JP2001105581A - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

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JP2001105581A
JP2001105581A JP28882099A JP28882099A JP2001105581A JP 2001105581 A JP2001105581 A JP 2001105581A JP 28882099 A JP28882099 A JP 28882099A JP 28882099 A JP28882099 A JP 28882099A JP 2001105581 A JP2001105581 A JP 2001105581A
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ink
erasing
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JP28882099A
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English (en)
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Osamu Shikame
修 鹿目
Akihiro Mori
明広 毛利
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示媒体に記録した画像を表示後、消去用部
材にて容易に画像消去を行うことができる画像表示装置
を提供すること。 【解決手段】 データに基づいて画像形成用のインクを
吐出することにより、表示媒体に画像を形成及び表示す
るインクジェット画像表示装置において、少なくとも、
カチオン性物質を含む処理液を表示媒体上に塗布する手
段、特定色のインクを吐出する手段を備えた画像書き込
み手段、表示媒体上に表示された画像を消去する手段、
及びインク及び/又は処理液中に含まれる溶媒を回収す
る手段を備えたことを特徴とする画像表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式による画像表示装置に関し、更に詳しくは、少なくと
も、インクジェット方式による画像書き込み可能な表示
媒体と、該表示媒体上に形成及び表示された画像を消去
する手段と、インク及び/又は処理液中に含まれる溶媒
を回収する手段を備える画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、画像表示装置の中には、コンピ
ュータ等の表示装置であるCRTや液晶ディスプレイに
代表されるような、主として動画を表示するための装置
がある。一方、同じ画像表示装置の中には、大画面の静
止画をポスターや掲示板のように、主として表示・消去
を繰り返す目的のための画像表示装置がある。この繰り
返し表示可能な画像表示装置としては、例えば、駅構内
の行き先や情報を表示するインフォメーションボード等
が挙げられる。又、類似した装置として、会議や打ち合
わせ等で用いられる電子黒板が挙げられる。
【0003】近年、紙の消費量の増大や画像表示のため
の消費電力の増大が、省資源化や環境破壊の点から問題
となっている。これらの問題を解決するために電力消費
量が少なく、紙の消費量を激減させる、上記のような静
止画像表示装置が望まれている。静止画像表示装置とし
て、従来の動画表示装置であるCRTや液晶ディスプレ
イを応用する場合は、装置が大型になると装置価格が高
くなるという問題点がある。又、静止画を長時間表示し
ている間にも、表示状態を維持するために電力を使用す
ることから、電力消費の点からも問題が多い。最近、プ
ラズマディスプレイパネル(PDP)等に代表される、
大型でありながら低消費電力型である表示装置も多く開
発乃至製品化されている。しかし、これらは未だ高価で
あり、しかもCRTと同様に動画表示を考慮した表示装
置であるため、静止面を長時間表示する目的には適して
いない。
【0004】静止画像表示を同一表示媒体に繰り返し表
示・消去を行う表示装置としては、コンピュータ等から
画像信号に対応して形成した静電潜像を、磁気トナーに
より特殊表示媒体上で現像し、表示を行うインフォメー
ションボードが製品化されている。該特殊表示媒体上の
静電像を除去すれば、該表示媒体に付着現像された画像
は消去されて、新しい画像を繰り返し形成及び表示する
ことが可能である。このインフォメーションボードの唯
一の問題点は、磁気トナーを用いるためにカラー化が困
難であることである。
【0005】一方、その使用方法や目的が上記の表示装
置とは異なるが、手書きの静止画(文字等)を表示し、
表示された画像をスキャナーにより読み取り、ハードコ
ピーを取った後に形成及び表示された静止画を消去する
装置として、電子黒板装置がある。この装置は、紙の消
費量の低減や消費電力の点から有益な装置である。しか
しながら、電子黒板装置は、コンピュータ等に接続さ
れ、静止画を記録し表示するものでなく、又、書き込ま
れた画像を自動的に消去できる製品は現在のところな
い。
【0006】画像消去機能付き電子黒板の開発に関して
は、従来から行われており、例えば、特開昭61−90
71号公報、特開平5−597号公報、特開平5−14
564号公報、特開平5−160940号公報、特開平
5−162494号公報、特開平6−32095号公
報、特開平6−48091号公報、特開平6−8729
5号公報、及び特開平6−245008号公報等に示さ
れるような提案がなされている。上記先行技術に記載さ
れた発明によれば、従来の電子黒板の表示媒体上に電子
黒板用筆記具により手書きされた文字や画像等を、クリ
ーニング用ファーブラシやゴムブレート等の複写機で用
いられる電子写真感光体クリーニング装置に類似する方
法により、払拭消去する装置が提案されている。しかし
ながら、画像書き込み方法に関しては従来の如く筆記用
具で手書きで行う方法のみであった。
【0007】静止画の表示装置に望まれる条件は、電子
黒板のように会議室にスタンドアロンとして存在するだ
けの装置ではなく、ネットワークの中の表示装置として
の機能も有しており、遠隔からの情報を順次に表示する
ことができること、又、複数の場所に表示できることが
望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の静止画用表示装
置にあっては、外部の画像入力装置からの情報に基づい
た書き込み及び消去を行うことができる装置は、磁気記
録方式のインフォメーションボードのみであった。しか
しながら、上述したように磁気トナーを用いているため
にカラー化が困難であるので、カラー画像が表示でき、
更に高画質な画像を記録表示できる画像表示装置が望ま
れていた。
【0009】そこで本発明者等は、カラー画像が表示で
きるシステムとして、電子黒板と類似の表示媒体にイン
クジェット記録装置を搭載し、表示媒体上に画像書き込
みを行った後、表示を行い、更に画像消去ができる画像
表示装置の試作検討を行った。インクジェット方式は、
インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体にインクを付
着させて記録を行うものである。従来のインクジェット
方式に用いられるインクとしては、水を主成分とし、こ
れに乾燥防止やノズルの目詰まり防止等の目的でグリコ
ール等の水溶性高沸点溶剤が含有されたものが一般的で
あった。
【0010】従来の電子黒板と類似の表示媒体にインク
ジェット記録を行った場合、従来のインクジェット用イ
ンクにて書き込み表示することは下記の理由から不可能
であった。即ち、一般に、電子黒板に用いられる表示媒
体は、乳白色のベースフィルム上にフッ素系化合物のフ
ィルム等を貼り合わせたシートを用いている。水性イン
クを使用した電子黒板用ペンで、電子黒板に画像を書き
込むと、水分が蒸発した後に剥離剤や顔料等を含む樹脂
膜が残り、該画像を消去する場合は、布、フェルト、ス
ポンジ等で容易に払拭消去できる構成となっている。
又、消去しやすいように表示媒体表面の表面張力は小さ
く設定されている。従って、従来のインクジェット用イ
ンクで記録を行うと、電子黒板の表示媒体上でインクが
撥かれてしまい、画像表示が行えないという問題点があ
った。又、表示媒体表面の表面張力を従来より大きくし
ていくと、ブレード等の消去装置では十分に画像の消去
ができないという問題が生じていた。
【0011】又、このような画像表示装置は、一般に屋
内や屋外の人通りの多いところに置かれるために、装置
