JP2006071821A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高水準の電子写真特性を有し、ゴーストやかぶり等の画像欠陥の発生を十分に抑制して高水準の画像品質を得ることができ、これらを長期間にわたって安定的に維持することが可能な電子写真感光体の提供。
【解決手段】 導電性支持体3と、600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて810〜839nmの範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、及び、下記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を含有する感光層6と、を備える電子写真感光体。
【化1】
[式中、R1〜R4は炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基、R5及びR6は水素原子、又は炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基、R7及びR8は水素原子、炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基をそれぞれ示す。]
【選択図】 図1
【解決手段】 導電性支持体3と、600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて810〜839nmの範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、及び、下記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を含有する感光層6と、を備える電子写真感光体。
【化1】
[式中、R1〜R4は炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基、R5及びR6は水素原子、又は炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基、R7及びR8は水素原子、炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基をそれぞれ示す。]
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
従来、電子写真感光体(以下、場合により単に「感光体」という)としては、感光層の構成材料としてセレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、シリコン等の無機光導電体を用いた無機感光体が知られている。しかし、無機感光体は熱安定性、耐久性等の点で必ずしも満足し得るものではなく、また、製造上又は取扱い上にも問題があった。
一方、感光層の構成材料として有機光導電性化合物を用いた有機感光体は、製造が比較的容易であること、安価であること、取扱いが容易であること、及び熱安定性が優れていることなど多くの利点を有しており、盛んに研究がなされている。特に、光導電体の電荷発生機能と電荷輸送機能とをそれぞれ別個の機能層に分担させ、電荷発生機能を有する材料を電荷発生層に、電荷輸送機能を有する材料を電荷輸送層にそれぞれ含有させた、積層タイプの機能分離型感光層を有する感光体がすでに実用化されている。この方式においては、電荷の発生効率の大きい物質を電荷発生材料として用い、これと組み合わせて電荷輸送能力の高い物質を電荷輸送材料として用いることによって高感度の電子写真感光体が得られる可能性がある。
このうち、電荷発生材料としては、その高い光感度から種々のフタロシアニン化合物が報告されている(例えば、特許文献1、2及び非特許文献1参照)。
また、電荷輸送材料についても様々な研究が行われており、電荷移動度の高い材料がいくつか報告されている。中でも、その高い電荷移動度からテトラアリールベンジジン化合物が盛んに研究されている(例えば、特許文献3〜7参照)。そして、テトラアリールベンジジン化合物の中でもスチリル基を置換基として有するものが知られている(例えば、特許文献8〜10参照)。
しかしながら、上記の電荷発生材料及び電荷輸送材料を用いた有機感光体であっても、その電子写真特性は必ずしも十分とは言えず、より高水準の画質を得るためには未だ改善の余地がある。また、感光体は通常、帯電、露光、現像、転写等の工程を含む画像形成プロセスに繰り返し供されるが、初期に良好な画質を与えることが可能な感光体であっても、繰り返し使用するうちにその電子写真特性が低下し、良好な画質を得ることが困難となる場合がある。また、特に低温低湿環境下において、ゴーストによる画像欠陥の発生が起こりやすくなる場合がある。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高水準の電子写真特性(感光体の電気的応答性)を有するとともに、ゴーストやかぶり等の画像欠陥の発生を十分に抑制して高水準の画像品質を得ることができ、高水準の電子写真特性及び画像品質を長期間にわたって安定的に維持することが可能な電子写真感光体、並びに、その電子写真感光体を用いた、高水準の画像品質を長期間にわたって安定的に維持することが可能なプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することを目的とする。
ところで、電荷発生材料として用いられるフタロシアニン化合物は、その製造方法や処理方法の相違により、幾つかの結晶型に分かれる。例えば、無金属フタロシアニン結晶の場合、α型、β型、π型、γ型、X型等の結晶型が知られている。また、ガリウムフタロシアニン結晶に関しては、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン等が知られている。このようなフタロシアニン化合物の結晶型は、フタロシアニン化合物自体の光電変換特性に大きな影響を及ぼすとともに、感光層や塗布液中での分散性、ひいてはそれを用いた感光体の光感度、繰り返し特性及び環境安定性等の特性に影響を及ぼすものと考えられる。
また、電子写真感光体の特性は、電荷発生材料と電荷輸送材料との組み合わせによっても異なる。具体的には、例えば積層型感光体において、電荷発生材料及び電荷輸送材料のそれぞれが独立して良好な特性を有していても、電荷発生層から電荷輸送層への電荷の注入効率が悪いと、繰り返し安定性や応答性、画質等の点で十分満足のいく特性を得ることはできない。これは、電荷の注入効率が、電荷発生材料及び電荷輸送材料の物質固有の特性以外に、電荷発生層と電荷輸送層との界面など、上記2つの材料が共存し得る領域の状態の影響を受けやすいためであると本発明者らは推察する。
そこで、本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、まず、特定の分光吸収特性を有する新規なヒドロキシガリウムフタロシアニンを開発した。そして、そのヒドロキシガリウムフタロシアニンを構成材料とした感光体の特性を向上させるべく、更に研究した結果、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニンと、特定の構造を有するアリールアミン化合物とを併用した感光体により、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられており、600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて810〜839nmの範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、及び、下記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を含有する感光層と、を備えることを特徴とする。
[式(I)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基を示し、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基を示し、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を示す。但し、R7及びR8の少なくとも一方は、置換若しくは未置換のアリール基を示す。また、R7及びR8は、互いに結合して環を形成していてもよい。]
かかる電子写真感光体によれば、上記特定のヒドロキシガリウムフタロシアニンと上記特定のアリールアミン化合物とを感光層に含有させることにより、高水準の電子写真特性が得られるとともに、ゴーストやかぶり等の画像欠陥の発生を十分に抑制して高水準の画像品質を得ることができる。また、高水準の電子写真特性及び画像品質を長期間にわたって安定的に維持することができる。
なお、本発明により上記の効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推察する。
一般的に、フタロシアニン系顔料の場合は、結晶構造(結晶中の分子配列)によって分子間の相互作用が異なるため、その相違が分光吸収スペクトルに反映される。例えば、従来の電荷発生材料として知られるV型ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて840〜870nmに吸収極大を有するが、このことは強い分子間相互作用の存在を示唆している。このような電荷発生材料を用いると、その強い分子間相互作用により感光層又は塗布液中で分散状態の不均一化や凝集による粗大粒子の生成が起こりやすいため、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニンが本来的に有する電荷発生能が十分に発揮されないものと考えられる。
これに対し、本発明で用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニンは、600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて810〜839nmに最大ピーク波長を有するものであり、かかる分光吸収スペクトルからは従来の電荷発生材料と比較して分子間相互作用が小さいことが示唆される。したがって、当該ヒドロキシガリウムフタロシアニンを電荷発生材料として用いた場合には、感光層又は塗布液中での電荷発生材料の分散状態が十分に均一化され、その優れた電荷発生能が有効に発揮されるものと考えられる。
また、本発明で用いられるアリールアミン化合物は、上記一般式(I)で表される構造を有し、特に分子内に不飽和二重結合とR1、R2、R3及びR4としてベンゼン環に結合する4つのアルキル基とを有していることにより、十分に低い酸化還元電位と優れた電子移動度とを得ることができる。そして、かかるアリールアミン化合物と上述した本発明で用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニンとが優れた適合性を示すため、両者が共存し得る領域(例えば、機能分離型感光体の場合の電荷発生層と電荷輸送層との界面)においてヒドロキシガリウムフタロシアニンからアリールアミン化合物への電荷の注入効率が高められ、その結果、上記本発明の効果が得られるものと考えられる。
また、本発明で用いられるアリールアミン化合物は、下記一般式(I−1)で表されるように、上記一般式(I)において、R1及びR3が、窒素原子の結合位置に対してパラ位に結合したものであることが好ましい。
[式(I−1)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基を示し、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基を示し、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を示す。但し、R7及びR8の少なくとも一方は、置換若しくは未置換のアリール基を示す。また、R7及びR8は、互いに結合して環を形成していてもよい。]
かかるアリールアミン化合物はより低い酸化還元電位を得ることができ、このアリールアミン化合物を用いることで、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料との共存領域における電荷の注入効率をより向上させることができ、より高水準の電子写真特性、及び、より高水準の画像品質を得ることができる。
更に、本発明の電子写真感光体は、上記感光層が、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有する電荷発生層と、該電荷発生層に隣接して配置された、上記アリールアミン化合物を含有する電荷輸送層とを有し、上記感光層上に表面保護層を更に備えることが好ましい。
上述した通り、本発明で用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニンとアリールアミン化合物とは優れた適合性を示すため、各化合物を電荷発生層又は電荷輸送層に含有せしめ、これらの層が密着して配置された感光層とすることで、電荷発生層と電荷輸送層との界面において電荷発生層から電荷輸送層に電荷を効率よく注入することができる。そのため、機能分離型感光体としての優れた機能を有効に達成できる電子写真感光体が実現可能となる。更に、この感光体上に表面保護層を有していることにより、感光層の磨耗や傷の発生を抑制するとともに、帯電時の感光層の化学的変化を抑制することができる。かかる表面保護層を従来の電子写真感光体に設けた場合、画像抜けや画像ボケ等の画像欠陥が発生する傾向があるが、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニンと上記アリールアミン化合物とを用いた本発明の電子写真感光体において表面保護層を設けた場合には、このような画像欠陥を生じることなく、感光層の保護効果を有効に得ることができる。
また、本発明のプロセスカートリッジは、上記本発明の電子写真感光体と、上記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段、上記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、及び、上記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を備え、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
更に、本発明の電子写真装置は、上記本発明の電子写真感光体と、上記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段と、上記電子写真感光体上に静電潜像を形成するための露光手段と、上記電子写真感光体上に形成された上記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段と、上記トナー像を被転写体に転写するための転写手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のプロセスカートリッジ及び電子写真装置によれば、上述した優れた特性を有する本発明の電子写真感光体を用いているため、高水準の画像品質を長期間にわたって安定的に維持することができる。
本発明によれば、高水準の電子写真特性を有するとともに、ゴーストやかぶり等の画像欠陥の発生を十分に抑制して高水準の画像品質を得ることができ、高水準の電子写真特性及び画像品質を長期間にわたって安定的に維持することが可能な電子写真感光体を提供することができる。また、本発明によれば、上記本発明の電子写真感光体を用いた、高水準の画像品質を長期間にわたって安定的に維持することが可能なプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
