JP4769309B2

JP4769309B2 - 車両用ディスクブレーキ装置

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Publication number: JP4769309B2
Application number: JP2009022949A
Authority: JP
Inventors: 泰隆三浦; 陽一佐藤; 昌之杉田; 佳徳山野井; 均大井; 淳高野; 宣輝藤井
Original assignee: Honda Motor Co Ltd; Nissin Kogyo Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd; Nissin Kogyo Co Ltd
Priority date: 2009-02-03
Filing date: 2009-02-03
Publication date: 2011-09-07
Anticipated expiration: 2029-02-03
Also published as: CN101799052B; US20100193301A1; US8186487B2; JP2010180914A; CN101799052A

Description

本発明は、パーキングブレーキ用のブレーキワイヤーを備えた車両用ディスクブレーキ装置に関するものである。

ディスクブレーキ装置は、車輪とともに回転するディスクロータを油圧を用いて挟みつけることで車輪を制動する。また、後輪に用いたものは、一般的にパーキングブレーキ装置を備え、パーキングブレーキ装置のワイヤーガイドがボルトで固定されている（例えば、特許文献１（図２）参照）。
また、パーキングブレーキ装置のブレーキワイヤーを支持しているワイヤーガイドがキャリパボディに一体に形成されているものがある（例えば、特許文献２（図１）参照）。

しかし、従来技術（特許文献１、特許文献２）では、寒冷地の条件下で、ワイヤーガイドに雪や氷が、下から巻き上げられてつきやすいという欠点がある。着雪や着氷が成長して大きくなると、ワイヤーにも雪や氷がつき始め、作動性に影響がでてしまうおそれがある。

特許文献１は、特に、ボルトの頭やボルト近傍のキャリパの外面に雪や氷や泥が付着することがあり、結果的に、ワイヤガイドに雪や氷や泥が付着して、ブレーキワイヤーの機能を損なう可能性がある。

実開平６−２８３７６号公報特開２００３−２９４０６８号公報

本発明は、ブレーキワイヤーに向いているキャリパの面に雪や氷や泥が付着するのを防止する車両用ディスクブレーキ装置を提供することを課題とする。

上記の課題を解決するために、請求項１に係る発明は、車両の車輪の回転を規制する機械式ブレーキ機構を作動させる回動軸に回動レバーが固着され、回動レバーにブレーキワイヤーが取付けられ、回動軸を支持しているキャリパボディのシリンダのうち車両に取付けた状態において下方へ向いているシリンダ底部の側方からシリンダの半径方向外方へボディ固定部を突出させ、ボディ固定部に固定されたワイヤーガイドにブレーキワイヤーが支持されて回動レバーを回動する車両用ディスクブレーキ装置において、ワイヤーガイドは、ボディ固定部に固定されるワイヤーガイド固定部と、ワイヤーガイド固定部に連なり回動レバーへ向いているワイヤ支持部と、を有し、ワイヤ支持部がワイヤーガイドの先端をなす一端に設けられてブレーキワイヤーを支持し、ワイヤーガイド固定部がワイヤーガイドの他端に設けられてシリンダ底部の側方からシリンダの半径方向外方に突出したボディ固定部に固定され、ボディ固定部は、ブレーキワイヤーへ向いている一方の面と、一方の面に対向する他方の面を有し、少なくとも一方の面が平坦面で、且つ、シリンダの断面視においてシリンダの半径中心とボディ固定部の基端部の中心を通る線に対して、他方の面側へ傾斜し、他方の面側にワイヤーガイド固定部を配設し、ワイヤーガイド固定部とボディ固定部とをボルトの螺合によって固定するとともに、ボルトの先端部を一方の面と同じ方向へ向け、ボルトの頭部を他方の面と同じ方向へ向けていることを特徴とする。

