図1,図2において、車両Vは、前席シートSAと、前席シートSAの後方に配設された2列目シートSBと、2列目シートSBの後方に配設された特定シートとなる3列目シートSCとを有する。前席シートSA用のサイドドアが符合SD1で示され、2列目シートSB用のサイドドアが符合SD2で示される。この車両Vは、ピラーとして、前方から後方へ順次、AピラーP1、BピラーP2、前部ピラーとしてのCピラーP3、後部ピラーとしてのDピラーP4とを有する。左右のDピラーP4の間は、バックドアBDによって開閉される後方開口10とされ、後方開口10を通して、3列目シートSC後方の荷室11に対する荷物の出し入れが行われる。
前記サイドドアSD1は、AピラーP1とBピラーP2との間の乗降用開口12を開閉するもので、上下方向に開閉駆動されるサイドウインドガラスG1を有する。また、前記サイドドアSD2は、BピラーP2とCピラーP3との間の乗降用開口13を開閉するもので、上下方向に開閉駆動されるサイドウインドガラスG2を有する。CピラーP3とDピラーP4との間には、サイドウインドガラスG3が配置されているが、このサイドウインドガラスG3は、実施形態では、固定式(はめ殺し)とされて開閉できないようにされているが、開閉式であってもよい。サイドウインドガラスG3覆われる後部サイド開口が符合14で示される。
前記3つのサイドウインドガラスG1〜G3は、例えば側方衝突時あるいはその予知時や、横転時あるいはその予知時等に作動されるカーテンエアバッグKBによって、ほぼ全体的に車室内から覆われるようになっている。このカーテンエアバッグKBは、収納状態では、上記3つのサイドウインドガラスG1〜G3の縁部に沿ってかつその直近において車体に固定されている。すなわち、収納状態にあるカーテンエアバッグKBは、その前端部がAピラーP1に固定され、その後端部がDピラーP4に固定され、前端部から後端部との間の中間部分は、サイドウインドガラスG1〜G3の上縁部付近を前後方向に結んだ線上において車体に固定されている。このカーテンエアバッグの車体への固定は、連続式あるいは所定間隔毎等、適宜設定できる。
カーテンエアバッグKBは、その膨張、展開時には、図2でハッチングを付した状態でサイドウインドガラスG1〜G3に沿うようにして車室内に展開されて、全てのサイドウインドガラスG1〜G3を車室内側から覆うようにされている。そして、膨張、展開時には、カーテンエアバッグKBの下端が、ベルトラインよりも若干下方に位置するように(各サイドウインドガラスG1〜G3の下縁部よりも若干下方に位置するように)その大きさが設定されている。カーテンエアバッグKBのうち、図2においてハッチングが施されていない部分は、部分的にガス圧が供給されない非膨張部1であって、実質的に車幅方向には膨張しない薄い状態とされている。なお、このような非膨張部1の形成位置は、各シートSA〜SCに着座される乗員の頭部位置からかなり離れた位置に設定される。このような非膨張部1を設けておくことによりカーテンエアバッグKBの膨張、展開を早期に行う上で好ましいものとなるが、非膨張部1を設けないように設定することもできる。また、カーテンエアバッグKBの前端を、AピラーP1の前端部中間部あたりで車体に固定させることもでき、この場合、カーテンエアバッグKBの前端(の下端部)とAピラーP1の前端近傍とをテザー(ひも状部材)によって連結しておくのが好ましい。
図3の(a)〜(d)は、カーテンエアバッグKBを収納状態にする一例を示すものである。すなわち、ガス圧が供給されていない薄い状態で展開されたカーテンエアバッグKB(図3(a)参照)が、その下端位置方向から蛇腹状に折りたたまれていき(図3(b)参照)、やがて1本の棒状体とされる(図3(c)参照で、断面の外形形状は例えば略方形とされる)。なお、折りたたみは、下端部側から表側方向と裏側交互とに順次重ねていくようにしてもよく、単に表側あるいは裏側の一方向にのみ重ねていくようにしてもよく、さらには表側あるいは裏側の一方向から丸めていくような手法であってもよく、折り畳みの手法は適宜選択できるものである。そして、棒状とされたカーテンエアバッグKBの後端部の所定部分がねじられて、図3(c)の直線状の状態から、この所定部分が下方へ向かうように湾曲された状態となる。前端部の湾曲はAピラーP1の傾斜に対応するものであって、比較的緩やかに下方に向かうようにされている。また、カーテンエアバッグKBの後端部の湾曲は、DピラーP4の傾斜に対応するもので、DピラーP4がほぼ上下方向にまっすぐ伸びている関係上、前端部に比してかなり急激に湾曲して下方に向かうようにされている。そして、収納状態にあるカーテンエアバッグKBが車体に固定された状態では、その後端部は、サイドウインドガラスG3の上縁部後部から後縁部上部に渡って湾曲しつつ下方に伸びて、その下端位置は、サイドウインドガラスG3の下縁部近傍かあるいは下縁部には達しない位置(実施形態ではサイドウインドガラスG3の後縁部の上下方向略中間位置)に位置されるようになっている(図1参照)。
