JP4766265B2 - ジャム類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新鮮な果実類の香気を有するジャム類の製造方法に関する。
ジャムやフルーツソースの一般的な製造方法としては、まず、使用する果実類を、その種類や大きさに応じてカット、粉砕あるいは圧潰し、次いで、必要に応じて甘味料等の副原料を加え、加熱釜で加熱することが行われている。この場合、加熱方法としては、食品材料が沸騰する温度(例えば、100℃前後)まで撹拌しながら加熱し、沸騰を所定時間維持させることにより食品材料に含まれる水分を減少させて食品材料を濃縮する常圧濃縮を行い、さらにその温度に加熱保持することにより殺菌効果を得る。
しかしながら、この方法では、加熱時に香気成分が水蒸気と共に揮散し、生の果実類に比べて香りが乏しく、加熱臭が発生し、新鮮感の少ないジャムとなる。
これに対し、加熱容器内を減圧し、60〜70℃程度の比較的低い温度で沸騰させる減圧加熱濃縮の手法がある。この方法によれば、70℃以上の高温におかれる時間が相対的に短くなるので、果実類の風味、香り、色調、栄養成分等が損なわれにくくなるが、低沸点の香気成分をはじめ多くの香気成分が水蒸気と共に揮散するため、新鮮な果実類の香気は依然として得ることができない。
また、減圧加熱と通電加熱を組み合わせて短時間で加熱処理を行い、風味、香り、色調、栄養成分が損なわれることを防止する方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、果実量が20%以下程度と少ない場合や糖度が60度以上と高い場合には、材料の通電性が悪いため、通電加熱を効果的に行うことが難しい。またこの方法でも低沸点の香気成分は水蒸気と共に揮散するので、新鮮な果実類の香気が乏しくなる。
これらの方法で得られたジャムに新鮮な果実類の香気を付与する方法としては、香料を添加することが考えられるが、香料の添加は、添加物を使用することなく果実本来の香りを享受したいという近年の消費者の要望に適合しない。
新鮮感の高いジャムを得るために、加熱処理をせず、超高圧処理によりジャムを製造する方法も提案されている(特許文献2)。しかしながら、この方法では加熱処理をしないために酵素が完全には失活していないことにより、常温流通させることができないという問題があるほか、加熱処理されていないため、ジャム特有の甘い香り(ジャム様の香気)に乏しく、単純な味となる。またコストもかかり、消費者に安価に提供することができない。
なお、濃縮果汁の製造方法においては、香気成分を維持するために、より低温で濃縮を行なう凍結濃縮法がとられている。しかしながらジャムの濃縮においては、果実の果肉が存在するため、機械構造上から凍結濃縮法を用いることは難しい。また、低温で濃縮する為に、濃縮時にジャム様の香気を付与することができず、濃縮物の香りは生の果実の香りに近いものとなり、ジャム類の濃縮法としては適当ではない。
また、濃縮果汁の製造方法においては、香気成分を保持させるために、濃縮時に水蒸気と共に揮散する香気成分の凝縮水を天然フレーバーとして使用することが考えられているが、この方法をジャムの製造方法に利用すると、可溶性固形分が果汁と異なるために沸点が上昇し、また、ジャムにする食品材料は高粘度で果実の固形物を含んでいる点からも、果汁の濃縮操作と同様の条件で濃縮を行うことは不可能となり、ジャムの濃縮条件としては60〜90℃という高温を要することとなる。そのため濃縮中に、ジャム様の甘い香りの香気成分と共に、ジャムの香りとしては不要な加熱臭も発生する。したがって、単に濃縮中に揮散する成分を凝縮させても、その凝縮水には加熱臭が感じられ、これをフレーバーとして利用することはできない。また、ジャムの製造方法では、濃縮果汁の製造に比して、食品材料の濃縮を進めることに加え、果実に糖を浸透させることが必要であるため、濃縮果汁の製造のようには凝縮水を戻すことができない。
さらに、濃縮果汁の製造方法では、濃縮時に揮散した成分の凝縮水から青臭さを感じさせる成分を限外濾過膜の利用により除去することが提案されている(特許文献3)。しかしながら、凝縮水から特定の臭い成分を除去した天然フレーバーは、凝縮水を取り出した濃縮ラインに直ちには戻すことができないため、この天然フレーバーは、ジャムに加える場合に香料添加物として扱うことが必要となり、近年の消費者の添加物を避ける傾向に適合せず、製造コストも高くなる。
