JP4771656B2 - 植物人工染色体、その使用及び植物人工染色体の製造方法 - Google Patents

植物人工染色体、その使用及び植物人工染色体の製造方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
関連出願
優先権の利益を、CARL PEREZ AND STEVEN FABIJANSKIによる米国仮出願番号 60/294,687、出願日2001年5月30日、名称 PLANT ARTIFICIAL CHROMOSOMES, USES THEREOF AND METHODS FOR PREPARING PLANT ARTIFICIAL CHROMOSOMESに、およびCARL PEREZ AND STEVEN FABIJANSKIによる米国仮出願番号60/296,329、出願日 2001年7月4日、名称 PLANT ARTIFICIAL CHROMOSOMES, USES THEREOF AND METHODS FOR PREPARING PLANT ARTIFICIAL CHROMOSOMESに請求する。この出願は、EDWARD PERKINS et alによる米国仮出願番号 60/294,758、出願日2001年5月30日、名称 CHROMOSOME-BASED PLATFORMSにおよびEDWARD PERKINS et al.による米国仮出願番号 60/366,891、出願日2002年3月21日名称CHROMOSOME-BASED PLATFORMSに関する。この出願はまたEDWARD PERKINS et alによる米国仮出願10/161,403、出願日2002年5月30日、名称 CHROMOSOME-BASED PLATFORMSにおよびEDWARD PERKINS et alによる PCT国際特許出願PCT/US02/17452、出願日2002年5月30日、名称CHROMOSOME-BASED PLATFORMSにする。この出願はGYULA HADLACZKY および ALADAR SZALAYによる米国出願一連番号 08/695,191、出願日1996年8月7日、名称 ARTIFICIAL CHROMOSOMES, USES THEREOF AND METHODS FOR PREPARING ARTIFICIAL CHROMOSOMES、いま米国特許番号 6,025,155に関する。この出願はまたGYULA HADLACZKYおよびALADAR SZALAYによる米国出願一連番号 08/682,080、出願日1996年7月15日、名称 ARTIFICIAL CHROMOSOMES, USES THEREOF AND METHODS FOR PREPARING ARTIFICIAL CHROMOSOMES、いま米国特許番号6,077,697に関する。この出願はまたGYULA HADLACZKY および ALADAR SZALAYによる米国出願一連番号 08/629,822、出願日 1996年4月10日、名称 ARTIFICIAL CHROMOSOMES, USES THEREOF AND METHODS FOR PREPARING ARTIFICIAL CHROMOSOMES (いま放棄された)に関し、そしてまたGYULA HADLACZKYおよびALADAR SZALAYによる共継続米国出願一連番号 09/096,648、出願日1998年6月12日、名称ARTIFICIAL CHROMOSOMES, USES THEREOF AND METHODS FOR PREPARING ARTIFICIAL CHROMOSOMESにおよびGYULA HADLACZKY および ALADAR SZALAYによる米国出願一連番号09/835,682, 1997年4月10日、名称 ARTIFICIAL CHROMOSOMES, USES THEREOF AND METHODS FOR PREPARING ARTIFICIAL CHROMOSOMES (いま放棄)。この出願はまたそれぞれGYULA HADLACZKYおよびALADAR SZALAYによる共係属 米国出願一連番号 09/724,726、出願日2000年11月28日、米国出願一連番号 09/724,872、出願日2000年11月28日、米国出願一連番号 09/724,693、出願日 2000年11月28日、米国出願一連番号 09/799,462、出願日2001年3月5日、米国出願一連番号 09/836,911、出願日2001年4月17日、および米国出願一連番号10/125,767、出願日2002年4月17日に関し、そして名称ARTIFICIAL CHROMOSOMES, USES THEREOF AND METHODS FOR PREPARING ARTIFICIAL CHROMOSOMESである。この出願はまた国際PCT出願番号WO97/40183に関する。許容される場合、これらの出願の対象物のそれぞれは引用によりその全体を含める。
発明の分野
人工染色体および人工染色体を生産する方法特に核酸の送達における使用および植物におけるその発現を提供する。また、核酸の、植物細胞を含む宿主細胞ヘの送達における人工染色体の使用の方法、およびそこの核酸の発現を提供する。人工染色体を使用する、人工染色体を含む、得られた植物細胞、組織、器官および全植物体、異種タンパク質の生産のための植物細胞に基づく方法およびトランスジェニック生物、特に植物を生産する方法を提供する。
発明の背景
核酸の、植物細胞への安定な移入およびそこの核酸の発現は、多くの挑戦を提示する。核酸の、植物細胞内への安定導入の多くの努力は、アグロバクテリウム介在形質転換を利用した。アグロバクテリウムは、自由生存グラム陰性土壌細菌である、この細菌の感染性菌株は、植物組織に感染し、そして一般にクラウンゴールとよばれる新生物形成性成長の生産を誘導する。アグロバクテリウムの感染性菌株は、Tiプラスミドとして知られDNA移入(vir遺伝子)および複製に要求される遺伝子並びにT-DNAと呼ばれる植物細胞に移入されるDNAの領域を含む。T-DNA領域は、DNA移入プロセスに重要であるT-DNAボーダー配列によって境界付けられる。これらのT-DNAボーダー配列は、Tiプラスミド状にコードされるvir遺伝子によて認識され、そして該vir遺伝子は、DNA移入プロセスの責任がある。
ほとんどの野生型アグロバクテリウムは、比較的、広い双子葉食物宿主範囲を有し、そして25キロベースまで(例えばノパリン菌株)またはより多い(例えばオクトピン菌株)DNAを移入することのできる。よって、アグロバクテリウムを使用する、DNAを植物細胞に移入する多くの方法は、変更形態の原因となる遺伝子をもはや含まないようにTiプラスミドを改変すること、およびこれらの遺伝子を、所望の形質をコードする組換え体遺伝子で置換することに基づいて開発された。これらの2つの基本型のアグロバクテリウム植物形質転換システム、バイナリー [参照せよ、例えば、米国特許番号 4,940,838] および共取りこみ [参照せよ、例えば、Fraley et al. (1985) Biotechnology 3:629-635]方法。 T-DNAボーダーリピートは、両方のシステムに維持され、天然DNA移入プロセスを使用し、T-DNAボーダーの間に位置するDNAの部分を植物細胞に移入する。
バイオリスチックと呼ばれるさらなる植物細胞形質転換システムは、植物細胞を、新しい形質をコードするDNAで被覆した顕微鏡滴粒子でボンバードメントすることに関係する。該粒子は、細胞壁および膜を経由して、典型的にはガスまたは電気的放電によって急速に加速され、それによってDNAは細胞内に放出され、そして細胞のゲノム内に取りこまれる。この方法を、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、イネおよび樹木種およびその他を含む多くの作物の形質転換のために使用する。
商業的関心の作物種の顕著な数は、アグロバクテリウム介在またはバイオリスチックシステムのいずれかを使用して形質転換された。しかし、これらの方法は、それらの利用性を限定する多くの限界がある。例えばこれらの方法を使用して形質転換できる異種DNAのサイズに限定がある;典型的に、1ないし2遺伝子は、移入される。こうして、これらの方法は、単一の新しい形質、例えば昆虫または除草剤耐性を含むように修飾された作物酸物を生産することにおける利用性を有し得るが、こえらは多重形質または形質の多重性をコードする大きいDNAセグメントを提供するDNAを移入するのに充分ではないかもしれない。
加えて、これら方法によって生産された遺伝的に修飾された植物細胞は、ゲノムDNAのユークロマチン領域中に移入されるDNAを含む傾向がある。典型的には、多数の独立的トランスジェニック挿入事象は、好適な事象(例えば宿主ゲノムDNA内への遺伝子が挿入され、その結果それが、遺伝子再編成の証拠なく、時間的および位置的予測内の遺伝子発現の充分レベルを提供する)が同定される前にスクリーニングされなければならない。
これらの方法のさらなる限定は、多くの商業的に重要な作物の遺伝的修飾においてそれらを利用するために要する努力である。例えば、形質転換効率は、作物で変化し、そして禾穀類例えばトウモロコシおよびコムギで顕著に低いことができる。しばしば挿入された遺伝子は、再編成され、そして世代に渡り不安定である。
さらにアグロバクテリウムツメファシエンスは首尾よいためには、宿主寄生相互作用に依存する。これは、いくつかの双子葉植物について優先性を有し、一方他の双子葉、単子葉および針葉樹は、アグロバクテリウムによる感染に抵抗性である。自己複製ベクターを植物細胞内ヘの核酸の移入においてまた使用する。そのようなエピソーム性ベクターは、DNA複製に要するDNA配列および生存細胞でのベクターの感受性を含む。高等植物では、非常に少数のエピソーム性ベクターが開発された。これらのエピソーム性ベクターは、遺伝的情報を有するについて非常に限定された能力を有する欠点を有し、そして不安定である。エピソーム性植物ベクターの1例は、カリフラワーモザイクウイルスである [Brisson et al. (1984) Nature 310:511]。
これらの遺伝子送達技法の限定は、大きい(Mbまでのサイズまたはより大きい)遺伝子、遺伝子複合体および、高等生物、特に植物における所望の遺伝的材料の、挿入または突然変異誘発によって引き起こされる再編成なく、安全、制御および一定発現のための調節エレメントを一緒に有する多重遺伝子を移入するため好適な代替的ベクターシステムの開発を必要とする。したがって、真核細胞内に大きい核酸の導入のための人工的染色体および人工染色体を使用する方法、特に、植物の核酸の導入および発現のための方法を提供することがここでの目的である。
発明の要約
ここに、植物人工染色体および植物人工染色体を生産するための方法を提供する。人工染色体は充分に機能的安定性染色体である。ここに提供する植物人工染色体は、それらを植物細胞の異種核酸の安定、制御、高レベル発現のための理想的ベクターとする特定の組成を有する。人工染色体は、細胞内で、独立、特大ゲノム維持、複製および分離が可能であり、そして多重、大異種遺伝子を有し得る。
ここに提供する人工植物染色体は、天然存在染色体からそれらを区別する順序セグメント化を呈する非天然染色体である。セグメント化外観は、種々の染色体分析技法使用して可視化でき、そして特にこれらの染色体を生産する方法、染色体セグメントの増幅を介して生じることのできる、これらの人工染色体の独特な構造と相関する。セグメント化の領域(複数もある)、人工染色体は、領域中に反復され(リピート領域として言及する)かつ類似のグロス構造を有する1または2以上の核酸ユニットから卓越的に作成される。核酸ユニットのリピートは、類似のサイズであり、いくつかの共通核酸配列、例えば染色体セグメントの属副に関係する複製部位および/またはいくつかの異種核酸を共有する傾向がある。反復核酸ユニットのサイズは、変化し、典型的には約100kbより大きく、約500kbより大きく、約1Mbより大きく、約10Mbより大きい傾向がある。典型的には、核酸ユニットのリピートは、核酸組成中で実質的に類似であり、そしてほとんど同一であることができる。共通核酸配列は、ユークロマチンかつヘテロクロマチン核酸を示す配列を含むことができる。増幅に基づく人工染色体の組成は、実質的に完全染色体がセグメント化外観を呈し、または完全染色体より小さく作成される1または2以上のみの部分がセグメント化してみえるようであることができる。
ここに提供する植物人工染色体の組成は、変化し得る。例えば、ここに提供するいくつかの人工的染色体では、リピート領域は、ヘテロクロマチンDNAから卓越的に作成することができる(すなわちリピート領域は、他の型のDNA例えばユークロマチンよりもより多いヘテロクロマチンDNAを含む)。ここに提供する他の人工染色体では、リピート領域は卓越的に、ユークロマチンDNAから作成することができ(すなわちリピート領域は、他の型のDNA、例えばヘテロクロマチンDNAよりもより多いユークロマチンDNAを含む)、またはヘテロクロマチンおよびユークロマチンDNA、例えば約50%ないし約60%の他の型の核酸および約50%ないし60%の他の型の核酸ヘテロクロマチンおよびユークロマチンDNAの実質的に均等で作成することができる。リピート領域は、こうして、完全にヘテロクロマチン製であることができ(一方なお1または2以上の異種遺伝子を含む)、または例えば領域が約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または90%より大きいユークロマチンDNAを含む領域のようなユークロマチンDNAの増加量を含むことができる。リピート領域のリピート核酸ユニット内の共通核酸配列は、ユークロマチン核酸を示すDNAおよびヘテロクロマチン核酸を示すDNAを含むことができる。完全人工染色体がリピート領域から卓越的に作成できるから(例えば染色体の組成は、リピート領域が、染色体の約50%より大きい、または60%より大きいように作成する)、それはこうして、ヘテロクロマチンまたはユークロマチンの卓越するように作成されるべき、または例えば他の型の核酸の約40%ないし約50%、および他の型の核酸の約50%ないし約60%のヘテロクロマチンおよびユークロマチンの実質的に等量な量から作成されるべき、人工染色体が可能である。ここに提供する植物人工染色体は、単離され、細胞または小胞内に含まれることができる。リピート領域中のリピート核酸ユニット内の共通核酸配列はユークロマチン核酸を示すDNAおよびヘテロクロマチンを示すDNAを含むことができる。完全人工染色体は、反復領域に卓越的に作成でき(例えば染色体の組成は、約50%より大きい、または染色体の約60%より大きいリピート領域である)、それはこうして、ヘテロクロマチンまたはユークロマチンの卓越的に作成すべき、または例えば他の型の核酸の約50%ないし60%のヘテロクロマチンおよびユークロマチンの実質的に等量な量で作成されるべき、人工染色体について可能である。ここに提供する植物人工染色体は、単離し、細胞または小胞内に含むことができる。
またここに、植物細胞および動物細胞を含む、ここに記載の植物人工染色体を含む細胞を提供する。植物人工染色体を含む細胞中に含まれるのは、1または2以上の植物染色体を含む任意の細胞である。たとえば、植物組織、器官、種子、花粉または全植物体内の、培養における、植物プロトプラスト、を含む植物細胞が含まれる。植物人工染色体を含む植物細胞は、単子葉および双子葉を含む、任意の型の植物からであることができる。例えば、植物細胞は、シロイヌナズナ属植物(Arabidopsis)タバコ属植物(Nicotiana)ナス属植物(Solanum)トマト属植物(Lycopersicon)ニンジン属植物(Daucus)ムギ属植物(Hordeum)トウモロコシ(Zea mays)アブラナ属植物(Brassica)コムギ属植物(Triticum)ヒマワリ属植物(Helianthus)イネ属植物(Oryza)ダイズ属植物(Glycine)(ダイズ)、ワタ属植物(gossypium)(ワタ)由来であることができる。また植物ACを含む哺乳動物および他の動物細胞を企図する。
任意の種の人工染色体を含む植物細胞をまた、ここに提供する。こうして例えば、そのような植物細胞は、動物、例えば哺乳動物、セントロメアまたは昆虫またはアビアンセントロメア染色体を含む人工染色体を含むことができる。ここに提供されるような植物細胞内に含まれる人工染色体には、卓越的にヘテロクロマチン[以前サテライト人工染色体(SATAC)として言及された;例えば米国特許番号 6,077,697および 6,025,155および公開 国際PCT出願番号 WO 97/40183参照]、ミニ染色体であってde novoセントロメアを含むもの、リピート核酸ユニットの1または2以上の領域を含む人工染色体が含まれ、ここで該リピート領域は、ユークロマチンおよびヘテロクロマチン核酸およびインビトロアセンブルド人工染色体であって、それぞれ任意の種由来のものの実質的に均等な量を含む。例示的人工染色体は、マウスセントロメアを含む哺乳動物サテライト人工染色体である。任意の種の人工染色体を含む、培養における植物プロトプラストを含む、および植物組織、器官、種子、花粉または全植物体を含む植物細胞が含まれる。人工染色体を含む植物細胞は、単子葉および双子葉を含む任意の型の植物由来であることができる。例えば、植物細胞は、Arabidopsis、Nicotiana、Solanum、Lycopersicon、Daucus、Hordeum、Zea mays、Brassica、Triticum、HelianthusおよびOryzaからであることができる。
さらに植物人工染色体を生産する方法をここに提供する。これらの方法の1実施態様は、植物染色体を含む細胞内に核酸を導入する、および1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む細胞を選択する工程を含み、ここで1または2以上の核酸ユニットは、リピートされる。該核酸ユニットのリピートは、リピートすることができる。リピート領域の核酸ユニットのリピートは、共通核酸を含むことができ、実質的に同一であることができる。この方法のいくつかの実施態様では、人工染色体のリピート領域は、実質的に均等量のユークロマチンおよびヘテロクロマチン核酸を含む。この方法のさらなる実施態様では、人工染色体は、実質的に均等量のユークロマチンおよびヘテロクロマチン核酸から作成できる。この方法の更なる実施態様では、核酸ユニットのリピートは、ユークロマチンおよびヘテロクロマチン核酸を示す配列を含む共通核酸配列を有する。
植物染色体を含む任意の細胞を、ここに記載の植物人工染色体を生産する方法のこれらの実施態様で使用できる。例えば、細胞は、Arabidopsis、タバコ、Solanum、Lycopersicon、Daucus、Hordeum、Zea mays、Brassica、Triticum、Oryza、Capsicum、lentilおよび/またはHelianthus[Arabidopsis、タバコおよび/またはHelianthusの細胞またはプロトプラストを含む]からの染色体を含む任意の細胞であることができる。
ここに提供するような植物人工染色体を生産する方法における植物染色体を含む細胞内に導入される核酸は、限定しないが、サテライトDNA、rDNAおよびラムダファージDNAを含む任意の核酸であることができる。サテライトDNAおよびrDNAは、植物例えばArabidopsis、Nicotiana、Solanum、Lycopersicon、Daucus、Hordeum、Zea mays、Brassica、TriticumおよびOryzaのような植物細胞からおよび哺乳動物のような動物からをそのようなDNAを含む。rDNAは、例えばArabidopsis、Solanum、Lycopersicon、Hordeum、Zea、Oryza、ライムギ、コムギ、ラディッシュおよびマングビーンのDNAから取得できるような遺伝子間スペーサー領域の配列を含むことができる。方法のいくつかの実施態様では、核酸は、植物染色体の領域の増殖を容易化するまたは植物染色体の増殖可能領域にそれをターゲティングさせる核酸配列を含む。
ここに提供する植物人工染色体を生産する方法のさらなる実施態様において、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入される核酸は、核酸を含む細胞の同定のための核酸を含む。そのような核酸は、蛍光タンパク質、例えば緑色、青色または赤色蛍光タンパク質をコードする核酸、および選択マーカー例えばフォスフィノスリシン、アンモニウムグルホシネート、グリホサート、カナマイシン、ハイグロマイシン、ジヒドロフォレートまたはスルフォニルウレアへの抵抗性を付与するタンパク質をコードする核酸を含む。
核酸が、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入される、植物人工染色体を生産する方法の実施態様では、細胞を、細胞内への核酸の導入に続いて、2または3以上の細胞ダブリンを経由して、そして典型的には約5ないし約60、または約5ないし約55、または約10ないし約55、または約25ないし約55、または約35ないし約55細胞残骸培養できる。植物人工染色体を含む細胞を選択する工程は、核酸が導入された細胞の分類を含むことができる。例えば、細胞を、選択マーカー例えばレポータータンパク質の存在に基づいて分類し、または選択条件下で細胞を成長(培養)することによる。選択工程は、核酸が導入される細胞の蛍光インシチュ(in situ)ハイブリダイゼーション(FISH)分析を含むことができる。
また植物で機能する人工染色体を使用するトランスジェニック植物を生産する方法および人工染色体を含むトランスジェニック植物を提供する。トランスジェニック植物を生産する方法で使用する人工染色体は、任意の種のものであることができる。例えば人工染色体は、細胞分裂を解して娘細胞に核酸を分離するよう機能する、種、例えば動物、例えば哺乳動物、鳥、植物または昆虫からの染色体を含むことができる。トランスジェニック植物を生産する方法のいくつかの実施態様では、リピート領域を含む人工染色体は卓越的に、1または2以上の核酸ユニットをのリピートから作成した。核酸ユニットのリピートは、いくつかの共通核酸配列、例えば染色体セグメントの増幅に関係する複製部位、および/または異種核酸を共有することができる。核酸ユニットのリピートは、実質的に同一であることができる。核酸ユニットのリピートの共通核酸配列は、ユークロマチンおよびヘテロクロマチン核酸を示す配列を含むことができる。
人工染色体のリピート領域は、トランスジェニック植物を生産する方法で使用でき、これはヘテロクロマチンおよびユークロマチンDNAの実質的に均等な量で作成でき、またはユークロマチンDNAの卓越的に作成できる。人工染色体は、ヘテロクロマチンまたはユークロマチンDNAの卓越的に作成でき、またはヘテロクロマチンおよびユークロマチンの実質的に均等量で作成できる。そのような人工染色体であって、植物染色体を含むものは、単子葉および双子葉を含む任意の種の植物からの植物染色体を含むことができる。例えば、シロイヌナズナ属植物(Arabidopsis)、タバコ属植物ヒマワリ属植物(Helianthus)ナス属植物(Solanum)トマト属植物(Lycopersicon)ニンジン属植物(Daucus)ムギ属植物(Hordeum)トウモロコシ属植物(Zea)アブラナ属植物(Brassica)コムギ属植物(Triticum)、ライムギ、コムギ、ラディッシュマングビーンまたはイネ属植物(Oryza)からであることができる。人工染色体は、ここに記載の方法を使用して作成できる。
ここに提供するトランスジェニック植物を生産する方法では、人工染色体、例えば前記のもの、およびここに他所に記載のものを、植物細胞内に導入する。人工染色体は遺伝子産物、例えば酵素、アンチセンスRNA、tRNA、rDNA、構造タンパク質、マーカーまたはレポータータンパク質、リガンド、レセプター、リボザイム、治療タンパク質、生物医薬タンパク質、ワクチン、血液因子、抗原、ホルモン、サイトカイン、成長因子または抗体をコードする異種核酸を含むことができる。産物は、植物の病気、昆虫、除草剤またはストレスへの抵抗性を提供するものであることができる。産物は、植物の農業的に重要な形質を提供するおよび/または栄養利用性を変更するおよび/または植物の栄養質を改善するものであることができる。人工染色体の異種核酸は、最近人工染色体染色体(BAC)またはコウボ人工染色体(YAC)内に含まれることができる。
そのような人工染色体が、ここに提供するトランスジェニック植物の生産方法で導入できる植物細胞は、限定しないがArabidopsis、タバコ、ヒマワリ属植物ナス属植物トマト属植物ニンジン属植物ムギ属植物トウモロコシ属植物(Zea)アブラナ属植物コムギ属植物、ライムギ、コムギ、ラディッシュ、マングビーン、 Capsicum、lentilおよびイネ属植物を含む植物細胞の任意の種であることができる。植物細胞、および植物胚、カルス、組織、茎頂、器官、種子、実生、花粉、花粉管または全植物体を含む、使用される植物に発達できる任意の細胞は、使用できる。
人工染色体は、限定しないが、化学的、物理的および電気的方法およびその組み合わせを含む、植物細胞内に核酸を移入するための任意の方法を使用してトランスジェニック植物を生産する方法で植物細胞内に導入できる。例えば、人工染色体は、フソゲン、例えばポリエチレングリコール(PEG)、燐酸カルシウムおよび/または脂質の不存在または存在下で直接接触によって植物細胞内に移入でき、またはこれらは、脂質構造(例えばリポソーム)に、含ませ、またはプロトプラストまたはミクロセルに含ませ、ついでトランスジェニック植物の生産方法における、人工染色体の、細胞内への導入のための植物細胞と融合を可能とする(フソゲン例えばPEGの存在または不存在下で)。人工染色体を、人工染色体への細胞の暴露の前、中および/または後に、電気的パルス(例えばエレクトロポレーション)および/または超音波(例えばソノポレーション)の対象の植物細胞に移入することができる。電気的パルスおよび/または超音波の子葉は、任意の他の剤、例えばPEGおよび/または脂質と組み合わせることができ、植物細胞内に核酸を移入するとき使用する。人工染色体はまた、マイクロピペットまたはニードルによって植物細胞内に物理的にインジェクトすることができ、または染色体で被覆したマイクロプロジェクタイルで細胞のンバードメントによって植物細胞内に導入する。植物細胞内への核酸の移入を容易化するために、レシピエント細胞または組織を、機械的傷つけの対象とできる。
人工染色体がトランスジェニック植物を生産する方法のために導入された植物細胞を、全植物体の生成を可能とする条件で培養する。形質転換細胞を、好適性を決定するために全植物体の生成の使用の前に分析できる。例えば、細胞を人工染色体、および/または再生能力の存在について分析できる。植物再生技法は、当業界でおおくは既知であり、例えば人工染色体を含む細胞、胚およびカルスから全植物体を生成するために使用できる。例えば、植物を、形質転換根、小植物体、種子、実生および全植物体に成長できる任意の構造の栽培によって人工染色体を含む細胞から再生できる。
ここにさらに提供するのは、アクロセントリック(acrocentric)植物染色体を生産する方法およびrDNAおよびヘテロクロマチンの隣接領域、特にペリセントリック(pericentric)および/またはサテライトヘテロクロマチンを含む植物染色体を生産する方法である。またここに提供するのは、染色体の短アーム上の、ヘテロクロマチンの隣接領域、例えばペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはサテライトDNA、およびrDNAを含むアクロセントリック植物染色体を生成する方法である。
これらの方法の1実施態様は、2つの部位特異的組み換え部位を含む核酸を、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に、導入する、2つの部位特異的組み換え部位の核酸を組み換える、およびアクロセントリック植物染色体を含む細胞および/またはeDNAおよびヘテロクロマチンの隣接領域を含む植物染色体を選択する工程を含む。該2つの部位特異的組み換え部位は、同時的または逐次的に細胞内に導入される別個の核酸フラグメント上に含まれることができる。
アクロセントリック植物染色体および/またはrDNAおよびヘテロクロマチンの隣接領域を含む植物染色体を生産する方法の他の実施態様は、第一の植物染色体内に部位特異的組み換え部位を含む第一核酸を導入する、第二植物染色体内に部位特異的組み換え部位を含む第二核酸を導入する、およびアクロセントリックである、またはcDNAまたはヘテロクロマチンの隣接領域を含む植物染色体を選択する工程を含む。例えば、アクロセントリック植物染色体を生産するために、第一核酸を、第一染色体のペリセントリックヘテロクロマチン内にまたは隣接して導入でき、および/または第二核酸を、第二染色体の遠位末端内に導入することができる。rDNAの隣接領域およびヘテロクロマチンを含むアクロセントリック植物染色体を生産するために、例えば、第一核酸を、アクロセントリック植物染色体の短アームの上にペリセントリックヘテロクロマチン内にまたは二隣接して導入し、そして第二核酸を、rDNA内にまたは隣接して導入することができる。rDNAの隣接領域またはヘテロクロマチンを含む植物染色体を生産するために、例えば、第一核酸を、ヘテロクロマチン、例えばペリセントリックヘテロクロマチンまたはサテライトDNA内にまたは隣接して導入することができ、そして第二核酸を、rDNA内にまたは隣接して導入することができる。染色体が、細胞内に位置するとき、方法は、アクロセントリックであるおよび/またはrDNAおよびヘテロクロマチンの隣接領域を含む植物染色体を含む細胞を選択することを含む。
アクロセントリック植物染色体を生産する方法の別の実施態様は、植物染色体のペリセントリック異種染色内に部位特異的組み換え部位を含む第一核酸を導入する、第一および第二組み換え部位が染色体の同じアーム上に位置する染色体の遠位末端内に部位特異的組み換え部位を含む第二核酸を導入する、染色体の第一および第二組み換え部位の核酸を組み換える、およびアクロセントリックである植物染色体を選択する工程を含む。
アクロセントリック植物染色体またはrDNAおよびヘテロクロマチンの隣接領域を含む植物染色体を生産する更なる方法は、選択マーカーをコードする核酸に隣接するまたは十分に近い組み換え部位を含む核酸を、組み換えおよびマーカーの、第一植物細胞内に導入する、該第一植物細胞から第一トランスジェニック植物を生成する、植物細胞内で機能性であるプロモーターおよび第二植物細胞内に作動性連結の組み換え部位を生成する、第一植物および第二植物を交雑する、選択マーカーをコードする核酸を含む細胞を選択する剤に抵抗性の植物を取得する、そしてアクロセントリック植物染色体を含む、またはrDNAおよびヘテロクロマチンの隣接領域を含む植物染色体を含む細胞を含む抵抗性植物を選択する工程を含む。この実施態様の方法は、所望により、ある植物が、ペリセントリックヘテロクロマチン内にまたは隣接する領域内に組み換え部位を含む染色体を含む、および他の植物が、染色体のrDNA内にまたは隣接して位置する組み換え部位を含む染色体を含むように、第一および第二トランスジェニック植物を選択する、工程を含むことができる。これらの方法はさらに、植物のひとつが、ペリセントリックヘテロクロマチンに隣接する領域に染色体の短アームに位置する組み換え部位を含む染色体を含む;および他の植物が染色体のrDNAに位置する組み換え部位を含む染色体を含む場合、第一および第二トランスジェニック植物を選択する工程を含むことができる。1実施態様では、2染色体上の組み換え部位は、同じ配向である。
アクロセントリック植物染色体を生産する方法では、1または両方のこれらの組み換え部位は、染色体の短アーム上に位置する。例えば、植物のひとつは、染色体の短アーム上に位置するペリセントリックヘテロクロマチン内にまたは隣接する組み換え部位を含む染色体を含む。選択工程は、第一および第二トランスジェニック植物を選択することをさらに含み、その結果2染色体の上の組み換え部位は、同じ配向である。
アクロセントリック植物染色体または、rDNAおよびヘテロクロマチンの隣接領域(特にペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはサテライトDNA)を含む植物染色体を生産するこれらの方法のいずれかにおいて、第一および第二部位特異的組み換え部位の間の組み換えは、ある数の方法を提供することができる。例えば、レコンビナーゼ活性を、組み換え反応を触媒する部位を含む1または2以上の染色体を含む細胞内に導入することができる。レコンビナーゼ活性を、部位特異的組み換え部位を含む核酸と、同時的に細胞内に導入される、または異なるときに細胞内に導入される核酸によってコードされることができる。レコンビナーゼ活性は、細胞内に機能性のプロモーターに作動可能に連結できる、レコンビナーゼ活性をコードする核酸が発現すると、細胞内で発生する。レコンビナーゼ活性は、構成的に発現または例えば、レコンビナーゼをコードする核酸が誘導可能プロモーターに連結することによって、誘導することができる。部位特異的組み換え部位を含む核酸が、導入される細胞が、構成的にまたは誘導可能に発現されることのできるレコンビナーゼ酵素を含むことがまた可能である。代替的に、トランスジェニック植物は、組み換え部位を含む細胞から生成し、そして、レコンビナーゼをコードする核酸を含むトランスジェニック植物と交雑することができる。
当業者に既知の任意の部位特異的レコンビナーゼ系を、ここでの使用のため企図する。レコンビナーゼによる組み換えを指示する1または複数の部位を、そのACesに(または他のACs)内に導入し、次いでコグネート部位に連結された異種遺伝子を、プラットフォームACesを生産する。得られたACesを、典型的にはベクター上で、コグネートレコンビナーゼをコードする核酸、およびACes染色体内への挿入のための適当な組み換え部位に連結された所望の異種核酸をコードする核酸と、導入する。核酸をコードするレコンビナーゼを、ACesを含むAC内に、または異種核酸からの同じまたは違うベクター上に導入する。
ここでの方法のために、部位特異的組み換えを触媒する任意のレコンビナーゼ酵素を使用し、第一および第二部位特異的組み換え部位の間の組み換えを容易化することができる。種々のレコンビナーゼおよびそのための付着/組み換え部位は、当業者に利用可能および/または既知である。これらは限定しないが:Escherichia coliファージP1からのCREレコンビナーゼを使用するCre//Iox組み換え系、Saccharomyces cerevisiaeの2μエピソームからのFLPレコンビナーゼを使用するコウボのFLP/FRT系、ファージMu、Cin、Gin、Hin、αδTn3のGinレコンビナーゼを含むレソルヴァーセ;E. coliのPinレコンビナーゼ、Kluyveromyces drosophilariumおよびKluyveromyces waltiiからのZygosaccharomyces rouxiiのpSR1プラスミドのR/RS系、および他の系を含む。またファージラムダインテグラーゼおよびコグネートatt部位を含むE.coliファージラムダインテグラーゼ系を企図する(また共係属出願米国出願番号10/161,403参照)。
アクロセントリック植物染色体を生産するこれらの方法のいずれかにおいて、部位特異的組み換え部位を含む核酸はまた、選択マーカーをコードする核酸を含むことができる。該方法使用される核酸は、選択マーカーの発現が所望の組み換え事象のときのみに起こるように設計できる。
ここに提供する方法によって生産されるアクロセントリック植物染色体は、任意の組成であることができる。例えば、アクロセントリック染色体の短アームのDNAは、5%より少ないまたは1%より少ないユークロマチンDNAを含むことができ、またはユークロマチンDNAを含まないことができる。アクロセントリック染色体の短アームがユークロマチンDNAを含まないアクロセントリック植物人工染色体を提供する。
さらなる実施態様では、核酸を、短アームがユークロマチンDNAを含まない植物細胞アクロセントリック染色体内に導入する;少なくとも1細胞分裂を経由して細胞を培養する;および人工染色体を含む細胞、例えば卓越的にヘテロクロマチン性であるものを選択する工程を含む、植物人工染色体を生産する方法を提供する。アクロセントリック染色体は、ここに記載の任意の方法または他の好適な方法によって生産する。
他の実施態様では、植物細胞内に核酸を導入する;および1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む植物細胞を選択する、工程を含む人工染色体を生産する方法を提供する。このACでは、1または2以上の核酸ユニットを、リピート領域中でリピートする;核酸ユニットのリピートは、共通核酸配列を含む;およびヌクレオチドの共通配列は、ユークロマチンおよびヘテロクロマチン性核酸を示す配列を含む。核酸は、双子葉植物種からの植物rDNAまたは単子葉植物種からの植物rDNAであることができる。遺伝子間スペーサー領域は、Nicotiana植物からのDNAまたはそのようなDNAの他の好適な源からであることができる。rDNAは、植物rDNAであり、植物は単子葉または双子葉であることができる。
1または2以上のリピート領域を含む単離植物人工染色体を提供する。これのACsでは、1または2以上の核酸ユニットを、リピート領域中にリピートする;核酸ユニットのリピートは、共通核酸配列を有する;およびヌクレオチドの共通配列は、ユークロマチンおよびヘテロクロマチン性核酸を示す配列を含む。人工染色体は、核酸を植物細胞内に導入する;および1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む植物細胞を選択する、工程を含む方法によって生産できる。核酸ユニットのリピートは、共通核酸配列を有する;および共通核酸配列は、ユークロマチンおよびヘテロクロマチン性核酸を示す配列を含む。
他の実施態様では、アクロセントリック植物染色体を生産する更なる方法を提供する。該方法は:2つの部位特異的組み換え部位を含む核酸を、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入する;細胞内に、2組変え部位間の組み換えを触媒するレコンビナーゼ活性を導入し、植物アクロセントリック染色体を生産する工程を含む。実施態様では、2部位特異的組み換え部位は、別個の核酸フラグメント上であり得それは所望により、同時的または逐次的に細胞内に導入できる。得られた人工染色体は、卓越的にヘテロクロマチン性であるものであることができる。
他の実施態様では、植物人工染色体を生産する方法を提供する。該方法は:限定しないが、rDNAおよびヘテロクロマチン性DNAの隣接領域を含む細胞内にアクロセントリック染色体のような植物染色体に核酸を導入する;細胞を少なくとも1細胞分裂を経由して培養する;および人工染色体を含む細胞を選択する、工程を含む。得られた人工染色体は、卓越的にヘテロクロマチン性であることができる。アクロセントリック染色体は、染色体の短アームが、限定しないがペリセントリックヘテロクロマチンのような、rDNAの隣接領域およびヘテロクロマチンDNAを含むようなものであることができる。
また、種々のベクターを提供する。これらには、任意のプロモーターと連関していない選択可能マーカーをコードする核酸を含むベクターがあり、ここで該選択可能マーカーは、動物細胞に通常は毒性である剤の存在下、動物細胞の成長を可能とする;かつここで剤は、植物細胞に毒性でない;組み換えのための認識部位;および植物染色体の領域の増幅を容易化する、または植物染色体の増幅可能領域へベクターをターゲティング化するヌクレオチドの配列である。そのようなベクターの例は、pAgllaおよびpAgllbである。
ここに提供されるさらなるベクターは、任意のプロモーターに作動可能に連関されていない選択マーカーをコードする核酸を含み、ここで該選択可能マーカーは、動物細胞に通常は毒性である剤の存在か動物細胞の成長を可能とする;かつここで該剤は、植物細胞にひどく性である;組み換えのための認識部位;および植物プロモーターに作動可能に連結されたタンパク質をコードする核酸を含む。これらのベクターの例は、pAg1およびpAg2である。
提供する更なるベクターは:任意のプロモーターに作動可能に連関されていない選択可能マーカーをコードする核酸を含み、ここで該選択可能マーカーは、植物細胞に通常は毒性であるが動物細胞に通常は毒性でない剤の存在下植物細胞の成長を可能とする;組み換えのための認識部位;および植物プロモーターに作動可能に連結されたタンパク質をコードする核酸を含む。
さらなるベクターは、組み換えのための認識部位;植物染色体の領域の増殖を容易化または引き起こすヌクレオチドの配列;ベクターを含む細胞の選択を可能とする植物細胞に発現される1または2以上の選択可能マーカーおよびアグロバクテリウム核酸を含む植物形質転換ベクターである。該ベクターは、植物のアグロバクテリウム介在形質転換のためである。
提供するさらなるベクターは、組み換えのための認識部位;および植物染色体の領域の増幅を容易化する、またはベクターを植物染色体の増幅可能領域にターゲティング化するヌクレオチド配列を含み、ここで植物は、Arabidopsis、Nicotiana、Lycopersicon、Daucus、Hordeum、Zea mays、Brassica、Triticum、Helianthus、ダイズ、ワタおよび Olyzaから選択される。
これらのベクターにおいて、増幅可能領域は、ヘテロクロマチン性核酸を含むことができる;増幅可能領域はrDNAを含むことができる。植物染色体の領域の増幅を容易化する、または植物染色体の増幅可能領域にベクターをターゲティング化するヌクレオチドの例示的配列は、増幅を容易化するまたはターゲティングを実施化するrDNAの遺伝子間スペーサー領域の十分な部分を含む任意のものである。そのような十分部分は、遺伝子間スペーサー領域および/または他のrDNA領域からの、少なくとも14、20、30、50、100、150、300、500、1 kB、2 kB、3 kB、5 kB、10 kBまたはより多い連続ヌクレオチドであることができる。例示的選択可能マーカーは、ゼオマイシン(zeomycin)への抵抗性を付与する産物をコードする。ベクター中のタンパク質は、植物細胞に通常は毒性である剤、例えばハイグロマイシンまたはホスヒノスリシンへの抵抗性の存在下植物細胞の成長を可能と選択マーカーであるタンパク質を含む。他のそのようなタンパク質は、限定しないが、蛍光タンパク質、例えば緑色、青色、赤色蛍光タンパク質を含む。例示的認識部位は、att部位を含む。包含のための例示的プロモーター は、限定しないが、ノパリンシンターゼ(NOS)またはCaMV35Sを含む。
ベクターまたはその混合物のいずれかを含む細胞を提供する。細胞は、植物細胞のような少なくとも1つの染色体を有する任意の細胞を含む。細胞はプロトプラストであることができる。
これらのベクターを使用する方法を提供する。方法は、いずれかのベクターを細胞、例えば少なくとも1植物染色体を含む細胞内への導入の工程を含む。そのようなベクターは、例えば、任意のプロモーターに作動可能に連関されてない選択可能マーカーをコードする核酸を含むベクターであり、ここで該選択可能マーカーは、動物細胞に通常は毒性であるが、植物細胞に毒性でない剤の存在下動物細胞の成長を可能とする;組み換えのための認識部位;および植物プロモーターに作動可能に連結されたタンパク質をコードする核酸。この方法では、細胞は動物、例えば哺乳動物、レコンビナーゼの存在下ベクター中の組み換え部位と組みかえ、それによって任意のプロモーターと作動可能に連関されていない選択可能マーカーおよび植物プロモーターに作動可能に連結されたタンパク質をコードする核酸を、プラットフォームACes内に取り込ませ、得られたプラットフォームACesを生産する。プラットフォームACesは、組み換えると、ベクターでは作動可能にプロモーターと連関されていない、選択可能マーカーに作動可能に連結されるプロモーターを含むことができる。方法はさらに、得られたプラットフォームACesを、植物細胞内に移入することをさらに含むことができ、プラットフォームAcesを含む植物細胞を生産する。方法は所望によりさらに、植物プロモーターに作動可能に連結される核酸によってコードされたタンパク質が発現されるような条件下でプラットフォームAcesを含む植物細胞を培養することを含む。
得られたプラットフォームACesは所望により、移入に先立ち単離する。Acesを、好適な方法、例えばプロトプラストトランスフェクション脂質介在送達、リポソーム、エレクトロポレーション、ソノポレーション、マイクロインジェクション、パーティクルボンバードメント、シリコンカーバイドwhisker介在形質転換、ポリエチレングリコール (PEG)介在DNA取り込み、リポフェクションおよび脂質介在キャリアーシステムから選択されるものによって植物細胞内に導入することができる。得られたプラットフォームACesを、例えば植物プロトプラストである細胞の融合によって移入することができる。さらなる実施態様では、細胞は動物細胞、たとえばヒト細胞を含む哺乳動物であることができる。
さらなる方法では、ベクターを植物細胞内に導入する。そのようなベクターは例えば、任意のプロモーターと作動可能に連結されていない選択可能マーカーをコードする核酸を含むベクターであることができ、ここで該選択可能マーカーは、動物細胞に通常毒性であるが、植物細胞に毒性でない剤の存在下動物細胞の成長を可能とする;組み換えのための組み換え部位;および植物染色体の領域の増殖を容易化する、または植物染色体の増幅可能領域へベクターをターゲティング化するヌクレオチドの配列。植物細胞を培養し、そして1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む植物細胞を選択する。この方法では、ベクターの十分部分を、植物細胞の染色体内に組み込み、染色体DNAの増幅という結果となる。得られた選択された人工染色体を1または2以上の核酸ユニットがリピート領域においてリピートされるものであることができる;核酸ユニットのリピート領域は、共通核酸配列を有する;およびリピート領域は、ユークロマチンおよびヘテロクロマチン性核酸の実質的に均等な量を含む。方法で生産した得られた人工染色体は、所望により単離できる。
さらなる方法を提供する。この方法は、ベクターを細胞内に導入し、そして得られた細胞を、動物プロモーターに作動可能に連結された核酸によってコードされたタンパク質が発現されるような条件下で培養する工程を含む。方法では、ベクターは:任意のプロモーターと作動可能に連関されない選択可能マーカーをコードする核酸、ここで該選択可能マーカーは、動物細胞に通常毒性であるが植物細胞に非毒性である剤の存在下で動物細胞成長を可能とする;組み換えのための認識部位;および動物プロモーターに作動可能に連結されるタンパク質をコードする核酸。細胞は、組み換え部位および、ベクターにおいてプロモーターと作動可能に連関されていない、組み換えられると選択可能マーカーに作動可能に連結される動物プロモーターを含むプラットフォーム植物人工染色体(PAC)を含むことができる。導入は、ベクターがPACで組み換え、プロモーターに作動可能に連結される選択可能マーカーを含む植物プラットフォームPCAを生産するような条件下で実施できる。この方法では、人工染色体は、ACesであることができる。加えて、植物プラットフォームPACは、ACesであることができる。
ベクター例えば任意のプロモーターと作動可能に連関されない選択可能マーカーをコードする核酸、ここで選択可能マーカーは、動物細胞に通常毒性であるが植物細胞には非毒性である剤の存在下で動物細胞の成長を可能とする;組み換えのための認識部位;および植物染色体の領域の増幅を容易化する、または植物染色体の増幅可能領域にベクターをターゲティング化するヌクレオチドの配列を含み、そして植物のアグロバクテリウム介在形質転換植物形質転換のための核酸を含むベクターを使用し、人工染色体を生産できる。1例示的方法では、そのようなベクターを1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入する;および1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む細胞を選択する。人工染色体は、リピート領域で反復される1または2以上の核酸ユニット;核酸ユニットのリピートは、共通核酸配列を有する;および共通核酸配列はユークロマチンおよびヘテロクロマチン核酸を示す配列を含む。さらなる方法では、1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む細胞を選択する。リピート領域にリピートされる1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む細胞はを選択する。リピート領域にリピートされる1または2以上の核酸ユニットを含む核酸ユニットのリピートは人工染色体は共通核酸配列を有する;および該リピート領域は、ユークロマチンおよびヘテロクロマチン性核酸の実質的に均等な量を含む。
プラスミドpAg1のマップ。 プラスミドpAg1の構築の概略図。 プラスミドpAg2のマップ。 プラスミドpAg2の構築の概略図。 プラスミドpAgIIaおよびpAgIIbの構築の概略図。 pAg1内に挿入されプラスミドpAgIIaおよびpAgIIbを形成する制限マップ。 プラスミドpSV40193attPsensePURのマップ。 染色体プラットフォームの、多重組み換え組み込み部位、例えばattP部位での方法。 プラットフォーム技法を、概略的にまとめる;マーカー1は、組み込み部位を含む人工染色体の選択を可能とする;マーカー2はドナーベクターでプロモーターレスであり、組み換え体の選択を可能とする。プラットフォームで組み換えると、マーカー2は、プラットフォーム上にあるプロモーターの制御下で発現される。
好ましい実施態様の詳細な記載
定義
特に定義しない限り、ここで使用するすべての技術的および科学的用語は、本発明の属する当業者によって共通に理解されるのと同じ意味を有する。ここで言及するすべての特許、特許出願、公開出願および他の刊行物および公開ヌクレオチドおよびアミノ酸配列(例えばGenBank または他のデータベースで利用可能な配列)は、引用によりその全体をここに包含する。引用が、URLまたは他のそのようなアイデンティファイアーまたはアドレスに作成される場合、そのようなアイデンティファイヤーは、変化でき、そしてインターネット上の特定の情報は、いったりきたりできるが、均等な情報を、インターネットをサーチすることによって見出すことができる。そこの参照は、そのような情報の利用可能性および公衆普及を証拠付ける。
ここで使用するように、染色体は、細胞分裂細胞分裂時に細胞内に複製および分離できる、核酸の定義された組成物である。典型的には、染色体は、セントロメア性領域およびテロメア性領域およびセントロメアおよびテロメア性領域の間の核酸の領域を含みうる。
ここで使用するように、セントロメアは、細胞分裂により娘細胞に分離する能力を付与する核酸配列を含む、分子組成物である。セントロメアは、有糸および/または無糸分裂介して、セントロメアを含む人工染色体を含む、核酸配列の安定分離を付与し得る。植物セントロメアは、必ずしも植物由来ではないが、植物細胞のDNA分離を促進する能力を有する。
ここで使用するように、ユークロマチンおよびヘテロクロマチンは、その認識される意味を有する。ユークロマチンは、拡散して染色するクロマチンを意味し、そして典型的には遺伝子を含み、そしてヘテロクロマチンは、通常はコンデンスされたままであり、かつ転写的に不活性である、またはユークロマチンに比して低転写活性を有すると考えられたものである。高度に反復性のDNA配列(サテライトDNA)は通常、セントロメア周辺(ペリセントリックまたはペリセントロメリックヘテロクロマチン)のヘテロクロマチンの領域に位置する。構成的ヘテロクロマチンは、構成的にコンデンスされかつ遺伝的に不活性である高度に反復性のDNAを含むヘテロクロマチンをいう。
ここで使用するように、アクロセントリック染色体は、不等長のアームを有する染色体を言う。
ここで使用するように、内生染色体は、人工染色体の生成または導入に先立ち細胞に見出されるような、ゲノム染色体をいう。
ここで使用するように、人工染色体は、核酸分子であって、典型的にはDNAであって、細胞の内生染色体に沿って安定的に複製および分離する、そしてそこに含まれる異種遺伝子を適応させおよび発現する能力を有する。哺乳動物人工染色体(MAC)は、活性哺乳動物セントロメアを有する染色体をいう。植物人工染色体(PAC)、昆虫人工染色体および鳥類人工染色体は、それぞれ植物、昆虫および鳥類細胞で機能するセントロメアを含む染色体をいう。ヒト人工染色体(HAC)は、ヒト細胞で機能するセントロメアを含む染色体をいう。例示的人工染色体のために、例えば、米国特許番号 6,025,155; 6,077,697; 5,288,625; 5,712,134; 5,695,967; 5,869,294; 5,891,691 および 5,721,118 および 公開国際 PCT出願番号 WO 97/40183 および WO 98/08964参照。
ここで使用するように、DNAへ言及のある増幅は、DNAのセグメントが、二重化し、2または多重コピーの実質的に類似または同一DNAセグメントであって典型的には、実質的にタンデム、または連続反覆または逆転配列として連結するものをもたらす過程である。
ここで使用するように、増幅に基づく人工染色体は、例えば異種核酸の、ヘテロクロマチン、例えば染色体のペリセントリックヘテロクロマチン内への導入によって開始し得るような増幅事象によって開始し得るものによって天然または内生染色体に由来する人工染色体である。そのような事象の結果として、セグメント化またはリピートパターンを呈する染色体および/またはそのフラグメントが生じる。ゆえに、増幅に基づく人工染色体は、非天然または単離染色体であって天然存在染色体中に典型的には観察されない整列されたセグメント化を呈する、および天然に存在する染色体から区別する基礎でありうるものをいう。増幅に基づく人工染色体はまた、可視化されるとき、それらの典型的により小さいサイズおよびしばしばセグメント化外観によって天然に存在する染色体から区別できる。セグメント化外観は、ここに記載の種々の染色体分析技法および当業界既知方法を使用して可視化でき、これらの人口染色体の独特な構造と相関する。1または2以上のセントロメアを含むことに加えて、増幅に基づく人工染色体は、セグメント化の領域に渡り、卓越的に、1または2以上の核酸ユニットから作成され、また''アンプリコン''として言及され、それは領域においてリピートされおよび類似のグロス構造を有する。こうして、セグメント化の領域は、リピート領域として言及し得る。アンプリコンのリピートは、類似のサイズでおよびいくつかの共通核酸配列を共有し得る。例えば、アンプリコンのそれぞれのリピートは、染色体セグメントの増幅および/または人工染色体の当初生産で利用したいくつかの異種核酸に関係する複製部位を含みうる。典型的には、リピーティングユニットは、実質的に核酸組成で類似であえり、そしてほとんど同一でありうる。共通核酸配列は、ユークロマチンおよびヘテロクロマチン性核酸を示す配列を含みうる。アンプリコンサイズは、変化するが、典型的には約100kbより大きい、約500kbより大きい、約1Mbより大きい約5Mbより大きいまたは約10Mbより大きい傾向がある。増幅に基づく人工染色体の組成は、実質的に完全な染色体がセグメント化外観を停止、または完全染色体より小さく作成された1または2以上の部分のみがセグメント化されたようにみえるようなものであり得る。増幅に基づく人工染色体はまた、人工染色体形成の過程の増幅を経験した染色体領域に依存して異なることができる。得られた染色体の構造は、内生染色体への修飾を含む、異種核酸が導入される開始事象および/または条件に依存して変化できる。例えば、ここに提供する人工染色体のいくつかにおいて、セグメント化の領域は卓越的に、ヘテロクロマチン性DNAから作成し得る。ここに提供する他の人工染色体において、セグメント化の領域は、卓越的にユークロマチン性DNAから作成し得、またはヘテロクロマチンおよびユークロマチン性DNAの類似の量から作成し得る。ここに提供する他の人工染色体では、セグメント化の領域は、卓越的にユークロマチン性DNAから作成し得、または類似の量のヘテロクロマチン性およびユークロマチン性DNAから作成し得る。セグメント化の領域はこうして、完全にヘテロクロマチン性であり得(一方なお1または2以上異種核酸配列を含む)、またはユークロマチンの増加の量を含み、その結果例えば領域は約10%, 20%, 30%, 40%, 50%, 60%, 70%, 80%, 90% または 90% より多いユークロマチン性 DNAを含む。完全人工染色体は、セグメント化の領域から卓越的に作成し得るから、こうして、人工染色体のためにヘテロクロマチンまたはユークロマチンから卓越的に作成し得、またはヘテロクロマチンおよびユークロマチンの実質的に均等量、例えば核酸の他の型の 約40% ないし約50%の核酸の1の型および約50%ないし約60%から作成すべきである。
ここで使用するように、用語''卓越的に''は、組成物の状態であって、卓越的にない他の特徴よりも卓越した特徴のより多くであるまたは有するとして特徴付けることができる状態を一般に言う。該卓越した特長は、約50%より多い、約60%より多い、約70%より多い、約80%より多い、約90%より多い約95%より多いまたは本質的に組成物の100%を示し得る。こうして例えば、ヘテロクロマチン性DNAから卓越的に作成されるリピート領域は、他の型、例えばユークロマチン性DNAよりもよりヘテロクロマチン性のDNAを含む。ヘテロクロマチンから卓越的に作成される人工染色体は、他の型、例えばユークロマチン性のDNAよりもよりヘテロクロマチン性DNAを含み、そして約50%より多い、約60%より多い、約70%より多い、約80%より多い、約90%より多い、または約95%より多い、ヘテロクロマチン性DNAであり得、または本質的に100%のヘテロクロマチン性DNAでありうる。
ここで使用するように、アンプリコンはリピート性核酸ユニットである。ここに記載の人工染色体のいくつかにおいて、アンプリコンは、メガレプリコンの逆転リピートのセットを含みうる。メガレプリコンは、より高度のオーダーの複製ユニットを示す。例えば、卓越的にヘテロクロマチン性の人工染色体、特にここに記載の真核染色体のいくつかを参照して、メガレプリコンは、タンデムDNAブロックのセット(例えば〜7.5Mb DNA ブロック)であってそれぞれが非サテライトDNAによってフランキングされるサテライトDNAを含み、または実質的にrDNAから作成し得る。メガレプリコン内に含まれるのは、一次的複製部位であり、メガレプリケーターとして言及され、これは例えばヘテロクロマチン、ペリセントリックヘテロクロマチン、rDNMおよび/またはおそらくセントロメアを含む、染色体のセグメントの複製を構成および容易化することに関係し得る、メガレプリケーターとして言及する。メガレプリコン内には、より小さい(例えば50-300kb)二次レプリコンでありうる。ここに使用するように、増幅可能は、染色体に言及して使用するとき、特にここに提供する人工染色体を生成する方法は、増幅しがちの染色体の領域に言及する。増幅は典型的に、複製中、そして組み換えに関係する他の細胞事象が発生する(例えばDNA修復)。そのような領域に含まれるのは、タンデムリピートを含む染色体の領域例えばサテライトDNA、rDNAおよび他のそのような配列である。
ここに提供する人工染色体系には、卓越的にヘテロクロマチン性であるもの [サテライト人工染色体として以前言及された (SATACs); 参照せよ、例えば、米国特許番号 6,077,697 および 6,025,155 および 公開 国際PCT出願番号 WO 97/40183],ミニ染色体( minichromosomes)であってde novoセントロメアを含むもの、リピーティング核酸ユニットの1または2以上の領域を含む人工染色体(ここで該リピート領域はユークロマチンおよびヘテロクロマチン性核酸の実質的に均等を含む)、およびインビトロアセンブル人工染色体である。ここで特に興味深いのは、植物で異種核酸を導入および発現する人工染色体である。これらは植物から由来するセントロメアを有する人工染色体、およびまた、他の生物に由来するが植物で機能し得るセントロメアを有する人工染色体を含む。それぞれの型の人工染色体の、構築、単離および標的細胞への送達は、ここに提供する。
ここで使用するように、セントロメア上の遺伝子座に核酸をターゲティングすることは、核酸がターゲティング化遺伝子座に、または近くに組み込むことを意味する。限定しないが相同組み換えを含む、そのような組み込みを実施化するための任意の方法または手段を、企図する。
ここで使用するように、ジセントロメリック染色体は、2つのセントロメアを含む染色体である。マルチセントロメリック染色体は、2より多いセントロメアを含む。
ここで使用するように、ジセントリック染色体がフラグメント化し、および新しいテロメアを獲得し、その結果2染色体が生産され、それぞれがセントロメアのひとつを有するとき、以前ジセントロメリックの染色体は、生産される染色体である。もし染色体の1つが一次的ユークロマチン性DNAの増幅を経験し、卓越的に(約50%より多い、約70%より多い、または約90%より多いユークロマチン)である十分に機能性染色体を生産するならば、それはミニ染色体である。残りの染色体は、以前にジセントリック染色体である。もし染色体のひとつが増幅を経験し、それによってヘテロクロマチン(例えばサテライトDNA)が増幅され、そしてユークロマチン部分(例えばアーム)が残るならば、それはソーセージ染色体として言及する。実質的にすべてのヘテロクロマチンである染色体は、異種DNAの部分を除き、卓越的にヘテロクロマチン性人工染色体と呼ばれる。卓越的にヘテロクロマチン性人工染色体は、そのような染色体を含む細胞を、染色体を脱安定化する条件下および/または卓越的にヘテロクロマチン性人工染色体が生産されるような選択的条件下で培養することによって他の部分的にヘテロクロマチン性人工染色体から生産できる。ここでの目的のために、人工染色体は、異種dDNAの当初導入後であるようにみえる多重工程で必ずしも生産し得ない。
典型的には、人工染色体は、核酸の、細胞内への導入に続いて約5約ないし約60、または約5ないし約55、または約10ないし約55または約25ないし約55または約35ないし約55細胞分裂後に現れる。しかし、人工染色体は、約5ないし約15または約10ないし約15細胞分裂後のみに現れる。
ここで使用するように、用語 ''サテライト DNAに基づく人工染色体 (SATAC)''は、用語''人工染色体発現系 (ACes)''と相互交換可能である。これらの人工染色体 (ACes)は、外来異種、典型的には遺伝子またはタンパク質コーディング核酸をのぞき、実質的に中性の非コーディング配列であるもの(ヘテロクロマチン)を含み、それはその中の発現のためのヘテロクロマチン内に散在し得る (米国特許番号 6,025,155 および 6,077,697 および 国際PCT出願番号 WO 97/40183参照), またはそれはここに提供するように単一遺伝子座である。詳述する構造特徴は、リピーティングユニットの存在であり、これは一般に卓越的にヘテロクロマチンである。seACesの正確な構造は、当初増幅事象が起こる;すべてがリピーティングユニットの定義パターンを含む共通特長を共有する、染色体の構造に依存する。一般にACesは、ユークロマチンよりもよりヘテロクロマチンを有する。これらの染色体発現系に含まれる外来核酸分子(異種遺伝子)は、発現が特定の宿主細胞で所望である任意の核酸を含むことができる。
ここで使用するように、卓越的にヘテロクロマチン性である人工染色体(すなわち、ヘテロクロマチンを、ユークロマチンよりも多く含む、典型的に約50%より多い, 約60%より多い, 約70%より多い, 約80%より多い または 約90%より多いヘテロクロマチン)は、核酸分子を細胞、特に植物細胞に導入すること、および卓越的にヘテロクロマチン性人工染色体を含む細胞を選択することによって生産し得る。任意の核酸を、人工染色体を生産する方法において細胞内に導入し得る。例えば、核酸は選択可能マーカーおよび/または核酸を、例えば、アクロセントリック染色体、rDNAまたは核構成領域の短アームにおけるペリセントリックヘテロクロマチンにおける、染色体のヘテロクロマチン性領域、特に植物染色体へターゲティングさせる配列を含みうる。ターゲティング配列は、限定しないが、ラムダファージDNAおよびrDNA(例えばrDNAの遺伝子間スペーサーの配列)、特に植物rDNAであって、植物細胞における卓越的にヘテロクロマチン性人工染色体の生産のためのものを含む。
細胞内に核酸を導入した後、卓越的にヘテロクロマチン性人工染色体を含む細胞を選択する。そのような細胞は、種々の手法を使用して同定し得る。例えば、これらの染色体のヘテロクロマチン性DNAのリピーティングユニットは、Gおよび/またはCバンディングおよび/またはイン シトゥー(in situ)ハイブリダイゼーション(FISH)技法での蛍光によって確認し得る。そのような分析に先立ち、分析すべき細胞を、選択可能マーカー、例えばレポータータンパク質の存在に基づいて細胞をソートすることによって、または選択性条件下で細胞を成長(培養)することによって、人工染色体を含む細胞で富化する。増幅された核酸を含む細胞の選択はまた、PCRおよびサザンブロッティングのような技法の使用によって容易化し得、増幅された領域で細胞系を同定する。また細胞内への核酸の導入後、マルチセントリック、典型的にはジセントリックの染色体、以前マルチセントリック(典型的にジセントリック)染色体および/または種々のヘテロクロマチン性構造を選択し、および所望のヘテロクロマチン性構造を生産することが可能である。所望の構造の生成のための条件は、限定しないが、選択性条件下のさらなる成長、追加的核酸分子の導入および/または選択性条件下の成長および脱安定化剤での処理および他のそのような方法( 国際PCT出願番号 WO 97/40183 および 米国特許番号 6,025,155 および 6,077,697参照)を含む.
