JP4769369B2 - プロジェクション装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶パネルまたはマイクロミラー動揺画素パネル類の映像を拡大投写するライトバルブプロジェクション装置に関するもので、特に光源として、瞬時発光タイプの光源と、高効率、高演色の特性を持ったタイプの光源とを併せ持つプロジェクション装置に関するものである。そして、本発明は、透過型または、反射型の液晶による、或いはマイクロミラー動揺画素等を利用した、直接反射型スクリーンに投射するフロント型プロジェクタ、或いは透過型スクリーンに投影するリアプロジェクタ、または前記いずれかを他の機器と組み合わせた装置のいずれにも適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
従来からメタルハライドランプ等の光源を使用して液晶などによる、ライトバルブパネルの映像を拡大投影する装置が実用化されている。
これは光源から発する光がミラー等を経由してライトバルブパネルに集光され、投写レンズを通してスクリーンに写し出されるものである。
タイプとしては液晶パネル1枚の単板方式と液晶パネル3枚にダイクロイックミラー等で色分解、色合成して照明する3板方式、液晶パネルには、透過型と、近年は反射型も実用化されている。
また液晶を用いず、マイクロミラーを画素として半導体チップ上に、配列させ、各々の画素のミラーを動揺させ階調を制御するようにしたタイプのパネルも発売され、これらも色順次光源によるパネル1枚の単板方式と、パネル3枚にダイクロイックミラー等で色分解、色合成して照明する3板方式が知られている。
【0003】
また、使用される照明は、最近では明るい部屋でも大画面で投写映像が見られるように高輝度なものが要求されており、光源には、高効率、高演色なメタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、などが主流である。
【0004】
図11は、従来の、3板式液晶プロジェクタの構成図の例である。
図11において、1aは放電管であるメタルハライドランプ、1bは楕円面または放物面に形成された反射鏡、1cはメタルハライドランプ1aの電極、5は第1のフライアイレンズ、6は反射ミラー、7は第2のフライアイレンズ、8,9はダイクロイックミラー、10,11,12はミラー、13はクロスダイクロイックプリズム、14は投射レンズ、15は赤色用透過型液晶パネル、16は緑色用透過型液晶パネル、17は青色用透過型液晶パネル、18は光学系遮光ケース、100は本投射系全体を収納する外装ケースである。
【0005】
次に図11において装置の電源スイッチを投入すると、メタルハライドランプ1aが点灯開始する。
次に、メタルハライドランプ1aの発光光が反射鏡1bにより比較的平行な照明光として、フライアイレンズ5に入射する。
フライアイレンズ5は、複数のレンズを構成した構造を取り、フライアイレンズ7とコンビネーションで、後段の被照射面の輝度を均一化する効果を持つ。
【0006】
6は反射ミラーであって、フライアイレンズ5からの照明光の光路を90度折り曲げて、フライアイレンズ7に入射させる。
ミラー6はダイクロイック膜構成の赤外線と紫外線を透過させる特性として、フライアイレンズ7ヘの色光の赤外線と紫外線を低減させ、発熱や信頼性を改善している。
フライアイレンズ7より出射した色光はダイクロイックミラー8に入射し、青色光が透過して、ミラー10にて光路を折り曲げられ、青色用透過型液晶パネル17を照明する。
【0007】
一方、ダイクロイックミラー8では、青色よりも波長の長い緑色、及び赤色の光は反射され、ダイクロイックミラー9に入射する。
ダイクロイックミラー9は緑光を反射する特性を持ち、緑色用透過型液晶パネル16を照明する。
また、ダイクロイックミラー8では、緑色よりも波長の長い赤色光は、透過され、ミラー11及び12により光路を変えられ、赤色用透過型液晶パネル15を照明する。
【0008】
以上の赤色用透過型液晶パネル15、緑色用透過型液晶パネル16、及び青色用透過型液晶パネル17には、図示しないが、それぞれ各色用の駆動信号が入力され、パネルの表示エリアに映像を表示し、前記照明光を光学的に変調する。
【0009】
ここで、前記緑色用液晶パネル16の表示画像は、前記他の色用の液晶パネル15,17の表示画像とは、ダイクロイックミラー13での像の合成過程を考慮して、予め、電気的或いは、パネルの裏表逆転等により、像を上下方向(図11は上面図)に対して、逆転しておく。
