以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す電子写真感光体100は、感光層6において電荷発生層1と電荷輸送層2とが別個に設けられたいわゆる機能分離型感光体である。具体的には、図1に示した感光体100は、導電性支持体3上に下引き層4、電荷発生層1、電荷輸送層2、保護層5がこの順序で積層された構成を有している。
そして、電荷発生層1は、硫酸塩、亜硫酸塩、過硫酸塩、重亜硫酸塩及びチオ硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩と、電荷発生材料とを含有しており、第1の機能層に相当する。
以下、電子写真感光体100の各構成要素について詳述する。
導電性支持体3としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル等の金属製のもの;ポリマー製シート、紙、プラスチック、ガラス等の基体上に、アルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着することで導電処理したもの;酸化インジウム、酸化錫等の導電性金属化合物を上記基体上に蒸着することで導電処理したもの;金属箔を上記基体上にラミネートすることで導電処理したもの;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化錫−酸化アンチモン粉、金属粉、沃化銅等を結着樹脂に分散し、上記基体上に塗布することで導電処理したもの等が挙げられる。また、導電性支持体3の形状は、ドラム状、シート状、プレート状のいずれであってもよい。
導電性支持体3として金属パイプ基材を用いる場合、その表面は素管のままであってもよいが、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウェットホーニング、着色処理等の表面処理により基材表面を粗面化しておくことが好ましい。このように、基材表面を粗面化することにより、レーザービーム等の可干渉光源を用いた場合に発生し得る感光体内での干渉光による木目状の濃度斑を防止することができる。
下引き層4は、感光層6の帯電時において、導電性支持体3から感光層6への電荷の注入を防止する機能を有する。また、下引き層4は、感光層6を導電性支持体3に対して一体的に接着保持させる接着層としても機能する。更に、この下引き層4は、導電性支持体3の光反射を防止する機能を有する。
また、下引き層4は、電気特性向上、画質向上、画質維持性向上、感光層接着性向上、耐リーク性向上等の目的で設けてもよい。このような目的で設けられる下引き層4の構成材料としては、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子樹脂化合物、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子等を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの化合物は単独に或いは複数の化合物の混合物或いは重縮合物として用いることができる。中でも、シリコン原子、ジルコニウム、チタニウム又はアルミニウムを含有する有機金属化合物は、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また、繰り返し使用による電位の変化が少ない等、性能上優れているので好ましい。
シリコン原子を含有する有機金属化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのうち、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を用いることが特に好ましい。
ジルコニウムを含有する有機金属化合物としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムを含有する有機金属化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムを含有する有機金属化合物としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの下引き層4を形成する場合には、所望の特性が得られる範囲で任意の膜厚を設定できる。しかし、これらの下引き層4は上層の塗布性改善の他に、電気的なブロッキング層の役割も果たしているので、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引き起こす可能性がある。したがって、上述した材料を用いた下引き層4を形成する場合には、膜厚を0.1〜5μmの範囲に設定することが好ましい。
また、リーク耐性獲得の目的で下引き層4を設ける場合には、下引き層4は適切な抵抗を有していることが好ましい。そのためには下引き層4に無機粒子を含有させ、抵抗を制御することが好ましい。この無機粒子としては、金属酸化物粒子が好ましい。リーク防止性獲得のための下引き層4は、金属酸化物粒子及び結着樹脂を含んで構成することができる。また、金属酸化物粒子及び結着樹脂の種類、並びに、その配合量を適宜選定し、さらには金属酸化物粒子の結着樹脂中への分散性を高めること、及びその分散液(塗布液)中の含水量を低く制御することによって、下引き層4の体積抵抗が所定の条件を満たすように制御することができる。かかる金属酸化物粒子の好ましい例としては、具体的には、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等が挙げられる。
これらの金属酸化物粒子の粉体抵抗値は102〜1011Ω・cmであることが好ましく、104〜1010Ω・cmであることがより好ましい。金属酸化物粒子の粉体抵抗値が102Ω・cm未満であると十分なリーク防止性が得られない傾向にあり、他方、この粉体抵抗値が1011Ω・cmを超えると電子写真プロセスおいて残留電位の上昇が起こりやすくなる傾向にある。
これらの金属酸化物粒子は従来の製造方法によって得ることができる。例えば酸化亜鉛の場合は、JIS K1410に記載されている間接法(フランス法)、直接法(アメリカ法)、湿式法等;酸化チタンは、硫酸法、塩素法、フッ酸法、塩化チタンカリウム法、四塩化チタン水溶液法、アークプラズマ法により金属酸化物粒子を得ることができる。
間接法は、例えば、金属亜鉛を加熱し(通常1000℃程度)、亜鉛蒸気を熱空気によって酸化させて酸化亜鉛とし、冷却後に粒子の大きさによって分別するものである。また、直説法は、例えば、亜鉛鉱石を培焼することによって得られる酸化亜鉛を石炭等で還元し、生じた亜鉛蒸気を熱空気によって酸化させるか、又は亜鉛鉱石を硫酸で浸出して得られる鉱滓にコークス等を加え、その混合物を加熱して溶融した亜鉛を熱空気によって酸化させるものである。
硫酸法は、例えば、鉱石と硫酸との反応による硫酸塩溶液の調製、溶液の清澄、加水分解による含水酸化チタンの沈殿、洗浄、焼成、粉砕、表面処理といった工程により酸化チタン粒子を得るものである。また、塩素法は、例えば、鉱石の塩素化により四塩化チタン溶液を調製し、精留、燃焼により得られる酸化チタンを粉砕、後処理するものである。
アークプラズマ法としては、直流アークプラズマ法、プラズマジェット法、高周波プラズマ法等が挙げられる。例えば、直流アークプラズマ法においては、金属原料を消費アノード電極とし、カソード電極からプラズマフレームを発生させて金属原料を加熱し蒸発させて、金属蒸気を酸化させ、冷却することによって金属酸化物粒子が得られる。プラズマフレームを発生させるに際し、アーク放電はアルゴン等の単原子分子ガスや水素、窒素、酸素等の2原子分子ガス中で行われるが、2原子分子の熱解離により生じるプラズマは単原子分子ガス由来のプラズマ(アルゴンプラズマ等)に比べて反応性に富んでいるので、反応性アークプラズマと呼ばれる。また、これらの金属酸化物粒子は種類、径等が異なる2種以上を混合して使用することもできる。
さらに、金属酸化物粒子へカップリング剤による表面処理を行うこともできる。カップリング剤としては所望の感光体特性を得られるものであればいかなる物でも用いることができる。具体的なカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのカップリング剤は2種以上を混合して使用することもできる。
