JP7331876B2 - 中心コークスの投入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルレス高炉における中心コークスの投入方法に関する。
高炉操業において、装入物分布の制御は重要な操作因子である。その理由は、装入物分布により高炉内のガス流分布が支配され、これによってガス-装入物間の熱交換、鉱石の還元及び還元粉化、軟化溶融帯のレベル、軟化溶融帯の形状およびコークスのソリューションロス反応等が決まるので、高炉操業における燃料消費量、出銑量、銑鉄成分及び炉況等、操業成績に大きな影響を及ぼすからである。高炉操業では、炉内半径方向における装入原料の層厚や粒径を調整することで装入物分布を制御している。具体的には、原料装入中に旋回シュートの傾斜角(以後、傾動角と記載する。)を所定角度に制御し、これにより、原料を目標とする位置に落下させることで高炉内の装入物分布を制御している。
最近の高炉操業では、羽口部から微粉炭を吹き込む操業形態が主流となっており、微粉炭の吹き込み量は年々増加している。この理由は、微粉炭を燃料として吹き込むことにより、装入されるコークス量を低減でき、これにより、溶銑の製造コストの低減が図れるからである。しかし、コークスは鉱石に比べて粒径が大きく、燃料としてだけでなく、炉内の空隙を保つスペーサーとしての役割も担う。このため、微粉炭の吹き込み量を増加させ、コークスの装入量を減少させると高炉内の通気性が悪化する。この高炉内の通気性の悪化を改善する方法が装入物分布の制御である。これまでの操業経験や理論計算から、微粉炭多量吹込み操業下での炉内の圧力損失を低減させるには、装入物分布を制御して炉内半径方向の軸心部に鉱石を含まないコークスのみからなる歩留領域を形成させて、当該軸心部に通気性の良い状態をつくることが効果的であることが知られている。なお、以後の説明において、高炉の原料として用いられるコークスと区別するために、高炉の軸心部に投入されるコークスを「中心コークス」と記載する。
軸心部に歩留領域を形成させる方法として、特許文献1には、中心コークスを投入するための専用シュートを旋回シュートからの装入原料に衝突しない位置に設置すると共に、投入中の中心コークスが旋回シュートからの装入原料とぶつからないように中心コークスを投入する時間帯を設定し、中心コークスを旋回シュートからの原料装入中に複数回に分けて投入する方法が開示されている。
また、特許文献2には、中心コークスを投入するタイミングを旋回シュートから装入された原料が軸心部に流れ込む前に設定し、且つ、次の中心コークスの投入のタイミングを前回までの投入により形成された軸心部におけるコークス堆積層の累積層厚が、今回の投入時前までに形成された旋回シュートから装入された原料の軸心周囲隣接部への累積流れ込み層厚よりも大きくなるように設定することが開示されている。特許文献2によれば、高炉の軸心部への原料の流れ込みを防止して炉心部に歩留領域を形成させることで、軸心部におけるコークスのソリューソンロス反応を抑制でき、これにより、炉心部の空隙率低下を防止できるとしている。
特開2000-309809号公報 特許第4774578号公報
しかしながら、特許文献2の中心コークス装入方法を実施するときに、炉の軸心部の近傍領域におけるガス流れが不安定になる場合があることが分かった。具体的には、炉口部で超音波を利用して水平断面のガス温度分布を測定したところ、軸心部の中心コークスが存在する歩留領域の外側の近傍領域でのガス温度が円周方向で変動する現象が見られた。これは、この近傍領域でのガス流れが不安定になっていることを示している。このような現象は当該近傍領域での鉱石の還元を不安定にする要因にもなると考えられるので、当該近傍領域でのガス流れを安定化させることが望まれる。本発明は、特許文献2の中心コークス装入方法を実施するときに生じる、軸心部の中心コークスが存在する歩留領域の外側の近傍領域におけるガス流れの円周方向の変動を抑制し、これによりガス利用率の変動を抑えることを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
