JP4773666B2 - 内臓脂肪計 - Google Patents
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Description
この発明は、人体の体内脂肪のうち内臓脂肪に関する情報を求めることができ、簡易に用いるための内臓脂肪計に関する。
背景技術
従来より、健康維持の観点から体内脂肪が注目されている。即ち、体内脂肪が増加すると成人病等の原因となるので、体内脂肪を知ることにより成人病等を予防できるからである。かかる体内脂肪を評価するための指標の一つにBMIがあり、このBMIは、各個人の身長と体重とにより求めることができるので、体内脂肪に関する情報を得るための指標として比較的に手軽に用いられている。
また、体内脂肪を知るための他の指標として体脂肪率がある。最近では体脂肪率を求め得る各種の体脂肪計が市場に流通しており、これら体脂肪計を用いることによって、体内脂肪の状態を表す体脂肪率を家庭内等で簡易に求めることができる。
ところで、体内脂肪のうち特に内臓脂肪が心臓病や糖尿病等の各種の合併症の要因になると考えられており、内臓脂肪は健康維持の観点から特に重要であると考えられている。
ここで、以上に述べたBMIや体脂肪率は、人体の全身を対象とする平均的な体内脂肪に関する情報として求められるものである。従って、BMIや体脂肪率からみて健康上特に問題ないと思われる結果が得られたとしても、内臓脂肪に関して健康上問題があるか否かについては必ずしも判別できない。
この内臓脂肪を知るための診断方法としてCTスキャンやMRI等により腹部の断層撮影を行う方法があり、この方法によれば腹部自体を直接に観察できるので内臓脂肪に関する情報を正確に得ることはできる。
しかし、かかるCTスキャン等を用いる診断は、病院に設置される大がかりな診断機器を用いてされるものであり、一定の時間を要する測定やデータ解析等を経て結果が得られるものである。そして、これら診断機器の操作やデータ解析等には、高度な専門技術が要求される。従って、家庭内等で簡易に内臓脂肪に関する情報を得ることができるものではない。
そこで、本発明は、家庭内等で簡易に用いることが可能な、内臓脂肪に関する情報を得ることができる内臓脂肪計を提供することを目的とする。
発明の開示
上記課題を解決するため、本発明にかかる内臓脂肪計は、被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、及び人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HLを含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪に関する定量的な情報を演算で求めるための演算処理部と、
前記個人データ、及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部とを有し、
前記演算処理部は、前記被検者の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHRに基づき前記被検者の腹部内臓脂肪に関する定量的な情報を求めることを特徴とする。
被検者の腹部の内臓脂肪の状態は、被検者個人の身体的特徴の一つである前記WHRとの相関が極めて高いとされている。そして、本発明の内臓脂肪計にあっては、被検者個人のヒップサイズである臀部周囲長HLとウエストサイズである腹部周囲長WLとの比である前記WHR=WL/HLに基づき腹部の内臓脂肪に関する定量的な情報を求め得るようにされている。従って、本発明の内臓脂肪計によると、被検者の健康に特に関係の深い情報である腹部内臓脂肪に関する情報を、家庭内等で簡易に求めることが可能である。
そして、上記内臓脂肪計に於いて、前記腹部内臓脂肪に関する定量的な情報が腹部内臓脂肪量である構成とすることができる。内臓脂肪量は被検者の健康と関係の深い情報なので、内臓脂肪量を知ることにより、成人病等を患う可能性を予見することができる。
また、上記内臓脂肪計に於いて、人体の末端の部位に接触させた電極を介して当該人体の生体インピーダンスZを測定するとともに、該測定された生体インピーダンスZ及び前記入力された個人データ又はその一部に基づいて被検者の体脂肪率FATを求めるための体脂肪率測定手段を更に有し、
該体脂肪率測定手段により求められた体脂肪率FATが前記表示部に表示されるように構成することができる。
これにより、本発明の内臓脂肪計によると、内臓肪に関する情報を得ることができるとともに、体脂肪率FATを知ることもできる。
また、本発明にかかる内臓脂肪計は、内臓脂肪に関する情報として腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求め得るものを実現することができる。本発明の内臓脂肪計では、この腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めるにあたり、不特定多数の標本となる人体についての実際の腹部内臓脂肪横断面積VAと前記WHRを含む個人データとの相関を統計的に処理することにより、前記WHR等と腹部内臓脂肪横断面積VAとの特定の相関関係が決定される。そして、この決定された相関関係を各被検者個人について適用することにより、各被検者個人のWHR等に基づく腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値が高精度で求められ得る。
かかる腹部内臓脂肪横断面積VAを求め得る内臓脂肪計は、被検者の人体の胴の部位における周回の寸法(ウエストサイズ)である腹部周囲長WL、及び人体の臀部の部位における周回の寸法(ヒップサイズ)である臀部周囲長HLを含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHRとに基づいて統計的に処理することにより求めたWHRの第一回帰係数及び第一回帰定数を記憶しており、前記被検者についてのWHRと前記WHRの第一回帰係数及び第一回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めるように構成されている。
この構成の内臓脂肪計に係る発明は、腹部内臓脂肪横断面積VAが前記WHRに相関する点に着目して為されたものであり、標本となる複数の人体についての断層撮影で得られた実際の腹部内臓脂肪横断面積VAと、前記WHRとの相関関係を統計的に処理して求められた前記WHRの第一回帰係数及び第一回帰定数が演算処理部に予め記憶されている。そして、各被検者個人のWHRが入力されると、前記WHRの第一回帰係数及び第一回帰定数に基づいて、腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値が演算によって求められる。
このように、本発明の内臓脂肪計によると、前記個人データであるWHRを入力することによって、被検者の内臓脂肪に関する情報として腹部内臓脂肪横断面積VAを得ることができ、健康に関係の深い情報である腹部内臓脂肪横断面積VAを簡易に求めることができる。
また、腹部内臓脂肪横断面積VAを求め得る内臓脂肪計は、被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HL、身長、及び体重を含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHR及び前記標本とされた複数の人体の肥満の程度を表わすBMIとに基づいて統計的に処理することにより求めたWHRの第二回帰係数、BMIの第一回帰係数及び第二回帰定数を記憶しており、前記被検者についてのWHR及びBMIと、前記WHRの第二回帰係数、BMIの第一回帰係数及び第二回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めるように構成することができる。