なお、特許文献4には、ジャム類の製造方法において、果実の加熱濃縮時に揮散したガスを香気成分に富んだ液相と香気成分に乏しい気相に分離し、香気成分に富んだ液相を加熱濃縮した果実に戻す手法が提案されている。しかしながら、加熱濃縮中には加熱温度や加熱時間に応じて種々の香りあるいは臭気が揮散するところ、特許文献4には、どのような揮散留分を加熱濃縮した果実に戻すかについては開示されておらず、結局、特許文献4の記載を基にしても、種々の匂いが混ざったものしか得られず、新鮮な果実類の香気が好ましく感じられるジャムを製造することはできない。
特開2001−145469号公報 特許2927888号公報 特開平8−280353号公報 WO97/21476
上述した従来のジャムの製造方法に対し、本発明は、香料を添加物として使用することなく、新鮮な果実類の香気を有し、常温流通させることのできるジャム類を消費者に安価に提供できるようにすることを目的とし、特に、新鮮感のある香りとイチゴの華やかな香りとジャム様の甘い香りに富んだイチゴジャムを提供することを目的とする。
本発明者らは、減圧加熱濃縮の手法を用いてジャム類を製造するにあたり、減圧加熱濃縮工程で発生した蒸気の初期、中期、後期の各留分はそれぞれ異なる香気を有し、初留分には新鮮な果実類の香気成分が多く含まれていること、そしてこの初留分を凝縮水として適宜戻すことにより、従来にない新鮮感を有し、かつ常温流通可能なジャムを製造できること、特に、この手法により製造した特定の香気成分を含有するイチゴジャムは、新鮮な香りとイチゴの華やかな香りとジャム様の甘い香りとを兼ね備えた美味しいイチゴジャムになることを見出し本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、果実類を含む食品材料の減圧加熱濃縮工程を含むジャム類の製造方法において、減圧加熱濃縮工程で発生した蒸気の初留分を凝縮水として回収し、該凝縮水を、減圧加熱濃縮した食品材料に戻すことを特徴とするジャム類の製造方法を提供する。
また、本発明は、上述の方法で製造した香料無添加ジャム類を提供する。
特に、本発明は、トランス-2-ヘキセノール(trans-2-hexenol)の濃度が100〜500ppb(以下、ppbはμg/kgを意味する)である香料無添加イチゴジャム類を提供する。
本発明のジャム類の製造方法によれば、果実類を含む食品材料の濃縮を減圧加熱濃縮により行うので、果実類の風味、香り、色調、栄養成分等を良好に維持したジャム類を得ることができ、これを常温流通させることも可能となる。さらに、本発明によれば、この減圧加熱濃縮工程で発生する蒸気の初留分の凝縮水を、減圧加熱濃縮した食品材料に戻すので、新鮮な果実類の香気を有するジャム類を製造することができる。特に、トランス-2-ヘキセノールの濃度が100〜500ppbのイチゴジャム類は、新鮮なイチゴの香りに富み、かつ青臭さがなく優れた風味となり、さらに、エチルヘキサノエート(ethyl hexanoate)の濃度が40ppb以上であると、イチゴ特有の華やかな香りが強く感じられる美味しいものとなり、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン(2,5-dimethyl-4-hydroxy-2H-furan-3-one、以下、「DMHF」と称する)の濃度が790〜1200ppbであるとジャム様の甘い香りに富んだものとなる。
なお、減圧加熱濃縮した食品材料に戻す凝縮水は、専ら初留分であるため、得られるジャム類は、所期の糖度や粘度に容易に調製することができる。
また、この初留分は、格別加工されることなく、減圧加熱濃縮した食品材料に直ちに戻されるので食品添加物とはならず、食品添加物として香料を含有しない製品を製造することが可能となる。
図1は本発明のジャム類の製造方法の一態様の製造工程図である。 図2は減圧濃縮工程における留分の区分と香気成分濃度との関係図である。 図3Aは実施例1のジャムのガスクロマトグラムである。 図3Bは比較例1のジャムのガスクロマトグラムである。 図3Cは比較例2のジャムのガスクロマトグラムである。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、特にことわらない限り、本発明において%は質量%を意味する。
