JP4765172B2 - 非接触ic帳票 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触で外部と通信して、情報の記憶、処理を行う非接触型IC媒体を備えた非接触IC帳票とその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の帳票は、記入及びその複写による情報の他に、バーコードにより情報が管理されており、例えば、配送業務で使用される配送伝票は、このバーコードを読み取り、仕分け行程の自動化、配送物の管理等を行っていた。
しかし、バーコードを利用した従来の帳票では、扱える情報量が少なかった。また、情報の読みとりは、光学的な読み取り装置により行っていたので、バーコードと読み取り装置とを近づける必要があり、配送物の向きを合わせるなどの作業が必要であった。
【0003】
これらの問題点を解決する手法として、コイルを通じて電磁誘導によりデータ通信を行う非接触型の情報処理媒体(以下、非接触IC媒体)を帳票に使用することが試みられている。
非接触IC媒体は、JISやISO等の規格に合致した形状のクレジットカード型、同形状をやや薄くしたプリペイドカード型、中〜長距離での通信を目的とし樹脂によりパッケージしたタグ型等、交通システムのゲートアクセス管理やFA管理に用いられている。
【0004】
図8は、従来の非接触IC媒体を示す図である。これらの非接触IC媒体100は、少なくとも1つのコイル112とICチップ111が接続されており、コイル112を通じて、図示しない外部の通信機器であるリーダ/ライタ(以下、R/W)より送出される交流電磁波の受信を行い、電力供給及び信号送受信を行い、R/W間との通信が行われている。なお、コイル112は、巻線コイルに限らず、導電インキなどを印刷したアンテナであってもよい(WO99/65002等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来の非接触IC媒体を使用した帳票は、ICチップの価格が高いために、帳票の価格も高かった。
また、帳票は、使い捨てされるので、高価な従来の非接触IC媒体を使用した帳票は、現実に使用できる分野が限られていた。特に、配送伝票等の物流管理用途では、コストが高いために、採用することができなかった。
【0006】
本発明の課題は、低価格で配送伝票等の物流管理に使用することができる非接触IC帳票とその使用方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、少なくとも、擬似接着剤層と剥離印刷層によって剥離可能に形成された配達確認を行なう配達票と、届け先を記載する貼付票とが平面上に配置された1パート形式の帳票であって、外部装置と非接触で情報の授受を行う非接触IC媒体が設けられた非接触IC媒体票を備えたこと、前記配達票,前記貼付票及び前記非接触IC媒体票の裏面の一部又は全面に、前記配送物に貼付可能な粘着剤層を備えたこと、前記粘着剤層は、タック基材に形成されており、前記非接触IC媒体票は、前記非接触IC媒体票の基材と前記タック基材とによって非接触IC媒体包装体となること、及び、前記非接触IC媒体票は、前記配達票に連接されており、前記非接触IC媒体包装体は、前記配達票に前記配送物への接着代を残して、前記粘着剤層が内側になるように折り返すことによって、前記配達票の裏面に接着されること、を特徴とする非接触IC帳票である。
【0011】
請求項の発明は、請求項に記載の非接触IC帳票において、前記非接触IC媒体包装体は、前記配達票から分離可能であること、を特徴とする非接触IC帳票である。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の非接触IC帳票において、前記非接触IC媒体包装体は、前記非接触IC媒体票の基材に形成された剥離印刷層によって剥離可能であること、を特徴とする非接触IC帳票である。
【0013】
請求項4の発明は、請求項に記載の非接触IC帳票において、前記非接触IC媒体包装体は、前記非接触IC媒体を取り出すことができること、を特徴とする非接触IC帳票である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による非接触IC帳票の第1実施形態を示す模式図、図2は、第1実施形態に係る非接触IC帳票10の帳票基材とタック紙を分けて示した図である。