ここで使用するように、異種(heterologous)および外来(foreign)を、核酸について相互交換可能に使用し得る、そしてDNAおよびRNAを含む任意の核酸を言及し、それはそれが天然に存在する形態と異なるゲノム中の位置に存在するまたは見いだされるゲノムの部分として天然には存在しない。こうして、同一の文脈で宿主ゲノムに通常は見出されない種または外来核酸。それは細胞に内生でない核酸であり、そして細胞内に外生敵に導入された。異種DNAの例は限定しないが、内生遺伝子の修飾の目的で導入される、またはコードされたタンパク質の生産のため、所望の遺伝子産物をコードするDNAを含む。例えば、異種または外来遺伝子は、宿主ゲノムのそれと異なる種から単離し得、代替的に宿主ゲノムから単離し得るが、非関連、ネイティブ遺伝子に見いだされるものと異なる1または2以上の調節領域に見出されるものと異なる1または2以上の調節領域に作動可能に連結されうる。異種DNAの他の例は、限定しないが、トレース可能マーカータンパク質をコードするDNA、および限定しないが除草剤、昆虫、または病害抵抗性または限定しないが油質、または炭水化物組成を含むアウトプット形質を付与するタンパク質をコードするDNAを含む。異種DNAによってコードされる抗体は、器官または組織に分泌、隔離、または貯蔵され、細胞質または細胞内オルガネラに蓄積し得、または異種DNAが導入された細胞の表面上に発現されうる。
ここで使用するように、''選択可能マーカー'' は、他の細胞からある細胞を区別するため使用できる組成である。例えば、選択可能マーカーは、その他でないいくつかの細胞内に導入された容易に検出されるタンパク質をコードする核酸でありうる。発現されたタンパク質の、細胞内の検出は、核酸を含まない細胞からそれらを区別することによってマーカー核酸を含む細胞の同定を容易化する。こうして例えば、選択可能マーカーは蛍光タンパク質、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)、またはβガラクトシダーゼ(またはこれらのタンパク質のいずれかをコードする核酸)でありうる。選択可能マーカー例えばこれらは、選択剤の存在下生存および/または増殖のため要求されず、またレポータータンパク質として言及し得る。他の選択可能マーカー、例えばネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子は、剤、例えば抗生物質のような薬物であて、マーカーを含まない細胞の増殖を阻害するものへ抵抗性にそれらをする細胞上の特性を付与することによって、これらを含む細胞の単離および同定を提供する。
ここで使用するように、選択性条件下の成長は、生存のため選択可能マーカーの発現を要求する条件かで細胞の成長を意味する。
ここで使用するように、染色体を脱安定化する剤は、増幅事象を及び/または突然変異を増強する当業者によって機知の任意の剤である。そのような剤は、BruUを含み、当業者に周知である。
所望の特定の異種核酸を含む人工染色体を生成するため、人工染色体の生産を開始するため細胞内に導入される核酸中の所望の核酸を含むことが可能である。こうして、例えば、所望の核酸は、選択可能マーカーをコードする核酸および/または染色体のヘテロクロマチン性領域へターゲティングする核酸といっしょに細胞内に導入し得る。例えば、所望の核酸は、ターゲティング核酸に連結し得る。代替的に、所望の異種核酸を、人工染色体の当初生成のより遅いときに人工染色体内に導入できる。
ここで使用するように、ミニ染色体は、マルチセントリック、典型的にジセントリック染色体であって、ヘテロクロマチン性DNAよりもより多いユークロマチン性DNAを含むものから由来する染色体を言う。ここでの目的のため、ミニ染色体は、デノボセントロメア、好ましくは植物で複製するセントロメア、より好ましくは植物セントロメアを含む。
ここで使用するように、セントロメアに言及してのデノボ(de novo)は、ここでの方法を使用する、異種核酸フラグメントの取り込みの結果、染色体中の過剰のセントロメアの生成をいう。
ここで使用するように、インビトロアセンブルされた人工染色体または合成染色体は、インビトロで染色体の必須構成要素を結合することによって生産される人工染色体である。これらの構成要素は、少なくともセントロメア、テロメアおよび複製開始点を含む。インビトロアセンブル人工染色体は、1または2以上のメガレプリケーターを含みうる。特定の実施態様では、メガレプリケーターは、rDNA、特に植物rDNAの配列を含む。
ここで使用するように、インビトロアセンブル植物人工染色体は、構成要素(例えばセントロメア、テロメア、メガレプリケーターおよび複製開始点)であって、好ましくはその1または2以上は植物由来であり、植物で機能するものを結合することによって生産する。例えば、インビトロアセンブル人工染色体は、実質的にすべてのヘテロクロマチンであり得、またはユークロマチン性DNAの増加量を含み得、例えば約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90% または約90%より多いユークロマチン性DNAを含む。インビトロアセンブル人工染色体は、増幅に基づく人工染色体に言及して記載されるようなセングメント化の1または2以上を含みうる。
ここで使用するように、人工染色体プラットフォームは、部位特異的組み換え指向性組み換えのための1または2以上の部位を含むよう改変した人工染色体を言う。人工染色体プラットフォーム内に含まれるのは、ACes、特に植物ACesであり、それはそのように改変される。限定しないが、そのような組み込みに好適である、ここに記載の任意のものを含む任意の部位は、企図される。ここに企図されるACes内には、卓越的にヘテロクロマチン性であるもの(サテライト人工染色体として以前言及した(SATACs); 例えば、米国特許番号 6,077,697 および 6,025,155および公開国際PCT出願番号 WO 97/40183参照)、リピーティング核酸ユニットから作成され、かつユークロマチンおよびヘテロクロマチン性核酸の実質的均等量を含むまたはここで、染色体のリピート領域は実質的にユークロマチンまたはヘテロクロマチン性核酸の実質的均等量を含む人工染色体である。これらは、植物由来のセントロメアを有する人工染色体、およびまた、他の生物由来であるが植物で機能し得るセントロメアを有する人工染色体を含む。
ここで使用するように、認識配列は、タンパク質、DNAまたはRNA分子またはそれらの組み合わせ(例えば限定しないが制限エンドヌクレアーゼ、修飾メチラーゼおよびレコンビナーゼ)が認識および結合するヌクレオチドの特定の配列である。例えば、Creレコンビナーゼ(例えば配列番号30参照)のための認識配列は、8塩基対コアにフランキングの2種の13塩基対逆転リピート(レコンビナーゼ結合部位として供する)であり、およびLoxPと命名される (例えば、Sauer (1994) Current Opinion in Biotechnology 5:521-527参照)。認識配列の他の例は、限定しないが、attBおよびattP、attRおよびattLおよびその他(参照せよ、例えば、配列番号32-48)を含み、それは例示的ラムダファージインテグラーゼのヌクレオチドおよびコードされたアミノ酸配列のためのレコンビナーゼ酵素インテグラーゼ(配列番号49および50参照)によって認識される。
attBと命名された組み換え部位は、2つの9塩基対コアタイプInt結合部位および7塩基対ーバーラップ領域を含む近似的に33塩基対配列である;attP(配列番号48)は、コアタイプInt結合部位およびアームタイプInt結合部位ならびに付属タンパク質IHF、FIS、およびXisのための部位を含む近似的に240塩基対配列である(例えば、Landy (1993) Current Opinion in Biotechnology 3:699-707、例えば、配列番号 32 および 48参照)。
ここで使用するように、レコンビナーゼは、特異的組み換え部位でDNAセグメントの交換を職倍する酵素である。ここでのインテグラーゼは、ラムダ(λ)インテグラーゼファミリーのある数であるレコンビナーゼを言及する。
ここで使用するように、組み換えタンパク質は、切断性タンパク質、組み込みタンパク質、酵素、コファクター、および1または2以上の組み換え部位を使用する組み換え反応に関係する連関タンパク質を含む(Landy (1993) Current Opinion in Biotechnology 3:699-707参照)。
ここで使用するように、''lox部位''は、ここでCreとして言及するcre遺伝子の遺伝子産物が、部位特異的組み換え事象を触媒できるヌクレオチドの配列を意味する。(例えば、Hoess et al. (1982) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 79:3398-3402参照)。LoxP部位は、以下のような8塩基対スペーサー領域によって分離される2つの13塩基対逆転リピートを含む (配列番号 51):
ATAACTTCGTATA ATGTATGC TATACGAAGTTAT
LEU2遺伝子と接続された2つのloxP部位を有するプラスミドpBS44で形質転換された、E. coliDH5Δlac およびコウボ株BSY23は、American Type Culture Collection (ATCC) からそれぞれ受託番号ATCC 53254およびATCC 20773で利用可能である。lox部位は、制限酵素EcoRIおよびSalI、またはXhoIおよびBamHIでプラスミドpBS44から単離できる。加えて、前選択されたDNAセグメントを、SalI or BamHI制限酵素部位のいずれかでpBS44内に挿入することができる。他のlox部位は限定しないが、LoxB、LoxL、LoxC2およびLoxR部位を含み、それはE. coliから単離されたヌクレオチド配列である (例えば、Hoess et al. (1982) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 79:3398参照)。Lox部位はまた、種々の合成技法によって生産できる(例えば、Ito et al. (1982) Nuc. Acid Res. 10:1755 および Ogilvie et al. (1981) Science 270:270参照)。
ここで使用するように、発現 ''cre 遺伝子''は、lox部位での真核細胞でのDNAの部位特異的組み換えをもたらす遺伝子産物をコードするヌクレオチドの配列を意味する。ひとつのcre遺伝子は、バクテリオファージP1から単離できる (例えば、Abremski et al. (1983) Cell 32:1301-1311参照)。バクテリオファージP1およびGAL1調節ヌクレオチド配列から単離されたcre遺伝子を有するプラスミドpBS39で形質転換されたE. coli DH1 および コウボ株 BSY90は、American Type Culture Collection (ATCC) から、それぞれ受託番号ATCC 53255 および ATCC 20772で利用可能である。cre遺伝子を、プラスミドpBS39から制限酵素XhoI および SalIで単離できる。
ここで使用するように、部位特異的は、単一核酸分子上の2つの特異的部位の間、または外生タンパク質、例えばインテグラーゼまたはレコンビナーゼの存在を要する2つの異なる分子間でもたらされる部位特異的組み換えをいう。
例えば、Cre-lox部位特異的組み換えは、以下の3事象を含むことができる:
a.lox部位によってフランキングされる前選択DNAセグメントの欠失;
b.lox部位によってフランキングされる前選択DNAセグメントのヌクレオチド配列の逆位;および
c.異なるDNA分子以上に位置するlox部位に近いDNAセグメントの相互交換。
このDNAセグメントの相互交換は、もしDNA分子の1または両方が環状であるならば、組み込み事象という結果となることができる。DNAセグメントは、一本または二本鎖デオキシリボ核酸(DNA)をいい、それは任意の源から由来し得る。lox部位は、非対称ヌクレオチド配列であるから、同じDNA分子上の2つのlox部位は、互いについて同じまたは反対方向を有することができる。同じ方向のlox部位間の組み換えは、2つのlox部位の間に位置するDNAセグメントの欠失、およびもとのDNA分子の得られた末端間の接続という結果となる。欠失したDNAセグメントは、DNAの環状分子を形成する。もとのDNA分子および得られた環状分子それぞれは、単一lox部位を含む。同じDNA分子上の反対方向のlox部位間の組み換えは、2つのlox部位間に位置するDNAセグメントのヌクレオチド配列の逆転という結果となる。加えて、2つの異なるDNA分子上に位置するlox部位に近いDNAセグメントの相互交換が発生できる。これらの組み換え事象のすべては、cre遺伝子の遺伝子産物によって触媒される。こうして、Cre-loxシステムを使用し、DNAを特異的に欠失、逆転、または挿入できる。正確な事象は、loxDNA配列の方向によって制御され、シスでは、lox配列はCreレコンビナーゼを、配列によってフランキングされるDNAを欠失(直接方向のlox配列)または逆転(反対方向のlox配列)に方向づけ、一方トランスではlox配列は、相同組み換え事象を方向づけ、組み換え体DNAの挿入という結果となる。
ここで使用するように、植物は、植物界にあるとして分類学的に分類される生物を言う。そのような生物は真核生物を含み、それは光合成を実施できる葉緑体を含む。植物は、単細胞または多細胞であることができそして、多重組織および/または器官を含みうる。植物は有性および/または無性的に複製し得、そして習性において多年または一年生である。植物は、陸生または水生環境を含む種々の生息地で存在すると見出すことができる。用語''植物''は、前植物体、植物細胞、植物プロトプラスト、植物カルス、植物種子、植物器官、植物組織およびその他の前植物体の一部を含みうる。
ここで使用するように、植物に言及しての再生様式は、植物が後代を生産する任意またはすべての方法を言及する。再生様式は限定しないが、有性および無性生殖を含む、植物は、1または多重の再生様式によって後代を生産し得る。有性生殖は、ハプロタイプ配偶体に由来する細胞のユニオンを含むことができ(例えば種子植物での胚珠から生産される卵、および花粉から生産される精子)、二倍体胞子体を形成する。胞子体は、異なる植物からまたは同じ植物の配偶体から形成し得る(例えば自家受精によって)。無性生殖は、減数分裂および合体を含まない性的生活周期の修飾によって生産されるとき、起こることができる。例えば、繊管束植物が無性的に生殖するとき、これらは栄養生殖、例えば芽形成、分枝および分けつによって、またはそれらを生産した胞子体に遺伝的に同一な胞子または種子を生産することによってなし得る。
ここで使用するように、染色体の安定的維持は、細胞の少なくとも約85%, 好ましくは 90%, より好ましくは 95%が染色体を保持するとき起こる。安定性は、選択剤の存在下で測定する。好ましくはこれらの染色体はまた、選択剤の不存在下で維持される。安定的染色体はまた、細胞培養中にそれらの構造を維持し、意図されない染色体内にも染色体間再配列にも罹患しない。
ここで使用するように、BrdUは、複製中にチミジンの代わりに挿入される、5-ブロモデオキシウリジンに言及する。BrdUを、突然変異原として使用する;それはまた、細胞分裂中の中期染色体のコンデンセーションを阻害する。
ここで使用するように、リボゾーム性RNA (rRNA)は、特殊化RNAであって、リボゾームの一部を形成し、そしてタンパク質の合成に参加する。リボゾーム性RNAは遺伝子の転写によって生産され、これは真核細胞では、多重コピーで存在する、ヒト細胞では、ハプロイドゲノムあたり近似的に250コピーのrRNA遺伝子(すなわちrRNAをコードする遺伝子)が、少なくとも5異なる染色体上のクラスター中に分散される(染色体13、14、15、21および22)。マウス細胞では、リボゾーム性 DNAの存在 (rDNA, rRNAをコードする配列を含むDNA)は、20マウス染色体(染色体5, 6, 7, 9, 11, 12, 15, 16, 17, 18, および 19)の少なくとも11対で確認された [例えば、Rowe et al. (1996) Mamm. Genome 7:886-889 および Johnson et al. (1993) Mamm. Genome 4:49-52参照]。Arabidopsisでは、rDNAの存在が染色体2及び4 (18S, 5.8S, および 25S rDNA)および染色体3、4及び5上で確認された (5S rDNA)[The Arabidopsis Genome Initiative (2000) Nature 408:796-815参照]。真核細胞では、多重コピーの高度に保存されたrRNA遺伝子が、rDNAユニットの縦列に配列された連で配置され、これは一般に約40-45 kb長であり、転写およびスペーサーとして知られる非転写領域 (すなわち遺伝子間(intergenic)スペーサー) DNAを含み、これは長さ及び配列が異なることができる。ヒトおよびマウスでは、これらの縦列アレーのrDNAユニットは、ペリセントリックサテライトDNA配列に隣接して配置される(ヘテロクロマチン)。これらの染色体の領域であって、ここでrDNAが位置するものは、核小体構成領域(NOR)として言及され、これは細胞核ないのリボゾーム生産の部位である、核小体内に輪形成する。高等植物では、rDNAは、他の高等真核生物に類似して、長縦列リピーティングユニット中に再編成される。18S, 5.8S および 25S rRNA遺伝子はクラスター化し、1ユニットとして転写され、一方で5S遺伝子はゲノムのいずれかの場所に配置される。25S遺伝子の3'末端および18S遺伝子の5'末端の間に、種々の種について、1kbから12kb長より大きいまでの範囲であるDNAスペーサーが配置される。したがって、rDNAリピートは、種々の植物種について、約4kbないし約15kbの範囲である。 [ 例えば、Rogers and Bendich (1987) Plant Mol. Biol. 9:509-520参照]。
ここで使用するように、メガ染色体は、導入される異種DNAを除き、実質的にヘテロクロマチンからなる染色体を言及する。メガ染色体は、導入された異種DNAによって境界付けられる2つの逆転されたメガレプリコンを含むリピート性アンプリコンのアレイから作成される[例えば、メガ染色体の概略図のために、米国特許番号 6,077,697の図3参照]。ここでの目的のために、メガ染色体は約50ないし400 Mb,一般に約250-400 Mbである。より短い変異体は、またトランケート性メガ染色体[約90ないし 120または 150 Mb]、ドワーフメガ染色体[~150-200 Mb] およびセルライン、およびミクロ-メガ染色体 [~50-90 Mb,典型的に 50-60 Mb]として言及する。ここでの目的のために、用語メガ染色体は、リピート性染色体セグメントのあるアレイ(amplicons) に基づくリピート性構造全体を言及し、それは任意の挿入される異種DNAによって境界付けられる2つの逆転性メガレプリコンを含む。
ここで使用するように、形質転換およびトランスフェクションは、細胞内に核酸を導入するプロセスを相互交換可能に言及する。用語トランスフェクションおよび形質転換は、任意のコード配列が実際に発現されるか否かにかかわらず、宿主によって、外生核酸、例えば発現ベクターから取り上げること(taking up)を意味する。細胞内に核酸を導入する多くの方法が、当業者に既知であり、例えば、アグロバクテリウム介在形質転換、プロトプラスト毛形質転換(ポリエチレングリコール(PEG)介在形質転換、エレクトロポレーション、プロトプラスト融合、およびミクロセル融合を含む)、脂質介在送達、リポソーム、エレクトロポレーション、パーティクルボンバードメント、およびシリコンカルバジドウィスカー介在形質転換(silicon carbide whisker-mediated transformation) (例えば Paszkowski et al. (1984) EMBO J. 3:2717-2722; Potrykus et al. (1985) Mol. Gen. Genet. 199:169-177; Reich et al. (1986) Biotechnology 4:1001-1004; Klein et al. (1987) Nature 327:70-73; 米国特許番号 6,143,949; Paszkowski et al. (1989) in Cell Culture and Somatic Cell Genetics of Plants, Vol. 6, Molecular Biology of Plant Nuclear Genes, eds. Schell, J and Vasil, L.K. Academic Publishers, San Diego, California, p. 52-68; および Frame et al. (1994) Plant J. 6:941-948参照)、燐酸カルシウムを使用する直接取り込み [CaPO 4 ;、例えば、Wigler et al. (1979) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 76:1373-1376参照]、ポリエチレングリコール [PEG]-介在DNA取り込み、リポフェクチン [例えば、Strauss (1996) Meth. Mol. Biol. 54:307-327参照],ミクロセル融合 [ Lambert (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88:5907-5911; 米国特許番号 5,396,767, Sawford et al. (1987) Somatic Cell Mol. Genet. 13:279-284; Dhar et al. (1984) Somatic Cell Mol. Genet. 10:547-559; および McNeill-Killary et al. (1995) Meth. Enzymol. 254:133-152参照]、脂質-介在キャリアーシステム [ 例えば、Teifel et al. (1995) Biotechniques 19:79-80; Albrecht et al. (1996) Ann. Hematol. 72:73-79; Holmen et al. (1995) In Vitro Cell Dev. Biol. Anim. 31:347-351; Remy et al. (1994) Bioconjug. Chem. 5:647-654; Le Bolch et al. (1995) Tetrahedron Lett. 36:6681-6684; Loeffler et al. (1993) Meth. Enzymol. 217:599-618参照]または他の好適な方法による。首尾よいトランスフェクションは、一般にトランスフェクト性細胞内の異種核酸の存在の検出例えば異種核酸の任意の可視化または宿主細胞内のベクターの操作の任意の指摘によって認識される。
ここで使用するように、インジェクトは、細胞内への核酸の(小さいシリンジ、ニードルまたはピペットの使用)マイクロインジェクションを意味する 。
ここで使用するように、遺伝子治療は、ある種の細胞内への核酸の移入または挿入に関係し、これはまた、標的細胞として言及し、疾患、障害、及び/または悪変条件を予防、治療、訂正、制御または調節することに関係する産物を生産する。
核酸を、核酸が発現され、それによってコードされた産物が生産される態様で、選択された標的細胞内に導入する。代替的に、核酸は、治療的産物をコードするDNAの発現を介在する態様でありうる。この産物は治療的化合物であり得、これは治療的有効量または治療的有用時間で生産される。それはまた産物、例えばペプチドまたはRNAをコードし得、それはいくつかの態様で、直接または間接的に、治療的産物の発現を介在する。疾患または障害に罹患する生物内の標的細胞による核酸の発現は、それによって、疾患または障害の調節を可能とする。治療的産物をコードする核酸は、罹患宿主の細胞内への導入に先立ち修飾し得、その産物の発現を増強または他には変更し得る。
遺伝子治療での使用のために、細胞インビトロでトランスフェクトでき、ついでトランスフェクトした細胞の、生物内への導入ができる。これはしばしば、エキソビボ遺伝子治療として言及する。代替的には、細胞は、生物内でインビボで直接的にトランスフェクトできる。
ここで使用するように、治療的有効産物は、生物の、症状または遺伝または獲得疾患または障害の明示を有効に緩和または排除し、または生物の当該疾患または障害を治療する産物である。例えば、治療的有効産物は、疾患性生物で発現される異種DNAによってコードされる産物および宿主細胞で異種DNAから生産され、疾患性生物が暴露される産物を含む。
ここで使用するように、治療的植物は、異種または外来核酸を含むまたは植物で天然に存在する遺伝子の発現が変更された植物(例えば植物細胞、組織、器官または植物全体)を意味する。トランスジェニック植物内の異種核酸は、植物内で一過性にまたは安定的に維持されうる。異種核酸の安定的維持は、1または2以上、または2または3以上、または5または6以上、または10または11以上または25または26以上または50または51以上または60または61以上細胞分裂にわたる核酸の維持でありうる。トランスジェニック植物は、1細胞、多重細胞または全細胞内に異種核酸を含みうる。トランスジェニック植物は、異種核酸を含むまたは含まない後代を生産し得る。
ここで使用するように、プロモーターは、DNAの領域について、DNAと連関し、メッセンジャーRNA(mRNA)の転写を開始するためにRNAポリメラーゼ信号する塩基の配列を含むDNAの配列を言及する。プロモーターはこうして、一般にDNAのmRNA内への転写を調節する。
ここで使用するように、異種DNAの、ヌクレオチドの調節およびエフェクター配列、例えばプロモーター、エンハンサー、および転写および翻訳停止部位、および他のシグナル配列への作動性連結は、そのようなDNAおよびヌクレオチドのそのような配列間の関連性を言及する。例えば、異種DNAの、プロモーターへの作動性連結は、DNAとプロモーターの間の物理的関連性を言及し、その結果そのようなDNAの転写が、RNAポリメラーゼによってプロモーターから開始され、それはリーディングフレームのDNAを特異的に認識、結合及び転写する。
ここで使用するように、単離、実質的に純粋核酸、例えばDNAは、当業者によって使用される標準的技法に従って生成された核酸フラグメントを言及し、例えば、Maniatis et al. [(1982) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY]に見出される。
ここで使用するように、発現は、核酸の転写及び/または翻訳を言及する。例えば、RNA分子、例えばメッセンジャーRNA(mRNA)分子内への遺伝子の転写であることができる。発現はさらに、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質内へのRNA分子の翻訳を含みうる。もし核酸が、ゲノムDNAに由来するならば、発現は、、もし適当な真核宿主細胞または生物が選択されるならば、mRNAのスプライシングを含みうる。アンチセンス構築物について、発現は、アンチセンスDNAの転写を言及し得る。
ここで使用するように、ベクターまたはプラスミドは、異種核酸の発現のためまたは異種核酸の複製のため細胞内に異種核酸を導入するために使用される明確なエレメントを言及する。そのようなベクターまたはプラスミドの選択および使用は、当業者の水準のよく範囲内である。
ここで使用するように、実質的に相同なDNAは、特定された条件下で安定的にハイブリッドを形成するもうひとつのそのような配列に十分に類似であるヌクレオチドの配列を含むDNAを言及する。
種々の配列を有する核酸フラグメントが、同じ条件下で、同じ''標的''核酸に検出可能にハイブリダイズし得ることが、当業者に周知である。2つの核酸フラグメントは、十分長いハイブリダイゼーション期間に渡り、ストリンジェント条件下で検出可能にハイブリダイズし、なぜなら、1フラグメントは、他の核酸フラグメントにおける少なくとも1セグメントの配列に相補的である(またはほとんど相補的である)配列中の少なくとも約14ヌクレオチドのセグメントを含むからである。もしハイブリダイゼーションが、起こることができる間の時間、一定に保持されるならば、あらかじめ選択されたストリンジェンシー条件下で、正確に相補的な塩基対形成セグメントを有する2つの核酸フラグメントは、互いに検出可能にハイブリダイズし、正確な相補性から離れることは、塩基対形成セグメント内に導入されることができ、そして塩基対形成はそれにもかかわらずハイブリダイゼーションを検出可能とするのに十分な程度に起こるであろう。2つの核酸の塩基対形成セグメント間の相補性から離れることがより長くなるにつれ、そしてハイブリダイゼーションの条件がよりストリンジェントになるにつれ、2つのセグメントが互いに検出可能にハイブリダイズする確率は減少する。
2つの一本鎖核酸セグメントは、もし(a)両方が同じセグメントとの塩基対形成二十螺旋を形成し、かつ(b)当該2つの二重らせんの、0.5xSSPEの溶液中の融解温度が10℃よりも小さく異なるならば、本明細書の意味のうちで、''実質的に同じ配列''を有する。もし比較されるセグメントが同じ数の塩基を有するならば、そのとき''実質的に同じ配列''を有することは、これは10のうち1塩基よりも小さいそれらの配列において典型的に異なるであろう。核酸二重らせんの融解温度を決定するための方法は、周知である [例えば、Meinkoth and Wahl (1984) Anal. Biochem. 138:267-284 およびそこの引用参照]。
ここで使用するように、核酸プローブは、ヌクレオチドの同一または緊密に関連する配列を含む、DNAまたはRNAに特異的にハイブリダイズするヌクレオチドの十分吸うを含むDNAまたはRNAフラグメントである。プローブは、任意の数のヌクレオチドを含み得、約10ほど少なくおよび何百または(of)何千ものヌクレオチドを形成し得る。そのようなハイブリダイゼーション反応のための条件及びプロトコルは、当業者に周知でアレイ、プローブのサイズ、温度、ミスマッチの程度、塩濃度および他のパラメーターの、ハイブリダイゼーション反応への影響である。例えば、ハイブリダイゼーション反応が起こる、より低い温度およびより高い塩濃度ならば、ハイブリッド分子中に存在し得るミスマッチの程度はより大きい。
ハイブリダイゼーションプローブとして使用するために、核酸は、一般に、検出可能部分または標識、例えば32P, 3H および 14C, または他の手段によって、検出可能とし、化学的標識付加、例えばウラシル部分の5'位でデオキシウリジレートビオチニル化の存在下、ニック-トランスレーションによるのを含む。得られるプローブは、チミジレート残基の代わりにビオチニル化ウリジレートを含み、ビオチンへのストレプトアビジンの結合に基づく任意の数の商業的入手可能検出システムによって(ビオチン部分を経由する)検出できる。そのような商業的入手可能検出システムは、例えば、Enzo Biochemicals, Inc. (New York, NY)から取得できる。当業者に既知の任意の他の標識は、非放射活性標識を含み、それがプローブを十分に検出可能とする限り使用し得、それはアッセイの感度の機能、利用可能な時間(細胞を培養、DNAを抽出、およびハイブリダイゼーションアッセイのため)、プローブの源として利用可能であるDNAまたはRNAの量、標識を検出するために使用する特定の標識および手段である。
プローブに十分に高度の相同性を有する配列をひとたび同定すると、これらは標準技法によって容易に単離でき、これは例えば、Maniatis et al. [(1982) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY]によって記載される。
ここで使用するように、DNA分子が安定なハイブリッドを形成し、実質的に相同であると考えられる条件は、少なくとも60%相補性を有するDNA分子が安定なハイブリッドを形成するものである。そのようなDNAフラグメントは、ここに、''実質的に相同''であると考えられる。例えば、特定のタンパク質をコードするDNAは、もしDNAが安定なハイブリッドを形成し、その結果フラグメントの配列が少なくとも約60%相補的であるならば、かつもしDNAによってコードされるタンパク質がその活性を保持するならば、他のDNAフラグメントに実質的に相同である。
ここでの目的のために、以下のストリンジェンシー条件を定義する:
1) 高ストリンジェンシー: 0.1 x SSPE, 0.1% SDS, 65℃
2) 中ストリンジェンシー: 0.2 x SSPE, 0.1% SDS, 50℃
3) 低ストリンジェンシー: 1.0 x SSPE, 0.1% SDS, 50℃
またはミスマッチまたはマッチングの同じ程度の選択をもたらす塩および温度および他の試薬の任意の組み合わせ。
ここで使用するように、すべてのアッセイおよび手法、例えばハイブリダイゼーション反応および抗体―抗原反応は、特に特定しない限り、当業者によって標準的条件として認識される条件下で実行する。
A.染色体セグメントの増幅および人工染色体の作成におけるその使用
本明細書で提供される方法、細胞および人工染色体は、染色体の、ペリセントリックDNAを含むセントロメリック領域のより高いオーダーの複製ユニット(メガレプリコン)の存在の発見という効果により作成される。このメガレプリコンは、第一複製開始部位(メガレプリケイター)により範囲が定められており、セントロメリックヘテロクロマチン、および恐らくセントロメアの複製を促進すると思われる。メガレプリケイター領域またはその近接領域への異種核酸の統合は、メガベースサイズの染色体セグメントのラージスケールでの増幅を開始する。その増幅の産物は、人工染色体として使用され得るか、または本明細書に記載のような人工染色体の作成に使用され得る。
リボゾームRNA(rRNA)に対し生ずるrDNAユニットは、メガレプリケイターを提供し得るDNA配列中に含まれる。植物および動物、特にマウスおよびヒトのような哺乳類において、これらのrDNAユニットは、増幅のオリジン(またはマウスでの二方向性複製、すなわちOBRのオリジン)のような特定エレメントおよび複製を促進する配列(APS)および増幅コントロールエレメント(ACE)を含み得る(例えば、植物rDNAに関しては、米国特許番号6,096,546 (to Raskin) および 6,100,092 (to Borysyuk et al.); PCT国際出願公開番号 WO99/66058; Genbank Accession no. Y08422 (タバコrDNA遺伝子間スペーサーの中央ATリッチ領域(central AT-rich region)を含む); Borysyuk et al. (1997) Plant Mol. Biol. 35:655-660); Borysyuk et al.. (2000) Nature Biotechnology 18:1303-1306; Hernandez et al. (1993) EMBO J. 12:1475-1485; Van't Hof and Lamm (1992) Plant Mol. Biol. 20:377-382; Hernandez et al. (1988) Plant Mol. Biol. 10:413-322; および哺乳類rDNAに関しては、Gogel et al. (1996) Chromosoma 104:511-518; Coffman et al. (1993) Exp. Cell. Res. 209:123-132; Little et al. (1993) Mol. Cell. Biol. 13:6600-6613; Yoon et al. (1995) Mol. Cell. Biol. 15:2482-2489; Gonzalez and Sylvester (1995) Genomics 27:320-328; Miesfeld and Arnheim (1982) Nuc. Acids Res. 10:3933-3949; Maden et al. (1987) Biochem. J. 246:519-527参照)。
本明細書に記載のように、任意の理論により結び付けられることなく、これらのような特定エレメントは、細胞中の、本明細書に記載の人工染色体のような染色体の新規形成におけるメガベースサイズ染色体セグメントの複製および/または増幅を促進し得る。これらの特定エレメントは、典型的に、rDNAの転写領域の上流の非転写遺伝子間スペーサー領域中に位置する。遺伝子間スペーサー領域は、それ自体、直列型反復ブロック(tandemly repeated block)および非直列ブロック(nontandem block)として分類され得る内部反復配列を含み得る(例えば、Gonzalez and Sylvester (1995) Genomics 27:320-328参照)。マウスrDNAでは、二方向性複製のオリジンは、転写開始部位の約1.6kb上流を中心におく3kb開始ゾーン内に見られ得る(例えば、Gogel et al. (1996) Chromosoma 104:511-518参照)。これらの特定エレメントの配列は、例えば、ヌクレアーゼ高感受性、またはDNA構造を曲げ得るATリッチ領域の存在により検出され得る、他のクロマチン構造を有する傾向がある。
植物rDNAの遺伝子間スペーサー領域の配列は、限定されるものではないが、GenBank Accession numbers S70723 (大麦(Hordeum vulgare)の5S rDNA由来)、AF013103 および X03989 (トウモロコシ(Zea mays)由来)、X65489 (ジャガイモ(Solanum tuberosum)由来)、X52265 (ジャガイモ(Lycopersicon esculentum)由来)、AF177418 (Arabidopsis neglecta由来)、AF177421 および AF17422 (Arabidopsis halleri由来)、A71562、X15550、およびX52631 (Arabidopsis thaliana由来; Gruendler et al. (1991) J. Mol. Biol. 221:1209-1222 および Gruendler et al. (1989) Nucleic Acids Res. 17:6395-6396参照)、X54194 (イネ(Oryza sativa)由来) および Y08422 および D76443 (タバコ(Nicotiana tabacum)由来)に含まれる配列を含む。植物rDNAの遺伝子間スペーサーの配列は、ライ麦(Appels et al. (1986) Can. J. Genet. Cytol. 28:673-685参照)、小麦(Barker et al. (1988) J. Mol. Biol. 201:1-17 and Sardana and Flavell (1996) Genome 39:288-292参照)、ラディッシュ(Delcasso-Tremousaygue et al. (1988) Eur. J. Biochem. 172:767-776参照)Vicia faba および Pisum sativum (Kato et al. (1990) Plant Mol. Biol. 14:983-993参照)、マングビーン(Gerstner et al. (1988) Genome 30:723-733; および Schiebel et al. (1989) Mol. Gen. Genet. 218:302-307参照)、トマト(Schmidt-Puchta et al. (1989) Plant Mol. Biol. 13:251-253参照)、Hordeum bulbosum (Procunier et al. (1990) Plant Mol. Biol. 15:661-663参照) および Lens culinaris Medik.、および他のマメ科種属(Fernandez et al. (2000) Genome 43:597-603参照)由来の配列を含む。植物由来の遺伝子間スペーサー配列を含む遺伝子は、保存されている25S成熟rRNAコード化領域の3'末端および保存されている18S成熟rRNAコード化領域の5'末端に相当するオリゴヌクレオチドプライマーを使用する植物細胞由来のDNAの核酸増幅により得ることができる(例えば、PCT出願公開番号WO98/13505参照)。
複製の哺乳類オリジンを包含する典型的な配列は、GENBANK accession no. X82564中の約2430-5435位で提供されている。哺乳類増幅促進配列を包含する典型的な配列は、GENBANK accession no. X82564のヌクレオチド690-1060 および 1105-1530を含み、また、PCT出願公開番号WO 97/40183に提供される。植物増幅促進配列(APS)を包含する典型的な配列は、米国特許番号6,100,092に提供されるものを含む。
ヒトrDNAでは、第一複製開始部位は、転写領域の数キロベース対上流で見られ、第二開始部位は、非転写遺伝子間スペーサー領域を通して見られ得る(例えば、Yoon et al. (1995) Mol. Cell. Biol. 15:2482-2489参照)。完全なヒトrDNA反復ユニットは、accession no. U13369としてGENBANKに示される。複製開始部位を包含する他の典型的な配列は、GENBANK accession no. U13369のヌクレオチド35355-42486の配列内に、特に、GENBANK accession no. U13369のヌクレオチド37912-42486の配列内に、およびより特にヌクレオチド37912-39288内に見られ得る(Coffman et al. (1993) Exp. Cell. Res. 209:123-132参照)。
B.植物人工染色体の調製
人工染色体を含む細胞系は、細胞、好ましくは安定細胞系を異種核酸で形質転換し、本明細書で記載のように人工染色体を含む細胞を同定することにより、調製され得る。人工染色体は、異種核酸の導入前の細胞に存在する任意の染色体とは別個である染色体構造である。人工染色体を含む細胞は、本明細書で詳細に記載するような種々の手順を単独または組み合わせて用い同定され得る。本明細書に記載の方法の特定実施態様では、異種核酸は、当該核酸を、例えばペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはrDNAのような細胞中の染色体の増幅可能領域に対し標的とさせる配列を含む。種々のターゲッティング配列が本明細書で提供される。
人工染色体の存在に関し形質転換した細胞を分析する前に、分析するべき細胞は、人工染色体の作成を開始する宿主細胞中へ導入される異種核酸に依存する種々の技術を用い、人工染色体含有細胞で強化(enrich)し得る。例えば、選択マーカーをコードする核酸が、異種核酸中に含まれるならば、マーカーを含む細胞が分析のため選択され得る。選択可能なマーカーが、細胞毒性試薬、例えばビアラホス、ヒグロマイシンまたはカナマイシンに対し耐性を供与するものであるならば、形質転換細胞は、当該試薬を含む選択条件下で培養され得る。次いで、選択条件下での細胞生存増殖は、人工染色体の存在に関し分析される。選択可能マーカーが、例えば、蛍光タンパク質のような容易に検出できるレポーター分子であるならば、形質転換した細胞は、蛍光特性に基づき選択され得る。例えば、蛍光タンパク質を含む細胞は、蛍光標示式細胞分取器(FACS)を用い、非形質転換細胞から単離され得る。
人工染色体の存在に関する形質転換した細胞を分析において、マルチセントリック、典型的にジセントリック、染色体、先のマルチセントリック(典型的にジセントリック)染色体、ミニ染色体および/またはメガ染色体およびソーセージ(sausage)染色体のようなヘテロ染色体構造を有する細胞を同定することもまた可能である。マルチセントリック染色体または先のマルチセントリック(典型的には先のジセントリック)染色体を含む細胞が最初に選択されるならば、次いで、これらの細胞は、本明細書に記載のように必要ならば、操作され、ミニ染色体および他の人工染色体、特に、本願明細書で記載のようなヘテロクロマティック人工染色体および他のセグメント化、反復領域含有人工染色体を作成し得る。
1.植物人工染色体生成に使用する細胞
植物セントロメア含有染色体を保持する任意の細胞は、植物人工染色体(PAC)の作成に使用され得る。その細胞には、限定されるものではないが、植物細胞、プロトプラスト、および1つまたはそれより多い植物種のハイブリッド細胞である細胞が含まれる。好ましい細胞は、植物セントロメア含有染色体を保持するものであり、その中への異種核酸の導入が容易に可能である。
植物人工染色体の作成に使用のための細胞は、アクロセントリック植物染色体(acrocentric plant chromosome)を保持する細胞を含む。アクロセントリック植物染色体の例は、植物Arabidopsis thalianaの染色体2および4(例えば Mayer et al. (1999) Nature 402:769-777; Murata et al. (1997) The Plant Journal 12:31-37; The Arabidopsis Genome Initiative (2000) Nature 408:796-815参照)、Helianthus annuus中の4つのアクロセントリック染色体対(ヒマワリ; Schrader et al. (1997) Chromosome Res. 5:451-456参照)、栽培植物化したコショウ植物(Capsicum annuum)中の2対のアクロセントリック染色体およびヒラマメ植物中のほとんどのアクロセントリック染色体を含む。特に、本明細書に記載の方法の実施態様では、rDNAを含むアクロセントリック染色体を保持する細胞は、植物人工染色体の作成に使用される。
細胞が得られ得る植物種は、限定されるものではないが、野菜作物、果物およびブドウ作物(vine crop)、ほ場植物、花壇用の草花、木、低木および他の苗木ストックを含み得る。野菜作物の例には、アーティチョーク、コールラビ、キバナスズシロ、ニラネギ、アスパラガス、レタス、白菜、タロイモ、ブロッコリー、メロン(例えば、マスクメロン、スイカ、クレンショー、ハネジュー、カンタロープ)、芽キャベツ、キャベツ、カルドニ(cardoni)、ニンジン、ナパ、カリフラワー、オクラ、タマネギ、セロリ、パセリ、ヒヨコマメ、パースニップ、チコリー、白菜(chinese cabbage)、コショウ、コラード、ジャガイモ、キュウリ植物、カボチャ、ウリ科、ラッディシュ、乾球タマネギ(dry bulb onion)、ルタバガ、ナス、サルシフィ、キクヂシャ、シャロット、エンダイブ、ニンニク、ホウレンソウ、グリーンオニオン、スカッシュ、緑黄色野菜、ビート、スイートポテト、ダンソウ、セイヨウワサビ、トマト、ケール、カブラおよびスパイスが含まれる。果物およびブドウ作物には、リンゴ、アプリコット、チェリー、ネクタリン、ピーチ、西洋ナシ、プラム、スモモ、マルメロ、アーモンド、クリ、ハシバミ、ペカン、ピスタチオ、クルミ、カンキツ属、ブルーベリー、ボイゼンベリー、クランベリー、カランツ、ローガンベリー、ラズベリー、ストロベリー、ブラックベリー、ブドウ、アボカド、バナナ、キーウィ、カキ属、ザクロ、パイナップル、熱帯果実類、ナシ状果、メロン、マンゴー、パパイアおよびレイシが含まれる。
ほ場作物植物は、マツヨイグサ、meadow foam、トウモロコシ、トウモロコシ、ホップ、ホホバ、ピーナッツ、イネ、サンフラワー、小穀類(small grains)(オオムギ、オーツ、ライムギ、コムギ、および他)モロコシ属、タバコ、カッポク、マメ科植物(インゲンマメ、レンズマメ、エンドウ、ダイズ)、油料植物(キャノーラ、ナタネ、アブラナ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、トウゴマ、カカオ、ラッカセイ)、繊維植物(コットン、フラックス、アサ、ジュート)、クスノキ科(シナモン、カンフル(camphor)、およびコーヒー、サトウキビ、チャおよび天然ゴム植物のような植物を含む。植物の他の例には、花卉、サボテン、多肉植物および観賞植物のような花壇用花卉、ならびに森林(広葉樹および常緑植物)、果実、観賞植物およびナッツがなる木のような木、低木、藻類、蘚類、およびウキクサが含まれる。
2.植物人工染色体の作成における使用のための異種核酸
a.選択マーカー
本明細書に記載のような人工染色体の作成において細胞中へ導入される異種核酸には、選択マーカーをコードする核酸を含み得る。選択マーカー配列を含む任意の核酸は、植物人工染色体の作成のための植物セントロメア包含染色体を保持する細胞中へ導入され得る。選択マーカーの例には、限定するものではないが、細胞毒性または細胞増殖抑止性の試薬に対し耐性を供与する産物をコードするDNAおよびレポータータンパク質のような容易に検出できる産物をコードするDNAが含まれる。
(1)選択試薬に対し耐性を供与する産物をコードする核酸
選択マーカーの例には、ジヒドリルフォレートレダクターゼ(dhfr)遺伝子、ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、フォスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子(bar遺伝子)およびネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子が含まれる。動物、例えば、哺乳類細胞中で使用し得る選択マーカーには、限定するものではないが、チミジンキナーゼ遺伝子および細胞性アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子が含まれる。
特に、本明細書の目的のための関心は、宿主細胞中での発現において、当該細胞に対し抗菌性または除草剤耐性を供与し、当該細胞中に異種核酸を十分に維持する核酸選択マーカーであって、そのマーカーは、新規宿主細胞中に当該マーカーDNAを含む人工染色体の移入を促進する。そのマーカーの例には、ヒグロマイシン、カナマイシン、G418、ビアラホス(bialaphos)、Basta、メトトレキサート、グリホセート(glyphosate)、およびピューロマイシンに対し細胞性耐性を供与する産物をコードするDNAが含まれる。例えば、neo(またはnptII)は、カナマイシン耐性を供与し、カナマイシン、G418、パロモマイシン(paromomycin)および他の試薬(例えば、Messing and Vierra (1982) Gene 19:259-268; and Bevan et al. (1983) Nature 304:184-187参照)を用い選択し得る;酵素ホスフィノスリシン(phosphinothricin)アセチルトランスフェラーゼ(PAT)をコードする、Steptomyces hygroscopicus由来barは、ビアラホス、グルフォシネート、Bastaまたはホスホフィノスリシン耐性を供与する(例えば、White et al. (1990) Nuc. Acids Res. 18:1062; Spencer et al. (1990) Theor. Appl. Genet. 79:625-631; Vickers et al. (1996) Plant Mol. Biol. Reporter 14:363-368; および Thompson et al. (1987) EMBO J. 6:2519-2523参照);抗菌性ヒグロマイシンに対し耐性を供与するhph遺伝子(例えば、Blochinger and Diggelmann, Mol. Cell. Biol. 4:2929-2931参照);変異型EPSPシンターゼタンパク質(Hinchee et al. (1988) Bio/technol 6:915-922参照)は、グリフォセート耐性を供与する(また米国特許番号4,940,935 および 5,188,642参照);およびKlebsiella ozaenae由来bxnのようなニトリラーゼ(nitrilase)は、ブロモキシニル(bromoxynil)に対する耐性を供与する(Stalker et al. (1988) Science 242:419-42参照)。シスタチオニン(cystathionine)γ-シンターゼ(CGS)をコードするDNAは、エチオニンに対し耐性を供与するマーカーとして使用し得る(PCT出願公開番号WO 00/55303参照)。動物、例えば哺乳類細胞に使用され得るマーカーの例には、限定されるものではないが、ストレプトマイシン、ゼオシン(zeocin)、クロラムフェニコールおよびテトラサイクリンに対する細胞性耐性を供与する産物をコードするDNAが含まれる。