(1)原料を高炉に装入する旋回シュートと、高炉の軸心方向に中心コークスを投入する専用シュートとを有するベルレス高炉において、前記旋回シュートから装入された原料が軸心部に流れ込む前に前記専用シュートから前記中心コークスを投入して、投入された前記中心コークスにより形成された軸心部の中心コークス堆積層によって、前記旋回シュートから装入された原料が前記軸心部へ流れ込むのを阻止し、且つ、前記旋回シュートから1バッチ分の原料の装入が継続している間に、前記専用シュートから軸心部に前記中心コークスを間欠的に投入して、前記中心コークス堆積層の前記軸心部に目標とする鉱石の層厚が0になる領域を形成させるように、前記中心コークスの投入タイミングとその投入量とを制御する中心コークスの投入方法であって、
前記旋回シュートから1バッチ分の原料の装入が継続している間に、前記専用シュートから前記軸心部へ投入する前記中心コークスの投入タイミングは、第1投目を前記旋回シュートから装入された原料が軸心部へ流れ込み始める前に設定し、且つ、第2投目以降の投入をいずれも、前回までの投入により形成された前記中心コークスの軸心部での累積層厚が、今回の投入時前までに形成された、前記旋回シュートから装入された原料の軸心周囲隣接部の累積層厚よりも高く維持できるように設定するとともに前記旋回シュートの旋回が4回以下の間隔で軸心部へ前記中心コークスを投入するタイミングを1回設け、前記旋回シュートからの原料の装入方向が前記専用シュートからの前記中心コークスの投入方向とぶつかる間、前記中心コークスの投入を停止して、前記中心コークスの散乱を回避しつつ、前記専用シュートから軸心部に前記中心コークスを間欠的に投入する、中心コークスの投入方法。
本発明に係る中心コークスの投入方法を実施することで、軸心部近傍領域におけるガス流れの変動を抑制でき、高炉全体としてガス利用率の変動が抑えられる。ガス利用率の変動を抑えることにより、高炉操業におけるコークス比の低減が実現できる。
本実施形態に係る中心コークスの投入方法を実施できるベルレス高炉10の一例を示す断面模式図である。 中心コークス堆積層40を形成させる方法を説明するベルレス高炉10の断面模式図である。 不均一領域46の大きさを説明する模式図である。 不均一領域46の大きさを説明する模式図である。 中心コークスの投入間隔とガス利用率の変動(σ)との関係を示すグラフである。
以下、本発明を本発明の実施形態を通じて説明する。図1は、本実施形態に係る中心コークスの投入方法を実施できるベルレス高炉10の一例を示す断面模式図である。ベルレス高炉10は、炉本体12と、ベルレス式装入装置20と、中心コークス投入装置30とを有する。ベルレス式装入装置20は、原料ホッパー22と、排出ゲート24と、集合ホッパー26と、旋回シュート28とを有する。原料ホッパー22の排出ゲート24が開になると、原料ホッパー22内の原料は、集合ホッパー26に排出される。原料ホッパー22は、鉱石用とコークス用とが別々に設けられており、定められた装入シーケンスに従って、交互に原料が集合ホッパー26に排出される。なお、本実施形態では、中心コークス以外のコークスおよび鉱石等を原料と記載する。
集合ホッパー26に排出された原料は、そのまま旋回シュート28に導入される。旋回シュート28は、炉軸心周りを旋回し、これにより、原料は炉本体12内の円周方向に均一に散布され、原料堆積層50が形成される。図1では、コークスと鉱石が順次層をなすように炉本体12内に装入されている状況を示している。旋回シュート28は、投入角度θが可変となっており、投入角度θを変更することで、炉本体12の半径方向における原料の投入位置を変更している。
ベルレス式装入装置20とは別に、ベルレス高炉10は、炉本体12の軸心部へ中心コークスを投入する中心コークス投入装置30を有する。中心コークス42は、中心コークス投入装置30により軸心部へ投入される。コークスホッパー32の中心コークスは、排出ゲート34が開となると専用シュート36に投入される。専用シュート36は、炉本体12の端部まで延びており、専用シュート36から投入された中心コークスは、専用シュート36を離れてから自然落下し、炉本体12の軸心部に凸状に盛り上がって堆積する。
専用シュート36から投入される中心コークス42と、旋回シュート28から装入される原料がぶつかると、中心コークス42が軸心部に投入されず、また、原料の分布も乱される。このため、旋回シュート28からの原料の装入方向が、専用シュート36からの中心コークスの投入方向とぶつかる間は中心コークス42の投入が停止するように、排出ゲート34を閉じ、中心コークス42が原料とぶつかって散乱することを回避している。このように排出ゲート34は定期的に閉じられるので、中心コークス42は軸心部に間欠的に投入される。
