JP4763565B2 - 位相補償同期検波回路、振動ジャイロ - Google Patents

位相補償同期検波回路、振動ジャイロ Download PDF

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Description

本発明は各種の計測器等に利用して好適な位相補償同期検波回路及びこれを利用した振動ジャイロに関する。
各種物理量を計測するセンサにあってはセンサの検出信号の大きさと極性を同期検波回路の同期検波出力によって読み取って被測定対象となる例えば加速度、荷重等を検出している。その一例を図9を用いて説明する。図9に示す例は角速度を測定する振動ジャイロを示す。振動ジャイロは振動子10と、この振動子10を共振駆動する駆動部20と、コリオリ力による振動子10の振動を検出する検出部30とによって構成される。
振動子10はこの例では簡略化して示しているが、音叉形状をなすものとされており、このような振動子10は例えばエリンバなどの恒弾性材料によって作成される。振動子10上には図示を省略しているが駆動用の圧電素子と検出用の圧電素子とが貼り付けられている。振動子の材質としては上述したエリンバの他にシリコン単結晶上に駆動用及び検出用の圧電素子(圧電セラミクス)を貼付したもの、或いは水晶やタンタル酸リチウムなどの圧電性単結晶上に駆動用及び検出用の電極を蒸着したもの等がある。また振動子形状として図9では音叉形状の振動子を例示したが、他にも音片型、3脚型、4脚型、6脚型などの各種型式があり、どの型式の振動子を使用しても本発明を適用することができる。振動ジャイロの基本原理は例えば非特許文献1に詳細に説明されている。
駆動部20はこの例では自励発振回路21を備えた例を示す。振動子10はこの自励発振回路21により、機械的な共振周波数で駆動される。
振動子10の共振周波数は振動子10の材質や大きさ、形状などに依存するが、一般に数kHz〜数10kHzとされている。振動子10の2本の脚は図9において紙面と平行する方向に互いに逆相で振動し、この振動が圧電素子の圧電効果によって電気信号に変換され、電気的に取り出される。
検出部30はこの例では交流増幅器31、同期検波回路32、移相回路34、低域通過フィルタ35、直流増幅器36を備えた例を示す。
取り出された角速度検出信号は微弱なため、この例では交流増幅器31で増幅し、増幅された角速度検出信号が同期検波回路32に入力される。同期検波回路32は入力された検出信号(以下では同期検波回路32に入力される検出信号を被同期検波信号SIと称す)を、自励発振回路21の自励発振信号を位相調整し、波形整形した参照信号RFによって同期検波し、角速度検出信号を得る。図9において、34は自励発振信号の位相を偏移させる移相回路を示し、例えば矩形波に波形整形した信号を同期検波の参照信号RFとして出力する。
同期検波回路32の同期検波出力は低域通過フィルタ35を介してこの例では直流増幅器36に入力され、直流増幅器36でさらに増幅されて角速度出力とされる。なお、低域通過フィルタ35は振動ジャイロの検出周波数帯域(例えばDC〜100Hz)を決定する。
ところで、自励発振信号により振動子10をその共振周波数で駆動する場合、自励発振信号と振動子10の脚の機械的な振動との間には90°の位相差が生じる。更に、振動子10の脚の機械的振動(共振)とコリオリ力による脚の振動変位との間にも90°の位相差が生じる。つまり、自励発振信号と被同期検波信号SIとは位相的に同相関係となる。振動子10に一方の向の角速度が入力されている状況で被同期検波信号の位相が自励発振信号の位相と同位相であるものとすると、振動子10に入力される角速度の向が逆転した場合には、振動子10から出力される被同期検波信号の位相は、自励発振信号の位相と180°反転した逆位相となる。同期検波回路32では自励発振信号を参照信号RFとして被同期検波信号を同期検波することにより被同期検波信号(交流信号)の位相の変化を、同期検波出力(直流信号)の極性の変化として取り出すことができ、直流信号の極性によって振動子10に与えられる角速度の向を知ることができる。