このように収納されたカーテンエアバッグKBにおいて、後述する展開指向方向とは、カーテンエアバッグKBを車体に対して通常の取付固定箇所で固定した場合に、収納された状態から率先して展開する方向であり、例えば、カーテンエアバッグKBが展開した状態でその下端(展開した状態での下端)から蛇腹状に折り畳んだ場合は、蛇腹の延設する方向の展開先端側が展開指向方向となる。通常、このように蛇腹状に折り畳んだ場合には、カーテンエアバッグKBの取付固定箇所とは反対側が、蛇腹の延設する方向の展開先端側が展開指向方向となるため、取付固定箇所の反対側が展開指向方向ともなり得る。また、カーテンエアバッグKBをロール状に丸めた場合には、カーテンエアバッグKBの取付固定箇所とは反対側が展開指向方向ともなる。
図1、図2において、IRは、車体に固定されたインフレータであり、収納状態にあるカーテンエアバッグKBに対して膨張、展開用のガス圧を供給するものとなっている。インフレータIRが起爆されることによって発生されたガス圧は、実施形態では前後2本の供給系路2、3を介して収納状態にあるカーテンエアバッグKBに供給される。前方の供給系路2は、収納状態にあるカーテンエアバッグKBの前後方向略中間位置からガス圧を供給するものとなっている。また、後方の供給系路3は、収納状態にあるカーテンエアバッグKBの後端部付近にガス圧を供給するものとなっている。なお、供給系路2、3の数や、収納状態にあるカーテンエアバッグKBへのガス圧供給位置は適宜変更できるものである。このようなカーテンエアバッグKBとインフレータIRと供給系路2、3等によって、カーテンエアバッグ装置KBSが構成される。
前述した各ピラーP1〜P4は、それぞれピラートリムによって車室内側から覆われており、図4〜図7に示すように、CピラーP3のピラートリムつまり前部ピラートリムが符合PT3で示され、DピラーP4のピラートリムつまり後部ピラートリムが符合PT4で示される。また、ル−フパネルRP(特に図11参照)の車室側は、ル−フトリムRTによって覆われている(図1、図2ではル−フトリムは図示略)。ル−フトリムRTは、弾性体等の軟質材、例えば発砲ウレタン等の表面を不織布で覆ったもの等によって形成されていて、手指で押圧した程度の外力でもって比較的容易に変形し得るものとされている。前部ピラートリムPT3や後部ピラートリムPT4等の各ピラートリムは、ル−フトリムRTよりも硬質とされて、それぞれ硬質の合成樹脂、例えばポリプロピレンで構成することができ、特に後部ピラートリムPT4については、低温(例えば−20度C)以下でも破損しにくいTPO(サーモ・プラスチックオレフィンで構成したポリプロピレン)によって形成されていて、手指で押圧した程度の外力では容易には変形しにくいものとされている。このように、特に後部ピラートリムPT4は、ル−フトリムRTよりも硬質(十分に硬質)とされていて、荷物等が接触しても容易には傷つかないようにされている。なお、後部ピラートリムPT4のうち、カーテンエアバッグKBからの膨張、展開時の圧力を受ける部分およびその近傍のみを部分的に、上記のような破損しにくい合成樹脂によって構成しておくこともできる。
図26は、前部ピラートリムPT3部分での好ましい設定例を示すものである。すなわち、前部ピラー(Cピラー)P3は、既知のようにインナパネルP3・1とアウタパネルP3・2とによって閉断面状に形成されており、この前部ピラーP3を車室内側から覆う前部ピラートリムPT3の上端は、前部ピラーP3の車幅方向内面(インナパネルP3・1)から若干離間していて、前部ピラーP3と前部ピラートリムPT3との間には、車幅方向に間隔を有する隙間30が形成されている。そして、この隙間30の上方開口が、ル−フトリムRTによって施蓋されている。前部ピラートリムPT3付近において収納状態にあるカーテンエアバッグKBを保持している取付ブラケット42は、下方へ伸びる延長部42aを有している。この延長部42aは、下方に向かうにつれて徐々に車幅方向内方側に位置するように傾斜設定されていて、その指向方向が、前部ピラートリムPT3の車幅方向内端位置に指向されている(この内端位置よりも若干車幅方向内方側に指向するように設定してもよい)。このような延長部42aを設けておくことにより、膨張、展開されるカーテンエアバッグKBは、延長部42aのガイド作用によって、前部ピラートリムPT3となんら干渉することなく、また隙間30に進入することなく、確実に車室内に展開されることになる。なお、図26中一点鎖線で示すように、カーテンエアバッグKBを、前部ピラートリムPT3の車幅方向内縁部よりも車室側(さらに車幅方向内方側)に配設してもよく、これによりカーテンエアバッグKBの展開時にカーテンエアバッグKBが前記PT3に引っ掛かるのを確実に防止できる。
