JP4763404B2 - 発光装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、配列される発光素子を選択的に発光させる発光装置およびこの発光装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真プリンタなどの光プリンタヘッドとして用いられている発光装置として、発光ダイオード(Light Emitting Diode:略称LED)を多数配列して形成されるLEDアレイがある。このLEDアレイは、発光ダイオードと駆動回路とを個別に接続するために、多数のボンディングパッドを有する。例えば電子写真プリンタを、A3サイズ、600dpiの仕様にて構成した場合、ボンディングパッドと回路配線との接続箇所は、LEDのアノードまたはカソードを導通基板で共通端子とした場合でも発光素子の数が必要となり、約7300箇所にも及ぶ。このため両者を従来周知のワイヤボンディング法によって接続する作業に極めて長時間を要し、生産性を向上させることが困難である。また、前記ボンディングパッドを形成するためには、発光素子を形成するよりも大きな面積が必要となる上、電子写真プリンタによって形成すべき画像が高精細になるほど、走査方向における単位長あたりの発光素子の数が増加するため、ボンディングパッドの数も増加する。
このような問題に鑑み、発光素子としてPNPN構造を有する発光サイリスタを使用し、この発光サイリスタによって発光の自己走査を実現することによって、ボンディングパッドの数を低減して、光プリンタヘッドに供するときに、基板への実装が簡便となり、小型に作製することができる発光装置がある(例えば特許文献1参照)。
図25は、第1の従来の技術の発光装置1の基本構造の概略的な回路構成を示す回路図である。発光装置1では、配列された複数の発光素子を複数のブロックに分け、1ブロック内の全発光素子に同一の転送クロックを印加することができるように構成されている。具体的には、配列されている発光素子L(−1),L(−1),L(−1),L(0),L(0),L(0),L(1),L(1),L(1)が、3つの発光素子を1つのブロックとしてそれぞれブロック化されている。発光素子L(−1),L(−1),L(−1)からブロック(−1)が成り、発光素子L(0),L(0),L(0)からブロック(0)が成り、発光素子L(1),L(1),L(1)からブロック(1)が成る。発光素子L(−1),L(−1),L(−1),L(0),L(0),L(0),L(1),L(1),L(1)を、単に発光素子Lと記載する場合がある。隣接するブロックは、結合用ダイオードD−2,D−1,D(単にダイオードDという場合がある)によって電気的に接続され、すなわち隣接するブロックのうち一方のブロックに含まれる発光素子Lと、他方の発光素子Lとが結合用ダイオードによって電気的に接続される。各発光素子Lのゲートは、各ブロックごとに負荷抵抗Rを介して電源VGKに接続されている。
ブロック(−1),(1)の発光素子Lのアノードには転送クロックφ2が印加され、ブロック(0)の発光素子Lのアノードには転送クロックφ1が印加される。転送クロックφ1が印加される転送クロックラインφ11,φ12,φ13、および転送クロックφ2が印加される転送クロックラインφ21,φ22,φ23には、お互いのON状態が影響しあわないように、それぞれバッファを設けている。発光素子L(−1),L(1)のアノードは転送クロックラインφ23に接続され、発光素子L(−1),L(1)のアノードは転送クロックラインφ22に接続され、発光素子L(−1),L(1)のアノードは転送クロックラインφ21に接続される。発光素子L(0)のアノードは転送クロックラインφ13に接続され、発光素子L(0)のアノードは転送クロックラインφ12に接続され、発光素子L(0)のアノードは転送クロックラインφ11に接続される。
各転送クロックラインφ11,φ12,φ13,φ21,φ22,φ23には、電流源I11,I12,I13,I21,I22,I23がそれぞれ接続され、電流源I11は転送クロックラインφ11に、電流源I12は転送クロックラインφ12に、電流源I13は転送クロックラインφ13に、電流源I21は転送クロックラインφ21に、電流源I22は転送クロックラインφ22に、電流源I23は転送クロックラインφ23に同期して変化する。例えば発光素子L(0)の発光を強くして画像を書き込む場合は転送クロックラインφに同期して転送クロックラインφ12をハイにして電流源I12をONさせる。
発光装置1では、ボンディングパッドの数を低減して、小型に作製することができるが、書き込みを行う発光素子L以外の発光素子Lもある程度のバイアス光を生じる。これはオン状態を維持するための電流によって発光が生じるためである。したがって、発光装置1を光プリンタヘッドに適用する場合、画像品質を劣化させる原因となる。
このような問題に鑑み、書き込み用の発光素子と、発光素子を選択するためにオン状態が転送されるスイッチ素子とを別々に設け、スイッチ素子を電気的に制御する第2の従来の技術の発光装置がある(例えば特許文献2参照)。
図26は、第2の従来の技術の発光装置2の基本構造の概略的な回路構成を示す回路図である。発光装置2は、スイッチ素子T(−1),T(0),T(1)が配列されて構成されるスイッチ素子アレイと、発光素子L(−1),L(−1),L(−1),L(0),L(0),L(0),L(1),L(1),L(1)がスイッチ素子T(−1),T(0),T(1)に沿って配列された発光素子アレイとを有する。スイッチ素子T(−1),T(0),T(1)を総称する場合は、単にスイッチ素子Tと記載し、発光素子L(−1),L(−1),L(−1),L(0),L(0),L(0),L(1),L(1),L(1)を総称する場合は、単に発光素子Lと記載する場合がある。
発光装置2では、スイッチ素子Tおよび発光素子Lのうち、それぞれの対応したスイッチ素子Tのゲートと、発光素子Lのゲートとが接続される。具体的には、スイッチ素子T(−1)と発光素子L(−1),L(−1),L(−1)とのゲートが接続され、スイッチ素子T(0)と発光素子L(0),L(0),L(0)とのゲートが接続され、スイッチ素子T(1)と発光素子L(1),L(1),L(1)とのゲートが接続される。
スイッチ素子Tのアノード電極には、2本の転送クロックφ1,φ2ラインがそれぞれ2つのスイッチ素子Tごとに繰り返し接続される。スイッチ素子T(0)のアノード電極は、転送クロックφ1ラインに接続され、スイッチ素子T(−1),T(1)のアノード電極は、転送クロックφ2ラインに接続される。また、各々のスイッチ素子Tのゲートは、負荷抵抗Rを介して制御用電源VGKに接続される。
またスイッチ素子T(−1)のゲートと、スイッチ素子T(0)のゲートとは、転送方向指定ダイオードD−1を介して接続され、同様にスイッチ素子T(0)のゲートと、スイッチ素子T(1)のゲートとは、転送方向指定ダイオードDを介して接続される。各発光素子Lのアノードは、それぞれ別々の書き込み信号ラインSin1,Sin2,Sin3に接続され、カソードは、接地される。発光装置2では、3つの素子素子Lを1ブロックとし、1ブロック内の発光素子Lは1つのスイッチ素子Tによって、その発光が制御される。
特開平2−212170号公報 特開平9−97926号公報
図27は、発光装置2の平面図である。各ブロックにおいて3つの発光素子Lが、スイッチ素子Tに沿う方向および半導体基板の厚み方向に垂直な方向に配列されており、各ブロックはスイッチ素子Tに沿って配列される。スイッチ素子Tのアノード電極2aは、接続されるべき転送クロックφ1,φ2ラインに接続され、発光素子Lのアノード電極2bは、接続されるべき信号ラインSin1,Sin2,Sin3に接続される。各スイッチ素子Tは2つのゲート電極4a1,4a2を有し、ゲート電極4a1は負荷Rを介して電源VGKに接続され、ゲート電極4a2は、配線6を介して各ブロックの発光素子Lに共通に設けられているゲート電極4bに接続される。
発光装置2では、1つのスイッチ素子Tに複数の発光素子Lが接続されているが、1つのスイッチ素子Tに対応する発光素子Lは、スイッチ素子Tの配列方向および半導体基板の厚み方向に垂直な方向に配列されている。したがって発光装置2では、走査方向の一端から他端まで、すなわち各ブロックが配列される方向に沿って一端から他端まで、各ブロックにそれぞれ対応してスイッチ素子が配列されている。このため発光装置2において、走査方向の一端から他端までの発光素子Lを走査するためには、スイッチ素子Tを配列方向に沿って順番にターンオンさせる必要があるので、走査時間を短くすることができないという問題がある。
また発光装置2では、発光素子Lとスイッチ素子Tとが走査方向の一端から他端にわたって並列して設けられているので、装置が大型化してしまうという問題がある。
したがって本発明の目的は、走査時間を短くすることができるとともに、小型化することができる発光装置およびそれを備える画像形成装置を提供することである。
本発明の発光装置は、発光体チップにより構成される発光装置であって、
前記発光体チップは、
予め定める部位にトリガ信号を与えることによって発光信号の電圧または電流よりもしきい電圧またはしきい電流が低下した状態で、かつ前記発光信号が与えられたとき発光する発光素子を複数有し、この複数の発光素子が相互に間隔をあけて配列される発光素子アレイと、
各発光素子の予め定める部位に接続され、トリガ信号を伝送するトリガ信号伝送路と、
相互に隣接する2つ以上の発光素子に接続されて、前記発光信号を伝送する発光信号伝送路と、
それぞれが異なる発光信号伝送路に接続される2つ以上の発光素子の予め定める部位に、前記トリガ信号伝送路を介してそれぞれ接続され、走査信号に応答して、接続された各発光素子の予め定める部位に前記トリガ信号伝送路を介してトリガ信号を与えるスイッチ素子を複数有し、この複数のスイッチ素子が、前記配列方向において前記発光素子アレイに隣接した領域に、前記配列方向に沿って配列されるスイッチ素子アレイと、
前記スイッチ素子アレイの各スイッチ素子に接続され、配列方向に隣接するスイッチ素子毎に、異なるタイミングで与えられる前記走査信号を伝送する複数の走査信号伝送路とを含むことを特徴とする。
また本発明の発光装置は、前記発光体チップが、前記発光信号伝送路と外部からの信号伝送路とを接続する発光信号伝送路接続部と、前記走査信号伝送路と外部からの信号伝送路とを接続する走査信号伝送路接続部とを含み、
前記発光素子アレイおよび前記スイッチ素子アレイは、前記発光素子の光の出射方向および前記配列方向に垂直な方向において、前記発光体チップの一方寄りの領域に設けられ、
前記発光信号伝送路接続部および前記走査信号伝送路接続部が、ノイズの重畳が抑制されるように、前記発光素子アレイおよび前記スイッチ素子アレイに対して前記発光素子の光の出射方向および前記配列方向に垂直な方向に近接し、かつ前記発光素子の光の出射方向および前記配列方向に垂直な方向において、前記発光体チップ方寄りの領域に、前記配列方向に沿って配列されることを特徴とする。
また本発明の発光装置は、発光信号伝送路接続部および走査信号伝送路接続部は、ボンディングパッドによって形成されることを特徴とする。
また本発明の発光装置は、前記発光体チップが、前記トリガ信号伝送路に接続される信号検出用端子を含むことを特徴とする。
また本発明の発光装置は、前記発光体チップが、N+1本の前記トリガ信号伝送路を含み、前記発光素子アレイは、共通の発光信号伝送路に接続されるN(Nは、2以上の整数)個の前記発光素子の群から成る発光素子ブロック部分が複数形成され、相互に隣接する2つの前記発光素子ブロック部分によって発光素子ブロックが形成されて成り、
前記発光素子ブロックにおける発光素子の配列方向に沿う一方から他方に向かって第n(1≦n≦2×N)番目の発光素子の予め定める部位と、N+1本のトリガ信号伝送路のうちの、第m(1≦m≦N+1)番目のトリガ信号伝送路とが、
nが、1≦n≦Nのとき、mが、m=nを満たし、
nが、N+1≦n≦2×Nのとき、mが、m=2×N+2−nを満たすように接続されることを特徴とする。
また本発明の発光装置は、前記発光装置を複数有し、各発光装置の各発光素子を直線状に配列して構成されることを特徴とする。
また本発明の画像形成装置は、前記発光装置と、
画像情報に基づいて前記発光装置を駆動する駆動手段と、
帯電した感光体ドラムに前記発光装置の発光素子からの光を集光する集光手段と、
前記発光装置からの光が前記集光手段によって前記感光体ドラムに集光されて露光された感光体ドラムに現像剤を供給する現像剤供給手段と、
感光体ドラムに現像剤によって形成された画像を記録シートに転写する転写手段と、
記録シートに転写された現像剤を定着させる定着手段とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、スイッチ素子アレイの各スイッチ素子は、接続された走査信号伝送路によって伝送される走査信号に応答してトリガ信号を、このスイッチ素子に接続されている2つ以上の発光素子の予め定める部位に与える。複数の走査信号伝送路によって伝送される走査信号は、配列方向に隣接するスイッチ素子毎に、異なるタイミングで与えられるので、各スイッチ素子が順番にトリガ信号を、このスイッチ素子にトリガ信号伝送路を介して接続される各発光素子に与えることができる。発光素子は、予め定める部位にトリガ信号が与えられることによって、発光信号の電圧または電流よりもしきい電圧またはしきい電流が低下した状態で、発光信号伝送路によって伝送される発光信号が与えられると発光する。したがって、トリガ信号および発光信号によって各発光素子を選択的に発光させることができる。
スイッチ素子は、それぞれが異なる発光信号伝送路に接続される2つ以上の発光素子の予め定める部位にそれぞれに接続されるので、発光素子の数と比較してスイッチ素子の数を低減することができる。またスイッチ素子は、配列方向に沿って並ぶ2つ以上の発光素子にトリガ信号を与えるので、例えば配列方向に沿って並ぶ2つ以上の発光素子を同時に発光させることができるようになり、各発光素子を配列方向の一方から他方まで走査する走査時間を短くすることができる。
スイッチ素子が接続される2つ以上の発光素子は、これらの発光素子のそれぞれが異なる発光信号伝送路に接続されるので、1個の発光素子のみを選択的に発光させることができる。
さらにスイッチ素子アレイの複数のスイッチ素子は、発光素子アレイの発光素子の数よりも少なく、かつ前記配列方向において発光素子アレイに隣接した領域に、前記配列方向に沿って配列されるので、発光素子とスイッチ素子とが配列方向に沿って直列に並べられるので、第2の従来の技術において問題となる発光素子の配列方向の一端から他端にわたってスイッチ素子が配列されることによる装置の大型化を抑制して、装置を小型に形成することができる。
また本発明によれば、発光素子アレイおよびスイッチ素子アレイは、発光素子の光の出射方向および前記配列方向に垂直な方向において、発光体チップの一方寄りの領域に設けられる。そして、発光信号伝送路接続部および走査信号伝送路接続部が、ノイズの重畳が抑制されるように、発光素子の光の出射方向および前記配列方向に垂直な方向で、発光素子アレイおよびスイッチ素子アレイに近接して配置され、発光素子の光の出射方向および前記配列方向に垂直な方向において発光体チップ方寄りの領域に、配列方向に沿って配列されるので、発光信号伝送路および走査信号伝送路を短く形成してノイズの重畳を抑制することができとともに、装置が大型化することを抑制することができ、さらに外部からの信号伝送路を同じ向きから接続することができるので、外部からの信号伝送路との接続の作業性が向上する。
また本発明によれば、発光信号伝送路接続部および走査信号伝送路接続部は、ボンディングパッドによって形成される。ボンディングパッドには、例えばワイヤボンディングによって外部の信号伝送路を接続することができる。
また本発明によれば、トリガ信号検出用端子にはトリガ信号伝送路が接続されているので、トリガ信号検出用端子にトリガ信号を測定する測定機器を接続することによって、トリガ信号伝送路を伝送されるトリガ信号の信号レベルを測定することができる。トリガ信号の信号レベルを測定することによって、スイッチ素子の不良を検出することができ、また所定の信号レベルが測定され、発光信号が与えられても発光素子が発光しない場合には、発光素子の不良を検出することができる。さらにトリガ信号検出用端子に所定の信号を与えることによって、スイッチ素子の動作と切り離して各発光素子の発光強度、および各発光素子の電圧電流(V−I)特性を個別に検査することができるようになる。
また本発明によれば、共通の発光信号伝送路に接続されるN(記号Nは、2以上の整数)個の発光素子の群によって発光素子ブロック部分が形成され、相互に隣接する2つの発光素子ブロック部分によって発光素子ブロックが形成される。したがって発光素子ブロックには、2×N個の発光素子が含まれる。
各発光素子の予め定める部位は、トリガ信号を伝送するN+1本のトリガ信号伝送路のうちのいずれかに接続され、前記発光素子ブロックにおける発光素子の配列方向に沿う一方から他方に向かって第n(1≦n≦2×N)番目の発光素子の予め定める部位と、N+1本のトリガ信号伝送路のうちの、第m(1≦m≦N+1)番目のトリガ信号伝送路とが、nが、1≦n≦Nのとき、mが、m=nを満たし、nが、N+1≦n≦2×Nのとき、mが、m=2×N+2−nを満たすように接続される。このように各発光素子の予め定める部位と、トリガ信号伝送路とを接続すると、N+1本のトリガ信号伝送路のうち、第1番目のトリガ信号伝送路には、発光素子ブロックに含まれる発光素子のうち第1番目の発光素子のみが接続され、第N+1番目のトリガ信号伝送路には、発光素子ブロックに含まれる発光素子のうち、第N+1番目の発光素子のみが接続されることとなる。また発光素子ブロックに含まれる発光素子のうち、第N+1番目の発光素子の配列方向の一方、つまり発光素子ブロックのうち、発光素子の配列方向の一方側の発光素子ブロック部分では、nが、n=mとなるように各発光素子がトリガ信号伝送路に接続されるので、発光素子の順番が大きくなるほど、トリガ信号伝送路の順番が大きくなるように、発光素子の予め定める部位とトリガ信号伝送路とが接続される。発光素子ブロックに含まれる発光素子のうち、第N+1番目の発光素子の配列方向の他方、つまり隣接する発光素子ブロック部分のうち、発光素子の配列方向の他方側の発光素子ブロック部分では、mが、m=2×N+2−nとなるように発光素子がトリガ信号伝送路に接続されるので、発光素子の順番が大きくなるほど、トリガ信号伝送路の順番が小さくなるように発光素子の予め定める部位とトリガ信号伝送路とが接続される。
したがって、発光素子ブロックに含まれ、相互に隣接する発光素子では、それぞれの予め定める部位が第k番目および第k+1番目(記号kは、1以上N以下の整数)のトリガ信号信号伝送路に個別に接続されることになるので、第1番目〜第N+1番目のトリガ信号伝送路に時分割で順番にトリガ信号を伝送させ、発光素子ブロック部分に含まれる各発光素子に同じタイミングで発光信号を与えても、相互に隣接する発光素子の発光するタイミングの時間的なずれが大きくなってしまうことを抑制することができ、さらに隣接する発光素子が同じトリガ信号伝送路に接続されないので、相互に隣接する発光素子が同時に発光してしまうことを抑制することができる。また相互に隣接する発光素子ブロックで、相互に隣接する発光素子についても、同様にそれぞれの予め定める部位が第k番目および第k+1番目(記号kは、1以上N以下の整数)のトリガ信号伝送路に個別に接続されることになるので、発光素子アレイの全域にわたって、相互に隣接する発光素子間における発光するタイミングが大きくずれてしまうことを抑制するとともに、同じタイミングでの発光が抑制される。これによって本発明の発光装置を、感光体ドラムを露光する露光装置として用いると、相互に隣接する発光素子間における発光するタイミングが大きくずれてしまうことが抑制されることによって、感光体ドラムに露光される露光位置に不連続点が発生せず、かつ相互に隣接する発光素子が同時に発光することが抑制されることによって、各発光素子の発光した時の発熱のムラを抑制して、各発光素子の温度変化による発光特性を揃えることができ、さらに相互に隣接する発光素子から発生する光が干渉することが防止することができるので、感光体ドラムを精度よく露光することができ、これによって画像形成装置において、優れた画像品質の記録画像を得ることができる。
