JP4770140B2 - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は半導体素子の製造方法に関し、特にIC(Integrated Circuit)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor,IGBT)等の半導体素子の製造方法に関する。
近年、コンピュータや通信機器の重要部分には、多数のトランジスタや抵抗等を電気回路を構成するように接続して1チップ上に集積したICが多用されている。このようなICの中で、電力用半導体素子を含むものはパワーICと呼ばれている。
IGBTは、MOSFETの高速スイッチング、電圧駆動特性とバイポーラトランジスタの低オン電圧特性を備えたパワー素子である。IGBTは、汎用インバータ、ACサーボ、無停電電源(UPS)、スイッチング電源等の産業分野をはじめ、電子レンジ、炊飯器、ストロボ等の民生機器分野への応用が拡大してきている。そして、次世代に向けた開発も進んでおり、新しいチップ構造を用いた、より低オン電圧のIGBTの開発により、応用装置の低損失化や高効率化が図られている。
IGBTの構造には、主に、パンチスルー(Punch Through,PT)型、ノンパンチスルー(Non Punch Through,NPT)型、フィールドストップ(Field Stop,FS)型等がある。現在量産されているIGBTは、一部のオーディオ・パワー・アンプ用のpチャネル型を除いて、ほぼすべてnチャネル型の縦型二重拡散構造になっている。以下では、特に示した場合を除き、IGBTとはn型IGBTをいうものとする。
PT型IGBTは、p+エピタキシャル基板とn-層(n型活性層)との間にn+層(nバッファ層)を設け、n型活性層中の空乏層がnバッファ層に到達する構造であり、IGBTで主流の基本構造である。しかし、例えば耐圧600V系のIGBTに対しn型活性層は厚さ70μm程度で十分であるが、p+エピタキシャル基板部分を含めると総厚さは200μm〜300μm程度と厚くなる。そこで、エピタキシャル基板を用いずに、FZ(Floating Zone)法により形成されるFZ基板を用いて低ドーズ量の浅いp+コレクタ層を形成して薄型化と低コスト化を図ったNPT型IGBT、FS型IGBTが開発されている。
図12はNPT型IGBTの断面構造の一例である。
図12に示すNPT型IGBT100は、n-型のFZ基板(FZ−N基板)101の表面側に、SiO2等のゲート酸化膜102を介してポリシリコン等のゲート電極103が形成され、さらにその上にBPSG(Boro-Phospho Silicate Glass)等の層間絶縁膜104を介してアルミ・シリコン膜等の表面電極105が形成された構造を有している。このFZ−N基板101の表面側には、p+ベース層106およびこのp+ベース層106内にn+エミッタ層107が形成され、FZ−N基板101の裏面側には、p+コレクタ層108が形成されてその上に数種の金属膜を積層して裏面電極109が形成されている。
このような構成のNPT型IGBT100において、p+コレクタ層108には、低ドーズ量の浅い低注入p+コレクタが用いられる。このNPT型IGBT100では、p+エピタキシャル基板を用いないため、総厚さは上記PT型IGBTに比べて大幅に薄くなる。
NPT構造では、正孔の注入率を制御できるので、ライフタイム制御を行わなくても高速スイッチングが可能になる一方、オン電圧がn型活性層の厚みと比抵抗に依存するのでやや高い値となる。p+エピタキシャル基板に代えてFZ基板を用いているので、チップの低コスト化は可能になっている。
図13はFS型IGBTの断面構造の一例である。ただし、図13では、図12に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
図13に示すFS型IGBT200には、上記NPT型IGBT100同様、p+エピタキシャル基板に代えてFZ−N基板101が用いられ、その総厚さは100μm〜200μm程度になる。PT型IGBTと同じく、n型活性層は600V耐圧に応じて70μm程度にし、空乏化させる。そのため、FS型IGBT200には、FZ−N基板101裏面に、n+層(nバッファ層)201が形成され、このnバッファ層201上にp+コレクタ層108および裏面電極109が形成されている。FS型IGBT200では、上記NPT型IGBT100同様、ライフタイム制御は不要である。
また、オン電圧の低減を目的として、IGBT表面に狭く深い溝を形成し、その側面にMOSゲートを形成したトレンチ構造のIGBTを、FS構造と組み合わせたものもある。最近では設計の最適化を図って総厚さを低減することも行われるようになってきている。
ここで、上記図13に示したFS型IGBT200を例に、IGBTの形成方法の一例を図14から図18を参照して説明する。図14は表面側プロセス終了後の断面図、図15は基板研削プロセスの断面図、図16は裏面イオン注入プロセスの断面図、図17は裏面アニールプロセスの断面図、図18は裏面電極膜形成プロセスの断面図である。ただし、図14から図18では、図12および図13に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
FS型IGBT200の形成は、大きく表面側プロセスと裏面側プロセスに分けられる。まず、表面側プロセスについて図14を参照して説明する。