【0010】
赤色用透過型液晶パネル15、緑色用透過型液晶パネル16、及び青色用透過型液晶パネル17からの映像光は、それぞれクロスダイクロイックプリズム13に、図示するように予め決められた方向から入射し、合成され、カラー画像として、図示された第4面より投影レンズ14に出射され、投影レンズ14にてスクリーンに拡大投影される。
また、光源として2つの光源を用いる構成が、実開平4−33034号と特開平9−127467号に開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、プロジェクション装置において、複数の光源を用いた好適な構成を実現することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
例えば、液晶、またはマイクロミラー動揺画素方式のプロジェクション装置の光源に、高効率、高演色性である、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプなどの放電型ランプを使用すると、装置の電源投入から、前記照明用のランプの光量が、所定の光量になるまで、約2〜3分間以上の、時間を要する。
【0013】
また、何らかの供給電源の瞬間的停止等からの回復に至っては、再点灯ができるまでに、更に多くの時間(3〜5分)が要求される。この間、重要なプレゼンテーション、会議など、緊急性を要する用途において、映像を投射出来ないという、著しい不都合があった。
【0014】
例えば上記の場合などにおいて、ライトバルブを照射する光源を複数設けると好適である場合がある。本願発明は光源を複数用いた場合において、ライトバルブを効率よく照射できる構成や、光源を複数用いた場合でも構成を簡便にできる構成を実現できるものである。
【0015】
前記課題を解決するため、本発明のプロジェクション装置は、ライトバルブを有しており、該ライトバルブにおいて2次元配列された複数画素により光を変調し、該変調した光を投射するプロジェクション装置であって、
第1の光源と、
前記第1の光源よりも、点灯開始より安定点灯に至る時間が長い第2の光源と、
焦点近傍に前記第1の光源と前記第2の光源とを設け、前記第1の光源からの光と前記第2の光源からの光を集光する反射鏡と、
前記第1の光源が前記ライトバルブを照射する光量を、前記第2の光源の点灯開始後、前記第2の光源が安定点灯に至るまでの間に徐々に減光させることにより、前記第1の光源が前記ライトバルブを照射する光量と前記第2の光源が前記ライトバルブを照射する光量とをあわせた光量が、一定の値に近づくように制御する制御手段とを有していることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
以下の実施例では、光源と該光源からの照明を二次元複数画素配列のライトバルブに照射して投射レンズによりスクリーンに投射するプロジェクタを有するプロジェクション装置において、第1の瞬時点灯可能な光源と、第2の高効率かつ高演色な光源と、光源切り替え手段、光源点灯順序制御手段により装置の電源投入時においては点灯速度の速い光源により瞬時に映像の投射を行い、点灯速度に制限のある高効率で安定点灯が可能なランプが安定点灯した時点において光路を後者の高効率で安定点灯が可能な光源に切換えると共に、その時点で前者の点灯速度の速い光源を停止させ、後者の高効率で安定点灯が可能な光源を照明光源として高演色かつ高効率に映像を投射可能としている。
【0023】
図1は、本実施例の特徴を最もよく表したものであって、本実施例に係るプロジェクション装置のプロジェクタ投射系内部構造を表す上面図である。図1において、1a(第2の光源)は電源投入から安定発光に至るまでの時間(t=B)の比較的長い照明手段としての放電管であるメタルハライドランプであり、1bは楕円面または放物面に形成された反射鏡であり、1cはメタルハライドランプ1aの電極である。2a(第1の光源)は電源投入から安定点灯に至るまでの時間(t=A)の短い照明手段であるハロゲンランプであり、2bは楕円面または放物面に形成された反射鏡、2cはハロゲンランプ2aの電極、3は移動式ミラー、4はシャッタ、5は第1のフライアイレンズ、6は反射ミラー、7は第2のフライアイレンズ、8,9はダイクロイックミラー、10,11,12はミラー、13はクロスダイクロイックプリズム、14は投射レンズ、15は赤色用透過型液晶パネル、16は緑色用透過型液晶パネル、17は青色用透過型液晶パネルである。
