JP4771861B2 - 鋼構造の補強構造 - Google Patents

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Description

本発明は鋼構造の補強構造に関し、より詳細には、山形鋼を用いて構成された鋼部材を含む鋼構造の補強構造に関する。
鋼構造(鉄骨構造)として、トラス構造、ブレース構造、ラーメン構造などが知られており、それらの鋼構造は鋼部材を用いて構成されている。
例えば、トラス梁などのような鋼構造トラス部材を補強する構造として、従来、上弦材または下弦材を構成する鋼部材である鋼管内に繊維補強セメントを充填する方法が知られている(特許文献1)。
特開2000−170323
しかしながら、繊維補強セメントを充填する方法では、上弦材や下弦材を構成する鋼部材が鋼管以外の場合には、繊維補強セメントを充填することができず、したがって、補強することができない。
この場合、補強部材を上弦材や下弦材に溶着することが考えられるが、溶着する場合には下記の不具合が生じる。
(A)既存建物内に飛散する火気の量が多くなる不具合がある。
(B)すべての補強を有資格者により行う必要があり、特に倉庫や展示場などの大規模な構造物である場合には、トラス梁の長さが大きく、また、本数も多くなることから、コストおよび人員配置の手間がかかる不具合がある。
(C)溶接量が多くなるため、必要以上に既存の部材を傷める恐れがある。
(D)既存部材と補強部材の溶接に断続溶接が行われるので、溶接欠陥が生じ易い不具合がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、山形鋼を用いて構成された鋼部材を対象とし、既存建物内への火気の飛散を抑制し、また、溶接についての有資格者を不要とし、溶接欠陥が生じさせず、既存の部材を傷めることなく鋼部材を補強できる鋼構造の補強構造を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明は、2つの山形鋼の一方のフランジを対向させ他方のフランジを互いに反対方向に突出するように配置されて構成された鋼部材を含む鋼構造の補強構造であって、断面L字状を呈して延在する互いに直交するフランジを有し、それら各フランジの先端を前記各山形鋼の両フランジに直角に当接して配置され前記各山形鋼に沿って延在する2つの補強鋼材と、前記各山形鋼の長手方向に間隔をおいた複数箇所においてそれぞれ2つの山形鋼の対向するフランジ間に挿入される複数の被挟持板と、前記被挟持板が配置された各箇所において前記2つの山形鋼の長手方向と直交する方向においてそれら2つの山形鋼の周囲を囲み前記2つの補強鋼材の各フランジの先端を対応する山形鋼の両フランジに押圧すると共に2つの山形鋼の対向するフランジで前記被挟持板を締め付ける方向に2つの山形鋼を押圧する複数の締め付け具とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、互いに直交するフランジを有する山形鋼からなる鋼部材を含む鋼構造の補強構造であって、断面L字状を呈して延在する互いに直交するフランジを有し、それら各フランジの先端を前記山形鋼の両フランジに直角に当接して配置され前記山形鋼に沿って延在する補強鋼材と、前記山形鋼の長手方向の間隔をおいた複数個所で前記山形鋼の長手方向と直交する方向においてそれら山形鋼および補強鋼材の周囲を囲み前記補強鋼材の各フランジの先端を対応する山形鋼の両フランジに押圧して前記山形鋼と前記補強鋼材を締め付ける締め付け具とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、補強鋼材が鋼部材に一体化されることにより、断面増加によりそれらの圧縮、せん断強度を増大させることができる。また、開断面の鋼部材を、断面矩形枠状の閉断面にできるので、それらの座屈強度を増大させることができる。
そして、本発明によれば、締め付け具を用いるので、ボルト、ナットなどの締結作業により補強でき、溶接作業を要さないので、既存建物内に飛散する火気の量を抑制できる。
また、有資格者による作業がなくなるため、人員配置を迅速に行なえ、工期の短縮化、コストの低減化を図る上で有利となる。
また、溶接作業を要さないためそれに伴う作業足場、養生等を軽微にすることができ、また、既存の部材を傷めるという恐れも解消でき、溶接欠陥も生じることはない。
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
なお、以下の実施の形態では、トラス梁に本発明を適用した場合について説明するが、本発明は、トラス構造、ブレース構造、ラーメン構造などの各種の柱や梁、ブレースなどの鋼構造の鋼部材に広く適用可能である。
まず、本発明が適用される鋼構造トラス部材であるトラス梁から説明する。
図1(A)はトラス梁の正面図、(B)は(A)のBB断面図、(C)は(A)のCC断面図を示す。
鋼構造(鉄骨構造)は、ラチス柱2と、ラチス柱2から突設されたトラス梁4などを含んで構成されており、トラス梁4は、上弦材6と、下弦材8と、それらを連結する複数の斜材10とを含んで構成されている。
鋼部材である上弦材6と下弦材8と斜材10は、図1(C)に示すように、2つの山形鋼12の一方のフランジ1202を対向させ他方のフランジ1204を互いに反対方向に突出するように配置されて構成されている。
上弦材6と下弦材8の長手方向に等間隔をおいた複数箇所で互いに対向するフランジ1202の間に、図1(B)に示すように、高力ボルトB、ナットNを介して、あるいはリベットを介してガセットプレート14が取着され、斜材10は上弦材6と下弦材8のガセットプレート14を連結するように設けられている。
本実施の形態の補強構造は、このように山形鋼12を用いて構成された上弦材6や下弦材8、斜材10などの鋼部材を補強しており、必要に応じて上弦材6のみが補強され、あるいは、下弦材8のみが補強され、あるいは、斜材10のみが補強され、あるいは、適宜それらの組み合わせが補強されるものであり、以下の実施の形態では、補強構造の説明を明確に簡潔にするため、下弦材8のみを補強する場合を例にとって説明する。また、各実施の形態において同様な箇所、部材には同一の符号を付して説明する。
(第1の実施の形態)
図2(A)は第1の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は同正面図、(C)は締め付け具の説明図を示す。
補強構造20Aは、2つの補強鋼材22と、複数の被挟持板24と、複数の締め付け具26などを含んで構成されている。
2つの補強鋼材22は下弦材8に沿って下弦材8のほぼ全長にわたって延在している。
被挟持板24と締め付け具26は、補強鋼材22の長手方向に間隔をおいた複数箇所にそれぞれ配置されている。
補強鋼材22は断面L字状を呈し(山形鋼)、互いに直交するフランジ2202、2204を有している。
補強鋼材22は、下弦材8の両端にわたる長さで設けられている。
補強鋼材22は、下弦材8を構成する2つの山形鋼12の両フランジ1202、1204に、各フランジ2202、2204の先端を直角に当接させ、断面が閉塞された矩形枠となるように配置されている。
被挟持板24は鋼板からなり、下弦材8を構成する各山形鋼12の長手方向に間隔をおいた複数箇所において、それぞれ2つの山形鋼12の対向するフランジ1202、1202間に挿入されて配置されている。なお、被挟持板24は鋼製に限定されず、合成樹脂など従来公知の様々な材料が使用可能である。