(2)レポーター分子
レポーター分子をコードする核酸はまた、人工染色体の作成においてレシピエント細胞中へ導入される核酸中に含まれ得る。レポーター遺伝子は、異種核酸が移入される細胞および染色体を同定する手段を提供し、さらに、移入されたDNAが発現しているか否か、およびどの程度発現しているかを評価する手段を提供する。
細胞、特に植物細胞中への異種核酸の移入および発現のモニターに使用し得るレポーター分子をコードする核酸には、限定されるものではないが、β−ガラクトシダーゼ(GUS)または種々の色素生産性基質が知られている酵素(Novel and Novel (1973) Mol. Gen. Genet. 120:319-335; Jefferson et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:8447-8451; US Patent No. 5,268,463; Clontech Laboratories, Palo Alto, CAより商業上利用可能である)であるuidA遺伝子産物をコードする核酸、植物組織中のアントシアニン色素(赤色)の生成を調節する産物をコードするR−配座遺伝子由来DNA(例えばDellaporta et al. (1988) In ''Chromosome Structure and Function: Impact of New Concepts, 18th Stadler Genetics Symposium'' 11:263-282参照)、種々の色素生産性基質が知られている酵素(例えば、PADAC、色素性産生セファロスポリン)であるβ−ラクタマーゼ(Sutcliffe (1978) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 75:3737-3741)をコードする核酸、色素生産性カテコールを変換し得るカテコールジオキシゲナーゼをコードするxy/E 遺伝子(例えばZukowsky et al. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80:1101-1105参照)由来のDNA; α−アミラーゼをコードする核酸(例えば、Ikuta et al. (1990) Bio/technol. 8:241-242参照)、チロシンをDOPAおよびドーパキノン(dopaquinone)へ酸化し次いで縮合し容易に検出できる化合物メラニンを形成することができる酵素、チロシナーゼをコードする核酸(例えば、Katz et al. (1983) J. Gen. Microbiol. 129:2703-2714参照)、色素生産性基質が存在する酵素、β−ガラクトシダーゼをコードする核酸、生体ルミネセンス検出可能なルシフェラーゼ(lux)遺伝子(例えば、Ow et al. (1986) Science 234:856-859参照)をコードする核酸、カルシウム感受性生体ルミネセンス検出において使用し得るエクオリン(例えば、Prasher et al. (1985) Biochem. Biophy. Res. Commun. 126:1259-1268参照)をコードする核酸、緑色蛍光タンパク質(GFP)(例えば、Sheen et al. (1995) Plant J. 8:777-784; Haselhoff et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94:2122-2127; Hasseloff and Amos (1995) Trends Genet 11:328-329; Reichel et al. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93:5888-5893; Tian et al. (1997) Plant Cell Rep. 16:267-271; Prasher et al. (1992) Gene 111:229-233; Chalfie et al. (1994) Science 263:802; PCT Application Publication Nos. WO97/41228 および WO 95/07463参照; およびClontech Laboratories, Palo Alto, CAより商業上利用可能である)をコードする核酸、赤色または青色蛍光タンパク質(それぞれRFPまたはBFP)、またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)をコードする核酸が含まれる。
促進されたGFP(EGFP)は、蛍光性を35倍に増大するGFPの変異体である。この変異体は、アミノ酸65におけるSerからThrへの変異および64位におけるPheからLeuへの変異を有しており、最適化されたヒトコドンを有する遺伝子によりコードされる(例えば、U.S. Patent No. 6,054,312参照)。EGFPは、哺乳類細胞中におけるより明るい蛍光性およびより高い発現を最適化された(励起最大 = 488 nm; 放射最大 = 507 nm)、野生型GFP(Yang et al. (1996) Nucl. Acids Res. 24:4592-4593; Haas et al. (1996) Curr. Biol. 6:315-324; Jackson et al. (1990) Trends Biochem. 15:477-483)の赤色シフト変異体である。EGFPは、Phe-64からLeuへおよびSer-65からThrへの二重アミノ酸置換を含むGFPmut1変異体(Jackson (1990) Trends Biochem. 15:477-483)をコードする。EGFPに隣接する配列は、Kozak共通翻訳開始部位(Huang et al. (1990) Nucleic Acids Res. 18: 937-947)に変換され、さらに真核細胞中での翻訳効率を増大する。
トウモロコシR遺伝子複合体由来の核酸はまた、レポーター分子をコードする核酸として使用され得る。トウモロコシ中のR遺伝子複合体は、殆どの種子および植物組織におけるアントシアニン色素の作成を調節する働きをするタンパク質をコードする。トウモロコシ株は、発達および組織特異的方法で色素を調節するように組み合わされる1つまたは4つぐらい多くのR対立遺伝子を有し得る。そのため、その細胞中へ導入されるR遺伝子は、赤色色素の発現の要因となり、安定に組み込まれるならば、赤色セクターとして視覚的に評価され得る。トウモロコシ系が、アントロシアニン生体合成経路(C2, A1, A2, Bz1 および Bz2)における酵素中間体をコードする遺伝子の卓越対立遺伝子を有するが、R配座に劣勢対立遺伝子を有するならば、Rを有するその系列由来の任意の細胞の形質転換は、赤色色素を形成することとなる。典型的な系列には、rg-Stadler 対立遺伝子およびTR112を含むWisconsin 22、r-g, b, PlであるK55誘導体を含む。他に、トウモロコシの任意の遺伝子型は、C1およびR対立遺伝子が同時に導入されるならば、利用され得る。
b.遺伝子発現に影響するプロモーターおよび他の配列
レシピエント細胞における選択マーカー(または任意の異種核酸)をコードする核酸の発現は、種々のプロモーターにより調節され得る。細胞、特に植物細胞中のDNAの転写の調節に使用するプロモーターには、限定されるものではないが、ノパリンシンターゼ(NOS)およびオクトピンシンターゼ(OCS)プロモーター;カリフラワーモザイクウイルス(CaMV) 19S および 35Sプロモーター、リブロースビスホスフェートカルボキシラーゼの小サブユニット(ssRUBISCO、豊富な植物ポリペプチド)由来の光誘導性プロモーター、マンノピン(mannopine)シンターゼ(MAS)プロモーター(例えば、Velten et al. (1984) EMBO J. 3:2723-2730; および Velten and Schell (1985) Nuc. Acids Res. 13:6981-6998参照)、コメアクチンプロモーター、ユビキチンプロモーター、例えばZ. mays(例えばPCT Application Publication No. WO00/60061参照)由来のもの、Arabidopsis thaliana UBI 3 プロモーター(例えば、Norris et al. (1993) Plant Mol. Biol. 22:895-906参照)およびタバコ または Arabidopsis由来の化学的誘導可能PR-1プロモーターが含まれる。
適当なプロモーターの選択には、幾つかの考慮点が含まれ、例えば、レシピエント細胞型(例えば、葉表皮細胞、葉肉細胞、根皮質細胞のようなもの)、プロモーターに連結する遺伝子の組織-または器官特異的(例えば、根、葉または花)発現、および発現のタイミングおよびレベルである(保存性対調節可能なプロモーターおよびプロモーター強度により影響され得るような)。
選択可能マーカーを含む核酸中にまた含まれ得る更なる配列には、限定されるものではないが、転写ターミネーターおよびイントロンのような発現を促進する外来性配列が含まれる。コーディング領域および正確なポリアデニル化を超える転写の終結に応答できる、種々の転写ターミネーターを使用し得る。適当な転写ターミネーターには、例えば、CaMV 35S ターミネーター、tmlターミネーター、ノパリンシンターゼターミネーターおよびエンドウマメrbcS E9ターミネーター(それら全て単子葉植物および双子葉植物の両方で使用され得る)のような植物で機能することが知られているものが含まれる。
多くの配列で、転写単位内からの遺伝子発現を促進することが判明しており、これらの配列は、選択マーカーおよび植物細胞中で当該遺伝子の発現を増大する他の遺伝子と組み合わせて使用され得る。例えば、トウモロコシAdhl遺伝子のイントロンのような種々のイントロン配列では、発現の促進が見られ、特に単子葉植物中で見られる。加えて、ウイルス由来の多くの非翻訳リーダー配列もまた発現を促進することが知られ、これらは双子葉細胞で特に効率的である。
c.標的配列を含む核酸
マルチセントリック、典型的にジセントリック染色体の発達は、典型的に染色体のマルチセントリック領域近くまたはその中でのペリセントリックヘテロクロマチンのようなヘテロクロマチン中へ、および/またはrDNA配列中への、異種核酸組み込みを介して生ずる。そのため、人工染色体の発達は、これらの領域中への組み込みのための異種核酸を標的とすることにより、例えば、限定されるものではないがrDNA(例えば、rDNA遺伝子間スペーサー配列)、サテライトDNA、ペリセントリックDNAおよびラムダファージDNAを含むDNAをレシピエント宿主細胞中へ導入することにより、促進され得る。標的配列は、単独でまたは他の核酸(限定されるものではないが、選択マーカー)とともに、導入され得る。例えば、標的配列は、選択マーカーと連結され得る。
植物ペリセントリックDNAおよびサテライトDNAの例には、限定されるものではないが、トマト染色体6のペリセントリック配列(例えば、Weide et al. (1998) Mol. Gen. Genet. 259:190-197参照)、ダイズのサテライトDNA(例えば、Morgante et al. (1997) Chromosome Res. 5:363-373; および Vahedian et al. (1995) Plant Mol. Biol. 29:857-862参照)、Arabidopsis thalianaのペリセントリックDNA(例えば、Tutois et al. (1999) Chromosome Res. 7:143-156参照)、arabidopsis thalianaのサテライトDNA(GenBank accession nos. AB033593 and X58104)、ヒヨコマメのペリセントリックDNA(Cicer arietinum L.; 例えば、Staginnus et al. (1999) Plant Mol. Biol. 39:1037-1050参照)、rye B染色体上のサテライトDNA(例えば、Langdon et al. (2000) Genetics 154:869-884参照)、Silene latifolia由来サブテロメアサテライトDNA(例えば、Garrido-Ramos et al. (1999) Genome 42:442-446参照)およびサトウキビ(Saccharum complex)中のサテライトDNA(例えば、Alix et al. (1998) Genome 41:854-864参照)が含まれる。
rDNA標的配列の例には、植物および動物rDNA由来の核酸が含まれる。植物rDNA配列には、限定されるものではないが、GENBANK Accession numbers D16103 (ニンジン(Daucus carota)のrDNA由来)、M23642 および M11585(イネ(Oryza sativa)の24S rRNAをコードするrDNA由来)、M26461(イネ(Oryza sativa)の18S rRNAをコードするrDNA由来)、M16845(イネ(Oryza sativa)の17S, 5.8S および 25S rRNAをコードするrDNA由来)、X82780 および X82781(ジャガイモ(Solanum tuberosum)の5S rRNAをコードするrDNA由来)、AJ131161、AJ131162、AJ131163、AJ131164、AJ131165、AJ131166 および AJ131167(タバコ(Nicotiana tabacum)の5S rRNAをコードするrDNA由来)、L36494 および U31016からU31030(オオムギ(Hordeum spontaneum)の5S rRNAをコードするrDNA由来)、U31004からU31015 および U31031(オオムギ(Hordeum bulbosum)の5S rRNAをコードするrDNA由来)、Z11759(オオムギ(Hordeum vulgare)の5.8S rRNAをコードするrDNA由来)、X16077(Arabidopsis thalianaの18S rRNAをコードするrDNA由来)、M65137(Arabidopsis thalianaの5S rRNAをコードするrDNA由来)、AJ232900(Arabidopsis thalianaの5.8S rRNAをコードするrDNA由来) および X52320 (18S rRNAフラグメントを有する5.8S および 25S rRNAのArabidopsis thaliana遺伝子由来)が含まれる。
植物rDNAの遺伝子間スペーサー領域には、限定されるものではないが、GENBANK Accession numbers S70723 (オオムギ(Hordeum vulgare)の5S rDNA 由来)、AF013103 および X03989 (トウモロコシ(Zea mays)由来)、X65489 (ジャガイモ(Solanum tuberosum)由来)、X52265 (トマト(Lycopersicon esculentum)由来)、AF177418 (Arabidopsis neglecta由来)、AF177421 および AF17422 (Arabidopsis halleri由来)、A71562、X15550、X52631、U43224、X52320、X52636 および X52637 (Arabidopsis thaliana由来; Gruendler et al. (1991) J. Mol. Biol. 221:1209-1222 および Gruendler et al. (1989) Nucleic Acids Res. 17:6395-6396参照)、X54194 (イネ(Oryza sativa)由来)、Y08422 および D76443 (タバコ(Nicotiana tabacum)由来)、AJ243073(コムギ(Triticum boeoticum)由来)およびX07841(コムギ(Triticum aestivum)由来)に含まれる配列が含まれる。植物rDNAの遺伝子間スペーサー領域の配列にはさらに、ライムギ(Appels et al. (1986) Can. J. Genet. Cytol. 28:673-685参照)、コムギ(Barker et al. (1988) J. Mol. Biol. 201:1-17 および Sardana and Flavell (1996) Genome 39:288-292参照)、ラディッシュ (Delcasso-Tremousaygue et al. (1988) Eur. J. Biochem. 172:767-776参照)、Vicia faba および Pisum sativum (Kato et al. (1990) Plant Mol. Biol. 14:983-993参照)、マングビーン(mung bean)(Gerstner et al. (1988) Genome 30:723-733; および Schiebel et al. (1989) Mol. Gen. Genet. 218:302-307参照)、トマト(Schmidt-Puchta et al. (1989) Plant Mol. Biol. 13:251-253参照)、Hordeum bulbosum (Procunier et al. (1990) Plant Mol. Biol. 15:661-663参照)、Lens culinaris Medik.、および他のマメ属(Fernandez et al. (2000) Genome 43:597-603参照) およびタバコ(U.S. Patent Nos. 6,100,092 および 6,096,546 および PCT Application Publication No. WO99/66058; Borysyuk et al. (1997) Plant Mol. Biol. 35:655-660); Borysyuk et al. (2000) Nature Biotechnology 18:1303-1306参照)由来の配列が含まれる。
哺乳類rDNA配列には、限定されるものではないが、GENBANK accession no. X82564 およびその一部のDNA、GENBANK accession no. U13369 およびその一部のDNAおよびPCT Application Publication No. WO97/40183 (特にWO97/40183の配列番号18-24)で提供されるDNA配列が含まれる。異種核酸の染色体rDNA中への組み込みの指示に使用のための特定ベクターは、pTERPUDである(PCT Application Publication No. WO97/40183参照)。サテライトDNA配列はまた、異種DNAに、ペリセントリックヘテロクロマチン中に組み込むように指示するために使用され得る。例えば、マウスおよびヒトサテライトDNAをそれぞれ含むベクター pTEMPUD および pHASPUDは、人工染色体を生ずる新規染色体形成のための異種核酸の細胞中への導入に使用され得るベクターの例である。
3.宿主細胞中への異種核酸の導入方法
宿主細胞中への異種核酸の導入のための本分野に既知の任意の方法は、人工染色体の作成の方法に使用され得る。使用する特定の方法は、異種核酸が移入される細胞の型に依存し得る。例えば、植物細胞、例えばプロトプラストおよび培養中の植物細胞中への核酸の物理的導入のための方法には、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)-仲介DNA取り込み、エレクトロポレーション、脂質仲介送達(リポソームを含む)、カルシウムホスフェート仲介DNA取り込み、マイクロインジェクション、パーティクルボンバードメント、シリコンカーバイドホイスカー仲介形質転換およびこれらの方法の組み合わせ、例えばDNA取り込みのためのリン酸カルシウムおよびPEGの組み合わせを利用する方法またはエレクトロポレーション、PEGおよび熱ショックの組み合わせを利用する方法が含まれる(例えば、U.S. Patent Nos. 5,231,019 および 5,453,367参照)。これらのような物理的方法は、当分野に既知であり、種々の双子葉および単子葉植物中へのDNAの導入に実施される(例えば、Paszkowski et al. (1984) EMBO J. 3:2717-2722; Potrykus et al. (1985) Mol. Gen. Genet. 199:169-177; Reich et al. (1986) Biotechnology 4:1001-1004; Klein et al. (1987) Nature 327:70-73; U.S. Patent No. 6,143,949; Paszkowski et al. (1989) in Cell Culture and Somatic Cell Genetics of Plants, Vol. 6, Molecular Biology of Plant Nuclear Genes, eds. Schell, J and Vasil, L.K. Academic Publishers, San Diego, California, p. 52-68; and Frame et al. (1994) Plant J. 6:941-948参照)。
物理的、機械的または化学的に仲介する工程に基づき植物細胞中に核酸を導入するためのこれらの方法に加えて、Agrobacteriumを利用する方法のような生物学的方法により植物細胞中に核酸を導入することも可能である。この方法では、T-DNAボーダーリピートに隣接して位置する核酸配列は、植物細胞、典型的に双子葉植物細胞のゲノム中に、Agrobacterium属で見られるDNA移入のためのコード化された機能を利用することにより、挿入し得る。この方法はまた、イネ細胞のような幾つかの単子葉植物細胞で働くことがわかった。
植物細胞中に核酸を導入する任意の方法は、当該方法が、当該核酸を、染色体、例えばヘテロクロマチンの増幅可能領域、および特に植物染色体のメガレプリケイター領域に極めて近接する領域中に導入し得るという条件で、人工染色体の作成に使用され得る。
a.植物細胞中への核酸のAgrobacterium-仲介導入
Agrobacterium-仲介形質転換は、形質転換の高い効率およびタバコ、トマト(例えば、European Patent Application no. 0 249 432参照)、ヒマワリ、ワタ(例えば、European Patent Application no. 0 317 511参照)、アブラナ、ジャガイモ、ダイズ、アルファルファおよびポプラ(例えば、U.S. Patent No. 4,795,855参照) (また、Brassica の形質転換に関してはPCT Application Publication no. WO87/07299 参照)を含む多くの異なる種での広範な利用性のため、双子葉の形質転換に特によく適する。Agrobacterium-仲介形質転換はまた、単子葉植物中への核酸の移入に使用される。Chlorophytum capense および Narcissus cv ''Paperwhite'' (例えば、Hooykaas-Van Slogteren et al. (1984) Nature 311:763-764参照)、トウモロコシおよびコムギ(例えば、U.S. Patent Nos. 5,164,310, 5,187,073 および 5,177,010 および Mooney et al. (1991) Plant Cell, Tissue, Organ Culture 25:209-218参照)、イネ(例えば、Raineri et al. (1990) Bio/Technology 8:33-38 and Chan et al. (1993) Plant Mol. Biol. 22:491-506参照) および オオムギ (例えば、Tingay et al. (1997) The Plant J. 11:1369-1376 および Qureshi et al. (1998) Proc. 42nd Conference of Australian Society for Biochemistry and Molecular Biology, September 28-October 1, 1998, Adelaide Australia参照)のAgrobacterium-仲介形質転換が報告されている。
核酸のAgrobacterium-仲介送達は、Ti(腫瘍誘導)プラスミド、すなわち、形質転換DNAまたはT-DNAの一部を、植物細胞中に導入し、このT-DNAを細胞のゲノム中に組み込む特定Agrobacterium株の能力に基づく。移入され組み込まれるTiプラスミドの一部は、特定DNA配列、レフトおよびライトT-DNAボーダー配列により描写される。これらのボーダー配列間の天然T-DNA配列は、外来DNAにより置換され得る(例えば、European Patent Publication 116 718 および Deblaere et al. (1987) Meth. Enzymol. 153:277-293参照)。
Agrobacteriumを形質転換に使用するとき、移入される異種核酸は、典型的に、T-DNAボーダー領域を含むプラスミド中にクローニングされ、そしてTiプラスミド(バイナリーベクターシステムと称せられる)とは独立して複製されるか、または異種核酸は、Tiプラスミド(共組換え法(co-integrate method)と称せられる)のT-DNAボーダー間に挿入される。共組換え法では、これらのベクターは、TiまたはRiプラスミドのT-DNA領域内の配列に相同な配列のために、相同組換えによりTiまたはRiプラスミド中に組み込まれる。TiまたはRiプラスミドはまた、T-DNAの移入に必要なvir領域を含む。
中間体ベクターは、Agrobacteria中では増幅できない。当該中間体ベクターは、ヘルパープラスミドの手段(結合(conjugation)、Fraley et al. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803参照)によりAgrobacterium中に導入され得る。典型的にトリペアレンタルメイティング(triparental mating)と称せられるこの方法は、異種核酸配列を細菌へ導入し、望ましいAgrobacterium遺伝子型を作成する相同組換えイベントの選択を可能とする。当該トリペラレンタルメイティング手順は、典型的に、組換え中間体ベクターを保有するEscherichia coliおよび組換え中間体ベクターを標的Agrobacterium株に移動することができるプラスミドを保有するヘルパーE. coli株を用いる。修飾TiまたはRiプラスミドは、T-DNA領域内に位置する異種核酸配列を含む、移入および選択工程から得られる。得られたAgrobacterium株は、植物細胞に異種核酸を移入させることができる。
バイナリーベクターは、E. coli および Agrobacteriumの両方の中で増幅できる。それらは、典型的に、選択マーカー遺伝子およびライトおよびレフトT-DNAボーダー領域によって隣接されるリンカーまたはポリリンカーを含み、そして直接Agrobacterium中に形質転換され得る(例えば、Hofgen and Wilmitzer (1988) Nuc. Acids. Res. 16:9877 and Holsters et al. (1978) Mol. Gen. Genet. 163:181-187参照)か、またはトリペアレンタルメイティングを介して導入され得る。Agrobacterium宿主細胞は、植物細胞中へのT-DNAの移入の必要なvir領域を保有するプラスミドを含む(例えば、White in Plant Biotechnology, eds. Kung, S. and Arntzen, C.J., Butterworth Publishers, Boston, Mass., (1989) p. 3-34 and Fraley in Plant Biotechnology, eds. Kung, S. and Arntzen, C.J., Butterworth Publishers, Boston, Mass., (1989) p. 395-407参照)。
Agrobacterium-仲介形質転換は、典型的に、目的の異種核酸を保有するバイナリーベクターの、適当なAgrobacterium株への移入を含み、それは、共常在性Tiプラスミドまたは染色体のいずれかにおいて宿主Agrobacterium株により保有するvir遺伝子の相補性に依存し得る(例えば、Uknes et al. (1993) Plant Cell 5:159-169参照)。Agrobacteriumへの組換えバイナリーベクターの移入は、組換えバイナリーベクターを保有するEscherichia coli、および組換えバイナリーベクターを標的Agrobacterium株に移動させ得るプラスミドを保有するヘルパーE. coli株を用いるトリペアレンタルメイティング手順により行われる。他に、組換えバイナリーベクターは、DNA形質転換によりAgrobacteriumに移入され得る(例えば、Hofgen & Willmitzer (1988) Nuc. Acids. Res. 16:9877参照)。
多くのベクターが、Agrobacterium tumefaciens中への核酸の移入に利用可能である(例えば、Rogers et al. (1987) Methods in Enzymol. 153:253-277参照)。これらは、典型的に、少なくとも1つのT-DNAボーダー配列を保有し、pBIN19のようなベクターを含む(例えば、Bevan (1984) Nuc. Acids. Res. 12:8711-8721参照)。Agrobacterium形質転換に適当な典型的なベクターには、バイナリーベクターpCIB200 および pCIB2001、およびバイナリーベクターpCIB10およびそのヒグロマイシン選択誘導体を含む(例えば、U.S. Patent No. 5,639,949参照)。用いられ得る他のベクターは、例えば、pCambia 3300 および pCambia 1302 (GenBank Accession No. AF234298)を含む、pCambiaベクターである(www.cambia.org参照)。
双子葉植物の形質転換に特に有用なTiプラスミドカセットベクターは、β−コングリシニンのαサブユニットをコードするダイズ遺伝子の、促進されたCaMV35Sプロモーター(EN35S)およびポリアデニル化シグナルを含む3'末端を含む。これら2つのエレメントの間には、目的の遺伝子の挿入のためのマルチ制限酵素部位を含むマルチリンカーがある(例えば、U.S. Patent No. 6,023,013参照)。当該ベクターは、E. coli中での複製のオリジンおよびAgrobacterium株ACO中のディスアーム化(disarmed)したT-DNAとの相同組換えのための領域を提供するpBR322のセグメント;広範宿主範囲プラスミドRK1由来のoriV領域;Tn7由来のストレプトマイシン/スペクチノマイシン耐性遺伝子;およびCaMV35Sプロモーターおよび形質転換植物細胞にカナマイシン耐性を提供するノパリンシンターゼ(NOS)3'末端を含むキメラNPTII遺伝子を含み得る。所望により、促進されたCaMV35Sプロモーターは、1.5 kbマンノピンシンターゼ(MAS)プロモーターで置換され得る(例えば、Velton et al. (1984) EMBO J. 3:2723-2730参照)。DNA構成物のベクターへの組み込み後、ディスアーム化したTiプラスミドを含むA. tumefaciens株ACO中へ導入される。共組み込みTiプラスミドベクターが選択され、その後、双子葉植物の形質転換に使用され得る。
組換えAgrobacteriumによる標的植物種の形質転換は、Agrobacteriumと当該植物由来のエクスプラントの共培養を含み、公開されているプロトコールに従う。植物組織の接種の方法は、植物種およびAgrobacterium送達システムにより変わる。当該植物組織は、植物種に応じて、プロトプラスト、カルスまたは器官組織のいずれかであり得る。広く使用されているアプローチは、全植物分化の開始のための良好な源を提供する任意の組織エクスプラントで行われ得るリーフディスク法である(例えば、Horsch et al. in Plant Molecular Biology Manual A5, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht (1988) p. 1-9 and U.S. Patent No. 6,136,320参照)。ナース組織の添加は、特定条件下で望ましくなり得る。Agrobacterium株の複数選択(限定されるものではないが、A. tumefaciens および A. rhizogenesが含まれる)および植物の遺伝性形質転換の最適化に使用し得るプラスミド構成ストラテジーの複数選択がある。バイナリープラスミドとT-DNAボーダーとの間に存在する抗菌性または除草剤耐性マーカーを保有する形質転換組織は、選択培地で再生し得る。
A. tumefaciens ACOは、pTiB6SEに類似するディスアーム化された株である(Fraley et al. (1985) Bio/Technology 3:629-635参照)。ACOの構成の場合、最初のAgrobacterium株は、ノパリン型Tiプラスミドを含むA208であった。Tiプラスミドは、Fraley et al. (1985) Bio/Technology 3:629-635により述べられた方法と同様の方法でディスアーム化され、それによって、実質的に全ての天然T-DNAは、レフトボーダーおよび当該レフトボーダーの内側のT-DNAの数百塩基対を除き除去された。ライトボーダーをちょうど越える点にまで伸びている残りのT-DNAは、pBR322のセグメント、プラスミドRK2由来のoriV領域、およびTn601由来のカナマイシン耐性遺伝子を(レフトからライトへ)含むDNA片と置換された。pBR322 および oriV セグメントは、これらのセグメントに類似し、共組み込み形成のための相同領域を提供する(U.S. Patent No. 6,023,013参照)。Agrobacterium の他の有用な株は、A. tumefaciens 株 GV3101/pMP90 (例えば、Koncz and Schell (1986) Mol. Gen. Genet. 204:383-396参照)である。
Agrobacterium-仲介移入における利点は、より大きなセグメントである核酸を導入し得ることである(例えば、Hamilton (1997) Gene 4:200(1-2):107-116; Hamilton et al. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93:9975-9979; Liu et al. (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96:6535-6540参照)。これらの方法で使用する当該ベクターは、細菌性人工染色体(BACs)およびAgrobacterium-仲介形質転換のためのバイナリーベクターの両方の特性を有するようにデザインされる。そのため、T-DNA領域中にクローニングされたいくらかのより大きなDNAフラグメントは、Agrobacteriumにより植物ゲノム中に移入され得る。バイナリー細菌性人工染色体(BIBAC)ベクターBIBAC2(U.S. Patent No. 5,733,744参照; the Plant Science Center, Cornell Universityより利用可能)および形質転換−コンピテント細菌性人工染色体(TAC)ベクターpYLTAC7(the Plant Cell Bank of the RIKEN Gene Bank, Tsukuba, Japanより利用可能)は、より大きなセグメントである核酸、特に、本明細書で記載のような標的および/または選択マーカー配列を含む異種核酸を、Agrobacterium-仲介DNA移入法を介し植物へ移入するのに使用され得るベクターの型の例である。
Agrobacteriumの使用なしに植物細胞中への異種核酸の導入は、形質転換ベクター中のT-DNA配列の必要性が回避され、それによって、これらの配列を欠くベクターは、T-DNA配列を含むベクターに加えて、利用され得る。Agrobacteriumに依存しない核酸移入のための技術には、パーティクルボンバードメント、直接のDNA取り込み(direct DNA uptake)(例えば、PEG、脂質、エレクトロポレーション)およびマイクロインジェクションまたはシリコン''ホイスカー''のような機械的方法が含まれる。異種核酸の植物細胞中への導入に使用され得るベクターの選択は、形質転換される種の好ましい選択に主として関与し得る。Agrobacteriumなしの形質転換に適当なベクターには、pCIB3064、pSOG19 および pSOG35 (例えば、U.S. Patent No. 5,639,949参照)、または通常のプラスミド、ファージまたはコスミドベクターが含まれ得る。
b.直接のDNA取り込み
植物細胞中への異種核酸の導入は、直接のDNA取り込みを促進する種々の方法を用い行い得、リン酸カルシウム沈殿、ポリエチレングリコール(PEG)処理、エレクトロポレーションおよびそれらの組み合わせが含まれる(例えば、Potrykus et al. (1985) Mol. Gen. Genet. 199:183; Lorz et al. (1985) Mol. Gen. Genet. 199:178; Fromm et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:5824 5828; Uchimiya et al. (1986) Mol. Gen. Genet. 204:204; Callis et al. (1987) Genes Dev. 1:1183-2000; Callis et al. (1987) Nuc. Acids Res. 15:5823-5831; Marcotte et al. (1988) Nature 355:454, Toriyama et al. (1988) Bio/Technology 6:1072-1074; Haim et al. (1985) Mol. Gen. Genet. 199:161-168; Deshayes et al. (1985) EMBO J. 4:2731-2737; Krens et al. (1982) Nature 296:72-74; Crossway et al. (1986) Mol. Gen. Genet. 20:179参照)。
典型的に、植物プロトプラストは、直接のDNA取り込みに使用されるか、またはある場合には、植物組織は処理され、一部または大部分の細胞壁を取り除いた(例えば、PCT Publication No. WO93/21335 および U.S. Patent No. 5,472,869参照)。細胞壁の除去は、植物細胞中へのDNAの導入を促進すると考えられているが、ある場合には、エレクトロポレーションは、最初に細胞壁の除去なしに、特定の植物細胞中へのDNAの導入に、例えば、花粉のエレクトロポレーションに使用され得る。
トウモロコシ由来のカルスおよびプロトプラストの作成、PETまたはエレクトロポレーションを用いるプロトプラストの形質転換、および形質転換プロトプラストからのトウモロコシ植物の再生のための技術は、例えば、European Patent Application nos. 0 292 435 および 0 392 225 および PCT Application Publication no. WO93/07278に見られる。イネの形質転換もまた、プロトプラストを用いる直接の遺伝子移入技術により行われ得る(例えば、Zhang et al. (1988) Plant Cell Rep. 7:379-384; Shimamoto et al. (1989) Nature 338:274-277; Datta et al. (1990) Biotechnology 8:736-740参照)。プロトプラストへの直接のDNA移入により稔性トランスジェニックオオムギの再生は、例えば、Funatsuki et al. [(1995) Theor. Appl. Genet. 91:707-712)に記載されている。タバコおよびシロイズナズナを含む他の植物種はまた、植物細胞中への異種核酸の導入に使用のためのプロトプラストの源としての役割をし得る。
c.植物細胞中への核酸のパーティクルボンバードメント仲介導入
植物細胞のマイクロプロジェクティルボンバードメントは、植物細胞中への核酸の導入のための有効な方法であり得る。これらの方法では、核酸は、小さい、典型的には金属の粒子の表面上で、細胞壁を介し細胞質中へ運ばれる(例えば、Klein et al. (1987) Nature 327:70; Klein et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:8502-8505, Klein et al. in Progress in Plant Cellular and Molecular Biology, eds. Nijkamp, H.J.J., Van der Plas, J.H.W., and Van Aartrijk, J., Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, (1988), p. 56-66; Seki et al. (1999) Mol. Biotechnol. 11:251-255; および McCabe et al. (1988) Bio/Technology 6:923-926参照)。粒子は、核酸で被覆され、推進力により細胞中に送達され得る。典型的な粒子には、タングステン、金またはプラチナおよび硫酸マグネシウム結晶を含むものが含まれる。金属粒子は、細胞の幾つかの層を貫通し得、そのため、組織エクスプラント内の細胞の形質転換が可能である。
加速により、植物細胞、例えば、トウモロコシ細胞中に核酸を送達する方法の実例の実施態様(例えば、U.S. Patent No. 6,023,013参照)では、Biolistics Particle Delivery Systemは、DNAまたは細胞で被覆した粒子を、ステンレススチールまたはNytexスクリーンのようなスクリーンを通して、懸濁液中で培養した植物(例えば、トウモロコシ)細胞で被覆したフィルター表面上に、推進させるのに使用され得る。当該スクリーンは、大きな凝集体中のレシピエント細胞に送達されないように粒子を分配する。プロジェクティル装置と、ボンバードされる細胞との間に介在するスクリーンは、プロジェクティル凝集体の大きさを小さくし得、そして大きすぎるプロジェクティルによりレシピエント細胞に負う損傷を少なくすることにより、より高い頻度の形質転換に寄与し得る。
ボンバードメントの場合、懸濁液中の細胞は、フィルターまたは固体培養培地に濃縮され得る。他に、未成熟の胚または他の標的細胞は、固体培養培地上に配置し得る。ボンバードする細胞は、典型的に、マクロプロジェクティルストッピングプレートの下の適当な距離に位置する。望ましいならば、1つまたはそれより多いスクリーンもまた、加速装置とボンバードする細胞との間に位置し得る。
プレボンバードメント培養条件(prebombardment culturing conditions)およびボンバードメントパラメーターは最適化され、最大数の安定形質転換体を生じ得る。ボンバードメントのための物理的および生物学的パラメーターの両方は、このテクノロジーに重要となり得る。物理的因子には、DNA/ミクロプロジェクティル沈殿(DNA/microprojectile precipitate)を操作することを含むもの、またはマクロ-またはマイクロプロジェクティルのいずれかの飛行および速度に影響するものが含まれる。生物学的因子には、ボンバードメント前およびボンバードメント直後の細胞の操作、ボンバードメントを付随する損傷(trauma)の緩和を助ける標的細胞の浸透調節を含む全てのステップ、およびまた、直鎖状DNAまたは未処理スーパーコイル化プラスミドのような形質転換核酸の性質が含まれる。
調節され得る物理的パラメーターには、ギャップ距離、飛行距離、組織距離およびヘリウム圧が含まれる。加えて、形質転換は、浸透状態、組織水和(tissue hydration)およびサブカルチャー段階またはレシピエント細胞の細胞周期を調節することにより最適化され得る。
粒子ボンバードメントを用いるA188-誘導化トウモロコシ系の形質転換の技術は、Gordon-Kamm et al. [(1990) Plant Cell 2:603-618) および Fromm et al. [(1990) Biotechnology 8:833-839)に記載されている。イネの形質転換はまた、粒子ボンバードメントにより行われ得る(例えば、Christou et al. (1991) Biotechnology 9:957-962参照)。粒子ボンバードメントはまた、コムギの形質転換に使用され得る(例えば、C型長期間再生可能カルスの細胞の形質転換では、Vasil et al. (1992) Biotechnology 10:667-674; および未成熟胚および未成熟胚誘導化カルスの粒子ボンバードメントを用いるコムギの形質転換では、Weeks et al. (1993) Plant Physiol. 102:1077-1084参照)。ボンバードメント法を用いるトランスジェニックオオムギの作成は、例えば、Koprek et al. [(1996) Plant Sci. 119:79-91)により記載されている。
d.植物細胞中への核酸のエレクトロポレーション仲介導入
種々の動物および植物細胞への短時間の高電圧の電気的パルスの適用により、原形質膜にナノメーターサイズの孔が形成される。核酸は、これらの孔を介するか、または当該孔の閉鎖(closure)を伴う膜コンポーネントの再分配の結果として、何れかで細胞の細胞質に直接取り込まれる。エレクトロポレーションは、極度に効率的であり得、そしてクローニング遺伝子の一時的発現、および目的の遺伝子の組み込まれた複製物を保有する細胞系の確立、両方に使用され得る。
ペクチン分解酵素のような特定細胞壁崩壊酵素は、標的レシピエント細胞を、未処理細胞よりも、エレクトロポレーションによる形質転換を可能とするのに用い得る。他に、レシピエント細胞は、機械的損傷による形質転換をより可能とし得る。エレクトロポレーションによる形質転換を行うため、細胞または胚のカルスの懸濁培養物のような、もろい組織が使用され得るか、または未成熟胚または他の組織化した組織を直接形質転換し得る(例えば、Fromm et al. (1986) Nature 319:791-793; および Neuman et al. (1982) EMBO J. 1:841-845参照)。
e.植物細胞中への核酸のマイクロインジェクション−仲介導入
マイクロインジェクション技術では、核酸は、非常に小さなマイクロピペットを用い、細胞中に直接、機械的に注入される。例えば、植物細胞の形質転換のための外来DNAを用いるプロトプラスト細胞のマイクロインジェクションは、オオムギおよびタバコで報告されている(例えば、Holm et al. (2000) Transgenic Res. 9:21-32 および Schnorf et al. Transgenic Res. 1:23-30参照)。
f.植物細胞中への核酸の脂質−仲介導入
脂質−仲介移入では、脂質と接触し、および/または限定されるものではないが、リポソームを含む脂質−含有構造中にカプセル化され、そしてリポソーム含有核酸は、植物プロトプラストと融合する。当該融合は、PEGのようなフソゲン(fusogen)の存在または非存在下で生じ得る。植物プロトプラストの脂質仲介形質転換は報告されている(例えば、Fraley and Papahadjopoulos (1982) Curr. Top. Microbiol. Immunol. 96:171-191; Deshayes et al. (1985) EMBO J. 4:2731-2737 および Spoerlein and Koop (1991) Theor. Appl. Genetics 83:1-5参照)。
g.植物細胞中への核酸の導入の他の方法
植物細胞中への核酸の物理的導入の他の方法が用いられ得、植物細胞壁を貫通しそれにより核酸の取り込みを促進するシリコンカーバイドファイバー(''ホイスカー'')、核酸の取り込みを促進するため植物細胞膜に孔を導入する音波の使用(例えば、ソノポレーション(sonoporation))および核酸の導入を促進する細胞膜中の孔を開けるレーザービームの使用(例えば、レーザーポレーション(laser poration))が含まれる。
核酸はまた、植物組織を水和することにより吸収され得、これにより、植物細胞中への核酸取り込みのための他の方法が提供される(例えば、Simon (1974) New Phytologist 37:377-420参照)。例えば、核酸は、吸収により穀類およびマメ科植物の種子胚中に取り込まれ得る(例えば、Toepfer et al. (1989) The Plant Cell 1:133-139参照)。
4.異種核酸が導入される細胞の処理
異種核酸が導入される細胞は、染色体中への異種核酸の組み込みとの関係で生ずる染色体セグメントの増幅から生じ得るような、本明細書に記載の人工染色体の新規形成に関し分析され得る。典型的に、増幅は、染色体構造中の検出可能な変化を形成する細胞分裂の複数発生において生ずる。そのため、トランスフェクト細胞は、典型的に、細胞中への核酸の導入後の、複数の細胞分裂、約5から約60、または約5から約55、または約10から約55、または約25から約55、または約35から約55細胞分裂により培養される。しかし、人工染色体は、約5から約15のみまたは約10から約15細胞分裂の後に見られ得る。異種核酸が導入され得る細胞が、人工染色体の存在のため、その分析の前またはその間、種々の方法で処理され得る。
例えば、選択試薬の存在下での増殖に必要な選択マーカーをコードする核酸が移入される細胞は、本明細書では、マルチセントリック染色体、およびそのフラグメントの作成、および/または人工染色体の作成を促進する、例示的な細胞として取り扱われ得る。当該細胞は、種々の濃度の選択試薬の下で未トランスフェクト細胞を増殖させること、および細胞増殖の阻止および/または染色体セグメントの増幅の促進に十分な濃度を同定することにより経験的に決定し得る、選択試薬の適当な濃度の存在下で増殖し得る。トランスフェクト細胞は、多くの世代のための選択媒体中で増殖され得、細胞系は、導入された核酸を含むように確立され得る。選択試薬の濃度がまた、数世代に渡って増加され、異種核酸が組み込まれた染色体の領域の増幅が促進され得る。トランスフェクトされた細胞はまた、マルチセントリック、典型的にジセントリック染色体の作成およびフラグメント化を促進するため染色体を不安定化となるように処理され得る。
更なる異種核酸、例えば、選択マーカーをコードする核酸もまた、トランスフェクト細胞中に導入され得、例えば、マルチセントリック染色体から放出されるフラグメント中に含まれるペリセントリックヘテロクロマチン(例えば、先のジセントリック染色体)のような染色体セグメントの増幅、および異種クロマチン人工染色体の作成を促進し得る。次いで、生じる形質転換細胞は、第一の選択試薬を伴うかまたは伴わない第二の試薬であり得る(トランスフェクト細胞中に導入された異種核酸が、オリジナルの宿主細胞中に最初にトランスフェクトした異種核酸によりコードされる任意の選択マーカーとは異なる選択マーカーをコードするならば)、選択試薬の存在下で増殖し得る。
核酸が導入される細胞はまた、細胞ソーティングされ得る。例えば、プロトプラストは、トランスフェクトした植物細胞またはカルスから作成され得、ソーティングされ得る。当該ソーティングが人工染色体の存在のため細胞の染色体分析の前に行われるならば、人工染色体が豊富であり得るトランスフェクト細胞の群を提供し、そのため、その後の細胞の染色体分析を促進する。
当該ソーティングは、細胞中の検出可能マーカーの存在に基づいているが、それは、導入された核酸により提供され、その細胞を、異種核酸を含まない細胞から単離することの根拠を提供し得るためである。例えば、植物細胞中に導入された核酸は、核酸を取り込み、容易に検出されるレベルで核酸を発現するレシピエント細胞の、フローサイトメトリーおよび他の方法による選択に使用し得る、緑色、赤色または青色の蛍光タンパク質のような蛍光タンパク質をコードする核酸を含み得る。