ところで振動子10或いは交流増幅器31又は移相回路34は、温度変動に応じて位相特性が変化する。この位相特性の変化が、同期検波回路32に与える被同期検波信号SI又は参照信号RFに位相偏移を与え、被同期検波信号SIと参照信号RFとの間に位相差を発生させる。その位相差の量に応じて同期検波回路32の同期検波出力に直流成分が発生し、この直流成分が擬似的に角速度検出信号として作用し、検出誤差を発生する。
温度変動による検出誤差の発生を解消するために、特許文献1では直流増幅器36に温度補償回路を付設し、温度ドリフトを除去する提案がされている。図10にその構成を示す。直流増幅器36にバイアス電圧を与える分圧回路に感温素子36A、36Bを用いることでバイアス電圧自体を温度変化に対応させ、温度ドリフトのキャンセルを実現している。
特開2002−228448号公報 「超音波エレクトロニクス振動論―基礎と応用―」富川義朗編著、朝倉書店
図10に示した回路構成の方法は非常に簡素に構成できるが、出力の温度ドリフト特性を測定した上で、その温度ドリフト特性を打ち消す特性を温度補償回路に持たせるように、分圧回路を構成する抵抗器の抵抗値及び感温素子36A、36Bの特性を選択しなければならない。また温度ドリフトは線形変化とは限らず、正確にキャンセルできる温度補償回路を作ることは非常に困難な作業となる。
本発明では同期検波回路の同期検波出力を監視し、同期検波回路における被同期検波信号と参照信号との位相差を検出する位相差検出回路を設け、この位相差検出回路の検出結果を移相回路に与え、移相回路における位相偏移量を制御して常時被同期検波信号と参照信号の間の位相差をなくすように補償する機能を備えた位相補償同期検波回路を提案するものである。
具体的には本発明による位相補償同期検波回路は参照信号を用いて被同期検波信号を同期検波する同期検波回路と、制御端子を備え、制御端子に印加される制御電圧により同期検波回路に印加される参照信号の位相を偏移させる移相回路と、同期検波回路の同期検波出力から参照信号の周波数成分を除去して被同期検波信号成分を出力する低域通過フィルタと、低域通過フィルタのカットオフ周波数より低い周波数の位相制御信号を発振し、移相回路において参照信号に周期的な位相偏移を与える位相制御発振回路と、位相制御発振回路の位相制御発振信号を参照信号として低域通過フィルタの出力に含まれる位相制御信号成分を同期検波し、同期検波回路で同期検波される被同期検波信号と参照信号との間に位相差がない場合、直流成分がゼロとなる同期検波信号を出力し、位相差がある場合、正又は負の直流成分を含む同期検波信号を出力する位相差検出用同期検波回路と、位相差検出用同期検波回路の検出出力を積分する積分回路と、積分回路の積分電圧と位相制御発振信号とを加え合わせて移相回路の制御端子に印加する加算回路とによって構成したことを特徴とする。
本発明では更に、共振駆動され、コリオリ力による共振振動の変化を電気信号として検出する振動子と、この振動子を共振駆動する駆動部と、振動子が出力する検出信号からコリオリ力に対応した信号を検出する検出部とを備えて構成される振動ジャイロにおいて、駆動部は振動子を共振振動させる発振回路で構成され、検出部は請求項1記載の位相補償同期検波回路で構成され、振動子は、圧電素子検出信号を、被同期検波信号として同期検波回路に入力し、移相回路は、振動子の駆動信号を矩形波に波形整形して参照信号を生成し、位相補償同期検波回路の出力側に位相制御発振信号を除去し、角速度検出信号を出力する低域通過フィルタを接続したことを特徴とする。
本発明による位相補償同期検波回路によれば、被同期検波信号と参照信号との間の位相差を位相差検出用同期検波回路の出力によって検出することができ、その出力を積分して移相回路の制御端子に入力することにより、移相回路は参照信号の位相を被同期検波信号の位相に近づける向に位相偏移させる制御を実行する。この結果、常に同期検波回路では被同期検波信号と参照信号の位相差がない状態に補償される。従って、被同期検波信号と参照信号の間に位相差があることによって発生する直流成分を常にゼロの状態に維持することができるので、検出誤差の発生を抑制することができる。
