旋回周期は2.5secであるから、軸心周囲隣接部における鉱石の層厚形成速度Vore(mm/sec)と旋回数との積の累積和(表1中、軸心周囲隣接部における鉱石の累積層厚Lore(mm)と等しい)は、表1に示した通り、旋回累積回数11回及び14回においてそれぞれ、36.9mm及び47.1mmと算出される。鉱石の累積層厚Lore=47.1mmが形成された後に、第2投目の中心コークスを投入したのでは、上記「中心コークスの第2投目必要条件」を十分に確保することができない。一方、第2投目中心コークスは、これを投入した後は暫くの間、旋回シュートの傾動角θを変更しない方が鉱石の装入状態が安定するので望ましい。従って、第2投目中心コークスとして、旋回シュートの傾動角が37°に改まった後の第1旋回目である、旋回累積回数12回目に決定した。
【0025】
今回の模型実験では、第2投目中心コークス投入により形成される軸心部中心コークスの層厚の算定累積値62mm(表2参照)は、1バッチ分の装入鉱石80kg全量で形成される軸心周囲隣接部の層厚54.0mm(表1参照)よりも確実に大きく維持されるので、中心コークスの投入は2回だけで装入鉱石の軸心部への流れ込みをブロックすることができる。よって、第3投目以降の中心コークス投入は行なわなかった。
【0026】
[試験2の試験条件]
表3に、旋回シュート3から装入した鉱石の装入条件と、当該鉱石の装入条件下における軸心周囲隣接部における鉱石の層厚形成速度及び層厚を、試験1におけると同じ方法で計算した結果とを示す。ここで、試験2における鉱石の装入条件は、試験1における鉱石の装入条件下において、下層の原料装入物層の傾斜角を25°から20°に変化させ、その他の条件は全て同一としたものである。一方、中心コークスの装入条件として、上述した「中心コークスの第1投目必要条件」及び「中心コークスの第2投目必要条件」のいずれをも満たしていることを確認した上で、投入タイミングについて試験1におけると同じく、第1投目及び第2投目をそれぞれ第2旋回目及び第12旋回目とし、更に、中心コークスの1投当たりの投入量も試験1と同じく100gとした。そして、試験1に準じて、別途事前調査で把握した中心コークス投入量とその歩留まり領域の大きさとの関係より、中心コークス2の軸心部における歩留まり領域の大きさを求めると、それは中心から約100mmとなり、試験1よりも約20mm増加するとの計算結果が得られた。
表4に、中心コークスの装入条件、及びそのときの軸心部における中心コークスの層厚の累積値(累積層厚)Lcoke(mm)と、同じく中心コークスの軸心部での歩留まり領域の大きさ(中心からの距離で表わす)Acoke(mm)を示す。
【0027】
【表3】
Figure 0004774578
【0028】
【表4】
Figure 0004774578
【0029】
表3及び表4の装入条件及び計算結果より、下層の原料装入物層の傾斜角を25°から20°に変化させたことにより、鉱石及び中心コークスの装入条件が同一であっても、当該中心コークスの軸心部での歩留まり領域の大きさは中心から約100mmとなり、約20mm大きくなることがわかる。
【0030】
[試験3の試験条件]
そこで、鉱石の装入条件を試験2と同じままとした状態(下層の原料装入物層の傾斜角αは20°である)で、前述した「中心コークスの第1投目必要条件」及び「中心コークスの第2投目必要条件」のいずれをも満たすようにした上で、別途事前調査で把握した当該鉱石装入条件下における中心コークス投入量とその歩留まり領域の大きさとの関係より、中心コークスの軸心部での歩留まり領域の大きさが中心から約80mmになるように設定した。その結果、中心コークス1投入当たりの投入量は80gとなった。
表5に、試験3における中心コークスの装入条件、及びそのときの軸心部における中心コークスの層厚の累積値(累積層厚)Lcoke(mm)と、同じく中心コークスの軸心部での歩留まり領域の大きさ(中心からの距離で表わす)Acoke(mm)を示す。
【0031】
【表5】
Figure 0004774578
【0032】
以上のように設定した試験1〜試験3の試験条件により、1/10模型高炉を用いて装入物分布試験を行った。その結果を図3(a)〜(c)に示す。
