JP4769387B2 - 搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークを載置または保持する独立した複数の作業テーブルが個々の作業ステーションを通過するように移動し、それぞれの作業テーブルを各ステーションでの作業タイミングに応じて間欠的に移動させるようにした搬送装置に係わり、特に可及的に多数の作業ステーションを一直線状に並設しつつ、作業テーブルを精度良く各作業ステーションに間欠移送可能にした搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動組立機や製品の検査機およびチップなどを基盤に取り付ける実装機などのあらゆる自動機械では、ワークや製品を所定の作業ステーションまで搬送して、ロボットなどによる組立や検査の作業が行われる。この場合、各作業ステーションではワークや製品を停止させた状態で作業が行われるため、個々のワークおよび製品の搬送は、それぞれのステーションでの作業時間を考慮して移動および停止を繰り返すようにして間欠的に行う必要がある。
【0003】
このため、従来では図20および図21に示すように、一定の入力回転を間欠回転に変換する割出装置1を用いた搬送装置2,2aが用いられる。即ち、図20の搬送装置2はカムを用いた割出装置1の出力軸3にメインスプロケット4を固設するとともに、このメインスプロケット4と、所定間隔を設けて配置したサブスプロケット4aとの間にチェーン5を周回し、このチェーン5に所定間隔を設けて複数のテーブル6を取り付けてある。この場合、上記メインスプロケット4および上記サブスプロケット4aは水平軸を中心に回転され、上記テーブル6は両スプロケット4,4a間で水平に配置される。
一方、図21の搬送装置2aは上記搬送装置2と同様の構成となるが、この場合、図外のメインスプロケットおよびサブスプロケットが垂直軸を中心に回転されて、テーブル6は鉛直に配置されるようになっている。
そして、上記いずれの搬送装置2,2aにあっても、各テーブル6にワーク7を載置または保持して間欠移動し、これらテーブル6の搬送経路の側方に配置される図外の作業ステーション位置で、各テーブル6は順次所定時間だけ停止され、この停止期間で作業が行われるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の間欠割出が行われる搬送装置2,2aにあっては、割出装置1の出力回転でテーブル6を移動するにあたって、該割出装置1の出力軸3に設けたスプロケット4によりチェーン5を駆動するようになっている。このため、上記作業ステーションでの位置決め精度、言い換えればテーブル6の運動精度は、割出装置1の位置決め精度、スプロケット4の取付け精度、該スプロケット4の歯間ピッチ精度およびチェーン5のリンク長さ精度に影響される。つまり、このように割出装置1からテーブル6に至る間には多くの精度が要求される箇所、換言すれば多くの寸法誤差発生箇所が存在し、これらの寸法誤差の累積によりテーブル6の運動精度、位置決め精度が低下されてしまう。このため、搬送装置の搬送長には限界があり、その長大化が図りにくい。また、上記精度要求箇所は摩耗が発生し、この摩耗箇所が重なることにより経年による誤差が増大し、この点からも上記運動精度、位置決め精度の更なる悪化が来されてしまう。
【0005】
更に、上記テーブル6の停止、移動の挙動タイミングは、該テーブル6が割出装置1の出力回転に追従して移動するチェーン5に取り付けられているため、該割出装置1によって変換された間欠回転によって各テーブルの挙動タイミングが一義的に決定される。従って、各テーブル6はその全てが同一のタイミングと移動量で挙動され、個々のテーブル6のタイミングの自由度は全く無かった。
【0006】
このため、各作業ステーションに設けられるロボット等の作業機器が必要とする作動スペースには大小の差異があるにも拘わらず、それら各作業ステーションの間隔はその最も大きな作動スペースを必要とする作業機器に合わせて均等に配置せざるを得ず、スペース効率が悪かった。また、各作業ステーションでの作業時間にも長短の差異があるにも拘わらず、最も長い作業時間を要する作業ステーションに合わせてその停止時間を設定せざるを得ず、短時間で作業が終了するステーションでは無駄な待機時間が生じてしまうという問題もあった。さらに、上記搬送装置2,2aに流すワーク7または製品には多種類のものを適用しづらく、作業能率の向上も図り難いといった各種の課題があった。
【0007】
また、共通の作業テーブルを使用可能な前工程や次工程と直線搬送装置との間でワークを受け渡するにあたっても、ワークを作業テーブルに保持させたままの状態で一緒に作業テーブルごと行うことができず、別途にワークの移載装置等が必要になり、このような移載装置を設けると設置スペースが広く占有されてしまうばかりか、多大なコストが掛かるといった課題もあった。
【0008】
本発明はかかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、各作業テーブルの運動精度、位置決め精度の著しい向上が図り得、しかも可及的に多数の作業ステーションを一直線状に配置可能な搬送装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る搬送装置は、複数の作業ステーションに、順次作業テーブルを移送する搬送装置であって、該複数の作業ステーションを一直線状に結んで該作業テーブルの直線的な移動を案内するガイド手段を有した直線搬送路と、該直線搬送路に沿って設けられ、該作業テーブルに取り付けられた接触子に係合して該作業テーブルを直線移動させる直列配置された2つの円筒カムと、該円筒カム間に設けられ、搬送方向上流側に配置された一方の円筒カムの搬送終端に送られてきた作業テーブルを、該作業テーブルに設けられた係合部材に係合して搬送方向下流側に配置