請求項２に係る発明は、ワイヤ支持部は、ワイヤーガイド固定部に連なり、回動レバー側に２箇所折り曲げられて回動レバーへ向いていることを特徴とする。

請求項３に係る発明では、ボルトは、先端部がボディ固定部の一方の面の平坦面から突出するようにボルトの長さが設定されていることを特徴とする。

請求項１に係る発明では、機械式ブレーキ機構の回動レバーにブレーキワイヤーが取付けられ、シリンダ底部の側方からボディ固定部を突出させ、ボディ固定部に固定されたワイヤーガイドにブレーキワイヤーが支持された車両用ディスクブレーキ装置において、ワイヤーガイドは、ワイヤーガイド固定部と、ワイヤ支持部と、を有し、ワイヤ支持部がワイヤーガイドの先端をなす一端に設けられてブレーキワイヤーを支持し、ワイヤーガイド固定部がワイヤーガイドの他端に設けられてシリンダ底部の側方からシリンダの半径方向外方に突出したボディ固定部に固定され、ボディ固定部は、ブレーキワイヤーへ向いている一方の面と、他方の面を有し、少なくとも一方の面が平坦面で、且つ、シリンダの断面視においてシリンダの半径中心とボディ固定部の基端部の中心を通る線に対して、他方の面側へ傾斜し、他方の面側にワイヤーガイド固定部を配設しているので、キャリパボディの外面と突出したボディ固定部との間を、鋭角となる部位が形成せずに略平坦面とすることができ、また、ワイヤーガイドを設けることによる段差をブレーキワイヤーへ向いているキャリパボディの外面に形成しないので、略平面形状を損なうことがない。従って、ブレーキワイヤーに向いているキャリパの面に車輪で巻き上げられた雪や氷や泥が付着するのを防止することができる。

請求項１に係る発明では、ワイヤーガイド固定部とボディ固定部とをボルトの螺合によって固定するとともに、ボルトの先端部を一方の面と同じ方向へ向け、ボルトの頭部を他方の面と同じ方向へ向けているので、ブレーキワイヤーへ向けてボルトの頭部が配置されず、一方の面にボルトの頭部の突出による高い段差が発生せず、車輪で巻き上げられた雪や氷や泥の付着をより確実に防止することができる。
請求項２に係る発明では、ワイヤ支持部は、ワイヤーガイド固定部に連なり、回動レバー側に２箇所折り曲げられて回動レバーへ向いているので、シリンダ底部の側方からシリンダの半径方向外方へ突出したボディ固定部にワイヤーガイドを固定して、ブレーキワイヤーをワイヤ支持部で支持し、回動レバーを回動することができる。

請求項３に係る発明では、ボルトは、先端部がボディ固定部の一方の面の平坦面から突出するようにボルトの長さが設定されているので、付着した雪や氷や泥が流動化した場合に一方の面の平坦面からボルトの先端部に伝わり、落下しやすくなり、たとえ平坦面に雪や氷や泥が付着したとしても、有効に雪や氷や泥を排除できるという利点がある。

本発明の実施例に係る車両用ディスクブレーキ装置の背面図である。図１の２−２線断面図である。本発明の実施例に係る車両用ディスクブレーキ装置の斜視図である。図１の４−４線断面図である。車両用ディスクブレーキ装置のボディ固定部の斜視図である。

以下、本発明の実施の形態について、実施例で詳細に説明する。なお、図１は図の下が車両の下方向、図の裏が車両の前方向で、図２は図の下が車両の下方向、図の右が車両の前方向である。

図１及び図２に示すように車両用ディスクブレーキ装置１１は、車両の後輪１２に採用され、後輪１２とともに回転するディスクロータ１３を両面から押し付けることで、後輪１２を制動するものであり、機械式ブレーキ機構であるところのパーキングブレーキ装置１４を有する。車両前進時のディスクロータ１３の回転方向は矢印ａ１の方向である。

また、ディスクブレーキ装置１１は、図１〜図３に示すように、後サスペンション装置２１に接続している接続部材２２と、接続部材２２に取付けられているキャリパボディであるところのキャリパ２３と、キャリパ２３に設けた油圧ブレーキ機構２５と、ディスクロータ１３の両面を押圧するパッド２７と、を備え、油圧ブレーキ機構２５に油圧ホース２８で作動液を供給している。

次に、図１〜図５に示した油圧ブレーキ機構２５及びパーキングブレーキ装置１４を説明する。
油圧ブレーキ機構２５は、キャリパ２３に連なるシリンダ３１と、シリンダ３１内に摺動自在に嵌合したピストン３２と、を備える。

シリンダ３１は、ディスクロータ１３側を開口（開口部３３）し、ディスクロータ１３の軸線Ｃｒの方向（矢印ａ２の方向）に長さを設定して形成されている。開口部３３に対向している後端部３５に軸嵌合穴部３６が形成されている。
ピストン３２には、パッド２７が接続されている。

パーキングブレーキ装置１４は、車室（図に示していない）に設けた図に示していないパーキングブレーキレバーに接続しているブレーキワイヤーであるところのパーキングブレーキケーブル３８と、パーキングブレーキケーブル３８を先端（一端）４１に支持しているワイヤーガイド４２と、ワイヤーガイド４２のワイヤーガイド固定部（他端）４３を締結するためにシリンダ３１の外周面４５に形成したボディ固定部４６と、を備える。
なお、シリンダ３１の外周面４５は、上位概念ではキャリパ２３の外面４７に含める。