実験的プロトコールでは、トランスフェクト細胞培地のGFP蛍光は、エピフルオレセンス(epifluorescence)イルミネーション(Axiovert 25; Zeiss, (North York ON)および#41017 Endow GFPフィルターセット(Chroma Technologies, Brattleboro, VT)を装着した倒立顕微鏡を用い、培養の間に視覚的にモニターし得る。GFP発現群の増大(enrichment)は、以下のように行い得る。細胞ソーティングは、例えば、ターボ-ソートオプションおよび2 Innova 306レーザー(Coherent, Palo Alto CA)を装着したFACS Vantageフローサイトメーター(Becton Dickinson Immunocytometry Systems, San Jose, CA)を用い行い得る。細胞ソーティングでは、70μmノズルを用い得る。緩衝液をPBSに変更し得る(20 p.s.i.で維持する)。GFPは、488nmレーザービームで励起され、励起は、500 EFLPフィルターを用いFL1で検出した。前面および側面のスキャッタリング(forward and side scattering)は、生細胞を選択するように調節され得る。ゲイティング(gating)パラメーターは、陰性対照として非トランスフェクト細胞および陽性対照としてGFP CHO細胞を用い調節され得る。
最初のラウンドのソーティングでは、トランスフェクト細胞は、トランスフェクション後に収集され(例えば、トランスフェクション後、約7-14日)、プロトプラストに変換され、約10mlの増殖培地中に再懸濁され、上記のパラメーターを用いGFP-発現群についてソートされ得る。GFP-陽性細胞は、約5-10ml体積のプロトプラスト培地中に分配され得るが、非発現細胞は廃棄する。発現細胞は培養され得る。次いで、植物細胞またはカルスは、in-situハイブリダイゼーションスクリーニングで蛍光を分析され得る。
5.形質転換細胞の分析および人工染色体の同定および操作
核酸を導入し、本明細書に記載のようにさらに処理し得るかまたは処理し得ない細胞は、染色体セグメントの増幅の表示、増幅および新規人工染色体形成との関係で生じ得る構造の存在および/または本明細書に記載のような望ましい人工染色体の存在に関し分析され得る。細胞の分析は、典型的に、染色体構造を視覚化する方法を含み、限定されるものではないが、本明細書で記載する技術および/または当業者に既知の技術を用いるG-およびC-バンディング、PCR、サザンブロッティングおよびFISH分析を含む。その分析は、サテライトDNA配列、ヘテロクロマチン、rDNA配列および異種核酸配列のような増幅し得る特定核酸の特異的標識を用い得る。トランスフェクトした細胞の分析の間、例えば、繰り返し単位、染色体構造の増幅により生ずるセグメントの増加により、染色体数の変化および/または特有の様子もまた、人工染色体を含む細胞の同定の助けとなる。
染色体増幅の証明のための細胞の分析で観察され得るイベントおよび構造および/または人工染色体の存在についての以下の記載は、哺乳類および植物の細胞を含む任意の型の細胞の分析において生じ得る観察および研究の例示を目的としている。多くの型の構造は、染色体セグメントの増幅および当該細胞の処理の間に形成され得ると認識される。さらに、また関連する、構造およびこれらの構造の変異は本明細書で意図されており、本明細書で示される人工染色体の作成および同定の記載および教示に基づき認識される。各構造はさらに、例えば本明細書の手順を用い操作され、更なる染色体構造および組成物が得られる。
典型的に、新規セントロメア形成は、細胞中、異種核酸の細胞染色体中への組込みおよび染色体および異種核酸の増幅において生ずる。新規セントロメア形成を生ずる組込みおよび増幅は、典型的に、染色体、典型的にアクロセントリック染色体の短いアームのセントロメリック領域で生ずる。FISHおよびG-およびC-バンディングを得f組む染色体染色方法のような方法を用いることにより、当該プロセスが生ずる染色体を同定することが可能となり得る。
当該増幅は、マルチセントリック、典型的にジセントリック、染色体の形成を生じ得る。同一染色体に2つまたはそれより多い機能的に活性なセントロメアの存在のため、通常の切断はセントロメア間で生ずる。その特異的染色体切断は、ネオ-セントロメアを有する染色体フラグメントを生じ得る。ネオ-セントロメアは、ミニ染色体(ネオ-ミニ染色体)で見られるが、従来のジセントリック染色体は、異種核酸のトレースを保有し得る。
a.ネオ-ミニ染色体
2つの機能性セントロメア間のジセントリック染色体の切断は、少なくとも2つの染色体、例えば、いわゆるミニ染色体および先のジセントリック染色体を形成し得る。例えば、リクローニング、染色体を不安定化する試薬、例えば、BrdUによる処理、および/または選択条件下での培養のようなジセントリック染色体を含む細胞の処理は、ジセントリック染色体の切断を促進し得る。形質転換した細胞の選択は、安定ネオ-ミニ染色体を含む細胞系を生じ得る。内生染色体の残りからネオ-セントロメアを分離する、形質転換細胞中のマルチセントリック、典型的にジセントリック、染色体の切断が、先のジセントリック染色体の切断末端で異種核酸配列のトレースが観察されるかどうか示唆されるため、例えば、G-バンド陽性異種核酸領域中で生じ得る。
複数のE型増幅(真性染色質の増幅)は、ジセントリック染色体のセントロメア間の特定切断を介してジセントリック染色体の残りから分離される、ネオ-染色体を形成し得る。ネオ-セントロメアを生ずるフラグメントの逆位複製(inverted duplication)は安定ネオ-ミニ染色体の形成を生じ得る。ミニ染色体は、一般的に、約少なくとも20-30Mbの大きさである。
逆位(inverted)染色体セグメントの存在は、染色体のセントロメリック領域で新規に形成された染色体と関連し得る。ネオ-ミニ染色体の形成の間、複製化ネオ-セントロメアを生ずる染色体の遠位セグメントの安定化を生ずるイベントは、その逆位複製の形成であり得る。
ネオ-ミニ染色体が、典型的に、1つのみの機能性セントロメアを有するが、そのミニ染色体の両末端は、ヘテロクロマチン(heterochromatic)であり得、in situハイブリダイゼーションにより識別可能である例えばサテライトDNA配列を有する。ネオ-セントロメアを有する染色体フラグメントのG-バンドパターンと、安定ネオ-ミニ染色体のものとの比較は、ネオ-ミニ染色体が、ネオ-セントロメアを生ずる染色体フラグメントの逆位複製であることを示し得る。
異種核酸の複数繰り返しを含む新規形成ミニ染色体を含む細胞は、細胞トランスフェクションでレシピエント細胞として使用され得る。望ましいタンパク質をコードするDNAおよび第二の選択マーカーをコードするDNAを含む異種核酸のようなドナー核酸は、細胞中に導入され、新規形成ミニ染色体中に組み込まれ得る。新規形成ミニ染色体中への組込みを促進するため、異種DNAはまた、相同組換えを介し標的組込みをミニ染色体中に提供し得る、ミニ染色体中に既に存在する核酸に相同な配列を含み得る。核酸はまた、本明細書に記載するような部位特異的組換え部位を含むミニ染色体を作成することにより部位特異的レコンビナーゼの使用を介しミニ染色体中へ組み込まれ得る。組込みは、in situハイブリダイゼーションおよびサザンブロット分析により証明され得る。異種DNAの転写および翻訳は、レポーター遺伝子が、例えば適当な核酸プローブおよび/または産物特異的抗体を使用する異種DNA中に含まれているならば、プライマー伸張、イムノブロット分析およびレポーター遺伝子アッセイにより確認され得る。
異種DNAを含む生じる作成したミニ染色体はまた、例えば細胞融合により、レシピエント細胞系中に移入され、さらに異種DNAの正確な発現が証明され得る。細胞の作成の後、中期染色体が、例えばコルヒチンの添加により得られ得、当該ミニ染色体は、本明細書に記載のような方法を用い精製され得る。生じるミニ染色体は、異種核酸を細胞特に植物細胞中に移入させるための任意の既知の方法または方法群および/または本明細書に記載の方法を用い、目的の特定細胞への送達に使用し得る。
そのため、ネオ-ミニ染色体は、細胞中、および全体、未処理、再生植物中において安定して維持され、自己複製し、非選択培養条件下での遺伝子の持続的長期発現が可能である。それはまた、目的のDNAの相同組換えおよび組込みに標的部位として役割をし得るメガベースの異種既知DNAを含み得る。そのため、ネオ-ミニ染色体は、核酸を細胞に送達し発現するためのベクターである。
ミニ染色体、ネオ-染色体およびヘテロクロマチン人工染色体のような人工染色体を含む細胞系は、これら染色体の通常の源であり、例えば、選択した細胞系との融合のためのミクロセルの作成または細胞融合により操作され得、目的の染色体を、種々の異なる植物種の由来の細胞を含む多様な細胞系に目的の染色体を送達し得る。
b.ヘテロクロマチンおよび卓越ヘテロクロマチン人工染色体
例えば、更なる異種核酸(例えば、第二の選択マーカーをコードするDNAを含む)を導入することにより、ジセントリック染色体の切断において放出されるフラグメントを含む細胞の操作および選択条件下での増殖の操作により、ヘテロクロマチン構造を生じ得る。ソーセージ染色体およびメガ染色体と称せられる組成物がその構造の中に含まれる。例えば、先のジセントリック染色体は、アクロセントリック染色体のような他の染色体の端に転位置し得る。先のジセントリック染色体を含む細胞に加えられる更なる異種核酸は、先のジセントリック染色体のペリセントリックヘテロクロマチン中に組み込まれ得、そして新しく形成されたヘテロクロマチン染色体アームを有する''ソーセージ''染色体を形成する数倍のメガベースのペリセントリックヘテロクロマチンサテライトDNA配列に増幅され得る。このヘテロクロマチンアームの大きさは、例えば、個々の中期での〜150と〜800Mbの間で変わり得る。染色体アームは、サテライトDNA中の4から5のサテライトセグメントリッチ、および一様に間があき組み込まれた異種''外来''DNA配列を含み得る。ソーセージ染色体のコンパクトなヘテロクロマチンアームの端では、殆ど凝縮されていないユークロマチン末端セグメントが観察され得る。ユークロマチン末端セグメントを補足することにより、この新規染色体アームは、''ソーセージ''染色体の形で安定化される。ソーセージ染色体含有細胞系のサブクローニングにおいて、ソーセージ染色体のヘテロクロマチンアームは、不安定となり得、そして特にBrdUによる処理および/または更なるH型増幅を誘導する薬物選択の後、連続的染色体内増加を示す。極度の場合、増幅染色体アームは500Mbまたは1000Mbの大きさ(ギガ染色体)さえ超え得る。そのため、ギガ染色体は、ヘテロクロマチンアームが増幅するが、ユークロマチンアームから破壊されることはない構造である。
例えば、加えた異種核酸のビオチン標識サブフラグメントによるin situハイブリダイゼーションは、ソーセージ染色体のヘテロクロマチンアームにおいてのみハイブリダイゼーションシグナルを示し得、それは、異種核酸配列がペリセントリックヘテロクロマチン中に位置することを示す。
しかし、遺伝子発現は、ソーセージ染色体のヘテロクロマチン環境で可能であり得る。異種遺伝子発現のレベルは、選択マーカー遺伝子のサブフラグメントとのノーザンハイブリダイゼーションにより決定され得る。異種核酸中に含まれるレポーター遺伝子もまた、ソーセージまたは他のヘテロクロマチンまたは卓越ヘテロクロマチン染色体中の遺伝子発現の評価に使用するための容易に検出可能な産物を提供する。レポーター(および選択マーカー)遺伝子を有するソーセージ染色体含有細胞のサブクローンから単離したDNAのサザンハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーションの強度とソーセージ染色体の長さとの間の近い関係を示し得る。
ソーセージ染色体を含む細胞系は操作され、更なるヘテロクロマチン構造および人工染色体を生じ得、それらには、例えばメガ染色体として称せられる人工染色体が含まれる。その操作は、細胞系と他の細胞との融合および1つまたはそれより多い試薬および/またはBrdUの存在下の増大を含む。
ソーセージ染色体のような構造を有する細胞は選択され得、そして他の植物および非植物種(例えば、ヒト細胞とニンジンプロトプラストとの融合の場合にはDudits et al. (1976) Heriditas 82:121-123 および植物プロトプラストと哺乳類細胞とのレーザー誘導性融合の場合、Wiegand et al. (1987) J. Cell. Sci. (Pt. 2):145-149参照)を含む第二の細胞系と融合され得、目的としない他の染色体を排除し得る。このプロセスの間に形成されたソーセージ染色体のような構造は、染色体を不安定とする試薬、例えば、BrdUで細胞を処理することによりさらに操作し得、それによって、ヘテロクロマチンアームは、実質的なヘテロクロマチンである染色体を形成する(例えば、メガ染色体)。ヘテロクロマチンアームは増幅するが、ユークロマチンアームからは破壊されない、ギガ染色体のような構造もまた観察され得る。融合および選択条件での増加および/またはBrdU処理または他のそのような処理のような更なる操作は、メガ染色体のフラグメント化を生じ、ベーシックの繰り返し単位としてアンプリコンを有するより小さい染色体を形成し得る。
ソーセージ染色体を有する細胞を選択するならば、それは、ヘテロクロマチンアームが実質的にはヘテロクロマチンである染色体(例えば、メガ染色体)を形成するような、染色体を不安定化するBrdUのような試薬で処理され得る。それは、BrdUにより細胞の処理前に、オリジナルの宿主細胞の染色体を排除し宿主細胞由来の染色体のみがソーセージ染色体である細胞を得るため、他の種の染色体を有する他の細胞系と融合され得る。生ずるハイブリッド細胞は、ソーセージ染色体を保有するものを選択する複数の選択試薬の存在下、増殖され得る。宿主細胞種および宿主細胞が融合された細胞の種の両方の染色体を検出する染色体ペインティングプローブによるin situハイブリダイゼーションは、ハイブリッド細胞を生ずる染色体の表示を提供し得る。
ソーセージ染色体を含む細胞系は、BrdUのような不安定化試薬により処理され、その後、選択培地中で増殖し、BrdUで再処理され得る。BrdU処理は、ゲノムを不安定化し、さらにソーセージ染色体での変化を生ずると思われる。更なる増幅が生じた細胞群を得る。ソーセージ染色体のヘテロクロマチンアーム(それは、例えば、〜100-150Mbであり得る)に加え、更なるセントロメアおよび他(例えば、〜150-250Mb)のヘテロクロマチン染色体アームが形成され得る。他のユークロマチン末端セグメントの獲得により、新規サブメタセントリック(submetacentric)染色体(例えば、メガ染色体)を形成し得る。
メガ染色体は、選択培地中でのソーセージ染色体含有細胞の再増殖および確立により作成され得る。繰り返しのBrdU処理により、小さなメガ染色体(例えば、約150-200Mb)、トランケートされたメガ染色体(例えば、約90-120Mb)、またはミクロメガ染色体(例えば、約50-90Mb)を有する細胞系が作成され得る。より小さなトランケートされたメガ染色体を含む細胞系は、より小さなメガ染色体、例えば、〜10-30Mbの大きさを作成するために使用され得る。これは、例えば、当該細胞へのX線照射、BrdUまたはテロメアへ向けられたインビボ染色体フラグメント化を介するミクロ-メガ染色体の切断およびフラグメント化により、行われ得る。
ユークロマチン末端セグメントおよび組み込まれた外来核酸に加えて、全メガ染色体および他の関連型の卓越ヘテロクロマチン人工染色体は、重要なヘテロクロマチンである。これは、重要なヘテロクロマチンの陽性染色特性を生ずるメガ染色体のC-バンディングにより説明され得る。それは、サテライトDNAのタンデムアレイを含み得る。特に例えば、サテライトDNAブロックは、各末端に組み込まれた外来性核酸配列を有する大きなパリンドローム(アンプリコン)中に構成される。それはもちろん、各コンポーネントの特定の構成および大きさは、種、およびまた増幅イベントが開始する染色体間で変わり得る。
一般的に、明らかなセグメント化が増幅に基づく染色体の1つまたはそれより多いアームで観察され得る。例えば、メガ染色体は、両端に組み込まれた''外来''DNA配列を有するサテライトDNAを含む例えば〜30Mbのアンプリコンであるビルディングユニットを含み得る。〜30Mbアンプリコンは、〜7.5MbサテライトDNAブロックの、2つの〜15Mbインバーテッドダブレットからなり得、それらは、非サテライト配列の狭帯域により互いに分離されている。アンプリコンボーダーでのより広い非サテライト領域は、組み込まれた外来性(異種)核酸を含み得るが、アンプリコン内の非サテライトDNA配列の任意の狭帯域は、宿主染色体のペリセントリックヘテロクロマチンの組込み部分であり得る。メガ染色体、または他の、増殖に基づく染色体のビルディングユニットの大きさは、人工染色体が生じる宿主染色体の種に依存して変わり得る。
更なるBrdU処理は、細胞および/またはトランケートされたメガ染色体を有する細胞を含むカルスを生じ得る。メガ染色体は、染色体フラグメント化ベクターを用いインビボでさらにフラグメント化され得、最終的に、1つまたは4つのメガレプリコンを含む、より小さな安定な複製可能単位、例えば、約15Mb-60Mbを含む染色体を作成し得る。
ユークロマチン末端セグメントに加えて、全メガ染色体は、ヘテロクロマチンであり、構造的に均一である。そのため、メガ染色体のような人工染色体は、増幅プロセスについての情報を得るため、および異種DNA用のベクターとして、および更なるフラグメント化のための標的として、ペリセントリックな重要なヘテロクロマチンの幾つかのベーシックな特性を分析するため、特有の可能性を提供する。
C.人工染色体の単離
本明細書で提供する人工染色体は、当業者に既知の任意の適当な方法により単離され得る。また、方法は、実質的な精製、特に人工染色体の精製を行うために本明細書で提供される。
人工染色体は、任意の適当な手順を用い内生染色体からソートされ得、典型的には、中期染色体を単離すること、人工染色体を内生染色体から識別すること、および人工染色体を内生染色体から分離することを含む。その手順は、一般的に、動物細胞およびプロトプラストのための以下のベーシックのステップを含む:(1)好ましくは1×10オーダーの人工染色体を生ずる十分な数の細胞(典型的には約2×10有糸分裂細胞)の培養、(2)コルヒチンのような有糸分裂停止(arrest)試薬を用いる、有糸分裂、好ましくは中期の段階の細胞の細胞周期の停止、(3)特に植物細胞の細胞壁分解による細胞の処理および/または破裂(disruption)に対する細胞の感受性を増大する、低張性緩衝液中の細胞の膨張、(4)放出染色体の安定化のための単離緩衝液の存在下で細胞を破裂させるための物理的力の適用(5)遊離染色体の安定化のための単離緩衝液の存在下での染色体の分散、(6)内生染色体からの人工染色体の分離および(7)適当な緩衝液中の単離人工染色体の保存(および望ましいならばシッピング)。例えば、異なる増殖特性および必要条件を有する異なる細胞型を適応させること、および停止試薬で有糸分裂ブロックの持続時間を最適化し、染色体収率およびデブリスのレベルの望ましいバランスを得ることは、経験的に決定され得る(実施例参照)。
ステップ1-5は、中期染色体の単離に関係する。内生染色体から人工の分離(ステップ6)は、種々の方法で行い得る。例えば、染色体は、Hoechst 33258 およびクロモマイシン A3のようなDNA特異的色素で染色され得、蛍光活性化細胞ソーティング(fluorescence-activated cell sorting)(FACS)を用いることにより色素コンテントに基づき人工染色体および内生染色体にソーティングされ得る。
人工染色体は、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)により単離された。この方法は、人工染色体のヌクレオチドベースコンテントの利点がある。卓越ヘテロクロマチン人工染色体の場合、高いヘテロクロマチン性DNAコンテントの利点により、それらは、細胞中の任意の他の染色体とは異なる。特定の実施態様では、中期染色体は、単離され、Hoechst 33258 および クロモマイシン A3のような塩基特異的色素で染色される。蛍光活性化細胞ソーティングは、人工染色体を内生染色体から分離する。2つのレーザーが別々の色素を励起するようにセットされている、二重レーザー細胞ソーター(例えば、FACS Vantage Becton Dickinson Immunocytometry Systemsのような)は、塩基対組成物および大きさにより、染色体の二変数分析(bivariate analysis)を可能とした。その人工染色体を含む細胞は同様にソートされ得る。
95%またはそれよりも高い純度の人工染色体の準備量(5×104-5×107染色体/ml)が得られ得る。生ずる人工染色体は、例えば、マイクロインジェクション、リポソーム-仲介移入、およびエレクトロポレーションのような方法による細胞への送達に使用される。
内生染色体からの人工染色体の単離のための、本明細書で提供される更なる方法は、人工染色体のラージスケール単離に特に十分に適する手順を含む。これらの方法では、人工染色体および内生染色体の間の大きさおよび密度の相違は、これら2つの型の染色体の分離に活用される。人工染色体のよりラージスケールの単離を促進するため、種々の分離技術は、スウィンギングバケット遠心分離(swinging bucket centrifugation)(染色体の大きさおよび密度に基づき分離を行うため)(例えば、Mendelsohn et al. (1968) J. Mol. Biol. 32:101-108参照)、ゾーナルローター遠心分離(zonal rotor centrifugation)(染色体の大きさおよび密度に基づき分離を行うため)(例えば、Burki et al. (1973) Prep. Biochem. 3:157-182; Stubblefield et al. (1978) Biochem. Biophys. Res. Commun. 83:1404-1414参照)、速度沈降(velocity sedimentation)(染色体の大きさおよび形に基づき分離するため)(例えば、Collard et al. (1984) Cytometry 5:9-19参照)のようなものを用い得る。
内生染色体由来のACの分離のための方法に基づく、アフィニティー-特にイムノアフィニティー-方法もまた本明細書で提供される。例えば、卓越なヘテロクロマチンである人工染色体は、内生染色体が相対的に少ないヘテロクロマチンを含むとき、特異的にヘテロクロマチンを認識する抗体および/またはそれに結合するタンパク質を含むイムノアフィニティー法により、内生染色体から分離され得る。
イムノ-アフィニティー精製はまた、より大きなスケールの人工染色体単離法に用い得る。この方法では、人工染色体含有細胞の大きな群(非同期性または有糸分裂的に増大)は、ひとまとめに収集され、有糸分裂染色体(例えば、低張性緩衝液中の新しく単離したプロトプラストのような細胞のインキュベーションによる標準的な手順および/または処置した細胞の物理的破裂との関連する細胞の界面活性剤処理を用い細胞から放出され得る)は、固体状態のマトリクス(例えば、カラム樹脂または磁性ビーズ)に結合する抗体に結合させることにより増加する。この方法での使用に適当な抗体は、凝集したセントロメリックタンパク質または凝集しDNA結合したヒストンタンパク質に結合する。哺乳類セントロメアを認識する、例えば、自己抗体 LU851 (Hadlaczky et al. (1989) Chromosoma 97:282-288参照)は、染色体のラージスケール単離に使用され得、その後、FACSのような方法を用いる内生染色体由来の人工染色体の分離に使用され得る。結合した染色体は、洗浄され、ソーティングのため結局溶出され得る。
イムノアフィニティー精製はまた、内生染色体から人工染色体を直接分離するのに使用され得る。例えば、卓越的にヘテロクロマチンである人工染色体の場合、人工染色体は、ハムスター細胞(例えば、V79 細胞またはCHO-K1 細胞)のような比較的少量のヘテロクロマチンを含む染色体を有する細胞系中に作成されるかまたはその細胞系中に移入され得る(例えば、本明細書に記載のようにマイクロインジェクションまたはマイクロセル融合により)。次いで、卓越ヘテロクロマチン人工染色体は、固体マトリクスに結合した抗ヘテロクロマチン結合タンパク質(Drosophila HP-1)抗体を利用することにより、内生染色体から分離される。そのマトリクスは、好ましくは、ハムスター染色体に関連して人工染色体に結合する。非結合ハムスター染色体は、マトリクスから洗浄され、人工染色体は、標準技術により溶出される。同様に、1つの種の人工染色体、例えば、植物誘導化人工染色体は、他の種、例えば、哺乳類のような動物の内生染色体、2つの種の免疫学的相違に基づく染色体のバックグラウンドから分離され得るが、ただし、1つの種には特異的に認識し、他には認識しない抗体が利用可能であるかまたは作成され得る。
D.コンポーネントエレメントのアセンブリを介する人工染色体の作成
人工染色体は、安定に複製され細胞中の内生染色体と並べて分離され得る完全染色体に寄与する構造および機能性エレメントをアセンブルすることによりインビトロで構成され得る。機能性染色体を組み合わせて生ずる別々のエレメントの同定は、人工染色体のインビトロアセンブリを可能とする。厳密に制御され得る、人工染色多のインビトロアセンブリのプロセスは、例えば、多量の必要のあるかまたはトランスジェニック生体系での特異的使用を目的とする染色体の作成に望ましくなり得る利点を提供する。
例えば、時間およびスケールの効率化が人工染色体の調製における重要な考慮点であるとき、インビトロアセンブリは有利となり得る。インビトロアセンブリ法が大量の細胞培養の方法を含まないため、それらは、新たな細胞に基づく生成システムに使用する細胞の形質転換、フィード(feed)、培養、および細胞の回収に必要な時間および労力が利用可能でないとき、利用され得る。
セントロメア、テロメアおよび複製のオリジンのような本質的コンポーネントを合わせ、人工染色体、特に、植物中で機能し、植物染色体から誘導されたコンポーネントを含み得る人工染色体を生ずることを含むインビトロアセンブリ法を本明細書で提供する。また、当該方法により作成される人工染色体を提供する。当該方法および染色体の好ましい実施態様は、メガレプリケイター(megareplicator)を含む。当該メガレプリケイターは、rDNA、例えば哺乳類または植物rDNAを含み得る。インビトロアセンブル化人工染色体は、任意の量のヘテロクロマチンおよび/またはユークロマチン核酸を含み得る。例えば、インビトロアセンブル人工染色体は、実質的に全てヘテロクロマチンであり得るが、またタンパク質コード化DNAを含むかまたは増加した量のユークロマチンDNAを含み得、それによって、例えば、それは、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または約90%よりも多いユークロマチンDNAを含み得る。
インビトロアセンブルはまた、望ましい人工染色体の幾つかのエレメントのどれが合わされ、どの配列および割合で、それらがアセンブルされ正確な詳述(specification)の染色体を生ずるかという正確な方法に関して厳密に調製され得る。この特徴は、増幅に基づく人工染色体に関し本明細書で記載のようなセグメントの1つまたはそれより多い領域を含む植物人工染色体の作成において特に重要である。本明細書に記載のような増幅に基づく方法を介する特定型の植物人工染色体の作成での使用が望ましくなり得る、例えば、特に植物染色体構造(アクロセントリック染色体および/またはヘテロクロマチンおよびrDNAの隣接領域を含む染色体)は、ある数に制限され得るかまたは存在し得ない。これら特定の型の植物人工染色体、例えば、特定卓越ヘテロクロマチン植物人工染色体はまた、本明細書に記載のような人工染色体のインビトロアセンブルを介して作成され得る。
例えば、卓越ヘテロクロマチンである繰り返し核酸単位の領域を含む植物人工染色体は、本質的染色体コンポーネントおよび繰り返し領域を合わせることによりアセンブルされ得るか、またはインビトロアセンブル化人工染色体内に含まれるヘテロクロマチンDNAの増幅を介するインビトロアセンブル化人工染色体から作成され得る。インビトロアセンブル化人工染色体内に含まれるヘテロクロマチンDNAの増幅を介するその染色体の作成のため、核酸は、インビトロアセンブル化人工染色体を含む細胞中に導入され、生ずる細胞は、卓越ヘテロクロマチンである繰り返し核酸単位の1つまたはそれより多い領域を含む人工染色体を含むように選択される。インビトロアセンブル化人工染色体は、染色体DNA中への核酸の組込みに関し当該染色体の増幅を促進するメガレプリケイターを含むか、またはメガレプリケイター含有DNAは、インビトロアセンブル化人工染色体中に組み込まれる核酸中に含まれるか、いずれかである。
以下に、例示的な出発物質としてメガ染色体をインビトロで使用する人工染色体のアセンブル中に含まれるプロセスを記載する。
1.人工染色体のコンポーネントの同定および単離
本明細書で提供する染色体は、発現系または人工染色体のインビトロアセンブリに使用され得るコンポーネントの同定および単離に使用のためのエレガントに単純な染色体である。本明細書に記載のように非常に高レベルの純度に人工染色体を精製する能力は、これらの目的のための使用を促進する。例えば、メガ染色体、特にトランケートされたその型は、出発物質として役割をする。少なくとも幾つかの哺乳類細胞誘導化コンポーネントを含む人工染色体の構成に関し、可能性ある出発物質は、例えば、H1D3(Accession No. 96040929でEuropean Collection of Animal Cell Culture (ECACC)に寄託されている)から誘導される1B3 および mM2C1のような細胞系から得られ得る。少なくとも幾つかの植物細胞誘導化コンポーネントを含む人工染色体の構成に関し、可能性ある出発物質は、本明細書に記載されるように作成された、PAC、例えば、メガ染色体を含む細胞を含む。
例えば、mM2C1細胞系は、1つのみのセントロメア、隣接rDNA配列と異種DNAと統合された異種DNAの2つの領域を有利に含むミクロ-メガ染色体(〜50-60 kB)を、マウスメジャーサテライトDNAである残りの染色体DNAと共に含む。他のトランケートされたメガ染色体は、テロメアの源としての役割をするか、またはテロメアが提供され得る。mM2C1細胞系のセントロメアは、セントロメリックDNAの単離に有用なタグを提供する、マウスマイナーサテライトDNAを含む。
mM2C1細胞系のミクロ-メガ染色体のような本明細書で提供する特定のAC(それらは、染色体コンポーネントの単離および同定において出発物質としての役割をするのに特徴的に適するようにする)の更なる特徴は、単一特定細胞系内での各メガ染色体のセントロメアが同定されるという事実を含む。異種セントロメア源により始まるその能力(異なるセントロメリック配列を有する異なる染色体の混合物とは対照的に)は、セントロメアDNAのクローニングを非常に促進する。ミクロ-メガ染色体のような、精製したメガ染色体特にトランケートしたメガ染色体を適当な制限エンドヌクレアーゼで消化することおよび当該フラグメントを商業的利用可能で十分既知のYACベクター(例えば、Burke et al. (1987) Science 236:806-812参照)、BACベクター(例えば、Shizuya et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89: 8794-8797 bacterial artificial chromosomes which have a capacity of incorporating 0.9 - 1 Mb of DNA参照)またはPACベクター(300kbのDNAを組み込む能力を有し、そしてバクテリオファージパッケージングによる以外にエレクトロポレーションによりE. coli宿主細胞へ送達されるP1プラスミド誘導体であるP1人工染色体ベクター; 例えば、Ioannou et al. (1994) Nature Genetics 6:84-89; Pierce et al. (1992) Meth. Enzymol. 216:549-574; Pierce et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89:2056-2060; U.S. Patent No. 5,300,431 および International PCT application No. WO 92/14819参照)へクローニングすることにより、わずか50クローンでミクロ-メガ染色体全体を示すことが可能である。
a.セントロメア
人工染色体の構成中での使用のための典型的なセントロメアは、本明細書中に述べるようなメガ染色体内に含まれるものである。提供される特定のメガ染色体-含有細胞系の一例は、例えば、mM2C1細胞のようなH1D3 およびその誘導体である。メガ染色体は、例えば本明細書で記載の手順を用いるその細胞系から単離され、当該セントロメリック配列は、単離メガ染色体から抽出される。例えば、メガ染色体は、例えば、複製および/または異種DNA組込み部位中および/またはサテライトDNA中に主として位置付けられる部位を認識しその部位で切断される選択された制限エンドヌクレアーゼを用い、フラグメント中に分離され得る。生ずるフラグメントの大きさに基づき、特定の望ましいエレメントをセントロメア-含有配列から分離し得る。セントロメア-含有DNAは1Mbの大きさであり得る。
マウスマイナーサテライトDNAに基づくプローブ(例えばWong et al. (1988) Nucl. Acids Res. 16:11645-11661参照)、pCT4.2 プローブ、3.5 kb フラグメントのArabidopsis 5S rDNA(Campbell et al. (1992) Gene 112:225-228)、Arabidopsis cosmids E4.11 (30kb)および E4.6 (33 kb, Bent et al. (1994) Science 265:1856-1860; および 180 bp pAL1 繰り返し配列 (Maluszynska et al. (1991) Plant J. 1:159-166; および Martinez-Zapater et al. (1986) Mol. Gen. Genet. 204:417-423)のようなセントロメア配列を特異的に認識するプローブは、メガ染色体から誘導されるセントロメア-含有YAC、BAC または PAC クローンの単離に使用され得る。他に、またはセントロメア-含有メガ染色体DNAの直接の同定との関係で、マウスメジャーサテライトDNA、植物サテライトDNA、異種DNAおよび/またはrDNAに特異的なプローブのような非-セントロメリックエレメントを特異的に認識するプローブは、非-セントメリックDNA-含有クローンを同定および排除するのに使用され得る。
さらに、本明細書で記載のセントロメアクローニング法は、メガ染色体のセントロメア-含有配列を単離するのに使用され得る。
一旦、セントロメアフラグメントを単離すると、それは配列決定され、そして当該配列情報は、メガ染色体またはセントロメアの他の源からのセントロメア配列のPCR増幅に使用され得る。単離セントロメアはまた、DNAを宿主細胞中へ移入させることによりインビボの機能に関し試験され得る。機能性分析は、例えば、セントロメア-結合タンパク質を結合するセントロメア配列の能力を試験することを含み得る。クローニングしたセントロメアは、選択マーカー遺伝子により細胞に移入され、そして抗-セントロメア抗体(例えば、LU851、Hadlaczky et al. (1986) Exp. Cell Res. 167:1-15参照)のようなセントロメア-特異的タンパク質の結合は、セントロメアの機能の評価に使用され得る。
b.テロメア
人工染色体のアセンブルに使用され得るテロメアは、1 kB 合成テロメア(例えば、PCT Application Publication No. WO 97/40183参照)を含む。二重合成テロメア構成物であって、逆方向に連続する卓越選択マーカー遺伝子に連結する1 kB合成テロメアを含む当該構成物は、容易な操作に使用され得る。その二重構成物は、一連のTTAGGGリピート、マーカー遺伝子の3'および逆配列、すなわち、GGGATTの一連のリピート、マーカー遺伝子の5'、を含み、以下のようなものである:
(GGGATT)n---卓越マーカー遺伝子---(TTAGGG)n。適当に方向付けられたフラグメントのみが選択されるため、逆位マーカーの使用により、平滑末端ライゲーションのような挿入のための容易な手段が提供される。
テロメア配列はまた、記載された配列、植物では、例えば、合計わずか、例えば3-4kbの長さであるモノマーリピートCCCTAAAの頭-尾(head-to-tail)アレイを含むArabidopsis配列を含む。テロメア配列の長さは変化し、そして厳密な長さの必要性を有するとは思われない。クローニングしたテロメアの例は、GenBank accession no. M20158 (Richards および Ausubel (1988) Cell 53:127-136) および U.S. Patent No. 5,270,201に見られる。酵母テロメア配列は、GenBank accession no. S70807 (Louis et al. (1994) Yeast 10:271-274)に提供されるものを含む。さらに、A. thaliana由来のより高等の真核性テロメアを単離するための方法が報告されている(Richards and Ausubel (1988) Cell 53:127-136; および U.S. Patent No. 5,270,201)。
c.メガレプリケイター
本明細書で提供される、rDNAを含むメガレプリケイターのようなものは、インビトロのコンポーネントエレメントのアセンブルにより作成される人工染色体での使用が好ましい。rDNAは複製のオリジンを提供し、また、例えば目的の異種遺伝子のコピーの増加に適応させた、染色体の大きさを増加するインビボの人工染色体の増幅ならびに異種遺伝子の連続的高レベル発現を促進する配列を提供する。
d.フィルターヘテロクロマチン
フィルターヘテロクロマチン、特にサテライトDNAは、人工染色体の構造的完全性および安定性を維持することが含まれ、当該染色体中の遺伝子を保持するための構造的基盤を提供する。サテライトDNAは、典型的に、マウスメジャーサテライトDNAのようなA/T-リッチDNA配列またはハムスター天然サテライトDNAのようなG/C-リッチ DNA配列である。そのDNAの源は、FACSまたは密度勾配によるといったような、配列による容易な分離を促進するのに十分なA/T または G/C 組成物と共に非コーディングサテライトDNAを保有する任意の真核性生物を含む。植物サテライトDNAの例には、限定されるものではないが、ダイズのサテライトDNA(例えば、Morgante et al. (1997) Chromosome Res. 5:363-373; および Vahedian et al. (1995) Plant Mol. Biol. 29:857-862参照)、rye B染色体のサテライトDNA(例えば、Langdon et al. (2000) Genetics 154:869-884参照) およびサトウキビ(Saccharum complex)中のサテライトDNA (例えば、Alix et al. (1998) Genome 41:854-864参照)が含まれる。サテライトDNAはまた、高度にA/T- または G/C-リッチのDNAユニットの単調な、タンデムリピートを含む配列を作成することにより合成され得る。
人工染色体の構成物中での使用のためのフィルターヘテロクロマチンの最も適する量は、例えば、種々の長さのセグメントを含み、大きさの増加、構成過程により経験的に決定され得る。小さすぎて使用には適さないフラグメントは、細胞に基づく発現研究で評価され得る、機能性染色体を提供しないか、または制限された機能性有効期限(limited functional lifetime)の染色体または有糸分裂性および構造的安定性を生ずる。
e.選択マーカー
本明細書に記載の特定の例を含む任意の通常の選択マーカーは使用され、そして発現系の任意の通常の配座で使用され得る。
2.単離染色体エレメントの組み合わせ
一旦、単離エレメントを得ると、それらは、組み合わされ、完全な、機能性人工染色体発現システムを作成し得る。このアセンブリは、例えば、溶液、LMPアガロースまたはミクロビーズの何れかにおけるインビトロでのライゲーションにより行われ得る。当該ライゲーションは、セントロメアの一端がテロメアに直接結合するように、構成される。遺伝子-保有染色体アームとしての役割をするセントロメアの他の端は、サテライトDNAおよびメガレプリケイター配列、例えば、rDNA配列の組み合わせより構成され、また、選択マーカー遺伝子を含み得る。他のテロメアは、遺伝子-保有染色体アームの端に結合される。遺伝子-保有アームは、目的の任意の異種遺伝子、例えば、コード化された望ましいタンパク質の発現において、それによって、染色体のインビトロのアセンブリの間、または時折、その後の何れかにおいて組み込まれる、部位である。
3.人工染色体発現系の分析および試験
インビトロでアセンブルされた人工染色体は、人工染色体、ミニ染色体または当業者に既知のものに関し本明細書で記載の任意の方法を用いる、植物および動物細胞のような細胞系での機能性を試験し得る。
4.インビトロでアセンブルされた染色体中への望ましい異種DNAの導入
異種DNAは、分子生物学の通常の方法を用い、インビトロで合成された染色体中へ導入され得、人工染色体のための本明細書に記載した方法を用い導入され得、またヘテロクロマチンのような1つの合成エレメントの一部としてインビトロアセンブル化染色体中に組み込まれ得る。異種DNAは、選択された繰り返しフラグメントへ連結され得、次いで生ずる構成物を、本明細書で提供されたそのようなインビトロ増幅のための方法を用いインビトロで増幅され得る。
これらのインビトロのアセンブリ法の特定の実施態様では、部位特異的組換え部位は、アセンブリDNA中に含まれるか、または最初のアセンブリ後、植物インビトロアセンブル人工染色体のような、アセンブル化染色体中に追加され得る。インビトロアセンブル化人工染色体中の組換え部位の存在は、異種核酸がまた相補的組換え部位を含むならば、染色体中への異種核酸のレコンビナーゼ-触媒化導入を促進する。その組換えシステムには、限定されるものではないが、Cre/lox (例えば、Dale and Ow (1995) Gene 91:79-85参照)、FLP/FRT (例えば、Nigel et al. (1995) The Plant Journal 8:637-652参照)、R/RS (例えば、Onouchi et al. (1991) Nuc. Acids Res. 19:6373-6378参照)、Gin/gix (例えば、Maeser and Kahman (1991) Mol. Gen. Genet. 230:170-176参照) および int/attが含まれる。染色体中へのatt組換え部位の導入、およびこれとの関係で天然および人工染色体を作成し得るラムダファージインテグラーゼレコンビナーゼの使用は、Perkins et al.によるMay 30, 2001出願の標題''CHROMOSOME-BASED PLATFORMS''のcopending U.S. provisional application Serial No. 60/294,758、Perkins et al.によるMarch 21, 2002出願の標題''CHROMOSOME-BASED PLATFORMS''のU.S. provisional application Serial No. 60/366,891、Perkins et al.によるMay 30, 2002出願の標題''CHROMOSOME-BASED PLATFORMS''のU.S. patent application Serial No. 10/161,403、およびPerkins et al.によるMay 30, 2002出願の標題''CHROMOSOME-BASED PLATFORMS"のPCT International Application No. PCT/US02/17452に記載されており、それらは何れも引用により本明細書にすべて含める。そのため、インビトロアセンブル化人工染色体、特に、att部位のような1つまたはそれより多い組換え部位を含む植物染色体誘導化コンポーネントを含むそのような染色体もまた本明細書で意図されている。
E.rDNAおよびヘテロクロマチンの隣接領域を含む、植物アクロセントリック染色体および植物染色体の生産方法
アクロセントリックヒトおよびマウス染色体であって、短いアームはペリセントリックヘテロクロマチン、rDNAアレイおよびテロメアのみを含むものを、サテライトDNAに基づく人工染色体(SATAC、またACesという)のデノボ形成で使用できる。ここで提供する植物人工染色体を生産する方法のいくつかの実施態様では、異種核酸を、不等長のアーム(例えばアクロセントリック染色体の短いアーム内に)を有する、及び/又はrDNAおよびヘテロクロマチンの隣接領域を含む、植物染色体例えばペリセントリックヘテロクロマチンまたはサテライトDNA内に導入するのが望ましくありうる。そのような方法で特に興味深いのは、ペリセントリックヘテロクロマチンまたはサテライトDNAに隣接してまたは特にrDNAおよびペリセントリックへテロクロマチンの間のユークロマチン性DNAがない染色体の短いアーム上に位置するrDNAを含む植物アクロセントリック染色体である。植物人工染色体の生成における当初組成物としてそのような構造を利用することは、卓越的にヘテロクロマチン性である植物人工染色体の生成を容易化し得る。例えば、異種核酸を、そのようなアクロセントリック植物染色体を含む細胞内へ導入し、その結果核酸が染色体の短いアームのペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはrDNA内に組み込むことは、卓越的にヘテロクロマチン性の植物人工染色体の形成につながるヘテロクロマチンの増幅(可能性として''メガレプリケーター''DNA配列を介して、rDNAアレイに存在し得るような、また核内構成領域(NOR)として知られる)に付随し得る。
天然に存在するアクロセントリック植物染色体は、数で限定せず、そしてヘテロクロマチンおよびrDNAの隣接領域を含む構造を有する植物染色体は、種々の植物種に存在し得ずまたは存在し得ない。ここに提供するのは、アクロセントリック植物染色体およびrDNAおよびヘテロクロマチン、特にペリセントリック及び/またはサテライトヘテロクロマチンの隣接領域を含む植物染色体を生産する方法である。ここにさらに提供するのは、ヘテロクロマチン、例えばペリセントリックヘテロクロマチン及び/またはサテライトDNAおよびrDNAの隣接領域をを、染色体の短いアーム上に含むアクロセントリック植物染色体を生成する方法である。
また、染色体の1または両方のアームの核酸が、約50%より少ない、または約40%より少ない、または約30%より少ない、または約20%より少ない、または約10%より少ない、または約5%より少ないまたは約2%より少ない、または約1%より少ない、または約0.5%より少ないまたは約0.1%より少ないユークロマチンを含む植物アクロセントリック染色体を提供する。これらの染色体のいくつかの実施態様では、短いまたは長いアームのいずれかの1のアームのみの核酸は、これらの特定量より少ないユークロマチンを含む。
ここにさらに提供するのは、ヘテロクロマチン、特にペリセントリックヘテロクロマチンまたはサテライトDNA、およびrDNAであって、2領域間にユークロマチンがほとんどないしまったくないものの隣接領域を含む植物染色体である。そのような植物染色体への言及によって、''ほとんどないしまったくない''は、もしあれば、rDNAおよびヘテロクロマチン(例えばペリセントリックヘテロクロマチン及び/またはサテライトDNA)の間に位置する、ユークロマチン性DNAの量を意味し、一般にユークロマチンとして散在的におよび認識可能に染色せず及び/またはタンパク質コード遺伝子を含まない。こうして、これらの染色体では、ヘテロクロマチン(例えばペリセントリックヘテロクロマチン及び/またはサテライトDNA)およびrDNAの間に、ヘテロクロマチンよりも少なく、実質的にクロマチンのない。ここに提供するrDNAおよびヘテロクロマチン(例えばペリセントリックヘテロクロマチン)の隣接領域を含む植物染色体は、アクロセントリック染色体でありうる。これらの植物染色体の特定の実施態様では、rDNAおよびヘテロクロマチン、特にペリセントリックヘテロクロマチンの隣接領域は、染色体の短いアーム上に含まれる。
植物人工染色体、及び特に、卓越的にヘテロクロマチン植物人工染色体、例えばACes(またSATACsとして言及される)の生成におけるそのような植物染色体を利用する方法をさらに提供する。ここに提供する植物人工染色体を生産する特定の方法では、核酸をアクロセントリックでありおよび/またはrDNAおよびヘテロクロマチン、例えばペリセントリックヘテロクロマチン、例えばペリセントリックヘテロクロマチンの隣接領域を含む細胞内に導入し、細胞を少なくとも1細胞分裂を経由して培養し、そして人工染色体、例えば卓越的にヘテロクロマチン性人工染色体を含む細胞を選択する。これらの方法では、核酸が導入される植物染色体は、rDNAおよびヘテロクロマチンの隣接領域を、短いまたは長いアーム上に、特に短いアーム上に含むアクロセントリック染色体でありうる。
ここに提供する植物染色体は、植物染色体領域間の部位特異的組み換えを使用して生成できる。領域は、同じ染色体または別個の染色体上であり得る。部位特異的組み換えを経由して、植物染色体のセクションを、変更し、配列を除去、逆転及び/または挿入し、その結果望まれる植物染色体をもたらし得る。得られた植物染色体は、アクロセントリックでありおよび/またはヘテロクロマチン性DNAおよびrDNAの隣接領域を含み、それはアクロセントリック染色体の短いアーム上にありまたはないことができる。こうして、これらの方法における開始染色体は、植物染色体であり得、またはrDNAおよびヘテロクロマチン、例えばペリセントリックヘテロクロマチンまたはサテライトDNAの隣接領域を含まない植物アクロセントリック染色体であり得る。もし出発染色体がアクロセントリックであるならば、そのときそれを植物アクロセントリック染色体の生成で使用し、それはヘテロクロマチン性DNA(例えばペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはサテライトDNA)およびrDNAの、特に染色体の短いアーム上の隣接領域を含み、または植物アクロセントリック染色体を生成し、ここに1または両方のアームの核酸が、約50%より少ない、約40%より少ない、約30%より少ない、約20%より少ない、約10%より少ない、約5%より少ない、または約2%より少ない、約1%より少ない、約0.5%より少ない、または約0.1%より少ないユークロマチンを含む。
アクロセントリックであるおよび/またはrDNAおよびヘテロクロマチンの隣接領域を含む植物染色体を生産するためのここに提供する方法のいずれかでは、部位特異的組み換え部位を含む核酸および相補的部位特異的組み換え部位を含む核酸を、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入する。
核酸を、逐次的または同時的に細胞内に導入し得る。核酸はまた、特定の染色体および/または特定の染色体配列にターゲティングし得る。そのようなターゲティングは、染色体の特定配列に相同な核酸配列中に含めることによって達成し得る。
細胞を次いで、レコンビナーゼ活性に暴露する。レコンビナーゼ活性を、活性をコードする核酸の、そこに活性の発現のための細胞内に導入することによって提供でき、または外生源から細胞に付加し得る。レコンビナーゼ活性は、2組み換え部位の配列間での組み換えを触媒するものである。適当な組み換え事象は、アクロセントリックであるおよび/またはrDNAおよびヘテロクロマチンの隣接領域を含む植物染色体を生産し(例えばペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはサテライトDNA)、それはその特定の構造(例えばもし染色体がアクロセントリックであるならば不等長のアーム)、および/または他の特徴、例えば特定の付加配列、例えば特定の配列例えば組み換え部位および選択マーカーをコードするDNAの存在、特定配列、例えば切除ユークロマチンDNAの不存在、および配列の編成、例えばrDNAセグメントの、ペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはサテライトDNAに隣接する配置に基づいて、そこに容易に同定し得る。かかる属性は、核酸および染色体の分析の当業界既知技法、例えばin situハイブリダイゼーションを使用して検出し得る。