この内臓脂肪計に係る発明は、腹部内臓脂肪横断面積VAが前記WHRに加えてBMIとも相関する点に着目して為されたものであり、標本となる複数の人体についての実際の腹部内臓脂肪横断面積VAと、WHR及びBMIの2つのデータとの相関の統計的な処理により求められたWHRの第二回帰係数、BMIの第一回帰係数及び第二回帰定数が演算処理部に予め記憶されている。そして、この内臓脂肪計では、被検者個人のWHR、BMIを入力することにより、腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値が求められる。従って、この内臓脂肪計によると、腹部内臓脂肪横断面積VAを求めるにあたり、被検者のWHRに加えてBMIを反映させることができる。
また、内臓脂肪計は、被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HL、身長、体重、性別及び年齢を含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部と、
人体の末端の部位に接触させる電極を介して当該人体の生体インピーダンスZを測定するとともに、該測定された生体インピーダンスZ及び前記入力された個人データ又はその一部に基づいて被検者の体脂肪率FATを求めるための体脂肪率測定手段とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHR及び前記標本とされた複数の人体の体脂肪率FATとを統計的に処理することにより求めたWHRの第三回帰係数、体脂肪率FATの第一回帰係数及び第三回帰定数を記憶しており、前記被検者についてのWHR及び前記体脂肪率測定手段により測定された体脂肪率FATと、前記WHRの第三回帰係数、体脂肪率FATの第一回帰係数及び第三回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めるように構成することができる。
この内臓脂肪計の発明は、腹部内臓脂肪横断面積VAが前記WHRに加えて体脂肪率FATとも相関する点に着目して為されたものであり、標本となる複数の人体についての実際の腹部内臓脂肪横断面積VAと、WHR及び体脂肪率FATの2つのデータとの相関の統計的な処理により求められたWHRの第三回帰係数、体脂肪率FATの第一回帰係数及び第三回帰定数が演算処理部に予め記憶されている。そして、この内臓脂肪計は、被検者個人のWHR、体脂肪率FATを入力することにより、腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めることができる。従って、この内臓脂肪計によると、腹部内臓脂肪横断面積VAを求めるにあたり、被検者のWHRに加えて体脂肪率FATを反映させることができる。
また、内臓脂肪計は、被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HL、身長、体重及び腹部皮下脂肪厚sを含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶することができ、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ、及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHR、該標本とされた複数の人体の肥満の程度を表わすBMI、該標本とされた複数の人体の腹部皮下脂肪厚sとの相関を統計的に処理して求められたWHRの第四回帰係数、BMIの第二回帰係数、腹部皮下脂肪厚sの第一回帰係数及び第四回帰定数が記憶されており、前記被検者についてのWHR、BMI及び腹部皮下脂肪厚sと、前記WHRの第四回帰係数、BMIの第二回帰係数、腹部皮下脂肪厚sの第一回帰係数及び第四回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めるように構成することができる。
この内臓脂肪計の発明は、腹部内臓脂肪横断面積VAが前記WHRに加えてBMI及び腹部皮下脂肪厚sとも相関する点に着目して為されたものであり、不特定多数の標本となる人体についての実際の腹部内臓脂肪横断面積VAと、WHR、BMI及び腹部皮下脂肪厚sの3つのデータとの相関の統計的な処理により求められたWHRの第四回帰係数、BMIの第二回帰係数、腹部皮下脂肪厚sの第一回帰係数及び第四回帰定数が演算処理部に予め記憶されている。そして、この内臓脂肪計は、被検者個人のWHR、BMI、腹部皮下脂肪厚sを入力することにより、腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めることができる。従って、この内臓脂肪計によると、腹部内臓脂肪横断面積VAを求めるにあたり、被検者のWHRに加えてBMI及び腹部皮下脂肪厚sを反映させることができる。
また、本発明にかかる内臓脂肪計は、被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HL、身長、体重、性別、年齢及び腹部皮下脂肪厚sを含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部と、
人体の末端の部位に接触させた電極を介して当該人体の生体インピーダンスZを測定するとともに、該測定された生体インピーダンスZ及び前記入力された個人データ又はその一部に基づいて被検者の体脂肪率FATを求めるための体脂肪率測定手段とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHR、該標本とされた複数の人体の体脂肪率FAT、及び該標本とされた複数の人体の腹部皮下脂肪厚sとの相関を統計的に処理して求められたWHRの第五回帰係数、体脂肪率FATの第二回帰係数、腹部皮下脂肪厚sの第二回帰係数及び第五回帰定数を記憶しており、前記被検者についてのWHR、前記体脂肪率測定手段により測定された体脂肪率FAT及び腹部皮下脂肪厚sと、前記WHRの第五回帰係数、体脂肪率FATの第二回帰係数、腹部皮下脂肪厚sの第二回帰係数及び第五回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めるように構成することができる。
この内臓脂肪計の発明は、腹部内臓脂肪横断面積VAが前記WHRに加えて体脂肪率FAT及び腹部皮下脂肪厚sとも相関する点に着目して為されたものであり、不特定多数の標本となる人体についての実際の腹部内臓脂肪横断面積VAと、WHR、体脂肪率FAT及び腹部皮下脂肪厚sの3つのデータとの相関の統計的な処理により求められたWHRの第五回帰係数、体脂肪率FATの第二回帰係数、腹部皮下脂肪厚sの第二回帰係数及び第五回帰定数が演算処理部に予め記憶されている。そして、この内臓脂肪計は、被検者個人のWHR、体脂肪率FAT、腹部皮下脂肪厚sを入力することにより、腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めることができる。従って、この内臓脂肪計によると、腹部内臓脂肪横断面積VAを求めるにあたり、被検者のWHRに加えて体脂肪率FAT及び腹部皮下脂肪厚sを反映させることができる。
また、以上の腹部皮下脂肪厚sが入力される内臓脂肪計について、腹部皮下脂肪厚sとウエストサイズとに基づいて腹部皮下脂肪横断面積SAを求めるように構成することができる。
また、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値と腹部皮下脂肪横断面積SAとの比を求めるように構成することもできる。
更に、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値と前記腹部皮下脂肪横断面積SAとに基づいて、腹部総脂肪断面積WAを求めるように構成することもできる。これらの腹部皮下脂肪横断面積SAを求め得る内臓脂肪計にあっては、以下の意義を有する。