また、パーキングブレーキ装置１４は、パーキングブレーキケーブル３８の連結端部５１を掛止している回動レバー５２と、回動レバー５２に一体的に嵌合してナット５４で固定されている回動軸であるところのカムシャフト５５と、ナット５４の外面に嵌めた復帰ばね５６と、カムシャフト５５に当接している押しロッド機構５７と、を備え、押しロッド機構５７にピストン３２が接続している。

カムシャフト５５は、図４に示すように軸嵌合穴部３６に軸受け５８を介して取付けられている。そして、パーキングブレーキケーブル３８の引き力（矢印ａ３の方向）によって回動すると、ピストン３２をディスクロータ１３へ向けて前進させるので、パッド２７をディスクロータ１３に押し付ける。

また、カムシャフト５５は、軸嵌合穴部３６から突出（ナット５４の高さに相当する長さだけ）している突出端部６１に回動レバー５２の支点端部６２を嵌合固定している。

車両用ディスクブレーキ装置１１は、図１〜図５で既に説明したように、車輪７１の回転（矢印ａ４の方向）を規制する機械式ブレーキ機構（パーキングブレーキ装置１４）を作動させる回動軸（カムシャフト５５）に回動レバー５２を固着し、回動レバー５２にブレーキワイヤー（パーキングブレーキケーブル３８）が取付けられ、回動軸（カムシャフト５５）を支持しているキャリパボディ（キャリパ２３）のシリンダ３１のうち車両に取付けた状態において下方へ向いているシリンダ底部７２の側方からシリンダ３１の半径方向外方（図２の矢印ａ５の方向）へボディ固定部４６を突出させ、ボディ固定部４６に固定されたワイヤーガイド４２にブレーキワイヤー（パーキングブレーキケーブル３８）が支持されて回動レバー５２を回動（図４の矢印ａ６の方向）する。

ワイヤーガイド４２は、図２に示すように、ボディ固定部４６に固定されるワイヤーガイド固定部４３と、ワイヤーガイド固定部４３に連なり回動レバー５２へ向いているワイヤ支持部７３と、を有し、ボディ固定部４６は、ブレーキワイヤー（パーキングブレーキケーブル３８）へ向いている一方の面（底面）７６と、一方の面７６に対向してワイヤーガイド固定部４３を重ねている他方の面（上面）７７を有し、少なくとも一方の面７６が平坦面で、且つ、シリンダ３１の断面視（図２の視点）においてシリンダ３１の半径中心Ｓ１とボディ固定部４６の基端部８１の中心Ｓ２を通る線Ｂに対して、他方の面７７側へ傾斜（角度α）している。
ワイヤ支持部７３は一端（先端）４１に含まれる。

ワイヤーガイド固定部４３とボディ固定部４６とをボルト８３の螺合によって固定するとともに、ボルト８３の先端部８４を一方の面７６と同じ方向へ向けている。
ボルト８３は、先端部８４がボディ固定部４６の一方の面７６の平坦面から突出するようにボルトの長さがＬ（図２）に設定されている。
なお、ボルト８３の先端部８４の突出長さは頭部８５の突出長さ（頭の高さ）よりも短くなるように設定されている。

次に、本発明の実施例に係る車両用ディスクブレーキ装置１１の作用を説明する。
図２において、寒冷地の条件下で、車輪（矢印ａ１の方向）の回転や車両の底を流れる走行風によって路上の雪Ｓが巻き上げられると、巻き上げられた雪Ｓが、飛散して、後輪に用いた車両用ディスクブレーキ装置１１にも達する。そして、キャリパ２３やワイヤーガイド４２やボディ固定部４６に雪Ｓが矢印ｂ１のように当接すると、ボディ固定部４６の一方の面７６の平坦面によって雪Ｓは落ちやすくなる。その結果、ボディ固定部４６とパーキングブレーキケーブル３８との間に、車輪で巻き上げられた雪や氷や泥が付着するのを防止することができる。

ディスクブレーキ装置１１では、ボルト８３の先端部８４を一方の面７６と同じ方向へ向けているので、一方の面７６にボルト８３の頭部８５の突出による高い段差が発生せず、車輪で巻き上げられた雪や氷や泥の付着をより確実に防止することができる。

ディスクブレーキ装置１１では、ボルト８３の先端部８４をボディ固定部４６の一方の面７６の平坦面から突出させているので、雪や氷や泥が一方の面７６の平坦面からボルト８３の先端部８４に伝わり、矢印ｂ２のように落下しやすくなり、たとえ平坦面に雪や氷や泥が付着したとしても、有効に雪や氷や泥を排除できる。
また、一方の面７６の平坦面に溶けかけの雪・氷を広げないで、先端部８４に溜めて滴下させることで撤去することができる。