締め付け具26は、被挟持板24が配置された各箇所において、下弦材8を構成する2つの山形鋼12の長手方向と直交する方向において、それら2つの山形鋼12および2つの補強鋼材22の周囲を囲み2つの補強鋼材22の各フランジ2202、2204の先端を対応する山形鋼12の両フランジ1202、1204に押圧すると共に、2つの山形鋼12の対向するフランジ1202で被挟持板24を締め付ける方向に2つの山形鋼12を押圧し、2つの山形鋼12と2つの補強鋼材22を締め付けて一体化するように構成されている。
第1の実施の形態では、締め付け具26は、1つの第1金物30と、2つの第2金物32と、4つのスペーサ34とを含んで構成されている。
第1金物30は、下弦材8を構成する2つの山形鋼12の互いに反対方向に突出するフランジ1204、1204の下面に当接可能で互いに反対方向に突出するフランジ1204、1204の各先端間を結ぶ長さよりも大きな寸法の長さで形成された当接板部3002を有し、当接板部3002の幅は被挟持板24よりも大きな寸法で形成されている。
被挟持板24として本実施の形態では鋼板が用いられ、被挟持板24は、当接板部3002の長さ方向の中央に該当接板部3002の長さ方向と直交する方向に突出するように溶着されている。
そして、被挟持板24を互いに対向するフランジ1202、1202の間に挿入し、当接板部3002を互いに反対方向に突出するフランジ1204、1204の下面に当接した状態で、被挟持板24の先端(上端)は、互いに対向するフランジ1202、120の先端よりも突出する高さで形成されている。
第2金物32は平鋼が曲げ加工されることで形成され、90度に折り曲げられた屈曲部を介して連結され補強鋼材22の各フランジ2202、2204に対向する2つの対向板部3202、3204と、2つの対向板部3202、3204のうちの一方の対向板部3202に屈曲部を介して連結され被挟持板24がフランジ1202の先端から突出する先端に重ね合わされる第1の合わせ部3206と、2つの対向板部3202、3204のうちの他方の対向板部3204に屈曲部を介して連結され当接板部3002の長手方向の端部に重ね合わされる第2の合わせ部3208とを有している。
4つのスペーサ34は鋼製で直方体状を呈し、2つの第2金物32の2つの対向板部3202、3204と対応する補強鋼材22の各フランジ2202、2204との間に挿入されて配置されている。なお、スペーサ34は鋼製に限定されず、合成樹脂など従来公知の様々な材料が使用可能である。
そして、挟持板24が互いに対向するフランジ1202、1202の間に挿入され、第1金物30の当接板部3002が、2つの山形鋼12の互いに反対方向に突出するフランジ1204に当接されると共に、2つの第2金物32がそれらの対向板部3202、3204を2つの補強鋼材22のフランジ2202、2204に対向するように配置され、かつ、4つのスペーサ34が、2つの第2金物32の各対向板部3202、3204と対応する補強鋼材22の各フランジ2202、2204との間に挿入され、2つの第2金物32の第1の合わせ部3206と被挟持板24の先端とがボルトB、ナットNにより締結されると共に、第1金物30の当接板部3002の長さ方向の両端と2つの第2金物32の第2の合わせ部3208とがボルトB、ナットNにより締結される。
そして、それらボルトB、ナットNを締結した状態で、補強鋼材22の各フランジ2202、2204の先端が対応する山形鋼12の両フランジ1202、1204に押圧されると共に、被挟持板24が2つの山形鋼12の対向するフランジ1202、1202で締め付けられ、2つの補強鋼材22が下弦材8に一体化される。
このように2つの補強鋼材22が下弦材8に一体化されることにより、断面増加により下弦材8の圧縮、せん断強度を増大させることができる。また、開断面であった下弦材8を、フランジ1202、1204、2202、2204により断面矩形枠状の閉断面にできるので、下弦材8の座屈強度を増大させることができる。
第1の実施の形態の補強構造20Aによれば、ボルトB、ナットNの締結作業により2つの補強鋼材22で下弦材8を補強でき、溶接作業を要さないので、既存建物内に飛散する火気の量を抑制できる。
また、有資格者による作業がなくなるため、特に倉庫や展示場などの大規模な構造物でトラス梁の長さが大きく、また、本数も多い場合であっても、人員配置を迅速に行なえ、工期の短縮化、コストの低減化を図る上で有利となる。
また、溶接作業を要さないため、それに伴う作業足場、養生等を軽微にすることができ、また、既存の部材を傷めるという恐れも解消でき、溶接欠陥も生じることはない。
なお、上述の効果は、上弦材6や斜材10を補強した場合にも同様に奏される。
(第2の実施の形態)
図3は第2の実施の形態の鋼構造の補強構造の説明図でトラス梁4の長手方向の端部の断面図を示している。
第2の実施の形態の鋼構造の補強構造20Bの構成は第1の実施の形態と同様であるが、第2の実施の形態では、2つの補強鋼材22の長手方向の両端を、下弦材8の長手方向にそれぞれ溶着するようにしている。すなわち、各補強鋼材22の各フランジ2202、2204の先端を、下弦材8を構成する各山形鋼12の両フランジ1202、1204にそれぞれ溶着している。
第2の実施の形態の鋼構造の補強構造20Bによれば、第1の実施の形態による効果に加え、下弦材8の引張耐力を増大するという効果も奏される。
(第3の実施の形態)
図4は第3の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図を示している。
第3の実施の形態の鋼構造の補強構造20Cの構成は第1の実施の形態と同様であるが、第3の実施の形態では、4つのスペーサ34が、溶着などにより2つの第2金物32の対向板部3202、3204に予め取着されている。
第3の実施の形態の鋼構造の補強構造20Cによれば、第1の実施の形態による効果に加え、補強鋼材22による下弦材8の補強作業がより簡単に行えるという効果も奏される。
(第4の実施の形態)
図5は第4の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図を示している。
第4の実施の形態の鋼構造の補強構造20Dは、第3の実施の形態の2つの第2金物32の対向板部3202が一体化されることで第2の金物32が1つとなっており、また、被挟持板24がこの一体化された対向板部3202に溶着されている点が第3の実施の形態と異なっている。
詳細に説明すると、2つの補強鋼材22の配置は第1の実施の形態と同様であり、締め付け具26は、1つの第1金物30と、1つの第2金物32と、4つのスペーサ34を含んで構成されている。
第1金物30は、下弦材8を構成する2つの山形鋼12の互いに反対方向に突出するフランジ1204、1204の下面に当接可能で互いに反対方向に突出するフランジ1204、1204の各先端間を結ぶ長さよりも大きな寸法の長さで形成された当接板部3002を有している。
第2金物32は、当接板部3002に対向する第1対向板部3202と、第1対向板部3202の長さ方向の両端に屈曲部を介して連結され互いに対向する第2対向板部3204と、各第2対向板部3204の端部に屈曲部を介して連結された合わせ部3208とを有している。
被挟持板24は、第1対向板部3202の長さ方向の中央に当接板部3002に向けて直交する方向に突出するように溶着され、その突出長さは、山形鋼12の対向するフランジ1202、1202の高さ方向の中間まで延在する寸法で形成されている。
4つのスペーサ34のうちの2つのスペーサ34は、被挟持板24の両側に位置する第1対向板部3202の箇所にそれぞれ1つずつ溶着されると共に、残りの2つのスペーサ34は各第2対向板部3204が互いに向かい合う面に1つずつ溶着されている。
