JP4766743B2 - ヘテロ接合電界効果トランジスタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘテロ接合を利用した電界効果トランジスタに関し、特に深いドナー不純物準位がなく、低雑音増幅特性、高信頼性、高電流駆動能力をもち、デバイス作製が容易で歩留まりも高い電界効果トランジスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、GaAs と AlGaAs のヘテロ接合を利用した電界効果トランジスタは高速・高性能な素子として考えられ、特に低雑音素子や高出力増幅素子として応用されている。例えば、図6に示すように、電子親和力(1個の電子を伝導帯下限Ecから真空順位まで持ち上げるのに必要なエネルギー)が大きいノンドープGaAs からなるチャネル層23と、ノンドープで電子親和力が小さいAlGaAsからなるスペーサ層24及びドナー不純物 (Si) が添加された AlGaAsからなる電子供給層25とのヘテロ接合を用い、2次元電子ガスを能動層として用いる高電子移動度電界効果トランジスタ (HEMT) が知られている。
【0003】
ここで、2次元電子ガスとは、電子供給層25から伝導体不連続 ΔEc (Conduction-band offset:界面の電子親和力の差) により形成されたポテンシャル井戸であるチャネル層23に供給された電子のうち、表面(界面)に平行な2次元方向にのみ自由度をもつ電子集団をいう。電子供給層25からチャネル層23に供給された電子は、ポテンシャル井戸の厚みが電子のド・ブロイ波長である100オングストローム以下程度に薄くなると、表面に垂直な方向であるZ方向の電子の運動が量子化されて離散的なエネルギー順位をとり、表面に平行な方向であるX,Y方向に対しては、垂直運動が制限されるため、電子の運動が2次元方向のみの自由度を持つようになる。
【0004】
前記したHEMTは電子の走行するチャネル層23と電子を供給する電子供給層25とを電子親和力の異なる材料で構成している点が特徴であり、電子はチャネル層内に量子効果により閉じ込められるため、電子供給層25内のドナー不純物と分離することができ、電子の散乱を小さくすることができる。
【0005】
このHEMTでは、さらに散乱を小さくするために、電子供給層25とチャネル層23との間に電子供給層25と同じ材料でノンドープのスペーサ層24が用いられている。また、しきい値電圧の制御性の向上、トラッピング効果(半導体表面順位にトラップされた電荷の状態が変化してゲートの電流−電圧特性が変化する Walkout 現象のような効果)の低減、ゲート耐圧の向上などのため、ドナー不純物濃度を高めて電子供給層25をできるだけ薄くし、その電子供給層25の上に電子供給層25と同じ材料でノンドープのショットキー層26が設けられている。
【0006】
このHEMTの高性能化を図るためには、チャネル層23の移動度及びチャネル層23内の2次元電子ガスの濃度を高めることが効果的である。チャネル層23の材料を GaAsから移動度の高い InGaAsに代えた Pseudomorphic HEMT (PHEMT)が開発されている。ここで、InGaAs はInの組成を増大させれば移動度が高くなるが、増大しすぎると基板材料であるGaAsとの格子不整合により結晶欠陥が生じてしまう。
【0007】
従つて、InxGa1-xAs のInの組成xが 0.15≦x≦0.25 の範囲にある化合物半導体混晶の膜厚を、臨界膜厚と呼ばれる一定膜厚以下にすることにより、結晶格子は歪んで変形するものの、転位などの格子の乱れのない良質の結晶成長が可能である。
【0008】
例えば、電子供給層25とチャネル層23がそれぞれ Al0.3Ga0.7As、In0.2Ga0.8Asである場合、伝導帯不連続 ΔEcは ΔEc = 0.4eVであり、チャネル層23がGaAsである場合の Al0.3Ga0.7As/GaAs のヘテロ界面での伝導帯不連続 ΔEc = 0.24eVに比べて大きくなっており、それにより量子効果が効果的に作用して多くの電子を閉じこめることができ、電子濃度の向上と高移動度とを両立できるという長所もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の PHEMT は電子供給層25に Si をドープした AlGaAsを用いており、この Siドープ AlGaAsは深い不純物準位をつくる酸素が混入しやすいほか、ドナーに関するDXセンターと呼ばれる深い不純物準位があり、高性能化に有効な電子供給層25の高濃度化の妨げとなる。また、半導体表面準位にトラップされた電荷の状態が変化し、ゲートの電流−電圧特性が変化するといわれている Walkout現象、半導体表面準位に起因したドレイン電流−電圧特性の周波数分散などの問題点があった。
【0010】
