JP2008099611A - 苗植付装置の施肥装置支持構造 - Google Patents

苗植付装置の施肥装置支持構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 施肥装置の支持構造に合理的な改良を施して、軽量化やコストの削減を図れるようにする。
【解決手段】 左右方向に一定間隔を隔てて配置される複数の植付機構22を、左右向き部材Aから後方に向けて延出するように左右向き部材Aに片持ち支持された複数の後向き延出部材Bの後部に装備し、植付機構22の上方に配備される施肥装置45を支持する支持部材51を、施肥装置45から下方に向けて延出する第1アーム部52と、第1アーム部52から前方に向けて延出する第2アーム部53とを有するように構成し、後向き延出部材Bの前部側に、第2アーム部53の延出端側が着脱可能に連結される連結部28Cを形成してある。
【選択図】 図10

Description

本発明は、左右方向に一定間隔を隔てて配置される複数の植付機構を、左右向き部材から後方に向けて延出するように前記左右向き部材に片持ち支持された複数の後向き延出部材の後部に装備してある苗植付装置の施肥装置支持構造に関する。
上記のような苗植付装置の施肥装置支持構造においては、施肥装置を、植付伝動ケース(後向き延出部材)の後部から上方に向けて延出した支持アーム(支持部材)で支持するようにしていた(例えば特許文献1参照)。
実開平01−79915号公報
上記の構成では、後向き延出部材における、左右向き部材による支持位置から離れた後部に、植付機構及び施肥装置の荷重がかかるようになることから、後向き延出部材の全体を、植付機構の荷重による曲げ力だけでなく、その後部にかかる施肥装置の荷重による曲げ力にも十分に耐え得る高い強度を有するように形成する必要がある。そのため、後向き延出部材の全体にわたって、肉厚を大きくする、又は、リブ数を増やす、などの手立てを講じる必要があり、結果、後向き延出部材全体の大型化や形状の複雑化などによる重量の増加やコストの高騰などを招くことになる。
しかも、施肥装置は選択装備されるものであり、又、後向き延出部材は、施肥装置を装備する施肥仕様と装備しない標準仕様の双方に使用される共通部品であることから、施肥装置を装備しない標準仕様においても、十分な補強が施された重量が大きくコストの高い後向き延出部材を使用することになり、軽量化やコストの削減を図る上において改善の余地がある。
本発明の目的は、施肥装置の支持構造に合理的な改良を施して、軽量化やコストの削減を図れるようにすることにある。
上記の目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、左右方向に一定間隔を隔てて配置される複数の植付機構を、左右向き部材から後方に向けて延出するように前記左右向き部材に片持ち支持された複数の後向き延出部材の後部に装備し、前記植付機構の上方に配備される施肥装置を支持する支持部材を、前記施肥装置から下方に向けて延出する第1アーム部と、前記第1アーム部から前方に向けて延出する第2アーム部とを有するように構成し、前記後向き延出部材の前部側に、前記第2アーム部の延出端側が着脱可能に連結される連結部を形成してあることを特徴とする。
この特徴構成によると、左右向き部材で支持される側となる後向き延出部材の前部側に施肥装置の荷重がかかるようになる。そのため、後向き延出部材の前部側のみに、肉厚を大きくする、又は、リブ数を増やす、などの手立てを講じることで、後向き延出部材を、施肥装置の荷重による曲げ力にも十分に耐え得る高い強度を有するように形成することができる。
つまり、上記の手立てを後向き延出部材の全体に講じる場合に比較して、後向き延出部材の小型化や簡素化などを図ることができ、又、その小型化や簡素化などが図られた後向き延出部材を、施肥装置を装備しない標準仕様にも共通部品として使用することができる。