表面側プロセスでは、まず、FZ−N基板101の表面側に、SiO2およびポリシリコンを堆積、窓あけ加工してゲート酸化膜102およびゲート電極103をそれぞれ形成する。続いて、その表面にBPSGを堆積、窓あけ加工して層間絶縁膜104を形成する。これにより、FZ−N基板101の表面側に、絶縁ゲート構造が形成される。
次いでFZ−N基板101の表面側にp+ベース層106を形成し、このp+ベース層106内にn+エミッタ層107を形成する。さらに、このn+エミッタ層107に接するようにアルミ・シリコン膜を堆積し、エミッタ電極となる表面電極105を形成する。アルミ・シリコン膜は、安定した整合性および低抵抗配線を実現するために、その後400℃〜500℃程度の低温で熱処理される。
なお、図13および図14では図示を省略したが、表面電極105上にはその表面を覆うようにポリイミド等を用いて絶縁保護膜が形成される。
次に裏面側プロセスについて図15から図18を参照して説明する。裏面側プロセスでは、まず、図15に示すように、FZ−N基板101を裏面側から所望の厚さまでバックグラインドやエッチング等の研削を行い、薄ウエハ化する。
次いで、図16に示すように、FZ−N基板101の裏面側にリン(P+)およびボロン(B+)をこの順でそれぞれ注入してn+層201aおよびp+層108aを形成した後、電気炉を用いて350℃〜500℃の低温で熱処理(アニール)を行う。これにより、リンを注入したn+層201aおよびボロンを注入したp+層108aを活性化し、図17に示したように、FZ−N基板101の裏面側に、nバッファ層201およびp+コレクタ層108をそれぞれ形成する。
その後、図18に示すように、p+コレクタ層108表面に、アルミニウム層、チタン層、ニッケル層、金層等の金属膜を組み合わせた裏面電極109を形成する。
最後に、チップ状にダイシングしてから表面電極105の表面に、アルミワイヤ電極を超音波ワイヤーボンディング装置により固着し、裏面電極109は、はんだ層を介して所定の固定部材に接続する。
なお、ここではFZ−N基板101の裏面側にnバッファ層201およびp+コレクタ層108を形成するためにリンおよびボロンを順にイオン注入した場合について示したが、その後に形成する裏面電極109とのオーミックコンタクトを確保するため、ボロン注入後更に表面コンタクト層としてフッ化ボロン(BF2 +)を注入する場合もある。
ところで、近年になって直流を介さずに直接交流−交流変換を行うマトリクスコンバータが脚光を浴びている。従来型インバータと違いコンデンサが不要であり、電源高調波が削減されるというメリットがある。しかし、入力が交流であるため、半導体スイッチには逆方向耐圧が要求される。従来型IGBTを用いた場合は、逆阻止用のダイオードを直列に接続する必要があった。
図19は逆阻止IGBTの断面構造の一例である。ただし、図19では、図12に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
図19に示すように、逆阻止IGBT300は従来型のIGBTの基本性能を踏襲しつつ、さらにp+分離層301が形成され、逆耐圧を有するようにしたIGBTである。このような構造を有する逆阻止IGBT300には直列ダイオードが不要であるために導通損失を半減でき、マトリクスコンバータの変換効率向上に大きく寄与する。100μm以上の深い接合の形成技術と、100μm以下の厚さの極薄ウエハ生産技術を組み合わせて、高性能の逆阻止IGBTの製造が可能になっている。
なお、この逆阻止IGBT300および上記NPT型IGBT100の製造の主な流れは、FZ−N基板101の裏面側にnバッファ層が形成されずにp+コレクタ層108のみが形成される点やp+分離層301が形成される点を除けば、上記FS型IGBT200の場合と同じである。
しかしながら、IGBTの製造に際し、70μm程度の薄型の素子を実現するためには、裏面バックグラインドや裏面からのイオン注入、裏面熱処理等が必要になるためウエハ反りの問題が発生する等、製造プロセスの技術的課題も多い。
そのような製造プロセス技術のひとつとして、ここで例示したIGBTをはじめとする各種半導体素子の形成に必要なp型不純物層(p層)やn型不純物層(n層)の活性化の問題があるが、これについてはこれまでも様々な手法が検討されている。
例えば、NPT型IGBTを形成する際に、FZ−N基板に絶縁ゲート構造等の表面側構造を形成してウエハ裏面を研削した後、プロトン照射を行い低温電気炉アニールを施してnバッファ層として機能するn型欠陥層を形成し、その後裏面にボロンをイオン注入してレーザーアニールを施すことによりn型欠陥層上にp+コレクタ層を形成する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、p層やn層の活性化方法として、表面側構造形成後のFZ−N基板裏面に注入した不純物イオンを、所定の波長と半値幅のパルスレーザーを用いたレーザーアニールで、またはレーザーアニールと電気炉アニールを組み合わせて、活性化する方法も提案されている(特許文献2参照)。
また、薄型化に伴って発生するウエハの反りや割れを回避するため、裏面研削後のウエハを接着シート等で支持基板に固定して表面側構造を形成し、その後支持基板を取り外して裏面にイオン注入を行い、レーザーアニールを行って不純物イオンを活性化する方法(特許文献3参照)や、ウエハに形成した表面側構造の側に接着シート等で支持基板を固定し、裏面の研削、イオン注入、レーザーアニールを行って不純物イオンを活性化する方法(特許文献4参照)等が提案されている。