また本発明によれば、複数の前記発光装置を、各発光装置の各発光素子を直線状に配列して発光装置が形成されてもよい。例えば前記発光装置を感光体ドラムへの露光装置として用いるときには、配列される複数の発光装置の数は、感光体ドラムの露光すべき領域の幅に等しく選ばれる。複数の前記発光装置によって発光装置が形成されることによって、前記発光装置の数によって、配列される発光素子アレイの長さを容易に変更することができる。
また本発明によれば、画像情報に基づいて前記発光装置を駆動手段によって駆動して、発光装置からの光を集光手段によって、帯電した感光体ドラムに集光することによって、感光体ドラムは露光され、その表面に静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体ドラムに、現像剤供給手段によって現像剤を供給すると、感光体ドラムに現像剤が付着して画像が形成される。転写手段によって、感光体ドラムに現像剤によって形成された画像を記録シートに転写して、定着手段によって記録シートに転写された現像剤を定着させることによって、記録シートに画像が形成される。前記発光装置では、露光を行うための発光素子と、信号転送のためのスイッチ素子とが分離しているので、発光スイッチ素子の発光によって感光体ドラムが露光させることがないので、優れた品質の記録画像を得ることができる。また前記発光装置を用いて露光することによって、発光装置を実装するための回路基板を小型化することができ、露光装置の小型化および画像形成装置の小型化を図ることができる。
図1は、本発明の実施の一形態の発光装置10の基本的構成を示す一部の平面図である。なお同図は、各発光素子Lの光の出射方向を紙面に垂直手前側として配置された発光装置10の平面を示す。
発光装置10は、発光素子アレイ11と、発光信号伝送路Eと、スイッチ素子アレイ12と、走査信号伝送路Sと、走査スタート用スイッチ素子T0と、スタート信号伝送路Sと、絶縁層15と、遮光層16と、トリガ信号伝送路Gと、発光信号伝送路接続部Fと、走査信号伝送路接続部Hと、スタート信号伝送路接続部19と、トリガ信号検出用端子Kとを含んで構成される。これらは、基板21に集積されて形成され、発光体チップ20を構成する。
発光素子アレイ11は、複数の発光素子Lを含んで構成される。複数の発光素子Lは、相互に間隔をあけて配列され、本実施の形態では一列に配列される。本実施の形態における発光素子アレイ11は、複数の発光素子ブロックA1,A2,…,Ai−1,Ai(記号iは、2以上の整数)を有する。以後、発光素子ブロックA1,A2,…,Ai−1,Aiを総称する場合、および発光素子ブロックA1,A2,…,Ai−1,Aiのうち不特定のものを示す場合、単に発光素子ブロックAと記載する場合がある。配列方向Xの一方X1に発光素子ブロックA1が設けられ、配列方向Xの他方X2に発光素子ブロックAiが設けられる。
各発光素子ブロックAは、共通の発光信号伝送路Eに接続されるp(記号pは、2以上の整数)個の発光素子Lの群から成る。本実施の形態では、pが、p=2の場合、すなわち各発光素子ブロックAが、それぞれ2つの発光素子Lの群から成る場合について示す。発光素子アレイ11に含まれる発光素子Lの数は、後述する発光装置10を駆動する駆動回路における処理のbit数によって決定され、128個および256個などに選ばれる。
各発光素子Lは、配列方向Xにおいて相互に予め定める間隔W1をあけて配列される。発光装置10は、後述する画像形成装置87において感光体ドラム90を露光する露光装置として用いられる。発光素子Lは、露光用の発光素子である。本実施の形態では、各発光素子Lは、等間隔に配列され、かつ直線状に配列される。各発光素子Lの配列方向Xは、図1において左右方向である。以後、各発光素子Lの配列方向Xを、単に配列方向Xと記載する場合がある。各発光素子Lの光の出射方向に沿う方向を厚み方向Zとし、前記配列方向Xおよび厚み方向Zに垂直な方向を幅方向Yとする。発光素子Lは、600nm〜800nmの波長の光を発光可能に形成される。
発光素子Lは、P型半導体層とN型半導体層とが交互に積層されて構成されるPNPN構造を有する発光サイリスタによって実現される。発光素子Lは、逆阻止3端子サイリスタと同様な負性抵抗特性を有する。発光素子Lは、予め定める部位であるゲート17に、トリガ信号を与えることによって発光信号伝送路Eを介して与えられる発光信号φEの電圧よりもしきい電圧が低下し、かつ前記発光信号φEが与えられたとき、または発光信号φEの電流よりもしきい電流が低下し、かつ前記発光信号φEが与えられたとき発光する。発光信号φEの電圧とは、発光信号φEが与えられることによって、発光素子Lのアノードおよびカソード間に印加される電圧であり、発光信号φEの電流とは、発光信号φEが与えられることによって発光素子Lに与えられる電流である。発光素子Lのゲート17は、幅方向Yの他方Y2の端部に設けられる。
発光体チップ20は、厚み方向Zから見て矩形状に形成され、その長手方向は配列方向Xに沿う。発光素子Lは、発光体チップ20の幅方向Yの一方Y1の端部に形成される。発光素子Lの幅方向Yの一方Y1の端から、発光体チップ20の幅方向Yの一方Y1の端までの予め定める距離W3は、絶縁層15を設けるために必要な大きさに選ばれる。発光素子アレイ11は、幅方向Yにおいて発光体チップ20の一方Y1寄りの領域に設けられる。
発光信号伝送路Eは、各発光素子ブロックA毎に個別に接続される複数本の発光信号伝送路E1,E2,…,Ei−1,Eiを含んで構成され、相互に隣接する2つ以上の発光素子Lにそれぞれ接続されて、各発光素子Lに発光信号φEを伝送する。発光信号伝送路E1,E2,…,Ei−1,Eiを総称する場合、および発光信号伝送路E1,E2,…,Ei−1,Eiのうち不特定のものを示す場合、単に発光信号伝送路Eと記載する場合がある。発光信号伝送路Eiは、発光素子ブロックAiに含まれる各発光素子Lに接続される。発光信号伝送路Eiは、発光素子ブロックAiの各発光素子Lのアノードおよびカソードのいずれか一方に接続され、本実施の形態ではアノードに接続される。各発光信号伝送路Eは、各発光素子Lから幅方向Yの他方Y2に向かって延びる。
配列方向Xにおける各発光素子Lの間隔W1と、発光素子Lの配列方向Xの寸法W2とは、発光装置10が搭載される画像形成装置87において形成すべき画像の解像度によって決定され、例えば画像の解像度が600ドットパーインチ(dpi)の場合、前記間隔W1は、約24μm(マイクロメートル)に選ばれ、前記寸法W2は、約18μmに選ばれる。
発光信号伝送路Eは、金属材料および合金材料などの導電性を有する材料によって形成される。具体的には発光信号伝送路Eは、金(Au)、金とゲルマニウムとの合金(AuGe)、金と亜鉛との合金(AuZn)、ニッケル(Ni)およびアルミニウム(Al)などによって形成される。
各発光信号伝送路Eの幅方向Yの他方Y2の端部は、発光信号伝送路Eと外部からの信号伝送路とを接続するための発光信号伝送路接続部Fに接続される。発光信号伝送路接続部Fは、発光素子アレイ11に対して幅方向Yの他方Y2に近接して設けられ、発光素子Lから予め定める距離W4離間して設けられる。予め定める距離W4は、例えば、10μmに選ばれる。発光信号伝送路Eは、幅方向Yにおいて発光体チップ20の他方寄りの領域に設けられる。
発光信号伝送路接続部Fは、各発光信号伝送路Eと、外部からの信号伝送路を個別に接続するためのものであり、ボンディングパッドによって形成される。発光信号伝送路接続部Fは、各発光信号伝送路Eに個別に接続される発光信号伝送路接続部F1,F2,…,Fi−1,Fiを含んで構成される。発光信号伝送路接続部F1,F2,…,Fi−1,Fiを総称する場合、および発光信号伝送路接続部F1,F2,…,Fi−1,Fiのうち不特定のものを示す場合、単に発光信号伝送路接続部Fと記載する場合がある。発光信号伝送路接続部Fiは、発光信号伝送路Eiに接続される。各発光信号伝送路接続部Fは、厚み方向Zの一方Z1側から見た形状が、配列方向Xおよび幅方向Yに平行な辺を有する矩形状に形成される。各発光信号伝送路接続部Fは、配列方向Xに離間して形成される。発光信号伝送路接続部Fは、配列方向Xにおいて発光素子アレイ11の一方X1の端部よりも他方X2寄りで、かつ配列方向Xにおいて発光素子アレイ11の他方X2の端部よりも一方X1寄りに配置される。
発光信号伝送路接続部Fは、配列方向Xの寸法が、発光素子ブロックAの配列方向Xの寸法よりも小さく選ばれ、発光信号伝送路接続部Fの配列方向Xの寸法は、例えば100μmに選ばれ、幅方向Yの寸法は、例えば100μmに選ばれる。
発光信号伝送路接続部Fの幅方向Yの他方Y2の端と、発光体チップ20の幅方向Yの他方Y2の端とは、幅方向Yにおいて予め定める距離W5離間して設けられる。予め定める距離W5は、例えば、10μmに選ばれる。
スイッチ素子アレイ12は、複数のスイッチ素子T1,T2,…,Tj−1,Tj(記号jは、2以上の正の整数)を含んで構成される。以後、各スイッチ素子T1,T2,…,Tj−1,Tjを総称する場合、およびスイッチ素子T1,T2,…,Tj−1,Tjのうち不特定のものを示す場合、単にスイッチ素子Tと記載する場合がある。各スイッチ素子Tは、配列方向Xに沿って、隣接するスイッチ素子Tからの光を受光するように相互に予め定める間隔W6をあけて等間隔に配列される。スイッチ素子Tは、言い換えればスイッチ用の発光素子である。本実施の形態では、jが、j=4の場合について説明する。また、本実施の形態では、配列方向Xの他方X2の側にスイッチ素子T1が設けられている例によって説明する。
スイッチ素子アレイ12は、配列方向Xにおいて発光素子アレイ11に隣接した領域90に、各スイッチ素子Tが配列方向Xに沿って配列されて設けられる。スイッチ素子アレイ12は、発光素子アレイ11の配列方向Xの一方X1および他方X2の少なくともいずれか一方に設けられ、本実施の形態では、発光素子アレイ11の前記配列方向Xの一方X1にのみ設けられる。各スイッチ素子Tの配列方向は、各発光素子Lの配列方向Xと同じである。スイッチ素子アレイ12は、発光体チップ20の幅方向Yの一方Y1寄りの領域に設けられる。
発光素子アレイ11と、スイッチ素子アレイ12とは、配列方向Xに予め定める距離W7離間して設けられる。予め定める距離W7は、例えば、50μm〜500μmに選ばれる。
走査スタート用スイッチ素子T0は、スイッチ素子アレイ12の配列方向Xの一方X1または他方X2に設けられ、隣接するスイッチ素子Tに光を照射するように設けられる。本実施の形態では、スイッチ素子アレイ12の配列方向Xの他方Y2の端部にスイッチ素子T1が設けられるので、走査スタート用スイッチ素子T0は、スイッチ素子アレイ12の配列方向Xの他方Y2に設けられる。走査スタート用スイッチ素子T0は、配列方向Xにおいてスイッチ素子T1から予め定める間隔W6をあけて設けられ、発光素子アレイ11に離間して設けられる。走査スタート用スイッチ素子T0は、スイッチ素子Tと同様な構成を有する。
スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0は、P型半導体層とN型半導体層とが交互に積層されて構成されるPNPN構造を有する発光サイリスタによって実現される。スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0は、逆阻止3端子サイリスタと同様な負性抵抗特性を有する。スイッチ素子Tは、隣接するスイッチ素子Tまたは走査スタート用スイッチ素子T0からの光を受光することによって予め定める部位であるゲート18にトリガ信号を発生して、走査信号伝送路Sを介して与えられる走査信号φの電圧よりもしきい電圧が低下した状態で、かつ前記走査信号φが与えられたとき、または走査信号φの電流よりもしきい電流が低下した状態で、かつ前記走査信号φが与えられたとき発光する。走査信号φの電圧とは、走査信号φが与えられることによって、スイッチ素子Tのアノードおよびカソード間に印加される電圧であり、走査信号φの電流とは、走査信号φが与えられることによってスイッチ素子Tに与えられる電流である。
発光素子アレイ11の各発光素子Lと、スイッチ素子アレイ12の各スイッチ素子Tと、走査スタート用スイッチ素子T0とは、各発光素子Lの少なくとも一部分と、各スイッチ素子Tの少なくとも一部分と、走査スタート用スイッチ素子T0の少なくとも一部分とが、配列方向Xに沿って直線状に並ぶように設けられる。本実施の形態では、各スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0の幅方向Yの一方Y1側の端部は、発光素子Lの幅方向Yの他方Y2側の端部よりも幅方向Yの一方Y1の側となり、スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0の幅方向Yの他方Y2側の端部は、発光素子Lの幅方向Yの他方Y2側の端部よりも幅方向Yの他方Y2の側となるように、各発光素子Lと各スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0とが設けられる。
スイッチ素子アレイ12の配列方向Xの一方X1側の端、すなわちスイッチ素子T4の配列方向Xの一方X1側の端と、発光体チップ20の配列方向Xの一方X1側の端との距離W8は、絶縁層15および遮光層16を設けるために必要な大きさに選ばれる。
走査信号伝送路Sは、各スイッチ素子Tにそれぞれ接続され、配列方向Xに隣接するスイッチ素子T毎に、異なるタイミングで与えられる走査信号φを伝送する。本実施の形態において、走査信号伝送路Sは、第1走査信号伝送路S1、第2走査信号伝送路S2および第3走査信号伝送路S3を含んで構成される。第1走査信号伝送路S1は、走査信号φ1を伝送し、第2走査信号伝送路S2は、走査信号φ2を伝送し、第3走査信号伝送路S3は、走査信号φ3を伝送する。第1、第2および第3走査信号伝送路S1,S2,S3を総称する場合、および第1、第2および第3走査信号伝送路S1,S2,S3のうち不特定のものを示す場合、単に走査信号伝送路Sと記載し、走査信号φ1,φ2,φ3を総称する場合、および走査信号φ1,φ2,φ3のうち不特定のものを示す場合、単に走査信号φと記載する場合がある。走査信号伝送路Sは、金(Au)、金とゲルマニウムとの合金(AuGe)、金と亜鉛との合金(AuZn)、ニッケル(Ni)およびアルミニウム(Al)などによって形成される。
各スイッチ素子Tは、厚み方向Zの一方Z1側の端部、すなわち図1の紙面に垂直な方向手前側に、表面電極50を有する。第1、第2および第3走査信号伝送路S1,S2,S3は、各スイッチ素子T1〜T4の表面電極50に順次1つずつ接続され、配列されるスイッチ素子Tに沿って、それぞれが3つおきにスイッチ素子Tに接続される。すなわち、第1走査信号伝送路S1は、スイッチ素子T1,T4に接続され、第2走査信号伝送路S2は、スイッチ素子T2に接続され、第3走査信号伝送路S3は、スイッチ素子T3に接続される。スイッチ素子Tのうち、所定のスイッチ素子Tと、前記所定のスイッチ素子Tの配列方向Xの一方X1側に隣接するスイッチ素子Tと、前記所定のスイッチ素子Tの配列方向Xの他方X2側に隣接するスイッチ素子Tとは、それぞれ異なる走査信号伝送路Sに接続される。
各走査信号伝送路Sは、走査信号伝送路接続部Hに接続される。走査信号伝送路接続部Hは、スイッチ素子アレイ12の幅方向Yの他方Y2側に、各スイッチ素子Tに近接して設けられる。走査信号伝送路接続部Hは、走査信号伝送路Sと、外部からの信号伝送路を個別に接続するためのものであり、ボンディングパッドによって形成される。走査信号伝送路接続部Hは、第1〜第3走査信号伝送路S1,S2,S3に個別に接続される第1〜第3走査信号伝送路接続部H1,H2,H3を含んで構成される。第1〜第3走査信号伝送路接続部H1,H2,H3を総称する場合、および第1〜第3走査信号伝送路接続部H1,H2,H3のうち不特定のものを示す場合、単に走査信号伝送路接続部Hと記載する場合がある。各走査信号伝送路接続部Hは、発光信号伝送路接続部Fと同様な大きさおよび形状を有する。配列方向Xの他方X2から一方X1に向かって第1走査信号伝送路接続部H1、第2走査信号伝送路接続部H2および第3走査信号伝送路接続部H3は、この順番に並ぶ。走査信号伝送路接続部Hは、発光体チップ20の幅方向Yの他方Y2寄りの領域に設けられる。
走査信号伝送路接続部Hと、発光信号伝送路接続部Fとは配列方向Xに配列される。各走査信号伝送路接続部Hの幅方向Yの一方Y1の端部と、発光信号伝送路接続部Fの幅方向Yの一方Y1の端部とは、配列方向Xに揃えて設けられる。第1〜第3走査信号伝送路接続部H1,H2,H3は、配列方向Xに相互に予め定める間隔W9をあけて形成される。予め定める間隔W9は、走査信号伝送路接続部Hがショートせず、かつ走査信号伝送路接続部Hの形成領域が大きくなり過ぎないように選ばれ、例えば10μm以上20μm未満に選ばれる。走査信号伝送路接続部Hは、スイッチ素子アレイ12の配列方向Xの一方X1の端部よりも、発光体チップ20において配列方向Xの他方X2寄りに設けられる。
発光信号伝送路接続部Fおよび走査信号伝送路接続部Hが、発光素子アレイ11およびスイッチ素子アレイ12の幅方向Yの他方Y2で、発光素子アレイ11およびスイッチ素子アレイ12に前述したように近接し、発光体チップ20の幅方向Yの他方Y2寄りの領域に、配列方向Xに沿って配列されるので、発光信号伝送路Eおよび走査信号伝送路Sを短く形成して、装置の複雑化および装置の大型化を抑制し、かつ伝送路におけるノイズの重畳を抑制することができるとともに、さらに外部からの信号伝送路を同じ向きから接続することができるので、外部からの信号伝送路との接続の作業性が向上する。
前記走査スタート用スイッチ素子T0は、厚み方向Zの一方Z1の端部、すなわち図1の紙面に垂直な方向手前側に、表面電極51を有する。走査スタート用スイッチ素子T0の表面電極51には、スタート信号伝送路Sの一端部が接続される。スタート信号伝送路Sの他端部は、スタート信号伝送路接続部19に接続される。スタート信号伝送路接続部19は、配列方向Xにおいて、走査信号伝送路接続部Hと発光信号伝送路接続部Fとの間に、これら走査信号伝送路接続部Hと発光信号伝送路接続部Fとに離間して設けられ、走査信号伝送路接続部Hおよび発光信号伝送路接続部とともに配列方向Xに配列される。スタート信号伝送路接続部19は、スタート信号伝送路Sと、外部からの信号伝送路を接続するためのものであり、ボンディングパッドによって形成される。スタート信号伝送路接続部19は、各発光信号伝送路接続部Fおよび各走査信号伝送路接続部Hと、同様な大きさおよび形状を有する。スタート信号伝送路接続部19は、各発光信号伝送路接続部Fおよび各走査信号伝送路接続部Hと、幅方向Yの一方Y1側の端部を、配列方向Xに揃えて設けられる。スタート信号伝送路接続部19と、第1走査信号伝送路接続部H1とは、前述した予め定める間隔W9離間する。
発光信号伝送路Sおよびスタート信号伝送路Sは、抵抗成分Rφをそれぞれ含んで形成される。抵抗成分Rφは、発光信号伝送路Sおよびスタート信号伝送路Sにおいて、例えば、その伝送路の一部における電流の流路の断面積を小さくすることによって形成される。
トリガ信号伝送路Gは、各発光素子Lの予め定める部位であるゲート17と、各スイッチ素子Tの予め定める部位であるゲート18とを接続し、スイッチ素子Tから発光素子Lにトリガ信号を伝送する。スイッチ素子Tjには、トリガ信号伝送路Gjが接続される。すなわちスイッチ素子T1には、トリガ信号伝送路G1が接続され、スイッチ素子T2には、トリガ信号伝送路G2が接続され、スイッチ素子T3にはトリガ信号伝送路G3が接続され、スイッチ素子T4にはトリガ信号伝送路G4が接続される。スイッチ素子Tでは、幅方向Yの一方Y1の端部でトリガ信号伝送路Gがスイッチ素子Tのゲート18に接続され、トリガ信号伝送路Gは、スイッチ素子Tのゲート18から幅方向Yの一方Y1に延び、屈曲して配列方向Xの他方X2に、配列方向Xに沿って延びる。スイッチ素子Tの幅方向Yの一方Y1の端から、発光体チップ20の幅方向Yの一方Y1の端までの予め定める距離W10は、複数本のトリガ信号伝送路Gを設けることができる大きさに選ばれる。トリガ信号伝送路Gは、走査スタート用スイッチ素子T0と発光素子アレイ11との間で幅方向Yの他方Y2に屈曲し、さらに発光素子Lのゲート17に積層されるように配列方向Xに屈曲して配列方向Xに沿って、発光素子アレイ11の配列方向Xの他方X2まで延びる。各トリガ信号伝送路Gは、相互に重ならないように、かつショートしないように相互に離間して形成される。隣接するトリガ信号伝送路G間の距離は、例えば5μmに選ばれる。