【0024】
また、18は光学系遮光ケース、19aはタイミングベルト、19bはタイミングベルト19aと移動式ミラー3とを連結する結合部材、19cはタイミングベルト19aとシャッタ4とを連結する結合部材、20a,20b,20cはタイミングベルト走路用プーリ、20dはギア連動型タイミングベルト走路用プーリ、20eはプーリ20dと連結連動し該プーリ20dよりも径が大きいギア、20fは前記ギア20eと噛み合う連結ギア、21は前記ギア20fと同軸で結合された駆動用電動機、100は本投射系全体を収納する外装ケースである。
【0025】
図4は、本実施例の電気的な構成を示す図である。図4において、101は赤色用信号入力端子、102は緑色用信号入力端子、103は青色用信号入力端子、104は信号処理回路ブロック、105はメタルハライドランプ点灯用回路、106はハロゲンランプ点灯用回路、107は全体の電源回路、108は本システムの制御を司る装置制御手段であるマイクロコンピュータ、109は電動機駆動回路、21はタイミングベルト19aを駆動する電動機、111,112は位置センサとしてのスイッチ(タイミングベルト19a、シャッタ4又はミラー3の位置を検出する。)、110は本実施例に係るプロジェクション装置の電源端子を示す。
【0026】
図5は、プロジェクタ起動及び停止時内部制御フローチャートを表す図である。図6は、プロジェクタ瞬断処理の内部フローチャートを表す図である。
【0027】
次に、図1に示す本実施例に係る投射系におけるメタルハライドランプユニット構造を図2に示す。先ず、メタルハライドランプ1aは、楕円面または放物面を持った反射鏡1bのおおよそ焦点部分に固定され、メタルハライドランプ1aの電極1cは反射鏡1bの投射方向と逆の光軸中心位置に開けられている小さな孔を通して設けられる。
【0028】
もう一方の電極は図示しないが、反射鏡1bの外周の前記メタルハライドランプ1aの電極1cより比較的離れた位置にて金属線1eが貫通するようにして、前記図14のメタルハライドランプ点灯回路105に絶縁されたコードにより接続される。
【0029】
本実施例に係るハロゲンランプユニット構造を図3に示す。ハロゲンランプ2aは、楕円面や放物面を持った反射鏡2bのおおよそ焦点部分に固定され、電極2cは前記反射鏡2bの光軸後部の比較的小さな貫通孔より、後部に引き出され、前記図14のハロゲンランプ点灯回路106に絶縁コードにより接続される。
【0030】
次に、本実施例に係るプロジェクション装置の電源を投入した直後又は親電源が投入されたスタンバイ状態からの投影モードヘの操作スイッチが投入された直後(以下初期状態と呼ぶ)から、図5に示すシーケンス図に従って、順次動作を説明する。
【0031】
尚、本体の光源等による発熱による温度上昇は、図示による具体的な説明は省くが、本体内部の冷却ファン等により、安全な温度に保つものとする。
先ず、図5のシーケンス図に示すように、ステップS1で電源を投入した直後又は親電源が投入されたスタンバイ状態からの投影モードヘの操作スイッチが投入された直後において、マイクロコンピュータの初期設定がなされ(ステップS2)、前記ハロゲンランプ2aが点灯される(ステップS3)。同様に、メタルハライドランプ1aも点灯される(ステップS5)。
【0032】
第1の光源であるハロゲンランプ2aと第2の光源であるメタルハライドランプ1aの点灯直後の照度の立上り特性は以下のとおりである。ハロゲンランプ2aは点灯直後より充分な明るさ(一般的には、約300mSec.程度で、最終明るさの約90%に達する。)に到達し、その後においては、安定した発光を持続する。従って、ステップS4でハロゲンランプ2aを光源として、信号処理回路の起動、映像出画がなされる。
【0033】
しかし、一方のメタルハライドランプ1aは、徐々に光量が増加し始めるが点灯から20秒前後経過するとランプ内部の水銀蒸気圧が上がり始め、急激にランプ電圧は上昇しだすものの定格電圧に近い値にまで達するには2〜3分はかかる。ランプが安定するまでの時間は、ランプ立ち上がり途中の外部強制空冷状態、レフレクタやランプ前面ガラスの有無などの影響で増減する。
【0034】
ランプ安定までの期間、点灯回路105にてランプ電圧を観測しながら、電流制御を行わせる。従って光の立ち上がりは、ほぼランプ電圧の挙動に連動した関係が成立するという状況にある。つまり光量が安定するには、2〜3分間以上は必要である。