ある数の部位特異的組み換えシステムを植物染色体の生産で使用し得、それはアクロセントリックでありおよび/またはヘテロクロマチン、例えばペリセントリックヘテロクロマチンに隣接するrDNAを含み、ここに記載のとおりである。かかるシステムは限定しないが、Cre/lox [参照せよ、例えば、Dale and Ow (1995) Gene 91:79-85]、FLP/FRT [参照せよ、例えば、Nigel et al. (1995) The Plant Journal 8:637-652]、R/RS [参照せよ、例えば、Onouchi et al. (1991) Nuc. Acids Res. 19:6373-6378]、Gin/gix [参照せよ、例えば、Maeser and Kahman (1991) Mol. Gen. Genet. 230:170-176] および int/attを含む。
att組み換え部位の、染色体内への導入は、および天然染色体の改変を許容するそれと結合したラムダファージインテグラーゼレコンビナーゼの使用は、米国仮出願一連番号60/294,758のPerkins et al.による名称 ''CHROMOSOME-BASED PLATFORMS'' 出願日2001年5月30日の米国仮出願一連番号60/366,891のPerkins et al.による名称 ''CHROMOSOME-BASED PLATFORMS''の出願日2002年3月21日の米国特許出願番号10/161,403のPerkins et al.による名称 ''CHROMOSOME-BASED PLATFORMS''の出願日2002年5月30日の代理人整理番号24601-420、およびPCT国際出願番号PCT/US02/17452の、Perkins et al.による名称 ''CHROMOSOME-BASED PLATFORMS'' 出願日2002年5月30日代理人整理番号24601-420PCであって、それぞれ引用により全体をここに含めるものに記載される。これらのシステム、並びに他の既知の技法を、DNAを特異的に切除または逆転し、(例えば染色体内組み換え)またはDNAの領域を交換し(例えば染色体間組み換え)またはDNAを挿入するために(例えば組み換え部位および挿入されるべきDNAの相同配列間の組み換えを経由して)使用することができる。正確な事象は組み換え部位DNA配列の方向によって制御される。
ここに提供するアクロセントリック植物染色体を生産するための方法の特定の実施態様では、部位特異的組み換えのための相補的レコンビナーゼ認識部位を含む核酸を、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入し、ここで部位のいずれかは、細胞内の1の植物染色体のペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはサテライトDNA(特に基部サテライトDNA)内にまたは接近して組み込む。さらなる実施態様では、部位特異的組み換えのための相補的レコンビナーゼ認識部位を含む核酸を、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入し、ここで部位のいずれかを、細胞の植物染色体のアームの遠位末端内に組み込む。これらの実施態様では、部位を認識するレコンビナーゼの存在下部位間の組み換えは、染色体のアームの一部の欠失、染色体アームの遠位部分と、さらなる染色体のより基部の部分の間の相互移入またはペリセントリックヘテロクロマチンおよび/または1染色体アームのサテライトDNAとさらなる染色体アームのより遠位部分の間の相互移入をもたらすことができる。これらの組み換え事象のそれぞれは、染色体アームの長さを減少し、アクロセントリック染色体を生じするために供することができる。
さらなる実施態様では、部位特異的組み換え部位を含む核酸を、植物染色体を含む細胞内に導入し、ここでそれは、細胞のペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはサテライトDNA内に組み込み、そして相補的部位特異的組み換え部位を含む核酸を、細胞内に導入し、ここでそれは細胞のさらなる植物染色体のアームの遠位末端内に組み込む。この実施態様では、部位を認識するレコンビナーゼの存在下の部位間の組み換えは、1の染色体のペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはサテライトDNAとさらなる染色体アームの遠位部分の間の相互移入という結果となることができ、それによってこれら2領域を、1染色体アーム上の基部に接近してもたらし、そしてアームのペリセントリック領域とアームの末端の間のDNAの量を減少させ、アクロセントリック植物染色体を生成する。
アクロセントリック植物染色体を生産するこれらの方法をまた実行し、その結果部位特異的組み換え部位を含む核酸を、植物染色体を含む細胞内に導入し、ここでそれは、細胞の植物染色体のペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはサテライトDNA内にまたは接近して組み込み、そして相補的部位特異的組み換え部位を含む核酸は、細胞内に導入され、ここでそれは同じ染色体の同じアームの遠位末端内に組み込む。この実施態様では、部位を認識するレコンビナーゼの存在下、直接(すなわち同じまたは頭から尾まで)方向で部位間の組み換えは、ペリセントリックヘテロクロマチン(および/またはサテライトDNA)と染色体アームの遠位部分の間の染色体内組み換えの結果となることができ、それによって、これら2領域間のDNAを切除し、そしてそれら間のDNAの量を減少させ、アクロセントリック植物染色体を生成する。
rDNAおよびヘテロクロマチン、例えばペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはサテライトDNAの隣接領域を含む植物染色体を生産するためここに提供する方法の特定の実施態様では、部位特異的組み換えのための相補的レコンビナーゼ組み換え部位を含む核酸を、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入し、ここで部位は、細胞の1の植物染色体のヘテロクロマチン内に組み込む。さらなる実施態様では、部位特異的組み換えのための相補的レコンビナーゼ認識部位を含む核酸を、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入し、ここで部位の1つは、細胞の植物染色体の、rDNAまたは核内向性領域(NOR)組み込む。これらの実施態様では、部位を認識するレコンビナーゼの存在下部位間の組み換えは、ヘテロクロマチン領域、例えばペリセントリックヘテロクロマチン(および/またはサテライトDNA)、およびrDNAの間のDNAの欠失、ヘテロクロマチンまたは植物染色体のrDNAを含むDNAの逆位または1染色体アームのヘテロクロマチンおよび他の染色体のrDNA間の相互移入という結果となりうる。これらの組み換え事象のそれぞれは、染色体DNAを編成するように供することができ、その結果ヘテロクロマチン性DNA、例えばペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはサテライトDNAの領域が、植物染色体上のrDNAの領域に隣接する。
他の実施態様では、部位特異的組み換え部位を含む核酸を、植物染色体を含む細胞内に導入し、ここでそれは細胞の1の植物染色体のヘテロクロマチン、例えばペリセントリックヘテロクロマチン及び/またはサテライトDNA内に組み込み、そして相補的部位特異的組み換え部位を含む核酸を、細胞内に導入し、ここでそれは細胞の他の植物染色体のrDNA内に組み込む。この実施態様では、部位間の組み換えは、1染色体のヘテロクロマチンと他の染色体のrDNAの間の相互移入という結果となることができ、それによってこれらの2領域の、1の植物染色体上で緊密に接近してもたらし、それらの間のでほとんどないしまったくユークロマチンがない。
ヘテロクロマチン性DNAおよびrDNAの隣接領域を含む植物染色体を生産する方法はまた実行し、その結果部位特異的組み換え部位を含む核酸を、植物染色体を含む細胞内に導入し、ここでそれは植物染色体のヘテロクロマチン、例えばペリセントリックヘテロクロマチンおよび/またはサテライトDNA内に組み込み、そして相補的部位特異的組み換え部位を含む核酸を、細胞内に導入し、ここでそれは同じ染色体のrDNA内に組み込む。この実施態様では、部位を認識するレコンビナーゼの存在下直接方向での部位間の組み込みは、ヘテロクロマチン、例えばペリセントリックへテロ尾クロマチン(および/またはサテライトDNA )、およびrDNAの間の染色体内組み換えという結果となり、それによってこれらの2領域間のユークロマチン性DNAを含むDNAを切除する。レコンビナーゼの存在下の間接(すなわち頭から頭へ)方向の部位の組み換えは、部位間のDNAの逆位という結果となり得、それによってrDNAを有する染色体上の、ペリセントリックヘテロクロマチン(および/またはサテライトDNA)とrDNAの間に位置する、DNA例えばユークロマチンを置換する。こうして、得られ得た植物染色体では、rDNAはペリセントリックヘテロクロマチン(および/またはサテライトDNA)に隣接して位置し、そしてペリセントリックヘテロクロマチン(および/またはサテライトDNA)およびrDNAの間に存在するDNAは、rDNAによって以前占有された位置のrDNAに対して遠位に位置する。
ヘテロクロマチン、例えばペリセントリックへテロクロマチン(および/またはサテライトDNA)と、rDNAの隣接領域を含むアクロセントリック植物染色体を生産するための特定の実施態様では、アクロセントリック染色体の短いアームは、互いに隣接するヘテロクロマチンおよびrDNA領域を配置する同じ組み換え事象で、または別個の組み換え事象で生成し得る。例えば、部位特異的組み換え部位を含む核酸を、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入し得、ここでそれは1植物染色体のペリセントリックヘテロクロマチン内に組み込み、そして相補的部位特異的組み換え部位は、細胞内に導入し得、ここでそれは他の植物染色体の遠位部分にまたは同じ染色体の同じアームに位置するrDNA内に組み込む。レコンビナーゼの存在下部位の組み換えは、染色体間または内組み換えという結果となり得、それはペリセントリックヘテロクロマチン(および/またはサテライトDNA)およびrDNAを、1染色体アーム上に緊密に接近してもたらすだけでなく、またそのアームの長さを十分に減少させその結果得られる染色体がアクロセントリックである。
もし単一組み換え事象、例えばこれがアクロセントリック植物染色体を生成しないならば、多重組み換え事象を使用し、ヘテロクロマチン性DNAおよびrDNAの隣接領域を含むアクロセントリック植物染色体を生産し得る。例えば、部位特異的組み換え部位を含む核酸を、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入し得、ここでそれは1の植物染色体のペリセントリックヘテロクロマチン(および/またはサテライトDNA)内に組み込み、そして相補的部位特異的組み換え部位を含む核酸を、細胞内に導入し得、ここでそれは、同じまたは異なる植物染色体のrDNA内に組み込む。前記のように、レコンビナーゼの存在下部位間の組み換えは、DNAの欠失、逆位または相互移入をという結果となり得、染色体DNAを編成し、その結果ペリセントリックヘテロクロマチン(および/またはサテライトDNA)は、植物染色体上のrDNAの領域に隣接する。ヘテロクロマチンおよびrDNAの隣接領域が位置する染色体のアームの長さを減少させるために、追加的組み換え事象を、部位特異的組み換え部位を含む核酸を、この植物染色体を含む細胞内に導入することによって減少させることができ、ここでそれは、rDNAに遠位の染色体の領域内に組み込み、そして相補的部位特異的組み換え部位を含む核酸を、細胞内に導入し、ここでそれは同じ染色体アームまたはもうひとつの植物染色体アームの遠位末端内に組み込む。認識部位間の組み換えは、DNAの欠失または相互移入という結果となり得、rDNAの遠位の染色体アームの長さを減少させ、そして染色体の短いアーム上の、ヘテロクロマチンおよびrDNAの隣接領域を含むアクロセントリック植物染色体を生じる。
アクロセントリックであるおよび/またはヘテロクロマチンおよびrDNAの隣接領域を含む植物染色体を生産するための前記方法のそれぞれにおいて、2またはそれ以上の組み換え部位を含む核酸を、同時または逐次的に、ここに記載または当業界既知核酸移入方法を使用して細胞内に導入し得る。核酸を、植物染色体内にランダムに組み込み得、または核酸の配列および染色体内の配列間の相同的組み換えによって、植物染色体上の特定領域または部位内への組み込みのためターゲティングし得る。レコンビナーゼ活性は、そこでの発現のため細胞内に適当なレコンビナーゼをコードする核酸の導入によって提供し得る。レコンビナーゼをコードする核酸を、組み換え部位をコードする核酸の導入の前、中、または後に細胞内に導入し得る。
移入される核酸を含む細胞の同定を容易化するためおよび/またはここで組み換え事象が起こり、選択マーカーをコードする核酸を細胞内に導入し得る。例えば、組み換え部位を含む核酸の1または両方はまた、核酸の組み込みが染色体のアーム上の2つの直接的に方向付けられた組み換え部位間のマーカーDNAを染色体内に配置するように、方向付けられるプロモーターに作動可能に連結される選択マーカー(例えば抵抗性コードマーカーまたはレポーター分子)をコードするDNAを含みうる。核酸を含む細胞はこうして、選択剤に抵抗性であり、またはレポーター分子を検出可能に発現するだろう。適当なレコンビナーゼに対する細胞の暴露は、2組み換え部位間のDNAを切除する組み換え事象という結果となることができ、それは選択マーカーをコードするDNAを含む。こうして、組み換えは、レポーター分子の喪失または選択剤に対する減少抵抗性として検出し得る。レコンビナーゼに対する暴露後、組み換え部位を含む核酸が移入される細胞を、例えばFISH分析および他の染色体可視化技法を使用して、アクロセントリック植物染色体の存在について分析し得る。
アクロセントリックであるおよび/またはヘテロクロマチンおよびrDNAの隣接領域を含む植物染色体を生産するためのここで提供する他の方法では、組み換え事象または染色体の形成につながる事象は、相補的部位特異的組み換え部位を含む染色体を含むトランスジェニック植物を交雑することによって起こる。こうして、これらの方法の1実施態様では、選択マーカーをコードする核酸に隣接する組み換え部位を含む核酸を、第一植物細胞内に導入し、そして第一トランスジェニック植物を第一植物細胞から生成する。植物細胞で機能性であるプロモーターおよび作動性連結のレコンビナーゼコード領域を含む核酸を、第二トランスジェニック植物が生成する第二植物細胞内に導入する。第一及び第二トランスジェニック植物を、交雑し、選択マーカーをコードする核酸を含む細胞について選択する剤に抵抗性の1または2以上の植物を取得し、そしてアクロセントリックであるおよび/またはヘテロクロマチンおよびrDNAの隣接領域を含む植物染色体を含む細胞を含む抵抗性植物を選択する。
この方法の例では、部位特異的組み換え部位を含む核酸を、Nicotiana tabacumの細胞内に導入する。カナマイシン抵抗性遺伝子 (KanR)を有するAgrobacterium tumefaciensで葉外食体を感染することによって別個に導入する。カナマイシン抵抗性トランスジェニック植物を、感染葉外植体から生成する。あるトランスジェニック植物は、lox部位特異的組み換え配列によって置換されたプロモーターのないハイグロマイシン抵抗性遺伝子をコードする核酸を含み(lox-cre)、他の植物は、lox配列およびcreDANレコンビナーゼコード領域に連結されたカリフラワーモザイク35Sプロモーターを含む(35S-lox-cre)。得られたKanR トランスジェニック植物を交雑する (参照せよ、例えば、protocols of Qin et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91:1706-1710, 1994)。適当なDNA組み換え事象が起こった植物を、ハイグロマイシン抵抗性によって同定する。
KanR 品種は、例えばFISHによって当初にスクリーニングし得、候補トランスジェニック植物の2組を同定する。1組は、任意の染色体の短いアーム上に、ペリセントリックヘテロクロマチン(および/またはサテライトDNA)に隣接する領域中に1構築物を有する。候補植物の第二組は、例えば適当な染色体のNOR領域のようなrDNAに組み込まれた他の構築物を有する。両方の部位の相互移入を取得することは、同じ方向においてあるべきである。したがって一連の交雑を有し得、マーカー抵抗性植物を生成し、そしてFIOSH分析を実施し、''アクロセントリック''植物染色体またはヘテロクロマチンの隣接領域を含む染色体を同定する。前記のように、そのようなアクロセントリック染色体を、デノボ植物人工染色体形成、特に卓越的にヘテロクロマチン性植物人工染色体のために使用し得る。適当な植物系統の選択を、例えばマーカー援助選択を使用して実施し得る。
F.人工染色体内への異種核酸導入の取り込み
異種核酸を、形成中または後に人工染色体内に導入できる。特定の望まれる核酸の、その生成中の人工染色体内への取り込みは、人工染色体の増幅及び形成を開始するための細胞の形質転換における、選択マーカーをコードする核酸および人工染色体生成で使用される任意の他の核酸(例えば染色体のペリセントリック領域に異種核酸をターゲティングするターゲティング配列)と望まれる核酸を含むことによって達成し得る。
代替的に、異種核酸を、人工染色体を含む細胞の、異種核酸でのトランスフェクションによるその形成に次いで、人工染色体取り込ませうる。一般に、かかる核酸の、人工染色体内への導入は、部位特異的組み込みによって確認し、例えば人工染色体に移入するときに、異種核酸とにおいて人工染色体内に含まれるDNAに相同または同一である核酸を含むことによって達成し得る。追加的選択マーカー遺伝子を、また包含し得る。
追加的に、核酸特にDNA分子の、人工染色体への導入は、ここに記載のような部位特異的レコンビナーゼの使用によって達成できる(参照せよ、また共係属米国仮出願一連番号 60/294,758のPerkins et al.による名称 ''CHROMOSOME-BASED PLATFORMS'' 出願日2001年5月30日米国仮出願一連番号60/366,891のPerkins et al.による名称''CHROMOSOME-BASED PLATFORMS'' 出願日2002年3月21日 米国特許出願番号10/161,403の、Perkins et al.による名称 ''CHROMOSOME-BASED PLATFORMS'' 出願日2002年5月30日の代理人整理番号 24601-420、およびPCT国出願番号PCT/US02/17452、Perkins et al.による名称 ''CHROMOSOME-BASED PLATFORMS'' 出願日2002年5月30日、代理人整理番号24601-420PC;であって、それぞれ引用によりここに全体を含める)。人工染色体を、レコンビナーゼ認識配列を含むように生産でき、同じもの内へのDNA分子の部位特異的導入を可能とする。導入されるレコンビナーゼ部位のための別の方法は、レコンビナーゼ介在遺伝子挿入の使用によって、新しい形質の部位特異的取り込みのための領域を提供することである。
G.人工染色体の植物細胞内への導入及び人工染色体を含む植物の回収
人工染色体を、当業者になじみのある種々の方法によって植物細胞内に導入できる。これらの方法は、外来DNAの導入のための化学的および物理的方法、並びに1細胞から別細胞へ染色体を移入する細胞培養方法を含む。
人工染色体の任意の型を使用できる。植物人工染色体(PAC)を、ここに記載のインビボおよびインビトロ方法によって調製できる。PACを、植物プロトプラスト内に調製でき、次いで他の植物種および組織、特に、他の植物プロトプラストに、ここに記載のPEGの存在または不存在下の融合によって移入できる (Draper et al. (1982) Plant Cell Physiol. 23:451-458; Krens et al. (1982) Nature 72-74)。PACを、それらが調製されたプロとプロストから単離でき、リポソーム内にカプセル化し、そして他の植物プロトプラストに送達し得る(Deshayes et al. (1985) EMBO J. 4:2731-2737)。代替的に、PACを単離し、植物プロトプラスト、植物細胞または他の植物標的に、PEG介在プロセス、燐酸カルシウム介在プロセス、エレクトロポレーション、ミクロインジェクション(パーティクルボンバードメント)、超音波処理のあるまたはない脂質介在方法、超音波処理単独、またはここに記載の当業界既知方法によって直接的に送達できる (Haim et al. (1985) Mol. Gen. Genet. 199:161-168; Fromm et al. (1986) Nature 319:791-793; Fromm et al. (1985) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 82:5824-5828; Klein et al. (1987) Nature 327:70; Klein et al. (1988) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 85:8502-8505; および 国際PCT出願公開番号 WO 91/00358)。植物人工染色体はまた、プロトプラスト誘導性植物マイクロセルの調製、そして植物人工染色体を含むミクロセルを、他の植物種の植物細胞と融合によって、他の植物種に移入できる。
哺乳動物人工染色体(MAC)を、植物細胞に移入できる。哺乳動物人工染色体を、米国特許番号 6,025,155 および 6,077,697、および国際PCT出願番号WO97/40183に記載のインビボおよびインビトロ方法によって調製する。MACを、ミクロセルとして調製し得、そしてミクロセルを、PEGの存在下または不存在下で植物プロトプラストと融合できる (Dudits et al. (1976) Hereditas 82:121-123; Wiegland et al. (1987) J. Cell. Sci. Pt. 2 145-149)。代替的に、MACを単離し、そして植物細胞、プロトプラスト及び他の植物標的に直接的に、PEG仲介プロセス、燐酸カルシウム介在プロセス、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、超音波処理のあるまたはない脂質介在方法、超音波処理単独、または米国特許番号 6,025,155 および 6,077,697、および国際PCT出願公開番号 WO 97/40183に記載の任意の他の当業者既知方法によって送達し得る。
PACまたはMACを植物標的に導入し、植物標的を成長させ、トランスフェクションについて分析後、植物形質転換植物標的を、根、シュート、プラントレットまたは植物内へ成長の可能な任意の構造内へ標準条件を使用して発達させることができる。
よって、人工染色体の導入のための方法は、種々の源からの人工染色体を含む植物細胞及び全植物体の生産の第一工程を示す。
それらが安定的に発現され、世代から世代に伝達可能であるような、植物内へ遺伝子を導入する能力は、革命的植物生物学を有し、そして商業的に有用な産物の生産のためのグリーンファクトリーとして並びにここに記載の他の応用のためとして植物を使用するための新しい可能性を開く。安定形質転換植物を生成するためのいくつかのアプローチがあり、そして採用アプローチは、プロジェクトの目的によって異なる。植物に人工染色体を導入するため、種々の方法を使用し得る。トランスジェニック植物、形質転換プロセスは、植物宿主細胞への外来DNA送達の方法、形質転換植物宿主細胞の成長及び分析、および形質転換植物宿主細胞からトランスジェニック植物の生成及び再生に関係する。
1. 植物宿主細胞内への人工染色体の導入
トランスジェニック植物を生産及び開発するための多くの方法が、当業者に利用可能である。使用される方法は基本的に、植物の種の機能である。異種DNA、例えばここに記載の方法によって調製された人工染色体を含む人工染色体は、限定しないが、例えば、非ベクター介在DNA移入プロセス(参照せよ、また共係属米国出願一連番号09/815,979であってそれは植物細胞との使用のために適合させることができ、植物プロとプロストと使用できる送達のための方法を記載する)によって植物細胞およびプロトプラストを含む植物宿主細胞内に導入できる。
非ベクター介在、または直接的遺伝子移入システムは、異種DNA、特に人工染色体の、限定しないが植物細胞及びプロトプラスト内への導入であって、生物学的ベクターを使用しないものに関係する。これらの植物宿主細胞内へ導入される人工染色体は、形質転換再生可能トランスジェニック植物の開発につながることができる。トランスジェニック植物のための直接遺伝子移入システムは、植物細胞の細胞壁および原形質膜によって引き起こされるDNA取り込みの障壁を克服するため設計される。直接遺伝子移入のためのアプローチは限定しないが、化学的、電気的、および物理的方法を含み、また人工染色体の移入を最適化するために適合できる (参照せよ、例えば、Uchimiya et al. (1989) J. of Biotech. 12: 1-20 for a review of such procedures、また、例えば、米国特許番号 5,436,392; 5,489,520; Potrykus et al. (1985) Mol. Gen. Genet. 199:183; Lorz et al. (1985) Mol. Gen. Genet. 199:178; Fromm et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:5824-5828; Uchimiya et al. (1986) Mol. Gen. Genet. 204:204; Callis et al. (1987) Genes Dev. 1:1183-2000; Callis et al. (1987) Nuc. Acids Res. 15:5823-5831; Marcotte et al. (1988) Nature 355:454 および Toriyama et al. (1988) Bio/Technology 6:1072-1074参照)。
a. 化学的方法
人工染色体の、植物細胞、たとえばプロトプラスト内への取り込みは、ポリエチレングリコール(PEG)の不存在または存在下で達成でき、それはフソゲン(fusogen)であり、または当業者に既知のそのような方法の任意の変形によるものである[参照せよ、例えば、米国特許番号 4,684,611のSchilperoot et al.; Paskowski et al. (1984) EMBO J. 3:2717-2722; 米国特許番号 5,231,019 および5,453,367]。1アプローチでは、植物プロトプラストを、外来DNA特に人工染色体の溶液、および高細胞生存および高効率染色体取り込みを可能とする濃度のPEGとインキュベートする。プロトプラストを次いで洗浄し、培養する[Datta and Datta (1999) Meth. in Molecular Biol. 111:335-348]。代替的アプローチでは、植物プロトプラストを、直接的人工染色体取り込みのための燐酸カルシウムの存在下人工染色体とインキュベートする (Haim et al. (1985) Mol. Gen. Genet.199:161-168)。代替的に、人工染色体、特に植物人工染色体(PAC)を、次いで植物宿主プロトプラストへのPACを移入するためPEGの存在または不存在下別の植物プロトプラストと融合される、植物プロトプラストにおいて形成する。PEGおよび外来DNAでプロトプラスト処理するためのかかる方法は、当業界周知である (Draper et al. (1982) Plant Cell Physiol. 23:451-458; Krens et al. (1982) Nature 72-74)。
別の化学的直接的遺伝子移入方法は、植物プロトプラストへの人工染色体の脂質介在送達に関係する。このプロセスでは、外来DNA、特に人工染色体を、植物宿主プロトプラストに移入するため、カプセル化人工染色体、を有するリポソームを、フソゲンとしてのPEGの存在下または単独でプロトプラストと融合を可能とする (Deshayes et al. (1985) EMBO J. 4:2731-2737; Fraley and Paphadjopoulos (1982) Curr Top Microbiol Immunol 96:171-191)。
他の直接遺伝子移入方法は、ミクロセルの使用に関係する。染色体を、人工染色体を含むミクロセルを調製し、次いで、ミクロセルを植物プロトプラストと融合することによってトランスフェクトできる。調製および他の細胞とのミクロセルとの融合の方法は当業界周知である (例えば実施例4およびまた例えば、米国特許番号 5,240,840の実施例4番; 4,806,476;5,298,429; 5,396,767; Fournier (1981) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 78:6349-6353; and Lambert et al. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88:5907-59; Dudits et al. (1976) Hereditas 82:121-123; Wiegland et al. (1987) J. Cell. Sci. Pt. 2 145-149参照)。
b.電気的方法
ナノモルサイズ、可逆性孔を創出する、子プロトプラストまたは植物細胞および外来DNA、特に人工染色体を含む溶液への高電圧電気パルスに関係するエレクトロポレーションは、植物細胞またはプロトプラストへDNAを導入する共通方法である。外生DNAを、例えば螺旋形、環状またはスーパーコイルDNA、リポソームにカプセル化された人工染色体、スフェロプラスト中のDNA、他の植物プロトプラスト中の人工染色体、塩と複合された人工染色体および他の方法のような任意の形態のプロトプラストに付加し得る。外来DNA、特に人工染色体はまた、表現型的マーカーを含み、首尾よく形質転換された植物細胞を同定できる。
植物細胞またはプロトプラストを、短電気的DC(直流)パルスの対象とするとき、それらは原形質膜および/または細胞壁の親水性分子たとえば核酸への透過性の増加を経験し得、それは通常、植物細胞に直接的に移入できないものである。核酸を、これらの孔を経由し、または孔の閉鎖を伴う膜構成要素の再分配の結果として細胞サイトソル内に直接的に取り込む。ある種の細胞壁分解酵素、例えばペクチン分解酵素を、植物標的レシピエント細胞を、未処理細胞よりもエレクトロポレーションによってDNAまたは人工染色体取り込みにより感受性とするため使用し得る。植物レシピエント細胞はまた、機械的傷によって形質転換により感受性であり得る。エレクトロポレーションによる形質転換を実施するために、もろい組織例えば細胞または胚性カルスの懸濁培養を使用し得、または未熟胚または他の構成された組織を、直接的に形質転換し得る (参照せよ、例えば、Fromm et al. (1986) Nature 319:791-793)。エレクトロポレーションを実施するための方法は当業界周知である(参照せよ、例えば、米国特許番号 4,784,737; 4,970,154; 5,304,486; 5,501,967; 5,501,662; 5,019,034; 5,503,999; 参照せよ、また Fromm et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:5824-5828; Zimmerman et al. (1981) Biophys Biochem Acta 641:160-165; Neuman et al. (1982) EMBO J. 1:841-845; Riggs et al. (1986) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 83:5602-5606; Lurquin (1997) Mol. Biotechnol. 7:5-35; Bates (1999) Methods in Molecular Biology 111:359-366)。エレクトロポレーションを使用し、核酸をタバコメソフィル細胞(Morikawa et al. (1986) Gene 41:121-124; イネの葉基(Dekeyser et al. (1990) Plant Cell 2:591-602;未熟トウモロコシ胚 (Songstad et al. (1993) Plant Cell Tiss. Orgn. Cult. 40:1-15; マセレート化未熟トウモロコシ胚(D'Halluin et al. (1992) Plant Cell 4:1495-1505;懸濁培養トウモロコシ胚 (Laursen et al. (1994) Plant Mol. Biol. 24: 51-61; およびサトウキビ (Arencibia et al. (1995) Plant Cell Rep. 14:305-309)に導入できる。
人工染色体を、エレクトロポレーションの使用によって植物細胞、特に植物種子におよび人工染色体を含む花粉を誘導する花粉に送達し得る。花粉内に人工染色体を送達するための方使用される方法は、例えば、米国特許番号 5,049,500 および Negrutiu et al. による[ Biotechnology and Ecology of Pollen, Mulcahy et al. eds., (1986) Springer Verlag, N.Y., pp. 65-69中]および Fromm et al. [(1986) Nature 319:791; including methods for introducing DNA into mature pollen using various procedures such as heat shock, PEG and electroporation]に記載される技法を含む。花粉は、発芽および卵細胞を受精し得、人工染色体を含む植物種子の形成につながる。
c. 物理学的方法
外来DNA特に人工染色体を、植物細胞内に導入するための物理学的方法アプローチは、DNA移動の細胞壁障壁を克服する。物理学的、または機械的に手段を使用し、プロトプラストまたは植物細胞内へ直接にトランスジーンを導入するため使用し、限定しないがマイクロインジェクション、パーティクルボンバードメント、およびソノポレーションを含む。
(1)マイクロインジェクション
マイクロインジェクションは、異種DNA、特に人工染色体の、培養細胞およびインタクト植物生物および組織培養の胚を含み、非常に小さいマイクロピペット、ニードルまたはシリンジによる (Neuhaus et al. (1987)Theor. Appl Genet. 75:30-36; Reich et al. (1986) Can. J. Bot. 64:1255-1258; Crossway et al. (1986) BioTechniques 4:320-334; Crossway et al. (1986) Mol. Gen. Genet. 20:179; 米国特許番号 4,743,548;シリコンカーバイドウィスカー (Kaeppler et al. (1990) Plant Cell Rep. 9:415-418; Frame et al. (1994)。 例えば、植物細胞の形質転換のための外来DNAでのプロトプラスト細胞のマイクロインジェクションは、オオムギおよびタバコについて報告された (参照せよ、例えば、Holm et al. (2000) Transgenic Res. 9:21-32 and Schnorf et al. Transgenic Res. 1:23-30)。単一人工染色体を、マイクロインジェクションニードル内に前負荷し得、それから細胞内にインジェクトし (''ピック-アンド−インジェクト'')次いでCo et al.によって記載されるような手法 [(2000) Chromosome Res. 8:183-191]が続く。
(2)パーティクルボンバードメント
マイクロプロジェクタイルボンバードメント(DNAを含む小高密度粒子の、パーティクルガン装置による高速への加速であり、これは粒子を植物細胞壁および膜粒子を貫通させる)をまた使用し、異種DNAを、植物細胞内に導入した。植物細胞内への核酸の導入のためのマイクロプロジェクタイルボンバードメント技法は、植物細胞、特に単子葉植物を再生可能に安定に形質転換する効果的手段であることに加えて、プロトプラストの単離またはアグロバクテリウム感染へ宿主細胞の感受性を要しない。これらの方法では、核酸を細胞壁を経由して小、典型的には金属粒子の表面上でサイトプラスム内に運ぶ(参照せよ、例えば、Klein et al. (1987) Nature 327:70; Klein et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:8502-8505, Klein et al. in Progress in Plant Cellular and Molecular Biology, eds. Nijkamp, H.J.J., Van der Plas, J.H.W., and Van Aartrijk, J., Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, (1988), p. 56-66 and McCabe et al. (1988) Bio/Technology 6:923-926; Sautter et al. (1991) Biol. Technol. 9:1080-1085; Gordon-Kamm et al. (1990) Plant Cell 2:603-618; Finer et al. (1999) Curr. Top. Microbiol. Immunol. 240:59-80; Vasil and Vasil (1999) Methods in Molecular Biology 111:349-358; Seki et al. (1999) Mo. Biotechnol. 11:251-255)。粒子は、核酸で被覆し得、そして推進力によって細胞内に送達し得る。例示的粒子は、タングステン、金または白金、並びに、硫酸マグネシウム結晶を含むものを含む。金属粒子は、細胞のいくつかの層を経由して貫通でき、こうして組織外植体内の細胞の形質転換を可能とする。
外来核酸を、植物細胞、例えばトウモロコシ細胞内に、加速によって送達するための方法の例示的実施態様では (参照せよ、例えば、米国特許番号 6,023,013) Biolistics Particle Delivery System を使用し、DNAまたは細胞で被覆された粒子を、スクリーン例えばステンレススチールまたはNytexスクリーンを経由し、懸濁培養された植物(例えばトウモロコシ)細胞で覆われたフィルター表面上に加速による。スクリーンは粒子を分散させ、その結果それらは大凝集のレシピエント細胞に送達されない。プロジェクタイル装置とボンバードされるべき細胞の間の介入スクリーンは、プロジェクタイル凝集のサイズを減少させ、そして、大きすぎるプロジェクタイルによるレシピエント細胞上に負わせる損傷を減少させることによって形質転換のより高度の頻度に貢献し得る。
ボンバードメントのために、懸濁の細胞を、フィルターまたは個体培養培地上に濃縮し得る。代替的に、未熟胚または他の植物標的細胞を、固体培養培地上配列し得る。ボンバードされるべき細胞を、典型的に、マイクロプロジェクタイルストッピングプレートの下に適当な距離で配置する。もし望まれれば1または2以上のスクリーンをまた、加速装置とボンバードされるべき細胞の間に配置し得る。
プレボンバードメント培養条件及びボンバードメントパラメーターを、最適化し、安定な形質転換体の最大数をもたらし得る。ボンバードメントの物理学的および生物学的パラメーターの両方は、この技法において重要である。物理学的ファクターは、DNA/ マイクロプロジェクタイルプレシピテートを操作することに関係するものまたはマクロまたはミクロプロジェクタイルのいずれかの飛行及び速度に影響するものを含む。生物学的ファクターは、ボンバードメントの前および直後の細胞の操作、非ボンバードメントに付随するトラウマを緩和するのを助けるための標的細胞の浸透圧調節、およびまた核酸、例えば線形化DNA、インタクトスーパーコイルプラスミドまたは人工染色体を形質転換する性質に関係するすべての工程を含む。
調節し得る物理学的パラメーターは、ギャップ距離、飛行距離、組織距離およびヘリウム圧力を含む。加えて、形質転換は、浸透圧状態、組織水和および継代段階またレシピエント細胞の細胞周期を調節することによって最適化し得る。バリスチックパーティクル加速装置は、Agracetus, Inc. (Madison, WI) and BioRad (Hercules, CA)から入手可能である。
A188-誘導性トウモロコシ系統の、パーティクルボンバードメントを使用する形質転換のための技法は、Gordon-Kamm et al. (1990) Plant Cell 2:603-618 and Fromm et al. (1990) Biotechnology 8:833-839に記載される。イネの形質転換はまた、パーティクルボンバードメントによって達成し得る (参照せよ、例えば、Christou et al. (1991) Biotechnology 9:957-962)。パーティクルボンバードメントをまた使用し小麦を形質転換し得る(参照せよ、例えば、Vasil et al. (1992) Biotechnology 10:667-674 for transformation of cells of type C long-term regenerable callus; and Weeks et al. (1993) Plant Physiol. 102:1077-1084 for transformation of wheat using particle bombardment of immature embryos and immature embryo-derived callus)。ボンバードメント方法を使用するトランスジェニックオオムギの生産は、例えばKoprek et al. (1996) Plant Sci. 119:79-91.によって記載される。
(3) ソノポレーション
外来DNA、特に人工染色体を、超音波処理、特に温和な超音波処理 (10-100kHz)を使用して植物プロトプラスト内に導入し、DNA取り込みのための孔を創出し得(参照せよ、例えば 国際PCT出願公開番号 WO 91/00358) またはソノポレーションマシーンによって植物プロトプラスト内に導入し得る (ImaRx Pharmaceutical Corp., Tucson, AZ)。
代替的に、植物宿主細胞内への人工染色体の送達は、ここに記載の任意の方法または当業界周知方法によって実施する。例えば、ニードル様-ウィスカー( whiskers) (US 5,302,523, 1994, US 5,464,765) を使用し、外来DNAを送達し得る。
外来DNA、特に人工染色体を移入する好適な植物標的は、限定しないが、プロトプラスト、細胞培養細胞、植物組織中の細胞、メリステム細胞、マイクロスポア、カルス、花粉、花粉管、マイクロスポア、卵細胞、胚のう、発達の種々の段階の接合子または胚、種子、実生、根、茎、葉、前植物体、藻類、または植物の増殖及び再生の可能な任意の植物部分を含む。 (参照せよ、例えば、米国特許番号5,990,390; 6,037,526およびお5,990,390)。ここに記載の形質転換植物標的の成長を、組織培養、または非組織培養方法で実施でき、組織培養方法が好ましい方法である。
外来DNA、特に人工染色体を導入し、そして形質転換細胞から再生されるすべての植物細胞を発現される目的のために直接的に使用し(例えば 除草剤抵抗性、昆虫/害虫抵抗性、病害抵抗性、環境/ストレス抵抗性、栄養利用性、卓越不稔、改善栄養含量化学または生物物質の生産、非タンパク質発現配列およびライブラリーの調製及びスクリーニング)ここに記載のとおりでありまたは使用しここに記載の応用及び使用のため形質転換全植物体を生産する。植物宿主内に人工染色体の導入のための特定のプロトコル及び手段を適合または洗練し、特定植物種または品種を追求する。
染色体を、マイクロセル介在染色体移入 (MMCT) (Telenius et al., Chromosome Research 7:3-7, 1999; Ramulu et al., Methods in Molecular Biology 111: 227-242, 1999)によって細胞に移入し得る、一般に、ドナー植物培養物またはドナー哺乳動物細胞培養物を、DNA合成を阻害する(例えばヒドロキシウレア、アプヒジコリン)試薬で懸濁した培地および/または紡錘体への染色体の付着を阻害する試薬(例えばコルセミド、コルヒチン、アミプロフォスメチル、クレマート)と懸濁した培地でインキュベートする。植物細胞の細胞壁は、酵素(例えばセルラーゼ、マセロエンザイム)で消化し、プロトプラストを生産する。ドナー植物プロトプラストまたはドナー哺乳動物細胞を、サイトカラシンーB(それは細胞の細胞骨格がモノマータンパク質サブユニットに脱重合化するのを引き起こす)の存在下Precoll勾配上に負荷し、そして105 x gで遠心分離する。遠心分離中に、メタファーゼ染色体を、植物''ミクロプロトプラスト''または哺乳動物''ミクロセル''を形成する原形質膜を経由して押し出す。ミクロプロトプラスト/ミクロセルを、減少孔サイズ(8-3μm)のナイロンシーブを経由してろ過し、卓越的に1メタファーゼ染色体を含むより小さい物を単離する。マイクロプロトプラスト/マイクロセルを、ポリエチレングリコール(PEG)処理によってレシピエント植物プロトプラストまたは哺乳動物細胞に融合する。融合混合物を、適当な培地中で培養する。もし所望の染色体が、選択マーカー遺伝子を発現するならば、融合混合物を、適当な選択薬物(例えばハイグルマイシン、カナマイシン)で懸濁した適当な培地中で培養し得る。
2.形質転換植物宿主細胞の成長
組織培養方法において、ここに記載の化学、物理、電気的方法によって形質転換した植物細胞またはプロトプラストを選択条件下で成長、または培養する。選択マーカーを、植物宿主へのその導入前に異種DNA特に人工染色体内に組み込み、または形質転換後に植物宿主内に組み込む。追加的マーカーを二重選択のために使用できる。一般に、植物細胞またはプロトプラストを多くの世代にわたり成長させ、その後形質転換細胞を同定する。
形質転換細胞を、カルス開始のため当業界既知条件の対象とする。開始期間中発達する組織を、再生または選択培地において配置し、ここにシュートおよび根発達が起こる。プラントレットを、形質転換の決定のため分析する(国際PCT出願公開番号 WO 00/60061)。トウモロコシ、胚カルス培養を、未熟トウモロコシ胚から開始し、遺伝子でボンバードし、そして国際PCT出願公開番号 WO 00/60061に記載の方法によってプラントレット内に形質転換する。組織培養方法では、イネカルスを昆虫抵抗性のための殺虫タンパク質CryIA(b) および CryIA(c)をコードするDNAで形質転換する。共通組織培養方法をまた使用し、タバコ及びトマト(参照せよ、例えば、米国特許番号 6,136,320)、胚発生性トウモロコシカルス (米国特許番号 5,508,468; 5,538,877; 5,538,880; 5,780,708; 6,013,863; 5,554,798; 5,990,390;および5,484,956;)および他の作物種、例えば、ジャガイモ、およびタバコ (Sijmons et al. (1990) Bio/Technol 8:217-221; Tobaco(Vanderkerckhove et al. (1989) Bio/Technol 7:929-932 and Owen and Pen eds. Transgenic Plants: A Production System for Industrial and Pharmaceutical Proteins, John Wiley & Sons, Chichester, 1996)およびイネ (Zhu et al. (1994) Plant Cell Tiss Org Cult 36:197-204)を形質転換し得る。
3.形質転換植物宿主細胞の分析
ひとたび外来DNA、特に人工染色体を、植物宿主内に導入し、そして細胞またはプロトプラストを成長し、そしてここに記載の条件下で発達させ、人工染色体で形質転換された植物細胞またはプロトプラストを同定する。植物細胞、プロトプラスト、カルス、リーフディスク、または他の植物標的を、限定しないがレポーター遺伝子の発現のアッセイ、単離植物染色体またはDNAのPCR、電子顕微鏡、目視方法、およびここに記載のプローブをペイントする染色体のin situハイブリダイゼーションを含む当業界周知の種々の方法によって人工染色体の存在についてスクリーニングする。さらに、人工染色体で処理した細胞を、有糸分裂アレスト剤、例えばコルヒチンを使用して中期中に単離し、そして人工染色体を、蛍光活性化細胞ソーチング、サイズおよび密度相違によって、または任意の当業界周知方法によって外生染色体から区別する。代替的に、選択マーカー遺伝子を、人工染色体とまたは一部として伝達するとき、選択剤を使用し、選択マーカーの発現を検出する(国際PCT出願公開番号 WO 00/60061; 米国特許番号 6,136,320; Owen and Pen Eds. Transgenic Plants: A Production System for Industrial and Pharmaceutical Proteins)。酵素的アッセイ、免疫的アッセイ、バイオアッセイ、発芽アッセイ、または化学的アッセイを使用し、人工染色体の表現型効果、例えば昆虫または真菌抵抗性または人工染色体の遺伝子の任意の他の発現を評価する (Cheng et al. (1998) 95:2767-2772; 米国特許番号 6,126,320; 国際PCT出願公開番号 WO 00/60061; Owen and Pen eds. Transgenic Plants: A Production System for Industrial and Pharmaceutical Proteins, John Wiley & Sons, Chichester, 1996)。植物細胞、プロトプラストまたは他の植物宿主であって、それは人工染色体で首尾よく形質転換されたものを直接的に使用し、所望の遺伝子を発現させ、または使用し、トランスジェニック植物を生成する。
蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)により、人工染色体に特異的なDNAプローブを使用して(例えば、マウスサテライトDNAに基づく人工染色体についてマウスマジャー サテライト DNA プローブ;またはそのような遺伝子を有する植物人工染色体についてのカナマイシン、ハイグロマイシンまたは GUS遺伝子DNAプローブ)植物細胞内への人工染色体の移入についてスクリーニングし得る。植物細胞についての標準的FISH技法は記載された (de Jong et al., Trends in Plant Science 4: 258-263, 1999)。
IdU標識化を使用し、単離人工染色体の染色体移入(マイクロセル)についての最適条件を決定できる。取り込みIdUは、染色体のもろさを増加させ、そして細胞突然変異の確立を増加する。ゆえに、細胞をトランスフェクション/融合48時間以内に固定化し、そして種々の手法を使用して染色体取り込みについて分析する。ひとたび最適移入条件を決定すると、長期間発現実験を非標識人工染色体またはマイクロセルで実施する。
H. トランスジェニック植物の再生
人工染色体を含む植物植物を、外来DNA、特に人工染色体が導入された植物細胞、プロトプラスト、カルスまたは他の植物組織標的から生成する。多くの商業的重要植物種について再生技法は当業界周知である。トランスジェニック植物を生産するための植物宿主内に挿入される人工染色体はPACまたはMACである。