即ち、皮下脂肪の役割として、皮下脂肪から分泌されるホルモンが体脂肪を減少させる方向に作用することが最近解明されてきている。そして、栄養過剰による内臓脂肪の蓄積で生ずる悪影響を皮下脂肪が緩和する方向に作用することが解明されている。従って、腹部皮下脂肪に関する情報を得ることにより、また、腹部皮下脂肪と腹部内臓脂肪との比を得ることにより、健康を判断するための重要な指標として用いることができる。
また、以上の腹部内臓脂肪横断面積VAを求め得る内臓脂肪計に関して、体脂肪率FATの測定結果に応じて腹部内臓脂肪横断面積VAを求める構成とされるもの以外についても、前記体脂肪率測定手段を備える構成とし、被検者の体脂肪率FATを求めるとともに、体脂肪率FATを表示部に表示するように構成することができる。これにより、腹部内臓脂肪横断面積VAに加えて、体脂肪率FATを知ることができる。
また、本発明にかかる内臓脂肪計は、被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HLを含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部と、
人体の末端の部位に接触させた電極を介して当該人体の生体インピーダンスZを測定するとともに、該測定された生体インピーダンスZを求めるためのインピーダンス測定手段とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHR及び該標本とされた複数の人体の生体インピーダンスZとの相関を統計的に処理して求められた、WHRの第六回帰係数、生体インピーダンスZの第一回帰係数及び第六回帰定数を記憶しており、前記被検者についてのWHR、前記生体インピーダンス測定手段により測定された生体インピーダンスZと、前記WHRの第六回帰係数、生体インピーダンスZの第一回帰係数及び第六回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めるように構成することができる。
この内臓脂肪計の発明は、腹部内臓脂肪横断面積VAが前記WHRに加えて生体インピーダンスZとも相関する点に着目して為されたものであり、不特定多数の標本となる人体についての実際の腹部内臓脂肪横断面積VAと、WHR及び生体インピーダンスZの2つのデータとの相関の統計的な処理により求められたWHRの第六回帰係数、生体インピーダンスZの第一回帰係数及び第六回帰定数が演算処理部に予め記憶されている。そして、この内臓脂肪計は、被検者個人のWHRを入力するとともに、生体インピーダンス測定手段に於いて生体インピーダンスZを測定することにより、腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めることができる。従って、この内臓脂肪計によると、腹部内臓脂肪横断面積VAを求めるにあたり、被検者のWHRに加えて生体インピーダンスZを反映させることができる。
更に、本発明にかかる内臓脂肪計は、被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、及び人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HLを含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部と、
人体の末端の部位に接触させた電極を介して当該人体の生体インピーダンスZを測定するとともに、該測定された生体インピーダンスZを求めるためのインピーダンス測定手段とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHR及び該標本とされた複数の人体の身長TLの2乗を生体インピーダンスZで除したTL 2/Zとの相関を統計的に処理して求められた、WHRの第七回帰係数、TL 2/Zの第一回帰係数及び第七回帰定数を記憶しており、前記被検者についてのWHR、前記体脂肪率測定手段により測定された生体インピーダンスZ及び前記入力手段から入力された身長TLと、前記WHRの第七回帰係数、TL 2/Zの第一回帰係数及び第七回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めるように構成することができる。
この内臓脂肪計の発明は、腹部内臓脂肪横断面積VAが前記WHRに加えて身長TLの2乗を生体インピーダンスZで除したTL 2/Zとも相関する点に着目して為されたものであり、不特定多数の標本となる人体についての実際の腹部内臓脂肪横断面積VAと、WHR及びTL 2/Zの2つのデータとの相関の統計的な処理により求められたWHRの第七回帰係数、TL 2/Zの第一回帰係数及び第七回帰定数が演算処理部に予め記憶されている。そして、この内臓脂肪計は、被検者個人の身長TL及びWHRを入力するとともに、生体インピーダンス測定手段に於いて生体インピーダンスZを測定することにより、腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めることができる。従って、この内臓脂肪計によると、腹部内臓脂肪横断面積VAを求めるにあたり、被検者のWHRに加えて身長TL及び生体インピーダンスZを反映させることができる。
また、以上の内臓脂肪計において腹部内臓脂肪横断面積VAを求めるにあたり、前記被検者の年齢による補正項、性別による補正項を付加して求めるように構成することもできる。これにより、腹部内臓脂肪横断面積VAを求めるにあたり、被検者個人の特徴である年齢や性別を反映させることができる。この場合、年齢による補正項及び性別による補正項の双方を付加してもよく、年齢による補正項または性別による補正項のいずれかを付加するのであってもよい。
また、前記腹部内臓脂肪横断面積VAについての複数の基準値による複数のランクを予め設定し、前記求められた腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値が前記複数のランクに従って前記表示部に表示されるように構成することもできる。これにより、定量的な腹部内臓脂肪横断面積VAの測定結果を、視覚を通じて、段階的なランクによる表示を介して把握できるので、求められた腹部内臓脂肪横断面積VAの把握が容易となる。
また、以上の内臓脂肪計について、前記ウエストサイズを前記被検者の人体の略第四腰椎の部位における周回の寸法とし、前記ヒップサイズを人体の臀部における略最も肉厚の大きい部位における周回の寸法とすることができる。これにより、かかる部位より採取されたウエストサイズ及びヒップサイズを用いることで、人体の内臓脂肪の状態と最も相関の高い測定結果を得ることができる。
また、以上の内臓脂肪計について、前記ウエストサイズ及びヒップサイズを測定するための寸法測定手段を設けることもできる。これにより、上記寸法測定手段を用いることにより、測定したい時点におけるウエストサイズ及びヒップサイズをその場で測定できるので、他で予め測定したウエストサイズやヒップサイズを入力する必要をなくすることができる。
また、前記寸法測定手段により測定されたウエストサイズ及びヒップサイズが、前記演算処理部に入力されるように構成することもできる。これにより、所要のウエストサイズ及びヒップサイズを、被検者が前記入力手段の操作を介して入力する必要をなくすることができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の実施の形態について、図1乃至図6に基づいて説明する。
図1は本発明の一の実施の形態にかかる内臓脂肪計10を表しており、図1(a)は内臓脂肪計10の斜視図である。この内臓脂肪計10は、被検者の内臓脂肪に関する情報である腹部における内臓脂肪の横断面積である腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値や、腹部の皮下脂肪も含めた腹部総脂肪断面積WA等を求め得るとともに、体脂肪計が一体に組み込まれた構成とされ、体脂肪率FATを求めることもできる。