[実施例1]
図1に本発明による位相補償同期検波回路の最良の実施形態を示す。図中40は本発明による位相補償同期検波回路を示す。図9及び図10と対応する部分には同一符号を付して示している。
本発明による位相補償同期検波回路40は参照信号RFを用いて被同期検波信号SIを同期検波する同期検波回路32と、制御端子CTを備え、制御端子CTに印加される制御電圧CVにより同期検波回路32に印加される参照信号RFの位相を偏移させる移相回路34と、同期検波回路32の同期検波出力から参照信号RFの周波数成分を除去して被同期検波信号成分を出力する低域通過フィルタ35と、低域通過フィルタのカットオフ周波数より低い周波数の位相制御発振信号LWを発振し、移相回路34において参照信号RFに周期的な位相偏移を与える位相制御発振回路41と、位相制御発振回路41の位相制御発振信号LWを参照信号として低域通過フィルタ35の出力に含まれる位相制御発振信号LWの成分を同期検波し、同期検波回路32で同期検波される被同期検波信号SIと参照信号RFとに位相差がない場合、直流成分がゼロとなる同期検波信号を出力し、位相差がある場合、正又は負の直流成分を含む同期検波信号を出力する位相差検出用同期検波回路42と、位相差検出用同期検波回路42の検出出力を積分する積分回路43と、積分回路43の積分電圧と位相制御発振信号とを加え合わせて移相回路34の制御端子CTに印加する加算回路44とによって構成される。
以下にその動作を詳細に説明する。同期検波回路32は被同期検波信号SIを参照信号RFで同期検波し、矩形波に波形整形された参照信号RFがハイレベルの時、被同期検波信号SIをそのままの極性で出力し、参照信号RFがローレベルの時、被同期検波信号SIの極性を逆にした信号を同期検波信号として出力する。
低域通過フィルタ35は参照信号RFの周波数成分を除去するために設けられており、出力端子OUTに出力されるろ波出力信号LFには参照信号RFの周波数成分は含まれない。例として参照信号RFの周波数は10kHz程度に選ばれる場合が多い。
移相回路34は、移相回路34に入力される参照信号の位相を偏移させて参照信号RFと被同期検波信号SIの位相を合わせるために設けられている。本発明ではこの参照信号RFの位相偏移を自動制御するために、被同期検波信号SIと参照信号RFとの位相差を検出し、この検出結果に応じて参照信号RFに位相偏移を与える機能を付加する。このために、移相回路34は制御端子CTを備え、制御端子CTに与える制御電圧の値に応じて、移相回路34に入力される参照信号と、移相回路34から出力される参照信号RFとの間に位相差を発生させ位相偏移を与える。
参照信号RFに周期的な位相偏移を与えるために、位相制御発振回路41が設けられる。位相制御発振回路41の発振周波数は参照信号RFの周波数が例えば10kHz程度であった場合、それより充分低い例えば1kHz程度に選定する。この位相制御発振回路41の発振信号(ここではこの発振信号を位相制御発振信号と称すことにする)を加算回路44を介して移相回路34の制御端子CTに印加することで、位相制御発振信号の電圧変化に応じて移相回路34を介して同期検波回路32に印加される参照信号RFに位相制御発振信号の周期で変化する周期的な位相偏移を与える。
位相差検出用同期検波回路42と積分回路43と加算回路44によって構成される制御系の詳細説明をする前に、動作の理解を容易にするために、動作の概要を予め説明する。
低域通過フィルタ35は上述の通り参照信号RFの周波数成分を除去するために設けられており、位相制御発振信号LWの周波数成分は出力されるようにそのカットオフ周波数は位相制御発振信号LWの周波数(例えば1kHz)より高い例えば2〜3kHz程度に選定される。この結果、低域通過フィルタ35は位相制御発振信号LWの周波数成分を含むろ波出力信号LFを出力する。