植物を、形質転換根、プラントレット、種子、実生および再生の可能な前植物体に成長可能な構造のプランチングによって再生する(参照せよ、例えば、米国特許番号 6,136,320 and 国際PCT出願番号 WO 00/60061)。形質転換プロトプラストからのトウモロコシ植物の再生は、例えば欧州特許出願番号 0 292 435および 0 392 225 および 国際PCT出願公開番号 WO 93/07278に;遺伝子移入後のイネの再生はZhang et al. (1988) Plant Cell Rep. 7:379-384; Shimamoto et al. (1989) Nature 338:274-277; Datta et al. (1990) Biotechnology 8:736-740に見いだされ;プロトプラストへの直接DNA移入による不稔トランスジェニックオオムギの再生はFunatsuki et al. (1995) Theor. Appl. Genet. 91:707-712に記載される。代替的に、人工染色体を含む植物を、人工染色体を含む植物を別の植物と交雑することによって取得し、それらのゲノムに人工染色体を有する植物を生産する( 例えば 米国特許番号 6,150,585)。
人工染色体を含む植物を、播種、挿し木、または利用的に増殖する。人工染色体を含む植物からの種子を、ほ場、ポット、インドア、アウトドア、グリーンハウス、またはガラス上または任意の好適な培地上で成長させ、そして得られた性的に成熟トランスジェニック植物を自殖させ真の育種植物を生成する。これらのトランスジェニック植物からの後代は、真の育種系統となる(International PCT application publication Nos. WO 00/60061 および EP 1017268; 米国特許番号 5,631,152; 5,955,362; 6,015,940; 6,013,523; 6,096,546; 6,037,527; 6,153,812; Weissbach and Weissbach (1988) Methods for Plant Molecular Biology, Academic Press, Inc.; Fromm et al. (1990) Bio/Technology 8:833-839; Gordon-Kamm et al. (1990) Plant Cell 2:603-608; Koziel et al. (1993) Bio/Technology 11:194-200; および Golovkin et al. (1993) Plant Sci. 90:41-52)。
1. PAC
植物人工染色体(PACs)を、ここに記載のインビボおよびインビトロ方法によって調製する。PACを、植物プロトプラスト内で調製し、それから特に他の植物プロトプラストにおける植物標的に、ここに記載のPEGの存在または存在下で移入させうる (Draper et al. (1982) Plant Cell Physiol. 23:451-458; Krens et al. (1982) Nature 72-74)。PACを、それらが調製されたプロトプラストから単離し、リポソーム内にカプセル化し、そして他の植物プロトプラストに送達する (Deshayes et al. (1985) EMBO J. 4:2731-2737)。代替的に、PACを単離し、植物プロトプラスト、植物細胞または他の植物標的に、PEG介在プロセス、燐酸カルシウム介在プロセス、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、ソノポレーション、またはここに記載の任意の当業者既知方法によって直接的に送達する(Haim et al. (1985) Mol. Gen. Genet. 199:161-168; Fromm et al. (1986) Nature 319:791-793; Fromm et al. (1985) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 82:5824-5828; Klein et al. (1987) Nature 327:70; Klein et al. (1988) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 85:8502-8505; および 国際PCT出願公開番号 WO 91/00358)。
2. MACs
哺乳動物人工染色体 (MACs)を、米国特許番号 6,025,155 および 6,077,697, および 国際PCT出願番号 WO 97/40183に記載のインビボおよびインビトロ方法によって調製する。MACを、マイクロセルとして調製し、そしてマイクロセルを、PEGの存在または存在下で植物プロトプラストと融合する (Dudits et al. (1976) Hereditas 82:121-123; Wiegland et al. (1987) J. Cell. Sci. Pt. 2 145-149)。代替的に、MACを単離し、直接的に植物細胞、プロトプラスト、及び他の植物標的に、PEG介在プロセス、燐酸カルシウム介在プロセス、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、ソノポレーション、またはここに記載および米国特許番号 6,025,155 および 6,077,697, および 国際PCT出願公開番号 WO 97/40183に記載の任意の他の当業界既知方法によって送達する。
PACまたはMAC後に、植物標的内に導入し、植物標的を成長及び、トランスフェクションについて分析し、形質転換植物標的を、標準条件を使用して根、シュート、プラントレット、または植物に成長可能な任意の構造に発達させる。次に、トランスジェニック植物を、形質転換根、プラントレット、種子、実生、および植物に成長可能な任意の構造をプランチングすることによって生成し得る。トランスジェニック植物を、例えば播種、挿し木または栄養生殖によって増殖できる。
I. 人工染色体の応用および使用
人工染色体は、簡便および有用なベクター及びいくつかの場合には宿主内に異種遺伝子の導入のためのベクターのみにおいて提供する。有益に任意の所望の遺伝子は、人工染色体を経由して宿主内への導入に感受性である。
ここに記載のように、植物細胞内にコード配列を導入するため人工染色体を使用するための多くの方法がある。これらは、商業的に有益な酵素および治療的化合物を植物細胞でコード化する遺伝子を発現するため人工染色体を使用する方法、農業的に重要な形質または大きい領域のDNAの操作に関連する応用の導入を含む。
ここに提供する人工染色体を、特に、かかる産物の生産のための宿主細胞として植物細胞を使用して、タンパク質および遺伝子産物生産の方法において、および医学および産業のため重要な化合物の生物製造を最適化するため、人工染色体が信頼できる、安定なおよび効率的手段を提供する細胞生産システムにおいて使用し得る。これらはまた、遺伝子治療の方法において使用のためおよびトランスジェニック生物特に植物の生産のため意図する(前、後および実施例に議論)。
1.植物での産物の生産
植物細胞での異種タンパク質の発現のための方法 (''molecular farming'')を提供する。現在では、多くの外来タンパク質を、前植物体または選択された植物器官で発現した。植物は、組み換え体タンパク質を生産するための高度に効率的及び経済的手段を供することができ、それらを適度なコストで大規模に成長できるとおりである。植物で異種タンパク質を生産することは、強い構成的植物プロモーターへ融合される遺伝子を含んだ(例えば、カリフラワーモザイクウイルスからの35S (Sijmons et al., 1990, Bio/Technology, 8:217-221, Benfey and Chua, US 5,110,732, Fraley et al., US 5,858,742, McPherson and Kay, US 5,359,142); 種子特異的プロモーター (Hall et al., US 5,504,200, Knauf et al., US 5,530,194, Thomas et al., US 5,905,186, Moloney, US 5,792,922, US 5,948,682) または他の植物器官例えば果実で活性のプロモーター (Radke et al., 1988, Theoret. Appl. Genet., 75:685-694, Bestwick et al., US 5,783,394, Houck and Pear, US 4,943,674) または貯蔵器官例えば塊茎 (Rocha-Sosa et al., US 5,436,393, US 5,723,757)。これらのプロモーターの制御下の遺伝子は、任意のタンパク質であり得、例えばレセプター、サイトカイニン、酵素、プロテアーゼ、ホルモン、成長ファクター、抗体、主要抑制遺伝子、ワクチン、治療産物および多重遺伝子経路をコードする遺伝子を含む。
例えば、生産できる産業酵素は、例えば、α-アミラーゼ、グルカナーゼ、フィターゼ、およびキシラナーゼ(参照せよ、Goddijn and Pen (1995) Trends Biotechnol. 13:379-387; Pen et al. (1992) Bio/Technology 10:292-296; Horvath et al. (2000) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 97:1914-1919; および例えば、Herbers and Sonnewald (1996)Transgenic Plants: A Production System for Industrial and Pharmaceutical Proteins'' Owen and Pen Eds., John Wiley & Sons, West Sussex, England中)、プロテアーゼ例えばサブチリシン及び他の産業重要酵素を含む。作物でmolecular farmingによって生産できる追加的タンパク質は他の産業酵素、例えばプロテアーゼ、カーボヒドラーゼ修飾酵素、例えばグルコースオキシダーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、マンナンアーゼ、またはペクチナーゼ(例えば Baszczynski et al., US 5,824,870, US 5,767,379, Bruce et al., US 5,804,694)を含む。追加的にパルプおよび紙産業で特に有益な酵素例えばリグナーゼまたはキシラナーゼ、の生産はまた、発現できる (Austin-Philips et al., US 5,981,835)。酵素の他の例は、フォスファターゼ、オキシドレダクターゼおよびフィターゼを含む (van Ooijen et al., US 5,714,474)。
追加的に、植物でのワクチン (Arntzen and Lam, US 6,136,320, US, 5,914,123, Curtiss and Cardineau, US 5,679,880, US 5,679,880, US 5,654,184, Lam and Arntzen, US 5,612,487, US 6,034,298, Rymerson et al., WO9937784A1、並びに抗体 (Conrad et al., WO 972900A1, Hein et al., US 5,959,177, Hiatt and Hein, US 5,202,422, US 5,639,947, Hiatt et al., US 6,046,037)、ペプチドホルモン (Vandekerckhove, J.S., US 5,487,991, Brandle et al., WO9967401A2)、血液因子および類似治療分子の発現および送達は提唱された。可食植物でのワクチンの発現は、薬物送達のための手段を提供でき、それはコストエフェクティブで特に田舎でまたは開発下国での治療剤の投与のため好適である。治療剤を含む植物材料は、栽培し、そして食物に取り込みうる (Lam, D.M., and Arntzen, C.J., US 5,484,719)。 同様に、動物飼料のため使用する植物を改変し、動物病気に対する保護を提供できる獣医学的ビオロジックを発現できる(Rymerson et al., WO9937784A1)。抗体をまた植物で生産し、ハプテンオキサゾロンを認識する、抗原結合一本鎖Fvタンパク質 (scFv) (Fiedler and Conrad (1995) Bio/Technology 13:1090-1093)および IgG (Ma et al. (1995) Science 268:716-719)をコードする遺伝子融合を含む。治療および診断応用のためのモノクローナル抗体は特に興味深い。
植物で発現できるヒト生物医薬の例は、限定しないがアルブミン(Sijmons et al. (1990))、エンケファリン(enkephalins) (Vandekerckhove et al. (1989) )、インターフェロン-α (Zhu et al. (1994) and GM-CSF (Ganz et al. (1996) in Transgenic Plants: A Production System for Industrial and Pharmaceutical Proteins, Owen and Pen Eds., John Wiley & Sons, West Sussex, England, pp. 281-297; and Sardana et al. (1998) in Methods in Biotechnology, Vol. 3: Recombinant Proteins from Plants: Production and Isolation of Clinically Useful Compounds, Cunningham and Porter, Eds., Humana Press, New Jersey; pp. 77-87)を含む。
ここに提供する人工染色体を含む細胞は、有利には、タンパク質例えば生物化学経路またはマルチバレントワクチンに関係する多重タンパク質生産のためのインビトロ植物細胞に基づくシステムで使用し得る。タンパク質をコードする遺伝子を、人工染色体内に導入し、次いでそれを植物細胞内に導入する。この目的のため有用な植物細胞は、培養、でよく成長させるものであり、またはもっとも好ましくは、全植物体に再生可能な植物細胞である。植物を次いで、共通方法によって培養でき、当該異種タンパク質を含む植物材料を生産できる。異種タンパク質を、生成の対象とでき、またはその植物組織またはエキストラクトを直接的に、ワクチンか、疾患の緩和、または材料の加工、例えばパルプおよび紙加工のブリーチング、または産業材料またはフードストックの酵素的変換中のため使用できる。
代替的に、所望の異種遺伝子を、生産細胞株または植物系統であって、人工染色体に遺伝子をターゲティングする態様で人工染色体をすでに含むものに移入する。細胞または植物を、ここに異種タンパク質が発現される条件下で成長させる。タンパク質が、安定永続ゲノム外染色体系で高レベルで発現されるから、選択条件は要求されない。
人工染色体に基づくタンパク質生産システムでの使用のための宿主系統の選択は、当業界技術の範囲内であり、しかししばしば生産されるべき異種タンパク質の特性、宿主細胞のタンパク質の潜在的毒性、タンパク質の翻訳後修飾のための任意の要件 (例えば、グリコシル化、アミノ化、ホルホリル化)細胞で利用可能な転写因子、異種遺伝子の発現を駆動するため使用されるプロモーターエレメントの型を含む種々のファクター、生産が完全に細胞内であるか、または異種タンパク質が好ましくは細胞から分泌されるか、または隔離または局在化され、細胞での酵素加工の型に依存する。
人工染色体を、植物細胞中の特異的分子の生産のためのプラットフォームとして改変できる。例えば、哺乳動物分子の複合体、例えば多重鎖抗体の生産は、植物種で通常は見出されないタンパク質活性のある数を要する。これらの活性を実施するために必要である遺伝子を、人工染色体内に導入することによって正確に修飾及び加工された、ヒト抗体を生産するため必要である哺乳動物活性のすべてを含む人工染色体を生産することが可能である。当該遺伝子は、例えば、植物プロモーターの制御下にそれぞれの遺伝子を配置することによって、または植物プロモーターの制御下の、マスターコントロール遺伝子、すなわち種々の遺伝子の発現を制御する遺伝子を配置することによって、修飾する。代替的に、哺乳動物転写制御因子を、植物活性プロモーターの制御下で、導入し得、植物細胞で発現し、そして当該標的タンパク質、例えば多重鎖抗体の発現を引き起こす。
この様式では、植物人工染色体を開発し、それぞれは有益産物の特異的クラス、例えば抗体、血液凝固因子等の効率生産を支持することが可能である。こうして、あるクラス内の産物、例えばヒト抗体の生産は、ヒト抗体の生産のため特異的に改変される人工染色体内に修飾なく、特異的抗体コード配列の導入に単純に関係する。人工染色体は、ヒト抗体の妥当な発現、翻訳、および翻訳後修飾のための要求される遺伝的活性のすべてを含む。そのような人工染色体を、例えば限定しないが多くの具体的ヒト抗体の大規模生産を含む種々の応用で使用し得る。
組み換え体タンパク質の生産での宿主細胞株としての植物細胞の有利性は、限定しないが以下のものを含む: (1)タンパク質を哺乳動物システムに類似して翻訳後修飾する (2)植物を、容易に収集できる、胚乳タンパク質体と呼ばれる種子の安定、感想、細胞内区画内にタンパク質を分泌するのを指示できる (3) 生産できる組み換え体産物の量は、産業規模レベルに接近する、および (4)潜在的病原体/毒素での汚染のための健康リスクを最小化する。
異種タンパク質生産のための人工染色体に基づくシステムは多くの有利な特徴を有する。例えば。前記のように、異種DNAが独立的、ゲノム外人工染色体に位置するから(宿主細胞ゲノムの未知領域にランダムに挿入されるまたは一過性発現のみを提供する染色体外エレメントとして位置するのに対して)、それは安定的に活性転写単位で維持され、そして細胞分裂中の組み換えまたは排除を経由して放出の対象とならない。よって、宿主細胞の選択遺伝子を含むことは必要ではなく、こうして選択条件下の成長はまた必要ではない。さらに、人工染色体は大セグメントのDNAを取り込むことができるから、多重コピーの異種遺伝子および連結プロモーターエレメントを、これらの染色体に保持でき、それによって、外来タンパク質の高レベル発現を提供する。代替的に、遺伝子の多重コピーを、単一プロモーターエレメントに連結でき、そしていくつかの種々の遺伝子を、例えば完全代謝経路を構成するすべてのキータンパク質の発現のための単一プロモーターに融合ポリジーンコンプレックスにおいて連結できる(参照せよ、例えば、Beck von Bodman et al. (1995) Biotechnology 13:587-591)。代替的に、単一遺伝子の多重コピーを、単一プロモーターに作動可能に連結でき、またはそれぞれまたは1またはいくつかのコピーを、異なるプロモーターまたは同じプロモーターの異なるコピーに連結できる。追加的に、人工染色体は、外来遺伝子の組み込みおよび発現のためのほとんど非限定的能力を有するから、それらを所望の末端産物をコードする遺伝子の発現のためだけでなく、宿主細胞の最適維持および代謝的作動と連関する遺伝子、例えば成長因子をコードする遺伝子、並びに望まれる異種タンパク質産物の正確な形態の急速合成を促進する遺伝子、例えば前記のような加工酵素および転写因子をコードする遺伝子の発現のため使用し得る。
人工染色体は、任意のタンパク質またはペプチドであって、それらの生物学的圧制のインビボ翻訳後修飾を要するものを含むものの発現に好適である。そのようなタンパク質は限定しないが、抗体フラグメント、完全長抗体、およびマルチマー抗体、腫瘍抑制タンパク質、天然存在または人工抗体及び酵素、熱ショックタンパク質、及びその他を含む。
こうして、かかる細胞に基づく''タンパク質工場(protein factories)''は、人工染色体を使用し、適当なプロモーターとタンパク質コード遺伝子のの多重コピー(理論的に非限定数または少なくとも得られる人工染色体が約ゲノム染色体(すなわち内生)のサイズまでであるような数)または単一プロモーターすなわち融合された遺伝子複合体(例えば植物発現系の完全代謝経路; 参照せよ、例えば、Beck von Bodman (1995) Biotechnology 13:587-591)によって駆動される多重遺伝子と構築される。ひとたびそのような人工染色体が構築されると、それはほ場条件下または意図された産物の回収を可能とする条件下増殖が可能な好適な植物種に移入できる。植物細胞培養、例えばアガーを哺乳動物細胞培養系と同様のシステムで使用できる。植物に基づくシステム、例えばこれの有利性は、成長の低入力コスト、急速成長速度、および大バイオマスを経済的に生産する能力を含む。
人工染色体の、宿主細胞で異種タンパク質の高レベル発現を提供する能力は、例えば、哺乳動物人工染色体、ここに記載のH1D3および G3D5細胞株を含む哺乳動物細胞の分析によって実証する。これらの細胞から取得されるmRNAのノーザンブロット分析は、細胞でのハイグマイシン抵抗性およびβ-ガラクトシダーゼ遺伝子の発現がそこに含まれるメガ染色体のアンプリコン数と相関することを明らかにする。
これらの化合物を生産するトランスジェニック植物を、ここに提供する人工染色体を使用して1または潜在的に多くの遺伝子の導入及び発現によって作成する。多くの可能性は、限定しないが、任意の生物によって現在生産される任意の生物学的化合物、例えばタンパク質、核酸、最初および中間メタボライト、炭水化物ポリマー、バイオレメディエーションでの使用のための酵素、二次植物メタボライト、例えばフラボノイドまたはビタミンを生産する経路を修飾するための酵素、医薬を生産うる、そして特定の化合物およびプラスチックのような製造産業に必要な化合物を生産し得る酵素を導入するための酵素を含む。化合物は植物によって生成され、収穫および/または加工で抽出され、そして現在認識される有用な目的例えば医薬、香気および産業酵素のため使用する。代替的に、ここに提供する方法および組成物にしたがって生産される植物を作成し、ある種の化合物、例えば有害廃棄物を代謝でき、それによってこれらの化合物のバイオレメディエーションを可能とする。
ここに提供する人工染色体を、タンパク質及び遺伝子産物生産の方法で、特に、そのような産物の生産のため宿主細胞として植物細胞を使用して、特に人工染色体が、医学および産業で重要な化合物の生物製造を最適化するための信頼、安定および効率手段を提供する細胞生産システムで使用できる。
2.望まれる形質を加工するための生物の遺伝的変更
人工染色体を、生物、例えば植物を調製するため理想的に適合化し、それはある種の望まれる形質、例えば病害抵抗性、過酷な環境条件に対する抵抗し、変更成長パターンおよび改善物理的特性を保有する。植物について、特定の核酸の選択であって人工染色体を解するレシピエント細胞へ送達されるものはしばしば、形質転換の目的に依存する。作物および樹木種の形質転換の主要な目的のひとつは、いくつかの商業的に望ましい、農業的に重要な形質を、植物に付加することである。そのような形質は限定しないが、入力および出力形質例えば除草剤抵抗性または耐性、昆虫抵抗性または耐性、病害抵抗性または耐性(ウイルス、細菌、真菌またはネマトーダ)、旱魃、熱、冷、凍、過湿、塩ストレスおよび酸化的ストレスによって例示されるようなストレス耐性および/または抵抗性、増加収量、食物含量、および作成、物理的外観、有性不稔、乾燥、直立性、増殖性、デンプン量および質、油量及び質、タンパク質量および質、およびアミノ酸組成を含む。宿主植物にそのような望まれる形質を付与する1または2以上の遺伝子を取り込むのが望ましくあり得る。
a.除草剤抵抗性
ホスヒノスリシンアセチルトランセフェラーゼ(bar および pat)、グリホサート耐性EPSPシンターゼ遺伝子、グリホサート分解酵素遺伝子gox コードグリホサートオキシオドレダクターゼ、deh (ダラポンを不活性化するデハロゲナーゼ酵素をコードする)、除草剤抵抗性(例えば、スルホニルウレアおよびイミダゾリノン)アセトラクテートシンターゼ、およびbxn遺伝子(ブロモキシニルを分解するニトリラーゼをコードする)はすべて、植物形質転換での使用のための除草剤抵抗性遺伝子の例である。barおよび pat遺伝子は、酵素、ホスヒノスリシンアセチルトランスフェラーゼをコードし(PAT)、それは除草剤ホスヒノスリシンを不活性化し、グルタミンシンターゼ酵素を阻害尾することからこの化合物を防止する。酵素5-エノールピルビルシキメート 3-ホスフェートシンターゼ (EPSPシンターゼ)は通常、除草剤N-(ホスホノメチル)グリシン (グリホサート)によって阻害される。しかし、グリホサート抵抗性EPSPシンターゼ酵素をコードする遺伝子は知れれる。dhe遺伝子は、酵素ダラポンデハロゲナーゼをコードし、除草剤ダラポンに対する抵抗性を付与する。bxn遺伝子は、ブロモキシニルを、非除草剤性分解産物に変換する特異的ニトリラーゼ酵素をコードする。
b.昆虫及び他の害虫抵抗性
昆虫抵抗性生物を調製し得、ここで昆虫誘導性病害への抵抗性または感受性の減少を、宿主生物または、病原体を破壊または減衰しまたは宿主への病原体の接近を限定する遺伝子産物(例えばある種の病原体へ毒性であるリボザイムおよびタンパク質)をコードするDNAを含む人工染色体の胚への導入によって付与する。潜在性昆虫抵抗性遺伝子であって人工染色体を解して植物内に導入できるものは、Bacillus thuringiensis結晶毒素またはBt遺伝子 (参照せよ、例えばWatrud et al. (1985) in Engineered Organisms and the Environment)を含む。Bt遺伝子は、lepidopteranまたは coleopteran害虫例えばEuropean Corn Borer (ECB)への抵抗性を提供し得る。そのようなBt毒素遺伝子は、CryIA(b) およびCryIA(c)遺伝子を含む。B. thuringiensisの他の種からのエンドトキシン遺伝子であって、これは昆虫成長または発達に影響するものを、この点で使用し得る。Bt遺伝子配列を修飾し、植物及び特に単子葉植物での増加発現をもたらし得る。合成遺伝子を調製するための手段は、当業界周知であり、例えば米国特許番号 5,500,365および 5,689,052に記載される。そのような修飾Bt毒素遺伝子の冷は、合成Bt CryIA(b)遺伝子 (参照せよ、例えば、Perlak et al. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88:3324-3328)および合成 CryIA(c)遺伝子を含み1800bと呼ばれる (参照せよ、PCT 出願公開番号. WO95/06128)。
病害および/または昆虫抵抗性トランスジェニック植物を生成するために人工染色体による植物内に移入し得る遺伝子の型の例は、限定しないがcryIA(b) およびcryIA(c) 遺伝子を含み、それは2主要イネ昆虫害虫 (the striped stem borer and the yellow stem borer) (参照せよ、例えば、Cheng et al. (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 95:2767-2772) に高度に毒性である産物をもたらし、cry3遺伝子は穀粒および豆類を含む種々の植物を攻撃するColeopteran昆虫に毒性である産物をコードし (参照せよ、例えば、米国特許番号 6,023,013)、遺伝子 (例えば、トリコテセン3-O-アセチルトランスフェエラーゼ)はトリコテセン(tricothecene)例えば植物真菌によって生産されるものに抵抗性を付与し(例えば、Fusarium) その植物は特に真菌に感受性である(例えば、コムギ、イネ、オオムギ、エンバク及びトウモロコシ) (参照せよ、例えば、PCT 出願公開番号WO 00/60061)、および植物病原体の成長に悪い影響を有する抗病原体物質をもたらす多重遺伝子生合成経路に関係する遺伝子(参照せよ、例えば、米国特許番号 5,639,949)を含む。
プロテアーゼはまた、昆虫抵抗性を提供し得(参照せよ、例えば、Johnson et al. (1989) こうして植物形質転換の利用性を有するだろう。トマトまたはジャガイモからのプロテアーゼ阻害剤II 遺伝子、pinIIは、特に有用であり得る。Bt毒素遺伝子でのoinII遺伝子の使用の組み合わせ効果は、合成殺虫性活性を生産し得る。昆虫の消化システムの阻害剤をコードする他の遺伝子または阻害剤の生産を容易化する酵素またはコファクターをコードするものは、また有用であり得る。この群は、オリザシスタチンおよびアミラーゼ阻害剤例えばコムギおよびオオムギ由来のものによって例示されうる。
レクチンをコードする遺伝子は、追加的または代替的殺虫特性を付与し得る。レクチン(元来ハイトヘマグルチニンと呼ばれる)は、マルチビバレント炭水化物結合タンパク質であり、それはある範囲の種からの凝集体赤色血液細胞を有する。レクチンを、weevils, ECBおよび rootwormに対する活性を有する殺虫剤として同定した (参照せよ、例えば、Murdock et al. (1990) Phytochemistry 29:85-89; Czapla & Lang (1990) J. Econ. Entomol. 83:2480-2485)。有用であり得るレクチン遺伝子は例えばオオムギおよびコムギジャームアグルチニン (WGA)およびイネレクチン (Gatehouse et al. (1984) J. Sci. Food. Agric. 35:373-380)を含みうる。
昆虫害虫に導入されたとき昆虫に対する大および小ポリペプチド活性の生産を制御する遺伝子例えば溶解(lytic)ペプチド、ペプチドホルモンおよび毒素およびベノムはまた、害虫抵抗性植物を生成するのに有用であり得る。例えば幼若ホルモンエステラーゼの発現は、特異的昆虫害虫を指向し、また殺虫活性を生じ得、またはメタモルフォシスの停止を生じる(参照せよ、例えば、Hammock et al. (1990) Nature 344:458-461)。
昆虫キューティクルのインテグリティに影響する酵素をコードする遺伝子を発現するトランスジェニック植物は、昆虫への抵抗性を付与する人工染色体を解する植物へ移入されうる遺伝子の追加的例である。そのような遺伝子は、例えばキチナーゼ、プロテアーゼ、リパーゼをコードする遺伝子およびまたニッコ(nikko)マイシン、キチン合成を阻害する化合物の遺伝子を含みそのいずれかの導入を使用し、昆虫抵抗性植物を生産し得る。昆虫マルチングに影響する遺伝子、例えばエクジステロイドUDP―グルコシルトランスフェラーゼの生産に影響するものは、また有用トランスジーンであり得る。
昆虫害虫への宿主植物の栄養質を減少させる化合物の生産を容易化する酵素をコードする遺伝子をまた使用し、植物に昆虫抵抗性を付与し得る。例えばそのステロール組成物を変更することによって植物に殺虫活性を付与することが可能であり得る。ステロールは食物から昆虫によって取得され、そしてホルモン合成および膜安定性のために使用される。したがって、望まれないステロールの生産を直接的に促進するまたは望まれない形態への望まれるステロールを変換する遺伝子の発現による植物ステロール組成物の変更は、昆虫成長および/または発達に陰性の影響を有し得、ゆえに殺虫性活性を植物に付与する。リポキシゲナーゼは天然存在植物酵素であり、それは昆虫に抗栄養性効果を示すことが示され、そして食物の栄養質を減少する。したがって、改善リポキシゲナーゼ活性を有するトランスジェニック植物は、昆虫喫食に抵抗性であり得る。
Tripsacum dactyloidesは、corn root wormを含むある種の昆虫に抵抗性であるの種である。 Tripsacumはこうして、昆虫に毒性であり、または昆虫に毒性の化合物の生合成に関係するタンパク質をコードする遺伝子を含みうる。そのような遺伝子は、昆虫に抵抗性を付与するのに有用であり得る。Tripsacumでの昆虫抵抗性の基礎は遺伝的であることが知られ、というのは当該抵抗性は、有性交雑によりトウモロコシに移入されたからである (Branson and Guss, 1972)。他のか穀類、単子葉または双子葉植物種は、昆虫抵抗性植物を生産するため有用である昆虫に毒性であるタンパク質をコードする遺伝子を有し得ることがさらに予期される。
潜在性殺虫活性を有するとして特徴づけられるタンパク質をコードするさらなる遺伝子は、また、ここにしたがうトランスジーンとして使用し得る。そのような遺伝子は、例えばカウピートリプシンインヒビター (CpT1: Hilder et al., 1987)をふくみ、それはrootworm deterrent、アバーメクチンをコードする遺伝子(Avermectin and Abamectin., Campbell, W.C., Ed., 1989: Ikeda et al., 1987)として使用し得それはリボゾーム不活性化タンパク質遺伝子としておよび植物構造を調節する遺伝子とさえ特に有用であるとわかり得る。抗昆虫抗体遺伝子および植物内の殺虫剤へ植物の外部に適用される非毒性殺虫剤(プロ殺虫剤)を変換できる酵素をコードする遺伝子を含むトランスジェニック植物を、企図する。
c.病害抵抗性
トランスジェニック生物、例えば植物は、病害への抵抗性を付与しまたは感受性を減少し、特に興味深い。例えば、トランスジーンは毒素または病原体、例えばウイルス、真菌、マイコトキシン生産生物、ネマトーダまたは細菌であるタンパク質をコードし得、しかし、トランスジェニック宿主へ毒性でない
多重遺伝子は、人工染色体上に導入し得るから、病害抵抗性または耐性に関係する遺伝的経路をコードする一連の遺伝子を、作物植物に導入し得る。病原体侵入すると発現される例えばしばしばおおくの遺伝子、典型的に1または2以上の''RR''または病原体関連性タンパク質を、植物細菌または真菌病原体の侵入に応答して発現させることが既知である。病原体に抵抗性を付与することに関係する1または22以上のタンパク質は、人工染色体内に含まれ得、したがって、植物細胞、特にここに記載の全トランスジェニック植物体に発現されうる。加えて、単一鎖Fv組み換え体抗体の、植物での生産は、作物植物の病原体保護の導入の可能性の範囲を拡張する(参照せよ、例えば、Tavladoraki et al. (1993) Nature 366:469-472)。
トランスジェニック植物でのウイルスコートタンパク質の発現がそのウイルスおよびたぶん他の緊密に関連するウイルスによって植物の感染への抵抗性に影響し得ることが実証された(Cuozzo et al., 1988. Hemenway et al., 1988, Abel et al., 1986)。本質的ウイルス機能をターゲティングするアンチセンス遺伝子の発現はまた、ウイルスへの抵抗性に影響し得る。例えばウイルス核酸の複製の原因となる遺伝子をターゲティングするアンチセンス遺伝子は、複製を阻害し、ウイルスへの抵抗性につながる。アンチセンス遺伝子の使用により他のウイルス機能との干渉は、ウイルスへの抵抗性を増加し得る。さらに、限定しないがサテライトウイルスの使用を含む他のアプローチによりウイルスへの抵抗性を達成することが可能である。人工染色体は理想的に、これらの遺伝子およびDNA配列のマルチプリシティを有するように適合し、それは広い範囲の多くの病原体への抵抗性を付与する。
いわゆる''ペプチド抗体''、病原体発生性関連性(PR)タンパク質、毒素抵抗性、および宿主病原体相互作用に影響するタンパク質例えばモルフォロジカルをコードする遺伝子はまた、特に細菌および真菌によって引き起こされる病害への増加抵抗性を付与することによって有用であり得る。ペプチド抗体は、ポリペプチド配列であり、それは細菌および他の微生物の成長を阻害する。例えば、セプロピンおよびマガイニンと呼ばれるペプチドのクラスは多くの種の細菌および真菌の成長を阻害する。単子葉植物例えばトウモロコシでのPRタンパク質の発現は、細菌病害への抵抗性を扶養するのに有用であり得る。これらの遺伝子は、宿主植物の病原体攻撃に続いて誘導され、そしてタンパク質のリース5クラスないに分割された(Bio. Linthorst, and Cornelissen, 1990)。PRタンパク質に含まれるのは、β-1, 3-グルカナーゼ、キチナーゼおよびオスモチンおよび病害生物への植物抵抗性で機能すると信じられる他のタンパク質である。他の遺伝子が同定され、それは抗真菌特性例えばUDA (stinging nettle lectin) およびヘベイン(hevein) (Broakaert et al., 1989; Barkai-Golan et al., 1978)を有する。ある種の植物病害がファイトトキシンをの生産によって引き起こされることが既知である。これらの病害への抵抗性は、ファイトトキシンを分解またはその他不活性化することのできる酵素をコードする遺伝子の発現によって達成し得る。また宿主植物と病原体の間の相互作用を変更する遺伝子の発現は宿主植物の組織を侵入する病害生物の能力を減少するのに有用であり得、b例えば、葉キューチクルのワキシネスまたは他の形態学的特性の増加である。
d.環境またはストレス抵抗性
植物の環境ストレス例えば限定しないが旱魃、過剰水分、冷、凍、高温、塩、および酸化的ストレスのような種々の環境ストレスへ耐える能力の改善は、またそこでの遺伝子の発現によって影響し得る。利益は''抗凍''タンパク質例えばWinter Flounder (Cutler et al., 1989)のそれまたはその合成遺伝子誘導体の導入による凍結温度への増加抵抗性の観点から理解されうることが提唱される。改善凍耐性はまた、葉緑体でのグリセロール-3-フォスフェートアセチルトランスフェラーゼの増加発現により付与し得る (Wolter et al., 1992)。いくつかの作物種で酸化的ストレスへの抵抗性(しばしば高光強度と組み合わせた冷温度条件によって増強される)は、スーパーオキシドジムスターゼの発現によって付与され得 (Gupta et al., 1993)、グルタチオンレダクターゼによって改善されうる (Bowler et al., 1992)。そのような戦略は新しく出現したほ場を凍らす並びにより遅い成熟性を拡張する耐性を可能とし、より早い相対成熟ゾーンを品種にもたらす。
植物に水分含量、総水ポテンシャル、浸透ポテンシャル、および膨圧を好ましくもたらす遺伝子の発現は、植物の旱魃に耐える能力を増強する。ここに使用するように、用語''旱魃抵抗性''および旱魃耐性''は、通常状況と比較して、水分利用性の現象によって誘導されるストレスへの植物の増加抵抗性または耐性および低水分環境で植物が機能しおよび生存する能力に言及するために使用する。このクラス内に、マンニトール-L-フォスフェートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子(Lee and Saier, 1982) およびトレハロース-6-フォスフェートシンターゼ (Kaasen et al., 1992)がある。細胞の本来のフォスファターゼのその後の作用によりまたは特異的フォスファターゼの導入及び共発現によって、これらの導入された遺伝子は、それぞれマンニトールまたはトレハロースの蓄積をもたらし、その両方は、ストレスの影響を緩和し得る保護化合物としてよく報告された。トランスジェニックタバコでのマンニトール蓄積は、確認され、予備的結果は、このメタボライトの高レベルを発現する植物は、適用浸透ストレスにたえることができるのを指摘する (Tarczynski et al., 1992, 1993)。
同様に、酵素機能 (例えば、アラノピンまたはプロピオン酸)または膜インテグリティ(例えばアラノピン)を保護する他のメタボライトの効率は、報告され (Loomis et al., 1989)、したがってこれらの化合物の生合成をコードする遺伝子の発現は、マンニトールに類似または補足する態様で旱魃抵抗性を付与し得る。浸透活性でありおよび/または旱魃および/または乾燥中のいくつかの直接的保護効果を提供する天然存在メタボライトの他の例は、フルクトース、エリスリトール(Coxson et al., 1992)、ソルビトール、ヅルシトール (Karsten et al., 1992)、グルコシルグリセロール (Reed et al., 1984; ErdMann et al., 1992)、スクロース、スタチオース (Koster and Leopold, 1988: Blackman et al., 1992)、ラフィノース (Bernal-Lugo and Leopold, 1992)、プロリン (Rensburg et al., 1993)、グリシンベタイン、オノニトールおよびピニトール(Vernon and Bohnert, 1992)を含む。ストレスの時間中の継続キャノピー成長及び増加再生フィットネスは遺伝子例えば前記浸透活性化合物および他のそのような化合物を制御するもの導入および発現によって議論される。浸透活性ポリオール化合物の合成を促進する遺伝子は、酵素マンニトール-1-フォスフェートデヒドロゲナーゼ、トレハロース-6-フォスフェートシンターゼおよびミオイノシトールO-メチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を含む。人工染色体は、遺伝子のマルチプリシティを有し、望まれるストレス耐性、例えばプロリンおよびケタンおよび/またはポリオールの同時的発現を提供できる。
特異的タンパク質の発現はまた、ある種の条件下またはある種の作物種での旱魃耐性を増加し得ることが企図される。これらは晩期胚発生性タンパク質のようなタンパク質を含みうる( Dure et al., 1989参照)。LEAのすべての3クラスは、種子を成熟(すなわち乾燥)することにおいて実証された。LEAタンパク質内で、II型(デヒドリン型)は、栄養生殖植物部分で旱魃および/または乾燥耐性において一般に企図された (i.e. Mundy and Chua, 1988: Piatkowski et al., 1990: Yamaguchi-Shinozaki et al., 1992)。最近、III型LEA(HVA-1)のタバコでの発現が、植物高、成熟性および旱魃耐性に影響すると見出された (Fitzpatrick, 1993)。イネで、HVA-1遺伝子の発現が水不足および塩類への耐性を影響した(Xu et al ., 1996)。すべての3つのLEA群からの構造遺伝子の発現は、したがって旱魃耐性を付与し得る。水ストレス中に誘導される他の型のタンパク質は、チオールプロテアーゼ、アルドラーゼおよびトランスメンブラントランスポーターを含む(Guerrero et al., 1999)それは旱魃ストレス中の種々の保護および/または修復型機能を付与し得る。また脂質生合成に影響しゆえに膜組成がまた植物の旱魃抵抗性を付与することにおいて有用であり得る遺伝子を企図する。
旱魃抵抗性を改善する多くのこれらの遺伝子は作用の相補的様式を有する。こうして、これらの遺伝子の組み合わせは、植物の旱魃抵抗性を改善することにおいて付加的および/または相乗的影響を有し得る。多くのこれらの遺伝子はまた、凍耐性(または抵抗性)改善する:凍結および乾燥中に負わされる物理的ストレスは、性質的に類似し、そして類似様式で移入し得る。利益は、これらの遺伝子の構成的発現によって付与され得、しかしこれらの遺伝子を発現する好ましい手段は、膨圧誘導性プロモーター(例えばGuerrero et al., 1990 and Shagan et al., 1993 に記載される膨圧誘導性プロモーターであってそれは引用によりここに含める)の使用により得る。これらの遺伝子の空間および時間的発現パターンは、よりよい耐性ストレスを植物に可能とする。
特異的形態学的形質に関係する遺伝子の発現は、有利である乾燥土壌からの増加水抽出を可能とすることが提唱される。例えば根特徴を変更する遺伝子の導入及び発現は、水取り込みを増強し得る。ストレスの時間中の再生フィットネスを増強する遺伝子の発現が顕著に有利であることを企図する。例えば、花粉流出および雌性花部分、すなわちシルクの斉一性を改善する遺伝子の発現は、有利である。加えてストレス中のカーネル落下を最小化する遺伝子の発現が、収穫されるべき穀粒の量を増加させゆえに有利であることが提唱される。
収量を決定する水の全体役割であれば、遺伝子の導入及び発現を介して、より効率的に水を利用するのを植物に可能とすることは、土壌水分利用性が限定的でないときでさえ、全体成績を改善することが企図される。水利用性に関するストレスの完全範囲にわたる水利用性を最大化する植物の能力を改善する遺伝子を導入することによって、収量安定性または収量成績の一定性を実現し得る。
e.植物農学的特性
例えば農業および鑑賞植物産業のような分野での生物の利用性、加工性および商業価値を強化し得る植物加工望まれる形質はまた、病害抵抗性生物の生産のための前記と同じ態様の人工染色体を使用して生成し得る。そのような例では、生物または胚に導入さる人工染色体は、生物の望まれる形質を付与するため供する遺伝子産物をコードするDNAを含む。
例えば改善された好ましい特性、安定性および/または質を有するトランスジェニック植物は、商業的に興味深い。かかる植物を生成するためのある可能な方法は、トランスジーン、例えばシスタチオンガンマシンターゼ(CGS)をコードする遺伝子の発現を含み、それは増加遊離メチオニンレベルという結果となる (参照せよ、例えば、PCT 出願公開番号. WO 00/55303)。
作物植物が生長し得ることを決定する要因の2つは、成長季節の平均一日温度および霜の間の時間の長さである。特定作物を生長させるのが可能である領域内で、最大時間の種々の限定があり、それは成熟及び収穫のための成長を可能とする。例えば特定の領域で成長すべき変種を、最大可能収量での時間の要求される期間内でその成熟および収穫可能水分含量まで乾燥する能力について選択する。したがって、種々の成熟の作物を、種々の成長位置で開発する。収穫を十分可能とするため乾燥する必要性はさておき、収穫後追加的乾燥のため要するエネルギーの量を最小化するため、ほ場で最大乾燥を起こさせるのが望ましい。またより容易な産物、例えば穀粒を乾燥でき、より多い時間が成長および穀粒充填に利用可能である。成熟性および/または乾燥に影響する遺伝子を同定でき、そして形質転換技法を使用して植物系統内に導入し、異なる成長位置または同じ成長位置に適合した新しい変種を創出し、しかし収穫時の改善された収量対水分比率を有する。植物発達の調節に関係する遺伝子の発現は、特に有用であり得る。
直立性よび他の植物成長特性を改善する遺伝子はまた、植物内に導入し得る。より強い茎、改善された根系を付与するまたは穂脱落を防止または減少する植物の新しい遺伝子の発現は、農家にとって非常に有益である。例えば光分布および/またはインターセプトを増加させることによって光同化物の総量を増加させる遺伝子の導入及び発現はさらに、生産性の獲得を増加する。作物植物でフィトクローム遺伝子の発現は、有利であり得る。そのような遺伝子の発現は、頂芽優勢を減少させ、植物に半矮性を付与しおよび耐陰性を増加し得る(米国特許番号 5,268,526)。かかるアプローチは、ほ場の増加植物集団を可能とする。
f.栄養利用性
利用可能な栄養を利用する能力は、作物植物の成長のファクターを限定し得る。栄養取り込みを変更し、pH極端、植物を介する移動、貯蔵プール、および新しい剤の導入による代謝活性についての利用性に耐えるのは可能であり得る。これらの修飾は、植物例えばトウモロコシがより効率的に利用可能栄養を利用するのを可能とする。例えば酵素であって通常植物に存在して、栄養利用に関係する酵素の活性の増加は、栄養の利用性を増加し得る。かかる酵素の例は、フィターゼであり得る。さらに、植物による改善窒素利用性は望ましい事が企図される。植物のグルタメートデヒドロゲナーゼ遺伝子の例は、例えばE. coli gdhA 遺伝子であり、グルタメートへ過剰のアンモニアの取り込みによって除草剤グルホシネートへの改善抵抗性につながり得、それによってアンモニアを解毒化する。遺伝子発現は、以前接近可能でない栄養源を利用可能とさせ、より複雑な分子おそらく巨大分子から栄養価の成分を放出する酵素である。代替的に、人工染色体は、マメの根粒形成および窒素固定を支配する遺伝子のマルチプリシティを有することができる。人工染色体を使用し、非マメ種の根粒形成を促進し得る。
g.雄性不稔
雄性不稔は、ハイブリッド種子の生産で有用である。雄性不稔は、遺伝子発現を経由して生産し得る。例えば、雄性花序および/または配偶体の発達を妨害するタンパク質をコードする遺伝子の発現が雄性不稔をもたらすことが示された。キメラリボヌクレアーゼ遺伝子はトランスジェニックタバコおよびオイルシードレイプのやくで発現し、雄性不稔につながることが実証された(Mariani et al., 1990)。雄性不稔を付与する他の方法が記載され、雄性不稔を引き起こすことのできるアンチセンスRNAをコードする遺伝子を含み(米国特許6184439、6191343および5728926)および不稔性を付与する2遺伝子を利用する方法(参照せよ、例えば、米国特許番号 5,426,041)を含む。
ある数の突然変異がトウモロコシで発見され、細胞質性雄性不稔を付与する。特にT細胞質と呼ばれる1突然変異が、サザンコーンリーフブライトへの感受性と相関する。DNA配列であってTURF-13と呼ばれるもの(Levings, 1990)は、T細胞質と相関すると同定された。形質転換を介してTURF-13の導入を介して、病害感受性から雄性不稔を分離することが可能である。育種目的のためおよび穀物生産のため雄性不稔を再生する能力は必要であるように、雄性不稔の再生をコードする遺伝子を導入し得ることが提唱される。
h.改善栄養含量
遺伝子を植物に導入し、特定作物の栄養質または含量を改善し得る。作物の栄養組成を変更する遺伝子の導入は、飼料または食物価値を大きく向上し得る。例えば、多くの穀物のタンパク質は、ブタ、家禽およびヒトに給餌したとき飼料および食物目的のため特に最適下である。これらの種の食餌に必須であるいくつかのアミノ酸が欠乏するタンパク質は、穀物の補足の付加を要する。必須アミノ酸を限定することは、リジン、メチオニントリプトファン、トレオニン、バリン、アルギニンおよびヒスチジンを含む。いくつかのアミノ酸が、トウモロコシを食物組成のため他の入力で補う後にのみ限定的になる。これらの必須アミノ酸の種子及び穀粒中でのレベルは、限定しないが、アミノ酸の生合成を増加する、タンパク質のアミノ酸の貯蔵を増加するまたは種子または穀粒へアミノ酸の輸送を増加する遺伝子の導入を含む機構によって上昇し得る。
作物のタンパク質組成を変更し、本来のタンパク質の発現を上昇し、貧しい組成を有するこれらの発現を減少し本来のタンパク質の発現を変化し、またはすぐれた組成を加工する完全に新しいタンパク質をコードする遺伝子を導入することを含む種々のやり方でアミノ酸のバランスを改善し得る。
作物植物の油含量を変更する遺伝子の導入はまた有益であり得る。油含量の増加は、代謝可能エネルギー含量の増加および飼料および食物での使用のための種子の密度という結果となりうる。導入される遺伝子は、脂肪酸または脂質生合成での比率限定または調節工程を除去または減少する酵素をコードし得る。そのような遺伝子は限定しないが、アセチル-CoAカルボキシラーゼ、ACP-アシルトランスフェラーゼ、β-ケトアシル-ACPシンターゼ、更に他の周知脂肪酸生合成活性をコードするものを含む。他の可能性は、酵素活性を加工しないタンパク質例えばアシル-キャリアータンパク質をコードする遺伝子である。遺伝子を導入し、それはより健康または利用性食品を提供する油中の脂肪酸存在のバランスを変更し得る。導入されるDNAはまた、脂肪酸生合成に関係する酵素の発現を阻止し、作物中の脂肪酸の比率を変更する配列をコードし得る。
飼料または食物作物はまた、ビタミンの不十分量を供し、十分な栄養価を提供する補足を要する。ビタミン生合成を増強する遺伝子の導入は、例えばビタミンA (例えばビタミンAを有するイネまたはゴールデンライス), E, B12コリンなどを含むのを想起する。ミネラル含量はまた、最適化であり得る。こうしてリン、硫黄、カルシウム、マグネシウム、亜鉛およびとりわけ鉄を含む化合物の蓄積または利用性に影響する遺伝子が有益である。
作物改善の多くの他の例は、ここで提供する方法および組成物にしたがってそこに含まれる適当な異種遺伝子を有する人工染色体を使用して実施し得る。改善は、必ずしも獲得を含まなくてもよいが、例えばサイレージのための作物の値を改善し得る。これを達成するためのDNAの導入は、リグニン含量を変更する配列を含み得、それはウシのためのすぐれた飼料価値と連関する''brown midrib''表現型という結果となる。