表面処理方法は公知の方法を使用することが可能であり、例えば、乾式法又は湿式法等を用いることができる。乾式法により表面処理を施す場合には、金属酸化物粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接、又は、有機溶媒若しくは水に溶解させたカップリング剤を添加する、又は、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって均一に表面処理することができる。カップリング剤の添加又は噴霧は、50℃以上の温度で行われることが好ましい。カップリング剤を添加又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。乾式法においては、金属酸化物粒子をカップリング剤による表面処理前に加熱乾燥して表面吸着水を除去することができる。この表面吸着水を処理前に除去することによって、金属酸化物粒子表面に均一にカップリング剤を吸着させることができる。金属酸化物粒子の加熱乾燥は、せん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら行うことも可能である。
湿式法により表面処理を施す場合には、金属酸化物粒子を溶媒中で攪拌、又は、超音波、サンドミル、アトライター若しくはボールミル等を用いて分散し、カップリング剤溶液を添加し攪拌又は分散した後、溶媒を除去することで均一に表面処理することができる。溶媒除去後には更に100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。湿式法においても、金属酸化物粒子をカップリング剤による表面処理前に表面吸着水を除去することができる。この表面吸着水を除去する方法としては、乾式法と同様に加熱乾燥による方法の他に、表面処理に用いる溶媒中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶媒と共沸させて除去する方法等が挙げられる。
金属酸化物粒子に対する表面処理剤の量は、所望の電子写真特性が得られる量に適宜設定すればよい。
また、金属酸化物粒子を表面処理する際、金属酸化物粒子の表面積が表面処理後の電子写真特性に大きく影響する。そのため、金属酸化物粒子は、比表面積が10m2/g以上のものが好ましく用いられる。比表面積値が10m2/g以下のものは帯電特性低下を招きやすく、良好な電子写真特性が得られにくい傾向にある。
リーク防止性獲得のための下引き層4を形成するための結着樹脂としては、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂等を用いることができる。これらのうち、上層の塗布溶媒に不溶な樹脂を用いることが好ましく、特に、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが好ましい。
下引き層4中の金属酸化物粒子と結着樹脂との含有割合は所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で任意に設定できる。
下引き層4は、上記の金属酸化物粒子と結着樹脂との混合物からなるものであってもよく、また、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のための添加物を更に含有してもよい。かかる添加物としては、クロラニルキノン、ブロモアニルキノン、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、シランカップリング剤、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物等が挙げられる。
シランカップリング剤は金属酸化物の表面処理に用いられるが、下引き層4の添加剤として用いることもできる。
このような用途で用いられるシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。
下引き層4は、上記塩を含むことが好ましい。上記塩としては、特に限定されないが、例えば、硫酸アンモニウム(硫安)、亜硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、硫酸銀、硫酸水銀、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸銅、硫酸鉛、硫酸ニッケル、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムが挙げられる。これらの中で、より高い水準でゴースト等の画質欠陥を抑制できることから、硫酸アンモニウムが好ましい。なお、これらの塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
下引き層4に含まれる上記塩の含有量は、下引き層4の全量を基準として、0.0001〜0.5質量%であることが好ましい。上記塩の含有量が上記下限値未満であると、ゴースト等の画質欠陥の抑制効果が低下する傾向にある。また、上記塩の含有量が上記上限値を超えると、帯電特性、光感度、暗減衰特性の改善効果が低下する傾向にある。なお、ここでいう塩の含有量とは、下引き層4が2種以上の塩を含有する場合は、それらの含有量の合計を意味する。
ここで、下引き層4が上記塩を含有する場合には、下引き層4が第2の機能層に相当する。
上記の下引き層4は、例えば、金属酸化物粒子と、結着樹脂と、必要に応じて添加剤とを所定の溶媒に混合/分散して下引き層形成用塗布液を調製し、この下引き層形成用塗布液を導電性支持体3上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
溶媒としては、結着樹脂を溶解可能なものであれば特に制限されず、公知の有機溶媒を用いることができ、例えば、アルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系の溶媒が挙げられる。より具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられる。また、これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
かかる塗布液を調製する際の混合/分散方法(金属酸化物粒子を分散させる方法)としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の方法が挙げられる。
また、塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられる。また、塗布液には塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを添加することもできる。
また、下引き層4は、ビッカース強度が35以上とされていることが好ましい。さらに、下引き層4の厚さは、15μm以上が好ましく、20μm以上50μm以下とされていることがより好ましい。さらに、下引き層4の表面粗さは、モアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)〜λに調整されることが好ましい。この表面粗さ調整は、下引き層4中に樹脂粒子を添加することで行ってもよい。樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整は、下引き層4を研磨することによって行うこともできる。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウェットホーニング、研削処理等が挙げられる。
上述のように、導電性支持体と感光層との間に下引き層4を設けることによって、支持体から感光層での電荷の注入を防ぎ、黒点・白点等の画質欠陥を防止し、支持体と感光層の密着性を向上させて耐久性を改善することが可能となり、下引き層4に上記無機粒子を含有することで、環境特性・繰返し特性の安定化や干渉縞の防止を図ることができる。
電荷発生層1は、電荷発生材料と上記塩とを含有する。以下、上記塩及び電荷発生材料について説明する。
電荷発生材料としては、例えば、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、オキシチタニルフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、縮環芳香族系顔料が挙げられるが、感光体の量子効率の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料又はオキシチタニルフタロシアニン顔料が好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に回折ピークを有するものであることが好ましい。