特開2001−160559号公報 特開2003−59856号公報 特開2004−119498号公報 特開2004−140101号公報
しかし、各種半導体素子の製造過程における不純物層の活性化について、従来の方法では以下のような問題点があった。
まず、電気炉を使ったアニールでは、ウエハ表面または裏面のp層や、p層とn層がこの順で深さ方向に連続するpn連続層を形成したときの上層側(浅い領域)のp層を十分に活性化することが難しいという問題がある。また、薄型ウエハを形成するために支持基板の固定に接着シートを用いた場合には、接着シートの耐熱温度が通常200℃以下と低いため、電気炉アニールを行えないという問題もある。
そのため、電気炉アニールに代えて、あるいは電気炉アニールと共に、レーザーアニールで不純物層を活性化する方法も提案されている。レーザーアニールでは、レーザービームの照射領域を瞬間的に加熱することができるため、不純物層をnsオーダーという非常に短い時間で活性化することが可能になる。そして、レーザービームを一の領域から隣接する次の領域へと走査照射することにより、ウエハ全面のアニールを行う。
しかし、このようなレーザーアニールの場合、レーザービームを1台のレーザー照射装置を使い、十分大きい照射エネルギー密度(照射領域におけるエネルギー密度)で一の領域に照射すると、ウエハ上にレーザー照射による加工痕が形成されてしまうことがある。ただし、この点については、例えば、レーザー照射装置を複数台使用し各装置からの照射エネルギー密度を低く抑え、一の領域に対しては低照射エネルギー密度のレーザーパルスを連続的に照射し、このようなレーザー照射でウエハ上を走査する等して対応することは可能である。
ところが、これまでのレーザー照射方法では、ウエハ全面にしかレーザー照射を行うことができず、例えばIGBT形成の際にウエハの表面側構造の形状に合わせて裏面側へのレーザー照射を特定領域に制限したいような場合でも、そのままではその特定領域に絞ってレーザー照射するといったことが行えなかった。
図20はレーザー照射領域を制限する場合の一例を説明する図である。
この図20は、アノードショート型IGBT400の要部断面図の一例を示している。例えば、このようなn型基板401の表面側にpベース層402、nエミッタ層403、ゲート酸化膜404およびゲート電極405を有し、裏面側にpコレクタ層406を有するアノードショート型IGBT400を形成する際、ウエハ裏面のpコレクタ層406は島状に形成される。このような島状のpコレクタ層406を形成するため、その島の領域にだけレーザー照射してアニールを行いたいような場合が、レーザー照射領域を制限する場合の一例として挙げられる。
また、図21はレーザー照射領域を制限する場合の別の例を説明する図である。
この図21は、IGBTを形成したウエハ500およびそのIGBTチップ501の要部平面図の一例を示している。レーザー照射領域を制限する別の例としては、例えば、この図21に示すように、ウエハ500からダイシングされるIGBTチップ501の表面側構造が形成された活性領域502にだけレーザー照射し、その周囲で分離層503との間に設けられたガードリングやフィールドプレートといった耐圧構造領域504にはレーザー照射しないような場合が挙げられる。
これらのような場合、ウエハ全面にレーザー照射しないようにするため、これまではウエハ上に一定形状の開口部を有するマスクを置いてレーザー照射を行うという方法が採られてきた。
図22はマスクを用いたレーザーアニールを説明する模式図であって、(A)は平面図、(B)は側面図である。
この図22に示すように、ウエハ600上にマスク601を配置することにより、マスク601の開口部(図示せず)に対応する領域にのみレーザー照射を行うことが可能になる。しかし、レーザー照射装置の中には、レーザー照射時にウエハ600を載置したステージ側が移動するものが多く、ステージが移動したときにマスク601が動いてしまうことがある。マスク601が当初の位置からずれてしまうと、レーザー照射位置が目的の位置から外れてしまうといった問題が生じる。
さらに、マスク601を一定距離移動させながらレーザー照射して不純物層を活性化しようとする場合、それによってレーザーの照射ムラを避けることはできるが、レーザー照射する領域とレーザー照射しない領域との境界で照射領域がレーザー照射すべきでない領域にはみ出してしまうといったことが起こり得る。また、そのようにしてレーザー照射すべきでない領域にレーザーが照射されてしまうのを避けるためマスク601の移動距離を調整した場合、既にレーザーが照射された領域に更にレーザーが照射され、照射ムラによって不純物の濃度プロファイルにばらつきが生じてしまうといったことが起こり得る。
さらにまた、マスク601は、レーザー照射による温度上昇に耐え得るよう、ステンレス等の金属を用いて形成されることが多く、配置の際や位置ずれが生じたとき等、ウエハ600とマスク601が接触することにより、金属コンタミネーションが発生するといった問題も生じる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、レーザー照射すべき領域の不純物層をコンタミネーション等を抑えて効果的に精度良く活性化することのできる半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、レーザー照射によって不純物層を活性化する工程を有する半導体素子の製造方法において、前記不純物層を活性化することのできる大きさの照射エネルギー密度のレーザービームを照射領域の少なくとも一部が重なるように走査照射することによって、前記不純物層を活性化し、前記レーザービームを走査照射する際には、複数のレーザー照射装置を用い、前記照射領域ごとに1台目のレーザー照射装置からレーザービームを1パルス照射した後、その半値幅と同じ遅延時間で2台目のレーザー照射装置からレーザービームを1パルス照射し前記複数のレーザー照射装置から前記照射領域ごとに照射される前記レーザービームの照射エネルギー密度の合計が前記照射領域を活性化させる照射エネルギー密度以上である、ことを特徴とする半導体素子の製造方法が提供される。
