JP4769573B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
(A)所定のタイミングで、ゴム等の弾性材料でなる払拭部材で記録ヘッドの吐出口が形成されている面(以下、吐出面という)を掃き、付着物を除去する(以下、この動作をワイピングと呼ぶ)。
(B)インク吐出が行われない時間や環境などに応じて、記録媒体に画像を形成する際のインク吐出とは別に所定量のインク吐出を行い、粘度が増加したインクを排出する(以下、この動作を予備吐出という)。また、所定のタイミングで、例えばポンプを用いて吐出面に吸引力を作用させ、吐出口よりインクを吸い出すことにより、吐出口内方のインクを強制排出する回復動作を行う(以下、この動作を吸引回復という)。そして、当該吐出または排出されたインク(以下、廃インクという)は吐出面に対向または吐出口周囲に密閉空間を形成可能なキャップ等に受容され、さらに所定部位に設けた吸収体などの部材に移送されて保持される。
前記吐出面に付着したインクを除去するために用いられるヘッド用液体を貯留する貯留手段と、
該貯留手段からヘッド用液体が転移され、前記ヘッド用液体を前記吐出面に供給しながら前記吐出面に接触する部材と、
前記貯留手段内に一面が面するように配置され、大気を冷却することにより水を発生可能なペルチェ素子と、
前記貯留手段に貯留されたヘッド用液体の乾燥および吸湿の状態を検出する検出手段と、を備え、
前記検出手段により検出された前記ヘッド用液体の状態に応じ、前記一面が冷却面または放熱面となるよう前記ペルチェ素子を駆動することで、前記ヘッド用液体に対し水を供給し、または前記ヘッド用液体から水分を蒸発させるようにしたことを特徴とする。
染料系であると顔料系であるとを問わず、インクの溶剤の主成分は水であることから、まず本発明者らは、水を供給しながらワイピングなどのメンテナンスを行っても相当の効果があることに着目した。吐出面の増粘インクに水を加え混合することで流動性が高まり、拭き残りのないワイピングが行われるからである。また本発明者らは、水を適時生じさせて供給できるようにすれば、特許文献1のように大型のリザーバやユーザに煩雑な処理等を強いることのない記録装置を提供できると考察した。
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンターの主要部の模式的な斜視図である。
本発明を適用可能なメンテナンス機構としては、上例のように記録ヘッド1の吐出面11に直接接触してワイピングを行うワイパブレードに限られない。予備吐出や吸引回復に伴って排出される廃インクを保持する部位に対しても本発明の適用が可能である。
本発明は、第1および第2の実施形態で説明したような記録ヘッド1のインク吐出動作を良好な状態に保持するメンテナンス機構に関してだけでなく、記録ヘッド1から出たインクを処理するその他の手段に対しても適用が可能である。
本発明者らは、図2で示したような吐出面の構成にあって、上記したワイピング時に使用するに好ましい水の量を検討した。検討にあたっては、吐出口径22μmのノズルが600DPI(ドット数/インチ)で320本、上記1105方向に配列される記録ヘッドを用いるものとした。また、自己分散性顔料(顔料表面にイオン性官能基が直接結合された顔料であり、高分子分散剤を用いなくとも水中に分散可能な顔料)を用いたインクを使用するものとした。この場合、増粘した付着インク1104が総量で0.2mg程度存在していても、ワイパブレード9の横方向の単位長さあたり0.1mg/cm以上の水が付着していれば、良好なワイピング性能を発揮できることを確認した。なお、高分子分散剤を用いて水中に分散可能な顔料を用いたインクに関しては、良好なワイピング性能を発揮できる前記付着インク量とワイパー上の水付着量の関係はまだ調査していないが、同様の関係があると推察される。
本発明を実施するにあたって好ましく適用できる制御系の構成および制御手順を説明する。なお、以下では第1の実施形態に対応したものを例示する。
同図において、1005は制御部である。制御部1005は、図15につき後述する制御手順を実行するに際し各部を制御するMPU1000を具える。1001は、その制御手順に対応したプログラムやその他の固定データ等を格納したROMであり、環境、特に冷却部48の周囲環境の温度および湿度に応じて冷却部8の駆動条件を定めるためのテーブルTのデータを格納する。また、制御部1005は、MPU1000が実行する制御手順実行時におけるワークエリアとして用いられるRAM1002等を有する。
上記第1の実施形態ではワイピングを行うために、水を適切に発生させて直接使用するものとした。第2の実施形態では予備吐出または吸引回復に伴って発生する廃インクの導入部位に水を適切に発生させて直接使用するものとした。また第3の実施形態ではふちなし記録に伴って記録媒体からはみ出して吐出されるインクを受容する部位に水を適切に発生させて直接使用するものとした。しかしそれらの実施形態を適宜組み合わせることも可能であり、またそれ以外の部位、例えばワイパブレード9を清浄な状態にする手段(スポンジやスクレイパ等)において水を適切に発生させて直接使用するようにすることもできる。さらに、複数の部位で水を使用する場合、水を発生するための冷却部をそれぞれ配設することもできるし、あるいはいくつかの冷却部を兼用すると共に適切な導水経路を付加するようにすることもできる。
2 インクタンク
3 ガイド軸
4 リニアエンコーダ
5 ベルト
6 記録媒体
7 キャップ
8、20、37、2002 冷却部
9、9’ ワイパブレード
10 ワイパホルダ
10’ ワイパホルダガイド
11 吐出面
12、24、42 冷却面
13、25、43 放熱面
14、26、40 放熱機構
15、34、49 水(または氷)
17 廃インク吸収体
31 増粘インク
35 混合インク
36 プラテン
1005 制御部
1023 プリンターユニット
1029 メンテナンス機構
1032 温湿度センサ
2003 リザーバータンク
2004 温度・導電率センサー
2005 ヘッド用液体
Claims (4)
- インク吐出口が設けられた吐出面を有する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置において、
前記吐出面に付着したインクを除去するために用いられるヘッド用液体を貯留する貯留手段と、
該貯留手段からヘッド用液体が転移され、前記ヘッド用液体を前記吐出面に供給しながら前記吐出面に接触する部材と、
前記貯留手段内に一面が面するように配置され、大気を冷却することにより水を発生可能なペルチェ素子と、
前記貯留手段に貯留されたヘッド用液体の乾燥および吸湿の状態を検出する検出手段と、を備え、
前記検出手段により検出された前記ヘッド用液体の状態に応じ、前記一面が冷却面または放熱面となるよう前記ペルチェ素子を駆動することで、前記ヘッド用液体に対し水を供給し、または前記ヘッド用液体から水分を蒸発させるようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記ペルチェ素子は、前記水を、氷点温度以下にした後、氷を融解させて作ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記ペルチェ素子は、前記水を、露点温度の−10℃以下に大気を冷却すること、若しくは露点温度の−10℃以下にした後、温度上昇することで作ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクは色材として顔料成分を含有するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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