第1実施形態の非接触IC帳票10は、図1(a)に示すように、配送物宅配業務で使用する1パート配送伝票を例にしたものであり、右側から順に、ICタグ票10Aと、配達先で受領印をもらって配送業者が持ち帰り、配達確認を行うことができる配達票10Bと、配送荷物(被着物)に貼付され、届け先が記載された荷札となる貼付票10C等とが平面上に連接配置されている。
【0016】
この非接触IC帳票10は、図1(b)に示すように、帳票基材11の裏面に、 剥離印刷層12、疑似接着剤層13、ICタグ(非接触IC媒体)100A、タック紙14を順次積層して設けたものである。タック紙14は、タック基材141と粘着剤層142とが積層され、粘着剤層142を保護するための剥離紙143が設けられている。
【0017】
帳票基材11は、配送必要事項を表示をするためのものであり、シート状、連続状又はロール状のものからなり、一般用紙、上質紙、感圧紙や感熱紙等の機能性用紙、複写用紙、クラフト紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、合成紙、樹脂フィルムによりラミネートされた紙等の紙が好適に用いられるが、セロファン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、発泡PET、延伸ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂フィルムであってもよい。帳票基材11の厚さは、通常、20〜200μm程度が好ましい。
【0018】
剥離印刷層12は、帳票基材11の剥離される帳票部(ICタグ票10A,配達票10B)を、配送途中に又は再利用時に剥離可能とする層である。この剥離印刷層12は、帳票基材11の裏面の一部(剥離される帳票部)に、シリコーンアクリレートを主成分とするUVインキによって、パターン状にオフセット印刷、活版印刷等によって、厚さ、1.5〜15μm程度に印刷されている。
【0019】
ICタグ100Aは、図6で説明した非接触IC媒体100等を構成するチップ付きアンテナシートをPETフィルム等でラミネートした形態である。
【0020】
疑似接着剤層13は、帳票基材11,剥離層12の裏面に形成され、それらを疑似接着させるための層である。この疑似接着剤層13は、UVインキや、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の合成樹脂等を印刷又はコーティング等によって形成することができる。疑似接着剤層13の厚さは、特に限定はされないが、通常3〜20μm、好ましくは5〜10μm程度である。
【0021】
タック紙14は、この帳票10を配送荷物に貼付するための層である。タック基材141は、帳票基材11と同様のものを使用することができる。粘着剤層142は、アクリル系接着剤、天然ゴム系接着剤、合成ゴム系接着剤、シリコーンゴム系接着剤などが好適に用いられる。粘着剤層142の塗布量・塗布厚は、特に限定されないが、好ましくは、塗布量は0.1〜50g/m2 であり、塗布厚は0.1〜50μmである。配送物などの被着体に対する粘着剤層142の接着力は、剥離印刷層12と疑似接着層13との接着力よりも大きい必要があり、荷物等の被着体に応じて、適宜、調整するとよい。
【0022】
剥離紙143は、粘着剤層142の下に配置されている用紙であり、使用前に、粘着剤層142を保護する層である。剥離紙143は、紙、織物、プラスチックフィルムなどから形成されており、この上面、すなわち、粘着剤層142の側の面には、シリコーン系離型剤などにより剥離処理がなされている。剥離紙143の厚さは、特に限定はされないが、通常20〜200μm、好ましくは40〜100μm程度である。
【0023】
この非接触IC帳票10は、図2(a1)に示すように、1パート(P)目の帳票基材11には、ICタグ票10Aと配達票10Bとの境界線、及び、配達票10Bと貼付票10Cとの境界線に、第1ハーフカットhc1が形成され、ICタグ票10Aの上下の切取部aの境界線に、第2ハーフカットhc2が形成されている。
また、タック紙14には、図2(a2)に示すように、ICタグ票10Aの上下の切取部の境界線aに、第2ハーフカットhc2が形成され、配達票10Bには、剥離紙143の上まで、ハーフミシンhmが形成されている。そして、ICタグ票10Aには、疑似接着剤層13の下に、ICタグ100Aが貼付されている。