上記のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を電子写真感光体の電荷発生材料として用いた場合には、感光体の量子効率が高まるため、感光体の帯電特性、光感度、残留電位、暗減衰等に優れた光電特性を得ることができる。さらに、上記塩を含有する感光層に含まれる結着樹脂中への分散性に優れているため、画質特性に優れる。
また、600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810〜839nmの範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いることが好ましい。このようなヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、上記塩を含有する感光層に分散しやすく、十分な感度、帯電特性及び暗減衰特性、並びに、安定した画像品質をより長期間にわたって得ることができる。
上記のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る方法としては、CuKα特性X線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の6.9°、13.2〜14.2°、16.5°、26.0°及び26.4°、又は、7.0°、13.4°、16.6°、26.0°及び26.7°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン(以下、「I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン」という)を湿式粉砕処理することによって結晶変換させる製造方法が挙げられる。湿式粉砕処理は、外径0.1〜3.0mmの球形状のメディアを使用した粉砕装置により行うことができる。
ここで、湿式粉砕処理の時間は、粉砕過程のヒドロキシガリウムフタロシアニンの吸収波長を測定することにより決定することができる。例えば、湿式粉砕処理において、湿式粉砕処理後のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が、600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて810〜839nmの範囲に最大ピーク波長を有するものとなるように、結晶変換状態を湿式粉砕処理液の吸収波長測定によりモニターしながら湿式粉砕処理時間を決定することができる。
ここで、上記湿式粉砕処理は、外径0.1〜3.0mmの球形状メディアを使用した粉砕装置を用いて行われることが好ましく、外径0.2〜2.5mmの球形状メディアを用いて行われることがより好ましい。メディアの外形が3.0mmより大きい場合、粉砕効率が低下するため粒子径が小さくならずに凝集体が生成し易い傾向にある。また、メディアの外径が0.1mmより小さい場合、メディアとヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とを分離し難くなる傾向にある。更に、メディアが球形状でなく、円柱状や不定形状等、他の形状の場合、粉砕効率が低下するとともに、粉砕によってメディアが磨耗し易く、磨耗粉が不純物となりヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の特性を劣化させ易くなる傾向がある。
上記メディアの材質は特に制限されないが、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料中に混入した場合にも画質欠陥を発生し難いものが好ましく、ガラス、ジルコニア、アルミナ、メノー等が好ましい。
上記メディアの使用量は、使用する装置によっても異なるが、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部に対して50質量部以上であることが好ましく、55〜100質量部であることがより好ましい。また、メディアの外径が小さくなると、同じ質量(使用量)でも装置内に占めるメディア密度が高まり、混合溶液の粘度が上昇して粉砕効率が変化するため、メディア外径を小さくするに従い、適宜メディア使用量と溶媒使用量とをコントロールすることによって最適な混合比で湿式処理を行うことが望ましい。
また、上記湿式粉砕処理を行う容器の材質についても特に制限されないが、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料中に混入した場合にも画質欠陥を発生し難いものが好ましく、ガラス、ジルコニア、アルミナ、メノー、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリフェニレンサルファイド等が好ましい。また、鉄、ステンレス等の金属容器の内面にガラス、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリフェニレンサルファイド等をライニングしたものであっても良い。
また、湿式粉砕処理の温度は、好ましくは0〜100℃であり、より好ましくは5〜80℃であり、特に好ましくは10〜50℃である。温度が低い場合には、結晶転移の速度が遅くなる傾向にあり、また、温度が高すぎる場合には、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの溶解性が高くなり結晶成長しやすく微粒化が困難となる傾向にある。
湿式粉砕処理に使用される溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−アミル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルiso−ブチルケトン等のケトン類の他に、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒の使用量は、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部に対して5〜200質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることがより好ましい。
湿式粉砕処理に用いられる装置としては、振動ミル、自動乳鉢、サンドミル、ダイノーミル、コボールミル、アトライター、遊星ボールミル、ボールミル等のメデイアを分散媒体として使用する装置を用いることができる。
上記のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の製造方法において、原料として使用されるI型ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、従来公知の方法によって得ることができる。以下にその一例を示す。
先ず、o−フタロジニトリル又は1,3−ジイミノイソインドリンと三塩化ガリウムとを所定の溶媒中で反応させる方法(I型クロロガリウムフタロシアニン法);o−フタロジニトリル、アルコキシガリウム及びエチレングリコールを所定の溶媒中で加熱し反応させてフタロシアニン二量体(フタロシアニン・ダイマー)を合成する方法(フタロシアニン・ダイマー法)等により粗ガリウムフタロシアニンを製造する。
上記の反応における溶媒としては、α−クロロナフタレン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、メトキシナフタレン、ジメチルアミノエタノール、ジフェニルエタン、エチレングリコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルホラン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等の不活性且つ高沸点の溶媒を用いることが好ましい。
次に、上記の工程で得られた粗ガリウムフタロシアニンについてアシッドペースティング処理を行うことによって、粗ガリウムフタロシアニンを粒子化するとともにI型ヒドロキシガリウムフタロシアニンに変換する。ここで、アシッドペースティング処理とは、具体的には、粗ガリウムフタロシアニンを硫酸等の酸に溶解させたものあるいは硫酸塩等の酸塩としたものを、アルカリ水溶液、水又は氷水中に注ぎ、再結晶させることをいう。このアシッドペースティング処理に用いる酸としては硫酸が好ましく、中でも濃度70〜100%(特に好ましくは95〜100%)の硫酸がより好ましい。
クロロガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の少なくとも7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に強い回折ピークを有するものであることが好ましい。
上記のクロロガリウムフタロシアニン顔料を電子写真感光体の電荷発生材料として用いた場合には、感光体の量子効率が高まるため、感光体の帯電特性、光感度、残留電位、暗減衰等に優れた光電特性を得ることができる。さらに、上記塩を含有する感光層に含まれる結着樹脂中への分散性に優れているため、画質特性に優れる。
上記クロロガリウムフタロシアニン顔料は、例えば、以下の方法により製造することができる。すなわち、1,3−ジイソイミノインドリンと三塩化ガリウムをα−クロロナフタレン、β−クロロナフタレン、メトキシナフタレン、ジフェニルエタン、エチレングリコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジクロロベンゼン、ジクロロトルエン等の反応不活性な高沸点の溶媒中で加熱縮合することにより、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の27.1°に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン(I型クロロガリウムフタロシアニン)を合成する。これを振動ミル、自動乳鉢、サンドミル、アトライター、ボールミル等の粉砕装置を用いて乾式粉砕した後、ベンジルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、トルエン、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド等の適当な溶媒中で、前記粉砕装置を用いて湿式粉砕することにより、上記クロロガリウムフタロシアニン顔料が得られる。
オキシチタニルフタロシアニン顔料は以下の製造方法によって得られるものであることが好ましい。
すなわち、1,3−ジイミノイソインドリンとチタニウムテトラブトキシドとを反応させる等の方法で合成されたオキシチタニルフタロシアニン粗結晶を、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の場合と同様のアシッドペースティング処理することによって非晶質又は準非晶質の微細化されたオキシチタニルフタロシアニンを得る。これを、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の場合と同様、適当な溶媒中で湿式粉砕することにより、オキシチタニルフタロシアニン顔料を得る。
上記の製造方法により得られるオキシチタニルフタロシアニン顔料を電子写真感光体の電荷発生材料として用いた場合には、感光体の量子効率が高まるため、感光体の帯電特性、光感度、残留電位、暗減衰等に優れた光電特性を得ることができる。さらに、上記塩を含有する感光層に含まれる結着樹脂中への分散性に優れているため、画質特性に優れる。
これらの電荷発生材料の含有量は、電荷発生層の全量を基準として、5〜90質量%であることが好ましい。電荷発生材料の含有量が上記下限値未満であると、感度が低く十分な画像濃度が得られない傾向にある。また、電荷発生材料の含有量が上記上限値を超えると、成膜性が低下して電荷発生層の隣接する層に対する密着性が悪化したり、電荷発生層用の塗工液の安定性が低下して歩留まりが低下したりする傾向にある。
また、電荷発生層1に含まれる上記塩としては、特に限定されないが、例えば、硫酸アンモニウム(硫安)、亜硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、硫酸銀、硫酸水銀、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸銅、硫酸鉛、硫酸ニッケル、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムが挙げられる。これらの中で、画質欠陥の抑制を一層高水準で達成することができるという観点から、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウムが好ましく、硫酸アンモニウムがより好ましい。なお、これらの塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電荷発生層1における上記塩の含有量は、電荷発生材料100質量部に対して0.3〜50.0質量部であることが好ましく、0.5〜30.0質量部であることがより好ましい。上記塩の含有量が0.3質量部未満であると、ゴースト等の画質欠陥の抑制効果が低下する傾向にある。また、上記塩の含有量が50.0質量部を超えると、帯電特性、光感度、暗減衰特性の改善効果が低下する傾向にある。なお、ここでいう塩の含有量とは、電荷発生層1が2種以上の塩を含有する場合は、それらの含有量の合計を意味する。
電荷発生層1は、上記電荷発生材料及び上記塩の他に、結着樹脂を含有していてもよい。
結着樹脂としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエステルカーボネート、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、酢酸ビニル単独重合体又は共重合体、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリブタジエン、ポリウレタン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、及びこれらの部分架橋硬化物等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、電荷発生層1における電荷発生材料と結着樹脂との配合比(質量比)は、好ましくは40:1〜1:4であり、より好ましくは20:1〜1:2である。電荷発生材料の配合量が、結着樹脂の配合量の40倍を超えると、電子写真感光体の製造工程において使用される分散液中の顔料の分散性が不十分となる傾向にあり、他方、結着樹脂の配合量の1/4未満であると、電子写真感光体の感度が不十分となる傾向にある。
なお、電荷発生層1上に電荷輸送層2等の他の層をさらに成膜する場合には、その塗工液に使用される溶媒によって電荷発生層1が溶解あるいは膨潤することのないように、電荷発生層1の結着樹脂と、電荷発生層1の上に塗布される塗布液の溶媒との組み合わせを適宜選択することが好ましい。
また、電荷発生層1の結着樹脂と後述する電荷輸送層2の結着樹脂とは、互いの屈折率同士が近いものを組み合わせて使用することが好ましく、具体的には、互いの屈折率の差が1以下であることが好ましい。このように屈折率の近い結着樹脂を組み合わせて用いると、電荷発生層1と電荷輸送層2との界面での光の反射が抑制され、干渉縞防止効果が向上する傾向にある。
電荷発生層1は、上述の電荷発生材料、上記塩及び結着樹脂を所定の溶媒に加え、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ダイノーミル、ジェットミル、コボールミル、ロールミル、超音波分散機、ゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、アルティマイザー、マイルダー等を用いて混合、分散させることにより得られる塗工液を、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等により塗布し、乾燥することによって形成することができる。
電荷発生層1の塗工液に用いる溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、水等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、又は2種以上の混合物として用いてもよい。
このようにして得られる電荷発生層1の膜厚は、良好な電気特性と画質とを得る観点から、0.05〜5μmであることが好ましく、0.1〜1μmであることがより好ましい。電荷発生層1の膜厚が0.05μm未満であると、感度が低下する傾向にあり、膜厚が5μmを超えると、帯電特性の不良等の弊害が生じやすくなる傾向がある。
