JP2011125354A - 植物セントロメア - Google Patents

植物セントロメア Download PDF

Info

Publication number
JP2011125354A
JP2011125354A JP2011076545A JP2011076545A JP2011125354A JP 2011125354 A JP2011125354 A JP 2011125354A JP 2011076545 A JP2011076545 A JP 2011076545A JP 2011076545 A JP2011076545 A JP 2011076545A JP 2011125354 A JP2011125354 A JP 2011125354A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
centromere
plant
item
gene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011076545A
Other languages
English (en)
Inventor
Daphne Preuss
プレウス ダフニー
Gregory Copenhaver
コペンヘイバー グレゴリー
Kevin Keith
エス ケイス ケビン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Chicago
Original Assignee
University of Chicago
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Chicago filed Critical University of Chicago
Publication of JP2011125354A publication Critical patent/JP2011125354A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8201Methods for introducing genetic material into plant cells, e.g. DNA, RNA, stable or transient incorporation, tissue culture methods adapted for transformation
    • C12N15/8213Targeted insertion of genes into the plant genome by homologous recombination
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01HNEW PLANTS OR NON-TRANSGENIC PROCESSES FOR OBTAINING THEM; PLANT REPRODUCTION BY TISSUE CULTURE TECHNIQUES
    • A01H1/00Processes for modifying genotypes ; Plants characterised by associated natural traits
    • A01H1/06Processes for producing mutations, e.g. treatment with chemicals or with radiation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8201Methods for introducing genetic material into plant cells, e.g. DNA, RNA, stable or transient incorporation, tissue culture methods adapted for transformation

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】高等真核生物において機能するセントロメアを持った人工染色体を提供すること。
【解決手段】本発明は、Arabidopsisにおける機能的植物セントロメアの同定およびクローニングについて提供する。本発明は、安定に遺伝されたミニ染色体の構築を可能にする。ミニ染色体は、トランスジェニック植物および動物細胞の構築のためのベクターとして役立つ。さらに、これらの領域の構造および機能についての情報は、さらなるセントロメアおよびセントロメア関連遺伝エレメントならびに他の種由来のポリペプチドの単離における有用性を提供する。
【選択図】なし