ディスクブレーキ装置１１では、シリンダ３１の断面視（図２の視点）においてシリンダ３１の半径中心Ｓ１とボディ固定部４６の基端部８１の中心Ｓ２（板厚の中心）を通る線Ｂに対して、他方の面７７側へ傾斜（角度α）しているので、キャリパ２３のシリンダ３１のうち車両に取付けられた状態において下方へ向いているシリンダ底部７２の外周面４５（略水平線）と一方の面７６とでなす角度が鋭角とはならず、つまり、キャリパ２３のシリンダ３１のうち車両に取付けられた状態において下方へ向いているシリンダ底部７２の外周面４５と一方の面７６との境界部８７がくぼみにならずに、ほぼ平坦になり、境界部８７に雪や氷や泥が溜まり難いという利点がある。

尚、本発明の車両用ディスクブレーキ装置は、実施の形態では後輪に採用されているが、前輪にも採用可能である。
また、本発明の車両用ディスクブレーキ装置は、実施の形態では油圧ブレーキ機構と機械式ブレーキ機構とを備えたものであるが、機械式ブレーキ機構のみを備えたものであってもよい。
また、本発明の車両用ディスクブレーキ装置は、自動車に限らず自動二輪車やオールテレーンビークル（ＡＴＶ）等も含めた各種車両に適用可能である。

本発明の車両用ディスクブレーキ装置は、後輪に好適である。

１１…車両用ディスクブレーキ装置、１４…機械式ブレーキ機構（パーキングブレーキ装置）、２３…キャリパボディ（キャリパ）、３１…シリンダ、３８…ブレーキワイヤー（パーキングブレーキケーブル）、４２…ワイヤーガイド、４３…ワイヤーガイド固定部、４６…ボディ固定部、５２…回動レバー、５５…回動軸（カムシャフト）、７１…車輪、７２…シリンダ底部、７３…ワイヤ支持部、７６…一方の面、７７…他方の面、８１…ボディ固定部の基端部、８３…ボルト、８４…ボルトの先端部、Ｂ…中心を通る線、Ｌ…ボルトの長さ、Ｓ１…シリンダの半径中心、Ｓ２…基端部の中心。

Claims

車両の車輪の回転を規制する機械式ブレーキ機構を作動させる回動軸に回動レバーが固着され、該回動レバーにブレーキワイヤーが取付けられ、前記回動軸を支持しているキャリパボディのシリンダのうち前記車両に取付けた状態において前記車両下方へ向いているシリンダ底部の側方から前記シリンダの半径方向外方へボディ固定部を突出させ、該ボディ固定部に固定されたワイヤーガイドに前記ブレーキワイヤーが支持されて前記回動レバーを回動する車両用ディスクブレーキ装置において、
前記ワイヤーガイドは、前記ボディ固定部に固定されるワイヤーガイド固定部と、該ワイヤーガイド固定部に連なり前記回動レバーへ向いているワイヤ支持部と、を有し、前記ワイヤ支持部が前記ワイヤーガイドの先端をなす一端に設けられて前記ブレーキワイヤーを支持し、前記ワイヤーガイド固定部が前記ワイヤーガイドの他端に設けられて前記シリンダ底部の側方から前記シリンダの半径方向外方に突出した前記ボディ固定部に固定され、
前記ボディ固定部は、前記ブレーキワイヤーへ向いている一方の面と、該一方の面に対向する他方の面を有し、少なくとも前記一方の面が平坦面で、且つ、前記シリンダの断面視において該シリンダの半径中心と前記ボディ固定部の基端部の中心を通る線に対して、前記他方の面側へ傾斜し、該他方の面側に前記ワイヤーガイド固定部を配設し、
前記ワイヤーガイド固定部と前記ボディ固定部とをボルトの螺合によって固定するとともに、該ボルトの先端部を前記一方の面と同じ方向へ向け、前記ボルトの頭部を前記他方の面と同じ方向へ向けていることを特徴とする車両用ディスクブレーキ装置。
請求項１記載の車両用ディスクブレーキ装置において、
前記ワイヤ支持部は、前記ワイヤーガイド固定部に連なり、前記回動レバー側に２箇所折り曲げられて前記回動レバーへ向いていることを特徴とする車両用ディスクブレーキ装置。
請求項１又は請求項２記載の車両用ディスクブレーキ装置において、
前記ボルトは、前記先端部が前記ボディ固定部の前記一方の面の前記平坦面から突出するように前記ボルトの長さが設定されていることを特徴とする車両用ディスクブレーキ装置。