電荷輸送層2は電荷輸送材料と結着樹脂とを含有するものである。電荷輸送層2に使用される電荷輸送材料は、電荷を輸送する機能を有するものであれば特に制限なく使用することができる。例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(P−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等の正孔輸送物質、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等が挙げられる。更に、電荷輸送材料としては、以上例示した化合物の基本構造を主鎖又は側鎖に有する重合体等も使用することができる。これらの電荷輸送材料は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
電荷輸送層2に使用される結着樹脂としては、特に限定されないが、電気絶縁性のフィルムを形成することが可能な樹脂を用いることが好ましい。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂が、電荷輸送材料との相溶性、溶媒への溶解性、強度の点で優れているので好ましく用いられる。
また、結着樹脂と電荷輸送材料との配合比(質量比)は、電気特性低下、膜強度低下に考慮しつつ任意に設定することができる。
更に、電荷輸送層2の膜厚は5〜50μmであることが好ましく、10〜35μmであることがより好ましい。
電荷輸送層2は、上記の電荷輸送材料及び結着樹脂を所定の溶媒に混合/分散した塗布液を、電荷発生層1上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
電荷輸送層2の形成用の塗布液に用いる溶媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶媒が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
電荷輸送層2の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
保護層5は、電子写真感光体100の帯電時の電荷輸送層2の化学的変化を防止したり、感光層6の機械的強度をさらに改善したりするために設けられる。この保護層5は、導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させた塗布液を感光層6上に塗布することにより形成される。
保護層5に含まれる導電性材料は特に限定されるものではなく、例えば、N,N’−ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモン、硫酸バリウムと酸化アンチモンとの固溶体の担体、上記金属酸化物の混合物、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を混合したもの、或いは、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を被覆したもの等が挙げられる。
保護層5に含まれる結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。また、これらは必要に応じて互いに架橋させて使用することもできる。
また、保護層5を形成するための塗布液に用いる溶媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の有機溶媒が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、この塗布液が塗布される感光層6を溶解しにくい溶媒を用いることが好ましい。
保護層5を形成するための塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられる。
保護層5の膜厚が、1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。
なお、本実施形態においては保護層が設けられているが、本発明の電子写真感光体においては、保護層が設けられていなくてもよい。
次に、本発明の画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明する。
(画像形成装置)
図2〜5は、それぞれ本発明の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す模式図である。
図2に示す画像形成装置200は、本発明の電子写真感光体100と、電子写感光体7をコロナ放電方式により帯電させる帯電手段8と、帯電手段8に接続された電源9と、帯電手段8により帯電される電子写真感光体100を露光して静電潜像を形成させる露光手段10と、露光手段10により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段11と、現像手段11により形成されたトナー像を被転写体20に転写する転写手段12と、クリーニング手段13と、除電器14と、定着装置15とを備える。
また、図3に示す画像形成装置210は、本発明の電子写真感光体100を接触方式により帯電させる帯電手段8を備えていること以外は、図2に示した画像形成装置200と同様の構成を有する。特に、直流電圧に交流電圧を重畳した接触式の帯電手段を採用する画像形成装置においては、優れた帯電均一性を有するため、好ましく使用できる。なお、この場合には、除電器14が設けられていないものもある。
ここで、帯電手段8としては、例えば、ローラー状、ブラシ状、フィルム状又はピン電極状の導電性又は半導電性の帯電部材を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等の非接触型帯電器等が用いられる。
露光手段10としては、電子写真感光体100の表面に、半導体レーザー、LED、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等が用いられる。
現像手段11としては、一成分系、二成分系等の正規又は反転現像剤を用いた従来公知の現像手段等が用いられる。
転写手段12としては、ベルト、ローラー、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等が用いられる。
なお、図2及び3には示していないが、本発明の画像形成装置は中間転写手段を備えるものであってもよい。本発明にかかる中間転写手段としては、導電性支持体上にゴム、エラストマー、樹脂等を含む弾性層と少なくとも1層の被覆層とが積層された構造を有するものを使用することができ、その材料としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素樹脂等の樹脂に対して、導電性のカーボン粒子や金属粉等を分散混合させたもの等が挙げられる。また、中間転写手段の形状としては、ローラー状、ベルト状等が挙げられる。
図4に示す画像形成装置220は中間転写体を含まない直接転写型の画像形成装置であり、4つのドラム状の電子写真感光体100a〜100d(例えば、電子写真感光体100aがイエロー、電子写真感光体100bがマゼンタ、電子写真感光体100cがシアン、電子写真感光体100dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が用紙搬送用ベルト206に沿って相互に並列に配置されている。
ここで、画像形成装置220に搭載されている電子写真感光体100a〜100dはそれぞれ上述した電子写真感光体で構成されている。そして、電子写真感光体100a〜100dのそれぞれは所定の方向(紙面上は時計回り)に所定の周速度(プロセススピード)で回転可能であり、その回転方向に沿って帯電装置(202a〜202d)、像露光装置(203a〜203d)、現像装置(204a〜204d)、転写帯電装置(211a〜211d)、電子写真感光体クリーナー(205a〜205d)が配置されている。帯電装置202a〜202d、像露光装置203a〜203d、現像装置204a〜204d、転写帯電装置211a〜211d、電子写真感光体クリーナー205a〜205dとしては、所望の性能を有する公知のものを使用することができる。
