JP2012132056A - 高炉用炉頂バンカー - Google Patents

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Abstract

【課題】細粒原料を炉頂バンカーの炉体中心側内側壁直近に装入することができ、堆積原料の偏析効果に優れる高炉炉頂バンカーを提供する。
【解決手段】高炉内に原料を装入するために該高炉の炉頂部分に配設される並列型炉頂バンカー2,2’であって、この炉頂バンカー2,2’内の上部に、偏心漏斗状の偏析誘導筒10を配設した、また、前記偏析誘導筒10は、すり鉢状本体の下面に偏心した筒口10aを有する、高炉用炉頂バンカー。
【選択図】図2

Description

本発明は、高炉の炉頂に配設される原料装入用炉頂バンカーに関するものである。
近年、高炉操業は、炉内に装入する原料の粒度分布を適切に制御して、炉内を上昇する反応ガスの炉半径方向での流量分布を調整し、炉内における通気性や原料の還元および炉体の熱負荷等を所望の状態となるようにしている。例えば、反応ガスについては、これが炉中心部に多く流れるような操業をすることが望ましいとされている。
このようなガス流分布は、主に、高炉内に形成される鉱石層とコークス層の厚み比や、これらの装入時に調整される炉半径方向での粒度分布によって決定される。特に、旋回シュートを備え、並列型炉頂バンカーを配置してなるベルレス型炉頂装入装置を用いる場合、該バンカー内に原料を装入すると、その原料は堆積斜面上で分級され、粒径による偏在が生じる。つまり、該炉頂バンカー内の中心部に落下した原料は、粗粒が落下位置から離れた壁面側に移動するので、細粒が落下位置である中心部に、粗粒がバンカーの周辺部に偏析して堆積するようになる。このような堆積状態にある原料を、高炉内へ装入する場合、炉頂バンカーから下方に配置した旋回シュートを使って払い出す時に、まず先に細粒が、そしてその後に粗粒原料が出ていくことになる。
この点、現在の高炉操業では、高炉内に原料を装入する際、旋回シュートの動きをそれの先端部が高炉の外周側から炉中心の方向に移動(傾動)させながら旋回させているので、炉頂バンカーからの原料排出挙動と相俟って、高炉の炉壁側に細粒、中心部に粗粒、その中間に中粒の原料が堆積するようになる。従って、この場合、高炉内には中心流の発達したガス流分布が形成されるようになり、好都合である。
前述した作用効果をより確実に実現するため、従来、特許文献1に開示されたような炉頂バンカーが提案されている。この技術は、該炉頂バンカー内に原料を落下装入して堆積させる際に、図1に示すように、該炉頂バンカー2内上部に水平軸回りに揺動可能な偏析制御板9を設け、該炉頂バンカーへ装入される原料を該偏析制御板9へ衝突させてその落下方向を変更し、該炉頂バンカー内に堆積する原料の粗粒・細粒を偏析させ、粒度別に払い出す順に堆積させる構造の炉頂バンカーである。
特開2008−179899号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているような、水平軸回りに回転(揺動)可能な偏析制御板9を設置してなるものでは、その揺動時にその制御板の端部がバンカー内壁と干渉(衝突)するおそれがある。そのため、該偏析制御板9は、長さが規制されている。その結果、この偏析制御板9の端部とバンカー内壁面との間には一定の隙間(約1m程度)が生じ、原料を最も有利な原料落下位置である高炉炉体中心側の壁寄りの位置(バンカー内壁直近)にまで装入することができず、原料偏析効果に限界が生じるという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、従来技術が抱えている上記のような問題点に着目してなされたものであり、原料、特に細粒原料を炉頂バンカーの炉体中心側内側壁直近に装入することができ、堆積原料の偏析効果に優れる高炉炉頂バンカーを提供することにある。