された他方の円筒カムの搬送始端に移送する移送手段と、該両円筒カム間に設けられて該移送手段と該両円筒カムとに同期した回転力を伝達する同期作動装置とからなる直線搬送機構を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る搬送装置は、前記請求項1の構成に加えて、前記直線搬送機構の搬送始端または搬送終端の少なくともいずれか一方に、軸方向への伸縮動作と軸周りの回転動作とをする出力軸に取り付けられた旋回アームを有して、該出力軸の伸縮動作により該旋回アームが該作業テーブルに対して係脱し、回転動作により該旋回アームに係合した作業テーブルを旋回させる旋回搬送機構を設け、該旋回搬送機構は、該直線搬送機構の円筒カムと同期作動させて該旋回搬送機構と該直線搬送機構との間で該作業テーブルの受け渡しを行なわせることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3に係る搬送装置は、複数の作業ステーションに、順次作業テーブルを移送する搬送装置であって、該作業テーブルの直線的な移動を案内する系脱自在なガイド手段を有して複数の作業ステーションを一直線状に結んで設けられた直線搬送路と、該直線搬送路に沿って設けられ、該作業テーブルに取り付けられた接触子が前記ガイド手段の係脱方向と同一方向に系脱可能に係合して該作業テーブルを直線移動させる直列配置された2つの円筒カムと、該両円筒カム間に設けられ、搬送方向上流側に配置された一方の円筒カムの搬送終端に送られてきた作業テーブルを、該作業テーブルに設けられた係合部材に係合して搬送方向下流側に配置された他方の円筒カムの搬送始端に移送する移送手段と、該円筒カム間に設けられて該移送手段と該両円筒カムとに同期した回転力を伝達する同期作動装置とからなる直線搬送機構を複数備え、該各直線搬送機構は互いにそれらの搬送終端と搬送始端とが近接されつつ搬送方向に所定の角度をもたされて連続的に配置されており、その近接された該搬送終端と該搬送始端との間には、これらと等距離の位置に出力軸を有して、該出力軸の軸方向への伸長動作により該出力軸に取り付けられた旋回アームによって一方の直線搬送機構の搬送終端にて停止している作業テーブルに係合するとともに、該出力軸の回転動作により該作業テーブルを他方の直線搬送機構の該搬送始端に移送し、更に該出力軸の軸方向への短縮動作により該作業テーブルとの係合が離脱する旋回搬送機構が設けられ、該複数の直線搬送機構と旋回搬送機構とが同期作動されることを特徴とする。
【0012】
ここで、請求項4に示すように、前記直線搬機構と旋回搬送機構とは、2つ以上の同数ずつ設けて、無終端の巡回搬送路に形成する構成となし得る。
【0013】
また、請求項5に示すように、前記各円筒カムには、各作業ステーション位置に対応形成されたカム回転角に対する軸方向変位が設定されていない滞留区間と、各作業ステーション間位置に対応形成されたカム回転角に対する軸方向変位が設定された移送区間とを有したカム部が形成されていること構成となし得る。
【0014】
更に、請求項6に示すように、前記係合部材は作業テーブルに立設されたピンとなし、前記移送手段はスプロケットとなし得る。
【0015】
また更に、請求項7に示すように、前記直線搬送路のガイド手段は、装置ハウジングに一体形成されて前記作業テーブルを摺動自在に載置する支持台と、該支持台に一直線状に設けられたガイド部材と、該作業テーブルに設けられ該ガイド部材に係合して該作業テーブルの回動を規制しつつ直線移動を許容するスライダとから構成し得る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1から図15は本発明の搬送装置の一実施形態を示し、図1は全体の平面外観図、図2は全体の正面外観図、図3は側面外観図、図4は装置内部の直線搬送機構部分を示す平面図、図5は図4中のV−V線矢視部断面図、図6は直線搬送機構部の要部拡大平面図、図7は同期作動装置の縦断面図、図8は同期作動装置に遊星歯車機構を組み込んだ変形例の縦断面図、図9は図8中の遊星歯車機構部の縦断面図、図10は遊星歯車機構部の平断面図、図11は旋回搬送機構部の平面図、図12は図11中のXII−XII線矢視部分断面図、図13は直線搬送機構部と旋回搬送機構部とを同期駆動させる同期機構部分の正面図、図14は旋回搬送機構部の動作タイミングを示すタイムチャート、図15は旋回搬送機構の動作行程を順に示す図である。
【0017】
図1〜図6に示すように、本実施形態の搬送装置10にあっては、装置本体11は上面が開放された中空直方体状のハウジング12と、このハウジング12の長手方向両端部をそれぞれ略半円弧状に囲う覆い板13とにより、外周部の外郭が平面視で略オーバル(小判型)形状に画成されている。そして、この装置本体11の上面にはこれに沿って2つの直線搬送路14(14A,14B)と2つの旋回搬送路15(15A,15B)とからなるオーバルトラック状の無終端の巡回搬送路16が形成されており、この巡回搬送路16上に複数の作業テーブル17が配列されていて、これら作業テーブル17は移動と適宜位置にての停止とを繰り返しながら搬送路16上を巡回するようになっている。また、適宜位置にて一時的に停止される当該各停止位置が、作業テーブル17上のワークなどに対して作業を行うための作業ステーションに設定されており、各作業ステーションでは、ハウジング12の上面中央に設けられた載置台18に搭載された作業ロボット等の各種の作業機器ユニットによって、ワークや製品に対する加工や組み付け、検査などの各種作業が行われるようになっている。
【0018】
