JP4773320B2 - 高温用rfidタグ - Google Patents

高温用rfidタグ Download PDF

Info

Publication number
JP4773320B2
JP4773320B2 JP2006313859A JP2006313859A JP4773320B2 JP 4773320 B2 JP4773320 B2 JP 4773320B2 JP 2006313859 A JP2006313859 A JP 2006313859A JP 2006313859 A JP2006313859 A JP 2006313859A JP 4773320 B2 JP4773320 B2 JP 4773320B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rfid tag
heat insulating
insulating material
main body
bottom wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006313859A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008129838A (ja
Inventor
吉人 福本
光容 毛笠
知多佳 真鍋
直樹 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2006313859A priority Critical patent/JP4773320B2/ja
Publication of JP2008129838A publication Critical patent/JP2008129838A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4773320B2 publication Critical patent/JP4773320B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、高温(例えば300℃〜500℃)の対象物体に装着されて使用される高温用RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数同定)タグに関するものである。
近年、工場や倉庫、店頭等での物品の識別にRFIDタグが多用されている。このRFIDタグの本体は、データを記憶するための半導体チップと、当該データを無線にて送受信するためのアンテナとを含み、これら半導体チップ及びアンテナは一般にフィルム状の回路基板に実装される。
このRFIDタグの本体の使用は、通常、常温付近の温度下に制限される。これは、当該RFIDタグを構成する前記半導体チップや樹脂製フィルム状基板の耐熱性が低いことによる。前記半導体チップの耐熱温度(保存温度)は通常160℃程度またはそれ以下であり、それ以上の温度に前記半導体チップが長期間曝されると、同チップに含まれる回路の破壊や記憶データの消去が生ずるおそれがある。また、前記フィルム状基板を構成する樹脂材料の耐熱温度はさらに低く、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)製のフィルム状基板は、100℃程度まで加熱されるだけで皺(しわ)がよったり溶融したりするおそれがある。
このようなRFIDタグ本体の低い耐熱性にかかわらず、RFIDタグの高温使用を可能にする手段として、断熱部材を併用する技術が知られている。例えば特許文献1には、前記RFIDタグ本体を構成する回路基板と、メラミン樹脂フォームからなる複数の断熱材と、これらの断熱材を積層状態で格納する外枠とを備え、適当な断熱材同士の間に前記回路基板が挟みこまれたRFIDタグが開示されている。
特開2001−175823号公報
前記特許文献1に記載のRFIDタグに想定されている耐熱温度は、同文献の段落0020に記載される実施例のように高だか200℃であり、それを超える耐熱温度を実現するための具体的な手段は当該文献に何ら開示されていない。その一方、鉄鋼やアルミニウムなどの素材を製造する現場においては、例えば連続鋳造により製造される鋳片のように、きわめて高い温度まで加熱され、かつ、その高温状態(例えば400〜500℃)を保ったまま保管される材料が存在する。しかしながら、このようなきわめて高温の物体は、前記RFIDタグの耐熱特性の限界を超えるものであることから、その適用対象に含まれていないのが現状である。
