JPH09246529A - 電界効果トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタ及びその製造方法

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JPH09246529A
JPH09246529A JP8053191A JP5319196A JPH09246529A JP H09246529 A JPH09246529 A JP H09246529A JP 8053191 A JP8053191 A JP 8053191A JP 5319196 A JP5319196 A JP 5319196A JP H09246529 A JPH09246529 A JP H09246529A
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layer
contact layer
schottky contact
barrier
ohmic contact
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JP8053191A
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Takao Noda
隆夫 野田
Yasuo Ashizawa
康夫 芦沢
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来のHEMTに比べ、ゲートリーク電流を
低減化することによって、特性を向上させ、かつ素子寿
命の長いHEMTを提供する。 【解決手段】 HEMT構造のオーミックコンタクト層
108とショットキーコンタクト層106の間に、電子
親和力がショットキーコンタクト層より0.1eV以上
小さいバリア層107を挿入することによって、ゲート
リーク電流を大幅に抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、III −V族化合物
半導体からなる電界効果トランジスタ及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電界効果トランジスタ(FE
T)の一種として、半絶縁性GaAs基板上に、ノンド
ープInGaAsチャネル層と、InGaAsより電子
親和力が小さくn型の不純物が高濃度にドーピングされ
た半導体による電子供給層との,ヘテロ接合を有する高
電子移動度トランジスタ(HEMT)が知られている。
【0003】このHEMTの特長は、高純度なInGa
Asチャネル層中に形成された電子移動度が高い2次元
電子ガス(2DEG)をキャリアとすることによって、
高速性や雑音特性に優れているという点である。電子供
給層の材料としては、AlGaAsあるいはInGaP
あるいはInGaAlPが用いられることが多い。
【0004】図3は従来のInGaPを電子供給層とす
るHEMTの断面構造の一例を示す図である。このHE
MTの作製方法では、まず、有機金属気相成長法(MO
CVD法)等によって、半絶縁性GaAs基板301上
に、ノンドープGaAsバッファ層302、ノンドープ
InGaAsチャネル層303、ノンドープInGaP
スペーサ層304、Siドープn型InGaP電子供給
層305、ノンドープInGaPショットキーコンタク
ト層306、Siドープn型GaAsオーミックコンタ
クト層308を順次成長させる。
【0005】その後、フォトリソグラフィー、蒸着およ
びアロイ工程によって、ソース電極309およびドレイ
ン電極310を形成する。その後、電子ビーム露光によ
って一部分だけ露出させたn型GaAsオーミックコン
タクト層をエッチング除去して(リセスエッチング)、
ノンドープInGaPショットキーコンタクト層の表面
を露出させ、その上にゲート電極311を形成する。
【0006】しかしながら、このように制作された従来
のHEMTには、デバイス動作時にゲート電極311に
負の電圧を印加ときのゲート−ソース間およびゲート−
ドレイン間のリーク電流が大きいという問題点があっ
た。
【0007】ゲート電極311に負の電圧を印加したと
きのリーク電流の電子の流れの成分を図3に示す。この
電流成分には、ショットキーコンタクト層306を突き
抜けてチャネル層303を流れるドレイン電流に合流す
る成分321と、ショットキーコンタクト層306の中
および表面を通りオーミックコンタクト層308からソ
ース電極309に流れる成分322,323と、ショッ
トキーコンタクト層306の中および表面を通りオーミ
ックコンタクト層308からドレイン電極310に流れ
る成分324,325とがある。
【0008】ここで、電流成分322,323および3
24,325を小さくするために、オーミックコンタク
ト層308の横方向のエッチング幅を大きくしてゲート
電極311とオーミックコンタクト層308の距離を大
きくしその間の電界強度を小さくする方法が考えられる
が、この様な方法をとると、ソース−ゲート間およびゲ
ート−ドレイン間の抵抗が大きくなりデバイス特性を低
下させてしまうという問題がある。
【0009】逆に、ソース−ゲート間およびゲート−ド
レイン間の抵抗を小さくするためにオーミックコンタク
ト層308とゲート電極311の距離を短くすると、ゲ