先ず、本発明で電荷発生材料として用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニンについて説明する。
本発明で用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニンは、600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810〜839nmの範囲に最大ピーク波長を有するものであり、従来の製造方法により作製されたヒドロキシガリウムフタロシアニンとは異なるものである。また、810〜835nmの範囲に最大ピーク波長を有するものは、分散性がより優れるため好ましい。
本発明におけるヒドロキシガリウムフタロシアニンの平均一次粒子径は、好ましくは0.10μm以下、より好ましくは0.08μm以下であり、且つ、BET法による比表面積値は、好ましくは45m2/g以上、より好ましくは50m2/g以上、更に好ましくは55m2/g以上である。本発明にかかるヒドロキシガリウムフタロシアニンにおいては、粒子の結晶配列が好適に制御されたことと、分散性向上に適した微細化とによって、分光吸収スペクトルが短波長側にシフトしたものと推定される。平均一次粒子径が0.10μmより大きい場合、又は比表面積値が45m2/g未満である場合は、粒子が粗大化しているか、又は粒子の凝集体の形成が生じており、電子写真特性や画質特性上の欠陥が生じやすい傾向がある。
また、本発明におけるヒドロキシガリウムフタロシアニンは、粒径が大きい粗大粒子を含有しないことが好ましい。具体的には、一次粒子径の最大値が0.3μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがより好ましい。一次粒子径の最大値が0.3μmを超える場合は、粒子が粗大化しているか、又は粒子の凝集体が形成されていることとなり、電子写真特性や画質特性上の欠陥を生じやすい傾向がある。
また、本発明におけるヒドロキシガリウムフタロシアニンは、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するものであることが好ましい。
通常、フタロシアニン顔料は、結晶中の分子配列によってフタロシアニン分子間の相互作用が変化し、結果として分子配列の状態がスペクトルに反映される。従来の製造方法により作製されたV型ヒドロキシガリウムフタロシアニンが840〜870nmに吸収極大を有する場合には、吸収が長波長に伸びる、すなわち分子間の相互作用が強いことを意味し、これによって結晶中を電荷が流れ易い状態となり、暗電流の増大やバックグラウンドのかぶりや黒点などを発生しやすくなっていたものと推察される。これに対して、結晶合成時の条件をコントロールすることで、分子配列を制御し、810〜839nmに吸収極大を有するヒドロキシガリウムフタロシアニンとすることで、優れた電子写真特性や画質特性を得ることが可能となった。
本発明にかかるヒドロキシガリウムフタロシアニンの製造方法において原料として使用される、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)6.9°、13.2〜14.2°、16.5°、26.0°及び26.4°、又は、7.0°、13.4°、16.6°、26.0°及び26.7°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン(以下、「I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン」という)は、従来より公知の方法によって得ることができる。以下にその一例を示す。
先ず、o−フタロジニトリル又は1,3−ジイミノイソインドリンと三塩化ガリウムとを所定の溶媒中で反応させる方法(I型クロロガリウムフタロシアニン法);o−フタロジニトリル、アルコキシガリウム及びエチレングリコールを所定の溶媒中で加熱し反応させてフタロシアニン二量体(フタロシアニン・ダイマー)を合成する方法(フタロシアニン・ダイマー法)、等により粗ガリウムフタロシアニンを製造する。上記の反応における溶媒としては、α−クロロナフタレン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、メトキシナフタレン、ジメチルアミノエタノール、ジフェニルエタン、エチレングリコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルホラン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミドなどの不活性且つ高沸点の溶剤を用いることが好ましい。
次に、上記の工程で得られた粗ガリウムフタロシアニンについてアシッドペースティング処理を行うことによって、粗ガリウムフタロシアニンを微粒子化するとともにI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に変換する。ここで、アシッドペースティング処理とは、具体的には、粗ガリウムフタロシアニンを硫酸などの酸に溶解させたものあるいは硫酸塩などの酸塩としたものを、アルカリ水溶液、水または氷水中に注ぎ、再結晶させることをいう。このアシッドペースティング処理に用いる酸としては硫酸が好ましく、中でも濃度70〜100%(特に好ましくは95〜100%)の硫酸がより好ましい。
本発明におけるヒドロキシガリウムフタロシアニンは、上記のアシッドペースティング処理によって得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニンを溶剤とともに湿式粉砕処理して結晶変換することによって得られるが、本発明で用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニンの製造方法では、該湿式粉砕処理が、外径0.1〜3.0mmの球形状メディアを使用した粉砕装置を用いて行われることが好ましく、外径0.2〜2.5mmの球形状メディアを用いることがより好ましい。メディアの外形が3.0mmより大きい場合、粉砕効率が低下するため粒子径が小さくならずに凝集体が生成しやすい傾向がある。また、メディアの外径が0.1mmより小さい場合、メディアとヒドロキシガリウムフタロシアニンとを分離し難くなる傾向がある。更に、メディアが球形状でなく、円柱状や不定形状等、他の形状の場合、粉砕効率が低下するとともに、粉砕によってメディアが磨耗しやすく、磨耗粉が不純物となりヒドロキシガリウムフタロシアニンの特性を劣化させやすくなる傾向がある。
上記メディアの材質は特に制限されないが、ヒドロキシガリウムフタロシアニン中に混入した場合にも画質欠陥を発生しにくいものが好ましく、ガラス、ジルコニア、アルミナ、メノーなどが好ましい。
また、上記湿式粉砕処理を行う容器の材質についても特に制限されないが、ヒドロキシガリウムフタロシアニン中に混入した場合にも画質欠陥を発生しにくいものが好ましく、ガラス、ジルコニア、アルミナ、メノー、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイドなどが好ましい。また、鉄、ステンレスなどの金属容器の内面にガラス、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイドなどをライニングしたものであってもよい。
上記メディアの使用量は、使用する装置によっても異なるが、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部に対して、通常1〜1000質量部、好ましくは10〜100質量部である。また、メディアの外径が小さくなると、同じ質量(使用量)でも装置内に占めるメディア密度が高まり、混合溶液の粘度が上昇して粉砕効率が変化するため、メディア外径を小さくするに従い、適宜メディア使用量と溶剤使用量をコントロールすることによって最適な混合比で湿式処理を行うことが望ましい。
また、湿式粉砕処理を行う際の温度は、好ましくは0〜100℃であり、より好ましくは5〜80℃であり、特に好ましくは10〜50℃である。温度が低い(0℃未満)場合には、結晶転移の速度が遅くなる傾向があり、温度が高すぎる(100℃を超える)場合にはヒドロキシガリウムフタロシアニンの溶解性が高くなり結晶成長しやすく微粒化が困難となる傾向がある。
湿式粉砕処理に使用される溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−アミルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルiso−ブチルケトンなどのケトン類の他に、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶剤の使用量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部に対して通常1〜200質量部であり、好ましくは1〜100質量部である。
湿式粉砕処理に用いられる装置としては、振動ミル、自動乳鉢、サンドミル、ダイノーミル、コボールミル、アトライター、遊星ボールミル、ボールミルなどのメデイアを分散媒体として使用する装置を用いることができる。
本発明にかかるヒドロキシガリウムフタロシアニンの製造方法において、結晶変換の進行スピードは、湿式粉砕処理工程のスケール、攪拌スピード、メディア材質などによって大きく影響されるが、湿式粉砕処理後のヒドロキシガリウムフタロシアニンが、600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて810〜839nmの範囲に最大ピーク波長を有するように、結晶変換状態を湿式粉砕処理液の吸収波長測定によりモニターしながら湿式粉砕処理時間を決定し、目的のヒドロキシガリウムフタロシアニンに結晶変換されるまで継続することが好ましい。ここで、結晶変換状態を湿式粉砕処理液の吸収波長測定によりモニターする手法として具体的には、例えば、湿式粉砕処理装置より結晶変換処理中のヒドロキシガリウムフタロシアニンを含む溶液を少量サンプリングし、これをアセトン、酢酸エチルなどの溶剤で希釈した後、分光光度計を用いて液セル法により測定する方法等が挙げられる。
上記のように決定される湿式粉砕処理時間は、通常5〜500時間の範囲、好ましくは7〜300時間の範囲である。処理時間が5時間未満であると、結晶変換が完結せず、電子写真特性の低下、特に感度不足の問題が生じやすくなる傾向がある。また、処理時間が500時間を越えると、粉砕ストレスの影響による感度低下、生産性低下、メディアの摩滅粉の混入などの問題が生じやすくなる傾向がある。湿式粉砕処理時間を上記のように決定することにより、ヒドロキシガリウムフタロシアニン粒子が均一に微粒子化した状態で湿式粉砕処理を完了することが可能となる。また、複数ロットの繰り返し湿式粉砕処理を実施した場合には、ロット間の品質ばらつきを抑えることが可能となる。
次に、本発明において電荷輸送材料として用いられるアリールアミン化合物について説明する。
本発明で用いられるアリールアミン化合物は、下記一般式(I)で表される構造を有する化合物である。
[式(I)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基を示し、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基を示し、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を示す。但し、R7及びR8の少なくとも一方は、置換若しくは未置換のアリール基を示す。また、R7及びR8は、互いに結合して環を形成していてもよい。]
ここで、上記一般式(I)中、R1、R2、R3及びR4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられ、R1、R2、R3及びR4はメチル基又はエチル基であることが好ましい。また、R5及びR6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられ、R5及びR6は水素原子又はメチル基であることが好ましい。更に、R7、R8のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニル基、ビフェニル基等が挙げられる。R7及びR8の少なくとも一方は、置換若しくは未置換のアリール基であるが、両方が置換若しくは未置換のアリール基であることが好ましい。また、R7及び/又はR8が置換基を有するアリール基である場合、その置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられ、メチル基であることが好ましい。また、R7とR8とは互いに結合して環を形成していてもよく、その場合の構造(構造(a)〜(e))を以下に示す。なお、以下の構造ではR7及びR8が結合している炭素−炭素二重結合も同時に示してある。
また、上記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物の具体例(化合物(II−1)〜(II−58))を表1〜6に示す。なお、表1〜6には、各化合物のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の具体的構造、並びに、R1、R2、R3及びR4の結合位置及びR5、R6がアルキル基である場合にはその結合位置を示した。また、表1〜6に示したR1、R2、R3、R4、R5及びR6の結合位置は、ベンゼン環の窒素原子の結合位置に対するものであり、Meはメチル基を示し、Etはエチル基を示す。また、表6に示した化合物(II−48)〜(II−58)は、R7とR8とが互いに結合して環を形成したものであり、これらのうち化合物(II−48)〜(II−51)は上記構造(b)を有し、化合物(II−52)〜(II−55)は上記構造(c)を有し、化合物(II−56)〜(II−58)は上記構造(e)を有する。なお、上記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物は表1〜6に示す化合物(II−1)〜(II−58)に限定されるものではない。
また、本発明で用いられるアリールアミン化合物は、上記一般式(I)において、R1及びR3が、ベンゼン環の窒素原子の結合位置に対してパラ位に結合した、下記一般式(I−1)で表される化合物であることが好ましい。
[式(I−1)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基を示し、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基を示し、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜5の置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を示す。但し、R7及びR8の少なくとも一方は、置換若しくは未置換のアリール基を示す。また、R7及びR8は、互いに結合して環を形成していてもよい。]
次に、本発明の電子写真感光体の好適な実施形態について説明する。
図1(a)は、本発明の電子写真感光体の第1実施形態を示す模式断面図である。図1(a)に示した電子写真感光体100はいわゆる機能分離型感光体(又は積層型感光体)であり、導電性支持体3上には、電荷発生層1及び電荷輸送層2をこの順序で積層して形成された感光層6が設けられている。そして、後述するように、電荷発生層1は上記特定のヒドロキシガリウムフタロシアニンを電荷発生材料として含有し、一方、電荷輸送層6は上記特定のアリールアミン化合物を電荷輸送材料として含有する。