現像装置204a〜204dのそれぞれにはトナーカートリッジ(図示せず)に収容されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーが供給可能であり、また、転写帯電装置211a〜211dはそれぞれ転写媒体搬送ベルト206を介して電子写真感光体100a〜100dに当接している。なお、現像装置204a〜204dは、図4ではY、M、C、Kのトナー色の順に配置されているが、これは、例えば、M、Y、C、K等システムの画像形成方法に合わせて適当な順序を設定することができる。
これにより、電子写真感光体100a〜100dの回転工程において帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程が順次行われる。転写媒体搬送ベルト206はロール207、208、209、217により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく電子写真感光体100a〜100dと同じ周速度で回転可能となっている。また、画像形成装置220内の所定の位置にはトレイ(画像出力媒体トレイ)213が設けられており、トレイ213内の紙等の画像出力媒体212が電子写真感光体100a〜100dと転写帯電装置211a〜211dとの間、さらには相互に2つのロールが当接する定着装置215の間に順次移送された後、画像形成装置220の外部に排紙される。
これにより、画像出力媒体212上に電子写真感光体100a〜100dに形成されたトナー像を順次転写することによってカラー画像が形成され、そのカラー画像が定着される。このような画像形成装置240においては、異なる色のトナー像が画像出力媒体212に重畳転写され、カラートナー像が形成される。そして、このカラートナー像は、定着ロール215により画像出力媒体212に定着されてカラー画像とされる。
図5は本発明の画像形成装置について、他の実施形態の基本構成を示す概略構成図である。図5に示す画像形成装置230は中間転写方式の画像形成装置であり、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401d(例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
ここで、画像形成装置230に搭載されている電子写真感光体401a〜401dは、それぞれ本発明の電子写真感光体(例えば電子写真感光体100)である。
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a〜401dに当接している。
さらに、ハウジング400内の所定の位置にはレーザー光源(露光装置)403が配置されており、レーザー光源403から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体417が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
(プロセスカートリッジ)
図6は、本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す模式図である。プロセスカートリッジ300は、本発明の電子写真感光体100とともに、帯電手段8、現像手段11、クリーニング手段13、及び露光のための開口部18を設けてレール16を用いて組み合わせて一体化したものである。そして、このプロセスカートリッジ300は、転写手段12と、定着装置15と、図示しない他の構成部分とからなる画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
以上説明した本発明の画像形成装置及びプロセスカートリッジにおいては、本発明の電子写真感光体を備えているため、画質欠陥を生じることなく長期間にわたって安定した画像品質を得ることできる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1:I型ヒドロキシガリウムフタロシアニンの合成)
1,3−ジイミノイソインドリン30質量部及び三塩化ガリウム9.1質量部をジメチルスルホキシド230質量部に加え、160℃で6時間攪拌しながら反応させて赤紫色結晶を得た。得られた結晶をジメチルスルホキシドで洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、乾燥してI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶28質量部を得た。
次に、得られたI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶10質量部を60℃に加熱した硫酸(濃度97%)300質量部に十分に溶解させた溶液を、25%アンモニア水600質量部とイオン交換水200質量部との混合溶液中に滴下してヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を析出させた。この結晶を濾過により採取し、イオン交換水で洗浄した後、乾燥してI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン8質量部を得た。
このようにして得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニンについて、粉末X線回折スペクトルの測定を行ったところ、図7の粉末X線回折スペクトルからも分かるように、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.0°、13.4°、16.6°、26.0°及び26.7°に回折ピークが見られた。なお、本合成例及び以降の合成例における粉末X線回折スペクトルの測定は、X線源としてCuKα特性X線を用いて、以下の条件で行った。
使用測定器:理学電機社製X線回折装置Miniflex
X線管球:Cu
管電流:15mA
スキャン速度:5.0deg./min
サンプリング間隔:0.02deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ステップ角度(2θ):0.02deg.
(合成例2:ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の合成)
合成例1で得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部を、N,N−ジメチルホルムアミド15質量部、及び外径0.9mmのガラス製球形状メディア55質量部とともに、ガラス製ボールミルを使用して25℃で150時間湿式粉砕処理した。
次いで、得られた結晶をアセトンで洗浄した後に、乾燥して、CuKα特性X線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(以下、「HOGaPc」ともいう。)0.9質量部を得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の粉末X線回折スペクトルを図8に示す。
(合成例3:クロロガリウムフタロシアニン顔料の合成)
合成例1に記載された方法で得られたI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶20質量部を、直径5mmのアルミナ製ビーズ400質量部とともにアルミナ製ポットに入れた。これを振動ミル(MB−1型、中央化工機社製)に装着し、180時間乾式粉砕して微細化したクロロガリウムフタロシアニン18質量部を得た。得られた微細化クロロガリウムフタロシアニン10質量部を、ジメチルスルホキシド150質量部及び直径1.0mmのガラス製球形状メディア550質量部とともに、ガラス製ボールミルを使用して25℃で24時間湿式粉砕処理した。
次いで、得られた結晶をイオン交換水で洗浄した後に、乾燥して、CuKα特性X線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料(以下、「ClGaPc」ともいう。)9質量部を得た。得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料の粉末X線回折スペクトルを図9に示す。
(合成例4:オキシチタニルフタロシアニン顔料の合成)