全体を埃や風雨等から守るために密閉されたケースに収
納されることが多い。そのために、画像の表示・消去が
繰り返し行われると、ケースの内部にインクから蒸発し
た水等の溶媒が充満して結露を生じ、画像の視認性が悪
くなるという問題があった。特にこの傾向は、外気の温
度が低い冬場等に顕著であった。一方、表示媒体上に表
示した画像を長時間放置した後に消去しようとすると、
インクがゲル化して含水量が減少しているために画像表
示部に画像として強固に定着しているために、消去しに
くくなり、消し残りが出やすくなる等の問題もあった。
【0012】又、インクジェット方式では、使用するイ
ンクが水性のため、紙等の記録媒体で耐水性が悪かった
り、滲み(マイグレーション)等の問題が生じていた。
このため、これらの問題を解決するため、定着性を向上
する開発が行われてきた。その中に、インクの噴射に先
立ち、媒体上に予め特定の処理液を付着させておく方法
が提案されている。特にカチオン性の有機化合物を含有
する処理液を記録媒体に付着させた後、インク(含まれ
る染料の多くはアニオン性である。)で記録することに
より、インクの定着性の向上が見られている。
【0013】本発明は、上記のように表示媒体上に予め
特定の処理液を付着させておく方法を用いることによ
り、表示媒体上でインクが撥かれることなく良好な画像
表示を行うことを可能とするものである。又、インクや
処理液に含まれる溶媒を回収する手段を設けることで、
画像表示装置のケースの内部に露が発生することを防止
することを可能とするものである。更に、回収した溶媒
を、画像消去手段において消去液として再利用すること
を可能とするものである。又、インクの表示媒体への定
着性の向上だけでなく、上記の記録方式と表示媒体との
問に消去部材を設けることにより、良好なクリーニング
が可能となる組み合わせが存在することも分かった。
【0014】即ち、本発明は、CRTや液晶ディスプレ
イ等の従来の表示装置に比較して消費電力を抑え、又、
紙等の消費量を減少させ、省資源化を達成することがで
きる画像表示装置であって、なおかつ、高品位なカラー
画像による表示を可能とし、更にネットワークにも対応
したシステムを形成することができる表示装置を提供す
ることを目的とする。更に本発明は、上記目的に加えて
従来のインクジェット方式を改良して、従来のインクジ
ェット方式では不可能であった前記の問題点を解決し、
表示媒体に記録した画像を表示後、消去用部材にて容易
に画像消去を行うことができる画像表示装置を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、データに基づい
て画像形成用のインクを吐出することにより、表示媒体
に画像を形成及び表示するインクジェット画像表示装置
において、少なくとも、カチオン性物質を含む処理液を
表示媒体上に塗布する手段、特定色のインクを吐出する
手段を備えた画像書き込み手段、表示媒体上に表示され
た画像を消去する手段、及びインク及び/又は処理液中
に含まれる溶媒を回収する手段を備えたことを特徴とす
る画像表示装置を提供する。
【0016】又、本発明は、上記溶媒回収手段によって
回収した溶媒を、表示媒体上に表示された画像の消去液
として使用する手段を備える上記の画像表示装置、カチ
オン性物質を含む処理液を表示媒体上に塗布する手段
が、インクジェット方式又は塗布ローラーである上記の
画像表示装置、カチオン性物質を含む処理液が、更に微
粉砕セルロースを含む上記の画像表示装置、インクが、
アニオン性基を有する水溶性染料を含有するインク又は
顔料及びアニオン性化合物を含有するインクである上記
の画像表示装置を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の画像表示装置の好ましい
実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本
発明の画像表示装置の概略正面図であり、図2は、その
概略側面図である。図1において、画像表示装置は、画
像書き込み部1、表示媒体駆動部2、表示部3、画像消
去部4及び蒸発溶媒回収部5からなる。表示媒体(以下
単に「シート」という。)10は、不図示の筐体側板に
回転自在に軸支したローラー11、12によりエンドレ
ス状に張られている。13、14はそれぞれのローラー
のローラー軸である。28a、28bは、シートの斜行
を防止するためのフランジである。
【0018】シート駆動部2は、ステッピングモータを
内蔵し、ローラー軸14に駆動力を伝達し、シート10
を矢印A方向へ駆動する。画像書き込み部1は、記録へ
ッドユニット20、それを搭載するキャリッジ21、及
びガイド軸22、23の2つのガイド軸によって構成さ
れている。キャリッジ21が移動可能な領域の正面右端
には、下部には回復系ユニット26があり、非記録時に
記録へッド24(図2)の吐出部を不図示のキャップ部
材でキャップを行うことや、記録へッド24のノズル群
27(図4)(処理液用ノズル27a、ブラック色イン
ク用ノズル27b、シアン色インク用ノズル27c、マ
ゼンタ色インク用ノズル27d、イエロー色インク用ノ
ズル27e)、或いはノズル近傍のクリーニングを行う
ためのインク吸引手段やワイピング手段が搭載されてい
る。
【0019】通常、図3に示すように、回復系ユニット
26上に記録ユニット20がある位置を記録ヘッド24
のホームポジションという。画像書き込み部1で順次書
き込まれた画像は、シート駆動部2の駆動によりシート
10が搬送されることにより図中矢印A方向に移動す
る。よって、所望の画像が書き終わると、画像は表示部
3の適当な表示位置に表示されることとなる。この表示
位置では、電子黒板用ペンで追記することが可能であ
る。
【0020】シート10の裏面には、図2に示すよう
に、シート10が弛まぬよう支持板33が設けられてい
る。本発明においてはシート10上に書き込まれた画像
は随時消去されるため、シート10はインクジェット方
式による画像を書き込み易く、且つ消去し易い素材であ
ることが望まれる。即ち、シート10表面に染料が浸透
するような多孔質形状を有するシートは本発明には適さ
ず、表面が平滑なシートが適しているといえる。このよ
うなシートの表面材料としては、例えば、エチレン−メ
チル(メタ)アクリレート共重合体、セルローストリア
セテート等の疎水性樹脂からなる材料が適している。
又、シート10の剛性上の要請から、ポリエチレンテレ
フタレート等の剛性基材上に上記表面材料をラミネート
や塗工により形成することが好ましい。尚、符号54は
装置外装である。
【0021】画像書き込み部1の詳細な概略図を図3
に、記録へッド下方からの該略図を図4に示した。キャ
リッジ21は、2つのガイド軸22、23によって定め
られた方向に移動可能な構成となっており、シート10
上の記録領域を往復走査する。キャリッジ21には、複
数色のインク及び処理液を吐出する記録ヘッド群24
(a〜e)と、それぞれの記録へッド群24にインクや
処理液を供給するインクタンク群25(a〜e)を含む
記録ヘッドユニット20が搭載されている。この記録へ
ッドユニット20に搭載される複数色のインクは、ブラ
ック色(Bk)、シアン色(C)、マゼンタ色(M)及
びイエロー色(Y)の4色である。
【0022】即ち、キャリッジ21には、処理液と、ブ
ラック色(Bk)、シアン色(C)、マゼンタ色(M)
及びイエロー色(Y)の各色のインクとを吐出する記録
へッド群24(a〜e)と、処理液用タンク25a、B
kインク用タンク25b、Cインク用タンク25c、M
インク用タンク25d及びYインク用タンク25eが搭
載されている。各タンクは、記録へッド群24との接続
部を介して記録ヘッド群24と接続し、吐出口にインク
や処理液を供給する。
【0023】図4は、記録へッド24群の前面の拡大図
を示したものである。記録ヘッド群24は、処理液を吐
出させるへッド24a、Bkインクを吐出させるへッド
24b、Cインクを吐出させるへッド24c、Mインク
を吐出させるへッド24d及びYインクを吐出させるへ
ッド24eを吐出させるための複数のへッドから構成さ
れており、各へッドは記録ユニット20に保持されてい
る。各へッドはそれぞれ256個のノズル27(a〜
e)から構成されている。即ち、図4に示した形態は、
処理液をインクジェット方式によりシートに吐出させる
ものである。
【0024】画像消去部4について詳細に説明する。図
5は、画像消去部4を拡大した概略図である。画像消去
部4は、主にシート10上のインクを払拭消去する離接
可能なブレード40、ブレード支持板41及び消去され
たインクを集積・蓄積する廃インク溜め42と、シート