そして、第2金物32の第1対向板部3202を2つの山形鋼12の互いに反対方向に突出するフランジ1204、1204に対向させると共に、被挟持板24を2つの山形鋼12の互いに対向するフランジ1202、1202の間に挿入し、かつ、4つのスペーサ34を2つの補強鋼材22の各フランジ2202、2204にそれぞれ当接し、第1金物30の当接板部3202を2つの山形鋼12の互いに反対方向に突出するフランジ1204に当接して第2金物32の両端の合わせ部3208と第1金物30の当接板部3002の長さ方向の両端とがボルトB、ナットNにより締結される。
そして、それらボルトB、ナットNを締結した状態で、補強鋼材22の各フランジ2202、2204の先端が対応する山形鋼12の両フランジ1202、1204に押圧されると共に、被挟持板24が2つの山形鋼12の対向するフランジ1202、1202で締め付けられ、2つの補強鋼材22が下弦材8に一体化され、第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
第4の実施の形態の鋼構造の補強構造20Dによれば、第1の実施の形態に比べ、第2金物32が1つであるため部品点数が削減されており、また、スペーサ34が第2金物32に一体化されているので、補強鋼材22による下弦材8の補強作業がより簡単に行えるという効果も奏される。
(第5の実施の形態)
図6(A)は第5の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のCC断面図を示している。
第5の実施の形態の補強構造20Eは、2つの補強鋼材22と、複数の被挟持板24と、複数の締め付け具26などを含んで構成され点において第1の実施の形態と同様であるが、締め付け具26がボルトや雄ねじ部材などを用いて構成されている点が第1の実施の形態と異なっている。
説明の便宜上、2つの山形鋼12の互いに対向するフランジ1202を第1フランジ1202とし、前記2つの山形鋼12の互いに反対方向に突出するフランジ1204を第2フランジ1204として説明する。
また、第1フランジ1202にその先端が当接される補強鋼材22のフランジ2202を第3フランジ2202とし、前記第2フランジ1204にその先端が当接される補強鋼材22のフランジ2204を第4フランジ2204として説明する。
締め付け具26は、4つの第1金物42と、1つの第2金物44と、1つのスペーサ34を含んで構成されている。
4つの第1金物42は山形鋼からなり、それぞれ2つの補強鋼材22の各第4フランジ2204に対向する第1対向板部4202(フランジ)を有している。
第2金物44は断面がコ字状の鋼材からなり、2つの補強鋼材22の第3フランジ2202に対向する第2対向板部4402を有している。
4つの第1金物42のうちの2つの第1金物42の第1対向板部4202が第4フランジ2204に対向する面にスペーサ34が溶着により取着されている。
4つの第1金物42のうちの残りの2つの第1金物42の第1対向板部4202に、その第1対向板部4202が対向する第4フランジ2204に対して進出後退可能に第1締め付けボルト46が螺合されている。詳細には、第1対向板部4202にボルト挿通孔が設けられ、このボルト挿通孔と同軸上にナットNが第1対向板部4202に溶着され、第1締め付けボルト46がこのナットNに螺合されている。
2つの山形鋼12を挟んだ箇所でそれぞれ2つずつ第1金物42がそれぞれ対向するように配置され、第2フランジ1204に平行して延在し互いに対向する2つの第1金物12の各第1対向板部4202を互いに離間接近する方向に移動調節可能に連結する2つの雄ねじ部材48が、2つの山形鋼12を挟むように互いに対向する2つ第1金物12間に設けられ、したがって、雄ねじ部材48は合計で4つ設けられている。詳細には、第1対向板部4202にボルト挿通孔が設けられ、このボルト挿通孔から突出する雄ねじ部材48の端部にナットNが螺合されている。
2つの補強鋼材22の各第3フランジ2202に対向する2つの雄ねじ部材48に第2金物44が支持されている。詳細には、第2金物44の第2対向板部4402の両端から屈曲する支片4404に雄ねじ部材48が挿通されることで第2金物44は雄ねじ部材48に支持されている。
被挟持板24は、第2対向板部4402の長さ方向の中央に第2対向板部4402から直角に突出するように溶着されている。
被挟持板24の両側に位置する第2対向板部4402の箇所に、2つの補強鋼材22の各第3フランジ2202に対して進出後退可能に第2締め付けボルト50が螺合されている。詳細には、第2対向板部4402にボルト挿通孔が設けられ、このボルト挿通孔と同軸上にナットNが第2対向板部4402に溶着され、第2締め付けボルト50がこのナットNに螺合されている。
そして、第1締め付けボルト46が進出されることでスペーサ34を介して2つの補強鋼材22の各第3フランジ2202の先端が2つの山形鋼12の対応する各第1フランジ1202に押圧され、第2締め付けボルト50が進出されることで一方の雄ねじ部材48が2つの山形鋼12の第2フランジ1204に当接されると共に2つの補強鋼材22の各第4フランジ2204の先端が2つの山形鋼12の第2フランジ1204に押圧され、2つの補強鋼材22が下弦材8に一体化される。
このような第5の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様に、2つの補強鋼材22が下弦材8に一体化されることにより、断面増加により下弦材8の圧縮、せん断強度を増大させることができる。また、開断面であった下弦材8を、フランジ1202、1204、2202、2204により断面矩形枠状の閉断面にできるので、下弦材8の座屈強度を増大させることができる。
なお、第1金物42や第2金物44の形状、構造は任意であり、用いる第1金物42の個数も任意であり、例えば、下弦材8の両側に2つずつ配設された第1金物42を一体化し1つの部品としてもよく、要するに第1金物42は最低2つ必要で、水平方向において下弦材8を挟んだ箇所に1つずつ配設すればよい。また、用いる雄ねじ部材48の個数も任意であるが、雄ねじ部材48は最低2つ必要で、上下方向において下弦材8を挟んだ箇所に1つずつ配設すればよい。
(第6の実施の形態)
図7(A)は第6の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は(A)のB矢視図を示している。
第6の実施の形態の補強構造20Fは、帯板を用いて締め付け具26が構成されている点において第1の実施の形態と異なっている。
すなわち締め付け具26は、1枚の帯板52と、4つのスペーサ34を含んで構成されている。
4つのスペーサ34は、1つずつ2つの補強鋼材22の各フランジ2202、2204に当接するように配置されている。
帯板52(ベルト)は、2つの山形鋼12の長手方向と直交する方向において2つの山形鋼12、2つの補強鋼材22、4つのスペーサ34の周囲を囲みそれらを締め付けた状態で締結されている。
このような帯板52として薄肉の鋼板や、強化繊維を用いた合成樹脂製のベルトなど、従来公知の様々な材料が使用可能である。
また、帯板52の締結は、帯板52が鋼板の場合には、例えば圧着器が用いられ、帯板52が合成樹脂製である場合には、溶着や接着などが採用される。
なお、帯板52が鋼板の場合、鋼製のスペーサ34を用い、スペーサ34を帯板2の内面に予め溶着などにより取り付けておいてもよく、また、帯板52が合成樹脂製の場合、合成樹脂製のスペーサ34を用い、スペーサ34を帯板2の内面に予め溶着や接着などにより取り付けておいてもよい。