ートに電圧を印加したときの電界が大きくなるため、ゲ
ートリーク電流成分322,323,324,325が
特に大きくなる。
【0010】このゲートリーク電流は、雑音特性を大き
く低下させたり、素子そのものの劣化を引き起こしたり
するという悪影響があり、従来のHEMT等の電界効果
トランジスタの大きな問題点であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のH
EMTでは、ゲート電極に負の電圧を印加したときの、
ゲート電極からソース電極およびドレイン電極へ電子が
流れ込むリーク電流に起因して、特性の低下や素子の劣
化が生じるという問題点があった。
【0012】本発明は、このような実情を考慮してなさ
れたもので、ゲート電極に負電圧を印加したときに、ゲ
ート電極からソース電極もしくはドレイン電極へリーク
電流が流れるのを防止し、ひいては特性が良く,素子寿
命の長い電界効果トランジスタ及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、半絶縁性半導体基板上
に、チャネル層,電子供給層及びショットキーコンタク
ト層が少なくとも設けられれた化合物半導体からなる電
界効果トランジスタにおいて、ショットキーコンタクト
層上に設けられ、かつショットキーコンタクト層より電
子親和力が0.1eV以上小さいバリア層と、少なくと
もバリア層より上の層として設けられ、かつバリア層よ
り電子親和力が大きいオーミックコンタクト層と、ショ
ットキーコンタクト層上に形成されたゲート電極とを備
えたことを特徴とする電界効果トランジスタである。
【0014】また、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する化合物半導体からなる電界効果トランジス
タの製造方法において、有機金属気相成長法もしくは分
子線エピタキシー法によって、半絶縁性基板上に、チャ
ネル層と、電子供給層と、ショットキーコンタクト層
と、バリア層と、オーミックコンタクト層とを積層させ
る第1の工程と、オーミックコンタクト層とバリア層の
一部分を選択的にエッチング除去し、ショットキーコン
タクト層の表面を露出させた後、ショットキーコンタク
ト層上にゲート電極を形成する第2の工程とを有する電
界効果トランジスタの製造方法である。 (作用)したがって、まず、請求項1に対応する発明の
電界効果トランジスタにおいては、ショットキーコンタ
クト層とオーミックコンタクト層の間に、電子親和力が
ショットキーコンタクト層より小さいバリア層が挿入さ
れることによって、ショットキーコンタクト層からオー
ミックコンタクト層へ流れ込む電子に対する障壁が形成
されている。
【0015】ここで、電子親和力の差はショットキーコ
ンタクト層とバリア層のヘテロ接合を形成したときには
伝導帯不連続ΔEcとしてあらわれ、電子親和力が小さ
い材料の方が、伝導帯が上になるために電子の障壁とし
て作用する。このとき、電子が感じる障壁によってリー
ク電流を大幅に抑制するためには、ΔEcは最低でも
0.1eVは必要であり、ΔEcが大きいほどその効果
は大きくなる。
【0016】したがって、この障壁を設けたことによ
り、ゲート電極に負の電圧を印加しても、電子はショッ
トキーコンタクト層からオーミックコンタクト層へ流れ
にくくなり、リーク電流のうちソース電極およびドレイ
ン電極に流れ込む成分を抑制することができる。
【0017】また、請求項2に対応する発明の電界効果
トランジスタの製造方法においては、請求項1に対応す
る化合物半導体からなる電界効果トランジスタにつき、
まず、第1の工程において、有機金属気相成長法もしく
は分子線エピタキシー法により、半絶縁性基板上に、チ
ャネル層と、電子供給層と、ショットキーコンタクト層
と、バリア層と、オーミックコンタクト層とが積層され
る。
【0018】次に、第2の工程において、オーミックコ
ンタクト層とバリア層の一部分が選択的にエッチング除
去され、ショットキーコンタクト層の表面を露出させた
後、ショットキーコンタクト層上にゲート電極が形成さ
れる。
【0019】このようにして、請求項1に対応する化合
物半導体からなる電界効果トランジスタが製造される。
なお、上述した課題を解決する手段としては、上記手段
の他、以下の内容をも含む。 (1)前記半絶縁性半導体基板がGaAsであり、前記
電子供給層がAlGaAsもしくはInGaPもしくは
InGaAlPであり、前記ショットキーコンタクト層
がAlU Ga1-U As(0.15≦U≦0.25)であ
り、前記バリア層がAlW Ga1-W As(0.3≦W≦
1)もしくはIn1-x (Ga1-Y AlYX P(0.5
≦X≦0.7,0.2≦Y≦1)であり、前記オーミッ
クコンタクト層がGaAsであることを特徴とする請求
項1記載の電界効果トランジスタ。 (2)前記バリア層と、前記オーミックコンタクト層と
の間に、Al組成Zを前記バリア層側から徐々に小さく
していくAlZ Ga1-Z As組成傾斜層を介することを
特徴とする前記(1)記載の電界効果トランジスタ。 (3)前記半絶縁性半導体基板がGaAsであり、前記
電子供給層がAlGaAsもしくはInGaPもしくは
InGaAlPであり、前記ショットキーコンタクト層
がIn1-U (Ga1-V AlVU P(0.5≦U≦0.