また、この内臓脂肪計10によると、肥満の程度を表す指標として従来より簡易に用いられてきたBMIを求めることもできる。このBMIは、後に説明する個人データに基づき、被検者の身長及び体重に基づく周知の演算式によって求め得るようにされている。
内臓脂肪計10に設けられる操作部7は、数値や文字等を入力できる多くのキーを備え、かかるキーを操作することにより被検者個人の身体的特徴を表す個人データを入力することができ、かかる個人データの入力に必要な多くのキーを備えている。この操作部7は、個人データを入力するための入力手段にあたる。
この内臓脂肪計10で入力することができる個人データとして、被検者の身長、体重、性別、年齢、ウエストサイズ(以下、「腹部周囲長」ということもある)、ヒップサイズ(以下、「臀部周囲長」ということもある)がある。このウエストサイズ(WL)とヒップサイズ(HL)により、ヒップサイズ(HL)に対するウエストサイズ(WL)の比であるWHR(即ち、ウエストサイズをヒップサイズで除する演算により求められる)が求められる。
上記ウエストサイズについては、被検者の人体の略第四腰椎の部位における腹回りの周回の寸法を用いるのが望ましい。また、ヒップサイズについては、被検者の人体の臀部における略最も肉厚の大きい部位における周回の寸法を用いるのが望ましい。ウエストサイズ及びヒップサイズとして、かかる部位の寸法を用いることにより、人体の内臓脂肪の状態を最も反映させ得ると考えられるからである。
また、入力される個人データに、被検者の腹部皮下脂肪厚sを含めることもできる。なお、この腹部皮下脂肪厚sについては、いわゆるキャリパーと呼ばれるものや超音波を用いて測定するもの等、周知の皮下脂肪厚測定手段によって測定することができる。
また、腹部皮下脂肪厚sを測定して内臓脂肪計に入力するにあたり、人体の傍臍部及び腸骨上部の二箇所の部位より採取することができる。そして、腹部皮下脂肪厚sとしては、いずれか一方の測定値を採用してもよく、これらの測定値の和を採用してもよく、または和の平均値を採用してもよい。
そして、操作部7には、個人データの各項目の選択を行うための選択キーや数値データを入力するための数値キー等が備わっている。また、操作部7には、内臓脂肪計10を動作させるべく電源オンまたはオフするためのオン/オフ(ON/OFF)スイッチや、後に説明する生体インピーダンスZの測定を開始するためのインピーダンス測定開始スイッチも設けられている。
また、この操作部7を操作することにより、腹部内臓脂肪横断面積VAの測定を行うための各測定モードを選択でき、かかる測定モードの選択に応じて、後に説明する第一の測定ルーチンや第二の測定ルーチン等の測定ルーチンが実行される。
また、表示部8には、前記操作部7を介して入力された各種の個人データや、入力された個人データより求められたBMIが表示され、また、測定結果である体脂肪率FATや腹部内臓脂肪横断面積VAに関する表示が行われるようになっている。図1(b)は表示部8の表示の一例を示す図である。
この図1(b)に示される表示にあっては、腹部内臓脂肪横断面積VAの測定結果に応じて複数のランクに区分して表示するものである。図1(b)において、8a、8b、8cは各ランクを表すランクバーである。腹部内臓脂肪横断面積VAについて予め複数の基準値を設定しておき、かかる複数の基準値と測定された腹部内臓脂肪横断面積VAとが比較される。そして、被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAがどのランクにあたるかが表示されるのであり、図1(b)の例では、ランクバー8bに対応するランクにあることが表示されている。
また、図1(b)に示されるように、レベル指標8d、8eを表示するようにすることもでき、このレベル指標8d、8eを内臓脂肪と関係する具体的な症状と対応させることもできる。例えば、臨床学的には腹部内臓脂肪横断面積VAが100cm2を超えると肥満症とされることがあるが、レベル指標8eを腹部内臓脂肪横断面積VAの測定レベルの100cm2に対応させておくこともできる。
この図1(b)に示されるように、定量的な数値として得られた測定結果を、ランクに区分して表示し、また測定結果に応じて患っている可能性のある症状に対応させて表示するようにすると、測定結果のレベルに応じた視覚を介する段階的で判り易い把握ができる。
また、この内臓脂肪計10には、以下に説明するように被検者の体脂肪率FATを測定するための体脂肪率測定手段が設けられている。即ち、内臓脂肪計10の本体の表面における前方部分の左側には電極3が配設され、前方部分の右側には電極4が配設されている。そして、本体1の裏面における前記電極3に対する略真裏の位置には電極5(図示せず)が配設され、前記電極4に対する略真裏の位置には電極6(図示せず)が配設されている。
これら電極3、4、5、6からなる電極群は、人体の生体インピーダンスZを測定するためのものである。そして、前記電極5及び6は被検者の人体に電流路を形成するための一対の電流路形成電極であり、前記電極3及び4は前記電流路内における二点間の電位差を測定するための一対の電圧測定用電極である。
そして、これらの電極群は、体脂肪計において周知である本体1の内部のインピーダンス測定手段(図示されない)に接続されている。即ち、電極5及び6は一定電流を出力する定電流源を構成する回路部分に接続されており、電極3及び電極4は電圧計を構成する回路部分に接続されている。
これらの電極を介して生体インピーダンスZを測定するにあたり、例えば、被検者の左手の親指を電極3に接触させ左手の人指し指を電極5に接触させるとともに、右手の親指を電極4に接触させ右手の人指し指を電極6に接触させることができる。このようにして被検者の両手を人体の末端とする生体インピーダンスZを測定することができる。
この内臓脂肪計10のように、電極5を電極3の略真裏の位置となるように配設し、電極6を電極4の略真裏の位置となるように配設すると、両手の各手の二本の指を電極に接触させつつ本体1を摘むにあたり、摘み易いというメリットがある。これにより、内臓脂肪計10を手にとって安定して支持しつつ、生体インピーダンスZを安定して測定することもできる。また、各手の二本の指によって、電極3と5とを略等しく押圧することができ、電極4と6とを略等しく押圧することもできる。これにより、生体インピーダンスZをより安定に測定することができる。
次に、図2により、内臓脂肪計10における信号処理のブロックについて説明する。この内臓脂肪計10における各種の演算は、中央処理装置(CPU)14と記憶装置15とを備えて構成される演算処理部12によって行われる。
そして、記憶装置15には、操作部7に備わる機能キーの操作を介して入力された個人データや、電極3、4、5、6を介して得られた生体インピーダンスZの測定値が記憶される。また、記憶装置15には、生体インピーダンスZや個人データに基づいて体脂肪率FATを求めるために必要な各種の演算式や係数等が記憶されている。また、体脂肪率FATが求められると、この体脂肪率FATが記憶装置15に記憶される。また、前記BMIや、腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値が求められると、これらの演算結果についても記憶装置15に記憶される。
また、記憶装置15には、内臓脂肪計10に対する一連の操作についての被検者に対する所要の指示を行う手順を内容とする操作指示ルーチンや、BMIや体脂肪率FAT、腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値の演算を内容とする測定ルーチンが格納されている。この測定ルーチンとして、後に説明する動作の例として実行される第一の測定ルーチン、第二の測定ルーチンがある。