このような半導体素子の製造方法によれば、照射するレーザービームの照射エネルギー密度が、不純物層を活性化することのできる大きさとされる。それにより、一度そのようなレーザービームが照射された領域は、次にその一部あるいは全部にレーザービームが照射されても、その不純物の濃度プロファイルがほとんど変化しない。したがって、レーザー照射すべきでない領域を避けてまだ照射されていない領域にレーザー照射しようとした場合に、その照射領域が先にレーザー照射された照射領域に重なるとしても、それらの照射領域が重なっているか否かに関わらず、レーザー照射された領域はいずれも十分に活性化される。また、レーザー照射に当たり、照射面に接触させて配置するようなマスクは不要であるため、マスクに起因するコンタミネーションの発生が防止される。
また、本発明では、レーザー照射によって不純物層を活性化する工程を有する半導体素子の製造方法において、レーザービームが通過する開口部を有するマスクを前記レーザービームの照射面から離して配置し、前記開口部を通過させて一定形状にした前記レーザービームを走査照射することによって、前記不純物層を活性化し、前記レーザービームを走査照射する際には、複数のレーザー照射装置を用い、照射領域ごとに1台目のレーザー照射装置からレーザービームを1パルス照射した後、その半値幅と同じ遅延時間で2台目のレーザー照射装置からレーザービームを1パルス照射し前記複数のレーザー照射装置から前記照射領域ごとに照射される前記レーザービームの照射エネルギー密度の合計が前記照射領域を活性化させる照射エネルギー密度以上である、ことを特徴とする半導体素子の製造方法が提供される。
このような半導体素子の製造方法によれば、レーザー照射する際にマスクを用い、その開口部を通過させレーザービームを一定形状にして照射する。例えば、レーザー照射する領域としない領域との境界を跨ぐような位置にレーザービームを照射する必要がある場合に、レーザー照射しない領域へのレーザービームを遮断するような開口部形状のマスクを用いれば、レーザー照射する領域にのみレーザービームが照射されるようになる。さらに、マスクはレーザービームの照射面から離して配置するので、マスクが照射面に接触することによる金属等のコンタミネーションの発生が防止される。
本発明の半導体素子の製造方法は、不純物層を活性化することのできる大きさの照射エネルギー密度のレーザービームを照射領域の少なくとも一部が重なるように走査照射するので、各照射領域はそれが重なってレーザー照射されたか否かに関わらず、十分に活性化される。これにより、レーザー照射すべきでない領域を避けてレーザー照射すべき領域の不純物層を効果的に精度良く活性化することができる。この不純物層の活性化の際にはマスクを用いないため、金属等のコンタミネーションの発生を防止することができる。
また、本発明の半導体素子の製造方法は、マスクを用いてレーザービームを一定形状にするので、レーザー照射すべき領域に選択的にレーザービームを照射することができる。さらに、そのマスクを照射面から離れた位置に配置することにより、コンタミネーションの発生を防止することができる。
レーザー照射した領域は不純物層を安定的にnsオーダーで活性化でき、レーザー照射すべき領域とすべきでない領域を有する半導体素子を良好なデバイス特性で形成することができる。
以下、本発明の実施の形態を、IGBT形成に適用した場合を例に、図面を参照して詳細に説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
ここでは、NPT型IGBTのpコレクタ層を形成する際のp層の活性化を例にして説明する。すなわち、例えばn型Siウエハに絶縁ゲート構造等の表面側構造を形成した後、その裏面を研削し、研削後のウエハ裏面にボロンをイオン注入してこれをレーザーアニールにより活性化する。このp層の活性化には、YAG2ωレーザー(波長532nm、半値幅100ns)を用い、そのレーザー照射装置を1台使用する。ウエハ照射時のレーザービームのサイズは、ここでは2mm(長軸)×1mm(短軸)である。レーザーアニールでは、このような照射サイズのレーザービームの1パルスを、一の照射領域からその隣接領域へと適当なオーバーラップ率(重ね合わせ範囲)で次々と走査照射していく。
図1はボロンのイオン注入後に照射エネルギー密度3.0J/cm2でレーザー照射したときの濃度プロファイル、図2はボロンのイオン注入後に照射エネルギー密度1.2J/cm2でレーザー照射したときの濃度プロファイルである。また、図3はレーザー照射時のレーザービームの重ね合わせ状態を示す図であって、(A)はウエハ照射時のレーザービーム長軸の重ね合わせを0.5mmとした場合、(B)はウエハ照射時のレーザービーム長軸の重ね合わせを1mmとした場合、(C)はウエハ照射時のレーザービーム長軸の重ね合わせを1.5mmにした場合、(D)はウエハ照射時のレーザービーム長軸を完全に重ね合わせた場合である。