位相差検出用同期検波回路42は低域通過フィルタ35から出力されたろ波出力信号LFを位相制御発振信号LWを参照信号として同期検波する。同期検波回路32において、被同期検波信号SIと参照信号RFとの間に位相差がない状況下であれば位相差検出用同期検波回路42は図3Bに示すような直流成分を含まない正負対称な位相差検出同期検波出力信号DT−2が出力される。
図3Bに示すような正負対象の信号が積分回路43に入力された場合、積分回路43の出力電圧は平均値ゼロである。この結果、参照信号RFは位相制御発振信号LWの周期で位相偏移を繰返し、直流的な位相偏移は発生しない。
一方、同期検波回路32において、被同期検波信号SIと参照信号RFとの位相差を生じている状況下では位相差検出用同期検波回路42は図5B及び図7Bに示すような正又は負の直流成分を含む位相差検出同期検波出力信号DT−2を出力する。
図5Bに示す例では参照信号RFが被同期検波信号SIより進み位相であった場合の位相差検出用同期検波回路42の位相差検出同期検波出力信号DT−2の波形を示す。図5Bに示す位相差検出同期検波出力信号DT−2が積分回路43に入力された場合、積分回路43はこの入力信号を積分して負極性の直流電圧を出力する。負極性の積分電圧が加算回路44を介して移相回路34の制御端子CTに入力される。移相回路34は制御端子CTに負極性の積分電圧(直流電圧)が印加されることにより、参照信号RFの位相を進み位相から遅れ位相方向に偏移し、被同期検波信号SIの位相に合致した状態で制御系の制御動作が収束する。
図7Bでは参照信号RFが被同期検波信号SIより遅れ位相であった場合の位相差検出用同期検波回路42の位相差検出同期検波出力信号DT−2の波形を示す。
図7Bに示す位相差検出同期検波出力信号DT−2が積分回路43に入力された場合、積分回路43はこの入力信号を積分して正極性の直流電圧を出力する。正極性の積分電圧が加算回路44を介して移相回路34の制御端子CTに入力される。移相回路34は制御端子CTに正極性の積分電圧(直流電圧)が印加されることにより、参照信号RFの位相を遅れ位相から進み位相の方向に偏移し、被同期検波信号SIの位相に合致した状態で制御系の制御動作が収束する。
このように、同期検波回路32において被同期検波信号SIと参照信号RFとの間に位相差が発生すると、この位相差が位相差検出用同期検波回路42で検出され、その検出結果が積分回路43で積分され、この積分電圧を移相回路34の制御端子CTに印加することにより、この制御系は常に被同期検波信号SIと参照信号RFとの位相差をなくすように補償する。
以下では各部の波形を例示して具体的な動作について説明する。
(被同期検波信号SIと参照信号RFとの間に位相差がない場合)
図2Aに位相制御発振回路41が発振する位相制御発振信号LWの波形を示す。図2Aの例ではゼロを中心に振幅が±αである波形を1周期分示す。図2Bは位相制御発振信号LWによって移相回路34で発生する周期的な位相偏移の様子を示す。図2Bに示す例では被同期検波信号SIと参照信号RFとの間に位相差がないことから周期的な位相偏移はゼロを中心に位相が+α°、−α°に偏移する。またここでも先に説明した動作の概要説明と同様に、移相回路34は制御端子CTに入力される制御電圧CVが正極性に振れると参照信号RFの位相が進み位相方向に偏移し、負極性に振れると参照信号RFの位相が遅れ位相方向に偏移するものとする。図2Cは周期的に位相偏移する参照信号RFと被同期検波信号SIの位相関係を示す。図2Cに示す実線は被同期検波信号SIを示し、点線は参照信号RFが位相偏移した波形を示す。矩形で表わす波形は同期検波回路32に印加する参照信号RFの波形を示す。図示するように位相制御発振信号LWの電圧が正に振れている期間では参照信号RFの位相は被同期検波信号SIの位相より進み位相となっており、位相制御発振信号LWの電圧がゼロに近い状況では参照信号RFと被同期検波信号SIの位相差はゼロの状態に近づき、位相制御発振信号LWの電圧が負極性に振れると参照信号RFの位相は被同期検波信号SIの位相より遅れ位相となることが表されている。