飼料または食物価値の直接的改善に加えて、遺伝子はまた、導入し得、作物の加工を改善し、加工から得られる産物の価値を改善する。作物の1の使用は、ウェットミリングを介する。こうして、例えばスティーピング時間を減少することによって効率を増加しウェットミリングのコストを減少する遺伝子はまた、使用を見出し得る。ウェットミリング産物の価値を改善することは、デンプンの質または量、油、トウモロコシグルテンミール、または飼料グルテンの組成を変更することを含みうる。デンプンの上昇は、デンプン生合成での率限定工程の同定および排除により、または作物の他の組成のレベルを減少することによって達成し得、デンプンの比例的増加という結果となる。
油はウェットミリングの他の産物であり、その価値は、遺伝子の導入及び発現によって改善し得る。油特性を変更し、多分生産でのその成績およびクッキングオイルでの使用、ショートニング、ルブリカント、または他の油誘導性産物の改良または食物関連適用で使用したときの健康属性改善する。脂肪酸はまた合成し、それは抽出すると化学的合成のための出発材料として供することができる。油特性の変化は、油に存在する脂肪酸の型、レベル、または脂質配列を変更することによって達成し得る。これは次いで、新しい脂肪酸の合成およびそれらの脂肪酸加工を触媒する酵素をコードする遺伝子の添加によって、または前駆体のレベルをおそらく減少しつつ本来の脂肪酸のレベルを増加することによって達成し得る。代替的に、DNA配列を導入し得、それは脂肪酸生合成の工程をゆっくりまたは阻止し得、前駆体脂肪酸中間体の増加という結果となる。付加し得る遺伝子は、デチュラーゼ、エポキシダーゼ、ヒドラターゼ、デヒドラターゼおよび脂肪酸中間に関係する反応を触媒する他の酵素を含みうる。阻止し得る触媒工程の代表例は、ステアリン酸からオレイン酸およびオレイン酸からリノレイン酸の不飽和化を含み、ステアリンおよびオレイン酸のそれぞれの蓄積という結果となる。別の例は、C8ないしC12飽和脂肪酸の蓄積という結果となる伸張工程の阻止である。
i.化学物質または生物物質の生産
トランスジェニック植物を、タンパク質生産システムとして使用し、産業酵素、ウイルス抗原、ワクチン、抗体、ヒト血液タンパク質、サイトカイン、成長因子、エンケファリン、血清アルブミン及び臨床関連および医薬の他のタンパク質からの範囲の組み換え体産物を生成し得る。例えば、α-アミラーゼ、グルカナーゼ、フィターゼ、およびキシラナーゼを含む (1995) Trends Biotechnol. 13:379-387; Pen et al. (1992) Bio/Technology 10:292-296; Horvath et al. (2000) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 97:1914-1919; および 例えば、Herbers and Sonnewald (1996) in Transgenic Plants: A Production System for Industrial and Pharmaceutical Proteins'' Owen and Pen Eds., John Wiley & Sons, West Sussex, England)。
植物で生産し得る医学的関連タンパク質の例は、ワクチンでの使用のための、ウイルス病原体の表面抗原、例えばB型肝炎ウイルスおよび伝達可能胃腸炎ウイルススパイクタンパク質を含む。こうして生産されるタンパク質を単離し、標準ワクチン導入方法経由してまたは経口摂取できる食品として可食トランスジェニック植物の消費を経由して、投与し得る(参照せよ、例えば、米国特許番号 6,136,320 および Mason et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89:11745-11749)。 HIV、ライノウイルス、マラリアおよび狂犬病ウイルス抗原は、追加的例であり、それは植物で候補ワクチンとして発現し得る (参照せよ、例えば、Porta et al. (1994) Virol. 202:949-955; Turpen et al. (1995) Bio/Technology 13:53-57; および McGarvey et al. (1995) Bio/Technology 13:1484-1487)。抗体はまた、植物で生産し得、例えば抗原結合単一鎖Fvタンパク質(AscFv)をコードする遺伝子融合を含み、それはハプテンオキサゾロン (Fiedler and Conrad (1995) Bio/Technology 13:1090-1093)および IgG (Ma et al. (1995) Science 268:716-719)を認識する。
植物で発現し得るヒト生物医薬の例は、限定しないがアルブミン (Sijmons et al. (1990))、エンケファリン (Vandekerckhove et al. (1989) )、インターフェロン-α (Zhu et al. (1994) およびGM-CSF (Ganz et al. (1996) in Transgenic Plants: A Production System for Industrial and Pharmaceutical Proteins, Owen and Pen Eds., John Wiley & Sons, West Sussex, England, pp. 281-297; and Sardana et al. (1998) in Methods in Biotechnology, Vol. 3: Recombinant Proteins from Plants: Production and Isolation of Clinically Useful Compounds, Cunningham and Porter, Eds., Humana Press, New Jersey; pp. 77-87)を含む。
これらの化合物を生産するトランスジェニック植物は、ここに提供する人工染色体を使用して1または潜在的に多くの遺伝子の導入及び発現によって可能とする。広範囲の可能性は、限定しないが、任意の生物学的化合物を含み、それは現在、任意の生物によって生産され、例えばタンパク質、核酸、一次代謝物および中間代謝物、炭水化物ポリマー、バイオレメディエーションでの使用のための酵素、二次植物メタボライト、例えばフラボノイドまたはビタミンを生産する経路を修飾する酵素、医薬を生産し得るおよび製造産業例えば専門化学物質およびプラクチスへの興味の化合物を生産し得る酵素を導入するための酵素を含む。化合物は、植物によって生産し得、収穫および/または加工されると、抽出され、そして任意の現在認識される有用な目的、例えば医薬、香料、およびいくつかの名前の産業酵素のため使用し得る。代替的に、ここで提供する方法および組成物によって生産される植物を、作成し得、ある種の化合物、例えば有害廃棄物を代謝し得、それによってこれらの化合物のバイオレメディエーションを可能とする。
j.非タンパク質発現配列
核酸を、植物に導入し得、それは植物コード遺伝子を下方調節または抑制するように設計される。下方調節を達成するある数の異なる手段は当業界で実証され、アンチセンスRNA、リボザイムおよびコサプレッションを含む。植物遺伝子を抑制するためのアンチセンスRNAの使用は、例えば米国特許番号 4,801,540, 5,107,065 および 5,453,566において記載された。かかる方法では、''アンチセンス''遺伝子を構築し、それは存在植物遺伝子のmRNAに相補的であり、その結果アンチセンス遺伝子の発現が存在植物遺伝子のmRNAの翻訳を阻害する。こうして、存在遺伝子の活性は下方調節される。
遺伝子活性を下方調節する塚的方法は、リボザイムまたは触媒性''ハンマーヘアピン性''RNA構造を含む。リボザイムの使用は、例えば米国特許番号 4,987,071, 5,037,746, 5,116,742 および5,354,855に記載される。これらの方法は、小触媒性''ハンマーヘアピン性''RNA分子の発現により、それは特異的RNA配列に結合し切断し得る。特異的に存在植物mRNAを認識するように設計されるリボザイムを使用し、mRNAを切断し、そしてその妥当な発現を防止する。
リボザイムおよびアンチセンスによる遺伝子活性の本質的により多いまたはより少ない均等な下方調節コントロールは調節されるべき遺伝子の追加的コピーの付加によって達成し得る。プロセスは、コサプレッションとして言及され例えば、米国特許番号 5,034,323, 5,283,184 および 5,231,020に記載される。
多くの植物遺伝子を下方調節にターゲティングし得る。例えば、遺伝子を、下方調節し得、それは植物の反応を触媒する酵素をコードする。酵素活性の減少は、反応の産物を減少または削減し得、それは植物で任意の酵素的に合成される化合物、例えば脂肪酸、アミノ酸、炭水化物、核酸などを含む。代替的に、タンパク質は貯蔵タンパク質、例えばゼイン、または構造タンパク質であり得、その減少発現は、それぞれ種子アミノ酸組成の変化または植物形態学的変化につながる。前記の可能性は、例示のみとして提供し、応用の完全範囲を限定しない。
(1).アンチセンス RNA
遺伝子を構築し得、それは転写されるとき、アンチセンスRNAを生産し、それはターゲティングメッセンジャーRNAの全部または一部に相補的である。ポリペプチド産物は、植物ゲノムによってコードされる任意のタンパク質であり得る。前記遺伝子は、アンチセンス遺伝子として言及する。アンチセンス遺伝子はこうして、植物内に、形質転換方法によって導入し得、所望の選択タンパク質の減少発現を有するトランスジェニック植物を生産する。例えばタンパク質は、酵素であり得、それは植物での反応を触媒する。酵素活性の減少は、反応の産物を減少または削減し得、それは植物での任意の酵素的に合成される化合物を含み、例えば脂肪酸、アミノ酸、炭水化物、核酸などである。
代替的に、タンパク質は貯蔵タンパク質、例えばゼイン、または構造タンパク質であり得、その減少発現は、それぞれ種子アミノ酸組成の変化または植物形態変化につながりうる。前記可能性は、例示目的のみに提供し、応用の完全範囲でない。
(2.) リボザイム
遺伝子をまた構築または単離しそれは転写されるときRNA酵素を生産し(リボザイム)それはエンドリボヌクレアーゼとして作用し得、そして選択配列でRNA分子の切断を触媒する。選択メッセンジャーRNA分子の切断は、それらのコードポリペプチド産物の減少生産という結果となりうる。これらの遺伝子を使用し、それらを保有するトランスジェニック植物を調製し得る。トランスジェニック植物は、ポリペプチドの減少レベルを保有し得限定しないが前記ポリペプチドを含む。
リボザイムは RNA-タンパク質複合体であり、それは部位特異的様式で核酸を切断する。リボザイムは、特異的触媒性ドメインを有し、それはエンドヌクレアーゼ活性を保有する(Kim and Cech, 1987; Gerlach et al., 1987; Forster and Symons, 1987)。例えば多数のリボザイムは、高度の特異性のホスホエステル移動反応を加速し、しばしばオリゴヌクレオチド基質中のたったひとつのいくつかのホスホエステルを切断する (Cech et al., 1981; Michel and Westhof, 1990); Reinhold-Hurek and Shub, 1992)。この特異性は、化学的反応に先立つリボザイムの内部案内配列(''IGS'')への特異的塩基対形成相互作用を介して基質が結合するという要件のためであった。
リボザイム触媒は、原則的に、核酸の関係する配列特異的切断/ライゲーション反応の一部として観察される(Joyce, 1989; Cech et al., 1981)。例えばU.S. Patent 5,354,855は、ある種のリボザイムが、既知リボヌクレアーゼのそれより大きい配列特異性を有するエンドヌクレアーゼとして作用し、そしてDNA制限酵素のそれに接近することを報告する
いくつかの異なるリボザイムモチーフが、RNA切断活性とともに記載された(Symons, 1992)。例は、グループI自己スプライシングイントロンからの配列を含み、タバコ Ringspot Virus (Prody et al., 1986)、Avacado Sunblotch Viroid (Palukaitis et al., 1979; Symons, 1981) および Lucerne Transient Streak Virus (Forster and Symons, 1987)を含む。これら由来の配列および関連ウイルスは、前予測フォールド化二次構造に基づくハンマー性リボザイムとして言及する。
他の好適なリボザイムは、RNA切断活性を有するRNasePからの配列(Yuan et al., 1992; Yuan and Altman, 1994; U.S. Patents 5,168,053 および 5,624,824)、ヘアピンリボザイム構造(Berzal-Herranz et al., 1992; Chowrira et al., 1993)およびHepatitis Deltaウイルスに基づくウイルス (U.S. Patent 5,625,047)を含む。リボザイム指向性RNA切断活性の一般設計および最適化は、詳細に議論された (Haselhoff and Gerlach, 1988; Symons, 1992; Chowrira et al., 1994; Thompson et al., 1995)。
リボザイム設計の他の別形は、所定の標的RNA上の切断部位の選択である。リボザイムを、所定の配列に、相補的塩基対相互作用によって部位にアニーリングする手段によってターゲティングし得る。相同性の2ストレッチは、このターゲティングに要する。相同性配列のこれらのストレッチは、前定義触媒リボザイム構造にフランクする。相同性配列のそれぞれのストレッチは、長さ7ないし15ヌクレオチドで変化し得る。相同性配列を定義するための唯一の要件は、標的配列上で、それらは切断部位である特異的配列によって分離されることである。ハンマーヘッド性リボザイムのために、切断部位は、ウラシル(U)、その後にアデニン、シトシンまたはウラシル(A、CまたはU)のいずれかが続いてなる標的RNA上のジヌクレオチド配列である(Perriman et al., 1992; Thompson et al., 1995)。任意の所定のRNA中に存在するこのジヌクレオチドの頻度は、統計学的に16からの3である。したがって1000塩基の所定の標的メッセンジャーRNAのために、187ジヌクレオチド切断部位が実質的に可能である。
標的RNAの効率的切断のためリボザイムを設計および試験することは、当業者に周知のプロセスである。リボザイムを設計および試験するための特異的方法の例は、引用によりここに含まれる (1994) および Lieber and Strauss (1995)に記載される。所定の遺伝子を下方調節するときの使用のための作動性および好ましい配列の同定は、単純に、所定の配列の調製及び試験の事項であり、当業者に日常的に実施される''スクリーニング''方法である。
(3.)遺伝子サイレンシングの誘導
また遺伝子を導入し、トランスジェニック植物を生産し、それはコサプレッションの機構によって本来の遺伝子産物の減少発現を有し得ることが可能である。タバコ、トマト、およびペチュニアで本来の遺伝子のセンス転写物の発現がアンチセンス遺伝子について観察されるのと類似の態様で本来の遺伝子の発現を減少または排除することが実証された (Goring et al., 1991; Smith et al., 1990; Napoli et al., 1990; van der Krol et al., 1990)
(4.) 非-RNA-発現配列
輸送可能エレメントのもの、例えばDs、Ac、またはMUのものを含むDNAエレメントを、遺伝子内に挿入し、突然変異を引き起こし得る。これらのDNAエレメントを挿入し、遺伝子を不活性化し(または活性化)、それによって特定形質に''タグ付加''し得る。この例では移動可能エレメントは、タグ付加突然変異の不安定性を生じず、というのは、エレメントの利用性は、ゲノムでの移動の能力に依存しないからである。ひとたび望まれる形質がタグ付加されると、導入されるDNA配列を使用し、例えば導入DNA配列をPCRプライマーとして、PCR遺伝子クローニング技法と使用して、対応する遺伝子をクローン化し得る(Shapiro, 1983; Dellaporta et al., 1988)。ひとたび同定すると、望まれる場合制御または調節領域を含む特定形質の完全遺伝子を単離し、クローン化し、そして望まれるように操作し得る。遺伝子タグ付加の目的のために生物内に導入さるDNAエレメントの利用性は、DNA配列に独立性であり、そしてDNA配列の任意の生物学的活性すなわちRNAへの転写またはタンパク質への翻訳に依存しない。DNAエレメントの単独機能は、遺伝子のDNA配列を破壊することである。
合成配列を含む非発現DNA配列は、これらの細胞および植物およびその種子の専用の''標識''として細胞内に導入し得る。宿主生物に外生である遺伝子の機能を破壊することは、標識DNAエレメントに必要でなく、このDNAの単独機能は、生物の期限を同定すべきとおりである。例えば、あるものは、植物に独特のDNA配列を導入し得、そしてこのDNAエレメントは、すべての細胞、植物およびこれらの細胞の後代を、その標識源から生じたとして同定し得る。標識DNAの包含は、あるものを専用の遺伝子源をまたはそのようなのから由来する遺伝源を、非標識遺伝子源から区別することが提唱される。
導入し得る他の可能なエレメントは、マトリクス付着領域エレメント(MAR)であり、例えばチキンリソザイムAエレメントであり(Stief, 1989)それは所望の発現可能遺伝子周辺に位置し得、遺伝子の全体発現の増加を実施し、そして植物ゲノムに包含すると、ある依存性効果を縮減する (Stief et al., 1989; Phi-Van et al., 1990)。配列例えばMARは、人工染色体に含まれ、遺伝子発現を増強し得る。
3.遺伝子の評価および新しい形質の発見のためのトランスジェニックモデル
顕著に興味深いのは、新しい遺伝的組み合わせおよび新しい形質の発見の評価のための人工染色体を含む植物および植物細胞の使用である。人工染色体は、それらは顕著な量のDNAを含むという事実によって、したがって多くの遺伝子よって形質のマルチプリシティをコードする。ここに、人工染色体は、ある植物種から形成されるとき、第二植物種で評価できることが企図される。観察された得られた表現型変化は、例えば、人工染色体を含むDNA内に含まれる遺伝子の性質を指摘でき、ゆえに、新しい遺伝的活性の同定を可能とする。ユークロマチン性DNAを含むまたはユークロマチン性DNAを一部含む人工染色体は、エイリアン植物細胞環境に移入されるとき、新しい形質の有益な源として供する。例えば双子葉植物由来の人工染色体を、双子葉人工染色体を移入することによって導入できる。双子葉人工染色体は、ユークロマチン性DNAの領域を含み、発現遺伝子を含む。
人工染色体を、天然存在植物DNAの大領域が、人工染色体内に取り込まれるようにある様式で、生成及び操作できる。これは、人工染色体が新しい遺伝的活性を含み、ゆえに新しい形質を有することを可能とする。例えば、人工染色体を、作物植物の野生親戚内に、野生親戚の染色体に存在するDNAの一部が人工染色体に移入されるような条件下で取り込むことができる。人工染色体の単離後、野生親戚からのこの天然存在領域DNAは、いま人工染色体上に位置し、栽培化作物種内に導入でき、そして移入DNA 内にコードされる遺伝子を利用のため発現及び評価する。新しい形質及び遺伝子システムは、この様式で発見できる。
植物DNAと組み換えるよう修飾された人工染色体は、種々の植物種での形質の発見及び評価のため多くの利点を供する。1植物種からのDNAを含む人工染色体を、新しい植物種内に導入するとき、新しい形質及び遺伝子を、導入できる。人工染色体のこの使用は、性的障壁を克服する能力もたらし、それは1植物種から他の植物種への遺伝子の移入を防止するものである。この様式で人工染色体を使用することは、野生種で典型的に見出される形質を含むと同定されるべき多くの潜在有益形質をもたらす。人工染色体の他の有益応用は、1植物種からほかへの大領域DNAの移入能力、潜在有益形質たとえば変更油、炭水化物またはタンパク質組成をコードするDNA、有益植物二次メタボライトの生産できる酵素をコードする多重遺伝子、有益農業形質例えば病害及び昆虫抵抗性をコードする遺伝的システム、土壌細菌、例えば成長促進細菌または窒素固定細菌との連関を可能とする機能をコードする遺伝子、または凍または他のストレス耐性を付与する形質をコードする遺伝子を含む。この様式では、人工染色体を使用し、有益形質をコードする植物DNAの領域を発見できる。
人工染色体はまた、植物種の天然染色体内に人工染色体上にいま位置するこれらの有益形質の移入及びその後の取り込みを可能とするように設計できる。この様式では、人工染色体を使用し、1植物種で通常見出される形質をコードするDNAの大領域を、他の植物種に移入できる。この様式では、新しいを所有する人工染色体を有する必要がもはやない植物細胞を誘導することが可能である。こうして人工染色体を移入機構として供し、遺伝的多様性のより大きい程度を有する植物の形成を可能とする。
人工染色体を、前記目的を達成する種々のやり方で設計できる。人工染色体を修飾し、植物細胞内に相同組み換えを促進する配列を含ませ、または部位特異的組み換えシステムとして機能する遺伝的システムを含ませるよう修飾し得る。例えば、ArabidopsisのDNA配列は今既知である。ArabidopsisDNAの特異的領域と組み換えることの可能な人工染色体を構築するために、ArabidopsisDNAの配列、通常潜在興味の遺伝子をコードする染色体位置近くに位置するものを、ここに提供する方法によって人工染色体に導入できる。人工染色体に潜在興味の遺伝子をコードする完全染色体領域の移入を確保する二重組変え事象を促進する、潜在興味の遺伝子をコードする領域に第二フランキング配列を提供する、人工染色体内のDNAの第二領域を含むことが望ましくあり得る。相同組み換え領域の可能なDNA配列を含む、修飾人工染色体を、次いで、Arabidopsis細胞内に導入し、そして相同組み換え事象を選択するのが可能である。
相同組み換え事象の選択を可能とするマーカー遺伝子を含むことが簡便である。マーカー遺伝子は好ましくは、適当な相同組み換え事象によって活性化されない限り、不活性である。例えば、US 5,272,071は、不活性植物遺伝子が組み換え事象によって活性化され、その結果望まれる相同組み換え事象が容易にスコアー化できるような方法、記載する。同様に、US 5,501,967は、植物DNA内に最小に導入されるサイレント選択遺伝子の活性によって相同組み換え事象の選択であって、外遺伝子は、適当な相同組み換え事象によって活性化されるものを開示する。これらの方法の両方を適用し、人工染色体と植物染色体の間の組み換えのため選択において含まれるべき選択プロセスを確保することができる。ひとたび相同組み換え事象が検出されると、ひとたび選択された人工染色体を単離および、レシピエント細胞例えばタバコ、トウモロコシ、コムギまたはイネに導入し、および新しく導入したDNA配列の発現を評価する。組み換え事象の選択は、細胞培養、および実生植物または種子それ自体の形成およびスクリーニングで起こることができる。
人工染色体を含むレシピエント植物細胞での、または人工染色体を含む再生植物での表現型変化は、興味の遺伝子、例えばArabidopsisDNAによってコードされる形質によって、通常染色体環境での形質の発達制御の原因となるDNA配列の天然存在編成を含む、植物細胞で天然に見出される条件下での、コードされる形質の性質の評価を可能とする。
形質例えば耐久性(durable)真菌または細菌病害抵抗性、新しいオイルおよび炭水化物組成、有益二次代謝物、例えばファイトステロイド、フラボノイド、効率窒素固定、またはミネラル利用、旱魃、熱、または冷の過剰への抵抗性は、植物種の種々の集団内ですべて見出され、多重遺伝子によってしばしば支配される。単一遺伝子形質転換技法の使用は、多くの有益形質を制御する遺伝子のマルチプリシティの評価を可能としない。こうして、これらの遺伝子の、人工染色体内への取り込みは、異種植物種でのこれらの遺伝的組み換えの利用の急速評価を可能とする。
人工染色体の大規模順序および構造は、異種植物種内の新しい利用性または新しい表現型をスクリーニングすることにおけるある数の独特の有利性を提供する。新しいDNAのサイズであって、人工染色体によって有されることができるものは、何百万のDNAの塩基対であることができ、異種植物細胞での異なるまたは新しい利用性を有し得る潜在的多くの遺伝子をあらわす。人工染色体は、遺伝子発現のための''天然''環境であり、望ましい遺伝子発現およびゲノム内にランダム挿入によって移入される遺伝子について見られるサイレンシングの問題は、観察されるべきでない。同様に、発現のための遺伝子を改変する必要はなく、および挿入遺伝子は組み換え遺伝子である必要はない。こうして、移入遺伝子は完全に、遺伝子が当初単離されるところからの種で観察されるような典型的時間及び空間様式で発現されることが期待される。これらの利用性のための有益特徴は、人工染色体を単離する能力であり、さらに、独特の遺伝的組成を有する人工染色体を他の細胞内に操作および導入するものである。
こうして、植物での、人工染色体および相同組み換えの使用は、多くの有益作物形質を単離及び同定するために使用できる。大領域の天然存在DNA の単離および試験のための人工染色体の使用に加えて、人工染色体およびクローン化DNAの使用のための方法は、また企図される。前記と類似して、人工染色体を使用し、他の植物種に由来するものを含む、クローン化DNAの大領域を有することができる。それらが形成されるような、人工染色体内にDNAエレメントを取り込む能力は、新しい遺伝的組み換えの試験のためのプラットフォームとして特異的に改変される人工染色体の開発、またはモデル主例えばArabidopsisでの''ゲノム的''発見を可能とする。特異的''レコンビナーゼ''システムを植物細胞で使用し、遺伝子を切除または再編成し得る:これらの同じシステムを使用し、人工染色体上に含まれる新しい遺伝子組み換えを誘導し得る。この点で、部位特異的組み換え配列の使用は、レコンビナーゼ酵素によって認識されるおよび同じを含むDNA配列を受け入れることの可能なDNA配列を含む人工染色体を開発することにおけるかなりの利用性を有することができる。特異的遺伝子座へ導入DNAをターゲティングする手段として、部位特異的組み換えの使用は、当業界で実証されそのような方法が使用し得る。レコンビナーゼシステムを使用し、天然存在植物染色体に人工染色体内に含まれるクローン化DNA領域を移入することができる。
多くの部位特異的レコンビナーゼは、文献に記載された (Kilby et al., Trends in Genetics, 9(12): 413-418, 1993)。これらのうちに: Zygosaccharomyes rouxiiのpSR1プラスミドによってコードされとして同定さえる活性、ファージP1からのSaccharomyces cerevisiaeおよび Cre-loxからの2μm環状プラスミドをコードするFLPがある。
部位特異的レコンビナーゼの組み込み機能を、人工染色体上の遺伝的組み換えの誘導を援助する手段として、企図する。これを達成するために、本質的にランダム態様での植物細胞のゲノム内への部位特異的レコンビナーゼ部位を導入し、その結果植物細胞が植物染色体の1または2以上上に1または2以上の部位特異的レコンビナーゼ認識配列を有する第一工程を実行すること企図する。人工染色体を次いで、植物細胞内に導入し、改変人工染色体は部位特異的レコンビナーゼによって認識されうるレコンビナーゼ認識部位を含むよう改変される。所望により、レコンビナーゼ酵素をコードする遺伝子はまた、好ましくは誘導可能プロモーターの制御下で含まれる。植物細胞での部位特異的レコンビナーゼ酵素の、誘導可能レコンビナーゼ遺伝子の導入または起こるべき部位特異的組み換え事象を引き起こすレコンビナーゼ配列の一過性発現による発現は、人工染色体のレコンビナーゼ認識部位内へのレコンビナーゼ認識部位を含む植物染色体DNAの領域の挿入につながり、植物染色体DNAを含む人工染色体を形成する。人工染色体を単離しおよび異種宿主好ましくは植物宿主内に導入し、新しく導入した植物染色体DNAの発現を関し及び、望ましい表現型変化を評価する。よって、植物細胞の集団でのこの組み換えを実施することは、ここで染色体位置レコンビナーゼ認識部位はランダムに植物染色体中に分散され、人工染色体の集団の形成につながることができ、それぞれ植物染色体DNAの異なる領域を有し、それぞれ新しい遺伝的組み合わせをあらわす。
この特定の方法は、人工染色体内への染色体DNAの正確部位特異的挿入に関係する。この正確は、当業界で実証された。例えばFukushige and Sauer (Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:7905-7909, 1992) は、哺乳動物細胞の染色体の前定義遺伝子座にDNAを導入するのを首尾よく実施し得るCre-lox相同組み換えシステムを実証した。この実証では、コード領域の5'末端のlox配列を含むよう修飾されたプロモーターレス抗生物質抵抗性遺伝子を、CHO細胞に導入した。細胞を、lox配列をふくみCreレコンビナーゼ遺伝子を一過性に発現するプロモーターを含むプラスミドでのエレクトロポレーションによって再移入した。使用条件下で、Cre酵素の発現は、染色体位置プロモーターレス抗生物質抵抗性遺伝子に位置するLox部位および導入プロモーター配列のLox部位の間の相同組み換えを触媒し、機能性抗生物質遺伝子の形成につながった。著者は、導入配列、分析した56中54の系統の効率的及び正確ターゲティングが、lox配列間の、Cre触媒性部位特異的相同組み換えのために、予測単一コピー挿入に対応したことを実証した。
同じCre-loxシステムの使用は、植物で実証され (Dale and Ow, Gene 91:79-85, 1995)DNAを特異的に切除、欠失または挿入する。正確事象は、lox DNA配列の方向によって制御され、シスではlox配列は配列によってフランクされるDNAを欠失 (直接方向のlox配列) または逆位 (逆転方向のlox配列)するよう指示し、一方トランスではlox配列は、相同組み換え事象を指示でき組み換え体DNAの挿入という結果となる。よって、lox配列をまず、全植物体へ形質転換及び再生が可能な植物種のゲノムに付加し、人工染色体での組み換えのためのレコンビナーゼ標的DNA配列として供し得る。lox配列は、さらに、人工染色体内に不活性であるがloxレコンビナーゼ認識配列の挿入によって活性化できる選択マーカーを含むように最適に修飾し得る。
レコンビナーゼ認識配列に連結されたプロモーターレスマーカー遺伝子または選択マーカー遺伝子は、植物細胞の染色体内に最初に挿入され、これを使用してプラットホーム染色体を改変できる。プロモーターを、人工染色体内で組み換えるとプロモーターがマーカーまたは選択マーカー遺伝子の発現を制御するのを可能とする方向で、レコンビナーゼ認識部位に連結する。植物染色体のレコンビナーゼ認識部位と導入植物染色体内のレコンビナーゼ認識部位の間で部位特異的組み換え事象があると、組み換え人工染色体と由来する細胞、活性マーカーまたは選択マーカー活性を含む人工染色体は、細胞の同定および/または選択を可能とする。
人工染色体を他の植物種に移入し、新しい組み合わせの機能性を試験する。配列のそのような内部染色体移入を実施する能力は、当業界で実証された。例えば異なる染色体の2染色分体の間の染色体組み換え事象を引き起こすべきCre-loxレコンビナーゼシステムの使用は、示された。
任意の数の組み換えシステムを使用し得る(本明細書に記載の日と同日の米国仮出願番号10/161,403を参照せよ)。そのようなシステムは限定しないがファージラムダのInt/attおよびGin/gixシステムのような細菌に由来するシステムを含む。
例えば人工染色体内へのDNAの導入のための1レコンビナーゼシステム、および第二植物種の天然存在染色体内への人工染色体内に含まれる新しく導入されたDNAのその後の移入のための第二レコンビナーゼシステムの導入を含む、1より多い組み換えシステムを使用し得る。使用する特異的組み換えシステムの選択は、企図される修飾の性質に依存する。
人工染色体および特に部位特異的組み換えにより導入される植物染色体DNAを含む人工染色体を単離し、染色体を他の細胞特に植物細胞内に再導入する能力を有することによって、これらの新しい組み合わせを、遺伝子を最初に単離し修飾する必要なく異なる作物種において評価でき、または同じ組み合わせ単離および植物での遺伝子の組み合わせ試験を達成するための遺伝子移入を実行し得る。部位特異的レコンビナーゼおよび人工染色体の使用はまた、他の組み換えDNAベクターおよび操作および研究のためのシステムへの植物染色体領域の簡便な回収を可能とする。
人工染色体を、クローン化DNAの大領域、例えば細菌人工染色体(BAC)またはコウボ人工染色体(YAC)で含まれるものを受け入れるプラットフォームとして改変できる。さらに、増幅に基づく人工染色体、例えばSATACS (またはACes)であって、クローン化DNA配列よりも多い、縦列に反復されるDNAブロックを含むものの典型構造の結果として、組み換えプロセスによって導入することができることが企図される。特に人工染色体内の縦列に反復されるDNAの前定義領域内の組み換えは、BACまたはYACクローン内に含まれるDNAの大領域を含む、クローン化DNAの多くの領域を''スタッキング''するためのメカニズムを提供する。こうして、遺伝子の多重組み合わせは、人工染色体上に導入でき、これらの組み合わせを機能性について試験できる。特に、多重YACまたはBACを人工染色体にスタッキングし、BACまたはYACは複合経路の多重遺伝子または多重遺伝的経路を含むことを企図する。BACまたはYACは典型的に、公開ドメイン内の利用可能な遺伝的情報例えばArabidopsis Information Management System (http://aims.cps.msu.edu/aims/index.html)またはInstitute for Genomic Research (http://www.tigr.org)からの利用可能な植物DNA配列に関する情報および他の当業者に既知のサイトに基づいて選択する。代替的に、クローンをアトランダムに選択し、機能性について評価できる。望まれる表現型を提供する組み合わせを、組み合わせを含む人工染色体の単離によって同定し、挿入されたクローン化DNAの性質を分析できる。
植物形質に関連する遺伝を発見するためここに提供する方法の更なる実施態様では、そこに評価のため宿主細胞へ植物DNAを移入するため使用される人工染色体は、人工染色体が生産されるプロセスの結果として、植物DNAの大領域、特に植物ユークロマチンを含む。特に、人工染色体は、限定しないが以下のものを含む増幅に基づく人工染色体であり得る: (1)ジセントリック染色体の破損から生じるミニ染色体、(2)リピーティング核酸ユニットの1または2以上を含む人工染色体、ここでリピーティング領域は、実質的に均等量のユークロマチンおよびヘテロクロマチン核酸を含む、(3)リピーティング核酸ユニットの1または2以上の領域を含む人工染色体、ここでリピート領域は卓越的にユークロマチン性DNAから作成され、または約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または90%より多いユークロマチン性DNAを含む、(4)リピーティング核酸ユニットの1または2以上の領域を含む人工染色体、ここで人工染色体は、実質的に均等量のヘテロクロマチンおよびユークロマチンから作成される、(5)ユークロマチンおよびヘテロクロマチン性核酸を示す共通核酸配列を有するリピーティング核酸ユニットの1または2以上領域を含む人工染色体および(6)植物染色体のユークロマチン含有アームの一部または全部を含むソーセージ様構造。
植物形質と連関する遺伝子を発見するためのこれらの方法において、そこでの評価のため宿主細胞に植物DNAを移入するため使用される人工染色体は、大量の植物DNA、特に植物ユークロマチンをすでに含むように生成されるから、相同または部位特異的組み換えによって、人工染色体内に植物ユークロマチンを導入する必要はない。
4.ライブラリーの調製およびスクリーニングのための人工染色体の使用
大フラグメントのDNAを、人工染色体(ACs)に取り込むのができるから、それらは、ゲノムDNAライブラリーの調製において完全ゲノムを蓄積できるクローニングビヒクルとしての使用のためよく適合され、それを次いで容易に、さらなる修飾及び研究のため、前記の機能性について、または特異的遺伝子配列についてスクリーニングし得る。例えば、人工染色体を使用し、種々の異なる種の植物から、機能性DNA構成要素、例えば遺伝子、セントロメア性DNAおよびテロメア性DNAの同定および単離において有用である植物ゲノムDNAライブラリを含む人工染色体を調製することが可能である。以下の実施例は、例示目的のみに含まれ、発明範囲を限定するのを意図しない。
実施例1
Arabidopsisプロトプラストの生成
植物プロトプラストを典型的に、以下の標準技法に従い植物細胞から生成する(例えば、Maheshwari et al., Crit. Rev. Plant Sci. 14:149-178, 1995; Ramulu et al., Methods in Molecular Biology 111 227-242, 1999)。典型的には、植物プロトプラストを、新鮮植物組織例えば葉から調製し、または細胞懸濁培養を、酵素的に細胞壁の除去によってプロトプラストに変換することによって調製し得る。Arabidopsisプロトプラストの生産のために、Karesh et al. (Plant Cell Reports 9: 575-578, 1991)および Mathur et al. (Plant Cell Reports 14:21-226, 1995) の方法を使用し、Arabidopsis懸濁培養を、以下の記載のその修飾によって生成する。これらの細胞を液体培養で維持し、要求されるように通常は培養の7と10日の間継代する。
懸濁培養の確立
Arabidopsis thaliana cv. Columbia RLD and Landsburg I erecta'の根カルスから由来する細胞懸濁培養を使用した。カルスを3% スクロース、0.5mg/l ナフタレン酢酸(NAA), 0.05 mg/l カイネチン (Sigma Aldrich Canada)で補足したMS基本培地 (Murashige and Skoog (1962) Physiol. Plant 15:473-497)を含むカルス誘導培地上の3週齢実生の根から誘導した。細胞懸濁培養を、120rpmの振とうで22℃で液体カルス誘導培地中でカルスから成長させた。それらを7日ごとに継代した。
プロトプラストの生成
1グラムの4-5 日齢の懸濁培養物を、35 g/l CaCl2・2H20 中の1% セルラーゼ''Onozuka''R-10 および 0.25% Macerozyme R-10 を含む6ml酵素溶液中でインキュベートし(Hartmann et al. (1998) Plant Mol. Biol. 36:741 -754) 、15時間70rpmで振とうしつつ暗黒で22℃でインキュベートした。プロトプラスト混合物を、100μmナイロンメッシュシーブを経由して注ぎ、250xgで5分間遠心分離した。プロトプラストを、35g/l CaCl2・2H20で洗浄し、144 g/l スクロースおよび 1 mg/l 2,4-ジクロロフェノキシ酢酸 (2,4-D)を有する、B5 培地を含む10mlフローティングメディウム中に懸濁した(Gamborg et al. (1968) Exp. Cell Res. 50:151-158)。プロトプラストを、10分間80xgで遠心分離し、インタフェースで収集し、トランスフェクションのため直ちに使用した。
実施例2
タバコメソフィルプロトプラストの生成
メソフィルプロトプラストを、N. tabacum cv. Xanthiの滅菌プラントレットの葉から生成した。プラントレットを無菌的に、MSO 培地 (MS 基本培地, 3% スクロース、0.05% モルホリノエタンスルホン酸 (MES), 1.0 mg/l ベンジルアデニン (BA), 0.1 mg/l NAA および 0.8% アガー、pH 5.8)で22℃で 16/8時間光周期で成長させた (またBilang et al. (1994) Plant Molecular Biology Manual A1:1-6参照)。完全に拡張した葉 (2 x 4 cm)を半分に切り、主な葉脈を除去し、上方表皮を並行カットで刻んだ。葉断片を、K4培地中に1.2% セルラーゼ ''Onozuka''R-10および0.4% Macerozyme R-10 を含む6ml酵素溶液中に浸漬し(Nagy and Maliga (1976) Z. Pflanzenpysiol. 78:453-455)そして振とうなしで22℃で15 時間インキュベートした。プロトプラストを、100μmナイロンメッシュシー部を経由して注ぐことによって精製した。プロトプラストの懸濁を注意深く、1m W5溶液でオーバーレイし (Bilang et al. (1994) Plant Molecular Biology Manual A1:1-6) 80xgで10分間遠心分離した。プロトプラストを次いで1 x 106 プロトプラスト/mlの密度でW5溶液中に再懸濁し、4℃で1 ないし 2時間貯蔵し、次いで処理例えばDNA取り込みまたは染色体移入した。
実施例3
懸濁培養からのタバコプロトプラストの生産
タバコBY-2プロトプラストを、Nagata et al. [(1981) Molecular and General Genetics, 184:161-165]の方法により懸濁培養より調製した。
実施例4
アブラナ属植物胚軸プロトプラストの生成
Brassica napus, B. oleracea, B. juncea および B. carinata の遺伝子型を使用し、プロトプラストを生成し得る。Brassica napusの種子を、表面滅菌した (2分間 70% エタノール次いで20分間 2.4% 次亜塩素酸ナトリウムで100miあたり1滴のTween 20を含むもの)。種子を滅菌蒸留水で完全にすすぎ、そしてオートクレーブした発芽培地上で無菌的に成長させた (半分濃度の基本Murashige and Skoog's培地(MS), 1% スクロース、0.8% アガー、pH 5.8)。特に指摘しない限り、プロトプラスト生成手法は、無菌的に実施し、溶液及び培地はろ過滅菌した。代替的に、プロトプラスト生成し、種々のプロトコル修飾を使用して種々のエクスプラントより首尾よく培養できる (例えば、Kao et al. (1991) Plant Science 75:63-72; Kao et al. (1990) Plant Cell Rep. 9:311-315; Kao and Seguin-Swartz (1987) Plant Cell Tiss. Org. Cult. 10:79-90; Kao (1977) Mol. Gen. Genet. 150:225-230)。
胚軸プロトプラストの生成
胚軸を、暗黒で無菌的に暗黒でまたは使用2,3時間に光暴露なしで成長させた4または5日齢の実生から切除した。エクスプラントを、2-5mm断片に横断的に切断し、ペトリ皿で、暗黒で14-18時間アジテーションなしで、次いでロータリーシェーカーで(約50rpm)で15-30分間のアジテーションで酵素溶液中でインキュベートした (Kao's mediumの塩、ビタミンおよび有機酸(Kao (1977) Mol. Gen. Genet. 150:225-230), 0.4 g/l CaCl2・2H20, 13% スクロース、1% セルラーゼ'Onozuka R10', 0.1% Pectolyase Y23, pH 5.6)。
混合物を、63μmナイロンスクリーンを経由して管にろ過し、等体積の17.5%スクロースをそれぞれの管に添加した。遠心分離(約100xg, 8 分)に続いて、それぞれの管の頂部に形成されたプロトプラストバンドを収集した。プロトプラストを洗浄溶液で懸濁によって3回洗浄した [Menczel and WolfeのW5溶液 (1984, Plant Cell Rep 3:196-198) 濃度減少した (0.8X)] 次いで100xgで3-5分間遠心分離し上清を廃棄した。
塩、ビタミンおよび有機酸と、30 g/l スクロース、68.4 g/lグルコース, 0.5 mg/l NAA, 0.5 mg/l BA, 0.5 mg/l 2,4-D, pH 5.7を含むKaoの培地で、密度 1 X 105 / mlのプロトプラストを培養し、25℃、16時間光周期で、弱い蛍光灯光で(25 μEm-2 s-1)インキュベートした。
5-8日培養後、68.4g/lのかわりに55.8g/lのグルコースのほかは前記の培地を含む1-1.5 mlのフィーダー培地を、それぞれのさらに添加し、皿をより明るい蛍光灯光下に置いた(50 μEm-2 s-1)。約14日に、1-2 mlの培地をそれぞれの皿から除去し、基本B5培地(Gamborg et al. (1968) Exp. Cell Res. 50:151-158)、3% スクロース、3.8%グルコース, 0.5 mg/l BA, 0.5 mg/l NAA, および 0.5 mg/l 2,4-D, pH 5.7を含む2-3 mlのフィーダー培地を添加した。約21日に、もしマイクロコロニーがまだ形成されてないならば、培養に3.8%のかわりに2.2%のグルコースを有するほか最終フィーダー培地を供給することができる。プロトプラスト培養物を必要なときに新しいフィーダー培地を添加し、穏やかにペトリ皿を攪拌し、細胞を定着させ、上清のほとんどを除去し、皿に新鮮培地を添加することによって洗浄できる。
3-5週に、マイクロコロニーを最終フィーダー培地と増殖培地の1:1混合物を含む培地で固定化し、それはフィーダー培地の成分と、0.9%グルコースおよび1.6%アガロースを含み、最終混合物中の濃度0.8%とする。培養を前記のように明るい蛍光灯(80-100 μEm-2 s-1)下でインキュベートした。10日ないし2週間で、緑色コロニーを、再生培地上に配置した。
実施例5
植物人工染色体形成の誘導のため有用な形質転換ベクターの調製
植物人工染色体(PACs)を、核酸、例えばDNAを導入することによって生成でき、それは増幅誘導DNAおよび/またはターゲティングDNA、例えばrDNAまたはλDNAを、植物細胞に含ませ、細胞を成長させ、次いで核酸の導入に先立ち細胞中に存在する任意の染色体のそれと異なる構造を有する染色体を含む得られた細胞中から同定できる。PACの構造は、染色体DNA、例えばセグメント化、リピート領域含有およびヘテロクロマチン構造の増幅を反映する。またPAC例えば1より多いセントロメアおよび/またはそのフラグメントを含む染色体の前駆体である構造を含む細胞を選択し、それらを培養および/または操作し、最終的に細胞内にPACを生成することが可能である。
PACを生成する方法では、核酸を種々の植物細胞内に導入できる。核酸は、ターゲティングDNAおよび/または植物発現可能DNAであって1または多重の選択マーカー(例えば、ビアロフォス(bar)抵抗性をコードするDNA)またはスコア可能DNA (例えばGFPをコードするDNA)を含むことができる。ターゲティングDNAの例は限定しないが、N. tabacum rDNA遺伝子間スペーサー配列 (IGS)および Arabidopsis rDNA例えば 18S, 5.8S, 26S rDNA および/または遺伝子間スペーサー配列を含むことができる。DNAを、種々の方法を使用して導入でき、限定しないがアグロバクテリウム介在方法。PEG介在DNA取り込み、およびエレクトロポレーションであって、例えば標準的手法Hartmann et al [(1998) Plant Molecular Biology 36:741]に従うものを含む。そのようなDNAが導入される細胞を、選択条件下で成長させ、次いで選択培地に移動する。細胞またはプロトプラストを、選択剤を含むプレート上に配置し、例えば個々のカルスに成長できる。抵抗性カルスは、スコア可能マーカー発現についてスコアできる。抵抗性培養物の中期スプレッドを調製し、特異的プローブを使用しFISH分析によって中期染色体を試験し、染色体の領域の増幅を検出できる。機能セントロメアまたは人工染色体中間体構造を有する人工染色体を有する細胞は限定しないがジセントリック染色体、以前ジセントリック染色体、ミニ染色体、ヘテロクロマチン構造(例えばソーセージ染色体)および安定事項複製人工染色体中間体で前記のようなものを含み、これらを同定および培養する。特に、自己複製人工染色体を含む細胞を同定する。
PACの生成のために植物細胞内に導入されたDNAは、ベクターの形態を含む任意の形態であることができる。PACを生成する方法で使用のための例示的ベクターは、以下のように調製できる。
人工染色体の生産のために、pAgIIa および pAgIIbによって例示され、選択マーカー、ターゲティング配列およびスコア可能マーカーを含む植物形質転換ベクターを、種々のフラグメントを結合する当業界周知の手法を使用して構築した。ベクターを、基本ベクターとしてベクターpAgaを使用し、以下のDNAフラグメントをpAg1内に挿入して調製できた:ノパリンシンターゼ(NOS)プロモーターフラグメントの制御下であり、NOSターミネーターフラグメントによって3'末端でフランキングのβ-グルクロニダーゼをコードするDNA、マウスサテライトDNAのフラグメント、およびN. tabacum rDNA 遺伝子間スペーサー配列(IGS)。植物形質転換ベクターの構築において、ベクターpAg2をまた基本ベクターとして使用できる。
1.pAG1の構築
Vector pAg1 (配列番号 1;図1参照)は、pCambia 3300と称するCAMBIAベクター (Center for the Application of Molecular Biology to International Agriculture, i.e., CAMBIA, Canberra, Australia; www.cambia.org)であり、それはホスヒノスリシンへの抵抗性を付与するbar遺伝子からのDNAが付加された、ベクターpCambia1300の修飾バージョンである。pCambia 3300のヌクレオチド配列は、配列番号 2に提供する。pCambia 3300はまた、ポリリンカー領域を含むlacZアルファ配列を含む。
pAg1を、2つの新しい機能性DNAフラグメントを、pCambia3300のポリリンカー内に挿入することによって構築する:1の配列はattB部位およびSV40polyAシグナル配列によって、3'部位でフランキングされる、プロモーターレスゼオマイシン抵抗性コード化DNAを含み、第二配列は、植物の選択のためのハイグロマイシンへの抵抗性を付与するハイグロマイシン抵抗性遺伝子(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)からのDNAを含む。ゼオマイシン-SV40polyAシグナル融合は、植物細胞でのゼオマイシン選択の基礎を提供すると予測されないが、それはラムダattインテグラーゼによって触媒される部位特異的組み換えによってattB部位への機能性プロモーターエレメントの挿入によって哺乳動物細胞内で活性化できる。こうして、attB-ゼオマイシン配列の包含は、ゼオマイシン抵抗性コード化DNAの活性かによって哺乳動物細胞での植物人工染色体の機能性の評価を可能とし、そして植物形質転換のためのpAg1を使用する結果、形成される植物人工染色体内に新しいDNA配列のさらなる挿入のためのatt部位を提供する。第二機能性DNAフラグメントは、ハイグロマイシンでの植物細胞の選択を可能とする。こうして、pAg1は、ホスヒノスリシンへの抵抗性を付与するbar遺伝子からのDNAを含み、ハイグロマイシン抵抗性遺伝子からのDNAであり、両方は、別個のカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35Sプロモーター、およびarrB-プロモーターレスゼオマイシン抵抗性コード化DNAの制御下である。
pAg1は、ボーダー配列間に位置するDNAでの植物細胞またはプロトプラストのアグロバクテリウム介在形質転換での使用のためのライトおよびレフトT-DNAボーダー配列を含むバイナリーベクターである。pAg1はまた、E. coliでの複製のためのBR322 Oriを含む。pAg1を、HindIII/PstI-消化p3300attBZeoを、HindIII/PstI-消化pBSCaMV35SHygと以下のようにライゲートすることによって構築した (図2参照)。
a.p3300attBZeoの生成
プラスミドpCambia 3300を、PstI/Ecl136 IIで消化し、PstI/StuI-消化 pLITattBZeo (pLITattBZeoのヌクレオチド配列は配列番号 19に提供する)とライゲートしp3300attBZeoを生成し、それはattB 部位、SV40 polyA シグナルによって3'末端でフランキングされるプロモーターレスゼオマイシン抵抗性コード化DNAを含む。