上記目的を実現するために、鋭意検討を重ねた結果、発明者らは、高炉内に原料を装入するために該高炉の炉頂部分に配設される並列型炉頂バンカーであって、
この炉頂バンカー内の上部に、偏心漏斗状の偏析誘導筒を配設したことを特徴とする高炉用炉頂バンカーが有効であることを突き止めた。
なお、本発明においては、
(1)前記偏析誘導筒は、すり鉢状本体の下面に偏心した筒口を有するものであること、
(2)前記偏析誘導筒の筒口は、高炉炉体の中心寄りとなる炉頂バンカーの内側壁面に沿った位置に偏心していること、
が、より好ましい構成である。
前記のような構成を有する本発明によれば、バンカーの内壁に干渉する恐れのない偏析誘導筒を採用することで、装入原料落下口を、炉体中心寄り内壁面近くに配設することができ、これにより装入原料の偏析効果を高めることができ、ひいては高炉のコークス比の削減などに寄与できる。
バンカー内に原料の偏析装入を果すための偏析制御板を配置した従来の炉頂バンカーの略線図である。 バンカー内に原料の偏析装入を果すための偏析制御板を配置した本発明の炉頂バンカーの略線図である。 原料の偏析装入を果すための本発明に適合するように構成された高炉炉頂バンカーの一例を示す略線図である。 本発明に係る炉頂バンカーを使って高炉内に原料を装入するときの模式図である。
次に、本発明の高炉炉頂バンカー原料偏析装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1、図2は、ベルレス形式の高炉の炉頂設備を示す図である。図示の設備例は、高炉1の炉頂部上方に2基一対の並列型炉頂バンカー2、2’が配設されている。これらの炉頂バンカー2、2’は、それぞれ高炉1内に装入する原料3を一時的に貯留するためのものである。その原料3としては、コークスや鉄鉱石が挙げられる。その炉頂バンカー2、2’の下端部にはそれぞれ切出しゲート4、4’が設けられており、この切出しゲート4、4’を開くことで、バンカー内原料3が順次に切出される。その切出しゲート4、4’の下方には垂直シュート5が配設されており、さらにその下方には、高炉1の炉頂内部にある旋回シュート6が位置しており、この旋回シュート6を旋回させることで、落下する原料3を高炉の炉内に分配装入することができる。なお、図示の7,8は、上部・下部のシール弁である。
ところで、これらの図のうち、図1は従来設備例を示しており、図2は、本発明適合例である炉頂バンカー2、2’を示している。
従来例である図1に示す炉頂バンカー2、2’は上述したように、該バンカー2、2’内上部に水平軸回りに揺動する偏析制御板9を軸支してなるものである。一方、本発明適合例の炉頂バンカー2、2’は、該バンカー2、2’内の上部に、従来の前記偏析制御板9に代わる偏析誘導筒10を配設してなるものである。
本発明である炉頂バンカー2、2’内に配設された前記偏析誘導筒10とは、図示したとおり、基本的には漏斗形状であるものの、筒口が偏心した位置にある偏心漏斗状のものである。即ち、すり鉢状の本体下面の偏心位置に、焼結鉱やコークスなどの原料3の落下口となる筒状の筒口10aを有するものである。
この筒口10aの偏心位置は、図3に示すように、並列型炉頂バンカー2の場合、高炉炉体中心側に位置するバンカー内側壁面に沿った位置に突出した形を呈していて、所謂、通常の漏斗とは異なり、落下原料3は、本体中心部からではなく上記の偏心した位置から落下するようになっている。
このような構造の偏析誘導筒10を使うと、例えば、原料3を上方から該炉頂バンカー2内に装入すると、その全ては該偏析誘導筒10の本体部分に供給される。その原料3は、該偏析誘導筒10の斜面10bを滑落しながら筒口10aを経て原料堆積層上に落下する。このとき、細かい原料3は、その筒口10a直下(高炉炉体中心寄りの位置)に堆積するものの、粗い原料3は所定の安息角をもつ装入物堆積層の斜面に沿って流動し、その大きさに応じて、該炉頂バンカー2の外周寄りの位置、即ち、高炉炉体の外周寄りの位置に流れて堆積する。