また、従来の AlGaAs/GaAs 系 PHEMTのデバイス作製プロセスでは、ゲート電極を AlGaAs からなるショットキー層26上に形成するため、図6に示すようにゲ−ト電極10に対応する部分のn型GaAsのキャップ層7を除去する必要がある。しかし、AlGaAsは、GaAsを除去するためのウェットエッチングでのエッチング速度の差が十分には大きくなく、HEMTのしきい値制御に関して十分な均一性が得られず、歩留まりが悪いという問題点があった。
【0011】
また、上記のドナーに関するDXセンターと呼ばれる深い不純物準位及びGaAsの選択エッチングの問題を解決するため、電子供給層25及びショットキー層26に Ga0.5In0.5Pを、チャネル層23に InGaAsを用いたPHEMTが開発されているが、Ga0.5In0.5P/InGaAs のヘテロ接合の伝導帯不連続 ΔEcはAlGaAs/InGaAsのヘテロ接合に比べて小さく、高い電子濃度が得られない問題点があった。また、このとき、金属/Ga0.5In0.5P のショットキー障壁の高さはAlGaAs系の 1.1eVに対して、0.75eVとかなり低いため、 HEMTのしきい値が0V以上のエンハンストモードの HEMTでは、入力信号の電圧振幅を十分に大きくできないという問題点があった。
【0012】
本発明の目的は、電子供給層はドナーに関するDXセンターと呼ばれる深い不純物準位がなく表面準位に関する不安定動作が解消でき、電子供給層の高濃度化や自由電子濃度の増大によるソース抵抗低減ができ、入力信号の電圧振幅が十分に大きくとれるようなショットキー障壁が実現でき、GaAs選択エッチングによるHEMTのしきい値制御が容易となり、高周波性能と加工制御プロセスの問題点を解消するヘテロ接合電界効果トランジスタを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手
上記目的を達成するために、第1の発明は、GaAsからなる半導体基板と、該半導体基板上に形成され InGaAs からなる第1の半導体層と、該第1の半導体層の上に形成され該第1の半導体層よりも伝導帯のポテンシャルエネルギーが高い材料からなる第2の半導体層と、前記第2の半導体層の上に形成され前記第1の半導体層よりも伝導帯のポテンシャルエネルギーが高い GaxIn1-xP からなり、該Gaの組成xが 0.55≦x≦0.7 であり、且つドナー不純物が添加された第3の半導体層と、該第3の半導体層の上に形成され前記第1の半導体層よりも伝導帯のポテンシャルエネルギーが高い Al z Ga 1-z As からなり、該Alの組成zが 0.2≦z≦0.35 である第4の半導体層と、前記第4の半導体層の上に形成され、前記第1の半導体層より伝導帯のポテンシャルエネルギーが高い Ga x In 1-x P で形成され、該Gaの組成xが 0.55≦x≦0.7 である第5の半導体層とを具備し、該第5の半導体層の上にゲート電極が形成され、前記第1の半導体層と前記第2、第3、第4及び第の半導体層とのヘテロ接合により形成される2次元電子ガスを能動層とし、該2次元電子ガスヘ前記第2、第3、第4及び第の半導体層を介してソース電極又はドレイン電極よりキャリアを供給し、前記2次元電子ガスの走行を前記ゲート電極に印加される電界によって制御するように構成した。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、前記第2の半導体層を、前記半導体基板と格子整合する(AlyGa1-y)0.5In0.5P からなり、該Alの組成yが 0.2≦y≦0.4 であるよう構成した。
【0015】
第3の発明は、第1の発明において、前記第2の半導体層を、AlzGa1-zAs からなり、該Alの組成zが 0.2≦z≦0.35 であるよう構成した。
【0017】
【発明の実施の形態】
[本発明の原理構成]
まず、本発明のHEMT素子の原理を説明する。図1は本発明によるHEMT素子の構造断面を示す図である。図1において、半絶縁性のGaAs基板上1に、GaAsのバッフア層2、InGaAsのチャネル層(第1の半導体層)3、スペーサ層(第2の半導体層)4、GaxIn1-xP (0.55≦x≦0.7) の電子供給層(第3の半導体層)5、ショットキー層(第4の半導体層)6、GaAsのキャップ層7がそれぞれ形成されている。8,9は各々ソース電極、ドレイン電極、10はゲート電極である。スペーサ層4、電子供給層5及びショットキー層6は、チャネル層3よりも伝導帯のポテンシャルエネルギーEcが高い材質である。
【0018】
ここで、スペーサ層4とショットキー層6はノンドープの AlGaInP (又はAlGaAs) で形成されている。符号1から7に至る半導体層はMBE法あるいはMOCVD法で順次形成された後、GaAsのキャップ層7上にオーム性電極であるソース電極8とドレイン電極9がそれぞれ形成される。次にゲート電極部分のGaAsのキャップ層7を除去し、ゲート電極10をショットキー層6上に形成することで、HEMT素子が完成する。
【0019】
[第1の実施の形態]