又、支持部材は、施肥装置から下方に向けて延出する第1アーム部と、第1アーム部から前方に向けて延出する第2アーム部とを有することで、後向き延出部材の上方で、かつ、施肥装置の前方に配備されている苗載台を、その下方側から迂回するようになり、これによって、苗載台や苗載台に載置される植付苗に支障なく、施肥装置の荷重を後向き延出部材の前部側に受けさせることができる。
従って、後向き延出部材を共通部品とすることによる合理化を図りながら、施肥装置を装備する施肥仕様と施肥装置を装備しない標準仕様とにかかわらず、後向き延出部材の小型化や簡素化による苗植付装置全体としての軽量化やコストの削減を図ることができる。
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、前記後向き延出部材の前部側に、前記後向き延出部材の上方に配備される苗載台を支持する支持部を備え、前記支持部が前記連結部として機能するように構成してあることを特徴とする。
この特徴構成によると、後向き延出部材の前部側に備えた苗載台用の支持部を、施肥装置を支持する支持部材に対する連結部に兼用することができ、後向き延出部材に専用の連結部を別途備える場合に比較して後向き延出部材の簡素化を図ることができる。
従って、後向き延出部材の簡素化による苗植付装置全体としての軽量化やコストの削減をより効果的に図ることができる。
本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項2に記載の発明において、前記支持部を、その機体横外側部位で前記苗載台を支持し、その機体横内側部位が前記連結部として機能するように形成してあることを特徴とする。
この特徴構成によると、支持部の機体横内側部位で苗載台を支持する場合に比較して、苗載台に対する各支持部の左右方向での支持間距離をより長くすることができる。これによって、苗植付作動時には左右方向に一定ストロークで往復駆動される苗載台を、複数の支持部でより安定した状態で支持することができる。
従って、苗植付装置全体としての軽量化やコストの削減を図りながら、苗載台の安定性を向上させることができる。
本発明のうちの請求項4に記載の発明では、上記請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記支持部材に、他の機器の着脱を可能にする補助連結部を形成してあることを特徴とする。
この特徴構成によると、施肥装置を装備した状態では、支持部材の補助連結部を利用することで、薬剤散布装置又はスタンドなどの他の機器を装備することができる。
つまり、後向き延出部材に補助連結部を形成しなくても薬剤散布装置又はスタンドなどの他の機器を装備することが可能になり、結果、後向き延出部材に補助連結部を形成する場合に比較して後向き延出部材の簡素化を図ることができる。
従って、薬剤散布装置又はスタンドなどの他の機器の装備を可能にしながらも、後向き延出部材の簡素化による苗植付装置全体としての軽量化やコストの削減を図ることができる。
図1には乗用型田植機の全体側面が、図2にはその全体平面が示されており、この田植機は、走行車体1の後部に、油圧シリンダ2の作動で上下方向に揺動駆動されるリンク機構3を介して、4条植え用の苗植付装置4を駆動昇降可能に連結して構成されている。
走行車体1は、前部フレーム5に防振搭載したエンジン6からの動力を、ベルトテンション式の主クラッチ7、主変速装置として備えた静油圧式の無段変速装置8、及び、副変速装置としてミッションケース9に内装したギヤ式の変速装置(図示せず)、などを介して左右一対の前輪10及び後輪11に伝達する4輪駆動型に構成されている。又、エンジン6などを上方から覆う前部カバー12の上方に、左右の前輪10にステアリング操作系を介して連係されたステアリングホイール13が配備され、ミッションケース9から後方に向けて延設した後部フレーム14の後部上方に運転座席15が装備されている。