また、記憶装置15には、腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求めるにあたって用いられる、WHRの第一回帰係数a1、WHRの第二回帰係数a2、WHRの第三回帰係数a3、WHRの第四回帰係数a4、WHRの第五回帰係数a5、WHRの第六回帰係数a6、WHRの第七回帰係数a7、BMIの第一回帰係数b1、BMIの第二回帰係数b2、体脂肪率FATの第一回帰係数d1、体脂肪率FATの第二回帰係数d2、腹部皮下脂肪厚sの第一回帰係数e1、腹部皮下脂肪厚sの第二回帰係数e2、生体インピーダンスの第一回帰係数f1、TL 2/Zの第一回帰係数g1、第一回帰定数c1、第二回帰定数c2、第三回帰定数c3、第四回帰定数c4、第五回帰定数c5、第六回帰定数c6、第七回帰定数c7が記憶されている。
これら係数a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7、b1、b2、c1、c2、c3、c4、c5、c6、c7、d1、d2、e1、e2、f1、g1、は、別途に求められ、内臓脂肪計10に入力され記憶される。これらの係数は以下のようにして求められる。即ち、不特定多数の標本となる人体について、各個人の実際の腹部内臓脂肪横断面積VAを測定する。そして、この標本となった各個人について、そのWHR、BMI、体脂肪率FAT、腹部皮下脂肪厚sの測定を行う。
そして、WHRと実際の腹部内臓脂肪横断面積VAとの相関を統計的に処理することにより、前記WHRに対するa1及び第一回帰定数c1が求められる。また、WHR及びBMIと実際の腹部内臓脂肪横断面積VAとの相関を統計的に処理することにより、WHRに対するa2、BMIに対するb1、第二回帰定数c2が求められる。また、WHR及び体脂肪率FATと実際の腹部内臓脂肪横断面積VAとの相関を統計的に処理することにより、WHRに対するa3、体脂肪率FATに対するd1、第三回帰定数c3が求められる。
また、WHR、BMI及び腹部皮下脂肪厚sと実際の腹部内臓脂肪横断面積VAとの相関を統計的に処理することにより、WHRに対するa4、BMIに対するb2、腹部皮下脂肪厚sに対するe1、第四回帰定数c4が求められる。また、WHR、体脂肪率FAT及び腹部皮下脂肪厚sと実際の腹部内臓脂肪横断面積VAとの相関を統計的に処理することにより、WHRに対するa5、体脂肪率FATに対するd2、腹部皮下脂肪厚sに対するe2、第五回帰定数c5が求められる。
更に、WHR及び生体インピーダンスZと実際の腹部内臓脂肪横断面積VAとの相関を統計的に処理することにより、WHRに対するa6、生体インピーダンスZに対するf1、第六回帰定数c6が求められる。また、WHR及びTL 2/Zと実際の腹部内臓脂肪横断面積VAとの相関を統計的に処理することにより、WHRに対するa7、TL 2/Zに対するg1及び第七回帰定数c7が求められる。
なお、上記係数a1乃至g1を求めるにあたり、実際の腹部内臓脂肪横断面積VAと各個人データとの相関の統計的処理は、回帰分析により行うことができる。例えば、WHRに対する係数a1及びa1との関係で求められる係数c1は、実際の腹部内臓脂肪横断面積VAがWHRのみと相関するとの仮定に基づき、単回帰分析によって求めることができる。また、WHR及びその他の個人データと腹部内臓脂肪横断面積VAが相関すると仮定する場合には、重回帰分析によって各係数を求めることができる。
また、標本となる複数の人体に対する実際の腹部内臓脂肪横断面積VAを求めるにあたっては、断層撮影が用いられる。この断層撮影の方式としては、CTスキャンやMRI、超音波診断等、人体の腹部の横断面を精度よく測定することが可能な各種の方式を用いることができる。また、上記係数a1乃至e2を求めるにあたって、実際の腹部内臓脂肪横断面積VA及び個人データの採取を行う標本となる人体の個体数として、腹部内臓脂肪横断面積VAの統計的処理を行う観点から、100人以上とするのが望ましい。より望ましくは、500人以上とするのがよい。
また、図2に示される内臓脂肪計10の信号処理のブロックについて、記憶装置15に記憶された上記各種のデータや測定値を、表示部8に表示することができる。なお、上記各データや測定値を中央処理装置14や記憶装置15により処理するための入出力は、入出力装置(I/O)16を介して行われる。
次に、この内臓脂肪計10を動作させる例について、図3を参酌しつつ説明する。まず、内臓脂肪計10の電源をオンし、操作部7を操作して第一の測定モードを選択すると、第一の測定ルーチンの実行が開始される。
まず、被検者により身体特定情報である個人データが入力されるが、身体特定情報として、身長、体重、年齢、性別、WHRが入力され、これらのデータが記憶される(S1)。
次に、S1で入力された身長及び体重に基づいてBMIが演算により求められ記憶される(S2)。次に、被検者の両手間で生体インピーダンスZが測定され(S3)、測定された生体インピーダンスZが記憶される。次に、以上に入力された個人データのうちの所要項目と生体インピーダンスZとから体脂肪率FATが演算され記憶される(S4)。
次に、腹部内臓脂肪横断面積VAが、以上に入力されたWHRからの推定演算により求められ(S5)、以上に求められたBMI、体脂肪率FAT、腹部内臓脂肪横断面積VAが表示部8に表示される(S6)。
以上のS5の手順における腹部内臓脂肪横断面積VAの推定演算は、以下の式(1)に従った演算によって行われる。
VA=a1・WHR+c1 (1)
式(1)において、VAは腹部内臓脂肪横断面積を表している(以下、VAは腹部内臓脂肪横断面積を表す)。
この図3に示されるS5の手順にあっては、VAを被検者のWHRのみとの相関を仮定し、該仮定に基づく上記係数a1及びc1とWHRとからVAの推定値を演算している。このVAの推定値を演算するにあたって、上記式(1)に代えて、以下の式(2)乃至式(5)を用いることもできる。
VA=a2・WHR+b1・BMI+c2 (2)
VA=a3・WHR+d1・FAT+c3 (3)
VA=a4・WHR+b2・BMI+e1・s+c4 (4)
VA=a5・WHR+d2・FAT+e2・s+c5 (5)
VA=a6・WHR+f1・Z+c6 (6)
VA=a7・WHR+g1・TL 2/Z+c7 (7)
式(3)、式(5)におけるFATは%で表示される体脂肪率を表している(以下、FATは体脂肪率を表す)。また、式(4)におけるsは腹部皮下脂肪厚を表している。式(2)は、VAと被検者のWHR及びBMIとの相関の仮定に基づき、VAの推定値を演算するための式である。式(3)は、VAと被検者のWHR及び体脂肪率FATとの相関の仮定に基づき、VAの推定値を演算するための式である。
また、式(4)は、VAと被検者のWHR、BMI及び腹部の皮下脂肪厚sとの相関の仮定に基づき、VAの推定値を演算するための式である。また、式(5)は、VAと被検者のWHR、体脂肪率FAT及び腹部皮下脂肪厚sとの相関の仮定に基づき、VAの推定値を演算するための式である。
更に、式(6)は、VAと被検者のWHR及び生体インピーダンスZとの相関の仮定に基づき、VAの推定値を演算するための式である。また、式(5)は、VAと被検者のWHR及びTL 2/Zとの相関の仮定に基づき、VAの推定値を演算するための式である。
以上より判るように、式(1)がVAをWHRのみとの相関により求めるのに対し、式(2)乃至(7)にあっては、個人データの複数の項目との相関に基づきVAの推定値を求めるようにしている。この式(2)乃至(7)のように個人データの複数の項目との相関に基づきVAの推定値を求めるようにすると、各被検者の固有の個人的特徴をより細かく反映させてVAを求めることができる。
また、以上の式(1)乃至(7)の各々について、年齢による補正項や性別による補正項を加えることもできる。年齢による補正項Ycは式(8)に表されるとおりであり、性別による補正項Xcは式(9)に表されるとおりである。
Yc=−δ・age (8)
Xc=η・sex (9)
