JP4329244B2 - ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびその製造方法、並びにそれを用いた電子写真感光体および電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料およびその製造方法、並びに該ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体および電子写真画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フタロシアニン顔料は、青色または緑色系の顔料、染料といった用途の他、電子写真感光体、光ディスク、太陽電池、センサー、脱臭剤、抗菌剤、非線形光学材料などの幅広い分野で機能性材料として実用化が進められている。例えば、近年、半導体レーザーの発振波長領域である近赤外領域まで感光波長領域が長波長化されたフタロシアニン顔料が開発され、主にレーザー・プリンターやフルカラー複写機などに用いられるデジタル記録用感光体の電荷発生材料として既に実用化されている。
【0003】
フタロシアニン顔料については、その結晶型と電子写真特性との相関を中心に多くの報告がなされている。一般に、フタロシアニン顔料は、製造方法、処理方法の違いにより幾つかの結晶型を示すものであり、この結晶型の違いがフタロシアニン顔料の光電変換特性に大きな影響を及ぼすことが知られている。フタロシアニン顔料の結晶型については、例えば、銅フタロシアニン顔料の場合、安定型であるβ型の他にα型、ε型、χ型、γ型、δ型などの結晶型が存在し、これらの結晶型は、機械的歪力、硫酸処理、有機溶剤処理、熱処理などにより相互に転移が可能であることが知られている(例えば米国特許第2,770,629号公報、3,160,635号公報、同第3,708,292号公報、同3,357,989号公報など)。また、無金属フタロシアニン顔料の場合はα型、β型、γ型、ε型、δ型、X型などの結晶型が知られている。さらにまた、ガリウムフタロシアニン顔料に関してもその結晶型と電子写真特性との相関について多くの研究がなされており、CuKα特性X線を用いたX線回折パターンにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有する極めて高感度のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びそれを用いた電子写真感光体が、光感度、繰り返し特性及び環境安定性に優れていることが報告されている(Journal of Imaging Science and Technology,Vol.40,No.3,May/June,249(1996)、特開平5−263007号公報、特開平7−53892号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、フタロシアニン顔料を電荷発生材料として用いる電子写真感光体の感度はフタロシアニン顔料の感度によりほぼ決定されるので、電子写真感光体を設計する際には電子写真プロセスが要求する感度に見合ったフタロシアニン顔料の選択が必要となる。例えば、電子写真プロセスの要求感度と電子写真感光体の感度が一致しない場合には、細線の太りや細り、あるいはかぶりや濃度不足といった問題を発生する場合がある。また、個人ユーザーや小規模なオフィスなどを対象とした汎用の小型レーザー・プリンターや高解像度が要求されるフルカラー・プリンター/複写機用などの電子写真画像形成装置においては、電子写真感光体の感度が過剰に高いと解像度が低下したり中間調の再現性が悪化してしまうので、非常に高感度のフタロシアニン顔料をそのまま電荷発生材料として使用できないという制限があった。
【0005】
そこで、上記の問題を解決すべく電子写真感光体の感度を調整するための種々の試みがなされている。例えば、電荷発生材料を樹脂分散系で用いる場合、使用する結着樹脂や溶剤の種類、あるいは化合物と結着樹脂との配合比などを変更する方法が提案されている。しかしながら、このような方法においては、感光体に適当な感度を付与するために選択された材料の種類や配合比が、感光体の構成上または生産上の制約により適用できない場合があり、感光体の感度を調整する方法としての実用性は低かった。
【0006】
また、結晶型や種類の異なる複数のフタロシアニン顔料の混合物を用いることによって感光体の感度調整を行う方法も提案されている。例えば、特開昭62−272272号公報にはα型およびβ型チタニルフタロシアニン顔料の混合物を用いた電子写真感光体;特開平2−183261号公報にはブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.6°、10.2°、12.6°、13.2°、15.2°、16.2°、18.4°、22.5°、24.2°、25.4°および28.7°に回折ピークを与える結晶を有するチタニルフタロシアニン顔料と27.3°に回折ピークを与える結晶型を有するチタニルフタロシアニン顔料との混合物を用いた電子写真感光体、がそれぞれ開示されており、結晶型の異なるチタニルフタロシアニン顔料の混合比率を変化させてその感度を調整する技術が記載されている。また、特開平2−280169号公報には、チタニルフタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、銅フタロシアニン顔料などの異なる種類のフタロシアニン顔料の混合物においてその混合比率を変化させて感度を調整する技術が記載されている。
【0007】
しかしながら、上記従来の電子写真感光体であっても、感度調整範囲が不十分である、製造ロット間の感度のばらつきにより感度調整が難しくなるといった感度調整に関する問題の他、繰り返し使用時や高湿あるいは低湿環境下などの苛酷な条件下において帯電変動が生じるなどの光電特性に関する問題、さらには樹脂分散系で使用する際に分散液の保存安定性が実用上満足できるものではない、製造工程が複雑である、コスト・アップするといった製造上の問題を有しており、実用に供し得るものではなかった。
【0008】
本発明は上記従来の技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、電子写真感光体の感度を十分に広い範囲で精度よく調整することが可能であり、且つ結着樹脂中への分散性に優れるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、およびそれらの特性が製造ロット間でばらつくことなく簡便に且つ安価に製造することを可能とするヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の製造方法、並びにそれを用いた電子写真感光体および電子写真画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを示すヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を粉砕処理し、その7.5゜の回折ピークの半値幅が特定の条件を満たすように結晶構造を制御した場合に上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有し且つ7.5゜の回折ピークの半値幅が0.35〜1.2゜であり、赤外線吸収スペクトルにおいて波数631±3cm −1 における吸光度の最大値(Abs 631 )と波数572±3cm −1 における吸光度の最大値(Abs 572 )との比(Abs 631 /Abs 572 )が0.85〜1.20であることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の製造方法は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、7.5゜の回折ピークの半値幅が0.35〜1.2゜となるように、且つ赤外線吸収スペクトルにおいて波数631±3cm −1 における吸光度の最大値(Abs 631 )と波数572±3cm −1 における吸光度の最大値(Abs 572 )との比(Abs 631 /Abs 572 )が0.85〜1.20となるように粉砕処理することを特徴とするものである。
