JP4764984B2 - 排出流体モニタリング装置 - Google Patents
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排気モニタは、例えば、施設から放出される排気ガスに存在する放射性同位元素からの放射線を連続的に測定・監視・記録するガスモニタである。
また、排水モニタは、排水中に含まれる放射性同位元素からの放射線を連続監視する水モニタである。
このように従来技術の排出流体モニタリング装置では、特定核種以外の特定外核種について考慮するものはなかった。
排出流体が通流する流出流体用流路からサンプリング用流路を介してサンプリング流体が流入するサンプリング部と、
サンプリング部内のサンプリング流体に対して放射線計測を行って検出信号を出力する計測部と、
計測部から出力された検出信号を入力してデータ処理を行うデータ処理部と、
を備え、
前記データ処理部は、
予め校正用のデータを取得するため、
前記検出信号のうちバックグラウンドノイズのみの校正用の計数率をあるエネルギーE(kev)に対応させた計数率(min −1 )データとして取得する手段と、
ある特定核種[i](iは自然数であり、特定核種が対応する)のみを含めた大気を導入して特定核種[i]とバックグラウンドノイズとによる放射線が重畳された計数率を特定核種[i]の濃度別に取得する手段と、
この放射線が重畳された計数率から全エネルギー領域のバックグラウンドノイズの計数率を除去することで全エネルギー領域の正味計数率Aiを特定核種[i]の濃度別に算出する手段と、
この全エネルギー領域の正味計数率Aiのうち特定エネルギーEiの前後の所定幅を持つ特定核種のピークエネルギー領域の正味計数率Biを特定核種[i]の濃度別に算出する手段と、
特定核種[i]の濃度別にAi/Biである係数αi1,αi2,・・・,αin(nは自然数であり、濃度が対応する)を算出する手段と、
この係数αi1,αi2,・・・,αinの平均値を特定核種[i]の係数αiとする手段として機能し、また、検出を行うため、
検出信号に基づいてエネルギー別に計数を行って検出データを得る手段と、
校正データのうちバックグラウンドノイズによる計数率を検出データから除去して正味計数率による検出データとする手段と、
正味計数率による検出データからピークを検出してピークのエネルギー値を特定する手段と、
検出データと校正データとのピークエネルギー値が一致する特定核種[i]についての校正データαiを読み出す手段と、
全測定エネルギー領域の計数率を加算集計して全測定エネルギー領域の正味計数率を算出する手段と、
特定したピークのエネルギー値Eiの前後の所定幅を持つ特定核種のピークエネルギー領域の計数率を加算集計して特定核種のピークエネルギー領域の正味計数率を算出する手段と、
特定核種を除く特定外核種のエネルギー領域の計数率の算出を、
[数式]
特定外核種のエネルギー領域の正味計数率
=(全測定エネルギー領域の正味計数率)−Σαi×(特定核種[i]のピークエネルギー領域の正味計数率)
により行う算出手段として機能することを特徴とする。
本形態の排出流体モニタリング装置1は、サンプリング用流路11、吸引ポンプ12、サンプリング部13、計測部14、データ処理部15、出力部16を備える。
排出流体用流路20は、放射性物質取扱施設から導出されており、この中を排出流体が流れるものとする。
排出流体が気体である場合、排出流体モニタリング装置1は、具体的には排気筒モニタなどであり、排出流体用流路20は具体的には排気筒であり、排出流体としてオフガスが流れる。
原子力発電所からは、非常にわずかな量であるが、気体状の放射性物質が施設内の換気空気とともに放出されている。そこで、施設内で発生した気体廃棄物は一時減衰タンクで貯蔵して放射能を弱め、さらにフィルターを通して、放射能レベルが基準より十分低いことを確認して排気筒から大気中に放出している。排気筒モニタはこの排気される放射性物質を監視する。
なお、排出流体に含まれる核種として、例えば、Xe−138、Kr−87、Kr−85、Kr−88、Kr−85m、Xe−135、Xe−133、Xe−135m、Xe−137、Kr−89、Ar−41などがあげられる。
原子力発電所からは、非常にわずかな量であるが、液体放射性物質が排水とともに放出されている。このため、放出前には放射性物質の量をあらかじめ測定、分析し、環境に影響がないことを確認しているが、この放水口モニタは、放水される排水中の放射能を連続的に測定し再確認する。