10上のクリーニングを更に向上させるためのクリーニ
ングローラー43及びクリーニングローラー軸44が設
けられている。
【0025】ブレード離接手段40は、ウレタンゴム等
の弾性材で作られ、シート10の幅とほぼ等しい幅を有
する板状のブレード40と、ブレード10を装着したブ
レード支持板41と、ブレード支持板の回動手段と、引
張スプリング46と、ソレノイド47とからなる。ブレ
ード支持板41の回動手段は、支持板45に回動軸4
9、連結棒50とブレード支持板41を扶持するように
固着し、連結棒50の中央部にはソレノイド47と連結
するプランジャ51を固着している。
【0026】回動軸49は、不図示のフレームに回動自
在に軸支してある。ソレノイド47は不図示のフレーム
に固着し、プランジャ51を連結棒50の中央部に回動
自在に取り付けられる。引張スプリング46は、その一
端が支持板45の一部に取り付け、他端は不図示のフレ
ームに取り付ける。その結果、ブレード40は回動し、
シート10から離接することができる。
【0027】クリーニングローラー43は、ポリウレタ
ンスポンジ等で作られており、シート10の幅とほぼ等
しい幅の円筒状の多孔質のローラー43とローラー軸4
4から構成されており、不図示のフレームに支えられ回
転可能となっている。クリーニングローラー43の駆動
は、シート駆動用ローラー12を駆動する駆動部2から
駆動力が伝達され、シート10の進行方向(図1中の矢
印A方向)に対して対向する(カウンタ方向)方向に回
転することにより、ブレード40で消去が不完全だった
画像を完全に除去する。
【0028】上記構成により、シート10上にインクジ
ェット記録により画像を形成した後、表示を行い、更
に、必要に応じて作成された画像を消去することができ
る。尚、図2の表示部下方には、装置を直接支持する、
又は装置の状態をモニタ表示するための表示・操作パネ
ル(不図示)が設けられている。
【0029】蒸発溶媒回収部5は、蒸発溶媒を冷却する
手段の取り付けられたラジエーター90と、冷却されて
凝縮した溶媒を受けて貯蔵するタンク91と、電磁弁9
2(図2)とから構成されており、消去液供給部80
(図2)に接続されている。インクや処理液から蒸発し
た溶媒は、ラジエーター90の表面等に凝結する。冷却
手段としては、装置内に放出された蒸発溶媒を冷却し凝
縮させて、液体の状態に相変化させられるものであれば
何でもよい。例えば、冷媒圧縮式ヒートポンプ、臭化リ
チウム−水系の溶液を冷媒とした吸収式ヒートポンプ、
ペルチェ効果を利用した電子式冷却法等があり、装置の
大きさや処インク及び処理液の消費量等によって適宜選
択することができる。
【0030】ラジエーター90で冷却されて液滴となっ
た凝縮溶媒は、受け皿を通ってタンク91に落下する。
電磁弁92は、消去が行われるときにホストコンピュー
タ100の指令により一定時間開いて、回収されてタン
ク91中に貯蔵されている凝縮溶媒を、消去液供給部8
0を通じてクリーニングローラー43上に供給させる。
消去液供給部80は、金属やプラスチックス等で作られ
たチューブが一定間隔で配置されている。このようにし
てクリーニングローラー43上に蒸発溶媒回収部5で回
収された回収溶媒を消去液として供給し、回収溶媒をク
リーニングローラー43に含浸させることにより、後記
するクリーニングローラー43による画像消去手段がよ
り優れたものとなる。
【0031】次に本発明の画像表示装置の動作について
説明する。図6は、本発明の画像表示装置のブロック図
である。ホストコンピュータ100から記録すべき文字
や画像のデータ(以下「画像データ」という。)が記録
装置の受信バッファー101に入力される。又、ホスト
コンピュータ100から受信バッファー101へ正しく
データが転送されているかを確認するデータや、表示装
置の動作状態を知らせるデータ等が表示装置からホスト
コンピュータ100に帰される。
【0032】受信バッファー101のデータは、CPU
を有する制御部102の管理下の元で、メモリー部10
3に転送され、RAM(Random Accesses Memory)に一
時的に記憶される。メカコントロール部104は、制御
部102からの司令によりキャリッジモーター、シート
フィード用ステッピングモーター等を有するメカ部10
5を駆動する。
【0033】センサー・スイッチコントロール部106
は、各種センサー及びスイッチからなるセンサー・スイ
ッチ部107からの信号を制御部102に送る。表示素
子コントロール部108は、制御部102からの司令に
より表示パネル群のLEDや液晶表示素子等からなる表
示素子部109を制御する。記録へッドコントロール部
110は、制御部102からの司令により記録へッド1
11を制御する。又、記録へッド111の状態を示す温
度情報等をセンシングし、制御部102に伝える。画像
処理部112は、受信バッファー101に入力された画
像データの処理を行い、又、記録のためのデータを生成
する。
【0034】画像の表示及び消去動作について図7を用
いて説明する。不図示の装置スイッチをONにすること
により電源が投入されると(S1)、駆動部2のシート
駆動モーターが稼動し(S2)、シート10を図1中の
矢印方向Aに送る。シート10の端部に設けてあるマー
カー52をセンサー53(図1)が検知すると(S
3)、シート10は停止する(S4)。画像書き込み部
1は、以下の書き込み部の初期動作を行う(S5)。即
ち、回復系ユニット26の回復系キャップ(不図示)を
解除した後、へッドユニット20のホームポジションを
検知する。
【0035】へッドホームポジションを検知した後、回
復系ユニット26にて、ヘッドからインク吸引やワイピ
ング動作による記録ヘッドの初期動作を行う。初期動作
が終了すると、制御部102は、記録信号を待つ(S
6)。記録信号の入力信号を制御部102が受けると、
記録へッド24による印字開始の前に、メカコントロー
ル部からソレノイド47に信号が送られ、ブレード40
をシート10に接触させ、タンク91中に貯蔵されてい
る回収溶媒をクリーニングローラー43上に消去液とし
て供給する(図7)(S7)。上記動作が終了した時点
で書き込み準備が完了する。
【0036】次いで、ホストコンピュータ100は、表
示すべき画像をシート10のサイズに補正を行い、画像
信号を送信する。この時、装置正面から画像が観察でき
るように、通常のプリンタとは異なり画像下方から印字
を行うように記録へッドに信号を送るよう画像展開を行
う。記録信号が記録へッド群24に送られると、記録へ
ッドからそれぞれブラック色、シアン色、マゼンタ色及
びイエロー色の各インクと、処理液が吐出される。又、
処理液は前記のインクの吐出に先立ち、少なくとも各色
のインクがシートに付着すべき部分に予め吐出付着させ
ておく。
【0037】図3及び図4では、記録へッド群24は、
5つのヘッドよりなるものを使用したが、これに限定さ
れるものでなく、1つの記録ヘッドで、各色インク及び
処理液を液流路を分けて使用してもよい。又、本発明の
装置は、図3及び図4のヘッド配列に限定されるもので
なく、各色インク、処理液のへッド配置やその数は自由
に選択することができる。
【0038】記録信号が送信されると、記録へッド24
はガイド軸22、23に沿ってシート10上に印字を行
う。記録へッド24は、1往復毎に、シート10は記録
へッドの幅に応じてステップ送りされる。印字を開始す
ると、図1中のA方向へのシートの送り量に応じて、シ
ート駆動モーターが駆動・停止を繰り返し、シートが停
止している間に記録へッドのノズルからインクを吐出せ
しめ、シート10上に印字を行う(S8)。
【0039】表示領域に画像印字を終了すると(S
9)、以下の書き込み部終了動作を行う(S10)。即
ち、記録ヘッド24はホームポジションに戻り、回復ユ
ニット26によりクリーニング動作を行ない、キャップ
手段により記録へッド24はキャップされる。又、同時
にメカコントロール部よりソレノイド47に信号が送ら
れ、ブレード40は、シート10より離接する(S1
1)。以上で画像記録(印字作業)が終了ならば(S1
2)、電源をOFFにして(S13)、装置は停止す
る。更に新たな画像を記録表示するためには、S5に戻
り新たに記録表示を開始する。
【0040】前回表示した画像を消去する方法は、記録
へッド24が記録することと同時に前回記録した画像を
消去するモードと、前回記録された画像を消去するだけ
のモードとがあるが、この選択はホストコンピュータ1
00に指示することにより選択が可能である。又、消去
するだけのモードは、装置外装54に取り付けられた表
示・操作パネル(不図示)より消去モードを選択するこ
