JP6950718B2 - ベルレス高炉の原料装入方法 - Google Patents
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Description
高炉の安定操業を維持するためには、炉内に良好な通気性を確保し、炉内ガスの流れを安定化(すなわち、安定した中心ガス流および炉壁ガス流の確保)が必要である。通気性は、主として装入物(コークスおよび鉱石)の性状、粒度および装入量により大きく影響を受けるが、それに加えて、炉頂からの装入物の装入方法、つまり、炉内に装入する装入物の分布状況(以下、「装入物分布」と記す)によっても大きく左右される。
特許文献1に示すベルレス高炉の鉱石装入方法は、鉱石を2分割以上で投入し、最初の1分割目の鉱石を、装入シュート1旋回当たりの装入鉱石量を10t/旋回以上として炉の中間部に装入し、コークスを中心部に流れ込ませるとともに中間部にテラスを形成し、2分割目以降の鉱石を、装入シュート1旋回当たりの装入鉱石量を5t/旋回以下として、テラスの炉壁側に装入することで、鉱石の炉中心部への流れ込みを防止する。
このように、炉中心部における(Ore/Coke)の値を小さくすることで、炉内で鉱石が溶融して形成される融着帯の頂部が高くなるいわゆる中心流型融着帯(逆V型)が形成され、塊状帯部が狭くなり、滴下帯部が広くなるので、炉内の通気性は良好となると同時に、炉内ガスが炉中心部を常時流れてガス流が安定化するために、ガス利用率も高位のレベルに維持できる。
ここで、特許文献2では、炉半径方向の中間部から周辺部に中小塊コークスを装入する方法に関し、鉄鉱石をベルトコンベア上に切り出して炉頂ホッパーに供給する際に、ベルトコンベア上の鉄鉱石の先頭部分のみに重なるように粒径が5mm〜40mmの中小塊コークスを切り出して、その後、炉頂ホッパーから高炉炉内へ鉄鉱石と一緒に中小塊コークスを装入すると記載されている。
しかしながら、炉頂ホッパーや旋回シュート内、さらには高炉炉内の原料堆積面上において鉄鉱石と中小塊コークスとが偏析により分離してしまうため、特許文献2に記載された方法では目的とする位置に中小塊コークスが装入されない可能性がある。
しかしながら、特許文献3にあっても、高炉炉内の原料堆積面上において鉱石と中小塊コークスとの偏析による分離を抑制することについて記載はない。
しかしながら、特許文献4では、高炉炉内の原料堆積面に傾斜があった場合に、原料堆積面上でのコークスと鉱石との偏析による分離を抑制することはできない。
このように、従来の高炉への原料装入方法では、原料が高炉内の炉頂の原料堆積面上に装入された際に、コークスと鉱石とが偏析し、分離してしまうことを防ぐことができなかった。
これに対して、非特許文献2による篩層モデルによる知見では、混合物の装入速度を大きくすることは、流動層の流れを促進し、鉱石の下面への沈降を妨げてコークスと鉱石との分離を抑制する効果がある一方、流動層中の空隙率が増加することにより、鉱石の下面への沈降が促進されてコークスと鉱石との分離が助長される傾向があり、相反する効果があることが示されている。
このように、従来においては、高炉内のような下方からガスが流れている条件での中小塊コークスを混合した鉱石の高炉内への装入速度が、高炉内の原料堆積面での鉱石と中小塊コークスとの分離挙動にどのように影響するかについては統一的な見解は得られてなかった。
しかしながら、鉱石と中小塊コークスは、高炉内の原料堆積面にて分離してしまう。
また、非特許文献1及び2にあっては、高炉内のような下方からガスが流れている条件での中小塊コークスを混合した鉱石の高炉内への装入速度が、高炉内の原料堆積面での鉱石と中小塊コークスとの分離挙動にどのように影響するかについては統一的な見解は得られてなかった。