後部ピラーP4は、特に図8に示すように、インナパネル21とアウタパネル22とによって閉断面状に形成されて、その前端部には、前方へ短く伸びる接合フランジ部23が形成されている。サイドウインドガラスG3の後縁部は、接着剤24を介して接合フランジ部23の外面に固定されている(図9をも参照)。このような後部ピラーP4を覆う後部ピラートリムPT4は、図8に示すように、水平方向での断面形状が略L字状とされていて、前後方向に幅広く伸びる側面部25と、側面部25の前端から車幅方向外側に延長されると共に車幅方向に幅広く伸びる前面部26とを有する。そして、前面部26の車幅方向外側端縁部つまり所定端縁部26aが、サイドウインドガラスG3の後縁部直近に位置されて、上記接合フランジ部23近傍まで延設されている(図9参照)。また、前面部26は、所定端縁部26a付近が、平面視において(車体上方から見たとき)、車幅方向外側に向かうにつれて徐々に後方に位置するように若干傾斜設定されているが、後述するようにカーテンエアバッグKBからの膨張、展開時の押圧力を受ける前面部26の上部側についてのみ、このような傾斜設定を行うようにしてもよい。なお、図11において、上記のように後方への傾斜設定された状態が一点鎖線で示され、後方への傾斜設定がされてない状態が実線で示される。
ここで、図4において、後部ピラートリムPT4における前面部26の所定端縁部26aの上部端面が、徐々に下方に向かうように滑らかに湾曲しつつ傾斜設定されて、丸みを有するように端部処理されている(鋭利な角部を有しないようにする処理)。すなわち、正面視において(車体前後方向から見たとき)、車幅方向外方側に向かうにつれて徐々に下方に位置するように傾斜設定されている。なお、図4の変形例となる図5に示すように、図4における所定端縁部26aに対する上記の端部処理を施さないようにしてもよい(図5一点鎖線が端部処理された傾斜設定を示す)。
図12に示すように、ル−フパネルRPの車幅方向外側端部は、インナパネル(レインフォースメント)31によって、前後方向に伸びる閉断面状の強度部材としてのル−フサイドレール32とされている。このル−フサイドレール32は、その下端部において、下方に短く伸びる接合フランジ部33を有して、この接合フランジ部33に対して、サイドウインドガラスG3の上縁部が接着剤34(図9の接着材24に対応)によって固定されている。図4、図12に示すように、ル−フトリムRTは、その車幅方向外側端縁部が、ピラートリムPT3と後部ピラートリムPT4との間において、車幅方向外側に若干突出して、サイドウインドガラスG3直近に位置されている。そして、後部ピラートリムPT4の車幅方向外側端部が、エッジモール35によって、接合フランジ部33に保持されている。
図8、図12、図13に示すように、収納状態にあるカーテンエアバッグKBは、取付ブラケット41、42等を介して、車体に固定される。図8に示される取付ブラケット41は、後部ピラーP4への取付用であり、図11、図12に示される取付ブラケット42は、ル−フサイドレール32に対する固定用である。サイドウインドガラスG3の上縁部から後縁部に渡る部分での収納状態にあるカーテンエアバッグKBの配設例が図11に示されるが、図11では、カーテンエアバッグKBの配設状態を明瞭に示すために、上記取付ブラケット41、42は図示を略してある。なお、図11を参照した収納状態にあるカーテンエアバッグKBの展開指向方向の詳細な設定態様については後述する。
図12において、前後方向に細長く伸びるインフレータIRは、取付ブラケット43を介してル−フサイドレール32に固定されている。そして、ル−フサイドレール32には、図4、図12等に示すように、車体内装品としてのアシストグリップ36が固定されて、このアシストグリップ36のうち乗員により把持される部分が、ル−フトリムRTを貫通して車室内に露出されている。なお、実施形態では、図11、図12に示すように、アシストグリップ36は、収納状態にあるカーテンエアバッグKBとインフレータIRとの間に位置されている。
収納状態にあるカーテンエアバッグKBのうちサイドウインドガラスG3の上縁部に沿う部分において、その展開指向方向が車幅方向外方側に向けて変更されている。すなわち、サイドウインドガラスG3の上縁部の前端部付近では、図12に示すように、カーテンエアバッグKBの展開指向方向が矢印δ1で示すようにほぼ下方を向くように設定されている。これに対して、サイドウインドガラスG3の上縁部の後端部付近では、図13に示すように、カーテンエアバッグKBの展開指向方向が、矢印δ2で示すように大きく車幅方向外方側に向かうようにされている。図12の展開指向方向から図13の展開指向方向への変更の詳細が、図11に示される。すなわち、図11において、収納状態にあるカーテンエアバッグKBの展開指向方向線がル−フトリムRTと交叉する点を結んだ軌跡が、一点鎖線でもって軌跡ε1として示される。この軌跡ε1が車幅方向外方側に変位されるほど、カーテンエアバッグKBの展開指向方向が車幅方向外方側に変更されていることを意味するものである。図11の例では、カーテンエアバッグKBの展開指向方向は、サイドウインドガラスG3の上縁部の前端部から後方中間位置よりもさらに若干後方の位置までは、図12に示すようにほぼ下方を向いたものとされている。そして、サイドウインドガラスG3の上縁部の後端部付近から後端にかけて、展開指向方向が徐々に車幅方向外方側に向かうように変更されていき、後部ピラートリムPT4の直前位置では、図8矢印γで示すように、車体パネル(接合フランジ部23)に向かうようにされている。