排出流体に含まれる核種として、セシウム、コバルト等などが挙げられる。
本形態では排出流体として一括して説明するものとし、具体例については実施例1にて説明する。
サンプリング用流路11は、放射性物質取扱施設から導出される排出流体用流路20と接続される。
吸引ポンプ12は、サンプリング用流路11の流路中に設けられ、サンプリング用流路11内に吸引力を与えており、排出流体用流路20から排出流体が少し流入するようになされている。このような少量の排出流体をサンプリング流体として流入させ、また、モニタ済みのサンプリング流体を排出流体として圧送して排出流体用流路20へ流出させる。
データ処理部15は最初に実ガス校正を行う。
まず、データ処理部15は、予め校正用のデータを取得するものであり、バックグラウンドノイズの校正用の計数率を取得する。サンプリング部13に通常の大気を導入して取得される、校正用のバックグラウンドノイズの計数率は、図7で示すように、特に顕著なピークもなく、白色ノイズの性質を有している。この校正用のバックグラウンドノイズの計数率はあるエネルギーE(kev)に対応させた計数率(min−1)データとして図示しないメモリやハードディスク等に登録される。例えば、あるエネルギーとして100kevを指定したならばその計数率が取得できるというものである。なお、バックグラウンドノイズの計数率は各エネルギーにおける平均値を用いてエネルギーに関係なく一律に適用するようにしても良い。
この係数α1は、特定核種[1]のピークエネルギー領域における正味計数率に対し、特定核種[1]の全領域の正味計数率の割合を示すものであって、次式のようなものである。
特定核種[1]の全エネルギー領域における正味計数率
=α1×(特定核種[1]のピークエネルギー領域における正味計数率)
この係数α2は、特定核種[2]のピークエネルギー領域における正味計数率に対し、特定核種[2]の全領域の正味計数率の割合を示すものであって、次式のようなものである。
特定核種[2]の全エネルギー領域における正味計数率
=α2×(特定核種[2]のピークエネルギー領域における正味計数率)
図1で示すように排出流体用流路20に排出流体モニタリング装置1を設置し、吸引ポンプ12を稼働してサンプリング流体をサンプリング部13へ通過させる。
データ処理部15は、計測部14から出力される検出データを入力する。
図2からも明らかなように、ある特定核種で計数率が大きくなるピークエネルギー領域が存在する。そして、特定核種のピークエネルギー領域の正味計数率から特定核種による全エネルギー領域の正味計数率を予測し、この特定核種による全エネルギー領域の正味計数率を全エネルギー領域の正味計数率から除いた計数率が、特定外核種による全エネルギー領域の正味計数率となる。
特定外核種のエネルギー領域の正味計数率
=(全エネルギー領域の正味計数率)−α1×(特定核種[1]のピークエネルギー領域の正味計数率)
−α2×(特定核種[2]のピークエネルギー領域の正味計数率)
データ処理部15は、このような減算式により算出された特定核種以外の正味計数率を、出力部16へ出力する。
また、データ処理部15は、一の特定外核種についてデータを得られた場合は特定核種として登録する手段として機能させるようにし、以後は特定核種に組み入れて他の特定外核種の予想に役立てても良い。
また、全エネルギー領域は50kev〜3MeVである。このようにKr−85の寄与計数率を差し引いた計数率を算出するというものである。
データ処理部15は、特定核種Kr−85の校正用データを取得する。サンプリング部13に特定核種Kr−85を含めた大気を導入して実ガス校正により取得される。この場合、エネルギー値ごとにバックグラウンドノイズを予め除去して図8で示すような特定核種Kr−85の正味計数率を算出しておく。
特定核種Kr−85のデータは、図8で示すように特定エネルギーE1にて計数率がC1のピークを有する。この際、全エネルギー領域(50kev〜3MeV)と、Kr−85ピークエネルギー領域(514kev±10%)と、についてそれぞれ計数率を算出する。この際、Kr−85濃度が約21.1Bq/cm3,約11.2Bq/cm3、約5.7Bq/cm3というように濃度が異ならせてKr−85ピーク領域の正味計数率を取得する。結果は次表のようになる。
図1で示すように排出流体用流路20に排出流体モニタリング装置1を設置し、吸引ポンプ12を稼働してサンプリング流体をサンプリング部13へ通過させる。
データ処理部15は、計測部14から出力される検出データを入力する。