式(8)において、ageは被検者の年齢であり、δは年齢補正係数である。また、式(9)において、sexは男女の性別によって異なる変数であり、ηは性別補正係数である。これらの補正項は、式(1)乃至(7)に加えた場合には、重回帰式の変数項として定義され扱われることになる。従って、式(8)のδは回帰変数、ageは変数として、式(9)のηは回帰係数として、また、sexは変数として、VAの推定式との相関に基づいて求めることができる。
以上の式(1)乃至(5)の各々について、式(8)の補正項Ycや式(9)の補正項Xcも加えてVAを求めるようにすると、被検者の年齢や性別に基づく個人的特徴をより細かく反映させることができる。この補正項Xc、Ycについて、上記式(1)乃至(5)の各々に対して、いずれかを加えてもよく、両方ともに加えるのであっても構わない。Xc及びYcの両方を加えるようにすると、式(1)乃至式(5)の各式に従ってVAを求めるにあたり、被検者の個人的特徴をより細かく反映させることができる。
また、以上のようにして求められた被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAに基づき、内臓脂肪に関する情報として、腹部内臓脂肪量を演算によって求めることもできる。
次に、内臓脂肪計10を動作させる他の例について、図4を参酌しつつ説明する。操作部7(図1)を操作して第二の測定モードを選択すると、第二の測定ルーチンの実行が開始される。まず、被検者により、被検者のウエストサイズである腹部周囲長が入力される(S11)。次に、腹部皮下脂肪横断面積SAが演算され、記憶される(S12)。S12の手順におけるSAの演算は、式(10)に従ってされる。
SA=WL・s−π・s2 (10)
式(10)において、WLは腹部周囲長を表し、sは腹部皮下脂肪厚を表す。 次に、腹部総断面積(AW)が演算され、記憶される(S13)。S13の手順におけるAWの演算は、式(11)に従ってされる。
AW=ζ・(WL 2/4π) (11)
式(11)において、πは円周率を表している。また、ζは、円形状と楕円形状との間で変換するための変換係数である。
次に、別に求められて記憶されている腹部内臓脂肪横断面積VAとSAから腹部総脂肪断面積WAが演算され記憶される(S14)。このS14の手順におけるWAの演算は、式(12)に従ってされる。
WA=VA+SA (12)
次に、腹部内臓脂肪横断面積VAと腹部皮下脂肪横断面積SAの比であるVSRが演算され記憶される(S15)。S15の手順におけるVSRの演算は、式(13)に従ってされる。
VSR=VA/SA (13)
次に、腹部内臓脂肪横断面積VAと腹部総脂肪断面積WAの比であるVWR、腹部内臓脂肪横断面積VAと腹部総断面積(AW)の比であるVARが演算され記憶される(S16)。S16の手順におけるVWRの演算は式(14)に従ってされ、VARの演算は式(15)に従ってされる。
VWR=VA/WA (14)
VAR=VA/AW (15)
次に、腹部皮下脂肪横断面積SAと腹部総脂肪断面積WAの比であるSWR、腹部皮下脂肪横断面積SAと腹部総断面積(AW)の比であるSARが演算され記憶される(S17)。S17の手順におけるSWRの演算は式(16)に従ってされ、SARの演算は式(17)に従ってされる。
SWR=SA/WA (16)
SAR=SA/AW (17)
次に、以上に求められたSA、VSR、VWR、VAR、SWR、SARの各値が表示部8に表示される(S18)。また、腹部皮下脂肪横断面積SAが、複数のランク別に判別され、該ランクに従って表示部8にランク表示される(S19)。
なお、以上の図1乃至図4に基づく説明では、個人データに含まれるウエストサイズやヒップサイズ、及びそれらの比であるWHRについて、他で測定されたデータを操作部7より入力するようにした例を挙げて説明したが、内臓脂肪計自体に被検者の腹部周囲長等を測定できる寸法測定手段を設けるようにするのであってもよい。図5(a)は、寸法測定手段が設けられた内臓脂肪計の例である内臓脂肪計20の一部透視図を含む斜視図を示している。
この内臓脂肪計20にあっては、内部に収納できるとともに、外部に取り出し得るようにされた巻き尺21が、寸法測定手段として設けられている。この巻き尺21は、先端の引き出しチップ22を摘んで引っ張ることにより、引き出し部23より外部に引き出し得るようにされている。また、この巻き尺21は、内臓脂肪計20に設けられる図示されない収納ボタンの操作によって内部に収納できるようにされている。
また、内臓脂肪計20の先端における引き出し部23の反対側には係止部24が設けられており、図5(b)に示されるように、巻き尺21の引き出しチップ22を係止部24に固定することによって、巻き尺21が撓む等することを防いで正確に測定できるようにされている。
そして、図5(b)に示されるように、巻き尺21を引き出して人体の腹部回りや臀部回りの部位に巻き付けた上、引き出しチップ22を係止部24に固定することにより、寸法を測定したい所要部位の寸法を測定することができる。
この巻き尺21によって測定されたウエストサイズやヒップサイズを操作部7を介して入力することもできるが、巻き尺21によって測定された寸法が操作部7の操作を介することなく直接に演算処理部12に入力される構成とするのであってもよい。この場合には、巻き尺21を介して測定された寸法のデータはディジタル信号として処理されるようにされるとともに、図2に示される信号処理ブロックにおいて、入出力装置(I/O)16を介して演算処理部12に入力される。そして、巻き尺21によって測定されたウエストサイズ及びヒップサイズに基づき、これらの比であるWHRが演算処理部12で求められるようにされる。
この内臓脂肪計20のように寸法測定手段を設け、ヒップサイズやウエストサイズを測定できるようにすると、内臓脂肪横断面積を測定したい時点における被検者について、その場で測定できるので、被検者の最新のヒップサイズやウエストサイズに応じて、より精度良く腹部内臓脂肪横断面積VAを求めることができる。
なお、寸法測定手段として、以上に説明した巻き尺21により構成する以外に、特に図示されないローラーによる回転積算式のものにより構成することもできる。即ち、寸法を測定したい部位に沿って接触させつつ移動させると回転するローラーの回転数の総和によって寸法を測定できるようにされたものにより寸法測定手段を構成するのである。かかる回転積算式のものにより寸法測定手段を構成すると、ウエスト回りやヒップ回り等の部位に沿ってローラーを回転させただけで、ウエストサイズやヒップサイズを測定することができ、該ウエストサイズやヒップサイズの測定を容易とすることができる。
以上の内臓脂肪計10、内臓脂肪計20の例では、手に取って操作することができ、体脂肪率FATにかかる生体インピーダンスZの測定を両手を介してするように構成した例として説明した。
本発明にかかる内臓脂肪計を、体重計及び体脂肪計と一体化させた構成とすることもできる。図6に示される内臓脂肪計30は、体重計及び体脂肪計が一体に組み込まれた構成とされている。
そして、この内臓脂肪計30にあっては、本体の表面に体重測定面32が形成され、本体の内部に設けられる図示されないロードセルによって体重測定面32上の重量が検出される。そして、被検者が体重測定面32の上に足で載ることによって、その体重を測定することができる。
また、体重測定面32には、被検者の生体インピーダンスZを測定するための電極33、34、35、36が設けられている。電極33、34は被検者の人体に電流を導通させて電流路を形成するための一対の電流路形成電極であり、電極35、36は前記電流路における二点間の電圧を測定するための一対の電圧測定用電極である。
そして、電極33、34、35、36は、上記内臓脂肪計10、20と同様に、体脂肪計や体脂肪測定の分野において周知である本体内部に設けられるインピーダンス測定手段に接続されており、電極33、34、35、36を介して人体のインピーダンスを測定できるようにされている。