【0012】
さらに、本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、該支持体上に配置された感光膜と、を備える電子写真感光体であって、
前記感光膜が上記本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有することを特徴とするものである。
【0013】
さらにまた、本発明の電子写真画像形成装置は、上記本発明の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段と、
前記電子写真感光体上に静電潜像を形成するための露光手段と、
前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成するための現像手段と、
前記トナー像を転写材に転写するための転写手段と、
前記転写材にトナー像を定着させるための像定着手段と、
前記電子写真感光体上に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段と、
を備えることを特徴とするものである。
【0014】
本発明によれば、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の7.5゜の回折ピークの半値幅が上記の特定の条件を満たすように制御することによって、結着樹脂中への分散性が高められる。また、このようなヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の感度は、上記の本発明の製造方法によって十分に広い範囲で精度よく調整することが可能である。したがって、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いることによって、電子写真画像形成プロセスの要求感度に適合した感度を有し、且つ繰り返し使用時、高湿あるいは低湿条件下での使用時などにおいて光電特性の変動が十分に防止された電子写真感光体を得ることが可能となり、さらには、このような特性を有する本発明の電子写真感光体を備える本発明の電子写真画像形成装置において、細線の太りや細り、かぶりといった現象を生じることなく長期にわたって十分に高い画質を得ることが可能となる。
【0016】
また、本発明の製造方法においては、前記粉砕処理が水を用いた湿式粉砕処理であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一または相当部分には同一符号を付することとする。
【0018】
本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有し且つ7.5゜の回折ピークにおける半値幅が0.35〜1.2゜、好ましくは0.35〜1.00゜である回折パターンを示すものである。7.5゜の回折ピークにおける半値幅が前記範囲外であると、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料自体の感度が著しく低下したり凝集による分散性の低下が生じやすくなり、その結果、電子写真感光体の感度が低下したり製造ロット間での光電特性のばらつきが生じやすくなる。
【0019】
本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、さらに、赤外線吸収スペクトルにおいて波数631±3cm-1における吸光度の最大値(Abs631)と波数572±3cm-1における吸光度の最大値(Abs572 )との比(Abs631/Abs572)が好ましくは0.85〜1.20、より好ましくは0.90〜1.20であるスペクトルを示すものであることが好ましい。吸光度の比(Abs631/Abs572)が前記上限値を超えると分散性が不十分となり、得られる電子写真感光体の感度にばらつきが生じやすくなる傾向にある。他方、吸光度の比(Abs631/Abs572)が前記下限値未満の場合、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料自体の感度が著しく低下したり凝集による分散性の低下が生じやすくなり、その結果、電子写真感光体において十分な感度が得られにくくなる傾向にある。
【0020】
さらに、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の平均粒径は、0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることが好ましい。ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の平均粒径が前記上限値を超えると、分散性が低下したり画質欠陥が生じやすくなる傾向にある。
【0021】
次に、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の製造方法について説明する。
【0022】
本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の製造方法は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(以下、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料という)を粉砕処理して、前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の7.5゜の回折ピークにおける半値幅を0.35〜1.2゜とするものである。なお、Journal of Imaging Science and Technology,Vol.40,No.3,May/June,249(1996)、特開平5−263007号公報、特開平7−53892号公報などに記載されている製造方法によっても、CuKα特性X線を用いたX線回折パターンにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得ることは可能であるが、これらの従来の製造方法のようにヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の粉砕処理を行わないと、7.5゜の回折ピークにおける半値幅が0.35゜未満となり、所望の感度を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を簡便且つ安価に得ることはできない。
【0023】
ここで、本発明にかかる粉砕処理としては、溶剤を用いずに行う環式粉砕処理、溶剤を用いて行う湿式粉砕処理などが挙げられる。
【0024】
乾式粉砕処理を行う場合は、振動ミル、自動乳鉢、サンドミル、ダイノーミル、コボールミル、アトライター、遊星ボールミル、ボールミルなどの装置を用いることができる。本発明においては、乾式粉砕処理を行う際の粉砕力や処理時間等の条件は用いる装置によって異なるが、処理後のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の平均粒径が0.5μm以下(より好ましくは0.3μm以下)となるように処理条件を設定することが好ましい。
【0025】