7,0≦V≦0.3)であり、前記バリア層がAlW
1-W As(0.4≦W≦1)もしくはIn1-x (Ga
1-Y AlYX P(0.5≦X≦0.7,0.4≦Y≦
1)であり、前記オーミックコンタクト層がGaAsで
あることを特徴とする請求項1記載の電界効果トランジ
スタ。 (4)前記バリア層と、前記オーミックコンタクト層と
の間に、Al組成Zを前記バリア層側から徐々に小さく
していくAlZ Ga1-Z As組成傾斜層を介することを
特徴とする前記(3)記載の電界効果トランジスタ。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 (発明の第1の実施の形態)本実施の形態では、ショッ
トキーコンタクト層としてInGaAlPを用いた場合
について説明する。
【0021】図1は本発明の第1の実施の形態に係る電
界効果トランジスタの構造を示す断面図であり、電界効
果トランジスタとしてHEMTを構成させたものであ
る。このHEMTにおける半導体層構造は、半絶縁性の
GaAs基板101と、500〜1000nmのノンド
ープGaAs層またはノンドープGaAs及びノンドー
プAlGaAsの超格子層からなるバッファ層102
と、10〜20nmのノンドープInx Ga1-x Asチ
ャネル層103(X=0.15〜0.25)と、2〜3
nmのノンドープIn0.48Ga0.52Pスペーサ層104
と、10〜25nmでドナー濃度ND =2〜5×1018
cm-3のn−In0.48Ga0.52P電子供給層105と、
5〜10nmのノンドープIn0.48(Ga1-Y AlY
0.52Pショットキーコンタクト層106(0≦Y≦0.
3)と、ND =0.5〜2×1018cm-3のIn
0.48(Ga1-Z AlZ0.52Pバリア層107(0.4
≦Z≦0.7 かつ Z−Y≧0.4)と、約20nm
でND =2〜5×1018cm-3のAlU Ga1-U As組
成傾斜層112(U=0.4→0)と、30〜50nm
でND =5×1018cm-3のn−GaAsオーミックコ
ンタクト層108とからなっている。
【0022】さらに、この半導体層において、図1に示
すように、ショットキーコンタクト層106上にゲート
電極111と、オーミックコンタクト層108上にソー
ス電極109及びドレイン電極110とが設けられてH
EMTとして構成される。
【0023】このHEMTの製造は以下のようにして行
われる。まず、MOCVD法により、半絶縁性GaAs
基板101上に、上記バッファ層102、チャネル層1
03、スペーサ層104、電子供給層105、ショット
キーコンタクト層106、バリア層107、組成傾斜層
112、オーミックコンタクト層108を順次結晶成長
させる。
【0024】この結晶層成長においては、600〜75
0℃に加熱した基板上に、水素ガスをキャリアガスとし
て、原料であるトリメチルインヂウム(TMI)、トリ
メチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム
(TMA)、アルシン(AsH3 )、フォスフィン(P
3 )、ジシラン(Si26 )を供給し、成長を行
う。
【0025】その後、フォトリソグラフィー、蒸着およ
びアロイ工程によって、オーミックコンタクト層上にA
uGe/Ni/Auを材料とするソース電極109及び
ドレイン電極110を形成する。
【0026】次に、電子ビーム露光によってオーミック
コンタクト層108表面を一部分だけ露出させ、オーミ
ックコンタクト層108及びバリア層107を選択エッ
チングによって除去し、ショットキーコンタクト層10
6の表面を露出させ、その上Ti/Pt/Auを材料と
するゲート電極111を形成する。
【0027】次に、以上のように製造され、構成された
実施の形態に係る電界効果トランジスタ(HEMT)の
動作時におけるリーク電流防止作用について説明する。
本実施形態の構成のHEMTでは、ショットキーコンタ
クト層106とオーミックコンタクト層108の間に、
電子親和力がショットキーコンタクト層106より小さ