図1〜4に示すように、苗植付装置4は、伝動軸16などを介して伝達されるミッションケース9に内装した作業伝動系(図示せず)からの作業用動力が、伝動ケース17に内装した動力分配機構18に伝達され、この動力分配機構18からの分配動力で、横送り機構19が、苗載台20を左右向きの摺動案内レール21に沿って左右方向に一定ストロークで往復移動させ、左右方向に一定間隔を隔てて並設した4つのクランクアーム式の植付機構22が、一定周期で、摺動案内レール21に形成した苗取出口21aから、苗載台20に載置した苗を所定量ずつ切り出して、3つの整地フロート23で整地した圃場泥土部に植え付け、縦送り機構24が、苗載台20が左右のストローク端に到達するごとに、苗載台20に載置した苗を摺動案内レール21に向けて一定ピッチで縦送りするように構成されている。
図4及び図5に示すように、伝動ケース17は、左側ケース25と右側ケース26とに分割可能な2分割構造に構成されたアルミダイカスト製で、その上部が、リンク機構3の後端下部に固定装備した前後向きの支軸(図示せず)に相対回動可能に支持されている。
左側ケース25には、左外方に向けて延出する円筒状の左側伝動ケース部25A(左右向き部材Aの一例)が一体形成されている。右側ケース26には、右外方に向けて延出する円筒状の右側伝動ケース部26A(左右向き部材Aの一例)が一体形成されている。左右の各伝動ケース部25A,26Aには植付機構22に対する出力軸27が内装されている。
図1〜6に示すように、左右の各伝動ケース部25A,26Aの延出端には、それぞれ、前後向きの姿勢で装備される植付伝動ケース28(後向き延出部材Bの一例)の前端部が連結されている。つまり、左右の各伝動ケース部25A,26Aが、対応する植付伝動ケース28を支持する支持部材に兼用され、又、左右一対の植付伝動ケース28が、左右の対応する伝動ケース部25A,26Aに、その延出端から後方に向けて延出する状態で片持ち支持されている。
左右の各植付伝動ケース28には、その前端部から苗載台20の上部に向けて延出する支持フレーム29が連結装備されている。支持フレーム29は、苗載台20の左右方向と上下方向への移動を許容しながら、苗載台20の上部を受け止め支持するように構成されている。
図示は省略するが、動力分配機構18は、その入力軸に伝達された作業用動力を、植付クラッチなどを介して中継軸に伝達し、この中継軸から、減速ギヤなどを介して横送り機構19と縦送り機構24とに伝動し、かつ、チェーン式の伝動機構や左右一対の各条クラッチなどを介して左右の出力軸27に伝達するように構成されている。
図3〜5及び図7に示すように、左右の出力軸27に伝達された作業用動力は、一対のベベルギヤ30を介して左右の各植付伝動ケース28に内装した植付伝動軸31に伝達され、左右の各植付伝動軸31から一対のベベルギヤ32を介して、各植付伝動ケース28の後端部に配備した左右向きの植付駆動軸33に伝達される。
図1〜4に示すように、各植付機構22は、前端部に植付爪34と押出具35とを備えた植付ケース36に、押出具35を植付爪34に沿って出退操作するカム機構(図示せず)を内装して構成されている。そして、植付ケース36の前後中間部が、植付駆動軸33と一体回転する駆動アーム37の遊端部に備えた支軸38に相対回動可能に支持され、かつ、植付ケース36の後端部が、対応する植付伝動ケース28の後端部に延出形成したアーム部28Aに、連係アーム39などを介して支持されることで、植付駆動軸33の回転に伴って、植付爪34の先端部で苗取出口21aと圃場の植え付け位置とにわたる所定の植え付け軌跡を描くように揺動駆動される。又、植付駆動軸33の回転に伴って、植付ケース36と支軸38とが相対回動することで、カム機構が作動して、押出具35を、苗取出口21aの周辺では植付爪34の基端側に向けて退避した苗取り出し位置に位置し、植え付け位置では植付爪34の先端側に向けて突出した苗押し出し位置に位置するように出退操作する。