トリガ信号伝送路G1は、発光素子ブロックAiのうち、iが奇数となるブロック(発光素子ブロックA1,A3,…)の配列方向Xの一方X1の発光素子Lのゲート17に接続される。トリガ信号伝送路G2は、発光素子ブロックAiのうち、iが偶数となるブロック(発光素子ブロックA2,A4,…)の配列方向Xの一方X1の発光素子Lのゲート17に接続される。トリガ信号伝送路G3は、発光素子ブロックAiのうち、iが奇数となるブロック(発光素子ブロックA1,A3,…)の配列方向Xの他方X2の発光素子Lのゲート17に接続される。トリガ信号伝送路G4は、発光素子ブロックAiのうち、iが偶数となるブロック(発光素子ブロックA2,A4,…)の配列方向Xの他方X2の発光素子Lのゲート17に接続される。このようにトリガ信号伝送路Gを発光素子Lのゲート17に接続することによって、発光状態にあるスイッチ素子Tの両側に隣接するスイッチ素子Tが受光によってトリガ信号を発生したとしても、これらトリガ信号を発生したスイッチ素子Tにトリガ信号伝送路Gを介して接続される発光素子Lは、異なる発光信号伝送路Eにそれぞれ接続されることになるので、発光すべき発光素子のみを発光させ、誤発光を抑制することができる。
前述した発光素子Lおよびスイッチ素子Tならびに基板21の厚み方向Zの一方Z1側の表面は、透光性を有し、かつ電気絶縁性を有する絶縁層15によって覆われる。
発光素子Lのゲート17は、発光素子Lにおいて幅方向Yの他方Y2の側の端部に設けられる。トリガ信号伝送路Gは、発光素子アレイ11が形成される部分において、各発光素子Lのゲート17に絶縁層15の一部を介して積層されて、配列方向Xに直線状に延びる。発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19は、絶縁層15に積層して形成され、基板21と電気的に絶縁される。
トリガ信号伝送路Gは、発光素子アレイ11の配列方向Xの他方X2側まで延び、発光体チップ20の配列方向Xの他方X2側の端部で、幅方向Yの他方Y2側に屈曲して、信号検出用端子Kに接続される。信号検出用端子Kは、トリガ信号伝送路G1,G2,G3,G4に個別に接続される信号検出用端子K1,K2,K3,K4を含んで構成される。信号検出用端子K1,K2,K3,K4は、配列方向Xに沿って配列される。信号検出用端子K1,K2,K3,K4を総称する場合、および信号検出用端子K1,K2,K3,K4のうち不特定のものを示す場合、単に信号検出用端子Kと記載する場合がある。信号検出用端子Kは、厚み方向Zの一方Z1側から見て矩形状に形成され、配列方向Xに沿って相互に予め定める間隔W11をあけて配列される。予め定める間隔W11は、信号検出用端子K1,K2,K3,K4が相互に電気的に絶縁状態を保持することができる距離に選ばれ、例えば10μm以上20μm未満に選ばれる。信号検出用端子Kは、発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19よりも小さく形成され、配列方向Xの寸法は、例えば50μmに選ばれ、幅方向Yの寸法は、例えば50μmに選ばれる。信号検出用端子Kの幅方向Yの他方Y2の端部と、発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19の幅方向Yの他方Y2の端部と、配列方向Xに揃えて設けられる。信号検出用端子Kは、絶縁層15に積層して設けられる。
信号検出用端子K1,K2,K3,K4は、配列方向Xの一方X1から他方X2に向かって、この順番で配列される。信号検出用端子K1にはトリガ信号伝送路G1が接続され、信号検出用端子K2にはトリガ信号伝送路G2が接続され、信号検出用端子K3にはトリガ信号伝送路G3が接続され、信号検出用端子K4にはトリガ信号伝送路G4が接続されることによって、各トリガ信号伝送路Gが相互に重なってしまうことがない。信号検出用端子K1は、配列方向Xにおいて発光信号伝送路接続部Fiに予め定める距離W12離間して形成される。予め定める距離W12は、信号検出用端子K1と発光信号伝送路接続部Fiとがショートしないように選ばれ、例えば10μm以上20μm未満に選ばれる。また信号検出用端子K4の配列方向Xの他方X2の端から、発光体チップ20の配列方向Xの他方X2の端までの距離W13は、前記予め定める距離W8と等しく選ばれる。
遮光層16は、各スイッチ素子Tの厚み方向Zの一方側、すなわち各スイッチ素子Tの図1の紙面に垂直手前側から、各スイッチ素子Tを覆い、発光素子Lが発する光に、スイッチ素子Tが発する光が干渉しないように、スイッチ素子Tが発する光を遮光する。
図2は、図1のa1,a2,a3およびa4によって外囲される部分を拡大して示す平面図である。なお、同図において、トリガ信号伝送路Gおよび発光素子Lのゲート17は図解を容易にするため、斜線を付して示されている。発光素子Lは、発光信号φEが与えられることによって発光可能な発光部分60と、トリガ信号伝送路Gが接続される伝送路接続部分61とを有する。発光素子Lのうち、幅方向Yの一方Y1側の端部に発光部分60が形成され、発光部分60の幅方向Yの他方Y2側に伝送路接続部分61が連なる。
発光信号伝送路Eは、発光素子ブロックAの各発光素子Lに個別に連なる個別接続部63と、同じ発光素子ブロックAに含まれる発光素子Lに接続される個別接続部63に共通に接続される共通接続部64とを有する。
個別接続部63は、厚み方向Zの一方Z1側から見て、発光部分60の中央部から伝送路接続部分61の発光部分60寄りの領域まで延びる。素子接続部63の幅方向Yの他方Y2側の端部は、共通接続部64に接続される。共通接続部64は、発光部分60から幅方向Yの他方Y2に離間するように設けられている。共通接続部分64は、厚み方向Zの一方Z1側から見て矩形状に形成される。共通接続部64の幅方向Yの寸法は、隣接する発光素子L間の距離W1よりも大きく選ばれ、また隣接する共通接続部64と離間するように選ばれる。
図3は、図2の切断面線I−Iから見た発光装置10の基本的構成を示す一部の断面図である。発光素子Lは、基板21の厚み方向Zの一表面21a上に形成される第1の一方導電型半導体層22、第1の他方導電型半導体層23、第2の一方導電型半導体層24および第2の他方導電型半導体層25を含んで構成される。発光素子Lの幅方向Yに垂直な断面は、略矩形状に形成される。
基板21は、本実施の形態では、一方導電型の半導体基板である。基板21の厚み方向Zの他表面21b上には、裏面電極26が形成される。裏面電極26は、基板21の厚み方向Zの他表面21bの全面にわたって形成される。裏面電極26は、金属材料および合金材料などの導電性を有する材料によって形成される。具体的には裏面電極26は、金(Au)、金とゲルマニウムとの合金(AuGe)および金と亜鉛との合金(AuZn)などによって形成される。裏面電極26は、各発光素子Lにおいて共通の電極として用いられる。
発光素子Lは、基板21の厚み方向Zの一表面21a上に、第1の一方導電型半導体層22が積層され、第1の一方導電型半導体層22の厚み方向Zの一表面22a上に第1の他方導電型半導体層23が積層され、第1の他方導電型半導体層23の厚み方向Zの一表面23a上に第2の一方導電型半導体層24が積層され、第2の一方導電型半導体層24の厚み方向Zの一表面24a上に第2の他方導電型半導体層25が積層され、第2の他方導電型半導体層25の厚み方向Zの一表面25a上にオーミックコンタクト層27が積層されて構成される。
さらに具体的には、基板21は、III−V族化合物半導体およびII−VI族化合物半導体などの結晶成長が可能な半導体基板であり、例えば、ガリウム砒素(GaAs)、インジウムリン(InP)、ガリウムリン(GaP)、シリコン(Si)およびゲルマニウム(Ge)などの半導体材料によって形成される。
第1の一方導電型半導体層22は、ガリウム砒素(GaAs)、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびインジウムガリウムリン(InGaP)などの半導体材料によって形成される。第1の一方導電型半導体層22のキャリア密度は、1×1018cm−3程度のものが望ましい。
第1の他方導電型半導体層23は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料によって形成される。第1の他方導電型半導体層23を形成する半導体材料には、第1の一方導電型半導体層22を形成する半導体材料のエネルギーギャップと同じ、もしくは第1の一方導電型半導体層22を形成する半導体材料のエネルギーギャップよりもエネルギーギャップが小さいものが選ばれる。第1の他方導電型半導体層23のキャリア密度は1×1017cm−3程度のものが望ましい。
第2の一方導電型半導体層24は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料によって形成される。第2の一方導電型半導体層24を形成する半導体材料には、第1の他方導電型半導体層23を形成する半導体材料のエネルギーギャップと同じ、もしくは第1の他方導電型半導体層23を形成する半導体材料のエネルギーギャップよりもエネルギーギャップが小さいものが選ばれる。第2の一方導電型半導体層24のキャリア密度は、1×1018cm−3程度のものであることが望ましい。第2の一方導電型半導体層24は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料によって形成することによって、高い内部量子効率を得ることができる。
第2の他方導電型半導体層25は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料によって形成される。第2の他方導電型半導体層25を形成する半導体材料には、第1の他方導電型半導体層23および第2の一方導電型半導体層24を形成する半導体材料のエネルギーギャップと同じ、もしくは第1の他方導電型半導体層23および第2の一方導電型半導体層24を形成する半導体材料のエネルギーギャップよりもエネルギーギャップが大きいものが選ばれる。第2の他方導電型半導体層25のキャリア密度は、1×1018cm−3程度のものであることが望ましい。
オーミックコンタクト層27は、ガリウム砒素(GaAs)およびインジウムガリウムリン(InGaP)などの半導体材料によって形成される他方導電型の半導体層であり、発光信号伝送路Gとのオーミック接合を行うためのものである。オーミックコンタクト層27のキャリア密度は1×1019cm−3以上のものが望ましい。
第1の一方導電型半導体層22、第1の他方導電型半導体層23、第2の一方導電型半導体層24、第2の他方導電型半導体層25およびオーミックコンタクト層27が積層された積層体は、絶縁層15によって覆われる。絶縁層15は、第1絶縁層15aおよび第2絶縁層15bを含んで構成される。第1絶縁層15aは前記積層体を覆い、第2絶縁層15bは第1絶縁層15aを覆って設けられる。絶縁層15は、電気絶縁性および透光性ならびに平坦性を有する樹脂材料によって形成される。絶縁層15は、ポリイミドおよびベンゾシクロブテン(BCB)などによって形成される。各発光素子Lの間には、第1絶縁層15aが設けられ、発光素子L同士が絶縁される。
オーミックコンタクト層27の厚み方向Zの一表面27aには、発光信号伝送路Eの個別接続部63が接続される。第1絶縁層15aのうち、オーミックコンタクト層27の厚み方向Zの一表面27a上に形成される部分には、貫通孔29が形成され、この貫通孔29を介して、個別接続部63がオーミックコンタクト層27に接触している。前記貫通孔29は、発光素子Lの配列方向Xの中央で、かつ発光素子Lの発光部分60の幅方向Yの中央が第1絶縁層15aから露出するように形成されており、発光信号伝送路Eからの電流を、発光素子Lの発光部分60の中央部に効率的に供給して、発光させることができる。発光素子Lでは、主に第2の一方導電型半導体層24と、第2の他方導電型半導体層25との界面付近で、第2の一方導電型半導体層24寄りの領域において光が発生する。
発光信号伝送路Eの個別接続部63の配列方向Xの寸法W14は、発光素子Lの配列方向Xの寸法W2の1/3以下に形成される。個別接続部63は、発光素子Lの光の出射方向の一部を覆うが、寸法W14を前述したように選ぶことによって、発光素子Lから発せられ、厚み方向一方Z1に向かう光を、遮ってしまうことを抑制する。個別接続部63は、第2絶縁層15bによって覆われる。これによって個別接続部63の露出を防止し、また剥離および腐食を抑制することができる。
図4は、図2の切断面線II−IIから見た発光装置10の基本的構成を示す一部の断面図である。図5は、図2の切断面線III−IIIから見た発光装置10の基本的構成を示す一部の断面図である。発光素子Lの第1の一方導電型半導体層22と、第1の他方導電型半導体層23と、第2の一方導電型半導体層24との幅方向Yの他方Y2の端部は、第2の他方導電型半導体層25と、オーミックコンタクト層27との幅方向Yの他方Y2の端部よりも、幅方向Yの他方Y2に突出し、伝送路接続部分61を構成する。発光部分60および伝送路接続部分61は、ともに略直方体形状を有する。
発光信号伝送路Eの個別接続部63は、第1絶縁層15a上に積層され、発光部分60から伝送路接続部分61の発光部分60寄りの領域まで延びて、伝送路接続部分61に第1絶縁層15aを介して積層される。
各発光素子Lの伝送路接続部分61は、発光部分60から幅方向Yの他方Y2側に、少なくともそれぞれが接続されるべきトリガ信号伝送路Gが形成される位置まで延びる。各発光素子Lの伝送路接続部分61を覆って形成される第1絶縁層15aの厚み方向Zの一表面上には、トリガ信号伝送路Gが積層される。個別接続部分63の幅方向Yの他方Y2側の端部と、トリガ信号伝送路Gとは、幅方向Yに離間して形成される。第2の一方導電型半導体層24の伝送路接続部分61を構成する部分24Bの厚み方向Zの一表面24Baには、ゲート信号伝送路Gが接続される。第1絶縁層15aのうち、第2の一方導電型半導体層24の伝送路接続部分61を構成する部分24Bの厚み方向Zの一表面24Baには、貫通孔32が形成される。この貫通孔32を介してゲート信号伝送路G1〜G4のうちのいずれか1つが第2の一方導電型半導体層24に接触する。ここでは発光素子L1について示しているので、ゲート信号伝送路G1が接続される。本実施の形態では、幅方向Yの他方Y2側から一方Y1側に向かって、トリガ信号伝送路G1、トリガ信号伝送路G2、トリガ信号伝送路G3およびトリガ信号伝送路G4がこの順番で配置される。
トリガ信号伝送路Gは、第2絶縁層15bによって覆われる。これによってトリガ信号伝送路Gの露出を防止して、剥離および腐食が抑制される。第2絶縁層15bのうち、伝送路接続部分61上の個別接続部63に積層される部分には、貫通孔33が形成される。貫通孔33を介して共通接続部64と個別接続部63とが接触する。共通接続部64は、第2絶縁層15bに積層して形成される。第2絶縁層15bによって発光信号伝送路Eとトリガ信号伝送路Gと絶縁して設けることができる。
図6は、図1の切断面線IV−IVから見た発光装置10の基本的構成を示す一部の断面図である。配列方向Xにおける各スイッチ素子Tの予め定める間隔W6は、製造工程における制限を受けるので、スイッチ素子Tの厚み方向Zの高さの2倍以上に形成されるが、20μm未満に選ばれ、好ましくは10μm以下に選ばれる。例えばスイッチ素子Tの高さを約4μmとすると、前記間隔W6は8μm程度に選ばれる。前記予め定める間隔W6が20μm以上になると、隣接するスイッチ素子Tからの光の伝送効率が大きく低下してしまう。スイッチ素子Tの配列方向Xの寸法W15は、前記配列方向Xの各発光素子Lの寸法W2と等しく選ばれる。
スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0は、基板21の厚み方向Zの一表面21a上に、第1の一方導電型半導体層42が積層され、第1の一方導電型半導体層42の厚み方向Zの一表面42a上に第1の他方導電型半導体層43が積層され、第1の他方導電型半導体層43の厚み方向Zの一表面43a上に第2の一方導電型半導体層44が積層され、第2の一方導電型半導体層44の厚み方向Zの一表面44a上に第2の他方導電型半導体層45が積層されて構成される。そして、第2の他方導電型半導体層45の厚み方向Zの一表面45a上にはオーミックコンタクト層47が積層され、オーミックコンタクト層47の厚み方向Zの一表面47a上に、スイッチ素子Tの場合は表面電極50が形成され、走査スタート用スイッチ素子T0の場合は表面電極51が積層されて構成される。第1の一方導電型半導体層42、第1の他方導電型半導体層43、第2の一方導電型半導体層44、第2の他方導電型半導体層45、オーミックコンタクト層47の積層体は、略直方体形状を有する。
特にスイッチ素子Tの第1の一方導電型半導体層42、第1の他方導電型半導体層43、第2の一方導電型半導体層44、第2の他方導電型半導体層45およびオーミックコンタクト層47の各半導体層を構成する半導体材料のエネルギーギャップおよびキャリア密度は、スイッチ素子Tの受光感度、および外部への光の取り出し効率、ならびに発光効率を高めるように設計することが好ましい。
第1の一方導電型半導体層42は、ガリウム砒素(GaAs)、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびインジウムガリウムリン(InGaP)などの半導体材料によって形成される。第1の一方導電型半導体層42のキャリア密度は、1×1018cm−3程度のものが望ましい。
第1の他方導電型半導体層43は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料によって形成される。第1の他方導電型半導体層43を形成する半導体材料には、第1の一方導電型半導体層42を形成する半導体材料のエネルギーギャップと同じ、もしくは第1の一方導電型半導体層42を形成する半導体材料のエネルギーギャップよりもエネルギーギャップが小さいものが選ばれる。第1の他方導電型半導体層43のキャリア密度は1×1017cm−3程度のものが望ましい。
第2の一方導電型半導体層44は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料によって形成される。第2の一方導電型半導体層44を形成する半導体材料には、第1の他方導電型半導体層43を形成する半導体材料のエネルギーギャップと同じ、もしくは第1の他方導電型半導体層43を形成する半導体材料のエネルギーギャップよりもエネルギーギャップが小さいものが選ばれる。第2の一方導電型半導体層44のキャリア密度は、第1の一方導電型半導体層42、第1の他方導電型半導体層43、第2の一方導電型半導体層44および第2の他方導電型半導体層45の全層の中で最も小さく1×1016cm−3〜1×1017cm−3程度のものであることが望ましい。第2の一方導電型半導体層44は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料によって形成することによって、高い内部量子効率を得ることができる。