即ち、ハウジング12の長手方向に沿った対向する2つの長壁部12aの上端部には、それぞれにその長手方向の全長に亘って内方に突出された、上面が平滑な支持台19が一体形成されていて、この支持台19に支持されてその上面を複数の作業テーブル17が長手方向に直線的に摺動して移動するようになっており、支持台19には作業テーブル17の移動を一直線に案内するためのガイド手段のガイド部材としてガイド溝20が凹設されている。そして、これら支持台19とガイド溝20とによって作業テーブル17を一直線に移動させて搬送するための直線搬送路14(14A,14B)が構成されていて、2つの直線搬送路14A,14Bは中空直方体状を呈した共通のハウジング12により平行に隣接配置されている。
【0019】
一方、ハウジング12内には2つの直線搬送路14A,14B上の作業テーブル17を各々移動させるための直線搬送機構21(21A,21B)を構成する2組の円筒カム22A,22Bが設けられている。各々の円筒カム22A,22Bはその軸芯が直線搬送路14A,14Bのガイド溝20と平行に保たれて、両軸端がハウジング12の長手方向にて互いに対向している短壁部12bにベアリング23を介して回転自在に支持されており、直線搬送路14A,14Bの下方部にこれに沿って設けられている。つまり、直線搬送路14(14A,14B)と円筒カム22(22A,22B)とによって直線搬送機構21(21A,21B)が構成されている。
【0020】
作業テーブル17は概略的に矩形平板状をなし、その下面には、前記ガイド溝20に摺動自在に嵌合して当該作業テーブル17の水平方向の回動や搬送方向の側方へのズレを規制しつつガイド溝20に沿わせて一直線状に移動させるためのガイド手段たるスライダー24が設けられており、この実施形態では当該スライダー24は移動方向に前後一対で設けられた係合ピン24aで構成されている。また、当該作業テーブル17の下面には、前記円筒カム22A,22Bのカム溝25に係合するカムフォロワ26が直線搬送路14A,14Bの内側に、かつ円筒カム22A,22Bの軸芯上に位置されて下方に突出して設けられている。
【0021】
円筒カム22A,22Bはそのカム部として外周面に螺旋状に刻設された1条のカム溝25を備え、このカム溝25は各作業ステーション位置に対応して形成された、所定のカム回転角範囲に亘って軸方向変位の設定されていない滞留区間25aと、各作業ステーション間位置に対応して形成された、所定のカム回転角に応じた軸方向変位の設定された移送区間25bとを有している。
【0022】
なお、当該実施形態では円筒カム22A,22Bはそのカム部としてカム溝25を凹設したものを例示しているが、当該カム部としてはテーパリブ状等のカム突条を螺旋状に突設するようにしても良い。そして、この場合には、作業テーブル17の下面に設けるカムフォロワ等の接触子はカム突条を両側から挟むようにして設けるのが望ましい。また、直線搬送路14A,14Bのガイド部材もガイド溝20に代えてガイドリブを突設し、作業テーブル17の下面のスライダはそのガイドリブに摺動自在に係合させるようにしても良い。
【0023】
ここで、図4〜図7に示すように、上記各円筒カム22A,22Bは各々その中心に回転軸部を共有しつつ、長手方向中央で2つに分断されて、搬送方向上流側の円筒カム部22Aa,22Baと搬送方向下流側の円筒カム部22Ab,22Bbとに分離形成され、これら同軸上に直列配置される上・下流側の円筒カム部22Aaと22Ab並びに22Baと22Bbとの間には所定の間隔が空けられている。そして、この空間には、搬送方向上流側に配置された一方の円筒カム部22Aa,22Baの搬送終端に送られてきた作業テーブル17を、当該作業テーブル17の下面にその搬送方向に沿って一対で設けられている係合ピン35に係合しつつ、搬送方向下流側に配置された他方の円筒カム部22Ab,22Bbの搬送始端に移送するスプロケット38、及びこのスプロケット38と当該両円筒カム22A(22Aa,22Ab),22B(22Ba,22Bb)とに、同期した回転力を伝達する同期作動装置40が設けられている。
【0024】
上記同期作動装置40は、ケース41に軸支されて鉛直に設けられ、上下の両端がケース41から突出する入力軸42と、この入力軸42の中央部に固設されたグロボイダルカム43と、このグロボイダルカム43のテーパリブ44に係合する多数のカムフォロワ45が周面に設けられて、グロボイダルカム43の両側方に入力軸42から等距離の位置に並設された2つのターレット46A,46Bと、これらのターレット46A,46Bの軸芯部に一体的に設けられてケース41に水平に軸支された2本の出力軸47A,47Bとからなり、入力軸42の上端部にはスプロケット38が固設される一方、当該入力軸42の下端部には減速機49が設けられて当該減速機49にはタイミングベルト50を介してハウジング12の底部に設けられたモータ51から回転駆動力が入力されるようになっている。また、2本の出力軸47A,47Bはそれぞれに両軸端がケース41から突出しており、その各軸端には各々円筒カム部22Aa,22Ab,22Ba,22Bbが一体的に固設されていて、これによりスプロケット38と各円筒カム部22Aa,22Ab,22Ba,22Bbとには同期した回転力が伝達されるようになっていて、両出力軸47Aと47B、並びにこれらに結合された円筒カム部22Aa,22Abと22Ba,22Bbとは互いに逆向きに回転される。
【0025】
ここで、図4に示すように、各直線搬送機構21Aと21Bとの上流側円筒カム部22Aa,22Baから下流側円筒カム部22Ab,22Bbに対して作業テーブル17を受け渡すにあたって、スプロケット38の回転による作業テーブル17の直線移動速度に相応させるために、上流側円筒カム部22Aa,22Baの搬送終端と下流側円筒カム22Ab,22Bbの搬送始端とは、ともにその移送区間25bに形成してあるカム溝25の傾斜度を大きく、即ち回転角に対する軸方向変位を大きく同等に形成して、その直線移送速度を速めているが、入力軸42に固設したスプロケット38による速い移送速度に十分に対応させて上記カム溝25を形成できない場合がある。このような場合の対策としては、図8〜図10に示すように、入力軸42とスプロケット38との間に減速機構として遊星歯車機構52を介在させると良い。