そして、この内臓脂肪計30によると、被検者が左足の裏面を電極33、35に接触させるとともに、右足の裏面を電極34、36に接触させるようにして測定台32の上に載ることにより、被検者の体重を測定できるとともに、両足を人体の末端とする生体インピーダンスZを測定することもできる。
そして、この内臓脂肪計30は、前記内臓脂肪計10について説明したのと同様に構成される操作部7、表示部8が設けられており、また、中央処理装置14と記憶装置15とを備えて構成される演算処理部12を備えている。
そして、記憶装置15は、前記内臓脂肪計10について説明したのと同様に構成されており、上記各ルーチンや各種の係数やデータが格納され、また、入力されたデータや測定結果が記憶されるようになっている。そして、上記図2に基づき説明したのと同様に信号処理が行われる。
なお、この内臓脂肪計30については、本体内部に設けられるロードセルにより検出された被検者の体重は、演算処理部12により体重データとして処理されるようにされている。また、個人データの一つである体重について、操作部7より入力するかわりに、この内臓脂肪計30によって測定された体重データを用いるようにすることもできる。
また、この内臓脂肪計30について、前記内臓脂肪計20において説明した寸法測定手段を設け、その場でウエストサイズ、ヒップサイズを測定できるようにしてもよい。
以上に説明した内臓脂肪計30にあっては、その上に足で載ることにより、足を介する生体インピーダンスZの測定により体脂肪率FATを測定しつつ体重の測定も行えるように体重計が一体に組み込まれたが、体重計として機能する部分を組み込まないようにしてもよい。即ち、体重の測定はできないが、足を介する生体インピーダンスZの測定に基づき体脂肪率FATを測定できるとともに、以上に説明した内臓脂肪に関する測定を行えるようにするのであってもよい。
さらに、体脂肪率測定手段に関して手と足の双方を介するインピーダンスの測定を行えるようにしつつ、以上に説明した内臓脂肪に関する測定を行えるようにするのであってもよい。即ち、体脂肪率測定手段に関して、図1や図5に示されたように手を介するインピーダンスの測定を行えるようにするとともに、図6に示されたように足を介するインピーダンスの測定を行えるようにするのであってもよい。
以上に説明したように、本発明の内臓脂肪計によると、被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAを家庭等で簡易に求めることができる。これにより、各種の疾病等との関係で重要とされる内臓脂肪についての情報を簡便に得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図1(a)は内臓脂肪計の一例の斜視図、同図(b)内臓脂肪計の表示部の表示の例を示す図である。
図2は、内臓脂肪計の信号処理に係るブロック図である。
図3は、腹部内臓脂肪横断面積VAの測定を行う手順の例を表す図である。
図4は、腹部内臓脂肪横断面積VAの測定を行う手順の例を表す図である。
図5は、寸法測定手段が設けられた内臓脂肪計を表す図である。
図6は、内臓脂肪計の一例の斜視図である。
Claims (22)
- 被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、及び人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HLを含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を含む前記被検者の腹部内臓脂肪に関する定量的な情報を演算で求めるための演算処理部と、
前記個人データ、及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長H L に対する腹部周囲長W L の比(W L /H L )であるWHRとに基づいて統計的に処理することにより求めたWHRの少なくとも1つの回帰係数及び少なくとも1つの回帰定数を記憶しており、
、前記被検者の前記WHRと前記少なくとも1つの回帰係数及び少なくとも1つの回帰定数とに基づき前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求める内臓脂肪計。 - 前記腹部内臓脂肪に関する定量的な情報が腹部内臓脂肪量を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の内臓脂肪計。
- 人体の末端の部位に接触させた電極を介して当該人体の生体インピーダンスZを測定するとともに、該測定された生体インピーダンスZ及び前記入力された個人データ又はその一部に基づいて被検者の体脂肪率FATを求めるための体脂肪率測定手段を更に有し、
該体脂肪率測定手段により求められた体脂肪率FATが前記表示部に表示されるように構成された請求項1又は2に記載の内臓脂肪計。 - 被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、及び人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HLを含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHRとに基づいて統計的に処理することにより求めたWHRの第一回帰係数及び第一回帰定数を記憶しており、前記被検者についてのWHRと前記WHRの第一回帰係数及び第一回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求める内臓脂肪計。 - 被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HL、身長、及び体重を含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHR及び前記標本とされた複数の人体の肥満の程度を表わすBMIとに基づいて統計的に処理することにより求めたWHRの第二回帰係数、BMIの第一回帰係数及び第二回帰定数を記憶しており、前記被検者についてのWHR及びBMIと、前記WHRの第二回帰係数、BMIの第一回帰係数及び第二回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求める内臓脂肪計。 - 被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HL、身長、体重、性別及び年齢を含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部と、
人体の末端の部位に接触させる電極を介して当該人体の生体インピーダンスZを測定するとともに、該測定された生体インピーダンスZ及び前記入力された個人データ又はその一部に基づいて被検者の体脂肪率FATを求めるための体脂肪率測定手段とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHR及び前記標本とされた複数の人体の体脂肪率FATとを統計的に処理することにより求めたWHRの第三回帰係数、体脂肪率FATの第一回帰係数及び第三回帰定数を記憶しており、前記被検者についてのWHR及び前記体脂肪率測定手段により測定された体脂肪率FATと、前記WHRの第三回帰係数、体脂肪率FATの第一回帰係数及び第三回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求める内臓脂肪計。 - 被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HL、身長、体重及び腹部皮下脂肪厚sを含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶することができ、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ、及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHR、該標本とされた複数の人体の肥満の程度を表わすBMI、該標本とされた複数の人体の腹部皮下脂肪厚sとの相関を統計的に処理して求められたWHRの第四回帰係数、BMIの第二回帰係数、腹部皮下脂肪厚sの第一回帰係数及び第四回帰定数が記憶されており、前記被検者についてのWHR、BMI及び腹部皮下脂肪厚sと、前記WHRの第四回帰係数、BMIの第二回帰係数、腹部皮下脂肪厚sの第一回帰係数及び第四回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求める内臓脂肪計。 - 前記演算処理部は、前記被検者の腹部皮下脂肪厚sと腹部周囲長WLとに基づいて腹部皮下脂肪横断面積SAを更に求める請求項7に記載の内臓脂肪計。