湿式粉砕処理を行う場合は、上記乾式粉砕処理の説明において例示された装置の他、超音波分散機、ゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、ジェットミル、アルティマイザー、マイルダーなどを用いることができる。また、本発明においては、湿式粉砕処理を行う際の粉砕力や処理時間などの条件は用いる装置によって異なるが、処理後のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の平均粒径が0.5μm以下(より好ましくは0.3μm以下)となるように処理条件を設定することが好ましく、また、処理温度は使用する溶剤の沸点以下(より好ましくは0〜100℃)であることが好ましい。さらに、前記湿式粉砕処理においては、溶剤として水を用いることが好ましい。水を用いて湿式粉砕処理を行うと、顔料の結晶成長や凝集が十分に防止されて感度や分散性が向上する傾向にある。さらにまた、前記湿式粉砕処理における溶剤の使用量は、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1重量部に対して好ましくは1〜200重量部、より好ましくは5〜100重量部である。
【0026】
本発明の製造方法において、原料として使用されるV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、従来より公知の方法により得ることができる。以下にその一例を示す。
【0027】
先ず、o−フタロジニトリルまたは1,3−ジイミノイソインドリンと三塩化ガリウムとを所定の溶媒中で反応させる方法(I型クロロガリウムフタロシアニン法);o−フタロジニトリル、アルコキシガリウムおよびエチレングリコールを所定の溶媒中で加熱し反応させてフタロシアニン二量体(フタロシアニン・ダイマー)を合成する方法(フタロシアニン・ダイマー法)、等により粗ガリウムフタロシアニンを製造する。上記の反応における溶媒としては、α−クロロナフタレン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、メトキシナフタレン、ジメチルアミノエタノール、ジフェニルエタン、エチレングリコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルホラン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミドなどの不活性且つ高沸点の溶剤を用いることが好ましい。
【0028】
次に、上記の工程で得られた粗ガリウムフタロシアニンについてアシッドペースティング処理を行うことによって、粗ガリウムフタロシアニンを微粒子化するとともにI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に変換する。ここで、本発明にかかるアシッドペースティング処理とは、具体的には、粗ガリウムフタロシアニンを硫酸などの酸に溶解させたものあるいは硫酸塩などの酸塩としたものを、アルカリ水溶液、水または氷水中に注ぎ、再結晶させることをいう。前記アシッドペースティング処理に用いる酸としては硫酸が好ましく、中でも濃度70〜100%(特に好ましくは95〜100%)の硫酸がより好ましい。
【0029】
上記のアシッドペースティング処理後、得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を溶剤処理することによって、CuKα特性X線を用いたX線回折パターンにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に強い回折ピークを有するV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得ることができる。ここで、本発明にかかる溶剤処理とは、試料を所定の溶剤に加えて静置または攪拌するなどの方法によって試料と溶媒とを接触させる処理のことをいう。本発明にかかる溶剤処理に使用される溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−アミルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルiso−ブチルケトンなどのケトン類、などが挙げられる。これらの溶剤の使用量はヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1重量部に対して通常1〜200重量部、好ましくは1〜100重量部であり、また、溶剤処理温度は通常0〜150℃、好ましくは室温〜100℃である。なお、本発明にかかる溶剤処理においては、上記の湿式粉砕処理の説明において例示された装置を用いて攪拌を行ってもよいが、これらの装置を用いる際には顔料の粉砕が起こらないように攪拌することが重要である。
【0030】
上記本発明の製造方法によって得られる本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、顔料、染料、電子写真感光体、光ディスク、太陽電池、センサー、脱臭剤、抗菌剤、非線形光学材料などの種々の用途に利用することができる。中でも、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を電子写真感光体の電荷発生材料として用いた場合には、感光体の最適な感度や優れた光電特性を得ることができる点、および感光膜に含まれる結着樹脂中への分散性に優れているので製造ロット間の特性のばらつきを十分に抑制できる点で特に有効である。
【0031】
図1(a)〜(e)はそれぞれ本発明の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1(a)〜(c)に示す電子写真感光体は、電荷発生材料を含有する層(電荷発生層4)と電荷輸送材料を含有する層(電荷輸送層5)とに機能が分離された積層型感光膜6を備える電子写真感光体であり、
図1(a)に示す電子写真感光体1は、導電性支持体2上に下引き層3、電荷発生層4、電荷輸送層5が順次積層された構造;
図1(b)に示す電子写真感光体1は、導電性支持体2上に下引き層3、電荷発生層4、電荷輸送層5、表面保護層7が順次積層された構造;
図1(c)に示す電子写真感光体1は、導電性支持体2上に下引き層3、電荷輸送層5、電荷発生層4、表面保護層7が順次積層された構造、
をそれぞれ有している。他方、図1(d)及び(e)に示す電子写真感光体は、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層に含む単層型感光体であり、
図1(d)に示す電子写真感光体1は、導電性支持体2上に下引き層3、単層型感光膜8が順次積層された構造;
図1(e)に示す電子写真感光体1は、導電性支持体2上に下引き層3、単層型感光膜8、表面保護層7が順次積層された構造、
をそれぞれ有している。そして、電荷発生層4、および単層型感光膜8は上記本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を電荷発生材料として含有するものである。ここで、本発明においては、図1(a)〜(c)のような積層型感光体であるとより高い感光特性が得られるので好ましい。
【0032】
導電性支持体2の材料としては、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼などの金属類;アルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITOなどの薄膜を設けたプラスチックフィルム;導電性付与剤を塗布または含浸させた紙およびプラスチックフィルム、などが挙げられる。また、導電性支持体2の形状としては特に制限はないが、ドラム状、シート状、プレート状などの形状を有するものが好適に使用される。さらに、本発明においては、必要に応じて導電性支持体2の表面に対して陽極酸化処理、液体ホーニングによる粗面化処理、薬品処理、着色処理などを行うことができる。
【0033】
本発明においては、図1(a)〜(e)に示すように、導電性支持体2上に下引き層3を設けることが好ましい。導電性支持体2上に下引き層3を設けると、下記(i)〜(vi):
(i)導電性支持体から感光膜への不必要なキャリアの注入が防止されて画像品質が向上する;