【0026】
即ち、入力軸42の上部に太陽歯車53を刻設するなどして設け、この太陽ギヤ53に噛合させて周囲に複数の遊星ギヤ54を設けて、これら遊星ギヤ54の支軸55を保持する遊星枠56をスプロケット38のボス部38aとし、このスプロケット38は入力軸42の上端部にベアリンク57を介して回転自在に支持する。そして、遊星ギヤ54の外側にはこれらに噛合する内歯歯車58をハウジング12に固定して設ける。このようにすることで、入力軸42と同軸にスプロケット38を配置しつつ、これらの間にコンパクトな減速機構を介在し得、スプロケット38を同期回転させつつ減速させて、その移送速度を上流側円筒カム部22Aa,22Baの搬送終端と下流側円筒カム22Ab,22Bbの搬送始端における移送速度に見合った速度に設定可能となる。
【0027】
また、図4に示すように、一方の直線搬送機構21Aの円筒カム22A(22Aa,22Ab)と,他方の直線搬送機構21Bの円筒カム22B(22Ba,22Bb)とにそれぞれ形成される螺旋状のカム溝25はその螺旋方向は互いに同じ向きになっており、両円筒カム22A(22Aa,22Ab)と22B(22Ba,22Bb)は逆方向に回転されつつ各々のカム溝25に係合した作業テーブル17をそれぞれ図示する左方と右方の逆方向に移送し、当該図示例では作業テーブル17は同図中の紙面左側の直線搬送路14Aを下方向に、右側の直線搬送路14Bを上方向に移送されるようになっている。つまり、ハウジング12を共有して平行配置される2つの直線搬送機構14A,14Bは搬送方向に180°の角度がもたされて、かつ互いの搬送終端と搬送始端とが隣り合わせにされて連続的に近接配置されている。
【0028】
そして、ハウジング12の長手方向両端部には、2つの直線搬送路14A,14Bを繋いで、一方の直線搬送路14Aまたは14Bの各搬送終端に送られてきた作業テーブル17を他方の直線搬送路14Bまたは14Aの各搬送始端に移載する旋回搬送機構30がそれぞれ設けられていて、ここに旋回搬送路15(15A,15B)が形成されている。図11は図4における下方の旋回搬送機構30を示し、上方の旋回搬送機構30にも同じものが設けられている。この旋回搬送機構30は入力軸31の回転を出力軸32の軸方向へのリフト動作と往復回転運動とに変換して伝えるカム装置33の当該出力軸32に、径方向に延びる板状の旋回アーム34を一体的に取り付けて構成したものであり、出力軸32は上方に(即ち、作業テーブル17のカムフォロワ26及びスライダ24が、係合相手のカム溝25及びガイド溝20に対して系脱可能な方向)に向けられ、また、上記旋回アーム34の延出端には図12にも示すように、一対の係合孔36が設けられ、かつ作業テーブル17の下面には当該係合孔36に嵌合する一対の係合ピン35が対応されて突出して設けられており、ここでは当該係合ピン35は前述したスプロケット38に係合する係合ピン35が兼用されている。
【0029】
ここで、上記カム装置33としては、図示を省略するが例えば、入力軸31に固設したグロボイダルカムと、このグロボイダルカムのテーパリブの両側面に当接係合するカムフォロワを外周部に有してテーパリブの変位に応じて入力軸31と直角に交差する軸芯周りに揺動回転されるターレットと、このターレットの軸芯部にスプライン嵌合されて軸方向に摺動自在な出力軸32と、力点部がグロボイダルカムの端面に刻接された溝カムに係合すると共に支点部がケースに軸支され、かつ作用点部が出力軸の軸端に当該出力軸の回転を許容して係合する揺動アームとを備えて、入力軸31の連続回転を出力軸32の揺動回転と軸方向へのリフト動作とに分離して伝達するように構成された周知のもの等を採用できる。
【0030】
図13は直線搬送機構部と旋回搬送機構部とを同期駆動させる同期機構部分を示す。同図に示すように、旋回搬送機構30のカム装置33はハウジング12の長手方向両端で対向する短壁部12bの内側にそれぞれ固定され、入力軸31は短壁部12bを貫通して外側に突出し、その各突出端31aにはタイミングプーリー27aが設けられ、当該タイミングプーリー27aには直線搬送機構21の円筒カム22A(若しくは22B)の搬送方向終端側(始端側であっても良い)の軸端にそれぞれ設けられたタイミングプーリー27bとに巻回されてタイミングベルト28が設けられていて、2つのカム装置33には円筒カム22A(もしくは22B)の回転力が同期して伝達されるようになっている。
【0031】
また、出力軸32の軸芯位置は図11に示すように、平面視で直線搬送機構21における2つの円筒カム22A(22Ab),22B(22Ba)の軸芯間の中央で、かつそれら円筒カム22A(22Ab),22B(22Ba)の搬送方向に対しては、当該円筒カム22A(22Ab),22B(22Ba)の搬送終端及び搬送始端として各々設定されている軸方向変位のない滞留区間25aの形成位置に一致されている。つまり、一方の円筒カム22(22A及び22B)の搬送終端位置と、他方の円筒カム22(22B及び22A)の搬送始端位置と、旋回搬送機構30の出力軸32の位置とがハウジング12の長手方向において一致されている。即ち、出力軸は2つの直線搬送機構14A,14B相互の近接された搬送終端と搬送始端との間で、これらと等距離の位置に設けられる。
【0032】
また、図12に示すように、出力軸32が最下端位置にリフトダウンされている状態では、この出力軸32に取り付けられた旋回アーム34は直線搬送路14の搬送終端位置及び搬送始端位置にある作業テーブル17や円筒カム22(22A,22B)に干渉することなく回転し得、かつ最上端位置にリフトアップされた状態では旋回アーム34上に作業テーブル17を係止して、当該作業テーブル17のスライダー24をガイド溝20から完全に離脱させて直線搬送路14(14A,14B)と干渉せずに回転し得るようになっている。