1,3−ジイミノイソインドリン3質量部、及びチタニウムテトラブトキシド1.7質量部を1−クロルナフタレン20質量部中に入れ、190℃において5時間反応させた後、生成物を濾過し、アンモニア水、水、アセトンで洗浄し、オキシチタニルフタロシアニン粗結晶4.0質量部を得た。得られたオキシチタニルフタロシアニン粗結晶2.0質量部を97%硫酸100質量部に5℃で溶解させた後、氷水1300質量部中に注ぎ、オキシチタニルフタロシアニンの析出物を濾過し、希アンモニア水と水で洗浄した後、乾燥して、1.6質量部の非晶質オキシチタニルフタロシアニンを得た。
さらに、この非晶質オキシチタニルフタロシアニン1.0質量部を、水10質量部とモノクロルベンゼン1質量部との混合溶媒中において、50℃で1時間攪拌した後、濾過し、メタノールと水で洗浄して、CuKα特性X線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の少なくとも9.5°、14.3°、18.0°、24.0°及び27.3°に回折ピークを示し、6.8°、7.5°、11.7°及び28.6°に回折ピークを示さないオキシチタニルフタロシアニン顔料(以下、「TiOPc」ともいう。)0.9質量部を得た。得られたオキシチタニルフタロシアニン顔料の粉末X線回折スペクトルを図10に示す。
(合成例5)
アルゴン置換したフラスコに1,3−ジイミノイソインドリン(25g)、チタンテトラブトキシド(14.6g)、ジフェニルメタン(300g)を投入して混合し、150℃まで昇温した。ここで発生する蒸気を反応系外へ留去しながら、系内温度を200℃まで昇温した。この後、さらに4時間撹拌し反応を行った。反応終了後、系内温度を150℃まで冷却した後、反応混合物をガラスフィルターにて濾過した。得られた固体を、あらかじめ加熱しておいたジメチルホルムアミド(DMF)で2回洗浄し、さらに、DMF、メタノールで洗浄し、真空乾燥を行い、オキシチタニルフタロシアニン(24g)を得た。
次に、得られたオキシチタニルフタロシニン5g(1質量部)、下記一般式(1)で示されるアクセプター化合物0.2g(0.04質量部)を混合し、ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸の混合溶液(体積比4/1)100mLに溶解させた。この溶液を、メタノール/水(体積比1/1)1Lに滴下した。滴下終了後、15分間室温にて撹拌し、30分間静置した後ガラスフィルターにて濾過した。得られた固体を、ろ液が中性になるまで水洗した後、クロロベンゼン200mL中に再分散させ、1時間撹拌後ガラスフィルターにて濾過した。得られた固体を50℃で5時間真空乾燥を行い、アクセプター添加オキシチタニルフタロシニン顔料4.2gを得た。
(実施例1)
[電子写真感光体シートの作製]
酸化亜鉛(平均粒子径70nm、テイカ社製試作品、比表面積値15m2/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(商品名「KBR603」、信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で2時間焼き付けを行い、表面処理酸化亜鉛を得た。得られた表面処理酸化亜鉛60質量部、硬化剤としてブロック化イソシアネート(商品名「スミジュール3175」、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部、及びブチラール樹脂(商品名「BM−1」、積水化学社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解させた溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmΦのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間分散し分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部、及びシリコーン樹脂粒子(商品名「トスパール145」、GE東芝シリコーン社製)3.4質量部を添加し、下引き層塗布用液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い、厚さ25μmの下引き層を得た。
次に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(商品名「VMCH」、日本ユニカー社製)1質量部を酢酸n−ブチル100質量部に溶解させた溶液と、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1質量部及び硫酸アンモニウム0.05質量部とを混合し、外径1mmのガラスビーズ150質量部とともに5時間サンドミルで分散し、電荷発生層形成用塗布液を調製した。この塗布液を上記の下引き層上に浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送材料としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン4質量部、結着樹脂として粘度平均分子量が3万のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂6質量部、テトラヒドロフラン80質量部、及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。この塗布液を上記の電荷発生層上に浸漬塗布し、120℃で40分間加熱乾燥して、膜厚25μmの電荷輸送層を形成することにより、電子写真感光体シートを作製した。
[電子写真感光体ドラムの作製]
30mmΦ×404mm、肉厚1mmのアルミニウムパイプを研磨剤(商品名「アルミナビーズCB−A30S」(平均粒径D50=30μm)、昭和タイタニウム社製)を用いて液体ホーニング処理することにより粗面化し、中心線平均粗さRaが0.18μmとなるように粗面化したものを導電性支持体として準備した。次に、この導電性支持体上に、上記電子写真感光体シートの作製と同様の手順で、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成し、電子写真感光体ドラムを作製した。
(実施例2)
上記硫酸アンモニウムの添加量を0.05質量部から0.005質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラムを作製した。
(実施例3)
上記硫酸アンモニウムの添加量を0.05質量部から0.1質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラムを作製した。
(実施例4)
上記硫酸アンモニウムの添加量を0.05質量部から0.45質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラムを作製した。
(実施例5)
実施例1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1質量部に代えて、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料1質量部を用いたこと、及び硫酸アンモニウム0.05質量部に代えて硫酸ナトリウム0.05質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラムを作製した。
(実施例6)
上記硫酸ナトリウム0.05質量部に代えて、硫酸バリウム0.05質量部を用いたこと以外は実施例5と同様にして、電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラムを作製した。
(実施例7)
実施例1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1質量部に代えて、合成例4で得られたオキシチタニルフタロシアニン顔料1質量部を用いたこと、及び硫酸アンモニウム0.05質量部に代えて硫酸カルシウム0.05質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラムを作製した。
(比較例1)
実施例1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1質量部に代えて、合成例4で得られたオキシチタニルフタロシアニン顔料1質量部を用いたこと、及び硫酸アンモニウムを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラムを作製した。
(比較例2)