図2(b1)は、帳票基材11とタック紙14とを、疑似接着剤層13によって貼り合わせた状態を示しており、図2(b2)は、その断面図を示してたものである。
【0024】
図3は、第1実施形態に係る非接触IC帳票10の使用方法を示す説明図である。
非接触IC帳票10は、配達票10Bや貼付票10Cなどにプリンタによって必要事項を印字した後に、剥離紙143を剥して[図3(a)]、切取部aを第1ハーフカットhc1で除去して[図3(b)]、ICタグ票10Aの[A]部分を、配達票10Bの裏面に折り返した状態で、配送物30に貼付する[図3(c)]。従って、非接触ICタグ票10Aは、配達票10Bの裏面に背中合わせに接着される。このとき、配達票10Bは、切取部aを除いた接着代で配送物30に貼付される。
【0025】
運送会社の配達員は、配達を行なう際に、第1ハーフカットhc1で配達票10Bを剥し、配達先で受領印をもらった後に、配達票10Bは、持ち帰って保管する[図3(d)]。
併せて、配送物30からICタグ伝票(非接触IC媒体包装体)20をハーフミシンhmにそって切り取って分離して、持ち帰る[図3(e)]。
ICタグ伝票20は、持ち帰った後で、[A]部分(帳票基材11)と、[B]部分(配達票10Bが剥離され、背中合わせに接着された2枚のタック基材141)とを、剥離印刷層12によって剥離することによって、ICタグ100Aを容易に取り出すことができ[図3(f)]、リサイクルが可能となる。
また、受取人が不在の場合には、前記ICタグ伝票(非接触IC媒体包装体)20を切り取らずに、配達所へ持ち帰る。
【0026】
以上のように、本実施形態は、配達票10Bや貼付票10C等が平面上に構成され、擬似接着剤層13によって貼り合せされた1パート形式の配送伝票であって、その配送伝票の一部分に、非接触ICタグ100Aを設けておくことによって、非接触で複数の配送物を同時に読み取ることができるので、作業の効率化が行なえる。
【0027】
また、非接触ICタグ100Aの回収が容易に行なえる形態となっているので、非接触ICタグ100Aのリサイクルが可能となり、物流管理のコストダウンを図ることができる。
さらに、この実施形態を適用した配送伝票は、1パート形式となっているため、連続プリンタ(NIP、サーマルプリンタ)や、カット紙プリンタ(レーザプリンタやインクジェットプリンタ等)での印字対応が可能であり、必要に応じて、配達票等を剥すこともできる。
【0028】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る非接触IC帳票10−2の帳票基材とタック紙を分けて示した図、図5は、第2実施形態に係る非接触IC帳票10−2の使用方法を示す説明図である。
なお、前述した実施形態と同様な機能を果たす部分には、末尾に共通した符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0029】
第2実施形態に係る非接触IC帳票10−2は、図3(a1)に示すように、ICタグ票10Aの[A]部分の3方の剥離印刷層12を除くようにしたものである。
このため、第2の実施形態では、ICタグ伝票20は、前述した3方の剥離印刷層13が除かれた部分の疑似接着剤層13によって、袋状になっている。
従って、持ち帰り後に、図4(f)に示すように、その袋状となったICタグ伝票20から、ICタグ100Aを抜き出すことにより、簡単に取り出すことが可能となった。
【0030】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)図6は、第1実施形態の[図1(b)に対応する]の変形形態を示した図である。
この変形例は、剥離印刷層13をタック紙14側に設け、タック紙14より上側に、剥離印刷層12、疑似接着剤層13、ICタグ100A及び帳票基材11を配置したものである。
【0031】
(2)図7は、第2の実施形態の[図4(b1),(b2)に対応する)変形形態を示した図である。
第2実施形態では、ICタグ伝票(非接触IC媒体包装体)20を袋状体にするために、[A]伝票の3方の剥離印刷層12を除く例で説明したが、疑似接着剤層13をコの字状にパターンコート(3方印刷)するようにしてもよい。
【0032】