【0033】
図14は旋回搬送機構30のカム装置33のタイミングチャートである。図示するように、このカム装置33は入力軸31の基準回転角度が0°〜45°((a)〜(c))の区間において出力軸32が上端位置までリフトアップされ、次の45°〜180°((c)〜(d))の区間において出力軸32が上端位置にリフトされたままの状態で180°正回転され、その次の180°〜225°((d)〜(f))の区間においてはその回転が止められて出力軸32は下端位置までリフトダウンされ、さらに次の225°〜360°((f)〜(a))の区間では出力軸32は下端位置に保持されたまま逆回転され、爾後以上の動作が繰り返されるようになっている。
【0034】
上記のようなカム装置33の動作に伴い、旋回搬送機構30は図15のようにして、一方の直線搬送路14Aの搬送終端位置に移送されてきている作業テーブル17を他方の直線搬送路14Bの搬送始端位置へと移載する。即ち、同図(a)〜(f)は図14中に示される(a)〜(f)の各時点の状態を示しているが、図示するように、先ず(a)〜(c)では出力軸32が上方にリフトアップされるのに伴い、旋回アーム34の係合ピン35が一方の直線搬送路14Aの搬送終端位置にある作業テーブル17の下面の係合孔36に嵌合して、当該作業テーブル17を上方に持ち上げてスライダー24とガイド溝20との係合、及びカムフォロワ26とカム溝25との係合を離脱させる。次ぎに(c)〜(d)では出力軸32の180°の回転に伴い作業テーブル17が水平に旋回されて他方の直線搬送路14Bの搬送始端位置の上方に移送される。これに続く(d)〜(f)では出力軸32のリフトダウンに伴い作業テーブル17が下降して、スライダー24が直線搬送路14Bのガイド溝20に嵌合するとともにカムフォロワ26がカム溝25に嵌合して作業テーブル17が支持台19上に載置された後、更に旋回アーム34は下降して先端の係合ピン35が作業テーブル17下面の係合孔36から離脱する。そして、(f)〜(a)の区間では出力軸32が180°逆回転され初期の状態に戻る。
【0035】
ここで、旋回搬送機構30のカム装置33における(a)〜(c)の区間は、同期回転駆動されている直線搬送機構21の円筒カム22Aとの関係において、その搬送終了端におけるカム溝25の滞留区間25a中に存在し、また(d)〜(f)の区間は円筒カム22Bとの関係において、その搬送始端における滞留区間25a中に存在して同期回転作動される(図11参照)。
【0036】
また、円筒カム22(22A,22B)のカム溝25にカムフォロワ26が係合し、かつスライダ24が直線搬送路14(14A,14B)の支持台19の案内溝20に係合している各作業テーブル17は、円筒カム22(22A,22B)の回転に伴い、そのカム溝25の滞留区間25aで一時停止されつつ直線搬送路14(14A,14B)上を一直線状に移動されてゆき、装置本体11の上面で直線搬送路14と旋回搬送路15とによりオーバルトラック状に形成された搬送路16を図1では反時計回りに巡回されていく。そして、一時停止された各作業ステーションにおいては、作業テーブル17上に保持されたワークに対し、各種の作業機器ユニットが加工や組み付け、検査などの所定の各種作業が行われる。
【0037】
なお、図15の説明では出力軸32の伸長により旋回アーム34で作業テーブル17を上方に持ち上げてスライダー24とガイド溝20との係合、及びカムフォロワ26とカム溝25との係合を離脱させるようにしているが、各円筒カム22のカム溝25はその搬送始端と終端との両端部をそれぞれ円筒カム22の端面まで延長して形成しておくとともに、図1に示すように直線搬送路14のガイド溝20も両端を開放させておき、かつ、旋回搬送路15におけるハウジング上面部分を、作業テーブル17の下面に突出するスライダー24とカムフォロワ26とが干渉しないように形成しておき、スライダー24とガイド溝20及びカムフォロワ26とカム溝25との各々の係合を同一の旋回方向に係脱可能にしておくことで、作業テーブル17は持ち上げずに旋回移送することもできる。
【0038】
従って、以上のような本実施形態の搬送装置10にあっては、直線搬送路14(14A,14B)上における作業テーブル17の停止、移動の挙動タイミングは、円筒カム22(22A,22B)の周面に刻設するカム溝25の螺旋形態(カムプロフィール)に依存することになるが、当該螺旋形態は各作業ステーションで行われる作業上の要求に合わせてその滞留区間25aの位置と長さ及び移送区間25bの傾斜度(軸方向変位量)とを任意に設定して容易に形成し得、よって作業ステーションの位置やそこでの停止時間を個々の作業ステーション毎に適切に設定でき、その自由度が高い。
【0039】
このため、各作業ステーションに設けられるロボット等の各種の作業機器ユニットが必要とする作動スペースに合わせて、それら各作業ステーションの間隔を適切に設定でき、スペース効率の向上が図れる。また、各作業ステーションでの作業時間の長短に合わせて、各作業ステーションでの停止時間を容易に設定でき、短時間で作業が終了するステーションにおいて無駄な待機時間が生じてしまうのを防止できるようになる。これ故、上記搬送装置10に流すワークまたは製品に多種類のものを適用し易くなり、汎用性を高めて作業能率の向上も図れるようになる。
【0040】