比較例1において、合成例4で得られたオキシチタニルフタロシアニン顔料1質量部に代えて、合成例5で得られたアクセプター化合物添加オキシチタニルフタロシアニン顔料1質量部を用いたこと以外は比較例1と同様にして、電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラムを作製した。
<電子写真感光体の電子写真特性評価試験>
実施例1〜7及び比較例1〜2の電子写真感光体について評価するために、以下の手順で電子写真特性を評価した。
(1)使用初期の特性評価(初期電位測定)
先ず、20mmΦの小面積マスクを使用し、20℃、50%RHの環境下において、静電複写紙試験装置(EPA8200、川口電機社製)を用いて−5.0kVのコロナ放電により感光体を負帯電させた。次いで、干渉フィルターを用いて780nmに分光したハロゲンランプ光を感光体表面上において5.0μW/cm2となるように調整して照射した。このときの初期表面電位V0[V]、表面電位がV0の1/2になるまでの半減露光量E1/2[μJ/cm2]、及び暗減衰率(DDR)[%](表面電位V0から1秒後の表面電位をV1としたときに、{(V0−V1)/V0}×100)をそれぞれ測定した。
(2)繰り返し特性の評価
上記帯電、露光及び除電の操作を1万回繰り返し、そのときの表面電位V0[V]、表面電位がV0の1/2になるまでの半減露光量E1/2[μJ/cm2]及び暗減衰率DDR[%]をそれぞれ測定した。
(3)画質評価試験
実施例1〜7、及び比較例1〜2の電子写真感光体ドラムを、タンデム方式のフルカラー・レーザープリンター(DocuCentre Color400、富士ゼロックス社製)に装着して初期(5枚目まで)のプリント画像の品質を評価し、かぶりやゴースト等の画質欠陥がないかどうかを確認した。なお、上記のフルカラー・レーザープリンターにおいては、帯電装置として接触式のローラー帯電器、露光装置として780nmの半導体レーザーを使用したROS、現像方式として2成分系反転現像方式、転写装置として接触式のローラー帯電器、転写装置としてベルト中間転写方式を採用した。
(4)電荷発生材料の分散性評価
実施例1〜7及び比較例1、2で用いた各種フタロシアニン顔料の分散性の評価を行うために、ガラスプレート上に実施例1〜7及び比較例1、2における電荷発生層形成用塗布液をそれぞれ用いて電荷発生層を形成し、顕微鏡(倍率50倍)を用いてその分散状態を観察した。
上記の(1)〜(4)の評価結果を表1に示す。なお、表1中、「良好」とは電荷発生層中に凝集体が見られなかったことを意味し、「不良」とは凝集体が観察された、あるいは塗膜表面がざらついていたことを意味する。
表1から明らかなように、実施例1〜7の電子写真感光体は、電荷発生層における電荷発生材料の分散性が良好であり、十分な帯電特性、光感度及び低暗減衰特性を有しており、これらの電子写真感光体を用いることで、ゴースト、かぶり及び濃度ムラ等の画質欠陥を生じることなく長期にわたって安定した画像品質が得られることが分かった。
(実施例8)
酸化亜鉛(平均粒子径70nm、テイカ社製試作品、比表面積値15m2/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
次に、得られたシランカップリング剤表面処理酸化亜鉛60質量部とアリザリン(シグマアルドリッチジャパン製)0.3質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部とブチラール樹脂BM−1(積水化学社製)15質量部とをメチルエチルケトン85質量部に溶解させた溶液38質量部とメチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmΦのガラスビーズを用いてサンドミルにて分散し分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部、シリコーン樹脂粒子トスパール145(GE東芝シリコーン社製)4.0質量部を添加し、下引き層塗布用液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて直径30mm、長さ404mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、180℃、24分の乾燥硬化を行い厚さ25μmの下引き層を得た。
次に、電荷発生材料としてヒドロキシガリウムフタロシアニン15部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、ユニオンカーバイト社製)10部、n−酢酸ブチル200部からなる混合物を、1mmΦのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175部、メチルエチルケトン180部、硫酸アンモニウム0.75部を添加し、攪拌して電荷発生層用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、常温で乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を形成した。
さらに、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1、1’]−ビフェニル−4,4’−ジアミン4部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量4万)6質量部とをテトラヒドロフラン80質量部に溶解させた電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に形成し、135℃、25分の乾燥を行うことにより膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
(実施例9)
硫酸アンモニウムの添加量を0.75質量部から0.38質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例10)
硫酸アンモニウムの添加量を0.75質量部から1.5質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例3)
硫酸アンモニウムを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
<電子写真感光体の画像試験>
実施例8〜10及び比較例3で得られた電子写真感光体を用い、図4に示すように富士ゼロックス(株)製 DocuCentre Color a450を直接転写できるように改造し、10000枚のプリントテストをおこなった。得られたプリント画像を適宜抜き取り、ゴーストの官能評価を行った。そして、DocuCentre Color a450から除電装置を除いた場合についても同様にして、プリントテストを行いゴーストの官能評価を行った。これらの結果を表2に示す。なお、ゴーストの評価に関しては、1:未発生、2:実用上気にならないレベルで発生、3:場合によっては気になるレベルで発生、4:実用上問題となるレベルで発生、とした。
表2からも明らかであるように、実施例8〜10においては、ゴーストの発生が十分に抑制されており、良好な画質を長期間にわたって安定的に得ることができる。
1…電荷発生層、2…電荷輸送層、3…導電性支持体、4…下引き層、5…保護層、6…感光層、8…帯電手段、9…電源、10…露光手段、11…現像手段、12…転写手段、13…クリーニング手段、14…除電器、15…定着装置、16…レール、18…露光のための開口部、20,417…被転写体、100,401a〜401d…電子写真感光体、200,210,220,230…画像形成装置、202a〜202d…帯電装置、203a〜203d…像露光装置、204a〜204d…現像装置、205a〜205d…電子写真感光体クリーナー、206…用紙搬送用ベルト、207,208,209,217…ロール、211a〜211d…転写帯電装置、212…画像出力媒体、213…トレイ、215…定着装置、300…プロセスカートリッジ、400…ハウジング、402a〜402d…帯電ロール、403…レーザー光源、404a〜404d…現像装置、405a〜405d…トナーカートリッジ、406…駆動ロール、408…バックアップロール、409…中間転写ベルト、410a〜410d…1次転写ロール、411…トレイ、413…2次転写ロール、414…定着ロール、415a〜415d,416…クリーニングブレード。