(ii)電子写真感光体の光減衰曲線の環境依存性(温度、湿度など)が低減して安定した画像品質が得られる;
(iii)適度な電荷輸送能により、長期にわたって繰り返し使用する場合にも電荷が蓄積されず、感度変動の発生が抑制される;
(iv)帯電電圧に対する適度な耐圧性により、絶縁破壊に起因する画像欠陥の発生が防止される;
(v)接着層として、感光膜を支持体に一体的に保持することができる;
(vi)支持体の光反射が防止される、
に示す効果が得られる傾向にある。ここで、下引き層3としては、アルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムなどの無機層;ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリアクリル酸、セルロース類、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミドなどの有機層;ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物などの有機金属化合物;シランカップリング剤、などを用いることができる。また、下引き層3の膜厚は好ましくは0.01〜20μmであり、より好ましくは0.1〜10μmである。
【0034】
このような構成を有する下引き層3は、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ダイノーミル、ジェットミル、コボールミル、ロールミル、超音波分散機、ゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、アルティマイザー、マイルダーなどを用いて上記の材料を所定の溶剤に分散して得られる塗工液を支持体2上に塗布し、乾燥することによって得ることができる。下引き層の成膜に用いられる溶剤としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエンなどが挙げられ、これらのうちの1種を単独で使用してもよく、2種以上の混合物として使用してもよい。また、上記の塗工液を導電性支持体2上に塗布する方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法などが挙げられる。
【0035】
図1(a)〜(c)に示す積層型感光体において、電荷発生層4は電荷発生材料としての本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と結着樹脂とを含有するものである。ここで、本発明において使用される結着樹脂としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエステルカーボネート、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、酢酸ビニル単独重合体又は共重合体、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリブタジエン、ポリウレタン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの部分架橋硬化物等が挙げられ、これらの結着樹脂のうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、電荷発生層4における本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と結着樹脂との配合比(重量比)は、好ましくは40:1〜1:4であり、より好ましくは20:1〜1:2である。本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の配合量が結着樹脂の配合量の40倍を超えると、電子写真感光体の製造工程において使用される分散液中の顔料の分散性が不十分となる傾向にあり、他方、結着樹脂の配合量の1/4未満であると電子写真感光体の感度が不十分となる傾向にある。
【0036】
また、電荷発生層4は、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料以外の電荷発生材料を含有してもよい。ここで、本発明に使用される他の電荷発生材料としては、金属含有または無金属のフタロシアニン顔料を用いることが好ましく、中でも、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料以外のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ジクロロスズフタロシアニン顔料またはオキシチタニルフタロシアニン顔料を用いることが特に好ましい。また、これらの他の電荷発生材料の配合量は、電荷発生層中に含まれる物質全量基準で50重量%以下であることが好ましい。
【0037】
なお、電荷発生層4上に電荷輸送層5などの他の層をさらに成膜する場合には、その塗工液に使用される溶剤によって電荷発生層5が溶解あるいは膨潤することのないように、電荷発生層4の結着樹脂と、電荷発生層5の上に塗布される塗布液の溶剤と、の組み合わせが適宜選択される。また、電荷発生層4の結着樹脂と後述する電荷輸送層5の結着樹脂とは、互いの屈折率同士が近いものを組み合わせて使用することが好ましく、具体的には、互いの屈折率の差が1以下であることが好ましい。このように屈折率の近い結着樹脂を組み合わせて用いると、電荷発生層4と電荷発生層5との界面での光の反射が抑制され、干渉縞防止効果が向上する傾向にある。
【0038】
電荷発生層4は、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料および結着樹脂を所定の溶剤に加え、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ダイノーミル、ジェットミル、コボールミル、ロールミル、超音波分散機、ゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、アルティマイザー、マイルダーなどを用いて混合、分散させることにより得られる塗工液を、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法などにより塗布し、乾燥することによって得ることができる。ここで、電荷発生層4の塗工液に用いる溶剤としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、水などが挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いもよい。このようにして得られる電荷発生層4の膜厚は、通常0.1〜5μmであり、好ましくは0.2〜2μmである。
【0039】
電荷輸送層5は電荷輸送材料を含むものであり、通常、電荷輸送材料は所定の結着樹脂中に分散されている。ここで、電荷輸送層5に使用される電荷輸送材料としては、N,N‘−ジフェニル−N,N‘−ビス−(m−トリル)ベンジジン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−2,2−ジフェニルヒドラゾン、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリンなどが挙げられ、これらの電荷輸送材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、電荷輸送層5に使用される結着樹脂としては、上記電荷発生層4の説明において例示された結着樹脂が挙げられる。さらに、このような構成を有する電荷輸送層5は、上記電荷発生層4の成膜方法と同様にして、電荷輸送材料および結着樹脂を含む塗工液を塗布し、乾燥することによって得ることができる。このようにして得られる電荷輸送層5の膜厚は、通常5〜50μmであり、好ましくは10〜40μmである。なお、使用する電荷輸送材料が成膜性を有する場合には、結着樹脂を用いなくてもよい。