図10からも明らかなように、Kr−85ピークエネルギー領域が存在する。
特定外核種のエネルギー領域の正味計数率
=(全エネルギー領域の正味計数率)−α×(特定核種Kr-85のピークエネルギー領域の正味計数率)
=2.42E+03−5.02×2.75E+02
=1.04E+03
このような減算式により算出された特定核種以外の計数率を、データ処理部15は出力部16へ出力する。
11:サンプリング用流路
12:吸引ポンプ
13:サンプリング部
14:計測部
15:データ処理部
16:出力部
Claims (1)
- 排出流体が通流する流出流体用流路からサンプリング用流路を介してサンプリング流体が流入するサンプリング部と、
サンプリング部内のサンプリング流体に対して放射線計測を行って検出信号を出力する計測部と、
計測部から出力された検出信号を入力してデータ処理を行うデータ処理部と、
を備え、
前記データ処理部は、
予め校正用のデータを取得するため、
前記検出信号のうちバックグラウンドノイズのみの校正用の計数率をあるエネルギーE(kev)に対応させた計数率(min −1 )データとして取得する手段と、
ある特定核種[i](iは自然数であり、特定核種が対応する)のみを含めた大気を導入して特定核種[i]とバックグラウンドノイズとによる放射線が重畳された計数率を特定核種[i]の濃度別に取得する手段と、
この放射線が重畳された計数率から全エネルギー領域のバックグラウンドノイズの計数率を除去することで全エネルギー領域の正味計数率Aiを特定核種[i]の濃度別に算出する手段と、
この全エネルギー領域の正味計数率Aiのうち特定エネルギーEiの前後の所定幅を持つ特定核種のピークエネルギー領域の正味計数率Biを特定核種[i]の濃度別に算出する手段と、
特定核種[i]の濃度別にAi/Biである係数αi1,αi2,・・・,αin(nは自然数であり、濃度が対応する)を算出する手段と、
この係数αi1,αi2,・・・,αinの平均値を特定核種[i]の係数αiとする手段として機能し、また、検出を行うため、
検出信号に基づいてエネルギー別に計数を行って検出データを得る手段と、
校正データのうちバックグラウンドノイズによる計数率を検出データから除去して正味計数率による検出データとする手段と、
正味計数率による検出データからピークを検出してピークのエネルギー値を特定する手段と、
検出データと校正データとのピークエネルギー値が一致する特定核種[i]についての校正データαiを読み出す手段と、
全測定エネルギー領域の計数率を加算集計して全測定エネルギー領域の正味計数率を算出する手段と、
特定したピークのエネルギー値Eiの前後の所定幅を持つ特定核種のピークエネルギー領域の計数率を加算集計して特定核種のピークエネルギー領域の正味計数率を算出する手段と、
特定核種を除く特定外核種のエネルギー領域の計数率の算出を、
[数式]
特定外核種のエネルギー領域の正味計数率
=(全測定エネルギー領域の正味計数率)−Σαi×(特定核種[i]のピークエネルギー領域の正味計数率)
により行う算出手段として機能することを特徴とする排出流体モニタリング装置。
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JP2005338012A JP4764984B2 (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 排出流体モニタリング装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005338012A JP4764984B2 (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 排出流体モニタリング装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2007147287A JP2007147287A (ja) | 2007-06-14 |
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JP2005338012A Expired - Fee Related JP4764984B2 (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 排出流体モニタリング装置 |
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