そして、帯板52が締結された状態で、補強鋼材22の各フランジ2202、2204の先端が対応する山形鋼12の両フランジ1202、1204に押圧されると共に、被挟持板24が2つの山形鋼12の対向するフランジ1202、1202で締め付けられ、2つの補強鋼材22が下弦材8に一体化され、第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
(第7の実施の形態)
図8(A)は第7の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は(A)のB矢視図を示している。
第7の実施の形態の補強構造20Gは、帯板52を用いて締め付け具26が構成され点において第6の実施の形態と同様であるが、4つのスペーサ34にそれぞれ帯板挿通溝3402を貫通形成し、帯板52を配設するに際し、帯板52を4つのスペーサ34の帯板挿通溝3402に挿通するようにしている。したがって、4つのスペーサ34を帯板52に仮止めできるので、第6の実施の形態に比べ、帯板52および4つのスペーサ34をより簡単に配設でき、施工をより簡単に行なえる利点を有している。
(第8の実施の形態)
図9は第8の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図を示している。
第8の実施の形態の補強構造20Hは、帯板52を用いて締め付け具26が構成され点において第6、第7の実施の形態と同様であるが、4つのスペーサ34の配置箇所や形状が第6、第7の実施の形態と異なっている。
すなわち、締め付け具26は、帯板52と、4つのスペーサ34を含んで構成されている。
各スペーサ34には、係合溝3412と、帯板52が挿通される帯板挿通溝3414とが形成されている。
被挟持板24には、帯板52が挿通される帯板挿通溝2402が形成されている。
4つのスペーサ34のうちの2つのスペーサ34は、2つの補強鋼材22の角部に係合溝3412を係合させてそれぞれ配置され、残りの2つのスペーサ34は、2つの山形鋼12の互いに反対方向に突出するフランジ1204の先端に係合溝3412を係合させてそれぞれ配置される。
被挟持板24は、帯板挿通溝2402が形成された部分が、2つの山形鋼12の互いに対向するフランジ1202、1202の先端から露出するように2つの山形鋼12の対向するフランジ1202、1202間に挿入されて配置される。
帯板52は、このように配置された4つのスペーサ34の帯板挿通溝3412および被挟持板24の帯板挿通溝2402に挿通されて2つの山形鋼12の長手方向と直交する方向において2つの山形鋼12、2つの補強鋼材22の周囲を囲みそれらを締め付けた状態で締結される。
そして、帯板52が締結された状態で、補強鋼材22の各フランジ2202、2204の先端が対応する山形鋼12の両フランジ1202、1204に押圧されると共に、被挟持板24が2つの山形鋼12の対向するフランジ1202、1202で締め付けられ、2つの補強鋼材22が下弦材8に一体化され、第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
さらに、帯板52の締結時に帯板52が締め付けられる各スペーサ34の箇所は、前記締め付けられる(押圧される)方向と反対の方向に凸状の湾曲面3416を含んで形成され(詳細には円筒面で形成され)、また、帯板52の締結時に帯板52が締め付けられる(押圧される)被挟持板24の箇所は、前記締め付けられる(押圧される)と反対の方向に凸状の湾曲面2404を含んで形成されている(詳細には、フランジ1202、1202が対向する方向における長手方向の中央部が平坦面2403で形成され、両端を含む部分が湾曲面2404で形成されている)。そして、それら湾曲面3416、2404により帯板52の損傷防止が図られている。
なお、第6、第7の実施の形態と同様に、帯板52として薄肉の鋼板や、強化繊維を用いた合成樹脂製のベルトなど、従来公知の様々な材料が使用可能であり、また、スペーサ34として鋼製や合成樹脂性など、従来公知の様々な材料が使用可能である。
(第9の実施の形態)
図10(A)は第9の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は同正面図、(C)は締め付け具の説明図を示す。
なお、以下に説明する実施の形態では、第1〜第8の実施の形態と補強すべきトラス梁4の構造が異なっており、詳細には、トラス梁4は、上弦材6と、下弦材8と、それらを連結する複数の斜材10とを含んで構成されているが、鋼部材である上弦材6と下弦材8と斜材10は、図10(A)に示すように、1つの山形鋼12により構成されている。
以下の実施の形態の補強構造は、このように1つの山形鋼12を用いて構成された鋼部材である上弦材6や下弦材8、斜材10を補強するものであり、必要に応じて上弦材6のみが補強され、あるいは、下弦材8のみが補強され、あるいは、斜材10のみが補強され、あるいは、適宜それらの組み合わせが補強されるものであり、以下の実施の形態では、補強構造の説明を明確に簡潔にするため、下弦材8のみを補強する場合を例にとって説明する。また、各実施の形態において同様な箇所、部材には前記の実施の形態と同一の符号を付して説明する。
第9の実施の形態の補強構造20Iは、1つの補強鋼材22と、複数の締め付け具26などを含んで構成され、補強鋼材22は下弦材8に沿って延在し、締め付け具26は、山形鋼12および補強鋼材22の長手方向に間隔をおいた複数箇所に配置されている。
補強鋼材22は断面L字状を呈し(山形鋼)、互いに直交するフランジ2202、2204を有している。
補強鋼材22は、下弦材8の両端にわたる長さで設けられている。
補強鋼材22は、下弦材8を構成する2つの山形鋼12の両フランジ1202、1204に、各フランジ2202、2204の先端を直角に当接させ、断面が閉塞された矩形枠となるように配置されている。
締め付け具26は、山形鋼12の長手方向の間隔をおいた複数個所で山形鋼12の長手方向と直交する方向においてそれら山形鋼12および補強鋼材22の周囲を囲み補強鋼材22の各フランジ2202、2204の先端を対応する山形鋼12の両フランジ1202、1204に押圧して山形鋼12と補強鋼材22を締め付け、山形鋼12と補強鋼材22を一体化するように構成されている。
締め付け具26は、第1金物54と、第2金物56と、2つのスペーサ34を含んで構成されている。
なお、説明の便宜上、山形鋼12の両フランジ1202、1204が向かい合う内面をフランジ内面1202A、1204Aとし、フランジ内面1202A、1204Aと反対に位置する外面をフランジ外面1202B、1204Bとして説明する。
また、補強鋼材22の両フランジ2202、2204が山形鋼12のフランジ1202、1204に向かい合う内面をフランジ内面2202A、2204Aとし、フランジ内面2202A、2204Aと反対に位置する外面をフランジ外面2202A、2204Aとして説明する。
2つのスペーサ34は補強鋼材22のフランジ外面2202B、2204Bにそれぞれ配置されている。スペーサ34の材質は、第1乃至第8の実施の形態と同様である。
第1金物54は、屈曲部を介して連結され山形鋼12のフランジ外面1202B、1204Bにそれぞれ当接する第1、第2当接部5402、5404を有している。本実施の形態では、第1当接部5402を構成する1枚の鋼板と、第2当接板部5404を構成する1枚の鋼板とが直角をなして溶着されることで構成され、第1当接部5402と第2当接板部5404は、それぞれ山形鋼12のフランジ1202、1204よりも大きな突出寸法で形成されている。