また、図示しないが、装置の、特に前記光源等からの発熱に起因した温度上昇を回避する為に、冷却ファン等により冷却を行う。
【0035】
次に、前記初期状態において、反射ミラー3は、ハロゲンランプ2aからの光を、フライアイレンズ5に反射させる位置3(イ)に、配置されている。
同様にシャッタ4は、メタルハライドランプ1aからの、光束を遮断する位置4(ハ)に配置されている。
【0036】
ここで、反射ミラー3は結合部材19bにより、タイミングベルト19aに前記ミラー3の上辺(非光路部分)で、機械的に連結され、またシャッタ4もタイミングベルト19aの(ハ)の位置で結合部材19cにより、シャッタ4の上辺(非光路部分)で、機械的に連結されている。
【0037】
【0037】
タイミングベルト19aは、4つのプーリ20a、20b、20c、20dによって図1のように走路が決定されている。
プーリ20dはギア20eと同一軸上で力学的に結合され、ギア20eはプーリ20dよりも大き。ギア20eの外周の一点にはギア20fが力学的に結合されていて電動機21からの駆動によりプーリ20dの回転が減速されるので、タイミングベルト19aは充分なトルクが得られタイミングベルト19aを搬送させるという構造になっている。
【0038】
また、前記ミラー3及び前記シャッタ4は、図示してないが、検出する手段により停止位置が決定される。前記ミラー3及び前記シャッタ4は、一部に突起機構を施し又はタイミングベルト19aに特定光学的のマーキング若しくは突起構造を施し、フォトインタラプタ等又はマイクロスイッチにより機構的に検出する。また、前記ミラー3及び前記シャッタ4の一部に電気的伝導体を突起機構として施し又はタイミングベルト19aに直接構成し、接触子によって、電気的導通により位置を検出することもできる。本実施例では、図4のブロックダイアグラムに示すように、検出スイッチ111,112にて検出して、マイクロコンピュータ108の2つの入力ポートに接続され、マイクロコンピュータ108のプログラミング処理により、電動機駆動回路109によって電動機21が駆動され、前記タイミングベルト19aの回転と方向の制御を行い、前記ミラー3及び前記シャッタ4の位置が制御される。
【0039】
従って、前記初期状態においては、ハロゲンランプ2aからの色光がミラーを介して、第1のフライアイレンズ5に入射され、フライアイレンズ5を通った色光は、ミラー6を介して第2のフライアイレンズ7に入射され、第2のフライアイレンズ7に入射した色光は更に、ダイクロイックミラー8に照射される。
【0040】
ダイクロイックミラー8においては、所定の角度では透過光が青色の波長に設定され、青色光は反射ミラー10に照射され、反射ミラー10において光路の角度を変えて液晶パネル17を照明する。
一方ダイクロイックミラー8においては、緑色光と赤色光は反射され、図示したように45度の光路を変えてダイクロイックミラー9に入射する。
【0041】
ダイクロイックミラー9は緑光を反射し液晶パネル16を照明する。
また、ダイクロイックミラー9は、赤色光を透過して、次段の反射ミラー11と12にて、光路の角度を変えて、液晶パネル15を照明する。
【0042】
次に、前記液晶パネル15は、赤色用の信号処理回路により赤色画像が表示されており、同様に液晶パネル16は、緑色用の信号処理により緑色画像が表示され、液晶パネル17は青色用の信号処理回路により青色画像が表示される。この電気的な構成は図4のブロックダイヤグラムに示す。
【0043】
図1において、ライトバルブとしての液晶パネル15,16,17は、近年では0.9インチから1.8インチ程度の透過型ポリシリコンのTFTアクティブマトリクス液晶パネルなどが主流になった。
【0044】
前記液晶パネル15,16,17より出射される、順に赤色、緑色、青色光の像は、それぞれの角度からクロスダイクロイックプリズム13にて合成され、投射レンズ14によりカラー画像がスクリーンに拡大投射される。
ここにおける各液晶パネル15,16,17の表示画像の向きに関しては、本明細書に記載の従来例と同様である。
【0045】
次に、前記メタルハライドランプ1aが電源投入時より、図5のステップS5で点灯開始されてから徐々に光量が増加し約2〜3分間程度の立上り時間を経てほぼ安定光量の発光状態に近づいた時点において、ステップS6でメタルハライドランプ1aからの光量が充分であるかどうかが判断される。充分と判断されると、ステップS7でシャッタ4及びミラー3がメタルハライドランプモードの位置に移動する。即ち、前記電動機21を駆動させ、機構的伝達系のプーリ20f,20e,20dを介してタイミングベルト19aを矢印aの方向に搬送させる。その結果、反射ミラー3は位置(ロ)まで移動する。