図2は、中心コークス堆積層40を形成させる方法を説明するベルレス高炉10の断面模式図である。図2(a)~(d)を用いて、炉本体12の軸心部に中心コークス堆積層40を形成させる方法を説明する。
図2(a)~(d)において、原料堆積層50は、中心コークス42および鉱石54が装入される直前に、原料としてのコークスが炉本体12内に装入されて形成された層である。まず、旋回シュート28から鉱石54が装入される。この状態を示したのが図2(a)である。旋回シュート28から炉本体12に装入された鉱石54は、下層の原料堆積層50の表面に達した後、鉱石堆積層52を形成するが、原料堆積層50は炉の軸心方向に向けて低くなるすり鉢状に傾斜しているので、鉱石54は軸心部へ流れ込もうとする。第1投目の中心コークスの投入タイミングは、鉱石54が軸心部に流れ込み始める前に設定され、専用シュート36から中心コークス42を軸心部に投入して、前回までの鉱石54の装入により形成された鉱石堆積層52の層厚よりも高い中心コークス堆積層40を形成させる。このように、鉱石54の流れ込み始める前に、鉱石堆積層52よりも高い中心コークス堆積層40を形成させるので鉱石54が軸心部へ流れ込むことが阻止される。この状態を示したのが図2(b)である。
中心コークス42の投入条件、鉱石54の装入条件、各設備条件および原料の物理性状等の変化に対する鉱石54が軸心部へ流れ込みを開始する時間、中心コークス42によって軸心部に形成される中心コークス堆積層40の層厚、中心コークス堆積層40の軸心からの距離、および、軸心周囲隣接部で形成される鉱石堆積層52の層厚形成速度を予めモデル実験や実測試験等により把握しておく。これにより、旋回シュート28から装入された鉱石54が高炉の軸心部に流れ込むよりも早く、且つ、鉱石堆積層52よりも高くなるように専用シュート36から投入する中心コークス42の量およびタイミングを定めることができる。
旋回シュート28からの鉱石54の切り出しを継続すると、鉱石堆積層52の高さが高くなっていく。この状態を示したのが図2(c)である。この鉱石54の装入によって鉱石堆積層52の高さが高くなり、中心コークス堆積層40よりも高くなると鉱石54が軸心部へ流れ込んでしまう。この軸心部への鉱石54の流れ込みを防止するために、再び、専用シュート36から中心コークス42を軸心部に投入する。これにより、さらに高い中心コークス堆積層40が軸心部に形成される。この状態を示したのが図2(d)である。以降、旋回シュート28からの鉱石54の1バッチ分の装入が完了するまで、第1回目および第2回目の中心コークス42の投入タイミングに準じて、専用シュート36を用いて第3回目以降の中心コークス42の投入を行う。このように、第2投目以降の中心コークスの投入タイミングはいずれも、前回までの投入により形成された中心コークス堆積層40が、今回の投入時前までに形成された鉱石堆積層52よりも高く維持できるように設定され、炉本体12の軸心部に中心コークス堆積層40が形成される。
この中心コークスの投入方法を実施したときの炉内の原料堆積状況を確認するために、実機高炉の1/18.8縮尺の模型高炉を用いて中心コークス42の投入タイミングの確認を行った実験結果を説明する。模型高炉は、図1に示したベルレス高炉10と同じ、中心コークス42を投入するための専用シュート36と、原料を装入する旋回シュート28とを模型高炉の炉頂部に備える。
旋回シュート28から装入される鉱石54の装入条件と、予め求めた装入条件因子による関係式とに基づいて算出した軸心部周囲隣接部の鉱石堆積層52の形成速度(Vore)と、累積層厚(Lore)とを表1に示す。ここでVoreは軸心部周囲において鉱石が堆積していくときの堆積層の高さの増加速度であり、Loreは鉱石が堆積を始めてから所定の時点までの堆積層の高さを表している。また、実験開始前に模型高炉の下層にすり鉢状に形成させた原料堆積層50の傾斜角αも表1に示す。
軸心部における中心コークスの鉱石の層厚が0になる領域の大きさ(Acоke)が軸心から30mmになり、且つ、鉱石54の流れ込みが発生する前に、軸心部における中心コークス堆積層40の累積層厚(Lcоke)が鉱石堆積層52の層厚よりも高くなるように中心コークス42の投入条件を設定した。Acоkeは中心コークスが堆積した山における軸心から鉱石54の層厚が0になる範囲の大きさを表す。中心コークス42の投入条件を表2に示す。
Figure 0007331876000001
Figure 0007331876000002