本発明において、ジャム類とは、JAS法品質表示基準で定義されるところの「果実、野菜又は花弁を糖類等と共に、必要に応じてこれにゲル化剤、酸味料、香料等を加え、ゼリー化するようになるまで加熱したもの、またはそれらにゲル化剤、酸味料、香料等を加えたもの」の他、糖類を加えないものや、フルーツソース等のように流動状のものも含む。このジャム類には、果実の原形がほとんど残っていない擂りジャムタイプと、果実の一部又は全部の原形を残したプレザーブスタイルの双方が含まれる。
また、本発明において果実類とは、果実、野菜又は花弁を広く含む。具体的には、イチゴ、リンゴ、洋梨、桃、パイナップル、ブドウ、イチジク、バナナ等の果実やルバーブ等の野菜、中でも、イチゴ、白桃、イチジク等が好ましい。
図1は、本発明のジャム類の製造方法の一態様の製造工程図である。この方法では、まず、常法により、冷凍果実類を解凍し、仕込み工程に付す。ここで糖類、必要に応じて酸味料、酸化防止剤等を添加し、加熱溶解させる。なお、本発明の方法において、ジャム類の原料は冷凍材料に限定されない。生の原料を使用する場合には、解凍工程を省略すればよい。
仕込み工程において糖類を加熱溶解させる温度は、加熱による香気の揮散を防止し、また、次工程の減圧加熱濃縮工程における品温を抑え、蒸気温度を抑制し、凝縮水の回収率を向上させる点から、糖類が溶ける限り低くすることが好ましく、また、減圧加熱濃縮工程の温度よりも低い温度とすることが好ましい。具体的には、65℃未満、より好ましくは60℃以下、さらに好ましくは50℃以下とする。なお、この加熱は、次の減圧加熱濃縮工程で使用する減圧釜を使用して行うことが好ましい。
次に、前工程において昇温した食品材料を減圧加熱濃縮工程に付し、その際に発生する蒸気のうち初留分を凝縮水として回収する。この減圧加熱濃縮工程における温度条件としては、濃縮時間の点から20℃より高くすることが好ましく、ジャム様の香気を付与する点から30℃以上とすることがより好ましい。また、加熱臭が付かないようにする点から65℃未満が好ましく、より好ましくは香気成分の揮散防止の点から60℃以下、さらに好ましくは50℃以下である。絶対圧力は19.9kPa(60℃)〜4.2kPa(30℃)が好ましい。
蒸気の凝縮には、熱交換器(プレート式熱交換器、多管式熱交換器等)をコンデンサー(凝縮器)として使用することができる。熱交換器を用いて凝縮水を回収する場合、その熱交換部から排出された直後の凝縮水の温度が20℃以下となるようにすることが好ましく、そのため、熱交換器で使用する冷媒の温度は、蒸気流量、冷媒の流量等にもよるが、通常、20℃以下が好ましい。
減圧加熱濃縮工程において、留去させる液量は、原材料とする果実類の種類、目的とするジャム類の糖度、果実含有量等によるが、通常、仕込み量の10〜35%とすることが好ましい。ここで、仕込み量とは、減圧加熱濃縮工程開始時に減圧加熱濃縮釜に入れられている原材料の総量をいう。
また、減圧加熱濃縮工程において、初留分は、次工程で濃縮物に戻すものとして区分しておく。即ち、減圧加熱濃縮工程において原料から発生する蒸気は、揮発性の高い成分が多く、香気成分が多く含まれる初期の留分と、揮発性の高い成分が少なく、香気成分量が少ない後期の留分と、その中間の中期の留分に分けることができる。このうち揮発性の高い成分が多い初留分は、フルーティーで、さわやかで、花様の新鮮な香気を有し、特に、エチルヘキサノエートはイチゴ特有の華やかな香りを有し、トランス-2-ヘキセノールは新鮮感のある、草様の青臭い香りを有する。したがって、エチルヘキサノエート又はトランス-2-ヘキセノールを含む留分を次工程で濃縮物に戻すものとして区分しておくことが好ましい。
また、中期の留分は酸臭が強く、後期の留分は甘いこげ臭を有するが、DMHFはジャム様の甘い香りを有する。したがって、ジャム類にはDMHFが含まれるようにすることが好ましい。ただし、DMHFは揮散しにくいため、前述のように減圧加熱濃縮工程で留去させる液量を35%以下程度とする場合には、DMHFを含む留分を次工程で濃縮物に戻す留分として区分しておくことは不要である。なお、DMHFは、果実の種類によっては、当初からジャム様の甘い香りが感じられる程度の濃度で含まれているが、加熱によっても増加する。