本発明は、このような事情に鑑み、例えば連続鋳造により製造される鋳片のようにきわめて高い温度まで加熱される物体に対しても適用することが可能な高温用RFIDタグを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、高温の対象物体に装着された状態で使用される高温用RFIDタグであって、データを記憶する半導体チップ及び当該データを送受信するためのアンテナを含むRFIDタグ本体と、このRFIDタグ本体を保持した状態で前記対象物体に装着され、かつ、この対象物体の熱が前記RFIDタグ本体に伝わるのを抑止する断熱部材とを備え、前記断熱部材は、セラミックスからなり、前記対象物体に装着される第1の断熱材と、この第1の断熱材よりも熱伝導率の低い多孔質セラミックスからなり、当該第1の断熱材と前記RFIDタグ本体との間に介在する第2の断熱材とを含み、前記第1の断熱材は、前記第2の断熱材よりも曲げ強度の高い材料からなり、前記対象物体に装着される底壁部と、この底壁部から前記対象物体と反対の側に立ち上がり、前記第2の断熱材を収容するための収容空間を囲む周壁部とを一体に有し、その収容空間内に前記第2の断熱材及び前記RFIDタグ本体が収容されるものである。
この高温用RFIDタグでは、そのRFIDタグ本体と対象物体との間に介在する、熱伝導率の低い多孔質セラミックスからなる第2の断熱材が、RFIDタグ本体を前記対象物体のもつ熱から有効に保護して高い耐熱性能を実現する。この第2の断熱材を構成する多孔質セラミックスは、断熱性が高い反面、脆くて強度が低いため、単独での取扱いは困難であるが、この第2の断熱材は、マシナブルセラミックスからなる前記第1の断熱材に形成された収容空間に前記RFIDタグ本体とともに収容されるため、前記第2の断熱材の脆さにかかわらずRFIDタグ全体の取扱は容易であり、当該RFIDタグを不都合なく対象物体に対して着脱することを可能にする。また、この第2の断熱材の断熱性と、それを上回る前記第1の断熱材の断熱性とが協働してきわめて高い耐熱性能を実現する。
さらに、このRFIDタグは、前記マシナブルセラミックスの特性を利用することにより、容易に製造することができる。具体的には、前記第1の断熱材を構成するマシナブルセラミックスからなる素材に対し、その一部を除去する機械加工を施すことにより当該素材内に前記収納空間を形成する工程と、前記収納空間内に前記第2の断熱材及び前記RFIDタグ本体を装填する工程とを含む方法によって、当該第2の断熱材が前記第1の断熱材に保護される構造のRFIDタグが容易に製造される。
前記RFIDタグにおいて、その第2の断熱材は、400℃における熱伝導率が0.05W/m・K以下であり、かつ、前記RFIDタグ本体と前記第1の断熱材の底壁部との間に介在する部分の厚さが1cm以上であることが、好ましい。一方、前記第1の断熱材は、400℃における熱伝導率が0.20W/m・K以下であり、その底壁部の厚さが1cm以上であることが、好ましい。
前記RFIDタグ本体は、前記第2の断熱材の中に埋め込まれていてもよいが、より好ましくは、前記第2の断熱材の表面であって前記第1の断熱材の底壁部と反対側の面上に載せられているのがよい。この構成は、前記第2の断熱材のうち前記RFIDタグ本体と対象物体との間に介在する部分の厚さを最大にして、その断熱性能を最大限発揮させることができる。
また、本発明では、前記第1の断熱材及び前記第2の断熱材よりも熱伝導率の高い材料からなり、前記収納空間を前記底壁部と反対の側から覆うように前記第1の断熱材に接合される蓋を備えるようにしてもよい。
また、前記第1の断熱材の底壁部に内蔵され、この底壁部を前記対象物体に吸着させる磁石を備えることも可能である。この磁石は、前記対象物体を磁力によって吸引することにより、当該対象物体へのRFIDタグの装着を容易にする。
さらに、前記第1の断熱材はマシナブルセラミックスにより形成されたものであることから、前記底壁部の前記収容空間側の面上で前記RFIDタグ本体の配設領域から前記周壁部側に外れた位置に凹部が形成され、この凹部内に前記磁石が埋め込まれ、この磁石の上に前記第2の断熱材が配置されている構成とすることが可能である。この構成では、前記底壁部に形成された凹部内に磁石が埋め込まれることにより、前記収容空間内における第2の断熱材の収容体積を十分に確保しながら、前記磁石を内蔵することが可能である。しかも、前記凹部は、前記第1の断熱材において前記RFIDタグ本体の配設領域から外れた位置にあるので、この第1の断熱材の断熱性能をほとんど低下させない。
また本発明は、前記RFIDタグのきわめて高い耐熱性能を利用することにより得られるRFIDタグ付鋳片であって、加熱状態のまま保管される鋳片本体と、前記高温用RFIDタグとを備え、このRFIDタグの第1の断熱材が前記鋳片本体の表面に接触する状態で当該RFIDタグが前記鋳片本体に装着されるものである。
このRFIDタグ付鋳片によれば、従来は全く想定されていなかったきわめて高温の鋳片の識別が可能であり、かつ、その高温からRFIDタグ本体を有効に保護してその良好な使用を実現することができる。
以上のように、本発明によれば、マシナブルセラミックスからなる第1の断熱材と、多孔質セラミックスからなる第2の断熱材の組合せによって、きわめて耐熱性の高いRFIDタグを提供し、さらにはこのRFIDタグを容易に製造するための方法を提供することができる。また、当該RFIDタグの高い耐熱性は、従来は鋳片の識別が不能とされていたにもかかわらず、識別容易なRFIDタグ付鋳片の提供を可能にする。