以上の基本構造において、スペーサ層4とショットキー層6が半導体基板に格子整合する(AlyGa1-y)0.5In0.5P(0.2≦y≦0.4) で形成され、 (AlyGa1-y)0.5In0.5P/InGaAs のヘテロ構造とした本発明の第1の実施形態のHEMT素子を図2〜図4により説明する。図2はそのHEMT素子の構造断面図を示し、In0.2Ga0.8As をチャネル層3に、Ga0.65In0.35P を電子供給層5に用いたものである。
【0020】
まず、第1の実施形態の製造工程を説明する。半絶縁性のGaAsからなる半導体基板1上にMBE法により、ノンドープで厚さ500nmのGaAsからなるバッファ層2、ノンドープで厚さ12nmの In0.2Ga0.8Asからなるチャネル層3、ノンドープで厚さ30nmの (Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P からなるスペーサ層4、6×1018atom/cm3のSiをドープした厚さ7nmの Ga0.65In0.35P からなる電子供給層5、厚さ30nmのノンドープ (Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P からなるショットキー層6、厚さ50nmの6×1018atom/cm3のSiをドープしたGaAsからなるキャップ層7を順次積層した半導体基板を用意する。
【0021】
キャップ層7上にフォトレジストを塗布してソース電極およびドレイン電極形成予定領域をパターンニングする。Ni/Ge/Au/Ni/Au からなる多層のオーミック金属を蒸着し、リフトオフによりソース電極8よびドレイン電極9をそれぞれ形成し、400℃、10secで熱処理することによりキャップ層7との間にオーミック接触が得られる。次に、キャップ層7上にフォトレジストを塗布してゲート電極形成予定領域をパターンニングし、H3PO4:H2O2:H2O (3:1:50) からなるエッチャントにより、ゲート電極形成予定領域のGaAsのキャップ層7を選択的にエッチング除去し、Ti/Pt/Au からなる多層金属薄膜を順次蒸着し、リフトオフによりゲート電極10を形成する。以上により、HEMT 素子が完成する。
【0022】
上記のHEMT素子の効果について説明する。図3にHEMT素子のゲート電極10に0Vの電圧を印加したときのエネルギーバンドダイアグラムを示す。図4に (AlxGa1-x)0.5In0.5P/GaAs のヘテロ接合の伝導帯不連続ΔEcと価電子帯不連続 ΔEv (Valance-band offset) それぞれのAl組成xの依存性を示す (M.0.Watanabe et al.,Appl.Phys.Lett.,vol.50,pp.906-908,1987)。価電子帯不連続 ΔEvは、(AlxGa1-x)0.5In0.5P/GaAs の各禁制帯エネルギーギャプの差から伝導帯不連続 ΔEcを差し引いた値である。
【0023】
図4より (Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P/GaAs (Alの組成x=0.3)の ΔEcは 0.27eV (=0.19eV+0.08eV) であり、また In0.5Ga0.5P/In0.2Ga0.8As の ΔEcは 0.35eVであるので、(Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P/In0.2Ga0.8As (スペーサ層4/チャネル層3) ヘテロ接合のΔEc は 0.43eV (=0.35eV+0.08eV) として与えられる。
【0024】
この値は、従来のスペーサ層/チャネル層のヘテロ接合である Al0.3Ga0.7As/In0.2Ga0.8Asのヘテロ接合の ΔEc = 0.40eVや、Ga0.5In0.5P/In0.2Ga0.8Asのヘテロ接合の ΔEc = 0.35eVに比べて大きな値であり、従来のものより量子効果がより効果的に作用して多くの電子を閉じこめることができ、電子濃度を増大させる。
【0025】
また、ここでは電子供給層5に、GaAs のバッファ層2に格子整合した Ga0.5In0.5Pのチャネル層3よりもGaPの組成を増やした GaxIn1-xP を用いており、Gaの組成xの増大とともにEg(伝導帯と価電子帯のエネルギーギャップ)とΔEcが大きくなり、x=0.65のとき (Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P のスペーサ層4との伝導帯不連続 ΔEcがほぼ消失する。Ga0.65In0.35P の電子供給層5はDXセンターのような深い不純物準位がなく、電子供給層5を高濃度ドーピングすることが可能となり、デバイス性能を向上できる。
【0026】
金属とショットキー層6である (Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P のショットキー障壁の高さは 1.0eVであり、従来の金属/AlGaAs 系のショットキー障壁高さ 1.1eVと比べて遜色はなく、金属/Ga0.5In0.5P のショットキー障壁高さ 0.75eVに比べて十分に大きく、エンハンストモード HEMT においても十分な性能が得られる。