旋回シュートの傾動角が25°の場合において、鉱石54の装入開始後、当該鉱石54が軸心部へ流れ込むまでの時間を表1の装入条件で計算した所、2.0秒であった。鉱石54が軸心部に流れ込む前に、第1投目の中心コークス42を投入する必要があるので、旋回シュートの累積回転数が何回転目となる前に中心コークス42の投入をしなければならないかを計算した。当該計算は、旋回シュートの旋回速度と累積旋回数との積が2.0secを超えない累積旋回数とすればよい。これによれば、中心コークス42の第1投目は、旋回シュートの第1旋回目となる。
また、中心コークス42の第2投目は、第1投目の中心コークス42の投入により形成された中心コークス42の累積層厚Lcоkeが軸心周囲隣接部における鉱石54の累積層厚Loreよりも大きい間に行う必要がある。第1投目の中心コークス42の投入により、中心コークス42の累積層厚Lcоkeが15.0mmとなる。これに対し、旋回シュートの旋回速度は1.54sec/旋回であるので、軸心周囲隣接部における鉱石54の層厚形成速度Vore(mm/sec)と旋回速度とから算出される旋回累積回転が5回転目の累積層厚は14.7mmとなる。したがって、第2投目の中心コークスの投入は、旋回シュートの傾動角が30°に改まった後の第1旋回目である旋回累積回数5回目とした。同様にして、第3投目、第4投目および第5投目の旋回累積回数を決定した。
1投目~5投目で投入される中心コークス42により形成される軸心部の中心コークス42の累積層厚Lcоkeは55mmになる。これに対して、1バッチで装入される鉱石28kgで形成される鉱石層厚Lоreは50.6mmであり、中心コークスの累積層厚Lcоkeは、鉱石層厚Lоreよりも大きく維持されるので、6投目以降の中心コークスの投入は行っていない。このように中心コークス42の投入タイミングを定めることで、目標とする鉱石54の層厚が0になる領域44が軸心部に形成され、これにより、軸心部におけるコークスのソリューションロス反応が抑制され、軸心部の空隙率低下を抑制できる。
次に、軸心方向において中心コークス42と鉱石54とが混在する不均一領域について説明する。図3は、不均一領域46の大きさを説明する模式図である。図3は、旋回シュート28を用いて、170トンの原料である鉱石54を18旋回で炉内に装入する場合であって、鉱石の装入を9旋回行う毎に600kgの中心コークス42の投入を行った場合に形成される中心コークス堆積層40および鉱石堆積層52を示す。図3(a)は、中心コークス堆積層40および鉱石堆積層52の上面図であり、図3(b)は、中心コークス堆積層40および鉱石堆積層52の断面図である。なお、図3では軸心を通る断面で半裁した片側を示している。
原料である鉱石54は、粒度分布が広く、1バッチの鉱石を装入している間にも鉱石の粒径が変化するが、1旋回の中でも完全に同一粒径の鉱石54が装入されるわけではない。したがって、ある旋回において、円周方向の鉱石の流れ込みは完全に同じ状態にはならない。また、鉱石の流れ込みに影響を及ぼす炉内のガス流れは、通気性や還元効率、炉体熱負荷を勘案して半径方向の分配を制御しているが、円周方向に完全に同一にならない。これらの理由から、鉱石54の軸心14の方向への流れ込み挙動は円周方向で同じになるとは限らない。
また、間欠的に軸心部に投入する中心コークス42の量が多くなると、図3に示すように、中心コークス堆積層40の軸心14からの拡がる距離が長くなる。上述した円周方向での流れ込み挙動の不均一性を考慮すると、中心コークス堆積層40の軸心14からの拡がる距離が長くなると、軸線方向において中心コークス42と鉱石54とが混在した不均一領域46も大きくなる。このように、不均一領域46が大きくなると、軸心部の鉱石54の層厚が0になる領域44を確保できたとしても、不均一領域46において炉内のガス流れが変動し、ガス利用率の変動が大きくなる。ガス利用率の変動が大きくなると、高炉操業におけるコークス比が増加する。
図4は、不均一領域46の大きさを説明する模式図である。図4は、旋回シュート28を用いて、170トンの原料である鉱石54を18旋回で炉内に装入する場合であって、鉱石の装入を3旋回行う毎に200kgの中心コークス42の投入を行った場合に形成される中心コークス堆積層40および鉱石堆積層52を示す。図4(a)は、中心コークス堆積層40および鉱石堆積層52の上面図であり、図4(b)は、中心コークス堆積層40および鉱石堆積層52の断面図である。図4も軸心を通る断面で半裁した片側を示している。