図1および図2において、横軸はウエハ表面すなわちイオン注入面からの深さ(μm)を表し、縦軸はウエハ内のボロンの濃度(cm-3)を表している。この図1および図2はそれぞれ、ボロンをドーズ量1×1015cm-2、加速電圧50keVでイオン注入し、所定照射エネルギー密度でのレーザー照射時にレーザービーム長軸の重ね合わせを図3(A)〜(D)に示すように変えたときのそれぞれの場合の濃度プロファイルを示している。濃度プロファイルは広がり抵抗法(SR法)により測定している。また、レーザー照射時のレーザービーム短軸の重ね合わせは、いずれの場合もオーバーラップ率90%で一定としている。なお、図1中および図2中に示したA〜Dの記号はそれぞれ、図3(A)〜(D)の重ね合わせ状態に対応している。
まず図1に示したように、レーザー照射時の1パルスの照射エネルギー密度が3.0J/cm2である場合には、図3に示したようにレーザービームの重ね合わせ状態すなわちオーバーラップ率を変化させても、ボロンの濃度プロファイルにほとんど差が生じない。換言すれば、照射エネルギー密度3.0J/cm2では、レーザービームが重なる領域と重ならない領域とで濃度プロファイルがばらつかない。すなわち一度のレーザー照射でボロンが十分に活性化されてボロン濃度が飽和状態にまで高められているということができる。
一方、図2に示したように、レーザー照射時の1パルスの照射エネルギー密度が1.2J/cm2である場合には、レーザービームのオーバーラップ率を変化させると濃度プロファイルに差が生じ、3.0J/cm2の場合とは異なり、レーザービームが重なる領域と重ならない領域とで濃度プロファイルがばらつき、安定しない。
このように、レーザー照射時の照射エネルギー密度を、イオン注入時のボロン濃度が活性化するレベルまで、すなわち飽和状態になるレベルまで大きくしておけば、隣接領域間でレーザービームを重ね合わせてレーザー照射しても問題はない。このことを利用すれば、例えば次に示すように、一のウエハに部分的にレーザー照射しない領域を形成することが可能になる。
図4は部分照射例である。
図4に示すように、ボロンを注入したウエハ1にレーザー照射すべき領域2とレーザー照射すべきでない領域3とが存在する場合、レーザー照射すべき領域2に対しては、レーザービームを、例えば、その長軸を上記図3(A)〜(C)のいずれかのオーバーラップ率とし、その短軸を90%のオーバーラップ率として、レーザー照射する。これにより、レーザーが照射された領域では、レーザービームが重なって照射されたか否かに関わらず、イオン注入したボロンが十分に活性化された状態になる。
レーザー照射すべき領域2とレーザー照射すべきでない領域3との境界10を含む領域では、一定のオーバーラップ率でレーザー照射すべき領域2を境界10に向かって順にレーザー照射していくと、当初のオーバーラップ率のままではレーザー照射すべきでない領域3にもレーザービームが照射されてしまうことになる。そのため、境界10を含む領域では、境界10がレーザービーム端となるようにレーザー照射する。この場合、境界10付近のレーザー照射領域4だけ他の領域とオーバーラップ率が異なることになるが、上記のように照射エネルギー密度をボロンが十分に活性化する3.0J/cm2に設定しておくことにより、そのレーザー照射領域4も他の領域と同等にボロンの活性化を行うことができる。これにより、ウエハ1に部分的にレーザー照射されない領域を精度良く形成することができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。
レーザー照射領域を制限するためにマスクを用いる場合、前述のように、金属製のマスクをウエハに接触させると金属等のコンタミネーションの問題が生じる場合があった。そこで、この第2の実施の形態では、マスクをウエハ側ではなく照射面から離してレーザービーム側に配置することによってマスキングを行う。さらに、この第2の実施の形態では、レーザー照射すべき領域とレーザー照射すべきでない領域との境界を含む領域で必要になるレーザービームの照射形状を考慮し、マスクの開口部形状を工夫する。
図5は標準形状マスクとレーザービーム形状の関係を示す図、図6は標準形状マスクを用いた照射例である。ただし、図6では、図4に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
通常は、この図5に示すような長方形の開口部5aを有する標準形状マスク5を用いレーザービーム6の一部を遮光部5bで遮断して開口部5aでレーザービーム6を切り出し、それを一定のオーバーラップ率で図6に示すようにウエハ1のレーザー照射すべき領域2からレーザー照射すべきでない領域3との境界10に向かって順にレーザー照射を行っていく。
ここで、上記第1の実施の形態で述べたように照射エネルギー密度を適当な値にしその照射位置を工夫するといったことを行わないとする。そうすると、標準形状マスク5を用いてレーザー照射すべき領域2から順にレーザー照射を行っていき、レーザー照射すべきでない領域3との境界10においてもなおそのまま標準形状マスク5を用いて一定のオーバーラップ率でレーザー照射を続ければ、レーザー照射すべきでない領域3にもレーザーが照射されてしまうようになる。
そこで、この第2の実施の形態では、特にレーザー照射すべき領域2とレーザー照射すべきでない領域3との境界10において、用いるマスクの開口部形状を、例えば次の図7に示すような平行四辺形状に変える等の工夫をしている。