いバリア層107を挿入することによって、ショットキ
ーコンタクト層106からオーミックコンタクト層10
8へ流れ込む電子に対する障壁を形成している。
【0028】電子親和力の差はショットキーコンタクト
層106とバリア層107のヘテロ接合を形成したとき
には伝導帯不連続ΔEcとしてあらわれ、電子親和力が
小さい材料の方が、伝導帯が上になるために電子の障壁
として作用する。この障壁があるため、ゲート電極11
1に負の電圧を印加しても、電子はショットキーコンタ
クト層106からオーミックコンタクト層108へ流れ
にくくなり、リーク電流のうちソース電極109および
ドレイン電極110に流れ込む成分が抑制される。
【0029】ここで、電子が感じる障壁によってリーク
電流を大幅に抑制するためには、ΔEcは最低でも0.
1eVは必要であり、ΔEcが大きいほどその効果は大
きくなる。すなわち本実施形態の場合では、バリア層1
07とショットキーコンタクト層106のΔEcは、Z
−Y≧0.4とすることによって0.13eV以上にな
り、電子のバリアとして十分機能する。また、Z−Y≧
0.4の場合、バリア層107とショットキーコンタク
ト層の選択エッチングが可能なため、デバイスのしきい
値の素子間均一性が大幅に向上する。
【0030】一方、バリア層107に電子親和力が小さ
い材料を使うと、オーミックコンタクト層108とバリ
ア層107のΔEcも大きくなるため、デバイス動作時
にソース電極109からオーミックコンタクト層10
8、バリア層107を通りチャネル層103中の2DE
Gとしてドレイン電極110に流れ込むドレイン電流が
感じるバリアも大きくなり、ソース抵抗が大きくなる原
因になる。
【0031】そこで、本実施形態では、オーミックコン
タクト層108のn型ドーピング濃度をショットキーコ
ンタクト層106のn型ドーピング濃度に比べ十分に高
くし、かつ、バリア層107のn型ドーピング濃度も
0.5×1018cm-3以上にすると、バリア層107の
伝導帯はオーミックコンタクト層108(組成傾斜層1
12)とのヘテロ界面付近においてフェルミレベル近く
まで下げることができ、電子に対する障壁を十分に小さ
くすることが可能である。
【0032】さらに、オーミックコンタクト層108と
バリア層107との間に、バリア層107からGaAs
オーミックコンタクト層108に向けて、そのAl組成
Uをバリア層107側から徐々に小さくしていくAlU
Ga1-U Asからなる組成傾斜層112を形成すること
で、電子の障壁をさらに小さくすることができ、ソース
抵抗が大きくなるといった悪影響は全く無くなる。
【0033】なお、上記説明では、オーミックコンタク
ト層108と組成傾斜層112とを別けて説明したが、
これらを一体としてオーミックコンタクト層であると考
えることもできる。
【0034】上述したように、本実施の形態に係る電界
効果トランジスタによれば、HEMT構造のオーミック
コンタクト層108とショットキーコンタクト層106
の間に、電子親和力がショットキーコンタクト層106
より0.1eV以上小さいバリア層107を挿入するよ
うにしたので、ゲートリーク電流を大幅に抑制すること
ができる。その結果、従来よりも特性がよくかつ素子寿
命の長いHEMT等の電界効果トランジスタを作製する
ことができる。
【0035】また、本実施の形態に係る電界効果トラン
ジスタによれば、バリア層107の伝導帯をオーミック
コンタクト層108とのヘテロ界面付近においてフェル
ミレベル近くまで下げるようにしたので、ソース電極1
09側からの電子に対する障壁を十分に小さくすること
ができ、ソース抵抗を十分に下げることができる。
【0036】さらに、本実施の形態に係る電界効果トラ
ンジスタによれば、Al組成Uをバリア層107側から
徐々に小さくしていくAlU Ga1-U Asからなる組成
傾斜層112を形成したので、ソース電極109側から
の電子の障壁をさらに小さくすることができ、ソース抵
抗が大きくなるといった悪影響は全く無すことができ
る。
【0037】一方、本実施の形態に係る電界効果トラン
ジスタ(HEMT等)によれば、In(GaAl)Pシ