【0027】
デバイス作製プロセスでは、ゲート電極10を (Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P のショットキー層6の上に形成するため、GaAsのキャップ層7を一部エッチング除去することになるが、H3PO4:H2O2:H2O (3:1:50) からなるエッチャントによる (Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P のショットキー層6に対するGaAsのキャップ層7とのエッチングの選択比は 6000:1以上と大きい。これに対して、従来の AlGaAs に対するGaAsのウェトエッチングの選択比は高々 100:1である。その結果、半導体膜厚の加工制御が容易になり、素子特性のバラツキが抑えられ、信頼性も改善される。
【0028】
GaInPは、GaAsおよび AlGaAsに比べるとアバランシュ破壊電圧が高く、(AlxGa1-x)0.5In0.5P では、Al組成xの増加に応じてさらに破壊電圧が伸びる特徴を有している。(AlxGa1-x)0.5In0.5 Pは、Al組成x = 0.5〜0.7 で直接遷移から間接遷移に移るため、これを HEMT素子のショットキー層6やスペーサ層4に用いるためには、Al組成xがx≦0.4 であることが望ましい。また、伝導帯不連続 ΔEcやショットキー障壁高さを十分な値にするために、Al組成xがx≧0.2 であることが望ましい。またAl組成xが0.2≦x≦0.3 である (AlxGa1-x)0.5In0.5P は、直接遷移から間接遷移に移るためクロスオーバーポイントより十分に離れているので、AlGaAs系に比べてDXセンターのような深い不純物準位がかなり少なく、前述したWalkout現象、電流コラブスの発生などのデバイスの不安定動作を抑制できる。
【0029】
なお、上記の直接遷移、間接遷移、クロスオーバーポイントは下記の通りである。価電子帯の頂上と伝導帯の底のk値 (波数ベクトル:k = nπ/L) が同じである半導体が直接遷移型と呼ばれ、この直接遷移型半導体では伝導帯中の電子が価電子帯の正孔と再結合する際、kすなわち運動量 (= hk) の変化がなく、運動量が保存される。一方、価電子帯の頂上と伝導帯の底のk値が異なっている半導体は間接遷移型と呼ばれている。前記の直接遷移型半導体は有効質量が小さく移動度が大きいので、高速の電子デバイスに用いられる。また、レーザ等の発光デバイスにも直接遷移型が用いられる。伝導帯の底がΓバレーからXバレーに移行する点が前記したクロスオーバーポイント(図4ではx = 0.7のところ)と呼ばれる。
【0030】
この第1の実施形態においては、スペーサ層4及びショットキー層6に (Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P を用いているが、いずれか一方又は両方を Al0.33Ga0.67As などのAlGaAs系の材料で置き換えてもかまわない。この場合でも、電子供給層5に GaInP を用いているかぎりその高濃度化の妨げにはならない。ショットキー層6にAlGaAs系の材料を使用するときは選択エッチングの制御性が GaInP 系の材料を用いた場合に比べて劣るが、致命的ではない。
【0031】
[第2の実施の形態]
図5は本発明の第2の実施形態のHEMT素子の構造断面図を示す。図2に示した第1の実施例と異なる点は、ショットキー層がノンドープの Al0.33Ga0.67As の第1のショットキー層(第4の半導体層)6Aとノンドープの Ga0.65In0.35P の第2のショットキー層(第5の半導体層)6Bとの2層構造で構成されていることである。
【0032】
Al0.33Ga0.67As のショットキー層16Aと Ga0.65In0.35P の電子供給層5との伝導帯不連続はほとんどなく、DXセンターのような深い不純物準位が多く有している Al0.33Ga0.67As の第1のショットキー層6Aの上に、深い不純物準位がない Ga0.65In0.35P の第2のショットキー層6Bを設けることにより、前述したWalkout現象、電流コラプスの発生などのデバイスの不安定動作を抑制でき、また深い不純物準位をつくる酸素の Al0.33Ga0.67As のショットキー層6Aへの混入を防ぐことができる。なお、第1のショットキー層6Aは、 Al0.33Ga0.6 7As に代えて第1の実施形態で説明した (Al0.3Ga0.7)0.5In0.5P からなるよう形成してもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタによれば、電子供給層として働く第3の半導体層に、半導体基板に格子整合した組成よりもGaP組成を増したGaInPを用いているので、DXセンターのような深い不純物準位がなく、その電子供給層を高濃度ドーピングすることが可能となり、デバイス性能を向上できる。
【0034】