導電性支持体3は、特に限定されるものはなく、例えば、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル等の金属製ドラム;ポリマー製シート、紙、プラスチック、又はガラス上に、アルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着することによって導電処理したドラム状、シート状又はプレート状の支持体;ポリマー製シート、紙、プラスチック又はガラス上に、酸化インジウム、酸化錫などの導電性金属化合物を蒸着するか、又は金属箔をラミネートすることによって導電処理したドラム状、シート状又はプレート状の支持体;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化錫−酸化アンチモン粉、金属粉、沃化銅等をバインダー樹脂に分散し、ポリマー製シート、紙、プラスチック、又はガラス上に塗布することによって導電処理したドラム状、シート状、プレート状の支持体などが挙げられる。
ここで、金属製ドラムを導電性支持体3として用いる場合、その外周面(感光層6が形成される側の面)は素管のままであってもよいが、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニング、着色処理などの処理を行うことが好ましい。感光層6が形成される側の面を表面処理により粗面化することで、レーザービームのような可干渉光源を用いた場合に発生しうる感光体内での干渉光による木目状の濃度斑を防止することができる。
電荷発生層1は、先に説明した600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて810〜839nmの範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニンと、結着樹脂とを含有する。
本発明において使用される結着樹脂としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエステルカーボネート、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、酢酸ビニル単独重合体又は共重合体、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリブタジエン、ポリウレタン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの部分架橋硬化物等が挙げられ、これらの結着樹脂のうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
電荷発生層1において、上記特定のヒドロキシガリウムフタロシアニンと結着樹脂との配合比(質量比)は、好ましくは40:1〜1:4であり、より好ましくは20:1〜1:2である。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの配合量が結着樹脂の配合量の40倍を超えると、電子写真感光体の製造工程において使用される分散液中の顔料の分散性が不十分となる傾向にあり、他方、結着樹脂の配合量の1/4未満であると電子写真感光体の感度が不十分となる傾向にある。
電荷発生層1は、上記特定のヒドロキシガリウムフタロシアニンに加えて、他の金属含有または無金属フタロシアニン、アゾ顔料、ペリレン顔料、縮環芳香族系顔料、セレン含有微粒子などの電荷発生材料を含有してもよい。ここで、本発明に使用される他の電荷発生材料としては、金属含有または無金属のフタロシアニンを用いることが好ましく、中でも、本発明で用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニン以外のヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニンまたはオキシチタニルフタロシアニンを用いることが特に好ましい。また、これらの他の電荷発生材料の配合量は、電荷発生層中に含まれる物質全量基準で50質量%以下であることが好ましい。
なお、電荷発生層1上に電荷輸送層2などの上層を形成する際に、上層を形成するための塗工液に使用される溶剤によって電荷発生層1が溶解あるいは膨潤することのないように、電荷発生層1の結着樹脂と、上層を形成するための塗布液の溶剤との組み合わせを適宜選択することが望ましい。また、電荷発生層1の結着樹脂と後述する電荷輸送層2の結着樹脂とは、互いの屈折率同士が近いものを組み合わせて使用することが好ましく、具体的には、互いの屈折率の差が1以下であることが好ましい。このように屈折率の近い結着樹脂を組み合わせて用いると、電荷発生層1と電荷輸送層2との界面での光の反射が抑制され、干渉縞防止効果が向上する傾向にある。
電荷発生層1は、上記特定のヒドロキシガリウムフタロシアニン及び結着樹脂を所定の溶剤に加えて分散処理し、得られる塗布液を導電性支持体層3上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。電荷発生層1の塗布液に用いる溶剤としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、水などが挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いもよい。また、分散処理は、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ダイノーミル、ジェットミル、コボールミル、ロールミル、超音波分散機、ゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、アルティマイザー、マイルダーなどを用いて行うことができる。また、塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法などが挙げられる。
このようにして得られる電荷発生層1の膜厚は、良好な電子写真特性及び画質を与えるために、0.05〜5μmであることが好ましく、0.1〜1μmであることがより好ましい。電荷発生層1の厚みが0.05μm未満であると、厚みが上記範囲内である場合と比較して十分な感度を与えることが困難となる傾向がある。一方、電荷発生層1の厚みが5μmを超えると、厚みが上記範囲内である場合と比較して帯電性の不良などの弊害を生じさせやすくなる傾向がある。
電荷輸送層2は、先に説明した上記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物と結着樹脂とを含んで構成される。
電荷輸送層2に含有される結着樹脂は特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができるが、電気絶縁性のフィルムを形成することが可能な樹脂が好ましい。好ましい結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂及びポリアリレート樹脂は、電荷輸送材料との相溶性、溶剤への溶解性、強度の点で優れているので好ましく用いられる。ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂の具体例を下記に示すがこれに限るものではなく、場合によっては下記構造の2種以上の共重合体でも良い。
電荷輸送層2における結着樹脂と上記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物との配合比(質量比)は電気特性低下、膜強度低下に考慮しつつ任意に設定することができる。
また、本発明の電荷輸送層2に含有される電荷輸送材料は上記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を単独で用いても良いが、2種以上混合して用いることもできる。2種以上混合する場合、混合する電荷輸送材料は特に限定されるものではなく、上記一般式(I)で示されるアリールアミン化合物以外に公知の物質を使用することができる。例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(P−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等の正孔輸送物質、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などの電子輸送物質等が挙げられる。更には、電荷輸送材料は、以上例示した化合物の基本構造を主鎖又は側鎖に有する重合体等を使用することもできる。
電荷輸送層2は、上記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物及び結着樹脂を所定の溶媒に加えて得られる塗布液を、上記の電荷発生層1上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。電荷輸送層2の形成用の塗布液に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。また、塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
このようにして形成される電荷輸送層2の厚みは、5〜50μmであることが好ましく、10〜35μmであることがより好ましい。
図1(b)は、本発明の電子写真感光体の第2実施形態を示す模式断面図である。図1(b)に示した電子写真感光体110は、導電性支持体層3と感光層6との間に下引層4を備えること以外は図1(a)に示した電子写真感光体100と同様の構成を有する。
下引層4は、感光層6の帯電時において、導電性支持体3から感光層6への電荷の注入を阻止する機能を有する。また、この下引層4は、感光層6を導電性支持体層3に対して一体的に接着保持せしめる接着層としても機能する。更に、この下引層4は、導電性支持体3の光反射を防止する機能を有する。
下引層4は、樹脂、有機又は無機の粉末、電子輸送性物質等から任意に選択されて構成される。樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子樹脂化合物、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。そして、これらの化合物は単独で又は複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。更にこれらの中でも、ジルコニウムキレート化合物、シランカップリング剤は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れているため好ましい。
上記のシランカップリング剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。特に好ましいシランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
下引層4中には、電気特性の向上や光散乱性の向上などの目的により、各種の有機化合物の微粉末もしくは無機化合物の微粉末を添加することができる。特に、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料やアルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料としての無機顔料やポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子などが有効である。添加微粉末の粒径は0.01〜2μmであることが好ましい。微粉末は必要に応じて添加されるが、その添加量は下引層4の固形分の総質量に対して、質量比で10〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましい。
また、下引層4中には、電子輸送性物質、電子輸送性顔料等を含有させることも低残留電位化や環境安定性の観点から有効である。
また、下引層4を形成するための塗布液を調製する際に、微粉末状の物質を添加する場合には樹脂成分を溶解した溶液中に添加して分散処理が行われる。この分散処理方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの方法を用いることができる。更に、この下引層4は導電性支持体3上に下引層4を形成するための塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成することができる。このときの塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
このようにして形成される下引層4の厚みは、0.01〜30μmであることが好ましく、0.05〜25μmであることがより好ましい。
図1(c)は、本発明の電子写真感光体の第3実施形態を示す模式断面図である。図1(c)に示す電子写真感光体120は、導電性支持体3を備え、更に、感光層6上(感光層6の導電性支持体3から遠い側の面上)に保護層(表面保護層)5を備えること以外は図1(a)に示した電子写真感光体100と同様の構成を有する。
保護層5は、電子写真感光体120の帯電時における電荷輸送層2の化学的変化を防止したり、感光層6の機械的強度をさらに改善する為に設けられる。この保護層5は、導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させた塗布液を、感光層6上に塗布することにより形成することができる。この導電性材料は特に限定されないが、例えば、N,N’−ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモン、硫酸バリウムと酸化アンチモンとの固溶体の担体、上記金属酸化物の混合物、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を混合したもの、或いは、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を被覆したもの等が挙げられる。
保護層5に用いる結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の公知の樹脂が用いられる。また、これらは必要に応じて互いに架橋させて使用することもできる。
また、この保護層5としては、低分子の電荷輸送材料をエポキシ樹脂やフェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの硬化性の結着樹脂中に含有させた架橋層を用いることも可能である。これらの結着樹脂の中でも、傷などに対する耐性が強いシリコーン系のハードコート剤が好ましい。
ハードコート剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等を用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、AY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等を用いることができる。
また、これらハードコート剤に含有させる電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合、キノン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、それ自体が反応性の架橋部位を有するものが、ハードコート剤との相溶性、膜の強度、安定性に優れるため好ましい。電荷発生材料とハードコート剤等の結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:10であることが好ましい。