【0046】
一方、同じタイミングベルト19aに結合されているシャッタ4も同様の回転方向に沿って位置(ニ)まで移動する。前記タイミングベルト19a、シャッタ4、反射ミラー3又は回転機構20(20a〜20f)には、図示してないが、前述したように位置検出センサが連動しており、図4に示すマイクロコンピュータ108にフィードバックされ、マイクロコンピュータ108のプログラミング処理により電動機駆動回路109から電動機21駆動して前記タイミングベルト19aの回転と方向の制御を行い、前記ミラー3及び前記シャッタ4の位置制御、所定の場所に停止する。そして、ステップS8でシャッタ4及びミラー3の移動が完了したかどうかを判断する。
かくして、放電管であるメタルハライドランプ1aからの発光光が、反射ミラー3を介してフライアイレンズ5に入射する。
【0047】
フライアイレンズ5より後段の光路は前記の説明の通りで、投射レンズ14によりスクリーンに投射される。
同時に前記ハロゲンランプ2からの色はシャッタ4により遮光されると同時に、任意の安全時間をおいて間もなく光源制御回路106により遮断消灯され(ステップS9)、それ以降の投射は光源であるメタルハライドランプ1aにて行われ、効率がよく演色性に優れ、かつ安定した映像の投射が可能となる。
【0048】
図5において装置を停止させる動作の順序は、停止スイッチ制御(ステップS10)、メタルハライドランプ1aの停止(ステップS11)、信号処理回路104の停止(ステップS12)、シャッタ4及びミラー3の初期位置への復帰(ステップS13)、ファンの冷却終了(ステップS14)、スタンバイランプ停止(ステップS15)、マイクロコンピュータ108のウオーミングアップ(ステップS16)の順序にて行われる。
【0049】
次に、第1の光源であるハロゲンランプ2aから第2の光源であるメタルハライドランプ1aに切り替わった後の、効率がよく演色性に優れ、かつ安定した投射状態において、万が一、瞬間的な電源の停止が発生した場合は、図6のシーケンス図に示すステップにしたがって処理が行われる。ステップS21で瞬間的停電を検出し、ステップS22で電源再投入処理を行い、電源が復帰した時点において、図示しないが、冷却ファンを回転させ内部を所定の温度に保つ。これと共に、図5に示したのと同様にステップS1の電源投入/スタート制御及びステップS2のマイクロコンピュータ初期設定を経て、ステップS23において電動機21はシャッタ4及び反射ミラー3をそれぞれ前記位置(イ),(ハ)に復帰させるように回転させて、動力伝達系の連結ギア20f、大きいギア20e及びプーリ20dを介してタイミングベルト19aを搬送させる。
【0050】
また、ハロゲンランプ2aを瞬時に点灯させる(ステップS3)。ハロゲンランプ2aの色光がフライアイレンズ5に照射され映がスクリーンに投影される(ステップS4)。
【0051】
メタルハライドランプ1aは、メタルハライドランプ再点灯処理され、ステップS24でメタルハライドランプ再投入と判断されると、ステップS25でタイマにより定められた再点灯禁止時間の間、メタルハライドランプ1aの点灯を停止する。ステップS25のタイマの再点灯禁止時間はメタルハライドランプの信頼性の補償に基づく時間であり、一般的には2〜数分間程度である。
【0052】
以上の動作により、本実施例に係るプロジェクション装置の電源が瞬間的に停止した場合には、電源が再供給された時点で前記メタルハライドランプ1aの再点灯禁止時間に拘束されることなく、投射が即座に可能となる
【0053】
メタルハライドランプ1aの再点灯禁止時間を経過した時点で前記メタルハライドランプ1aを再点灯し(ステップS5)、メタルハライドランプ1aの光量が所定の光量になったかどうかを判断する(ステップS6)所定の光量になった時点で前記初期の点灯からのシーケンスと同様に、ステップS7で電動機21を起動させ、動力伝達系の連結ギア20f、大きいギア20e、プーリ20dを介して、タイミングベルト19aを搬送させ、シャッタ4を(ハ)の位置に移動させる。それと同時に、ミラー6を(ニ)の位置に移動させ、ステップS8で移動完了を確認したときステップS9では、安定したメタルハライドランプ1aからの色光をフライアイレンズ5を介して照明光とすることができ、これにより演色性が高く高効率な投影回復できる。
