JP4769307B2 - 農用資材供給装置 - Google Patents
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Description
これによって、操作アームを連係ロッドで駆動揺動することによって、繰出し機構を駆動して、肥料を繰出す構成を採っていた。
そして、操作アームと連係ロッドとの連係位置を、その操作アームの長手方向に沿って変更できるように、操作アームの下面に位置決め用の凹部(公報内番号:74)が複数箇所に形成されており、連係位置の変更によって、操作アームの駆動ストロークを変更し、繰出し量を変更調節していた。
しかし、操作アームの長さを長くするには、部材強度を向上させ大型化する必要があるが、操作アームとしては過剰な品質となる高価な材料を使用する必要があり、操作アームの長さを長くするにも採り得る限界がある。
一方、PTO軸に取り付けたクランク機構の駆動ストロークを可変する構造のものにするには、例えばクランク機構が機体フレームの下方に位置する等の理由により、可変調整操作がやり難い面があり、クランク機構の可変調節化も採用し難い面があった。
請求項1に係る発明の特徴構成は、貯留した農用資材を貯留部から所定位置に供給する供給機構を備えた農用資材供給装置において、
前記供給機構を駆動する駆動部材を設け、前記駆動部材の出力部の駆動ストロークの大小によって、前記供給機構の農用資材供給量の大小を設定すべく構成し、前記駆動部材の出力部を前記供給機構に連係し、前記駆動部材の入力部と前記出力部との間に揺動支点を設け、
前記揺動支点の位置を前記駆動部材の長手方向に沿って変更して前記駆動部材を駆動揺動する揺動支点位置変更手段を、前記揺動支点の位置を移動させる移動部材と、この移動部材を移動操作する調節操作具とを備えて構成し、
前記移動部材を、前記調節操作具により移動操作されるホルダー部と、このホルダー部から下方に向けて延出された吊り下げ部材とで構成するとともに、前記駆動部材の長手方向に沿って形成された長孔に、前記吊り下げ部材の下端部に取り付けられ且つ前記揺動支点を構成する連結ピンを挿通して、前記調節操作具により前記ホルダー部を移動操作することで前記連結ピンが前記長孔に沿って移動して前記揺動支点の位置が前記駆動部材の長手方向に沿って変更されるように構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
揺動支点位置変更手段で駆動部材の揺動支点位置を変更すると、駆動部材における入力部から揺動支点までの入力側リンク長さと、揺動支点から出力部までの出力側リンク長さとの比が変わる。それによって、入力部のストロークに対する出力部の駆動ストロークが変わる。
しかも、揺動支点位置を変更することによって、入力側リンク長が変わるだけでなく、出力側リンク長も変動するので、リンク比の範囲を、背景技術に記載のように揺動アームの長さ(入力側リンク長に対応)を変更するだけのものに比べて大きく採ることができ、駆動部材の出力部の駆動ストロークの調節範囲を大きくできる。
このように、駆動部材自体の大型化を回避し長さを変更せずに、駆動部材の駆動ストロークの調節範囲を大きくでき、要求される農用資材の繰出し調節を容易に行えるようになった。
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記連結ピンの位置が前記出力部に近接する位置まで移動できるように前記駆動部材に前記長孔を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
駆動部材の揺動支点位置を出力部に近接する位置に位置させることができるので、揺動支点から出力部までのリンク長さが短くなり、出力部の駆動ストロークが略ゼロに近いものとなる。
これによって、入力部への動力伝達を断つことなく、繰出し機構を実質的に駆動しない状態を現出することが可能となり、繰出し機構の適用性を向上させることができる。
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記移動部材の移動方向での前記駆動部材の入力部の移動を規制する位置決めロッド又は位置決めアームを設けてある点にある。
〔構成〕
請求項4に係る発明の特徴構成は、前記吊り下げ部材を下向きに開口したチャンネル状に形成して、前記吊り下げ部材の一対の下端板部で前記駆動部材を挟み込むように外嵌し、前記駆動部材の側板部に前記長孔を形成して、前記吊り下げ部材の一対の下端板部に亘って取り付けられた前記連結ピンを前記長孔に挿通してある点にある。