この減圧濃縮工程における留分の区分と香気成分濃度との関係を、イチゴジャムについて、図2に示す。図2は、イチゴジャムからの香気成分の抽出を、下田らの方法(分析化学 1987年Vol.36,792-798)に準じて行い、次のようにガスクロマトグラフィーマススペクトロメトリー分析することにより得たグラフである。
まず、香気成分抽出濃縮カラムとしては、20mLのPorapakQ(エチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼン共重合体、50〜80meah、Waters社製)をフィルター付きガラスカラム(φ2cm×20cm)に充填し、ジエチルエーテル、メタノール、純水各100mLで順次洗浄したものを用いた。次に、イチゴジャムをホモジナイズし、100gを量りとり、水200mLを添加し、遠心分離を行って上清を得、再度残渣に水100mLを添加し、遠心分離を行い、上清を得た。これらの上清を合わせた液に内部標準物質(100ppmシクロヘキサノール)を添加後、上述のカラム(20mL)に通し、水で洗った後、エーテルで香気成分をカラムより溶出させた。この溶出液を脱水し、濃縮し、ガスクロマトグラフ質量分析装置(島津製作所、GCMS QP 2010)に注入して分析した。この分析条件を以下に示す。
GC条件
カラム:DB-Wax キャピラリーカラム(J&W社)、60 m×0.25 mm id×0.25μm膜厚
カラム温度:初温、40℃で10 min、3.0℃/minで220℃まで昇温
気化室温度:230℃
注入モード:スプリット;スプリット比 1:60
キャリアガス:He
カラム入り口圧力:149.6 kPa
線速度:30.0 ml/min
パージ流量:3 ml/min
注入量:1.0μl
MS条件
イオン源温度:200℃
インタフェース温度:230℃
検出器ゲイン電圧:1.05 kV
スキャンMS:m/z: 29-300
本発明においては、ジャム類に新鮮な香気を付与するため、区分しておいた初留分を減圧加熱濃縮工程で濃縮した食品材料に戻す。
減圧加熱濃縮した食品材料に戻す初留分の液量は、少なすぎると、香気の改善効果を十分に得られず、反対に多すぎると所定の糖度の濃縮物を得られない。そこで、濃縮物に戻す初留分の液量は、果実類の種類、果実含有量等によるが、通常、仕込み量の0.5〜8%とすることが好ましく、2〜8%とすることがより好ましい。
こうして初留分を戻すことにより、トランス-2-ヘキセノールの濃度を適度に高め、新鮮な香りを有するジャム類を製造することが可能となり、更に、イチゴジャム類に関しては、エチルヘキサノエートの濃度を高めることによりイチゴ特有の華やかな香りを有するジャム類を製造することが可能となる。
特に、トランス-2-ヘキセノールの濃度が100〜500ppbである香料無添加イチゴジャム類は、従前にない優れた新鮮感を有するものとなる。ここでトランス-2-ヘキセノールの濃度が100ppb未満であると、新鮮感に乏しく、反対に500ppbを超えると草様の青臭さが強く感じられるようになる。
イチゴジャム類の場合、エチルヘキサノエートの濃度が40ppb以上であると、イチゴ特有の華やかな香りに富んだものとなるので好ましい。
なお、従来のイチゴジャムのうち、加熱処理をせず、超高圧処理により製造したイチゴジャムは、イチゴに含まれる低沸点成分が揮散することなくジャム中に残っているのでエチルヘキサノエートの濃度は高いが、トランス-2-ヘキセノールの濃度も高いため、草様の青臭さが感じられるものとなる。さらに、加熱処理をしないために常温流通させることができないという問題を有する。また、DMHFの濃度が十分でなく、ジャム様の甘い香りが乏しくなる場合もある。
これに対して本発明のジャム類は、加熱処理を経て製造されるので、ジャム様の甘い香りを有するDMHFを適度な濃度で含有することができる。特に、DMHFの濃度が790〜1200ppbであるとジャム様の甘い香りが良好に感じられるので好ましい。これに対し、DMHF濃度が790ppb未満であるとジャム様の甘い香りに乏しく、1200ppbを超えると甘い香りが強すぎて新鮮感に乏しい風味となる。
濃縮物に初留分を戻した後は、密閉系の製造ライン内で、即ち、密閉環境下で殺菌処理を行うことが好ましい。このような殺菌処理としては、例えば、常法によりかきとり型の連続殺菌方法等を行い、その後容器に充填密封する。