第2の他方導電型半導体層45は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料によって形成される。第2の他方導電型半導体層45を形成する半導体材料には、第1の他方導電型半導体層43および第2の一方導電型半導体層44を形成する半導体材料のエネルギーギャップと同じ、もしくは第1の他方導電型半導体層43および第2の一方導電型半導体層44を形成する半導体材料のエネルギーギャップよりもエネルギーギャップが大きいものが選ばれる。第2の他方導電型半導体層45のキャリア密度は、1×1018cm−3程度のものであることが望ましい。
オーミックコンタクト層47は、ガリウム砒素(GaAs)およびインジウムガリウムリン(InGaP)などの半導体材料によって形成される他方導電型の半導体層であり、表面電極50とのオーミック接合を行うためのものである。オーミックコンタクト層47のキャリア密度は1×1019cm−3以上のものが望ましい。
スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0の第1の一方導電型半導体層42と、発光素子Lの第1の一方導電型半導体層22とは、同じ半導体材料によって形成され、厚みが等しく形成される。またスイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0の第1の他方導電型半導体層43と、発光素子Lの第1の他方導電型半導体層23とは、同じ半導体材料によって形成され、厚みが等しく形成される。またスイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0の第2の一方導電型半導体層44と、発光素子Lの第2の一方導電型半導体層24とは、同じ半導体材料によって形成され、厚みが等しく形成される。またスイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0の第2の他方導電型半導体層45と、発光素子Lの第2の他方導電型半導体層25とは、同じ半導体材料によって形成され、厚みが等しく形成される。またスイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0のオーミックコンタクト層47と、発光素子Lのオーミックコンタクト層27とは、同じ半導体材料によって形成され、厚みが等しく形成される。
スイッチ素子Tでは、第2の一方導電型半導体層44および第2の他方導電型半導体層45によって主として光を発生する発光部が形成され、第1の一方導電型半導体層42と第1の他方導電型半導体層43と第2の一方導電型半導体層44とによって主として受光する受光部、言い換えればフォトトランジスタ部が形成される。図6の矢符で示すように、スイッチ素子Tは、第2の一方導電型半導体層44および第2の他方導電型半導体層45の界面付近で、第2の一方導電型半導体層44寄りの領域から主に発光する。また第1の一方導電型半導体層42および第1の他方導電型半導体層43の界面付近でもわずかに発光する。スイッチ素子Tは、光を全方向に放射する。
スイッチ素子Tの第1の他方導電型半導体層43の厚みは、50Å〜1000Åに選ばれる。このように第1の他方導電型半導体層43の厚みを選ぶことによって、第1の一方導電型半導体層42と第1の他方導電型半導体層43と第2の一方導電型半導体層44とによって形成されるフォトトランジスタ部の電流増幅率が大きくなり、効率よく外部からの光を受光することができる。
スイッチ素子Tのオーミックコンタクト層47の厚み方向Zの一表面47a上には、表面電極50がオーミック接合されて設けられ、走査スタート用スイッチ素子T0のオーミックコンタクト層47の厚み方向Zの一表面47a上には、表面電極51がオーミック接合されて設けられる。スイッチ素子Tの表面電極50は、オーミックコンタクト層47の厚み方向Zの一表面47aの周縁部を除き、走査方向の下流側寄り、言い換えれば配列方向Xの一方X1寄りに、一表面47aの面積の約半分の領域に形成される。このように表面電極50を形成することによってスイッチ素子Tの各半導体層への電界を均一化して、スイッチ素子Tから放射される光の発光強度を増加させることができるとともに、配列方向Xの他方X2に隣接する走査スタート用スイッチ素子T0またはスイッチ素子T1〜T3から出射され、遮光層16によって反射されて厚み方向一方Z1から到来する光を、各半導体層により多く入射させることができる。したがって、スイッチ素子Tの走査方向の下流側である配列方向Xの一方X1では、表面電極50によって光を反射することによって、配列方向Xの一方X1のスイッチ素子T2〜T4により強い光を与えることができ、スイッチ素子Tの走査方向の上流側である配列方向Xの他方X2では、表面電極50が形成されていないので、遮光層16によって反射して、厚み方向Zの一方Z1から到来する光を効率よく受光することができる。走査スタート用スイッチ素子T0の表面電極51は、オーミックコンタクト層47の厚み方向Zの一表面47aの周縁部を除く、一表面47aの全面にわたって形成される。表面電極50,51は、金属材料および合金材料などの導電性を有する材料によって形成される。具体的には表面電極50,51は、金(Au)、金とゲルマニウムとの合金(AuGe)および金と亜鉛との合金(AuZn)などによって形成される。
第1の一方導電型半導体層42、第1の他方導電型半導体層43、第2の一方導電型半導体層44、第2の他方導電型半導体層45、オーミックコンタクト層47および表面電極50,51は、絶縁層15によって覆われ、隣接するスイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0と電気的に絶縁される。前述したように絶縁層15は、透光性を有するので、スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0が発光すると、この光は絶縁層15を透過して、配列方向Xに隣接するスイッチ素子Tに入射する。絶縁層15は、スイッチ素子Tおよび発光素子Lが発する波長の光の95%以上を透過する樹脂材料によって形成される。
絶縁層15を平坦性を有する樹脂材料によって形成することによって、絶縁層15を形成するときに、各スイッチ素子Tの間、およびスイッチ素子Tと走査スタート用スイッチ素子T0の間にも樹脂材料を充填して、絶縁層15を各スイッチ素子Tの間およびスイッチ素子Tと走査スタート用スイッチ素子T0の間に確実に形成することができる。絶縁層15は、樹脂材料をスピンコート法などによって塗付し、この樹脂材料を硬化させて形成される。
絶縁層15を、ポリイミドおよびベンゾシクロブテン(BCB)などによって形成することによって、前記予め定める間隔W6を前述のように選んでも、この空隙に絶縁層15を確実に形成することができ、また第1の一方導電型半導体層42、第1の他方導電型半導体層43、第2の一方導電型半導体層44、第2の他方導電型半導体層45、オーミックコンタクト層47、表面電極50,51および基板21に絶縁層15を密着して形成することができる。絶縁層15が、スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0の表面から剥離してしまうと、この剥離した部分の界面によって、光が反射されてしまい、隣接するスイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0からの光の受光量が低下してしまうおそれがあるが、このような問題が発生しない。
スイッチ素子T1〜T4の表面電極50の厚み方向Zの一表面50aには、第1〜第3走査信号伝送路S1,S2,S3のうちのいずれか1つが前述したように接続され、走査スタート用スイッチ素子T0の表面電極51の厚み方向Zの一表面51aには、スタート信号伝送路Sが接続される。絶縁層15の第1絶縁層15aのうち、表面電極50の厚み方向Zの一表面50a上に形成される部分には、貫通孔52が形成され、この貫通孔52を介して、表面電極50と第1〜第3走査信号伝送路S1,S2,S3のうちのいずれか1つとが接続される。絶縁層15の第1絶縁層15aのうち、表面電極51の厚み方向Zの一表面51a上に形成される部分には、貫通孔53が形成され、この貫通孔53を介して、表面電極51とスタート信号伝送路Sとが接続される。走査信号伝送路Sは、スイッチ素子Tの厚み方向Zの一方Z1側では、幅方向Yに沿って延びる。またスタート信号伝送路Sは、スイッチ素子T0の厚み方向Zの一方Z1側では、配列方向Xに沿って延びる。
スタート信号伝送路S、および第1〜第3走査信号伝送路S1,S2,S3の大部分は、第2絶縁層15bによって覆われ、これによってスタート信号伝送路Sおよび第1〜第3走査信号伝送路S1,S2,S3の剥離および腐食が抑制される。第1走査信号伝送路S1は、スイッチ素子アレイ12の幅方向Yの他方Y2側で、スイッチ素子T1からスイッチ素子T4にわたって配列方向Xに延びる。この第1走査信号伝送路S1のうち、スイッチ素子T1からスイッチ素子T4にわたって配列方向Xに延びる部分のうち、第2および第3走査信号伝送路S2,S3のうちスイッチ素子T2,T3から幅方向Yに延びる部分に厚み方向Zから見て交差する部分では、第1走査信号伝送路S1の一部が第2および第3走査信号伝送路S2,S3に積層して形成される第2絶縁層15bに積層して形成されることによって、第2および第3走査信号伝送路S2,S3との接触が回避される。
第2絶縁層15bのうちスイッチ素子アレイ12の部分を覆って遮光層16が形成される。遮光層16は、スイッチ素子Tを外囲するように形成される。遮光層16の材料としては、電気絶縁性を有し、スイッチ素子Tから発せられる波長の光を、2μm〜3μm程度の厚みでほぼ完全に吸収するようなものであれば種々のものが使用可能である。本実施の形態では遮光層16は、緑色のポリイミドによって形成される。遮光層16の厚みは、5μm〜10μm程度に選ばれる。スイッチ素子Tから発せられ、厚み方向一方Z1側へ向かう光は、絶縁層15と遮光層16との界面などによって反射されるか、遮光層16によって吸収される。これによって、スイッチ素子Tからの光が、発光素子Lから厚み方向一方Z1側に出射される光に干渉してしまうことが防止される。したがって発光装置10を、後述する画像形成装置87の露光装置として用いた場合に、スイッチ素子Tからの漏れ光によって、画像の劣化が発生せず、優れた品質の画像を形成することができる。
本実施の形態では、一方導電型はN型であり、他方導電型はP型である。発光素子Lおよびスイッチ素子Tにおいて、一方導電型をN型とし、他方導電型をP型とすると、発光信号伝送路Eおよび走査信号伝送路Sが、各素子のアノードに接続される構成となり、カソード電位を0ボルト(V)にすると、発光素子Lおよびスイッチ素子Tに電圧または電流を印加する電源に、正電源を用いることができるので好ましい。本実施の形態では、発光素子Lにおいては発光信号伝送路Eがアノード端子として機能し、裏面電極26がカソード端子として機能する。またスイッチ素子Tにおいては、表面電極50が走査信号伝送路12とともにアノード端子として機能し、裏面電極26がカソード端子として機能する。
図7は、図1の切断面線V−Vから見た発光装置10の基本的構成を示す一部の断面図である。スイッチ素子Tの、第1の一方導電型半導体層42と、第1の他方導電型半導体層43と、第2の一方導電型半導体層44との幅方向Yの一方Y1側の端部は、第2の他方導電型半導体層45と、オーミックコンタクト層47との幅方向Yの一方Y1側の端部よりも、幅方向Yの一方Y1側に向かって突出し、スイッチ素子接続部54を構成する。また発光素子スイッチTの第2の一方導電型半導体層44のうち、スイッチ素子接続部54を構成する部分44Aは、第2の他方導電型半導体層45が積層される部分44Bよりも厚みが小さく形成される。
第1絶縁層15aのうち、スイッチ素子接続部54の第2の一方導電型半導体層44の厚み方向Zの一表面44aに積層される部分には貫通孔55が形成される。スイッチ素子Tの第2の一方導電型半導体層44は、スイッチ素子Tのゲート18である。スイッチ素子Tでは、前記貫通孔55を介して、トリガ信号伝送路Gがスイッチ素子Tのゲート18に接触する。走査スタート用スイッチ素子T0は、スイッチ素子Tと同様な形状を有し、前記貫通孔55を介して、短絡路56が走査スタート用スイッチ素子T0のゲート18に接触する。短絡路56は、基板21に接続される。短絡路56が基板21に接続されることによって、走査スタート用スイッチ素子T0の初期のしきい電圧またはしきい電流は低く保持され、スタート信号φSを与えるだけで走査スタート用スイッチ素子T0を発光させることができる。トリガ信号伝送路Gは、第2絶縁層15bに覆われる。
以上説明を行った各発光素子L、各スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0は、基板21の一表面21aに、第1の一方導電型半導体層22,42と、第1の他方導電型半導体層23,43と、第2の一方導電型半導体層24,44と、第2の他方導電型半導体層25,45と、オーミックコンタクト層27,47とを、それぞれ形成するための半導体材料を、エピタキシャル成長および化学気相成長(CVD)法などによって順次積層した後、フォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして形成される。したがって、一連の製造プロセスにおいて、発光素子L、スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0を同時に形成することができるので、作製時間および製造コストを低減することができる。各半導体層を形成した後、導電体層を蒸着法などによって形成し、フォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして、表面電極50,51を形成する。
表面電極50,51を形成した後、前述したポリイミドなどの樹脂材料をスピンコーティングした後、塗付した樹脂材料を硬化させ、発光信号伝送路Eと、走査信号伝送路Sと、トリガ信号伝送路Gと、スタート信号伝送路Sと、発光素子L、スイッチ素子Tまたは走査スタート用スイッチ素子T0との接続に必要な各貫通孔29,32,52,53,55をフォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして、第1絶縁層15aが形成される。
発光信号伝送路Eの個別接続部63と、走査信号伝送路Sのうち第1絶縁層15aに積層されるべき部分と、トリガ信号伝送路Gと、スタート信号伝送路Sとは、第1絶縁層15を形成した後、蒸着法などによって導電性材料を第1絶縁層15aの表面に積層した後、フォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして、同時に形成される。この後、前述したポリイミドなどの樹脂材料をスピンコーティングした後、塗付した樹脂材料を硬化させ、貫通孔33と、走査信号伝送路Sのうち交差させるための貫通孔と、走査信号伝送路Sと走査信号伝送路接続部Hとを接続するための貫通孔と、走査スタート信号伝送路Sと走査スタート信号伝送路接続部19とを接続するための貫通孔と、トリガ信号伝送路Gとトリガ信号検出用端子Kとを接続するための貫通孔とをフォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして、第2絶縁層15bが形成される。この後、導電体層を蒸着法などによって形成し、フォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして、走査信号伝送路Sのうちの残余の部分と、共通接続部64と、発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部H、走査スタート信号伝送路接続部19およびトリガ信号検出用端子Kとを形成する。
図8は、発光素子Lおよびスイッチ素子T、アノード電圧とアノード電流との関係である順方向電圧−電流特性を示すグラフである。なお、図8では、横軸をアノード電圧とし、縦軸をアノード電流として示されている。また図8には、負荷線72も示されている。発光素子Lおよびスイッチ素子T1〜T4は、電圧−電流特性を表す特性曲線と、負荷線72とが交わるオフ状態のb点と、特性曲線と負荷線72とが交わるオン状態のa点とを遷移する。アノード電圧は、カソードの電位を0(零)ボルト(V)としたときのアノードの電位を表し、アノード電流は、アノードに流れる電流を表す。
発光素子L、スイッチ素子T1〜T4の初期のしきい電圧(ブレークオーバ電圧)をVBOとする。初期のしきい電圧とは、発光素子Lでは、ゲート17にトリガ信号が与えられていない状態のしきい電圧であり、スイッチ素子T1〜T4では受光していない状態のしきい電圧である。
発光素子Lでは、ゲート17にトリガ信号を与えることによって、しきい電圧がVBOから、図8の矢符P1で示すように、このVBOよりも小さな電圧であるVTHへと低下し、スイッチ素子Tでは、受光することによって、しきい電圧が、図8の矢符P1で示すように、VBOからこのVBOよりも小さな電圧であるVTHへと低下する。
図9は、図1に示される発光装置10の基本的構成を示す一部の等価回路を示す回路図である。発光装置10は、駆動手段57をさらに含む。駆動手段57は、走査信号伝送路接続部Hと、スタート信号伝送路接続部19と、発光信号伝送路接続部Fとにそれぞれ接続されて、第1〜第3走査信号伝送路S1,S2,S3と、スタート信号伝送路Sと、発光信号伝送路Eとにそれぞれ接続される。駆動手段57は、走査信号伝送路Sに走査信号φをそれぞれ与え、スタート信号伝送路Sにスタート信号φSを与え、発光信号伝送路Eに発光信号φEをそれぞれ与える。駆動手段57は、駆動用ドライバーIC(
Integrated Circuit)によって実現される。
駆動手段57は、外部から基準となるクロックパルス信号を入力して、このクロックパルス信号に基づいて、走査信号φ1〜φ3およびスタート信号φSを同期して出力し、走査信号伝送路Sおよびスタート信号伝送路Sにそれぞれ与える。前記クロックパルス信号は、後述する画像形成装置87の制御手段96から与えられる。クロックパルス信号のクロック周期は、後述する画像形成装置87の制御手段96における制御周期よりも長く選ばれる。また駆動手段57は、クロックパルス信号とともに与えられる画像情報に基づいて、発光信号φEを出力して、発光信号伝送路Eに与える。
第1〜第3走査信号伝送路S1,S2,S3は、前述したように各スイッチ素子Tと直列に接続される抵抗成分Rφを含んで形成される。抵抗成分Rφは、駆動手段57からスイッチ素子Tに過電流が流れてしまうことを防止するとともに、スイッチ素子Tに印加される電圧を分圧する分圧抵抗としての機能を有する。またスタート信号伝送路Sも、スイッチ素子T0と直列に接続される抵抗成分Rφを含んで形成され、この抵抗成分Rφは、駆動手段57からスタート信号伝送路Sに過電流が流れてしまうことを防止するとともに、スイッチ素子T0に印加される電圧を分圧する分圧抵抗としての機能を有する。
図10は、駆動手段57が、スタート信号伝送路Sに与えるスタート信号φSと、第1走査信号伝送路S1に与える走査信号φ1と、第2走査信号伝送路S2に与える走査信号φ2と、第3走査信号伝送路S3に与える走査信号φ3と、および発光信号伝送路E1に与える発光信号φE1と、発光素子ブロックA1,A2の発光素子Lの発光強度と、走査スタート用スイッチ素子T0およびスイッチ素子Tの発光強度とを示す波形図である。発光素子ブロックA1の発光素子Lのうち、スイッチ素子T1に接続されるものを発光素子L1とし、スイッチ素子T3に接続されるものを発光素子L2とする。また発光素子ブロックA2の発光素子のうち、スイッチ素子T2に接続されるものを発光素子L3とし、スイッチ素子T4に接続されるものを発光素子L4とする。走査スタート用スイッチ素子T0、スイッチ素子T1〜T4および発光素子L1〜L4の発光強度は、ハイ(H)レベルのとき発光していることを表し、ロー(L)レベルのとき発光していないことを表す。図10において、横軸は時間であって、基準時刻からの経過時間を表す。ここでは、発光素子ブロックA1,A2に含まれる各発光素子L1〜L4を発光させる場合について説明する。