図4に示すように、間欠的に軸心部に投入する中心コークス42の量を少なくすれば、軸心部の鉱石54の層厚が0になる領域44を確保しつつ、中心コークス堆積層40の軸心からの距離を短くすることができる。このように、中心コークス堆積層40の軸心からの距離が短くなれば、軸線方向において中心コークス42と鉱石54とが混在した不均一領域46が小さくなるので、炉の軸心近傍における円周方向のガス流れの変動を抑制できる。このガス流れの変動の抑制によりガス利用率の変動が抑制され、この結果、高炉操業におけるコークス比が低減する。
例えば、内容積が5000mの高炉に1バッチ170トンの鉱石54を18旋回に分けて装入し、専用シュートを用いて1.2トンの中心コークス42を5回に分けて高炉の軸心方向に投入する場合であれば、鉱石54の装入を4旋回行う毎に240kgの中心コークス42の投入を1回行う間隔で中心コークス42を軸心方向に投入すればよい。なお、中心コークス42の投入を行う間隔をさらに短くして1回の中心コークスの投入量を少なくすると、中心コークス堆積層40の大きさはさらに小さくなる。このため、鉱石の装入を4旋回行う毎に中心コークス42の投入を1回行う間隔、もしくは、これより短い間隔で240kg以下の中心コークスを軸心方向に投入すれば、上記以上の効果が得られる。また、1バッチに装入する中心コークスを複数回に分けて投入する場合は、各投入回の中心コークスの投入量を同じにすることが望ましい。中心コークスの投入量に偏りがあると、中心コークスの投入量が少なくなった投入回において、軸心部の鉱石54の層厚が0になる領域44を確保できなくなるからである。
図1に示したベルレス式装入装置20と、中心コークス投入装置30とを有する内容積5000mのベルレス高炉を用いて、本実施形態に係る中心コークスの投入方法で中心コークスを投入して高炉操業を実施した実施例を説明する。発明例1として、コークスおよび鉱石の2バッチ装入において、170トンの鉱石を18旋回で装入し、その1、3、5、7、9、11、13、15、17旋回目に中心コークスを高炉軸心に向けて133kgずつ投入した。中心コークスおよび鉱石の粒度分布の代表例を表3および表4に示す。中心コークスの調和平均径は41.1mm、鉱石の調和平均径は11.0mmであった。この中心コークスを投入する間隔は、鉱石の装入を3旋回行う毎に、中心コークスの投入を1回行う間隔である。
発明例2として、170トンの鉱石を18旋回で装入し、その1、4、7、10、13、17旋回目に中心コークスを高炉の軸心に向けて200kgずつ投入した。この中心コークスを投入する間隔は、鉱石の装入を3旋回行う毎に中心コークスの投入を1回行う間隔である。また、発明例3として、170トンの鉱石を18旋回で装入し、その1、5、9、13、17旋回目に中心コークスを高炉の軸心に向けて240kgずつ投入した。この中心コークスを投入する間隔は、鉱石の装入を4旋回行う毎に中心コークスの投入を1回行う間隔である。
一方、比較例1として、170トンの鉱石を18旋回で装入し、その1、6、11、16旋回目に中心コークスを高炉の軸心に向けて300kgずつ投入した。この中心コークスを投入する間隔は、鉱石の装入を5旋回行う毎に中心コークスの投入を1回行う間隔である。比較例2として、170トンの鉱石を18旋回で装入し、その1、8、15旋回目に中心コークスを高炉の軸心に向けて400kgずつ投入した。この中心コークスを投入する間隔は、鉱石の装入を7旋回行う毎に中心コークスの投入を1回行う間隔である。比較例3として、170トンの鉱石を18旋回で装入し、その1旋回目および10旋回目に中心コークスを高炉の軸心に向けて600kgずつ投入した。この中心コークスを投入する間隔は、鉱石の装入を9旋回行う毎に中心コークスの投入を1回行う間隔である。
他の条件については、発明例1~3および比較例1~3で同じとした。
発明例1~3および比較例1~3の高炉操業の結果を表5に示す。なお、表5において、「PCR」は高炉の羽口から吹き込む微粉炭の吹き込み量(kg/t-pig)を示し、「CR」はコークス比(kg/t-pig)を示す。ガス利用率(ηCO)は炉頂ガスのCOおよびCO濃度を測定し、これら濃度を用いて下記(1)式で算出した値である。ガス利用率の変動σは、1時間のガス利用率の平均値を24時間分(24点)測定し、当該24点の測定データの分散1σの値である。
ηCO=(CO%)/(CO%+CO%)・・・(1)
上記(1)式において、CO%は炉頂ガスのCO濃度であり、CO%は炉頂ガスのCO濃度である。