とが可能である。
【0041】本発明の別の実施形態を、図8〜10を用
いて説明する。図8は、画像書き込み部側面概略図であ
る。画像書き込み部1は、記録へッドユニット20と、
それを搭載するキャリッジ21、及びガイド軸22、2
3の2つのガイド軸によって構成されている。図1〜図
5に示した前記実施形態においては、処理液は、シート
上にインクジェット記録へッドを用いてインクジェット
方式により吐出させた。本実施形態においては、インク
によるインクジェット記録によりシート上に画像形成が
行われる以前に、処理液を塗布ローラーによりシート上
に塗布する。
【0042】図8において、処理液を塗布する手段は、
不図示の駆動モーターにより回転可能な塗布ローラー5
8、処理液送りローラー59、処理液61の入った容器
60及びブレード62よりなる。処理液は、貯蔵する容
器60から処理液送りローラー59の回転により処理液
送りローラー59の表面に塗布される。ブレード62
は、処理液送りローラー59の表面に接触して処理液送
りローラー59の表面の処理液の付着量を制御する。
【0043】処理液は、処理液送りローラー59から、
塗布ローラー58に該2つのローラーの回転と共に移行
し、更にシート10の表面に塗布される。この後、シー
ト10上にインクジェット方式で画像を形成することに
より、シート10上には定着性が良好で、且つ、消去部
では容易に払拭消去が可能な画像を形成することができ
る。本実施形態によれば、前記実施形態で説明したよう
な、インクジェット方式によりシート上に処理液を吐出
する場合より、より確実にシート上に処理液が存在する
ためにインクと処理液が確実に反応するので、シート上
により適正にインクが定着し、なおかつ画像を簡単に消
去することができる。
【0044】画像書き込み部1の詳細な概略図を図9
に、記録ヘッド下方からの該略図を図10に示した。図
9及び図10において、キャリッジ21の動作は、前述
の実施形態と同様である。キャリッジ21には、複数の
色インクを吐出する記録ヘッド群55と、それぞれの記
録へッド群55にインクを供給するインクタンク群56
を含む記録へッドユニット20が搭載されている。尚、
上述したように本実施形態では処理液はインクジェット
方式によりシート上に吐出させるものではないため、前
記実施形態に存在する処理液を吐出する記録へッド等は
存在しない。
【0045】この画像表示装置に搭載される複数の色の
インクは、ブラック色(Bk)、シアン色(C)、マゼ
ンタ色(M)、イエロー色(Y)、薄いシアン色(U
C)及び薄いマゼンタ色(UM)の6色である。薄いシ
アン色及び薄いマゼンタ色は、シアン色及びマゼンタ色
の濃度よりそれぞれ約1/4に希釈されている。このよ
うに、6色のインクを用いれば、4色のインクを用いる
場合に比べて画像階調性が向上すると共にインクジェッ
ト記録に発生しやすい粒状性を抑えることが可能とな
り、画像品位が向上する。
【0046】ブラック色(Bk)、シアン色(C)、マ
ゼンタ色(M)、イエロー色(Y)、薄いシアン色(U
C)及び薄いマゼンタ色(UM)の各色のインクは、B
kインク用タンク56a、Cインク用タンク56b、M
インク用タンク56c、Yインク用タンク56d、UC
インク用タンク56e及びUMインク用タンク56fが
搭載される。各タンクは、記録へッド群55との接続部
を介して記録へッド群55(Bkインク用へッド56
a、Cインク用へッド56b、Mインク用へッド56
c、Yインク用へッド56d、UCインク用へッド56
e及びUMインク用へッド56f)と対応して接続さ
れ、吐出口にインクを供給する。
【0047】26は回復系ユニットであり、非記録時に
記録ヘッド群55の吐出部を不図示のキャップ部材でキ
ャップすることや、記録へッド群55のノズル群57
(Bkインク用ノズル57a、Cインク用ノズル57
b、Mインク用ノズル57c、Yインク用ノズル57
d、UCインク用ノズル57e及びUMインク用ノズル
57f)或いはノズル近傍のクリーニングを行うための
インク吸引手段やワイピング手段が搭載されている。
尚、以上の実施形態においても前記の溶媒回収手段が設
けられていることは当然である。
【0048】本発明の画像表示装置自体の説明は以上で
ある。次に、本発明で使用される処理液及びインクにつ
いて説明する。本発明で使用される処理液は、少なくと
もカチオン性物質を含むものである。更に、微粉砕セル
ロースが含有されていることが好ましい。処理液は、ア
ニオン性化合物(例えば、色材としての染顔料)を含む
インクとシート上で混合されると、反応の第一段階とし
て、処理液に含まれているカチオン性物質のうち低分子
量の成分と、インク中のアニオン性化合物とがイオン的
相互作用により会合を起こし、インク中の染料が瞬間的
に凝集し溶液相から分離を起こす。
【0049】次に、処理液中に微粉砕セルロースが含ま
れている場合は、反応の第2段階として、アニオン性化
合物と低分子量のカチオン性物質との会合体が、処理液
中に含まれる微粉砕セルロースにより吸着されるため
に、上記した会合で生じた染料の凝集体のサイズが更に
大きくなり、その結果、固液分離する。この状態で液体
部分はシート上に定着する部分の役割と、画像消去を容
易にするという特徴をもたらす。
【0050】更に、カチオン性物質の低分子量の成分と
アニオン性染料と微粉砕セルロースとで形成される凝集
体は、その粘性の上昇によりシート上に適度に定着する
ための条件を満たすだけでなく、シート上の画像の液だ
れによる像流れを起こすことがない。又、長時間放置し
ても、マイグレーションや隣接ドットが交じり合うこと
なく、異色画像の境界面でインクが滲む(ブリーディン
グ)現象も生じない。即ち、通常用いられるインクジェ
ット用インクを単に利用しただけでは不可能であった、
消去可能で且つマイグレーションやブリーディング及び
液だれを生じない、高品位な画像をシート上に形成する
ことが可能となった。
【0051】上記処理液に含有されるカチオン性物質と
しては、好ましくは分子量1,000以下のカチオン性
物質であれば何れのものでも好適に用いられるが、分子
量100〜700の低分子量のカチオン性物質を用いる
ことがより好ましい。分子量があまりにも小さいと画像
安定性向上効果が小さく、分子量があまりにも大きいと
染料の種類によっては発色性低下の傾向があるためであ
る。
【0052】このようなカチオン性物質としては、具体
的には、例えば、ラウリルアミン、ヤシアルキルアミ
ン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂アルキル
アミン、ロジンアミン等の塩酸塩、リン酸塩又は酢酸塩
等の1級、2級又は3級アミンの塩;ラウリルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ラウリルベンジルトリメチ
ルクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウム
クロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライ
ド、ラウリルトリメチルアンモニウムメトサルフェー
ト、ラウリルベンジルトリメチルメトサルフェート、ラ
ウリルジメチルベンジルアンモニウムメトサルフェー
ト、ベンジルトリブチルアンモニウムメトサルフェー
ト、塩化ベンザルコニウム等の4級アンモニウム塩;セ
チルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロ
マイド等のピリジニウム塩型化合物;2−ヘプタデセニ
ル−ヒドロキシエチルイミダゾリン等のイミダゾリン型
カチオン性化合物;ジヒドロキシエチルステアリルアミ
ン等の高級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物等
が挙げられる。
【0053】更にカチオン性物質として、特定のpH領
域においてカチオン性を示す両性界面活性剤も使用する
ことができる。具体的には、例えば、アミノ酸型両性界
面活性剤;R-NH-CH2-CH2-COOH型の化合物;ステアリル
ジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイ
ン等のカルボキシベタイン型両性界面活性剤、スルホベ
タイン型両性界面活性剤、ホスホベタイン型両性界面活
性剤等の両性界面活性剤等が挙げられる。これらの両性
界面活性剤を使用する場合には、それらの等電点以下の
pHになるように処理液のpHを調整するか、シート上
でインクと混合した場合に該等電点以下のpHになるよ
うに調整するかの何れかの方法をとることが好ましい。