Description

(発明の背景)
本願は、米国仮特許出願番号60/125,219(1999年3月18日出
願)、米国仮特許出願番号60/127,409(1999年4月1日出願)、
米国仮特許出願番号60/134,770(1999年5月18日出願)、米国
仮特許出願番号60/153,584(1999年9月13日出願)、米国仮特
許出願番号60/154,603(1999年9月17日出願)、および米国仮
特許出願番号60/172,493(1999年12月16日出願)の優先権を
主張する。これらの各々の開示が、それらの全体において、特に本明細書中で参
考として援用される。
政府は、米国農務省助成金番号96−35304−3491、国立科学財団助
成金番号9872641および植物生物工学協会(Consortium fo
r Plant Biotechnology)からの助成金番号DOEDE−
FG05−920R22072に拠り、本発明において権利を有する。
(I.発明の分野)
本発明は、一般的に、分子生物学の分野に関する。より詳細には、本発明は、
植物染色体組成物およびこの植物染色体組成物を使用する方法に関する。
(II.関連分野に関する記述)
2つの一般的なアプローチが、新たな遺伝情報を細胞内へと導入する(「形質
転換」)ために使用されている。一つ目のアプローチは、新たな遺伝情報を別の
DNA分子(「ベクター」と呼ばれ、染色体DNA分子とは分離した独立の単位
(エピソーム)として維持され得るもの)の一部として導入する方法である。エ
ピソームベクターは細胞内におけるDNA複製およびベクターの維持に必要とさ
れる全ての必須のDNA配列要素を持っている。多くのエピソームベクターは細
菌において利用可能である(例えば、Maniatisら、1982を参照のこ
と)。しかし、高等真核生物細胞において機能するエピソームベクターはほんの
わずかしか開発されていない。利用可能な高等真核生物のエピソームベクターは
天然に発生したウイルスに基づいたものであり、ほとんどの場合、哺乳類細胞に
おいてのみ機能する(Willard、1997)。高等植物のシステムにおい
て、エピソームベクターに基づき得る二本鎖中間体を通して複製する二本鎖DN
Aウイルスとして知られているのはジェミニウイルスのみであるが、ジェミニウ
イルスに挿入できる挿入片の長さはおよそ800bpまでである。カリフラワー
モザイクウイルスに基づいた植物用のエピソーマルベクターが開発されているが
、そのベクターの、新たな遺伝情報を運ぶ許容能もまた限られたものである(B
rissonら、1984)。
その他の一般的な遺伝子形質転換方法は、導入されたDNA配列の受容細胞染
色体への組み込みを伴うものである。これにより、新たな情報は複製され、天然
の染色体の一部として子孫に分配される。DNAの組み込みを利用した形質転換
方法の中で最も一般的な形態は「トランスフェクション」と称して、哺乳類細胞
培養系において頻繁に用いられている。トランスフェクションには、タンパク質
除去済みの比較的多量のDNAの細胞への導入を用いる。たいていの場合、導入
されたDNAはその細胞の染色体のランダムな場所に組み込まれる前に分解され
、様々な組み合わせで繋ぎ合わされる(例えば、Wiglerら、1977を参
照のこと)。この方法における一般的な問題点としては、導入されたDNA配列
の再配列、および、ゲノムにおける導入遺伝子の位置に起因する、予期せぬレベ
ルの発現(いわゆる「位置効果の多様化(position effect v
ariation)」)である(Shingoら、1986)。さらに、エピソ
ームDNAとは異なり、普通、組み込まれたDNAは正確に取り除くことができ
ない。さらに洗練された形態の組み込みを利用した形質転換が、レトロウイルス
のようにウイルスの生活環の一部として宿主の染色体に組み込まれるような天然
に発生したウイルスを活用することにより成し遂げられ得る(Cepkoら、1
984を参照のこと)。マウスにおいては、近年、相同組み込みが一般的となっ
ている。しかしこの方法を植物において使用するのは非常により困難である(L
amら、1996)。
高等植物において最も一般的に用いられている遺伝子形質転換法は、植物病原
性土壌細菌であるAgrobacteriumを用いた感染時に起こる、細菌D
NAの植物染色体への移入に基づいたものである(Nesterら、1984を
参照のこと)。目的の遺伝子を、天然に移入された細菌の配列(T−DNAとよ
ばれる)と置換することにより、新たなDNAを植物細胞内へと導入することが
できるようになった。しかし、このより「洗練された」組み込みによる形質転換
系でさえ、主要な3つの点で制限されている。まず第一に、Agrobacte
riumのT−DNA系を用いて植物細胞に導入されたDNA配列は、頻繁に再
配列されるということである(Jonesら、1987を参照のこと)。第二に
、導入されたDNA配列の発現が個々の形質転換体間で異なる(Jonesら、
1985を参照のこと)。この変化は、おそらく、導入遺伝子のメチル化ならび
に、再配列された配列および植物染色体における周囲の配列の影響(すなわち、
位置効果)による。AgrobacteriumのT−DNA系の第三の欠点は
、「遺伝子付加」のメカニズムへの依存である。つまり、新たな遺伝情報はゲノ
ム(すなわち、ある細胞が持つ全ての遺伝情報)へと付加されるのであって、ゲ
ノム中に既に存在している情報と置き換わる訳ではないということである。
一般に用いられている形質転換法に対する、一つの魅力的な方法として、人工
染色体を用いる方法がある。人工染色体は、適切な複製および天然の染色体の分
配に必要なシス作用性DNA配列要素から構築されている、人工的に作られた直
鎖状または環状のDNA分子である(Murrayら、1983を参照のこと)
。所望される要素としては以下が挙げられる:(1)自己複製配列(ARS)(
これらはDNA複製の開始のための部位である複製起点の性質を持っている)、
(2)セントロメア(セントロメアアセンブリおよび有糸分裂および減数分裂に
おける複製された染色体の適切な分配のための部位)、ならびに(3)テロメア
(直鎖状染色体の末端に位置する特殊なDNA構造で、末端の安定化やDNA分
子の極めて末端部分の完全な複製を促進するように機能する)。
現在、人工染色体を構築するのに必要不可欠な染色体要素は、下等真核生物種
においてのみ精密に特徴づけされている。ARSはSaccharomyces
cerevisiae(ビール酵母)およびSchizosaccharom
yces pombe(Stinchcombら、1979、およびHisao
ら、1979を参照のこと)を含む単細胞のカビから単離された。ARSは、こ
れを持つDNA分子が、これらのカビの細胞核に導入された後にエピソームとし
て複製され得るようにする複製起点のような挙動をする。これらの配列を持った
プラスミドは複製する。しかし、セントロメアが存在しない場合、そのプラスミ
ドは娘細胞にランダムに分配されることになる。
人工染色体は、クローニングされた三つの必要不可欠な染色体要素を用いて、
酵母において構築された。Murrayらは1983年に、酵母に形質転換され
得る直鎖状DNA分子のインビボでの構築に基づいたクローニング系を開示した
。この酵母内では、この直鎖状DNAは人工染色体として維持される。これらの
酵母人工染色体(YAC)はクローニングされた遺伝子、複製起点、セントロメ
アそしてテロメアを含んでおり、少なくとも100kBまでの長さのYACは、
高い忠実度で娘細胞に分配される。CENを含む小さなベクターも安定に分離さ
れ得るが、それは環状のものの場合に限られる。
しかし、単細胞生物において同定された必要不可欠の要素のうち、高等真核生
物系において機能するものは一つもない。例えば、酵母のCEN配列は高等真核
生物に導入されたベクターに安定な遺伝という性質を付与しない。そのようなD
NA断片は容易に導入され得るが、宿主細胞内にエピソームとして安定に存在す
ることはない。このことが、高等生物における人工染色体産生の深刻な妨げとな
る。
1つのケースで、植物人工染色体について議論された(Richardsら、
米国特許第5,270,201号)。しかし、このベクターは植物テロメアに基
づいたものであり、機能性の植物セントロメアは開示されなかった。テロメアは
、染色体末端の安定性を維持するために重要であるが、テロメアは、人工染色体
の安定な遺伝を保証するのに必要な情報をコードしてはいない。セントロメア機
能は、ほぼ全ての真核生物における安定した染色体の遺伝にとって決定的なもの
であるということが、十分に証明された(Nicklasの総説、1988)。
例えば、セントロメアを持っている断片は忠実に分離されるが、セントロメアを
欠いた壊れた染色体(中心のない染色体)はすぐさま細胞系から失われる。有糸
分裂および減数分裂の間に、セントロメアは、セントロメア結合タンパク質を介
して紡垂糸に付着することにより染色体の分離を完遂させる。これにより、細胞
分裂の間の適切な遺伝子の分離が保証されている。
S.cerevisiaeおよびS.pombeにおける詳細な研究とは対称
的に、高等真核生物の機能性セントロメアDNAの分子構造のついてはほとんど
知られていない。超微細構造に関する研究により、分裂前期の遅くに染色体上に
形成される特殊なタンパク質複合体である高等真核生物のセントロメアは、多数
の微小管付着部位を持った大きな構造体(哺乳類のセントロメア板の直径はおよ
そ0.3μm)であることが示された(Riederの総説、1982)。それ
ゆえ、これらの生物のセントロメアDNA領域はこれに応じて大きい可能性があ
る。しかし、セントロメアが機能するのに必要な最小量のDNAはもっと小さい
かも知れない。
上述のような研究はセントロメアの構造や機能を解明するのに有用であるけれ
ども、高等真核生物からクローニングされたセントロメアは提供されていない。
安定した染色体の遺伝にセントロメアが必要であること、および、高等生物にお
いて酵母のセントロメアが機能しないことの両方を示す膨大な量の文献により、
高等真核生物から機能性セントロメアをクローニングすることは、高等植物や高
等動物での使用に適した人工染色体の産生における最初の必要なステップである
ということが示された。高等真核生物において機能するセントロメアを持った人
工染色体を産生することは、当該分野に関連する多くの問題を克服すると同時に
、バイオテクノロジー研究における大きなブレイクスルーを意味するだろう。
(発明の要旨)
本発明の1つの局面では、植物セントロメアを同定するための方法が提供され
る。本発明の1つの実施形態では、この方法は、四分子分析を包含し得る。簡潔
には、四分子分析は、個々の減数分裂の4つすべての産物を分析することによっ
て、遺伝マーカーとセントロメアとの間の組換え頻度を測定する。特定の平均が
、Arabidopsisにおけるquartet(qrt1)変異から生じ、
これはArabidopsisにおいて花粉母細胞減数分裂の4つの産物を付着
したままにさせる。quartet変異はまた、Arabidopsis以外の
種において、本発明に従う用途を見出し得る。例えば、いくつかの天然に存在す
る植物種(スイレン、ガマ、ヒース(EricaceaeおよびEpacrid
ceae)、オオツマヨイグサ(Onagraceae)、モウセンゴケ(Dr
oseraceae)、ラン(Orchidaceae)、およびアカシア(M
imosaceae)を含む)もまた、花粉クラスターを放出することが公知で
ある(Preuss 1944;Smyth 1994)。しかし、これらの種
のいずれも実験系に開発されておらず、従って、遺伝分析のためのそれらの使用
を著しく制限する。しかし、本発明者らにより、quartet変異を宿主植物
に導入して、潜在的に任意の種において四分子分析の使用を可能にし得ることが
意図される。花を受粉させるために使用される場合、1つの四分子は、4つの種
子の形成を生じ得、そしてこれらの種子に由来する植物が、遺伝的に分析され得
る。しかし、無秩序の四分子(例えば、Arabidopsisにより産生され
る四分子)を用いると、四分子分析を使用する遺伝マッピングは、2つのマーカ
ーを同時にスコア付けすることを必要とする。
別の局面では、本発明は、植物セントロメアを含む組換えDNA構築物を提供
する。この組換えDNA構築物は、さらに、任意の他の所望される配列(例えば
、テロメア(植物テロメア(例えば、Arabidopsis thalian
aのテロメア)、あるいは酵母または任意の他の型のテロメアを含む))を含み
得る。自律複製配列(ARS)(例えば、植物ARS(Arabidopsis
thalianaのARSを含む))を含むこともまた所望され得る。そして
さらに、構築物上に構造遺伝子を含むこと、または組換えDNA構築物上に物理
的に配置され得る最大数の構造遺伝子(およそ5000)以下(例えば、2、3
、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、100、200、
500、1000)の同義遺伝子を含むことが所望され得る。使用されることが
所望され得る構造遺伝子の例としては、選択可能マーカー遺伝子またはスクリー
ニングマーカー遺伝子、抗生物質耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、窒素固定遺伝
子、植物病原体防御遺伝子、植物ストレス誘導性遺伝子、毒素遺伝子、レセプタ
ー遺伝子、リガンド遺伝子、ホルモン遺伝子、酵素遺伝子、インターロイキン遺
伝子、凝固因子遺伝子、サイトカイン遺伝子、抗体遺伝子、成長因子遺伝子、お
よび種子貯蔵遺伝子が挙げられる。本発明の1つの実施形態では、構築物は、例
えば、原核生物または真核生物(下等真核生物または高等真核生物(例えば、植
物)を含む)において、構造遺伝子を発現し得る。
さらに別の局面では、本発明は、植物セントロメアを含む組換えDNA構築物
であって、プラスミドである組換えDNA構築物を提供する。このプラスミドは
、任意の所望される配列(例えば、複製起点(細菌(例えば、E.coliおよ
びAgrobacterium)または植物もしくは酵母(例えば、S.cer
evisiaeなど)における複製機能の起点を含む))を含み得る。プラスミ
ドはまた、細菌(E.coliおよびAgrobacteriumを含む)にお
いて機能し得る選択マーカー、ならびに植物または酵母(例えば、S.cere
visiae)において機能する選択マーカーを含み得る。
なおさらに別の局面では、本発明は、植物セントロメアを含む組換えDNA構
築物であって、染色体として維持され得る組換えDNA構築物を提供し、ここで
染色体は、分裂細胞に伝達される。植物セントロメアは、任意の植物由来であり
得る。
なおさらに別の局面では、本発明は、Arabidopsis thalia
naセントロメアとしてさらに規定される植物セントロメアを提供する。本発明
のさらに別の実施形態では、植物セントロメアは、Arabidopsis t
halianaの第1染色体のセントロメアであり、そしてさらに、遺伝マーカ
ーT22C23−T7およびT3P8−SP6によって隣接されるとして規定さ
れ得るか、または遺伝マーカーT22C23−T7およびT5D18、T22C
23−T7およびT3L4、T5D18およびT3P8−SP6、T5D18お
よびT3L4、ならびにT3L4およびT3P8−SP6によって隣接されると
して規定され得る。本発明のさらに別の実施形態では、植物セントロメアは、A
rabidopsis thalianaの第2染色体のセントロメアを含む。
第2染色体のセントロメアは、例えば、配列番号209の核酸配列の約100〜
約611,000、約500〜約611,000、約1,000〜約611,0
00、約10,000〜約611,000、約20,000〜約611,000
、約40,000〜約611,000、約80,000〜約611,000、約
150,000〜約611,000、または約300,000〜約611,00
0個連続したヌクレオチド(配列番号209の核酸配列を含むものを含む)を含
み得る。このセントロメアはまた、配列番号210の核酸配列の約100〜約5
0,959、約500〜約50,959、約1,000〜約50,959、約5
,000〜約50,959、約10,000〜約50,959、20,000〜
約50,959、約30,000〜約50,959、または約40,000〜約
50,959個連続したヌクレオチドを含むとして規定され得、そして配列番号
210の核酸配列を含み得る。このセントロメアは、配列番号209および21
0の両方に由来する配列(前述のフラグメントを含む)または配列番号209お
よび210の全体を含み得る。特定の実施形態では、本発明者らは、配列番号2
09の3’フラグメントを配列番号210の5’フラグメントに融合し得ること
(必要に応じて、それらの間に配置される1以上の180bp反復配列を含む)
を意図する。
なおさらに別の実施形態では、本発明は、Arabidopsis thal
ianaの第3染色体のセントロメアを提供する。本発明の1つの実施形態では
、このセントロメアは、遺伝マーカーT9G9−SP6およびT5M14−SP
6によって隣接されるとしてさらに規定され得、そしてさらに、T9G9−SP
6およびT14H20、T9G9−SP6およびT7K14、T9G9−SP6
およびT21P20、T14H20およびT7K14、T14H20およびT2
1P20、T14H20およびT5M14−SP6、T7K14およびT5M1
4−SP6、T7K14およびT21P20、ならびにT21P20およびT5
M14−SP6からなる群から選択される遺伝マーカーの対によって隣接される
として規定され得る。
なおさらに別の実施形態では、本発明は、Arabidopsis thal
ianaの第4染色体のセントロメアを提供する。本発明の特定の実施形態では
、このセントロメアは、配列番号211の核酸配列の約100〜約1,082,
000、約500〜約1,082,000、約1,000〜約1,082,00
0、約5,000〜約1,082,000、約10,000〜約1,082,0
00、約50,000〜約1,082,000、約100,000〜約1,08
2,000、約200,000〜約1,082,000、約400,000〜約
1,082,000、または約800,000〜約1,082,000個連続し
たヌクレオチド(配列番号211の核酸配列を含むものを含む)を含み得る。こ
のセントロメアはまた、配列番号212の核酸配列の約100〜約163,31
7、約500〜約163,317、約1,000〜約163,317、約5,0
00〜約163,317、約10,000〜約163,317、約30,000
〜約163,317、約50,000〜約163,317、約80,000〜約
163,317、または約120,000〜約163,317個連続したヌクレ
オチドを含むとして規定され得、そして配列番号212の核酸配列を含むとして
規定され得る。このセントロメアは、配列番号211および212の両方に由来
する配列(前述のフラグメントを含む)または配列番号211および212の全
体を含み得る。特定の実施形態では、本発明者らは、配列番号211の3’フラ
グメントを配列番号212の5’フラグメントに融合し得ること(必要に応じて
、それらの間に配置される1以上の180bp反復配列を含む)を意図する。
さらに別の実施形態では、配列番号184、配列番号185、配列番号186
、配列番号187、配列番号188、配列番号189、配列番号190、配列番
号191、配列番号192、配列番号193、配列番号194、配列番号195
、配列番号196、配列番号197、配列番号198、配列番号199、配列番
号200、配列番号201、配列番号202、配列番号203、配列番号204
、配列番号205、配列番号206、配列番号207、配列番号208、または
それらのフラグメントによって与えられる核酸配列から選択される、Arabi
dopsis thalianaの第1染色体、第3染色体、または第5染色体
のセントロメアを提供する。1つの実施形態では、この構築物は、前述の配列の
うちの1つの少なくとも100塩基対(全長以内)を含む。さらに、この構築物
は、1以上の180塩基対反復を含み得る。
なおさらに別の実施形態では、本発明は、Arabidopsis thal
ianaの第5染色体のセントロメアを提供する。このセントロメアは、遺伝マ
ーカーF13K20−T7およびCUE1によって隣接されるとしてさらに規定
され得、そしてさらに、F13K20−T7およびT18M4、F13K20−
T7およびT18F2、F13K20−T7およびT24I20、T18M4お
よびT18F2、T18M4およびT24I20、T18M4およびCUE1、
T18F2およびT24I20、T18F2およびCUE1、ならびにT24I
20およびCUE1からなる群から選択される遺伝マーカーの対によって隣接さ
れるとして規定され得る。
なおさらに別の実施形態では、本発明は、植物セントロメアを含み、そしてさ
らに反復ヌクレオチド配列のn個のコピー(ここで、nは少なくとも2である)
を含むとして規定される、組換えDNA構築物を提供する。潜在的に、組換え構
築物上に物理的に配置され得る任意の数の反復コピー(約5、10、15、20
、30、50、75、100、150、200、300、400、500、75
0、1,000、1,500、2,000、3,000、5,000、7,50
0、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000
、60,000、70,000、80,000、90,000、および約100
,000を含む(このようなコピー数の中間にある全ての範囲を含む))が、こ
の構築物上に含まれ得る。1つの実施形態では、反復ヌクレオチド配列は、配列
番号184、配列番号185、配列番号186、配列番号187、配列番号18
8、配列番号189、配列番号190、配列番号191、配列番号192、配列
番号193、配列番号194、配列番号195、配列番号196、配列番号19
7、配列番号198、配列番号199、配列番号200、配列番号201、配列
番号202、配列番号203、配列番号204、配列番号205、配列番号20
6、配列番号207、配列番号208、配列番号209、配列番号210、配列
番号211または配列番号212によって与えられる核酸配列から単離可能であ
り得る。使用され得るこのような配列の例を、図23A〜23Dに提供する。使
用される反復の長さは変動し得るが、好ましくは、約20bp〜約250bp、
約50bp〜約225bp、約75bp〜約210bp、約100bp〜約20
5bp、約125bp〜約200bp、約150bp〜約195bp、約160
bp〜約190bp、および約170bp〜約185bpの範囲(約180bp
を含む)である。
配列番号209、210、211、および212と組合せて、反復は、セント
ロメア構造の部分として含まれ得る。反復の数は変動し得、そして1、2、3、
4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、
18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、
50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、3
00、400、500またはそれより多数を含む。
なおさらに別の局面では、本発明は、植物セントロメアおよびテロメア配列を
含むミニ染色体ベクターを提供する。任意のさらなる所望される配列(例えば、
自律複製配列、第2テロメア配列および構造遺伝子)がこのミニ染色体に付加さ
れ得る。1以上の前述の配列が、ミニ染色体上に物理的に配置され得る最大数ま
で、このような配列が付加され得る。ミニ染色体は、本明細書中に開示される任
意のセントロメア組成物を含み得る。本発明の1つの実施形態では、ミニ染色体
は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号
6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列
番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番
号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20および配列番号21からな
る群から選択される核酸配列を含み得る。ミニ染色体はまた、抗生物質、除草剤
、または他の薬剤に対する感受性を付与し、それによってミニ染色体を含む目的
の植物、植物細胞、または任意の他の生物体の細胞の選択を可能にする、「ネガ
ティブ」選択可能マーカーを含み得る。ミニ染色体はまた、細胞内のミニ染色体
のコピー数を制御する遺伝子を含み得る。1以上の構造遺伝子もまた、ミニ染色
体に含まれ得る。有用であるとして特に意図されるのは、機能的ベクターをなお
維持しつつミニ染色体内に挿入され得る限り多くの構造遺伝子である。これは、
1,2、3、4、5、6、7、8、9またはそれより多い構造遺伝子を含み得る
なおさらに別の実施形態では、本発明は、植物セントロメアを含む組換えDN
A構築物を提供する。この細胞は、任意の型の細胞(原核生物細胞または真核生
物細胞を含む)であり得る。細胞が真核生物細胞である場合、この細胞は、例え
ば、酵母細胞または高等真核生物細胞(例えば、植物細胞)であり得る。植物細
胞は、双子葉植物(例えば、タバコ、トマト、ジャガイモ、ダイズ、カノラ、ヒ
マワリ、アルファルファ、ワタ、およびArabidopsis)由来であり得
るか、または単子葉植物細胞(例えば、コムギ、トウモロコシ、ライムギ、イネ
、シバ(turfgrass)、エンバク、オオムギ、ソルガム、キビ、および
サトウキビ)であり得る。本発明の1つの実施形態では、植物セントロメアはA
rabidopsis thalianaのセントロメアであり、そして細胞は
、Arabidopsis thaliana細胞であり得る。組換えDNA構
築物は、テロメア、自律複製配列(ARS)、構造遺伝子、または選択可能マー
カーもしくはスクリーニングマーカーのようなさらなる配列を含み得、この組換
えDNA構築物上に物理的に配置され得る限り多くのこのような配列を含む。本
発明の1つの実施形態では、細胞はさらに、この構造遺伝子を発現し得るとして
規定される。本発明の別の実施形態では、前述の細胞を含む植物が提供される。
なおさらに別の実施形態では、本発明は、トランスジェニック植物細胞を調製
する方法を提供する。この方法は、出発植物細胞(starting plan
t cell)と植物セントロメアを含む組換えDNA構築物とを接触させ、そ
れによってこの出発植物細胞がこの組換えDNA構築物で形質転換される、工程
を包含する。組換えDNA構築物は、任意の所望される遺伝子(例えば、この組
換えDNA構築物上に物理的に配置され得る限り多くの構造遺伝子)を含み得る
。特定の実施形態では、セントロメアがArabidopsis thalia
naのセントロメアであり、そして植物細胞がArabidopsis tha
liana細胞であり得る。
なおさらに別の局面では、本発明は、ミニ染色体ベクターを含むトランスジェ
ニック植物を提供し、このベクターは植物セントロメアおよびテロメア配列を含
む。ミニ染色体ベクターは、さらに自律複製配列、第2テロメア配列、または構
造遺伝子(例えば、抗生物質耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、窒素固定遺伝子、
植物病原体防御遺伝子、植物ストレス誘導性遺伝子、毒素遺伝子、レセプター遺
伝子、リガンド遺伝子、種子貯蔵遺伝子、ホルモン遺伝子、酵素遺伝子、インタ
ーロイキン遺伝子、凝固因子遺伝子、サイトカイン遺伝子、抗体遺伝子、および
成長因子遺伝子)を含み得る。ミニ染色体上に物理的に配置され得る限り多くの
このような配列が含まれ得る。ミニ染色体ベクターはさらに、配列番号1、配列
番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列
番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号1
3、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18
、配列番号19、配列番号20および配列番号21からなる群から選択される核
酸配列を含み得る。トランスジェニック植物は、双子葉植物(例えば、タバコ、
トマト、ジャガイモ、エンドウ、ニンジン、カリフラワー、ブロッコリー、ダイ
ズ、カノラ、ヒマワリ、アルファルファ、ワタ、およびArabidopsis
)のような任意の型の植物であり得るか、または単子葉植物(例えば、コムギ、
トウモロコシ、ライムギ、イネ、シバ、エンバク、オオムギ、ソルガム、キビ、
およびサトウキビ)であり得る。
なおさらに別の局面では、本発明は、ミニ染色体ベクターを生成する方法を提
供する。この方法は、(a)第1ベクターおよび第2ベクターを得る工程であっ
て、この第1ベクターまたは第2ベクターが、選択可能マーカーもしくはスクリ
ーニングマーカー、複製起点、テロメアおよび植物セントロメアを含み、そして
ここでこの第1ベクターおよび第2ベクターが部位特異的組換えのための部位を
含む、工程;ならびに(b)この第1ベクターとこの第2ベクターとを接触させ
て、この第1ベクター上の部位特異的組換えのための部位と、この第2ベクター
上の部位特異的組換えのための部位との間で部位特異的組換えを生じさせ、この
選択可能マーカーもしくはスクリーニングマーカー、この複製起点、このテロメ
ア、およびこの植物セントロメアを含むミニ染色体ベクターを作製する、工程を
包含する。この接触させる工程は、インビトロまたはインビボ(ここでは、Ag
robacteriumもしくはE.coli細胞のような原核生物細胞、また
は酵母細胞のような下等真核生物細胞において接触させる工程を実施することが
含まれる)で実施され得る。この接触させる工程はさらに、高等真核生物細胞(
例えば、植物細胞(Arabidopsis thaliana細胞を含む))
において実施され得る。この接触させる工程は、潜在的に任意のリコンビナーゼ
(Cre、Flp、Gin、Pin、Sre、pinD、Int−B13、およ
びRを含む)の存在下で実施され得る。第1ベクターまたは第2ベクターは、A
grobacterium媒介性形質転換のためにボーダー(border)配
列を含み得る。本発明の1つの実施形態では、植物セントロメアはArabid
opsis thalianaセントロメアである。テロメアは植物テロメアで
あり得る。任意の植物の選択可能マーカーまたはスクリーニングマーカー(GF
P、GUS、BAR、PAT、HPT、またはNPTIIを含む)が、使用され
得る。
なおさらに別の局面では、植物セントロメア活性について候補セントロメア配
列をスクリーニングする方法が提供される。この方法は、以下の工程:(a)候
補セントロメア配列を含む単離された核酸配列を得る工程;(b)この単離され
た核酸を用いて、植物細胞に組み込まれるように形質転換する工程;および(c
)この候補セントロメア配列のセントロメア活性についてスクリーニングする工
程、を包含する。この方法では、スクリーニングする工程は、組み込まれるよう
に形質転換された植物細胞またはこの植物細胞を含む植物中に存在する表現型効
果を得る工程、を包含し得、ここでこの表現型効果は、この単離された核酸配列
を用いて組み込まれるように形質転換されていないコントロール植物細胞、また
はこのコントロール植物細胞を含む植物には存在しない。スクリーニングされ得
る表現型効果の型は、生存率の減少、この形質転換の効率の低下、組み込まれる
ように形質転換された核酸における遺伝子不安定性、異常な植物領域(sect
ion)、倍数性の増加、異数体、および遠位領域またはセントロメア性染色体
領域における組み込み的な形質転換の増加が挙げられる。単離された核酸配列は
、細菌人工染色体を含み得、これはさらにバイナリー細菌人工染色体として規定
され得る。組み込まれるように形質転換する工程は、任意の型の形質転換(例え
ば、Agrobacterium媒介性形質転換)の使用を含み得る。本発明の
1つの実施形態では、コントロール植物細胞は、候補セントロメア配列以外の核
酸配列を用いて、組み込まれるように形質転換される。
なおさらに別の局面では、本発明は、Arabidopsisポリユビキチン
11プロモーターを含む組換えDNA構築物を提供し、ここでこのプロモーター
は、配列番号180の核酸配列の約25〜約2,000個連続したヌクレオチド
を含む。本発明のさらなる実施形態では、このプロモーターは、配列番号180
の核酸配列の約75〜約2,000、約125〜約2,000、約200〜約2
,000、約400〜約2,000、約800〜約2,000、約1,000〜
約2,000、または約1,500〜約2,000個連続したヌクレオチドを含
み得るか、または配列番号180の核酸配列を含み得る。この構築物を含むプロ
モーターは、任意のさらなる所望の配列(例えば、エンハンサーの配列、テロメ
ア配列、植物セントロメア配列、ARS、または構造遺伝子(抗生物質耐性遺伝
子、除草剤耐性遺伝子、窒素固定遺伝子、植物病原体防御遺伝子、植物ストレス
誘導性遺伝子、毒素遺伝子、レセプター遺伝子、リガンド遺伝子、種子貯蔵遺伝
子、ホルモン遺伝子、酵素遺伝子、インターロイキン遺伝子、凝固因子遺伝子、
サイトカイン遺伝子、抗体遺伝子、および成長因子遺伝子を含む))を含み得る
。本発明の1つの実施形態では、プロモーターは構造遺伝子の5’末端に作動可
能に連結され得る。
なおさらに別の局面では、本発明は、Arabidopsisの40Sリボソ
ームタンパク質S16プロモーターを含む組換えDNA構築物を提供し、ここで
このプロモーターは、配列番号182の核酸配列の約25〜約2,000個連続
したヌクレオチドを含む。本発明の特定の実施形態では、このプロモーターは、
配列番号182の核酸配列の約75〜約2,000、約125〜約2,000、
約200〜約2,000、約400〜約2,000、約800〜約2,000、
約1,000〜約2,000、または約1,500〜約2,000個連続したヌ
クレオチドを含み得るか、または配列番号182の核酸配列を含み得る。この構
築物を含むプロモーターは、任意のさらなる所望の配列(例えば、エンハンサー
の配列、テロメア配列、植物セントロメア配列、ARS、または構造遺伝子(抗
生物質耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、窒素固定遺伝子、植物病原体防御遺伝子
、植物ストレス誘導性遺伝子、毒素遺伝子、レセプター遺伝子、リガンド遺伝子
、種子貯蔵遺伝子、ホルモン遺伝子、酵素遺伝子、インターロイキン遺伝子、凝
固因子遺伝子、サイトカイン遺伝子、抗体遺伝子、および成長因子遺伝子を含む
))を含み得る。本発明の1つの実施形態では、プロモーターは構造遺伝子の5
’末端に作動可能に連結され得る。
本発明のなおさらに別の局面では、ターミネーター配列を含むArabido
psisポリユビキチン11の3’調節配列を含む組換えDNA構築物を提供し
、ここでこの3’調節配列は、配列番号181の核酸配列の約25〜約2001
個連続したヌクレオチドを含む。本発明の1つの実施形態では、この3’調節配
列は、配列番号181の核酸配列の約75〜約2001、約125〜約2001
、約200〜約2001、約400〜約2001、約800〜約2001、また
は約1,000〜約2001個連続したヌクレオチドを含むとしてさらに規定さ
れ得、そして配列番号181の核酸配列を含み得る。この組換え配列はさらに、
任意の他の配列(例えば、エンハンサー、テロメア配列、植物セントロメア配列
、ARS、および構造遺伝子(抗生物質耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、窒素固
定遺伝子、植物病原体防御遺伝子、植物ストレス誘導性遺伝子、毒素遺伝子、レ
セプター遺伝子、リガンド遺伝子、種子貯蔵遺伝子、ホルモン遺伝子、酵素遺伝
子、インターロイキン遺伝子、凝固因子遺伝子、サイトカイン遺伝子、抗体遺伝
子、および成長因子遺伝子を含む))を含み得る。本発明の1つの実施形態では
、ターミネーターが構造遺伝子の3’末端に作動可能に連結され得る。
なおさらに別の局面では、本発明は、ターミネーター配列を含むArabid
opsisの40Sリボソームタンパク質S16の3’調節配列を含む組換えD
NA構築物を提供し、ここでこの3’調節配列は、配列番号183の核酸配列の
約25〜約2,000個連続したヌクレオチドを含む。本発明の特定の実施形態
では、この3’調節配列は、配列番号183の核酸配列の約75〜約2,000
、約125〜約2,000、約200〜約2,000、約400〜約2,000
、約800〜約2,000、または約1,000〜約2,000個連続したヌク
レオチドを含み得、そして配列番号183の核酸配列を含み得る。この組換え配
列はさらに、任意の他の配列(例えば、エンハンサー、テロメア配列、植物セン
トロメア配列、ARS、および構造遺伝子(抗生物質耐性遺伝子、除草剤耐性遺
伝子、窒素固定遺伝子、植物病原体防御遺伝子、植物ストレス誘導性遺伝子、毒
素遺伝子、レセプター遺伝子、リガンド遺伝子、種子貯蔵遺伝子、ホルモン遺伝
子、酵素遺伝子、インターロイキン遺伝子、凝固因子遺伝子、サイトカイン遺伝
子、抗体遺伝子、および成長因子遺伝子を含む))を含み得る。本発明の1つの
実施形態では、ターミネーターが構造遺伝子の3’末端に作動可能に連結され得
る。
なおさらに別の局面では、本発明は、目的の植物、植物細胞または任意の他の
生物体の細胞において外来遺伝子を発現させるための方法を提供する。外来遺伝
子は、任意の生物体(植物、動物、および細菌を含む)由来であり得る。ミニ染
色体を使用して、完全な生化学経路または調節経路を含む植物に、複数の外来遺
伝子を同時に移入し得ることがさらに意図される。本発明のさらに別の実施形態
では、ミニ染色体をDNAクローニングベクターとして使用し得ることが意図さ
れる。このようなベクターは、植物および動物の配列決定プロジェクトにおいて
使用され得る。本発明は、酵母および細菌において「クローン化不可能(unc
lonable)」であるが、植物に基づく系では容易にクローン化され得る配
列のクローニングにおいて特に有用であり得る。
本発明のなおさらに別の局面では、本明細書中に開示されるミニ染色体を使用
して、DNAの機能的セグメント(例えば、DNAの複製起点、テロメア、テロ
メア関連遺伝子(telomere associated gene)、核基
質接着領域(nuclear matrix attachment regi
on)(MAR)、骨格結合領域(SAR)、境界エレメント(boundar
y element)、エンハンサー、サイレンサー、プロモーター、組換えホ
ットスポットおよびセントロメア)をクローン化し得る。この実施形態は、1以
上の型の機能的エレメントについて欠損する欠損性ミニ染色体内にDNAをクロ
ーン化することによって、実施され得る。このような欠損したエレメントを補完
する配列は、安定に遺伝されるミニ染色体を生じさせる。次いで、ミニ染色体上
の選択可能マーカーまたはスクリーニングマーカーを使用して、欠損性ミニ染色
体において非機能的であった型のクローン化された機能的エレメントを含む、生
存可能なミニ染色体含有細胞について選択し得る。
本発明のまたさらなる局面において、本明細書中に開示される配列はArab
idopsisとは異なる植物に由来するセントロメア配列の単離のために使用
され得る。そのような技術は、例えばハイブリダイゼーション分析または配列ベ
ースの分析を使用し得る。本発明の一つの実施形態において、セントロメアは、
農業的に重要な種、例えば、野菜作物(チョウセンアザミ、コールラビ、キバナ
スズシロ、セイヨウニラネギ、アスパラガス、レタス(例えば、結球、葉、ロマ
イン)、チンゲンサイ、タロイモ、ブロッコリー、メロン(例えば、マスクメロ
ン、スイカ、クレンシャウ(crenshaw)、糖液、カンタロープ)、芽キ
ャベツ、キャベツ、カルバン(cardoni)、ニンジン、白菜、カリフラワ
ー、オクラ、タマネギ、セロリ、パセリ、ヒヨコマメ、パースニップ、キクニガ
ナ、体菜、コショウ、コラード、ジャガイモ、キュウリ植物(マロウ(marr
ow)、キュウリ)、カボチャ、ヒョウタン、ダイコン、乾燥球状タマネギ、カ
ブカンラン、ナス、バラモンジン、エスカロール、シャロット、エンダイブ、ニ
ンニク、ホウレンソウ、緑タマネギ、カボチャ、青菜、ビート(テンサイおよび
試料ビート)サツマイモ、フダンソウ、セイヨウワサビ、トマト、ケール、カブ
、ならびに薬味を含む)から単離され得る。あるいは、セントロメアは、果物お
よびつる植物(例えば、リンゴ、アンズ、サクランボ、ネクタリン、モモ、セイ
ヨウナシ、プラム、プルーン、マルメロアーモンド、クリ、ヘイゼルナッツ、ぺ
カン、ピスタチオ、クルミ、カンキツ類、ブルーベリー、ボイゼンベリー、ツル
コケモモ、干しブドウ、ローガンベリー、ラズベリー、イチゴ、クロイチゴ、ブ
ドウ、アボガド、バナナ、キーウィ、カキ、ザクロ、パイナップル、熱帯果実、
ナシ状果、メロン、マンゴー、パパイヤおよびライチ)から、単離され得る。
本発明のまたさらに別の局面において、セントロメアは、本発明に従って畑作
物植物(例えば、マツヨイグサ、メドウフォーム(meadow foam)、
トウモロコシ(トウモロコシ(field corn)、スイートコーン、ポッ
プコーン)、ホップ、ホホバ、ピーナッツ、イネ、ベニバナ、小さな穀粒(オオ
ムギ、オートムギ、ライムギ、コムギなど)、モロコシ、タバコ、カポック、マ
メ植物(マメ、ヒラマメ、エンドウ、ダイズ)、油脂植物(セイヨウアブラナ、
マスタード、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、トウゴマ、カカオの実、
アメリカホドイモ)繊維植物(綿、アマ、マサ、ジュート)、クスノキ(シナモ
ン、カンフル)またはコーヒー、サトウキビ、茶および天然インドゴムノキ植物
のような植物から単離され得る。セントロメアが単離され得るさらに他の植物の
例としては、花壇向きの植物(例えば、花、サボテン、多汁植物および観賞植物
)ならびに森林(広葉樹および常緑樹、例えば針葉樹)、果実樹木、観賞樹木、
および木の実結実樹のような樹木、ならびに低木および他の苗木ストックが挙げ
られる。
本発明のまたさらに別の局面において、本明細書中に記載されるミニ染色体ベ
クターを使用して、効率的な遺伝子置換研究を実施し得る。現在、遺伝子置換は
、植物系においてはわずかな場合においてのみ検出されており、そして哺乳動物
組織培養系においては低い頻度でのみ検出されている(Thomasら、198
6;Smithiesら、1985を参照のこと)。この理由は、相同遺伝子組
換えの頻度に比較して、高頻度の非正統的非相同組換え事象である(前者が遺伝
子置換の原因である)。人工染色体が、相同組換えに優先的に関与し得る。人工
染色体は、送達の際、インタクトなままなので、非常に効率的な非正統的組換え
機構のための基質として役立つような、組換え生成破壊末端が生成されない。従
って、本明細書中に開示される人工染色体ベクターは、減数分裂の間、核におい
て維持されて、そして、相同性依存性減数分裂組換えに関与するように利用可能
である。さらに、原理上は、本発明の教示を使用して任意の長さの人工染色体が
構築され得るので、そのベクターを使用して、同じ生物体または任意の他の生物
体に由来する非常に長い長さのDNAを細胞内に導入し得る。特に意図される挿
入片は、およそいくつかの塩基対〜100メガベース対(およそ、1kb、25
kb、50kb、100kb、125kb、150kb、200kb、300k
b、400kb、500kb、600kb、700kb、800kb、900k
b、1MB、1.25Mb、1.5Mb、2Mb、3Mb、5Mb、10Mb、
25Mb、50Mbおよび100Mbを含む)の挿入片を含む。
またさらに別の局面において、本発明は、植物細胞の遺伝子形質転換のための
ミニ染色体ベクターの構築についての方法、そのベクターの使用、およびそれら
によって形質転換された生物体を提供する。組換えDNA技術の一般原理を示す
標準的な参考文献としては、Lewin1985が挙げられる。他の著作は、遺
伝子操作の方法および産物を記載する。例えば、Maniatisら、1982
;Watsonら、1983;Setlowら、1979;およびDillon
ら、1985を参照のこと。
またさらに別の局面において、本発明は、トランスジェニック細胞を調製する
方法を提供する。本発明の一つの実施形態において、この方法は、a)以下の特
徴を有するArabidopsis thalianaセントロメアDNAを含
む核酸分子を得る工程:1)mi342およびT27K12、mi310および
g4133、atpoxおよびATA、mi233およびmi167ならびにF
13K20−t7およびCUE1および2からなる群から選択される一対の遺伝
子マーカーによって定義されるArabidopsis thaliana染色
体上の位置の地図作製、および2)相同染色体の分離を示すパターンにおける減
数分裂1の紡錘極へのDNAのソート、b)その核酸分子を含む組換え構築物を
調製する工程;およびc)その組換え構築物でレシピエント細胞を形質転換する
工程を包含する。
例えば、その細胞は、より下等な真核生物細胞(酵母細胞を含む)であり得る
か、またはより高等な真核生物細胞であり得る。その細胞がより高等な真核生物
細胞である場合、その細胞は動物または植物細胞であり得る。本発明の一つの実
施形態において、その細胞は、Arabidopsis thaliana細胞
ではない。本発明の別の実施形態において、Arabidopsis thal
ianaセントロメアは、マーカー対mi342およびT27K12によって定
義され、それはさらに、遺伝子マーカー対T22C23−t7およびT3P8−
sp6によって定義される;そして/またはマーカー対mi310およびg41
33によって定義され、それはさらに遺伝子マーカー対F5J15およびT15
D9によって定義される;そして/またはマーカー対atpoxおよびATAに
よって定義され、それはさらに遺伝子マーカー対T9G9−sp6およびT5M
14−sp6によって定義され得る;そして/またはマーカー対mi233およ
びmi167によって定義され、それはさらに遺伝子マーカー対T24H24.
30k3およびF13H14−t7によって定義され得る;そして/または遺伝
子マーカー対F13K20−t7およびCUE1によって定義され、それはさら
にF13K20−T7およびT18M4、F13K20およびT18F2、F1
3K20−T7およびT18F2、F13K20−T7およびT24I20、T
18M4およびT18F2、T18M4およびT24I20、T18M4および
CUE1、T18F2およびT24I20、T18F2およびCUE1、および
T24I20およびCUE1からなる群から選択される遺伝子マーカー対によっ
て定義され得る。
本発明の一つの実施形態において、形質転換は、Agrobacterium
媒介性形質転換、プロトプラスト形質転換、エレクトロポレーション、または粒
子衝撃(bombardment)からなる群から選択される方法の使用を含む
。その組換え構築物は、所望の要素(テロメア(Arabidopsis th
alianaテロメアもしくは、酵母テロメア)を含む)を含み得る。この組換
え構築物はまた、自律性複製配列(ARS)(例えば、Arabidopsis
thaliana ARS)を含み得る。その組換え構築物はまた、原核生物
もしくは真核生物選択可能もしくはスクリーニングマーカー遺伝子を含み得る。
一つ以上の構造遺伝子が、組換え構築物とともに含むこともまた所望され得る。
例示的な構造遺伝子としては、抗生物質耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、窒素固
定遺伝子、植物病原菌防御遺伝子、植物ストレス誘導遺伝子、毒素遺伝子、種子
貯蔵遺伝子、ホルモン遺伝子、酵素遺伝子、インターロイキン遺伝子、凝固因子
遺伝子、サイトカイン遺伝子、抗体遺伝子、および増殖因子遺伝子からなる群か
ら選択される遺伝子が挙げられる。その方法は、この細胞からトランスジェニッ
ク植物を再生する工程をさらに包含し得る。
またさらに別の局面において、本発明は以下の工程を包含する、セントロメア
活性を与え得る核酸分子を同定する方法を提供する:a)Arabidopsi
s thalianaセントロメアDNAを含む、核酸分子を得る工程、ここで
Arabidopsis thalianaセントロメアは、mi342および
T27K12、mi310およびg4133、atpoxおよびATA、mi2
33およびmi167、ならびにF13K20−t7およびT17M11−sp
6からなる群から選択される一対の遺伝子マーカーにより定義される;b)その
核酸分子を含む組換え構築物を調製する工程;ならびにc)安定な遺伝形質パタ
ーンを実証する組換え構築物の能力を決定する工程。この方法において、安定な
遺伝形質パターンを実証する能力が、組換え構築物を含む組換え細胞を調製する
ことによって決定され得る。本発明の別の実施形態において、Arabidop
sis thalianaセントロメアは、マーカー対mi342およびT27
K12によって定義され、これはさらに遺伝子マーカー対T22C23−t7お
よびT3P8−sp6によって定義される;そして/またはマーカー対mi31
0およびg4133によって定義され、それはさらに遺伝子マーカー対F5J1
5−sp6およびT15D9によって定義される;そして/またはマーカー対a
tpoxおよびATAによって定義され、それはさらに遺伝子マーカー対T9G
9−sp6およびT5M14−sp6によって定義され得る;そして/またはマ
ーカー対mi233およびmi167によって定義され、それはさらに遺伝子マ
ーカー対T24H24.30k3およびF13H14−t7によって定義され得
る;そして/または遺伝子マーカー対F13K20−t7およびCUE1によっ
て定義され、それはさらにF13K20−T7およびT18M4、F13K20
−T20およびT18F2、F13K20−T7およびT24I20、T18M
4およびT18F2、T18M4およびT24I20、T18M4およびCUE
1、T18F2およびT24I20、T18F2およびCUE1、ならびにT2
4I20およびCUE1からなる群から選択される遺伝子マーカー対によって定
義され得る。
本発明の一つの実施形態において、その組換え構築物は、染色体に組み込まれ
る。この獲得工程は、Arabidopsis thalianaセントロメア
DNAを含むBACクローンもしくはYACクローンを獲得する工程を包含する
。このDNAは、パルスフィールドゲル電気泳動の使用を含む方法によって得ら
れ得、そしてポジショナルクローニングを含む方法によって得られ得る。本発明
の別の実施形態において、そのポジショナルクローニングは、このArabid
opsis thalianaセントロメアDNAを含むクローンの連続セット
を同定する工程を包含し得、ここでそのクローンのセットは、mi342および
T27K12、mi310およびg4133、atpoxおよびATA、mi2
33およびmi167ならびにF13K20−t7およびT17M11−sp6
からなる群から選択される一対の遺伝子マーカーに隣接される。
クローンの連続セットは、Arabidopsis thalianaセント
ロメアに及び得る。その組換え構築物は、選択可能もしくはスクリーニング可能
なマーカーを含み得、そしてその決定する工程は、選択可能もしくはスクリーニ
ング可能なマーカーにより与えられる表現型を決定する工程を包含する。その決
定する工程は、例えば、組換え構築物が有糸分裂および/または減数分裂におい
て安定な遺伝形質パターンを実証する能力を決定する工程を包含し得る。さらに
別の実施形態において、本発明は、本発明により提供される方法によって調製さ
れるトランスジェニック細胞を提供する。また、本発明によって、トランスジェ
ニック植物、トランスジェニック植物部分およびトランスジェニック細胞を含む
組織培養物が提供される。本発明の別の実施形態において、Arabidops
is thalianaセントロメアは、マーカー対mi342およびT27K
12によって定義され、それはさらに、遺伝子マーカー対T22C23−t7お
よびT3P8−sp6によって定義される;そして/またはマーカー対mi31
0およびg4133によって定義され、それはさらに遺伝子マーカー対F5J1
5−sp6およびT15D9によって定義される;そして/またはマーカー対a
tpoxおよびATAによって定義され、それはさらに遺伝子マーカー対T9G
9−sp6およびT5M14−sp6によって定義され得る;そして/またはマ
ーカー対mi233およびmi167によって定義され、それはさらに遺伝子マ
ーカー対T24H24.30k3およびF13H14−t7によって定義され得
る;そして/または遺伝子マーカー対F13K20−t7およびCUE1によっ
て定義され、それはさらにF13K20−T7およびT18M4、F13K20
−T7およびT18F2、F13K20−T7およびT24I20、T18M4
およびT18F2、T18M4およびT24I20、T18M4およびCUE1
、T18F2およびT24I20、T18F2およびCUE1、ならびにT24
I20およびCUE1からなる群から選択される遺伝子マーカー対によって定義
される。
本発明のまたさらに別の局面において、本発明に従って使用されるセントロメ
アは、Arabidopsis(例えば、Arabidopsis thali
ana)に由来しない。同様に、本発明に従うセントロメア組成物を含む植物ま
たは植物細胞はまた、Arabidopsisとは異なる植物に由来し得る。