Figure 0007331876000003
Figure 0007331876000004
Figure 0007331876000005
中心コークスの投入間隔を鉱石5旋回毎とした比較例1に対して、中心コークスの投入間隔を鉱石4旋回毎とした発明例3では、ガス利用率の変動σが0.22%から0.14%に低下した。これにより、ガス利用率ηCOが48.7%から49.0%に上昇し、高炉操業におけるコークス比も337kg/t-pigから335kg/t-pigに低減した。
また、中心コークスの投入間隔を鉱石9旋回毎とした比較例3および中心コークスの投入間隔を鉱石7旋回毎とした比較例2は、いずれも中心コークスの投入間隔を鉱石5旋回毎とした比較例1よりもガス利用率の変動が大きくなった。これにより、比較例3および比較例2では、比較例1よりもガス利用率ηCOが低下し、高炉操業におけるコークス比が上昇した。
中心コークスの投入間隔を鉱石2旋回毎とした発明例1および中心コークスの投入間隔を鉱石3旋回毎とした発明2は、いずれも中心コークスの投入間隔を鉱石4旋回毎とした発明例3よりもガス利用率の変動が小さくなった。これにより、発明例1および発明例2では、発明例3よりもガス利用率ηCOが上昇し、高炉操業におけるコークス比が低減した。
図5は、中心コークスの投入間隔とガス利用率の変動(σ)との関係を示すグラフである。図5の横軸は中心コークスの投入間隔(旋回)であり、縦軸はガス利用率の変動σである。図5に示すように、中心コークスの投入間隔を鉱石9旋回毎から鉱石4旋回毎にすることで、ガス利用率の変動σを大きく低減できることがわかる。特に、中心コークスの投入間隔を鉱石4旋回毎以下に短くしてもガス利用率の変動σはあまり低下しないのに対し、中心コークスの投入間隔を鉱石4旋回毎より多くするとガス利用率の変動σは大きく上昇した。この結果から、中心コークスの投入間隔を4旋回毎、もしくは、これより短い間隔にすることで、高炉内のガス利用率の変動が抑えられ、これにより、高炉操業におけるコークス比の低減が実現できることが確認された。
10 ベルレス高炉
12 炉本体
14 軸心
20 ベルレス式装入装置
22 原料ホッパー
24 排出ゲート
26 集合ホッパー
28 旋回シュート
30 中心コークス投入装置
32 コークスホッパー
34 排出ゲート
36 専用シュート
40 中心コークス堆積層
42 中心コークス
44 軸心部の鉱石54の層厚が0になる領域
46 不均一領域
50 原料堆積層
52 鉱石堆積層
54 鉱石
60 原料装入物層

Claims (1)

  1. 原料を高炉に装入する旋回シュートと、高炉の軸心方向に中心コークスを投入する専用シュートとを有するベルレス高炉において、前記旋回シュートから装入された原料が軸心部に流れ込む前に前記専用シュートから前記中心コークスを投入して、投入された前記中心コークスにより形成された軸心部の中心コークス堆積層によって、前記旋回シュートから装入された原料が前記軸心部へ流れ込むのを阻止し、且つ、前記旋回シュートから1バッチ分の原料の装入が継続している間に、前記専用シュートから軸心部に前記中心コークスを間欠的に投入して、前記中心コークス堆積層の前記軸心部に目標とする鉱石の層厚が0になる領域を形成させるように、前記中心コークスの投入タイミングとその投入量とを制御する中心コークスの投入方法であって、
    前記旋回シュートから1バッチ分の原料の装入が継続している間に、前記専用シュートから前記軸心部へ投入する前記中心コークスの投入タイミングは、第1投目を前記旋回シュートから装入された原料が軸心部へ流れ込み始める前に設定し、且つ、第2投目以降の投入をいずれも、前回までの投入により形成された前記中心コークスの軸心部での累積層厚が、今回の投入時前までに形成された、前記旋回シュートから装入された原料の軸心周囲隣接部の累積層厚よりも高く維持できるように設定するとともに前記旋回シュートの旋回が4回以下の間隔で軸心部へ240kg以下の前記中心コークスを投入するタイミングを1回設け、前記旋回シュートからの原料の装入方向が前記専用シュートからの前記中心コークスの投入方向とぶつかる間、前記中心コークスの投入を停止して、前記中心コークスの散乱を回避しつつ、前記専用シュートから軸心部に前記中心コークスを間欠的に投入する、中心コークスの投入方法。
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