殺菌条件は、当該ジャムの水分活性や、常温流通を目的とするか否か等により異なるが、70℃以上110℃以下の温度で行うことが好ましい。具体的には、製品に常温流通性を持たせる場合において、水分活性0.9以下のとき温度85℃で1分相当、水分活性0.9以上のとき90℃で10分相当とすればよい。このように密閉環境下において70℃以上110℃以下の温度で殺菌することにより、新鮮な果実類の香気を失うことなく、さらにジャム様の甘い香気を高めることができる。
さらに、上記殺菌処理済みの水分活性が0.9以下のジャム類を品温85℃より高い温度で容器に充填密封した場合には、次の容器に充填密封後の、即ち密封環境下での殺菌処理を省略することができる。また、水分活性が0.9を超える場合には、容器に充填密封後、殺菌処理を行うことが好ましい。ここで、殺菌処理としては、熱水シャワーや浸漬法等により70℃以上110℃以下の温度で行い、具体的には90℃で10分相当の殺菌を行うことが好ましい。これにより、常温流通させることが可能となり、また、新鮮な果実類の香気を失うことなく、さらにジャム様の甘い香気を高めることも可能となる。
本発明のジャム類の製造方法は、種々の態様をとることができる。例えば、糖類の添加に代えて、蜂蜜や清澄濃縮果汁を添加することができる。
また、減圧加熱濃縮工程後、殺菌・充填工程前に、必要に応じて、ペクチン、カラギーナン等のゲル化剤、キサンタンガム、グアーガム等の増粘多糖類、酸味料、ハーブ類、食酢等の調味料等を添加することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
試験例1(イチゴ)
(1) 表1の配合のイチゴジャムを次のように製造した。まず、減圧加熱濃縮に用いる容器内でイチゴと砂糖を40℃まで加熱することにより、砂糖を溶解させた。次に、バキュームニーダーの絶対圧力7.4kpa、品温40℃で減圧加熱濃縮を行い、8分間で2800ml(仕込み重量の27%)を留去させて濃縮した。この場合、留去させた蒸気は、多管式熱交換器で凝縮させ(冷媒1℃)、凝縮水(熱交換部から排出直後の温度:4℃)100ml(仕込み重量の約1%)ずつ、No.1 〜No.28の28個の留分に区分した。
次に、濃縮物に酸味料(クエン酸)水溶液とペクチン水溶液を加え、またNo.1 〜No.3の凝縮水300ml(仕込み重量の2.9%)を濃縮物に戻し、清水を添加することにより糖度50%に調整し、イチゴジャムを得た。このイチゴジャムは、ガラス容器に充填密封し、殺菌(90℃、10分)した(出来上がり重量10000g)。
Figure 0004766265
(2) 上記(1)において、濃縮物に凝縮水(300ml)を戻さず、代わりに同量の清水を加え、他は同様の操作によりイチゴジャムを製造した。
(3) 上記(2)において、減圧加熱濃縮を65℃で行い、他は同様の操作によりイチゴジャムを製造した。
(4) 上記(1)において、減圧加熱濃縮を65℃で行い、他は同様の操作によりイチゴジャムを製造した。
(5) 上記(1)において、減圧加熱濃縮を20℃で行い、他は同様の操作によりイチゴジャムを製造した。
(6) 上記(1)において、減圧加熱濃縮を20℃で行い、ガラス容器に充填密封後の殺菌処理をしない他は同様の操作によりイチゴジャムを製造した。
(7) 上記(1)において、濃縮物に戻す留分をNo.4〜No.6の300mlとし、他は同様の操作によりイチゴジャムを製造した。
(8) 上記(1)において、濃縮物に戻す留分をNo.1の半量の50ml(仕込み重量の0.48%)とし、他は同様の操作によりイチゴジャムを製造した。
(9) 上記(1)において、凝縮水の温度が20℃となるように冷媒の温度を調整し、他は同様の操作によりイチゴジャムを製造した。
(10) 上記(1)において、3200ml(仕込み重量の30.7%)を留去させ、留分No.1〜No.8の凝縮水(仕込み重量の7.7%)を濃縮物に戻し、他は同様の操作によりイチゴジャムを製造した。
(11) 上記(1)において、3800ml(仕込み重量の36.4%)を留去させ、留分No.1〜No.13の凝縮水(仕込み重量の12.5%)を濃縮物に戻し、他は同様の操作によりイチゴジャムを製造した。
(12) 上記(1)において、殺菌条件を65℃、20分とし、他は同様の操作を行いイチゴジャムを製造した。
評価
上記の試験例1の(1)〜(12)のイチゴジャムの香味と常温流通性を次のように評価した。結果を表2に示す。
(i)香味