また、各直線搬送機構21A,21Bの円筒カム22A,22Bはその長手方向(軸方向)の中央で2つに分断して、上流側円筒カム部22Aa,22Baと下流側円筒カム部22Ab,22Bbとに分離形成して同軸上に直列させ、それら上流側円筒カム部22Aa,22Baと下流側円筒カム部22Ab,22Bbとの分断された間の作業テーブル17の移送はスプロケットで行うようにし、かつ、このスプロケット38と上・下流側の円筒カム部22Aa,22Abと22Ba,22Bbは回転力伝達機構40によって軸方向の中央で同期回転駆動させるようにしているので、直線搬送路14A,14Bの全長に亘って単一の円筒カムを設けてこれを軸端で回転駆動させるようにした場合に比して、上・下流側の各円筒カム部22Aa,22Ab,22Ba,22Bbの軸方向長は略半分となし得る。よって、円筒カム部22Aa,22Ab,22Ba,22Bbの形成が可及的に容易になるだけでなく、回転駆動力の伝達に伴って軸端に生じる捩れ変形量も半分となり、変形に起因する誤差の発生を可及的に低減できる。また、このため逆に見れば、直線搬送路14a,14bの長さを略2倍にして長大化が図れ、作業ステーションのよりスペース効率の良い配置が行えるようになる。加えて、円筒カム22A,22Bの分断部分はスプロケット38で作業テーブル17を直線移送路14A,14B上を直線移動させるから、上流側円筒カム部22Aa,22Baと下流側円筒カム部22Ab,22Bbとのタイミング(位相)をずらす必要もない。なお、本実施形態では回転力伝達機構40にはグロボイダルカム式のものを採用しているが、本発明はこれに限らず連続回転を伝え得るものであればどのような機構のものであっても良い。
【0041】
また、作業テーブル17の下面に設けたスライダー24と、当該スライダー24が嵌合する直線搬送路14のガイド溝20とにより作業テーブル17の直線動を案内するガイド手段を構成し、その直線搬送路14に沿って設けられて作業テーブル17を直線移動させる円筒カム22に対して系脱自在に嵌合する作業テーブル17のカムフォロワ26を、上記スライダー24と同じく作業テーブル17の下面に取り付けて、作業テーブル17の直線的な移動を案内する系脱自在なガイド手段の系脱方向と、作業テーブル17におけるカムフォロワ26のカム溝25に対する系脱方向とを同一となしているので、当該各直線搬送機構21の搬送終端及び搬送始端に形成されている円筒カム22のカム溝25の滞留区間に同期させて作業テーブル17を上下にリフトさせることで、当該作業テーブル17を直線搬送機構21に対して容易に離脱ないし係合させることができる。よって、回転動作と軸方向へのリフト動作とをする出力軸32を有したカム装置33を、その出力軸32を近接配置された2つの直線搬送機構21(21A,21B)の搬送終端と搬送始端とから等距離の位置に設けて、当該出力軸32に作業テーブル17に系脱自在な旋回アーム34を取り付けるだけで、作業テーブル17を一方の直線搬送機構21A,21Bの搬送終了端から他方の直線搬送機構21B,21Aの搬送始端に旋回させて移載可能な旋回搬送機構30を、簡易にコンパクトに構成することができる。
【0042】
また、直線搬送機構21と旋回搬送機構30との双方を共にカム機構で構成してチェーンを用いていないため、従来のチェーンを用いた搬送装置に比して、部品加工精度の累積による寸法精度の低下が起こり難く、作業テーブル14の運動精度、位置決め精度の可及的な向上が図れる。また、チェーンとスプロケットに比して摩耗が発生し難く、よってこの摩耗による経年誤差の増大も生じ難く、この点からも上記運動精度、位置決め精度に悪化が来されてしまうことを可及的に防止できる。
【0043】
図16と図17は作業テーブル17を一方向への直線移送のみを行わせるようにした搬送装置10Aの実施形態を示すものであり、図16は前述の実施形態の図5に相当し、図17は同じく図6に相当する。図5〜図6と図16〜図17とを比較して明らかなように、その相違する点は図5及び図6の実施形態においては搬送方向を逆向きにして2つ設けられていた円筒カム溝22A,22B及び直線搬送路14A,14Bを、同軸に直列配置されて一体回転される上流側の円筒カム部22aと下流側の円筒カム部22bとからなる1つの円筒カム22と1つの直線搬送路14にして構成しただけである。よって、図中には同一部材には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。そして、このような単一方向への直線移送だけをする直線専用の搬送装置10Aを複数台用いて、これらに前述の旋回搬送機構30を組み合わせることで、図18に示すような様々な形態の搬送路を形成し得る。
【0044】
即ち、上述の実施形態では図18の(a)に示すように、作業テーブルを180°旋回移送させる旋回搬送機構を用いて、当該回転搬機構が形成する旋回搬送路15(15A,15B)によって2つの直線搬送路14(14A,14B)の搬送終端と搬送始端とを繋ぐことで長円のオーバルトラック状に作業テーブルを巡回搬送するようにした例を示したが、同図(b),(c)に示すように3つ以上の直線専用の搬送装置で形成する各直線搬送路14を、各搬送方向に所定の角度をもたせて連続的に環状に配置し、その各直線搬送機構の隣接する搬送終端と搬送始端とに該当角度の旋回移送を行わせる同数の旋回搬送機構を設けて旋回搬送路15で繋ぐことで、任意の多角形状を呈する巡回搬送路16を容易に形成し得る。即ち、同図(b)は長短2組計4つの直線搬送路14と、90°の旋回移送を行う4つの旋回搬送機構による旋回搬送路15とを組み合わせて略長方形状をなす巡回搬送路16を形成した例であり、同図(c)は等長の3つの直線搬送路14を相互に120°の角度をもたせて配置して、これらを120°の旋回移送を行う旋回搬送機構による3つの旋回搬送路15で繋いで略正三角形状をなす巡回搬送路16を形成した例である。
【0045】
また、図19に示すように、出力軸32が90°の往復揺動回転をするカム装置33の当該出力軸32に、直交する等長の2本のアーム部34a,34bを有するL字型の旋回アーム34を取り付けて、2アクションの旋回移送動作によって作業テーブルを180°旋回移送させるようにすれば、図18の(d)に示すように旋回搬送路15の途中に中間停止点を設けることができ、ここを作業ステーションとすることもできる。
【0046】