【0054】
以上の実施例において、点灯開始より安定点灯に至る時間が長いランプ(第2の光源)としては、メタルハライドランプ1aに示した放電管はメタルハライドランプの他に高圧水銀ランプなど水銀系ガスを封入したランプがある。
【0055】
また、点灯より直ちに安定光量が得られる光源(第1の光源)としては、ハロゲンランプ2aのほかに、タングステン電球等の白熱型電球やキセノンガスを封入したキセノン放電発光管、蛍光ランプ、発光ダイオード、蛍光表示管、電子源型光源なども使用出来ることはもちろんである。
【0056】
また、シャッタ4を省いて、ミラー3において反射されず直進した色光を光学系遮光ケース18等に直接当てても良い。この場合、光学系遮光ケース18は黒色等の光が反射し難い表面処理にするのがよい。また、光学系遮光ケース18が光線により加熱されて温度が上昇することに対しては放熱を考慮すればよい。
【0057】
また、上記のミラー4を移動して前記2種類の光源を切り替える以外に、前記ミラー4以降の光路を固定として、前記ハロゲンランプ2aとメタルハライドランプ1aとを移動させても同様の効果は得られる。
【0058】
以上説明したように、第2の光源であるメタルハライドランプ1a等の放電管の点灯時の光量が安定するまでの期間、第1の光源であるハロゲンランプ2aを光源とする構造とすることにより、本体の電源投入操作或いは待機状態からのスタート操作直ちに映像の投射が可能となる。また、瞬間的電源停止に対しても速やかに投影状態に回復出来
【0059】
(第2の実施例)
前記第1の実施例においては光源をミラーとシャッタにより切り替えたが、本発明の第2の実施例に係るプロジェクション装置は、図8及び図4に示す構造において、放電管であるメタルハライドランプ1aとハロゲンランプ2aとは隣合わせで配置され、共通の楕円面または放物面を持った反射鏡1dのおおよそ焦点部分に固定される。各々の電極1cと2cは、それぞれ、前記反射鏡1dを貫通して取り出され、図4のブロックダイアグラムに示す点灯回路105と106に接続される。
【0060】
前記共通の反射鏡1dに取り付けられたメタルハライドランプ1aとハロゲンランプ2a及び各々の端子を、以下において複合ランプユニット201と呼ぶ。複合ランプユニット201の外観図を図7に示す。
【0061】
以下、第2の実施例におけるプロジェクション装置の要部構造図を図8に示しその動作を説明する。図8において、複合ランプユニット201は、前記反射ミラー3を介してフライアイレンズ5に入射される構造を取り、以降の光路は前記第1の実施例の場合と同じである。
【0062】
次に、図9に示すシーケンスに従って、電源投入からの本実施例に係るプロジェクション装置の動作を説明する。
先ず、ステップS1で電源投入直後又は親電源が投入されたスタンバイ状態からの投影モードヘの操作スイッチが投入された直後において、ステップS2のマイクロコンピュータ初期設定を経てステップS3で前記ハロゲンランプ2aが点灯される。同様に、メタルハライドランプ1aも点灯される。
【0063】
前記2つのランプの点灯直後の照度の立上り特性は、前述したように、ハロゲンランプ2aは点灯直後より充分な明るさ(一般的には、約300mSec.程度で、最終明るさの約90%に達する。)に到達し、その後においては安定した発光を持続する。従って、ステップS4で信号処理回路が起動し映像が出画される。
【0064】
一方、メタルハライドランプ1aは、前述したように緩やかに光量が増加し、2〜3分間程度で最終的な明るさに到達する(ステップS5)。ステップS6でメタルハライドランプ1aの光量が充分であるとの判断がされると、ステップS9でハロゲンランプ2aが停止消灯される。
【0065】
反射鏡1dにおいては、双方の色光をまとめて集光してフライアイレンズ5に入射させる。以降は第1の実施例と同様であり、メタルハライドランプ1aにおいて徐々にその発光光量が増加してくるのに対応して、前記ハロゲンランプ点灯用回路106において、時間と共にハロゲンランプ2aの点灯光量を減衰させて、常に照明光の光量を一定になるように制御する
【0066】
この場合、前記ハロゲンランプ点灯用回路106は、図4に示す前記マイクロコンピュータ108において、メタルハライドランプ1aの光量増加を補正するデータにより予め前記ハロゲンランプ点灯用回路106を制御しハロゲンランプ2aの光量を徐々に減衰させる構造とした。