【0040】
他方、図1(d)および(e)に示す単層型感光体において、単層型感光膜8は電荷発生材料としての本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と電荷輸送材料との双方を含むものであり、通常、これらの成分は所定の結着樹脂中に分散されている。ここで、単層型感光膜8に使用される電荷輸送材料および結着樹脂としては、それぞれ上記電荷輸送層5の説明において例示された電荷発生材料、および上記電荷発生層4の説明において例示された結着樹脂が挙げられる。また、このような構成を有する単層型感光膜8は、上記電荷発生層4の成膜方法と同様にして、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、電荷輸送材料および結着樹脂を含む塗工液を塗布し、乾燥することによって得ることができる。このようにして得られる単層型感光膜8の膜厚は、通常5〜50μmであり、好ましくは10〜40μmである。
【0041】
本発明の電子写真感光体においては、図1(b)、(c)および(e)に示すように、その最表面に表面保護層7を設けることが好ましい。このように表面保護層を設けると感光体の耐久性が向上する傾向にある。表面保護層7は導電性材料と結着樹脂とを含むものであり、必要に応じて無機微粒子などを配合することができる。ここで、表面保護層7に使用される導電性材料としては、具体的には、ジメチルフェロセンなどのメタロセン化合物;N,N’−ビス−(m−トリル)ベンジンなどの芳香族アミノ化合物;酸化アンチモン、酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモンなどの金属酸化物、などが挙げられる。また、表面保護層7に使用される結着樹脂としては、上記の電荷発生層4の説明において例示された結着樹脂、または従来より公知の導電性ポリマーなどを用いることができる。および電荷輸送層5の説明において例示された電荷輸送材料が挙げられる。さらに、表面保護層に使用される無機微粒子としては、シリコーン系無機微粒子、フッ素系無機微粒子などが挙げられ、その平均粒子径は0.005〜0.1μmであることが好ましい。さらに、このような構成を有する表面保護層7は、上記電荷発生層4の成膜方法と同様にして、結着樹脂および必要に応じて配合される電荷輸送材料、無機微粒子などを含む塗工液を塗布し、乾燥することによって得ることができる。このようにして得られる表面保護層7の膜厚は、通常0.5〜10μmであり、好ましくは0.7〜8μmである。また、表面保護層7の電気抵抗(体積抵抗率)は好ましくは109〜1014Ω・cmである。
【0042】
このような構成を有する本発明の電子写真感光体は、電子写真画像形成プロセスにおける細線の太りや細り、かぶりなどの現象を生じることなく長期にわたって十分に高い画質を得ることを可能とするものであり、レーザー・プリンター、LEDプリンター、CRTプリンター、フルカラープリンターなどの各種プリンターや、複写機、ファクシミリ(FAX)、デジタル複合機、フルカラー複写機などのデジタル式電子写真装置、などの電子写真画像形成装置に好適に使用される。
【0043】
図2は本発明の電子写真画像形成装置の好適な一実施形態を示す概略構成図である。図2においては、本発明の電子写真感光体1が支持体9によって保持されており、電子写真感光体1は支持体9を中心として矢印の方向に所定の回転速度で回転駆動される。この回転過程において、電源(図示せず)から電圧の供給を受けた帯電部材10により、電子写真感光体1はその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受ける。次に、露光手段(画像入力手段)11にて電子写真感光体1が光像露光を受け、電子写真感光体1の周面に露光像に対応した静電潜像が形成される。その後、現像手段12にて前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像が形成され、転写手段13にて前記トナー像が転写材Pに転写される。トナー像が転写された後の転写材Pは像定着手段14にて像定着を受けて複写物としてプリントアウトされる。転写工程後の感光体1はクリーニング手段15にてその周面に残存したトナーの除去を受けて清浄面化されて繰り返して像形成に使用される。
【0044】
本発明にかかる帯電手段としては、例えば導電性又は半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器など;
露光手段としては、前記電子写真感光体表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッターなどの光源を所望の像様に露光できる光学系装置など;。
【0045】
現像装置としては、一成分系、ニ成分系などの正規または反転現像剤を用いた従来より公知の現像装置など;
転写装置としては、ベルト、ローラー、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器など、が挙げられる。
【0046】
また、図2には示していないが、本発明の電子写真画像形成装置は中間転写手段を備えるものであってもよい。本発明にかかる中間転写手段としては、導電性支持体上にゴム、エラストマー、樹脂などを含む弾性層と少なくとも1層の被服層とが積層された構造を有するものを使用することができ、その材料としては使用される材料は、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素樹脂等の樹脂に対して、導電性のカーボン粒子や金属粉等を分散混合させたもの等があげられる。また、前記中間転写手段の形状としては、ローラー状、ベルト状などが挙げられる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0048】
参考例1
(I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の製造)
1,3−ジイミノイソインドリン30重量部および三塩化ガリウム9.1重量部をジメチルスルホキシド230重量部に加え、160℃で6時間攪拌しながら反応させて赤紫色結晶を得た。得られた結晶をジメチルスルホキシドで洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、乾燥してI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶28重量部を得た。
【0049】
次に、得られたI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶10重量部を60℃に加熱した硫酸(濃度97%)300部に十分に溶解したものを、25%アンモニア水600重量部とイオン交換水200重量部との混合溶液中に滴下した。析出した結晶を濾過により採取し、さらにN,N−ジメチルホルムアミド及びイオン交換水で洗浄し、乾燥してI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料8重量部を得た。
【0050】
このようにして得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料について、X線回折スペクトルおよび赤外線吸収スペクトルの測定を行った。その結果をそれぞれ図3および図4に示す。
【0051】
なお、本実施例におけるX線回折スペクトルの測定は、粉末法によりCuKα特性X線を用いて、以下の条件で行った。
【0052】
使用測定器:理学電機社製X線回折装置Miniflex
X線管球:Cu
管電流:15mA
スキャン速度:5.0deg./min
サンプリング間隔:0.02deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):35deg.