本発明は例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)植物セントロメアを含む、組換えDNA構築物。
(項目2)テロメアをさらに含む、項目1に記載の組換えDNA構築物。
(項目3)前記テロメアが植物テロメアである、項目2に記載の組換えDNA構築物。
(項目4)前記植物テロメアがArabidopsis thalianaテロメアである、項目3に記載の組換えDNA構築物。
(項目5)前記テロメアが酵母テロメアである、項目2に記載の組換えDNA構築物。
(項目6)自律複製配列(ARS)をさらに含む、項目1に記載の組換えDNA構築物。
(項目7)前記ARSが植物ARSである、項目6に記載の組換えDNA構築物。
(項目8)前記植物ARSが、Arabidopsis thaliana ARSである、項目6に記載の組換えDNA構築物。
(項目9)構造遺伝子をさらに含む、項目1に記載の組換えDNA構築物。
(項目10)前記構造遺伝子が選択マーカー遺伝子またはスクリーニングマーカー遺伝子を含む、項目9に記載の組換えDNA構築物。
(項目11)第2の構造遺伝子をさらに含む、項目9に記載の組換えDNA構築物。
(項目12)前記構造遺伝子が、抗生物質耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、窒素固定遺伝子、植物病原体防御遺伝子、植物ストレス誘導性遺伝子、毒素遺伝子、レセプター遺伝子、リガンド遺伝子および種子貯蔵遺伝子からなる群より選択される、項目9に記載の組換えDNA構築物。
(項目13)前記構築物が前記構造遺伝子を発現し得る、項目12に記載の組換えDNA構築物。
(項目14)前記構築物が、原核生物において前記構造遺伝子を発現し得る、項目13に記載の組換えDNA構築物。
(項目15)前記構築物が、真核生物において前記構造遺伝子を発現し得る、項目13に記載の組換えDNA構築物。
(項目16)前記真核生物が高等真核生物である、項目15に記載の組換えDNA構築物。
(項目17)前記高等真核生物が植物である、項目16に記載の組換えDNA構築物。
(項目18)前記構造遺伝子が、ホルモン遺伝子、酵素遺伝子、インターロイキン遺伝子、凝固因子遺伝子、サイトカイン遺伝子、抗体遺伝子、および増殖因子遺伝子からなる群より選択される、項目9に記載の組換えDNA構築物。
(項目19)前記構築物が前記構造遺伝子を発現し得る、項目18に記載の組換えDNA構築物。
(項目20)前記構築物が、原核生物において前記構造遺伝子を発現し得る、項目19に記載の組換えDNA構築物。
(項目21)前記構築物が、真核生物において前記構造遺伝子を発現し得る、項目19に記載の組換えDNA構築物。
(項目22)前記真核生物が高等真核生物である、項目21に記載の組換えDNA構築物。
(項目23)前記高等真核生物が植物である、項目22に記載の組換えDNA構築物。
(項目24)プラスミドとしてさらに定義される、項目1に記載の組換えDNA構築物。
(項目25)前記プラスミドが複製起点を含む、項目24に記載の組換えDNA構築物。
(項目26)前記複製起点が細菌において機能する、項目25に記載の組換えDNA構築物。
(項目27)前記複製起点がE.coliにおいて機能する、項目26に記載の組換えDNA構築物。
(項目28)前記複製起点がAgrobacteriumにおいて機能する、項目26に記載の組換えDNA構築物。
(項目29)前記複製起点が植物において機能する、項目25に記載の組換えDNA構築物。
(項目30)前記複製起点が酵母において機能する、項目25に記載の組換えDNA構築物。
(項目31)前記酵母がS.cerevisiaeである、項目30に記載の組換えDNA構築物。
(項目32)前記プラスミドが選択マーカーを含む、項目24に記載の組換えDNA構築物。
(項目33)前記選択マーカーが細菌において機能する、項目32に記載の組換えDNA構築物。
(項目34)前記選択マーカーがE.coliにおいて機能する、項目32に記載の組換えDNA構築物。
(項目35)前記選択マーカーが、Agrobacteriumにおいて機能する、項目32に記載の組換えDNA構築物。
(項目36)前記選択マーカーが植物において機能する、項目32に記載の組換えDNA構築物。
(項目37)前記選択マーカーが酵母において機能する、項目32に記載の組換えDNA構築物。
(項目38)前記酵母がS.cerevisiaeである、項目37に記載の組換えDNA構築物。
(項目39)染色体として維持され得、該染色体は分裂細胞において伝達される、項目1に記載の組換えDNA構築物。
(項目40)前記植物セントロメアがArabidopsis thalianaセントロメアである、項目1に記載の組換えDNA構築物。
(項目41)前記植物セントロメアがArabidopsis thalianaの第1染色体セントロメアである、項目40に記載の組換えDNA構築物。
(項目42)前記セントロメアが遺伝マーカーT22C23−T7およびT3P8−SP6に隣接している、項目41に記載の組換えDNA構築物。
(項目43)前記セントロメアが遺伝マーカーT22C23−T7およびT5D18、T22C23−T7およびT3L4、T5D18およびT3P8−SP6、T5D18およびT3L4、ならびにT3L4およびT3P8−SP6に隣接しているとさらに定義される、項目42に記載の組換えDNA構築物。
(項目44)前記植物セントロメアがArabidopsis thaliana第2染色体セントロメアを含む、項目40に記載の組換えDNA構築物。
(項目45)前記セントロメアが配列番号209の核酸配列の約100〜約611,000の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目46)前記セントロメアが配列番号209の核酸配列の約500〜約611,000の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目47)前記セントロメアが配列番号209の核酸配列の約1,000〜約611,000の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目48)前記セントロメアが配列番号209の核酸配列の約10,000〜約611,000の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目49)前記セントロメアが配列番号209の核酸配列の約20,000〜約611,000の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目50)前記セントロメアが配列番号209の核酸配列の約40,000〜約611,000の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目51)前記セントロメアが配列番号209の核酸配列の約80,000〜約611,000の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目52)前記セントロメアが配列番号209の核酸配列の約150,000〜約611,000の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目53)前記セントロメアが配列番号209の核酸配列の約300,000〜約611,000の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目54)前記セントロメアが配列番号209の核酸配列を含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目55)前記セントロメアが配列番号210の核酸配列の約100〜約50,959の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目56)前記セントロメアが配列番号210の核酸配列の約500〜約50,959の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目57)前記セントロメアが配列番号210の核酸配列の約1,000〜約50,959の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目58)前記セントロメアが配列番号210の核酸配列の約5,000〜約50,959の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目59)前記セントロメアが配列番号210の核酸配列の約10,000〜約50,959の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目60)前記セントロメアが配列番号210の核酸配列の約20,000〜約50,959の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目61)前記セントロメアが配列番号210の核酸配列の約30,000〜約50,959の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目62)前記セントロメアが配列番号210の核酸配列の約40,000〜約50,959の連続するヌクレオチドを含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目63)前記セントロメアが配列番号210の核酸配列を含む、項目44に記載の組換えDNA構築物。
(項目64)前記植物セントロメアがArabidopsis thaliana第3染色体セントロメアである、項目40に記載の組換えDNA構築物。
(項目65)セントロメアが遺伝マーカーT9G9−SP6およびT5M14−SP6に隣接しているとさらに定義される、項目62に記載の組換えDNA構築物。
(項目66)前記セントロメアがT9G9−SP6およびTI4H20、T9G9−SP6およびT7K14、T9G9−SP6およびT21P20、T14H20およびT7K14、T14H20およびT21P20、T14H20およびT5M14−SP6、T7K14およびT5M14−SP6、T7K14およびT21P20、ならびにT21P20およびT5M14−SP6からなる群より選択される一対の遺伝マーカーによって隣接しているとなおさらに定義される、項目65に記載の組換えDNA構築物。
(項目67)前記植物セントロメアがArabidopsis thaliana第4染色体セントロメアである、項目40に記載の組換えDNA構築物。
(項目68)前記セントロメアが配列番号211の核酸配列の約100〜約1,082,000の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目69)前記セントロメアが配列番号211の核酸配列の約500〜約1,082,000の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目70)前記セントロメアが配列番号211の核酸配列の約1,000〜約1,082,000の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目71)前記セントロメアが配列番号211の核酸配列の約5,000〜約1,082,000の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目72)前記セントロメアが配列番号211の核酸配列の約10,000〜約1,082,000の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目73)前記セントロメアが配列番号211の核酸配列の約50,000〜約1,082,000の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目74)前記セントロメアが配列番号211の核酸配列の約100,000〜約1,082,000の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目75)前記セントロメアが配列番号211の核酸配列の約200,000〜約1,082,000の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目76)前記セントロメアが配列番号211の核酸配列の約400,000〜約1,082,000の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目77)前記セントロメアが配列番号211の核酸配列の約800,000〜約1,082,000の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目78)前記セントロメアが配列番号211の核酸配列を含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目79)前記セントロメアが配列番号212の核酸配列の約100〜約163,317の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目80)前記セントロメアが配列番号212の核酸配列の約500〜約163,317の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目81)前記セントロメアが配列番号212の核酸配列の約1,000〜約163,317の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目82)前記セントロメアが配列番号212の核酸配列の約5,000〜約163,317の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目83)前記セントロメアが配列番号212の核酸配列の約10,000〜約163,317の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目84)前記セントロメアが配列番号212の核酸配列の約30,000〜約163,317の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目85)前記セントロメアが配列番号212の核酸配列の約50,000〜約163,317の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目86)前記セントロメアが配列番号212の核酸配列の約80,000〜約163,317の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目87)前記セントロメアが配列番号212の核酸配列の約120,000〜約163,317の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目88)前記セントロメアが配列番号212の核酸配列を含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
(項目89)前記植物セントロメアがArabidopsis thaliana第5染色体セントロメアである、項目40に記載の組換えDNA構築物。
(項目90)前記セントロメアが遺伝マーカーF13K20−T7およびCUE1に隣接している、項目89に記載の組換えDNA構築物。
(項目91)項目90に記載の組換えDNA構築物であって、前記セントロメアがF13K20−T7およびT18M4、F13K20−T7およびT18F2、F13K20−T7およびT24I20、T18M4およびT18F2、T18M4およびT24I20、T18M4およびCUE1、T18F2およびT24I20、T18F2およびCUE1、ならびにT24I20およびCUE1からなる群より選択される一対の遺伝マーカーに隣接している、組換えDNA構築物。
(項目92)nコピーの反復ヌクレオチド配列を含み、ここでnが少なくとも2である、項目1に記載の組換えDNA構築物。
(項目93)nが約5〜約100,000である、項目92に記載の組換えDNA構築物。
(項目94)nが約10〜約80,000である、項目92に記載の組換えDNA構築物。
(項目95)nが約25〜約60,000である、項目92に記載の組換えDNA構築物。
(項目96)nが約100〜約50,000である、項目92に記載の組換えDNA構築物。
(項目97)nが約200〜約40,000である、項目92に記載の組換えDNA構築物。
(項目98)nが約400〜約30,000である、項目92に記載の組換えDNA構築物。
(項目99)nが約1,000〜約30,000である、項目92に記載の組換えDNA構築物。
(項目100)nが約5,000〜約20,000である、項目92に記載の組換えDNA構築物。
(項目101)nが約10,000〜約15,000である、項目92に記載の組換えDNA構築物。
(項目102)前記反復ヌクレオチド配列が、配列番号184、配列番号185、配列番号186、配列番号187、配列番号188、配列番号189、配列番号190、配列番号191、配列番号192、配列番号193、配列番号194、配列番号195、配列番号196、配列番号197、配列番号198、配列番号199、配列番号200、配列番号201、配列番号202、配列番号203、配列番号204、配列番号205、配列番号206、配列番号207、配列番号208、配列番号209、配列番号210、配列番号211または配列番号212によって与えられる核酸配列より単離され得る、項目92に記載の組換えDNA構築物。
(項目103)植物セントロメアおよびテロメア配列を含む、ミニ染色体ベクター。
(項目104)自律複製配列を含む、項目103に記載のミニ染色体ベクター。
(項目105)第2のテロメア配列を含む、項目103に記載のミニ染色体ベクター。
(項目106)構造遺伝子を含む、項目103に記載のミニ染色体ベクター。
(項目107)第2の構築遺伝子を含むとさらに定義される、項目103に記載のミニ染色体ベクター。
(項目108)配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20および配列番号21からなる群より選択される核酸配列を含むとさらに定義される、項目103に記載のミニ染色体ベクター。
(項目109)植物セントロメアを含む組換えDNA構築物で形質転換された細胞。
(項目110)前記細胞が原核生物細胞である、項目109に記載の細胞。
(項目111)前記細胞が真核生物細胞である、項目109に記載の細胞。
(項目112)前記細胞が酵母細胞である、項目111に記載の細胞。
(項目113)前記細胞が高等真核生物細胞である、項目109に記載の細胞。
(項目114)前記高等真核生物が植物細胞である、項目113に記載の細胞。
(項目115)前記植物細胞が双子葉植物由来である、項目114に記載の細胞。
(項目116)前記双子葉植物がタバコ、トマト、ジャガイモ、テンサイ、エンドウ、ニンジン、カリフラワー、ブロッコリー、ダイズ、カノラ、ヒマワリ、アルファルファ、ワタおよびArabidopsisからなる群より選択される、項目115に記載の細胞。
(項目117)前記双子葉植物がArabidopsis thalianaである、項目116に記載の細胞。
(項目118)前記植物細胞が単子葉植物由来である、項目114に記載の細胞。
(項目119)前記単子葉植物が、コムギ、トウモロコシ、ライムギ、イネ、シバ、カラスムギ、オオムギ、ソルガム、キビおよびサトウキビからなる群より選択される、項目118に記載の細胞。
(項目120)前記植物セントロメアがArabidopsis thalianaセントロメアである、項目109に記載の細胞。
(項目121)Arabidopsis thaliana細胞としてさらに定義される、項目120に記載の細胞。
(項目122)前記組換えDNA構築物がテロメアを含む、項目109に記載の細胞。
(項目123)前記組換えDNA構築物が自律複製配列(ARS)を含む、項目109に記載の細胞。
(項目124)前記組換えDNA構築物が構造遺伝子を含む、項目109に記載の細胞。
(項目125)前記構造遺伝子が、選択マーカー遺伝子またはスクリーニングマーカー遺伝子を含む、項目124に記載の細胞。
(項目126)前記組換えDNA構築物が第2の構造遺伝子を含む、項目124に記載の細胞。
(項目127)前記構造遺伝子を発現し得るとさらに定義される、項目124に記載の細胞。
(項目128)項目109に記載の細胞を含む、植物。
(項目129)トランスジェニック植物細胞を調製する方法であって、出発植物細胞を、植物セントロメアを含む組換えDNA構築物と接触させ、それによって該出発植物細胞が、該組換えDNA構築物で形質転換される工程を包含する、方法。
(項目130)前記組換えDNA構築物が構造遺伝子を含む、項目129に記載の方法。
(項目131)前記組換えDNA構築物が第2の構造遺伝子を含む、項目130に記載の方法。
(項目132)前記植物セントロメアがArabidopsis thalianaセントロメアである、項目129に記載の方法。
(項目133)前記出発植物細胞がArabidopsis thaliana細胞である、項目132に記載の方法。
(項目134)ミニ染色体ベクターを含むトランスジェニック植物であって、該ベクターが植物セントロメアおよびテロメア配列を含む、トランスジェニック植物。
(項目135)前記ミニ染色体ベクターが自律複製配列を含む、項目134に記載のトランスジェニック植物。
(項目136)前記ミニ染色体ベクターが第2のテロメア配列を含む、項目134に記載のトランスジェニック植物。
(項目137)前記ミニ染色体ベクターが構造遺伝子を含む、項目134に記載のトランスジェニック植物。
(項目138)前記構造遺伝子が、抗生物質耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、窒素固定遺伝子、植物病原体防御遺伝子、植物ストレス誘導性遺伝子、毒素遺伝子、レセプター遺伝子、リガンド遺伝子および種子貯蔵遺伝子からなる群より選択される、項目137に記載のトランスジェニック植物。
(項目139)第1の外因性構造遺伝子が、ホルモン遺伝子、酵素遺伝子、インターロイキン遺伝子、凝固因子遺伝子、サイトカイン遺伝子、抗体遺伝子、および増殖因子遺伝子からなる群より選択される、項目137に記載のトランスジェニック植物。
(項目140)前記ミニ染色体ベクターが第2の構造遺伝子を含む、項目134に記載のトランスジェニック植物。
(項目141)前記ミニ染色体ベクターが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、および配列番号21からなる群より選択される核酸配列を含む、項目134に記載のトランスジェニック植物。
(項目142)双子葉植物としてさらに定義される、項目134に記載のトランスジェニック植物。
(項目143)前記双子葉植物が、タバコ、トマト、ジャガイモ、テンサイ、エンドウ、ニンジン、カリフラワー、ブロッコリー、ダイズ、カノラ、ヒマワリ、アルファルファ、ワタおよびArabidopsisからなる群より選択される、項目143に記載のトランスジェニック植物。
(項目144)前記双子葉植物がArabidopsis thalianaである、項目143に記載のトランスジェニック植物。
(項目145)単子葉植物としてさらに定義される、項目134に記載のトランスジェニック植物。
(項目146)前記単子葉植物が、コムギ、トウモロコシ、ライムギ、イネ、シバ、カラスムギ、オオムギ、ソルガム、キビおよびサトウキビからなる群より選択される、項目145に記載のトランスジェニック植物。
(項目147)ミニ染色体ベクターを産生する方法であって、以下:(a)第1のベクターおよび第2のベクターを得る工程であって、該第1のベクターまたは該第2のベクターが選択マーカーまたはスクリーニングマーカー、複製起点、テロメア、および植物セントロメアを含み、そしてここで該第1のベクターおよび該第2のベクターは部位特異的組換えのための部位を含む、工程;および(b)該第1のベクターと該第2のベクターを接触させて、該第1のベクター上の該部位特異的組換えのための部位と該第2のベクター上の該部位特異的組換えのための部位との間で部位特異的組換えを生じさせて、該選択マーカーまたはスクリーニングマーカー、該複製起点、該テロメアおよび該植物セントロメアを含む、ミニ染色体ベクターを作製する、工程を包含する方法。
(項目148)前記接触させる工程がインビトロで行われる、項目147に記載の方法。
(項目149)前記接触させる工程がインビボで行われる、項目148に記載の工程。
(項目150)前記接触させる工程が原核生物細胞において行われる、項目149に記載の方法。
(項目151)前記原核生物細胞がAgrobacterium細胞である、項目150に記載の方法。
(項目152)前記原核生物細胞がE.coli細胞である、項目150に記載の方法。
(項目153)前記接触させる工程が、下等真核生物細胞において行われる、項目149に記載の方法。
(項目154)前記下等真核生物細胞が酵母細胞である、項目153に記載の方法。
(項目155)前記接触させる工程が、高等真核生物細胞において行われる、項目149に記載の方法。
(項目156)前記高等真核生物細胞が植物細胞である、項目155に記載の方法。
(項目157)前記植物細胞がArabidopsis thaliana細胞である、項目156に記載の方法。
(項目158)前記接触させる工程が、リコンビナーゼの存在下でなされる、項目147に記載の方法。
(項目159)前記リコンビナーゼがCre、Flp、Gin、Pin、Sre、pinD、Int−B13、およびRからなる群より選択される、項目158に記載の方法。
(項目160)前記第1のベクターまたは前記第2のベクターが、Agrobacterium媒介性形質転換のためのボーダー配列を含む、項目147に記載の方法。
(項目161)前記植物細胞セントロメアがArabidopsis thalianaセントロメアである、項目147に記載の方法。
(項目162)前記テロメアが植物テロメアである、項目147に記載の方法。
(項目163)前記植物選択マーカーまたはスクリーニングマーカーがGFP、GUS、BAR、PAT、HPTまたはNPTIIからなる群より選択される、項目147に記載の方法。
(項目164)植物セントロメア活性について候補セントロメア配列をスクリーニングするための方法であって、該方法は、以下の工程:(a)候補セントロメア配列を含む単離された核酸配列を得る工程;(b)植物細胞を該単離された核酸で組み込まれるように形質転換する工程;および(c)該候補セントロメア配列のセントロメア活性についてスクリーニングする工程、を包含する、方法。
(項目165)前記スクリーニングする工程が、組み込まれるように形質転換された植物細胞または該植物細胞を含む植物に存在する表現型の効果を観察することを包含し、該表現型の効果は、該単離された核酸配列で組み込まれるように形質転換されていないコントロール植物細胞にも該コントロール植物細胞を含む植物においても存在しない、項目164に記載の方法。
(項目166)前記表現型の効果が、減少した生存率、前記形質転換の減少した効率、組み込まれるように形質転換された核酸における遺伝的不安定性、異常な植物の領域、増加した倍数性、異数性および遠位の染色体領域またはセントロメアの染色体領域における増加した統合的な形質転換からなる群より選択される、項目165に記載の方法。
(項目167)前記単離された核酸配列が細菌の人工的な染色体を含む、項目164に記載の方法。
(項目168)前記細菌人工染色体がバイナリー細菌人工染色体としてさらに定義される、項目167に記載の方法。
(項目169)前記組み込まれるように形質転換する工程が、Agrobacterium媒介性形質転換の使用を包含する、項目164の記載の方法。
(項目170)前記コントロール植物細胞が、候補セントロメア配列以外の核酸配列で組み込まれるように形質転換されている、項目164に記載の方法。
(項目171)Arabidopsisポリユビキチン11プロモーターを含む組換えDNA構築物であって、該プロモーターが配列番号180の核酸配列の約25〜2,000の連続するヌクレオチドを含む、組換えDNA構築物。
(項目172)前記プロモーターが配列番号180の核酸配列の約75〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目171に記載の組換えDNA構築物。
(項目173)前記プロモーターが配列番号180の核酸配列の約125〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目171に記載の組換えDNA構築物。
(項目174)前記プロモーターが配列番号180の核酸配列の約200〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目171に記載の組換えDNA構築物。
(項目175)前記プロモーターが配列番号180の核酸配列の約400〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目171に記載の組換えDNA構築物。
(項目176)前記プロモーターが配列番号180の核酸配列の約800〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目171に記載の組換えDNA構築物。
(項目177)前記プロモーターが配列番号180の核酸配列の約1,000〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目171に記載の組換えDNA構築物。
(項目178)前記プロモーターが配列番号180に核酸配列を含む、項目171に記載の組換えDNA構築物。
(項目179)エンハンサーをさらに含む、項目171に記載の組換えDNA構築物。
(項目180)テロメア配列をさらに含む、項目171に記載の組換えDNA構築物。
(項目181)植物セントロメア配列をさらに含む、項目171に記載の組換えDNA構築物。
(項目182)ARSをさらに含む、項目171に記載の組換えDNA構築物。
(項目183)前記プロモーターが構造遺伝子に作動可能に連結されている、項目171に記載の組換えDNA構築物。
(項目184)前記構造遺伝子が、抗生物質耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、窒素固定遺伝子、植物病原体防御遺伝子、植物ストレス誘導性遺伝子、毒素遺伝子、レセプター遺伝子、リガンド遺伝子および種子貯蔵遺伝子からなる群より選択される、項目183に記載の組換えDNA構築物。
(項目185)前記構造遺伝子が、ホルモン遺伝子、酵素遺伝子、インターロイキン遺伝子、凝固因子遺伝子、サイトカイン遺伝子、抗体遺伝子、および増殖因子遺伝子からなる群より選択される、項目183に記載の組換えDNA構築物。
(項目186)Arabidopsis 40Sリボソームタンパク質S16プロモーターを含む組換えDNA構築物であって、該プロモーターは配列番号182の核酸配列の約25〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、組換えDNA構築物。
(項目187)前記プロモーターが、配列番号182の核酸配列の約75〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目186に記載の組換えDNA構築物。
(項目188)前記プロモーターが、配列番号182の核酸配列の約125〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目186に記載の組換えDNA構築物。
(項目189)前記プロモーターが、配列番号182の核酸配列の約200〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目186に記載の組換えDNA構築物。
(項目190)前記プロモーターが、配列番号182の核酸配列の約400〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目186に記載の組換えDNA構築物。
(項目191)前記プロモーターが、配列番号182の核酸配列の約800〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目186に記載の組換えDNA構築物。
(項目192)前記プロモーターが、配列番号182の核酸配列の約1,000〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目186に記載の組換えDNA構築物。
(項目193)前記プロモーターが配列番号182の核酸配列を含む、項目186に記載の組換えDNA構築物。
(項目194)エンハンサーをさらに含む、項目186に記載の組換えDNA構築物。
(項目195)テロメア配列をさらに含む、項目186に記載の組換えDNA構築物。
(項目196)植物セントロメア配列をさらに含む、項目186に記載の組換えDNA構築物。
(項目197)ARSをさらに含む、項目186に記載の組換えDNA構築物。
(項目198)前記プロモーターが構造遺伝子に作動可能に連結されている、項目186に記載の組換えDNA構築物。
(項目199)前記構造遺伝子が、抗生物質耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、窒素固定遺伝子、植物病原体防御遺伝子、植物ストレス誘導性遺伝子、毒素遺伝子、レセプター遺伝子、リガンド遺伝子および種子貯蔵遺伝子からなる群より選択される、項目198に記載の組換えDNA構築物。
(項目200)前記構造遺伝子が、ホルモン遺伝子、酵素遺伝子、インターロイキン遺伝子、凝固因子遺伝子、サイトカイン遺伝子、抗体遺伝子、および増殖因子遺伝子からなる群より選択される、項目198に記載の組換えDNA構築物。
(項目201)Arabidopsisポリユビキチン11 3’調節配列を含む組換えDNA構築物であって、ここで該3’調節配列が配列番号181に記載の核酸配列の約25〜約2001の連続するヌクレオチドを含む、組換えDNA構築物。
(項目202)前記3’調節配列が配列番号181の核酸配列の約75〜約2001の連続するヌクレオチドを含む、項目201に記載の組換えDNA構築物。
(項目203)前記3’調節配列が配列番号181の核酸配列の約125〜約2001の連続するヌクレオチドを含む、項目201に記載の組換えDNA構築物。
(項目204)前記3’調節配列が配列番号181の核酸配列の約200〜約2001の連続するヌクレオチドを含む、項目201に記載の組換えDNA構築物。
(項目205)前記3’調節配列が配列番号181の核酸配列の約400〜約2001の連続するヌクレオチドを含む、項目201に記載の組換えDNA構築物。
(項目206)前記3’調節配列が配列番号181の核酸配列の約800〜約2001の連続するヌクレオチドを含む、項目201に記載の組換えDNA構築物。
(項目207)前記3’調節配列が配列番号181の核酸配列の約1,000〜約2001の連続するヌクレオチドを含む、項目201に記載の組換えDNA構築物。
(項目208)前記3’調節配列が配列番号181の核酸配列を含む、項目201に記載の組換えDNA構築物。
(項目209)エンハンサーをさらに含む、項目201に記載の組換えDNA構築物。
(項目210)テロメア配列をさらに含む、項目201に記載の組換えDNA構築物。
(項目211)植物セントロメア配列をさらに含む、項目201に記載の組換えDNA構築物。
(項目212)ARSをさらに含む、項目201に記載の組換えDNA構築物。
(項目213)前記3’調節配列が構造遺伝子に作動可能に連結されている、項目201に記載の組換えDNA構築物。
(項目214)前記構造遺伝子が、抗生物質耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、窒素固定遺伝子、植物病原体防御遺伝子、植物ストレス誘導性遺伝子、毒素遺伝子、レセプター遺伝子、リガンド遺伝子および種子貯蔵遺伝子からなる群より選択される、項目213に記載の組換えDNA構築物。
(項目215)前記構造遺伝子が、ホルモン遺伝子、酵素遺伝子、インターロイキン遺伝子、凝固因子遺伝子、サイトカイン遺伝子、抗体遺伝子、および増殖因子遺伝子からなる群より選択される、項目213に記載の組換えDNA構築物。
(項目216)Arabidopsis 40Sリボソームタンパク質S16 3’調節配列を含む組換えDNA構築物であって、該3’調節配列が配列番号183の核酸配列の約25〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、組換えDNA構築物。
(項目217)前記3’調節配列が配列番号183の核酸配列の約75〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目216に記載の組換えDNA構築物。
(項目218)前記3’調節配列が配列番号183の核酸配列の約125〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目216に記載の組換えDNA構築物。
(項目219)前記3’調節配列が配列番号183の核酸配列の約200〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目216に記載の組換えDNA構築物。
(項目220)前記3’調節配列が配列番号183の核酸配列の約400〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目216に記載の組換えDNA構築物。
(項目221)前記3’調節配列が配列番号183の核酸配列の約800〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目216に記載の組換えDNA構築物。
(項目222)前記3’調節配列が配列番号183の核酸配列の約1,000〜約2,000の連続するヌクレオチドを含む、項目216に記載の組換えDNA構築物。
(項目223)前記3’調節配列が配列番号183の核酸配列を含む、項目216に記載の組換えDNA構築物。
(項目224)エンハンサーをさらに含む、項目216に記載の組換えDNA構築物。
(項目225)テロメア配列をさらに含む、項目216に記載の組換えDNA構築物。
(項目226)植物セントロメア配列をさらに含む、項目216に記載の組換えDNA構築物。
(項目227)ARSをさらに含む、項目216に記載の組換えDNA構築物。
(項目228)前記3’調節配列が構造遺伝子に作動可能に連結されている、項目216に記載の組換えDNA構築物。
(項目229)前記構造遺伝子が、抗生物質耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、窒素固定遺伝子、植物病原体防御遺伝子、植物ストレス誘導性遺伝子、毒素遺伝子、レセプター遺伝子、リガンド遺伝子および種子貯蔵遺伝子からなる群より選択される、項目228に記載の組換えDNA構築物。
(項目230)前記構造遺伝子が、ホルモン遺伝子、酵素遺伝子、インターロイキン遺伝子、凝固因子遺伝子、サイトカイン遺伝子、抗体遺伝子、および増殖因子遺伝子からなる群より選択される、項目228に記載の組換えDNA構築物。
(項目231)前記セントロメアが、配列番号184、配列番号185、配列番号186、配列番号187、配列番号188、配列番号189、配列番号190、配列番号191、配列番号192、配列番号193、配列番号194、配列番号195、配列番号196、配列番号197、配列番号198、配列番号199、配列番号200、配列番号201、配列番号202、配列番号203、配列番号204、配列番号205、配列番号206、配列番号207、および配列番号208からなる群より選択される核酸配列の少なくとも約100の連続するヌクレオチドを含む、項目67に記載の組換えDNA構築物。
以下の図面は、本明細書の部分を構成し、そして本発明の特定の局面をさらに
実証することを含む。本発明は、本明細書中に示される特定の実施形態の詳細な
説明と組み合わせて、一つ以上のこれらの図面に対する参考文献によってより良
く理解され得る。この特許のファイルは、少なくとも一つのカラーで作成された
図面を含む。カラーの図面を有するこの特許のコピーは、要求および必要な手数
料の納付によって、特許局および商標局によって提供される。
図1は、整列していない四分染色体についてのセントロメア染色体地図である:2つの親(AABB×aabb)の交配、ここで「A」は、一つの染色体のセントロメア上に存在し、そして「B」は、第2の染色体のセントロメアと連結される。減数分裂において、AおよびB染色体は、独立して交際(assort)し、同数の親のダイタイプ(ditype)(PD)および非親ダイタイプ(NPD)四分染色体(組換え子孫は、灰色で示される)を生じる。テトラタイプ(tetratype)(TT)は、「B」とそのセントロメアとの間の乗換えからのみ生じる。 図2は、Arabidopsisセントロメアの位置の低解像度地図である。三染色体地図作製を使用して、5つのArabidopsis染色体のうちの4つのセントロメアの地図の位置を決定した(Koornneef、1983;Searsら、1970)。染色体4について、有用な三染色体種は得られなかった。KoornneefおよびSearsら、1983(これは、低解像度欠失地図作製を信頼する)の方法を用いて、染色体1上のセントロメアが、5cMだけ離れている、目に見える2つのマーカー(ttlおよびchl)の間に位置することが見出された。他の染色体上のセントロメアの位置は、低解像度に対して地図作製される。 図3は、遺伝子的に定義されるArabidopsisセントロメアの位置の物理的地図である。各セントロメア領域は、スケールに引き寄せられる;物理的サイズは、DNA配列決定(染色体IIおよびIV)に由来するか、またはBACフィンガープリント法(Marraら、1999;Mozoら、1999)に基づく評価に由来する(染色体I、III、およびV)。各染色体について、フィンガープリント分析(Marraら、1999;Mozoら、1999)に由来する、マーカー(上)の位置、それらのマーカーにおけるテトラタイプ/全四分染色体の数(下)、セントロメアの境界(太い黒棒)およびコンティグの名前が示される。各コンティグについて、2よりも多くの遺伝子マーカー(BAC末端配列のデータベースから開発された)(http://www.tigr.org/tdb/at/abe/bac end search.html)に得点をつけた。これらの配列に対応するPCRプライマーを使用して、ColumbiaおよびLandberg生態型(BellおよびEcker、1994;KoniecznyおよびAusubel、1993)におけるサイズまたは制限部位多型を同定した;プライマー配列は入手可能である(http://genome−www.stanford.edu/Arabidopsis/aboutcaps.html)。乗換えを刺激する処理から生じるテトラタイプ四分染色体(ボックス);組換え近交系(RI)地図(楕円形)に分配されたセンチモルガン(cM)のマーカーの位置(http://nasc.nott.ac.uk/new ri map.html;SomervilleおよびSomerville、1999);および180bp反復に対応する物理的地図における配列境界ギャップ(オープンサークル)(Roundら、1997)、5SrDNA(黒の円)または160bp反復(灰色円)が示される(Copenhaverら、1999)。 図4は、Arabidopsis thalianaにおける四分染色体分析のために使用される種子ストックの例示的リストである。個々の株は、株番号により同定される(欄B)。四分染色体メンバー番号(欄A)は、四分染色体供給源を示す(すなわち、T1は、四分染色体番号1に由来する種子を示す、そしてその番号−1、−2、−3または−4は、四分染色体の個々のメンバーを示す)。列挙された株は、Daphne Preussの名前でオハイオ州立大学においてArabidopsis Biological Resources Center(ABRC)に寄託されている。 図4は、Arabidopsis thalianaにおける四分染色体分析のために使用される種子ストックの例示的リストである。個々の株は、株番号により同定される(欄B)。四分染色体メンバー番号(欄A)は、四分染色体供給源を示す(すなわち、T1は、四分染色体番号1に由来する種子を示す、そしてその番号−1、−2、−3または−4は、四分染色体の個々のメンバーを示す)。列挙された株は、Daphne Preussの名前でオハイオ州立大学においてArabidopsis Biological Resources Center(ABRC)に寄託されている。 図4は、Arabidopsis thalianaにおける四分染色体分析のために使用される種子ストックの例示的リストである。個々の株は、株番号により同定される(欄B)。四分染色体メンバー番号(欄A)は、四分染色体供給源を示す(すなわち、T1は、四分染色体番号1に由来する種子を示す、そしてその番号−1、−2、−3または−4は、四分染色体の個々のメンバーを示す)。列挙された株は、Daphne Preussの名前でオハイオ州立大学においてArabidopsis Biological Resources Center(ABRC)に寄託されている。 図4は、Arabidopsis thalianaにおける四分染色体分析のために使用される種子ストックの例示的リストである。個々の株は、株番号により同定される(欄B)。四分染色体メンバー番号(欄A)は、四分染色体供給源を示す(すなわち、T1は、四分染色体番号1に由来する種子を示す、そしてその番号−1、−2、−3または−4は、四分染色体の個々のメンバーを示す)。列挙された株は、Daphne Preussの名前でオハイオ州立大学においてArabidopsis Biological Resources Center(ABRC)に寄託されている。 図4は、Arabidopsis thalianaにおける四分染色体分析のために使用される種子ストックの例示的リストである。個々の株は、株番号により同定される(欄B)。四分染色体メンバー番号(欄A)は、四分染色体供給源を示す(すなわち、T1は、四分染色体番号1に由来する種子を示す、そしてその番号−1、−2、−3または−4は、四分染色体の個々のメンバーを示す)。列挙された株は、Daphne Preussの名前でオハイオ州立大学においてArabidopsis Biological Resources Center(ABRC)に寄託されている。 図4は、Arabidopsis thalianaにおける四分染色体分析のために使用される種子ストックの例示的リストである。個々の株は、株番号により同定される(欄B)。四分染色体メンバー番号(欄A)は、四分染色体供給源を示す(すなわち、T1は、四分染色体番号1に由来する種子を示す、そしてその番号−1、−2、−3または−4は、四分染色体の個々のメンバーを示す)。列挙された株は、Daphne Preussの名前でオハイオ州立大学においてArabidopsis Biological Resources Center(ABRC)に寄託されている。 図5は、セントロメア地図作製のためのマーカー情報である。セントロメアを位置付けするために使用されるDNA多型は、染色体によって示される(欄1)。各マーカーの名前は、欄2に示され、セントロメアを位置付けするためにCopenhaverら、1999によって使用されるマーカーの名前は、欄3に与えられ、そしてマーカー型は、欄4にて示される。CAPS(同時優性増幅多型部位)は、PCRで増幅され得、そして適切な制限酵素で消化することによって検出され得るマーカーである(また、欄3において示される)。SSLP(単純配列長多型)は、異なる長さのPCR産物を増幅することによって多型を検出する。欄5は、そのマーカーが公共のウェッブサイト(例えば、http://genome−www.sranford.edu/Arabiopsis)で入手可能である場合を特に言及する。公共のウェッブサイト上で入手できないそれらのマーカーについて、そのマーカーを増幅するために使用される正方向プライマーおよび逆方向プライマーの配列が、それぞれ欄6および7に列挙される。 図5は、セントロメア地図作製のためのマーカー情報である。セントロメアを位置付けするために使用されるDNA多型は、染色体によって示される(欄1)。各マーカーの名前は、欄2に示され、セントロメアを位置付けするためにCopenhaverら、1999によって使用されるマーカーの名前は、欄3に与えられ、そしてマーカー型は、欄4にて示される。CAPS(同時優性増幅多型部位)は、PCRで増幅され得、そして適切な制限酵素で消化することによって検出され得るマーカーである(また、欄3において示される)。SSLP(単純配列長多型)は、異なる長さのPCR産物を増幅することによって多型を検出する。欄5は、そのマーカーが公共のウェッブサイト(例えば、http://genome−www.sranford.edu/Arabiopsis)で入手可能である場合を特に言及する。公共のウェッブサイト上で入手できないそれらのマーカーについて、そのマーカーを増幅するために使用される正方向プライマーおよび逆方向プライマーの配列が、それぞれ欄6および7に列挙される。 図5は、セントロメア地図作製のためのマーカー情報である。セントロメアを位置付けするために使用されるDNA多型は、染色体によって示される(欄1)。各マーカーの名前は、欄2に示され、セントロメアを位置付けするためにCopenhaverら、1999によって使用されるマーカーの名前は、欄3に与えられ、そしてマーカー型は、欄4にて示される。CAPS(同時優性増幅多型部位)は、PCRで増幅され得、そして適切な制限酵素で消化することによって検出され得るマーカーである(また、欄3において示される)。SSLP(単純配列長多型)は、異なる長さのPCR産物を増幅することによって多型を検出する。欄5は、そのマーカーが公共のウェッブサイト(例えば、http://genome−www.sranford.edu/Arabiopsis)で入手可能である場合を特に言及する。公共のウェッブサイト上で入手できないそれらのマーカーについて、そのマーカーを増幅するために使用される正方向プライマーおよび逆方向プライマーの配列が、それぞれ欄6および7に列挙される。 図5は、セントロメア地図作製のためのマーカー情報である。セントロメアを位置付けするために使用されるDNA多型は、染色体によって示される(欄1)。各マーカーの名前は、欄2に示され、セントロメアを位置付けするためにCopenhaverら、1999によって使用されるマーカーの名前は、欄3に与えられ、そしてマーカー型は、欄4にて示される。CAPS(同時優性増幅多型部位)は、PCRで増幅され得、そして適切な制限酵素で消化することによって検出され得るマーカーである(また、欄3において示される)。SSLP(単純配列長多型)は、異なる長さのPCR産物を増幅することによって多型を検出する。欄5は、そのマーカーが公共のウェッブサイト(例えば、http://genome−www.sranford.edu/Arabiopsis)で入手可能である場合を特に言及する。公共のウェッブサイト上で入手できないそれらのマーカーについて、そのマーカーを増幅するために使用される正方向プライマーおよび逆方向プライマーの配列が、それぞれ欄6および7に列挙される。 図6は、四分染色体分析のための、PCRベースのマーカーを得点付けである。一つの花粉四分子染色体(T2)に由来する子孫の遺伝子型を、2つの遺伝子マーカー(SO392およびnga76)について決定した。PCRを使用する4つの子孫植物の分析(T2−1〜T2−4)およびゲル電気泳動は、植物の遺伝子型が決定されること、および親花粉の遺伝子型が推測されることを可能にする。 図7Aは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Aに示されるベクターは、高コピー数、低コピー数または1コピーであり得るE.coli複製起点を有する。図7Aにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7Aは、植物ARSを有するE.coli植物環状シャトル(circular shuttle)ベクターを示す。 図7Bは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Bに示されるベクターは、高コピー数、低コピー数または1コピーであり得るE.coli複製起点を有する。図7Bにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7Bは、植物ARSを伴わない植物円ベクターを示す。そのベクターは、他の植物DNA配列(例えば、選択可能またはスクリーニング可能なマーカー)内に見出される複製機能の植物起点に依存する。 図7Cは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Cにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7Cは、植物ARSを有する酵母植物環状シャトルベクターを示す。この酵母ARSは、2倍含まれており、多重クローニング部位のいずれかの側で一旦、大きな挿入片が安定であることを確実にする。 図7Dは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Dにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7Dは、植物ARSを伴わない酵母−植物環状シャトルベクターを示す。このベクターは、他の植物DNA配列(例えば、選択マーカー)内に見出される複製機能の植物起点に依存する。この酵母ARSは、2倍含まれており、多重クローニング部位のいずれかの側で一旦、大きな挿入片が安定であることを確実にする。 図7Eは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Eに示されるベクターは、高コピー数、低コピー数または1コピーであり得るE.coli複製起点を有する。