請求項5に係る発明の特徴構成は、取付用ボックスの内部に設けられた受フレームの前後端部から横向きに前後の支持ブラケットを延出して、前記揺動支点位置変更手段を構成するネジ軸を前記前後の支持ブラケットに設けた前後のボス部に亘って回動自在に支持し、前記ホルダー部を前記ネジ軸に移動自在に外嵌してある点にある。
〔構成〕
請求項6に係る発明の特徴構成は、前側の前記支持ブラケットから前方に延出された前記ネジ軸の延出端部に前記調節操作具を装着して、前記調節操作具を運転座席の背もたれ部の高さ位置に設置してある点にある。
〔構成〕
請求項7に係る発明の特徴構成は、前記ホルダー部の横側方に表示板を取り付けてあり、前記駆動部材の支点位置調節によって移動する前記表示板で指標を指し示すように構成してある点にある。
以下、本発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、操向操作自在な左右一対の前輪11及び左右一対の後輪12を備えた走行機体1の車体フレーム10の前部側に、エンジン13及びミッションケース14を備え、走行機体1の中央部にステアリングハンドル等を装備した操縦部15と運転座席16とを設け、走行機体1を構成する車体フレーム10の後部には農用資材としての肥料を供給する供給装置の一例である施肥装置2が配置されている。
走行機体1の後方には、リフトシリンダ19aを備えたリンク機構19を昇降操作自在に連結して、リンク機構19に苗植付装置4を装着して、施肥装置2を搭載した乗用型田植機を構成してある。
施肥装置2は、肥料を貯留する透明樹脂製の繰出しケース20と、その繰出しケース20の下側に配置された4個の供給機構としての肥料繰出し部21とを備え、これらの繰出しケース20および肥料繰出し部21は、図1,3,4に示すように、走行機体1の後部で、運転座席16の後側近くにおいて車体フレーム10の上部に設けた支持枠22によって支持されている。肥料繰出し部21から繰出された肥料は、起風手段による風量で肥料搬送経路を通して苗植付装置4側に取付けた供給部としての作溝器45より圃場に供給されるように構成されている。
尚、図中の符号23bは、繰出しロール23の周面に摺接して、すり切り作用するブラシである。
施肥装置2から繰出された肥料を風力で苗植付装置4側へ搬送するための起風手段は次のように構成されている。
図1及び図3に示すように、左右一対のブロワ支持板22aにわたって支持させ、電動モータ30Aによって駆動される電動ブロワ30と、その電動ブロワ30に外気を導入し、搬送風を流動させる送風ダクト装置31とを備えている。そして、送風ダクト装置31は、電動ブロワ30に外気を導入供給するための吸気部32と、電動ブロワ30の出口管側に接続されて、電動ブロワ30により生起された風を各漏斗部20Dに供給するためのパイプ状の送気部33とで構成されている。
電動ブロワ30の排気口側に接続される送気部33は、下流側が左右に分岐された二股状の分岐接続管34と、この分岐接続管34の端部に接続されて車体横向きに配設された横向き送風管35とで構成され、横向き送風管35の長手方向複数箇所には、後述する苗植付装置4の各肥料供給箇所へ肥料を送出するための、多数の分岐用吐出管36が設けられている。
図1及び図4に示すように、苗植付装置4は6条植えに構成されており、3個の植付伝動ケース40、植付伝動ケース40の左右両側に回転駆動自在に支持される回転ケース41、回転ケース41の両端に配備される一対の植付爪42、3個の接地フロート43、及び苗のせ台44等によって構成してある。
施肥装置2から苗植付装置4への肥料供給経路のうち、苗植付装置4に至っている端部は、各苗植付爪42による苗植付け箇所の横側付近に一個ずつ位置するように配置して接地フロート43に取付けた複数個の作溝器45に各別に接続されるものである。
具体的には、起風手段の多数の分岐用吐出管36に対して、苗植付装置4側の作溝器45に接続している肥料搬送管46が各別に接続されている。
尚、上下繰出しケース20A、20Bの閉じ状態を維持するロック具20Eを、下繰出しケース20Bの漏斗部20Dに揺動自在に取り付けてある。ロック具20Eは、ロック係止部20hを上繰出しケース20Aのフランジ部20aに係合させて、ロック状態を維持する。