図2Dに同期検波回路32から出力される同期検波出力信号DT−1の波形を示す。
図3Aに低域通過フィルタ35のろ波出力信号LFの波形を示す。低域通過フィルタ35は参照信号RFの周波数を除去するろ波特性を持っていることから、参照信号RFの周波数成分が除去されて取り出される。
図3Bに位相差検出用同期検波回路42の位相差検出同期検波出力信号DT−2の波形を示す。図から明らかなように位相差検出同期検波出力信号DT−2の波形は正負が対称であるため、直流成分はゼロとなる。従って、位相差検出同期検波信号DT−2を積分回路43で積分した出力電圧は、平均値ゼロの信号となる。
この結果、加算回路44を介して移相回路34の制御端子CTに入力される制御電圧CVは位相制御発振回路41が出力する位相制御発振信号LWのみであり、その制御電圧CVによる参照信号RFの位相偏移は図3Cに示すようにゼロを中心に位相制御発振信号LWの周期で進み方向に+α°、遅れ方向に−α°の位相偏移を呈し、直流的な位相偏移は生じない。
(参照信号RFの位相が被同期検波信号S1の位相よりδ°進み位相である場合)
図4Aは位相制御発振信号LWを示す。この場合も上述と同様にゼロを中心に正及び負方向に+αと−αの振幅で振れている様子を示す。
図4Bはδ°進み位相である参照信号RFについて位相制御発振信号LWによる移相回路34から出力される参照信号RFの位相偏移の様子を示す。ここでは参照信号RFが被同期検波信号SIの位相よりδ°位相が進んでいるものとするから、参照信号RFの位相は+δ°を中心に進み方向にδ°+α°、遅れ方向にδ°−α°に偏移する。
図4Cは参照信号RFと被同期検波信号SIの位相関係を示す。ここでは参照信号RFの位相が被同期検波信号SIの位相よりδ°だけ進み位相にあり、位相制御発振信号LWが正に振れる期間では移相回路34では参照信号RFの位相をδ°+α°に進み位相に偏移させるから、参照信号RFの位相は被同期検波信号SIの位相より大きく進み位相となり、位相制御発振信号LWが負方向に振れる期間では参照信号RFの位相偏移はδ°−α°となるため偏移量は小さくなり被同期検波信号SIの位相に近づくことが見てとれる。
図4Dに同期検波回路32の同期検波出力信号DT−1の波形を示す。
図5Aに低域通過フィルタ35のろ波出力信号LFの波形を示す。この波形は、位相制御発振信号LWの前半の半サイクルと、後半の半サイクルで非対称の波形となる。
位相差検出用同期検波回路42では図5Aに示すろ波出力信号LFを位相制御発信信号LWで同期検波することから、位相差検出用同期検波回路42の位相差検出同期検波信号DT−2は図5Bに示すように前半の半サイクルと後半の半サイクルで非対称の波形となる。つまり、図5Bに示す例では前半の正電圧領域より後半の負電圧領域の方が大きい非対称となり、負の直流成分を持つ同期検波出力信号となる。この結果、積分回路43では負電圧を出力し、この負の積分電圧に加算回路44で位相制御発振信号LWを加え合せて移相回路34の制御端子CTに負の積分電圧に位相制御発振信号LWが重畳した制御電圧CVを印加する。
この制御電圧CVに含まれる負極性の積分電圧は、参照信号RFの進み位相δ°を0°に戻すための位相偏移を与える直流電圧である。この負の直流電圧を中心に位相制御発振信号LWが重畳する波形となる。図5Cにこの場合の制御電圧CVによって参照信号RFに与えられる位相偏移を示す。この位相偏移は−δ°を中心に−δ°+α°と−δ°−α°の範囲で位相偏移し、この位相偏移により図4Bに示した位相偏移の中のδ°が打ち消され、定常状態では参照信号RFと被同期検波信号SIの位相は実質的に図2B及び図2Cに示した位相偏移状態を維持する。
(参照信号RFが被同期検波信号SIよりδ°遅れ位相である場合)
図6Aは位相制御発振信号LWを示す。