また、保護層5には、帯電器で発生するオゾン等の酸化性ガスによる劣化を防止する目的で、酸化防止剤を添加することが好ましい。感光体6表面の機械的強度を高め、感光体6が長寿命になると、感光体6が酸化性ガスに長い時間接触することになるため、従来より強い酸化耐性が要求される。この酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系あるいはヒンダードアミン系のものが望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などが挙げられる。
酸化防止剤の添加量は、保護層5の固形分全量を基準として20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
また、保護層5には、放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、磨耗量コントロール、ポットライフの延長などの目的で、アルコール系溶剤に溶解する樹脂を添加することもできる。アルコール系溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(例えば、積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロ−ス樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。これらの中でも、電気特性上、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。上記樹脂の平均分子量は、2000〜100000であることが好ましく、5000〜50000であることがより好ましい。平均分子量が2000未満であると所望の効果が得られなくなる傾向があり、100000を超えると溶解度が低くなり添加量が限られてしまったり、塗布時に製膜不良の原因になったりする傾向がある。上記樹脂の添加量は、保護層5の固形分全量を基準として1〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが特に好ましい。添加量が1質量%未満であると所望の効果が得られにくくなる傾向があり、40質量%を超えると高温高湿下での画像ボケが発生しやすくなる傾向がある。
更に、保護層5には、電子写真感光体表面の耐汚染物付着性、潤滑性を改善するために、各種微粒子を添加することもできる。この微粒子としては、例えばケイ素含有微粒子が挙げられる。ケイ素含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカやシリコーン微粒子等が挙げられる。これらの微粒子は、1種を単独で用いることもできるが、併用してもよい。
ケイ素含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径1〜100nm、好ましくは10〜30nmの酸性もしくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。保護層5中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、製膜性、電気特性、強度の面から保護層5の固形分全量を基準として0.1〜50質量%であることが好ましく、0.1〜30質量%であることがより好ましい。
ケイ素含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、平均粒子径1〜500nm、好ましくは10〜100nmの、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、電子写真感光体の表面性状を改善することができる。すなわち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、電子写真感光体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。保護層5中のシリコーン微粒子の含有量は、保護層5の固形分全量を基準として0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や“第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集 p89”に示される様な、フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al2O3、SnO2−Sb2O3、In2O3−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al2O3、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In2O3、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物を挙げることができる。
また、同様の目的でシリコーンオイル等のオイルを保護層5に添加することもできる。シリコーンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等を挙げることができる。
保護層5の厚みは1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。この保護層5を形成するための塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。また、保護層5を形成するための塗布液に用いる溶剤としては、アルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、できるだけこの塗布液が塗布される感光層6を溶解しにくい溶剤を用いることが好ましい。
以上、本発明の電子写真感光体の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の電子写真感光体は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図2(a)に示す電子写真感光体130のように、導電性支持体3と感光層6との間に下引層4を備え、更に感光層6上に保護層5を備えるものであってもよい。
また、上記の実施形態の電子写真感光体100、110、及び120においては、感光層6が2層構造を有している場合について説明したが、本発明の電子写真感光体は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、図2(b)に示す電子写真感光体140のように、感光層6が単層構造であってもよい。この場合、感光層6には本発明にかかる特定のヒドロキシガリウムフタロシアニン及び特定のアリールアミン化合物の双方が含まれる。また、図2(b)には図示していないが、導電性支持体3と感光層6との間に下引層4を備えるものでもよく、感光層6上に保護層5を備えるものであってもよく、下引層4と保護層5を共に有するものであってもよい。
本発明の電子写真感光体は、近赤外光もしくは可視光に発光するレーザービームプリンター、デジタル複写機、LEDプリンター、レーザーファクシミリなどの電子写真装置や、このような電子写真装置に備えられるプロセスカートリッジに搭載することができる。また本発明の電子写真感光体は一成分系、二成分系の正規現像剤あるいは反転現像剤とも合わせて用いることができる。
次に、本発明の電子写真感光体を搭載した電子写真装置及びプロセスカートリッジについ説明する。
図3は、本発明の電子写真装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図3に示す電子写真装置200は、電子写真感光体7と、電子写感光体7を帯電させる非接触帯電方式の帯電手段8と、帯電手段8に接続された電源9と、帯電手段8により帯電した電子写真感光体7を露光して静電潜像を形成させる露光手段10と、形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段11と、トナー像を電子写真感光体7から被転写媒体に転写する転写手段12と、クリーニング手段13と、除電器14と、定着手段15とを備える。
また、図4は、図3に示す本発明の電子写真装置の別の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図4に示す電子写真装置210は、電子写真感光体7を接触帯電方式により帯電させる帯電手段8を備えていること以外は、図3に示した電子写真装置200と同様の構成を有する。なお、この場合には、除電器14が設けられていないものもある。
本発明で用いられる非接触帯電方式の帯電手段8としては、コロナ放電を利用したコロトロン、スコロトロンなどが挙げられる。また、接触帯電方式の帯電手段8としては、帯電ローラーや帯電ブラシなどの接触帯電用部材を用いた帯電器が挙げられる。
接触帯電部材としては、アルミニウム、鉄、銅などの金属、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子材料、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッソゴム、スチレンーブタジエンゴム、ブタジエンゴム等のエラストマー材料に、カーボンブラック、沃化銅、沃化銀、硫化亜鉛、炭化けい素、金属酸化物などの金属酸化物粒子を分散したものなどを用いることができる。この金属酸化物の例としては、ZnO、SnO2、TiO2、In2O3、MoO3等、あるいはこれらの複合酸化物が挙げられる。また、接触帯電用部材にはエラストマー材料中に過塩素酸塩を含有させて導電性を付与したものを使用しても良い。
更に、接触帯電用部材の表面に被覆層を設けてもよい。被覆層を形成する材料としては、N−アルコキシメチル化ナイロン、セルロース樹脂、ビニルピリジン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、メラミン等が単独、あるいは併用して用いられる。また、エマルジョン樹脂系材料、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョン、ポリウレタン、特にソープフリーのエマルジョン重合により合成されたエマルジョン樹脂を用いることもできる。これらの樹脂にはさらに抵抗率を調整するために、導電剤粒子を分散してもよいし、劣化を防止するために酸化防止剤を含有させることもできる。また、被覆層を形成する時の成膜性を向上させるために、エマルジョン樹脂にレベリング剤または界面活性剤を含有させることもできる。また、この接触帯電用部材の形状としては、ローラー型、ブレード型、ベルト型、ブラシ型、などが挙げられる。
接触帯電用部材の電気抵抗値は、1×102〜1×1014Ωcmであることが好ましく、1×102〜1×1012Ωcmであることがより好ましい。また、この接触帯電用部材への印加電圧は、直流、交流いずれも用いることができる。また、直流+交流(直流電圧と交流電圧とを重畳したもの)の形で印加することもできる。
露光手段10としては、電子写真感光体7の表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。これらの中でも、非干渉光を露光可能な露光装置を用いると、電子写真感光体7の導電性支持体と感光層との間での干渉縞を防止することができる。
現像手段11としては、従来公知の現像装置等を用いることができる。また、使用される現像剤の種類及びその製造方法は特に制限されず、例えば結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。また、上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
トナーは結着樹脂と着色剤、離型剤とからなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を用いてもよい。トナーの平均粒径は、2〜12μmであることが好ましく、3〜9μmであることがより好ましい。また、トナーの平均形状指数(ML2/A)は、100〜140であることが好ましく、このようなトナーを用いることにより高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。
トナーに使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
また、トナーには必要に応じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤等を用いることができる。
トナーを湿式製法で製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で、水に溶解しにくい素材を使用することが好ましい。トナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
外添剤を添加する場合、トナー及び外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
本発明で用いられるトナーに添加される滑性粒子としては、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用でき、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。滑性粒子の平均粒径は0.1〜10μmが好ましく、必要に応じて粉砕して粒径をそろえてもよい。トナーへの添加量はトナー100質量部に対して0.05〜2.0質量部であることが好ましく、0.1〜1.5質量部であることがより好ましい。
本発明で用いられるトナーには、電子写真感光体7表面の付着物、劣化物除去の目的等で、無機微粒子、有機微粒子、該有機微粒子に無機微粒子を付着させた複合微粒子などを加えることができるが、研磨性に優れる無機微粒子が特に好ましい。無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。また、上記無機微粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩によって疎水化処理することも好ましい。
有機微粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。
無機又は有機微粒子の粒子径としては、小さすぎると研磨能力に欠け、また、大きすぎると電子写真感光体7表面に傷を発生しやすくなるため、平均粒子径で5〜1000nmであることが好ましく、5〜800nmであることがより好ましく、5〜700nmであることが特に好ましい。また、無機及び有機微粒子のトナーへの添加量は、トナー100質量部に対し滑性粒子の添加量との和として0.6質量部以上であることが好ましい。
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等の為、平均一次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を用い、更に付着力低減や帯電制御の為、それより大径の無機酸化物を添加することが好ましい。これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用できるが、精密な帯電制御を行う為にはシリカと酸化チタンとを併用することが好ましい。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を上げる効果が大きくなる。