図7Eにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7Eは、植物ARSを有するE.coli−Agrobacterium植物環状シャトルベクターを示す。T−DNA転移のためのVir機能は、適切なAgrobacterium株を使用して、イントランスで提供される。 図7Fは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Fに示されるベクターは、高コピー数、低コピー数または1コピーであり得るE.coli複製起点を有する。図7Fにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7Fは、植物ARSを伴わないE.coli−Agrobacterium植物環状シャトルベクターを示す。このベクターは、他の植物DNA配列(例えば、選択マーカー)内に見出される複製機能の植物起点に依存する。T−DNA転移のためのVir機能は、適切なAgrobacterium株を使用して、イントランスで提供される。 図7Gは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Gにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7Gは、植物ARSを有する線状植物ベクターを示す。この線状ベクターは、インビトロで構築され得、次いで例えば、機械的手段(例えば、微小発射体衝撃(micro projectile bombardment)、エレクトロポレーションまたはPEG媒介性形質転換)によって植物に転移され得る。 図7Hは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Hにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7Hは、植物ARSを伴わない線状植物ベクターを示す。この線状ベクターは、インビトロで構築され得、次いで例えば、機械的手段(例えば、微小発射体衝撃、エレクトロポレーションまたはPEG媒介性形質転換)によって植物に転移され得る。 図7AIは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Iに示されるベクターは、高コピー数、低コピー数または1コピーであり得るE.coli複製起点を有する。図7Iにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7I。この図は、それらが植物テロメアを含まないということを除いて、それぞれ図7A−7Fと同一である。これらのベクターは、一旦植物細胞に送達されると環状のままであり、それゆえそれらの末端を安定にするためのテロメアを必要としない。 図7Jは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Jに示されるベクターは、高コピー数、低コピー数または1コピーであり得るE.coli複製起点を有する。図7Jにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7J。この図は、それらが植物テロメアを含まないということを除いて、それぞれ図7A−7Fと同一である。これらのベクターは、一旦植物細胞に送達されると環状のままであり、それゆえそれらの末端を安定にするためのテロメアを必要としない。 図7Kは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Kにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7K。この図は、それらが植物テロメアを含まないということを除いて、それぞれ図7A−7Fと同一である。これらのベクターは、一旦植物細胞に送達されると環状のままであり、それゆえそれらの末端を安定にするためのテロメアを必要としない。 図7Lは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Lにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7L。これらの図は、それらが植物テロメアを含まないということを除いて、それぞれ図7A−7Fと同一である。これらのベクターは、一旦植物細胞に送達されると環状のままであり、それゆえそれらの末端を安定にするためのテロメアを必要としない。 図7Mは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Mにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7M。これらの図は、それらが植物テロメアを含まないということを除いて、それぞれ図7A−7Fと同一である。これらのベクターは、一旦植物細胞に送達されると環状のままであり、それゆえそれらの末端を安定にするためのテロメアを必要としない。 図7Nは、例示的なミニ染色体ベクターである。図7Nにおいて、そのベクターは、4−8bpの特異性を有する従来の制限エンドヌクレアーゼの認識配列ならびに非常に稀な切断酵素(例えば、I−Ppo I、I−Cue I、PI−Tli、PI−Psp I、Not IおよびPI Sce I)の認識配列を含み得る、多重クローニング部位を含み、セントロメアは、部位特異的リコンビナーゼCreに対する標的として作用し得るLox部位に隣接される。図7N。これらの図は、それらが植物テロメアを含まないということを除いて、それぞれ図7A−7Fと同一である。これらのベクターは、一旦植物細胞に送達されると環状のままであり、それゆえそれらの末端を安定にするためのテロメアを必要としない。 図8は、CEN2(A)およびCEN4(B)における配列の特徴である。中心の棒は、示されたBACクローンの注釈されているゲノム配列を示す;黒は、遺伝子的に定義されたセントロメア;白は、セントロメアに隣接する領域。遺伝子および反復特徴に対応する配列(ボックスで占められる(それぞれ、上棒および下棒))は、図12A−Tとして定義される;推定非移動性遺伝子、赤;移動性要素によって運ばれる遺伝子、黒;非移動性偽遺伝子、ピンク;移動性要素によって運ばれる偽遺伝子、灰色;レトロ要素、黄色;トランスポゾン、緑;これまで定義されたセントロメア反復、紺青;180bp反復、うす青。染色体特異的セントロメア特徴としては、大きなミトコンドリアDNA挿入(オレンジ;CEN2)およびタンデム反復の新規なアレイ(紫;CEN4)が挙げられる。物理的地図のギャップ(//)、注釈されていない領域(ハッチボックス)および発現された遺伝子(フィルドサークル)が示される。 図9は、BACクローン(または、任意の他の細菌クローン)をミニ染色体に変えるための方法である。一部の転換ベクターは、非相同組換え(交換可能要素媒介性)を介してか、または部位特異的リコンビナーゼ系(例えば、Cre−LoxまたはFLP−FRT)の作用によって、BACクローン(または、目的の他の細菌クローン)内に組み込まれる。 図10は、Arabidopsisにおける二セントロメア染色体の分析のための方法である。BiBACベクター含有セントロメアフラグメント(〜100kb)は、Agrobacterium媒介性形質転換手順を使用してArabidopsisゲノム内に組み込まれ、そして二セントロメア染色体の形成に起因する不利な影響について研究される。1)BiBAC含有セントロメアフラグメントは、標準的なプロトコルを使用して同定される。2)植物形質転換。3)植物含有二セントロメア染色体の生長および発達における欠陥の分析。 図11Aは、BACクローン(または任意の他の細菌クローン)をミニ染色体に転換するための方法である。必要な選択マーカーおよびE.coli、AgrobacteriumおよびArabidopsisにおける遺伝子物質の増殖のための複製起点ならびにArabidopsisへのAgrobacterium媒介性形質転換のために必要な遺伝子座は、転換ベクター内にクローン化される。Cre/loxP組換えを使用して、転換ベクターを、ミニ染色体を形成するようにBAC含有セントロメアフラグメントに組換える。 図11Bは、BACクローン(または任意の他の細菌クローン)をミニ染色体に転換するための方法である。必要な選択マーカーおよびE.coli、AgrobacteriumおよびArabidopsisにおける遺伝子物質の増殖のための複製起点ならびにArabidopsisへのAgrobacterium媒介性形質転換のために必要な遺伝子座は、転換ベクター内にクローン化される。Cre/loxP組換えを使用して、転換ベクターを、ミニ染色体を形成するようにBAC含有セントロメアフラグメントに組換える。 図11Cは、BACクローン(または任意の他の細菌クローン)をミニ染色体に転換するための方法である。必要な選択マーカーおよびE.coli、AgrobacteriumおよびArabidopsisにおける遺伝子物質の増殖のための複製起点ならびにArabidopsisへのAgrobacterium媒介性形質転換のために必要な遺伝子座は、転換ベクター内にクローン化される。Cre/loxP組換えを使用して、転換ベクターを、ミニ染色体を形成するようにBAC含有セントロメアフラグメントに組換える。 図11Dは、BACクローン(または任意の他の細菌クローン)をミニ染色体に転換するための方法である。必要な選択マーカーおよびE.coli、AgrobacteriumおよびArabidopsisにおける遺伝子物質の増殖のための複製起点ならびにArabidopsisへのAgrobacterium媒介性形質転換のために必要な遺伝子座は、転換ベクター内にクローン化される。Cre/loxP組換えを使用して、転換ベクターを、ミニ染色体を形成するようにBAC含有セントロメアフラグメントに組換える。 図11Eは、BACクローン(または任意の他の細菌クローン)をミニ染色体に転換するための方法である。必要な選択マーカーおよびE.coli、AgrobacteriumおよびArabidopsisにおける遺伝子物質の増殖のための複製起点ならびにArabidopsisへのAgrobacterium媒介性形質転換のために必要な遺伝子座は、転換ベクター内にクローン化される。Cre/loxP組換えを使用して、転換ベクターを、ミニ染色体を形成するようにBAC含有セントロメアフラグメントに組換える。 図11Fは、BACクローン(または任意の他の細菌クローン)をミニ染色体に転換するための方法である。必要な選択マーカーおよびE.coli、AgrobacteriumおよびArabidopsisにおける遺伝子物質の増殖のための複製起点ならびにArabidopsisへのAgrobacterium媒介性形質転換のために必要な遺伝子座は、転換ベクター内にクローン化される。Cre/loxP組換えを使用して、転換ベクターを、ミニ染色体を形成するようにBAC含有セントロメアフラグメントに組換える。 図11Gは、BACクローン(または任意の他の細菌クローン)をミニ染色体に転換するための方法である。必要な選択マーカーおよびE.coli、AgrobacteriumおよびArabidopsisにおける遺伝子物質の増殖のための複製起点ならびにArabidopsisへのAgrobacterium媒介性形質転換のために必要な遺伝子座は、転換ベクター内にクローン化される。Cre/loxP組換えを使用して、転換ベクターを、ミニ染色体を形成するようにBAC含有セントロメアフラグメントに組換える。 図12A−Tは、染色体IIおよびIV上のセントロメア領域の特性である。(頂部)遺伝的に定義されたセントロメア(影のかかった灰色、CEN2、左;CEN4、右)の図面、近接する周囲セントロメアDNA、および各染色体の遠位セグメントは、DNA配列決定により決定されるようにMbにて測定される(物理的地図内のギャップに対応する影のかかった灰色のギャップ)。RI地図上のcMにおける位置(http://nasc.nott.ac.uk/new ri map.html)およびMbにおける物理的距離(ノザンテロメアにおける始まり、およびセントロメアギャップにおいて)が示される。(底部)各特徴の密度は(図12A−12T)は、Mbにおける染色体上の位置に関してプロットされる。(図12A、12K)RI地図上のマーカーについてのcM位置(塗りつぶした四角)および1cM/221kbのゲノム平均を表す曲線(ダッシュライン)。RI地図作製集団における、CEN4内の一つの乗換え(http://nasc.nott.ac.uk/new ri map.html;SomervilleおよびSomerville、1999)は、本明細書中でモニターされた雄性減数分裂組換えと雌性減数分裂における組換えとの間の違いを反映し得る。(図12B−12Eおよび図12L−12O)反復要素で占められているDNAの%は、10kbのスライディングインターバル(sliding interval)を用いて100kbのウインドウについて計算された。(図12B、12L)180bp反復;(図12C、12M)レトロ要素と類似性を有する配列(del、Tal、Tall、copia、Athila、LINE、Ty3、TSCL、106B(Athila様)、Tatl、LTRおよびCinfulを含む);(図12D、12N)トランスポゾンと類似性を有する配列(Tagl、En/Spm、Ac/Dc、Taml MuDR、Limpet、MITESおよびMarinerを含む);(図12E、12O)前述のセントロメア反復(163A、164A、164B、278A、11B7RE、mi167、pAT27、160bp、180bpおよび500bp反復ならびにテロメア配列を含む(Murataら、1997;Heslop−Harrisonら、1999;Brandesら、1997;Franzら、1998;Wrightら、1996;Koniecznyら、1991;Pelissierら、1995;VoytasおよびAusubel、1988;Chyeら、1997;Tsayら、1993;Richardら、1991;Simoensら、1988;Thompsonら、1996;Pelissierら、1996Franzら、1998;Pelissierら、1995;VoytasおよびAusubel、1988;Thompsonら、1996)。(図12F、12P)%(アデノシンおよびチミジン)は、25kbのスライディングインターバルを用いて50kbのウインドウについて計算された(図12G−12J、12Q−12T)。推定される遺伝子または偽遺伝子の数は、10kbのスライディングインターバルを用いて100kbのウインドウに渡ってプロットされた。(図12G、12I、12Q、12S)推定された遺伝子(図12G、12Q)および偽遺伝子(図12I、12S)は、代表的に移動性DNA要素上で見出されない;(図12H、12J、12R、12T)推定された遺伝子(図12H、12R)および偽遺伝子(図12J、12T)は、しばしは移動性DNA上で運ばれる(逆転写酵素、トランスポザーゼ、およびレトロウイルスポリタンパク質を含む)。ダッシュラインは、領域を示し、その領域において、配列決定または注釈(annotation)が進行中であり、注釈は、GenBank記録(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Entrez/nucleotide.html)、AGADデータベース(http://www.tigr.org/tdb/at/agad/.)および反復Arabidopsis配列のデータベースとのBLAST比較(http://nucleus.cshl.org/protarab/AtRepBase.htm)から得られた;最新の注釈記録は、個々のエントリを変更し得るが、その領域の全体構造は、有意に変更されない。 図13は、植物細胞への導入のために、BACクローン含有セントロメアDNAをミニ染色体に変えるための方法である。記載される特定の要素が、例示の目的のために提供され、これらに限定されない。A)BACクローンの図、セントロメアDNAの位置(赤)、部位特異的組換え部位(例えば、loxP)、およびF複製起点を言及する。B)転換ベクター含有選択マーカーおよびカラーマーカー(例えば、35S−Bar、nptII、LAT52−GUS、Scarecrow−GFP)、テロメア、部位特異的組換え部位(例えば、loxP)、抗生物質耐性マーカー(例えば、ampまたはspc/str)、Agrobacterium T−DNA境界(Agro LeftおよびRight)および複製起点(RiA4)。C)loxP部位にてCreリコンビナーゼを用いる部位特異的組換えの産物が、セントロメアDNAおよびテロメアが隣接するマーカーを有する環状産物を生じる。D)植物への形質転換直後のミニ染色体;次いで、左および右の境界が、おそらく植物細胞により除去されて、そして植物テロメア−ゼによってさらなるテロメア配列が付加される。 図14A−Bは、セントロメアDNAの転換である。配列CEN2(図14A)およびCEN4(図14B)に対して使用されるBACクローン(棒)が示される;矢印は、遺伝子的に定義されるセントロメアの境界を意味する。Columbia(フィルドサークル)のみ、またはLandsbergおよびColumbia(オープンサークル)の両方から産物を生じるPCRプライマー対;ミトコンドリアゲノムに対する相同性を有するBACコードDNA(灰色棒);180bp反復(灰色ボックス);未配列決定DNA(ダッシュライン);ならびに物理的地図内のギャップ(二重スラッシュ)が示される。 図15Aは、A.thaliana ColumbiaおよびLandsberg生態型におけるセントロメア配列の転換を分析するために使用されるプライマーである。図15A:染色体2配列の増幅のために使用されるプライマー。 図15Aは、A.thaliana ColumbiaおよびLandsberg生態型におけるセントロメア配列の転換を分析するために使用されるプライマーである。図15A:染色体2配列の増幅のために使用されるプライマー。 図15Aは、A.thaliana ColumbiaおよびLandsberg生態型におけるセントロメア配列の転換を分析するために使用されるプライマーである。図15A:染色体2配列の増幅のために使用されるプライマー。 図15Bは、A.thaliana ColumbiaおよびLandsberg生態型におけるセントロメア配列の転換を分析するために使用されるプライマーである。図15B:染色体4配列の増幅のために使用されるプライマー。 図15Bは、A.thaliana ColumbiaおよびLandsberg生態型におけるセントロメア配列の転換を分析するために使用されるプライマーである。図15B:染色体4配列の増幅のために使用されるプライマー。 図15Bは、A.thaliana ColumbiaおよびLandsberg生態型におけるセントロメア配列の転換を分析するために使用されるプライマーである。図15B:染色体4配列の増幅のために使用されるプライマー。 図15Bは、A.thaliana ColumbiaおよびLandsberg生態型におけるセントロメア配列の転換を分析するために使用されるプライマーである。図15B:染色体4配列の増幅のために使用されるプライマー。 図16は、CEN2およびCEN4に共通の配列である。遺伝子的に定義されるセントロメア(太線)、配列決定されたBACクローン(細線)、および未注釈のBACクローン(ダッシュライン)が、図14A、Bにおいて示される。反復AtCCS1(A.thalianaセントロメア保存配列)およびAtCCS2(それぞれ、クローズドサークルおよびオープンサークル)、AtCCS3(三角形)、およびAtCCS4−7(それぞれ、4−7)が示され(GenBank登録番号AF204874〜AF204880)、そしてBLAST2.0(http://blast.wustl.edu)を使用して同定された。 セントロメア2由来の配列決定されたBACクローン。配列決定されたBACクローンを、図の上部付近の水平線に示す(例えば、T14A4を参照のこと)。赤のボックスは、セントロメア2の境界、そしてそのBACクローンについてセントロメアを含むことを示し、GenBank登録番号を右下のパネルに提供する。赤のボックス内の連続配列を、配列番号209および配列番号210に提供する。配列決定されたクローンの下部の水平線は、さらなるBACクローンを示し;これらのBACの配列決定された終点を閉円で示す。1つ以上の未確定の終点を有するクローンを赤のテキスト文書で示す。 セントロメア4由来の配列決定されたBACクローン。セントロメア4由来の配列決定されたBACクローンを、図の上部付近の水平線に示す(例えば、T24M8を参照のこと)。赤のボックスは、セントロメア4の境界、そしてそのBACクローンについてセントロメアを含むことを示し、GenBank登録番号を右下のパネルに提供する。赤のボックス内の連続配列を、配列番号211および配列番号212に提供する。配列決定されたクローンの下部の水平線は、さらなるBACクローンを示し;これらのBACの配列決定された終点を閉円で示す。1つ以上の未確定の終点を有するクローンを赤のテキスト文書で示す。 セントロメア1、3、および5の配列タイリング方針(tiling path)。これらのセントロメアの境界を、Copenhaverら(1999)に記載のように決定した。コンティグ数は、Marraら(1999)によってまとめられたフィンガープリントコンティグをいう。これらのクローンのいくつかを、配列決定し、そして登録番号を提供する(添付の表を参照のこと)。他の場合には、配列決定は、Arabidopsisゲノムプロジェクトによって終えられた。 BiBABベクター中に保有されるセントロメア2由来のDNAの位置。クローンを、フィンガープリントおよびPCR分析によって物理的地図上に配置し、そして配列決定されたBACクローンと比較した。 選択可能マーカーまたはスクリーニングマーカーを、BiBACクローンに付加するための例示的方法。所望されるマーカーをトランスポゾン境界に隣接させ、そしてトランスポザーゼの存在下でBiBACと共にインキュベートした。その後、このBiBACを植物に導入する。しばしば、これらのBiBACは天然の染色体に組み込まれ得、安定性を改変され得かつ染色体切断を引き起こし得る二セントロメア染色体を作製し、新規な染色体フラグメントを生じる。 染色体安定性のアッセイ。天然の染色体、構築されたミニ染色体、または二セントロメア染色体の安定性は、細胞分裂を通した呈色マーカーの組合せをモニタリングすることによって評価され得る。これらのマーカーを、改変BACまたはBiBACベクター中のセントロメアに連鎖させ、そして植物に導入する。適切なプロモーターによるマーカー遺伝子の調整が、どの組織がアッセイされるかを決める。例えば、根特異的プロモーター(例えば、SCARECROW)は、根細胞におけるファイルにおいて組合せをモニターすることを可能にし;減数分裂後花粉特異的プロモーター(例えば、LAT52)は、減数分裂を通した組合せのモニタリングを可能にし、そして一般的なプロモーター(例えば、35Sカリフラワーモザイクウイルスプロモーター)は、多くの他の植物組織における組合せをモニターすることを可能にする。定量的アッセイは、安定性の一般的パターンを評価し、そしてマーカーの損失に対応する切片のサイズを測定する。一方、定性的アッセイは、細胞系列の見識を必要とし、そして有糸分裂および減数分裂の間の染色体損失事象数を算出することを可能にする。 セントロメア1〜4由来の180bp反復についての配列アラインメント。左側の欄は、反復コピーのBAC供給源およびその配列に与えられた任意の割り当て番号を示す。例えば、名称f12g6−1は、BAC番号f12g6からの反復コピーおよび任意の所定反復番号1を示す。f12g6、f5a13、t25f15、t12j2、t14c8、t6c20、f21i2およびf6h8と称される、反復コピーを含むBACの核酸配列を、それぞれ、配列番号184、配列番号191、配列番号189、配列番号205、配列番号206、配列番号186、配列番号208、および配列番号207に提供する。(図23A)セントロメア1由来の180bp反復のアラインメント。 セントロメア1〜4由来の180bp反復についての配列アラインメント。左側の欄は、反復コピーのBAC供給源およびその配列に与えられた任意の割り当て番号を示す。例えば、名称f12g6−1は、BAC番号f12g6からの反復コピーおよび任意の所定反復番号1を示す。f12g6、f5a13、t25f5、t12j2、t14c8、t6c20、f21i2およびf6h8と称される、反復コピーを含むBACの核酸配列を、それぞれ、配列番号184、配列番号191、配列番号189、配列番号205、配列番号206、配列番号186、配列番号208、および配列番号207に提供する。(図23B)セントロメア2由来の180bp反復のアラインメント。 セントロメア1〜4由来の180bp反復についての配列アラインメント。左側の欄は、反復コピーのBAC供給源およびその配列に与えられた任意の割り当て番号を示す。例えば、名称f12g6−1は、BAC番号f12g6からの反復コピーおよび任意の所定反復番号1を示す。f12g6、f5a13、t25f5、t12j2、t14c8、t6c20、f21i2およびf6h8と称される、反復コピーを含むBACの核酸配列を、それぞれ、配列番号184、配列番号191、配列番号189、配列番号205、配列番号206、配列番号186、配列番号208、および配列番号207に提供する。(図23B)セントロメア2由来の180bp反復のアラインメント。 セントロメア1〜4由来の180bp反復についての配列アラインメント。左側の欄は、反復コピーのBAC供給源およびその配列に与えられた任意の割り当て番号を示す。例えば、名称f12g6−1は、BAC番号f12g6からの反復コピーおよび任意の所定反復番号1を示す。f12g6、f5a13、t25f5、t12j2、t14c8、t6c20、f21i2およびf6h8と称される、反復コピーを含むBACの核酸配列を、それぞれ、配列番号184、配列番号191、配列番号189、配列番号205、配列番号206、配列番号186、配列番号208、および配列番号207に提供する。(図23C)セントロメア3由来の180bp反復のアラインメント。 セントロメア1〜4由来の180bp反復についての配列アラインメント。左側の欄は、反復コピーのBAC供給源およびその配列に与えられた任意の割り当て番号を示す。例えば、名称f12g6−1は、BAC番号f12g6からの反復コピーおよび任意の所定反復番号1を示す。f12g6、f5a13、t25f5、t12j2、t14c8、t6c20、f21i2およびf6h8と称される、反復コピーを含むBACの核酸配列を、それぞれ、配列番号184、配列番号191、配列番号189、配列番号205、配列番号206、配列番号186、配列番号208、および配列番号207に提供する。(図23D)セントロメア4由来の180bp反復のアラインメント。 セントロメア1〜4由来の180bp反復についての配列アラインメント。左側の欄は、反復コピーのBAC供給源およびその配列に与えられた任意の割り当て番号を示す。例えば、名称f12g6−1は、BAC番号f12g6からの反復コピーおよび任意の所定反復番号1を示す。f12g6、f5a13、t25f5、t12j2、t14c8、t6c20、f21i2およびf6h8と称される、反復コピーを含むBACの核酸配列を、それぞれ、配列番号184、配列番号191、配列番号189、配列番号205、配列番号206、配列番号186、配列番号208、および配列番号207に提供する。(図23D)セントロメア4由来の180bp反復のアラインメント。 セントロメア1〜4由来の180bp反復についての配列アラインメント。左側の欄は、反復コピーのBAC供給源およびその配列に与えられた任意の割り当て番号を示す。例えば、名称f12g6−1は、BAC番号f12g6からの反復コピーおよび任意の所定反復番号1を示す。f12g6、f5a13、t25f5、t12j2、t14c8、t6c20、f21i2およびf6h8と称される、反復コピーを含むBACの核酸配列を、それぞれ、配列番号184、配列番号191、配列番号189、配列番号205、配列番号206、配列番号186、配列番号208、および配列番号207に提供する。(図23D)セントロメア4由来の180bp反復のアラインメント。 セントロメア1〜4由来の180bp反復についての配列アラインメント。左側の欄は、反復コピーのBAC供給源およびその配列に与えられた任意の割り当て番号を示す。例えば、名称f12g6−1は、BAC番号f12g6からの反復コピーおよび任意の所定反復番号1を示す。f12g6、f5a13、t25f5、t12j2、t14c8、t6c20、f21i2およびf6h8と称される、反復コピーを含むBACの核酸配列を、それぞれ、配列番号184、配列番号191、配列番号189、配列番号205、配列番号206、配列番号186、配列番号208、および配列番号207に提供する。(図23D)セントロメア4由来の180bp反復のアラインメント。 セントロメア1〜4由来の180bp反復についての配列アラインメント。左側の欄は、反復コピーのBAC供給源およびその配列に与えられた任意の割り当て番号を示す。例えば、名称f12g6−1は、BAC番号f12g6からの反復コピーおよび任意の所定反復番号1を示す。f12g6、f5a13、t25f5、t12j2、t14c8、t6c20、f21i2およびf6h8と称される、反復コピーを含むBACの核酸配列を、それぞれ、配列番号184、配列番号191、配列番号189、配列番号205、配列番号206、配列番号186、配列番号208、および配列番号207に提供する。(図23D)セントロメア4由来の180bp反復のアラインメント。 セントロメア1〜4由来の180bp反復についての配列アラインメント。左側の欄は、反復コピーのBAC供給源およびその配列に与えられた任意の割り当て番号を示す。例えば、名称f12g6−1は、BAC番号f12g6からの反復コピーおよび任意の所定反復番号1を示す。f12g6、f5a13、t25f5、t12j2、t14c8、t6c20、f21i2およびf6h8と称される、反復コピーを含むBACの核酸配列を、それぞれ、配列番号184、配列番号191、配列番号189、配列番号205、配列番号206、配列番号186、配列番号208、および配列番号207に提供する。(図23D)セントロメア4由来の180bp反復のアラインメント。
(発明の詳細な説明)
本発明者らは、初めて、植物セントロメアの核酸配列を提供することにより、
先行技術における欠陥を克服した。先行技術と比較して、この達成の重要性は、
概して多細胞生物のセントロメアに関する当該分野の詳細な情報の全般的欠如に
より例証される。現在まで、セントロメアの配列に関する最も広範で確かな特徴
付けは、S.cerevisiaeおよびS.pombeのような下等真核生物
の研究から得られており、ここでは、セントロメア機能を分析する能力によって
、所望されるDNAの明白な像を与えてきた。S.cerevisiaeのセン
トロメアは、合計わずか125bp(すなわち、各酵母染色体の約0.006〜
0.06%)の、3つの必須領域CDEI、CDEII、およびCDEIIIか
らなる(Carbonら、1990;Bloom、1993)。S.pombe
のセントロメアは、40kB長と100kB長との間であり、そして各染色体の
1〜3%を含む反復エレメントから構成される(Baumら、1994)。人工
染色体の分離を追跡する四分子分析を使用するその後の研究により、天然に存在
するS.pombeのセントロメアの1/5未満が、セントロメア機能に十分で
あることが実証された(Baumら、1994)。
対照的に、哺乳動物および他の高等真核生物のセントロメアは、あまり規定さ
れていない。高等真核生物のセントロメア領域にハイブリダイズするDNAフラ
グメントは同定されているが、これらの機能性に関しては、ほとんど知られてい
ない(Tyler−Smithら、1993を参照のこと)。多くの場合、セン
トロメア領域への細胞学的および遺伝学的な両方の反復マッピングに対するプロ
ーブを用いると、セントロメアの反復はセントロメアの位置に相関する。これら
の配列の多くは、無作為に反復したサテライトエレメントであり、そして300
kB〜5000kB長の範囲の配列に散在した反復配列である(Willard
、1990)。現在までに、これらの反復のうちのわずか1つである、アルフォ
イドサテライトとして公知の171bpエレメントが、インサイチュハイブリダ
イゼーションによって、各々のヒトセントロメアに存在することが示されている
(Tyler−Smithら、1993)。多くの他のゲノムDNAは、DNA
の一定領域に基づいて遺伝を付与することが必要とされるので、反復それ自体が
機能的セントロメアを表すか否かは未だ議論の余地がある(Willard、1
997)。あるいは、いくつかの高等真核生物セントロメアの位置は、染色体フ
ラグメントの分離を分析することによって推定されている。しかし、このアプロ
ーチは不正確である。なぜなら、限られたセットのフラグメントが入手され得、
そして正常なセントロメア機能は、周囲の染色体配列によって影響を受けるから
である(例えば、Koornneef、1983を参照のこと;図2)。
インタクトな染色体において使用され得るセントロメアをマッピングするため
のより正確な方法は、四分子分析である(Mortimerら、1981)。こ
れは、そのネイティブな染色体の状況でセントロメアの機能的な規定を提供する
。現在、この様式でマッピングされたわずかなセントロメアは、酵母Sacch
aromyces cerevisiae、Schizosaccharomy
ces pombeおよびKluyveromyces lactisを含む下
等真核生物由来である(Carbonら、1990;Hegemannら、19
93)。これらの系において、セントロメアの正確なマッピングは、染色体ウォ
ーキングストラテジー(Clarkeら、1980)を使用して、セントロメア
DNAをクローン化することを可能にした。引き続いて、人工染色体アッセイを
使用して、より正確にセントロメア配列が規定づけられた(Hegemannら
、1993;Baumら、1994)。
哺乳動物における信頼のおけるセントロメアアッセイを開発する試みは、あい
まいな結果を生じた。例えば、Hadlaczkyら(1991)は、マウス細
胞株において低頻度で、新規のでのセントロメア形成を生じさせ得る14kBの
ヒトフラグメントを同定した。しかし、インサイチュハイブリダイゼーション研
究は、このフラグメントが、天然に存在するセントロメアには存在していないこ
とを示し、セントロメア機能を試験するためのこのアプローチの信頼性に疑問を
呼んでいる(Tyler−Smithら、1993)。同様に、細胞株へのアル
フォイドサテライトのトランスフェクションは、新たな染色体の形成を生じるが
、これらの染色体はまた、セントロメア活性に寄与し得る宿主の配列を含む(H
aafら、1992;Willard、1997)。さらに、新規の染色体は、
その全長にわたりアルフォイドDNAの分散を有し得るが、なお単一のセントロ
メアくびれのみを有しており、アルフォイドDNA単独のブロック(block
)では、セントロメア機能に不十分であり得ることを示している(Tyler−
Smithら、1993)。
植物のセントロメアは、凝縮した染色体において容易に可視化され得るが、植
物のセントロメアは、酵母または哺乳動物由来のセントロメアほど広範に特徴付
けられていない。遺伝的特徴付けは、染色体フラグメントの分離分析、そして特
に、遺伝子を標識された末端セントロメアフラグメントを有する三染色体株の分
析による(例えば、Koornneef、1983を参照のこと;図2)。さら
に、遺伝的に(Richardsら、1991)または物理的に(Alfeni
toら、1993;Maluszynskaら、1991)のいずれかでセント
ロメアに連鎖している反復エレメントが、同定されている。しかし、これらの配
列の機能的重要性を試験した例はない。
Arabidopsis thalianaの細胞学は、セントロメア構造を
反復配列と相関付けるために役立ってきた。蛍光色素であるDAPIは、中期染
色体におけるセントロメアクロマチンドメインの可視化を可能にする。180b
pのpAL1反復配列に基づいた蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(F
ISH)プローブは、5つすべてのArabidopsis染色体のセントロメ
ア付近で、DAPIのしるしと共存した(Maluszynskaら、1991
;Martinez−Zapaterら、1986)。pAL1についての機能
的役割が提案されているが、より近年の研究では、Arabidopsis t
halianaと密接に関連した種において、セントロメア付近でこの配列を検
出することを失敗した(Maluszynskaら、1991)。これらの結果
は特に、厄介である。なぜなら、試験された種のうちの1つであるA.pumi
laは、A.thalianaと別の近縁種との間の交配に由来する複二倍体で
あると考えられるからである(Maluszynskaら、1991;Pric
eら、1995)。別の反復配列pAtT12は、第1染色体上のセントロメア
の5cM以内および第5染色体の中心領域に遺伝的にマッピングされたが(Ri
chardsら、1991)、他の染色体上におけるその存在は確立されていな
い。pAL1と同様に、セントロメア機能におけるpAtT12の役割は、未だ
実証されていない。
セントロメア(kinetochore)は、セントロメア(centrom
eric)DNAと紡錘体装置との間の必須の連結を構成するという事実が理由
で、これらの構造に関係したタンパク質は、近年、熱烈な研究の中心になってい
る(Bloom、1993;Earnshaw、1991)。セントロメアの近
傍に特異的に結合するヒト自己抗体は、セントロメア関連タンパク質(CENP
、Rattner、1991)および微小管に基づくモーターのキネシンスーパ
ーファミリーに属するこれらのタンパク質の少なくとも1つ(Yen、1991
)のクローニングを容易にした。酵母のセントロメア結合タンパク質もまた、遺
伝学的研究および生化学的研究の両方を通して同定されている(Bloom、1
993;Lechnerら、1991)。
Arabidopsis thalianaのセントロメアは、三染色体株を
使用してマッピングされた。ここでは、染色体フラグメント(Koornnee
f、1983)または染色体全体(Searsら、1970)の分離を使用して
、それぞれ、5、12、17、および38cM以内に4つのセントロメアを位置
付けた(図2)。これらの位置は、より近年の研究によって、洗練されなかった
。なぜなら、この方法は、生存可能な三染色体株を得る困難性により制限される
からである(Koornneef、1983)。これらの因子は、算出されたセ
ントロメアの位置において有意な誤差を入れ、そして1cMが約200kBに対
応するArabidopsisでは(Koornneef、1987;Hwan
gら、1991)、この方法は、実際的な染色体ウォーキングストラテジーをな
すために十分な正確さで、いずれのセントロメアをもマッピングしなかった。A
rabidopsisゲノムのマッピングはまた、(Haugeら、1991)
によって考察された。
(I.四分子分析)
四分子分析を使用して、遺伝マーカーとセントロメアとの間の組換え頻度を直
接的に測定し得る(図1)。この方法は、個々の減数分裂の4つ全ての産物の分
析を必要とし、そして多細胞真核生物の減数分裂産物は代表的に解離するので、
この方法は多細胞真核生物に以前には適用されていなかった。quartet変
異マーカーの同定が、高等真核生物系において初めて、四分子分析を可能とする
(Preussら、1994)。このquartet(qrt1)変異は、Ar
abidopsisにおいて花粉母細胞の減数分裂の4つの産物を付着させたま
まにさせる。花を受粉させるために使用される場合、1つの四分子は、4つの種
子の形成を生じ得、そしてこれらの種子に由来する植物が、遺伝的に分析され得
る。
無秩序の四分子(例えば、S.cerevisiaeまたはArabidop
sisにより産生される四分子)を用いると、四分子分析を使用する遺伝マッピ
ングは、2つのマーカーを同時にスコア付けすることを必要とする(White
house、1950)。四分子は、マーカーが平行配列(非組換え)であるか
または非平行配列(組換え)であるかに依存して、異なるクラスに分類される(
図1)。非組換えメンバーのみを有する四分子は、両親型(PD)と呼ばれ;組
換えメンバーのみを有する四分子は、非両親型(NPD)と呼ばれ;そして、2
つの組換えメンバーおよび2つの非組換えメンバーを有する四分子をテトラ型(
TT)と呼ばれる(Perkins、1953)。2つの遺伝子座が異なる染色
体上に位置付けられ、従って独立して類別される場合、テトラ型(交差産物)対
両親型または非両親型の組合せの(非交差産物)の頻度は、2つの遺伝子座の各
々とその個々のセントロメアとの間の交差の頻度に依存する。
テトラ型四分子は、当該マーカーとそのセントロメアとの間で交差が生じた場
合にのみ生じる。従って、セントロメアに密接に連鎖した遺伝子を同定するため
には、TT頻度が0に近づくまで、対様式でマーカーを試験する。マーカーとそ
の個々のセントロメアとの間の遺伝的距離(センチモルガン、cM)は、[(1
/2)TT]/100の関数によって規定される(Mortimerら、198
1)。四分子分析によって得られた位置情報は、2つの点の間の物理的距離を表
すので、セントロメアに近づくにつれて、組換え事象の機会は減少する。
四分子分析を使用して、酵母および他の真菌(ここでは、単回の減数分裂の産
物が、収集され得る)におけるセントロメアを遺伝的に追跡した。出芽酵母であ
るSaccharomyces cerevisiaeは、有糸分裂凝縮を欠き
、従って細胞遺伝学(Hegemannら、1993)は、なお四分子分析に起
因して、セントロメア機能の発見のための媒体として使用した。減数分裂に次い
で、子嚢内に保持される4つの胞子が生成され、これらが遺伝子分離について直
接アッセイされ得る。
劣性のqrt1変異は、減数分裂の4つの産物を付着させたままにさせること
によって、Arabidopsisにおいて四分子分析を実施することを可能に
させる(Preussら、1994;およびSmythe、1994;両方とも
、本明細書中で参考として援用される)。以前に示されたように、各4分子にお
いて、遺伝子座は、2:2の比で分離する(図6)。個々の四分子は、微細なブ
ラシを用いて花において操作され得(1時間あたり20個の四分子の速度)、そ
してこのような交配のうちの30%で、4つの生存可能な種子が獲得され得る(
Preussら、1994)。
高精度でセントロメアをマッピングすることは、高密度の遺伝マップを必要と
し、そして現在のArabidopsisマップは多くの生存可能なマーカーを
含んでいるが、各々をqrt1バックグラウンドに交配させることは大変な作業
である。あるいは、数百のDNA多型が、2つの異なる株(両方とも、qrt1
変異を含む)を交配することによって、同時に導入され得る。高密度RFLPマ
ップ(Changら、1988)およびPCRに基づいたマップ(Koniec
znyら、1993;Bellら、1994)が、Landsberg株とCo
limbia株の交配からArabidopsisにおいて作成されている(A
rabidopsisのマップおよび遺伝マーカーデータは、http://g
enome−www.stanford.edu/Arabidopsisおよ
びhttp://cbil.humgen.upenn.edu/atgc/s
slp_info/sslp.htmlでインターネットから利用可能である)
。これらの株は、DNA配列レベルで1%程度異なり、そして共直線性の遺伝マ
ップを有する(Changら、1988;Koornneef、1987)。
四分子分析でのセントロメアマッピングは、2つのマーカー(このうち1つは
、セントロメアに連鎖されていなければならない)の同時分析を必要とする(図
1)。これらのセントロメア連鎖マーカーを同定するために、5つ全ての染色体
にわたり分布したマーカーをスコア付けし、そして対様式で比較した。
最初に、PCR分析によってスコア付けされ得る遺伝マーカーが試験された(
Koniecznyら、1993;Bellら、1994)。このようなマーカ
ーは、現在、任意の遺伝子座をマッピングするために十分に高密度である。なぜ
なら、さらなるPCRで検出可能な多型が同定され、それらが分析に組み込まれ
るからである。さらに、図5に記載のように、セントロメアをマッピングするた
めに有用な新たなCAPSおよびSSLPマーカーが、容易に同定され得る。
Arabidopsis四分子セットの収集物が、四分子分析において使用す
るために本発明者らによって調製された。現在までに、1,000を超える単離
された四分子種子からの子孫植物が発芽されており、そして各四分子の子孫植物
から、葉組織が収集され、そして保存されている。個々の植物由来の葉組織を使
用して、PCRに基づいたマーカー分析のためのDNAを作製した。植物はまた
、自殖され、そしてそれらが産生した種子を収集した。これらの個々の種子のセ
ットの各々から、実生を発芽させ得、そしてそれらの組織をゲノムDNAの作製
のために使用した。複数の実生からプールされた組織は、制限酵素DNA断片長
の多型(RFLP)の分析のためのサザンゲノムDNAブロットを作製するため
に有用である。四分子分析のために使用される有益な個体の種子ストックの例示
的リストを、図4に提供する。
(II.マッピングストラテジー)
2つの細菌人工染色体(BAC)ライブラリーに関する以前のDNAフィンガ
ープリント分析およびハイブリダイゼーション分析は、Arabidopsis
ゲノムのほぼ全ての単一コピー部分をカバーする物理的地図の組立てへと導いた
(Marraら、1999)。しかし、Arabidopsisセントロメア付
近の反復DNA(180bp反復、レトロエレメント、および中頻度反復配列を
含む)の存在は、特定の染色体にセントロメアBACコンティグを固着させる(
anchor)試みを複雑にした(Murataら、1997;Heslop−
Harrisonら、1999;Brandesら、1997;Franzら、
1998;Wrightら、1996;Konieczynyetら、1991
;Pelissierら、1995;VoytasおよびAusubel、19
88;Chyeら、1997;Tsayら、1993;Richardsら、1
991;Simoensら、1988;Thompsonら、1996;Pel
issierら、1996)。
本発明者らは、遺伝マッピングを使用して、特定のセントロメアにこれらの非
固着コンティグを明らかに割り当て、ゲノム全体について情報的(inform
ative)な交差を有する48植物体において多型マーカーをスコア付けた(
Copenhaverら、1998)。この様式において、いくつかのセントロ
メアコンティグを染色体腕(実施例6を参照のこと)の物理的地図に関連付け、
そしてセントロメア境界を規定するDNAマーカーの多くのセットを生成した。
DNA配列分析は、第II染色体および第IV染色体のコンティグの構造を確証
した(Linら、1999)。
CEN2およびCEN4を、分析のために特に選択した。両方とも、それらの
遠位端に3.5MbのrDNAアレイを有し、rDNAとセントロメアとの間に
それぞれ測定上3および2Mbの領域、ならびにその長腕上に16および13M
bの領域を有する構造的に類似した染色体上に存在する(Copenhaver
およびPikaard、1996)。
第II染色体および第IV染色体の実質的に完全な、そして注釈をつけた(a
nnotated)配列を使用して、ヌクレオチドレベルでセントロメアの分析
を実施した(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/En
trez/nucleotide.html)。遺伝的に規定されたセントロメ
ア境界において配列組成を分析し、そして隣接したセントロメア周囲領域と比較
した(図12A〜T)。2つのセントロメアの分析は、配列パターンの比較およ
び保存された配列エレメントの同定を容易にした。
セントロメア配列が、180bp反復配列を保有することを見出した。これら
の配列は、ゲノム中の他の箇所でほとんど反復を有さず、かつ全く長い配列を有
さない、各セントロメアコンティグ(図3、図12B、12L)のギャップ中に
存在することが見出された。これらのギャップ付近のBACクローンは、180
bp反復、5S rDNAまたは160bp反復を含む、コンティグ間のDNA
のバルクにおそらく寄与する反復エレメントに対応する末端配列を有する(図3
)。蛍光インサイチュハイブリダイゼーションは、これらの反復配列が、Ara
bidopsisセントロメアの豊富な成分であることを示した(Murata
ら、1997;Heslop−Harrisonら、1999;Brandes
ら、1997)。遺伝マッピングおよびパルスフィールドゲル電気泳動により、
セントロメア領域内の測定上0.4〜1.4Mbの間の長い配列内に多くの18
0bp反復が存在することが示された(Roundら、1997);配列分析に
よって、ギャップ付近に分散されたさらなるコピーが明らかとなった。本発明者
らは、特に、ミニ染色体の構築のためにこのような180bpの反復の使用を意
図する。第II染色体および第IV染色体の注釈をつけた(annotated
)配列により、機能的セントロメアおよびその隣接領域の両方において、中頻度
反復DNAに対して相同性を有する領域を同定した(図12B〜12Eおよび図
12L〜12O)。
CEN2を含む4.3Mbの配列決定された領域およびCEN4を含む2.8
Mbの配列決定された領域において、レトロトランスポゾン相同性が、DNA配
列の10%より多く(それぞれ最大62%および70%)を説明することを見出
した(図12C、12M)。トランスポゾンまたは中頻度反復エレメントに対し
て類似性を有する配列は、類似のゾーンを占めることが見出されたが、それはさ
ほど共通ではなかった(第II染色体および第IV染色体について、それぞれ2
9%および11%の最大密度)(図12D〜12Eおよび図12N〜12O)。
最後に、DrosohilaおよびNeurosporaのセントロメアの場合
(Sunら、1997;Cambareniら、1998)とは異なり、低複雑
性のDNA(マイクロサテライト、ホモポリマー域(tract)およびAT富
化等容変化(isochore)を含む)は、Arabidopsisのセント
ロメアにおいて富化されていることが見出されなかった。CEN2付近では、単
純な反復配列密度は、遠位染色体腕上の密度に匹敵し、セントロメア内の配列の
1.5%、隣接領域内の3.2%を占め、そして20〜319bp長の範囲(平
均71bp)である。CEN2でのミトコンドリアDNAの挿入を除いて、セン
トロメア周辺のDNAは、平均約64%のA+Tのゲノムに顕著に由来するいか
なる大きな領域も含まなかった(図12F、12P)(Bevanら、1999
)。
180bp反復とは異なり、CEN2およびCEN4付近の他のすべての反復
エレメントは、隣接領域においてよりも、遺伝的に規定されたセントロメア内に
おいてあまり豊富ではなかった。機能的セントロメアドメインの外側の高密度の
反復エレメントは、それらが、セントロメア活性には不充分であり得ることを示
唆する。従って、これらの反復配列において富化されたArabidopsis
ゲノムのセグメントを同定することは、セントロメア機能を提供する領域を正確
に位置付けず;同様の状況は、他の高等真核生物のゲノムにおいて生じ得る。
セントロメアに隣接する反復DNAは重要な役割を果たし得、核を生じるよう
に作用するか、またはセントロメア構造を安定化させるために作用する変化され
たクロマチン高次構造を形成する。あるいは、他の機構が、セントロメア付近の
反復エレメントの蓄積を生じさせ得る。進化的なモデルは、組換えの低い領域に
おける反復DNAの蓄積を予期したが(Charlesworthら、1986
;Carlesworthら、1994)、多くのArabidopsisの反
復エレメントは、セントロメアそれ自体においてよりも組換え的に活性なセント
ロメア周囲領域において、より豊富である。代わりに、レトロエレメントおよび
他のトランスポゾンは、優先的に、セントロメアに隣接する領域内に挿入され得
るか、またはより高い率で、ゲノムの休止から排除され得る。
(III.セントロメア組成物)
本発明の特定の局面は、植物セントロメアを含む単離された核酸セグメントお
よび組換えベクターに関する。本発明の1つの実施形態では、植物セントロメア
は、Arabidopsis thalianaのセントロメアである。本発明
のさらなる実施形態では、A.thalianaの第2染色体セントロメアを含
む核酸配列が提供される。Arabidopsis thalianaの第2染
色体セントロメアの配列は、配列番号209および配列番号210の核酸配列に
よって例示される。図17に示されるように、配列番号209および配列番号2
10の核酸配列は、A.thalianaの第2染色体において一連の180b
p反復に隣接する。このように、第2染色体セントロメアはさらに、配列番号2
09もしくは配列番号210に含まれる核酸配列、またはこれらの配列の両方か
ら単離された配列に連鎖されたn個数の反復を含むとして規定され得る。本発明
の特定の実施形態では、反復数(n)は、約2、4、8、15、25、40、7
0、100、200、400、600、800、1,000、1,500、2,
000、4,000、6,000、8,000、10,000、30,000、
50,000、または約100,000である。使用される実際の反復配列は変
動し得る。使用され得る反復配列の代表的なサンプルを、図23A〜23Dに提