第2金物56は平鋼が曲げ加工されることで形成され、90度に折り曲げられた屈曲部を介して連結され、補強鋼材22のフランジ外面2202B、2204Bに配置されたスペーサ34にそれぞれ当接する第3、第4当接板部5602、5604と、第3、第4当接板部5602、5604の端部に屈曲部を介してそれぞれ連結された平板状の第1合わせ部5606および第2合わせ部5608を有している。
そして、第1金物54の第1、第2当接板部5402、5404が山形鋼12のフランジ外面1202B、1204Bに当接されると共に、第2金物56の第3、第4当接板部5602、5604が、補強鋼材22のフランジ外面2202B、2204Bに配置されたスペーサ34、34にそれぞれ当接され、かつ、第1、第2合わせ部5606、5608が、山形鋼12の両フランジ1202、1204から突出する第1金物54の第1、第2当接板部5402、5404の端部に合わされそれぞれボルトB、ナットNで締結される。
そして、ボルトB、ナットNで締結した状態で、補強鋼材22の各フランジ2202、2204の先端が対応する山形鋼12の両フランジ1202、1204に押圧されて山形鋼12と補強鋼材22を締め付け、山形鋼12と補強鋼材22が一体化される。
このように補強鋼材22が下弦材8に一体化されることにより、断面増加により下弦材8の圧縮、せん断強度を増大させることができる。また、開断面であった下弦材8を、フランジ1202、1204、2202、2204により断面矩形枠状の閉断面にできるので、下弦材8の座屈強度を増大させることができる。
第9の実施の形態の補強構造20Iによっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
すなわち、ボルトB、ナットNの締結作業により補強鋼材22で下弦材8を補強でき、溶接作業を要さないので、既存建物内に飛散する火気の量を抑制すことができる。
また、有資格者による作業がなくなるため、特に倉庫や展示場などの大規模な構造物でトラス梁の長さが大きく、また、本数も多い場合であっても、人員配置を迅速に行なえ、工期の短縮化、コストの低減化を図る上で有利となる。
また、溶接作業を要さないため、既存の部材を傷めるという恐れも解消でき、溶接欠陥も生じることはない。
なお、上述の効果は、上弦材6や斜材10を補強した場合にも同様に奏される。
また、補強鋼材22の長手方向の両端を、下弦材8の長手方向にそれぞれ溶着するようにしてもよい。すなわち、補強鋼材22の各フランジ2202、2204の先端を、図3に示す第2の実施の形態と同様に、下弦材8を構成する山形鋼12の両フランジ1202、1204にそれぞれ溶着するようにすると、第9の実施の形態による効果に加え、下弦材8の引張耐力を増大するという効果も奏される。
(第10の実施の形態)
図11は第10の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図を示している。
第10の実施の形態の鋼構造の補強構造20Jの構成は第9の実施の形態と同様であるが、第10の実施の形態では、2つのスペーサ34が、溶着などにより第2金物56の第3、第4当接板部5602、5604に予め取着されている。
第10の実施の形態の鋼構造の補強構造20Jによれば、第9の実施の形態による効果に加え、補強鋼材22による下弦材8の補強作業がより簡単に行えるという効果も奏される。
(第11の実施の形態)
図12(A)は第11の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のCC断面図を示している。
第11の実施の形態の補強構造20Kは、補強鋼材22と、複数の締め付け具26などを含んで構成され点において第9の実施の形態と同様であるが、締め付け具26がボルトや雄ねじ部材などを用いて構成されている点が第9の実施の形態と異なっている。
説明の便宜上、山形鋼12の2つのフランジ1202、1204のうち鉛直面に沿って延在するフランジ1202を第1フランジ1202とし、水平面に沿って延在するフランジ1204を第2フランジ1204として説明する。
また、第1フランジ1202にその先端が当接される補強鋼材22のフランジ2202を第3フランジ2202とし、前記第2フランジ1204にその先端が当接される補強鋼材22のフランジ2204を第4フランジ2204として説明する。
したがって、補強鋼材22の第3フランジ2202の先端を第1フランジ1202に当接し、補強鋼材22の第4フランジ2204の先端を第2フランジ1204に当接した状態で、第1フランジ1202と第4フランジ2204が平行して対向すると共に第2フランジ1204と第3フランジ2202が平行して対向する。
締め付け具26は4つの第1金物62と、1つの第2金物64と、1つのスペーサ34を含んで構成されている。
4つの第1金物62は山形鋼からなり、山形鋼12および補強鋼材22を挟んだ箇所に2つずつ配置され、それぞれ第1フランジ1202と第4フランジ2204を挟んで対向する第1対向板部6202(フランジ)を有している。
第2金物64は断面がコ字状の鋼材からなり、第2金物64は第3フランジ2202に対向する第2対向板部6402を有している。
4つの第1金物62のうちの2つの第1金物62の第1対向板部6202にスペーサ34が溶着により取着されている。
2つの第1金物62のうちの残りの2つの第1金物62の第1対向板部6202に第1フランジ1202または第4フランジ2204に対して進出後退可能に第1締め付けボルト66が螺合されている。詳細には、第1対向板部6202にボルト挿通孔が設けられ、このボルト挿通孔と同軸上にナットNが第1対向板部6202に溶着され、第1締め付けボルト66がこのナットNに螺合されている。
4つの第1金物62は、山形鋼12および補強鋼材22を挟んだ箇所に2つずつ対向するように配置され、山形鋼12および補強鋼材22を挟んだ箇所で第2フランジ1204および第3フランジ2202に平行して延在し2つの第1金物12の第1対向板部6202を互いに離間接近する方向に移動調節可能に連結する2つの雄ねじ部材68が設けられ、したがって、雄ねじ部材68は合計で4つ設けられている。詳細には、第1対向板部6202にボルト挿通孔が設けられ、このボルト挿通孔から突出する雄ねじ部材68の端部にナットNが螺合されている。
第3フランジ2202に対向する2つの雄ねじ部材68に第2金物64が支持されている。詳細には、第2金物64の第2対向板部6402の両端から屈曲する支片6404に雄ねじ部材68が挿通されることで第2金物64は雄ねじ部材68に支持されている。
第2対向板部6402に、第3フランジ2202に対して進出後退可能に第2締め付けボルト70が螺合されている。詳細には、第2対向板部6402にボルト挿通孔が設けられ、このボルト挿通孔と同軸上にナットNが第2対向板部6402に溶着され、第2締め付けボルト70がこのナットNに螺合されている。
そして、第1締め付けボルト66が進出されることでスペーサ34を介して補強鋼材22の第3フランジ2202の先端が山形鋼12の第1フランジ1202に押圧され、第2締め付けボルト70が進出されることで一方の雄ねじ部材68が山形鋼12の第2フランジ1204に当接されると共に補強鋼材22の第4フランジ2204の先端が山形鋼12の第2フランジ1204に押圧され、補強鋼材22が下弦材8に一体化される。
このような第11の実施の形態によっても第9の実施の形態と同様に、補強鋼材22が下弦材8に一体化されることにより、断面増加により下弦材8の圧縮、せん断強度を増大させることができる。また、開断面であった下弦材8を、フランジ1202、1206、2202、2204により断面矩形枠状の閉断面にできるので、下弦材8の座屈強度を増大させることができる。