【0054】又、処理液は更に微粉砕セルロースを含む
ことが好ましい。微粉砕セルロースとは、植物繊維を乾
燥して得られる結晶セルロースを更に粉砕して、微粒子
状或いは微細結晶状に加工したものであるが、本発明に
使用される微粉砕セルロースの好適な粒子径は、レーザ
ー散乱方式により測定される平均粒径が5.0μm以下
である。5.0μmより大きいと、インクジェット記録
ヘッドのノズル近傍で固着が起こるおそれがあるためで
ある。
【0055】又、処理液は、上記の微粉砕セルロースの
他に、更に分子量2,000以上のカチオン性ポリマー
を含んでもいてよい。カチオン性ポリマーとしては、例
えば、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミンスルホン塩
酸塩、ポリビニルアミン塩酸塩、キトサン酢酸塩、ポリ
ジメチルジアリルアンモニウムクロライド等が挙げられ
る。
【0056】上記のカチオン性ポリマーとして、ノニオ
ン性ポリマーの一部をカチオン化した化合物を用いても
よい。具体的には、例えば、ビニルピロリドンとアミノ
アルキルアクリレート4級塩との共重合体、アクリルア
ミドとアミノメチルアクリルアミド4級塩との共重合体
等が挙げられる。尚、本発明で述べる分子量とは、特に
記載の無い限り、GPCにより求めたポリエチレンオキ
シド換算の重量平均分子量のことを指す。
【0057】本発明に使用する上記処理液中に含まれる
これらの成分の量としては、カチオン性物質と微粉砕セ
ルロースとを合わせた含有量が、処理液全量に対して好
ましくは0.05〜20重量%の範囲であり、より好ま
しくは0.5〜5重量%の範囲であるが、各々使用する
物質の組み合わせにより、最適な範囲を決定する必要が
ある。又、処理液中のカチオン性物質と微粉砕セルロー
スの混合割合は、重量基準で10:1〜1:10、好ま
しくは5:1〜1:5の範囲である。この割合が10:
1を超えると印字物の画像安定性が低下し易く、逆に
1:10以下ではブリーディングの抑制が不十分であ
り、画像のエッジシャープネスが低下し易い。
【0058】次に、処理液を構成するその他の成分につ
いて具体的に説明する。本発明に使用する処理液は、上
記したカチオン性物質と微粉砕セルロースの他に通常、
水、水溶性有機溶剤及びその他の添加剤からなる。水溶
性有機溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、イソブ
チルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘ
キサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリ
コール、ジエチレングリコール、グリセリン等のポリオ
ール類;エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アル
キルエーテル類;エタノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の
1価アルコール類;その他、N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、トリエタノ
ールアミン、スルホラン、ジメチルスルホキサイド等が
挙げられる。上記水溶性有機溶剤の含有量について特に
制限はないが、処理液全量に対して、好ましくは5〜6
0重量%、更に好ましくは5〜40重量%の範囲であ
る。又、上記処理液には、更にこの他、必要に応じて粘
度調整剤、pH調整剤、防腐剤、各種界面活性剤、酸化
防止剤及び蒸発促進剤等の添加剤を適宜配合してもよ
い。
【0059】上記処理液は、無色であることがより好ま
しいが、シート上でインクと混合された際に、各色イン
クの色調を変えない範囲であれば淡色のものでもよい。
更に、以上の処理液の各種物性の好適な範囲としては、
25℃付近で、pHが3〜12、好ましくは3〜8、よ
り好ましくは3〜5であり、表面張力が10〜60dy
n/cm、より好ましくは10〜40dyn/cm、粘
度が1〜30cPs程度である。尚、上記処理液の表面
張力は、該処理液と共に使用されるインクの表面張力よ
りも低い方が好ましい。
【0060】次に、本発明で使用されるインクについて
説明する。本発明で使用されるインクは、色材としてア
ニオン性基を含有する水溶性染料を用いるか、又は色材
として顔料を用いる場合には、アニオン性化合物を併用
させたものを用いることが好ましい。本発明で使用され
る上記のインクには、更に水、水溶性有機溶剤及びその
他の成分、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、
界面活性剤、酸化防止剤等が必要に応じて含まれる。
【0061】本発明で使用されるアニオン性基を含有す
る水溶性染料としては、カラーインデックス(COLOUR I
NDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、
反応性染料等であれば特に限定はない。又、カラーイン
デックスに記載されていないものでも、アニオン性基、
例えば、スルホキシル基又はカルボキシル基等を有する
ものであれば特に制限はない。ここでいう水溶性染料の
中には、溶解度のpH依存性があるものも当然に含まれ
る。
【0062】上記のような、色材として水溶性染料が含
有されているインクに含有される水溶性有機溶剤として
は、前記した処理液に使用される水溶性有機溶剤を同様
に用いることができる。又、これらの水溶性有機溶剤の
インク中の含有量の好適な範囲についても同様である。
更に、インクの好適な物性範囲についても、前記の処理
液の場合と全く同様である。但し、インクの表面張力に
ついては、インクの表面張力を前記の処理液の表面張力
よりも高くした方が、画像形成をするにあたって有効な
場合があるので好ましい。これは、両者の表面張力を調
整すれば、例えば、印字プロセス上、先に打ち込まれた
又は塗布された処理液が、後から打ち込まれるインクの
シート上での濡れ性を均一にし得る効果を発揮するため
であろうと考えられる。
【0063】本発明で使用されるインクの色材として顔
料を用いる場合には、顔料の量は、インク全重量に対し
て、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜1
2重量%の範囲で用いる。上記インクにおいて使用され
る顔料としては、具体的には、黒色のインクに使用され
るものとしてカーボンブラックが挙げられるが、例え
ば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブ
ラックであって、一次粒子径が15〜40mμ、BET
法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油
量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜1
0%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好ましく
用いられる。
【0064】このような物性を有する市販品としては、
例えば、No.2300、No.900、MCF88、
No.33、No.40、No.45、No.52、M
A7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成
製)、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL400
R、REGAL330R、REGA L660R、MOGUL L(以上、
キャボット製)、Color Black FW l、Color Black FW
18、Color Black S 170、Color Black S 15
0、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等
があり、何れも好ましく使用することができる。
【0065】又、シアンのインクに使用される顔料とし
ては、例えば、C.I.Pigment Blue1、C.I.Pigment Blue
2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:
3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、
C.I.Vat Blue 4、C.I.VatBlue 6等が挙げられ、マゼ
ンタのインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.
Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Re
d 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment
Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、
C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122等が
挙げられ、イエローのインクに使用される顔料として
は、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yel
low 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow
13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow
83等が挙げられるが、これらに限られるものではな
い。又、以上の他、本発明のために新たに製造された顔
料も勿論使用することができる。
【0066】又、色材として顔料を使用する場合に、イ
ンク中に含有させる分散剤としては、水溶性樹脂ならど
のようなものでも使用することができるが、重量平均分
子量が1,000〜30,000の範囲のものが好まし
く、3,000〜15,000の範囲のものがより好ま
しく使用される。このような分散剤としては、具体的に
は、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタ
レン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不
飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、アクリル
酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導
体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマ
ール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリ
ルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2
つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量
体)からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合
体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられ
る。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹
脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、
塩基を溶解させた水溶液に可溶であるアルカリ可溶型樹
脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水
溶性樹脂は、インク全重量に対して0.1〜5重量%の
範囲で含有させるのが好ましい。
【0067】特に、上記したような顔料が含有されてい
るインクの場合には、インク全体が中性又はアルカリ性
に調整されていることが好ましい。こうすれば、顔料分
散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、
長期保存性に一層優れたインクとすることができるので
好ましい。但し、この場合、インクジェット記録装置に
使われている種々の部材の腐食の原因となる場合がある
ので、pHは7〜10の範囲とするのが望ましい。この
際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有
機酸や鉱酸等が挙げられる。上記したような顔料及び分
散剤である水溶性樹脂は、水性溶媒中に分散又は溶解さ
れる。上記顔料が含有されたインクにおいて、好適な水
性溶媒は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水
としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イ
オン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
【0068】水と混合して使用される水溶性有機溶剤と
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のア
ルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等のアミド類;アセトン、メチルイソブチ
ルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトア
ルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ
ール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエ
チレングリコール等のポリオール類;グリセリン;エチ
レングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジ
エチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、ト
リエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテ
ル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−
メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0069】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でもジ
エチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレン
グリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価
アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。上記の
水溶性有機溶剤のインク中の含有量は、一般的にはイン
ク全重量の3〜50重量%の範囲が好ましく、3〜40
重量%の範囲がより好ましい。又、使用される水の含有
量としては、インク全重量の10〜90重量%が好まし
く、30〜80重量%の範囲がより好ましい。
【0070】上記のような顔料が含有されたインクは、
上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つイ
ンクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を適
宜に添加することができる。又、色材として上記顔料の
他に前記したような水溶性染料等を適宜添加することも
できる。又、前記と同様に、顔料が含有されているイン
クを用いる場合も、インクの表面張力が本発明で使用す
る処理液の表面張力よりも大きい方が好ましいため、イ
ンク中に含有させる界面活性剤等によりインクの表面張
力をそのように調整するのが好ましい。
【0071】上記したような顔料が含有されたインクの
作製方法としては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂
及び水が少なくとも含有された水性媒体に顔料を添加
し、撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、
必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得
る。次に、この分散液にサイズ剤、及び、上記で挙げた
ような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌してイ
ンクとする。尚、分散剤として前記したようなアルカリ
可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させるため
に塩基を添加することが必要であるが、この際の塩基類
としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパ
ノール等の有機アミン;アンモニア;水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム等の無機塩基等が好ましく使用され
る。
【0072】又、顔料を含有するインクの作製方法にお
いては、顔料を含む水性媒体を攪拌し分散処理する前
に、プレミキシングを30分間以上行うのが効果的であ
る。即ち、このようなプレミキシング操作は、顔料表面
の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進す
ることができるため、好ましい。上記した顔料の分散処
理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機
なら、如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、
ロールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中で
も、高速型のサンドミルが好ましく使用され、このよう
なものとしては、例えば、スーパーミル、サンドグライ
ンダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダ
イノーミル、パールミル及びコボルミル(何れも商品
名)等が挙げられる。
【0073】又、顔料を含有するインクをインクジェッ
ト記録に使用する場合には、耐目詰り性等の要請から、
最適な粒度分布を有する顔料が用いられるが、所望の粒
度分布を有する顔料を得る方法としては、分散機の粉砕
メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディアの充
填率を大きくすること、処理時間を長くすること、吐出
速度を遅くすること、粉砕後フィルターや遠心分離機等
で分級すること及びこれらの手法の組合せ等の手法が挙
げられる。
【0074】本発明において、顔料を含有するインクを