専門パネルにより、イチゴジャムの香味の良否を最低1点〜最高10点の10段階に評価した。
(ii)常温流通性
容器に充填密封したイチゴジャムを常温で30日間保存した場合に、カビが発生しなかった場合を○(Good)、カビが発生した場合を×(No Good)とした。



Figure 0004766265

表2の結果から、減圧加熱濃縮工程において、初留分の凝縮水を戻すことにより(1)、戻さない場合(2、3)に比べて香味評価が顕著に向上し、新鮮な果実の香気を得られることがわかる。この場合、戻す量は、減圧加熱濃縮工程に対する仕込み量の0.5〜8%が好ましく(1、7、8、10)、これよりも少ないと初留分を戻す効果を十分に得られず、新鮮な果実の香気が弱くなり、反対に多くなると所定の糖濃度に調整するために工程が煩雑となる(11)。
減圧加熱濃縮する温度は、濃縮時に濃縮物から香気が揮散することを防ぐ点から、65℃未満が好ましいことがわかる(1、2、3、4)。なお、加熱臭を避ける点からは、60℃以下が好ましい。一方、濃縮時間、及びジャム様香気を付する点からは、20℃より高くすることが好ましいこと(5)、また、ジャム様香気は容器に充填密封した後の殺菌加熱処理によっても付加されることがわかる(5、6)。
また、減圧加熱濃縮時に揮散した香気成分の回収効率は、熱交換器で使用する冷媒の温度を下げ、初留分の凝縮水の温度を低くすることが、効率の点からよいことがわかる(1、9)。
減圧加熱濃縮工程を行ったジャムについて、常温流通性を確保するため密閉環境下で行う殺菌処理は、当該ジャムの水分活性にもよるが、本試験例においては、90℃10分以上の殺菌処理を行うのが好ましいことがわかる(1、6、12)。
実施例1、比較例1〜11
上記試験例1の(1)、(2)、(3)の方法に準じて、イチゴジャムを製造した(実施例1、比較例1、比較例2)。ただし、仕込み量に対する凝縮水の戻し量は、3.8%とした。また、比較例3〜11として、以下の市販のイチゴジャム9種を用意した。
比較例3:A社 イチゴジャム1
比較例4:A社 イチゴジャム2
比較例5:B社 イチゴジャム1
比較例6:B社 イチゴジャム2
比較例7:C社 イチゴジャム
比較例8:D社 イチゴジャム1
比較例9:D社 イチゴジャム2(加熱処理によらず超高圧処理により製造したもの)
比較例10:E社 イチゴジャム
比較例11:F社 イチゴジャム
得られた各イチゴジャムと実施例1でジャム原料としたイチゴの揮発成分をそれぞれガスクロマトグラフ質量分析装置(島津製作所、GCMS QP 2010)にて定量した。なお、ガスクロマトグラフ質量分析装置の測定条件は、前述の図2の測定条件と同様とし、分析及び解析のソフトウェアには、島津製作所のLabSolutions-GCMSsolutionバージョン2.30を使用した。
この場合、揮発成分の化合物の同定は、ガスクロマトグラフ質量分析で得られた特定のリテンションタイムの成分のマススペクトルと、標準品を用いて同様に取得したマスクスペクトルと、公刊されているライブラリWILEY7のマスクスペクトルとを比較し、当該ピークのKovats Indexと標準品のKovats Indexとを比較することにより行った。
また、化合物の同定と定量作業の際、各試料に未知の揮発性物質が含まれ、そのリテンションタイムと他の成分のリテンションタイムとが重なることにより、誤同定と誤計算がもたらされるおそれがある。これを防ぐため、ここでは揮発成分の同定と定量に際して、トータルイオン面積を利用せず、ターゲットイオンと参照イオン及び互いの相対比を用いて同定し、ターゲットイオン面積を用いて公刊ライブラリWILEY7の当該物質のトータルイオンに占めるターゲットイオンの割合でトータルイオン面積を算出して定量計算を行い、同様に内部標準物質シクロヘキサノールについても算出し、当該物質の濃度を、内部標準物質シクロヘキサノールとの相対濃度(ppb)として表した。
結果を表3に示す。また、実施例1、比較例1、比較例2のガスクロマトグラムを図3A、図3B、図3Cに示す。






Figure 0004766265
図3A、図3B、図3Cから、低沸点の香気成分の一つでイチゴ特有の華やかな香気を有するエチルヘキサノエートが、実施例1では比較例1の約4倍量含まれており、新鮮感を呈するトランス-2-ヘキセノールも約4倍量含まれていることがわかる。なお、約20分以下のリテンションタイムにおいて、図3Aには、図3Bや図3Cに比してピークの低い低沸点成分があるが、これは揮散し易い抽出溶媒由来のピークであり、減圧加熱濃縮工程において留去させ、凝縮水として戻した初留分に由来するピークではない。