図8、図10に示すように、後部ピラートリムPT4内には、スピーカ51が配設されている。スピーカ51は、取付ブラケット52を介して後部ピラーP4に固定されており、その指向方向(音声指向方向)が前方となるように設定されている。後部ピラートリムPT4には、スピーカ51の直前方位置においてつまり前面部26において、開口部53が形成されている(図6、図7をも参照)。この開口部53は、多数の小孔の集合体として構成されていて、全体的に網目状の模様を構成して、車室内側からの見栄えが良好になるように設定されている。この開口部53の形状および大きさは、スピーカ51の形状および直径に対応されていて、実施形態では直径7〜10cm程度の円形とされている。つまり、外形が円形とされた開口部53は、円形の面積範囲内に上記多数の小孔を形成することによって構成されたものとなっている。なお、開口部53の外形形状は、楕円形や四角形に設定する等、適宜変更できるものである。勿論、上記多数の小孔の形状も、円形や楕円形、四角形等適宜のものとすることができる。このように、開口部53は、多数の小孔から形成されるために、車室内側から後部ピラートリム内を目視することは実質的にできないものとなっている(小孔の最大径は1mm〜3mm程度の範囲で設定するのが好ましい)。そして、開口部53(スピーカ51)の上下方向位置は、前面部26のうち、後部ピラートリムPT4の所定端縁部26aの上部(サイドウインドガラスG3の上縁部と後縁部との交叉部)から極力離間するように、下部に設定されている。
特に図6に示すように、後部ピラートリムPT4の前面部26の近くには、3列目シートSCの車幅方向外側端部が位置され、特にその乗員の頭部付近が位置されるヘッドレスト54が位置されることになる。したがって、3列目シートSCに着座する乗員の頭部が開口部53の近くに位置することとなるが、開口部53を通して車室内に拡散されるスピーカ51からの音声は前方へ指向されているために、3列目シートSC3に着座する乗員が開口部53からの音声を不快に感じることが防止あるいは低減されたものとなる。そして、開口部53を通して車室内に拡散される音声が前方を指向していることは、前席シートとなる1列目シートSAや2列目シートSBに着座している乗員にとっては、極めて好ましい音声発生態様となる。
図6、図7、図10において、55は3列目シートSCの乗員用のシートベルトであり、56はそのショルダーアンカであり、ショルダーアンカ56のうちシートベルト56が案内されるガイド部が符合56aで示される。このショルダーアンカ56は、後部ピラートリムPT4のうち側面部25に位置されて、その取付端部が後部ピラートリムPT4を貫通して後部ピラーP4に固定されている。なお、シートベルト55は、後部ピラートリムPT4付近の下部において車体に固定されたリトラクタから伸びている。
図11および図12からも明らかなように、収納状態にあるカーテンエアバッグKBは、平面視において、前部ピラートリムPT3部分ではこれを避けるように車幅方向内方側に位置され、前部ピラートリムPT3部分から徐々に車幅方向外方側に位置するようにされ、サイドウインドガラスG3の上縁部の前端部付近から後端部付近まではほぼ前後方向に伸びるようにされ、サイドウインドガラスG3の後縁部に沿う部分がもっとも車幅方向外方側に位置するように設定されている。また、収納状態にあるカーテンエアバッグKBは、車体内装品としてのアシストグリップ36に対応した部分では、アシストグリップ36よりも前方に位置する部分よりも車幅方向外方側に位置されている。
次に、以上のような構成の作用について説明する。カーテンエアバッグKBが収納状態のときに、側方衝突が検出されたときあるいは予知されたときや、車両の横転が検出されたときあるいは予知されたとき等の所定条件が満足されると、インフレータIRが起爆される。インフレータIRの起爆によって発生されたガス圧が収納状態にあるカーテンエアバッグKBに供給されて、カーテンエアバッグKBが、図2ハッチングで付したような形状でもって車室内に膨張、展開される。