なお、搬送路は必ずしも環状の巡回路に形成する必要は無く、例えば、旋回搬送機構に回転方向が逆向きのものを用意して、平行配置した多数の直線搬送機構を綴れ折り状に繋ぐ様にしても良い。即ち、複数の直線搬送機構同士の搬送終端と搬送始端とを近接させてその搬送方向に所定の角度をもたせて連続的に配置し、これらを該当角度の旋回移送を行う旋回搬送機構で繋ぐことにより、綴れ折り状に限らず様々な形態の搬送路を容易に形成することができる。つまり、1つの直線搬送機構と1つの旋回搬送機構とを組み合わせた搬送装置を最小構成単位として用いれば、当該最少構成単位のものを複数組み合わせることで、様々な搬送路形態の搬送装置を容易に組み上げることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る搬送装置にあっては、次のような各種優れた効果を奏する。
(1)作業テーブルを直線搬送路に沿わせて直線的に移送する直線搬送機構の円筒カムを、搬送方向の上流側の円筒カムと下流側の円筒カムとに分離して直列配置し、それら上流側円筒カムと下流側円筒カム間の作業テーブルの移送はスプロケットなどの移送手段で行うようにし、かつ、この移送手段と上・下流側の円筒カムは回転力伝達機構によって軸方向の中央で同期回転駆動させるようにしているので、直線搬送路の全長に亘って単一の円筒カムを設けてこれを軸端で回転駆動させるようにした場合に比して、上・下流側の各円筒カムの軸方向長は略半分となし得、円筒カムの形成の可及的に容易化が図れるばかりか、回転駆動力の伝達に伴って軸端間に生じる捩れ変形量も半分となり、変形に起因する誤差の発生を可及的に低減できる。このため直線搬送路の長大化が図れて、作業ステーションのよりスペース効率の良い配置が行えるようになる。加えて、円筒カム間は移送手段で作業テーブルを直線移送路上を直線移動させるから、上流側円筒カムと下流側円筒カムとのタイミング(位相)をずらす必要もない。
【0048】
(2)直線搬送路上における作業テーブルの停止、移動の挙動タイミングは、円筒カムの周面に刻設するカム溝の螺旋形態(カムプロフィール)に依存し、当該カム溝の螺旋形態は各作業ステーションで行われる作業上の要求に合わせてその滞留区間の位置と長さ及び移送区間の傾斜度とを任意に設定して容易に形成し得る。よって、作業ステーションの位置やその停止時間を個々の作業ステーション毎に適切に設定でき、その設定自由度が高い。このため、各作業ステーションに設けられるロボット等の各種の作業機器ユニットが必要とする作動スペースに合わせて、それら各作業ステーションの間隔を適切に設定でき、スペース効率の向上を図ることができる。また、各作業ステーションでの作業時間の長短に合わせて、各作業ステーションでの停止時間を容易に設定でき、短時間で作業が終了するステーションにおいて無駄な待機時間が生じてしまうのを防止できるようになる。これ故、搬送装置に流すワークまたは製品に多種類のものを適用し易くなり、汎用性を高めて作業能率の向上も図れるようになる。
【0049】
(3)直線搬送機構の搬送終端及び搬送始端における円筒カムのカム部の滞留区間に同期させて旋回搬送機構の出力軸を上下にリフトさせることで、当該搬送始端若しくは搬送終端にて作業テーブルを直線搬送機構と旋回搬送機構との間で容易に受け渡すことができ、共通の作業テーブルを使用可能な前工程や次工程との間でワークを作業テーブルごと受け渡すことができるようになり、旋回搬送機構もコンパクトに構成できる。また、出力軸が回転動作と軸方向へのリフト動作とをするカム装置の当該出力軸を、近接配置した2つの直線搬送機構の搬送終端と搬送始端との間で等距離に位置させて設け、当該出力軸に作業テーブルに系脱自在な旋回アームを取り付けるだけで、作業テーブルを、一方の直線搬送機構の搬送終了端から他方の直線搬送機構の搬送始端に旋回させて移載可能な旋回搬送機構を簡易にコンパクトに構成することができる。
【0050】
(4)直線搬送機構と旋回搬送機構とを2つ以上の同数にして環状に繋ぐことによって、作業テーブルが巡回する巡回搬送路を任意の多角形状に容易に形成できるだけでなく、複数の直線搬送機構同士の搬送終端と搬送始端とを近接させてその搬送方向に所定の角度をもたせて、これらを該当角度の旋回移送を行う旋回搬送機構で繋ぐことにより、綴れ折り状に限らず様々な形態の搬送路を容易に形成することができる。
【0051】
(5)直線搬送機構と旋回搬送機構との双方を共にカム機構で構成してチェーンを用いていないため、従来のチェーンを用いた搬送装置に比して、部品加工寸法精度の累積による精度の低下が起こり難く、作業テーブルの運動精度、位置決め精度の可及的な向上を図ることができる。さらに、チェーンやスプロケットに比して摩耗が発生し難く、よってこの摩耗による経年誤差の増大も生じ難く、この点からも上記運動精度、位置決め精度を長期に渡って良好に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る搬送装置の一実施形態を示す全体の平面外観図である。
【図2】図1の搬送装置の全体の正面外観図である。
【図3】図1の搬送装置の側面外観図である。
【図4】図1の搬送装置内部の直線搬送機構部分を示す平面図である。
【図5】図4中のV−V線矢視部断面図である。
【図6】図4の直線搬送機構部の要部拡大平面図である。
【図7】同期作動装置の縦断面図である。
【図8】同期作動装置に遊星歯車機構を組み込んだ変形例の縦断面図である。
【図9】図8中の遊星歯車機構部の縦断面図である。
【図10】図8の遊星歯車機構部の平断面図である。
【図11】旋回搬送機構部の平面図である。
【図12】図11中のXII−XII線矢視部分断面図である。
【図13】直線搬送機構部と旋回搬送機構部とを同期駆動させる同期機構部分の正面図である。
【図14】旋回搬送機構部の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図15】旋回搬送機構の動作行程を順に示す図である。