なお、第1金物62や第2金物64の形状、構造は任意であり、用いる第1金物62の個数も任意であり、例えば、下弦材8の両側に2つずつ配設された第1金物62を一体化し1つの部品としてもよく、要するに第1金物62は最低2つ必要で、水平方向において下弦材8を挟んだ箇所に1つずつ配設すればよい。また、用いる雄ねじ部材68の個数も任意であるが、雄ねじ部材68は最低2つ必要で、上下方向において下弦材8を挟んだ箇所に1つずつ配設すればよい。
(第12の実施の形態)
図13(A)は第12の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は(A)のB矢視図を示している。
第12の実施の形態の補強構造20Lは、帯板を用いて締め付け具26が構成されている点において第9の実施の形態と異なっている。
すなわち締め付け具26は、1枚の帯板52と、2つのスペーサ34を含んで構成されている。
2つのスペーサ34は、1つずつ補強鋼材22のフランジ2202、2204に当接するように配置されている。
帯板52(ベルト)は、山形鋼12の長手方向と直交する方向において山形鋼12、補強鋼材22、2つのスペーサ34の周囲を囲みそれらを締め付けた状態で締結されている。
このような帯板52として薄肉の鋼板や、強化繊維を用いた合成樹脂製のベルトなど、従来公知の様々な材料が使用可能である。
また、帯板52の締結は、帯板52が鋼板の場合には、例えば圧着器が用いられ、帯板52が合成樹脂製である場合には、溶着や接着などが採用される。
なお、帯板52が鋼板の場合、鋼製のスペーサ34を用い、スペーサ34を帯板2の内面に予め溶着などにより取り付けておいてもよく、また、帯板52が合成樹脂製の場合、合成樹脂製のスペーサ34を用い、スペーサ34を帯板2の内面に予め溶着や接着などにより取り付けておいてもよい。
そして、帯板52が締結された状態で、補強鋼材22の各フランジ2202、2204の先端が対応する山形鋼12の両フランジ1202、1204に押圧され、補強鋼材22が下弦材8に一体化され、第9の実施の形態と同様な効果が奏される。
(第13の実施の形態)
図14(A)は第13の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は(A)のB矢視図を示している。
第13の実施の形態の補強構造20Mは、帯板52を用いて締め付け具26が構成された点において第12の実施の形態と同様であるが、2つのスペーサ34にそれぞれ帯板挿通溝3402を貫通形成し、帯板52を配設するに際し、帯板52を2つのスペーサ34の帯板挿通溝3402に挿通するようにしている。したがって、2つのスペーサ34を帯板52に仮止めできるので、第12の実施の形態に比べ、帯板52および2つのスペーサ34をより簡単に配設でき、施工をより簡単に行なえる利点を有している。
(第14の実施の形態)
図15は第14の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図を示している。
第14の実施の形態の補強構造20Nは、帯板52を用いて締め付け具26が構成された点において第12、第13の実施の形態と同様であるが、スペーサ34の個数や配置箇所、形状が第12、第13の実施の形態と異なっている。
すなわち、締め付け具26は、帯板52と、4つのスペーサ34を含んで構成されている。
各スペーサ34には、係合溝3412と、帯板52が挿通される帯板挿通溝3414とが形成されている。
4つのスペーサ34のうちの2つのスペーサ34は、山形鋼12の各フランジ1202、1204の先端に係合溝3412を係合させて配置され、残りの2つのスペーサ34のうちの1つのスペーサ34は、補強鋼材22の2つのフランジ2202、2204が直交する角部に係合溝3412を係合させて配置され、残りの1つのスペーサ34は、山形鋼12の2つのフランジ1202、1204が直交する角部に係合溝3412を係合させて配置される。
帯板52は、このように配置された4つのスペーサ34の帯板挿通溝3412に挿通されて山形鋼12の長手方向と直交する方向において山形鋼12、補強鋼材22の周囲を囲みそれらを締め付けた状態で締結される。
そして、帯板52が締結された状態で、補強鋼材22の各フランジ2202、2204の先端が対応する山形鋼12の両フランジ1202、1204に押圧され、補強鋼材22が下弦材8に一体化され、第9の実施の形態と同様な効果が奏される。
さらに、帯板52の締結時に帯板52が締め付けられる(押圧される)各スペーサ34の箇所は、前記締め付けられる(押圧される)方向と反対の方向に凸状の湾曲面3416を含んで形成され(詳細には円筒面で形成され)、帯板52の損傷防止が図られている。
なお、第12、第13の実施の形態と同様に、帯板52として薄肉の鋼板や、強化繊維を用いた合成樹脂製のベルトなど、従来公知の様々な材料が使用可能であり、また、スペーサ34として鋼製や合成樹脂性など、従来公知の様々な材料が使用可能である。
(A)はトラス梁の正面図、(B)は(A)のBB断面図、(C)は(A)のCC断面図である。 (A)は第1の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は同正面図、(C)は締め付け具の説明図である。 第2の実施の形態の鋼構造の補強構造の説明図でトラス梁4の長手方向の端部の断面図である。 第3の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図である。 第4の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図である。 (A)は第5の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のCC断面図である。 (A)は第6の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は(A)のB矢視図である。 (A)は第7の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は(A)のB矢視図である。 第8の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図である。 (A)は第9の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は同正面図、(C)は締め付け具の説明図である。 第10の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図である。 (A)は第11の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のCC断面図である。 (A)は第12の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は(A)のB矢視図である。 (A)は第13の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図、(B)は(A)のB矢視図である。 第14の実施の形態の鋼構造の補強構造の断面図である。
符号の説明
8……下弦材、12……山形鋼、22……補強鋼材、24……被挟持板、26……締め付け具、34……スペーサ。

Claims (15)

  1. 2つの山形鋼の一方のフランジを対向させ他方のフランジを互いに反対方向に突出するように配置されて構成された鋼部材を含む鋼構造の補強構造であって、
    断面L字状を呈して延在する互いに直交するフランジを有し、それら各フランジの先端を前記各山形鋼の両フランジに直角に当接して配置され前記各山形鋼に沿って延在する2つの補強鋼材と、
