JP4764581B2 - ロータリ作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転自在な耕耘爪からなるロータリを備えたロータリ作業機の畝整形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来耕耘爪を回転駆動自在に軸支したロータリと、該ロータリの後方に耕耘後の圃場に畝を整形する畝整形装置を取り付け、上記ロータリの上方をロータリカバーによって覆い、該ロータリカバーを耕耘爪の回転軸芯を中心とした円弧に沿って回動自在に軸支したロータリ作業機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このとき耕耘深さを変更したり、圃場の硬軟に応じて走行機体の車輪の圃場への沈み込み量が変化したりしてロータリ作業機の姿勢が変化した場合に、圃場面に対する畝整形装置の姿勢を一定に保つように、畝整形装置の姿勢を調節する必要がある。しかし畝整形装置の姿勢を調節すると、畝整形装置とロータリカバーとの間の隙間が変化するため、当該隙間が増大し、該隙間から耕土が噴出して、畝の整形を安定的に行うことができないという欠点があった。また畝整形装置の高さ調節が上下に直線的であるため、畝整形装置の上下調整に伴う姿勢調節が容易ではないという欠点もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、耕耘爪2を回転駆動自在に軸支したロータリ3と、ロータリ3の上方を覆うと共に、耕耘爪2の爪軸13を軸芯として爪軸13回りに回動自在に軸支されるロータリカバー14と、ロータリカバー14の後端に取り付けられてロータリ3の上方後方側を覆うリヤカバー25と、ロータリ3の後方に取り付けられて耕耘後の圃場に畝を整形する畝整形装置4と、畝整形装置4に取り付けられた尾輪38とから構成され、トラクタの走行機体6後方に3点リンクヒッチ7を介して昇降自在に連結されてなるロータリ作業機であって、上記畝整形装置4は、ロータリ作業機のパイプフレーム9から後方に向かって突設されたブラケット31にスライド自在に支持されることにより耕耘爪2の回転軸芯を中心とした円弧軌跡に沿って回動自在とされると共に、該畝整形装置4は、ロータリ作業機のトップマスト19の後方上端側に取り付けられた連結杆20の伸縮端に吊支されて該連結杆20の伸縮調整によって畝整形装置4の回動位置が決定され、前記連結杆20の伸縮調整を回転によって行うハンドル22を設け、ロータリカバー14の後部に、該ロータリカバー14を畝整形装置4のフレーム23側に連結するブラケット34を設け、そして、ハンドル22を回転させて、前記パイプフレーム9から後方に向かって突設されたブラケット31に形成した長孔32,32に沿って、畝整形装置4を前後方向にスライドさせた際、ロータリカバー14及びリヤカバー25及び尾輪38が畝整形装置4との位置関係を維持した状態で爪軸13回りに一体回動し、圃場面に対する畝整形装置4の姿勢を一定に保持しながらロータリ3の耕耘深さが変更されることを特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に本発明の1実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3は本発明を採用したロータリ作業機1の側面図,背面図,背面斜視図であり、本実施形態のロータリ作業機1は、複数の耕耘爪2を備えたロータリ3の後方に圃場に畝を整形するための畝整形装置4が取り付けられており、トラクタ等の走行機体6の後方に3点リンクヒッチ7を介して昇降自在に連結されている。そしてロータリ3によって圃場の耕耘作業を行うとともに、畝整形装置4によって圃場に畝を整形する。
【0006】
上記ロータリ作業機1の機体フレームは、走行機体6側よりPTO動力が入力されるギヤケース8より左右に突出するパイプフレーム9からなり、該パイプフレーム9の一方(左)の外端部にチェーンケース11が、他方(右)の外端部にサイドフレーム12がそれぞれ一体的に設けられている。
【0007】
そして上記サイドフレーム12とチェーンケース11の下部間には、複数の耕耘爪2が取り付けられた爪軸13が、チェーンケース11からの駆動力によって回転駆動されるように軸支されており、この耕耘爪2や爪軸13等によってロータリ3が構成されている。そして爪軸13の回転駆動によってロータリ3(耕耘爪2)を回転させ、圃場の耕耘作業を行うことが可能となっている。