カーテンエアバッグKBの車室内への膨張、展開は、ル−フトリムRTの車幅方向外側縁部を図12中矢印αで示すように下方へ変位させつつ行われる(膨張、展開されたカーテンエアバッグKBが一点鎖線で示される)。ル−フトリムRTは軟質なので、容易に下方へ変形させることができる。また、車両後部側においては、カーテンエアバッグKBの膨張、展開は、後部ピラートリムPT4の所定端縁部26aの少なくとも上部を、図8矢印βで示すように前方へ変位させつつ行われる(膨張、展開されたカーテンエアバッグKBが二点鎖線で示される)。図8において、カーテンエアバッグKBは、サイドウインドガラスG3と所定端縁部26aとの間にできる隙間を通って車室内へと膨張、展開されるが、カーテンエアバッグKBは、所定端縁部26a部分において車幅方向に膨張される膨張部を有しており、したがって、所定端縁部26a(の上部)を前方へ変位させつつ十分に車幅方向内方側へと変位させる必要が生じる。収納状態にあるカーテンエアバッグKBのうちサイドウインドガラスG3の後縁部に沿う部分においては、図8矢印γで示すように大きく車幅方向外方側に指向されているので、所定端縁部26aを変形させつつ車室内へと膨張、展開されるカーテンエアバッグKBは、所定端縁部26aとサイドウインドガラスG3との間に形成されるべきカーテンエアバッグKBの通り道となる隙間は必要最小限ですむことになり、このことは所定端縁部26aを不必要に大きく変形させる必要がないこととなって、後部ピラートリムPT4が所定端縁部26a付近で破損されるのを防止する上で好ましいものとなる。
サイドウインドガラスG3の後縁部に沿う部分においては、カーテンエアバッグKBの展開指向方向が接合フランジ部23とされていて、直接後部ピラートリムPT4やサイドウインドガラスG3に指向されていないので、後部ピラートリムPT4やサイドウインドガラスG3が膨張、展開時の大きな圧力によって破損されてしまう事態が防止されることになる。
前面部26には、所定端縁部26aから離間した下部位置において開口部53が形成されていて、この開口部53付近の強度が他の部分に比して弱くなっている。これにより、カーテンエアバッグKBが所定端縁部26aを前方へ押圧すると、前面部26が開口部53付近を中心として図8二点鎖線で示すようにほぼ全体的に大きく変位して、カーテンエアバッグが通過する車幅方向に大きな隙間が形成されることになる。そして、前面部26のほぼ全体というように大きな面積範囲(所定端縁部26aの上部までの距離が長い範囲)でもって所定端縁部26aを大きく変位させればよいので、所定端縁部26a付近のみでもって大きく変位させる場合に比して、所定端縁部26a(特にその上部)およびその付近には無理な力(無理な変形)が作用しないことになり、所定端縁部26aやその付近が部分的に破損してしまう事態が防止されることになる。
特に、本実施形態では、サイドウインドガラスG3の上縁部と後縁部との境界付近の部分(所定端縁部26aの上端部)では、側面視においてカーテンエアバッグKBが略水平方向から120度以下の角度で折れ曲がるように湾曲してサイドウインドガラスG3の後縁部に沿って下側に延設されており、カーテンエアバッグKBの展開時には、この所定端縁部26aの上端部周辺に対して下側への応力と前側への応力とが働くことになる。このような応力が上端部に作用するのを緩和するために、後部ピラートリムPT4に対し、カーテンエアバッグKBが、所定端縁部26aの上端部に対応する部分(上端部近傍)で捻られ、展開方向が下側および前側となって略交わらないように設定されているが、上端部に対するある程度の応力は避けられないものである。これに対して、開口部53は、このように応力が働く上端部から離間配置されているために、こうした応力が開口部53にまで作用することが防止されて、弱化されている開口部53付近が破損するのが防止される。
ここで、既述のように、前面部26を、車幅方向外側に向かうにつれて徐々に後方に位置するように若干傾斜設定させておくことにより、上記後方への傾斜設定された部分は軟質のル−フトリムRTが位置されることになるので、カーテンエアバッグKBの展開性がより良好になる。また、所定端縁部26aの上部を、車幅方向外方側に向かうにつれて徐々に下方に向かうように傾斜設定しておくことにより、この傾斜設定部分も軟質のル−フトリムRTが位置することになるので、特に所定端縁部26aの上部からのカーテンエアバッグKBの展開性が良好になる。特に、収納状態にあるカーテンエアバッグKBのうちサイドウインドガラスG3の上縁部と後縁部との境界付近の部分が下方かつ前方へ向けて膨張、展開しようとするとき、上記後方へ傾斜設定された後方傾斜部26dの部分には軟質のル−フトリムRTが位置されることになるので、上記境界付近に作用する展開するカーテンエアバッグKBによる応力を逃がして、その展開性がより良好になる。また、所定端縁部26aの上部を、車幅方向外方側に向かうにつれて徐々に下方に向かうように傾斜設定しておくことにより、この傾斜設定部分も軟質のル−フトリムRTが位置することになるので、後方傾斜部26dを形成した場合と同様に展開するカーテンエアバッグKBによる応力を逃がしつつ、特に所定端縁部26aの上部から前方へ向けてのカーテンエアバッグKBの展開性が良好になる。なお、上述した後方への傾斜と下方への傾斜との両方を同時に設定しておくようにしてもよい。