    前記各山形鋼の長手方向に間隔をおいた複数箇所においてそれぞれ2つの山形鋼の対向するフランジ間に挿入される複数の被挟持板と、
    前記被挟持板が配置された各箇所において前記2つの山形鋼の長手方向と直交する方向においてそれら2つの山形鋼の周囲を囲み前記2つの補強鋼材の各フランジの先端を対応する山形鋼の両フランジに押圧すると共に2つの山形鋼の対向するフランジで前記被挟持板を締め付ける方向に2つの山形鋼を押圧する複数の締め付け具と、
    を備えることを特徴とする鋼構造の補強構造。
  2. 前記締め付け具は、1つの第1金物と、2つの第2金物と、4つのスペーサを含んで構成され、
    前記第1金物は、前記2つの山形鋼の互いに反対方向に突出するフランジに当接可能で互いに反対方向に突出するフランジの各先端間を結ぶ長さよりも大きな寸法の長さを有する当接板部を有し、
    前記被挟持板は、前記当接板部の長さ方向の中央に該当接板部の長さ方向と直交する方向に突出するように溶着され、前記被挟持板を互いに対向するフランジの間に挿入し、前記当接板部を互いに反対方向に突出するフランジに当接した状態で、前記被挟持板の先端は、互いに対向するフランジの先端よりも突出する高さで形成され、
    前記第2金物は、互いに屈曲部を介して連結され前記補強鋼材の各フランジに対向する2つの対向板部と、2つの対向板部のうちの一方の対向板部に屈曲部を介して連結され前記被挟持板が前記フランジの先端から突出する先端に重ね合わされる第1の合わせ部と、2つの対向板部のうちの他方の対向板部に屈曲部を介して連結され前記当接板の長手方向の端部に重ね合わされる第2の合わせ部とを有し、
    前記被挟持板が前記2つの山形鋼の対向するフランジの間に挿入され、前記第1金物の前記当接板部が、前記2つの山形鋼の互いに反対方向に突出するフランジに当接されると共に、2つの第2金物がそれらの対向板部を前記2つの補強鋼材のフランジに対向するように配置され、かつ、前記4つのスペーサが、前記2つの第2金物の各対向板部と対応する前記補強鋼材の各フランジとの間に挿入され、
    前記2つの第2金物の第1の合わせ部と前記被挟持板の先端とがボルト、ナットにより締結されると共に前記第1金物の当接板部の長さ方向の両端と前記2つの第2金物の第2の合わせ部とがボルト、ナットにより締結され、
    前記ボルト、ナットで締結した状態で、前記2つの補強鋼材の各フランジの先端が対応する山形鋼の両フランジに押圧されると共に前記被挟持板が2つの山形鋼の対向するフランジで締め付けられる、
    ことを特徴とする請求項1記載の鋼構造の補強構造。
  3. 前記各補強鋼材の長手方向の両端は、対応する各山形鋼の長手方向の両端に取着されていることを特徴とする請求項1記載の鋼構造の補強構造。
  4. 前記4つのスペーサは、前記2つの第2金物の2つの対向板部が対応する前記2つの補強鋼材のフランジに対向する箇所に取着されていることを特徴とする請求項2記載の鋼構造の補強構造。
  5. 前記締め付け具は、1つの第1金物と、1つの第2金物と、4つのスペーサを含んで構成され、
    前記第1金物は、前記2つの山形鋼の互いに反対方向に突出するフランジに当接可能で互いに反対方向に突出するフランジの各先端間を結ぶ長さよりも大きな寸法の長さを有する当接板部を有し、
    前記第2金物は、前記当接板部に対向する第1対向板部と、前記第1対向板部の長さ方向の両端に屈曲部を介して連結され互いに対向する第2対向板部と、前記各第2対向板部の端部に屈曲部を介して連結された合わせ部とを有し、
    前記被挟持板は、前記第1対向板部の長さ方向の中央に前記当接板部に向けて直交する方向に突出するように取着され、
    前記4つのスペーサのうちの2つのスペーサは、前記被挟持板の両側に位置する前記第1対向板部の箇所にそれぞれ1つずつ取着されると共に、残りの2つのスペーサは各第2対向板部が互いに向かい合う面に1つずつ取着され、
    前記第2金物の前記第1対向板部を前記2つの山形鋼の互いに反対方向に突出するフランジに対向させると共に、前記被挟持板を前記2つの山形鋼の互いに対向するフランジの間に挿入し、かつ、前記4つのスペーサを前記2つの補強鋼材の各フランジにそれぞれ当接し、前記第1金物の当接板部を前記2つの山形鋼の互いに反対方向に突出するフランジに当接して前記第2金物の両端の合わせ部と前記第1金物の当接板部の長さ方向の両端とがボルト、ナットにより締結され、
    前記ボルト、ナットで締結した状態で、前記2つの補強鋼材の各フランジの先端が対応する山形鋼の両フランジに押圧されると共に前記被挟持板が2つの山形鋼の対向するフランジで締め付けられる、
    ことを特徴とする請求項1記載の鋼構造の補強構造。
  6. 前記2つの山形鋼の互いに対向するフランジは第1フランジであり、前記2つの山形鋼の互いに反対方向に突出するフランジは第2フランジであり、
    前記第1フランジにその先端が当接される前記補強鋼材のフランジは第3フランジであり、前記第2フランジにその先端が当接される前記補強鋼材のフランジは第4フランジであり、
    前記締め付け具は、2つの第1金物と、1つの第2金物と、1つのスペーサを含んで構成され、
    前記2つの第1金物は、それぞれ前記2つの補強鋼材の各第4フランジに対向する第1対向板部を有し、
    前記第2金物は、前記2つの補強鋼材の第3フランジに対向する第2対向板部を有し、
    前記2つの第1金物のうちの一方の第1金物の前記第1対向板部が前記第4フランジに対向する面に前記スペーサが取着され、
    前記2つの第1金物のうちの他方の第1金物の前記第1対向板部に、その第1対向板部が対向する前記第4フランジに対して進出後退可能に第1締め付けボルトが螺合され、
    前記2つの山形鋼を挟んだ箇所でそれぞれ前記第2フランジに平行して延在し前記2つの第1金物の各第1対向板部を互いに離間接近する方向に移動調節可能に連結する2つの雄ねじ部材が設けられ、
    前記2つの補強鋼材の各第3フランジに対向する前記2つの雄ねじ部材の一方に前記第2金物が支持され、
    前記被挟持板は、前記第2対向板部の長さ方向の中央に前記第2対向板部から突出するように取着され、
    前記被挟持板の両側に位置する前記第2対向板部の箇所に、前記2つの補強鋼材の各第3フランジに対して進出後退可能に第2締め付けボルトが螺合され、
    前記第1締め付けボルトが進出されることで前記スペーサを介して前記2つの前記補強鋼材の各第3フランジの先端が前記2つの山形鋼の対応する各第1フランジに押圧され、前記2締め付けボルトが進出されることで前記2つの雄ねじ部材の他方が前記2つの山形鋼の第2フランジに当接されると共に前記2つの補強鋼材の各第4フランジの先端が前記2つの山形鋼の第2フランジに押圧される、
    ことを特徴とする請求項1記載の鋼構造の補強構造。
  7. 前記締め付け具は、帯板と、4つのスペーサを含んで構成され、
    前記4つのスペーサは、1つずつ前記2つの補強鋼材の各フランジに当接するように配置され、
    前記帯板は、前記2つの山形鋼の長手方向と直交する方向において前記2つの山形鋼、前記2つの補強鋼材、前記4つのスペーサの周囲を囲みそれらを締め付けた状態で締結され、
    前記帯板が締結された状態で、前記2つの補強鋼材の各フランジの先端が対応する山形鋼の両フランジに押圧されると共に前記被挟持板が2つの山形鋼の対向するフランジで締め付けられる、
    ことを特徴とする請求項1記載の鋼構造の補強構造。
  8. 前記締め付け具は、帯板と、4つのスペーサを含んで構成され、
    前記スペーサには、係合溝と、前記帯板が挿通される帯板挿通溝とが形成され、
    前記被挟持板には、前記帯板が挿通される帯板挿通溝が形成され、