また、電子写真用カラートナーはキャリアと混合して使用されるが、キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉またはそれらの表面に樹脂コーティングを施したものが使用される。また、キャリアとの混合割合は、適宜設定することができる。
転写手段12としては、ローラー状の接触帯電部材の他、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、あるいはコロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等が挙げられる。
転写後の電子写真感光体7の表面には未転写のトナーが残存し得るが、かかる残存トナーはクリーニング手段13により除去することができる。クリーニング手段13としては、ブレード、磁気ブラシ、導電性ファイバーブラシなどのクリーニング部材を備えるものが好ましく使用される。以下、クリーニング手段13の一例としてブレード部材を備えるクリーニング装置について詳述する。
ブレードの材料は特に限定されないが、例えばポリエチレンアジぺート、ポリカプロラクトンなどのポリエステルポリオールなどのポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートとからなるウレタンプレポリマー、並びに1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコールやこれらの混合物などの架橋剤を原料とするものが、得られるブレード部材が耐摩耗性にすぐれ、機械的強度が大きいという点から好ましい。また、ブレード部材の構成材料であるウレタンプレポリマーとしては、例えばNCO基の含有量が4〜10質量%程度、70℃での粘度が1000〜3000cP程度のものが好ましく用いられる。
ブレード部材の厚さは、感光体の表面の残存トナーを除去するために十分な強度を有するような程度であればよく、特に限定されないが、通常1〜3mm程度であることが好ましい。また、例えば紫外線などを照射することによって反応硬化する接着剤などを用いて、ブレード部材と後述する取付金具とを接着せしめてクリーニングブレードを得ようとする場合、ブレード部材は、透明で、紫外線などを透過し得る厚さを有することが好ましい。また、ブレード部材のゴム硬度は、電子写真感光体7の表面の残存トナーを除去するために十分な強度を有するような程度であればよく、特に限定されないが、通常65〜80(JIS K6253 Aタイプ硬度計による測定値)程度であることが好ましい。
ブレード部材の製造の際には、例えば以下のような方法を採用することができる。まず、所望の配合量となるように調整したブレード材料の原料を、例えばアジターなどの混合撹拌装置を用いて1〜3分間程度撹拌、混合して混合液とし、これを120〜160℃程度で100〜300rpm程度で回転している、例えば遠心成形機の成形ドラム型内へ注入した後、成形ドラム型の回転数を600〜1200rpm程度に上げ、注入された混合液が成形ドラム型の内面に均一に拡がって注入時に巻き込まれた気泡がその表面に浮かび上がった状態のブレード材料とする。なお、ここで成形ドラム型内に注入する混合液の量は、例えば上述したような所望の厚さのブレード部材が得られるように調整すればよい。次に、成形ドラム型の回転数を600〜1200rpm程度、温度を120〜160℃程度に維持しながら、上記ブレード材料が架橋硬化する前に、例えばスプレーガンなどを用いて研磨材微粒子が均一に分散された懸濁液をブレード材料に噴霧したのち、成形ドラム型を回転させながら該ブレード材料を硬化させて研磨材微粒子を少なくともクリーニング面に存在させる。上記研磨材微粒子が均一に分散された懸濁液を得るための媒体は、研磨材微粒子およびブレード材料との相互作用を呈さないものであればよく、特に限定されないが、例えばブレード材料を得る際に通常用いられている、消泡を促進する作用を呈するジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、トリフルオロプロピルメチルポリシロキサンなどのシリコーンオイルなどを用いた場合には、研磨材微粒子を均一にブレード材料表面へ移行させることができるので好ましい。上記研磨材には研磨材微粒子が均一に分散されていればよいが、該懸濁液における研磨材微粒子の配合量によってクリーニング面に存在させる研磨材微粒子の量を調整することができるので、該研磨材微粒子は、媒体100質量部に対して1〜20質量部程度配合されていることが好ましい。また、ブレード材料の原料中に所望量の研磨材微粒子を直接混合、分散した後、成形することもできる。
懸濁液をブレード材料に噴霧するにはスプレーガンなどが用いられる。かかる噴霧の際のエアー圧や噴霧量は、クリーニング面に存在させようとする研磨材微粒子の量などに応じて調整すればよいが、通常エアー圧は1〜10kg/cm2程度、噴霧量は0.5〜5mg/cm2程度であることが好ましい。懸濁液をブレード材料に噴霧する時期は、ブレード材料が成形ドラム型内で均一に拡がった後、ブレード材料の表面に気泡が浮かび上がった状態で、該ブレード材料が硬化する前であればよく、例えば研磨材微粒子をブレード部材の内部へ含浸させる場合の目的とする深さ等によって異なるので一概には決定することができないが、成形ドラム型内へブレード材料を入れた後、通常2〜10分間程度経過時とすることが好ましい。このようにして得られるブレード部材は、研磨材微粒子が少なくともクリーニング面に強固に付着したり、内部に浸漬しているため、引張強度、引裂強度などの物性や取付金具との接着性は低下せずに優れた耐久性を有するものである。また、遠心力によって研磨材微粒子を少なくともクリーニング面に存在せしめるので、該研磨材微粒子の懸濁液の噴霧量や噴霧する時期、成形ドラム型の回転数などを調整することによって研磨性能の程度や研磨性能の持続性をコントロールすることができる。
ブレード部材は、例えばホットメルト接着剤、両面テープなどを用いるなどして取付金具と一体化させてクリーニングブレードとし、例えばPPC用、PPP用、PPF用などの電子写真装置に装着して用いることができる。なお、取付金具には特に限定がなく、例えば通常クリーニングブレードに用いられている剛体の金属や弾性を有する金属、プラスチック、セラミックなどからなる取付金具を用いることができるが、これらの中では、無処理の鋼板、リン酸亜鉛処理やクロメート処理などの表面処理を施した鋼板、そのほかメッキ処理を施した鋼板などからなる取付金具が、特に腐蝕などの経時変化を起こさないという点から好ましい。また、ブレード部材は単層でも良いし、複数の材質を貼り合わせた積層でも良い。
図5は本発明の電子写真装置の他の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図5に示す電子写真装置220はタンデム方式によりカラー画像を形成する電子写真装置であり、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401d(例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
ここで、電子写真装置220に搭載されている電子写真感光体401a〜401dは、それぞれ本発明の電子写真感光体である。
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a〜401dに当接している。
更に、ハウジング400内の所定の位置にはレーザー光源(露光手段)403が配置されており、レーザー光源403から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト409を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト409のようにベルト状であってもよく、ドラム状であってもよい。ベルト状とする場合、中間転写体の基材として用いる樹脂材料としては、従来公知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。更に、樹脂材料と弾性材料とをブレンドして用いることができる。
弾性材料としては、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、NBR、クロロピレンゴム、EPDM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等を1種類、又は2種類以上をブレンドしてなる材料を用いることができる。これらの基材に用いる樹脂材料及び弾性材料に、必要に応じて、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を有する導電剤を1種類又は2種類以上を組み合わせて添加する。この中でも、機械強度に優れる点で、導電剤を分散させたポリイミド樹脂を用いることが好ましい。上記の導電剤としては、カーボンブラック、金属酸化物、ポリアニリン等の導電性ポリマーを用いることができる。中間転写体として中間転写ベルト409のようなベルトの形状の構成を採用する場合、一般にベルトの厚さは50〜500μmであることが好ましく、60〜150μmであることがより好ましいが、材料の硬度に応じて適宜選択することができる。
例えば、導電剤を分散させたポリイミド樹脂からなるベルトは、特開昭63−311263号公報に記載されているように、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液中に、導電剤として5〜20質量%のカーボンブラックを分散させ、分散液を金属ドラム上に流延して乾燥した後、ドラムから剥離したフィルムを高温下に延伸してポリイミドフィルムを形成し、更に適当な大きさに切り出してエンドレスベルトとすることにより製造することができる。
上記フィルム成形は、一般には、導電剤を分散したポリアミド酸溶液の成膜用原液を円筒金型に注入して、例えば、100〜200℃に加熱しつつ500〜2000rpmの回転数で円筒金型を回転させながら、遠心成形法によりフィルム状に成膜し、次いで、得られたフィルムを半硬化した状態で脱型して鉄芯に被せ、300℃以上の高温でポリイミド化反応(ポリアミド酸の閉環反応)を進行させて本硬化させることにより行うことができる。また、成膜原液を金属シート上に均一な厚みに流延して、上記と同様に100〜200℃に加熱して溶媒の大半を除去し、その後300℃以上の高温に段階的に昇温してポリイミドフィルムを形成する方法もある。また、中間転写体は表面層を有していてもよい。
また、中間転写体としてドラム形状を有する構成を採用する場合、基材としては、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、銅等で形成された円筒状基材を用いることが好ましい。この円筒状基材上に、必要に応じて弾性層を被覆し、該弾性層上に表面層を形成することができる。
なお、本発明にかかる被転写媒体とは、電子写真感光体上に形成されたトナー像を転写する媒体であれば特に制限はない。例えば、電子写真感光体から直接、紙等の被転写媒体に転写する場合は、紙等が被転写媒体である。また、中間転写体を用いる場合には、中間転写体が被転写媒体である。
更に、図6は、本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。プロセスカートリッジ300は、電子写真感光体7とともに、帯電手段8、現像手段11、クリーニング手段13、露光のための開口部18、及び除電器14を取り付けレール16を用いて組み合せて一体化したものである。そして、このプロセスカートリッジ300は、転写手段12と、定着手段15と、図示しない他の構成部分とからなる電子写真装置本体に対して着脱自在としたものであり、電子写真装置本体とともに電子写真装置を構成するものである。このようなプロセスカートリッジ300は、例えば図3〜5に示した電子写真装置のいずれにも適用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(I型ヒドロキシガリウムフタロシアニンの製造)
1,3−ジイミノイソインドリン30質量部および三塩化ガリウム9.1質量部をジメチルスルホキシド230質量部に加え、160℃で6時間攪拌しながら反応させて赤紫色結晶を得た。得られた結晶をジメチルスルホキシドで洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、乾燥してI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶28質量部を得た。次に、得られたI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶10質量部を、60℃に加熱した硫酸(濃度97%)300質量部に十分に溶解させ、これを25%アンモニア水600質量部とイオン交換水200質量部との混合溶液中に滴下した。このとき析出した結晶を濾過により採取し、さらにイオン交換水で洗浄し、乾燥してI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン8.2質量部を得た。
1,3−ジイミノイソインドリン30質量部および三塩化ガリウム9.1質量部をジメチルスルホキシド230質量部に加え、160℃で6時間攪拌しながら反応させて赤紫色結晶を得た。得られた結晶をジメチルスルホキシドで洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、乾燥してI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶28質量部を得た。次に、得られたI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶10質量部を、60℃に加熱した硫酸(濃度97%)300質量部に十分に溶解させ、これを25%アンモニア水600質量部とイオン交換水200質量部との混合溶液中に滴下した。このとき析出した結晶を濾過により採取し、さらにイオン交換水で洗浄し、乾燥してI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン8.2質量部を得た。
このようにして得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニンについて、X線回折スペクトルの測定を行った。その結果を図7に示す。なお、本実施例におけるX線回折スペクトルの測定は、粉末法によりCuKα特性X線を用いて、以下の条件で行った。
使用測定器:理学電機社製X線回折装置Miniflex
X線管球:Cu
管電流:15mA
スキャン速度:5.0deg./min
サンプリング間隔:0.02deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):35deg.
ステップ角度(2θ):0.02deg.
X線管球:Cu
管電流:15mA
スキャン速度:5.0deg./min
サンプリング間隔:0.02deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):35deg.
ステップ角度(2θ):0.02deg.
(作製例1)
上記の工程で得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン5質量部を、N,N−ジメチルホルムアミド75質量部及び外径0.9mmのガラス製球形状メディア290質量部とともに、ガラス製ボールミルを使用して25℃で48時間湿式粉砕処理した。このとき、結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によりモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が826nmであることを確認した。