供し、そしてこれは、配列番号184〜208に提供される核酸配列に含まれる
。使用される反復の長さもまた変動し得、そして例えば、約10bp、20bp
、40bp、60bp、80bp、100bp、120bp、140bp、15
0bp、160bp、170bp、180bp、190bp、もしくは約200
bpの反復、またはそれより長い反復配列(例えば、図23A〜図23Dに列挙
されるような)を含み得、そしてこれは、配列番号184〜208に提供される
核酸配列に含まれる。
配列番号209および配列番号210の核酸配列の単離されたセグメントはま
た、本発明での使用を意図され、これは、一連の反復に連鎖されていてもされて
いなくともよい。特に、配列番号209または配列番号210の核酸配列の約1
00、200、400、800、1,500、3,000、5,000、7,5
00、10,000、15,000、25,000、40,000、75,00
0、100,000、125,000、150,000、250,000、35
0,000、450,000、600,000、700,00、および約800
,000bpの連続した核酸セグメントが、特に本発明の一部を形成する。本発
明の特定の実施形態では、このような核酸配列は、n個数の反復配列に連鎖され
得、ここでnは、例えば、2、4、8、15、25、40、70、100、20
0、400、600、800、1,000、1,500、2,000、4,00
0、6,000、8,000、10,000、50、000または約100,0
00である。反復配列は、例えば、図23A〜図23Dに列挙される反復、およ
び配列番号184〜208によって提供される核酸配列中に含まれる反復の連続
したヌクレオチドの、約10bp、20bp、40bp、60bp、80bp、
100bp、120bp、140bp、150bp、160bp、170bp、
180bp、190bp、もしくは約200bp、またはそれより長いセグメン
トを含み得る。
本発明の別の実施形態において、A.thaliana第4染色体セントロメ
アを含む核酸配列が、提供される。Arabidopsis thaliana
第4染色体セントロメアの配列は、配列番号211および配列番号212の核酸
配列によって例示される。図18に示されるように、Arabidopsisの
配列番号211および配列番号212の核酸配列は、一連の反復配列に隣接する
。このように、第4染色体セントロメアはさらに、配列番号211もしくは配列
番号212に含まれる核酸配列、または配列番号211および配列番号212の
両方に由来する配列に連結されている、n数の反復を含むとして規定され得る。
本発明の特定の実施形態において、反復(n)の数は、およそ2、4、8、15
、25、40、70、100、200、400、600、800、1,000、
1,500、2,000、4,000、6,000、8,000、10,000
、50,000もしくは約100,000である。使用される実際の反復配列は
、変動し得る。使用され得る反復配列の代表的なサンプルは、図23A〜23D
に示されており、ここでこれらの配列は、配列番号184〜208に示される核
酸配列に含まれている。使用される反復の長さもまた変動し得、そして例えば、
約10bp、20bp、40bp、60bp、80bp、100bp、120b
p、140bp、150bp、160bp、170bp、180bp、190b
p、または約200bp以上の反復を含み得る。
配列番号211および配列番号212の核酸配列の単離されたセグメントもま
た、一連の反復配列に連結されているか、または連結されていないかのいずれか
で、本発明で使用されることが意図される。詳細には、配列番号211または配
列番号212の核酸配列の約100、200、400、800、1,500、3
,000、5,000、7,500、10,000、15,000、25,00
0、40,000、75,000、100,000、125,000、150,
000、250,000、350,000、450,000、600,000、
700,000bpの連続する核酸セグメントは、本発明の一部を特異的に形成
する。本発明の特定の実施形態において、このような核酸配列は、nの数の反復
配列(例えば、ここでnは、2、4、8、15、25、40、70、100、2
00、400、600、800、1,000、1,500、2,000、4,0
00、6,000、8,000、10,000、50,000もしくは約100
,000である)に連結され得る。この反復配列は、例えば、配列番号184〜
208の配列の連続するヌクレオチドの約10bp、20bp、40bp、60
bp、80bp、100bp、120bp、140bp、150bp、160b
p、170bp、180bp、190bp、または約200bp以上のセグメン
トを含み得る。
また、Arabidopsisポリユビキチン11遺伝子由来の調節領域(そ
のプロモーターおよびターミネーター配列を含む)が、本発明によって提供され
る。これらの調節領域の核酸配列は、配列番号180および配列番号181の核
酸配列によって例示される。また、配列番号180および配列番号181の核酸
配列の約10、15、20、25、30、40、50、75、100、125、
150、200、300、500、750、1,000、1,500および約2
,000ヌクレオチドからの連続するストレッチ(stretch)が、このよ
うな配列に含まれる。本発明の特定の実施形態において、Arabidopsi
sポリユビキチン11プロモーター配列を、コーディング配列の5’端に作動可
能に連結することが所望され得る。Arabidopsisポリユビキチン11
ターミネーター配列を、コーディング配列の3’端に作動可能に連結することも
また所望され得る。
なおさらに、Arabidopsis 40Sリボソームタンパク質S16遺
伝子由来の調節領域(そのプロモーターおよびターミネーターを含む)が、本発
明によって提供される。これらの調節領域の核酸配列は、配列番号182および
配列番号183の核酸配列によって例示される。配列番号182および配列番号
183の核酸配列の約10、15、20、25、30、40、50、75、10
0、125、150、200、300、500、750、1,000、1,50
0および約2,000ヌクレオチドからの連続するストレッチもまた、このよう
な配列に含まれる。本発明の特定の実施形態において、Arabidopsis
40Sリボソームタンパク質S16遺伝子配列を、コーディング配列の5’端
に作動可能に連結することが所望され得る。Arabidopsis 40Sリ
ボソームタンパク質S16遺伝子配列を、コーディング配列の3’端に作動可能
に連結することもまた所望され得る。
なおさらに、遺伝子配列および関連する調節配列、ならびにセントロメア領域
由来の他の機能を有する配列が、本発明によって提供される。詳細には、本発明
は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号
6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列
番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番
号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、および配列番号21、な
らびにこれらの配列の約5、10、15、20、25、30、40、50、60
、70、80、90、100、110、125、150、175、200、25
0、300、350、400、500、550、590、1,000および約1
,500の連続するヌクレオチド(この配列の全長まで、および全長を含む)に
よて示されるセントロメア配列を含む。
セントロメア含有核酸配列は、組換えミニ染色体の作製および使用のための他
の配列とともに提供され得る。具体的に本発明の範囲内にあるこのような核酸配
列は、本明細書とともに提供される配列表に列挙される核酸配列を含む。
本発明は、総ゲノムDNAまたは他の核酸に対して富化され、かつ宿主細胞中
に取り込まれる場合に組換え分子にセントロメア活性を付与し得る、A.tha
liana細胞から単離可能な核酸セグメントに関する。本明細書中で使用され
る場合、「核酸セグメント」は、特定の種の総ゲノム核酸から精製された、核酸
分子をいう。従って、セントロメア機能を付与する核酸セグメントは、セントロ
メア配列を含み、なおA.thalianaの総ゲノム核酸から単離されている
か、またはそれを含まないように精製されている、核酸セグメントをいう。核酸
セグメントおよびこのようなセグメントのより小さなフラグメント、ならびにま
た組換えベクター(例えば、BAC、YAC、プラスミド、コスミド、ファージ
、ウイルスなどを含む)が、用語「核酸セグメント」内に含まれる。
同様に、単離されたかまたは精製されたセトロメア配列を含む核酸セグメント
は、セントロメア配列を含む核酸セグメント、および特定の局面では、他の天然
に存在する配列から実質的に単離された調節配列、すなわち他の核酸配列をいう
。この局面において、用語「遺伝子」は、機能的な核酸セグメント、タンパク質
、ポリペプチドまたはペプチドをコードする単位をいうために簡素化のために使
用される。当業者に理解されるように、この機能的な用語は、両方のゲノム配列
、cDNA配列、およびタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドを発現し得
るうか、または発現するように適合され得る、より小さな操作された遺伝子セグ
メントを含む。
「他の供給源から実質的に単離された」は、目的の配列(この場合は、セント
ロメアの配列)が、本明細書中に提供されるゲノム核酸クローンに含まれること
を意味する。もちろん、これは、本来単離されたような核酸セグメントをいい、
そして後にヒトの手によってセグメントに付加された遺伝子またはコーディング
領域を除かない。
特定の実施形態において、本発明は、本発明のセントロメア由来の連続する配
列を含むセントロメア機能配列をコードする核酸配列を取り込んでいる、単離さ
れた核酸セグメントおよび組換えベクターに関する。特定の他の実施形態におい
て、本発明は、A.thalianaセントロメア由来の連続する核酸配列を、
それらの配列内に含む、単離された核酸セグメントおよび組換えベクターに関す
る。また、セントロメア機能活性を示す核酸セグメントが、最も好ましい。
本発明の核酸セグメントは、配列自体の長さにかかわらず、他の核酸配列(例
えば、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、さらなる制限酵素部位、マルチ
クローニング部位、他のコーディングセグメントなど)と組み合わされ得、その
結果、それらの全体の長さは、かなり変動し得る。従って、ほぼ任意の長さの核
酸フラグメントが用いられ得、ここで全長は、好ましくは、調製の容易さおよび
意図された組換えDNAプロトコールでの使用によって制限されることが、意図
される。
((i)プライマーおよびプローブ)
組換え構築物(ミニ染色体を含む)の構築におけるそれらの使用に加えて、本
明細書中に開示される核酸配列は、種々の他の使用を見出し得る。例えば、本明
細書中に開示されるセントロメア配列は、核酸ハイブリダイゼーションの実施形
態において、プローブまたはプライマーとしての使用を見出し得る。このように
、本発明のセントロメア配列(例えば、配列番号1〜212、ならびに特に配列
番号1〜21および配列番号180〜212によって示される配列)と同じ配列
を有する、少なくとも14ヌクレオチド長の連続する配列からなる配列領域、ま
たはそれらのセントロメア配列の14ヌクレオチド長のDNAセグメントに相補
的である配列領域を含む核酸セグメントが、特定の有用性を見出す。配列番号1
〜212に示される配列の全ての中間の長さを含み、ならびにそれらの配列の全
長配列まで、および全長配列を含む、より長い連続する同一配列または相補配列
(例えば、約20、30、40、50、100、200、500、1,000、
2,000、5,000bpなどの配列)もまた、特定の実施形態において有用
である。
本明細書中に詳細に記載されるように、このような核酸プローブがセントロメ
ア配列に特異的にハイブリダイズする能力は、他の植物または動物由来の同様な
部分的に相補的な配列の存在の検出において、このプローブの使用を可能にする
。しかし、他の使用(変異種プライマー、または他の遺伝構築物の調製における
使用のためのプライマーの調製のためのセントロメアの使用を含む)が、意図さ
れる。
本発明のセントロメア配列(配列番号1〜212に示される配列を含む)に同
一であるか、またはそれらの配列に相補的である、8、9、10、11、12、
13、14、15,16、17、18、19、20、21、22、23、24、
25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、
37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、
49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100
または101〜200のヌクレオチド程度さえの連続するヌクレオチドのストレ
ッチからなる配列領域を有する核酸フラグメントが、例えば、サザンブロッティ
ングおよびノーザンブロッティングにおける使用のためのハイブリダイゼーショ
ンプローブとして特に意図される。より小さなフラグメントは、一般的に、ハイ
ブリダイゼーション実施形態における使用を見出し、ここで連続する相補領域の
長さは、変動し得る(例えば、約10〜14の間、および約100または200
ヌクレオチド)が、より大きな連続する相補ストレッチもまた、検出を所望する
相補配列の長さに従って、使用され得る。
もちろん、フラグメントもまた、他の技術によって(例えば、機械的剪断によ
って、または制限酵素での消化によってなど)入手され得る。小さな核酸セグメ
ントまたはフラグメントは、例えば、自動化オリゴヌクレオチド合成機を使用し
て一般に実施されるように、化学手段によってフラグメントを直接合成すること
によって、容易に調製され得る。また、フラグメントは、核酸再生成技術の適用
(例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号の
PCRTM技術(本明細書中に参考として各々援用される))によって、組換え産
生のために組換えベクター中に選択された配列を導入することによって、ならび
に分子生物学の当業者に一般に公知の他の組換えDNA技術によって、得られ得
る。
従って、本発明のセントロメア配列は、DNAフラグメントの相補ストレッチ
と二重鎖分子を選択的に形成するそれらの能力のために使用され得る。意図され
る適用に依存して、標的配列に対するプローブの選択性の種々の程度を達成する
ために、種々の条件のハイブリダイゼーションを用いることが所望される。高い
選択性を必要とする適用に関して、代表的には、ハイブリッドを形成する比較的
にストリンジェントな条件を用いることが所望される。例えば、比較的に低い塩
および/または高い温度の条件を選択する(例えば、約50℃〜約70度の温度
での0.02M〜約0.15M NaClが提供される)。このような選択条件
は、たとえあったとしても、プローブと鋳型または標的鎖との間のミスマッチを
ほとんど許容せず、そしてセントロメアDNAセグメントを単離するために特に
適切である。これらの条件および以下の条件で本発明によって提供される核酸配
列にハイブリダイズする核酸配列(配列番号1〜212により示される配列を含
む)は、本発明の一部を形成する。ハイブリダイゼーションによる核酸セグメン
トの検出は、当業者に周知であり、そして米国特許第4,965,188号およ
び同第5,176,995号(その全体において、本明細書中に参考として詳細
に援用される)の教示は、ハイブリダイゼーション分析の方法の例示である。教
示(例えば、Maloyら、1991;Segal,1976;Prokop,
1991;およびKuby,1994のテキストに見出される教示)は、特に関
連する。
もちろん、いくつかの適用については、例えば、基礎となる鋳型にハイブリダ
イズする変異プライマー鎖を用いる変異体の調製を所望する場合、または関連す
る種由来のセントロメア機能付与配列、機能的等価体などを単離しようとする場
合、より低いストリンジェントハイブリダイゼーション条件が、代表的には、ヘ
テロ二重鎖の形成を可能にするために必要とされる。これらの状況において、約
20℃〜約55℃の範囲の温度で、条件(例えば、約0.15M〜約0.9Mの
塩)を用いることが所望され得る。従って、交差ハイブリダイズ種が、コントロ
ールハイブリダイゼーションに関して陽性のハイブリダイズシグナルとして容易
に同定される。任意の場合、温度の増大または塩の減少と同じ様式でハイブリッ
ド二重鎖を脱安定化するように作用する、漸増量のホルムアミドの添加によって
条件がよりストリンジェントになり得ることが、一般に理解される。従って、ハ
イブリダイゼーション条件が容易に操作され得、それによって一般に、所望の結
果に依存して、方法が選択される。
特定の実施形態において、ハイブリダイゼーションを決定するために、適切な
手段(例えば、標識)と組み合わせて、本発明の核酸配列を用いることは、利点
である。検出可能なシグナルを生じ得る、広範な種々の適切なインジケーター(
indicator)手段(蛍光、放射性、酵素または他のリガンド(例えば、
アビジン/ビオチン)を含む)は、当該分野において公知である。好ましい実施
形態において、放射性試薬または他の環境的に所望されない試薬の代わりに、蛍
光標識または酵素タグ(例えば、ウレアーゼ、アルカリホスファターゼまたはペ
ルオキシダーゼ)を用いるが所望されるようである。酵素タグの場合には、相補
核酸含有サンプルとの特異的なハイブリダイゼーションを同定するために、ヒト
の目にみえるかまたは分光光度的な手段を提供するために用いられ得る、比色定
量インジケーター基質が、公知である。
一般に、本明細書中に記載されるハイブリダイゼーションプローブは、溶液で
のハイブリダイゼーションにおける試薬、ならびに固相を用いる実施形態におけ
る試薬の両方として有用であることが意図される。固相に関する実施形態におい
て、試験DNA(またはRNA)が、選択されたマトリクスまたは表面に吸着さ
れるか、あるいはそうでなければ添加される。次いで、この固定された一本鎖核
酸は、所望の条件下で選択されたプローブとの特異的なハイブリダイゼーション
に供される。この選択された条件は、必要とされる特定の基準(例えば、G+C
含量、標的核酸の型、核酸の供給源、ハイブリダイゼーションプローブのサイズ
などに依存する)に基づく特定の環境に依存する。非特異的に結合したプローブ
分子を除去するためのハイブリダイズした表面の洗浄後に、特異的なハイブリダ
イゼーションが、標識によって検出されるか、または定量さえもされる。
((ii)大きな核酸セグメント)
各セントロメアに隣接するマーカーを使用して(図3を参照のこと)、隣接マ
ーカー、およびこれらのマーカーの間にコードされるセントロメアの両方を含む
連続するDNAフラグメントを精製することが可能であり得る。これを実行する
ために、染色体全体のサイズまでの非常に大きなDNAフラグメントが、例えば
、Copenhaverら(1995)に記載される方法を使用して、アガロー
スにArabidopsis組織を包埋することによって調製される。DNAの
これらの大きな片は、任意の制限酵素を用いてアガロース中で消化され得る。イ
ンタクトなセントロメアを単離するために特に有用である制限酵素としては、非
常に大きなDNAフラグメントを生じる酵素が挙げられる。このような制限酵素
としては、6塩基対よりも大きな特異性を有する酵素(例えば、AscI、Ba
eI、BbvCI、FseI、NotI、PacI、PmeI、PpuMI、R
srII、SanDI、SapI、SexAI、SfiI、SgfI、SgrA
I、SbfI、SrfI、Sse8387I、Sse8647I、Swa、Ub
aDI、およびUbaEIなど)、またはArabidopsisゲノムにおい
て低い頻度で切断し、そしてセントロメア領域内に特異的である任意の他の酵素
が挙げられる。あるいは、より多い頻度で切断する制限酵素による部分消化が、
使用され得る。
あるいは、セントロメアのいくらか、または全てにわたる大きなDNAフラグ
メントが、RecA補助制限エンドヌクレアーゼ(RARE)切断(Ferri
n,1991)を使用して産生され得る。これを実行するために、染色体全体の
サイズまでの非常に大きなDNAフラグメントは、例えば、Copenhave
rら(1995)により記載される方法を使用して、アガロースゲル中でAra
bidopsis組織を包埋することによって調製される。精製されるDNAの
領域に隣接する部位に相同な配列を有する一本鎖DNAオリゴマーが、リコンビ
ナーゼ酵素RecAを使用して、アガロースに包埋されたDNAと3本鎖複合体
を形成するように作製される。次いで、DNAは、部位特異的メチラーゼ(例え
ば、AluIメチラーゼ、BamHIメチラーゼ、damメチラーゼ、EcoR
Iメチラーゼ、HaeIIIメチラーゼ、HhaIメチラーゼ、HpaIIメチ
ラーゼ、またはMspメチラーゼなど)で処理される。メチラーゼは、RecA
/DNAオリゴマー複合体によって保護される3重鎖領域内の部位を除く、その
認識配列により特定される全ての部位を改変する。次いで、RecA/DNAオ
リゴマー複合体は、アガロースに包埋されたDNAから除去され、次いでこのD
NAは、使用されるメチラーゼに対応する制限酵素(例えば、EcoRIメチラ
ーゼが使用される場合には、EcoRI制限エンドヌクレアーゼが切断を行うた
めに使用される)で切断される。改変から保護された部位のみが、制限エンドヌ
クレアーゼによる切断に供される。従って、部位特異的メチラーゼ/制限エンド
ヌクレアーゼの対の認識配列を含むセントロメア領域に隣接する標的を選択する
ことによって、RAREは、染色体の残りから領域全体を切断するために使用さ
れ得る。この方法は、それに隣接する配列情報を使用することによって未知の組
成のDNAフラグメントを単離するために使用されるということに留意すること
は重要である。従って、この方法は、染色体の物理的マップにおける任意のギャ
ップ内に含まれるDNAを単離するために使用される。次いで、この方法によっ
て単離されたDNAは、配列決定され得る。
次いで、制限酵素での消化によってか、またはRARE切断によって生じる大
きなDNAフラグメントは、パルスフィールド(pulsed−field)ゲ
ル電気泳動(PFGE)(Schwartzら、1982)を使用して、サイズ
により分離される。詳細には、Contour−clamped Homoge
neous Electric Field(CHEF)電気泳動(種々のPF
GE)が、10Mb程度の大きさのDNA分子を分離するために使用され得る(
Chuら、1985)。次いで、CHEFゲル上で分離される大きなDNAフラ
グメントは、両方のセントロメア隣接マーカーおよび従ってセントロメアを含む
フラグメントのサイズを同定し、そして測定する、標準的なサザンハイブリダイ
ゼーション技術を使用して分析され得る。既知のサイズの標準物との比較により
、セントロメア含有フラグメントのサイズを決定した後に、セントロメアフラグ
メントを含むゲルからの領域は、二連のゲルから切断され得る。次いで、このセ
ントロメアDNAは、分析され、配列決定され、そして以下に記載されるような
種々の適用(ミニ染色体の構築を含む)において使用される。以下に詳細に示さ
れるように、ミニ染色体は、ゲルスライス内でのDNA連結を可能にする標準的
な技術を使用してアガロースゲルから切り出されたセントロメアフラグメントに
、テロメラーゼおよび選択マーカーを付着させることによって構築され得る。次
いで、植物細胞が、本明細書中以下に記載される技術を使用して、ハイブリッド
DNA分子を用いて形質転換され得る。
(IV.セントロメア配列を含む組換え構築物)
本発明の開示を鑑み、本明細書中に記載される組換えDNA構築物を構築する
ことは、当業者に可能である。有用な構築方法は、当業者に周知である(例えば
、Maniatisら、1982を参照のこと)。構築されるように、ミニ染色
体は、好ましくは、植物において機能的な自立複製配列(ARS)、植物におい
て機能的なセントロメア、および植物において機能的なテロメアを含む。
ミニ染色体ベクターの構築に使用され得る植物セントロメアに加えての基本的
なエレメントは、当業者に公知である。例えば、使用され得るテロメア配列の1
つの型は、総計して数kb(例えば、3〜4kb)の長さになる、モノマー反復
CCCTAAAのヘッドからテイル(head to tail)のアレイから
なるArabidopsisテロメアである。他の生物のテロメアと同様に、A
rabidopsisのテロメアは、長さが変動し、そして厳密な長さの要件を
有さないようである。クローニングされたテロメアの例は、GenBank登録
番号M20158(RichardsおよびAusubel,1998)に見出
され得る。酵母テロメア配列もまた、記載されている(例えば、Louis,1
994;Genbank登録番号S70807)に記載されている。さらに、A
rabidopsis thaliana由来の高等真核生物テロメアを単離す
るための方法は、RichardsおよびAusubel(1988)により記
載されている。
高等真核生物は、複製起点として使用される特定の配列を保有しないが、代わ
りに染色体に沿って分布した無作為の部位からそれらのDNAを複製すると一般
に考えられている。Arabidopsisにおいて、細胞は、70kb毎にお
よそ1回で複製起点を形成すると考えられている(Van’t Hof,197
8)。従って、高等真核生物は、各染色体上に潜在的に無作為の位置で複製起点
を有しているので、特定の起点配列を記載することは不可能であるが、十分なサ
イズの植物DNAのセグメントは、細胞によって認識され、そして起点は構築物
上に作製されることが一般に推定される。例えば、70kbよりも大きなAra
bidopsisゲノムDNAの任意の片は、ARSを含むと予測される。組換
えベクター上にDNAのこのようなセグメントを含ませることによって、ARS
機能が、ベクターに提供され得る。さらに、多くのS.cerevisiae自
立複製配列が、配列決定されており、そしてARS機能を満たすために使用され
得る。1つの例は、Saccharomyces cerevisiae自立複
製配列ARS131A(GenBank番号L25319)である。多くの複製
起点もまた、配列決定されており、そしてE.coliからクローニングされて
おり、そして本発明に使用され得る(例えば、Col E1複製起点(Ohmo
riおよびTomizawa,1979;GenBank番号V00270))
。使用され得る1つのAgrobacterium起点は、RiA4である。A
grobacterium rhizogenes株A4のプラスミド中の複製
起点の局在は、Jouaninら(1985)により記載された。
((i)組換え構築物の調製における考慮)
基本的エレメントに加えて、陽性または陰性の選択植物マーカー(例えば、抗
生物質または除草剤耐性遺伝子)、および外来DNAの挿入のためのクローニン
グ部位が、含まれ得る。さらに、可視的マーカー(例えば、緑色蛍光タンパク質
)もまた、所望され得る。E.coli中でベクターを増殖させるために、テロ
メア間にスタッファー(stuffer)フラグメントを付加することによって
、線状分子を環状に変換することが必要である。E.coliプラスミド複製起
点および選択マーカーを含ませることもまた、好ましい。複製、および植物細胞
への移入を改善するために、Agrobacterium配列を含ませることも
また、所望され得る。本発明者らは、図7A〜7Hに多数の例示的なミニ染色体
構築物を記載したが、多くの変化が、これらの構築物に存在するエレメントの順
番および型においてなされ得、そして本発明の範囲において機能的なミニ染色体
をなお得ることは、当業者に明らかである。
酵母において複製する人工植物染色体もまた、この系により与えられる大きな
挿入能および反復DNA挿入物の安定性を利用して構築され得る(Burkeら
、1987を参照のこと)。この場合、酵母ARSおよびCEN配列は、ベクタ
ーに付加され得る。人工染色体は、テロメアを分離するスタッファーフラグメン
トを使用して、環状分子として酵母で維持される。
いかなる任意の供給源由来のDNAフラグメントも、精製され得、そして任意
の適切な制限エンドヌクレアーゼ切断部位でミニ染色体中に挿入され得る。この
DNAセグメントは、通常、このフラグメントによりコードされるタンパク質の
発現のために、種々の調節シグナルを含む。あるいは、ミニ染色体中に存在する
調節シグナルが、利用され得る。
挿入を達成するために必要とされる技術および手順は、当該分野において周知
である(Maniatisら、1982を参照のこと)。代表的には、これは、
環状プラスミドまたは線状DNAフラグメントを制限エンドヌクレアーゼの存在
下でインキュベートして、その結果、制限エンドヌクレアーゼがDNA分子を切
断することによって達成される。エンドヌクレアーゼは、ポリヌクレオチド鎖の
内部ホスホジエステル結合を優先的に破壊する。それらは、周囲のヌクレオチド
配列にかかわらず、比較的に非特異的に、ポリヌクレオチド結合を切断し得る。
しかし、特定のヌクレオチド配列のみを切断するエンドヌクレアーゼが、制限酵
素と呼ばれる。制限エンドヌクレアーゼは、一般的に、特定の認識部位でDNA
分子を内部切断し、これにより、多くの場合(しかし、全ての場合ではない)に
おいて、所定の点の周囲で2倍対称性を示す「認識」配列内で破壊を生じる。
多くのこれらの酵素は、スタッガード(staggered)切断を生成し、
突出している一本鎖5’または3’末端を有するDNAフラグメントを生じる。
このような端は、「粘着性(sticky)」または「粘着性(cohesiv
e)」といわれる。なぜなら、それらは、相補3’または5’端に水素結合する
からである。結果として、酵素(例えば、EcoRI)により生じる任意のDN
Aフラグメントの端は、その酵素により生じる任意の他のフラグメントとアニー
ルし得る。これは、例えば、外来遺伝子のプラスミドへのスプライシングを適切
に可能にする。本発明で特に有用であり得るいくつかの制限エンドヌクレアーゼ
としては、HindIII、PstI、EcoRI、およびBamHIが挙げら
れる。
いくつかのエンドヌクレアーゼは、平滑端を有する、すなわち任意の突出して
いる一本鎖を欠損するフラグメントを作製する。平滑端を作製する別の様式は、
突出を残すがポリメラーゼ(例えば、クレノー)でこの突出を埋めて、それによ
って平滑端を生じる、制限酵素を使用することである。DNAが同じ位置で両方
の鎖にわたって切断する制限酵素を用いて切断された場合に、平滑端の連結が、
このフラグメントを直接的に一緒に連結するために使用され得る。この技術の利
点は、端の任意の対が、配列にかかわらず一緒に連結され得るということである
末端ヌクレオチドを優先的に破壊するヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼと
いわれる。例えば、小さな欠失が、DNAの各3’端から始まり、そして3’〜
5’の方向で一本鎖を除去して、各端で一本鎖フラグメントを有するDNA分子
の集団(いくつかは、末端ヌクレオチドを含む)を生成するエキソヌクレアーゼ
を用いる処理によって、任意のDNA分子において生成され得る。同様に、5’
端からDNAを消化するエキソヌクレアーゼ、または両方の鎖からヌクレオチド
を除去する酵素が、しばしば、使用されてい得る。本発明に特に有用であり得る
、いくつかのエキソヌクレアーゼとしては、Bal31、SI、およびExoI
IIが挙げられる。これらの核酸分解反応は、インキュベーション時間、温度、
および欠失を作製するために必要とされる酵素濃度を変動させることによって制
御され得る。ホスファターゼおよびキナーゼはまた、どのフラグメントが連結さ
れ得る端を有するかを制御するために使用され得る。有用なホスファターゼの例
としては、エビアルカリホスファターゼ、および仔ウシ腸アルカリホスファター
ゼが挙げられる。有用なキナーゼの例は、T4ポリヌクレオチドキナーゼである
。 一旦、供給源DNA配列およびベクター配列が適切な末端を生じるように切
断され、改変されると、これらは、2つのDNA分子のライゲーションを媒介し
得る酵素とともにインキュベートされる。この目的のために特に有用な酵素には
、T4リガーゼ、E.coliリガーゼ、または他の類似の酵素が挙げられる。
これらの酵素の作用は、直鎖状DNAのシーリングを生じ、所望のフラグメント
を含むより大きなDNA分子を産生する(例えば、米国特許第4,237,22
4号;同第4,264,731号;同第4,273,875号;同第4,322
,499号および同第4,336,336号を参照のこと。これらは、本明細書
中において参考として具体的に引用される)。
直鎖状のプラスミドの終端および挿入されるDNAフラグメントの終端が、ラ
イゲーション反応が成功するために、相補的であるかまたは平滑末端でなければ
ならないことが理解される。適切な相補性は、適切な制限エンドヌクレアーゼを
選択することによって達成され得る(すなわち、フラグメントが同じ制限エンド
ヌクレアーゼによって産生されるか、またはプラスミドを直線化するために使用
されるのと同じ突出(overhang)を生成する制限エンドヌクレアーゼに
よって産生される場合、両方の分子の終端は相補的である)。以前に議論したよ
うに、本発明の1つの実施形態において、本発明に使用される少なくとも2つの
クラスのベクターが、外来オリゴヌクレオチドフラグメントを1つの方向のみで
受容するように適合される。次いで、DNAセグメントをベクターに結合した後
に、得られたハイブリッドDNAを、大きな集団のクローンまたはライブラリー
から選択し得る。
DNA配列の分子クローニングに有用な方法には、高分子量のゲノムDNAの
供給源から、独立して複製可能なベクターDNA分子へフラグメント化された、
DNAセグメントのインビトロ結合を含む。クローニングベクターには、プラス
ミドDNA(Cohenら、1973を参照のこと)、ファージDNA(Tho
masら、1974を参照のこと)、SV40 DNA(Nussbaumら、
1976を参照のこと)、酵母DNA、E.coli DNA、および最も重要
に植物DNAが挙げられ得る。
形質転換(すなわち、異種DNA配列を宿主細胞に挿入し、これによって宿主
が挿入された配列の効率的な発現が可能になる)を行うのに有用であり得る種々
のプロセスが公知である。
((ii)調節エレメント)
本発明の1つの実施形態において、構築物は、植物プロモーター、例えば、C
aMV 35Sプロモーター(Odellら、1985)、またはCaMV 1
9Sのような他のもの(Lawtonら、1987)、nos(Ebertら、
1987)、Adh(Walkerら、1987)、ショ糖シンターゼ(Yan
gおよびRussell、1990)、a−チューブリン、アクチン(Wang
ら、1992)、cab(Sullivanら、1989)、PEPCase(
HudspethおよびGrula、1989)あるいはR遺伝子複合体と関連
するもの(Chandlerら、1989)を含み得る。根細胞プロモーターの
ような組織特異的なプロモーター(Conklingら、1990)および組織
特異的なエンハンサー(Frommら、1989)はまた、有用であると意図さ
れ、ABA誘導性プロモーターおよびトルゴール誘導性プロモーターのような誘
導性プロモーターも同様である。本発明の特定の実施形態において、Lat52
プロモーターが使用され得る(Twellら、1991)。特に有用な組織特異
的プロモーターは、SCARECROW(Scr)根特異的プロモーター(Di
Laurenzioら、1996)である。
転写開始部位とコード配列の開始との間のDNA配列(すなわち、非翻訳リー
ダー配列)は、遺伝子発現に影響し得る。従って、特定のリーダー配列を使用す
ることも望み得る。
機能性遺伝子が、新規なプロモーターまたはエンハンサーなど、あるいはおそ
らく相同なまたは組織特異的な(例えば、根特異的、襟/鞘特異的、輪生体特異
的、茎特異的、earshank特異的、または仁(莢、穀粒(kernel)
)特異的または葉特異的)プロモーターエレメントまたは制御エレメントの制御
下で導入され得る。本発明の特定の実施形態において、機能性遺伝子は、プロモ
ーターに対してアンチセンス配向であり得る。
((ii)ターミネーター)
転写を終結させ、そしてコード配列により産生されるmRNAのポリアデニル
化を可能にするシグナルとして作用する3’末端DNA配列に機能性遺伝子を連
結することも望ましくあり得る。このようなターミネーターは、機能性遺伝子の
ネイティブなターミネーターであり得るか、あるいは、異種の3’末端であり得
る。本発明とともに使用され得るターミネーターの例は、Agrobacter
ium tumefaciensのノパリンシンターゼ遺伝子由来のターミネー
ター(nos 3’末端)(Bevanら、1983)、Agrobacter
ium tumefaciensのオクトピンシンターゼ遺伝子由来のT7転写
に対するターミネーター、およびジャガイモまたはトマト由来のプロテアーゼイ
ンヒビターIまたはIIの3’末端である。
((iii)マーカー遺伝子)
本発明に従って1つ以上のマーカー遺伝子を使用することが望ましくあり得る
。このようなマーカーは、原核生物系、下等真核生物系または高等真核生物系に
おける使用に適合され得るか、または前出のクラスの生物の任意の組み合わせに
おける使用に可能であり得る。選択可能マーカータンパク質またはスクリーニン
グマーカータンパク質を使用することによって、形質転換体を同定する能力が提
供または向上され得る。「マーカー遺伝子」は、マーカータンパク質を発現する
細胞に別の表現形を与え、従って、このような形質転換された細胞が、マーカー
を有さない細胞から区別され得る遺伝子である。このような遺伝子は、マーカー
が化学的手段(すなわち、選択的な試薬(例えば、除草剤、抗生物質など)の使
用)によって「選択」され得る特性を与えるか否か、あるいは単純に、観察また
は試験(すなわち、「スクリーニング」(例えば、緑色蛍光タンパク質))によ
って同定され得る特性であるか否かに依存して、選択可能マーカーまたはスクリ
ーニングマーカーのいずれかをコードし得る。もちろん、適切なマーカータンパ
ク質の多くの例が当該分野で公知であり、本発明の実施において使用され得る。
形質転換された細胞を同定または選択する手段としてその分泌が検出され得る
「分泌可能マーカー」をコードする遺伝子もまた、用語選択可能マーカーまたは
スクリーニングマーカーに含まれる。例としては、抗体相互作用によって同定さ
れ得る分泌可能抗原であるマーカー、または触媒活性によって検出され得る分泌
可能酵素であるマーカーが挙げられる。分泌可能タンパク質は、多くのクラスに
分類され、これには、例えば、ELISAによって検出可能な小さな拡散性のタ
ンパク質;細胞外溶液中で検出可能な小さな活性酵素(例えば、α−アミラーゼ
、β−ラクタマーゼ、フォスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ);お
よび細胞壁に挿入または捕捉されるタンパク質(例えば、エクステンシンまたは
タバコPR−Sの発現ユニットに見出されるようなリーダー配列を含むタンパク
質)が挙げられる。
選択可能分泌可能マーカーに関して、細胞壁に隔離されるタンパク質をコード
し、そのタンパク質が独特のエピトープを含む遺伝子の使用は、特に有利である
と考えられる。このような分泌された抗原マーカーは、植物組織における低いバ
ックグラウンドを提供するエピトープ配列、効率的な発現および原形質膜を横切
る標的化を与えるプロモーター−リーダー配列を理想的に使用し、そして細胞壁
に結合され、依然として抗体にアクセス可能であるタンパク質を産生する。独特
のエピトープを含むように改変される通常分泌される壁タンパク質は、このよう
な要件全てを満たす。
(1.選択可能マーカー)
多くの選択可能マーカー遺伝子は、本発明に従って使用され得、これには、n
eo(Potrykusら、1985)(カナマイシン耐性を提供し、カナマイ
シン、G418、パロモマイシンなどを使用するために選択され得る);bar
(bialaphosまたはホスフィノスリシン耐性を与える);変異EPSP
シンターゼタンパク質(Hincheeら、1988)(グリフォセート耐性を
与える);ブロモキシニルに対する耐性を与えるKlebsiella oza
enae由来のbxnのようなニトリラーゼ(Stalkerら、1988);
変異アセトラクテートシンターゼ(ALS)(イミダゾリノン、スルホニルウレ
アまたは他のALS阻害化学物質に対する耐性を与える)(欧州特許出願154
,204、1985);メトトレキセート耐性DHFR(Thilletら、1
988)、dalaponデハロゲナーゼ(除草剤dalaponに対する耐性
を与える);または変異アントラニレートシンターゼ(5−メチルトリプトファ
ンに対する耐性を与える)が挙げられるが、これらには限定されない。変異EP
SPシンターゼが使用される場合、適切な葉緑体通過(transit)ペプチ
ド、CTP(米国特許第5,188,642号)またはOTP(米国特許第5,
633,448号)の組込みおよび改変トウモロコシEPSPS(PCT出願W
O97/04103)の使用によるさらなる利点が理解され得る。
形質転換体を選択するための系において使用され得る選択可能マーカーの例示
的な実施形態は、Streptomyces hygroscopicus由来
のbar遺伝子またはStreptomyces viridochromog
enes由来のpat遺伝子のような酵素ホスフィノスリシンアセチルトランス
フェラーゼをコードする選択可能マーカーである。酵素ホスフィノスリシンアセ
チルトランスフェラーゼ(PAT)は、除草剤bialaphos、ホスフィノ
スリシン(PPT)中の活性成分を不活性化する。PPTは、グルタミンシンタ
ーゼを阻害(Murakamiら、1986;Twellら、1989)し、素
早いアンモニアの蓄積そして細胞死を引き起こす。選択可能マーカー遺伝子とし
て、プロトプラスト由来の除草剤耐性稲の産生のためのbarの使用は、Rat
horeら、(1993)によって記載された。
多数のS.cerevisiaeマーカーもまた公知であり、本発明とともに
使用され得、例えば、HIS4遺伝子(Donahueら、1982;GenB
ank番号J01331)が挙げられる。クローン化され、配列決定され、本発
明に従って使用され得るE.coliマーカー遺伝子の例は、Ap遺伝子であり
、これは、ampacillinのようなβラクタム抗生物質に対する耐性を与
える(GenBank受託番号U66885のヌクレオチド4618〜5478
)。
(2.スクリーニングマーカー)
使用され得るスクリーニングマーカーには、β−グルクロニダーゼ(GUS)
またはuidA遺伝子(種々の色素形成基質が公知の酵素をコードする);R座
遺伝子(植物組織においてアントシアニン色素(赤色)の産生を調節する産物を
コードする)(Dellaportaら、1988);β−ラクタマーゼ遺伝子
(Sutcliffe、1978)(種々の色素形成基質が公知である酵素(例
えば、PADAC、色素形成セファロスポリン)をコードする);xylE遺伝
子(Zukowskyら、1983)(色素形成カテコールを変換し得るカテコ
ールジオキシゲナーゼをコードする);α−アミラーゼ遺伝子(Ikutaら、
1990);チロシナーゼ遺伝子(Katzら、1983)(チロシンをDOP
Aおよびドパキノンに酸化し得る酵素をコードし、次いで、これは濃縮して容易
に検出可能な化合物メラニンを形成する);β−ガラクトシダーゼ遺伝子(色素
形成基質が存在する酵素をコードする);ルシフェラーゼ(lux)遺伝子(O
wら、1986)(バイオルミネセンス検出を可能にする);エクオリン遺伝子
(Prasherら、1985)(カルシウム感受性バイオルミネセンス検出に
使用され得る);または緑色蛍光タンパク質をコードする遺伝子(Sheenら
、1995;Haseloffら、1997;Reichelら、1996;T
ianら、1997;WO97/41228)が挙げられる。
トウモロコシR遺伝子複合体由来の遺伝子もまた、スクリーニング可能なマー
カーとして使用され得る。トウモロコシのR遺伝子複合体は、大部分の種子およ
び植物の組織におけるアントシアニン色素の産生を調節するように作用するタン
パク質をコードする。トウモロコシの株は、1つまたは4つもの多さのR対立遺
伝子を有し得、これは、発生および組織特異的方法で色素沈着を調節するために
合わさる。従って、このような細胞に導入されるR遺伝子は、赤色色素の発現を
引き起こし、安定に組み込まれる場合、赤色セクターとして視覚的に得点付され
得る。トウモロコシ株が、アントシアニン生合成経路における酵素中間体(C2
、A1、A2、BzlおよびBz2)をコードする遺伝子に対する優性な対立遺
伝子を保有するが、R座に劣性の対立遺伝子を保有する場合、Rでのその株由来
の任意の細胞の形質転換は、赤色色素形成を生じる。例示的な株には、Wisc
onsin 22(rg−Stadler対立遺伝子およびTR112を含む)
、K55誘導体(r−g、b、Plである)が挙げられる。あるいは、C1およ
びRの対立遺伝子が一緒に導入される場合、トウモロコシの任意の遺伝子型が利
用され得る。
本発明における使用を意図される別のスクリーニングマーカーは、lux遺伝
子によってコードされる、ホタルルシフェラーゼである。形質転換された細胞に
おけるlux遺伝子の存在は、例えば、X線フィルム、シンチレーション計測、
蛍光分光測光法、微光(low−light)ビデオカメラ、フォトン計測カメ
ラまたはマルチウェル照度計を使用して検出され得る。この系が組織培養プレー
トのようなバイオルミネセンスのための集団的(populational)ス
クリーニングのために、または全植物スクリーニングのために開発され得ること
も想定される。緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子は、特定の有
用なレポーター遺伝子として意図される(Sheenら、1995;Hasel
offら、1997;Reichelら、1996;Tianら、1997;W
O97/41228)。緑色蛍光タンパク質の発現は、特定の波長の光による照
射に従う蛍光として細胞または植物において視覚化され得る。
(3.ネガティブ選択可能マーカー)
選択され得る特性をコードする遺伝子の導入は、細胞由来のミニ染色体(mi
nichrosome)を除くため、または特定のミニ染色体を含む細胞を選択
するために有用であり得る。調査されたネガティブな選択可能マーカーの例は、
酵素シトシンデアミナーゼ(Stouggard、1993)である。この酵素
の存在下では、化合物5−フルオロシトシンは、植物および動物の細胞に毒性で
ある5−フルオロウラシルに変換される。従って、この遺伝子とともにミニ染色
体を含む細胞は、直接選択され得る。植物に特定の化合物に対する感受性を与え
るタンパク質をコードする他の遺伝子はまた、この文脈において有用である。例
えば、Agrobacterium tumefaciens由来のT−DNA
遺伝子2は、α−ナフタレンアセトアミド(NAM)をα−ナフタレン酢酸(N
AA)への変換を触媒するタンパク質をコードし、植物を高濃度のNAMに感受
性にする(Depickerら、1988)。
(V.植物からのセントロメアの単離)
本発明者らは、初めて、植物セントロメアの核酸配列を提供した。これによっ
て、当業者は、潜在的に任意の種由来のセントロメア配列を得ることができる。
本発明者らは、このようなセントロメアを単離するために使用され得る多くの方
法を、本明細書中以下に提供する。
((i)保存配列の利用)
本発明者らによって同定された多数のセントロメア配列はまた、本発明者らに
よって高度に保存されることが示された(例えば、実施例5B、表3および表4
を参照のこと)。従って、多くの遺伝子がArabidopsisセントロメア
内に存在するという本発明者らの新規な発見は、他の生物における合成遺伝子を
発見するために使用され得る(すなわち、種から種への遺伝子順において進化的
に保存された関係)。例えば、それぞれのArabidopsis遺伝子の配列
は、他の植物由来の配列データベースによる探索に使用され得る。使用され得る
このような配列の例示的なリストは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配
列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配
列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列
番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番
号20、および配列番号21によって与えられる配列である。表3および4に列
挙される遺伝子もまた有用である。同一または類似の遺伝子を発見することによ
って、セントロメア領域内またはその近くに存在し得る候補を同定する。連結さ
れたマーカーを使用するこれらの遺伝子のマッピングは、潜在的なセントロメア
領域を同定する。
セントロメア配列を得るためにハイブリダイゼーションが使用される場合、ヘ
テロ二本鎖の形成を可能にするためによりストリンジェントではないハイブリダ
イゼーション条件を使用することが望ましくあり得る。これらの状況において、
約0.15M〜約0.9Mの塩、約20℃〜約55℃の範囲の温度のような条件
を使用することが望ましくあり得る。これによって、交差ハイブリダイゼーショ
ン種は、制御ハイブリダイゼーションに関してポジティブハイブリダイゼーショ
ンシグナルとして容易に同定され得る。いかなる場合でも、増加した温度または
減少した塩と同じ様式で、ハイブリッド二重鎖を不安定化するのに役立つ、ホル
ムアミドの増加した量の添加によって、条件はよりストリンジェントにされ得る
ことが一般的に理解される。このように、ハイブリダイゼーション条件は、容易
に操作され得、従って、所望の結果に依存した選択方法が一般的にある。
((ii)セントロメア関連特徴の同定)
第2の方法は、本発明者らがArabidopsisセントロメアおよび隣接
するペリセントロメアの領域に発見した独特のDNAの性質についての利点を利
用する。セントロメアは、10〜70%のレトロエレメント、15%までの偽遺
伝子および29%までのトランスポゾンである領域によって隣接される180b
pの反復の長いアレイから構成される(図12A〜Tを参照のこと)。これはセ
ントロメアについて独特である。なぜなら、レトロエレメント、トランスポゾン
および偽遺伝が、セントロメア領域およびペリセントロメア領域の外側では非常
に稀であるからである。さらに、遺伝子密度は、染色体腕上4.5kbごとに1
遺伝子の平均から、セントロメアでは150kbにつき1遺伝子に減少する。こ
の独特のセントロメア組成は、多数の方法で開拓され得、他の種におけるセント
ロメア領域を、例えば、以下のように見出し得る:
1)レトロエレメント、トランスポゾン、反復DNAエレメントおよび偽遺伝
子に特異的なマーカーは、類似のエレメントとともに密な領域を遺伝的にマップ
するために工夫され得る。
2)第2の方法は、インサイチュハイブリダイゼーション、好ましくは、蛍光
インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を含む。特定の種に対してネ
イティブな、レトロエレメント、トランスポゾンおよび/または反復DNAから
なる、蛍光的に標識されるDNAプローブは、顕微鏡と組み合わせられ得、Ar
abidopsisセントロメアにおいて発見されたものと類似の%のDNAエ
レメントを有する染色体の部分を同定し得る。
3)配列データベースを利用して、本発明者らによって同定されるArabi
dopsisの組成に類似した、増加した数の反復DNA、偽遺伝子、レトロエ
レメントおよびトランスポゾンを有するゲノムの領域は、セントロメア性の生物
の染色体の領域を同定するために使用され得る。
((iii)セントロメア関連タンパク質の利用)
第3の方法は、公知のセントロメアタンパク質またはセントロメアタンパク質
を免疫沈降する工程および結合したDNAを分析する工程を包含する。セントロ
メアタンパク質に特異的な抗体は、細胞から抽出されたタンパク質でインキュベ
ートされ得る。抽出物は、ネイティブであっても、DNAをタンパク質に架橋す
るために先に処理されていてもよい。抗体および結合タンパク質は、タンパク質
抽出物から精製され得、DNAが単離され得る。次いで、DNAは、FISH(
上で議論したように)のためのプローブとして使用され得るか、または隣接セン
トロメア配列を見つけ出すためにライブラリーをプローブするために使用され得
る。
(1.セントロメア関連タンパク質特異的抗体)
初めてセントロメア関連遺伝子を同定することによって、本発明者らは、この
ようなセントロメア関連遺伝子によってコードされるタンパク質に対する抗体の
産生を可能にした。抗体は、本発明のセントロメア関連タンパク質に結合するモ
ノクローナルまたはポリクローナルのいずれかであり得る。抗体のセントロメア
関連タンパク質標的は、セントロメア領域に結合するタンパク質を含む。さらに
、セントロメア関連タンパク質特異的抗体がセントロメア関連タンパク質のさら
なる単離および特徴付けを可能にすることが、詳細には意図される。例えば、セ
ントロメアによってコードされるタンパク質が単離され得る。このようなタンパ