また、AlGaInP/InGaAs (第2の半導体層/第1の半導体層) ヘテロ接合は、AlGaAs/InGaAs や GaInP/InGaAs のヘテロ接合に比べて大きな伝導帯不連続を有しているので、多くの電子を閉じこめることができ、電子濃度を向上させことができる。
【0035】
また、ショットキー層が第4の半導体層である AlGaInP 層又は第5の半導体層である GaInP層で構成されているので、深い不純物準位に起因するWalkout現象、電流コラプスの発生などのデバイスの不安定動作を抑制できる。
【0036】
さらに、デバイス作製プロセスでは、ゲート電極を第4の半導体層である AlGaInP 層又は第5の半導体層であるGaInP層上に形成すれば、GaAsのキャップ層の一部をエッチング除去する工程において、GaAsとのエッチングの選択比が極めて大きくなり、半導体膜厚の加工制御が容易になり、素子特性のバラツキが抑えられ信頼性も改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 チャネル層に InGaAs、電子供給層に GaInP、スペーサ層、ショットキー層にノンドープの AlGaInP(又はAlGaAs) を用いた本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタの断面構造図である。
【図2】 本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタの第1の実施の形態を示す断面構造図である。
【図3】 第1の実施の形態のヘテロ接合電界効果トランジスのエネルギーバンドダイグラムを示した図である。
【図4】 (AlxGa1-x)0.5In0.5P/GaAs のヘテロ接合の伝導帯不連続ΔEcと価電子帯不連続ΔEvそれぞれのAl組成xの依存性を示した特性図である。
【図5】 本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタの第2の実施の形態を示す断面構造図である。
【図6】 従来のヘテロ接合電界効果トランジスタの断面構造図である。
【符号の説明】
1:半絶縁性GaAs基板(半導体基板)
2:GaAs からなるバッファ層
3:InGaAs からなるチャンネル層(第1の半導体層)
4:AlGaInP(又はAlGaAs) からなるスペーサ層(第2の半導体層)
5:SiがドープされGaAsに格子整合したGaInPよりもGaPの組成を増やしたGaInP からなる電子供給層(第3の半導体層)
6:AlGaInP(又はAlGaAs) からなるショッットキー層(第4の半導体層)
6A:AlGaAs からなる第1のショットキー層(第4の半導体層)
6B:GaInP からなる第2のショットキー層(第5の半導体層)
7:GaAsからなるキャップ層
8:ソース電極
9:ドレイン電極
10:ゲート電極

Claims (3)

  1. GaAsからなる半導体基板と、
    該半導体基板上に形成され InGaAs からなる第1の半導体層と、
    該第1の半導体層の上に形成され該第1の半導体層よりも伝導帯のポテンシャルエネルギーが高い材料からなる第2の半導体層と、
    前記第2の半導体層の上に形成され前記第1の半導体層よりも伝導帯のポテンシャルエネルギーが高い GaxIn1-xP からなり、該Gaの組成xが 0.55≦x≦0.7 であり、且つドナー不純物が添加された第3の半導体層と、
    該第3の半導体層の上に形成され前記第1の半導体層よりも伝導帯のポテンシャルエネルギーが高い Al z Ga 1-z As からなり、該Alの組成zが 0.2≦z≦0.35 である第4の半導体層と
    前記第4の半導体層の上に形成され、前記第1の半導体層より伝導帯のポテンシャルエネルギーが高い Ga x In 1-x P で形成され、該Gaの組成xが 0.55≦x≦0.7 である第5の半導体層とを具備し、
    該第5の半導体層の上にゲート電極が形成され、
    前記第1の半導体層と前記第2、第3、第4及び第の半導体層とのヘテロ接合により形成される2次元電子ガスを能動層とし、該2次元電子ガスヘ前記第2、第3、第4及び第の半導体層を介してソース電極又はドレイン電極よりキャリアを供給し、前記2次元電子ガスの走行を前記ゲート電極に印加される電界によって制御するようにしたことを特徴とするヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  2. 前記第2の半導体層は、前記半導体基板と格子整合する(AlyGa1-y)0.5In0.5P からなり、該Alの組成yが 0.2≦y≦0.4 であることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  3. 前記第2の半導体層は、AlzGa1-zAs からなり、該Alの組成zが 0.2≦z≦0.35 であることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
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