本発明の第1の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1及び図2は、前記第1の実施の形態に係る高温用RFIDタグ10の使用状態を示す。このRFIDタグ10は、高い耐熱性を有するために、高温の対象物体12の表面に装着することが可能となっている。
前記の高温の対象物体12としては、例えば連続鋳造により製造されて加熱状態のまま保管される鋳片本体が選択され得る。この鋳片本体に前記RFIDタグ10が装着されることにより、選別が容易なRFIDタグ付鋳片を得ることができる。ただし、本発明の適用対象は鋳片に限られない。例えば高温で動作する機械類や炉体などに対しても、本発明に係るRFIDタグを適用することが可能である。
前記RFIDタグ10は、RFIDタグ本体14と、このRFIDタグ本体14を保護するための断熱部材16及び蓋18とを備える。
前記RFIDタグ本体14は、データを記憶する半導体チップと、当該データを送受信するためのアンテナと、フィルム基板とを備え、このフィルム基板に前記半導体チップ及びアンテナが実装されたものであり、全体が偏平な形状をなしている。
前記断熱部材16は、前記RFIDタグ本体14を保持した状態で前記対象物体12に装着され、かつ、この対象物体12の熱が前記RFIDタグ本体14に伝わるのを抑止するものであり、第1の断熱材20と第2の断熱材22とを具備する。
前記第1の断熱材20は、マシナブルセラミックスからなり、底壁部24と周壁部26とを有する。前記底壁部24は、略矩形板状をなし、前記対象物体12の表面に密着可能な底面を有する。前記周壁部26は、前記底壁部24の外周部分から前記対象物体12と反対の側(図1では上側)に立上る角筒状をなし、その内側に前記第2の断熱材22及び前記RFIDタグ本体14を収容するための収容空間を囲む。
前記マシナブルセラミックスは、機械加工、特に切削加工が容易なセラミックスである。具体例としては、マイカ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、六方晶窒化ホウ素、ワラストナイト、フッ素金雲母、珪酸カルシウム(例えばゾノトライト系珪酸カルシウム)、チタン酸アルミニウム等が挙げられる。
このようなマシナブルセラミックスからなる第1の断熱材20は、その切削容易性を利用して容易に形成される。具体的には、当該マシナブルセラミックスからなる略直方体状の素材を用意し、その一部を除去する加工を行って前記収納空間を形成する工程によって、当該収納空間を囲む前記周壁部26及びこの周壁部26が一体につながる底壁部24を形成することが可能である。
なお、第1の断熱材20の具体的な形状は図示のものに限定されない。例えば前記底壁部24が円板状で前記周壁部26が円筒状のものであってもよい。また、前記収納空間が複数に分割されていてそれぞれの収納空間に前記第2の断熱材22及び前記RFIDタグ本体14が収容されていてもよい。
前記第2の断熱材22は、多孔質セラミックスからなる。この多孔質セラミックスとしては、二酸化珪素を主成分とする超微細なコンクリート混和材を主成分とするものや、微細なセル構造をもつもの、あるいはゾルゲル法等で製作されるシリカ系乾燥ゲルなどが挙げられる。このような多孔質セラミックスからなる第2の断熱材22は、前記第1の断熱材20よりも熱伝導率が低いという利点を有する反面、非常に脆くて単独で取扱うことが困難である欠点がある。しかし、この第2の断熱材22が前記第1の断熱材20により囲まれる収容空間内に収容されることにより、全体として取扱いが容易でしかも断熱性に極めて優れた断熱部材16が構築される。
この実施の形態において、前記RFIDタグ本体14は、前記第2の断熱材22の表面であって前記第1の断熱材20の底壁部24と反対側の面の上に載せられている。従って、前記第2の断熱材22は、前記RFIDタグ本体14と前記第1の断熱材20の底壁部24との間に介在し、当該底壁部24から当該RFIDタグ本体14への伝熱を有効に抑止する。
前記RFIDタグ本体14は、前記第2の断熱材22中に埋め込まれていてもよい。しかし、図示のようにRFIDタグ本体14が第2の断熱材22上に載せられると、この第2の断熱材22のうち前記RFIDタグ本体14と前記底壁部24との間に介在する部分の厚さが最大になり、当該第2の断熱材22のもつ断熱性能が最大限活かされる。
前記蓋18は、前記底壁部24と同等の平面形状(図では矩形状)の板からなり、前記収容空間に収容された第2の断熱材22及びRFIDタグ本体14を上から覆うようにして前記周壁部26の上端に接合されることにより、当該RFIDタグ本体14を保護する。この蓋18の材料は、その熱伝導率が前記第2の断熱材22の熱伝導率より高いものであることが好ましい。この高い熱伝導率は、RFIDタグ本体14や第2の断熱材22がもつ熱の大気中への放散を促進する。具体的に、この蓋18の材料は、比較的熱伝導率の高い断熱材であってもよいし、場合によっては金属材料であってもよい。