【0033】
上述した模型高炉における試験条件と図3に示した中心コークス及び鉱石の分布形状とからわかるように、本発明の方法を用いることにより、旋回シュート3から装入される通常原料4の装入条件が変化しても、当該通常原料4の軸心部への流れ込みをブロックしつつ、目標通りの中心コークス2の歩留まり領域を得ることが可能であることがわかる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によると、旋回シュートから原料装入を行っている最中に中心コークスの投入を複数回に分けて行なう装入方法において、その投入タイミングと投入量を、旋回シュートからの通常の装入原料の軸心部への流れ込み開始時間と、その間に形成される中心コークスの軸心部での層厚と、旋回シュートからの通常の装入原料による軸心周囲隣接部の流れ込み層厚とを考慮して決定することにより、中心コークスにより軸心部へ旋回シュートから装入された通常原料の軸心部への流れ込みをブロックしつつ、中心コークスの歩留まり領域が目標値になるように制御することが可能となる。その結果、軸心部近傍のガス流分布の安定化を図ることが可能になると同時に、軸心部のガス流分布制御の精度向上を図ることができるベルレス式高炉における中心コークス装入方法を提供することができ、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により、専用シュートから投入されたコークス及び旋回シュートから装入された原料が、下層の原料装入物層の上に堆積分布した状態を示す模式図である。
【図2】本発明による中心コークス装入方法の実施態様例を説明する概略縦断面図である。
【図3】1/10模型高炉を用いた本発明の方法による装入物分布試験の結果を示す図である。
【図4】先行技術1による中心コークスの装入方法を説明する高炉頂部の概略縦断面図である。
【図5】先行技術1による中心コークス投入方法の模式的説明図である。
【符号の説明】
1 専用シュート
2 中心コークス
3 旋回シュート
4 通常原料(旋回シュートから装入される原料)
5 下層の原料装入物層
5a 下層表面
6 通常原料層
7 中心コークス堆積層
8 炉頂部内周壁
9 原料ホッパー
10 コークスホッパー
11 鉱石堆積層
12 集合ホッパー

Claims (1)

  1. 斜め上方から高炉の軸心部にコークスを投入するための専用シュートが設けられた炉頂装入装置を備え、旋回シュートから原料を装入している間に、前記専用シュートから軸心部にコークスを投入するベルレス式高炉における中心コークスの装入方法において、
    前記旋回シュートから装入した原料が軸心部に流れ込む前に、前記専用シュートからコークスを軸心部に投入し、投入された当該コークスにより形成された軸心部のコークス堆積層によって、前記旋回シュートから装入された原料が前記軸心部へ流れ込むのを阻止し、且つ、前記旋回シュートから1バッチ分の原料の装入が継続している間に、前記専用シュートから軸心部にコークスを間欠的に投入して、前記コークス堆積層の前記軸心部に占める歩留が目標値を満たすように、当該コークスの投入タイミングとその投入量とを制御する装入方法であって、
    前記旋回シュートから1バッチ分の原料の装入が継続している間に、前記専用シュートから前記軸心部へ投入するコークスの投入タイミングは、第1投目を前記旋回シュートから装入された原料が軸心部へ流れ込み始める前に設定し、且つ、第2投目以降の投入をいずれも、前回までの投入により形成された当該コークスの軸心部での累積層厚が、今回の投入時前までに形成された、前記旋回シュートから装入された原料の軸心周囲隣接部への累積流れ込み層厚よりも大きく維持することができるように設定し、
    前記旋回シュートからの通常原料の放出方向が前記専用シュートからの中心コークスの放出方向とぶつかる間、中心コークスの装入を停止して、中心コークスの投入方向の散乱を回避しつつ、前記専用シュートから軸心部にコークスを間欠的に投入することを特徴とする、ベルレス式高炉における中心コークスの装入方法。
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