上記の工程で得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン5質量部を、N,N−ジメチルホルムアミド75質量部及び外径0.9mmのガラス製球形状メディア290質量部とともに、ガラス製ボールミルを使用して25℃で48時間湿式粉砕処理した。このとき、結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によりモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が826nmであることを確認した。
次いで、得られた結晶をアセトンを用いて洗浄し、乾燥してCuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
また、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンの分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)、BET法による比表面積値、及び透過型電子顕微鏡写真より求めたヒドロキシガリウムフタロシアニンの平均一次粒子径の値を表7に示す。
分光吸収スペクトル測定は、日立製作所社製のU−2000型分光光度計を用い、測定液は、室温下で酢酸n−ブチル8mLにヒドロキシガリウムフタロシアニンを0.6g分散させて調製した。比表面積値は、BET式の比表面積測定器(フローソープII2300:島津製作所社製)を用いて測定した。また、透過型電子顕微鏡(H−9000、日立製作所社製)を用いて、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンの粒形状態を観察した。
(作製例2)
作製例1において、湿式粉砕処理時間を48時間から96時間に代えた。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が824nmであることを確認した。これ以外は作製例1と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
作製例1において、湿式粉砕処理時間を48時間から96時間に代えた。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が824nmであることを確認した。これ以外は作製例1と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
また、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンの分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)、BET法による比表面積値、及び透過型電子顕微鏡写真より求めたヒドロキシガリウムフタロシアニンの平均一次粒子径の値を表7に示す。
(作製例3)
作製例1において、湿式粉砕処理時間を48時間から192時間に代えた。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が818nmであることを確認した。これ以外は作製例1と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
作製例1において、湿式粉砕処理時間を48時間から192時間に代えた。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が818nmであることを確認した。これ以外は作製例1と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
また、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンの分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)、BET法による比表面積値、及び透過型電子顕微鏡写真より求めたヒドロキシガリウムフタロシアニンの平均一次粒子径の値を表7に示す。
(作製例4)
作製例1において、外径0.9mmのガラス製球形状メディア290質量部に代えて外径2.0mmのガラス製球形状メディア290質量部を用いた。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が828nmであることを確認した。これ以外は作製例1と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
作製例1において、外径0.9mmのガラス製球形状メディア290質量部に代えて外径2.0mmのガラス製球形状メディア290質量部を用いた。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が828nmであることを確認した。これ以外は作製例1と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
また、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンの分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)、BET法による比表面積値、及び透過型電子顕微鏡写真より求めたヒドロキシガリウムフタロシアニンの平均一次粒子径の値を表7に示す。
(作製例5)
作製例1において、外径0.9mmのガラス製球形状メディア290質量部に代えて外径0.3mmのガラス製球形状メディア400質量部を用い、N,N−ジメチルホルムアミドの使用量を75質量部から120質量部に代えた。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が827nmであることを確認した。これ以外は作製例1と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
作製例1において、外径0.9mmのガラス製球形状メディア290質量部に代えて外径0.3mmのガラス製球形状メディア400質量部を用い、N,N−ジメチルホルムアミドの使用量を75質量部から120質量部に代えた。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が827nmであることを確認した。これ以外は作製例1と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
また、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンの分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)、BET法による比表面積値、及び透過型電子顕微鏡写真より求めたヒドロキシガリウムフタロシアニンの平均一次粒子径の値を表7に示す。
(比較作製例1)
上記の工程で得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン5質量部を、N,N−ジメチルホルムアミド80質量部とともに25℃で48時間、撹拌装置を有するガラス製撹拌槽を用いて撹拌した。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が854nmであることを確認した。次いで、得られた結晶をアセトンを用いて洗浄し、乾燥して、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
上記の工程で得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン5質量部を、N,N−ジメチルホルムアミド80質量部とともに25℃で48時間、撹拌装置を有するガラス製撹拌槽を用いて撹拌した。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が854nmであることを確認した。次いで、得られた結晶をアセトンを用いて洗浄し、乾燥して、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
また、得られたV型ヒロキシガリウムフタロシアニンの分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)、BET法による比表面積値、及び透過型電子顕微鏡写真より求めたV型ヒドロキシガリウムフタロシアニンの平均一次粒子径の値を表7に示す。
(比較作製例2)
作製例1において、外径0.9mmのガラス製球形状メディア290質量部の代わりに、外径5.0mmのガラス製球形状メディア290質量部を使用した。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が845nmであることを確認した。これ以外は作製例1と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
作製例1において、外径0.9mmのガラス製球形状メディア290質量部の代わりに、外径5.0mmのガラス製球形状メディア290質量部を使用した。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が845nmであることを確認した。これ以外は作製例1と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン4.6質量部を得た。
また、得られたV型ヒロキシガリウムフタロシアニンの分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)、BET法による比表面積値、及び透過型電子顕微鏡写真より求めたV型ヒドロキシガリウムフタロシアニンの平均一次粒子径の値を表7に示す。
(作製例6)
1,3−ジイミノイソインドリン30質量部及び三塩化ガリウム9.1質量部をキノリン230質量部中に添加し、200℃において3時間反応させた後、生成物を濾別した。次いで、生成物をアセトン、メタノールで洗浄し、生成物からなる湿ケーキを乾燥してクロロガリウムフタロシアニンの結晶28質量部を得た。次に、得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶3質量部を濃硫酸(濃度97%)60質量部に0℃にて溶解後、この溶液を5℃の蒸留水450質量部中に滴下して結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、蒸留水、希アンモニア水で洗浄した後、乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶2.5質量部を得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を自動乳鉢にて5.5時間粉砕し、非晶質のヒドロキシガリウムフタロシアニンを得た。
1,3−ジイミノイソインドリン30質量部及び三塩化ガリウム9.1質量部をキノリン230質量部中に添加し、200℃において3時間反応させた後、生成物を濾別した。次いで、生成物をアセトン、メタノールで洗浄し、生成物からなる湿ケーキを乾燥してクロロガリウムフタロシアニンの結晶28質量部を得た。次に、得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶3質量部を濃硫酸(濃度97%)60質量部に0℃にて溶解後、この溶液を5℃の蒸留水450質量部中に滴下して結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、蒸留水、希アンモニア水で洗浄した後、乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶2.5質量部を得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を自動乳鉢にて5.5時間粉砕し、非晶質のヒドロキシガリウムフタロシアニンを得た。
次に、得られた非晶質のヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部をジメチルホルムアミド30質量部及び外径1mmのガラス製球形状メディア60質量部とともに湿式粉砕処理した。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)の経時変化を250時間まで追跡し、最大ピーク波長(λMAX)が最小値(824nm)を示した150時間の湿式粉砕処理で結晶変換を終了し、その後、メタノールで洗浄し、乾燥してCuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン0.9質量部を得た。
得られたヒロキシガリウムフタロシアニンの分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)、BET法による比表面積値、及び透過型電子顕微鏡写真より求めたヒドロキシガリウムフタロシアニンの平均一次粒子径の値を表7に示す。
(比較作製例3)
作製例6において、湿式粉砕処理時間を150時間から24時間に代えた。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が849nmであることを確認した。これ以外は作製例6と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン0.4質量部を得た。
作製例6において、湿式粉砕処理時間を150時間から24時間に代えた。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が849nmであることを確認した。これ以外は作製例6と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン0.4質量部を得た。
また、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンの分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)、BET法による比表面積値、及び透過型電子顕微鏡写真より求めたヒドロキシガリウムフタロシアニンの平均一次粒子径の値を表7に示す。
(比較作製例4)
作製例6において、湿式粉砕処理時間を150時間から48時間に代えた。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が844nmであることを確認した。これ以外は作製例6と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン0.4質量部を得た。
作製例6において、湿式粉砕処理時間を150時間から48時間に代えた。結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によってモニターし、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が844nmであることを確認した。これ以外は作製例6と同様にして、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン0.4質量部を得た。