図7は平行四辺形状マスクとレーザービーム形状の関係を示す図、図8は平行四辺形状マスクを用いた照射例である。ただし、図7および図8では、図5および図6に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
この図7に示すような平行四辺形状の開口部7aを有する平行四辺形状マスク7を適当な向きで用いると、その開口部7aで切り出されるレーザービーム6のサイズを小さくしてレーザー照射することが可能になる。すなわち、この図7の例では、レーザービーム6の長軸長さを短くしてレーザー照射することができるようになる。
したがって、レーザー照射すべき領域2とレーザー照射すべきでない領域3との境界10において、このような開口部7aと遮光部7bとを有する平行四辺形状マスク7を用いることにより、図6および図8に示すように、境界10での長軸のオーバーラップ時にレーザー照射すべきでない領域3にはみ出すことになるレーザービーム6を遮光部7bでマスキングすることができる。標準形状マスク5を用いていて境界10で平行四辺形状マスク7に切り替える際には、切り替えを例えば図8に示したマスク切り替えポイント8、すなわち走査照射の最終段の折り返し時で境界10を含む領域をレーザー照射するとき等に行えばよい。このように、平行四辺形状マスク7を用いることにより、ウエハ1に部分的にレーザー照射しない領域を精度良く形成することができる。
なお、ウエハ1へのレーザー照射時に当初からこのような平行四辺形状マスク7を用いてもよく、また、レーザー照射領域に応じ、当初は平行四辺形状マスク7中央部でレーザービーム6を長方形状に切り出し、境界10では上記のように平行四辺形状マスク7端部でレーザービーム6を短く切り出して、レーザー照射するようにしてもよい。また、マスクは、境界10を含む領域のレーザー照射時にレーザー照射すべきでない領域3へのレーザービーム6を遮断することのできるものであれば、平行四辺形状に限らず、他の開口部形状で構成されたものであってもよい。
次に、第3の実施の形態について説明する。
この第3の実施の形態では、上記第2の実施の形態と同様、レーザービーム側に配置するマスクの開口部形状を工夫している。
図9はマスクとレーザービーム形状の関係を示す図である。ただし、図9では、図5に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
この第3の実施の形態では、上記図5に示したような標準形状マスク5を用いたときに生じることのある問題、すなわちレーザー照射すべきでない領域3にもレーザー照射されてしまうという問題を回避するため、この図9に示すような開口部9aおよび遮光部9bを有するマスク9を用いる。
図9に示したマスク9は、その形状は図5に示した標準形状マスク5と同様であるが、その開口部9aの幅が、レーザー照射すべき領域ごとのレーザー照射時のオーバーラップ率に応じて設定されている。レーザー照射すべき領域が決まれば、ワンショットでの照射ビームサイズが決まっているので、オーバーラップ率を求めることができる。マスク9は、その開口部9aの幅の異なるものを複数用意しておき、レーザー照射すべき領域ごとにそのオーバーラップ率を計算して、都度、その領域に照射ムラを生じさせないような最適な開口幅のマスク9を選択して用いればよい。このようにオーバーラップ率に応じた最適な開口幅のマスク9を用いることにより、照射領域の範囲をコントロールする自由度が増すため、それを利用することにより、ウエハ1に部分的にレーザー照射しない領域を精度良く形成することができる。
また、第2の実施の形態と同様にして、上記図6および図8に示したように、レーザー照射すべき領域2への照射当初からレーザー照射すべきでない領域3との境界10付近に至るまでは標準形状マスク5等を用いてレーザー照射し、マスク切り替えポイント8等でそのレーザー照射すべき領域2のオーバーラップ率に応じた開口幅のマスク9に切り替えてレーザー照射するようにしてもよい。
次に、第4の実施の形態について説明する。
ここでは、FS型IGBTのnバッファ層およびpコレクタ層を形成する際のpn連続層の活性化を例にして説明する。すなわち、例えばn型Siウエハに表面側構造を形成した後、その裏面を研削し、研削後のウエハ裏面にリンおよびボロンを順にイオン注入してこれをレーザーアニールにより活性化する。このpn連続層の活性化には、YAG2ωレーザー(波長532nm、半値幅500ns)を用い、そのレーザー照射装置を2台使用する。第1の実施の形態と同様、ウエハ照射時のレーザービームサイズは、2mm(長軸)×1mm(短軸)であり、このようなサイズのレーザービームを適当なオーバーラップ率で走査照射してレーザーアニールを行う。
この第4の実施の形態では、YAG2ωレーザーのレーザー照射装置を2台使用するが、各レーザー照射装置から照射するレーザービームの1パルスの照射エネルギー密度を共に1.5J/cm2とする。そして、一の領域に1台目からレーザービームを1パルス照射した後、その半値幅と同じ遅延時間500nsでその領域に2台目からレーザービームを1パルス照射する。これにより、その領域には、合計で3.0J/cm2の照射エネルギー密度でレーザービームが照射されるようになる。レーザーアニールでは、一の領域に対しこのようにして照射するレーザービームを、一の照射領域からその隣接領域へと適当なオーバーラップ率で走査照射していく。