ク質の組換え産生は、抗体の産生に対する抗原の供給源を提供する。
あるいは、セントロメアは、アフィニティ方法を使用して、セントロメア結合
タンパク質を単離するためのリガンドとして使用され得る。一旦単離されると、
これらのタンパク質は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の産生の
ための抗原として使用され得る。この技術のバリエーションは、セントロメアの
近傍に結合する抗体の使用によるセントロメア関連タンパク質のクローニングに
よって、Rattner(1991)によって示されている。
抗体を調製しそして特徴付けるための手段は、当該分野で周知である(例えば
、Antibodies:A Laboratory Manual,Cold
Spring Habor Laboratory、1988を参照のこと;
これは本明細書中で参考として援用される)。モノクローナル抗体(mAb)を
産生するための方法は、一般的に、ポリクローナル抗体を調製するための方法と
同じ株から始まる。手短には、ポリクローナル抗体は、本発明に従って動物を免
疫原性組成物を用いて免疫し、そしてその免疫された動物から抗血清を回収する
ことによって調製される。幅広い範囲の動物種は、抗血清の産生のために使用さ
れ得る。典型的には、抗血清の産生のために使用される動物は、ウサギ、マウス
、ラット、ハムスター、モルモットまたはヤギである。ウサギは、操作の容易さ
、維持および比較的多量の血液量のために、ポリクローナル抗体の産生に好まし
い選択である。
当業者に周知なように、所与の組成物は、その免疫原性において種々であり得
る。従って、宿主免疫系をブーストすることがしばしば必要であり、これは、ペ
プチドまたはポリペプチド免疫原をキャリアに結合することによって達成され得
る。例示的および好ましいキャリアは、キーホールリンペットヘモシアニン(K
LH)およびウシ血清アルブミン(BSA)である。オボアルブミン、マウス血
清アルブミンまたはウサギ血清アルブミンのような他のアルブミンもまた、キャ
リアとして使用され得る。ポリペプチドをキャリアタンパク質に結合するための
手段は、当該分野で周知であり、グルタルアルデヒド、m−マレイミドベンコイ
ル(maleimidobencoyl)−N−ヒドロキシスクシンイミドエス
テル、カルボジイミドおよびビスビアゾ化ベンジジンを含む。
特定の免疫原性組成物の免疫原性が、アジュバントとして公知の、免疫応答の
非特異的な刺激物質の使用によって高められ得ることもまた、当該分野において
周知である。例示的および好ましいアジュバントには、完全フロイントアジュバ
ント(殺されたMycobacterium tuberculosisを含む
、免疫応答の非特異的刺激物質)、不完全フロイントアジュバントおよび水酸化
アルミニウムアジュバントが挙げられる。
ポリクローナル抗体の産生に使用される免疫原性組成物の量は、免疫原および
免疫化に使用される動物の性質により変化する。種々の経路が、免疫原を投与す
る(皮下、筋内、皮内、静脈内、腹腔内)ために使用され得る。ポリクローナル
抗体の産生は、免疫に続いて、種々の時点で免疫された動物の血液をサンプリン
グすることによってモニターされ得る。第2の、ブースト注入が与えられ得る。
ブーストおよび滴定のプロセスは、適切な滴定が達成されるまで繰り返される。
望ましいレベルの免疫原性が得られる場合、免疫された動物は、放血され得、血
清が単離され、そして保管され、そして/または動物はmAbを産生するために
使用され得る。
モノクローナル抗体は、米国特許第4,196,265号(本明細書中におい
て参考として援用する)に例示されるような周知の技術の使用によって容易に調
製され得る。典型的には、この技術は、適切な動物を選択された免疫原性組成物
(例えば、精製されたかまたは部分的に精製された、ミニ染色体関連のタンパク
質、ポリペプチドまたはペプチド)を免疫することを包含する。免疫組成物を、
抗体産生細胞を刺激するのに効果的な様式で投与される。マウスおよびラットの
ようなゲッ歯動物が好ましい動物であるが、ウサギ、ヒツジまたはカエルの細胞
の使用もまた可能である。ラットの使用は、特定の利点(Goding 198
6)を提供し得るが、マウスが好ましく、BALB/cマウスが最も好ましい。
なぜなら、このBALB/cマウスは慣用的に使用され、高いパーセンテージの
安定な融合を与えるからである。
免疫に続いて、抗体を産生する潜在性を有する体細胞(詳細には、Bリンパ球
(B細胞))を、mAb産生プロトコルにおける使用のために選択する。これら
の細胞は、生検脾臓、扁桃またはリンパ節から、または末梢血サンプルから得ら
れ得る。脾臓細胞および末梢血細胞が好ましく、前者は、これらが、分割形質芽
細胞段階にある抗体産生細胞のリッチな供給源でありからであり、後者は、末梢
血が容易にアクセス可能であるからである。しばしば、動物のパネルは、免疫さ
れ、そして最も高い抗体滴定を有する動物の脾臓が除かれ、脾臓リンパ球が、シ
リンジを用いて脾臓をホモジナイズすることによって得られる。典型的には、免
疫されたマウス由来の脾臓は、約5×107〜2×108のリンパ球を含む。
次いで、免疫された動物由来の抗体産生Bリンパ球を、不死化ミエローマ細胞
の細胞(一般的に、免疫された動物と同じ種の1つ)と融合する。ハイブリドー
マ産生融合手順における使用に適切なミエローマ細胞株は、好ましくは、非抗体
産生性であり、高い融合効率を有し、そして望ましい融合細胞(ハイブリドーマ
)のみの増殖を支持する特定の選択培地における増殖を不可能にする酵素欠損で
ある。
多数のミエローマ細胞の任意の1つが、当業者に公知なように使用され得る(
Goding 1986;Campbell 1984)。例えば、免疫動物が
マウスである場合、P3−X63/Ag8、X63−Ag8.653、NS1/
1.Ag 4 1、Sp210−Ag14、FO、NSO/U、MPC−11、
MPC11−X45−GTG 1.7およびS194/5XX0 Bulが使用
され得;ラットについては、R210.RCY3、Y3−Ag 1.2.3、I
R983F、および4B210が使用され得;そしてU−266、GM1500
−GRG2、LICR−LON−HMy2およびUC729−6が全てヒト細胞
融合と関連して有用である。
1つの好ましいマウスミエローマ細胞は、NS−1ミエローマ細胞株(P3−
NS−1−Ag4−1とも呼ばれる)であり、これは、細胞株貯蔵番号GM35
73を要求することによって、NIGMS Human Genetic Mu
tant Cell Repositoryから容易に入手可能である。使用さ
れ得る別のマウスミエローマ細胞株は、8−アザグアニン耐性マウス(mous
e murin)ミエローマSP2/0非プロデューサー細胞株である。
抗体産生脾臓またはリンパ節細胞およびミエローマ細胞のハイブリッドを産生
するための方法は、通常、体細胞とミエローマ細胞とを2:1の比で(この比は
、それぞれ約20:1〜約1:1で変化し得るが)、細胞膜の融合を促進する因
子(化学的または電気的)の存在下で混合する工程を包含する。Sendaiウ
イルスを使用する融合方法は、(Kohlerら、1975;1976)に記載
され、ポリエチレングリコール(PEG)(例えば、37%(v/v)PEG)
を使用する方法が(Gefterら、1977)に記載される。電気的に誘導さ
れる融合方法の使用はまた、適切である(Goding 1986)。
融合手順は、一般的に、低い頻度(約1×10-6〜1×10-8)で生存可能な
ハイブリッドを産生する。しかし、これは、問題を生じない。なぜなら、この生
存可能な、融合ハイブリッドは、選択的な培地において培養することによって、
もとの融合されていない細胞(特に、通常は、無限に分裂を続ける、融合されて
いない骨髄腫細胞)から区別されるからである。選択的な培地は、一般的に、組
織培養培地における、ヌクレオチドの新たな合成をブロックする薬剤を含む培地
である。例示的かつ好ましい薬剤は、アミノプテリン、メトトレキセート、およ
びアザセリンである。アミノプテリンおよびメトトレキセートは、プリンおよび
ピリミジンの両方の新たな合成をブロックし、一方、アザセリンは、プリン合成
のみをブロックする。アミノプテリンまたはメトトレキセートが使用される場合
、この培地は、ヌクレオチド源としてヒポキサンチンおよびチミジンを追加され
る(HAT培地)。アザセリンが使用される場合、培地は、ヒポキサンチンが追
加される。
好ましい選択培地は、HATである。ヌクレオチド回収経路を作動し得る細胞
のみが、HAT培地中で生存し得る。骨髄腫細胞は、回収経路の重要な酵素(例
えば、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT))を欠き
、これらは生存し得ない。B細胞は、この経路を作動し得るが、これらは、培養
物中で限定された寿命を有し、一般的に約2週間以内に死滅する。従って、骨髄
腫細胞およびB細胞から形成されたこれらのハイブリッドのみが、選択的な培地
中で生存し得る細胞である。
この培養は、そこから特定のハイブリドーマが選択されるハイブリドーマの集
団を提供する。代表的に、ハイブリドーマの選択は、マイクロタイタープレート
における単一クローン希釈によって細胞を培養し、次いで個々のクローン上清を
、(約2〜3週間後に)所望の反応性について試験することによって行われる。
このアッセイは、感度がよく、単純であり、そして迅速であるべきである(例え
ば、放射性免疫アッセイ、酵素免疫アッセイ、細胞傷害性アッセイ、プラークア
ッセイ、ドット免疫結合アッセイなど)。
次いで、選択されたハイブリドーマは、連続的に希釈され、そして個々の抗体
産生細胞株にクローン化され、次いでこのクローンは、無限に増殖されてmAb
を提供する。この細胞株は、2つの基本的な方法で、mAb産生のために利用さ
れ得る。ハイブリドーマのサンプルは、最初の融合のための体細胞および骨髄腫
細胞を提供するために使用された型の、組織適合性の動物に(しばしば、腹腔内
に)注射され得る。注射された動物は、融合細胞ハイブリッドによって産生され
た特定のモノクロナール抗体を分泌する腫瘍を生じる。次いで、この動物の体液
(例えば、血清または腹水)は、高濃度でmAbを提供するために引き出され得
る。個々の細胞株はまた、インビトロで培養され得るが、mAbは、それらが容
易に高濃度で得られ得る培養培地中で、自然に分泌される。いずれかの手段によ
って産生されるmAbは、所望の場合、濾過、遠心分離および種々のクロマトグ
ラフ方法(例えば、HPLCまたはアフィニティークロマトグラフィー)を用い
て、さらに精製され得る。
(2.ELISAおよび免疫沈降)
ELISAは、例えば、候補セントロメア配列におけるセントロメア関連タン
パク質の発現の同定において、本発明と共に使用され得る。従って、このような
アッセイは、Arabidopsis以外の種からのセントロメアの単離を容易
にし得る。保存された、セントロメア関連コード配列を同定することによって、
本発明者らは、このようなスクリーニングのための重要な手段を提供してきた。
ELISAアッセイにおいては、ミニ染色体コードタンパク質抗原配列を含む
タンパク質またはペプチドは、選択された表面(好ましくは、タンパク質親和性
を示す表面(例えば、ポリスチレンマイクロタイタープレートのウェル))に固
定される。不完全に吸着した物質を除去するための洗浄後、アッセイプレートウ
ェルに、試験抗血清に関して抗原的に中性であることが知られている非特異的タ
ンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼインまたは粉乳の溶液
)を結合させるか、またはこれらでコートすることが望ましい。これは、固定化
表面上の非特異的吸着部位をブロックすることを可能にし、従って、抗血清の表
面への非特異的結合によって生じたバックグラウンドを減少させる。
抗原性物質のウェルへの結合、バックグラウンドを減少させるための非反応性
物質でのコーティング、および非結合物質を除去するための洗浄の後、固定化表
面は、免疫複合体(抗原/抗体)形成を導く様式で試験されるべき抗血清または
臨床的抽出物もしくは生物学的抽出物と接触される。このような条件は、好まし
くは、抗血清を、希釈剤(例えば、BSA、ウシγグロブリン(BGG)および
リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)/Tween(登録商標))で希釈する工程
を包含する。これらの添加された薬剤はまた、非特異的バックグラウンドの減少
に役立つ傾向がある。次いで、層状の抗血清は、約2〜約4時間、好ましくは、
約25℃〜約27℃のオーダーの温度でインキュベートされる。インキュベーシ
ョンの後、抗血清接触表面は、非免疫複合体化物質を除去するために洗浄される
。好ましい洗浄手順は、PBS/Tween(登録商標)またはホウ酸塩緩衝液
のような溶液で洗浄する工程を包含する。
試験サンプルと結合抗原との間の特定的免疫複合体の形成、および次の洗浄の
後、発生および等量の免疫複合体形成は、第1の抗体に対する特異性を有する第
2の抗体を、同じ手順に供することによって決定され得る。検出手段を提供する
ために、第2の抗体は、好ましくは、適切な色素生産性基質とのインキュベーシ
ョンの際に、色または光を発生する関連した酵素を有する。従って、例えば、抗
血清結合表面を、ウレアーゼまたはペルオキシダーゼ結合抗ヒトIgGと、免疫
複合体形成の発生を支持する時間および条件下で接触させ、そしてインキュベー
トする(例えば、PBS含有溶液中、室温で2時間のインキュベーション)こと
が望ましい。
第2の酵素標識化抗体とのインキュベーション、および非結合物質を除去する
ための次の洗浄後、標識の量は、色素生産性基質(例えば、酵素標識としてペル
オキシダーゼの場合、尿素およびブロモクレゾールパープル、または2,2’−
アジノ−ジ−(3−エチル−ベンズチアゾリン)−6−スルホン酸(ABTS)
およびH22)とのインキュベーションによって定量化される。次いで、定量化
は、発色の程度を(例えば、可視スペクトル分光測定器を用いて)測定すること
によって達成される。
(3.ウエスタンブロット)
セントロメア結合抗体は、イムノブロットまたはウエスタンブロット分析にお
ける使用(例えば、固体支持体マトリックス(例えば、ニトロセルロース、ナイ
ロンまたはそれらの組み合わせ)上に固定化されたタンパク質の同定のため)を
見出し得る。免疫沈降と共に、ゲル電気泳動の後、これらは、抗原の検出におけ
る使用のための単一工程の試薬として使用され得、抗原の検出において使用され
るこの抗原に対する第2の試薬は、有害なバックグラウンドを引き起こす。これ
は、研究される抗原が免疫グロブリン(免疫グロブリン結合細菌細胞壁成分の使
用を除く)である場合に特に有用であり、研究される抗原は、検出薬剤と交差反
応するか、またはこれらは、交差反応シグナルとして、同じ相対分子量で移動す
る。
ウエスタンブロットと共に使用するための免疫学に基づく検出方法(タンパク
質部分に対する、酵素学的標識化、放射標識化、または蛍光標識化二次抗体を含
む)は、この点における特定の使用であると考えられる。
((iv)遺伝子マッピングに基づくアプローチ)
Arabidopsisにおけるセントロメアの同定のために本明細書中で概
説される、遺伝子マッピング技術は、他の種における使用を見出し得る。1つの
局面においては、これは、Arabidopsis染色体と他の種の染色体との
間のシンテニーに基づいて、本明細書中に提供されるマッピングデータの実際の
使用を包含する。さらに、本明細書中に記載される技術を用いて、新しいマッピ
ングデータが得られ得る。例えば、四分子を作製する任意の植物においては、四
分子分析について本明細書中に記載される詳細な手順は、セントロメアの単離の
ために使用され得る。手短には、四分子分析は、個々の減数分裂の4つの産物す
べてを分析することによって、遺伝マーカーとセントロメアとの間の組換え頻度
を測定する。特定の利点は、Arabidopsisにおけるquartet(
qrt 1)変異から生じ、これは、付着したままのArabidopsisに
おける花粉母細胞の減数分裂の4つの産物を引き起こす。
Arabidopsisに加えて、いくつかの天然に存在する植物種は、花粉
クラスターを放出することが知られており、これらの植物としては、スイレン、
ガマ、ヒース(EricaceaeおよびEpacridceae)、オオマツ
ヨイグサ(Onagraceae)、モウセンゴケ(Droseraceae)
、ラン(Orchidaceae)、ならびにアカシア(Mimosaceae
)が挙げられる(Preuss 1994、Smyth 1994)。しかし、
これらの種は、実験系に開発されておらず、これらの使用は、遺伝的分析に限定
される。しかし、quartet変異のクローニングおよび導入、または非変異
Quartet遺伝子のアンチセンスコピーは、潜在的に任意の種における四分
子分析の使用を可能にし得ることが、本発明者らによって予想される。
RFLP分析と組み合わせたサザンゲノムDNAブロットは、高度の分解能で
セントロメアをマッピングするために使用され得る。貯蔵接種組織は、制限フラ
グメントの分析のための必要量のDNAを提供する。サザンブロットは、放射活
性方法または非放射活性方法によって標識されたプローブとハイブリダイズされ
る。
多くの場合において、標的領域の近くに連結される新しい多型DNAマーカー
を同定することが所望され得る。いくつかの場合において、これは容易になされ
得る。例えば、多くの植物ゲノムにおいて、多型Sau3A部位は、約8〜20
kBごとの測定について見出され得る。サブトラクション方法は、このような多
型性を同定するために利用可能であり(Rosenbergら、1994)、そ
してこれらのサブトラクションは、選択された、セントロメアYACクローンま
たはBACクローン由来のDNAを用いて行われ得る。潜在的にセントロメアに
連結されるRFLPマーカーについてのスクリーニングもまた、セントロメア連
結YACクローン由来のDNAフラグメントを用いて行われ、制限酵素のパネル
で消化された標的生物体由来のゲノムDNAのブロットをプローブし得る。
全セントロメア領域がクローン化されていることを確認するために、各セント
ロメアのいずれかの端のマーカーにハイブリダイズするクローンまたは一連のク
ローンが同定される。これらの試みは、セントロメアにおける繰り返しDNAの
存在およびセントロメアクローンの潜在的な不安定性によって複雑になり得る。
従って、有用なプローブとして役立つ独特の配列を有する大きなクローンの同定
は、染色体歩行ストラテジーを単純化する。
ブロットハイブリダイゼーションは、クローンの構造とゲノムDNAの構造と
の比較を可能にし、従って、クローンが欠失または再配列を受けたか否かを決定
する。同定されたセントロメアクローンは、これらが同じ配列を共有するか否か
、これらが細胞学的に規定されたセントロメア領域にインサイチュで局在化する
か否か、およびArabidopsisセントロメアの近くにマッピングされる
と考えられる、反復配列を含むか否かを決定するために使用される、ハイブリダ
イゼーション実験のために有用である(Richardsら、1991;Mal
uszynskaら、1991)。
PFGEおよびYACゲノム分析を行うための例示的な方法が記載された(E
cker、1990)。Arabidopsis thalianaにおけるゲ
ノムマッピングのための大きな挿入YACライブラリーが、Creusotら(
1995)に記載された。Arabidopsis thaliana DNA
の2つのYACライブラリーにおいて繰り返しDNA配列を有するクローンの分
析は、Schmidtら(1994)によって考察された。Arabidops
isの酵母人工染色体ライブラリーの構築および特徴付けは、Grillおよび
Somerville(1991)によって記載された。
特に有用な型のクローンは、細菌の人工染色体(BAC)である。なぜなら、
データは、YACクローンがしばしばセントロメアに広がり得ないことを示唆し
たからである(Willard,1997)。例えば、Arabidopsis
thaliana由来の細菌性人工染色体ライブラリーの構築および特徴付け
が記載されている(Choiら、1995)。大きなゲノムDNAフラグメント
を有する植物変異体の補完は、形質転換受容性のミニ染色体ベクターを用いて達
成され得、それによって、位置クローニングの速度を上げる(Liuら、199
9)。IGF Arabidopsis BACライブラリーの構築および特徴
付けは、Mozoら(1998)によって記載された。完全なBACに基づく、
Arabidopsis thalianaゲノムの物理的マッピングが記載さ
れている(Mozoら、1998)。
(VI.核酸セグメントの部位特異的組み込みおよび切除)
ミニ染色体の構築のために、核酸セグメントの部位特異的組み込みまたは切除
のための技術を利用し得ることが、本発明者らによって具体的に予想される(例
えば、以下の実施例8Bを参照のこと)。このような技術はまた、植物に導入さ
れる導入遺伝子(ミニ染色体ベクターを含む)の、部位特異的組み込みまたは切
除のために使用され得る。
核酸分子の部位特異的組み込みまたは切除は、相同組換えの手段によって達成
され得る(例えば、米国特許第5,527,695号を参照のこと(本明細書中
に参考としてその全体が具体的に援用される))。相同組換えは、類似のヌクレ
オチド配列を有する任意の対のDNA配列間の反応り、2つの配列は、相互作用
(組換え)して、新しい組換えDNA種を形成する。相同組換えの頻度は、共有
するヌクレオチドDNA配列の長さが増加するにつれて増加し、そして環状ブラ
スミド分子の場合よりも直鎖化プラスミド分子の場合の方が高い。相同組換えは
、決して同一ではない2つのDNA配列間で生じ得るが、組換え頻度は、2つの
配列間の相違が増加するにつれて減少する。
導入DNA配列は、目的のDNA分子を、宿主細胞の内在的な配列と相同性を
共有する配列に連結することによる、相同組換えを介して標的化され得る。一旦
、DNAが細胞に侵入すると、2つの相同配列は相互作用し得、相同なゲノムD
NA配列が位置した部位に、導入DNAを挿入する。従って、導入DNAに含ま
れる相同配列の選択は、導入DNAが相同組換えを介して組み込まれる部位を決
定する。例えば、目的のDNA配列が、宿主植物細胞の単一のコピー遺伝子と相
同性を共有するDNA配列に連結される場合、目的のDNA配列は、その単一の
特異的部位のみでの相同組換えを介して挿入される。しかし、目的のDNA配列
が、宿主真核生物細胞のマルチコピー遺伝子と相同性を共有するDNA配列に連
結される場合、目的のDNA配列は、遺伝子のコピーが位置する各々の特異的部
位での相同組換えを介して挿入され得る。
DNAは、相同組換え反応によって宿主染色体またはベクターに挿入され得、
その組換え反応としては、単一の相互組換え(導入DNAの全長の挿入を生じる
)または2つの相互組換え(2つの組換え事象の間に位置するDNAのみの挿入
を生じる)のいずれかが挙げられる。例えば、外来遺伝子を、選択された遺伝子
が位置するゲノム部位に挿入することを所望する場合、導入DNAは、選択され
た遺伝子と相同な配列を含むべきである。次いで、単一の相同組換え事象は、選
択された遺伝子に挿入されている全導入遺伝子配列を生じる。あるいは、2つの
組換え事象は、目的のDNA配列(この配列は、ゲノムに挿入されることが意図
される)の各末端を、選択された遺伝子と相同なDNA配列に隣接させることに
よって達成され得る。相同な隣接領域の各々に関与する相同組換え事象は、外来
DNAの挿入を生じる。従って、ゲノム相同性を共有する2つの領域間に位置す
るこれらのDNA配列のみが、そのゲノムに組み込まれるようになる。
導入配列は、相同組換えを介する特定の部位への挿入について標的化され得る
が、高等真核生物における相同組換えは、ランダムな挿入事象と比較して、比較
的まれな事象である。植物細胞においては、外来DNA分子は、細胞のゲノムに
おいて相同な配列を見出し、そして約0.5×10-4〜4.2×10-4の頻度で
組換える。従って、相同組換えを介して組み込まれた導入DNA配列を含む任意
の形質転換細胞はまた、ランダムに組み込まれた導入DNA配列の多くのコピー
を含むようである。従って、部位特異的組換えについてのより正確なメカニズム
を使用することが所望され得る。部位特異的組換えを行うための好ましい様式は
、部位特異的リコンビナーゼ系の使用を包含する。一般的に、部位特異的リコン
ビナーゼ系は、3つの要素からなる:2対のDNA配列(第1および第2の部位
特異的組換え配列)および特定の酵素(部位特異的リコンビナーゼ)。部位特異
的リコンビナーゼは、2つの部位特異的組換え配列間のみの組換え反応を触媒す
る。
多くの異なる部位特異的リコンビナーゼ系が、本発明に従って使用され得、そ
れらの部位特異的リコンビナーゼ系としては、以下が挙げられるが、これらに限
定されない:バクテリオファージ P1のCre/lox系(Hoessら、1
982;米国特許第5,658,772号(本明細書中にその全体が参考として
具体的に援用される))、酵母のFLP/FRT系(GolicおよびLind
quist、1989)、ファージMuのGinリコンビナーゼ(Maeser
およびKahmann、1991)、E.coliのPinリコンビナーゼ(E
nomotoら、1983)、sre遺伝子によってコードされるリコンビナー
ゼ(ORF469)(これは、R4ファージゲノムの組み込みを媒介し得る(M
atuuraら、1996))、Shigella dysenteriaeの
pinDによってコードされる部位特異的リコンビナーゼ(Tominaga、
1997)、Salmonella typhiの主要な「病原性の島(pat
hogenicity island)」においてコードされる部位特異的リコ
ンビナーゼ(Zhangら、1997)、バクテリオファージP4インテグラー
ゼファミリーのInt−B13部位特異的リコンビナーゼ(Ravatnら、1
998)およびpSR1プラスミドのR/RS系(Arakiら、1992)。
バクテリオファージP1 Cre/loxおよび酵母FLP/FRT系は、部位
特異的組換えのために特に有用な2つの系を構築する。これらの系においては、
リコンビナーゼ(CreまたはFLP)は、そのそれぞれの部位特異的組換え配
列(それぞれ、loxまたはFRT)と特異的に相互作用し、間にある配列を反
転または切除する。これらの2つの系各々に対する配列は、比較的短く(lox
については34bp、そしてFRTについては47bp)、従って、形質転換ベ
クターとの使用に都合がよい。
FLP/FRTリコンビナーゼ系は、植物細胞において効率的に作用すること
が示されているが、例えば、細菌細胞またはインビトロでもまた使用され得る。
FLP/FRT系の効率は、そのFRT部位の構造を示し、そして存在するFL
Pタンパク質の量は、切除活性に影響を及ぼす。一般的に、短い不完全なFRT
部位は、完全な全長FRT部位よりも高い切除産物の蓄積を導く。この系は、分
子内反応および分子間反応の両方を触媒し、DNA切除および組み込み反応のた
めのそれらの用途を示し得る。組換え反応は可逆的であり、そしてこの可逆性は
、各方向における反応の効率を弱め得る。部位特異的組換え配列の構造の変更は
、この状況を改善するための1つのアプローチである。部位特異的組換え配列は
、組換え反応の産物がもはや逆反応の基質として認識されないような様式で変異
され得、それによって組み込みまたは切除の事象を安定化する。
Cre−lox系(バクテリオファージP1において発見された)においては
、loxP間の組換えは、Creリコンビナーゼの存在下で生じる(例えば、米
国特許第5,658,772号(本明細書中にその全体が参考として具体的に援
用される)を参照のこと)。この系は、酵母ゲノムに導入されている2つのlo
x部位間に位置する遺伝子を切除するために使用されている(Sauer、19
87)。Creは、誘導性の酵母GAL1プロモーターから発現され、そしてこ
のCre遺伝子は、自己複製酵母ベクターに位置した。
lox部位は、非対称的なヌクレオチド配列であるので、同じDNA分子のl
ox部位は、お互いに関して同じ配向または反対の配向を有し得る。同じ配向に
あるlox部位間の組換えは、2つのlox部位間に位置するDNAセグメント
の欠失、および最初のDNA分子の得られた末端間の接続を生じる。欠失DNA
セグメントは、DNAの環状分子を形成する。最初のDNA分子および得られた
環状分子は、各々単一のlox部位を含む。同じDNA分子の反対の配向にある
lox部位間の組換えは、2つのlox部位間に位置するDNAセグメントヌク
レオチド配列の反転を生じる。さらに、2つの異なるDNA分子に位置するlo
x部位に近接するDNAセグメントの、逆の交換が起こり得る。これらの組換え
事象のすべては、Creコード領域の産物によって触媒される。
(VII.形質転換宿主細胞およびトランスジェニック植物)
細菌、酵母細胞、植物細胞または1以上のミニ染色体を有する植物全体を形質
転換するための方法および組成物は、本開示のさらなる局面である。このような
形質転換プロセスから誘導される、トランスジェニック細菌、酵母細胞、植物細
胞もしくは植物、またはこのようなトランスジェニック植物由来の子孫および種
子もまた、本発明のさらなる実施形態である。
細菌および酵母細胞を形質転換するための手段は、当該分野において周知であ
る。代表的に、形質転換の手段は、他の細菌または酵母(例えば、E.coli
またはSaccharomyces cerevisiae)を形質転換するた
めに使用されるこれらの周知の手段に似ている。植物細胞のDNA形質転換のた
めの方法としては、Agrobacterium媒介植物形質転換、プロトプラ
スト形質転換(本明細書中で使用される場合、「プロトプラスト形質転換」とし
ては、PEG媒介形質転換、エレクトロポレーションおよびプロトプラスト融合
形質転換が挙げられる)、花粉への遺伝子移入、生殖器官への注入、未熟な胚へ
の注入および微粒子銃が挙げられる。これらの方法の各々は、異なる利点および
不都合を有する。従って、特定の植物系統へ遺伝子を導入する1つの特定の方法
は、必ずしも別の植物系統に対して最も効果的ではないかも知れないが、どの方
法が特定の植物系統に対して有用であるかは、当該分野において周知である。
細胞へ形質転換DNAセグメントを導入するための多くの方法が存在するが、
すべてが植物細胞へDNAを送達するために適切であるわけではない。適切な方
法は、DNAが細胞に導入され得る実質的に任意の方法(例えば、Agroba
cterium感染、DNAの直接的送達(例えば、プロトプラストのPEG媒
介形質転換(Omirullehら、1993)、乾燥/阻害媒介DNA取り込
み、エレクトロポレーション、シリコンカーバイド繊維を用いる攪拌、DNAコ
ート粒子のアクセリレーション(acceleration)などによる))を
含むと考えられる。特定の実施形態においては、加速方法が好ましく、例えば、
微粒子銃などが挙げられる。
DNAの細胞への導入のための技術は、当業者に周知である。遺伝子を細胞に
送達するための4つの一般的な方法が記載されている:(1)化学的方法(Gr
ahamら、1973;Zatloukalら、1992);(2)物理的方法
(例えば、微量注入(Capecchi、1980)、エレクトロポレーション
(Wongら、1982;Frommら、1985;米国特許第5,384,2
53号)および遺伝子銃(Johnstonら、1994;Fynanら、19
93);(3)ウイルスベクター(Clapp 1993;Luら、1993;
Eglitisら、1988a;1988b);ならびに(4)レセプター媒介
機構(Curielら、1991;1992;Wagnerら、1992)。
((i)エレクトロポレーション)
短い、高圧の電気パルスの、種々の動物細胞および植物細胞への適用は、原形
質膜におけるナノメートルサイズの孔の形成を導く。DNAは、これらの孔を通
るか、または孔の閉鎖を伴う膜成分の再分配の結果としてかのいずれかで、細胞
の原形質に直接取り込まれる。エレクトロポレーションは、非常に効率的であり
得、そしてクローン遺伝子の一過性の発現、および組み込まれた目的の遺伝子の
コピーを保有する細胞株の樹立の両方のために使用され得る。リン酸カルシウム
媒介トランスフェクションおよびプロトプラスト融合と対照的に、エレクトロポ
レーションは、1つの、または多くても2、3の組み込まれた外来DNAのコピ
ーを有する細胞株を、頻繁に生じる。
エレクトロポレーション手段によるDNAの導入は、当業者に周知である。こ
の方法において、特定の細胞壁分解酵素(例えば、ペクチン分解酵素)は、無処
理の細胞よりも、エレクトロポレーションによってより形質転換されやすい標的
レシピエント細胞を与えるために使用される。あるいは、レシピエント細胞は、
機械的な傷によって、より形質転換しやすくされる。エレクトロポレーションに
よって形質転換を行うために、もろい組織(例えば、細胞の懸濁培養物)、もし
くは胚形成カルスのいずれかを使用し得るか、または代替的に、未熟な胚もしく
は他の組織化された組織を直接形質転換し得る。選択した細胞を、ペクチン分解
酵素(ペクトリアーゼ)に曝露するかまたは制御された様式で機械的に傷付ける
ことによって、選択した細胞の細胞壁を部分的に分解する。次いで、このような
細胞は、エレクトロポレーションによるDNA移入のレシピエントとなり(これ
は、この段階で行われ得る)、次いで、形質転換された細胞は、新しく組み込ま
れたDNAの性質に依存する、適切な選択プロトコルまたはスクリーニングプロ
トコルによって同定される。
((ii)微粒子銃)
植物細胞に形質転換DNAセグメントを送達するためのさらに有利な方法は、
微粒子銃である。この方法において、粒子は、核酸でコートされ得、そして推進
力によって細胞に送達され得る。例示的な粒子としては、タングステン、金、白
金などから成る粒子が挙げられる。
単子葉植物を再現可能に安定に形質転換する効果的な手段であることに加え、
微粒子銃の利点は、プロトプラストの単離(Cristouら、1998)も、
Agrobacterium感染への感受性も必要とされないことである。アク
セリレーションによってトウモロコシ細胞にDNAを送達する方法の例示的な実
施形態は、微粒子銃粒子送達システム(Biolistics Practic
e Delivery System)であり、これは、DNAでコートされた
粒子または細胞を、スクリーン(例えば、ステンレス鋼スクリーンまたはNyt
exスクリーン)を通して、懸濁液中で培養された植物細胞でカバーされたフィ
ルター表面に進ませるために使用され得る。スクリーンは粒子を分散し、それに
よって粒子は大きな凝集体ではレシピエント細胞に送達されない。発射装置と衝
撃される細胞との間に介在するスクリーンは、衝撃凝集体のサイズを減少させ、
そして大きすぎる衝撃物によりレシピエント細胞に与えられる損傷を減少させる
ことによって、より高い頻度の形質転換に寄与し得ると考えられる。
衝撃(bonbardment)のためには、懸濁液中の細胞は、好ましくは
フィルターまたは固体培養培地上で濃縮される。あるいは、未熟な胚または他の
標的細胞が、固体培養培地上に配置され得る。衝撃(bombard)される細
胞は、微粒子遮断板の下に、適切な距離で位置づけられる。所望の場合、1以上
のスクリーンもまた、加速デバイスと衝撃される細胞との間に位置づけられる。
本明細書中に記載される技術の使用を通して、マーカー遺伝子を一過性に発現す
る細胞の1,000以上までの病巣を取得し得る。外来性の遺伝子産物を発現す
る、衝撃後48時間の病巣中の細胞の数は、しばしば1〜10の範囲であり、平
均1〜3である。
衝撃形質転換においては、最大数の安定な形質転換体を得るために、衝撃前の
培養条件および衝撃パラメータを最適化し得る。衝撃のための物理的パラメータ
および生物学的パラメータの両方は、この技術において重要である。物理的因子
は、DNA/微粒子沈殿物の操作に関与する因子、またはマクロ発射体(mac
roprojectile)またはミクロ発射体(microprojecti
le)のいずれかの飛行および速度に影響を与える因子である。すべての工程を
含む生物学的因子は、衝撃の前および直後の細胞の操作、衝撃に関連する外傷の
軽減を助けるための、標的細胞の浸透圧調整、および形質転換DNA(例えば、
直鎖化DNAまたはインタクトな高次コイルプラスミド)の性質にもまた関与す
る。衝撃前の操作は、未熟な胚の成功した形質転換のために、特に重要であると
考えられる。
従って、条件を完全に最適化するために、小スケールの研究における種々の衝
撃パラメータを調節することを所望し得ることが予想される。特に、物理的パラ
メータ(例えば、間隙の距離、飛行距離、組織の距離およびヘリウム圧)を調節
することを所望する。また、レシピエント細胞の生理学的状態に影響を与え、従
って、形質転換効率および組み込み効率に影響を与え得る条件を変更することに
よって、外傷減少因子(TRF)を最小にし得る。例えば、浸透圧状態、組織水
分補給およびレシピエント細胞の継代培養段階または細胞周期は、最適な形質転
換のために調整され得る。他の慣用的な調整の実行は、本開示を考慮すると、当
業者に公知である。
((iii)Agrobacterium媒介移入)
Agrbacterium媒介移入は、植物細胞に遺伝子を導入するための広
く適用可能な系である。なぜなら、そのDNAは、植物組織全体に導入され得、
それによって、プロトプラストからのインタクトな植物の再生についての必要性
を回避するからである。植物細胞にDNAを導入するためのAgrobacte
rium媒介植物組み込みベクターの使用は、当該分野で周知である。例えば、
(Fraleyら、1985;Rogersら、1987)に記載される方法を
参照のこと。Agrbacterium媒介移入における進歩は、現在、DNA
の大きいセグメントの導入を可能にする(Hamilton,1997;Ham
iltonら、1996)。
従来の形質転換ベクターを使用する場合、染色体組み込みが、外来DNAの安
定な遺伝に必要とされる。しかし、本明細書中に記載のベクターは、組み込みを
伴って、または組み込みを伴わずに、形質転換に使用され得る。なぜなら、安定
な遺伝に必要とされるセントロメア機能は、ミニ染色体に含まれるからである。
特定の実施形態において、ミニ染色体が染色体に組み込まれない形質転換事象が
、発現および挿入性変異誘発における部位特異的な変化を伴う問題が回避され得
るという点で、好ましくあり得る。
Ti−DNAの組み込みは、ほとんど再編成を生じることのない、比較的正確
なプロセスである。記載される(Spielmannら、1986;Jorge
nsenら、1987)のように、移入されるべきDNAの領域は、その境界配
列によって規定され、介入DNAが、通常、植物ゲノム内に挿入される。記載さ
れる(Kleeら、1985)のように、近年のAgrobacterium形
質転換ベクターは、E.coliおよびAgrobacteriumにおいて複
製可能であり、簡便な操作を可能にする。さらに、Agrbacterium媒
介遺伝子移入のベクターにおける近年の技術進歩は、ベクター中の遺伝子および
制限部位の配置を改変し、種々のポリペプチドをコードする遺伝子を発現し得る
ベクターの構築を容易にした。この記載される(Rogersら、1987)ベ
クターは、挿入されたポリペプチドコード遺伝子の直接的な発現のためのプロモ
ーターおよびポリアデニル化部位に隣接される、簡便なマルチリンカー領域を有
し、そして本発明の目的に適切である。さらに、攻撃性(armed)Ti遺伝
子および安全化(disarmed)Ti遺伝子の両方を含むAgrobact
eriumが、形質転換に使用され得る。Agrbacterium媒介移入が
効率的である植物系統において、遺伝子移入の容易および明確化された性質から
、これが、選り抜きの方法である。
葉盤(leaf disk)および他の組織(例えば、子葉および胚軸)のA
grobacterium媒介形質転換は、Agrobacteriumが天然
で感染する植物に制限されるようである。Agrobacterium媒介形質
転換は、双子葉植物において最も効率的である。記載される(Bytebier
ら、1987;米国特許第5,591,616号(参照として本明細書中に詳細
に援用される))ように、Agrobacteriumベクターを使用して、ア
スパラガスにおいて、そしてトウモロコシにおいてより有意に、トランスジェニ
ック植物が産生されているが、ほとんどの単子葉植物は、Agrobacter
iumの天然の宿主ではないようである。従って、商業的に重要な穀物(例えば
、イネ、コーンおよびコムギ)は、通常、代替的な方法を使用して形質転換され
なければならない。しかし、上記のように、Agrobacteriumを使用
するアスパラガスの形質転換もまた、達成され得る(例えば、Bytebier
ら、1987を参照のこと)。Agrobacterium媒介移入は、Agr
obacterium T−DNAの組み込みにおいて欠損性であるが、そのD
NAの細胞への送達には受容性である変異体を使用することによって、より効率
的になり得る(Mysoreら、2000a)。さらに、Agrobacter
ium根形質転換に反抗性であるArabidopsis生態型およびArab
idopsis変異体においてさえ、生殖細胞系列形質転換が、行われ得る(M
ysoreら、2000b)。
Agrobacterium形質転換方法を使用して形成されるトランスジェ
ニック植物は、代表的に、1つの染色体上に単一の遺伝子を含む。このようなト
ランスジェニック植物は、その付加された遺伝子について半接合性であるといわ
れ得る。このような植物に対するより正確な名前は、独立分離個体(indep
endent segragation)である。なぜなら、各々の形質転換さ
れた植物は、ただ1つのT−DNA組み込み事象を示すからである。
付加された外来DNAについてホモ接合性であるトランスジェニック植物(す
なわち、2コピーの導入遺伝子を含み、1つの遺伝子が染色体対の各染色体上の
同じ遺伝子座にある、トランスジェニック植物)が、より好ましい。ホモ接合性
トランスジェニック植物は、単一の付加された導入遺伝子を含む独立分離個体ト
ランスジェニック植物を有性交配(自家受粉)させて、産生された種子のいくつ
かを出芽させ、そして生じた植物を、コントロール(ネイティブ、非トランスジ
ェニック)植物または独立分離個体トランスジェニック植物と比較した、増強さ
れた活性について分析することによって、得られ得る。
ミニ染色体が染色体に組み込まれていない植物が、さらにより好ましい。この
ような植物は、2n+xと呼ばれ得、ここで、2nは、染色体の二倍体数であり
、xは、ミニ染色体の数である。最初、形質転換体は、2n+1(すなわち、1
個のさらなるミニ染色体を有する)であり得る。この場合において、この植物を
自家受粉させるか、またはこの植物を別の2n+1の植物と交配させて、2n+
2である植物を産生することが望ましくあり得る。この2n+2の植物は、この
植物が、減数分裂を介してこのミニ染色体をその全ての子孫に継代することが期
待されるという点で、好ましい。
2つの異なるトランスジェニック植物をまた交配して、2つの独立して分離し
ている付加された外来ミニ染色体を含む子孫を産生し得ることが、理解されるべ
きである。適切な子孫の自家受粉は、目的のポリペプチドをコードする、両方の
付加された外来ミニ染色体についてホモ接合性である植物を産生し得る。親植物
への戻し交配および非トランスジェニック植物との異種交配(out−cros
sing)もまた、意図される。
((iv)他の形質転換方法)
植物プロトプラストの形質転換は、リン酸カルシウム沈殿、ポリエチレングリ
コール処理、エレクトロポレーション、およびこれらの処理の組み合わせに基づ
く方法を使用して達成され得る(Potrykusら、1985;Lorzら、
1985;Frommら、1986;Uchimiyaら、1986;Call
isら、1987;Marcotteら、1988を参照のこと)。
トランスジェニック植物を作製する目的のための、これらの系の異なる植物系
統への適用は、プロトプラストからその特定の植物系統を再生する能力に依存す
る。プロトプラストからの穀物の再生についての例示的方法は、記載されている
(Fujimuraら、1985;Toriyamaら、1986;Yamad
aら、1986;Abdullahら、1986)。
プロトプラストから首尾よく再生されない植物系統を形質転換するために、昆
虫の細胞または組織にDNAを導入する他の方法が、利用され得る。例えば、未
成熟の胚または外植片からの穀物の再生が、記載される(Vasil 1988
)ようにもたらされ得る。さらに、「粒子銃」すなわち高速微粒子銃技術が、利
用され得る(Vasil 1992)。
後者の技術を使用して、記載される(Kleinら、1987;Kleinら
、1988;McCabeら、1988)ように、DNAは、小さい金属粒子の
表面上で、細胞壁を介して細胞質内に運ばれる。この金属粒子は、細胞のいくつ
かの層を貫通し、従って、組織外植片内の細胞の形質転換を可能にする。
例えば、プロトプラスト融合は、構築されたミニ染色体を宿主細胞(例えば、
酵母細胞)中に組み込み、次いで、これらの細胞を植物プロトプラストに融合す
るために、使用され得る。植物セントロメアを欠失する染色体(例えば、本実施
例における酵母細胞)が、植物細胞によって排除され、一方、ミニ染色体が安定
に維持される。本発明と共に使用され得るプロトプラスト融合についてのプロト
コルの多くの例が、記載されている(例えば、Negrutiuら、1992、
およびPetersonを参照のこと)。
リポソーム融合は、例えば、脂質の小滴(リポソーム)内に組換え構築物をパ
ッケージングし、次いで、これらのリポソームを植物プロトプラストに融合し、
従って、ACをその植物細胞に送達することによって、セントロメア(例えば、
ミニ染色体)を含む組換え構築物を導入するために使用され得る(Lurqui
およびRollo、1993を参照のこと)。
(VIII.植物における発現のための外来遺伝子)
本発明の1つの特定の重要な進歩は、本発明が、植物細胞における外来遺伝子
の発現のための方法および組成物を提供することである。本発明の構築物の1つ
の進歩は、これらが、潜在的に生化学経路全体を表す、複数の遺伝子の導入を可
能にすることである。重要なことに、本発明は、多くの構造遺伝子を含むミニ染
色体での植物細胞の形質転換を可能にする。別の利点は、1より多いミニ染色体
が導入され得、組み合わせの遺伝子が移動およびシャッフリングされるのを可能
にすることである。さらに、植物からミニ染色体を排除する能力が、さらなる柔
軟性を提供し、これが、植物内に含まれる遺伝子のセットを改変することを可能
にする。さらに、部位特異的リコンビナーゼを使用することによって、植物中に
存在する既存のミニ染色体に遺伝子を付加することが可能である。
付加された遺伝子は、しばしば、特定のタンパク質またはポリペプチド産物の
発現を指向する遺伝子であるが、しかし、それらはまた、非発現DNAセグメン
トであり得る(例えば、それら自身の転移を指向しないトランスポゾン(例えば
、Ds))。本明細書中で使用される場合、「発現遺伝子」は、RNA(例えば
、mRNA、アンチセンスRNAなど)へ転写され得る、またはタンパク質に翻
訳され得る、目的の形質として発現され得る、などの任意の遺伝子であり、選択
マーカー遺伝子、スクリーニングマーカー遺伝子または非スクリーニングマーカ
ー遺伝子に限定されない。本発明者らはまた、2つの発現遺伝子(必ずしもマー
カー遺伝子ではない)がマーカー遺伝子と組み合わせにおいて使用される場合、
形質転換のための同じDNAセグメントまたは異なるDNAセグメントのいずれ
かの上で、別々の遺伝子を使用し得ることを意図する。後者の場合、異なるベク
ターは、レシピエント細胞に同時に送達され、同時形質転換を最大化する。
レシピエント細胞に送達されるべき特定のDNAセグメントの選択は、形質転
換の目的に依存する。作物の形質転換の主な目的の1つは、いくつかの商業的に
所望される農業上重要な形質を、植物に付加することである。このような形質と
しては、除草剤抵抗性または耐性;昆虫抵抗性または耐性;疾病抵抗性または耐
性(ウイルス性、細菌性、真菌性、線虫性);ストレス耐性および/または抵抗
性(例えば、乾燥、熱、寒冷、凍結、過剰の湿度、塩ストレスに対する抵抗性ま
たは耐性によって例示されるような);酸化ストレス;収量増加;食物の含量お
よび性質;物理的外見;雌性不稔;枯れ(drydown);直立性(stan
dability);多産性;デンプンの含量および質;油の含量および質;タ
ンパク質の質および含量;アミノ酸組成;などが挙げられるが、これらに限定さ
れない。当業者は、任意のこのような所望の形質(単数または複数)を付与する
1以上の遺伝子(例えば、除草剤耐性をコードする遺伝子(単数または複数))
を組み込むことを所望し得る。
特定の実施形態において、本発明は、1つより多い外因性遺伝子を含むミニ染
色体(minichrmosome)を有するレシピエント細胞の形質転換を意
図する。本明細書中で使用される場合、「外因性遺伝子」は、同一の内容物にお
いて宿主のゲノム中で通常見出されない遺伝子である。これにより、この遺伝子
は、宿主ゲノム遺伝子とは異なる種から単離され得るか、あるいは、宿主ゲノム
であるが、変更されていないネイティブな遺伝子において見出される調節領域と
は異なる、1つ以上の調節領域に作動可能に連結された宿主ゲノムから単離され
ることが意図される。2つ以上の外因性遺伝子はまた、異なる導入遺伝子コード
ベクターを用いるか、または2つ以上の遺伝子コード配列を組み入れた1つのベ
クターを用いるかのいずれかで、1つの形質転換事象において供給され得る。例
えば、輻輳の位置、発散した(divergent)位置、または同一線上の(
colinear)位置のいずれかにおいて、bar発現ユニットおよびaro
A発現ユニットを保持するプラスミドが、特に有用であると考えられる。さらに
好ましい組み合わせは、昆虫の耐性遺伝子(例えば、Bt遺伝子)の、プロテア
ーゼインヒビター遺伝子(例えば、pinII)と一緒の組み合わせ、または上
記の遺伝子のいずれかを組み合わせたbarの使用である。もちろん、任意の種
類(description)の、任意の2つ以上の導入遺伝子(例えば、除草
剤耐性、昆虫耐性、疾患(ウイルス、細菌、真菌、線虫)耐性または干ばつ耐性
、雄性不稔、ドライダウン(drydown)、スタンドアビリティー(sta
ndability)、多産性、デンプン特性、油量(oil quantit
y)および油質(oil quality)を与える導入遺伝子、または収量も
しくは栄養の質を高める導入遺伝子)が、所望のように使用され得る。
((i)除草剤耐性)
フォスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子(ba
rおよびpat)、グリホサート耐性EPSPシンターゼ遺伝子、グリホサート
オキシドレダクターゼをコードするグリホサート分解酵素遺伝子gox、deh
遺伝子(ダラポンを不活性化するデハロゲナーゼデハロゲナーゼ酵素をコードす
る)、除草剤耐性(例えば、スルホニル尿素およびイミダゾリノン(imida
zolinone))アセトラクターゼシンターゼ、およびbxn遺伝子(ブロ
モキシニルを分解するニトリラーゼ酵素をコードする)は、形質転換における使
用のための除草剤耐性遺伝子の良い例である。bar遺伝子およびpat遺伝子
は、酵素であるフォスフィノスリシンアセチルトラスフェラーゼ(PAT)をコ
ードし、このPATは、除草剤フォスフィノスリシンを不活性化し、そしてこの
化合物がグルタミンシンターゼ酵素を阻害することを妨げる。酵素5−エノール
ピルビルシキメート3−ホスフェ−トシンターゼ(EPSPシンターゼ)は、通
常、除草剤N−(ホスホノメチル)グリシン(グリホサート)によって阻害され
る。しかし、グリホサート耐性EPSPシンターゼ酵素をコードする遺伝子は、
公知である。これらの遺伝子は、植物形質転換における使用のために特に意図さ
れる。deh遺伝子は、酵素ダラポンデハロゲナーゼをコードして、そして除草
剤ダラポンに対する耐性を与える。bxn遺伝子は、ブロモキシニルを、非除草
剤分解産物に変換する特異的な酵素ニトリラーゼ(nitrilase)酵素を
コードする。
((ii)昆虫耐性)
導入され得る潜在的昆虫耐性遺伝子としては、Bacillus thuri
ngiensis結晶(crystal)毒素遺伝子またはBt遺伝子(Wat
rudら、1985)が挙げられる。Bt遺伝子は、鱗翅類ペスト(pest)
または甲虫類ペスト(例えば、European Corn Borer(EC
B))に対する耐性を提供し得る。このような実施形態における使用のための好
ましいBt毒素遺伝子としては、CryIA(b)遺伝子およびCryI(c)
遺伝子が挙げられる。昆虫の成長または発生に影響するB.thuringie
nsisの他の種由来のエンドトキシン遺伝子もまた、これに関して使用され得
る。
本明細書中で開示される形質転換プロトコルにおける使用のための好ましいB
t遺伝子は、コード配列が、植物、およびより詳細には、単子葉植物において発
現の増加をもたらすために、改変さえれているBt遺伝子であることが意図され
る。合成遺伝子を調製するための手段は、当該分野で公知であり、そして例えば
、米国特許第5,500,365号および同第5,689,052号で開示され
る(これらの開示の各々は、それらの全体が参考として本明細書中で特に援用さ
れる)。このような改変されたBt毒素遺伝子の例としては、合成Bt Cry
IA(b)遺伝子(Perlakら、1991)、および1800bと呼ばれる
合成CryIA(c)遺伝子(PCT出願 WO 95/06128)が挙げら
れる。当業者に公知の他のBt毒素遺伝子のいくつかの例は、以下の表1におい
て与えられる。
Figure 2011125354