具体的にはハロゲンランプ点灯用回路106において、チョッパ制御を行うと電力ロスは少ない。
【0067】
また、前記マイクロコンピュータ108よりのハロゲンランプ点灯用回路106の制御は、デジタル信号パラレル制御やデジタル信号シリアル制御はマイクロコンピュータ108にD/Aコンバータパルス幅変調(PWM)出力のポートを持たせアナログ的電圧制御でも良い。この場合ハロゲンランプ点灯用回路106においては前記マイクロコンピュータ108よりの制御データを例えばパルス幅に変換し、チョッパ時間を制御して出力電圧を制御するものである。
【0068】
図9の停止時フローにおいて、停止動作の順序は、停止スイッチ制御(ステップS10)、メタルハライドランプ1a停止(ステップS11)、信号処理回路104停止(ステップS12)、ファン冷却終了(ステップS14)、メイン電源停止(ステップS17)のにて行われる。
【0069】
(第3の実施例)
また、上記第2の実施例において、図8に示すように光路の途中に光量センサを配、マイクロコンピュータにより光量が一定になるように前記ハロゲンランプ点灯用回路106を制御することにより更に光量は安定する。
【0070】
図8に示す液晶パネル16のイメージエリア下辺に接近した位置に光量センサ200を配置してノイズ等の外乱に対応して積分化等のしかるべき信号処理を施し、マイクロコンピュータ108にフィードバックして例えば内部に具備されたA/Dコンバータにより量子化デジタル化を施し、図10に示すシーケンス処理等により前記ハロゲンランプ点灯用回路106を制御する。
【0071】
図10において、電源投入時フローのステップS1〜ステップS5は図9の場合と同じであり、その後ステップS31の光量センサレベル検出がなさステップS32で光量値>規定値Aが成立するか判断される。これが成立すると、ステップS33でハロゲンランプ制御電圧1ステップ降下、ステップS34でハロゲンランプ駆動電圧<規定電圧Bならば、ステップS9でハロゲンランプ停止となり動作が終了する。
この場合、光量センサはフォトトランジスタ、フォトダイオード、太陽電池、Cdsセンサ等が実用的である。
【0072】
また、この場合、ハロゲンランプは電圧により調光可能であるが、定格値の約50%以下においてはハロゲンランプの劣化につながる為、それ以下の駆動電圧においてはハロゲンランプ2aの点灯を停止させることは必要ある。
【0073】
また、他の前記点灯立上りの早い光源の中に在っても同様に、調光範囲を考慮することは必要ある。
【0074】
また、前記第1の実施例では、メタルハライドランプの点灯開始からの時間をマイクロコンピュータ等の手段により計数して該点灯時間により前記ランプの切り替えを行っていたのであるが、第3実施例と同様に第1実施例でも光量センサによって規定の明るさを検出した時点において前記ランプの切り替えを行うことにより更に精度は向上する。この場合前記光量センサは図示してないが、メタルハライドランプの光路の一部に設置することが望ましい。
【0075】
(第4の実施例)
前記の第1の実施例、第2の実施例及び第3の実施例等において、第の光源としての放電管であるメタルハライドランプ1aと第の光源であるハロゲンランプ2aとを切り替えることにより、特に、ハロゲンランプ2aは、前記メタルハライドランプ1aに比較して、一般的には、色温度が低い。
【0076】
従って、本実施例に係るプロジェクション装置は、ハロゲンランプ2aと光路切り替え手段との間に、色温度を改善すべく、トリミングフィルタを挿入することにより、色温度の変動を改善するものである。
【0077】
(第5の実施例)
また、上述のように光学的に色温度を改善するほかに、光源の切り替え制御と連動して、信号処理回路の、赤、青、緑の3色の信号のレベル及びセットアップ(ブライトネス)及びデガンマ補正のバランスを変える手段により、色温度の変動が、改善できる。
【0078】
図4に示す回路ブロックダイアグラムの、信号処理回路104において、前記光源の切り替え制御と連動して、信号処理回路104の、赤、青、緑の3色の信号のレベル及びセットアップ(ブライトネス)及びデガンマ補正の値のバランスを、図示してないがマイクロコンピュータ108により、光源切り替え制御に連動した色温度切り替え信号により、制御することにより、前記光源切り替えにおいて、色温度の極端な変動を回避できる。
【0079】