これによって、各植付機構22による植付苗の苗載台20からの取り出しと圃場泥土部への植え付けとを良好に行える。
各駆動アーム37には、植付機構22の植え付け揺動を安定させるバランスウエイト37Aが一体形成されている。
図4〜8に示すように、左右の各植付伝動ケース28は、左右の双方に使用可能な略円筒状に形成されたアルミダイカスト製の共通部品であり、それらの前端部には、左右の各伝動ケース部25A,26Aや支持フレーム29の左右双方からのボルト連結を可能する3つの連結孔28aと、植付伝動軸31に対する左右双方からの出力軸27の連動連結を可能する空間28bとが、左右向きに貫通形成されている。
又、それらの前後中央よりも前側の位置には、摺動案内レール21及び左右一対の支持部材40を介して苗載台20を支持する支持部28Bが形成され、この支持部28Bは、支持部材40の左右双方からのボルト連結が可能となるように、植付伝動ケース28の上部に左右向きに貫通形成したネジ孔28cと、支持部材40の左右双方から連結が可能となるように、植付伝動ケース28の左右両側部から左右外方に向けて突出形成した左右一対の係合突起28dとから構成されている。
左右の各植付伝動ケース28には、その後端の開口28eを閉塞する蓋体41が着脱可能に装備されている。
図4〜6及び図8に示すように、左右の各支持部材40は、コの字状に屈曲形成された板金製で、その上下両壁40A,40Bに、摺動案内レール21に連結装備した後下方向きのロッド42が相対摺動可能に挿通される挿通孔40a,40bが穿設されている。又、その縦壁40Cに、支持部28Bに対するネジ孔28cを利用した左右方向からのボルト連結を可能にする連結孔40cと、係合突起28dに対する左右方向からの係合を可能にする係合孔40dとからなる連結部40Dが形成されている。そして、その連結部40Dの連結孔40c及び係合孔40dと、左右の各支持部28Bにおける機体横外側部位に形成したネジ孔28c及び係合突起28dとを利用して、対応する植付伝動ケース28の機体横外側部位に、機体横外側方から所定の取り付け姿勢で取り付けられている。
ロッド42は、苗取量調節アーム(図示せず)と一体揺動する操作アーム43の遊端が係入される凹部材44が一体装備され、苗取量調節アームの人為操作に連動して上下方向に摺動変位することで、苗載台20及び摺動案内レール21を各植付機構22に対して上下方向に変位させて、各植付機構22による苗取り量を一斉に変更するように構成されている。
上記の構成から、左右それぞれ専用の植付伝動ケース28を製造する場合に比較して、部品点数の削減による部品管理の容易化やコストの削減を図ることができる。
又、苗載台20を、左右一対の支持部材40を介して、左右の各植付伝動ケース28における支持部28Bの機体横外側部位によって支持することから、左右の支持部28Bの機体横内側部位で支持する場合に比較して、苗載台20に対する支持部材40の左右方向での支持間距離をより長くすることができ、これによって、苗植付作動時には左右方向に一定ストロークで往復駆動される苗載台20を、より安定性良く支持することができる。
図9〜11に示すように、苗植付装置4は、その後部上方に施肥装置45を装備した施肥仕様に仕様変更可能に構成されている。
施肥装置45は、左右向きに連結フレーム46、左右方向に所定間隔を隔てて並ぶように連結フレーム46に連結した4つの肥料繰出ケース47、対応する2つの肥料繰出ケース47に連通接続した左右一対の肥料タンク48、対応する肥料繰出ケース48から前下方に向けて延出した4つの案内ホース49、及び、対応する案内ホース49の延出端に接続した4つの作溝器50、などを備えて構成され、その連結フレーム46を、左右一対の支持アーム(支持部材)51を介して左右の植付伝動ケース28に連結し、各作溝器50を、対応する整地フロート23の所定位置に取り付けることで、苗植付装置4に装備することができる。