- 前記演算処理部は、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値と腹部皮下脂肪横断面積SAとの比VSRを更に求める請求項8に記載の内臓脂肪計。
- 前記演算処理部は、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値と前記腹部皮下脂肪横断面積SAとに基づいて、腹部総脂肪断面積WAを更に求める請求項8に記載の内臓脂肪計。
- 被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HL、身長、体重、性別、年齢及び腹部皮下脂肪厚sを含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部と、
人体の末端の部位に接触させた電極を介して当該人体の生体インピーダンスZを測定するとともに、該測定された生体インピーダンスZ及び前記入力された個人データ又はその一部に基づいて被検者の体脂肪率FATを求めるための体脂肪率測定手段とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHR、該標本とされた複数の人体の体脂肪率FAT、及び該標本とされた複数の人体の腹部皮下脂肪厚sとの相関を統計的に処理して求められたWHRの第五回帰係数、体脂肪率FATの第二回帰係数、腹部皮下脂肪厚sの第二回帰係数及び第五回帰定数を記憶しており、前記被検者についてのWHR、前記体脂肪率測定手段により測定された体脂肪率FAT及び腹部皮下脂肪厚sと、前記WHRの第五回帰係数、体脂肪率FATの第二回帰係数、腹部皮下脂肪厚sの第二回帰係数及び第五回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求める内臓脂肪計。 - 前記演算処理部は、前記被検者の腹部皮下脂肪厚sと腹部周囲長WLとに基づいて腹部皮下脂肪横断面積SAを更に求める請求項11に記載の内臓脂肪計。
- 前記演算処理部は、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値と腹部皮下脂肪横断面積SAとの比VSRを更に求める請求項12に記載の内臓脂肪計。
- 前記演算処理部は、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値と前記腹部皮下脂肪横断面積SAとに基づいて、腹部総脂肪断面積WAを更に求める請求項12に記載の内臓脂肪計。
- 人体の末端の部位に接触させた電極を介して当該人体の生体インピーダンスZを測定することができ、該測定された生体インピーダンスZ及び前記入力された個人データ又はその一部に基づいて被検者の体脂肪率FATを求めるための体脂肪率測定手段を有し、
該体脂肪率測定手段により求められた体脂肪率FATが前記表示部に表示されるように構成された請求項4、5、7、8、9、10のいずれかに記載の内臓脂肪計。 - 被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HLを含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部と、
人体の末端の部位に接触させた電極を介して当該人体の生体インピーダンスZを測定するとともに、該測定された生体インピーダンスZを求めるためのインピーダンス測定手段とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHR及び該標本とされた複数の人体の生体インピーダンスZとの相関を統計的に処理して求められた、WHRの第六回帰係数、生体インピーダンスZの第一回帰係数及び第六回帰定数を記憶しており、前記被検者についてのWHR、前記体脂肪率測定手段により測定された生体インピーダンスZと、前記WHRの第六回帰係数、生体インピーダンスZの第一回帰係数及び第六回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求める内臓脂肪計。 - 被検者の人体の胴の部位における周回の寸法である腹部周囲長WL、及び人体の臀部の部位における周回の寸法である臀部周囲長HLを含む個人データを入力するための入力手段と、
前記個人データを記憶するとともに、該個人データに基づいて前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を演算するための演算処理部と、
前記個人データ及び前記演算処理部により演算処理された演算結果を表示するための表示部と、
人体の末端の部位に接触させた電極を介して当該人体の生体インピーダンスZを測定するとともに、該測定された生体インピーダンスZを求めるためのインピーダンス測定手段とを有し、
前記演算処理部は、標本となる複数の人体の腹部の断層撮影により得られた腹部内臓脂肪横断面積VAの実際の測定値と、前記標本とされた複数の人体の臀部周囲長HLに対する腹部周囲長WLの比(WL/HL)であるWHR及び該標本とされた複数の人体の身長TLの2乗を生体インピーダンスZで除したTL 2/Zとの相関を統計的に処理して求められた、WHRの第七回帰係数、TL 2/Zの第一回帰係数及び第七回帰定数を記憶しており、前記被検者についてのWHR、前記体脂肪率測定手段により測定された生体インピーダンスZ及び前記入力手段から入力された身長TLと、前記WHRの第七回帰係数、TL 2/Zの第一回帰係数及び第七回帰定数とに基づいて、前記被検者の腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値を求める内臓脂肪計。 - 前記腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値が、前記被検者の年齢による補正項及び/又は性別による補正項を付加して求められるように構成された請求項4乃至15のいずれかに記載の内臓脂肪計。
- 腹部内臓脂肪横断面積VAについての複数の基準値による複数のランクが予め設定されており、前記求められた腹部内臓脂肪横断面積VAの推定値が前記複数のランクに従って前記表示部に表示されるように構成された請求項4乃至18のいずれかに記載の内臓脂肪計。
- 前記腹部周囲長WLが前記被検者の人体の略第四腰椎の部位における周回の寸法であり、前記臀部周囲長HLが人体の臀部における略最も肉厚の大きい部位における周回の寸法であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の内臓脂肪計。
- 前記腹部周囲長WL及び臀部周囲長HLを測定するための寸法測定手段が設けられてなる、請求項1乃至20のいずれかに記載の内臓脂肪計。
- 前記寸法測定手段により測定された腹部周囲長WL及び臀部周囲長HLが、前記演算処理部に入力されるように構成された請求項21に記載の内臓脂肪計。
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