また同図においてスタート信号φS、走査信号φ1〜φ3および発光信号φE1,φE2について、縦軸は、信号レベルを表す。信号レベルは、電圧または電流の大きさを表し、スタート信号φS、走査信号φ1〜φ3および発光信号φE1,φE2は、ハイ(H)レベルのとき、高電圧または高電流が信号伝送路に供給され、スタート信号φS、走査信号φ1〜φ3および発光信号φE1,φE2は、ロー(L)レベルのとき、低電圧または低電流が信号伝送路に供給される。スタート信号φS、走査信号φ1〜φ3および発光信号φE1,φE2がLレベルのとき、信号伝送路に供給される電圧または電流は、各素子のしきい電圧またはしきい電流よりも小さい。電圧の場合では、Hレベルは、例えば3ボルト(V)〜10ボルト(V)である。電圧の場合では、Lレベルは、例えば0(零)ボルト(V)である。本実施の形態では、Hレベルのときのスタート信号φS、走査信号φ1〜φ3および発光信号φE1,φE2の電圧を例えば5ボルト(V)とし、Lレベルのスタート信号φS、走査信号φ1〜φ3および発光信号φE1,φE2の電圧を例えば0ボルト(V)とする。走査信号φ1〜φ3の波形は同じであり、それぞれ位相が異なる。
発光装置10では、発光させるべき発光素子Lのしきい電圧またはしきい電流を低下させるために、スイッチ素子Tの発光状態を、配列方向Xに沿って転送する。
以後、駆動手段57の動作について説明する。まず時刻t0で、駆動手段57は、スタート信号φS、走査信号φ1〜φ3および発光信号φE1,φE2をローレベルとする。駆動手段57は、スタート信号φS、走査信号φ1〜φ3および発光信号φE1,φE2について、信号レベルをローレベルからハイレベルにすると、次に信号レベルをハイレベルからローレベルにするまで、信号レベルをハイレベルとなるように維持する。また駆動手段57は、スタート信号φS、走査信号φ1〜φ3および発光信号φEについて、信号レベルをハイレベルからローレベルにすると、次に信号レベルをローレベルからハイレベルにするまで、信号レベルをローレベルとなるように維持する。
時刻t1で、駆動手段57は、スタート信号φSのみをローレベルからハイレベルに変化させる。時刻t1において、走査信号φ1〜φ3および発光信号φE1,φE2は、ローレベルである。走査スタート用スイッチ素子T0では、ゲートが接地しているため、初期のしきい電圧またはしきい電流は低く保持されている。したがって、スタート信号φSをローレベルからハイレベルに変化させることによって、走査スタート用スイッチ素子T0がオン状態になり、すなわちターンオンして発光する。
走査スタート用スイッチ素子T0の光は、隣接するスイッチ素子T1に最も強く入射する。スイッチ素子アレイ12の他のスイッチ素子T2〜T4では、配列方向Xに走査スタート用スイッチ素子T0から離間した位置に配置されるスイッチ素子Tほど、走査スタート用スイッチ素子T0から照射される光の強度が小さくなる。スイッチ素子Tでは、受光すると光励起によって各半導体層に、受光強度に応じたキャリアが生成される。キャリアの生成によって、第2の一方導電型半導体層44に蓄積される電子が、第2の一方導電型半導体層44のフェルミ準位を下げ、これによって第1の他方導電型半導体層43と第2の一方導電型半導体層44との接合部分において、なだれ現象が発生しやすくなる。このため、スイッチ素子Tは、光を受光することによってしきい電圧またはしきい電流が低下し、また受光する光強度が大きくなるほど、しきい電圧またはしきい電流の降下が大きくなるという特性を有する。
次に走査スタート用スイッチ素子T0からスイッチ素子T1への発光状態の転送について説明する。走査スタート用スイッチ素子T0が発光すると、この光をスイッチ素子T1が受光し、スイッチ素子T1のしきい電圧が低下する。
時刻t2において、スイッチ素子T1のしきい電圧はVTHとなっている。第1走査信号伝送路S1には、スイッチ素子T1,T4がそれぞれ接続されているが、スイッチ素子T4は、走査スタート用スイッチ素子T0から十分に離れているので、走査スタート用スイッチ素子T0からの光を受光しても、その光は微弱であるので、しきい電圧はほとんど変化しない。
時刻t2で、駆動手段57は、走査信号φ1をローレベルからハイレベルにする。時刻t2において、スタート信号φSは、ハイレベルであり、走査信号φ2,φ3、ならびに発光信号φE1,φE2はローレベルである。走査信号φ1のハイレベルは、スイッチ素子T1と同じ第1走査信号伝送路S1に接続されるスイッチ素子T4のしきい電圧またはしきい電流よりも低く選ばれる。これによって、しきい電圧またはしきい電流が、走査信号φ1のハイレベルよりも低いスイッチ素子T1のみが発光し、スイッチ素子T4は、発光しない。これによって時刻t2で、スイッチ素子T1がオン状態となり、すなわちターンオンして発光する。
スイッチ素子T1がオン状態となった後、時刻t3で、駆動手段57は、スタート信号φSをローレベルにする。これによって走査スタート用スイッチ素子T0はオフ状態となり、すなわちターンオフして消灯する。
このようにして走査スタート用スイッチ素子T0から、スイッチ素子T1へと発光状態が遷移する。時刻t2と時刻t3との間の時間は、走査信号φがハイレベルとなる時間の1/10程度に選ばれる。このように、隣接するスイッチ素子Tにおいて与えられる走査信号φがハイレベルとなる時間が重なるように駆動手段57が走査信号φを与えることによって、隣接するスイッチ素子Tのしきい電圧またはしきい電流が確実に低下している間に、走査信号φをハイレベルとすることができ、光走査を確実に行うことができる。本実施の形態では、走査信号φ1〜φ3がハイレベルとなる時間は、1μ秒程度に選ばれる。したがって、時刻t2と時刻t3との間の時間は、0.1μ秒程度に選ばれる。
スイッチ素子T1は、受光によってゲート18にトリガ信号を発生し、時刻t2においてオン状態となると、ハイレベルとされた走査信号φ1がローレベルになるまでは、オン状態を維持する。オン状態となると、スイッチ素子T1のゲート18の電圧は、ほぼ0(零)ボルト(V)になる。ここで前記スイッチ素子T1のゲート18の電圧とは、このゲート18と接地される裏面電極26との電位差である。スイッチ素子T1のゲート18は、発光素子L1のゲート17に接続されているので、スイッチ素子T1のゲート18の電圧は、発光素子L1のゲート17の電圧と等しくなる。このようにスイッチ素子T1は、発光素子L1のゲート17と裏面電極26とに印加される電圧を変化させることができる。
発光素子L1を発光させる場合、駆動手段57は、時刻t3が経過した後、時刻t4で、発光信号φE1をローレベルからハイレベルにする。発光素子L1は、スイッチ素子T1がオン状態であるので、前述したように発光素子L1のゲート17は、ほぼ0(零)ボルト(V)となる。このときスイッチ素子T2〜T4は、オフ状態であり、スイッチ素子T1に接続される発光素子Lのうち、発光素子L1に与えられる発光信号φE1をハイレベルにすることによって、発光素子L1のみを選択的にオン状態として、発光させることができる。
時刻t5において、駆動手段57が発光信号φE1をローレベルにすると、発光素子L1は、オフ状態となって消灯する。後述する感光体ドラム90への露光量は、発光素子Lの発光強度は一定として、発光素子Lの発光する時間によって調整される。すなわち、発光信号φE1がハイレベルとなる時刻t4から時刻t5までの間の時間を決定することによって、露光量が決定される。発光素子Lの発光強度によって露光量を変更する場合、発光素子Lに与える電圧または電流を細かく制御する必要があるので困難であるが、発光時間によって露光量を変更することによって、発光信号φE1がハイレベルとなる時間を調整するだけでよいので、露光量の制御がしやすく、また定電圧または定電流が発光素子Lに与えられるので、発光素子Lを安定して発光させることができる。発光素子Lが発光する時間、言い換えれば発光信号φEがハイレベルとなる時間は、走査信号φがハイレベルとなる時間の80%以下に選ばれる。
時刻t5が経過した後、駆動手段57は、時刻t6で走査信号φ2をハイレベルにすると、スイッチ素子T2が発光し、時刻t6が経過した後、時刻t7で、走査信号φ1をローレベルにすると、スイッチ素子T1が消灯する。これによって、スイッチ素子T1からスイッチ素子T2へと発光状態が移る。
時刻t7が経過した後、駆動手段57は、時刻t8で発光信号φE2をハイレベルにすると、発光素子L3が点灯し、時刻t9で発光信号φE2をローレベルにすると、発光素子L3が消灯する。
時刻t9が経過した後、駆動手段57は、時刻t10で走査信号φ3をハイレベルにすると、スイッチ素子T3が発光し、時刻t10が経過した後、時刻t11で、走査信号φ2をローレベルにすると、スイッチ素子T2が消灯する。これによって、スイッチ素子T2からスイッチ素子T3へと発光状態が移る。
時刻t11が経過した後、駆動手段57は、時刻t12で発光信号φE1をハイレベルにすると、発光素子L2が点灯し、時刻t13で発光信号φE1をローレベルにすると、発光素子L2が消灯する。
時刻t13が経過した後、駆動手段57は、時刻t14で再び走査信号φ1をハイレベルにすると、スイッチ素子T4が発光し、時刻t14が経過した後、駆動手段57は、時刻t15で走査信号φ3をローレベルにすると、スイッチT3が消灯する。
時刻t15が経過した後、駆動手段57は、時刻t16で発光信号φE1をハイレベルにすると、発光素子L2が点灯し、時刻t17で発光信号φE1をローレベルにすると、発光素子L2が消灯する。
時刻t17が経過した後、駆動手段57は、時刻t18でスタート信号φSをハイレベルにすると、走査スタート用スイッチ素子T0が発光し、時刻t18が経過した後、時刻t19で走査信号φ1をローレベルにすると、スイッチ素子T4が消灯する。
各走査信号φ1〜φ3がローレベルからハイレベルとなり、再びローレベルとなるまでの時間は、それぞれが等しく選ばれ、各走査信号φ1〜φ3のハイレベルが重なる時間もそれぞれが等しく選ばれる。
時刻t19以降は、時刻t2〜時刻t19までの動作と同様に、スイッチ素子T1〜T4を順番に点灯させることによって、各スイッチ素子T1〜T4に接続される発光素子Lを順番に点灯可能な状態とすることができる。このように駆動手段57が、スタート信号φSおよび走査信号φ1〜φ3を繰り返して走査スタート用スイッチ素子T0およびスイッチ素子Tに与えることによって、スイッチ素子Tのオン状態が配列方向Xに沿って順次転送される。ここでは発光素子ブロックA1,A2に含まれる発光素子Lを点灯させる場合についてのみ説明しているが、所定のスイッチ素子Tが発光しているとき、この所定のスイッチ素子Tにトリガ信号伝送路Gを介して接続されている発光素子Lに接続される発光信号伝送路Eに与える発光信号φEをローレベルからハイレベルにすることによって、この発光しているスイッチ素子Tに対応する、すなわち発光しているスイッチ素子Tにトリガ信号伝送路Gを介して接続されている発光素子Lを選択的に発光させることができる。本実施の形態では、1つのトリガ信号伝送路Gに、それぞれが異なる発光信号伝送路Eに接続されるi/2(個)の発光素子Lが接続されており、最大でi/2(個)の発光素子Lを同時に点灯させることができる。したがってスイッチ素子T1〜T4を光走査する時間、すなわち時刻t2〜時刻t19までの間に、発光素子アレイ11に含まれるi×2(個)の発光素子Lの全てについて発光させるか否かを選択して発光させることができ、発光素子Lによる光走査の時間が短くて済む。
スイッチ素子アレイ12に含まれるスイッチ素子Tのうち、発光しているスイッチ素子Tの配列方向Xの両側に隣接する各スイッチ素子Tは、いずれも励起状態となってしまうが、第1〜第3走査信号伝送路S1,S2,S3によって、前述したように走査信号φ1〜φ3を伝送させて、各スイッチ素子Tに走査信号φ1〜φ3を与えることによって、配列方向Xの他方から一方へと、スイッチ素子Tの発光状態の転送を行うことができ、言い換えれば光走査することができる。
図11は、複数の発光体チップ20によって形成される発光体チップ組立体80の基本的構成を示す一部の平面図である。なお、同図は、各発光素子Lの光の出射方向を紙面に垂直手前側として配置された発光体チップ組立体80の平面を示す。発光体チップ組立体80は、前記図1に示される発光体チップ20を複数有し、各発光体チップ20の各発光素子Lを直線状に配列して構成される。発光体チップ組立体80は、プリント配線基板などの回路基板に、発光装置10の裏面電極26を臨ませて実装し、各発光体チップ20の各発光素子Lを略直線状に並べることによって形成される。複数の発光体チップ20は、前記発光素子Lの配列方向Xを揃えて2列に配列され、一方の列の発光体チップ20の発光素子Lと、他方の列の発光体チップ20の発光素子Lが、配列方向Xに連続するように千鳥状に配置される。各発光体チップ20は、幅方向Yで隣接する発光体チップ20に発光素子アレイ11を臨ませて配置される。発光体チップ20では、発光素子アレイ11の幅方向Yの他方Y2のみに、発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19が設けられるので、一方の列の発光体チップ20の発光素子アレイ11と、他方の列の発光体チップ20の発光素子アレイ11とを近接させて、各発光素子Lを略直線状に配置することができる。幅方向Yに相互に隣接する一方の列の発光体チップ20の発光素子アレイ11に含まれる発光素子Lと、他方の発光体チップ20の発光素子アレイ11に含まれる発光素子Lとの幅方向Yにおける光軸間の間隔は、発光素子アレイ11における発光素子Lの配列方向Xの長さW1の1倍〜2倍程度に選ばれ、例えば600dpiのとき42.3μmに選ばれる。また一方の列の発光体チップ20の発光素子アレイ11の配列方向Xの一方X1の端部の発光素子Lと、他方の列の発光体チップ20の発光素子アレイ11の配列方向Xの他方X2の端部の発光素子Lとは、配列方向Xにおいて予め定める距離W1離間して設けられる。また一方の列の発光体チップ20の発光素子アレイ11の配列方向Xの他方X2の端部の発光素子Lと、他方の列の発光体チップ20の発光素子アレイ11の配列方向Xの一方X1の端部の発光素子Lとは、配列方向Xにおいて予め定める距離W1離間して設けられる。
発光体チップ組立体80は、プリント配線基板などの回路基板に、発光体チップ20を前述のように並べて形成される。発光体チップ組立体80は、電子写真方式の画像形成装置用の光プリンタヘッドなどのラインヘッドとしての露光装置に用いられる。発光体チップ組立体80が含む発光体チップ20の数は、画像形成装置87において形成する画像の幅によって決定される。
各発光体チップ20の発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19は、外部の信号伝送路であるボンディングワイヤによって、回路基板の接続すべき部分に電気的に接続される。回路基板には、前述した駆動手段57が実装される。駆動手段57は、ボンディングワイヤを介して、発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19に信号を与える。駆動手段57を、発光体チップ20が実装される回路基板に設けることによって、駆動手段57から各発光素子Lおよび各スイッチ素子Tまでの信号伝送路の距離を短くして、駆動手段57から発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19までの信号伝送路によって伝送される信号にノイズが重畳されてしまうことを抑制することができる。
図12は、発光装置10を有する画像形成装置87の基本的構成を示す側面図である。画像形成装置87は、電子写真方式の画像形成装置であり、発光装置10を、感光体ドラム90への露光装置として用いている。発光装置10は、駆動手段57が設けられる回路基板に、前述した発光体チップ組立体80が実装されて形成される。
画像形成装置87は、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のカラー画像を形成するタンデム方式を採用した装置であり、大略的に、4つの発光装置10Y,10M,10C,10K、集光手段であるレンズアレイ88Y,88M,88C,88K、前記発光装置10および駆動手段57が実装された回路基板およびレンズアレイ88を保持する第1ホルダ89Y,89M,89C,89K、4つの感光体ドラム90Y,90M,90C,90K、4つの現像剤供給手段91Y,91M,91C,91K、転写手段である転写ベルト92、4つのクリーナ93Y,93M,93C,93K、4つの帯電手段94Y,94M,94C,94K、定着手段95および制御手段96を含んで構成される。
各発光装置10は、駆動手段57によって各色のカラー画像情報に基づいて駆動される。例えば、4つ発光装置10の配列方向Xの長さは、感光体ドラム90に形成する画像の幅に合わせて決定され、例えば200mm〜400mmに選ばれる。
各発光装置10の発光素子Lからの光は、レンズアレイ88を介して各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kに集光して照射される。レンズアレイ88は、例えば各発光素子Lの光軸上にそれぞれ配置される複数のレンズを含み、これらのレンズを一体的に形成して構成される。
発光装置10が実装される回路基板およびレンズアレイ88は、第1ホルダ89によって保持される。第1ホルダ89によって、発光素子Lの光照射方向と、レンズアレイ88のレンズの光軸方向とがほぼ一致するようにして位置合わせされる。
各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kは、例えば円筒状の基体の外周面上に感光体層を被着して成り、その外周面には各発光装置10Y,10M,10C,10Kからの光を受けて静電潜像が形成される静電潜像形成位置が設定される。
各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kの周辺部には、各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kにおける静電潜像形成位置を基準として回転方向下流側に向かって順番に、露光された感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kに現像剤を供給する現像剤供給手段91Y,91M,91C,91K、転写ベルト92、感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kの表面に付着した現像剤を除去するクリーナ93Y,93M,93C,93K、および感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kの表面を帯電させる帯電手段94Y,94M,94C,94Kがそれぞれ配置される。感光体ドラム90に現像剤によって形成された画像を記録シートに転写する転写ベルト92は、4つの感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kに対して共通に設けられる。
前記感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kは、第2ホルダによって保持され、この第2ホルダと第1ホルダ89とは、相対的に固定される。各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kの回転軸方向と、各発光装置10の前記配列方向Xとがほぼ一致するようにして位置合わせされる。発光装置10は、帯電手段94によって帯電した感光体ドラム90の表面に発光素子Lからの光を照射して、感光体ドラム90に静電潜像を形成する。感光体ドラム90の静電潜像が形成された部分に現像剤供給手段91から現像剤が供給されて、感光体ドラム90の外周面に現像剤によって画像が形成される。
転写ベルト92によって、記録シートを搬送し、感光体ドラム90の外周面に付着している現像剤が、記録シートに転写される。現像剤によって画像が形成された記録シートは、定着手段95に搬送される。定着手段95は、記録シートに転写された現像剤を定着させる。感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kは、回転駆動手段によって回転される。