使用する場合には、インク中に上記で説明した各種成分
の他に、アニオン性界面活性剤或いはアニオン性の高分
子物質等、アニオン性化合物を添加するのが好ましい。
特に、分散剤としてアニオン性化合物が用いられていな
い場合には、このようなアニオン性物質を添加すること
が必須である。この際の添加量としては、全量に対して
好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.
2〜5重量%である。又、両性界面活性剤をその等電点
以下のpHに調整して含有させるのも好ましい形態であ
る。この際に使用されるアニオン性界面活性剤の例とし
ては、例えば、カルボン酸塩型、硫酸エステル塩型、ス
ルホン酸塩型、燐酸エステル塩型等、一般に使用されて
いるものを何れも好ましく使用することができる。又、
アニオン性高分子の例としては、アルカリ可溶型の樹
脂、具体的には、ポリアクリル酸ソーダ、或いは高分子
の一部にアクリル酸を共重合したもの等を挙げることが
できる。
【0075】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明を更
に具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」とある
のは、特に示さない限り重量基準とする。微粉砕セルロ
ースの粒子径は、レーザー散乱方式により測定した。
又、カチオン性物質の分子量は、GPCで測定したポリ
エチレンオキシド換算の重量平均分子量であり、顔料イ
ンクの分散剤の重量平均分子量については、スチレンポ
リマーを標準としたGPC法により測定した。
【0076】実施例1 エチレン含有量が90%で、重量平均分子量が20万の
エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMMA樹
脂)をシート成形した後、白色ベースフィルム(PE
T)と貼り合わせ、ラミネートシートを作成した。この
シートを図1に示す画像表示装置にシート(表示媒体)
として設置した。次に、以下に示す処理液AとインクI
を調製した。処理液Aの作製 まず、下記の成分を混合溶解した後、更にポアサイズが
0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロ
ポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過し、pHを
4.8に調整した処理液Aを得た。
【0077】 <処理液Aの成分> ・ベンジルトリ−n−ブチルアンモニウムクロライド(分子量:311) 5.0部 ・セオラスクリーム(平均粒子径3.5μm)[旭化成製、微結晶性セルロー ス、10%スラリー] 10.0部 ・ジエチレングリコール 10.0部 ・イオン交換水 75.0部
【0078】インクIの作製 次に、下記の成分を混合し、更にポアサイズが0.22
μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィ
ルター、住友電工製)にて加圧濾過して、アニオン性基
を含む染料が含有されているブラック、シアン、マゼン
タ及びイエローの各色インクBk1、C1、M1及びY
1を得た。このBk1、C1、M1及びY1をインクI
とした。尚、各液のpHは4.8に調整した。
【0079】 <ブラックインクBk1> ・C.I.フードブラック2 4.0部 ・チオジグリコール 10部 ・アセチレノールEH 0.05部 ・イオン交換水 85.95部 <シアンインクC1> ・C.I.アシッドブルー9 2.5部 ・チオジグリコール 10部 ・アセチレノールEH 0.05部 ・イオン交換水 87.45部
【0080】 <マゼンタインクM1> ・C.I.アシッドレッド289 2.5部 ・チオジグリコール 10部 ・アセチレノールEH 0.05部 ・イオン交換水 87.45部 <イエローインクY1> ・C.I.ダイレクトイエロー86 2部 ・チオジグリコール 10部 ・アセチレノールEH 0.05部 ・イオン交換水 87.95部
【0081】上記のようにして得られた処理液A及びイ
ンクIを、図3に示すインクジェット記録ヘッドユニッ
トに収納し、図3及び図4に示す画像書き込み手段、図
5に示す消去手段及びペルチェ素子を用いた電子式冷却
手段による溶媒回収手段を搭載した、図1に示す画像表
示装置を用いてカラー画像を表示し、その後に消去処理
を行なった。尚、記録・消去動作前の初期状態におい
て、ペルチェ素子に直流電流を流し、ラジエーター90
を十分冷却しておいた後、記録・消去の動作を行った。
このように予めラジエーターを冷却しておくと、画像表
示装置内の湿度が低下して、画像表示後にインク及び処
理液中の揮発成分(本実施例においては主に水)が蒸発
しやすくなり、画像の定着性も向上することが期待され
る。
【0082】その結果、画像の表示に際してはシート
(表示媒体)上でインクが撥かれたり、流れたり、隣接
ドットが混じり合うこともなく定着性が良好であり、良
好な画像表示を行うことができた。又、画像の消去に際
しては2個の消去部材及び回収溶媒を利用した消去手段
により良好なクリーニングが可能となり、消去後のシー
ト面には消去残りのインク片が認められなかった。又、
本実施例の画像表示装置を上記の要領で10分間おきに
新しい画像を表示させたが、装置内の湿度が上昇するこ
とによるインク又は処理液の定着性の劣化等は起こらな
かった。更に、本実施例の画像表示装置を運転させ、画
像を表示をさせたままで1週間放置した後に、新しい画
像を形成させるための記録を行ったところ、古い画像は
ほぼ完全に消去され、新しく記録された画像の劣化は見
られなかった。
【0083】実施例2 実施例1で使用した処理液Aを図8に示す処理液塗布手
段に、インクIを図9に示すインクジェット記録ヘッド
ユニットに収納し、図9及び図10に示す画像書き込み
手段、図8に示す処理液塗布手段、図5に示す消去手段
及びペルチェ素子を用いた電子式冷却手段による溶媒回
収手段を搭載した、図1に示す画像表示装置を用いてカ
ラー画像を表示し、その後に消去処理を行なった。
【0084】その結果、画像の表示に際してはシート
(表示媒体)上でインクが撥かれたり、流れたり、隣接
ドットが混じり合うこともなく定着性が良好であり、良
好な画像表示を行うことができた。又、画像の消去に際
しては2個の消去部材及び回収溶媒を利用した消去手段
により良好なクリーニングが可能となり、消去後のシー
ト面には消去残りのインク片が認められなかった。又、
本実施例の画像表示装置を上記の要領で10分間おきに
新しい画像を表示させたが、装置内の湿度が上昇するこ
とによるインク又は処理液の定着性の劣化等は起こらな
かった。更に、本実施例の画像表示装置を運転させ、画
像を表示をさせたままで1週間放置した後に、新しい画
像を形成させるための記録を行ったところ、古い画像は
ほぼ完全に消去され、新しく記録された画像の劣化は見
られなかった。
【0085】実施例3 実施例1の処理液Aと同様にして下記の成分からなる処
理液Bを作製した。<処理液Bの成分> ・ポリアリルアミン塩酸塩(PAA−HCI−3L、日東紡績製、分子量分布の ピーク=10,000) 0.5部 ・セオラスクリーム(平均粒子径3.5μm)[旭化成製、微結晶性セルロー ス、10%スラリー] 10.0部 ・ラウリルベンジルジメチルアンモニウムクロライド(分子量:353) 1.0部 ・ジエチレングリコール 10.0部 ・イオン交換水 78.5部
【0086】上記のようにして得られた処理液B及びイ
ンクIを、実施例1で使用した画像表示装置を用いてカ
ラー画像を表示し、その後に消去処理を行なった。その
結果、画像の表示に際してはシート(表示媒体)上でイ
ンクが撥かれたり、流れたり、隣接ドットが混じり合う
こともなく定着性が良好であり、良好な画像表示を行う
ことができた。又、画像の消去に際しては2個の消去部
材及び回収溶媒を利用した消去手段により良好なクリー
ニングが可能となり、消去後のシート面には消去残りの
インク片が認められなかった。又、本実施例の画像表示
装置を上記の要領で10分間おきに新しい画像を表示さ
せたが、装置内の湿度が上昇することによるインク又は
処理液の定着性の劣化等は起こらなかった。更に、本実
施例の画像表示装置を運転させ、画像を表示をさせたま
まで1週間放置した後に、新しい画像を形成させるため
の記録を行ったところ、古い画像はほぼ完全に消去さ
れ、新しく記録された画像の劣化は見られなかった。
【0087】実施例4 実施例3で使用した処理液Bを図8に示す処理液塗布手
段に、インクIを図9に示すインクジェット記録ヘッド
ユニットに収納し、実施例2で使用した画像表示装置を
用いてカラー画像を表示し、その後に消去処理を行なっ
た。その結果、画像の表示に際してはシート(表示媒
体)上でインクが撥かれたり、流れたり、隣接ドットが
混じり合うこともなく定着性が良好であり、良好な画像
表示を行うことができた。又、画像の消去に際しては2
個の消去部材及び回収溶媒を利用した消去手段により良
好なクリーニングが可能となり、消去後のシート面には
消去残りのインク片が認められなかった。又、本実施例
の画像表示装置を上記の要領で10分間おきに新しい画
像を表示させたが、装置内の湿度が上昇することによる
インク又は処理液の定着性の劣化等は起こらなかった。
【0088】更に、本実施例の画像表示装置を運転さ
せ、画像を表示をさせたままで1週間放置した後に、新
しい画像を形成させるための記録を行ったところ、古い
画像はほぼ完全に消去され、新しく記録された画像の劣
化は見られなかった。実施例5下記の条件でそれぞれ顔
料及びアニオン性化合物を含むブラック、シアン、マゼ
ンタ及びイエローの各色インクBk2、C2、M2及び
Y2を得た。このBk2、C2、M2及びY2をインク
IIとた。
【0089】インクIIの作製 <ブラックインクBk2>(顔料分散液の作製) ・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(酸価140、重量平均分 子量5,000) 1.5部 ・モノエタノールアミン 1.0部 ・ジエチレングリコール 5.0部 ・イオン交換水 81.5部
【0090】上記成分を混合し、ウォーターバスで70
℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。この溶液に新
たに試作されたカーボンブラック(MCF88、三菱化
成製)10部、イソプロピルアルコール1部を加え、3
0分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処