そして、苗植付装置4からの作業用動力で、各肥料繰出ケース47に内装した繰出ロール(図示せず)が駆動されることで、肥料タンク48に貯留した粉粒状の肥料を所定量ずつ繰り出すとともに、各案内ホース49を介して各作溝器50に落下供給し、それらの作溝器50から苗植え付け箇所近傍の圃場泥土内に埋没させる。
左右の各支持アーム51は、連結フレーム46から下方に向けて延出する角パイプ材からなる第1アーム部52と、第1アーム部52にその下端部から前方に向けて延出するように溶接した板金材からなる第2アーム部53とを有する略L字形に形成されている。
各第2アーム部53の延出端には、対応する支持部28Bに対するネジ孔28cを利用した左右方向からのボルト連結を可能にする連結孔53aと、係合突起28dに対する左右方向からの係合を可能にする係合孔53bとからなる連結部53Aが形成されている。言い換えると、各第2アーム部53の延出端には、支持部材40の連結部40Dと同じ構成の連結部53Aが形成されている。
この構成から、左右の各植付伝動ケース28の支持部28Bにおける機体横内側部位に形成したネジ孔28c及び係合突起28dと、第2アーム部53の延出端に形成した連結孔53a及び係合孔53bとを利用して、左右の支持アーム51を、対応する植付伝動ケース28の機体横内側部位に、機体横内側方から所定の取り付け姿勢で取り付けることができる。
つまり、左右の双方に使用可能な共通部品に構成したことで余るようになる左右の各植付伝動ケース28の支持部28Bにおける機体横内側部位のネジ孔28cと係合突起28dとを有効利用して、左右の各支持部28Bを、左右の支持アーム51を介して施肥装置45を着脱可能に連結装備する際の連結部28Cとして機能させることができる。
その結果、左右の各植付伝動ケース28に専用の連結部28Cを別途形成する場合に比較して各植付伝動ケース28の簡素化を図ることができる。又、各支持部28Bを、機体横外側部位のネジ孔28cと係合突起28dとで構成し(この場合、左右の植付伝動ケース28が左右それぞれ専用のものとなる)、このネジ孔28cと係合突起28dとを利用して、支持部材40(苗載台20)と支持アーム51(施肥装置45)とを共締め連結する場合に比較して、支持アーム51の着脱を容易に行える。
図10、図12及び図13に示すように、左右の各第2アーム部53には、薬剤散布装置54(他の機器Cの一例)及び左右一対のスタンド55(他の機器Cの一例)の着脱を可能にする補助連結部53Bが備えられている。つまり、苗植付装置4は、施肥装置45の後方に薬剤散布装置54を装備した施肥・施薬仕様に仕様変更可能に構成されている。
補助連結部53Bは、各第2アーム部53の前部に穿設した上下一対の連結孔53c、53dと、各第2アーム部53の後部に穿設した単一の連結孔53eとから構成されている。
図12及び図13に示すように、薬剤散布装置54は、粉粒状の薬剤を貯留する薬剤タンク56、薬剤タンク56の下部に連通接続した薬剤繰出ケース57、及び、薬剤繰出ケース57の下部に連通接続した薬剤散布ケース58、などを備えて構成されている。そして図示は省略するが、薬剤繰出ケース57に内装した繰り出し用の電動モータの作動で繰出板が駆動されることで、薬剤タンク56に貯留した粉粒状の薬剤を所定量ずつ繰り出し、薬剤散布ケース58に内装した散布用の電動モータ(図示せず)の作動で散布羽根が駆動されることで、薬剤タンク56から繰り出された薬剤を、苗植付装置4による植え付け直後の植え付け苗に対して散布する電動式に構成されている。
薬剤散布ケース58には、側面視略L字状で左右一対の延出アーム部59Aを備えるように屈曲された連結フレーム59が備えられている。連結フレーム59における左右の各延出アーム部59Aの延出端側には、対応する第2アーム部53に対する前後の連結孔53c、53eを利用した左右方向からのボルト連結を可能にする前後一対の連結孔59a,59bからなる連結部59Bが形成されている。