移相回路34の制御端子CTには上述と同様に位相制御発振信号LWが印加される。移相回路34から同期検波回路32に出力される参照信号RFの位相は図6Bに示すように遅れ位相−δ°を中心に−δ°+α°と−δ°−α°の間を偏移する。この位相偏移によれば位相制御発振信号LWの前半の半サイクルの期間では参照信号RFの位相は被同期検波信号SIの位相に近づくが、後半の半サイクルの期間では参照信号RFの位相は−δ°より更に−α°相当分遅れ位相となる。この様子は図6Cに示す参照信号RFと被同期検波信号SIの位相関係から読み取ることができる。
図6Dに同期検波回路32の同期検波出力信号DT−1の波形を示す。低域通過フィルタ35から取り出されるろ波出力信号LFを図7Aに示す。このろ波出力信号LFを位相差検出用同期検波回路42において位相制御発振信号LWを参照信号として同期検波することにより、図7Bに示す位相差検出同期検波出力信号DT−2が得られる。この場合の位相差検出同期検波出力信号DT−2は、位相制御発振信号LWの前半の半サイクルの正電圧領域が大きく得られ、後半の半サイクルで得られる負電圧領域は小さくなる。この結果、位相差検出同期検波出力信号DT−2の平均値は正電圧となり、この正電圧が積分回路43で出力され、その積分電圧に位相制御発振信号LWが加算回路44で加え合わされて移相回路34の制御端子CTに正の積分電圧に位相制御発振信号LWが重畳した制御電圧CVを印加する。
この場合の制御電圧CVに含まれる積分電圧は、参照信号RFの位相をδ°の進み位相に偏移を与える直流電圧である。この直流電圧を中心に位相制御発振信号LWが重畳する波形となる。図7Cにこの場合の制御電圧CVによって参照信号RFに与えられる位相偏移を示す。この位相偏移は+δ°を中心にδ°+α°とδ°−α°の範囲で位相偏移し、この位相偏移により図6Bに示した位相偏移の中の−δ°が打ち消される。定常状態では参照信号RFと被同期検波信号SIの位相は実質的に図2B及び図2Cに示した位相偏移状態を維持する。
以上により、本発明による位相補償同期検波回路40は移相回路34−同期検波回路32−低域通過フィルタ35−位相差検出用同期検波回路42−積分回路43−加算回路44から成る閉ループは常時同期検波回路32における被同期検波信号SIと参照信号RFとの位相差を検出し、被同期検波信号SIと参照信号RFとの位相差をなくすように補償することが理解されよう。また、このように、常に被同期検波信号SIと参照信号RFとの間の位相差をなくすように補償することから、位相差に伴なう直流成分の発生現象が回避され、誤差信号の発生が阻止されることが理解できよう。
[実施例2]
以下では上述した位相補償同期検波回路40を利用した本発明の振動ジャイロの実施例を図8を用いて説明する。図8に示す実施例では図9に示した振動ジャイロの構成に位相補償同期検波回路40を適用した場合を示す。ここでは振動ジャイロの構成と、振動ジャイロと位相補償同期検波回路40との係わりに関してのみ説明する。
振動子10は図9でも説明したように音叉形の共振子で構成され振動子10で発生する共振検出信号が駆動部20を構成する自励発振回路21に帰還されてループ発振回路を構成する。自励発振回路21は振動子10の共振周波数で自励発振し、振動子10をその共振周波数で駆動する。振動子10の駆動信号は、位相補償同期検波回路40を構成する移相回路34に供給され、矩形波に波形整形されて参照信号RFを出力する。
一方、振動子10に貼着された圧電素子で検出した検出信号が取り出され、この検出信号を必要に応じて交流増幅器31で増幅し、位相補償同期検波回路40を構成する同期検波回路32に被同期検波信号SIとして入力される。この被同期検波信号SIが移相回路34から与えられる参照信号RFにより同期検波される。
位相補償同期検波回路40の出力端子OUTには第2の低域通過フィルタ37を接続する。そのろ波出力を増幅回路36で増幅し、角速度信号を出力する。
ここで位相補償同期検波回路40を構成する低域通過フィルタ35のろ波出力には位相制御発振信号LWの周波数成分が含まれている。この第2の低域通過フィルタ37は位相制御発振信号成分を除去するとともに、振動ジャイロの検出周波数帯域を決定する。