また、表3からわかるように、実施例1のイチゴジャムは、トランス-2-ヘキセノールを濃度で140ppb含有し、青臭くなることなく新鮮感のある香りを呈していた。また、実施例1のイチゴジャムは、エチルヘキサノエートを67ppb含有してイチゴ特有の華やかな香りを有し、さらにDMHFを863ppb含有してジャム様の甘い香りを呈していた。これに対し、比較例2〜8及び比較例10、11のイチゴジャムは、トランス-2-ヘキセノールの濃度が100ppbに満たず、その香りは新鮮感に欠けていた。一方、比較例9のイチゴジャムは、トランス-2-ヘキセノールの濃度が500ppbを超えており、青臭い匂いが強かった。また、比較例9のイチゴジャムは、エチルヘキサノエートの濃度が1ppbしか無く、イチゴ特有の華やかな香りに欠けていた。なお、このように比較例9のイチゴジャムがトランス-2-ヘキセノールを高濃度で含有し、エチルヘキサノエートを僅かしか含有しない理由としては、このイチゴジャムは加熱処理をすることなく、超高圧処理により製造されているため、原料のイチゴに含まれていたトランス-2-ヘキセノールがジャムの製造中に揮散していないこと、また、エチルヘキサノエートを僅かしか含有していないのは、加熱処理をしないためにジャム中で酵素が失活せず、エチルヘキサノエートが酵素によって分解されたこと等が考えられる。
試験例2(白桃)
(1)表4の配合の白桃ジャムを次のように製造した。まず、減圧加熱濃縮に用いる容器内で白桃と砂糖とビタミンCを40℃まで加熱することにより、砂糖を溶解させた。
次に、バキュームニーダーの絶対圧力7.4kpa、品温40℃で減圧加熱濃縮を行い、7分間で2310ml(仕込み重量の21.3%)を留去させて濃縮した。この場合、留去させた蒸気は、多管式熱交換器で凝縮させ(冷媒1℃)、凝縮水(熱交換部から排出直後の温度:4℃)を初留から100ml(仕込み重量の約1%)ずつとり、No.1〜No.23の23個の留分に区分した。
次に、濃縮物に酸味料(クエン酸)水溶液とペクチン水溶液を加え、またNo.1〜No.3の凝縮水300ml(仕込み重量の2.8%)を濃縮物に戻し、清水を添加することにより糖度60%に調整し、白桃ジャムを得た。この白桃ジャムは、ガラス容器に充填密封し、殺菌(90℃、10分)した(出来上がり重量10000g)。
Figure 0004766265
(2)上記試験例2の(1)において、濃縮物に凝縮水を戻さず、他は同様の操作により白桃ジャムを製造した。
(3)上記試験例2の(2)において、減圧加熱濃縮を65℃で行い、他は同様の操作により白桃ジャムを製造した。
(4)上記試験例2の(1)において、減圧加熱濃縮を65℃で行い、他は同様の操作により白桃ジャムを製造した。
(5)上記試験例2の(1)において、減圧加熱濃縮を20℃で行い、他は同様の操作により白桃ジャムを製造した。
(6)上記試験例2の(1)において、減圧加熱濃縮を20℃で行い、ガラス容器に充填密封後の殺菌処理をしない他は同様の操作により白桃ジャムを製造した。
(7)上記試験例2の(1)において、濃縮物に戻す留分をNo.4〜No.6の300mlとし、他は同様の操作により白桃ジャムを製造した。
(8)上記試験例2の(1)において、濃縮物に戻す留分をNo.1の半量の50ml(仕込み重量の0.46%)とし、他は同様の操作により白桃ジャムを製造した。
(9)上記試験例2の(1)において、凝縮水の温度が20℃となるように冷媒の温度を調整し、他は同様の操作により白桃ジャムを製造した。
(10)上記試験例2の(1)において、2810ml(仕込み重量の25.9%)を留去させ、留分No.1〜No.8 の凝縮水(仕込み重量の7.4%)を濃縮物に戻し、他は同様の操作により白桃ジャムを製造した。
(11)上記試験例2の(1)において、3310ml(仕込み重量の30.5%)を留去させ、留分No.1〜No.13の凝縮水(仕込み重量の12.0%)を濃縮物に戻し、他は同様の操作により白桃ジャムを製造した。
(12)上記試験例2の(1)において、殺菌条件を65℃、20分とし、他は同様の操作を行い白桃ジャムを製造した。
評価