    前記4つのスペーサのうちの2つのスペーサは、前記2つの補強鋼材の角部に前記係合溝を係合させてそれぞれ配置され、残りの2つのスペーサは、前記2つの山形鋼の互いに反対方向に突出するフランジの先端に前記係合溝を係合させてそれぞれ配置され、
    前記被挟持板は、前記帯板挿通溝が形成された部分が、前記2つの山形鋼の互いに対向するフランジの先端から露出するように2つの山形鋼の対向するフランジ間に挿入されて配置され、
    前記帯板は、前記4つのスペーサの帯板挿通溝および被挟持板の帯板挿通溝に挿通されて前記2つの山形鋼の長手方向と直交する方向において前記2つの山形鋼、前記2つの補強鋼材の周囲を囲みそれらを締め付けた状態で締結され、
    前記帯板が締結された状態で、前記2つの補強鋼材の各フランジの先端が対応する山形鋼の両フランジに押圧されると共に前記被挟持板が2つの山形鋼の対向するフランジで締め付けられ、
    前記帯板の締結時に前記帯板が締め付けられる前記スペーサの箇所および前記被挟持板の箇所は、前記締め付けられる方向と反対の方向に凸状の湾曲面を含んで形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の鋼構造の補強構造。
  9. 互いに直交するフランジを有する山形鋼からなる鋼部材を含む鋼構造の補強構造であって、
    断面L字状を呈して延在する互いに直交するフランジを有し、それら各フランジの先端を前記山形鋼の両フランジに直角に当接して配置され前記山形鋼に沿って延在する補強鋼材と、
    前記山形鋼の長手方向の間隔をおいた複数個所で前記山形鋼の長手方向と直交する方向においてそれら山形鋼および補強鋼材の周囲を囲み前記補強鋼材の各フランジの先端を対応する山形鋼の両フランジに押圧して前記山形鋼と前記補強鋼材を締め付ける締め付け具と、
    を備えることを特徴とする鋼構造の補強構造。
  10. 前記締め付け具は、第1金物と、第2金物と、2つのスペーサを含んで構成され、
    前記山形鋼の両フランジは、それらが向かい合うフランジ内面と、前記フランジ内面と反対に位置するフランジ外面を有し、
    前記補強鋼材の両フランジは、前記山形鋼のフランジに向かい合うフランジ内面と、前記フランジ内面と反対に位置するフランジ外面を有し、
    前記2つのスペーサは前記補強鋼材の両フランジのフランジ外面にそれぞれ配置され、
    前記第1金物は、屈曲部を介して連結され前記山形鋼の両フランジのフランジ外面にそれぞれ当接する第1、第2当接板部を有し、
    前記第2金物は、屈曲部を介して連結され前記補強鋼材の両フランジのフランジ外面に配置された前記スペーサにそれぞれ当接する第3、第4当接板部と、前記第3、第4当接板部の端部に屈曲部を介してそれぞれ連結された第1、第2合わせ部を有し、
    前記第1金物の前記第1、第2当接板部が前記山形鋼の両フランジのフランジ外面に当接されると共に、前記第2金物の前記第3、第4当接板部が、前記補強鋼材の両フランジのフランジ外面に配置された前記スペーサにそれぞれ当接され、かつ、前記第1、第2合わせ部が、前記山形鋼の両フランジから突出する前記第1金物の前記第1、第2当接板部の端部に合わされそれぞれボルト、ナットで締結され、
    前記ボルト、ナットで締結した状態で、前記補強鋼材の両フランジの先端が対応する山形鋼の両フランジに押圧され前記山形鋼と前記補強鋼材が締め付けられる、
    ことを特徴とする請求項9記載の鋼構造の補強構造。
  11. 前記補強鋼材の長手方向の両端は前記山形鋼の長手方向の両端に取着されていることを特徴とする請求項9記載の鋼構造の補強構造。
  12. 前記2つのスペーサは、前記第2金物の前記第3、第4当接板部に取着されていることを特徴とする請求項10記載の鋼構造の補強構造。
  13. 前記山形鋼の互いに対向するフランジは第1フランジと第2フランジであり、
    前記第1フランジにその先端が当接される前記補強鋼材のフランジは第3フランジであり、前記第2フランジにその先端が当接される前記補強鋼材のフランジは第4フランジであり、
    前記補強鋼材の第3フランジの先端を前記第1フランジに当接し、前記補強鋼材の第4フランジの先端を第2フランジに当接した状態で、前記第1フランジと前記第4フランジが平行して対向すると共に前記第2フランジと前記第3フランジが平行して対向し、
    前記締め付け具は、2つの第1金物と、1つの第2金物と、1つのスペーサを含んで構成され、
    前記2つの第1金物は、前記第1フランジと前記第4フランジを挟んで対向する第1対向板部を有し、
    前記第2金物は、前記第3フランジに対向する第2対向板部を有し、
    前記2つの第1金物のうちの一方の第1金物の前記第1対向板部に前記スペーサが取着され、
    前記2つの第1金物のうちの他方の第1金物の前記第1対向板部に、その第1対向板部が対向する前記第1フランジまたは第4フランジに対して進出後退可能に第1締め付けボルトが螺合され、
    前記山形鋼および前記補強鋼材を挟んだ箇所でそれぞれ前記第2フランジおよび前記第3フランジに平行して延在し前記2つの第1金物の各第1対向板部を互いに離間接近する方向に移動調節可能に連結する2つの雄ねじ部材が設けられ、
    前記第3フランジに対向する前記2つの雄ねじ部材の一方に前記第2金物が支持され、
    前記第2対向板部に、前記第3フランジに対して進出後退可能に第2締め付けボルトが螺合され、
    前記第1締め付けボルトが進出されることで前記スペーサを介して前記第3フランジの先端が前記第1フランジに押圧され、前記2締め付けボルトが進出されることで前記2つの雄ねじ部材の他方が前記第2フランジに当接されると共に前記第4フランジの先端が前記第2フランジに押圧される、
    ことを特徴とする請求項9記載の鋼構造の補強構造。
  14. 前記締め付け具は、帯板と、2つのスペーサを含んで構成され、
    前記2つのスペーサは、1つずつ前記補強鋼材の各フランジに当接するように配置され、
    前記帯板は、前記山形鋼の長手方向と直交する方向において前記山形鋼、前記補強鋼材、前記2つのスペーサの周囲を囲みそれらを締め付けた状態で締結され、
    前記帯板が締結された状態で、前記補強鋼材の各フランジの先端が対応する山形鋼の両フランジに押圧される、
    ことを特徴とする請求項9記載の鋼構造の補強構造。
  15. 前記締め付け具は、帯板と、4つのスペーサを含んで構成され、
    前記スペーサには、係合溝と、前記帯板が挿通される帯板挿通溝とが形成され、
    前記4つのスペーサのうちの2つのスペーサは、前記山形鋼の2つのフランジの先端に前記係合溝を係合させて配置され、残りの2つのスペーサのうちの1つのスペーサは、前記補強鋼材の2つのフランジが直交する角部に前記係合溝を係合させて配置され、残りの1つのスペーサは、前記2つの山形鋼の2つのフランジが直交する角部に前記係合溝を係合させて配置され、
    前記帯板は、前記4つのスペーサの各帯板挿通溝に挿通されて前記山形鋼の長手方向と直交する方向において前記山形鋼、前記補強鋼材の周囲を囲みそれらを締め付けた状態で締結され、
    前記帯板が締結された状態で、前記補強鋼材の各フランジの先端が対応する山形鋼の両フランジに押圧され、
    前記帯板の締結時に前記帯板が締め付けられる前記スペーサの箇所は、前記締め付けられる方向と反対の方向に凸状の湾曲面を含んで形成されている、
    ことを特徴とする請求項9記載の鋼構造の補強構造。
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