【0008】
このとき上記ロータリ3は、上方前方及び側方側がロータリカバー14によって覆われており、該ロータリカバー14は、側面視で耕耘爪2の先端の回転軌跡に沿った円弧状をなす天板16の左右両端に、ロータリ3の側方を覆う側板17を取り付けた構造となっている。そして両側板17の下端部分は、チェーンケース11又はサイドフレーム12側の爪軸13の軸受部に設けられたメタル18に前後回動自在に支持されている。
【0009】
そしてロータリカバー14の後端にはロータリ3の上方後方側を覆うリヤカバー25が取り付けられている。上記構造によりロータリカバー14は爪軸13を軸芯として爪軸回りに回動自在に軸支されている。
【0010】
一方上記ギヤケース8の上方部分にはトップマスト19が取り付けられており、該トップマスト19の前方上端側には、走行機体6側の3点リンクヒッチ7に装着されたオートヒッチ21部に連結される連結部が設けられている。またトップマスト19の後方上端側には、ハンドル22の回転により伸縮せしめられる連結杆である伸縮ロッド20が取り付けられており、該伸縮ロッド20の伸縮端に畝整形装置4のフレーム23が連結され、すなわち畝整形装置4はロータリ作業機1の機体フレームに伸縮ロッド20によって吊支されている。
【0011】
上記畝整形装置4のフレーム23は、左右方向の横フレーム24と、該横フレーム24の両側方に設けられて前後方向に延び出る板状の連結部材26と、該連結部材26の後方側にブラケット27を介して取り付けられて、上記横フレーム24の後方に略平行に配置される後方フレーム28とを備え、上記伸縮ロッド20とは横フレーム24の左右略中央から突出した連結ブラケット29を介して連結されている。
【0012】
またパイプフレーム9からは、両連結部材26に対応するブラケット31が後方に向かって突設されており、連結部材26とブラケット31も連結されている。このとき連結部材26とブラケット31とは、ブラケット31に形成された長孔32と、連結部材26側に固定されてブラケット31側に突出するピン33とを介して連結されており、連結部材26はブラケット31に対して長孔32の範囲においてスライド自在となっている。なお上記長孔31は爪軸13を中心とした円弧軌跡に沿って形成されている。
【0013】
すなわち畝整形装置4は連結部材26とブラケット31とからなるスライド連結部によってロータリ作業機1の機体フレームにスライド自在に枢支されている。またロータリカバー14及びリヤカバー25は、上部においてブラケット34,36を介して畝整形装置4のフレーム23側(ブラケット27)に軸支されて連結されている。
【0014】
これによってロータリカバー14及びリヤカバー25は爪軸回りの回動に対して畝整形装置4と一体的となる。さらに上記後方フレーム28の左右両端には縦方向に縦フレーム37が設けられており、該縦フレーム37の端部側に尾輪38が取り付けられている。これにより尾輪38も畝整形装置4と一体的となる。
【0015】
以上に示される構造により、伸縮ロッド20の伸縮によって、畝整形装置4は爪軸13を中心とした円弧軌跡に沿って爪軸回りに回動せしめられ、走行機体6に対する高さが調節され、この畝整形装置4の回動に伴って、ロータリカバー14及びリヤカバー25及び尾輪38が畝整形装置4と一体的に、畝整形装置4との位置関係を維持した状態で、爪軸回りに回動する。
【0016】
これにより図4に示されるように、耕耘深さを変更する(図1が浅耕耘,図4が深耕耘)ことによって、ロータリ作業機の姿勢が変化した場合、ハンドル22を回転させて伸縮ロッド20を伸縮させ、畝整形装置4を回動させることによって、ロータリ3に対する姿勢を一定に保ったまま、圃場面に対する畝整形装置4の姿勢を容易に一定に保つことができる。
【0017】
このとき尾輪38,ロータリカバー14,リヤカバー25も畝整形装置4と一体に、爪軸13を中心とした円弧軌跡によって前後に回動せしめられ、畝整形装置4とロータリカバー14との位置関係は維持されるため、畝整形装置4の高さ(回動角度)調節により畝整形装置4とロータリカバー14及びリヤカバー25との隙間が増大することが無く、この隙間からの耕土の噴出が防止され、安定した耕耘及び畝整形作業を行うことができる。なお尾輪38も畝整形装置4と一体的に爪軸回りに位置が回動するため尾輪38のロータリ3に対する姿勢及び位置も一定に保たれ、複雑で煩雑な尾輪38の位置調節を行う必要が無い。