この実施の形態に係るRFIDタグ10では、さらに、前記底壁部24内に磁石30が内蔵される。この磁石30は、その磁力によって前記底壁部24を前記対象物体12に吸着させるものであり、この吸着は前記対象物体12へのRFIDタグ10の装着を容易にする。
前記磁石30を内蔵するための構造として、前記底壁部24の上部に上向きに開口する凹部28が形成され、この凹部28内に前記磁石30が埋め込まれている。上述のように第1の断熱材20はマシナブルセラミックスからなるため、前記凹部28は切削加工によって容易に形成され得る。
前記凹部28は、上から見て前記RFIDタグ本体14の配設領域から前記周壁部26側(外側)に外れた位置に形成されることが好ましい。この位置での凹部28の形成は、第1の断熱材20が前記RFIDタグ本体14を熱的に保護する機能(当該RFIDタグ本体14への入熱を抑制する機能)をほとんど低下させない。図1に示される例では、前記周壁部26の内側の四隅にそれぞれ凹部28が形成され、各凹部28に磁石30が埋め込まれている。そして、これら磁石30を上から覆うようにして収容空間内に前記第2の断熱材22が装填されている。
このRFIDタグ10は、例えば次の工程を含む方法によって容易に製造することができる。
1)マシナブルセラミックスからなる直方体状の素材に切削加工を施すことにより収容空間及び凹部28を形成する。すなわち、前記底壁部24及び前記周壁部26を一体に有する第1の断熱材20を形成する。
2)前記凹部28内に磁石30を埋め込む。
3)前記収納空間内に前記第2の断熱材22を装填し、その上に前記RFIDタグ本体14を載せる。
4)前記周壁部26の上端に前記蓋18を接合する。
このようなRFIDタグ10を、前記磁石30の磁力を利用して例えば前記対象物体12の表面上に装着することにより、RFIDタグ付鋳片を得ることができる。このRFIDタグ付鋳片では、その底壁部24の底面がきわめて高温な状態(例えば400℃)にある対象物体12に接触していても、この対象物体12から前記RFIDタグ本体14への伝熱を前記第1の断熱材20の一部である底壁部24さらにはそれよりも熱伝導率の低い第2の断熱材22が有効に抑制するため、前記RFIDタグ本体14の過度の温度上昇を抑制して当該RFIDタグ本体14の正常な動作を維持することができる。このことは、従来は困難とされていた鋳片の選別を可能にする。
本発明の第2の実施の形態に係るRFIDタグ10が図3に示される。このRFIDタグ10における底壁部24には、その下部中央部分を除去する切削加工が施され、これにより下方に開放された空間32が形成されている。従って、前記底壁部24の底面のうち前記空間32を囲む外周部分34の底面のみが対象物体12の表面に接触する。このような底壁部24と対象物体12との接触面積の削減は、前記RFIDタグ10内におけるRFIDタグ本体14に伝えられる熱量をさらに低減する。
本発明の第3の実施の形態に係るRFIDタグ10が図4に示される。このRFIDタグ10では、その蓋18の上面に取手36が固定されている。この取手36は、対象物体12に対するRFIDタグ10の着脱作業をより容易にする。
図5に、第4の実施の形態に係るRFIDタグ10が示される。このRFIDタグ10は、円柱状の磁石40を具備し、その周面上の特定位置にN極を有し、このN極から180°離間した位置にS極を有する。この磁石40は、水平方向(図5の奥行き方向)に延び、その端部が前記第1の断熱材20の外部から操作され得るように、当該端部が当該第1の断熱材20の外部に突出している。この回転操作により、前記磁石40は、その両極が図5(a)に示すように上下方向を向く位置と、当該両極が同図(b)に示すように水平方向を向く位置とに切換えられる。
前記両極が上下方向を向くときは、磁石40の磁力が対象物体12を吸引するように作用し、前記両極が左右方向を向くときは、磁石40の磁力が対象物体12を吸引するように作用しない。従って、この磁石40の回転操作によって、前記対象物体12に対する前記RFIDタグ10の着脱作業をより容易にすることができる。
なお、本発明は前記磁石30,40を必須とするものではない。RFIDタグ10はねじ等の締結具によって対象物体12に固定されてもよい。また、当該対象物体12からRFIDタグ10を脱着する必要がない場合には、接着剤等によってRFIDタグ10が対象物体12に固定されてもよい。
前記図1及び図2に示されるRFIDタグ10において、前記第1の断熱材20に、ゾノトライト系珪酸カルシウムからなるマシナブルセラミックス(熱伝導率0.15W/m・K)が用いられ、第2の断熱材22に微細な球状ヒュームドシリカを主成分とする「Porextherm WDS」(黒崎播磨株式会社製;熱伝導率0.025W/m・K)が用いられる。前記第1の断熱材20における底壁部24の厚さは1cmに、前記第2の断熱材22の厚さは1cmもしくは2cmに、それぞれ設定される。そして、周囲温度が30℃である温度環境下において、表面温度が400℃に保たれる対象物体12の当該表面上に前記RFIDタグ10が装着される。