ステップ角度(2θ):0.02deg.
また、赤外線吸収スペクトルの測定は、KBr法により堀場製作所社製フーリエ変換赤外分光光度計FT−730を用いて行った。
【0053】
(V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の製造)
上記の工程で得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料5重量部を、N,N−ジメチルホルムアミド80重量部とともに30℃で24時間撹拌した(溶剤処理)。次いで、得られた結晶をイオン交換水を用いて洗浄し、乾燥してV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料4.5重量部を得た。得られたV型ヒロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルを図5、赤外線吸収スペクトルを図6、にそれぞれ示す。また、図5に示すX線回折スペクトルの7.5°の回折ピークにおける半値幅、並びに図6に示す赤外線吸収スペクトルの吸光度比Abs631/Abs572を表1に示す。
【0054】
実施例1−1
参考例1で得られたV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料5重量部および5mmφジルコニア製ビーズ50重量部を封入したアルミナ製ポットを小型振動ミル(MB−0型、中央化工機社製)に装着し、20分間の乾式粉砕を行った。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルを図7、赤外線吸収スペクトルを図8、にそれぞれ示す。また、図7に示すX線回折スペクトルの7.5°のピークにおける半値幅、並びに図8に示す赤外線吸収スペクトルの吸光度比Abs631/Abs572を表1に示す。
【0055】
実施例1−2〜1−5
実施例1−2〜1−5においては、それぞれ実施例1−1と同様にしてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を製造した。これらのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルはいずれも、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有するものであった。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の7.5°のピークにおける半値幅、並びに赤外線吸収スペクトルの吸光度比Abs631/Abs572をそれぞれ表1に示す。
【0056】
実施例2〜5
実施例2〜5においては、実施例1−1における乾式粉砕時間をそれぞれ5分、40分、60分、120分としたこと以外は実施例1−1と同様にしてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を製造し、そのX線回折スペクトルおよび赤外線吸収スペクトルを測定した。これらのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルはいずれも、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有するものであった。各実施例において得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルにおける7.5°のピークの半値幅、並びに赤外線吸収スペクトルにおける吸光度比Abs631/Abs572を表1に示す。
【0057】
実施例6
参考例1で得られたV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料5重量部と電導度0.1μS/cmのイオン交換水50部とを混合してスラリー液を調製し、超微粒子化乳化分散装置アルティマイザー((株)スギノマシン社製)を用いて圧力1500kg/cm2、吐出量350ml/minで20分間湿式粉砕処理を行った。その後、遠心分離によりスラリー液から水を除去し、真空乾燥を行って目的のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を製造し、そのX線回折スペクトルおよび赤外線吸収スペクトルを測定した。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有するものであった。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルにおける7.5°のピークの半値幅、および赤外線吸収スペクトルにおける吸光度比Abs631/Abs572を表1に示す。
【0058】
実施例7〜8
実施例7〜8においては、アルティマイザーの粉砕処理時間をそれぞれ5分間、60分間としたこと以外は実施例6と同様にしてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を製造し、そのX線回折スペクトルおよび赤外線吸収スペクトルを測定した。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料はいずれも、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有するものであった。各実施例において得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルにおける7.5°のピークの半値幅、および赤外線吸収スペクトルにおける吸光度比Abs631/Abs572を表1に示す。
【0059】
比較例1〜5
比較例1〜5においては、それぞれ参考例1と同様にしてV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を製造し、そのX線回折スペクトルおよび赤外線吸収スペクトルを測定した。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料はいずれも、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有するものであった。各比較例において得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルにおける7.5°のピークの半値幅、および赤外線吸収スペクトルにおける吸光度比Abs631/Abs572を表1に示す。
【0060】
比較例6
比較例6においては、乾式粉砕時間を100時間としたこと以外は実施例1−1と同様にしてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を製造し、そのX線回折スペクトルおよび赤外線吸収スペクトルを測定した。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルを図9、赤外線吸収スペクトルを図10、にそれぞれ示す。また、図9に示すX線回折スペクトルにおける7.5°のピークの半値幅、および図10に示す赤外線吸収スペクトルにおける吸光度比Abs631/Abs572を表1に示す。得られた顔料の粉末X線回折スペクトルは、各ピークがブロード化してアモルファスに近い状態を示し、ブラッグ角度7.5°のピークが消失しており、結晶構造がV型からI型へと変わっていることが示唆された。
【0061】
比較例 7 〜10
比較例7〜10においては、α型チタニルフタロシアニン顔料及びβ型チタニルフタロシアニン顔料の重量比をそれぞれ90:10、70:30、50:50、30:70として混合し、α型チタニルフタロシアニン顔料とβ型チタニルフタロシアニン顔料の混合顔料を製造した。