制御手段96は、前述した駆動手段57にクロック信号および画像情報を与えるとともに、感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kを回転駆動する回転駆動手段、現像剤供給手段91Y,91M,91C,91K、転写手段92、帯電手段94Y,94M,94C,94Kおよび定着手段95の各部を制御する。
このような構成の画像形成装置87では、発光サイリスタによるスイッチ素子Tおよび発光素子Lを集積化して形成される前述した発光装置10を露光装置に用いており、露光装置を小型化することができるので、画像形成装置87を小型化することができ、さらにこのような露光装置は、安価に製造することができるので、これによって画像形成装置87の製造コストを低減することができる。
以上のように発光装置10では、スイッチ素子Tが発光すると、このスイッチ素子Tの光は、発光したスイッチ素子Tの配列方向Xの一方X1に隣接するスイッチ素子Tに照射される。発光したスイッチ素子Tの配列方向Xの一方X1に隣接するスイッチ素子Tでは、受光によってゲート18にトリガ信号を発生し、このトリガ信号がトリガ信号伝送路Gを介して、複数の発光素子Lのゲート17に与えられる。走査信号φの電圧または電流よりも、しきい電圧またはしきい電流が低下したスイッチ素子Tに、このスイッチ素子Tが接続された走査信号伝送路Sによって伝送される走査信号φが与えられることによって、スイッチ素子Tは発光する。複数の走査信号伝送路Sによって伝送される走査信号φは、配列方向Xに隣接するスイッチ素子T毎に、異なるタイミングで与えられるので、隣接するスイッチ素子Tが受光することによってしきい電圧またはしきい電流が低下したスイッチ素子Tに、走査信号φを選択的に与えることができ、これによってスイッチ素子Tを配列方向Xの他方X2から一方X1に順番に発光させて、トリガ信号を各発光素子Lに与えることができる。
各スイッチ素子Tは、隣接するスイッチ素子Tから発する光を受光することによって、そのしきい電圧またはしきい電流が低下するので、各スイッチ素子Tの間に転送方向指定のためのダイオードおよび電源との間に接続される負荷抵抗などを接続する必要がない。したがって装置の構造を複雑にすることなく、少ない信号伝送路によって、発光装置10を構成することができる。
また各スイッチ素子Tは、それぞれが異なる発光信号伝送路Eに接続される2つ以上の発光素子Lのゲート17にそれぞれに接続されるので、発光素子Lの数と比較してスイッチ素子Tの数を低減することができる。またスイッチ素子Tは、2つ以上の発光素子Lにトリガ信号を与えるので、2つ以上の発光素子Lを同時に発光させることができるようになり、各発光素子Lを配列方向Xの一方X1から他方X2まで走査する走査時間を短くすることができる。またスイッチ素子Tが接続される2つ以上の発光素子Lは、これらの発光素子Lのそれぞれが異なる発光信号伝送路Eに接続されるので、1個の発光素子Lのみを選択的に発光させることができる。
さらにスイッチ素子アレイ12の複数のスイッチ素子Tの数は、発光素子Lの数よりも少なく、かつスイッチ素子アレイ12が、発光素子アレイ11の前記配列方向Xに近接した領域に、前記配列方向Xに沿って配列され、発光素子Lとスイッチ素子Tとが配列方向Xに沿って直列に並べられるので、図27に示される第2の従来の技術の、発光素子Lの配列方向Xの一端から他端にわたってスイッチ素子Tが配列されて形成される装置と比較して、装置を小型に形成することができる。
また発光素子Lとスイッチ素子Tとが配列方向Xに沿って直列に並べられるので、発光素子Lに発光信号伝送路Eを介して接続される発光信号伝送路接続部F、およびスイッチ素子Tに走査信号伝送路Sを介して接続される走査信号伝送路接続部Hを、発光素子Lおよびスイッチ素子Tの幅方向Yの一方Y1および他方Y2のどちらにでも配置することができる。これによって設計の自由度を向上させることができ、さらに発光信号伝送路接続部Fを発光素子Lに近接して配置し、走査信号伝送路接続部Hをスイッチ素子Tに近接して配置することができるので、発光信号伝送路Eおよび走査信号伝送路Sの線路長を短くして、発光装置10を小型化することができ、さらに発光信号伝送路Eおよび走査信号伝送路Sを伝送される各信号へのノイズの重畳を低減することができる。
また発光装置10では、トリガ信号伝送路Gはトリガ信号検出用端子Kに接続されているので、トリガ信号検出用端子Kにトリガ信号を測定する測定機器を接続することによって、トリガ信号伝送路Gを伝送されるトリガ信号の信号レベルを測定することができる。トリガ信号の信号レベルを測定することによって、スイッチ素子Tの不良を検出することができ、また所定の信号レベルが測定され、発光信号φEが与えられても発光素子Lが発光しない場合には、発光素子Lの不良を検出することができる。さらにトリガ信号検出用端子Kに所定の信号、すなわちトリガ信号を外部から与えることによって、スイッチ素子Tの動作と切り離して各発光素子Lの発光強度、および各発光素子Lの電流電圧(I−V)特性を個別に検査することができるようになる。
また発光装置10では、スイッチ素子アレイ12を、発光素子アレイ11の前記配列方向Xの一方X1および他方X2のいずれか一方にのみに設けており、走査スタート用スイッチ素子T0は1つだけ備えればよいので、装置の構成が複雑化することがない。また前記配列方向Xの一方X1および他方X2のうち他方にトリガ信号検出用端子Kを形成することができるので、トリガ信号伝送路Gをトリガ信号検出用端子Kに接続するためにはトリガ信号伝送路Gを、発光素子アレイ11の前記配列方向Xの一方X1および他方X2のうち他方に延長するだけでよいので、トリガ信号検出用端子Kを設けるために特別な構成とする必要がない。
本実施の形態の発光装置10では、各発光素子ブロックAに含まれる発光素子Lを2個としているが、本発明の他の実施の形態において各発光素子ブロックAに含まれる発光素子Lは3個以上であってもよい。発光素子ブロックAに含まれる発光素子Lは、それぞれ異なる発光信号伝送路Gに接続され、発光素子ブロックAに含まれる発光素子Lのうち相互に隣接する発光素子Lは、トリガ信号伝送路Gを介して、相互に隣接しないスイッチ素子Tにそれぞれ接続すれば、発光素子ブロックAの各発光素子Lに共通に与えられる発光信号φEによって、発光素子ブロックAに含まれる発光素子Lを個別に発光させることができる。各発光素子ブロックAに含まれる発光素子Lの数を増加すると、これに伴ってスイッチ素子Tの数が増加するが、発光信号伝送路接続部Fの数を低減することができる。スイッチ素子Tの数が増加しても走査信号伝送路接続部Hの数は3つだけでよいので、発光信号伝送路接続部Fの数を低減することによって発光装置10と外部の信号伝送路との接続本数を少なくすることができ、発光装置10を基板に実装して、外部の信号伝送路と接続する作業が容易となる。
図13は、本発明の他の実施の形態の発光装置100を概略的に示す平面図である。なお同図は、各発光素子Lの光の出射方向を紙面に垂直手前側として配置された発光装置100の平面を示す。発光装置100は、図1に示される前述の実施の形態の発光装置10と同様な構成を有する。したがって以下の説明では、発光装置100において、前記発光装置10と同様の構成には同様の参照符号を付してその説明を省略する場合がある。
発光装置100は、発光素子アレイ11と、発光信号伝送路Eと、スイッチ素子アレイ112と、走査信号伝送路Sと、走査スタート用スイッチ素子T0と、スタート信号伝送路Sと、絶縁層15と、遮光層16と、トリガ信号伝送路Gと、発光信号伝送路接続部Fと、走査信号伝送路接続部Hと、スタート信号伝送路接続部19と、トリガ信号検出用端子Kとを含んで構成される。これらは、基板21に集積されて形成され、発光体チップ120を構成する。
発光素子アレイ11は、複数の発光素子Lを含んで構成される。複数の発光素子Lは、相互に間隔をあけて配列され、本実施の形態では一列に配列される。本実施の形態における発光素子アレイ11は、複数の発光素子ブロック部分B1,B2,…,Bk−1,Bk(記号kは、2以上の整数)を有する。発光素子ブロック部分B1,B2,…,Bk−1,Bkを総称する場合、および発光素子ブロック部分B1,B2,…,Bk−1,Bkのうち不特定のものを示す場合、単に発光素子ブロック部分Bと記載する場合がある。
相互に隣接する発光素子ブロック部分Bによって、発光素子ブロックC1,C2,…,Cr−1,Cr(記号rは、正の整数であって、かつr=k/2)が形成される。発光素子ブロックC1,C2,…,Cr−1,Crを総称する場合、および発光素子ブロックC1,C2,…,Cr−1,Crのうち不特定のものを示す場合、単に発光素子ブロックCと記載する場合がある。本実施の形態では、発光素子ブロックCrは、発光素子ブロック部分Bk−1,Bkによって形成される。
各発光素子ブロック部分Bは、共通の発光信号伝送路Eに接続され、相互に隣接するN(記号Nは、2以上の整数)個の発光素子Lの群から成る。発光素子ブロックCは、2つの発光素子ブロック部分Bによって形成されるので、2×N(個)の発光素子Lを含んで形成される。本実施の形態では、Nが、N=4の場合、すなわち各発光素子ブロック部分Bが、それぞれ4つの発光素子Lの群から成る場合について示す。
発光体チップ120は、厚み方向Zから見て矩形状に形成され、その長手方向は配列方向Xに沿う。発光素子Lは、発光体チップ120の幅方向Yの一方Y1の端部に形成される。発光素子Lの幅方向Yの一方Y1の端と、発光体チップ120の幅方向Yの一方Y1の端とは、前記予め定める距離W3離間する。発光素子アレイ11は、発光体チップ120の幅方向Yの一方寄りの領域に設けられる。
発光信号伝送路Eは、各発光素子ブロック部分B毎に個別に接続される複数本の発光信号伝送路E1,E2,…,Ek−1,Ekを含んで構成され、相互に隣接する2つ以上の発光素子Lにそれぞれ接続されて、各発光素子Lに発光信号φEを伝送する。発光信号伝送路E1,E2,…,Ek−1,Ekを総称する場合、および発光信号伝送路E1,E2,…,Ek−1,Ekのうち不特定のものを示す場合、単に発光信号伝送路Eと記載する場合がある。発光信号伝送路Eiは、発光素子ブロックBkに含まれる各発光素子Lに接続される。発光信号伝送路Ekは、発光素子ブロック部分Bkに含まれる各発光素子Lのアノードおよびカソードのいずれか一方に接続され、本実施の形態ではアノードに接続される。各発光信号伝送路Eは、各発光素子ブロック部分Bから幅方向Yの他方Y2に向かって延びる。各発光信号伝送路Eの幅方向Yの他方Y2の端部は、発光信号伝送路接続部Fに接続される。
発光信号伝送路接続部Fは、各発光信号伝送路Eに個別に接続される発光信号伝送路接続部F1,F2,…,Fk−1,Fkを含んで構成される。発光信号伝送路接続部F1,F2,…,Fk−1,Fkを総称する場合、および発光信号伝送路接続部F1,F2,…,Fk−1,Fkのうち不特定のものを示す場合、単に発光信号伝送路接続部Fと記載する場合がある。発光信号伝送路接続部Fkは、発光信号伝送路Ekに接続される。
発光信号伝送路接続部Fは、配列方向Xの寸法が、発光素子ブロック部分Bの配列方向Xの寸法よりも小さく選ばれ、前述した実施の形態と同様に形成される。発光信号伝送路接続部Fの幅方向Yの他方Y2の端と、発光体チップ120の幅方向Yの他方Y2の端とは、予め定める距離W5離間して設けられる。発光信号伝送路接続部Fは、発光体チップ120の幅方向Yの他方Y2寄りの領域に設けられる。
スイッチ素子アレイ112は、複数のスイッチ素子T1,T2,…,Tj−1,Tj(記号jは、2以上の正の整数)を含んで構成される。各スイッチ素子T1,T2,…,Tj−1,Tjは、配列方向Xに沿って、相互に予め定める間隔W6をあけて等間隔に配列される。本実施の形態において、jは、j=N+1に選ばれる。ここではNが、N=4に選ばれるので、jは、j=5に選ばれる。スイッチ素子アレイ112では、配列方向Xの他方X2の端部にスイッチ素子T1が設けられる。
スイッチ素子アレイ112は、配列方向Xにおいて発光素子アレイ11に隣接した領域90に、各スイッチ素子Tが配列方向Xに沿って配列されて設けられる。スイッチ素子アレイ112は、発光素子アレイ11の前記配列方向Xの一方X1および他方X2の少なくともいずれか一方に設けられ、本実施の形態では、発光素子アレイ11の前記配列方向Xの一方X1にのみ設けられる。各スイッチ素子Tの配列方向は、前記各発光素子Lの配列方向Xと同じである。発光素子アレイ11と、スイッチ素子アレイ112とは、配列方向Xに予め定める距離W7離間して設けられる。スイッチ素子アレイ112は、発光体チップ120の幅方向Yの一方Y1寄りの領域に設けられる。
走査スタート用スイッチ素子T0は、スイッチ素子アレイ112の配列方向Xの一方X1または他方X2に設けられ、スイッチ素子T1に光を照射するように設けられる。本実施の形態では、スイッチ素子アレイ112の配列方向Xの他方Y2の端部にスイッチ素子T1が設けられるので、走査スタート用スイッチ素子T0は、スイッチ素子アレイ112の配列方向Xの他方Y2に設けられる。走査スタート用スイッチ素子T0は、配列方向Xにおいてスイッチ素子T1から予め定める間隔W6をあけて設けられ、発光素子アレイ11に離間して設けられる。本実施の形態における走査スタート用スイッチ素子T0は、前述した実施の形態の走査スタート用スイッチ素子T0と同様な構成を有する。
本実施の形態におけるスイッチ素子Tは、発光部Tsと受光部Trと接続部Tcとを有する。発光部Tsおよび受光部Trは、P型半導体層とN型半導体層とが交互に積層されて構成されるPNPN構造を有する発光サイリスタによって実現される。発光部Tsのゲート118aと、受光部Trのゲート118bとがダイオードを構成する接続部Tcによって接続される。スイッチ素子Tは、隣接するスイッチ素子Tの発光部Tsからの光、または走査スタート用スイッチ素子T0からの光を受光部Trで受光することによって、予め定める部位であるゲート18にトリガ信号を発生して、発光部Tsに走査信号伝送路Sを介して与えられる走査信号φの電圧よりも発光部Tsのしきい電圧が低下した状態で、かつ前記走査信号φが与えられたとき、または走査信号φの電流よりも発光部Tsのしきい電流が低下した状態で、かつ前記走査信号φが与えられたとき発光する。スイッチ素子Tの予め定める部位であるゲート18は、本実施の形態では発光部Tsのゲート118sである。走査信号φの電圧とは、走査信号φが与えられることによって、スイッチ素子Tの発光部Tsのアノードおよびカソード間に印加される電圧であり、走査信号φの電流とは、走査信号φが与えられることによってスイッチ素子Tの発光部Tsに与えられる電流である。
発光素子アレイ11の各発光素子Lと、スイッチ素子アレイ112の各スイッチ素子Tと、走査スタート用スイッチ素子T0とは、各発光素子Lの少なくとも一部分と、各スイッチ素子Tの少なくとも一部分と、走査スタート用スイッチ素子T0の少なくとも一部分とが、配列方向Xに沿って直線状に並ぶように設けられる。本実施の形態では、各スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0の幅方向Yの一方Y1側の端部は、発光素子Lの幅方向Yの他方Y2の端部よりも幅方向Yの一方Y1側となり、スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0の幅方向Yの他方Y2側の端部は、発光素子Lの幅方向Yの他方Y2の端部よりも幅方向Yの他方Y2の側となるように、各発光素子Lと各スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0とが設けられる。スイッチ素子アレイ112の配列方向Xの一方X1側の端、すなわちスイッチ素子T5の配列方向Xの一方X1側の端と、発光体チップ20の配列方向Xの一方X1側の端とは、予め定める距離W8離間する。
走査信号伝送路Sは、各スイッチ素子Tの発光部Tsにそれぞれ接続され、配列方向Xに隣接するスイッチ素子T毎に、異なるタイミングで与えられる走査信号φを伝送する。本実施の形態において、走査信号伝送路Sは、第1走査信号伝送路S1および第2走査信号伝送路S2を含んで構成される。第1走査信号伝送路S1は、走査信号φ1を伝送し、第2走査信号伝送路S2は、走査信号φ2を伝送する。第1および第2走査信号伝送路S1,S2を総称する場合、および第1および第2走査信号伝送路S1,S2のうち不特定のものを示す場合、単に走査信号伝送路Sと記載し、走査信号φ1,φ2を総称する場合、および走査信号φ1,φ2のうち不特定のものを示す場合、単に走査信号φと記載する場合がある。
前記各スイッチ素子Tの発光部Tsは、厚み方向Zの一方Z1側の端部、すなわち図1の紙面に垂直な方向手前側に、表面電極50を有する。第1および第2走査信号伝送路S1,S2は、各スイッチ素子T1〜T5の前記表面電極50に交互に接続される。すなわち、第1走査信号伝送路S1は、スイッチ素子T1,T3,T5に接続され、第2走査信号伝送路S2は、スイッチ素子T2,T4に接続される。
各走査信号伝送路Sは、走査信号伝送路接続部Hに接続される。走査信号伝送路接続部Hは、スイッチ素子アレイ112の幅方向Yの他方Y2側に、各スイッチ素子Tに近接して設けられる。走査信号伝送路接続部Hは、第1および第2走査信号伝送路S1,S2に個別に接続される第1および第2走査信号伝送路接続部H1,H2を含んで構成される。第1および第2走査信号伝送路接続部H1,H2を総称する場合、および第1および第2走査信号伝送路接続部H1,H2のうち不特定のものを示す場合、単に走査信号伝送路接続部Hと記載する場合がある。各走査信号伝送路接続部Hは、発光信号伝送路接続部Fと同様な大きさおよび形状を有する。各走査信号伝送路接続部Hの幅方向Yの一方Y1側の端部と、発光信号伝送路接続部Fの幅方向Yの一方Y1側の端部とは、配列方向Xに揃えて設けられる。第1および第2走査信号伝送路接続部H1,H2は、配列方向Xの他方X2側から一方X1側に向かってこの順番で配列され、配列方向Xに相互に予め定める間隔W9をあけて形成される。走査信号伝送路接続部Hは、発光体チップ120の幅方向Yの他方Y2寄りの領域に設けられる。
前記走査スタート用スイッチ素子T0は、厚み方向Zの一方Z1側の端部、すなわち図1の紙面に垂直な方向手前側に、表面電極51を有する。走査スタート用スイッチ素子T0の表面電極51には、スタート信号伝送路Sの一端部が接続される。スタート信号伝送路Sの他端部は、スタート信号伝送路接続部19に接続される。スタート信号伝送路接続部19は、配列方向Xにおいて、走査信号伝送路接続部Hと発光信号伝送路接続部Fとの間に、これら走査信号伝送路接続部Hと発光信号伝送路接続部Fとに離間して設けられる。スタート信号伝送路接続部19は、各発光信号伝送路接続部Fおよび各走査信号伝送路接続部Hと、同様な大きさおよび形状を有する。スタート信号伝送路接続部19は、各発光信号伝送路接続部Fおよび各走査信号伝送路接続部Hと、幅方向Yの一方Y1の端部を、配列方向Xに揃えて設けられる。
トリガ信号伝送路Gは、各発光素子Lの予め定める部位であるゲート17と、各スイッチ素子Tの予め定める部位であるゲート18とを接続し、スイッチ素子Tから発光素子Lにトリガ信号を伝送する。スイッチ素子Tの数とトリガ信号伝送路Gの数とは等しく、トリガ信号伝送路Gは、N+1本のトリガ信号伝送路G1,G2,…,GN,GN+1を含んで構成される。トリガ信号伝送路G1,G2,…,GN,GN+1を総称する場合、およびトリガ信号伝送路G1,G2,…,GN,GN+1のうち不特定のものを示す場合、単にトリガ信号伝送路Gと記載する場合がある。本実施の形態では前記Nが、N=4に選ばれるので、トリガ信号伝送部Gは、5本のトリガ信号伝送路G1,G2,G3,G4,G5を含んで構成される。