以上に加えて、カーテンエアバッグKBの展開指向方向は、サイドウインドガラスG3の上縁部に沿う部分においては、後縁部に沿う部分よりも相対的に大きく車幅方向内方側を向くようにされているので、サイドウインドガラスG3を車室内側から大きな力で押圧することなく、サイドウインドガラスG3の破損を防止しつつ、軟質なル−フトリムを容易に下方へ変形させて、容易に車室内に膨張、展開させることが可能となる。
また、車幅側方から見て、サイドウインドガラスG3の上縁部と後縁部との間の角度が120度以下(好ましくは100度)となる場合に、収納されたカーテンエアバッグKBもサイドウインドガラスG3の上縁部と後縁部とに略沿って配置されるため、後部ピラートリムPT4における所定端縁部26aの上端部周辺では、収納されたカーテンエアバッグKBの延設方向が折れ曲がるように大きく変化する。これにより、カーテンエアバッグKBの展開時には、この所定端縁部26aの上端部周辺に対して、下側への応力と前側への応力とが働くことになる。これに対して、カーテンエアバッグKBが所定端縁部26aの上端部に対応する部分(上端部近傍)で捻られ、展開指向方向が下側および前側となって略交わらないように設定されており、所定端縁部26aの上端部に対する応力を低減して、後部ピラートリムPT4の破損を防止できる。
また、本実施形態では、図13に示すように、後部ピラートリムPT4の所定端縁部26aの上端部近傍であるサイドウインドガラスG3の上縁部の後端部では、カーテンエアバッグKBの展開指向方向が車幅方向外方側を指向するが、その場合、展開指向方向の延長には軟質のル−フトリムRTの車幅方向外縁部が存在するため、展開性を格段に向上できる。
さらに、展開性を悪化させる原因ともなる展開指向方向の変更箇所を、変形容易なル−フトリムRTが位置する部分でもって行うようにしてあるので、カーテンエアバッグKBの車室内への良好な展開性を確保することが可能となる。ちなみに、サイドウインドガラスG3の上縁部と後縁部との境界付近でもって急激に展開指向方向を変更したときは、硬質なピラートリムPT4を変形させる必要が生じる部分でもって、展開指向方向の変更箇所と収納状態にあるカーテンエアバッグKBが略水平方向に伸びる状態から上下方向に伸びる状態へと変更される箇所とが少なからず重なって、カーテンエアバッグKBの展開性を十分に確保する上では好ましくないものとなってしまう。
図11に示すように、所定端縁部26aの後方に配設される収納状態のカーテンエアバッグKBは、極力車幅方向外方側に位置するように設定されているので、この所定端縁部26aを極力容易に変形させてその展開性をより良好に行う上で好ましいものとなる。特に、所定端縁部26aの後方にある収納状態のカーテンエアバッグKBを下方に向かうほど車幅方向外方側に位置するようにした場合は、最後列シートとなる3列目シートSCに着座している乗員と膨張、展開されようとするカーテンエアバッグKBとの干渉を防止する上でも好ましいものとなる。
また、収納状態にあるカーテンエアバッグKBは、アシストグリップ36に対応する部分ではアシストグリップ36に対して車幅方向外方側にオフセットして配設される一方、アシストグリップ36よりも前方部分となる前部ピラートリムPT3に対応する部分では、アシストグリップ36に対応する部分よりも車幅方向内方側に位置させてあるので、アシストグリップ36や前部ピラートリムPT3と干渉することなくその展開が良好に行われることになる。
図14、図15は本発明の第2実施形態を示すもので、前記実施形態と同一構成要素のは同一符合を付してその重複した説明は省略する(このことは以下のさらに第3実施形態以下についても同じ)。本実施形態では、後部ピラートリムPT4の側面部25に対して、ショルダーアンカ56およびスピーカ51用の開口部53が形成されている。すなわち、ショルダーアンカ56の配設位置は前記実施形態の場合と同じであるが、スピーカ51および開口部53の位置が前記実施形態とは相違されて、側面部25に開口部53位置するようにされている。すなわち、側面部25のうち上部に開口部53が形成され、この開口部53に対応させて、スピーカ51が後部ピラートリムPT4内に配設されている。そして、スピーカ51からの音声、つまり開口部53を通して車室内に拡散される音声は、車幅方向内方側を向くように設定されている。そして、開口部53の位置は、後部ピラートリムPT4の表面に沿う距離において、所定端縁部26の上部に対して、ショルダーアンカ56よりも近い位置となるように位置設定されている(側面部25のうち、開口部53の位置が、ショルダーアンカ56の位置よりも前方かつ上部とされている)。
図14、図15の実施形態においても、収納状態にあるカーテンエアバッグKBが膨張、展開されるとき、図15の一点鎖線で示すように、他の部分に比して強度的に弱い開口部53付近を中心として後部ピラートリムPT4が大きく変形して、所定端縁部26a(特にその上部)やその付近が破損されるのが防止されることになる。また、開口部53の位置が、ショルダーアンカ56の位置よりも所定端縁部26aの上部に対して近い距離にあるので、ショルダーアンカ56が後部ピラートリムPT4の上述した変形を抑制してしまうということもない。