従って、本発明はこれら従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、中小塊コークスを混合した鉱石の高炉内への装入速度を適切な装入速度として、高炉内の原料堆積面での鉱石と中小塊コークスとの分離を抑制し、中小塊コークスが炉の中間部から炉壁部に歩留まるようにすることができるベルレス高炉の原料装入方法を提供することにある。
鉱石2a中には、平均粒子径が鉱石2aの平均粒径に対して3.0倍以下となる中小塊コークスが、装入される全コークス量(中小塊コークス+大塊コークスの全質量)の5mass%以上20mass%以下の範囲で混合されている。
また、コークス2bは、平均粒子径が鉱石2aの平均粒径に対して3.0倍より大きい大塊コークスである。
各原料装入通路の流量調整ゲート3の下方部は、垂直シュート4に集約され、各流量調整ゲート3を通過した鉱石2aあるいはコークス2bは垂直シュート4から高炉6内の装入シュート5に投入される。垂直シュート4の断面は、内周面が円形となる円環形状を有する。中小塊コークスを混合した鉱石2aの装入シュート5への投入と大塊コークスであるコークス2bの装入シュート5への投入とは所定時間ごとに交互になされる。
これにより、中小塊コークスが高炉6内の原料堆積面7で鉱石2aと分離せずに高炉6の中間部(炉半径をrとしたとき、0.5r)から炉壁部(0.9r)の範囲に歩留まる。これにより、高炉6の中間部から炉壁部の融着帯の厚さが低減し通気の安定を図れるとともに、未還元のFeOの炉床への降下を防ぎつつ、炉下部の通気を改善することができる。
本発明者らは、中小塊コークスを混合した鉱石2aの装入速度v(t/s)が、高炉6内の原料堆積面7上での鉱石2aと中小塊コークスとの分離に及ぼす影響について、基礎実験を行い調査した。その際の実験装置の概略構成を図2に示す。実験は、以下の手順で行った。
図3に示されるように、鉱石と中小塊コークスとを混合した混合原料の偏析指数Smは、中小塊コークスと鉱石との粒径比Xの大きさにかかわらず、混合原料の装入速度(t/s)が低下することに伴って低減している。これは、混合原料の装入速度(t/s)が低下することに伴い、壁への混合原料の流れ込み量が減少したことを意味している。
図5を参照すると、鉱石中に中小塊コークスを混合した混合原料を0.84t/sの装入速度で装入シュートに投入した場合の方が、鉱石中に中小塊コークスを混合した混合原料を1.67t/sの装入速度で装入シュートに投入した場合よりも、中小塊コークスが中間部(0.5r)から炉壁部(0.9r)にかけて多く歩留まることが確認できた。
これにより、中小塊コークスが高炉6内の原料堆積面7で鉱石2aと分離せずに高炉6の中間部(炉半径をrとしたとき、0.5r)から炉壁部(0.9r)の範囲に歩留まる。これにより、高炉6の中間部から炉壁部の融着帯の厚さが低減し通気の安定を図れるとともに、未還元のFeOの炉床への降下を防ぎつつ、炉下部の通気を改善することができる。
即ち、鉱石中に、中小塊コークスが、装入される全コークス量の5mass%未満混合されているものの場合、中小塊コークスが融着帯位置まで降下する前にソリューソンロス反応により消失し、融着帯の厚さ低減に寄与しないからである。
図6に示す実機を用い、内容積が5153m3で炉口径dを11.4mとした高炉6に、貯骸槽(図示せず)よりコークス2bを炉頂バンカー1(図6における一番左の炉頂バンカー)に貯留し、コークス2bのみを切出して、装入シュート5に投入し、高炉6内に堆積させた。その後、貯鉱槽(図示せず)より鉱石2a−1を炉頂バンカー1(図6における一番右の炉頂バンカー)に貯留し、貯骸槽(図示せず)よりコークス2bを炉頂バンカー1(図6における一番左の炉頂バンカー)に貯留し、鉱石2a−1及びコークス2bを炉頂バンカー1のそれぞれより同時に切出して、装入シュート5に投入し、高炉6内に堆積させた。その後、鉱石2a−2と中小塊コークスを貯留した炉頂バンカー1(図6における中央の炉頂バンカー)から中小塊コークスを混合した鉱石2a−2をその炉頂バンカー1より切出して、装入シュート5に投入し、高炉6内に堆積させた。