スイッチ素子Tbは、トリガ信号伝送路Gdと接続される。記号「b」,「d」は正の整数であり、d=(N+1)+1−bの関係を有する。すなわちスイッチ素子T1には、トリガ信号伝送路G5が接続され、スイッチ素子T2には、トリガ信号伝送路G4が接続され、スイッチ素子T3にはトリガ信号伝送路G3が接続され、スイッチ素子T4にはトリガ信号伝送路G2が接続され、スイッチ素子T5にはトリガ信号伝送路G1が接続される。スイッチ素子Tでは、発光部Tsの幅方向Yの一方Y1の端部でトリガ信号伝送路Gがスイッチ素子Tのゲート18に接続され、トリガ信号伝送路Gは、スイッチ素子Tから幅方向Yの一方Y1側に延び、屈曲して配列方向Xの他方X2側に延びる。スイッチ素子Tの幅方向Yの一方Y1側の端から、発光体チップ120の幅方向Yの一方Y1側の端までの予め定める距離W10は、複数本のトリガ信号伝送路Gを設けることができる大きさに選ばれる。トリガ信号伝送路Gは、発光素子アレイ11と走査スタート用スイッチ素子T0との間で幅方向Yの他方Y2側に屈曲し、さらに発光素子Lのゲート17に積層されるように配列方向Xに屈曲して配列方向Xに沿って、発光素子アレイ11の配列方向Xの他方X2側まで延びる。各トリガ信号伝送路Gは、相互に重ならないように、かつショートしないように相互に離間して形成される。隣接するトリガ信号伝送路G間の距離は、例えば5μmに選ばれる。
発光素子ブロックCにおける発光素子Lの配列方向Xに沿う一方X1側から他方X2側に向かって第n(1≦n≦2×N)番目の発光素子Lnのゲート17と、N+1本の制御信号伝送路Gのうちの、第m(1≦m≦N+1)番目のトリガ信号伝送路Gmとが、以下の条件(1)および(2)を満たすように接続される。
条件(1) nが、1≦n≦Nのとき、mが、m=n
条件(2) nが、N+1≦n≦2×Nのとき、mが、m=2×N+2−n
本実施の形態ではスイッチ素アレイ112における配列方向Xに沿う一方X1側から他方X2側に向かって第m番目のスイッチ素子Tが、第m番目のトリガ信号伝送路Gmに接続されている。発光素子ブロックCに含まれ、配列方向Xに沿う一方X1側から他方X2側に向かって第n番目(1≦n≦8)の発光素子Lnのゲート17と制御信号伝送路Gの接続について、nが、1≦n≦4のとき、すなわち発光素子ブロックCに含まれる発光素子ブロック部分Bのうち、配列方向Xの一方X1側の発光素子ブロック部分Bに含まれる発光素子L1〜L4については、第n番目の発光素子Lnのゲート17と第n番目の制御信号伝送路Gnとが接続され、すなわち発光素子L1のゲート17は制御信号伝送路G1と接続され、発光素子L2のゲート17は制御信号伝送路G2と接続され、発光素子L3のゲート17は制御信号伝送路G3と接続され、発光素子L4のゲート17は制御信号伝送路G4と接続される。またnが、5≦n≦8のとき、すなわち発光素子ブロックCに含まれる発光素子ブロック部分Bのうち、配列方向Xの他方X2側の発光素子ブロック部分Bに含まれる発光素子L5〜T8については、第n番目の発光素子Lnのゲート17と第「2×N+2−n」番目の制御信号伝送路G「2N+2−n」とが接続され、すなわち発光素子L5のゲート17は制御信号伝送路G5と接続され、発光素子L6のゲート17は制御信号伝送路G4と接続され、発光素子L7のゲート17は制御信号伝送路G3と接続され、発光素子L8のゲート17は制御信号伝送路G2と接続される。
トリガ信号伝送路Gは、発光素子アレイ11の配列方向Xの他方X2側まで延び、発光体チップ120の配列方向Xの他方X2側の端部で、幅方向Yの他方Y2側に屈曲して、信号検出用端子Kに接続される。信号検出用端子Kは、トリガ信号伝送路Gのそれぞれに個別に接続される信号検出用端子K1,K2,K3,K4,K5を含んで構成される。信号検出用端子K1,K2,K3,K4,K5を総称する場合、および信号検出用端子K1,K2,K3,K4,K5のうち不特定のものを示す場合、単に信号検出用端子Kと記載する場合がある。信号検出用端子Kは、厚み方向Zの一方Z1側から見て矩形状に形成され、配列方向Xに沿って相互に予め定める間隔W11をあけて配列される。信号検出用端子Kは、発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19よりも小さく形成される。信号検出用端子Kの幅方向Yの他方Y2側の端部と、発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19の幅方向Yの他方Y2側の端部と、配列方向Xに揃えて設けられる。信号検出用端子Kは、絶縁層15に積層して設けられる。
信号検出用端子K1,K2,K3,K4,K5は、配列方向Xの一方X1側から他方X2側に向かって、この順番で配列される。信号検出用端子K1は、配列方向Xにおいて発光信号伝送路接続部Fiに予め定める距離W12離間して形成される。また信号検出用端子K5の配列方向Xの他方X2側の端は、発光体チップ20の配列方向Xの他方X2側の端から前記距離W13離間する。
図14は、図13のb1,b2,b3およびb4によって外囲される部分を拡大して示す平面図である。なお、同図において、トリガ信号伝送路Gおよび発光素子Lのゲート17は図解を容易にするため、斜線を付して示されている。本実施の形態において、共通接続部64は、厚み方向Zの一方Z1側から見てL字状に形成される。共通接続部64は、配列方向Xに沿って延びる第1共通部分64aと、第1共通部分64aに連なり、幅方向Yの他方Y2側に延びる第2共通部分64bとを含んで形成される。第1共通部分64aは、発光部分60から幅方向Yの他方Y2側に離間し、発光素子ブロックBに含まれる各発光素子Lに設けられる個別接続部63の幅方向Yの他方Y2側の端部に接続される。第1共通部分64aは、発光素子ブロックBの配列方向Xの一方X1側の端部に位置する発光素子Lと、他方X2側の端部に位置する発光素子Lとにわたって形成され、発光素子ブロックBの配列方向Xの寸法よりも短く選ばれる。第2共通部分64bは、第1共通部分64aの配列方向Xの一方X1側の端部に連なる。
図15は、図14の切断面線VI−VIから見た発光装置100の基本的構成を示す一部の断面図である。図16は、図14の切断面線VII−VIIから見た発光装置100の基本的構成を示す一部の断面図である。図15および図16に示す断面図は、図4および図5に示す断面図と同様であり、伝送路接続部分61に第1絶縁層15aを介して積層されるゲート信号伝送路Gの本数が異なるだけで、その説明を省略する。ゲート信号伝送路Gは、幅方向Yの一方Y1側から他方Y2側に向かって、ゲート信号伝送路G1,G2,G3,G4,G5がこの順番で配列される。
図17は、図13のc1,c2,c3およびc4によって外囲される部分を拡大して示す平面図である。なお、同図において、走査信号伝送路Sおよびスイッチ素子Tの発光部Tsのゲート118aおよび受光部Trのゲート118bは、図解を容易にするため、斜線を付して示されている。各スイッチ素子Tは、発光部Tsと、受光部Trと、接続部Tcとをそれぞれ含んで構成される。発光部Tsおよび受光部Trは、配列方向Xに予め定める距離W16離間する。各スイッチ素子Tの発光部Tsを個別に示す場合、スイッチ素子Tの参照符号に添え字「s」を付して記載し、各スイッチ素子Tの受光部Trを個別に示す場合、スイッチ素子Tの参照符号に添え字「r」を付して記載し、各スイッチ素子Tの接続部Tcを個別に示す場合、スイッチ素子Tの参照符号に添え字「c」を付して記載する。例えばスイッチ素子T1は、発光部Ts1、受光部Tr1および接続部Tc1を有する。
複数のスイッチ素子Tは、配列方向Xの他方X2側に隣接するスイッチ素子Tの発光部Tsに受光部Trを臨ませ、配列方向Xの一方X1側に隣接するスイッチ素子Tの受光部Trに発光部Tsを臨ませて配列される。つまりスイッチ素子T1の発光部Ts1は、スイッチ素子T2の受光部Tr2に臨み、スイッチ素子T2の発光部Ts2は、スイッチ素子T3の受光部Tr3に臨む。
各スイッチ素子Tの発光部Tsおよび受光部Trは、P型半導体層とN型半導体層とが交互に積層されて構成されるPNPN構造を有する発光サイリスタによって実現される。発光部Tsおよび受光部Trは同じ大きさに形成される。スイッチ素子Tの発光部Tsおよび受光部Trは、逆阻止3端子サイリスタと同様な負性抵抗特性を有する。発光部Tsおよび受光部Trは、ともに図8に示される電圧−電流特性を有する。スイッチ素子Tの受光部Trは、受光によって予め定める部位である受光部Trのゲート118bにトリガ信号を発生する。所定のスイッチ素子Tの発光部Tsが発光したときに、この所定のスイッチ素子Tの配列方向Xの他方X2側に向かう光を、この所定のスイッチ素子Tの受光部Trによって遮り、これによって所定のスイッチ素子Tのスイッチ素子Tの配列方向Xの他方X2側に隣接するスイッチ素子Tの発光部Tsが受光することによってトリガ信号が生成されてしまうことを抑制することができる。
発光部Tsの予め定める部位である発光部Tsのゲート118aと、受光部Trの予め定める部位である受光部Trのゲート118bとは、接続部Tcによって電気的に接続される。受光部Trのゲート118bに生成されたトリガ信号は、接続部Tcを介して発光部Tsのゲート118aに与えられる。発光部Tsのゲート118aにトリガ信号が与えられることによって、発光部Tsのしきい電圧またはしきい電流が低下する。発光部Tsは、走査信号伝送路Sに接続され、走査信号伝送路Sを介して与えられる走査信号φの電圧よりもしきい電圧が低下し、かつ前記走査信号φが与えられたとき、または走査信号φの電流よりもしきい電流が低下し、かつ前記走査信号φが与えられたとき発光する。走査信号φの電圧とは、走査信号φが与えられることによって、スイッチ素子Tの発光部Tsのアノードおよびカソード間に印加される電圧であり、走査信号φの電流とは、走査信号φが与えられることによってスイッチ素子Tの発光部Tsに与えられる電流である。
配列方向Xにおける各スイッチ素子Tの予め定める間隔W6および発光部Tsと受光部Trとの予め定める間隔W16は、製造工程における制限を受けるので、スイッチ素子Tの厚み方向Zの高さの2倍以上に形成されるが、20μm未満に選ばれ、好ましくは10μm以下に選ばれる。本実施の形態では、スイッチ素子Tの高さを約4μmとしており、この場合には予め定める間隔W6,W16は8μm程度になる。前記予め定める間隔W6,W16が20μm以上になると、光の伝送効率が大きく低下してしまう。発光部Tsの配列方向Xの寸法W17および受光部Trの配列方向Xの寸法W18は、等しく選ばれ、前記配列方向Xの各発光素子Lの寸法W2と等しく選ばれる。
図18は、図17の切断面線VIII−VIIIから見た発光装置100の基本的構成を示す一部の断面図である。発光部Tsは、基板21の一表面21a上に順次積層される第1の一方導電型半導体層42s、第1の他方導電型半導体層43s、第2の一方導電型半導体層44s、第2の他方導電型半導体層45sおよびオーミックコンタクト層47を有する。基板21の厚み方向Zの一表面21aに第1の一方導電型半導体層42sが積層される。第1の一方導電型半導体層42sの厚み方向Zの一表面に、第1の他方導電型半導体層43sが積層される。第1の他方導電型半導体層43sの厚み方向Zの一表面に、第2の一方導電型半導体層44sが積層される。第2の一方導電型半導体層44sの厚み方向Zの一表面に、第2の他方導電型半導体層45sが積層される。第2の他方導電型半導体層45sの厚み方向Zの一表面にオーミックコンタクト層47が形成される。オーミックコンタクト層47の厚み方向Zの一表面には、表面電極50が積層され、第1および第2走査信号伝送路15a,15bのいずれかが接続される。一方導電型半導体層42s、第1の他方導電型半導体層43s、第2の一方導電型半導体層44s、第2の他方導電型半導体層45sおよびオーミックコンタクト層47の積層体は、略直方体状に形成される。発光部Tsは、長手方向が幅方向Yに沿うように配置される。
受光部Trは、基板21の上に順次積層される第1の一方導電型半導体層42r、第1の他方導電型半導体層43r、第2の一方導電型半導体層44r、第2の他方導電型半導体層45rおよび遮光部形成層46を有する。基板21の一表面21aに第1の一方導電型半導体層42rが積層される。第1の一方導電型半導体層42rの厚み方向Zの一表面に、第1の他方導電型半導体層43rが積層される。第1の他方導電型半導体層43rの厚み方向Zの一表面に、第2の一方導電型半導体層44rが積層される。第2の一方導電型半導体層44rの厚み方向Zの一表面に、第2の他方導電型半導体層45rが積層される。第2の他方導電型半導体層45rの厚み方向Zの一表面に遮光部形成層46が形成される。一方導電型半導体層42r、第1の他方導電型半導体層43r、第2の一方導電型半導体層44r、第2の他方導電型半導体層45rおよび遮光部形成層46の積層体は、略直方体状に形成される。受光部Trは、長手方向が幅方向Yに沿うように配置される。
発光部Tsの第1の一方導電型半導体層42sおよび受光部Trの第1の一方導電型半導体層42rを形成する半導体材料は、前述した実施の形態における第1の一方導電型半導体層42を形成する半導体材料と同様に選ばれる。発光部Tsの第1の一方導電型半導体層42sおよび受光部Trの第1の一方導電型半導体層42rの厚みは、前述した実施の形態における第1の一方導電型半導体層42の厚みと同様に選ばれる。
発光部Tsの第1の他方導電型半導体層43sおよび受光部Trの第1の他方導電型半導体層43rを形成する半導体材料は、前述した実施の形態における第1の他方導電型半導体層43を形成する半導体材料と同様に選ばれる。発光部Tsの第1の他方導電型半導体層43sおよび受光部Trの第1の他方導電型半導体層43rの厚みは、前述した実施の形態における第1の他方導電型半導体層43と同様に選ばれる。
発光部Tsの第2の一方導電型半導体層44sおよび受光部Trの第2の一方導電型半導体層44rを形成する半導体材料は、前述した実施の形態における第1の他方導電型半導体層44を形成する半導体材料と同様に選ばれる。発光部Tsの第2の一方導電型半導体層44sのうち第2の他方導電型半導体層45sが積層される部分の厚み、および受光部Trの第2の一方導電型半導体層44rのうち第2の他方導電型半導体層45rが積層される部分の厚みは、前述した実施の形態における第1の他方導電型半導体層44のうち第2の他方導電型半導体層45が積層される部分の厚みと同様に選ばれる。
発光部Tsの第2の他方導電型半導体層45sおよび受光部Trの第2の他方導電型半導体層45rを形成する半導体材料は、前述した実施の形態における第2の他方導電型半導体層45を形成する半導体材料と同様に選ばれる。発光部Tsの第2の他方導電型半導体層45sおよび受光部Trの第2の他方導電型半導体層45rの厚みは、前述した実施の形態における第2の他方導電型半導体層45の厚みと同様に選ばれる。
受光部Trの遮光部形成層46は、オーミックコンタクト層47と同じ半導体材料によって形成され、また同じ厚みに形成される。本実施の形態では、一方導電型はN型であり、他方導電型はP型である。
発光部Tsおよび受光部Trは、第1絶縁層15aによって覆われる。第1絶縁層15aには、走査信号伝送路Sが積層して形成される。走査信号伝送路Sのうちスイッチ素子アレイ112に積層して形成される部分は、表面電極50に積層される第1絶縁層15a上に形成されて、配列方向Xに延びる第1伝送路形成部分110と、第1伝送路形成部分110に連なり幅方向Yの他方Y2に延びる第2伝送路形成部分111とを有する。走査信号伝送路S1の第1伝送路形成部分110aは、走査信号S1の第1伝送路形成部分110bの幅方向Yの一方Y1に形成され、配列方向Xにおいてスイッチ素子T5の発光部Ts5からスイッチ素子T1の発光部Ts1にわたって延びる。走査信号伝送路S1の第2伝送路形成部分111aは、第1伝送路形成部110aの配列方向Xの他方X2の端部に連なる。走査信号伝送路S2の第1伝送路形成部分110aは、配列方向Xにおいてスイッチ素子T4の発光部Ts4からスイッチ素子T2の発光部Ts2にわたって延びる。走査信号伝送路Sは、第2絶縁層15bによって覆われる。スイッチ素子アレイ112が形成される部分の第2絶縁層15bに積層して、遮光層16が形成される。第1絶縁層15aのうち表面電極50に積層される部分には、貫通孔52が形成され、走査信号伝送路Sの一部が前記貫通孔52に形成されて、走査信号伝送路Sと表面電極50とが接触する。
図19は、図17の切断面線IIX−IIXから見た発光装置100の基本的構成を示す一部の断面図である。スイッチ素子Tの発光部Tsの第1の一方導電型半導体層42sと、第1の他方導電型半導体層43sと、第2の一方導電型半導体層44sとの幅方向Yの一方Y1の端部は、第2の他方導電型半導体層45sと、オーミックコンタクト層47との幅方向Yの一方Y1の端部よりも、幅方向Yの一方Y1に向かって突出し、発光部接続部54sを構成する。スイッチ素子Tの発光部Tsの第2の一方導電型半導体層44sのうち、発光部接続部54sを構成する部分44sAは、第2の他方導電型半導体層45sが積層される部分44sBよりも厚みが小さく形成される。
発光部Tsは、第1絶縁層15aによって覆われる。第2の一方導電型半導体層44sのうち発光部接続部54sを構成する部分には、ダイオード配線部155が接続される。第1絶縁層15aのうち、発光部接続部54sに積層される部分には、貫通孔156が形成され、前記貫通孔156を介して、ダイオード配線部155と第2の一方導電型半導体層44sとが接続される。ダイオード配線部155は、幅方向Yにおいて発光部接続部54sの中間部に接続される。
第1絶縁層15aのうち、発光部接続部54sの幅方向Yの一方Y1の端部に積層される部分には、突出部152よりも幅方向Yの一方Y1寄りに貫通孔55が形成される。貫通孔55には、トリガ信号伝送路Gの一部が形成され、トリガ信号伝送路Gと発光部Tsのゲート118aとなる第2の一方導電型半導体層44sとが接続される。
第1絶縁層15aのうち、第1絶縁層15aに積層して形成される部分には、貫通孔52が形成される。走査信号伝送路S1,S2のうちのいずれか一方が貫通孔52を介して、表面電極50と接続される。ダイオード配線部155は、トリガ信号伝送路Gおよび走査信号伝送路Sとともに、第2絶縁層15bによって覆われる。第2絶縁層15bには、スイッチ素子Tを覆って遮光層16が積層される。
図20は、図17の切断面線IX−IXから見た発光装置100の基本的構成を示す一部の断面図である。スイッチ素子Tの受光部Trの第1の一方導電型半導体層42rと、第1の他方導電型半導体層43rと、第2の一方導電型半導体層44rとの幅方向Yの一方Y1の端部は、第2の他方導電型半導体層45rと、遮光部形成層46との幅方向Yの一方Y1の端部よりも、幅方向Yの一方Y1に向かって突出し、受光部接続部54rを構成する。スイッチ素子Tの受光部Trの第2の一方導電型半導体層44rのうち、受光部接続部54rを構成する部分44rAの幅方向Yの他方Y2の端部は、第2の他方導電型半導体層45sが積層される部分44sBよりも厚みが小さく形成される。
第2の一方導電型半導体層44rの幅方向Yの一方Y1の端部152の厚みは、第2の一方導電型半導体層44rのうち、第2の他方導電型半導体層45rが積層される部分の厚みと等しく選ばれる。
第2の一方導電型半導体層44rの幅方向Yの一方Y1の端部152の厚み方向Zの一表面152aには、第1ダイオード構成半導体層153が積層される。ダイオード構成半導体層153の厚み方向一表面153aには、第2ダイオード構成半導体層154が積層される。第2の一方導電型半導体層44rの幅方向Yの一方Y1の端部152、第1ダイオード構成半導体層153および第2ダイオード構成半導体層154の積層体は、略直方体形状に形成される。第2の一方導電型半導体層44rの幅方向Yの一方Y1の端部152、第1ダイオード構成半導体層153および第2ダイオード構成半導体層154の幅方向Yの寸法は、20μm以上、好ましくは30μm以上に選ばれる。
第1ダイオード構成半導体層153および第2ダイオード構成半導体層154は、他方導電型の半導体材料によって形成される。第1ダイオード構成半導体層153の厚みは、発光部Tsの第2の他方導電型半導体層45rを形成する半導体材料と同じ材料によって形成され、かつ第2の他方導電型半導体層45rと厚みが等しく選ばれる。また第2ダイオード構成半導体層154は、遮光部形成層46を形成する半導体材料と同じ材料によって形成され、かつ遮光部形成層46と厚みが等しく選ばれる。