このときの当該RFIDタグ10内におけるRFIDタグ本体14の配設位置における温度が測定される。この測定温度の時間変化を図6に示す。同図に示されるように、前記底壁部24の厚さが1cmの場合には前記測定温度が約83℃で収束し、前記厚さが2cmの場合には前記測定温度が約62℃で収束する。一方、前記RFIDタグ本体14の使用可能温度は、その基板フィルムの耐熱温度に支配され、当該基板フィルムがPETである場合には約100℃である。従って、このRFIDタグ本体14は、前記対象物体12の表面温度が400℃であるにもかかわらず、使用可能な温度状態に維持される。
前記図1及び図2に示される装置において、前記第2の断熱材22の厚さと前記RFIDタグ本体14の温度との関係がシミュレーションにより求められる。このシミュレーションにおいて、前記第2の断熱材22の厚さ及び両断熱材20,22の熱伝導率以外の条件は全て前記実施例1と同等に設定される。前記第1の断熱材20の熱伝導率は0.20W/m・Kに固定され、前記第2の断熱材22の熱伝導率は0.025W/m・K、0.050W/m・K、及び0.075W/m・Kの3種類に設定される。そして、前記第2の断熱材22の厚さがパラメータとして5cm以内の範囲内で操作される。
このシミュレーションの結果を図7に示す。この結果から、前記RFIDタグ本体14の許容温度が100℃とした場合、第2の断熱材22の熱伝導率が0.025W/m・Kのときは当該断熱材22の厚さが1cm以上あればよく、同様に、第2の断熱材22の熱伝導率が0.050W/m・Kのときは当該断熱材22の厚さが2cm以上、第2の断熱材22の熱伝導率が0.075W/m・Kのときは当該断熱材22の厚さが3.5cm以上あればよいことになる。このことは、前記RFIDタグ10が総厚さ5cm程度またはそれ以下のコンパクトな構造でありながら、表面温度が400℃の鋳片等への使用にも耐え得る十分な耐熱性能を有するものであることを示している。
前記図1及び図2に示される装置において、前記第1の断熱材22の熱伝導率とこの第1の断熱材22の底壁部24(厚さ1cm)に埋め込まれる磁石30の温度との関係がシミュレーションにより求められる。このシミュレーションにおいて、前記第1の断熱材20の熱伝導率以外の条件は全て前記実施例1と同等である。この第1の断熱材20の熱伝導率は0.15W/m・K〜0.50W/m・Kの範囲で変動するパラメータとして設定され、これに対応する前記磁石30の温度が熱伝導シミュレーションにより求められる。
このシミュレーションの結果、前記第1の断熱材20の熱伝導率が0.15W/m・Kのときの磁石30の温度は350℃となった。一方、前記磁石30として耐熱性の高いサマリウム・コバルト(SmCo)磁石を用いた場合、その実質的な耐熱温度は350℃程度であるので、この実施例3については前記第1の断熱材20の熱伝導率が0.15W/m・K以下であることが要求される。
本発明の第1の実施の形態に係る高温用RFIDタグの装着状態を示す断面正面図である。 前記高温用RFIDタグの蓋を取外した状態を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る高温用RFIDタグの装着状態を示す断面正面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る高温用RFIDタグの装着状態を示す断面正面図である。 (a)は本発明の第4の実施の形態に係る高温用RFIDタグの装着状態を示す断面正面図、(b)は当該RFIDタグが脱着可能な状態を示す断面正面図である。 実施例1に係る測定温度の時間変化を示すグラフである。 実施例2に係る第2の断熱材の厚さとRFIDタグ本体の温度との関係についてのシミュレーション結果を示すグラフである。
符号の説明
10 高温用RFIDタグ
12 対象物体
14 RFIDタグ本体
16 断熱部材
18 蓋
20 第1の断熱材
22 第2の断熱材
24 底壁部
26 周壁部
28 凹部
30,40 磁石

Claims (10)

  1. 高温の対象物体に装着された状態で使用される高温用RFIDタグであって、
    データを記憶する半導体チップ及び当該データを送受信するためのアンテナを含むRFIDタグ本体と、
    このRFIDタグ本体を保持した状態で前記対象物体に装着され、かつ、この対象物体の熱が前記RFIDタグ本体に伝わるのを抑止する断熱部材とを備え、
    前記断熱部材は、マシナブルセラミックスからなり、前記対象物体に装着される第1の断熱材と、この第1の断熱材よりも熱伝導率の低い多孔質セラミックスからなり、当該第1の断熱材と前記RFIDタグ本体との間に介在する第2の断熱材とを含み、