以上の各実施例に係るプロジェクション装置は、瞬時投影できるように、2種類の光源を用いて電源投入時から即座に、実用的な明るい映像を投射でき、更に、立上り後、段階的に高効率、高演色性の投射画像が得られる。また、電源の瞬間的な切断においても、即座に投影状態に回復が可能となる。
【発明の効果】
本発明によれば、複数光源を用いた好適なプロジェクション装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る液晶プロジェクション装置におけるプロジェクタの光学レイアウトの平面図である。
【図2】 本発明の実施例に係るメタルハライドランプユニットの構造図である。
【図3】 本発明の実施例に係るハロゲンランプユニットの構造図である。
【図4】 本発明の実施例に係る回路ブロックダイアグラムである。
【図5】 本発明の第1の実施例に係るランプ点灯制御フローチャートである。
【図6】 本発明の第1の実施例に係るランプ再点灯処理制御フローチャートである。
【図7】 本発明の第1の実施例に係る複合ランプユニットの構造を示し、(A)は側面図、(B)は正面図である。
【図8】 本発明の第2の実施例に係る液晶プロジェクション装置におけるプロジェクタの光学レイアウトの平面図である。
【図9】 本発明の第2の実施例及び第3の実施例に係るプロジェクション装置の動作説明のためのフローチャート図である。
【図10】 本発明の第2の実施例及び第3の実施例に係るプロジェクション装置の動作説明のためのフローチャート図である。
【図11】 従来のプロジェクション装置の例を示す構成図である。
【符号の説明】
1a:放電管であるメタルハライドランプ、1b:楕円面または放物面に形成された反射鏡、1c:メタルハライドランプ1aの電極、1d:反射鏡、2a:ハロゲンランプ、2b:楕円面または放物面に形成された反射鏡、2c:ハロゲンランプ2aの電極、3:移動式ミラー、4:シャッタ、5:第1のフライアイレンズ、6:反射ミラー、7:第2のフライアイレンズ、8,9:ダイクロイックミラー、10,11,12:ミラー、13:クロスダイクロイックプリズム、14:投射レンズ、15:赤色用透過型液晶パネル、16:緑色用透過型液晶パネル、17:青色用透過型液晶パネル、18:光学系遮光ケース、19a:タイミングベル卜、19b:タイミングベルトと移動式ミラー3を連結する結合部材、19c:タイミングベルトとシャッタ4を連結する結合部材、20a,20b,20c:タイミングベルト走路用プーリ、20d:ギア連動型タイミングベルト走路用プーリ、20e:プーリ20dと連結連動しプーリ20dよりも径が大きいギア、20f:前記ギア20eと噛み合う連結ギア、21:前記ギア20fと同軸で結合された駆動電電動機、100:本投射系全体を収納する外装ケース、101:赤色用信号入力端子、102:緑色用信号入力端子、103:青色用信号入力端子、104:信号処理回路ブロック、105:メタルハライドランプ点灯用回路、106:ハロゲンランプ点灯用回路、107:全体の電源回路、108:本システムの制御を司るマイクロコンピュータ、109:タイミングベルトを駆動する電動機駆動回路、110:本装置の電源端子、111,112:タイミングベルト或いはシャッタまたはミラーの位置を検出する位置センサとしてのスイッチ、200:光量センサ。

Claims (2)

  1. ライトバルブを有しており、該ライトバルブにおいて2次元配列された複数画素により光を変調し、該変調した光を投射するプロジェクション装置であって、
    第1の光源と、
    前記第1の光源よりも、点灯開始より安定点灯に至る時間が長い第2の光源と、
    焦点近傍に前記第1の光源と前記第2の光源とを設け、前記第1の光源からの光と前記第2の光源からの光を集光する反射鏡と、
    前記第1の光源が前記ライトバルブを照射する光量を、前記第2の光源の点灯開始後、前記第2の光源が安定点灯に至るまでの間に徐々に減光させることにより、前記第1の光源が前記ライトバルブを照射する光量と前記第2の光源が前記ライトバルブを照射する光量とをあわせた光量が、一定の値に近づくように制御する制御手段とを有していることを特徴とするプロジェクション装置。
  2. 前記制御手段は、前記第2の光源の点灯開始からの時間経過に伴う光量変化に基づいて決められた補正データに応じて光量調整を行う請求項1に記載のプロジェクション装置。
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