【0062】
実施例A−1
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業社製)8重量部をn−ブチルアルコール152重量部に溶解させた溶液に、トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネートの50%トルエン溶液(商品名:ZC−540、松本交商社製)100重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名:A1100、日本ユニカー社製)10重量部およびn−ブチルアルコール130重量部を混合した溶液を加えて攪拌し、下引き層用の塗布液を作製した。この塗布液を50μm厚のアルミニウムシート上に浸漬塗布し、150℃で10分間加熱乾燥し、膜厚1.0μmの下引き層を作製した。
【0063】
次に、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)1重量部を酢酸n−ブチル100重量部に溶解させた溶液と実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1重量部とを混合し、ガラスビーズとともに、3時間サンドミルで分散して、電荷発生層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を上記の下引き層上に浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚0.20μmの電荷発生層を作製した。
【0064】
さらに、電荷輸送材料としてのN,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン5重量部をポリカーボネートZ樹脂5重量部とともにモノクロロベンゼン40部に溶解させ、得られた溶液を浸漬塗布装置によって、上記の電荷発生層上に塗布し、120℃で40分間加熱乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を作製し、目的の電子写真感光体シートを作製した。
【0065】
また、84mmφ×347mmのアルミニウムパイプを湿式ホーニング処理して、中心線平均粗さRaが0.18μmとなるように粗面化したものを導電性支持体として用いたこと以外は上記の手順と同様にして、下引き層、 電荷発生層、電荷輸送層を順次作製し、目的の電子写真感光体ドラムを作製した。
【0066】
実施例A−2〜A−5
実施例A−2〜A−5においては、実施例1−1のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の代わりにそれぞれ実施例1−2〜1−5のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いたこと以外は実施例A−1と同様にして、電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラムを作製した。
【0067】
実施例B〜H
実施例B〜Hにおいては、実施例1−1のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の代わりに、実施例2〜8のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を使用したこと以外は実施例A−1と同様にして、電子写真感光体シートおよび電子写真感光体ドラムを作製した。
【0068】
比較例A〜G
比較例A〜Gにおいては、実施例1−1のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の代わりに、それぞれ参考例1及び比較例1〜6のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を使用したこと以外は実施例A−1と同様にして、電子写真感光体シートおよび電子写真感光体ドラムを作製した。
【0069】
比較例H〜K
比較例H〜Kにおいては、実施例1−1のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の代わりに、それぞれ比較例7〜10のα型チタニルフタロシアニン顔料とβ型チタニルフタロシアニンフタロシアニン顔料との混合顔料を使用したこと以外は実施例A−1と同様にして、電子写真感光体シートおよび電子写真感光体ドラムを作製した。
【0070】
(残留電位の測定)
このようにして得られた実施例A−1〜A−5、B〜Hおよび比較例A〜Kの電子写真感光体シートの電子写真特性を評価するために、以下の手順で残留電位の測定を行った。
【0071】
感光体に20mmφの小面積マスクを使用し、20℃、50%RHの環境下において、静電複写紙試験装置(EPA8200:川口電機社製)を用いて−5.0kVのコロナ放電により感光体を負帯電させた後、干渉フィルターを用いて780nmに分光したハロゲンランプ光を感光体表面上において5.0μW/cm2となるように調整して照射した。そのときの初期表面電位V0[V]、表面電位がV0の1/2になるまでの半減露光量E1/2[μJ/cm2]および露光開始から10秒後の残留電位VR[V]を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
(画質評価試験)
また、実施例A−1〜A−5、B〜Hおよび比較例A〜Kの各電子写真感光体ドラムを、図2に示す構成を有するフルカラー・レーザープリンター(DocuPrint C411、富士ゼロックス社製)に装着して画質評価を行った。その結果を表2に示す。なお、上記のフルカラー・レーザープリンターにおいては、帯電装置としてローラー帯電器(BCR)、露光装置として780nmの半導体レーザーを使用したROS、現像方式として2成分系反転現像方式、転写装置としてローラー帯電器(BTR)、転写装置としてベルト中間転写方式を採用した。また、上記の画質評価試験においては、電子写真感光体ドラムの感度がそれぞれ異なっているため、ROSの光量を調整して画像濃度が一定になるようにした。
【0073】
(電荷発生材料の分散性評価)
さらに、実施例A−1〜A−5、B〜Hおよび比較例A〜Kで用いた各電荷発生材料(実施例1−1〜1−5、2〜8、参考例1、比較例1〜10)の分散性の評価を行うために、ガラスプレート上に電荷発生層を形成し、顕微鏡を用いてその分散状態を観察した。その結果を表2に示す。なお、表2中、「良好」とは電荷発生層中に凝集体が見られなかったことを意味し、「不良」とは凝集体が観察されたり塗膜表面がざらついていたことを意味する。
【0074】
【表2】
表1〜2に示すように、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を粉砕処理して、その7.5゜の回折ピークの半値幅を0.35〜1.2゜とすることによって、広範囲にわたってヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の感度を精度よく調整できることが確認された。
【0075】
また、このようにして得られた実施例1−1〜1−5、2〜8のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料はいずれも電荷発生層における分散性に優れており、これらを用いて得られた実施例A−1〜A−5、B〜Hの電子写真感光体を備える電子写真画像形成装置においては、細線の太りや細り、かぶりなどの現象を生じることなく良好な画質が得られることが確認された。
【0076】