図16は、本発明の第3実施形態を示すものである。本実施形態では、ショルダーアンカ56(のガイド部56a)が後部ピラートリムPT4内に位置されて、後部ピラートリムPT4の側面部25には、ショルダーアンカ56を経由したシートベルト55が通過する長孔58が形成されている。この長孔58が、前記実施形態における開口部53と同様に、カーテンエアバッグKBからの膨張、展開時の圧力を受けたときに、この長孔58付近を中心として後部ピラートリムPT4を全体的に大きく変形可能とするための機能を果たすことになる。このような長孔58は、側面部25の前上部から後下部に渡って円弧状に長く形成されていて、後部ピラートリムPT4の全体的な変形を極力助長できるようにすると共に、3列目シートSCに着座する乗員の体格の相違に応じたシートベルト55の高さ位置の調整幅を大きく確保できるようになっている。
図17〜図20は、本発明の第4の実施形態を示すものである。本実施形態では、サイドウインドガラスG3の上縁部に沿って位置されるトリム材を、ル−フトリムRTではなく、硬質の合成樹脂で形成されたル−フ側方トリムRSTで構成した場合を示す(後部ピラートリムPT3やPT4と同質)。こうしたル−フ側方トリムRSTは、ル−フトリムRTを車両の開口を通して車外から車室内に移動させてル−フに取付ける際に、バックドアBDなどの開口が小さい等の理由によってル−フトリムRT大きく形成できない場合に設定するものであり、開口を通過できない部分をル−フ側方トリムRSTとしてル−フトリムRTとは別体とすることで、ル−フトリムRTの取付け性を向上している。勿論、見栄えを向上させるためにル−フ側方トリムRSTを取付ける場合もある。このようなル−フ側方トリムRSTは、その車幅方向幅が、ピラートリムPT3の車幅方向幅とほぼ同一とされているが、後部ピラートリムPT4の前面部26の車幅方向幅よりも十分に小さいものとされている。
前記ル−フ側方トリムRSTは、その上面に、複数の係止突起部61を有して、この係止突起部61を利用して、ル−フサイドレール32の下面に固定されている(特に図18参照)。収納状態にあるカーテンエアバッグKBは、サイドウインドガラスG3の上縁部に沿う部分においては、ル−フ側方トリムRSTよりもわずかに車幅方向内側に位置するように配設される。すなわち、収納状態にあるカーテンエアバッグKBは、膨張、展開時には、ル−フ側方トリムRSTとル−フトリムRTとの間から、ル−フトリムRTを下方へ変形させつつ車室内に展開されるようになっている。なお、ル−フ側方トリムRSTは、その係止突起部61がしっかりとル−フサイドレール3に係止されて、カーテンエアバッグKBの膨張、展開時の圧力を受けても下方へ変位しないようにされているが、膨張、展開時の圧力を受けたときに係止突起部61のル−フサイドレール32に対する係止位置が若干下方へ位置変更されるようにしてもよい(ル−フ側方トリムRSTが下方へ所定分変位するだけで、ル−フサイドレール32からは脱落しないようにする)。
なお、アシストグリップ36は、前記実施形態の場合よりも十分に車幅方向内方側に寄って位置に設定されて、インフレータIRよりも車幅方向内方側に位置されている。また、収納状態にあるカーテンエアバッグKBは、サイドウインドガラスG3の上縁部に沿う部分と前部ピラーPT3部分とでは、車幅方向位置が同じとなるように設定されている。本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態では、サイドウインドガラスG3の上縁部の後端部において、カーテンエアバッグKBの展開指向方向の延長には硬質のル−フ側方トリムRSTが存在するが、ル−フ側方トリムRSTは、比較的小さくカーテンエアバッグKBの展開時に展開圧力を受けて容易に下方に変位し易いため、第1の実施形態と同様に、カーテンエアバッグKBの展開性を格段に向上させることができる。
図21〜図23は、本発明の第5の実施形態を示すものである。本実施形態では、後部ピラートリムPT4における前面部26のうち、所定端縁部26aを含む所定部分、より具体的には、前面部26のうち車幅方向外方側寄りの部分でかつ上下方向略中間位置よりも上方部分が、別体に形成されたカバー部材27によって構成されている。そして、カバー部材27は、前面部26が面一となるようにして、ヒンジ28を介して後部ピラートリムPT4の他の部分(本体部分)と一体化されている。ヒンジ28は、例えば軟質の合成樹脂等によってループ状に形成されて、カバー部材27がヒンジ28を中心として前方へ容易に揺動されるできる設定されている。そして、カバー部材27は、その背面から突設された支持ステー27aの先端部に形成された係止突起部27bを利用して、後部ピラーP4に係止されている。カーテンエアバッグKBが膨張、展開されるとき、係止特記部27bの後部ピラーP4に対する係止作用が容易に解除されて、図23一点鎖線で示すように、カバー部材27がヒンジ28を中心にして前方へ容易に揺動されて、カーテンエアバッグKBの展開性が極めて良好とされる。