【図16】一方向への直線移送のみを行う搬送装置の実施形態の一例を示すもので、図5に対応する図である。
【図17】同上、図6に対応する図である。
【図18】直線搬送機構と旋回搬送機構とを組み合わせて作る搬送路形態の例を示す概略図である。
【図19】図18(d)に示すような旋回搬送路に中間停止点を設ける場合に使用する旋回搬送機構の例とその動作を説明する図である。
【図20】従来の搬送装置の一例を示す全体斜視図である。
【図21】従来の搬送装置の他例を示す全体斜視図である。
【符号の説明】
10 搬送装置
11 装置本体
12 ハウジング
14,14A,14B 直線搬送路
15,15A,15B 旋回搬送路
16 搬送路
17 作業テーブル
19 支持台
20 ガイド溝(ガイド手段)
21,21A,21B 直線搬送機構
22,22A,22B 円筒カム
22a,22Aa,22Ba 上流側円筒カム
22b,22Ab,22Bb 下流側円筒カム
24 スライダー(ガイド手段)
25 カム溝
25a 滞留区間
25b 移送区間
26 カムフォロワ
34 旋回アーム
35 係合ピン
36 係合孔
38 スプロケット
40 同期作動装置
42 入力軸
43 グロボイダルカム
44 テーパリブ
45 カムフォロワ
46A,46B ターレット
47A,47B 出力軸

Claims (7)

  1. 複数の作業ステーションに、順次作業テーブルを移送する搬送装置であって、
    該複数の作業ステーションを一直線状に結んで該作業テーブルの直線的な移動を案内するガイド手段を有した直線搬送路と、
    該直線搬送路に沿って設けられ、該作業テーブルに取り付けられた接触子に係合して該作業テーブルを直線移動させる直列配置された2つの円筒カムと、
    該円筒カム間に設けられ、搬送方向上流側に配置された一方の円筒カムの搬送終端に送られてきた作業テーブルを、該作業テーブルに設けられた係合部材に係合して搬送方向下流側に配置された他方の円筒カムの搬送始端に移送する移送手段と、
    該両円筒カム間に設けられて該移送手段と該両円筒カムとに同期した回転力を伝達する同期作動装置とからなる直線搬送機構を備えたことを特徴とする搬送装置。
  2. 前記直線搬送機構の搬送始端または搬送終端の少なくともいずれか一方に、軸方向への伸縮動作と軸周りの回転動作とをする出力軸に取り付けられた旋回アームを有して、該出力軸の伸縮動作により該旋回アームが該作業テーブルに対して係脱し、回転動作により該旋回アームに係合した作業テーブルを旋回させる旋回搬送機構を設け、
    該旋回搬送機構は、該直線搬送機構の円筒カムと同期作動させて該旋回搬送機構と該直線搬送機構との間で該作業テーブルの受け渡しを行なわせることを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
  3. 複数の作業ステーションに、順次作業テーブルを移送する搬送装置であって、
    該作業テーブルの直線的な移動を案内する系脱自在なガイド手段を有して複数の作業ステーションを一直線状に結んで設けられた直線搬送路と、該直線搬送路に沿って設けられ、該作業テーブルに取り付けられた接触子が前記ガイド手段の係脱方向と同一方向に系脱可能に係合して該作業テーブルを直線移動させる直列配置された2つの円筒カムと、該両円筒カム間に設けられ、搬送方向上流側に配置された一方の円筒カムの搬送終端に送られてきた作業テーブルを、該作業テーブルに設けられた係合部材に係合して搬送方向下流側に配置された他方の円筒カムの搬送始端に移送する移送手段と、該円筒カム間に設けられて該移送手段と該両円筒カムとに同期した回転力を伝達する同期作動装置とからなる直線搬送機構を複数備え、
    該各直線搬送機構は互いにそれらの搬送終端と搬送始端とが近接されつつ搬送方向に所定の角度をもたされて連続的に配置されており、
    その近接された該搬送終端と該搬送始端との間には、これらと等距離の位置に出力軸を有して、該出力軸の軸方向への伸長動作により該出力軸に取り付けられた旋回アームによって一方の直線搬送機構の搬送終端にて停止している作業テーブルに係合するとともに、該出力軸の回転動作により該作業テーブルを他方の直線搬送機構の該搬送始端に移送し、更に該出力軸の軸方向への短縮動作により該作業テーブルとの係合が離脱する旋回搬送機構が設けられ、
    該複数の直線搬送機構と旋回搬送機構とが同期作動されることを特徴とする搬送装置。
  4. 前記直線搬機構と旋回搬送機構とを2つ以上の同数ずつ設けて、無終端の巡回搬送路に形成したことを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の搬送装置。
  5. 前記各円筒カムには、各作業ステーション位置に対応形成されたカム回転角に対する軸方向変位が設定されていない滞留区間と、各作業ステーション間位置に対応形成されたカム回転角に対する軸方向変位が設定された移送区間とを有したカム部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の搬送装置。
  6. 前記係合部材が作業テーブルに立設されたピンでなり、前記移送手段がスプロケットでなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の搬送装置。
  7. 前記直線搬送路のガイド手段が、装置ハウジングに一体形成されて前記作業テーブルを摺動自在に載置する支持台と、該支持台に一直線状に設けられたガイド部材と、該作業テーブルに設けられ該ガイド部材に係合して該作業テーブルの回動を規制しつつ直線移動を許容するスライダとからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の搬送装置。
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