    前記第1の断熱材は、前記対象物体に装着される底壁部と、この底壁部から前記対象物体と反対の側に立ち上がり、前記第2の断熱材を収容するための収容空間を囲む周壁部とを有する形状に機械加工されたものであり、その収容空間内に前記第2の断熱材及び前記RFIDタグ本体が収容されることを特徴とする高温用RFIDタグ。
  2. 請求項1記載の高温用RFIDタグにおいて、
    前記第2の断熱材は、400℃における熱伝導率が0.05W/m・K以下であり、かつ、前記RFIDタグ本体と前記第1の断熱材の底壁部との間に介在する部分の厚さが1cm以上であることを特徴とする高温用RFIDタグ。
  3. 請求項2記載のRFIDタグにおいて、
    前記第1の断熱材は、400℃における熱伝導率が0.20W/m・K以下であり、その底壁部の厚さが1cm以上であることを特徴とする高温用RFIDタグ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の高温用RFIDタグにおいて、
    前記RFIDタグ本体は、前記第2の断熱材の表面であって前記第1の断熱材の底壁部と反対側の面の上に載せられていることを特徴とする高温用RFIDタグ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のRFIDタグにおいて、
    前記第1の断熱材及び前記第2の断熱材よりも熱伝導率の高い材料からなり、前記収納空間を前記底壁部と反対の側から覆うように前記第1の断熱材に接合される蓋を備えることを特徴とする高温用RFIDタグ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のRFIDタグにおいて、
    前記第1の断熱材は、前記マシナブルセラミックスからなる素材の一部が除去されることにより前記収納空間が形成されたものであることを特徴とする高温用RFIDタグ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のRFIDタグにおいて、
    前記第1の断熱材の底壁部に内蔵され、この底壁部を前記対象物体に吸着させる磁石を備えることを特徴とする高温用RFIDタグ。
  8. 請求項7記載のRFIDタグにおいて、
    前記底壁部の前記収容空間側の面上で前記RFIDタグ本体の配設領域から前記周壁部側に外れた位置に凹部が形成され、この凹部内に前記磁石が埋め込まれ、この磁石の上に前記第2の断熱材が配置されていることを特徴とする高温用RFIDタグ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のRFIDタグを製造するための方法であって、
    前記第1の断熱材を構成するマシナブルセラミックスからなる素材に対し、その一部を除去する機械加工を施すことにより当該素材内に前記収納空間を形成する工程と、
    前記収納空間内に前記第2の断熱材及び前記RFIDタグ本体を装填する工程とを含むことを特徴とする高温用RFIDタグの製造方法。
  10. 連続鋳造により製造され、加熱状態のまま保管される鋳片本体と、
    請求項1〜8のいずれかに記載のRFIDタグとを備え、
    このRFIDタグの第1の断熱材が前記鋳片本体の表面に接触する状態で当該RFIDタグが前記鋳片本体に装着されることを特徴とするRFIDタグ付鋳片。
JP2006313859A 2006-11-21 2006-11-21 高温用rfidタグ Active JP4773320B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006313859A JP4773320B2 (ja) 2006-11-21 2006-11-21 高温用rfidタグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006313859A JP4773320B2 (ja) 2006-11-21 2006-11-21 高温用rfidタグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008129838A JP2008129838A (ja) 2008-06-05
JP4773320B2 true JP4773320B2 (ja) 2011-09-14

Family

ID=39555589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006313859A Active JP4773320B2 (ja) 2006-11-21 2006-11-21 高温用rfidタグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4773320B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101014249B1 (ko) * 2009-03-11 2011-02-16 주식회사 포스코 전자 식별 장치