(3)本実施形態において、非接触ICモジュールは、配送伝票に合わせた専用のサイズである形態を示したが、これに限らず、例えば、製造時の発行処理、リサイクル時の再発行、2次利用として、着払い等に使用する電子マネーとの併用を考慮した形態としてもよい。
【0033】
(4)本実施形態において、ICチップは、非接触による情報伝達をするのみである形態を示したが、これに限らず、例えば、接触機能と非接触機能とを併せ持つ接触/非接触共用ICモジュールを使用してもよい。
【0034】
(5)配送伝票の配置される伝票の数は、本実施形態に示した例に限らず、例えば、集配センター用の控え伝票等を更に設けてもよい。
【0035】
(6)本実施形態において、配送伝票に本発明による非接触IC帳票を適用した例を示したが、これに限らず、例えば、工場内の部品管理伝票等に適用してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、配達票や貼付票などが平面上に構成され、擬似接着剤層によって貼り合せされた1パート形式の帳票であって、その帳票の一部分に、非接触IC媒体票を設けておくことによって、非接触で複数の配送物を同時に読み取ることができるので、作業の効率化を図ることができる。
【0037】
また、非接触IC媒体の回収が容易に行なえる形態となっているので、非接触IC媒体のリサイクルが可能となり、物流管理のコストダウンを図ることができる、等々の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による非接触IC帳票の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る非接触IC帳票10の帳票基材とタック紙を分けて示した図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る非接触IC帳票10の使用方法を示す説明図である。
【図4】第2実施形態に係る非接触IC帳票10−2の帳票基材とタック紙を分けて示した図である。
【図5】図5は、第2実施形態に係る非接触IC帳票10−2の使用方法を示す説明図である。
【図6】第1実施形態の[図1(b)に対応する]の変形形態を示した図である。
【図7】第2の実施形態の[図4(b1),(b2)に対応する)変形形態を示した図である。
【図8】従来の非接触IC媒体を示す図である。
【符号の説明】
10,10−2 非接触IC帳票
10A ICタグ票
10B 配達票
10C 貼付票
11 帳票基材
12 剥離印刷層
13 疑似接着剤層
14 タック紙
141 タック基材
142 粘着剤層
143 剥離紙
100A ICタグ(非接触IC媒体)

Claims (4)

  1. 少なくとも、擬似接着剤層と剥離印刷層によって剥離可能に形成された配達確認を行なう配達票と、届け先を記載する貼付票とが平面上に配置された1パート形式の帳票であって、
    外部装置と非接触で情報の授受を行う非接触IC媒体が設けられた非接触IC媒体票を備えたこと、
    前記配達票,前記貼付票及び前記非接触IC媒体票の裏面の一部又は全面に、前記配送物に貼付可能な粘着剤層を備えたこと、
    前記粘着剤層は、タック基材に形成されており、前記非接触IC媒体票は、前記非接触IC媒体票の基材と前記タック基材とによって非接触IC媒体包装体となること、及び、
    前記非接触IC媒体票は、前記配達票に連接されており、前記非接触IC媒体包装体は、前記配達票に前記配送物への接着代を残して、前記粘着剤層が内側になるように折り返すことによって、前記配達票の裏面に接着されること、
    を特徴とする非接触IC帳票。
  2. 請求項に記載の非接触IC帳票において、
    前記非接触IC媒体包装体は、前記配達票から分離可能であること、
    を特徴とする非接触IC帳票。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の非接触IC帳票において、
    前記非接触IC媒体包装体は、前記非接触IC媒体票の基材に形成された剥離印刷層によって剥離可能であること、
    を特徴とする非接触IC帳票。
  4. 請求項に記載の非接触IC帳票において、
    前記非接触IC媒体包装体は、前記非接触IC媒体を取り出すことができること、
    を特徴とする非接触IC帳票。
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