このような構成を採る場合には、連結ピンとしての耐久性が得がたく、下繰出しケース20Bを上繰出しケース20Aから取り外す際には、連結ピンを取り外す必要があった。
これに対して、上記したように、ブラケット部20bと係合片20fとの係合構造を構築することによって、連結ピンのような破損しやすい部品を使用する必要がなく、下繰出しケース20Bを上繰出しケース20Aから取り外す場合にも係合片20fをブラケット部20bから抜き出すだけでよく、着脱操作も容易に行える。
受動ギヤ部26Aとは反対側端部に止めネジ27をネジ込み固定するネジ込み穴26dを形成してある。
この孔部に対して動力伝達用のキー部材74を挿入取付すべく構成してある。
一対の中間ボス体75は、上下繰出しケース20A、20Bの左右両端に形成されるボス部20Fに支持されており、支持位置より内側にシール20Gを装着してある。
そこで、摘み部74Aから最も遠い位置に設けられている表示部74cを受動ギヤ部26Aの端部に対応する位置に合わせて、係合部74Dを受動ギヤ側の中間ボス体75のキー溝75cのみに係合させた場合には、受動ギヤ部26Aを介して繰出し軸26に伝達された動力は、キー部材74、受動ギヤ側の中間ボス体75を介して受動ギヤ側に位置する繰出しロール23のみに伝達される。この場合に、係合穴74fにスプリングボール機構75dのボールが係合して、キー部材74の位置決めが維持されている。
また、肥料で満たされている中でシャッターを抜き差しする必要があるので、シャッターの抜き差し操作が容易でなく、円滑な操作性が確保できなかった。
シャッターを必要としないので、部品点数の削減ができる。
つまり、位置決めロッド73の両端に取付用ボス部73A、73Bを形成し、一方の取付用ボス部73Aを駆動部材61の入力部61Aに設けた連結ピン69に外嵌装着し、他方の取付用ボス部73Bを支持フレーム66Bの下端部66bの取付ピン66cに外嵌装着して、位置決めロッド73で駆動部材61の第1連係ロッド59との連係位置が変動しない状態に構成してある。
ネジ溝63Aを形成した送り軸63と、送り軸63の軸線方向に沿って往復移動する往復移動部材64と、送り軸63における支持フレーム66Bより延出された細径部63Bに着脱自在に装着される調節操作具65とで構成してある。
この連結ピン68で駆動部材61の揺動支点を構成する。
一方、ガイド孔71Aに係合して往復移動部材64を案内するガイドロッド72を、ガイド孔71Aに係合した状態から往復移動部材64まで延出して、往復移動部材64に連結固定してある。
その状態から、往復移動部材64の位置を第2連係ロッド62側に近接させる程、リンク長L1が長く、リンク長L2が短くなり、リンク比は徐々にゼロに近接することとなる。
これによって、駆動部材61の出力部61Bにおける駆動ストロークは略ゼロとなり、肥料が繰出されることはない。
図示してはいないが、例えば調節操作具65自体を細径部63Bに連結したアーム部の位置で折り畳めるようにしてもよく、例えば細径部63Bを折り畳めるようにして、調節操作具65を施肥装置2に近づけて折り畳み可能に構成してもよい。
調節操作具65を送り軸63における前記第1連係ロッド59とは繰出し部21を挟んで反対側に延出した細径部63Bに取付けてあるので、機器構成の集中を回避でき、かつ、運転座席16近傍に調節操作具65を設置できるので、運転座席16から降車することなく、調節操作具65の調節操作が可能である。
肥料繰出し部21への動力伝達構造の第1実施形態とは異なる構造について説明する。図12及び図14に示すように、ミッションケース14から苗植付装置4に動力を伝達するように後方へ延出されたPTO軸57から、動力を取り出す回転アーム58の回転運動を受けて、上下動すべく回転アーム58の偏芯位置に連係された第1連係ロッド59を設けてある。
駆動部材61の入力部61Aには、固定側から延出された位置決めアーム88の先端部が連結してあり、この位置決めアーム88で、往復移動部材64の移動に拘わらず、駆動部材61の連れ移動を規制して、駆動部材61の揺動支点調節の基準状態が変化しないように構成してある。
図13及び図14に示すように、揺動支点位置変更手段Aは、雄ネジ部80Aを形成したネジ軸80と、雄ネジ部80Aに螺合するナット部材を保持してネジ軸80の軸線方向に沿って往復移動する往復移動部材64と、ネジ軸80における細径部80Bに着脱自在に装着される調節操作具65とで構成してある。