ョットキーコンタクト層106とGaAsオーミックコ
ンタクト層108と間に、ショットキーコンタクト層1
06よりもAl組成の高いIn(GaAl)Pバリア層
107を設ける構成としたので、本実施形態の他の効果
として、ゲート電極111とショットキーコンタクト層
106との界面における界面乱れの問題について、以下
に説明するような解決を図ることができる。
【0038】まず、この界面乱れの問題とは、図3に示
す従来のHEMTのように、ショットキーコンタクト層
にPを含む層上にGaAsオーミックコンタクト層等の
Pを含まない層を設ける場合、原料ガス切り替え時にシ
ョットキーコンタクト層のPと原料ガスの元素が置換反
応してその界面の結晶性状等が乱れ、その上に形成され
たゲートについてゲートリーク電流が増大するものであ
る。
【0039】本実施形態では、バリア層107を設ける
ことにより、ショットキーコンタクト層106及びバリ
ア層107のV族構成元素がどちらもPであるため、界
面でのV族構成元素の置換反応等による界面の乱れに起
因するゲートリーク電流の増大を防ぐことができる。
【0040】つまり、In(GaAl)Pバリア層10
7がショットキーコンタクト層106との間の界面制御
層としての役割を担っているためである。MOCVD成
長によるIn(GaAl)Pショットキーコンタクト層
106からIn(GaAl)Pバリア層107への成長
界面は、1原子層レベルの急峻な界面となり、従来のよ
うな界面の乱れは生じない。
【0041】したがって、選択リセスエッチングを行っ
た場合に、1原子層レベルで急峻なIn(GaAl)P
ショットキーコンタクト層106表面が露出される。そ
の結果、ゲート電極111に接触している部分のショッ
トキーコンタクト層106表面にショットキー障壁高さ
が低い層が形成されることなく、またリセスエッチング
深さの均一性が高いため、ゲート電流を小さくし、特性
の素子間均一性の高いHEMTを制作することができ
る。 (発明の第2の実施の形態)本実施の形態では、ショッ
トキーコンタクト層としてAlGaAlを用いた場合に
ついて説明する。
【0042】図2は本発明の第2の実施の形態に係る電
界効果トランジスタの構造を示す断面図であり、電界効
果トランジスタとしてHEMTを構成させたものであ
る。このHEMTにおける半導体層構造は、半絶縁性の
GaAs基板201と、500〜1000nmのノンド
ープGaAs層またはノンドープGaAs及びノンドー
プAlGaAsの超格子層からなるバッファ層202
と、10〜20nmのノンドープInx Ga1-x Asチ
ャネル層203(X=0.15〜0.25)と、2〜3
nmのノンドープAlY Ga1-Y Asスペーサ層204
(Y=0.15〜0.25)と、Si面密度NS =2〜
5×1012cm-2のプレーナードーピング層,もしくは
10〜25nmでND =2〜5×1018cm-3のn−A
Y Ga1-Y As(0.15≦Y≦0.25)からなる
電子供給層205と、10〜30nmのノンドープもし
くはND ≦1×1018cm-3にドーピングしたAlZ
1-Z Asショットキーコンタクト層206(0.15
≦Z≦0.25)と、ND=0.5〜2×1018cm-3
のIn0.48(Ga1-U AlU0.52Pバリア層207
(0.3≦U≦0.7)と、約20nmでND =2〜5
×1018cm-3のAlV Ga1-V As組成傾斜層112
(V=0.3→0)と、30〜50nmでND=5×1
18cm-3のn−GaAsオーミックコンタクト層20
8とからなっている。
【0043】さらに、この半導体層において、図2に示
すように、ショットキーコンタクト層206上にゲート
電極211と、オーミックコンタクト層208上にソー
ス電極209及びドレイン電極210とが設けられてH
EMTとして構成される。
【0044】このHEMTの製造は第1の実施の形態の
場合と同様にして行われる。次に、以上のように製造さ
れ、構成された実施の形態に係る電界効果トランジスタ
(HEMT)の動作時におけるリーク電流防止作用は、
第1の実施の形態の場合と同様に作用する。