また、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンの分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)、BET法による比表面積値、及び透過型電子顕微鏡写真より求めたヒドロキシガリウムフタロシアニンの平均一次粒子径の値を表7に示す。
[実施例1]
ポリビニルブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)6質量部、硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)12質量部、酸化亜鉛(Nano Tech ZnO、シーアイ化成社製、平均一次粒径30nm)41質量部、シリコーンボール(トスパール120、東芝シリコーン社製)1質量部、レベリング剤(シリコーンオイルSH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製)100ppm、メチルエチルケトン52質量部からなる材料をバッチ式ミルにて10時間の分散を行い、下引層形成用塗布液を作製した。この塗布液を50μm厚のアルミニウムシート上に浸漬塗布し、150℃で40分間加熱乾燥し、膜厚20.0μmの下引層を作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)6質量部、硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)12質量部、酸化亜鉛(Nano Tech ZnO、シーアイ化成社製、平均一次粒径30nm)41質量部、シリコーンボール(トスパール120、東芝シリコーン社製)1質量部、レベリング剤(シリコーンオイルSH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製)100ppm、メチルエチルケトン52質量部からなる材料をバッチ式ミルにて10時間の分散を行い、下引層形成用塗布液を作製した。この塗布液を50μm厚のアルミニウムシート上に浸漬塗布し、150℃で40分間加熱乾燥し、膜厚20.0μmの下引層を作製した。
次に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)1質量部を酢酸n−ブチル100質量部に溶解させた溶液と、電荷発生材料としての作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部とを混合し、外径1mmのガラスビーズ150質量部とともに、5時間サンドミルで分散して、電荷発生層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を上記の下引層上に浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚0.20μmの電荷発生層を作製した。
更に、電荷輸送材料としての表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部、結着樹脂としての粘度平均分子量が4万のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂6質量部、テトラヒドロフラン80質量部、及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を上記の電荷発生層上に浸漬塗布し、115℃で60分間加熱乾燥して、膜厚28μmの電荷輸送層を作製し、目的の電子写真感光体シートを得た。
また、84mmφ×340mm、肉厚1mmのアルミニウムパイプを、研磨剤(昭和タイタニウム社製、商品名:アルミナビーズCB−A30S、平均粒径D50=30μm)を用いて液体ホーニング処理することにより粗面化し、中心線平均粗さRaが0.18μmとなるように粗面化したものを導電性支持体として用い、上記電子写真感光体シートの作製と同様の手順で下引層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成し、目的の電子写真感光体ドラムを得た。
[実施例2]
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに表1に示したアリールアミン化合物(II−7)4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに表1に示したアリールアミン化合物(II−7)4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[実施例3]
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに表2に示したアリールアミン化合物(II−15)4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに表2に示したアリールアミン化合物(II−15)4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[実施例4]
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに表3に示したアリールアミン化合物(II−24)4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに表3に示したアリールアミン化合物(II−24)4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[実施例5]
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに表1に示したアリールアミン化合物(II−3)4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに表1に示したアリールアミン化合物(II−3)4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[実施例6]
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに表3に示したアリールアミン化合物(II−27)4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに表3に示したアリールアミン化合物(II−27)4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[実施例7〜11]
電荷発生材料として、作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部の代わりに、作製例2〜6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7〜11の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷発生材料として、作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部の代わりに、作製例2〜6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7〜11の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[比較例1]
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに、下記式(IV−1)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに、下記式(IV−1)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[比較例2]
電荷発生材料として、作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部の代わりに作製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部を用いた以外は比較例1と同様にして、比較例2の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷発生材料として、作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部の代わりに作製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部を用いた以外は比較例1と同様にして、比較例2の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[比較例3]
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに、下記式(IV−2)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに、下記式(IV−2)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[比較例4]
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに、下記式(IV−3)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに、下記式(IV−3)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[比較例5]
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに、下記式(IV−4)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。なお、下記式(IV−4)中のPrはプロピル基を表す。
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに、下記式(IV−4)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。なお、下記式(IV−4)中のPrはプロピル基を表す。
[比較例6]
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに、下記式(IV−5)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例6の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに、下記式(IV−5)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例6の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[比較例7〜10]
電荷発生材料として、作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部の代わりに、比較作製例1〜4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、比較例7〜10の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷発生材料として、作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部の代わりに、比較作製例1〜4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、比較例7〜10の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[比較例11]
電荷発生材料として、作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部の代わりに比較作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部を用い、電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに表2に示したアリールアミン化合物(II−15)4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例11の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷発生材料として、作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部の代わりに比較作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部を用い、電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに表2に示したアリールアミン化合物(II−15)4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例11の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[比較例12]
電荷発生材料として、作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部の代わりに比較作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部を用い、電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに上記式(IV−1)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例12の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷発生材料として、作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部の代わりに比較作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部を用い、電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに上記式(IV−1)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例12の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
[比較例13]
電荷発生材料として、作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部の代わりに比較作製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部を用い、電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに上記式(IV−2)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例13の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
電荷発生材料として、作製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部の代わりに比較作製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部を用い、電荷輸送材料として、表1に示したアリールアミン化合物(II−5)4質量部の代わりに上記式(IV−2)で表される化合物4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例13の電子写真感光体(電子写真感光体シート及び電子写真感光体ドラム)を得た。