本発明による振動ジャイロによれば、位相補償同期検波回路40の作用によって被同期検波信号SIと参照信号RFとの位相差がない状態に維持されるから、仮に振動子10又は交流増幅器31が温度変動等に応じて位相偏移を発生したとしても、その位相偏移は補償され、常に位相差がない状態に保たれる。よって被同期検波信号SIと参照信号RFとの位相差に起因する直流成分の発生が抑制され、位相差に伴って擬似的な角速度信号が発生する不都合が解消される。
本発明による位相補償同期検波回路は計測機器の分野で活用される。
本発明による位相補償同期検波回路の実施例を説明するためのブロック図。 本発明による位相補償同期検波回路の動作を説明するための波形図。 本発明による位相補償同期検波回路の動作の続きを説明するための波形図。 本発明による位相補償同期検波回路の動作の続きを説明するための波形図。 本発明による位相補償同期検波回路の動作の更に続きを説明するための波形図。 本発明による位相補償同期検波回路の更に続きを説明するための波形図。 本発明による位相補償同期検波回路の更に続きを説明するための波形図。 本発明による振動ジャイロの実施例を説明するためのブロック図。 従来の同期検波回路を振動ジャイロに適用した例で説明するためのブロック図。 従来の同期検波回路の改善策を説明するためのブロック図。
符号の説明
10 振動子 35 低域通過フィルタ
20 駆動部 36 増幅回路
30 検出部 37 低域通過フィルタ
31 交流増幅器 40 位相補償同期検波回路
32 同期検波回路 41 位相制御発振回路
34 移相回路 42 位相差検出用同期検波回路
CT 制御端子 43 積分回路
44 加算回路

Claims (2)

  1. 参照信号を用いて被同期検波信号を同期検波する同期検波回路と、
    制御端子を備え、制御端子に印加される制御電圧により上記同期検波回路に印加する参照信号の位相を偏移させる移相回路と、
    上記同期検波回路の同期検波出力から上記参照信号の周波数成分を除去して上記被同期検波信号成分を出力する低域通過フィルタと、
    記低域通過フィルタのカットオフ周波数より低い周波数の位相制御発振信号を発振し、上記移相回路において上記参照信号に周期的な位相偏移を与える位相制御発振回路と、
    上記位相制御発振回路の位相制御発振信号を参照して上記低域通過フィルタの出力に含まれる位相制御発振信号成分を同期検波し、上記同期検波回路で同期検波される被同期検波信号と参照信号との間に位相差がない場合、直流成分がゼロとなる同期検波信号を出力し、位相差がある場合、正又は負の直流成分を含む同期検波信号を出力する位相差検出用同期検波回路と、
    上記位相差検出用同期検波回路の同期検波出力を積分する積分回路と、
    上記積分回路の積分電圧と上記位相制御発振信号とを加え合わせて上記移相回路の制御端子に印加する加算回路と、
    によって構成したことを特徴とする位相補償同期検波回路。
  2. 共振駆動され、コリオリ力による共振振動の変化を電気信号として検出可能な振動子と、
    この振動子を共振駆動する駆動部と、
    上記振動子が出力する検出信号から上記コリオリ力に対応した信号を検出する検出部とを備えて構成される振動ジャイロにおいて、
    上記駆動部は上記振動子を共振振動させる発振回路で構成され、
    上記検出部は上記請求項1記載の位相補償同期検波回路で構成され、
    上記振動子は、圧電素子検出信号を、上記被同期検波信号として上記同期検波回路に入力し、上記移相回路は、上記振動子の駆動信号を矩形波に波形整形して上記参照信号を生成し、
    上記位相補償同期検波回路の出力側に上記位相制御発振信号を除去し、角速度検出信号を出力する低域通過フィルタを接続したことを特徴とする振動ジャイロ。
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