又、左右の各スタンド55は、その上端に、対応する第2アーム部53に対する前側の連結孔53c,53dを利用した左右方向からのボルト連結を可能にする上下一対の連結孔55a,55bからなる連結部55Aが形成されている。
つまり、苗植付装置4に施肥装置45を装備した場合には、施肥装置45を支持する左右の支持アーム51に形成した補助連結部53Bを利用することで、左右の各植付伝動ケース28に補助連結部53Bを形成しなくても、薬剤散布装置54やスタンド55を装備することが可能になり、結果、左右の各植付伝動ケース28に補助連結部53Bを形成する場合に比較して植付伝動ケース28の簡素化を図ることができる。
又、上記の構成によると、苗植付装置4を施肥・施薬仕様に仕様変更した場合には、施肥装置45及び薬剤散布装置54の荷重が、左右の植付伝動ケース28における左右の伝動ケース部25A,26Aで支持される支持位置に近い前部側にかかるようになる。そのため、植付伝動ケース28の前部側のみに、肉厚を大きくする、又は、リブ数を増やす、などの手立てを講じることで、各植付伝動ケース28を、施肥装置45及び薬剤散布装置54の荷重による曲げ力にも十分に耐え得る高い強度を有するように形成することができる。
これによって、上記の手立てを各植付伝動ケース28の全体に講じる場合に比較して、各植付伝動ケース28の小型化や簡素化などを図ることができ、又、その小型化や簡素化などが図られた各植付伝動ケース28を、薬剤散布装置54を装備しない施肥仕様や、施肥装置45及び薬剤散布装置54を装備しない標準仕様にも共通部品として使用することができる。
その結果、植付伝動ケース28を共通部品とすることによる合理化を図りながら、標準仕様と施肥仕様と施肥・施薬仕様とにかかわらず、植付伝動ケース28の小型化や簡素化による苗植付装置4の全体としての軽量化やコストの削減を図ることができる。
しかも、左右の支持アーム51を、第1アーム部52と第2アーム部53とを有する略L字形に形成したことで、各支持アーム51は、左右の植付伝動ケース28の上方で、かつ、施肥装置45の前方に位置する苗載台20を、その下方側から迂回するようになり、これによって、苗載台20や苗載台20に載置される植付苗に支障なく、施肥装置45や薬剤散布装置54の荷重を、左右の植付伝動ケース28の前部側に受けさせることができる。
図9に示すように、施肥装置45は左右一対の駆動軸60を備え、左側2つの肥料繰出機構47にわたる左側の駆動軸60には、左側の各条クラッチや植付伝動軸31を経由する作業用動力が伝達され、右側2つの肥料繰出機構47にわたる右側の駆動軸60には、右側の各条クラッチや植付伝動軸31を経由する作業用動力が伝達される。
つまり、施肥装置45は、苗植付装置4における各条クラッチの操作による植え付け条数の変更に連動して施肥条数を変更するように構成されている。
施肥装置45に対する伝動構造について詳述すると、施肥装置45における左右の駆動軸60には、左右の植付伝動軸31や植付駆動軸33などを介して左右内側の植付機構22に伝達された作業用動力が、植付機構22の連係アーム39から、連係ロッド61、揺動アーム62、連係アーム63、一対の伝動ギヤ64,65、及び、ワンウェイクラッチ(図示せず)などを介して伝達されている。
つまり、植え付け作動時の連係アーム39の揺動運動を各駆動軸60の回転運動に変換して、各駆動軸60と一体回転する繰出ロールを回転駆動させるように構成されている。
施肥装置45に対する伝動構造としては、図14及び図15に示すように、左右両端の植付ケース36に、それらの支軸38と同じ軸心上に位置するように左右向きの連動軸66を装備し、施肥装置45の各駆動軸60における機体外側端部に、駆動軸60と一体回転する回転アーム67を備え、対応する左右の連動軸66と左右の回転アーム67の遊端とを、連係ロッド68などを介して連動連結することで、左右の植付伝動軸31などを経由した作業用動力による植付駆動軸33を支点とした連動軸66の回転運動を、施肥装置45の各駆動軸60に伝動するように構成してもよい。