これに対して、従来の製造方法によって得られた参考例1、比較例1〜5のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、同一条件で製造した場合であっても感度にばらつきが生じやすかった。そして、これらの顔料を用いた比較例A〜Fの電子写真感光体においては電荷発生層における電荷発生材料の分散性が不十分となりやすく、その結果、電子写真画像形成装置においてかぶりが生じやすかった。
【0077】
また、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を過剰に粉砕処理して7.5゜の回折ピークを消失させた比較例6のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料では、結着樹脂中への十分な分散性が得られなかった。そして、この顔料を用いた電子写真感光体を備える電子写真画像形成装置においては、濃度不足が生じて良好な画像が得られなかった。
【0078】
さらに、結晶構造の異なるチタニルフタロシアニン顔料を混合した場合は、比較例7〜10のように混合比によって感度のばらつきが生じやすく、分散性も不十分となりやすかった。そして、これらの顔料を用いた電子写真感光体を備える電子写真画像形成装置においては、かぶりや濃度不足などの現象がして良好な画像が得られにくかった。
【0079】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、電子写真感光体の感度を十分に広い範囲で精度よく調整することが可能であり、且つ結着樹脂中への分散性に優れるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、およびそれらの特性が製造ロット間でばらつくことなく簡便に且つ安価に製造することを可能とするヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の製造方法が提供される。また、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いることによって、電子写真画像形成プロセスの要求感度に適合した感度を有し、且つ繰り返し使用時、高湿あるいは低湿条件下での使用時などにおいて光電特性の変動が十分に防止された電子写真感光体を得ることが可能となり、さらには、このような特性を有する本発明の電子写真感光体を備える本発明の電子写真画像形成装置において、細線の太りや細り、かぶりといった現象を生じることなく長期にわたって十分に高い画質を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)はそれぞれ本発明の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。
【図2】本発明の電子写真画像形成装置の好適な一実施形態を示す概略構成図である。
【図3】参考例1で得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルを示すグラフである。
【図4】参考例1で得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の赤外線吸収スペクトルを示すグラフである。
【図5】参考例1で得られたV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルを示すグラフである。
【図6】参考例1で得られたV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の赤外線吸収スペクトルを示すグラフである。
【図7】実施例1−1で得られた本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルを示すグラフである。
【図8】実施例1−1で得られた本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の赤外線吸収スペクトルを示すグラフである。
【図9】比較例6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルを示すグラフである。
【図10】比較例6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の赤外線吸収スペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
1…電子写真感光体、2…導電性支持体、3…下引き層、4…電荷発生層、5…電荷輸送層、6…積層型感光膜、7…表面保護層、8…単層型感光膜、9…支持体、10…帯電部材、11…露光手段(画像入力手段)、12…現像手段、13…転写手段、14…像定着手段、15…クリーニング手段。
Claims (5)
- CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有し且つ7.5゜の回折ピークの半値幅が0.35〜1.2゜であり、赤外線吸収スペクトルにおいて波数631±3cm −1 における吸光度の最大値(Abs 631 )と波数572±3cm −1 における吸光度の最大値(Abs 572 )との比(Abs 631 /Abs 572 )が0.85〜1.20であることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料。
- CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいてブラッグ角度(2θ±0.2゜)7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜、28.3゜に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、7.5゜の回折ピークの半値幅が0.35〜1.2゜となるように、且つ赤外線吸収スペクトルにおいて波数631±3cm −1 における吸光度の最大値(Abs 631 )と波数572±3cm −1 における吸光度の最大値(Abs 572 )との比(Abs 631 /Abs 572 )が0.85〜1.20となるように粉砕処理することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の製造方法。
- 前記粉砕処理が水を用いた湿式粉砕処理であることを特徴とする、請求項2に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の製造方法。
- 導電性支持体と、該支持体上に配置された感光膜と、を備える電子写真感光体であって、
前記感光膜が請求項1に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。 - 請求項4に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段と、
前記電子写真感光体上に静電潜像を形成するための露光手段と、
前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成するための現像手段と、
前記トナー像を転写材に転写するための転写手段と、
前記転写材にトナー像を定着させるための像定着手段と、
前記電子写真感光体上に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段と、
を備えることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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