この場合、図示してはいないが、調節操作具65をネジ軸80に手で取り外し可能に構成してもよく、ネジ軸80を折り畳めるようにして調節操作具65を施肥装置2に近づけて折り畳み収納可能に構成してもよい。
(1)肥料の繰出し量調節を駆動部材40の出力部40Bのストロークを変更するために、送り軸63、及び、ネジ軸80を回転させることによって行っているが、送り軸63を使用せず、直接、往復移動部材64をスライド移動させる形態を採ってもよい。
(2)肥料の繰出し量調節を駆動部材40の出力部40Bのストロークを変更するために、送り軸63、及び、ネジ軸80を人為的に回転させることによって行っているが、送り軸63を操縦部15の搭乗ステップ下方に位置させ、第2連係ロッド62だけステップ上方に立ち上げる構成を採ってもよい。
(3)調節操作具65としては、ハンドル形式のものだけでなく、フットペダル方式のものであってもよい。
(イ)種籾を直接圃面に施す直播装置であってもよい。
(ロ)液状の肥料を施す液状供給装置であってもよい。
(ハ)薬剤散布装置であってもよい。
(二)育苗装置に使用される種籾繰出し装置であってもよい。
20 繰出しケース(貯留部)
21 肥料繰出し部(供給機構)
61 駆動部材
61A 入力部
61B 出力部
61C 側板部
61a 長孔
64 往復移動部材(移動部材)
64A ホルダー部
64B 吊り下げ部材
64a 下端板部
65 調節操作具
68 連結ピン(揺動支点)
73 位置決めロッド
80 ネジ軸
82 受フレーム
82A 支持ブラケット
82B 支持ブラケット
84 取付用ボックス
88 位置決めアーム
A 揺動支点位置変更手段
Claims (7)
- 貯留した農用資材を貯留部から所定位置に供給する供給機構を備えた農用資材供給装置であって、
前記供給機構を駆動する駆動部材を設け、前記駆動部材の出力部の駆動ストロークの大小によって、前記供給機構の農用資材供給量の大小を設定すべく構成し、前記駆動部材の出力部を前記供給機構に連係し、前記駆動部材の入力部と前記出力部との間に揺動支点を設け、
前記揺動支点の位置を前記駆動部材の長手方向に沿って変更して前記駆動部材を駆動揺動する揺動支点位置変更手段を、前記揺動支点の位置を移動させる移動部材と、この移動部材を移動操作する調節操作具とを備えて構成し、
前記移動部材を、前記調節操作具により移動操作されるホルダー部と、このホルダー部から下方に向けて延出された吊り下げ部材とで構成するとともに、前記駆動部材の長手方向に沿って形成された長孔に、前記吊り下げ部材の下端部に取り付けられ且つ前記揺動支点を構成する連結ピンを挿通して、前記調節操作具により前記ホルダー部を移動操作することで前記連結ピンが前記長孔に沿って移動して前記揺動支点の位置が前記駆動部材の長手方向に沿って変更されるように構成してある農用資材供給装置。 - 前記連結ピンの位置が前記出力部に近接する位置まで移動できるように前記駆動部材に前記長孔を形成してある請求項1記載の農用資材供給装置。
- 前記移動部材の移動方向での前記駆動部材の入力部の移動を規制する位置決めロッド又は位置決めアームを設けてある請求項1又は2記載の農用資材供給装置。
- 前記吊り下げ部材を下向きに開口したチャンネル状に形成して、前記吊り下げ部材の一対の下端板部で前記駆動部材を挟み込むように外嵌し、前記駆動部材の側板部に前記長孔を形成して、前記吊り下げ部材の一対の下端板部に亘って取り付けられた前記連結ピンを前記長孔に挿通してある請求項1〜3のいずれか一項に記載の農用資材供給装置。
- 取付用ボックスの内部に設けられた受フレームの前後端部から横向きに前後の支持ブラケットを延出して、前記揺動支点位置変更手段を構成するネジ軸を前記前後の支持ブラケットに設けた前後のボス部に亘って回動自在に支持し、前記ホルダー部を前記ネジ軸に移動自在に外嵌してある請求項1〜4のいずれか一項に記載の農用資材供給装置。
- 前側の前記支持ブラケットから前方に延出された前記ネジ軸の延出端部に前記調節操作具を装着して、前記調節操作具を運転座席の背もたれ部の高さ位置に設置してある請求項5記載の農用資材供給装置。
- 前記ホルダー部の横側方に表示板を取り付けてあり、前記駆動部材の支点位置調節によって移動する前記表示板で指標を指し示すように構成してある請求項5又は6記載の農用資材供給装置。
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