又、図16及び図17に示すように、左右の各植付伝動ケース28の後端から蓋体41を取り外し、それらの各植付伝動ケース28の開口28eから、ベベルギヤ69、第1伝動軸70、チェーン伝動式の伝動機構71、第2伝動軸72、及び、一対のベベルギヤ(図示せず)などを介して、左右の各植付伝動軸31の回転運動を、施肥装置45の各駆動軸60に伝動するように構成してもよい。
これらの構成では、連動軸66の回転運動、又は、植付伝動軸31の回転運動を施肥装置45の各駆動軸60に伝達して、各駆動軸60と一体回転する繰出ロールを回転駆動させることから、前述したように、連係アーム39の揺動運動を、ワンウェイクラッチなどを介して回転運動に変換して施肥装置45の各駆動軸60に伝達する構成に比較して、ワンウェイクラッチなどを不要にすることができ、構成の簡素化やコストの削減を図ることができる。又、各駆動軸60と一体回転する繰出ロールの回転がスムーズになって、繰出ロールの駆動速度にかかわらず、繰出ロールの回転によって繰り出される施肥量が安定することから、施肥の均一性を向上させることができる。
尚、図示は省略するが、チェーン伝動式の伝動機構71に代えて、ベルト伝動式や軸伝動式の伝動機構などを採用するようにしてもよい。
図1、図2、図9、図10、図12〜14、図16及び図18に示すように、左右の各肥料タンク48には、各肥料タンク48に貯留した肥料の残量が所定量以下まで低下したことを検出する肥料センサ73が装備されている。又、各作溝器50には、各作溝器50での肥料の詰まりを検出する詰まりセンサ74が装備されている。
各センサ73,74は、対応する施肥用のハーネス75などを介して、電装ボックス76に内装したリレー回路(図示せず)に接続されている。リレー回路は、いずれかの肥料センサ73によって肥料の低下が検出された場合や、いずれかの詰まりセンサ74によって肥料詰まりが検出された場合に、電装ボックス76に装備した警報ブザー(図示せず)を作動させて運転者に報知するように構成されている。
電装ボックス76は、運転座席15の下方に配備されている。又、運転座席15は、電装ボックス76の真上に位置する着座位置と、着座位置から前方に傾倒したメンテナンス位置とにわたって揺動変位可能に装備されている。つまり、運転座席15をメンテナンス位置に傾倒させることで、電装ボックス76に内装した警報ブザーやリレー回路などに対するメンテナンスを容易に行える。
苗植付装置4には、苗載台20に載置した4条分の植付苗(マット状苗)が所定量以下まで低下したことをそれぞれ検出する4つの苗センサ77などの電装部品が装備されている。苗センサ77などの各電装部品は、対応する植え付け用のハーネス78を介して、走行車体1に搭載した制御装置(図示せず)に接続されている。
薬剤散布装置54は、走行車体1に搭載したバッテリ(図示せず)からの電力が、施薬用のハーネス79などを介して供給されている。
各ハーネス75,78,79は、リンク機構3における断面コの字状のチャンネル材からなるトップリンク80の内部を通って、走行車体1と苗植付装置4や施肥装置45又は薬剤散布装置54とにわたって配索されている。
トップリンク80には、各ハーネス75,78,79をトップリンク80の内部に受け止め保持する複数の支持片80Aが折り曲げ形成されている。
〔別実施形態〕
〔1〕苗植付装置4としては、3条植え用のものであってもよく、又は、5条植え用以上のものであってもよい。
〔2〕左右向き部材Aとしては、後向き延出部材Bなどを支持するために装備した支持専用の部材であってもよい。
〔3〕後向き延出部材Bとしては、植付機構22を支持するために装備した支持専用の部材であってもよい。