上記試験例2の(1)〜(12)の白桃ジャムの香味と常温流通性を試験例1と同様に評価した。結果を表5に示す。
表5から、白桃ジャムにおいてもイチゴジャムと同様に、減圧加熱濃縮工程において初留分の凝縮水を戻すことにより(1)、戻さない場合(2、3)に比べて香味評価が顕著に向上し、新鮮な果実の香気を得られること、戻す量は、減圧加熱濃縮工程に対する仕込み量の0.5〜8%が好ましいこと(1、7、8、10)、減圧加熱濃縮する温度は、濃縮時に濃縮物から香気が揮散することを防ぐ点から65℃未満が好ましく(1、2、3、4)、濃縮時間及びジャム様香気を付する点からは、20℃より高くすることが好ましいこと(5)、また、ジャム様香気は容器に充填密封した後の殺菌加熱処理によっても付加されること(5、6)がわかる。
また、熱交換器で使用する冷媒の温度を下げ、初留分の凝縮水の温度を低くすることが好ましく(1、9)、殺菌処理は、本試験例においては、90℃10分以上とするのが好ましいことがわかる(1、6、12)。




















Figure 0004766265
実施例2(イチジク)
表6の配合のイチジクジャムを次のように製造した。まず、減圧加熱濃縮に用いる容器内でイチジクと砂糖を40℃まで加熱することにより、砂糖を溶解させた。次に、バキュームニーダーの絶対圧力7.4kpa、品温40℃で減圧加熱濃縮を行い、約8分間で1870ml(仕込み重量の18.3%)を留去させて濃縮した。この場合、留去させた蒸気は、多管式熱交換器で凝縮させ(冷媒1℃)、凝縮水(熱交換部から排出直後の温度:4℃)を初留から100ml(仕込み重量の約1%)ずつとり、No.1〜No.19の19個の留分に区分した。
次に、濃縮物に酸味料(クエン酸)水溶液とペクチン水溶液を加え、またNo.1〜No.5の凝縮水500ml(仕込み重量の4.9%)を濃縮物に戻し、清水を添加することにより糖度50%に調整し、イチジクジャムを得た。このイチジクジャムは、ガラス容器に充填密封し、殺菌(90℃、10分)した(出来上がり重量10000g)。
得られたジャムは、新鮮なイチジクの香味を有していた。また、この容器詰ジャムを常温で30日間保存してもカビは発生しなかった。
Figure 0004766265
本発明は、新鮮な果実類の香気を有するジャム類の製造に有用であり、特に新鮮で華やかな香りを有するイチゴジャムの製造に好適である。

Claims (11)

  1. 果実類を含む食品材料の減圧加熱濃縮工程を含むジャム類の製造方法において、減圧加熱濃縮工程で発生した最初の蒸気から該減圧加熱濃縮工程への仕込み量の8質量%までの初留分のうち、仕込み量の0.5〜8質量%を凝縮水として回収し、該凝縮水を減圧加熱濃縮した食品材料に戻すことを特徴とするジャム類の製造方法。
  2. 果実類を含む食品材料を30℃以上60℃以下の温度で減圧加熱濃縮工程に付する請求項1記載のジャム類の製造方法。
  3. 減圧加熱濃縮工程で該減圧加熱濃縮工程への仕込み量の10〜35質量%を留去する請求項1又は2記載のジャム類の製造方法。
  4. 減圧加熱濃縮工程で使用する熱交換器の熱交換部から排出直後の凝縮水の温度が20℃以下である請求項1〜3のいずれかに記載のジャム類の製造方法。
  5. 密閉環境下で70℃以上110℃以下の温度で殺菌処理する請求項1〜4のいずれかに記載のジャム類の製造方法。
  6. 果実類がイチゴ、白桃又はいちじくである請求項1〜5のいずれかに記載のジャム類の製造方法。
  7. エチルヘキサノエート又はトランス-2-ヘキセノールを含む留分を戻す請求項1〜6のいずれかに記載のジャム類の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法で製造した香料無添加ジャム類。
  9. 果実類がイチゴである請求項8記載の香料無添加ジャム類。
  10. トランス-2-ヘキセノールの濃度が100〜500ppb(μg/kg)で、エチルヘキサノエートの濃度が40ppb(μg/kg)以上である香料無添加イチゴジャム類。
  11. 2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オンの濃度が790〜1200ppb(μg/kg)である請求項10記載の香料無添加イチゴジャム類。
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