【0045】すなわち、このときバリア層207とショ
ットキーコンタクト層206のΔEcは、0.1eV以
上あり、電子のバリアとして十分機能する。また、バリ
ア層207とショットキーコンタクト層206の選択エ
ッチングが可能なため、デバイスのしきい値の素子間均
一性が大幅に向上する。
【0046】なお、上記説明では、オーミックコンタク
ト層208と組成傾斜層212とを別けて説明したが、
これらを一体としてオーミックコンタクト層であると考
えることもできる。
【0047】上述したように、本実施の形態に係る電界
効果トランジスタによれば、HEMT構造のオーミック
コンタクト層208とショットキーコンタクト層106
の間に、電子親和力がショットキーコンタクト層206
より0.1eV以上小さいバリア層207を挿入するよ
うにしたので、第1の実施の形態の場合と同様に、ゲー
トリーク電流を大幅に抑制することができる。その結
果、従来よりも特性がよくかつ素子寿命の長いHEMT
等の電界効果トランジスタを作製することができる。
【0048】なお、バリア層207のオーミックコンタ
クト層208側の伝導帯レベル及び組成傾斜層212の
形成についても第1の実施の形態と同様な処置を施した
ので、第1の実施の形態の場合と同様な効果を得ること
ができ、ソース電極209側からの電子の障壁を十分に
小さくすることができ、ソース抵抗が大きくなるといっ
た悪影響は全く無すことができる。
【0049】
【実施例】次に、本発明の電界効果トランジスタとして
HEMTを構成させた場合の具体的な実施例について説
明する。 (実施例1)本発明の一実施例に係るHEMTは、図1
に示す第1の実施の形態の電界効果トランジスタと同様
に構成されている。
【0050】このHEMTの各層の具体的な構造は、半
絶縁性GaAs基板、800nmのノンドープGaAs
バッファ層、12nmのノンドープIn0.2 Ga0.8
sチャネル層103、3nmのノンドープIn0.48Ga
0.52Pスペーサ層、10nmでドナー濃度ND =5×1
18cm-3のn−In0.48Ga0.52P電子供給層10
5、10nmのノンドープIn0.48Ga0.52Pショット
キーコンタクト層、5nmでND =1×1018cm-3
n−In0.48(Ga0.5 Al0.50.52Pバリア層、2
0nmでND =3×1018cm-3のAlZ Ga1-Z As
(Z=0.4→0)組成傾斜層および30nmでND
5×1018cm-3のn−GaAsオーミックコンタクト
層が順次積層されてなっている。なお、ゲート電極幅は
0.1μmである。
【0051】本実施例のHEMTにおけるショットキー
コンタクト層とバリア層のΔEcは約0.17eVであ
り、ゲートリーク電流の電子に対する障壁として十分に
大きい。その結果、本実施例のHEMTは従来のHEM
Tに比べ、ゲートリーク電流が約1/5に小さくなり、
それに伴い雑音特性および素子寿命も向上した。 (実施例2)本発明の他の実施例に係るHEMTは、図
2に示す第2の実施の形態の電界効果トランジスタと同
様に構成されている。
【0052】このHEMTの各層の具体的な構造は、半
絶縁性GaAs基板、800nmのノンドープGaAs
バッファ層、12nmのノンドープIn0.2 Ga0.8
sチャネル層、3nmのノンドープIn0.2 Ga0.8
sスペーサ層、10nmでドナー濃度ND =5×1018
cm-3のn−Al0.2 Ga0.8 As電子供給層、10n
mのノンドープAl0.2 Ga0.8 Asショットキーコン
タクト層、5nmでND =1×1018cm-3のn−In
0.48(Ga0.55Al0.450.52Pバリア層、40nmで
D =5×1018cm-3のn−GaAsオーミックコン
タクト層が順次積層されてなっている。なお、ゲート電
極幅は0.1μmである。
【0053】本実施例のHEMTにおけるショットキー
コンタクト層とバリア層のΔEcは約0.22eVであ
り、ゲートリーク電流の電子に対する障壁として十分に
大きい。その結果、本実施例のHEMTは従来のHEM