b. pBSCaMV35SHygの生成
CaMV 35SプロモーターおよびCaMV 35S polyAシグナル配列によってフランキングされるハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼをコードするDNAを含むDNAフラグメントを、プラスミドpCambia 1302のPCR増幅によって取得した (GenBank Accession No. AF234298 および 配列番号 3)。増幅反応で使用したプライマーは以下のとおりであった:
CaMV35SpolyA:
5'-CTGAATTAACGCCGAATTAATTCGGGGGATCTG-3' 配列番号 4
CaMV35Spr:
5'-CTAGAGCAGCTTGCCAACATGGTGGAGCA-3' 配列番号 5
2100-bp PCRフラグメントを、EcoRV-消化pBluescript II SK+ (Stratagene, La Jolla, CA, U.S.A.)にライゲートし、pBSCaMV35SHygを生成した。
c.pAg1の生成
pAg1を生成するために、pBSCaMV35SHygをHindIII/PstIで消化しHindIII/PstI-消化p3300attBZeoにライゲートした。こうしてpAg1は、別個のCaMV 35Sプロモーターの制御下のホスヒノスリシンおよびハイグロマイシン抵抗性を付与するDNAを有するpCambia 3300バックボーン、attB-プロモーターレスゼオマイシン抵抗性コード化DNA組み換えカセットおよび追加的マーカー、例えばGFPをコードするDNAを付加するための独特な部位を含む。attB部位は、植物または動物、例えば哺乳動物への新しいDNA配列、例えば人工染色体の付加を容易化し、PACの生産においてpAg1ベクターまたはその誘導体を使用する結果として形成されるPACを含む。attB部位は、相同att部位のレコンビナーゼ介在挿入のための簡便な部位を提供する。
2.pAG2
ベクター pAg2 (配列番号 6; 図3参照)は、NOSpolyAシグナルによって3'末端でフランキングされ、NOSプロモーターの制御下で、緑色蛍光タンパク質(GFP)コードするDNAを、pAg1に付加することによって形成されるベクターpAg1の誘導体である。 (図4参照)。NOSプロモーターを含むDNAフラグメントを、クローニングベクター pGEM-T-Easy (Promega Biotech, Madison, WI, U.S.A.)のNOSプロモーターを含む、NOSプロモーターpGEM-T-NOS、またはpGEMEasyNOS (配列番号 7)の、XbaI/NcoIでの消化して取得し、そしてGFPタンパク質を含むpCambia1302のXbaI/NcoIフラグメント(CaMV35Sプロモーターを欠く)へライゲートしてNOSプロモーターに作動性連関にあるGFPコードDNAを含むp1302NOSを生成した(配列番号8)。プラスミドp1302NOSを、SmaI/BsiWIで消化し、NOSプロモーターおよびGFP-コード DNAを含むフラグメントを得た。フラグメントをPmeI/BsiWI-消化 pAg1にライゲートしpAg2を生成した。こうして、pAg2はホスヒノスリシンへの抵抗性を付与するbar遺伝子からのDNA、ハイグロマイシンへの抵抗性を付与するDNA、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターの制御下の両方の抵抗性をコードするDNA、カナマイシン抵抗性をコードするDNA、NOSプロモーターの制御下のGFP遺伝子およびattB-ゼオマイシン抵抗性コードDNAを含む。当業者は、他のフラグメントを使用しpAg1およびpAg2誘導体を生成できること、および他の異種DNAを、周知技法を使用して、pAg1およびpAg2誘導体にとりこませることができることを認識する。
3.pAgIIaおよび pAgIIb形質転換ベクター
ベクター pAgIIaおよびpAgIIbを、以下のDNAフラグメントを、pAg1に挿入することによって構築した:β-グルクロニダーゼをコードするDNA、ナパリンシンターゼターミネーターフラグメント、ノパリンシンターゼ(NOS)プロモーターフラグメント、マウスサテライトDNAのフラグメントおよびN. tabacum rDNA遺伝子間スペーサー配列(IGS)。pAgIIa およびpAgIIbの構築は、以下のとおりであった(図5参照)。
あるN.tabacum rDNA遺伝子間スペーサー(IGS)配列(配列番号 9); またGenBank Accession No. YO8422参照;また Borysyuk et al. (2000) Nature Biotechnology 18:1303-1306; Borysyuk et al. (1997) Plant Mol. Biol.35:655-660; 米国特許番号 6,100,092 および 6,355,860参照)を、タバコゲノムDNAのPCR増幅によって取得した。IGSを、タバコrDNA遺伝子へのその相同性によってターゲティング配列として使用できる; 配列はまた、植物の増幅プロモーター配列である。このフラグメントを、標準PCR条件を使用して(例えば、Promega Biotech, Madison, WI, U.S.A.に記載されるとおり)タバコゲノムDNAから、以下のプライマーを使用して増幅した:
NTIGS-Fl
5'- GTG CTA GCC AAT GTT TAA CAA GAT G- 3' (配列番号 10)および
NTIGS-Rl
5'-ATG TCT TAA AAA AAA AAA CCC AAG TGA C- 3' (配列番号 11)
増幅後、フラグメントをpGEM-T Easy内にクローン化しpIGS-Iを与えた。
マウスサテライトDNA(Msat1 fragment; GenBank Accession No. V00846;および 配列番号 12) のフラグメントを、以下のプライマーを使用してpSAT-1からPCRによって増幅した:
MSAT-F1
5'- AAT ACC GCG GAA GCT TGA CCT GGA ATA TCG C -3'(配列番号 13) および
MSAT-Ri
5'-ATA ACC GCG GAG TCC TTC AGT GTG CA T- 3' (配列番号 14)
この増幅は、SacIIおよび HindIII部位をPCRフラグメントの5'末端におよび SacII部位を3' 末端に付加した。このフラグメントを次いでpIGS-1のSacII部位内にクローン化し、pMIGS-1を与え、真核染色体特異的DNAおよびFISHによる検出に簡便なDNA配列を提供する。
NOS-プロモーター:GUS:NOSターミネーター融合を含む機能性マーカーを次いで構築し、NOSプロモーター (GenBank Accession No. U09365; 配列番号 15)、E. coli β-グルクロニダーゼコード配列(GUS遺伝子から; GenBank Accession No. S69414;および配列番号 16)、およびノパリンシンターゼターミネーター配列 (GenBank Accession No. U09365; 配列番号 18)を含むものである。pGEM-T-NOS 中のNOSプロモーターを、pBlueScript (Stratagene, La Jolla, CA, U.S.A.)中のプロモーターレスGUS遺伝子に、NotI/SpeIを使用して付加し、pNGN-1を形成し、それはGUS遺伝子について反対方向のNOSプロモーターを有する。
pMIGS-1をNotI/SpeIで消化し、マウスメジャーサテライト DNAおよびタバコIGSを含むフラグメントをもたらし、これを次いで、NotI-消化pNGN-1に付加し、pNGN-2をもたらした。NOSプロモーターを次いで、SpeIで消化および再ライゲーションによって、再配向しpNGN-3を提供した。プラスミドpNGN-3を次いで、HindIIIで消化し、そしてβ-グルクロニダーゼコード配列およびrDNA遺伝子間スペーサーを含むHindIIIフラグメントを、Msat配列といっしょに、pAG-1に付加し、T-DNA領域内のpAg1のライトT-DNAボーダー近くに位置するpAg1の独特なHindIII部位を使用して、付加した。
pAgIIbと呼ばれるもうひとつのプラスミドベクターをまた回収し、それはpAgllaで観察されるものについて反対方向の、挿入されたHindIIIフラグメントを含んだ。こうして、pAgIIaおよび pAgIIbは、マウスメジャーサテライト配列、GUS DNA配列およびIGS配列を含むHindIIIフラグメントの方向のみで異なる (図6参照)。pAgIIaのヌクレオチド配列を配列番号21に提供する。
ベクターpAg1, pAg2, pAgIIaおよびpAgIIb,並びに類似に設計されたベクターは、認識部位およびプロモーター(例えば,植物または動物プロモーター)、およびおそらく他の調節配列を、植物または動物細胞のような宿主細胞で発現のためタンパク質または他の産物をコードするDNAと作動可能連関で含み、これを使用し任意のタンパク質(または他の産物)をコードする所望の核酸の、その発現のための細胞内への移入で使用できる。例えば、任意のタンパク質(または他の産物)をコードする所望の核酸(特定の宿主細胞での使用のため好適な転写調節と作動性連関にある)は、pAg1、pAg2、pAgllaおよびpAgiibのいずれかに挿入することができ、それによって、植物、動物または他の人工染色体、特にここに記載のようなプラットフォーム人工染色体ACesに取り込まれる。
実施例6
植物細胞のアグロバクテリウム介在形質転換
植物細胞を、標準手法にしたがってアグロバクテリウム介在形質転換によって形質転換した(参照せよ、例えば、Horsch et al. (1988) Plant Molecular Biology Manual, A5:1-9, Kluwer Academic Publisher, Dordrecht, Belgium)。簡単には、アグロバクテリウム菌株GV 3101/pMP90 (Koncz and Schell (1986) Molecular and General Genetics 204:383-396参照)を、pAgIIa およびpAgIIb (実施例5参照)で、熱ショックによって形質転換し、そして形質転換後のpAgIIaおよび pAgIIbのプラスミドインテグリティを、HindIII消化パターンによって確認した。pAgIIa/pMP90またはpAgIIb/pMP90を、25 μg/ml カナマイシンおよび25 μg/ml ゲンタマイシンを含む、5 ml AB培地で(Horsch et al. (1988) Plant Molecular Biology Manual, A5:1-9, Kluwer Academic Publisher, Dordrecht, Belgium) 28℃2日間培養した。
タバコおよびArabidopsisのリーフディスクおよびArabidopsisの根セグメントを、以下のように調製した:3ないし4週齢エクスプラントからのタバコ葉を、直径1cmに切断し、Arabidopsis葉を、3週齢実生からとり、2半分に横断的に切断した。3週齢Arabidopsisの根を、1cm長さのセグメントに切除した。共培養を2分間のバクテリア培養にリーフディスクまたは根セグメントを浸漬し、次いで感染組織を、冷白色蛍光灯光下の16日日長で22度で2日間抗生物質のない培養培地に移した。タバコおよびArabidopsisの葉ディスクを、MS 104培地上で(MS, 3% スクロース、0.05% MES, 1.0 mg/l BA, 0.1 mg/l NAA および 0.8% アガー、pH 5.8) 根セグメントをカルス誘導培地、CIM 0.5/0.05 (B5, 2%グルコース, 0.05% MES, 0.5 mg/l 2,4-D, 0.05 mg/l カイネチン および 0.8% アガー、pH 5.8)上で培養した。
形質転換した葉ディスクおよび根セグメントを次いで、アグロバクテリウムの排除のため20mg/lハイグロマイシンおよび300mg/ハイグロマイシンおよび300mg/l Timentinを含む、それぞれMS104またはCIM0.5/0.05の選択培地に移した。選択培地を、2週間ごとに交換し、緑色シュートを再生した。植物を、標準組織化学および蛍光アッセイによってGUSをコードするDNAの発現についておよび定量的PCRによって挿入DNAの増幅の証拠について分析した。多くの植物を取得し、それは高レベルのGUSを発現し、そして多重コピーのGUS遺伝子を、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)およびPCR分析によって観察した。こうして挿入DNAを含む染色体領域増幅を観察した。当業者は、GUS発現または任意の他の遺伝子の発現が、当業界周知方法によって評価できることを認識する。
実施例7
Arabidopsisのトランスフェクションおよび培養
E. coli菌株 Stb14 (Gibco Life Sciences)を、pAgIIa, pAgIIb,およびArabidopsisからのrDNAリピート配列を含む2つのターゲティングプラスミドのひとつで (プラスミド pJHD-14AまたはArabidopsisプラスミドpJHD2-19Aからの26S rDNA、Doelling et al. [(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:7528-7532]に記載のとおり) 標準手法に従ってエレクトロポレーションにより形質転換した。単一コロニーを50 μg/ml カナマイシン (pAgIIa および pAgIIb におけるカナマイシン抵抗性コードDNAに基づく選択のため)または 50 μg/ml アンシピリン (pJHD-14A & pJHD2-19A におけるアンシピリン抵抗性コード遺伝子に基づく選択のため)を含む250ml LB培地で成長させ、225rpmで16時間振とうしつつ30℃で培養した。プラスミドを当業界周知標準手法に従って単離した、プラスミドの構造インテグリティを、制限消化パターンによってチェックし、プラスミドを制限酵素で線形化した。プラスミドをトランスフェクションのための使用前にクロロホルムおよび70%エタノールで滅菌した。
Arabidopsisプロトプラストを、培養培地に懸濁し (実施例1参照) 密度は2 x 106 プロトプラスト/mlであった。300 μlプロトプラスト懸濁を、15 ml管にピペッティングし、30 μl のプラスミド (pAgIIaまたは pAgIIb)およびターゲティングDNA (pJHD-14A or pJHD2-19A)を添加し、10 μgプラスミドおよび100 μg ターゲティング配列を含み、次いで直ちに300 μl の 10% PEGをゆっくり添加した。ターゲティグプラスミドを、トランスフェクション手法に含め、rDNAターゲティングDNA(すなわちpAgllaまたはbからのタバコrDNAおよびターゲティングベクターからのArabidopsisDNA)の量がArabidopsis染色体の相同部位での導入DNAの組み換えをもたらすのに十分であることを確保した。DNAは典型的に、10:1のターゲティングDNA (pJHD-14AまたはpJDH2-19A,またはラムダ DNA) のプラスミドDNA (pAgIIaまたはpAgIIb, または選択マーカープラスミド)比率でまたは5:1の比率で使用した。一般に、植物染色体への挿入のため十分できあるべき塩基対またはターゲティングDNAの数は、少なくとも約50bp、または約60bp、または約70 bp,または約80 bp、または約90 bp、または約100 bp、または約150 bp、または約200 bp、または約300 bp、または約400 bp、または約500 bp、または約600 bp、または約700 bp、または約800 bp、または約900 bp、または約1 kb、または約2 kbまたは約3 kb、または約4 kb、または約5 kb、または約6 kb、または約7 kb、または約8 kb、または約9 kb、または約10 kbまたはより多い。染色体内への導入をもたらすため十分なターゲティングDNAの量および長さは、経験的に決定でき、異なる植物種で異なることができる。
混合物を、おだやかに振動し、ただちに300 μl の 10% PEG溶液を穏やかに振とうしつつゆっくり添加した。プロトプラスト混合物を22℃で 10-15分間、穏やかな振とうの数サイクルでインキュベートした。DNA取り込みを5 ml 72.4 g/l Ca(N03)2の添加によってクエンチした。プロトプラストを次いで、80xgで7分間遠心分離し、培養培地に再懸濁した。選択のために、10ないし40mg/lハイグロマイシンをトランスフェクション14日後にプロトプラスト培養に添加し、培養培地を7日ごとに交換した。プロトプラスト培養はまた、20mg/lハイグロマイシンを含む培養培地に移動することによって0.6%アガロースにエンベットした後に選択し得る。培養は、22℃で14日またはより長くインキュベートした。
Arabidopsisプロトプラストを、GUSをコードするDNAの存在および発現について分析した。回収ミクロカルスは、GUSを強く発現し、選択剤に抵抗性であり、これは挿入DNAの増幅を指摘する。代替的にArabidopsisプロトプラストのトランスフェクションを、ターティング配列を使用することなく実行し得、というのはpAgllaおよびpAgllbはrDNAの領域を含むからであり(すなわちタバコrDNA IGS)それはトランスフェクション手法でpAglla/bプラスミドの十分量が使用される限りターゲティング配列として作用できるからである。
実施例8
タバコプロトプラストのトランスフェクションおよび培養
実施例7に記載のように、E. coli菌株Stbl4を、pAgIIa、 pAgIIb、 pJHD-14A (ターゲティングDNA)およびpJHD2-19A (ターゲティング DNA) で、エレクトロポレーションにより形質転換し、プラスミドDNAを回収し制限酵素で線形化した。プラスミドをトランスフェクションのための使用前にクロロホルムおよび70%エタノールで滅菌した。
タバコプロトプラスト(実施例2および3参照)を、培養培地(実施例2参照)に再懸濁し、密度は2x 106 プロトプラスト/mlであった。300 μl プロトプラスト懸濁を、15ml管にピペッティングし、30 μlのプラスミドおよびターゲティングDNAを実施例7に記載のように添加した。混合物を穏やかに振とうし、直ちに300μlの10% PEG溶液を穏やかに振とうしつつゆっくりと添加した。タバコプロトプラスト混合物を、穏やかに振とうしつつ数サイクル10--15分間22℃でインキュベートした。DNA取り込みを、5 ml 72.4 g/L Ca(N03)2の添加によってクエンチした。プロトプラストを次いで、80xg で7分間遠心分離し、そして培養培地に再懸濁した。
DNA取り込み後の生存タバコプロトプラストの回収は処理後65-75%の範囲だった。典型的に35%より大きいプロトプラストは、処理の7日以内に細胞分裂を開始した。プロトプラスト細胞を、遺伝子発現について分析した(この場合レポーターDNA GUSの発現について、しかし代替的に、他の遺伝子の発現を監視し得る)。回収細胞の4%と6%の間はGUS発現を示した。
プロトプラストを、形質転換細胞を回収するため選択手法の対象とした。タバコ細胞の選択のため、10-40mg/lハイグロマイシンを、トランスフェクション10-14に稚児にプロトプラスト培養に添加し、培養培地を、7日ごとに交換した。リーフディスク選択を、40mg/lハイグロマイシン存在下で実施した。形質転換マイクロカルスを回収し、GUSレポーター遺伝子発現について分析した。GUS陽性カルスを単離し、FISH分析の対象とした(実施例13参照)。挿入DNAの増幅を示す植物細胞を同定した。
実施例9
アブラナ属植物プロトプラストのトランスフェクションおよび培養
63μmナイロンシーブのろ過および遠心分離後の最終洗浄工程後のアブラナ属植物プロトプラスト (実施例4参照)を収集し、実施例8に記載のようにDNAトランスフェクションについて使用した。アグロバクテリウムによるDNA取り込みまたは形質転換後のアブラナ属植物プロトプラスト培養を、液体培地でまたは固定固体培地でハイグロマイシンまたはグルホシネートのいずれかで選択できる。ハイグロマイシンの有効な濃度は、10ないし40mg/lで2ないし4週間または連続的日であり、一方グルホシネートアンモニウムについてのそれは、2ないし60mg/lで5日ないし2週間である。選択は、成長を抑制し得、そして類似培地への追加的移動を要し得る。
実施例10
Brassicaプロトプラストからの植物再生
Brassicaプロトプラストのコロニー (1 mm またはより大きい直径)を、再生培地上に配置した (基本Murashige and Skoog's 培地、 1% スクロース、2 mg/l BA、 0.01 mg/l NAA, 0.8% アガロース、pH 5.6)。培養を、実施例4に記載の条件下でインキュベートした。培養を、2週間ごとに新鮮再生培地上に移動した。再生したシュートを、オートクレーブ発根培地上に移動し(基本Murashige and Skoog's 培地、1% スクロース、0.1 mg/l NAA、0.8% アガー、pH 5.8) そして弱い蛍光灯光(25 μEm-2 s-1)でインキュベートした。プラントレットを、ソイルレスミックス(例えば、Terra-lite Redi-Earth, W.R. Grace & Co., Canada Ltd., Ajax, Ontario) であって肥料(Nutricote 14-14-14 type 100, Plant Products Co. Ltd, Brampton, Ontario)を含むものにポット植えしそして室温で成長させ土壌レベルで (20℃/15℃、16 h 光周期、100-140 μEm-2 s-1)の蛍光灯および白熱灯である。プラントレットは、馴化のため1週間透明プラスチックコップで覆う。
実施例11
プロトプラストからの核の単離
分析を容易化するため、植物細胞を欠く単離の対象とでき、単離核をFISHまたはPCRによって分析できる。核を単離するため、プロトプラストカルスを、Mathur et al. の手法に修飾を施した (Mathur et al. Plant Cell Report (1995) 14: 221-226参照)手法にしたがって再プロトプラスト化した。プロトプラストカルスを、3時間核単離バッファー(10 mM MES-pH 5.5, 0.2M スクロース、2.5 mM EDTA、2.5 mM DTT、0.1 mM スペルミン、10 mM NaCl、10 mM KCI および 0.15% Triton X--100)中の1.2%セルラーゼ'Onozuka' R-10および0.4% w/v Macerozyme R-10で消化した。80 x g での 10分間の遠心分離後、プロトプラストのペレットを、ハイパートニックバッファーの12.5% W5 溶液 (Hinnisdaels et al. (1994) Plant Molecular Biology Manual G2:1-13, Kluwer Academic Publisher, Belgium)中10分間再懸濁した。プロトプラストの崩壊を促進するために、プロトプラスト懸濁にシリンジニードルにより4回力をかけた。崩壊プロトプラストを、5μmメッシュを経由してろ過し、残骸を取り除き、200xgで10分間遠心分離した。フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)を含む核単離バッファー中のペレットの反復洗浄および200xgでの10分間の遠心分離によって、細胞質汚染および細胞残骸のない、核を白色ペレットとして収集した。サンプルを3:1メタノール:氷酢酸で固定し、FISHによって分析した。
実施例12
増幅の検出および人工染色体形成のための植物細胞の有糸分裂アレスト
一般に、植物細胞またはプロトプラストは典型的に有糸分裂性アレストの2またはそれ以上世代にわたり培養する。典型的に、5μg/mlコルヒチンを12時間に渡り培養に添加し、有糸分裂性植物細胞を蓄積する。有糸分裂性細胞を穏やかな遠心分離によって収集する。代替的に、植物細胞(プラスチック上または懸濁中で成長)を、コルヒチンと異なる化学剤、たとえば限定しないがヒドロキシウレア、ビンブラスチン、コルセミドまたはアフィジコリンまたは栄養、ホルモンまたは成長因子の剥奪で細胞周期の種々のステージでアレストできる。有糸分裂の他のステージで細胞をアレストする化学剤例えば限定しないがヒドロキシウレアおよびアフィジコリンを使用し、集団のすべての細胞のサイクルをシンクロナイズし、次いで細胞培地から除去し、いくらか同時的に、それらを染色体を分散するように収集できる時間で細胞分裂を細胞に進行させる。
実施例13
増幅の検出およびin situハイブリダイゼーション(FISH)による人工染色体形成
種々の植物細胞を、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)方法によって分析し (Fransz et al. (1996) Plant J. 9:421-430; Fransz et al. (1998) Plant J. 13:867-876; Wilkes et al. (1995) Chromosome Research 3:466-472; Busch et al. (1994) Chromosome Research 2:15-20; Nkongolo (1993) Genome 36:701-705; Leitch et al. (1994) Methods in Molecular Biology 28:177-185; Murata et aL. (1997) Plant J. 12:31-37) 増幅事象をおよび人工染色体形成を同定できる。
FISHを使用し、染色体上で特異的DNAを検出する。特にこに記載の相同DNAの導入の結果として増幅を経験した植物染色体の領域を検出し、または植物細胞での人工染色体形成を検出する。異種DNAが導入された、Arabidopsisおよびタバコ植物細胞のFISH染色体スプレッドは、コルヒチンまたは類似の細胞周期アレスティングエージェントおよび種々のDNAプローブ(例えばrDNAプローブ、ラムダDNAプローブ、選択マーカープローブ)を使用して生成する。細胞を染色体の増幅領域特にrDNA領域の増幅の存在について分析し、増幅を示すこれらの細胞をさらに、培養し、人工染色体の形成について分析する。
植物細胞の染色体を異種DNAの導入の対象とし、人工染色体を生成する成長をまた、走査電子顕微鏡によって分析できる。走査電子顕微鏡のための有糸分裂染色体の調製を、当業界既知方法を使用して実施し得る(参照せよ、例えば、Sumner (1991) Chromosome 100:410-418)。染色体を例えばHitachi S-800 場放射走査電子顕微鏡であって加速圧12kVであるものをで観察できる。
実施例14
増幅の検出および染色体のIduラベリングによる人工染色体形成
植物細胞の染色体の構造を、ヨードデオキシウリジン(IdU)または他のヌクレオチドアナログでの染色体のラベリングおよびIdU特異的抗体を使用して分析でき、染色体構造を可視化することができる。異種DNAの導入後に選択された植物細胞を、標準プロトコルに従うIdUでラベリングする (Fujishige and Taniguchi (1998) Chromosome Research 6:611-619; Yanpaisan et al. (1998) Biotechnology and Bioengineering, 58:515-528; Trick and Bates (1996) Plant Cell Reports, 15:986-990; Binarova et al. (1993) Theoretical and Applied Genetics, 87:9-16; Wang et al. (1991) Journal of Plant Physiology, 138:200-203)。培養の植物細胞を典型的には懸濁培養を使用する。一連のサブカルチャーを開始し、そしてIdUラベリングを前記のように実施する。培養のダブリング時間に依存して、細胞を1週間までにわたりIdUを取り込ませる。ラベルした染色体を、植物細胞において(Fujishige and Taniguchi (1998) Chromosome Research 6:611-619; Binarova et al. (1993) Theoretical and Applied Genetics 87:9-16)および哺乳動物細胞にいて (Gratzner and Leif (1981) Cytometry 1:385-393) 当業界周知技法を使用して検出できる。IdUでラベルした染色体を免疫細胞化学的技法によって検出する。抗IdUフルオレセインイソチオシアネート(FITC)-コンジュゲート性B44 クローン抗体(Becton Dickinson)を使用し、DNAにおいてIdU-DNA adductを結合し、そして蛍光顕微鏡によって検出する (490 nm 励起, 519 nm 放射)。ラベルした染色体の分析は、増幅したDNA領域の存在および人工染色体の形成を明らかにする。
実施例15
プロトプラストからの中期染色体の単離
人工染色体は、ひとたび植物細胞で検出されると、他の生物、特に他の植物種に移入し得る。いくつかの手法を使用し、有糸分裂アレスト植物細胞からの中期染色体を単離し得、限定しないがポリアミンに基づくバッファーシステム (Cram et al. (1990) Methods in Cell Biology 33:377-3821)、修飾ヘキシレングリコールバッファーシステム (Hadlaczky et al. (1982) Chromosoma 86:643-65)、硫酸マグネシウムバッファーシステム (Van den Engh et al. (1988) Cytometry 9:266--270 and Van den Engh et al. (1984) Cytometry 5:108)、酢酸固定バッファーシステム(Stoehr et al. (1982) Histochemistry 74:57-61)、およびハイポトニックKClおよびプロピジウムイオジドを利用する技法 (Cram et al. (1994) XVII meeting of the International Society for Analytical Cytology, October 16-21, Tutorial IV Chromosome Analysis and Sorting with Commercial Flow Cytometers; Cram et al. (1990) Methods in Cell Biology 33:376; de Jong et al. (1999) Cytometry 35:129-133)を含む。
例示的手法では、ヘキシレングリコールバッファーを使用し有糸分裂アレスト植物細胞から植物染色体を単離し、それをプロトプラストに変換した (Hadlaczky et al. (1982) Chromosoma 86:643-659)。染色体を、0.1% Triton X-100 (GHT バッファー)で補足した、グリシン-ヘキシレングリコールバッファー(100 mM グリシン, 1% ヘキシレングリコール Ca(OH)2でpH 8.4-8.6,に調節)中に再懸濁した、約106 有糸分裂細胞から単離する。細胞を10分間37℃でインキュベートし、染色体をディファレンシャル遠心分離 (200xg で20分間)およびスクロース勾配遠心分離 (5-30% スクロース、5600xg で 60分間, 0-4℃)によって精製し核をペレット化する。染色体タンパク質のタンパク質分解的分解を避けるため、1 mM PMSF (フェニルメチルスルホニルフルオリド)を、1%イソプロピルアルコールの存在下で使用する。タンパク質を、デキストランスルフェートヘパリン (DSH)抽出を使用して単離染色体から抽出でき、染色体を当業界既知技法を使用して電子顕微鏡により可視化し得る (Hadlaczky et al. (1982) Chromosoma (Berl.) 86:643-659; Hadlaczky et al. (1981) Chromosoma (Berl.) 81:537-555)。代替的に、これらの手法を修飾し、限定しないがバッファー組成の修飾 (Carrano et al. (1979) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 76:1382-1384)および遠心分離時間およびスピードの変異を含み、種々の植物種が当業者によって実施できるように調節する。
実施例16
植物細胞内への人工染色体の移入:双子葉植物内への哺乳動物人工染色体の移入
植物細胞内への哺乳動物人工染色体(MACs)の送達のある方法は、マウスMACを含むマイクロセルの形成およびCaP04-介在取り込みおよびこれらのマイクロセルの植物細胞とのPEG-介在融合である。この例では、マイクロセルおよび植物プロトプラスト例えば限定しないがタバコおよびArabidopsisプロトプラストを、混合し(一連の25:1, 10:1, 5:1,または 2:1 マイクロセル:プロトプラスト比率)そして融合を観察した。マイクロセルの形成のためのプロトコルは、当業界既知であり例えば、米国特許番号 5,240,840, 4,806,476および5,298,429および、Fournier Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1981) 78:6349-6353においておよびLambert et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1991) 88: 5907-5912に記載される。マウスマイクロセルを、限定しないがArabidopsisおよびタバコプロトプラストを含む植物プロトプラストとの融合に先立ちIduまたは特異的色素でのIVIAC染色で標識し、限定しないがプロピジウムイオジド、またはDAPIであり、プロトプラストのIVIACの存在の検出を容易化する。
この例では、MACをミクロセル-PEG介在融合を使用してArabidopsis細胞内に導入した。マイクロセルを、人工染色体を含むマウス細胞から形成し (米国特許番号 6,077,697参照)そして10:1のマイクロセルのプロトプラストに対する比率の新しく調製したArabidopsisプロトプラストと融合した。融合は混合の最初の5分以内に、25% PEG 6000, 204 mM CaCl2, pH 6.9の存在下で起こった。典型的に混合の約1分より少なく、マイクロセルとプロトプラストの間の融合が観察されるために要した、融合細胞を、240 mM CaCl2で洗浄し、次いで、B5塩の204mMスクロースの溶液のトップにフロートした。細胞を次いで、細胞懸濁培養培地 (MS, 87mM スクロース、2.7 μM ナフタレン酢酸, 0.23 μM カイネチン, pH 5.8)に移動させた。経験的観察を使用し、最適濃度およびPEGの組成およびカルシウムの濃度を決定でき、それは最低の毒性を有する融合の最高の程度を提供する。
融合したプロトプラストを、1またはそれ以上の世代成長させた。MACを含むマウス染色体配列の存在を、MACプローブでのサザンハイブリダイゼーションによって、FISH分析によっておよび例えばMAC染色体上に存在すると知られるサテライト配列を使用してPCR分析によって実証した。こうして、マウス配列を、Arabidopsisプロトプラスト中に検出した。
マウス染色体配列のArabidopsisプロトプラストへの移入をさらに実証するために、Arabidopsis植物細胞核を、実施例11にしたがって単離し、そして実施例13に従ってFISH分析に、マウスメジャーサテライトDNA(配列番号12)を使用して付した。核の一部は、マウスメジャーサテライトDNAを使用する顕著なシグナルを含み、このことは少なくともマウス染色体および/またはMACの、Arabidopsis核への首尾よい移入を指摘した。
同様に、PACを、PEGおよび/またはカルシウム介在融合手法を使用してArabidopsisプロトプラストに導入し得る。ミクロプロトプラストおよびプロトプラストの生成を例えば実施例1に記載のように実施できる。植物人工染色体を含む植物細胞から形成したミクロプロトプラストを、新しく調製したArabidopsisプロトプラストと、例えば10:1の、マイクロプロトプラストのプロトプラストに対する比率で融合する。限定しないがタバコ、コムギ、トウモロコシおよびイネを含む他の植物からのプロトプラストを、MACおよび/またはPACのレシピエントとして使用できる。融合したプロトプラストを回収し、1またはそれ以上の世代成長させる。移入PACの存在を、例えばここに記載の方法を使用して分析できる(PACプローブでのサザンハイブリダイゼーション、FISH分析およびPACへ特異的なDNA配列を使用するPCR分析を含む)。
実施例17
植物細胞への人工染色体の移入:哺乳動物人工染色体の、第二双子葉植物:タバコへの移入
MACを、同じマイクロセル、MACおよび実施例16に記載のプロトコルを使用してマイクロセル-PEG介在融合を使用してタバコ細胞に導入した。マイクロセルを、人工染色体を含むマウス細胞から形成し、そしてマイクロセルのプロトプラストに対する10:1の比率で新しく調製したタバコBY-2プロトプラストと融合した。融合は、20%PEG4000および100-200mM塩化カルシウムの存在下で起こった。経験的観察を使用し、最適のPEG濃度および組成およびカルシウムの濃度を決定し、それは最低の毒性と最高程度の融合を提供する。
マイクロセルのDAPI染色(例えば1μg/mlの最終濃度までのマイクロセルへのDAPIの添加によるDAPIとマイクロセルのプレインキュベーションによる)は、融合の可視化およびタバコプロトプラストへの染色体の移入を可能とした。融合したプロトプラストを回収し、1または2以上の世代成長させた。融合したプロトプラストを、ある数の方法でMACの存在について分析でき、ここに記載のものを含む。融合したタバコ細胞核を、実施例11に従ってマイクロセルと融合させたタバコプロトプラストから単離し、実施例13にしたがてマウスメジャーサテライトDNA(配列番号12)を使用して、FISH分析の対象とした。多くの核が、マウス染色体に取り込まれたと見出された。
実施例18
単子葉植物への脂質介在移入による単離人工染色体の移入;イネ
FACS装置(de Jong et al. Cytometry (1999) 35:129-133)によるソーティングによって調製した単離マウス人工染色体(MACs)を、精製MACのカチオン性脂質介在トランスフェクションによってイネ植物プロトプラスト内に移入した。精製MACs (実施例15および 米国特許番号 6,077,697参照)を、以下のようにLipofectAMINE 2000 (Gibco, Md, USA)と混合した。典型的には、15 μlのLipofectAMINE 2000を、バッファー中の1 X 106 人工染色体に添加し、溶液を3時間まで複合させそれから、当業界周知標準プロトプラスト方法を使用して溶液を新しく調製した1 X 105 イネプロトプラストに添加した。脂質複合人工染色体の取り込みを、プロトプラストおよび精製人工染色体の混合物にDNAを染色する蛍光色素を添加することによって監視した。次の数時間に渡るプロトプラスト/人工染色体混合物の顕微鏡的試験を、プロトプラスト細胞膜を横切て移入される人工染色体およびイネ植物細胞の細胞質中容易に同定可能なMACの存在の可視化を可能とした。
イネプロトプラスト内への単離MACのカチオン性脂質介在移入のためのこの例の記載と同じ手法を使用し、単離MAC並びにPACをイネおよび限定しないがタバコ、コムギ、トウモロコシおよびArabidopsisを含む他の植物プロトプラスト内に移入できる。融合プロトプラストを回収し、1またはそれ以上世代にわたり成長させた。移入MACおよびPACの存在を、方法例えば個々に記載のもの(限定しないがPACプローブでのサザンハイブリダイゼーション、PACへ特異的なDNA配列を使用するFISH分析およびPCR分析を含む)を使用して分析できる。
実施例19
MACプラットフォーム上へのpAg2中のプロモーターレスattBZeo マーカー遺伝子による植物調節およびコード配列の送達
実施例6-15に記載のように、植物調節および選択マーカー遺伝子を含むプラスミドpAg2 (配列番号: 6;実施例5に示すように調製)を当該植物発現可能遺伝子を含むMACの生産のために使用できる。この例では、プラスミドに含まれたattBZeo DNA配列のために、pAg2をプラットフォームMAC上に存在するattP配列と組み換えるためattB配列を使用して哺乳動物細胞のMAC上への植物調節および選択マーカー遺伝子の負荷のため使用する。この例では、プラットフォームMACを、attP配列で生産し、プラスミドpAg2を次いでプラットフォームMAC上に負荷する。そのように生産した新しいMACは、そこに含まれる植物発現可能マーカーのために植物細胞内への導入のため有用である。
A. pSV40attPsensePURを含むプラットフォームMACの構築 (図 7; 配列番号: 26)
プラスミドpAg2が植物調節およびコード配列をターゲティングすることのできる、MACに基づくプラットフォームの創出のための選択マーカーシステムの例を、図7に示す。このシステムはSV40早期プロモーター、直ちに次いで (1)バクテリオファージラムダattP部位を含む282塩基対(bp)配列および (2)プロマイシン抵抗性マーカーを含んだベクターを含む。当初に、プラスミド pPUR (Clontech Laboratories, Inc., Palo Alto, CA; 配列番号 22)からのSV40早期プロモーターを含むPvuII/StuIフラグメントを、pNEB193(New England Biolabs, Beverly, MA; 配列番号 23から得られるPUC19誘導体)のEcoRI/CRI部位内にサブクローン化しプラスミドpNEB193を生成した。
attP部位を、ラムダゲノム (GenBank Accession # NC 001416)から以下のプライマーを使用してPCR増幅した:
attPUP: CCTTGCGCTAATGCTCTGTTACAGG 配列番号 24
attPDWN: CAGAGGCAGGGAGTGGGACAAAATTG 配列番号 25
増幅および得られたフラグメントの精製後、attP部位をpSV40193のSmaI部位にクローン化し、attP部位の方向を、DNA配列分析によって決定した (プラスミド pSV40193attP)。プロマイシン抵抗性をコードする遺伝子(Puro)を、プラスミドpPUR (Clontech Laboratories, Inc. Palo Alto, CA)をAgeI/BamHIで消化し次いでクレノーでオーバーハングを充填しその後pSV40193attPのattP部位の下流のAscIにクローン化し、プラスミドpSV40193attPsensePURを生成した (図7; 配列番号:26))。
プラスミド pSV40193attPsensePUR をScaIで消化し、プラスミド pFK161とマウスLMtk-細胞にコトランスフェクトし、プラットフォーム人工染色体をここに記載のように同定および単離した。簡単には、プロマイシン抵抗性コロニーを単離しその後、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH) (マウスメジャーおよびマイナーDNAリピート配列、プロマイシン遺伝子およびプローブとしてテロメア配列を使用して)およびそれらの蛍光活性化細胞ソーティッド(FACS)により人工染色体形成について試験した。この分類から、サブクローンを人工染色体を含んで単離し、B19-38と命名した。B19-38サブクローンのFISH分析は、MAC上のテロメアおよびマウスマイナーの存在を実証した。DOT PCRはMAC上の非特徴把握ユークロマチン領域の不存在を明らかにした。多重部位特異的組み換え部位を含む例示的MACプラットフォームを生成する方法は図5に要約する。このMAC染色体をその後、以下に記載のようなラムダインテグラーゼ介在部位特異的組み換えを使用して標的遺伝子発現核酸を含むよう改変した。
B. ターゲティングベクターの構築
ターゲティングベクターpAg2の構築はここに実施例5に示す。
C. プロモーターレスマーカーのトランスフェクションおよび薬物での選択(図9参照)
MAC B19-38 (前記のように構築し、また第二世代プラットフォームACEと称する)を含むLMtk-細胞株を、近似的に5百万細胞/皿で4つの10cm皿上に配置する。細胞を終夜、10%胎児ウシ血清と37℃で5% CO2でインキュベートする。後日、細胞を5μgのベクターpAg2 (前記実施例5のように調製)および5μgの pCXLamIntR (位置174にEからRのアミノ酸置換を有するラムダインテグラーゼをコードする)で、10cm皿あたり全部で10μgのためにトランスフェクトする。Lipofectamine Plus試薬を使用し、製造者プロトコルにしたがって細胞をトランスフェクトする。トランスフェクション2日後、ゼオシンを500ug/mlで培地に添加する。細胞をコロニーが形成されるまで選択培地で維持する。コロニーを次いでリング-クローニングし、ゲノムDNAを分析する。
D. クローンの分析 (PCR, SEQUENCING)
ゲノムDNA (MACを含む)を、Wizard kit (Promega)で、製造者プロトコルにしたがって候補コロニーのそれぞれから単離する。以下のプライマーセットを使用し、ゼオシン抵抗性クローンから単離したゲノムDNAを分析する: 5PacSV40 CTGTTAATTAACTGTGGAATGTGTG TCAGTTAGGGTG (配列番号: 28); Antisense Zeo - TGAACAGGGTCACGTCGTCC (配列番号: 29)。候補クローンからの、前記プライマーおよび、MACを含むゲノムDNAを使用するPCR増幅は、望まれる部位特異的組み込み事象についての正確な配列を指摘するPCR産物という結果である。
pAg2ベクターを含むMACを同定し、植物内への移入のため(例えば実施例16および17に記載のように)または動物細胞に、そこに含まれる望まれるコード配列の発現のため、使用する。pAg2を含むMACは、2計画選択マーカー(ハイグロマイシン抵抗性、ホスヒノスリシンへの抵抗性)および可視選択マーカー(緑色蛍光タンパク質)を有する。
実施例20
植物に由来するシャトル人工染色体の構築
他の実施態様では、ここに提供する植物人工染色体は、選択シャトルベクターとして有用であり、それは植物と哺乳動物細胞の間で1または2以上の望まれる遺伝子を戻しまたは進めるように移動することができる。この特定の実施態様では、植物人工染色体は、ドナー核酸の妥当な組み込みが植物と哺乳動物の両方について選択できる点で二機能性である。
例えば、植物人工染色体を、プラスミドpAg2を使用して前記実施例6-15で記載のように調製し (実施例5; 配列番号: 6) それはプラスミド pSV40193attPsensePur (実施例19.A.に前記)からのSV40attPsensePurコード領域を含むよう修飾されたものであった。こうして、得られた植物由来シャトル人工染色体は、植物細胞でホスヒノスリシンに対する抵抗性を付与するbar遺伝子からのDNA、植物細胞でハイグロマイシンへの抵抗性を付与するハイグロマイシン抵抗性遺伝子からのDNA、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35Sプロモーターの制御下の両方の抵抗性コードDNA、attB-プロモーターレスゼオマイシン抵抗性コードDNA、および哺乳動物SV40プロモーターの制御下プロマイシンへの抵抗性を付与するDNAを含む。よって、植物または哺乳動物細胞のいずれかのシャトルPACの存在は、例えばハイグロマイシン(植物)またはプロマイシン(哺乳動物)での処理によって選択できる。
得られた植物由来シャトル人工染色体は、前記実施例19Aで調製したプラットフォームMACに類似するそこに少なくとも1つのSV40atttP部位を含むから、attB-選択マーカーを含むドナーベクター、例えばattBzeoを含むプラスミド(例えばpAg2)を使用し、任意の種(例えば植物、動物、昆虫など)からの望まれる異種核酸を選択的に、哺乳動物細胞に存在するシャトル人工染色体内に導入できる。
同様に、植物プロモーター領域、例えばCaMV35Sを使用し、前記の修飾pAg2プラスミドのSV40attPPur領域中のSV40プロモーターを置換できる。この実施態様では、得られた植物由来シャトル人工染色体が、前記実施例19Aに調製されるプラットフォームMACと同様のそこに少なくとも1つのCaMV35SattP部位を含むから、attB-選択マーカー配列を含むドナーベクター例えばattBカナマイシンを有するプラスミド、または他の植物選択またはスコア可能マーカーを使用し、任意の種(例えば植物、導入津、昆虫など)からの望まれる異種核酸を、植物細胞に存在するシャトル人工染色体内に選択的に導入できる。
修飾は当業者に明らかであり、この発明は添付クレームの範囲のみによって限定されることを意図する。

Claims (18)

  1. 以下の工程を含む、植物細胞において核酸を増幅させる方法:
    1または2以上の植物染色体を含む植物細胞に、核酸分子を導入する工程、該核酸分子は、選択可能マーカーをコードする核酸、および、1または2以上の、rDNAおよびサテライト DNAを含んでおり、それにより、該rDNAまたはサテライト DNAが植物細胞における染色体のペリセントリックヘテロクロマチン領域に該核酸をターゲティングする;
    選択条件下で細胞を培養し、増幅を経た領域を有する染色体を含む細胞を作る工程、ここで増幅を経た該領域は、ペリセントリックヘテロクロマチンおよび選択可能マーカーを含む核酸またはその部分を含む;および、
    増幅された領域を有する染色体を含む細胞を選択する工程。
  2. 増幅された領域が実質的に等量のユークロマチンおよびヘテロクロマチンを含み;そして
    増幅された領域を含む染色体が増幅されたリピート領域から卓越的に構成され、該染色体が実質的に等量の ユークロマチンおよびヘテロクロマチンを含み、
    ここで、実質的に等量とは増幅された領域または染色体が40%から60%のユークロマチンまたはヘテロクロマチンを含むことを意味する、請求項1の方法。
  3. 導入された核酸分子が植物rDNAを含む請求項1または2の方法。
  4. rDNAが、シロイヌナズナ属植物、タバコ属植物、ナス属植物、トマト属植物、ニンジン属植物、ムギ属植物、トウモロコシ、アブラナ属植物、コムギ属植物およびイネ属植物からなる群より選択される植物からのものである請求項の方法。
  5. 選択可能マーカー核酸分子が、蛍光タンパク質をコードする請求項1の方法。
  6. タンパク質が緑色蛍光タンパク質である、請求項の方法。
  7. 増幅された領域を含む細胞を選択する工程が、核酸分子が導入された細胞のソーティングを含む、請求項1の方法。
  8. 増幅された領域を含む細胞を選択する工程が、核酸分子が導入された細胞の蛍光インシトゥーハイブリダイゼーション(FISH)分析を含む、請求項1の方法。
  9. 植物細胞が、シロイヌナズナ属植物、タバコおよびヒマワリ属植物からなる群より選択される請求項1の方法。
  10. 細胞が植物プロトプラストである請求項の方法。
  11. 選択可能マーカーが、ホスヒノスリシン、アンモニウムグルホシネート、グリホサート、カナマイシン、ハイグロマイシン、ジヒドロホレートまたはスルホニルウレアへの抵抗性を付与する、請求項1の方法。
  12. 導入される核酸分子が双子葉植物種からの植物rDNAを含む請求項1の方法。
  13. 導入される核酸分子が単子葉植物種からの植物rDNAを含む請求項1の方法。
  14. 細胞が双子葉植物細胞である請求項1の方法。
  15. 細胞が単子葉植物細胞である請求項1の方法。
  16. 請求項 1の方法によって作られる増幅を経た領域を有する染色体を含む植物細胞であって、増幅を経た領域は、ペリセントリックヘテロクロマチンおよび選択可能マーカーを含む核酸またはその部分を含む、植物細胞。
  17. 請求項16の植物細胞をトランスジェニック植物を生産する条件下で生育させることを含む、トランスジェニック植物の生産方法。
  18. 導入された核酸がさらに遺伝子産物をコードする異種核酸を含む請求項1の方法。
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