〔4〕支持部材51としては、第1アーム部52と第2アーム部53とを有するように屈曲形成したものであってもよい。
〔5〕後向き延出部材Bの前部側に、支持部28Bとは別の連結部28Cを独立形成してもよい。
〔6〕後向き延出部材Bに、左右方向に貫通する上下一対のネジ孔28cを形成し、それらのネジ孔28cの機体外側部位で、苗載台20を支持する支持部28Bを構成し、かつ、それらのネジ孔28cの機体内側部位で、施肥装置45の連結を可能にする連結部28Cを構成するようにしてもよい。
〔7〕支持部28Bの機体横外側部位を、施肥装置45の連結を可能にする連結部28Cとして機能させ、支持部28Bの機体横内側部位で、苗載台20を支持するようにしてもよい。
〔8〕施肥装置45の装備を可能にする後向き延出部材Bの連結部28Cと、薬剤散布装置54や左右一対のスタンド55などの他の機器Cの装備を可能にする支持部材51の補助連結部53Bとを同じ構成とし、又、施肥装置用の支持部材51の連結部53Aと、薬剤散布装置54に備えた連結フレーム59の連結部59B、及び、各スタンド55の連結部55Aとを同じ構成として、後向き延出部材Bの連結部28Cに、薬剤散布装置54又は左右のスタンド55などの他の機器Cの直接装備が可能となるように構成してもよい。
乗用型田植機の全体側面図 乗用型田植機の全体平面図 苗植付装置の側面図 苗植付装置の要部の平面図 植付機構への伝動構成や苗載台の支持構造を示す要部の横断平面図 苗載台の支持構造を示す要部の縦断側面図 植付機構への伝動構成を示す要部の横断平面図 苗載台の支持構造を示す要部の縦断正面図 施肥装置を装備した苗植付装置の側面図 施肥装置の支持構造を示す要部の縦断側面図 施肥装置の支持構造を示す要部の縦断正面図 薬剤散布装置の支持構造を示す要部の縦断側面図 施肥装置とスタンドとを装備した苗植付装置の側面図 施肥伝動構造の第1別形態を示す苗植付装置の側面図 施肥伝動構造の第1別形態を示す苗植付装置の要部の平面図 施肥伝動構造の第2別形態を示す苗植付装置の側面図 施肥伝動構造の第2別形態を示す要部の横断平面図 ハーネスの支持構造を示す要部の側面図と縦断背面図
符号の説明
A 左右向き部材
B 後向き延出部材
C 他の機器
20 苗載台
22 植付機構
28B 支持部
28C 連結部
45 施肥装置
51 支持部材
52 第1アーム部
53 第2アーム部
53B 補助連結部

Claims (4)

  1. 左右方向に一定間隔を隔てて配置される複数の植付機構を、左右向き部材から後方に向けて延出するように前記左右向き部材に片持ち支持された複数の後向き延出部材の後部に装備し、
    前記植付機構の上方に配備される施肥装置を支持する支持部材を、前記施肥装置から下方に向けて延出する第1アーム部と、前記第1アーム部から前方に向けて延出する第2アーム部とを有するように構成し、
    前記後向き延出部材の前部側に、前記第2アーム部の延出端側が着脱可能に連結される連結部を形成してあることを特徴とする苗植付装置の施肥装置支持構造。
  2. 前記後向き延出部材の前部側に、前記後向き延出部材の上方に配備される苗載台を支持する支持部を備え、前記支持部が前記連結部として機能するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の苗植付装置の施肥装置支持構造。
  3. 前記支持部を、その機体横外側部位で前記苗載台を支持し、その機体横内側部位が前記連結部として機能するように形成してあることを特徴とする請求項2に記載の苗植付装置の施肥装置支持構造。
  4. 前記支持部材に、他の機器の着脱を可能にする補助連結部を形成してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の苗植付装置の施肥装置支持構造。
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