このようなレーザー照射方法によれば、一の領域に2パルスが連続的に照射されることで、半値幅の長い単パルスを照射したときと同様の効果が得られるようになる。すなわち、単パルスのレーザー照射よりも熱の伝わり時間が長く、レーザー照射面から深い領域まで短時間で活性化することができる。したがって、このpn連続層のように深さのある不純物層であってもレーザー照射で十分に活性化することができる。また、レーザーアニールに合計で必要になる照射エネルギー密度を確保しつつ、1パルス当たりの照射エネルギー密度を低く抑え、ウエハに加工痕が付く可能性を極力抑えることができるようになる。さらにまた、このようにパルスを連続的に照射すると、イオン注入後に非晶質状態かあるいは結晶欠陥が残っている状態の表層を、先のパルスで再結晶化できなくても、後のパルスでは再結晶化を促進し、浅い領域(p層)を高濃度化(高活性化)することが可能になる。
なお、ここでは先のパルスを照射してから後のパルスを照射するまでの遅延時間を1パルスの半値幅と同じにしている、すなわち2パルスを切れ目なく連続して照射しているが、遅延時間は、半値幅より短く2パルスが若干重なっても、あるいは半値幅より長く2パルス間に若干切れ目が生じても、上記同様の効果を得ることは可能である。
図10はリンおよびボロンのイオン注入後に照射エネルギー密度3.0J/cm2でレーザー照射したときの濃度プロファイルである。また、図11はリンおよびボロンのイオン注入後に照射エネルギー密度1.2J/cm2でレーザー照射したときの濃度プロファイルである。なお、照射エネルギー密度1.2J/cm2の場合には、照射する各レーザー照射装置から照射する半値幅500nsのYAG2ωレーザーのパルスの照射エネルギー密度を共に0.6J/cm2とし、一の領域に遅延時間500nsで連続的に照射している。また、レーザービームサイズは、照射エネルギー密度を3.0J/cm2としたときと同じにしている。
図10および図11において、横軸はウエハ表面すなわちイオン注入面からの深さ(μm)を表し、縦軸はウエハ内のリンおよびボロンの濃度(cm-3)を表している。この図10および図11は、先にリンをドーズ量1×1013cm-2、加速電圧240keVでイオン注入し、その後ボロンをドーズ量1×1015cm-2、加速電圧50keVでイオン注入して、所定照射エネルギー密度でのレーザー照射時にレーザービーム長軸の重ね合わせを上記図3(A)〜(D)に示したように変えたときのそれぞれの場合の濃度プロファイルを示している。濃度プロファイルはSR法により測定し、レーザー照射時のレーザービーム短軸の重ね合わせは、いずれの場合もオーバーラップ率90%で一定としている。なお、図10中および図11中に示したA〜Dの記号はそれぞれ、上記図3(A)〜(D)の重ね合わせ状態に対応している。
図10に示したように、レーザー照射時の合計の照射エネルギー密度が3.0J/cm2である場合には、レーザービームのオーバーラップ率を変化させても、リンおよびボロンの濃度プロファイルにほとんど差が生じない。一方、図11に示したように、レーザー照射時の合計の照射エネルギー密度が1.2J/cm2である場合には、オーバーラップ率の違いで濃度プロファイルに差が生じてしまう。
さらに、合計の照射エネルギー密度が3.0J/cm2である場合には、1.2J/cm2である場合に比べ、p層,n層共に高濃度化されている。これは、レーザービームを連続的にかつ適当な遅延時間で照射することで、熱がウエハの浅い領域から深い領域まで有効に伝わっていることを示している。
このように、レーザー照射時の照射エネルギー密度を、イオン注入時のボロン濃度が活性化するレベルまで大きくしておけば、隣接領域間でレーザービームを重ね合わせてレーザー照射しても問題はなく、これを利用すれば、第1の実施の形態で述べたのと同様に、一のウエハに部分的にレーザー照射しない領域を精度良く形成することができる。
なお、ここでは2台のレーザー照射装置を用いた場合について説明したが、2台以上のレーザー照射装置を用いてもよい。その場合、各レーザー照射装置から照射されるレーザービームの1パルスの照射エネルギー密度の合計が、イオン注入時のボロン濃度を活性化することのできるレベルの大きさになるようにする。1台のレーザー照射装置が担う照射エネルギー密度は、個別に設定することもできるが、必要になる合計の照射エネルギー密度をレーザー照射装置の台数で割った値とすることが好ましい。
また、ここではpn連続層を活性化する場合について説明したが、例えば同じくFS型IGBTでp層の上にさらにフッ化ボロンをイオン注入してpコレクタ層の上に表面コンタクト層を形成するような場合にも同様に適用可能である。このほか、n層が深さ方向に連続するnn連続層や、n層とp層がこの順で深さ方向に連続するnp連続層、あるいはより深い領域まで不純物注入を行うために形成されるアルゴン(Ar)層とp層との連続層(深さ方向の順序は問わない。)、アルゴン層とn層との連続層(深さ方向の順序は問わない。)を活性化する場合にも同様に適用可能である。勿論、p層あるいはn層といった単層でも同様に適用可能である。
さらに、この第4の実施の形態で述べたように複数台のレーザー照射装置を用いて照射領域ごとに複数のパルスを連続的に照射するレーザー照射方法を、第1,第2,第3の実施の形態におけるレーザー照射に適用してもよい。
以上説明したように、レーザー照射によって不純物層を活性化するため、照射領域が重なっても不純物の濃度プロファイルが変化しないように照射エネルギー密度をイオン注入した不純物が活性化できる程度に大きくする、レーザー照射しない領域へのレーザービームを遮断するようにマスク形状を工夫する、あるいはオーバーラップ率に応じてマスク形状を最適化するようにする。これにより、不純物層を安定的にnsオーダーで活性化することができるとともに、レーザー照射すべき領域のみレーザー照射してレーザー照射しない領域を部分的に形成することができる。したがって、レーザー照射すべき領域とすべきでない領域を有するIGBTを良好なデバイス特性で形成することができる。