コークス2bの平均粒径は40mmであった。また、中小塊コークスの平均粒径は15mmであり、鉱石2a−1及び鉱石2a−2のそれぞれの平均粒径は12mmであった。また、コークス2bは、鉱石2a−1及び鉱石2a−2の合計量に対して2.4mass%(全コークス(大塊コークス+中小塊コークス)量の12mass%程度)混合させた。ここで、実施例1−5及び比較例1、2では、中小塊コークスは鉱石2a−1及び鉱石2a−2の合計量に対して3.1mass%(全コークス(大塊コークス+中小塊コークス)量の15mass%程度、後に述べる表1における混合コークス比55(kg/t))混合させた。一方、比較例3、4では、中小塊コークスは鉱石2a−1及び鉱石2a−2の合計量に対して5.2mass%(全コークス(大塊コークス+中小塊コークス)量の25mass%程度、表1における混合コークス比80(kg/t))混合させた。
鉱石2a−1を高炉6内に装入する際の装入シュート5の傾動角θは、鉱石2a−1の落下位置が、高炉6の半径をrとすると、0.1rとなる角度に調整した後、1旋回毎に順次傾動角θを増加し、鉱石2a−1の落下位置が0.5rに調整した。また、中小塊コークスを混合した鉱石2a−2を高炉6内に装入する際の装入シュート5の傾動角θは、鉱石2a−2の落下位置が、高炉の半径をrとすると、0.5rとなる角度に調整した後、1旋回毎に順次傾動角θを増加し、鉱石2a−2の落下位置が0.9rとなる角度に調整した後は、1旋回毎に傾動角θを減少させ、最終旋回における鉱石2a−2の落下位置が0.5rとなるように調整した。
なお、実施例5では、中小塊コークスを混合した鉱石2a−2の装入速度v(t/s)が0.56t/sと遅いため、当該鉱石2a−2の装入時間の延長により、鉱石2a−2の1日当たりの装入量が低減し、出銑比が低下した。しかし、鉱石の還元促進による炉内の通気性改善の効果が最も顕著であり、最もコークス比を低減させた操業が可能となった。
2a,2a−1,2a−2 鉱石
2b コークス
3 流量調整ゲート
4 垂直シュート
5 装入シュート
6 高炉
7 原料堆積面
11 バンカー
12 流量調整ゲート
13 集合ホッパー
14 サンプリングボックス
Claims (1)
- 原料の大塊コークスと鉱石とを順次層状に装入する高炉の原料装入方法であって、1チャージが、大塊コークスを貯留した炉頂バンカーから大塊コークスのみを装入シュートに投入する工程と、平均粒子径が鉱石の平均粒径に対して3.0倍以下となる中小塊コークスを混合した鉱石を貯留した炉頂バンカーから中小塊コークスを混合した鉱石を前記装入シュートに投入する工程とで形成されるか、あるいは1チャージが大塊コークスを貯留した炉頂バンカーから大塊コークスのみを前記装入シュートに投入する工程と、鉱石及び大塊コークスをそれぞれ貯留した炉頂バンカーのそれぞれから鉱石及び大塊コークスのそれぞれを同時に前記装入シュートに投入する工程と、平均粒子径が鉱石の平均粒径に対して3.0倍以下となる中小塊コークスを混合した鉱石を貯留した炉頂バンカーから中小塊コークスを混合した鉱石を前記装入シュートに投入する工程とで形成されるベルレス高炉の原料装入方法であって、1チャージにおける前記中小塊コークスが1チャージにおける前記大塊コークス及び前記中小塊コークスを合わせた全コークス量の5mass%以上20mass%以下の範囲で前記鉱石中に混合されているベルレス高炉の原料装入方法において、
前記中小塊コークスを混合した鉱石を前記装入シュートに投入する工程において、前記中小塊コークスを混合した鉱石を1.0(t/s)以下の装入速度v(t/s)で前記中小塊コークスを混合した鉱石を貯留した前記炉頂バンカーから前記装入シュートに投入することを特徴とするベルレス高炉の原料装入方法。
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