Figure 2011125354

プロテアーゼインヒビターはまた、昆虫耐性を提供し得(Johnsonら、
1989)、従って、植物における形質転換における利用を有する。トマトまた
はジャガイモ由来のプロテアーゼインヒビタ−II遺伝子であるpinIIの使
用は、特に有用であると考察される。Bt毒素遺伝子と組み合わせた、pinI
I遺伝子の使用は、さらにより都合が良く、その組み合わされた効果は、相乗作
用の殺虫剤活性を生じることが発見されている。昆虫の消化系の阻害剤をコード
する他の遺伝子、または阻害剤の産生を容易にする酵素または補因子をコードす
る遺伝子もまた有用であり得る、この群は、オリザシスタチン(oryzacy
statin)インヒビタ−およびアミラーゼインヒビター(例えば、小麦およ
び大麦由来のそれらのインヒビタ−)によって例示され得る。
また、レクチンをコードする遺伝子は、さらなる殺虫剤特性、または代替の殺
虫剤特性を与え得る。レクチン(元々、フィトヘマグルチニンと呼ばれる)は、
種の範囲から、赤血球を凝集させる能力を有する、炭水化物結合タンパク質であ
る。レクチンは、ゾウムシ、ECBおよび根切り虫(rootworm)に対す
る活性を有する殺虫剤として最近同定された(Murdockら、1990;C
zaplaおよびLang、1990)。有用であるよう意図されたレクチン遺
伝子としては、例えば、大麦病原体凝集素(germ agglutinin)
および小麦病原体凝集素(WGA)ならびにライスレクチン(Gatehous
eら、1984)が挙げられ、WGAが好まれる。
昆虫ペスト中に導入される場合、昆虫に対して活性な大きいポリペプチドまた
は小さいポリペプチド(例えば、溶解性(lytic)ペプチド、ペプチドホル
モンならびに毒物および毒液のような)の産生を制御する遺伝子は、本発明の別
の局面を形成する。例えば、特定の昆虫ペストに対して指向される若年性(ju
venile)ホルモンエステラーゼの発現は、殺虫活性も生じ、またはおそら
く変態の停止を生じることが意図される(Hammockら、1990)。
昆虫の表皮の完全性(integrity)に影響する酵素をコードする遺伝
子を発現するトランスジェニック植物は、本発明のさらに別の局面を形成する。
このような遺伝子としては、例えば、キチナーゼ、プロテアーゼ、リパーゼをコ
ードする遺伝子およびニコマイシン(nikkomycin)(キチン合成を阻
害する化合物)の産生ための遺伝子もまた挙げられ、これらのいずれかの導入が
、昆虫耐性植物を産生するために意図される。昆虫の脱皮に影響する活性をコー
ドする遺伝子(例えば、エクジステロイドUDPグルコシルトランスフェラーゼ
の産生に影響する遺伝子)もまた、本発明の有用な導入遺伝子の範囲内にあたる
昆虫ペストに対する、宿主植物の栄養の質を低下する化合物の産生を容易にす
る酵素をコードする遺伝子もまた、本発明により包含される。例えば、そのステ
ロール組成物を変更することにより、植物の殺虫活性を与えることを可能にし得
る。ステロールは、昆虫の食物由来で、昆虫から得られ、そしてホルモン合成お
よび膜安定性のために使用される。従って、新規の遺伝子(例えば、所望されな
いステロールの産生を直接促進する遺伝子、または所望のステロールを所望しな
い形態に変換する遺伝子)の発現による、植物ステロール組成物の変更が、昆虫
の成長および/または発生においていて負の効果を有し、従って、植物に殺虫活
性を賦与する。リポキシゲナーゼは、昆虫において抗栄養の効果を示し、そして
昆虫の食物の栄養の質を低下するために示された天然に存在する植物酵素である
。従って、さらに、本発明の実施形態は、昆虫の摂食に耐性であり得る増強され
たリポキシゲナーゼ活性を有するトランスジェニック植物に関する。
Tripsacum dactyloidesは、トウモロコシ(corn)
根切り虫を含む、特定の昆虫に対して耐性であるイネ科の植物の一種である。昆
虫に対して毒性であり、または昆虫に対して毒性のある化合物の生合成に関与す
るタンパク質をコードする遺伝子は、Tripsacumから単離され、そして
これらの新規の遺伝子は、昆虫に対して耐性を与えるのに有用であると予測され
る。Tripsacumにおいて昆虫耐性の根拠は、遺伝的なものであることが
公知である。なぜなら、上記の耐性は、性的交配(sexual cross)
を介するZea maysに伝達されたからである(BransonおよびGu
ss、1972)。他の穀類の植物種、単子葉植物種または双子葉植物種が、昆
虫耐性植物を産生するのに有用である、昆虫に対して毒性のあるタンパク質をコ
ードする遺伝子を有し得ることが、さらに予測される。
潜在的な殺虫活性を有するとして特徴付けられるタンパク質をコードするさら
なる遺伝子もまた、これと一致して導入遺伝子として使用され得る。このような
遺伝子としては、例えば、根切り虫の阻害物質として使用され得るカウピートリ
プシンインヒビター(CpTI;Hilderら、1987);トウモロコシ根
切り虫の阻害物質として特に有用と証明し得るアベルメクチンをコードする遺伝
子(Avermectin and Abamectin.、Campbell
,W.C.、編、1989;Ikedaら、1987);リボソーム不活性化タ
ンパク質遺伝子;および植物構造を調節する遺伝子さえ、挙げられる。抗昆虫抗
体遺伝子、および植物の外側に適用される非毒性殺虫剤(前毒性殺虫剤(pro
−insecticide))を、植物の内側の殺虫剤に変換し得る酵素をコー
ドする遺伝子を含むトランスジェニック植物もまた、意図される。
((iii)環境またはストレス耐性)
種々の環境ストレス(例えば、限定されないが、乾燥ストレス、過度の水分ス
トレス、寒冷ストレス、凍結ストレス、高温ストレス、塩ストレス、および酸化
(oxidative)ストレス)に耐性である植物の能力の改善もまた、新規
の遺伝子の発現を通して、行われ得る。有益性は、Winter Flound
er(Cutlerら、1989)のような「抗凍結」タンパク質の導入または
その合成遺伝子誘導体の導入を介して、凍結温度に対する耐性の増加によって、
実現され得る。改善された寒冷耐性はまた、クロロプラストにおけるグリセロー
ル−3−ホスフェートアセチルトランスフェラーゼの発現の増加を介して与えら
れ得る(Wolterら、1992)。酸化ストレス(高い光強度と組み合わせ
て、寒冷温度のような条件によってしばしば悪化する)に対する耐性は、スーパ
ーオキシドジスムターゼの発現によって与えられ得(Guptaら、1993)
、そしてグルタチオンレダクターゼによって改善され得る(Bowlerら、1
992)。このようなストラテジーは、新しく出現した領域における凍結に対す
る耐性、ならびに成熟がより遅く、より高い収量の種類を、相対的により早い成
熟帯(zone)に広げることを考慮し得る。
植物の水含有量、全水ポテンシャル、浸透圧ポテンシャルおよび膨圧を有利に
もたらす新規遺伝子の発現が、乾燥に耐えられる植物の能力を増強することが、
予期される。本明細書中で使用される場合、用語「旱魃抵抗性(drought
resistance)」および「旱魃耐性(drought tolera
nce)」は、正常な環境と比較する場合、水のアベイラビリティにおける減少
により誘導されるストレスに対する植物の増加した抵抗性または耐性、ならびに
より水の少ない環境で機能および生存する植物の能力をいうために使用される。
本発明のこの局面では、例えば、浸透圧的に活性な溶質(例えば、ポリオール化
合物)の生合成をコードする遺伝子の発現が、旱魃に対する防御を与えることが
提唱される。このクラスには、マンニトール−L−リン酸デヒドロゲナーゼをコ
ードする遺伝子(LeeおよびSaier、1982)およびトレハロース−6
−リン酸シンターゼをコードする遺伝子(Kaasenら、1992)が存在す
る。細胞における本来のホスファターゼの引き続く作用を介して、または特定の
ホスファターゼの導入および共発現により、これらの導入された遺伝子は、各々
、マンニトールまたはトレハロースのいずれかの蓄積を生じ、これらは両方とも
、ストレスの効果を緩和し得る保護化合物として十分に示されている。トランス
ジェニックタバコにおけるマンニトール蓄積が立証されており、そして予備的な
結果は、高レベルのこの代謝物を発現する植物が、適用された浸透圧的ストレス
に耐え得ることを示す(Tarczynskiら、1992、1993)。
同様に、酵素機能を保護することにおける他の代謝物(例えば、アラノパイン
(alanopine)またはプロピオン酸)または膜統合性を保護することに
おける他の代謝物(例えば、アラノパイン)のいずれかの効力は、示されており
(Loomisら、1989)、そして従って、これらの化合物の生合成をコー
ドする遺伝子の発現は、マンニトールに類似するか、または相補的な様式で旱魃
抵抗性を与え得る。浸透圧的に活性であり、そして/または旱魃(drough
t)および/または乾燥(desiccation)の間にいくらかの直接的保
護効果を供給する、天然に存在する代謝生成物の他の例としては、フルクトース
、エリスリトール(Coxsonら、1992)、ソルビトール、ズルシトール
(Karstenら、1992)、グルコシルグリセロール(Reedら、19
84;ErdMannら、1992)、スクロース、スタキオース(Koste
rおよびLeopold、1988;Blackmanら、1992)、ラフィ
ノース(Bernal−LugoおよびLeopold、1992)、プロリン
(Rensburgら、1993)、グリシン、ベタイン、オノニトール(on
onitol)およびピニトール(VernonおよびBohnert、199
2)が挙げられる。連続したキャノピーの生育およびストレスの時間の間の増加
した生殖適応度は、遺伝子(例えば、上記の浸透圧的に活性な化合物および他の
そのような化合物を制御する遺伝子)の導入および発現により増強される。現在
、浸透圧的に活性なポリオール化合物の合成を促進する好ましい遺伝子は、酵素
(マンニトール−1−リン酸デヒドロゲナーゼ、トレハロース−6−リン酸シン
ターゼおよびミオイノシトール 0−メチルトランスフェラーゼ)をコードする
遺伝子である。
特定のタンパク質の発現がまた旱魃耐性を増加することが、予期される。後期
胚形成タンパク質の3つクラスは、構造類似性に基づいて設定されている(Du
reら、1989を参照のこと)。LEAの全ての3つのクラスは、成熟(すな
わち、乾燥)種子に存在することが実証された。LEAタンパク質のこれらの3
つのクラスにおいて、II型(デヒドリン型)は、一般に、栄養植物部分におけ
る旱魃耐性および/または乾燥耐性に関連している(すなわち、Mundyおよ
びChua、1988;Piatkowskiら、1990;Yamaguch
i−Shinozakiら、1992)。最近、タバコにおけるIII型LEA
(HVA−1)は、草高、成熟度および旱魃耐性に影響することが見出された(
Fitzpatrick、1993)。イネにおいて、HVA−1遺伝子の発現
は、水の欠乏および塩分に対する耐性に影響した(Xuら、1996)。このよ
うに、すべての3つのLEA群由来の構造遺伝子の発現は、旱魃耐性を与えた。
水ストレスの間に誘導される他のタイプのタンパク質としては、チオールプロテ
アーゼ、アルドラーゼ、および膜通過輸送体が挙げられ(Guerreroら、
1990)、これらは、旱魃ストレスの間の種々の保護および/または修復型の
機能を与え得る。脂質生合成、そしてそれにより膜組成を達成する遺伝子もまた
、植物に旱魃耐性を与える際に有用であることはまた、予期される。
旱魃抵抗性を改良するためのこれらの遺伝子の多くは、相補的な作用形態を有
する。従って、これらの遺伝子の組み合わせが、植物における旱魃抵抗性の改良
において相加的および/または相乗的な効果を有し得ることが認識される。これ
らの遺伝子の多くはまた、凍結耐性(または、抵抗性)を改良する;凍結および
旱魃の間に受ける物理的ストレスは、事実上類似し、そして同様の様式で緩和さ
れ得る。利点は、これらの遺伝子の構成的発現を介して与えられ得るが、これら
の新規遺伝子を発現する好ましい手段は、膨圧誘導プロモーター(例えば、Gu
erreroら、1990およびShaganら、1993(これらは、参考と
して本明細書中に援用される)において記載される膨圧誘導遺伝子についてのプ
ロモーター)の使用を介し得る。これらの遺伝子の空間的発現パターンおよび時
間的発現パターンは、植物が、ストレスに対してより良好に耐えることを可能に
する。
乾燥土壌からの増加した水の吸い上げを可能にする特定の形態学的形質に関連
する遺伝子の発現が有益であることが、提唱される。例えば、根の特徴を変化さ
せる遺伝子の導入および発現は、水の取り込みを増強し得る。ストレスの時間の
間に生殖適応度を増強する遺伝子の発現が有意な価値があることが、予期される
。例えば、雌花部分(すなわち、毛(silk))の花粉脱粒(shed)およ
び受容性(receptiveness)の同調性を改良する遺伝子の発現は、
有益であり得る。さらに、ストレスの時間の間に穀粒の発育不全を最小化する遺
伝子の発現が、収穫される粒の量を増加し得、従って価値があることが提唱され
る。
収穫高の決定における水の全体的な役割を考えると、新規遺伝子の導入および
発現を介して植物がより効率的に水を利用することを可能にすることが、土壌水
分のアベイラビリティが制限されない場合でも、全体的な効率を改良することが
予期される。水のアベイラビリティに関するストレスの全ての範囲にわたって水
の使用を最大にする植物の能力を改良する遺伝子を導入することにより、収穫安
定性または収穫高の一貫性は、現実化し得る。
(vi)疾患抵抗性
疾患に対する増加した抵抗性が、植物(例えば、単子葉植物(例えば、トウモ
ロコシ))への遺伝子の導入を介して、現実化され得ることが、提唱される。ウ
イルス、細菌、菌類および線形動物により引き起こされる疾患に対する抵抗性を
生じさせることが、可能である。マイコトキシンを産生する生物体の制御が、導
入された遺伝子の発現を介して実現され得ることもまた、予期される。
ウイルスに対する抵抗性は、新規遺伝子の発現を介して生じ得る。例えば、ト
ランスジェニック植物におけるウイルス性コートタンパク質の発現が、ウイルス
およびおそらく他の近種のウイルスによる植物の感染に対する抵抗性を与え得る
ことが実証されている(Cuozzoら、1988、Hemenwayら、19
88、Abelら、1986)。必須のウイルス機能に標的化されたアンチセン
ス遺伝子の発現がまた、ウイルスに対する抵抗性を与え得ることが、予期される
。例えば、ウイルス核酸の複製に応答可能な遺伝子に標的化されたアンチセンス
遺伝子は、複製を阻害し、ウイルスに対する抵抗性を誘導し得る。アンチセンス
遺伝子の使用を介する他のウイルス機能の妨害がまた、ウイルスに対する抵抗性
を増加し得ると考えられる。さらに、サテライトウイルスの使用が挙げられるが
これに限定されない他の試みを介して、ウイルスに対する抵抗性を達成すること
が可能であり得ることが、提唱される。
細菌および菌類により引き起こされる疾患に対する増加された抵抗性が、新規
遺伝子の導入を介して実現され得ることが、提唱される。いわゆる「ペプチド抗
生物質」、病因関連(PR)タンパク質、毒素抵抗性、および宿主病原相互作用
(例えば、形態学的特徴)に影響するタンパク質をコードする遺伝子が有用であ
ることが、予期される。ペプチド抗生物質は、細菌および他の微生物の増殖に対
して阻害的であるポリペプチド配列である。例えば、セクロパイン(cecro
pin)およびマゲイニンといわれるペプチドのクラスは、細菌および菌類の多
くの種の増殖を阻害する。単子葉植物(たとえば、トウモロコシ)におけるPR
タンパク質の発現が、細菌性疾患に対する抵抗性を与えることにおいて有用であ
り得ることが、提唱される。これらの遺伝子は、宿主植物に対する病原体の攻撃
の後に誘導され、そして少なくとも5つのタンパク質のクラスに分類される(B
ol,LinthorstおよびCornelissen、1990)。β−1
’3−グルカナーゼ、キチナーゼ、ならびにオスモチンおよび疾患生物体に対す
る抵抗性として植物において機能すると考えられるタンパク質が、PRタンパク
質に含まれる。抗菌特性を有する他の遺伝子は、同定されている(例えば、UD
A(有針イラクサ科のレクチン)およびヘベイン(hevein)(Broak
aertら、1989;Barkai−Golanら、1978))。特定の植
物疾患がフィトトキシンの産生により引き起こされることは、公知である。これ
らの疾患に対する抵抗性が、フィトトキシンを分解するか、そうでなければ不活
性化し得る酵素をコードする新規遺伝子の発現を介して達成されることが、提唱
される。宿主植物と病原体との間の相互作用を変化させる新規遺伝子の発現が、
宿主植物の組織を侵襲する疾患生物体の能力(例えば、葉クチクラのろう質(w
axiness)の増加または他の形態学的な特徴)を減少する際に有用であり
得ることもまた、予期される。
(v)植物の農学的特徴
作物植物が生育され得る場所を決定する2つの要因は、生育期の間の平均の日
中気温および霜の間の時間の長さである。特定の作物を生育することが可能であ
る地域において、成熟まで生育しそして収穫が可能となる最大時間に関して、種
々の制限が存在する。例えば、特定の地域で生育される変種は、最大の可能な収
穫を伴って、必要とされる時間内で成熟し、そして収穫可能な水分含有量までド
ライダウンするその能力について選択される。従って、種々の成熟度の作物が、
異なる生育場所に関して開発される。収穫を可能にするために十分にドライダウ
ンされる必要性を除いて、収穫後のさらなる乾燥に必要とされる量のエネルギー
を最小にするために、野外で最大に乾燥することが望ましい。また、より容易に
産物(例えば、子実)がドライダウンし得るほど、生育および穀粒充填に入手可
能である時間がより長くなる。成熟および/またはドライダウンに影響する遺伝
子が同定され得、そして形質転換技術を使用して植物系統に導入され得、異なる
生育場所または同じ生育場所に適用されるが、収穫の際の水分に対する収穫高の
比が改良されている新たな変種を作出することが考えられる。植物開発の調節に
関与する遺伝子の発現は、特に有用であり得る。
立位性(standability)および他の植物生長特徴を改良し得る遺
伝子が植物へ導入され得ることが、予期される。より強い柄、改良された根系を
与えるか、または雌穂落下量を防ぐかもしくは減少させる新規遺伝子の植物にお
ける発現は、農家にとって大いに価値がある。例えば、光の分配および/または
中断を増加することにより得られ得る光合成生成物の総量を増加する遺伝子の導
入および発現が有利であることが、提唱される。さらに、光合成効率および/ま
たは林冠を増加する遺伝子の発現が、生産性をさらに増加する。作物植物中のフ
ィトクロム遺伝子の発現が有利であり得ることは、予期される。このような遺伝
子の発現は、頂芽優勢を減少し得、植物に半矮性を与え、そして耐陰性を増加す
る(米国特許第5,268,526号)。このような試みは、野外における増加
した植物集団を可能にする。
(vi)栄養の利用
利用可能な栄養を利用する能力は、作物植物の生育における制限因子であり得
る。新規遺伝子の導入によって、栄養の取り込み、耐性pH極値、植物にわたる
流動、貯蔵プール、および代謝活性に対するアベイラビリティを変化させること
が可能であることが、提唱される。これらの改変は、植物(例えば、トウモロコ
シ)が、利用可能な栄養をより効率的に使用することを可能にする。例えば、植
物中に正常に存在し、そして栄養の利用に関与する酵素の活性増加が栄養のアベ
イラビリティを増加することが、予期される。このような酵素の例は、フィター
ゼ(phytase)である。植物による増強された窒素の利用が望ましいこと
が、さらに予期される。植物におけるグルタミン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(例
えば、E.coli gdhA遺伝子)の発現は、有機化合物中の窒素の増加し
た固定化を誘導し得る。さらに、植物におけるgdhAの発現は、グルタミン酸
の過剰なアンモニアの取り込みにより、除草剤グルフォシネート(glufos
inate)に対する増強された抵抗性を誘導し得、従って、アンモニアを解毒
する。新規遺伝子の発現が、以前にはアクセス可能ではなかった栄養供給源(例
えば、より複雑な分子(恐らくは高分子)から栄養価値のある成分を放出する酵
素)を利用可能にし得ることもまた、予期される。
(vii)雄性不稔
雄性不稔は、ハイブリッド種子の産生において有用である。雄性不稔が新規遺
伝子の発現を介して産生され得ることが、提唱される。例えば、雄性花序および
/または配偶体の発達に干渉するタンパク質をコードする遺伝子の発現が、雄性
不稔を生じることが、示された。トランスジェニックタバコおよびナタネ油(o
ilseed)のセイヨウアブラナ(rape)の葯におけるキメラのリボヌク
レアーゼ遺伝子は、雄性不稔を誘導することが実証されている(Mariani
ら、1990)。
細胞質雄性不稔を与える多くの変異が、トウモロコシにおいて発見された。特
にT細胞質といわれる1つの変異はまた、サザン(Southern)コーン夏
疫病に対する感受性と相関する。T細胞質と相関するTURF−13と称される
DNA配列(Levings、1990)が、同定された。形質転換を介してT
URF−13の導入を通じて、疾患感受性から雄性不稔を区別することが可能で
あることが、提唱される。育種目的および子実産生のために雄性不稔を回復し得
ることが必要である場合、雄性稔性の回復をコードする遺伝子もまた導入され得
ることが提唱される。
(viii)改良された栄養含有量
遺伝子は、特定の作物の栄養の質または含有量を改良するために、植物に導入
され得る。作物の栄養組成を変化する遺伝子の導入は、飼料価または食品価を非
常に増強し得る。例えば、多くの子実のタンパク質は、特にブタ、家禽、および
ヒトに与えられる場合、飼料および食品としての目的としては最適以下であり得
る。このタンパク質は、これらの種の食餌において必須であるいくつかのアミノ
酸を欠乏し、この子実への補充物の添加を必要とする。制限必須アミノ酸として
は、リジン、メチオニン、トリプトファン、スレオニン、バリン、アルギニンお
よびヒスチジンが挙げられ得る。いくつかのアミノ酸は、コーンが飼料処方のた
めに他の投入物で補充される後のみに制限される。種子および子実の中のこれら
の必須アミノ酸のレベルは、アミノ酸の生合成を増加するための遺伝子の導入、
アミノ酸の分解を減少するための遺伝子の導入、タンパク質中のアミノ酸の貯蔵
を増加するための遺伝子の導入、または種子もしくは子実へのアミノ酸の輸送を
増加するための遺伝子の導入が挙げられるが、これらに限定されない機構により
上昇し得る。
作物のタンパク質組成は、種々の方法でアミノ酸の収支を改良するために変化
され得、この方法としては、ネイティブなタンパク質の発現を上昇すること、乏
しい組成を有する作物の発現を減少すること、ネイティブなタンパク質の組成物
を変化すること、優れた組成を所有する全体的に新規なタンパク質をコードする
遺伝子を導入することが挙げられる。
作物植物の油含有量を変化する遺伝子の導入はまた、価値を有し得る。油含有
量の増加は、食餌および食品の使用のための種子の代謝エネルギー含有量および
密度の増加を生じ得る。導入された遺伝子は、脂肪酸または脂質の生合成におけ
る律速または制御された工程を取り除くかまたは減少する酵素をコードし得る。
このような遺伝子としては、アセチル−CoAカルボキシラーゼ、ACP−アセ
チルトランスフェラーゼ、β−ケトアシル−ACPシンターゼ、および他の周知
の脂肪酸生合成活性をコードする遺伝子が挙げられるがこれらに限定されない。
他の可能性は、アシル保有タンパク質のような酵素活性を有しないタンパク質を
コードする遺伝子である。油中に存在する脂肪酸の収支を変化する遺伝子は、導
入され得、これはより健康的であるかまたは栄養的な飼料を供給する。導入され
たDNAはまた、脂肪酸生合成に関与する酵素の発現をブロックする配列をコー
ドし得、これは作物中に存在する脂肪酸の割合を変化する。
例えば、枝分れの程度を増加することにより、作物のデンプン成分の栄養価を
増強する遺伝子が導入され得、これはその代謝を遅延することによる家畜におけ
るデンプンの利用の改良を生じる。さらに、作物の他の主な構成要素が変化され
得、これには、種々の他の栄養、プロセシング、または他の品質の局面に影響す
る遺伝子が挙げられる。例えば、色素沈着は、増加または減少され得る。
飼料または食用作物はまた、不十分な量のビタミンしか有し得ず、十分な栄養
価を提供するために補充を必要とする。ビタミン生合成を増強する遺伝子の導入
は、例えば、ビタミンA、E,B12、コリンなどを含むと考えられる。ミネラル
含有量もまた、至適以下であり得る。従って、とりわけ、リン、イオウ、カルシ
ウム、マンガン、亜鉛および鉄を含む化合物の蓄積またはアベイラビリティに影
響する遺伝子は、価値がある。
作物の改良の多くの他の例は、本発明とともに使用され得る。この改良は、子
実に関する必要はないが、例えば、サイレージについて作物価を改良し得る。こ
のことを達成するためのDNAの導入は、リグニン産生を変化する配列(例えば
、ウシにとって優位な飼料価と関連する「褐色中央脈」表現型を生じる配列)を
含み得る。
飼料価および食品価における直接的な改良に加えて、作物の加工を改良し、そ
して加工から生じる生成物の価値を改良する遺伝子もまた、導入され得る。湿式
ミルを介する場合、作物を使用する。従って、例えば、浸漬時間を減少すること
により効率を増加し、そしてこのような加工の費用を減少する新規遺伝子はまた
、用途を見出され得る。湿式製粉生成物の価値を改良することは、デンプン、油
、コーングルテン粉またはグルテン食餌の成分の量または質を変化することを含
み得る。デンプンの上昇は、デンプン生合成における律速工程の同定および除去
を介するか、またはデンプンにおける割合の増加を生じる作物のほかの成分のレ
ベルを減少することにより、達成され得る。
油は、湿式ミルの別の生成物であり、その価値は、遺伝子の導入および発現に
より改良され得る。油の特性は、調理油、ショートニング、潤滑剤または他の油
に由来する生成物の生成および使用、ならびに食品に関連する適用において使用
される場合のその健康に関する性状の改良におけるその有効性を改良するために
、変化され得る。抽出の際に、化学合成のための出発物質として機能し得る新規
脂肪酸もまた、合成され得る。油の特性における変化は、その油に存在する脂肪
酸のタイプ、レベル、または脂質の調整を変化することにより達成され得る。次
に、このことは、新規脂肪酸およびそれらを有する脂質の合成を触媒する酵素を
コードする遺伝子の添加によるか、またはネイティブな脂肪酸のレベルを増加し
、一方でおそらく前駆体のレベルを減少することにより、達成され得る。あるい
は、脂肪酸生合成における工程を遅延させるかまたはブロックするDNA配列が
、導入され得、これは、前駆体脂肪酸中間体における増加を生じるる。添加され
得る遺伝子としては、デサチュラーゼ、エポキシダーゼ、ヒドラターゼ、デヒド
ラターゼおよび脂肪酸中間体を巻き込む反応を触媒する他の酵素が挙げられる。
ブロックされ得る触媒工程の代表的な例としては、ステアリン酸からオレイン酸
への、およびオレイン酸からリノレン酸への不飽和化が挙げられ、これは、ステ
アリン酸およびオレイン酸の各々の蓄積を生じる。他の例は、伸長工程の妨害で
あり、これは、C8〜C12飽和脂肪酸の蓄積を生じる。
(ix)化学薬品および生物製剤の生成または同化作用
本発明に従って調製されるトランスジェニック植物が、全く生成されないか、
または事前のコーン植物とは同じレベルでは生成されないかのいずれかである有
用な生物学的化合物の生成または製造に使用され得ることが、さらに考えられる
。あるいは、本発明に従って生成される植物は、特定の化合物(例えば、有害廃
棄物)を代謝し得、これによりこれらの化合物のバイオレメディエーションを可
能にするために作製され得る。
これらの化合物を生成する新規植物は、本発明により提供される構築物を用い
る、1つまたは潜在的に多くの遺伝子の導入および発現により可能にされる。可
能な多くのアレイとしては、任意の生物体により現在生成される任意の生物学的
化合物(例えば、タンパク質、核酸、初期代謝物および中間代謝物、炭水化物ポ
リマー、バイオレメディエーションにおける使用のための酵素、二次植物代謝物
(例えば、フラボノイドまたはビタミン)を生成する経路を改変するための酵素
、薬剤を生成し得る酵素、および導入について、製造業にとって目的の化合物(
例えば、専門的な化学薬品およびプラスチック)を生成し得る酵素)が挙げられ
るが、これらに限定されない。これらの化合物は、植物により生成され得、収穫
および/または加工に際して抽出され得、そして現在認識される任意の有用な目
的(例えば、薬剤、芳香およびいくつかの名前がつけられる産業的酵素)のため
に使用され得る。
(x)非タンパク質発現配列
DNAは、植物の表現型に影響するための機能が未だタンパク質へ翻訳されて
ないRNA転写物を発現する目的のために植物に導入され得る。2つの例は、ア
ンチセンスRNAおよびリボザイム活性を有するRNAである。両方とも、ネイ
ティブな植物遺伝子または導入された植物遺伝子の発現の減少または除去におい
て潜在的な機能を提供し得る。しかし、以下に詳細に述べるように、DNAは、
植物の表現型をもたらすために必ずしも発現されない。
(1.アンチセンスRNA)
遺伝子は、構築されるかまたは単離され得、これは、転写される場合、標的メ
ッセンジャーRNAの全てまたは部分に相補的であるアンチセンスRNAを生成
する。このアンチセンスRNAは、メッセンジャーRNAのポリペプチド生成物
の生成を減少する。このポリペプチド生成物は、植物ゲノムによりコードされる
任意のタンパク質であり得る。上述の遺伝子は、アンチセンス遺伝子といわれる
。従って、アンチセンス遺伝子は、目的の選択されたタンパク質の発現を減少し
た新規トランスジェニック植物を生成するために、形質転換方法により植物へ導
入され得る。例えば、このタンパク質は、植物において反応を触媒する酵素であ
り得る。酵素活性の減少は、植物中の任意の酵素的に合成される化合物を含む反
応の生成物(例えば、脂肪酸、アミノ酸、炭水化物、核酸など)を減少するかま
たは除去し得る。あるいは、このタンパク質は、貯蔵タンパク質(例えば、ゼイ
ン)または構造タンパク質であり得、これらのタンパク質の減少した発現は、各
々、種子のアミノ酸組成における変化または植物の形態学的変化を誘導し得る。
上記の可能性は、例示によりのみ提供され、適用の完全な範囲を表さない。
(2.リボソーム)
遺伝子はまた、構築または単離され得、転写される場合、エンドリボヌクレア
ーゼとして作用し得るRNA酵素(リボザイム)を産生し、そして選択された配
列でRNA分子の切断を触媒し得る。選択されたメッセンジャーRNAの切断は
、それらのコードされたポリペプチド産物の産生を減少し得る。これらの遺伝子
は、それらを保有する新規のトランスジェニック植物を調製するために使用され
得る。このトランスジェニック植物は、上記で列挙されたポリペプチドを含むが
これらに限定されないポリペプチドの減少されたレベルを保有し得る。
リボザイムは、部位特異的様式で核酸を切断するRNAタンパク質複合体であ
る。リボザイムは、エンドヌクレアーゼ活性を保有する特異的触媒ドメインを有
する(KimおよびCech,1987;Gerlachら、1987;For
sterおよびSymons,1987)。例えば、多数のリボザイムは、高度
の特異性でリン酸エステル転移反応を促進し、しばしば、オリゴヌクレオチド基
質における幾らかのリン酸エステルの1つのみを切断する(Cechら、198
1;MichelおよびWesthof,1990;Reinhold−Hur
ekおよびShub,1992)。この特異性は、この基質が特定の塩基対相互
作用を介して化学反応の前にリボザイムの内部ガイド(guide)配列(「I
GS」)に結合するという必要性に起因していた。
リボザイム触媒は、最初、核酸を含む配列特異的切断/連結反応の一部として
観測されてきた(Joyce,1989;Cechら、1981)。例えば、米
国特許第5,354,855号は、特定のリボザイムが、公知のリボヌクレアー
ゼの配列特異性よりも優れた配列特異性を有するエンドヌクレアーゼとして作用
し得、DNA制限酵素の配列特異性に接近し得ると報告している。
幾らかの異なるリボザイムモチーフは、RNA切断活性を有すると記載されて
きた(Symons,1992)。例は、Tobacco Ringspot
Virus(Prodyら、1986)、Avocado Sunblotch
Viroid(Palukatisら、1979;Symons、1981)
およびLucerne Transient Streak Virus(Fo
rsterおよびSymons,1987)を含むグループIの自己スプライシ
ングイントロン由来の配列を含む。これらウイルスおよび関連ウイルス由来の配
列は、予期された折り畳み二次構造に基づくハンマーヘッド(hammerhe
ad)リボザイムとしていわれる。
他の適切なリボザイムは、RNA切断活性を有するRNase P由来の配列
(Yuanら、1992、YuanおよびAltman,1994,米国特許第
5,168,053号および同第5,624,824号)、ヘアピンリボザイム
構造(Berzal−Herranzら、1992;Chowriraら、19
93)およびHepatitis Deitaウイルスベースのリボザイム(米
国特許第5,625,047号)を含む。一般的な設計およびRNA切断活性に
指向されたリボザイムの最適化は、詳細に議論されてきた(Haseloffお
よびGerlach,1988,Symons,1992,Chowriraら
、1994;Thompsonら、1995)。
リボザイム設計に関する他の可変は、所与の標的RNA上の切断部位の選択で
ある。リボザイムは、贈呈(complimentary)塩基対相互作用によ
って部位へのアニーリングという長所によって所与の配列に標的化される。相同
性の2つの伸長は、この標的化にために必要である。相同性配列のこれらの伸長
は、上記で規定された触媒的リボザイム構造に隣接する。相同性配列の各伸長は
、7〜15ヌクレオチド長に変更し得る。相同性配列を規定するための唯一の必
要性は、標的TNAにおいて、それらが、切断部位である特異的配列によって分
離されるということである。ハンマーヘッドリボザイムについて、切断部位は、
標的RNAに関するジヌクレオチド配列であり、ウラシル(U)続いて、アデニ
ンまたはシトシン、もしくはウラシル(A,C,もしくはU)のいずれかである
(Perrimannら、1992;Thompsonら、1995)。任意の
所与のRNAにおけるこのジヌクレオチドが生じる頻度は、統計学的に3/16
である。従って、1,000塩基の所与の標的メッセンジャーRNAについて、
187ジヌクレオチド切断部位が、統計学的に可能である。
標的RNAの有効な切断のためのリボザイムの設計および試験は、当業者に周
知のプロセスである。リボザイムを設計および試験するための科学的方法の例は
、Chowriraら、(1994)およびLieberおよびStrauss
(1995)によって記載される(これらの各々は、参考として援用される)。
所与の遺伝子を下方調製する際に使用するための操作的かつ好ましい配列の同定
は、所与の配列を調製および試験するという単純な問題であり、当業者に公知の
慣用的に実行される「スクリーニング」方法である。
(3.遺伝子サイレンシングの誘導)
遺伝子は、同時抑制の機構によってネガティブな遺伝子産物の減少された発現
を有する新規なトランスジェニック植物を産生するために導入され得るというこ
ともまた、可能である。タバコ、トマト、およびペチュニアにおいて、ネガティ
ブな遺伝子のセンス転写の発現は、アンチセンス遺伝子で観測された様式と類似
の様式でネガティブな遺伝子の発現を減少または排除することが、実証されてき
た(Goringら、1991;Smithら、1990;Napoliら、1
990;van der Krolら、1990)。導入された遺伝子は、標的
化ネガティブタンパク質のすべてまたは一部をコードし得るが、その翻訳は、そ
のネガティブタンパク質のレベルの減少について必要とされないかもしれない。
(4.非RNA発現性配列)
Ds、Ac、またはMuのような転移性エレメントであるエレメントを含むD
NAエレメントは、遺伝子に挿入され、変異を生じ得る。これらのDNAエレメ
ントは、遺伝子を不活性化(または活性化)するために挿入され得、そしてそれ
によって特定の形質を「タグ化」し得る。この例において、転移性エレメントは
、タグ化変異の不安定性を生じない。なぜなら、このエレメントの利用は、ゲノ
ムにおいて移動するその可能性に依存しないからである。一旦、所望の形質が、
タグ化されると、導入されたDNA配列は、例えば、PCR遺伝子クローニング
技術と一緒にPCRプライマーとして導入されたDNA配列を用いて、対応する
遺伝子をクローニングするために使用され得る(Shapiro,1983;D
ellaportaら、1988)。一旦同定されると、所望されるコントロー
ルまたは調節領域を含む、特定の形質に対する全遺伝子は、所望の通りに、単離
、クローニング、および操作され得る。遺伝子タグ化の目的のために、生物体に
導入されたDNAエレメントの利用性は、DNA配列から独立し、そしてDNA
配列の任意の生物学的活性、すなわちRNAへの転写またはタンパク質への翻訳
に依存しない。このDNAエレメントの唯一の機能は、遺伝子のDNA配列を分
裂させることである。
発現されてないDNA配列(新規の合成的配列を含む)が、それらの細胞およ
び植物およびその播種の独占的「標識」として細胞に導入され得ることは、予期
される。標識DNAエレメントが、宿主生物体に対して遺伝子内因性の機能を崩
壊することは必要ではない。なぜなら、このDNAの唯一の機能が、生物体の起
源を同定しなければならないからである。例えば、独自のDNA配列は、植物に
導入され得、そしてこのDNAエレメントは、その標識化供給源から惹起したよ
うな、すべての細胞、植物およびこれらの細胞の子孫を同定するからである。標
識DNAの包含は、独占的生殖質またはこのような標識されてない生殖質由来の
生殖質を区別することを可能にすることが、提案される。
導入され得る別の可能なエレメントは、マトリックス付着領域エレメント(M
AR)(例えば、チキンリゾチームAエレメント(Stief,1989))で
あり、これは、目的の発現可能な遺伝子のまわりで位置決めされ得、遺伝子の全
体的な発現を増大させ、そして植物ゲノムへの組み込みの際に位置依存的効果を
減少し得る(Stiefら、1989;Phi−Vanら、1990)。
(5.その他)
本発明に関する使用を特異的に想定された非タンパク質発現配列の他の例とし
ては、例えば、コドンの使用を変更するためのtRNA配列、および例えば、種
々の薬剤(例えば、抗体)に抵抗性を所与し得るrRNA改変体が挙げられる。
(IX.生物学的機能的同等物)
改善および変更は、本発明のセントロメア性DNAセグメントにおいて作製さ
れ得、そして所望の特徴づけを有する機能的分子をなお得ることができる。以下
は、同等物、すなわち改善された、二次生成分子でさえ作成するための、セント
ロメアの核酸の変更に基づく議論である。
本発明の特定の実施形態において、変異されたセントロメア配列は、セントロ
メアの利用性を増大させるために有用であると予期される。本発明のセントロメ
アの機能は、セントロメアおよび/またはこのセントロメアと相互作用するタン
パク質のDNA配列の二次構造に基づき得ることが、特異的に予期される。セン
トロメアのDNA配列を変更することによって、セントロメアおよび/またはセ
ントロメア配列の二次構造のための1以上のセントロメア関連タンパク質のアフ
ィニティーを変更し得、それによって、セントロメアの活性を変更し得る。ある
いは、変更は、このセントロメアの活性を実行しない、本発明のセントロメアに
おいて作製され得る。セントロメア活性を所与するために必要なDNAセグメン
トのサイズを減少するセントロメア配列における変更は、本発明において特に有
用であると予期される。なぜなら、変更は、セントロメアが有糸分裂および減数
分裂の間転移されたフィデェリティーを、増大するからである。
(X.植物)
用語「植物」とは、本明細書中で使用される場合、植物の任意の型をいう。本
発明者らは、本発明で使用され得る幾らかの植物の例示的説明を以下に提供した
。しかし、この列挙は、任意の限定する様式ではない。なぜなら、植物の他の型
は、当業者に公知であり、そして本発明において使用され得るからである。
農学で活用される植物の共通の分類は、野菜園芸(朝鮮アザミ、コールラビ、
キバナスズシロ、西洋にらねぎ、アスパラガス、レタス(例えば、ヘッド、リー
フ、ロメイン)、白菜、タロイモ、ブロッコリ、メロン(例えば、マスクメロン
、スイカ、クレンショウ、ハネデュー、カンタロープ)、ブラッセル芽、キャベ
ツ、カードニ(cardoni)、ニンジン、白菜、カリフラワー、オクラ、タ
マネギ、セロリ、パセリ、ヒヨコマメ、アメリカボウフウ、チコリー、中国産キ
ャベツ、コショウ、コラード、ジャガイモ、キュウリ植物(インゲンマメ、キュ
ウリ)、カボチャ、ウリ、ダイコン、乾燥球タマネギ、カブハボタン、ナス、サ
ルシフィ、エスカロール、エシャロット、エンダイブ、ニンニク、ホウレンソウ
、ネギ、カボチャ、緑色物(green)、テンサイ、(砂糖ダイコンおよび飼
料ビート)、サツマイモ、フダンソウ、西洋ワサビ、トマト、ケール、蕪、およ
び香辛料を含む)である。
市販の使用をしばしば見出す他の型の植物は、果実および蔓作物(例えば、リ
ンゴ、アプリコット、チェリー、ネクタリン、モモ、西洋なし、西洋スモモ、プ
ルーン、マルメロアーモンド、クリ、ハシバミ、ベカン、ピスタチオ、クルミ、
シトリス、ブルーベリー、ボイセンベリー、クランベリー、干しブドウ、ローガ
ンベリー、キイチゴ、イチゴ、黒イチゴ、ブドウ、アボカド、バナナ、キーウィ
、カキ、ザクロ、パイナップル、熱帯果実、ナシ、メロン、マンゴ、パパイヤお
よびレイチ)を含む。
最も広範に増幅した多くの植物は、農作物植物(例えば、月見草、牧草フォー
ム(meadow foam)、穀草(フィールド、スイート、ポップコーン)
、ホップ、ホホバ、ピーナッツ、米、ベニバナ、小穀物(オオムギ、カラスムギ
、ライ麦、コムギなど)、サトウモロコシ、タバコ、カボック、マメ植物(マメ
(bean)、レンティル、エンドウマメ、ダイズ)、油料植物(セイヨウアブ
ラナ、マスタード、アヘン、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、ヒマシ油植物、カ
カオの実、ラッカセイ)、繊維植物(ワタ、アマ、アサ、ジュート)、クスノキ
科(シナモン、カンファー)、または植物(例えば、コーヒー、サトウキビ、茶
、および天然ゴム植物))である。
植物のなお別の例としては、花壇用植物(例えば、花、サボテン、多肉多重の
植物、および装飾植物、ならびに木(例えば、森(広葉樹および針葉樹のような
常緑樹)、果実、装飾樹、および木の実保有木、ならびに低木および他の苗木)
が挙げられる。
(XI.定義)
本明細書中で使用される場合、用語「自立性折り曲がり配列」または「ARS
」または「複製起源」とは、DNA複製を開始するタンパク質によって認識され
るDNA複製の起源をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「バイナリBAC」または「バイナリ細菌
性人工染色体」とは、Agrobacterium媒介形質転換(例えば、Ha
miltonら、1996;Hamilton,1997;およびLiuら、1
999)に必要なT−DNAボーダー配列を含む細菌性ベクターをいう。
本明細書中で使用される場合、用語「候補セントロメア配列」とは、潜在的な
セントロメア機能に対してアッセイすると意図する核酸配列をいう。
本明細書中で使用される場合、「セントロメア」とは、細胞分裂を介して娘細
胞に分離する能力を所与する任意のDNA配列をいう。1つの事情において、こ
の配列は、約1%〜約100%(娘細胞の約5%、10%、20%、30%、4
0%、50%、60%、70%、80%、90%、または約95を含む)の範囲
の娘細胞への分離効率を産生し得る。このような分離効率における改変は、本発
明の範囲内に重要な適用を見出す。例えば、100%安定性を所与するミニ染色
体輸送セントロメアは、選択内のすべての娘細胞に維持され得る一方で、1%安
定性を所与するミニ染色体輸送セントロメアは、トランスジェニック生物体に一
時的に導入され得るが、所望の場合、排除され得る。本発明の特定の実施形態に
おいて、セントロメアは、核酸配列の安定な分離を所与し、有糸分裂または減数
分裂(有糸分裂および減数分裂の両方を含む)を介して、セントロメアを含む組
み換え構築物を含む。植物セントロメアは、必ずしも植物由来ではないが、植物
細胞におけるDNA分離を促進する能力を有する。
本明細書中で使用される場合、用語「セントロメア関連タンパク質」とは、セ
ントロメアの配列によってコードされるタンパク質または宿主DNAによってコ
ードされかつこのセントロメアに対して比較的高いアフィニティーで結合するタ
ンパク質をいう。
本明細書中で使用される場合、「真核生物」とは、生存生物体の細胞が核を含
む生存生物体をいう。真核生物は、核を欠損する生物体である「原核生物」と区
別され得る。真核生物および原核生物は、それらの遺伝情報が組織される方法な
らびにRNAおよびタンパク質合成のそれらのパターンにおいて本質的に異なる
本明細書中で使用される場合、用語「発現」とは、構造的遺伝子が代表的にメ
ッセンジャーRNA(mRNA)と称されるRNA分子を産生するプロセスをい
う。このmRNAは、代表的ではあるがいつもではなく、ポリペプチドに転移さ
れる。
本明細書中で使用される場合、「ゲノム」は、遺伝子のすべておよび生物体の
所与の細胞内に遺伝的情報を含むDNA配列をいう。通常、これは、核内に含ま
れる情報を意味するが、細胞小器官をも含むように取られる。
本明細書中で使用される場合、用語「高等真核生物」とは、多細胞真核生物を
いい、代表的にそのより複雑な生理学的機構および比較的大きいサイズによって
特徴付けられる。一般的に、植物および動物のような複雑な生物体は、このカテ
ゴリーに含まれる。本発明によって形質転換される好ましい高等真核生物として
は、例えば、単子葉被子植物種および双子葉被子植物種、裸子植物種、シダ植物
種、これらの種の植物組織培養細胞、動物細胞および藻類細胞が挙げられる。真
核生物および原核生物は、同様に本発明の方法によって形質転換され得ることが
当然理解される。
本明細書中で使用される場合、用語「宿主」とは、複製可能なプラスミドの複
製である任意の生物体または植物染色体を含む発現ベクターをいう。理想的に、
クローニング実験のために使用される宿主菌株は、使用される外来のDNAを分
解し得る任意の制限酵素活性がないべきである。本発明において有用な、クロー
ニングのための宿主細胞に好ましい例としては、細菌(例えば、Escheri
chia coli、Bacillus subtilis、Pseudomo
nas、Streptomyces、Salmonella)および酵母細胞(
例えば、S.cerevisiae)が挙げられる。ミニ染色体の発現のために
標的化され得る宿主細胞は、任意の供給源の植物細胞であり得、そして特異的に
Arabidopsis、トウモロコシ、米、サトウキビ、サトウモロコシ、オ
オムギ、ダイズ、タバコ、コムギ、トマト、ジャガイモ、シトリス、または任意
の他の農学的または科学的重要な種を含む。
本明細書中で使用される場合、「ハイブリダイゼーション」とは、RNA−D
NAハイブリッドを産生する相補的なRNAおよびDNA鎖の対、あるいは二本
鎖DNA分子を産生するための一般的に異なるかまたは同一の供給源由来の2つ
のDNA一本鎖の対をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「リンカー」とは、一般的に50または6
0ヌクレオチド長までであり、そして化学的に合成されるかまたは他のベクター
からクローニングされるDNA分子をいう。好ましい実施形態において、このフ
ラグメントは、平滑切断酵素およびねじれ型切断酵素(例えば、Bam HI)
のための1つ、好ましくは1つより多くの制限酵素部位を含む。このリンカーフ
ラグメントの1つの末端は、直鎖状分子の1つの末端に結合可能であるように適
応され、そして他の末端は、この直鎖状分子の他の末端に結合可能であるように
適応される。
本明細書中で使用される場合、「ライブラリー」とは、クローニングされるラ
ンダムDNAフラグメントのプールである。原理的に、任意の遺伝子は、特異的
ハイブリダイゼーションプローブでライブラリーをスクリーニングすることによ
って単離され得る(例えば、Youngら、1977を参照のこと)。各ライブ
ラリーは、分散した制限酵素で産生されたフラグメントとしてまたは何千のプラ
スミドベクターにランダムに向きを変えられたフラグメントとして挿入された所
与の生物体のDNAを含み得る。本発明の目的のために、E.coli、酵母お
よびSalmonellaプラスミドは、このゲノム挿入物が他の生物体からで
ある場合に特に有用である。
本明細書中で使用される場合、用語「下等真核生物」とは、比較的単純な生理
機能および組成物と特徴付けられる真核生物、ならびに最も頻繁には単細胞をい
う。
本明細書中で使用される場合、「ミニ染色体」とは、セントロメアを含みかつ
娘細胞に転移可能な組み換えDNA構築物である。細胞分裂を介するこの構築物
の安定性は、約1%〜約100%(5%、10%、20%、30%、40%、5
0%、60%、70%、80%、90%、および95%を含む)の間の範囲であ
り得る。このミニ染色体構築物は、環式または直鎖状の分子であり得る。1以上
のテロメア、ARS配列および遺伝子のようなエレメントを含み得る。含まれる
このような配列の数は、この構築物本体の物理的なサイズの限定によってのみ限
定される。天然の染色体由来のDNAを含み得るが、1〜100%の範囲におけ
る分離効率を得ることを必要とされる最小量に対してDNAの量を限定すること
が好ましくあり得る。このミニ染色体は、有糸分裂または減数分裂を通してか、
または有糸分裂および減数分裂の両方を通して遺伝され得る。本明細書中で使用
される場合、用語ミニ染色体は、用語「植物人工染色体」または「PLAC」お
よびこの用語ミニ染色体の意味の中にある構築物に特異的に適用するPLACま
たは植物人工染色体に関連するすべての技術を包含しかつ含む。
本明細書中で使用される場合、「ミニ染色体でコードされたタンパク質」によ
って、本発明のミニ染色体の配列によってコードされるポリペプチドが意味され
る。これは、配列(例えば、選択マーカー、テロメアなど)、ならびにこのミニ
染色体上の任意の他の選択された機能的遺伝子によってコードされるそれらのタ
ンパク質を含む。
「180塩基対の繰り返し」は、配列番号184〜212に開示される特定の
繰り返しのいずれか1つまたは、それ由来の「連続した」配列として規定される
。従って、所与の「180塩基対の繰り返し」は、180より多いかまたはこれ
未満の塩基対を含み得、そしてそこに提供される特定の配列のいずれかによって
示されない配列を反映し得る。
本明細書中で示される場合、用語「植物」は、植物細胞、植物プロトプラスト
、植物カルスなど、ならびにそれから再び産生された全植物を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「プラスミド」または「クローニングベク
ター」とは、共有結合で閉ざされた環式の染色体外DNAまたは直鎖状のDNA
(宿主細胞において自立的に繰り返し得、そして細胞の生存に通常非必須である
)をいう。広範な種々のプラスミドおよび他のベクターは、公知であり、そして
当該分野で一般的に使用される(例えば、Cohenら、米国特許第4,468
,464号(これは、DNAプラスミドの例を開示し、特異的に本明細書中で参
考として援用される)を参照のこと)。
本明細書中で使用される場合、「プローブ」は、任意の生物学的試薬(通常、
同定の容易さのために同じ方法でタグ化される)であり、遺伝子、遺伝子産物、
DNAセグメントまたはタンパク質を同定または単離するために使用される。
本明細書中で使用される場合、用語「組み換え」とは、DNA鎖の崩壊および
再結合を含む任意の遺伝子の交換をいう。
本明細書中で使用される場合、「調節配列」とは、任意の遺伝子の転写または
翻訳の効率に影響を及ぼす任意のDNA配列をいう。この用語は、プロモーター
、エンハンサーおよびターミネータを含むが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される場合、「選択マーカー」は、遺伝子の存在が、明確な
表現型、およびこのマーカーを含む細胞に対する成長の利点を最もよく生じる遺
伝子である。この成長の利点は、標準条件下、温度上昇のような変更された条件
、または除草剤もしくは抗体のような特定の化学物質の存在下で存在し得る。選
択マーカーの使用は、例えば、Broachら、(1979)に開示される。選
択マーカーの例は、数ある中で、チミジンキナーゼ遺伝子、細胞性アデニンホス
ホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子およびジヒドリルホレートレダクターゼ遺
伝子、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、バー(bar)遺伝
子およびネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を含む。本発明における
好ましい選択マーカーは、遺伝子の発現が宿主細胞に対して抗菌性の抵抗または
除草剤抵抗を所与する遺伝子を含む。この遺伝子は、宿主細胞内のベクターの維
持を可能にするために十分であり、そして新たな宿主細胞にプラスミドの操作を
容易にする。本発明の特定の目的としては、例えば、アンピシリン、クロラムフ
ェニコール、テトラサイクリン、G−418、ビアラフォス(bialapho
s)、およびグリフォセートに対して細胞性抵抗を所与するタンパク質である。
本明細書中で使用される場合、「スクリーニングマーカー」は、遺伝子の存在
が、同定可能な表現型を生じる遺伝子である。この表現型は、標準条件下、温度
上昇のような変更された条件下、またはこの表現型を検出するために使用される
特定の化学物質の存在下で観測可能であり得る。
本明細書中で使用される場合、用語「部位特異的組み換え」とは、特定のDN
A配列にてDNA鎖の崩壊および再結合を含む任意の遺伝子交換をいう。
本明細書中で使用される場合、「構造的遺伝子」は、ポリペプチドまたはRN
Aをコードする配列であり、5’末端および3’末端を含む。構造的遺伝子は、
宿主に構造的遺伝子が形質転換される宿主または別の種由来である。構造的遺伝
子は、好ましいが、必要ではなく、構造的遺伝子の発現を調節する1以上の調節
配列(例えば、プロモーター、ターミネーターまたはエンハンサー)を含む。構
造的遺伝子は、好ましいが、必要ではなく、構造的遺伝子を含む生物体に関する
幾らかの有用な表現型(例えば、除草剤抵抗)を所与する。本発明の1つの実施
形態において、構造的遺伝子は、タンパク質(例えば、tRNAまたはrRNA
遺伝子)に翻訳されないRNA配列をコードし得る。
本明細書中で使用される場合、用語「テロメア」とは、染色体の末端をキャッ
ピングし、それによって染色体末端の分解を予防し得、複製を確実にし、そして
他の染色体配列に対する融合を予防し得る配列をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「形質転換」または「トランスフェクショ
ン」とは、DNAの染色体性付加または染色体外性付加を介して新たなDNAの
細胞における獲得(acquisition)をいう。これは、プロセスによっ
て、裸のDNA、タンパク質でコートされたDNA、または全ミニ染色体が細胞
に導入される、このプロセスであり、潜在的な遺伝的変化を生じる。
(XII.実施例)
以下の実施例は、本発明の好ましい実施例を実証することを含む。本技術は、
本発明の実行の際に十分な機能を本発明者によって開示される例示的技術に従う
実施例において開示され、従ってその実行のために好ましい様式を構築すること
を考慮され得ることが、当業者に理解されるべきである。しかし、当業者は、本
開示を考慮して、多くの変更が、開示される特定の実施形態において作製され得
、そして本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく同様なまたは類似
の結果をなお得ることができることを理解するべきである。より詳細には、化学
的にかつ生理学的に関連する特定の薬剤は、本明細書中で記載される薬剤と置換
され得る一方で、同一または類似の結果が達成されることは、明らかである。当
業者に明らかなすべてのこのような類似の置換および改善は、添付の特許請求の
範囲によって規定される通りの、本発明の精神、範囲および概念の中にあるとみ
なされる。
(実施例1)
(Arabidopsis thaliana マッピング(mapping
)集団の産生)
花粉ドナー植物を生成するために、2つの親株輸送qrtlを、互いに交差さ
せる。qrtl−1対立遺伝子は、Landsberg生態型バックグラウンド
にあり、そしてqrtl−2対立遺伝子は、Columbia生態型バックグラ
ウンドにあった。Landsberg生態型は、Columbia生態型から用
意に識別可能である。なぜなら、それは、劣性の変異である、erectaを輸
送し、ニワトリに対する幹、より緻密である開花、およびより丸くそして野生型
より小さい葉を生じる。ドナー植物のマーカーとしてこれを利用するために、q
rtl−2対立遺伝子を、artl−1メススチグマに交差した。F1子孫は、
すべての分子のマーカーでへテロ接合性であるが、この子孫は、融合された対立
遺伝子グレインの四分子のquartet表現型を維持する。さらに、Colu
mbia植物のERECTA表現型を表示する。この可視的マーカーは、交差が
生態型特異的マーカーを分離する植物を生成することにおいて功を奏することの
同定として役立つ。さらなる試験を、子孫が分子遺伝子座でへテロ接合性である
こを保証するためにPCR分析を行うことにより、ドナー植物に対して行った。
花粉粒がマーカー分離について直接的にアッセイされ得ないという事実に起因
して、そして複数のマーカーアッセイに利用可能な長期供給源を作製したいとい
う願望のために、ドナー植物によって生成される個々の四分子を交雑することが
必要であった。これは、大量の組織および種子の両方を生じる後代植物のセット
を作製した。これらの交雑は、雄性不稔性(ms1)について同型接合のレシピ
エント植物を生成することによって効果的に達成された。劣性変異体ms1を、
レシピエント植物が自家受精したり、後代が四分子植物と間違えられたりするこ
とを防ぐために選択した。同型接合性植物は自己受精しないという事実に起因し
て、異型接合の雄性不稔性1(male sterility 1)植物によっ
て生成された原種(これから不稔性レシピエント植物が選択され得る)は、維持
される必要がある。
(実施例2)
(四分子受粉)
四分子受粉を以下のように実施した。成熟した花をドナー植物から取り除き、
そして成熟した四分子花粉粒を放出するようにガラスの顕微鏡用スライド上でト
ントンとたたいた。次いでこのスライドを20〜40倍のZeiss解剖顕微鏡
下に配置した。個々の四分子花粉粒を単離するために、小さな木製のだぼを使用
し、このだぼにはゴム糊で眉毛を取り付けた。光学顕微鏡を使用して、四分子花
粉ユニットを選択し、そして眉毛に接触させた。四分子は、優先的に眉毛に付着
し、従って顕微鏡用スライドから釣り上げられ、そしてレシピエント植物の柱頭
表面に運ばれる。この移動は、顕微鏡の使用を伴わずに実施し、次いで四分子が
付着した眉毛をレシピエントの柱頭表面に対して配置し、そしてこの毛を、柱頭
表面を横切るように手で引きずった。次いで、四分子は優先的にレシピエントの
柱頭に付着し、そして交差受粉を完了した。
最初に、各々3〜4個の種子からなる57の四分子種子のセットを採集した。
植物をこれらの四分子種子のセットから生育させ、そして組織を採集した。DN
Aを、PCRベースの分離分析のために、貯蔵した組織の少量から抽出した。さ
らに、可視的なerecta表現型の分離を記録した。この植物が種子を生じる
場合、この種子を、サザンブロッティングによってRFLP分離を分析するため
に必要とされる、大量のDNAの供給源として採集した。
(実施例3)
(セントロメアに及ぶコンティグ(centromere−spaning−
contig)の調製および分析)
以前に、2つの細菌人工染色体(BAC)ライブラリーのDNAフィンガープ
リントおよびハイブリダイゼーション分析により、Arabidopsisゲノ
ムの単一コピー部分のほぼ全てをカバーする物理的地図の構築がなされた(Ma
rraら、1999)。しかし、Arabidopsisセントロメア近傍の反
復DNA(180bpの反復、レトロ要素(retroelement)、およ
び中間反復配列を含む)の存在は、特定の染色体にセントロメアBACコンティ
グを固定するための取り組みを複雑にした(Murataら、1997;Hes
lop−Harrisonら、1999;Brandesら、1997;Fra
nzら、1998;Wrightら、1996;Koniecznytら、19
91;Pelissierら、1995;VoytasおよびAusubel、
1988;Chyeら、1997;Tsayら、1993;Richardsら
、1991;Simoensら、1988;Thompsonら、1996;P
elissierら、1996)。本発明者らは、これらの固定されていないコ
ンティグを特定のセントロメアにはっきりと割り当てるために遺伝子マッピング
を使用し、ゲノム全体についての情報を与える交差(Copenhaverら、
1998)を用いて、48の植物において多形性マーカーを記録した。このよう
にして、いくつかのセントロメアコンティグを染色体腕の物理的地図に関連付け
(実施例6および表4を参照のこと)、そしてセントロメア境界を規定するDN
Aマーカーの大きなセットを生成した。DNA配列分析は、第II染色体および
第IV染色体についてのコンティグの構造(Linら、1999)を確証した。
CEN2およびCEN4を、特に分析のために選択した。両方とも、構造的に
類似した染色体上に存在し、3.5Mb rDNAアレイをそれらの遠位端上に
有し、それぞれ3Mbおよび2Mbを測定する領域をrDNAとセントロメアと
の間に有し、そして16Mb領域および13Mb領域をそれらの長腕上に有する
(CopenhaverおよびPikaard、1996)。
第II染色体および第IV染色体の実質的に完全な、かつ注釈付きの配列を用
いて、ヌクレオチドレベルでセントロメアの分析を実施した(http://w
ww.ncbi.nlm.nih.gov/Entrez/nucleotid
e.html)。遺伝的に規定されたセントロメア境界内で配列組成を分析し、
そして近接したセントロメア周囲領域と比較した(図12A〜T)。2つのセン
トロメアの分析は、配列パターンの比較および保存された配列エレメントの同定
を容易にした。
セントロメア配列は、180bp反復配列を有することが見出された。これら
の配列は、各セントロメアコンティグのギャップ中に存在することが見出され(
図3、図12B、12L)、ゲノムの他の部分には、繰り返しはほとんどなく、
そして長アレイも存在しなかった。これらのギャップ近傍のBACクローンは、
コンティグ間のDNAの大部分(180bp反復、5S rDNA、または16
0bp反復を含む)を構成すると思われる反復エレメントに対応する末端配列を
有する(図3)。蛍光インサイチュハイブリダイゼーションは、これらの反復配
列がArabidopsisセントロメアの豊富な成分であることを示した(M
urataら、1997;Heslop−Harrisonら、1999;Br
andesら、1997)。遺伝子マッピングおよびパルスフィールドゲル電気
泳動は、多くの180bp反復が、セントロメア領域中の0.4Mbと1.4M
bとの間を測定する長アレイに存在する(Roundら、1997)ことを示し
;配列分析は、ギャップ近傍のさらに散在したコピーを明らかにした。本発明者
らは特に、ミニ染色体の構築のためのこのような180bp反復の使用を意図す
る。第II染色体および第IV染色体の注釈付き配列は、中間反復DNAに対す
る相同性を有する領域を同定し、共に、機能的セントロメア内、および隣接領域
中に存在する(図12B〜12Eおよび12L〜12O)。
CEN2および2.8Mb配列決定領域(CEN4を含む)を含む4.3kb
配列決定領域において、レトロトランスポゾン相同性が、DNA配列の10%よ
り多くを占めることが見出された。それぞれ最大で62%および70%である(
図12C、12M)。トランスポゾンまたは中間反復エレメントに対する類似性
を有する配列が、同様の帯域を占めることが見出されたが、しかし、あまり共通
ではなかった(それぞれ、第II染色体、第IV染色体について最大で29%お
よび11%の密度(図12D〜12Eおよび図12B〜12O))。最終的に、
DrosophilaおよびNeurosporaセントロメアの場合(Sun
ら、1997;Cambareriら、1998)とは異なり、Arabido
psisのセントロメア中では、低コンプレキシティーDNA(マイクロサテラ
イト、ホモポリマー域、およびATリッチイソコア(isochores)を含
む)が富化されていることは見出されなかった。CEN2近傍では、単純反復配
列密度は、遠位の染色体腕上の密度に匹敵し、セントロメア内の配列の1.5%
を占め、フランキング領域では3.2%であり、そして長さが20〜319bp
の範囲であった(平均71bp)。CEN2でのミトコンドリアDNAの挿入を
除いて、セントロメア中および周囲のDNAは、約64%A+Tのゲノム平均か
ら有意に逸脱する大きな領域を含まなかった(図12F、12P)(Bevan
ら、1999)。
180bp反復とは異なり、CEN2およびCEN4の近傍では、他の反復エ
レメントは全て、遺伝的に規定されたセントロメア内で、フランキング領域より
も豊富ではなかった。機能的セントロメアドメインの外側の高濃度の反復エレメ
ントは、セントロメア活性について不充分であり得ることを示唆する。従って、
これらの反復配列中で富化されたArabidopsisゲノムのセグメントを
同定することは、セントロメア機能を提供する領域を正確に突き止めなかった;
同様の状況は、他の高等真核生物のゲノムにおいても起こり得る。
セントロメアに隣接する反復DNAは、重要な役割を演じ得、これは、セント
ロメア構造を凝集させるか、または安定化するように働く、変化したクロマチン
構造を形成する。あるいは、他の機構が、セントロメア近傍での反復エレメント
の蓄積を生じ得る。進化モデルは、反復DNAが低い組換えの領域中に蓄積する
ことを推定するが(Charlesworthら、1986;Charlesw
orthら、1994)、多くのArabidopsis反復エレメントは、セ
ントロメア自体よりも、組換えが活性なセントロメア周囲領域において豊富であ
る。代わりに、レトロエレメントおよび他のトランスポゾンは、セントロメアに
隣接する領域に優先的に挿入し得るか、またはより高い速度でゲノムの残りの部
分から除去され得る。
(実施例4)
(セントロメアの遺伝子マッピング)
セントロメアをマッピングするために、数百の多形DNAマーカーについて異
型接合性であるF1植物を、Landsberg生態型およびColumbia
生態型由来のquartet変異体を交雑することにより生成した(Chang
ら、1988;Ecker、1994;KonieczyおよびAusubel
、1993)。これらの植物由来の四分子において、遺伝的マーカーは、2:2
比で分離する(図6;Preussら、1994)。次いで、マーカーの分離を
、Landsberg同型接合体においてF1植物由来の花粉四分子を交雑させ
ることにより生成した植物において決定した。四分子内の花粉粒の遺伝子型を後
代の遺伝子型から推測した。まず、種子を100より多くの成功した四分子受粉
から生成し、そして組織および種子をこれらのうち57から採集した。これは、
PCRのための十分な材料、ならびにサザンハイブリダイゼーションおよびRF
LPマッピングに必要な大量の組織を生成するために必要な種子を提供した。セ
ントロメアのより正確な位置付けを得るために、元の四分子受粉を、57の四分
子から1000より多くの四分子まで増大させた。
マーカー分離を決定するために、PCR分析を行った。雌親からのLands
bergバックグラウンドの寄与を説明するために、4つの四分子植物の各々か
1つのLandsberg相補物を差し引いた。図5に示すように、ゲノム全体
にわたる部位からのマーカーを、全ての他のマーカーのペアでの比較のために使
用した。テトラ型は、一方または両方のマーカーとそれらのセントロメアとの間
の交差を示し、一方、二型は、交差がなかったこと(または二重交差の存在)を
示す。
従って、あらゆる遺伝子座において、得られた二倍体後代は、L/CまたはC
/Cのいずれかであった。これらの植物内で生成されたマップは、既存のマップ
(雄と雌との両方における組換えの平均を表す)とは異なり、雄性減数分裂にの
み基づく。従って、いくつかの十分に確立された遺伝的距離を再計算した。これ
によって、組換え頻度が有意に変化したか否かを決定する。
分析により得られた大量の遺伝的データは、四分子分析を行うために、対で比
較されなければならない。これらのデータ全部をMicrosoft Exce
l表計算フォーマットで管理し、Landsberg対立遺伝子を「1」の値に
、そしてColumbia対立遺伝子を「0」の値に割り当てた。四分子におい
て、1つの染色体上のマーカーの分離を、異なる染色体上のセントロメア連鎖参
照遺伝子座と比較した(以下の表2を参照のこと)。各遺伝子座の値を適当な参
照で掛け合わせ、そして各四分子についての結果を足すことによって、PD、N
PD、およびTT四分子を、それぞれ2、0、および1の値で容易に区別した。
この集団中の交差の位置をモニタリングすることは、セントロメアから組換え
により分離し得る染色体領域(テトラ型)、およびセントロメアと常に共分離す
る領域(二型)を同定した(Copenhaverら、1988;Copenh
averら、1999)。セントロメアでは、テトラ型頻度は0にまで減少した
;結果として、セントロメア境界は、小さいが検出可能な数のテトラ型パターン
を示す位置として規定された。約400の四分子におけるセントロメア連鎖マー
カーの分離を記録することにより、セントロメア1〜5を、それぞれ550kb
、1445kb、1600kb、1790kb、および1770kbのコンティ
グに対応する物理的地図上の領域に位置決めした(図3)。さらに、各セントロ
メア間隔について、多数の有用な組換え体を同定した。分析の結果は、セントロ
メアが、組換え機構活性を制限する大きなドメイン内に存在すること、およびこ
れらのドメインと周囲の組換えに熟練したDNA(recombination
−proficient DNA)との間の転移が著しく急激であることを示し
た。
Figure 2011125354