図24は、本発明の第6の実施形態を示すもので、図23の変形を示すものである。すなわち、本実施形態では、図23においてカバー部材27に相当する部分を、後部ピラートリムPT4の前面部26に一体成形するようにしたものである。すなわち、カバー部材27に相当するカバー部27′と他の部分との境界線部位に、前面部26の背面側からヒンジ28の機能を果たす溝26bを形成したものとなっている。カーテンエアバッグKBが収納状態にあるときの状態が図24実線で示され、カーテンエアバッグKBが膨張、展開されたときの状態が図24一点鎖線で示される。
図25は、本発明の第7の実施形態を示すもので、後部ピラートリムPT4に対して前方への所定以上の押圧力を受けたときに、後部ピラートリムPT4がほぼ全体的に後部ピラーP4に対して前方へ変位できるようにしたものである。すなわち、前面部26の背面側から突設された支持ステー29の先端部に係止突起部29aが形成されて、この係止突起部29aが後部ピラーP4に係止されている。そして、前面部26に所定以上の前方への押圧力が作用したときに、係止突起部29aの後部ピラーP4に対する係止作用が容易に解除されて、図25一点鎖線で示すように、後部ピラートリムPT4がほぼ全体的に前方へ容易に変位されることになって、カーテンエアバッグKBの展開性が良好になる。
図27は、本発明の第8の実施形態示すものである。本実施形態では、後部ピラートリムPT4の前面部26のうち、特に所定端縁部26a付近を、車幅方向外側に向かうにつれて大きく前方に位置するように、後方に向けて凸となるように湾曲させたものである。本実施形態によれば、カーテンエアバッグKBの膨張、展開時に、所定端縁部26a側がより容易に車幅方向内側に変位されることになり、しかも大きく湾曲させた分だけカーテンエアバッグKBからの押圧力を受ける面積も増大されることになる(その分所定端縁部26a付近の破損をより一層十分に防止できる)。また、カーテンエアバッグKBから前方への押圧力を受けたときに、所定端縁部26aは、サイドウインドガラスG3に近づく動きをなんら伴うことなくサイドウインドガラスG3から離間する方向へとすみやかに変位されることになる。
図28は、本発明の第9の実施形態を示すものである。本実施形態では、ル−フトリムRTの車幅方向外側端部を、車幅方向外側に向かうにつれて下方に向かうように大きく湾曲形成したもので、カーテンエアバッグKBからの膨張、展開時の圧力を受けたときに、ル−フトリムRTの下方への変位がより容易とされる。
なお、第2の実施形態以下の各実施形態、特に図20、図22において、カーテンエアバッグKBの展開指向方向が、図11の場合と同様に、サイドウインドガラスG3の上縁部に沿った部分において車幅方向外方側に向けて大きく変更されているものである。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。収納状態にあるカーテンエアバッグKBの展開指向方向を、サイドウインドガラスG3の上縁部に沿う部分において、その前端部から後端部というそのほぼ全長に渡って、後方に向かうにつれて徐々に車幅方向外方側に向かうように変更するようにしてもよく、この場合は、展開指向方向を極力緩やかに(徐々に)変更できるので、カーテンエアバッグKBの展開性をより良好に確保する上で好ましいものとなる。図11等に示される車体内装品用としてのアシストグリップ36に代えて、例えば空調用ダクト(その車室内の開口部がル−フトリムRTに形成される)等が配設される場合であってもよい。開口部53は、例えばマイク用や、空調用(空調エアの吹出用)、空気浄化のための換気用(吸込口あるいは吹出口)等であってもよく、また、車体内装品用とは無関係な装飾用であってもよく、さらにその形成位置としては、後部ピラートリムPT4における側面部25の上部等適宜選択できる。
車両としては、バックドアを有しない車両であってもよい。本発明の適用対象となるサイドウインドガラスとしては、1列目のサイドウインドガラスG1(特に2列目以降の後席シートが無い場合)や2列目のサイドウインドガラスG2用であってもよく(特に3列目シートが無い場合)、対象となるサイドウインドガラスの後縁部に沿って収納状態のカーテンエアバッグが配設されるのであれば本発明を適用できるものである。カーテンエアバッグは、前後方向に分割された複数のものであってもよい。後部ピラートリムPT4は、その水平方向の断面形状がL字状の場合に限らず、例えば円弧状等、適宜変更できるものである。膨張、展開されたカーテンエアバッグKBの下端部を、そのほぼ全長に渡って他の部分よりも車幅方向幅広となる状態でもって膨張させるようにして、車幅方向の外力に対してより大きく抵抗できるようにしてもよい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。