〔電子写真感光体の電子写真特性評価試験〕
(1)使用初期の特性評価
実施例1〜11及び比較例1〜13の電子写真感光体シートの電子写真特性を評価するために、以下の手順で電子写真特性の測定を行った。
(1)使用初期の特性評価
実施例1〜11及び比較例1〜13の電子写真感光体シートの電子写真特性を評価するために、以下の手順で電子写真特性の測定を行った。
まず、20mmφの小面積マスクを使用し、20℃、50%RHの環境下において、静電複写紙試験装置(EPA8200:川口電機社製)を用いて−5.0kVのコロナ放電により感光体を負帯電させた。次いで、干渉フィルターを用いて780nmに分光したハロゲンランプ光を感光体表面上において5.0μW/cm2となるように調整して照射した。このときの初期表面電位V0[V]、表面電位がV0の1/2になるまでの半減露光量E1/2[μJ/cm2]、及び、表面電位V0を測定してから1秒後の表面電位をV1として、{(V0−V1)/V0}×100で求められる暗減衰率(DDR)[%]をそれぞれ測定した。これらの結果を表8に示す。
(2)繰り返し特性の評価
上記帯電、露光及び除電の操作を1万回繰り返し、そのときの表面電位V0[V]、表面電位がV0の1/2になるまでの半減露光量E1/2[μJ/cm2]、及び、暗減衰率(DDR)[%]をそれぞれ測定した。これらの結果を表8に示す。
上記帯電、露光及び除電の操作を1万回繰り返し、そのときの表面電位V0[V]、表面電位がV0の1/2になるまでの半減露光量E1/2[μJ/cm2]、及び、暗減衰率(DDR)[%]をそれぞれ測定した。これらの結果を表8に示す。
(3)画質評価試験
実施例1〜11及び比較例1〜13の電子写真感光体ドラムを、図4に示す構成を有するフルカラー・レーザープリンター(DocuPrint C620、富士ゼロックス社製)に装着して室温25℃、湿度60%RHにてプリントテストを行い、初期と1万枚プリント後の画質評価を行った。その結果を表8に示す。なお、上記のフルカラー・レーザープリンターにおいては、帯電手段としてローラー帯電器(BCR)、露光手段として780nmの半導体レーザーを使用したROS、現像方式として2成分系反転現像方式、転写手段としてローラー帯電器(BTR)、転写方式としてベルト中間転写方式を採用した。
実施例1〜11及び比較例1〜13の電子写真感光体ドラムを、図4に示す構成を有するフルカラー・レーザープリンター(DocuPrint C620、富士ゼロックス社製)に装着して室温25℃、湿度60%RHにてプリントテストを行い、初期と1万枚プリント後の画質評価を行った。その結果を表8に示す。なお、上記のフルカラー・レーザープリンターにおいては、帯電手段としてローラー帯電器(BCR)、露光手段として780nmの半導体レーザーを使用したROS、現像方式として2成分系反転現像方式、転写手段としてローラー帯電器(BTR)、転写方式としてベルト中間転写方式を採用した。
(4)電荷発生材料の分散性評価
実施例1〜11及び比較例1〜13で用いたヒドロキシガリウムフタロシアニンの分散性の評価を行うために、ガラスプレート上に実施例1〜11及び比較例1〜13における電荷発生層形成用塗布液をそれぞれ用いて電荷発生層を形成し、顕微鏡によりその分散状態を観察した。その結果を表8に示す。なお、表8中、「良好」とは電荷発生層中に凝集体が見られなかったことを意味し、「不良」とは凝集体が観察されたり塗膜表面がざらついていたことを意味する。
実施例1〜11及び比較例1〜13で用いたヒドロキシガリウムフタロシアニンの分散性の評価を行うために、ガラスプレート上に実施例1〜11及び比較例1〜13における電荷発生層形成用塗布液をそれぞれ用いて電荷発生層を形成し、顕微鏡によりその分散状態を観察した。その結果を表8に示す。なお、表8中、「良好」とは電荷発生層中に凝集体が見られなかったことを意味し、「不良」とは凝集体が観察されたり塗膜表面がざらついていたことを意味する。
(5)ゴースト評価試験
実施例1〜11及び比較例1〜6の電子写真感光体ドラムを、モノクロレーザープリンター(DocuCentre1010、富士ゼロックス社製)の2本の帯電ワイヤーを1本に改造した評価装置に装着して、低温低湿(10℃、20%RH)下にてプリントテストを行い、ゴーストを評価した。その結果を表8に示す。
実施例1〜11及び比較例1〜6の電子写真感光体ドラムを、モノクロレーザープリンター(DocuCentre1010、富士ゼロックス社製)の2本の帯電ワイヤーを1本に改造した評価装置に装着して、低温低湿(10℃、20%RH)下にてプリントテストを行い、ゴーストを評価した。その結果を表8に示す。
表8に示したように、600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810〜839nmに最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニンと、一般式(I)で表されるアリールアミン化合物とを用いた電子写真感光体(実施例1〜11)は、優れた電子写真特性を有し、分散性が良好で、細線の太りや細り、かぶり、ゴースト等の現象を生じることなく良好な画質が得られ、長期にわたり良好な画質が維持できることが確認された。また、電子写真特性及び画像品質を長期間にわたって安定的に維持することができることが確認された。
[実施例12〜22及び比較例14〜16]
実施例1〜11及び比較例4〜6の電子写真感光体ドラムにおける電荷輸送層上に、更に表面保護層を形成し、実施例12〜22及び比較例14〜16の電子写真感光体ドラムを得た。なお、実施例12〜22及び比較例14〜16の電子写真感光体ドラムとしては、表面保護層として以下の3種類の保護層をそれぞれ形成したものを作製した。
実施例1〜11及び比較例4〜6の電子写真感光体ドラムにおける電荷輸送層上に、更に表面保護層を形成し、実施例12〜22及び比較例14〜16の電子写真感光体ドラムを得た。なお、実施例12〜22及び比較例14〜16の電子写真感光体ドラムとしては、表面保護層として以下の3種類の保護層をそれぞれ形成したものを作製した。
(保護層A)
下記式(V−1)で表される化合物2質量部、メチルトリメトキシシラン2質量部、下記式(V−2)で表される化合物0.5質量部、及びフッ素グラフトポリマー(ZX007C、富士化成社製)0.5質量部を、イソプロピルアルコール5質量部、テトラヒドロフラン3質量部、及び蒸留水0.3質量部に溶解させた溶液を調製した。次いで、この溶液にイオン交換樹脂(アンバーリスト15E、ローム・アンド・ハース社製)0.5質量部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
下記式(V−1)で表される化合物2質量部、メチルトリメトキシシラン2質量部、下記式(V−2)で表される化合物0.5質量部、及びフッ素グラフトポリマー(ZX007C、富士化成社製)0.5質量部を、イソプロピルアルコール5質量部、テトラヒドロフラン3質量部、及び蒸留水0.3質量部に溶解させた溶液を調製した。次いで、この溶液にイオン交換樹脂(アンバーリスト15E、ローム・アンド・ハース社製)0.5質量部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
Me(MeO)2−Si−(CH2)4−Si−Me(OMe)2 (V−2)
次に、イオン交換樹脂を濾別した後の溶液に、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)0.1質量部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4質量部を加えてコーティング液を調製した。このコーティング液を電子写真感光体ドラム上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分間風乾した後、170℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約3μmの保護層Aを形成した。
(保護層B)
下記式(V−3)で表される化合物2.5質量部、メチルトリメトキシシラン2質量部、下記式(V−4)で表される化合物0.5質量部、ヘキサメチルシクロトリシロキサン0.3質量部、ZX−022H(富士化成工業社製)0.25質量部、及びBM−1(積水化学社製)0.5質量部を、メチルアルコール6質量部、n−ブタノール12質量部、及び蒸留水0.3質量部に溶解させた溶液を調製した。次いで、この溶液にイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5質量部を加え、室温で攪拌することにより1時間加水分解を行った。
下記式(V−3)で表される化合物2.5質量部、メチルトリメトキシシラン2質量部、下記式(V−4)で表される化合物0.5質量部、ヘキサメチルシクロトリシロキサン0.3質量部、ZX−022H(富士化成工業社製)0.25質量部、及びBM−1(積水化学社製)0.5質量部を、メチルアルコール6質量部、n−ブタノール12質量部、及び蒸留水0.3質量部に溶解させた溶液を調製した。次いで、この溶液にイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5質量部を加え、室温で攪拌することにより1時間加水分解を行った。
Me(MeO)2−Si−(CH2)−Si−Me(OMe)2 (V−4)
次に、イオン交換樹脂を濾別した後の溶液に、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)0.1質量部、アセチルアセトン0.1質量部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4質量部を加えてコーティング液を調製した。このコーティング液を電子写真感光体ドラム上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で15分間風乾した後、140℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約3μmの保護層Bを形成した。
(保護層C)
下記式(V−5)で表される化合物2質量部、レジトップPL4852(群栄化学社製)3質量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(AO−80、旭電化社製)0.1質量部、フッ素グラフトポリマー(ZX007C、富士化成社製)0.2質量部、及びフッ素カップリング剤(KBM−7803、信越化学社製)0.1質量部を、イソプロピルアルコール10質量部に溶解させたコーティング液を調製した。
下記式(V−5)で表される化合物2質量部、レジトップPL4852(群栄化学社製)3質量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(AO−80、旭電化社製)0.1質量部、フッ素グラフトポリマー(ZX007C、富士化成社製)0.2質量部、及びフッ素カップリング剤(KBM−7803、信越化学社製)0.1質量部を、イソプロピルアルコール10質量部に溶解させたコーティング液を調製した。
このコーティング液を電子写真感光体ドラム上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分間風乾した後、135℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約3μmの保護層Aを形成した。
〔表面保護層形成後の画質評価〕
実施例12〜22及び比較例14〜16の電子写真感光体ドラムを、富士ゼロックス社製DocuCentreColor500に装着し、高温高湿(30℃、85%RH)下にて50000枚のプリントテストを行い、50000枚目のプリントサンプルを目視にて観察して画質評価を行った。その結果を表9に示す。
実施例12〜22及び比較例14〜16の電子写真感光体ドラムを、富士ゼロックス社製DocuCentreColor500に装着し、高温高湿(30℃、85%RH)下にて50000枚のプリントテストを行い、50000枚目のプリントサンプルを目視にて観察して画質評価を行った。その結果を表9に示す。
また、保護層を設けていない実施例1〜11及び比較例4〜6の電子写真感光体ドラムについても、上記の評価方法と同様にして50000枚のプリントテストを行ったところ、40000枚プリント後あたりから軽微のかぶりが発生したが、保護層を設けた実施例12〜22の電子写真感光体ドラムを用いた場合には、かぶりの発生はなかった。
1…電荷発生層、2…電荷輸送層、3…導電性支持体、4…下引層、5…保護層、6…感光層、7…電子写真感光体、8…帯電手段、9…電源、10…露光手段、11…現像手段、12…転写手段、13…クリーニング手段、14…除電器、15…定着手段、16…取り付けレール、18…露光のための開口部、20…被転写体、100,110,120,130,140…電子写真感光体、200,210,220…電子写真装置、300…プロセスカートリッジ、500・・・被転写媒体。
Claims (5)
- 導電性支持体と、
該導電性支持体上に設けられており、600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて810〜839nmの範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、及び、下記一般式(I)で表されるアリールアミン化合物を含有する感光層と、
を備えることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記感光層が、前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有する電荷発生層と、該電荷発生層に隣接して配置された、前記アリールアミン化合物を含有する電荷輸送層とを有し、
前記感光層上に表面保護層を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。 - 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、及び、前記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
を備え、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段と、
前記電子写真感光体上に静電潜像を形成するための露光手段と、
前記電子写真感光体上に形成された前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段と、
前記トナー像を被転写体に転写するための転写手段と、
を備えることを特徴とする電子写真装置。
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JP2009008844A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Canon Inc | アミン化合物、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
JP2017001833A (ja) * | 2015-06-10 | 2017-01-05 | 日立金属株式会社 | 給紙ローラ |
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