図4は、本発明に係る炉頂バンカー2を使って、高炉内に原料を装入するときの炉頂バンカー2内原料堆積状態を示す模式図であって、該炉頂バンカー2内における原料偏析効果を説明する図である。この図に示すように、原料3を本発明の前記偏析誘導筒10の筒口10aを通じて炉頂バンカー2内に落下装入すると、原料3はまず山状に堆積しようとする。この山状に堆積するとき、原料は固有の安息角をもって斜面を形成する。例えば、原料3に種々の粒度が混在する場合、粒度の大きな原料3は、山状堆積状態の斜面に沿って転落し、粒度の小さな原料3は、そのまま山状堆積状態の頂部に留まる。これがパーコレーションと呼ばれる原料偏析効果である。パーコレーションは、山状堆積状態の斜面の角度が大きく、その長さが長いほど、大きな効果になることが知られている。
ここで図4の場合、粒度の大きな原料3は、滑落して斜面下側に集積し、粒度の小さな原料3はバンカー内側壁面(高炉炉体中心寄りの位置)に集積して堆積する。
このような炉頂バンカー内堆積状態にある原料3を、高炉内頂部に落下装入を開始させると、まず、図4(a)に示すように、粒度の小さな原料3が最初に落下し、次いで、図4(b)、(c)に示すように、粒度が中程度である原料3が順次に落下していき、最後に、図4(d)に示すように粒度の大きな原料3が落下する。
このような炉頂バンカー2、2’からの落下原料を、垂直シュート5を介して高炉の炉頂内の旋回シュート6上に落下装入するとき、とくにこの旋回シュート6の先端部を高炉の炉壁(外周側)から炉中心に移動、旋回させて原料の装入を行う場合、該炉頂バンカー2、2’からの前述の原料排出挙動と相俟って、高炉の炉壁側に細粒、中心部に粗粒、その中間に中粒の原料がそれぞれ堆積するようになるので、高炉内に中心流の発達したガス流分布となりやすくなる。
即ち、前記旋回シュート6の先端を高炉の外周側から炉中心の方向に順次に移動させ乍ら旋回させると、上述したように、最初に落下装入される細粒原料3が高炉内壁面側に装入され、その後、次第に粒径の大きくなる原料が、すり鉢状堆積層の底部である高炉中心寄りの位置に堆積する。その結果、本発明の炉頂バンカーによれば、高炉内には、中心流の発達したガス流分布が形成され、炉内反応効率の上昇をもたらして、安定した高炉の操業の確保とコークス比の低減をもたらす。
本発明の技術は、ベルレス高炉の2基並列型炉頂バンカーを対象として説明しているが、3以上複数基の炉頂バンカー設備の例においても同様に適用が可能である。
1 高炉
2、2’ 炉頂バンカー
3 原料
4、4’ 切出しゲート
5 垂直シュート
6 旋回シュート
7、8 上部・下部シール弁
9 偏析制御板(従来例)
10 偏析誘導筒
10a 筒口
10b 斜面

Claims (3)

  1. 高炉内に原料を装入するために該高炉の炉頂部分に配設される並列型炉頂バンカーであって、
    この炉頂バンカー内の上部に、偏心漏斗状の偏析誘導筒を配設したことを特徴とする高炉用炉頂バンカー。
  2. 前記偏析誘導筒は、すり鉢状本体の下面に偏心した筒口を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の高炉用炉頂バンカー。
  3. 前記偏析誘導筒の筒口は、高炉炉体の中心寄りとなる炉頂バンカーの内側壁面に沿った位置に偏心していることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉用炉頂バンカー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105296696A (zh) * 2015-11-26 2016-02-03 中冶赛迪工程技术股份有限公司 一种装料防偏析系统
JP2021195617A (ja) * 2020-06-12 2021-12-27 Jfeスチール株式会社 炉頂バンカーおよび高炉の原料装入方法

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