理を行った。 ・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製) ・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径 ・粉砕メディアの充填率:50%(体積比) ・粉砕時間:3時間
【0091】更に、遠心分離処理(条件:12,000
rpm.、20分間)を行い、粗大粒子を除去して分散
液とした。上記の分散液を使用し、下記の組成比を有す
る成分を混合し、顔料を含有するインクを作製し、これ
をブラックインクBk2とした。 ・上記顔料分散液 30.0部 ・グリセリン 10.0部 ・エチレングリコール 5.0部 ・N−メチルピロリドン 5.0部 ・エチルアルコール 2.0部 ・イオン交換水 48.0部
【0092】<シアンインクC2>ブラックインクBk
2の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF8
8、三菱化成製)10部をピグメントブルー15に代え
たこと以外は、ブラックインクBk2の調製と同様にし
てシアンインクC2を調製した。 <マゼンタインクM2>ブラックインクBk2の調製の
際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成
製)10部をピグメントレッド7に代えたこと以外は、
ブラックインクBk2の調製と同様にしてマゼンタイン
クM2を調製した。
【0093】<イエローインクY2>ブラックインクB
k2の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF8
8、三菱化成製)10部をピグメントイエロー74に代
えたこと以外は、ブラックインクBk2の調製と同様に
してイエローインクY2を調製した。実施例1で使用し
た処理液A及び上記のようにして得られたインクIIを、
実施例1で使用した図1に示す画像表示装置を用いてカ
ラー画像を表示し、その後に消去処理を行なった。
【0094】その結果、画像の表示に際してはシート
(表示媒体)上でインクが撥かれたり、流れたり、隣接
ドットが混じり合うこともなく定着性が良好であり、良
好な画像表示を行うことができた。又、画像の消去に際
しては2個の消去部材及び回収溶媒を利用した消去手段
により良好なクリーニングが可能となり、消去後のシー
ト面には消去残りのインク片が認められなかった。又、
本実施例の画像表示装置を上記の要領で10分間おきに
新しい画像を表示させたが、装置内の湿度が上昇するこ
とによるインク又は処理液の定着性の劣化等は起こらな
かった。更に、本実施例の画像表示装置を運転させ、画
像を表示をさせたままで1週間放置した後に、新しい画
像を形成させるための記録を行ったところ、古い画像は
ほぼ完全に消去され、新しく記録された画像の劣化は見
られなかった。
【0095】実施例6 実施例1で使用した処理液Aを図8に示す処理液塗布手
段に、上記のようにして得られたインクIIを図9に示す
インクジェット記録ヘッドユニットに収納し、実施例2
で使用した画像表示装置を用いてカラー画像を表示し、
その後に消去処理を行なった。その結果、画像の表示に
際してはシート(表示媒体)上でインクが撥かれたり、
流れたり、隣接ドットが混じり合うこともなく定着性が
良好であり、良好な画像表示を行うことができた。又、
画像の消去に際しては2個の消去部材及び回収溶媒を利
用した消去手段により良好なクリーニングが可能とな
り、消去後のシート面には消去残りのインク片が認めら
れなかった。又、本実施例の画像表示装置を上記の要領
で10分間おきに新しい画像を表示させたが、装置内の
湿度が上昇することによるインク又は処理液の定着性の
劣化等は起こらなかった。更に、本実施例の画像表示装
置を運転させ、画像を表示をさせたままで1週間放置し
た後に、新しい画像を形成させるための記録を行ったと
ころ、古い画像はほぼ完全に消去され、新しく記録され
た画像の劣化は見られなかった。
【0096】比較例1 処理液Aを使用しなかったことを除いては、実施例1と
全く同様の表示を行った。その結果、シートに対するイ
ンクの定着性は悪く、インクドットが拡がったり、流れ
たり、インクドットが混ざり合って満足し得るカラー画
像は形成されなかった。又、実施例1のように、回収し
た溶媒を利用した消去手段を用いないモードで画像表示
装置を運転させ、画像を表示をさせたままで1週間放置
した後に、新しい画像を形成させるための記録を行った
が、古い画像が完全に消去することができなかったため
に若干の画質の劣化が生じていた。
【0097】
【発明の効果】本発明の提供する画像表示装置は、ネッ
トワークに対応した高品位なカラー画像表示を提供する
だけでなく、省資源化や環境問題に対応する装置であ
る。上記のようにカチオン性化合物を含む処理液及び該
処理液塗布手段を用いることにより、シート(表示媒
体)がインクを撥くことなく良好な表示を行うことが可
能となった。又、シートへの定着性の向上だけでなく、
消去手段によりシートから画像を良好にクリーニングす
ることが可能となった。又、インク又は処理液中に含ま
れる溶媒を回収する手段を備えることで、画像表示装置
内の結露を防ぐことができ、更に回収した溶媒を消去手
段に消去液として使用することにより、シートから画像
を良好にクリーニングすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像表示装置の概略正面図。
【図2】本発明の画像表示装置の概略側面図。
【図3】本発明の画像表示装置の画像書き込み部の詳細
な概略図。
【図4】本発明の画像表示装置の記録へッド下方からの
該略図。
【図5】本発明の画像表示装置の画像消去部4を拡大し
た概略図。
【図6】本発明の画像表示装置のブロック図。
【図7】本発明の画像表示装置の表示及び消去動作につ
いてのフローチャート。
【図8】本発明の画像表示装置の画像書き込み部の側面
概略図。
【図9】本発明の画像表示装置の画像書き込み部の詳細
な概略図。
【図10】本発明の画像表示装置の記録へッド下方から
の該略図。
【符号の説明】
1:画像書き込み部 2:シート駆動部 3:表示部 4:画像消去部 5:蒸発溶媒回収部 10:表示媒体(シート)11、12:ローラー13、
14:ローラー軸28a、28b:フランジ 15:シート駆動部 20:記録へッドユニット 21:キャリッジ 22、23:ガイド軸 24:記録へッド群 25:インクタンク群 26:回復系ユニット 27:ノズル群 33:支持板 40:ブレード 41:ブレード支持板 42:廃インク溜め 43:クリーニングローラー 44:クリーニングローラー軸 45:支持板 46:引張スプリング 47:ソレノイド 49:回動軸 50:連結棒 51:プランジャ 52:マーカー 53:センサー 54:装置外装 55:記録へッド群 56:インクタンク群 57:ノズル群 57a:Bkインク用ノズル 59:処理液送りローラー 60:容器 61:処理液 62:ブレード 80:消去液供給部 90:ラジエーター 91:タンク 92:電磁弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B43L 1/04 B41J 29/00 G Fターム(参考) 2C056 EA04 EA11 EA25 EC79 EE18 FA10 FB01 FC02 HA29 HA42 JC04 JC25 KD10 2C061 AP10 AQ05 AR01 AS11 CJ05 GG03 GG06 GG12 GG22 GG40 2C071 CA02 CA05 CD01 EA02 EC01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データに基づいて画像形成用のインクを
    吐出することにより、表示媒体に画像を形成及び表示す
    るインクジェット画像表示装置において、少なくとも、
    カチオン性物質を含む処理液を表示媒体上に塗布する手
    段、特定色のインクを吐出する手段を備えた画像書き込
    み手段、表示媒体上に表示された画像を消去する手段、
    及びインク及び/又は処理液中に含まれる溶媒を回収す
    る手段を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 溶媒回収手段によって回収した溶媒を、
    表示媒体上に表示された画像の消去液として使用する手
    段を備える請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 カチオン性物質を含む処理液を表示媒体
    上に塗布する手段が、インクジェット方式である請求項
    1に記載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】 カチオン性物質を含む処理液を表示媒体
    上に塗布する手段が、塗布ローラーである請求項1に記
    載の画像表示装置。
  5. 【請求項5】 カチオン性物質を含む処理液が、更に微
    粉砕セルロースを含む請求項1に記載の画像表示装置。
  6. 【請求項6】 インクが、アニオン性基を有する水溶性
    染料を含有する請求項1に記載の画像表示装置。
  7. 【請求項7】 インクが、顔料及びアニオン性化合物を
    含有する請求項1に記載の画像表示装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006205727A (ja) * 2004-12-28 2006-08-10 Canon Inc インクジェット記録装置および該装置のインク処理方法
US7543899B2 (en) 2004-03-25 2009-06-09 Fujifilm Corporation Inkjet recording apparatus and liquid application method
JP2011083950A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットプリンタ
US8136909B2 (en) 2004-12-28 2012-03-20 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet printing apparatus and ink processing method for same

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