なお、ここではIGBT形成過程での不純物層の活性化を例にして述べたが、上記方法は、その他その形成過程で不純物層の活性化が必要な各種半導体素子の形成に適用することができる。
ボロンのイオン注入後に照射エネルギー密度3.0J/cm2でレーザー照射したときの濃度プロファイルである。 ボロンのイオン注入後に照射エネルギー密度1.2J/cm2でレーザー照射したときの濃度プロファイルである。 レーザー照射時のレーザービームの重ね合わせを示す図であって、(A)はウエハ照射時のレーザービーム長軸の重ね合わせを0.5mmとした場合、(B)はウエハ照射時のレーザービーム長軸の重ね合わせを1mmとした場合、(C)はウエハ照射時のレーザービーム長軸の重ね合わせを1.5mmにした場合、(D)はウエハ照射時のレーザービーム長軸を完全に重ね合わせた場合である。 部分照射例である。 標準形状マスクとレーザービーム形状の関係を示す図である。 標準形状マスクを用いた照射例である。 平行四辺形状マスクとレーザービーム形状の関係を示す図である。 平行四辺形状マスクを用いた照射例である。 マスクとレーザービーム形状の関係を示す図である。 リンおよびボロンのイオン注入後に照射エネルギー密度3.0J/cm2でレーザー照射したときの濃度プロファイルである。 リンおよびボロンのイオン注入後に照射エネルギー密度1.2J/cm2でレーザー照射したときの濃度プロファイルである。 NPT型IGBTの断面構造の一例である。 FS型IGBTの断面構造の一例である。 表面側プロセス終了後の断面図である。 基板研削プロセスの断面図である。 裏面イオン注入プロセスの断面図である。 裏面アニールプロセスの断面図である。 裏面電極膜形成プロセスの断面図である。 逆阻止IGBTの断面構造の一例である。 レーザー照射領域を制限する場合の一例を説明する図である。 レーザー照射領域を制限する場合の別の例を説明する図である。 マスクを用いたレーザーアニールを説明する模式図であって、(A)は平面図、(B)は側面図である。
符号の説明
1 ウエハ
2 レーザー照射すべき領域
3 レーザー照射すべきでない領域
4 レーザー照射領域
5 標準形状マスク
6 レーザービーム
7 平行四辺形状マスク
8 マスク切り替えポイント
9 マスク
10 境界

Claims (5)

  1. レーザー照射によって不純物層を活性化する工程を有する半導体素子の製造方法において、
    前記不純物層を活性化することのできる大きさの照射エネルギー密度のレーザービームを照射領域の少なくとも一部が重なるように走査照射することによって、前記不純物層を活性化し、
    前記レーザービームを走査照射する際には、複数のレーザー照射装置を用い、前記照射領域ごとに1台目のレーザー照射装置からレーザービームを1パルス照射した後、その半値幅と同じ遅延時間で2台目のレーザー照射装置からレーザービームを1パルス照射し
    前記複数のレーザー照射装置から前記照射領域ごとに照射される前記レーザービームの照射エネルギー密度の合計が前記照射領域を活性化させる照射エネルギー密度以上である、
    ことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 前記レーザービームを前記照射領域の少なくとも一部が重なるように照射する領域が、レーザー照射する領域とレーザー照射しない領域との境界付近における前記レーザー照射する領域であることを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製造方法。
  3. レーザー照射によって不純物層を活性化する工程を有する半導体素子の製造方法において、
    レーザービームが通過する開口部を有するマスクを前記レーザービームの照射面から離して配置し、前記開口部を通過させて一定形状にした前記レーザービームを走査照射することによって、前記不純物層を活性化し、
    前記レーザービームを走査照射する際には、複数のレーザー照射装置を用い、照射領域ごとに1台目のレーザー照射装置からレーザービームを1パルス照射した後、その半値幅と同じ遅延時間で2台目のレーザー照射装置からレーザービームを1パルス照射し
    前記複数のレーザー照射装置から前記照射領域ごとに照射される前記レーザービームの照射エネルギー密度の合計が前記照射領域を活性化させる照射エネルギー密度以上である、
    ことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  4. 前記マスクは、レーザー照射する領域とレーザー照射しない領域との境界付近を照射するときに、前記レーザー照射する領域への前記レーザービームを通過させ、前記レーザー照射しない領域への前記レーザービームを遮断することを特徴とする請求項3記載の半導体素子の製造方法。
  5. 前記レーザービームを走査照射する際には、あらかじめ前記開口部のサイズの異なる複数の前記マスクを用意しておき、前記レーザービームが照射される領域の重なりの程度に応じて前記サイズを選択し、選択された前記マスクを用いて一定形状にした前記レーザービームを照射することを特徴とする請求項3記載の半導体素子の製造方法。
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