Tに比べ、ゲートリーク電流が約1/10に小さくな
り、それに伴い雑音特性および素子寿命も向上した。
【0054】なお、本発明は、上記各実施の形態,各実
施例に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々に変形することが可能である。また、本発明の
各実施の形態,各実施例については、HEMTを例にし
て説明したが、本発明の適用範囲はHEMTに限られる
ものでなく、種々の電界効果トランジスタに適用するこ
とができる。
【0055】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、オ
ーミックコンタクト層とショットキーコンタクト層の間
に、電子親和力がショットキーコンタクト層より0.1
eV以上小さいバリア層を挿入するようにしたので、ゲ
ート電極に負電圧を印加したときに、ゲート電極からソ
ース電極もしくはドレイン電極へリーク電流が流れるの
を防止し、ひいては特性が良く,素子寿命の長い電界効
果トランジスタ及びその製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トラ
ンジスタの構造を示す断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る電界効果トラ
ンジスタの構造を示す断面図。
【図3】従来のHEMTの断面構造およびゲートリーク
電流の電子の流れを示す図。
【符号の説明】 101,201…GaAs基板 102,202…バッファ層 103,203…チャネル層 104,204…スペーサ層 105,205…電子供給層 106,206…ショットキーコンタクト層 107,307…バリア層 108,208…オーミックコンタクト層 109,209…ソース電極 110,210…ドレイン電極 111,211…ゲート電極 112,212…組成傾斜層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半絶縁性半導体基板上に、チャネル層,
    電子供給層及びショットキーコンタクト層が少なくとも
    設けられれた化合物半導体からなる電界効果トランジス
    タにおいて、 前記ショットキーコンタクト層上に設けられ、かつ前記
    ショットキーコンタクト層より電子親和力が0.1eV
    以上小さいバリア層と、 少なくとも前記バリア層より上の層として設けられ、か
    つ前記バリア層より電子親和力が大きいオーミックコン
    タクト層と、 前記ショットキーコンタクト層上に形成されたゲート電
    極とを備えたことを特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 化合物半導体からなる電界効果トランジ
    スタの製造方法において、 有機金属気相成長法もしくは分子線エピタキシー法によ
    って、前記半絶縁性基板上に、前記チャネル層と、前記
    電子供給層と、前記ショットキーコンタクト層と、前記
    バリア層と、前記オーミックコンタクト層とを積層させ
    る第1の工程と、 前記オーミックコンタクト層と前記バリア層の一部分を
    選択的にエッチング除去し、前記ショットキーコンタク
    ト層の表面を露出させた後、前記ショットキーコンタク
    ト層上にゲート電極を形成する第2の工程とを有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の電界効果トランジスタの
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8022440B2 (en) 2003-02-12 2011-09-20 Sumitomo Chemical Company, Limited Compound semiconductor epitaxial substrate and manufacturing method thereof

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