【0018】
【発明の効果】
以上のように構成される本発明の構造によれば、畝整形装置は、ロータリカバーと一体で回動するため、ロータリカバーと畝整形装置との位置関係を維持した状態で、耕耘爪の回転軸芯を中心とした円弧に沿った回動により走行機体に対する高さが調節される。
【0019】
このため耕耘深さを変更したり、圃場の硬軟に応じて車輪の圃場への沈み込み量が変化したりすることにより、ロータリ作業機の姿勢が変化した場合に、畝整形装置を回動させることによって、ロータリに対する姿勢を一定に保ったまま、圃場面に対する畝整形装置の姿勢を一定に保つことができる。
【0020】
そしてこのときロータリカバーと畝整形装置は一体的に回動するため、畝整形装置とロータリカバーとの位置関係は維持され、畝整形装置の高さ(回動角度)調節により畝整形装置とロータリカバーとの隙間が増大することが無く、畝整形装置とロータリカバーとの隙間からの耕土の噴出が防止され、安定した耕耘及び畝整形作業を行うことができる。
【0021】
また尾輪を畝整形装置のフレーム側に取り付けることにより、尾輪のロータリに対する姿勢も一定に保たれるという効果もある。なお連結杆によって畝整形装置をロータリ作業機の機体フレーム側に吊支することにより、連結杆の伸縮によって畝整形装置の位置決めを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 走行機体に連結されたロータリ作業機の側面図である。
【図2】 ロータリ作業機の要部背面図である。
【図3】 ロータリ作業機の背面斜視図である。
【図4】 走行機体に連結された深耕耘状態のロータリ作業機の側面図である。
【符号の説明】
2 耕耘爪
3 ロータリ
4 畝整形装置
6 走行機体
7 3点リンクヒッチ
9 パイプフレーム(機体フレーム)
13 爪軸
14 ロータリカバー
19 トップマスト
20 伸縮ロッド(連結杆)
22 ハンドル
23 フレーム
25 リヤカバー
31 ブラケット
32 長孔
34 ブラケット
38 尾輪
Claims (1)
- 耕耘爪(2)を回転駆動自在に軸支したロータリ(3)と、ロータリ(3)の上方を覆うと共に、耕耘爪(2)の爪軸(13)を軸芯として爪軸(13)回りに回動自在に軸支されるロータリカバー(14)と、ロータリカバー(14)の後端に取り付けられてロータリ(3)の上方後方側を覆うリヤカバー(25)と、ロータリ(3)の後方に取り付けられて耕耘後の圃場に畝を整形する畝整形装置(4)と、畝整形装置(4)に取り付けられた尾輪(38)とから構成され、トラクタの走行機体(6)後方に3点リンクヒッチ(7)を介して昇降自在に連結されてなるロータリ作業機であって、上記畝整形装置(4)は、ロータリ作業機のパイプフレーム(9)から後方に向かって突設されたブラケット(31)にスライド自在に支持されることにより耕耘爪(2)の回転軸芯を中心とした円弧軌跡に沿って回動自在とされると共に、該畝整形装置(4)は、ロータリ作業機のトップマスト(19)の後方上端側に取り付けられた連結杆(20)の伸縮端に吊支されて該連結杆(20)の伸縮調整によって畝整形装置(4)の回動位置が決定され、前記連結杆(20)の伸縮調整を回転によって行うハンドル(22)を設け、ロータリカバー(14)の後部に、該ロータリカバー(14)を畝整形装置(4)のフレーム(23)側に連結するブラケット(34)を設け、そして、ハンドル(22)を回転させて、前記パイプフレーム(9)から後方に向かって突設されたブラケット(31)に形成した長孔(32),(32)に沿って、畝整形装置(4)を前後方向にスライドさせた際、ロータリカバー(14)及びリヤカバー(25)及び尾輪(38)が畝整形装置(4)との位置関係を維持した状態で爪軸(13)回りに一体回動し、圃場面に対する畝整形装置(4)の姿勢を一定に保持しながらロータリ(3)の耕耘深さが変更されるロータリ作業機。
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