JP5113808B2 (ja) * 2009-06-23 2013-01-09 株式会社神戸製鋼所 耐熱rfidタグ
ITUD20100020A1 (it) 2010-02-05 2011-08-06 Danieli Off Mecc Procedimento per il monitoraggio di un'attrezzatura di colata
JP5389751B2 (ja) * 2010-07-20 2014-01-15 大成建設株式会社 Icタグホルダー
IN2014DN08931A (ja) * 2012-04-26 2015-05-22 Hitachi Ltd
JP6337626B2 (ja) * 2014-06-05 2018-06-06 凸版印刷株式会社 耐熱icタグ
JP5877883B1 (ja) * 2014-08-04 2016-03-08 株式会社新来島どっく 無線icタグユニットケース
JP5863917B1 (ja) * 2014-09-22 2016-02-17 ニチアス株式会社 耐火構造及びその使用方法
EP3021255A1 (de) * 2014-11-11 2016-05-18 Primetals Technologies Austria GmbH Identifikationsmarke zum Anbringen an einem metallurgischen Gefäß, Lesestation und Verfahren zur Ermittlung eines Verschleißzustandes der Identifikationsmarke
CN109272256A (zh) * 2018-10-30 2019-01-25 滨州渤海活塞有限公司 铝液熔炼追溯方法
JP7328357B2 (ja) 2019-12-27 2023-08-16 京セラ株式会社 非接触通信媒体
CN114902234A (zh) 2019-12-27 2022-08-12 京瓷株式会社 非接触通信介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008129838A (ja) 2008-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4773320B2 (ja) 高温用rfidタグ
JP5751261B2 (ja) 熱電発電ユニット
JP4487799B2 (ja) 恒温輸送容器
JP2009212059A (ja) 電動軽車両のバッテリ装置
JP5811278B2 (ja) 複合モジュール
JP5995015B2 (ja) 複合モジュール
JP4784562B2 (ja) 非接触型給電装置
JP2009026818A (ja) 電子装置
JP6192726B2 (ja) 音響振動を制限する誘導デバイス
JP2010231419A (ja) 高温対応rfidタグ
US20140174705A1 (en) Heat sink assembly
JP2015172358A (ja) 真空ポンプの制御装置とこれを備えた真空ポンプ
CN102834950A (zh) 用于维持组件的安全操作温度的组件封装
JP4770476B2 (ja) 恒温輸送容器
JP5738679B2 (ja) 放熱構造
WO2015098501A1 (ja) 電子機器
US6481493B1 (en) Arrangement for heat discharge, particularly for ultrasonic transducers with high performance
US11652019B2 (en) Heat dissipation structure
WO2014021143A1 (ja) 携帯端末
JP4527462B2 (ja) 電子部品
JP5778333B2 (ja) 電子モジュールおよびその製造方法
JP3223893U (ja) 放射冷却式電子機器
JP4475183B2 (ja) 電子ブロック構造
JP2021166111A (ja) データ保存装置
JP2011046449A (ja) 恒温輸送容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110614

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110621

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110623

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4773320

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150