180bp反復に対応する多形の分析(RCENマーカー、Roundら、1
997)は、これらの反復が、遺伝的に規定されたセントロメア内にマッピング
されることを確証した。180bp反復と関連した多形を、以前に記載(Rou
ndら、1997)のようにパルスフィールドゲル電気泳動によって分析した。
情報を与える交差を伴う四分子におけるこれらの多形の分離は、各セントロメア
での180bp反復アレイの完全な連鎖を確証した。遺伝単位において、セント
ロメア間隔は、平均して0.44cMであった(組換え%=1/2テトラ型頻度
)。このことは、組換え率が、221kb/cMのゲノム平均(Somervi
lleおよびSomerville、1999;http://nasc.no
tt.ac.uk/new_ri_map.html)を少なくとも10〜30
倍下回ったことを反映する。
高等真核生物セントロメア近傍で代表的に観察される低い組換え頻度は、DN
A改変またはクロマチン状態の異常に起因し得る(Choo,1998;Pue
chberry、1999;MahtaniおよびWillard、1998;
Charlesworthら、1986;Charlesworthら、199
4)。これらの状態を改変するために、そして従って組換え頻度を上昇させるこ
とによりセントロメアマッピング解像能を改善するために、F1 Landsb
erg/Columbia植物を、DNA損傷を引き起こすこと、クロマチン構
造を改変すること、またはDNA改変を変化させることが知られる一連の化合物
の1つで処理した。F1 Landsberg qrt1/Columbia
qrt1植物を、1’’平方ポットで24時間光下で生育し、そしてメタンスル
ホン酸エチルエステル(0.05%)、5−アザ−2’−デオキシシチジン(2
5または100mg/l)、ゼオシン(Zeocin)(1μg/ml)、メタ
ンスルホン酸メチルエステル(75ppm)、cis−ジアミンジクロロ白金(
20μg/ml)、マイトマイシンC(10mg/l)、n−ニトロソ−n−エ
チル尿素(100μM)、n−酪酸(20μM)、トリコスタチンA(10μM
)、または3−メトキシベンズアミド(2mM)で処理した。植物に潅水し、そ
して花を有する茎をこれらの溶液中に浸漬した。あるいは、植物を350nmの
UV(7秒または10秒)、または熱ショック(38℃または42℃で2時間)
に曝露した。これらの植物由来の花粉四分子を使用して、各処理の3〜5日後に
Landsberg柱頭に受粉させた;続いて、F1植物をさらなる処理に供し
た(1植物当たり5回まで、3〜5日毎)。
処理植物由来の四分子を、Landsberg柱頭に交雑し、そして各処理に
供した8〜107四分子からの後代を回収し、そして分析し、600を超えるさ
らなる四分子を得た。サンプルサイズは、個々の処理が顕著な影響を有したかど
うかを決定するには不充分であったが、これらの四分子は、セントロメアに直に
隣接する領域においてより高い組換えを示した(それぞれ、未処理植物および処
理植物において1.6対3.4%組換え)。セントロメアのマップ位置を、第2
染色体から第5染色体上で精製した(図1)。これは、それぞれ880kb、1
150kb、1260kb、および1070kbのコンティグが及ぶ間隔を生じ
、全ての四分子が一貫して、同じ領域に対してセントロメア機能を位置付けした
(Copenhaverら,1999)。
組換えを増大させる試みは、セントロメア近傍で交差を伴う多数の四分子を生
じた;これらの交差は、セントロメア境界の狭い領域内に群がっていた。5つの
交差がCEN2近傍の70kb領域にわたって起こり、そして7つが、CEN1
近傍の200kb領域にわたって起こり、しかもそれぞれ880kbおよび55
0kbの近接したセントロメア間隔においては交差は検出されなかった(図3)
。従って、セントロメアは、組換え機構活性を制限する大きなドメイン内で見出
された;これらのドメインと周囲の組換えに熟練したDNAとの間の転移は、著
しく急激である(図12AおよびK)。より多くの四分子の分析がさらなる組換
え事象を生じたが、観察された交差分布は、セントロメア位置が、有意に精製さ
れなかったことを示す。
(実施例5)
(Arabidopsisセントロメアの配列分析)
(A.セントロメア領域における遺伝子の量)
S.cerevisiaeにおいては、発現遺伝子は、1kbの必須セントロ
メア配列内に位置し、そしてS.pombeにおいては、多コピーのtRNA遺
伝子は、セントロメア機能に必要である80kbフラグメント内に存在する(K
uhnら、1991)。対照的に、高等真核生物のセントロメアにおいては、遺
伝子は、著しい例外はあるが、比較的まれであると考えられる。Drosoph
ila light、concertina、responder、およびro
lled遺伝子座の全てが、第2染色体のセントロメア領域にマッピングされ、
そしてその本来のヘテロクロマチン背景からlightを取り出す転座が、遺伝
子発現を阻害する。対照的に、ユークロマチンに通常存在する多くのDroso
phila遺伝子およびヒト遺伝子は、それらがセントロメア近傍に挿入された
とき不活性となる。従って、セントロメア近傍に存在する遺伝子は、発現を可能
にする特別な制御エレメントを有すると考えられる(Karpen、1994;
LoheおよびHilliker、1995)。本明細書で提供されるArab
idopsis CEN2およびCEN4の配列は、遺伝子密度および発現が、
セントロメア位置および関連したクロマチンとどのように相関するかを理解する
ための強力な供給源を提供する。
第II染色体および第IV染色体の注釈(http://www.ncbi.
nlm.nih.gov/Entrez/nucleotide.html)は
、CEN2およびCEN4内の、およびそれに近接した多くの遺伝子を同定した
(図8、図12A〜12T)。Arabidopsis染色体腕上における推定
遺伝子の密度は、100kb当たり平均して25であり、そしてCEN2および
CEN4に隣接する反復リッチ領域では、それぞれ、これは、100kb当たり
9遺伝子および7遺伝子にまで減少する(Bevanら、1999)。多くの推
定遺伝子はまた、組換えの不充分な(recombination−defic
ient)遺伝的に規定されたセントロメア内に存在する。CEN2内では、1
00kb当たり5つの推定遺伝子が存在し;一方、CEN4は顕著に異なってお
り、100kb当たり12の遺伝子であった。
推定セントロメア遺伝子のいくつかが転写されることの強力な証拠が存在した
。ホスホエノールピルビン酸遺伝子(CUE1)は、1つのCEN5ボーダーを
規定し;そしてこの遺伝子における変異は、光調節遺伝子発現において欠陥を引
き起こす(Liら、1995)。CEN2およびCEN4の配列決定された部分
内では、推定遺伝子の17%(27/160)が、クローン化されたcDNA(
EST)と95%より大きい同一性を有し、CEN4において、CEN2におい
てよりも3倍大きくマッチングした(http://www.tigr.org
/tdb/at/agad/)。これらの遺伝子のうち24個が、複数のエキソ
ンを有しており、そして4つが、既知の機能を有する単コピー遺伝子に対応する
。同定された推定遺伝子のリストを以下の表3に示す。CEN4の境界内でコー
ドされたさらなる遺伝子のリストを、表4に列挙する。これらの遺伝子の同定は
、その遺伝子が、それ自体、独特の調節エレメントを含み得るか、またはセント
ロメア機能または遺伝子発現に関与する独特の制御または調節エレメントに隣接
するゲノム位置に存在し得るという点で、有意である。特に、本発明者らは、ミ
ニ染色体における選択した遺伝子への挿入のための、これらの遺伝子、またはこ
れらの配列の0〜5kb上流または下流のDNA配列の使用を意図する。このよ
うなエレメントは、セントロメアの独特の環境中にある場合でさえ、これらの遺
伝子の発現の有益な調節制御をおそらく生じ得ることが期待される。
残りの23の遺伝子がセントロメアで独特にコードされたか否かを調べるため
に、注釈付きのゲノムArabidopsis配列のデータベースにおいて検索
を行った。2つの遺伝子を除いて、95%より大きい同一性を有するホモログは
、配列決定されたゲノムの80%中のどの場所においても見出されなかった。単
コピー遺伝子に対応する独立したcDNAクローンの数は、遺伝子発現のレベル
の概算値を提供する。第II染色体上で、cDNAデータベースに対して高い質
のマッチング(95%より大きい同一性)を有する推定遺伝子が、平均して4つ
の独立したcDNAクローンとマッチングした(レンジ1〜78)。CEN2お
よびCEN4内では、27のうち11の遺伝子がこの平均を超える(表3)。最
終的に、CEN2およびCEN4でコードされた遺伝子は、単一遺伝子ファミリ
ーのメンバーではなく、しかもそれらは、セントロメア機能においてある役割を
演じると推定される遺伝子にも対応せず、代わりに、多様な役割を有する。
Arabidopsisセントロメア領域における多くの遺伝子は、早期の停
止コドンまたは破壊されたオープンリーディングフレームに起因して機能的でな
いが、染色体腕上に偽遺伝子はほとんど見られなかった。これらの偽遺伝子の大
部分は、可動エレメントに対して相同性を有するが、多くは、典型的には可動性
ではない遺伝子に対応する(図12I〜Jおよび図12S〜T)。遺伝的に規定
されたセントロメア内では、100kb当たり、1.0(CEN2)および0.
7(CEN4)のこれらの非可動性偽遺伝子が存在した;セントロメアに隣接す
る反復リッチ領域はそれぞれ、100kb当たり1.5および0.9を有する。
偽遺伝子および転移性エレメントの分布は重複しており、これらの領域における
DNA挿入が遺伝子破壊に寄与したことを示す。
Figure 2011125354

Figure 2011125354
Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

(B.セントロメアDNAの保存)
CEN2およびCEN4配列の保存を研究するために、PCRプライマー対を
設計した。これらのプライマー対は、Columbia配列内の独特の領域に対
応し、そして約20kbの間隔でLandsbergおよびColimbiaの
セントロメア領域の調査に使用される(図14A、B)。分析に使用されたプラ
イマーは、図15A、Bに列挙される。適切な長さの増幅産物を、大部分のプラ
イマー対(85%)に関して両方の生態型において得た。このことは、以下のこ
とを示す。増幅された領域が高度に類似であることを示す。残りの場合、プライ
マー対は、Columbia DNAを増幅したが、Landsberg DN
Aを増幅しなかった(非常に低いストリンジェンシーでさえも)。これらの領域
において、さらなるプライマーを設計し、非相同性の程度を決定した。CEN2
におけるミトコンドリアDNAの大きな挿入の加えて、2つの他の非保存領域を
同定した(図14A、B)。このDNAは、Landsbergセントロメアを
含まないので、セントロメア機能のために必要であるようである;従って、セン
トロメア配列の関連する部分が、577kb(CEN2)および1250kb(
CEN4)に減少した。LandsbergとColumbiaセントロメアと
の間の高い程度の配列の保存は、以下のことを示した。組換え頻度の抑制は、非
相同性の大きな領域に起因しないが、代わりにセントロメア自体の特性に起因す
ることを示した。
(C.CEN2とCEN4との間の配列類似性)
セントロメア機能を識別するために、CEN2とCEN4との間の新規の配列
モチーフついて検索を行った。レトロエレメント、トランスポゾン、特徴付けら
れたセントロメア反復、および可動性遺伝子に似ているコード配列の比較を除い
て検索を行った。単純な反復配列(ホモポリマートラクト(tract)および
ミクロサテライトを含む)を覆った後、CEN2およびCEN4について417
kbおよび851kbをそれぞれ測定する独特の配列のコンティグをBLAST
を用いて比較した(http://blast.wustl.edu)。
この比較は、以下のことを示した。セントロメア領域内の複合DNAは、全体
配列の長さに渡って相同ではなかったことを示した。しかし、CEN2における
16のDNAセグメントは、60%以上の同一性でCEN4の11の領域に一致
したことを示した(図16)。この配列は、関連した配列のファミリーにグルー
プ化され、そしてAtCCS1〜7(Arabidipsis thalian
aセントロメア保存配列1〜7)が設計された。これらの配列は、Arabid
opsisゲノムにおいて反復されると以前に公知ではなかった。この配列は、
合計17kb(4%)のCEN2 DNAを含み、1017bpの平均の長さを
有した。そして65%のA+Tの含量であった。類似性に基づいて、一致する配
列を、各々が8の配列(AtCCS1およびAtCCS2;配列番号1〜14)
、3の配列(推定オープンリーディングフレームをコードする小さなファミリー
由来)(AtCCS3;配列番号21〜22)、ならびに4の配列(セントロメ
ア内に一度見出された)(AtCCS−AtCCS7;配列番号15〜20)、
予測されたCEN2およびCEN4タンパク質に対応する配列の1つ(エキソン
およびイントロン全体に渡った類似性を有する)(AtCCS6;配列番号17
)を含む2つのファミリーを含む群に分類された(図16)。
Arabidopsisゲノム配列データベースの検索は、以下のことを実証
した。セントロメアおよびセントロメア周囲の領域において出現するAtCCS
1〜AtCCS5が、中程度に反復した配列であったことを実証した。この残り
の配列は、遺伝的に定義されるセントロメアのみに存在する。全ての16のS.
cerevisiaeセントロメアの同様の比較は、以下を定義した。保存され
た8bpのCDEIモチーフ、ATリッチな85bpのCDEIIエレメント、
および7の高度に保存されたヌクレオチドを有する26bpのCDEII領域か
らなるコンセンサスを定義した(Fleigら、1995)。対照的に、3つの
S.pombeセントロメアの調査は、全体のセントロメア構造の保存を明らか
にしたが、広く保存されたモチーフを明らかにしなかった(Clark、199
8)。
(実施例6 マッピングの結果:Arabidopsis 第1〜5染色体)
第1染色体上のセントロメアをmi343(56.7cM)とT27K12(
59.1cM)との間にマッピングした。より洗練された位置は、マーカーT2
2C23−t7(約58.3cM)とT3P8−sp6(約59.1cM)との
間に、セントロメアを配置する。この間隔に含まれるのは、以前に記載されたマ
ーカーEKRIVおよびRCEN1であった。
第2染色体上のセントロメアをmi310(18.6cM)とg4133(2
3.8cM)との間にマッピングした。より洗練された位置は、マーカーF5J
15−sp6(約19.1cM)とT15D9(約19.3cM)との間に、セ
ントロメアを配置する。以下の配列決定された(http://www.ncb
i.nlm.nih.gov/Entrez/nucleotide.html
)BAC(細菌人工染色体)クローンは、以下のために公知である。マーカーF
5J15−sp6とT15D9との間の領域(T13E11、F27C21、F
9A16、T5M2、T17H1、T18C6、T5E7、T12J2、F27
B22、T6C20、T14C8、F7B19およびT15D19)を測定する
ために公知である。
T12JとF27B22との間に、BAC適用範囲におけるギャップが存在す
る。RARE切断、パルスフィールドゲル(pulse fiedl gel)
またはDNA配列タイリング(tiling)が、使用され、配列決定のための
ギャップにおけるDNAを単離する。
第3染色体上のセントロメアを、atpox(48.6cM)とATA(53
.8cM)との間にマッピングした。より洗練された位置は、マーカーT9G9
−sp6(約53.1cM)とT5M14−sp6(約53.3cM)との間に
セントロメアを配置された。この間隔内に含まれるのは、以前に記載されたマー
カーRCEN3である。
第4染色体上のセントロメアをmi233(18.8cM)とmi167(2
1.5cM)との間にマッピングした。より洗練された位置は、マーカーT24
H24.30k3(約20.3cM)とF13H14−t7(約21.0cM)
との間にセントロメアを配置する。以下の配列決定された(hppt://ww
w.ncbi.nlm.nih.gov/Entrez/nucleotide
.html)BAC(細菌人工染色体)クローンは、マーカーF5J15−sp
6とT6A13−sp6(T27D20、T19B17、T26N6、F4H6
、T19J18、T4B21、T1J1、T32N4、C17L7、C6L9、
F6H8、F2I12、F14G16、およびF28D6)との間の領域を測る
ことが公知である。
F2I12とF14G16との間のBAC切断内のギャップが存在する。RA
RE切断、パルスフィールドゲルまたはDNA配列タイリングが使用され、配列
決定のためのギャップ内のDNAが単離される。
第5染色体上のセントロメアをnga76(71.6cM)とPhyC(74
.3cM)との間にマッピングした。より洗練された位置はマーカーF13K2
0−t7(約69.4cM)とCUE1(約69.5cM)との間にセントロメ
アを配置する。この間隔に含まれるのは、公に利用可能なマーカー、um579
D、mi291b、CMs1である。
所定の第1〜5染色体上のセントロメア内に位置することが公知のBACクロ
ーンを示す表、ならびにこれらのクローンの配列についてのGenbank目録
番号を以下の表5および表6に示す。
Lister and Dean Recombinant Inbred
Genetic mapに対応する遺伝的な位置(すなわち、cM値)は、ht
tp://nasc.nott.ac.uk/new_ri_map.html
でオンラインで利用可能である。マーカーは、http://genome−w
ww.stanford.edu/Arabidopsis/abuoutca
ps.htmlで利用可能である。
Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354
Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

(実施例7 セントロメアの機能を試験するためのBACベクターの構築)
BACクローンは、1つ以上の植物テロメアおよび選択マーカーを用いて、A
grobacterium形質転換に必要なDNAエレメントと一緒になって逆
根管充填(retrofitting)され得る(図9)。この方法は、任意の
BACクローンを植物細胞に送達する手段を提供し、セントロメアの機能につい
て試験する。
この方法は、以下の方法で働く。転換ベクターは、逆根管充填カセットを含む
。この逆根管充填カセットは、Tn10、Tn5、Tn7、Muまたは他の転移
性エレメントに隣接しており、そして複製起点およびAgrobacteriu
mのための選択マーカー含み、植物テロメアアレイ、続いて、T−DNA右およ
び左ボーダー、続いて第2の植物テロメアアレイ、および植物選択マーカー(図
9)を含む。この転換ベクターは、標的BACを保有するE.coli株に形質
転換され得る。次いで、逆根管充填カセットに隣接する転移性エレメントは、カ
セットのBACクローンへの転移をランダムに媒介する。この逆根管充填された
BACクローンは、今や適切なAgrobacteriumの株に形質転換され
、次いで植物再に形質転換され得る。ここで高度のフィデリティー(fidel
ity)の減数分裂および有糸分裂の伝達ついて試験され得、この伝達は、この
クローンが完全な機能性植物セントロメアを含んだことを示す。
(実施例8 植物ミニ染色体の構築)
ミニ染色体を以下のように構築する。以前に単離された必須の染色体エレメン
トを組み合わせることによって構築する。例示的なミニ染色体ベクターとしては
、「シャトルベクター」であるように設計されたベクターが挙げられる。シャト
ルベクターは、すなわち簡便な宿主(例えば、E.coli、Agrobact
erium、または酵母)ならびに植物細胞において維持され得る。
(A.ミニ染色体の構築のための一般的な技術)
ミニ染色体は、E.coliまたは他の細菌細胞において、環状分子として維
持され得る。テロメア配列ブロックの間の移動性stufferフラグメントと
配置することによって維持され得る。このstufferフラグメントは、不必
要なDNA配列であり、独特の制限部位に隣接する。このフラグメントは、環状
DNAの制限消化によって除去され、テロメア末端を有する直鎖状分子を作製す
る。次いで、この直鎖状ミニ染色体は、例えばゲル電気泳動によって単離され得
る。stufferフラグメントおよび植物テロメアに加えて、ミニ染色体は、
複製起点および選択マーカーを含む。選択マーカーは植物において機能し得、環
状分子が細菌細胞において維持されることを可能にする。ミニ染色体はまた、植
物選択マーカー、植物セントロメア、および植物ARSを含み、植物細胞におい
てDNA分子の複製および維持が可能である。最後に、ミニ染色体はいくつかの
独特の制限部位を含み、ここでさらなるDNA配列挿入物がクローン化され得る
。例えば、ミニ染色体の物理的な構築の最も迅速な方法、すなわち種々の必須の
エレメントの連結は、総合すると例えば、当業者に明瞭である。
多数のミニ染色体ベクターが、現在の発明者によって設計され、そして本明細
書中に例示の目的で開示されている(図7A〜図7H)。しかし、これらのベク
ターは限定ではなく、当業者に明らかなように、多くの変化および変更がなされ
得、そしてさらに機能的ベクターが得られ得る。
(B.ミニ染色体の構築のための変更された技術)
2段階の工程の方法が、ミニ染色体の構築のために開発された。この方法は、
セントロメアDNAを含むBACクローンに必須のエレメントを加えることを可
能にする。これらの手順は、インビボで起こり得、染色体の切断の問題を排除す
る。この染色体の切断の問題は、しばしば試験管内で生じる。この技術の詳細お
よび利点は、以下のようである:
1)1つのプラスミドは、作製され得る。このプラスミドはマーカー、Agr
obacteriumの転移のための起点および植物におけるボーダー配列、選
択およびスクリーニングのためのマーカー、植物テロメア、およびloxP部位
またはインビボまたはインビトロでの部位特異的組換えに有用な他の部位を含む
。第2のプラスミドは、BACクローンであり得、入手可能なゲノムライブラリ
ーより単離される(図11A)。
2)単一のE.coli内でか、または試験管内でのいずれかで2つのプラス
ミドが混合され、そして部位特異的組換えcreが導入される。これは2つのプ
ラスミドがloxP部位で融合することを引き起こす(図11B)。
3)必要であるとみなされる場合、有用な制限部位(AseI/PacIまた
はNot I)は、過剰の物質(例えば、他の選択マーカーまたは複製起点)を
除去するために含まれる。
4)変異は、KanR遺伝子(有するか、または有さない)(図11B、11
C)、LAT52 GUS遺伝子(有するか、または有さない)、LAT52G
FP遺伝子を含み、そしてGUS遺伝子を含む(図11C、11Dおよび11E
)。他の植物プロモーターの制御下で。
(C.安定な組み込まれないミニ染色体の調製方法)
ミニ染色体が宿主ゲノム内に組み込まれないことを確認するための技術が開発
された(図11F)。特に、ミニ染色体は、宿主の染色体とは別の異なるエレメ
ントとして維持されなければならない。導入されたミニ染色体が組み込まれない
ことを確認するために、本発明者らは、以下の多様性を想像する。この多様性は
、致死植物遺伝子をコードする(例えば、ジフテリア(diptheria)毒
素または任意の他の遺伝子産物(発現された際に、植物に致死を引き起こす))
。この遺伝子は、右Agrobacteriumボーダーとテロメアとの間に位
置し得る。植物核に入り、そして宿主染色体に組み込まれるミニ染色体は、致死
を生じる。しかし、ミニ染色体が別のままである場合、そしてさらにこの構築物
の端がテロメアまで分解される場合、致死遺伝子が除去され、そして細胞は生存
する。
(実施例9 二セントロメア染色体の分析によるセントロメア活性のインビボ
スクリーニング)
方法を、セントロメア活性のスクリーニングのために設計した(図10)。こ
の方法において、植物は、2成分のBACクローン(遺伝的に定義されたセント
ロメア領域のDNAを含む)で初め形質転換される。DNAが宿主染色体中に組
み込まれることを可能にすることによって、この組み込みが2つのセントロメア
を有する染色体を生じると期待される。これは不安定な状況である。この状況は
、しばしば染色体の破損につながる。有糸分裂および減数分裂減少の間に、逆の
極に引かれる場合、2以上の機能的セントロメアを保有する単一の染色体が、2
つのセントロメアの間での接合部で頻繁に破損するように、染色体の破損につな
がる。これは、重い増殖欠失および生存不能な子孫に引き起こし得る。細胞プロ
セスおよび発達プロセスに重要な、または必須な遺伝子が、破損現象によって破
壊される場合に。従って、セントロメア機能を有する領域は、クローンの探索に
よって同定され得る。ここでこのクローンは、宿主植物に導入される際に、任意
の以下の予測された特性を示す:形質転換の減少された効率;形質転換された植
物が、異常なセクターおよび増加した致死を示すように天然の染色体に組み込ま
れた際の遺伝的不安定性の因果関係;特に形質転換された植物が、導入遺伝子の
維持について選択しない条件下で増殖する際の維持の困難;染色体の遠位の先端
でか、またはセントロメア領域でゲノムに組み込まれる傾向。対照的に、非セン
トロメアDNAを含むクローンは、よりランダムなパターンを組み込むと予測さ
れる。生じる組み込みの分布およびパターンの確認は、挿入されたDNAの末端
の配列決定によって決定され得る。
スクリーニングを、BiBACライブラリー(2成分の細菌人工染色体)にお
いてセントロメアDNAをコードする100kbより大きいクローンの同定によ
って行った(Hamilton、1997)。これは、セントロメア由来のDN
AをコードするクローンについてのBiBACゲノムライブラリーを含むスクリ
ーニングフィルターによってなされる(図10、工程1)。BiBACベクター
が使用されるのは、Arabidopsisゲノム物質の大きな挿入物を含み得
るからであり、またAgrobacterium媒介形質転換に必要な2成分の
配列をコードするからである。次いで、BiBACベクターを含むセントロメア
配列を、Agrobacterium媒介形質転換によって直接染色体に組み込
んだ(図10、工程2)。コントロールとして、非セントロメアDNAを含むB
iBAC構築物をまた、形質転換に使用した。セントロメア機能を有する配列を
保有するBiBACは、二セントロメア染色体の形成を生じる。形質転換された
植物由来の子孫は、以下について分析される。二セントロメア染色体の形成に起
因する染色体の破壊に寄与する生育不能および全体の形態学的な差について分析
される(図10、工程3)。非セントロメア配列は、野生型植物との表現型の差
をほとんど示さないと予測される。
(実施例10 増加した組換えのための処理での洗練されたセントロメアマッ
ピング)
Arabidopss thalianaにおけるセントロメアについてのよ
り洗練されたマップ位置を達成するために、種々の化学および環境処理を使用し
、組換えを刺激した。これらの処理を、四分子セットの植物を作製するために達
成された交雑種(cross)の花粉ドナーに使用した(実施例2を参照のこと
)。花粉ドナー植物を、1インチ四方のポットに個別に植え、そして開花まで2
4時間の光で生育室で生長させた。次いで開花植物を以下の溶液の1つに漬け、
そして50mlの同じ溶液で灌漑した。
Figure 2011125354

処理の後、次いで植物を生育室に戻し、そして標準条件下で2〜5日育てた。
次いで花粉を、新しく開いた花より収集し、そして使用し、実施例2に記載され
るように柱頭を受粉させた。次いで花粉ドナー植物を再び上記のように処理し、
そして別の回の受粉に使用した。花粉ドナー植物は、代表的に5〜10回の処理
および花粉の収集に供された。
処理をまた、非化学試薬を使用して行った。上記のように、処理を使用し、A
rabidopsisにおけるセントロメアについてのより洗練されたマップの
位置を、さらなる花粉ドナー植物において組換えを刺激することによって達成し
た。処理は以下のようであった。
Figure 2011125354

水で満たされた浅い皿に花粉ドナー植物を含むポットを配置することによって
(乾燥を防ぐために)、ヒートショック処理を行った。そして適切な温度の生育
機に植物を含む皿を配置した。花粉ドナー植物を、BioRad UVチャンバ
ーに配置することによって、UV照射を行い、そして異なる量の時間、適切な波
長で植物を照射した。UV植物およびヒートショック植物の両方を、何回かの処
理および花粉の収集に供した。ガンマ放射源(コバルト−60)に曝露した植物
を1度のみ処理し、次いで有害な染色体の再編成の蓄積を防ぐために処分した。
処理の後、次いで植物を生育室に戻し、そして標準条件下で2〜5日生育した
。次いで花粉を新しく開いた花より収集し、そして実施例2に記載のように感受
性の柱頭を受粉するために使用した。次いで花粉ドナー植物を再び、上記のよう
に処理し、そして別の回の受精に使用した。花粉ドナー植物は、代表的に5〜1
0回の処理および花粉の収集に供された。結果を以下の表9に示す。
Figure 2011125354

(実施例11 遺伝性遺伝子移入の促進)
本発明者よって、以下のこともまた企図される。遺伝子移入を促進するために
組換えを刺激する技術または処理を使用し得ることも、企図される。遺伝子移入
は、育種技術を記述し、これによって1つ以上の所望の形質が別の系統(B)か
ら1つの系統(A)に、移される。次いでこの形質は、同じ系統(A)への一連
の戻し交配によって所望の系統(A)の遺伝的バックグラウンドに単離される。
所望の遺伝的バックグラウンドにおける所望の形質を単離するために必要とされ
る多数の戻し交配は、各戻し交配における組換えの頻度に依存する。
戻し交配は、特定の所望の形質を、1つの供給源から近交系またはその形質が
ない他の植物に転移する。これは、例えば、以下のように初めに交配することに
よって、達成され得る。優位な近交系(A)(反復性の親)を、ドナー近交系(
非反復性の親)と交配することによって。それらは、問題の形質のための適切な
遺伝子(例えば、本発明に従って調製された構築物)を保有する。この交配の子
孫は、反復性の子孫において、所望の性質(非反復性の親から移される)につい
て最初に選択され、次いで選択された子孫は、優位な反復性の親(A)に戻し交
配される。所望の性質についての選択された5以上の戻し交配世代の後、その子
孫は、移された特徴を調整する座についてヘミ接合であるが、大部分か、または
ほとんど全ての他の遺伝子について優位な親と似ている。最後の戻し交配世代を
自家受粉し、子孫を得る。その子孫は、移された遺伝子について純粋育種である
(すなわち、1つ以上の形質転換現象)。
従って、一連の育種操作を通じて選択された導入遺伝子は、1つの系統から、
全く異なる系統に、さらなる組換え操作の必要もなく移動され得る。導入遺伝子
は、以下において役立つ。代表的に、任意の他の遺伝子として遺伝的に振舞う際
に役立つ。そして任意の他のコーン(corn)遺伝子に同一な様式における育
種技術によって操作され得る。従って、1以上の導入遺伝子を本当に育種する近
交系植物を産生し得る。異なる近交系植物との交配によって、異なる導入遺伝子
の組み合わせを有する多数の異なるハイブリッドを産生し得る。この様式におい
て、ハイブリッドと頻繁に関連する所望の農学特性(「ハイブリッド効力」)な
らびに1以上の導入遺伝子によって与えられる所望の特徴を有する植物が、産生
され得る。
育種はまた、全体のミニ染色体を1つの植物から別の植物に移すために使用さ
れ得る。例えば、ミニ染色体を有する第1の植物を、ミニ染色体を有さない第2
の植物交配させることによって、この交配の任意の世代の子孫が得られ得る。こ
の子孫は、ミニ染色体を有するか、または任意のさらなる数の所望のミニ染色体
を有する。一連の戻し交配を通じて、植物が得られ得る。この植物は、第2の植
物の遺伝的バックグラウンドを有するが、しかし第1の植物由来のミニ染色体を
有する。
本明細書中で開示および請求された全ての組成物および方法が、本開示の観点
における過度の実験法を有さないでなされ得、そして作成され得る。本発明の組
成物および方法が、好ましい実施形態の用語において記載されるが、当業者には
以下のことが明瞭である。変更が、本発明の、概念、精神および範囲から逸脱し
ないで以下に適用され得ることが明瞭ある。本明細書中に記載される組成物なら
びに方法に適用され得、そして本明細書中に記載される工程または方法の工程の
順序に適応され得ることが明瞭である。より具体的には、以下のことが明らかで
ある。化学的および生理的の両方に関連した特定の薬剤が、本明細書中に記載さ
れる薬剤と置換され得るが、しかし、同じか、または類似の結果が達成され得る
ことが明らかである。当業者に明瞭なすべてのこのような類似の置換および変更
は、添付の請求項によって定義されるように本発明の精神、範囲および概念内で
ある。
(参考文献)
以下の参考文献は、それらが本明細書中に示される例示的な手順または他の詳
細な補遺を提供する程度まで、本明細書中に参考として援用される。
Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Figure 2011125354

Claims (1)

  1. 明細書中に記載の発明。
JP2011076545A 1999-03-18 2011-03-30 植物セントロメア Withdrawn JP2011125354A (ja)

Applications Claiming Priority (12)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US12521999P 1999-03-18 1999-03-18
US60/125,219 1999-03-18
US12740999P 1999-04-01 1999-04-01
US60/127,409 1999-04-01
US13477099P 1999-05-18 1999-05-18
US60/134,770 1999-05-18
US15358499P 1999-09-13 1999-09-13
US60/153,584 1999-09-13
US15460399P 1999-09-17 1999-09-17
US60/154,603 1999-09-17
US17249399P 1999-12-16 1999-12-16
US60/172,493 1999-12-16

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000605743A Division JP2004512806A (ja) 1999-03-18 2000-03-17 植物セントロメア

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011125354A true JP2011125354A (ja) 2011-06-30

Family

ID=27558033

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000605743A Pending JP2004512806A (ja) 1999-03-18 2000-03-17 植物セントロメア
JP2011076545A Withdrawn JP2011125354A (ja) 1999-03-18 2011-03-30 植物セントロメア

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000605743A Pending JP2004512806A (ja) 1999-03-18 2000-03-17 植物セントロメア

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1165792A2 (ja)
JP (2) JP2004512806A (ja)
BR (1) BR0009119A (ja)
CA (2) CA2904855A1 (ja)
WO (1) WO2000055325A2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050287647A9 (en) * 2001-05-30 2005-12-29 Carl Perez Plant artificial chromosomes, uses thereof and methods of preparing plant artificial chromosomes
IL157746A0 (en) 2001-05-30 2004-03-28 Chromos Molecular Systems Inc Chromosome-based platforms
AU2002953516A0 (en) * 2002-12-23 2003-01-16 Murdoch Childrens Research Institute Genetic therapy and genetic modification
AU2012202836B2 (en) * 2003-06-27 2015-03-19 Chromatin, Inc. Plant centromere compositions
EP2295586A3 (en) * 2003-06-27 2011-06-29 Chromatin, Inc. Plant centromere compositions
EP1644510A4 (en) * 2003-06-27 2007-10-24 Chromatin Inc PLANTS centromere compositions
US20090320164A1 (en) * 2004-12-08 2009-12-24 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Method for production of plant cell having chromosome loss
US7855164B1 (en) 2005-02-22 2010-12-21 Mendel Biotechnology, Inc. Screening methods employing stress-related promoters
ES2620431T3 (es) * 2008-08-04 2017-06-28 Natera, Inc. Métodos para la determinación de alelos y de ploidía
WO2011011693A1 (en) 2009-07-23 2011-01-27 Chromatin, Inc. Sorghum centromere sequences and minichromosomes
CA2772267A1 (en) 2009-08-31 2011-03-03 Basf Plant Science Company Gmbh Regulatory nucleic acid molecules for enhancing seed-specific gene expression in plants promoting enhanced polyunsaturated fatty acid synthesis
SG178388A1 (en) 2009-08-31 2012-03-29 Basf Plant Science Co Gmbh Regulatory nucleic acid molecules for enhancing seed-specific and/or seed-preferential gene expression in plants
CA3235747A1 (en) 2009-08-31 2011-03-03 Basf Plant Science Company Gmbh Regulatory nucleic acid molecules for enhancing constitutive gene expression in plants
MX2014008243A (es) 2012-01-06 2015-02-20 Pioner Hi Bred International Inc Un metodo para seleccionar plantas por elementos geneticos que inducen la partenogenesis en plantas.
CN114747478B (zh) * 2021-01-15 2023-10-13 冯永德 一种牧草的复合育种方法
CN113498738A (zh) * 2021-07-16 2021-10-15 云南省烟草农业科学研究院 一种利用水平基因组转移创制烟草种间异源多倍体新种质的方法
CN115623986B (zh) * 2022-10-27 2023-12-15 天津农学院 一种鉴定芹菜愈伤组织完全胚性化的方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5270201A (en) * 1988-03-24 1993-12-14 The General Hospital Corporation Artificial chromosome vector
WO1989009219A1 (en) * 1988-03-24 1989-10-05 The General Hospital Corporation Artificial chromosome vector
US5773705A (en) * 1992-12-31 1998-06-30 Wisconsin Alumni Research Foundation Ubiquitin fusion protein system for protein production in plants
US6025155A (en) * 1996-04-10 2000-02-15 Chromos Molecular Systems, Inc. Artificial chromosomes, uses thereof and methods for preparing artificial chromosomes
EP0986648A1 (en) * 1997-06-03 2000-03-22 Arch Development Corporation Plant artificial chromosome (plac) compositions and methods
EP0994957A1 (en) * 1997-07-31 2000-04-26 Sanford Scientific, Inc. Transgenic plants using the tdc gene for crop improvement
EP1033405A3 (en) * 1999-02-25 2001-08-01 Ceres Incorporated Sequence-determined DNA fragments and corresponding polypeptides encoded thereby

Also Published As

Publication number Publication date
WO2000055325A2 (en) 2000-09-21
JP2004512806A (ja) 2004-04-30
WO2000055325A9 (en) 2010-01-07
CA2904855A1 (en) 2000-09-21
WO2000055325A3 (en) 2001-08-23
EP1165792A2 (en) 2002-01-02
BR0009119A (pt) 2001-12-26
CA2362897A1 (en) 2000-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011125354A (ja) 植物セントロメア
Shi et al. ARGOS 8 variants generated by CRISPR‐Cas9 improve maize grain yield under field drought stress conditions
JP5355286B2 (ja) 植物人工染色体、その使用及び植物人工染色体の製造方法
US20050266560A1 (en) Plant chromosome compositions and methods
WO2005010187A1 (en) Methods for generating or increasing revenues from crops
JP2005500827A5 (ja)
WO2020248971A1 (en) Maize gene zmravl1 and functional site and use thereof
US20130007927A1 (en) Novel centromeres and methods of using the same
JP2003525051A (ja) 種子収量、バイオマス、および収穫指数が向上したトランスジェニック植物
JP2015508668A (ja) サトウキビ桿状ウイルス(scbv)エンハンサーおよび植物機能ゲノミクスにおけるその使用
JP6039560B2 (ja) サトウキビ桿状ウイルス(scbv)エンハンサーおよび植物機能ゲノミクスにおけるその使用
WO2019129145A1 (en) Flowering time-regulating gene cmp1 and related constructs and applications thereof
JP2009540822A (ja) 植物の構造及び成長を調節するための植物クロマチンリモデリング遺伝子の使用
WO2008112972A2 (en) Centromere sequences and minichromosomes
US20230279419A1 (en) Enhancement of productivity in c3 plants
EP1644510A2 (en) Plant centromere compositions
AU2008207566B2 (en) Plant centromeres
KR101178470B1 (ko) 식물성장 촉진용 유전자 및 그 유전자를 포함하는 형질전환 식물
JP4953050B2 (ja) 植物の節特異的遺伝子発現プロモーター、およびその利用
Windham Site-directed mutagenesis in peach (Prunus persica) via CRISPR-Cas12a
Jones Identification, isolation, expression analysis and molecular characterization of nine genes key to late embryogenesis in loblolly pine
Lu Transposon Tagging in Strawberry and Potato and Characterization of Representative Strawberry Mutants

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110330

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20120823

A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120904