受光部Trおよび第1および第2ダイオード構成半導体層153,154の積層体は、第1絶縁層15aによって覆われる。第1絶縁層15aのうち、第2ダイオード構成半導体層154に積層される部分には、貫通孔157が形成され、前記貫通孔157を介して、ダイオード配線部155と第2ダイオード構成半導体層154が接続される。ダイオード配線部155は第2絶縁層15bによって覆われる。
第1および第2ダイオード構成半導体層153,154およびダイオード配線層155を介して、受光部Trのゲート118bが発光部Tsのゲート118aに接続されることによって、受光部Trのゲート118bよりも発光部Tsのゲート118aの電位が高くなる電位差生成用のダイオードが実現される。この電位差形成用ダイオードによって発生する電位差は、このダイオードの拡散電位に相当し、例えばGaAsでこの電位差形成用ダイオードを形成した場合、1.3〜1.5Vとなる。
第1絶縁層15aのうち、遮光部形成層46に積層される部分には、走査信号伝送路S1,S2が積層される。ダイオード配線層155および走査信号伝送路S1,S2は、第2絶縁層15bによって覆われる。第2絶縁層15bには、スイッチ素子Tを覆って遮光層16が形成される。
図21は、図17の切断面線X−Xから見た発光装置100の基本的構成を示す一部の断面図である。第2のダイオード構成半導体層154は、発光部接続部54sの第2の一方導電型半導体層44sよりも、基板21の一表面21aから厚み方向Zの一方Z1に離間した位置に形成される。第1絶縁層15aのうち、第2のダイオード構成半導体層154の厚み方向Zの一表面上と、発光部接続部54sの第2の一方導電型半導体層44sの厚み方向Zの一表面上との間に形成される部分の表面は、第2のダイオード構成半導体層154から第2の一方導電型半導体層44sに向かって基板21に近接する方向に傾斜する。ダイオード配線部155は、第1絶縁層15aの前記傾斜した部分に積層されて、発光部Tsから受光部Trまで延びて形成される。
ダイオード配線部155は、金属材料および合金材料などの導電性を有する材料によって形成され、具体的には金(Au)、金とゲルマニウムとの合金(AuGe)、金と亜鉛との合金(AuZn)、ニッケル(Ni)およびアルミニウム(Al)などによって形成される。ダイオード配線部155は、発光信号伝送路Eと、第1および第2走査信号伝送路S1,S2と、スタート信号伝送路Sと同じ導電性材料によって形成される。ダイオード配線部155は、蒸着法などによって導電性材料を第1絶縁層15aの表面に積層した後、フォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして、発光信号伝送路Eの個別接続部63、第1および第2走査信号伝送路S1,S2、ゲート信号伝送路Gならびにスタート信号伝送路Sと同時に形成される。したがって、ダイオード配線部155を作製するために、製造工程が増加することがない。
各発光素子L、各スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0は、基板21の一表面21aに、第1の一方導電型半導体層22,42s,42rと、第1の他方導電型半導体層23,43s,43rと、第2の一方導電型半導体層24,44s,44rおよび第1ダイオード構成半導体層153と、第2の他方導電型半導体層25,45s,45rおよび第2ダイオード構成半導体層154と、オーミックコンタクト層27,47および遮光部形成層46とを、それぞれ形成するための半導体材料を、エピタキシャル成長および化学気相成長(CVD)法などによって順次積層した後、フォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして形成される。したがって、一連の製造プロセスにおいて、発光素子L、スイッチ素子Tおよび走査スタート用スイッチ素子T0ならびにダイオードを同時に形成することができるので、作製時間および製造コストを低減することができる。各半導体層を形成した後、導電体層を蒸着法などによって形成し、フォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして、表面電極50,51を形成する。
表面電極50,51を形成した後、前述したポリイミドなどの樹脂材料をスピンコーティングした後、塗付した樹脂材料を硬化させ、発光信号伝送路Eと、走査信号伝送路Sと、スタート信号伝送路Sと、ダイオード配線部155と、発光素子L、スイッチ素子Tまたは走査スタート用スイッチ素子T0との接続に必要な各貫通孔29,32,53,55,156,157をフォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして、第1絶縁層15aが形成される。
発光信号伝送路Eの個別接続部63と、走査信号伝送路Sと、トリガ信号伝送路Gと、スタート信号伝送路Sとは、第1絶縁層15を形成した後、蒸着法などによって導電性材料を第1絶縁層15aの表面に積層した後、フォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして、同時に形成される。この後、前述したポリイミドなどの樹脂材料をスピンコーティングした後、塗付した樹脂材料を硬化させ、貫通孔33と、走査信号伝送路Sと走査信号伝送路接続部Hとを接続するための貫通孔と、走査スタート信号伝送路Sと走査スタート信号伝送路接続部19とを接続するための貫通孔と、トリガ信号伝送路Gとトリガ信号検出用端子Kとを接続するための貫通孔とをフォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして、第2絶縁層15bが形成される。この後、導電体層を蒸着法などによって形成し、フォトリソグラフィによってパターニングおよびエッチングして、共通接続部64と、発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部H、走査スタート信号伝送路接続部19およびトリガ信号検出用端子Kとを形成する。
図22は、図13に示される発光装置100の基本的構成を示す一部の等価回路を示す回路図である。発光装置100は、駆動手段257をさらに含んでいる。発光装置100は、図22の等価回路図に示されるように、スイッチ素子Tの発光部Tsのゲート118aに、接続部Tcに含まれるダイオードのアノードが接続され、受光部Trのゲート118bに接続部Tcに含まれるダイオードのカソードが接続されている。つまりダイオードは、受光部Trのゲート118bよりも、発光部Tsのゲート118aの電位が高くなるように接続される。
駆動手段257は、第1および第2走査信号伝送路S1,S2と、スタート信号伝送路Sと、発光信号伝送路Eとに接続される。駆動手段257は、第1および第2走査信号伝送路S1,S2に走査信号φ1,φ2をそれぞれ与え、スタート信号伝送路Sにスタート信号φSを与え、発光信号伝送路Eに発光信号φEをそれぞれ与える。駆動手段257は、駆動用ドライバーIC(Integrated Circuit)によって実現される。
駆動手段257は、外部から基準となるクロックパルス信号を入力して、このクロックパルス信号に基づいて、走査信号φ1,φ2およびスタート信号φSを同期して出力し、走査信号伝送路Sおよびスタート信号伝送路Sにそれぞれ与える。発光装置100は、前述した画像形成装置87に搭載される。前記クロックパルス信号は、画像形成装置87の制御手段96から与えられる。クロックパルス信号のクロック周期は、画像形成装置87の制御手段96における制御周期よりも長く選ばれる。また駆動手段257は、クロックパルス信号とともに与えられる画像情報に基づいて、発光信号φEを出力して、発光信号伝送路Eに与える。
発光装置100は、スイッチ素子Tが前述した発光部Tsおよび受光部Trを有することによって、所定のスイッチ素子Tの発光部Tsが発光したときに、この所定のスイッチ素子Tの配列方向Xの他方X2に向かう光を、この所定のスイッチ素子Tの受光部Trによって遮ることができる。これによって前記所定のスイッチ素子Tの配列方向Xの一方X1に隣接するスイッチ素子Tの受光部Trに受光させて、前記所定のスイッチ素子Tの配列方向Xの一方X1に隣接するスイッチ素子Tの発光部Tsのみ、しきい電圧またはしきい電流を低下させることができるので、2本の走査信号伝送路Sで前述の実施の形態の発光装置10と同様に、スイッチ素子Tを配列方向Xに沿って順番に発光させて、トリガ信号伝送路Gに順番にトリガ信号を伝送させることができる。
スイッチ素子Tの発光部Tsのゲート118aと、受光部Trのゲート118bとが、受光部Trから受光部Trへの電流の流入を制限するダイオードによって接続されているので、受光部Trが受光したときに、ダイオードの拡散電圧分だけ、受光部Trのゲート118bにダイオードを介して接続されている発光部Tsのゲート118aの電位を上昇させることができ、受光部Trが、受光によってトリガ信号を発生したときに、このトリガ信号が発光素子Lのゲート17に直接与えられてしまうことが防止され、また発光部Tsおよび発光素子Lのしきい電圧またはしきい電流が、過剰に低下してしまうことを制限することができる。これによって、発光素子Lのしきい電圧またはしきい電流の過剰な低下に伴って発光の誤動作を生じてしまうことが抑制されるとともに、発光信号伝送路Eを伝送する発光信号φEのハイレベルの電圧または電流の範囲を大きく設定することができ、発光素子Lの光強度の選択の自由度が向上する。
第1および第2走査信号伝送路S1,S2には、各スイッチ素子Tと直列に接続される抵抗成分Rφがそれぞれ形成される。第1および第2走査信号伝送路S1,S2に形成される抵抗成分Rφは、駆動手段257から走査信号伝送路Sに過電流が流れてしまうことを防止するとともに、各スイッチ素子Tに印加される電圧を分圧する分圧抵抗としての機能を有する。またスタート信号伝送路Sにも、走査スタート用スイッチ素子T0と直列になるように抵抗成分Rφが形成される。
図23は、駆動手段257が、スタート信号伝送路Sに与えるスタート信号φSと、第1走査信号伝送路15aに与える走査信号φ1と、第2走査信号伝送路15bに与える走査信号φ2と、発光信号伝送路E1に与える発光信号φE1と、発光信号伝送路E2に与える発光信号φE2と、発光素子L1〜L8の発光強度と、走査スタート用スイッチ素子T0およびスイッチ素子T1〜T5の発光強度とを示す波形図である。発光素子L1〜L8および走査スタート用スイッチ素子T0ならびにスイッチ素子T1〜T5の発光強度は、ハイ(H)レベルのとき発光していることを表し、ロー(L)レベルのとき発光していないことを表す。図23において、横軸は時間であって、基準時刻からの経過時間を表す。またここでは、発光素子ブロックC1の発光素子L1〜L8の全てを点灯させる場合について説明する。
また同図においてスタート信号φS、走査信号φ1,φ2および発光信号φEについて、縦軸は、信号レベルを表す。信号レベルは、電圧または電流の大きさを表し、スタート信号φS、走査信号φ1,φ2および発光信号φE1,φE2は、ハイ(H)レベルのとき、高電圧または高電流が信号伝送路に供給され、スタート信号φS、走査信号φ1,φ2および発光信号φE1,φE2は、ロー(L)レベルのとき、低電圧または低電流が信号伝送路に供給される。スタート信号φS、走査信号φ1,φ2および発光信号φE1,φE2がLレベルのとき、伝送路に供給される電圧または電流は、各素子のしきい電圧またはしきい電流よりも小さい。電圧の場合では、ハイレベルは、例えば3ボルト(V)〜10ボルト(V)である。電圧の場合では、ローレベルは、例えば0(零)ボルト(V)である。
本実施の形態では、Hレベルのときのスタート信号φS、走査信号φ1,φ2ならびに発光信号φE1,φE2の電圧を例えば5ボルト(V)とし、Lレベルのスタート信号φS、走査信号φ1,φ2ならびに発光信号φE1,φE2の電圧を例えば0ボルト(V)とする。走査信号φ1,φ2の波形は同じであり、位相が異なる。
発光装置100においても、発光させるべき発光素子Lのしきい電圧またはしきい電流を低下させるために、スイッチ素子Tの発光状態を、配列方向Xに沿って転送する。
以後、駆動手段257の動作について説明する。まず時刻t0で、駆動手段257は、スタート信号φS、走査信号φ1,φ2ならびに発光信号φE1,φE2をローレベルとする。スタート信号φSをローレベルにしておくことによって、走査スタート用スイッチ素子T0は発光しない。駆動手段257は、発光信号φE1,φE2、スタート信号φSおよび走査信号φについて、信号レベルをローレベルからハイレベルにすると、次に信号レベルをハイレベルからローレベルにするまで、信号レベルをハイレベルとなるように維持する。また駆動手段257は、発光信号φE1,φE2、スタート信号φSおよび走査信号φについて、信号レベルをハイレベルからローレベルにすると、次に信号レベルをローレベルからハイレベルにするまで、信号レベルをローレベルとなるように維持する。
時刻t1で、駆動手段257は、スタート信号φSのみをローレベルからハイレベルに変化させる。時刻t1において、走査信号φ1,φ2および発光信号φE1,φE2は、ローレベルである。これによって、走査スタート用スイッチ素子T0がオン状態になり、すなわちターンオンして発光する。スタート信号φSのハイレベルの信号は、走査スタート用スイッチ素子T0のしきい電圧またはしきい電流よりも大きい電圧または電流である。
走査スタート用スイッチ素子T0の光は、隣接するスイッチ素子アレイ112の配列方向Xの端部に配置されるスイッチ素子T1の受光部Tr1に最も強く入射する。スイッチ素子アレイ112の他のスイッチ素子Tでは、配列方向Xに走査スタート用スイッチ素子T0から離間した位置に配置されるスイッチ素子Tほど、走査スタート用スイッチ素子T0から照射される光の強度が小さくなる。スイッチ素子Tの受光部Trでは、受光すると光励起によって各半導体層に、受光強度に応じたキャリアが生成される。受光部Trのゲート118bおよび発光部Tsのゲート118aは、接続部Tcによって接続されているので、受光部Trにおいて光励起によって、受光部のゲート118bにトリガ信号としてのキャリアが生成されると、このトリガ信号は、接続部Tcを介して発光部Tsのゲート118aに与えられ、発光部Tsにおいてもキャリアが生成される。キャリアの生成によって、第2の一方導電型半導体層44sに蓄積される電子が、第2の一方導電型半導体層44sのフェルミ準位を下げ、これによって第1の他方導電型半導体層43sと第2の一方導電型半導体層44sとの接合部分において、なだれ現象が発生しやすくなり、発光部Tsにおけるしきい電圧またはしきい電流を低下させることができる。
このため、スイッチ素子Tの受光部Trが、光を受光することによってこの受光した受光部Trと接続部Tcによって接続される発光部Tsのしきい電圧またはしきい電流が低下し、また受光部Trによって受光する光強度が大きくなるほど、この受光した受光部Trと接続部Tcによって接続される発光部Tsのしきい電圧またはしきい電流の降下が大きくなるという特性を有する。
次に走査スタート用スイッチ素子T0からスイッチ素子T1への発光状態の転送について説明する。走査スタート用スイッチ素子T0が発光すると、この光をスイッチ素子T1の受光部Tr1が受光し、前述したようにスイッチ素子T1の発光部Ts1のしきい電圧が低下する。
時刻t1が経過した後、時刻t2においてスイッチ素子T1の発光部Ts1のしきい電圧はVTHとなっている。走査信号伝送路S1には、スイッチ素子T1,T3,T5が接続されているが、スイッチ素子T3,T5は、走査スタート用スイッチ素子T0から十分に離れているので、走査スタート用スイッチ素子T0からの光を受光しても、その光は微弱であるので、その発光部Tsのしきい電圧は、VBOからほとんど変化しない。
時刻t2で、駆動手段257は、走査信号φ1をローレベルからハイレベルにする。時刻t2において、スタート信号φSはハイレベルであり、走査信号φ2、発光信号φE1,φE2はローレベルである。走査信号φ1のハイレベルは、第1走査信号伝送路S1に接続されるスイッチ素子T1の発光部Ts1を除く他のスイッチ素子T3,T5の発光部Tsのしきい電圧またはしきい電流うちの最低値よりも、高い電圧または高い電流に選ばれる。
隣接するスイッチ素子Tの発光部Tsからの光を受光することによってしきい電圧またはしきい電流が低下したスイッチ素子Tの発光部Tsが接続される走査信号伝送路Sに、この走査信号伝送路Sに接続される他のスイッチ素子Tの発光部Tsのしきい電圧またはしきい電流の最低値よりも高い電圧または電流の走査信号φを与えると、スイッチ素子Tには、抵抗成分Rφによって分圧された電圧が与えられる。各スイッチ素子Tには、抵抗成分Rφによって分圧された電圧が徐々に印加されることとなり、同じ走査信号伝送路Sに接続される複数のスイッチ素子Tのうち、隣接しているスイッチ素子Tからの光を受光した受光部Trを有するスイッチ素子Tの発光部Tsに与えられる電圧または電流が、最も早くこのスイッチ素子Tの発光部Tsのしきい電圧またはしきい電流よりも大きくなる。これによって、しきい電圧またはしきい電流が最も低いスイッチ素子Tの発光部Tsのみが発光し、他のスイッチ素子Tは、発光しない。
走査信号φのハイレベルを前述のように選ぶことによって、しきい電圧またはしきい電流が低下したスイッチ素子Tに、より高電圧または高電流を与えて、オン状態に移行させることができ、光走査の速度を向上させることができる。さらに走査信号φのハイレベルの電圧または電流を、スイッチ素子Tの変動するしきい電圧またはしきい電流に関係なく決定することができるので、駆動手段257の設計が容易となる。
これによって、時刻t2で、スイッチ素子T1の発光部Ts1がオン状態となり、すなわちターンオンして発光する。スイッチ素子T1の発光部Ts1がオン状態となった後、時刻t3で、駆動手段257は、スタート信号φSをローレベルにする。これによって、走査スタート用スイッチ素子T0は、オフ状態となり、すなわちターンオフして消灯する。このようにして、走査スタート用スイッチ素子T0から、スイッチ素子T1へと発光状態が遷移する。スタート信号φSをハイレベルとする時間は、走査信号φ1,φ2をハイレベルとする時間と同じ時間とする。
時刻t2と時刻t3との間の時間は、走査信号φ1がハイレベルとなる時間の1/10程度に選ばれる。このように、隣接するスイッチ素子Tにおいて与えられる走査信号φ1,φ2がハイレベルとなる時間が重なるように駆動手段257が走査信号φを与えることによって、隣接するスイッチ素子Tのしきい電圧またはしきい電流が確実に低下している間に、走査信号φをハイレベルとすることができ、光走査を確実に行うことができる。本実施の形態では、走査信号φ1,φ2がハイレベルとなる時間は、1μ秒程度に選ばれる。したがって、時刻t2と時刻t3との間の時間は、0.1μ秒程度に選ばれる。
スイッチ素子T1の受光部Tr1は、受光によってゲート118bにトリガ信号を発生し、時刻t2においてスイッチ素子T1の発光部Ts1がオン状態となると、ハイレベルとされた走査信号φ1がローレベルになるまでは、オン状態を維持する。オン状態となると、スイッチ素子T1の発光部Tsのゲート18の電圧は、ほぼ0(零)ボルト(V)になる。ここで前記スイッチ素子T1の発光部Tsのゲート18の電圧とは、このゲート18と接地される裏面電極26との電位差である。スイッチ素子T1の発光部Tsのゲート18は、発光素子L5のゲート17に接続されているので、スイッチ素子T1の発光部Tsのゲート18の電圧は、発光素子L5のゲート17の電圧と等しくなる。このようにスイッチ素子T1は、発光素子L5のゲート17と裏面電極26とに印加される電圧を変化させることができる。
駆動手段257は、時刻t3が経過した後、時刻t4で、発光信号φE1,φE2をローレベルからハイレベルにする。時刻t4では、スイッチ素子T1の発光部Ts1がオン状態であるので、発光素子L5のゲート17が、ほぼ0(零)ボルト(V)となっている。時刻t4では、スイッチ素子T2〜T5はオフ状態であり、発光素子L1〜L4,L6〜L8のゲート17の電圧は、発光素子L5のゲート17の電圧よりも高くなっている。時刻t4における発光素子L5のしきい電圧をVTH(L5)とし、時刻t4における発光素子L1〜L4,L6〜L8のしきい電圧をそれぞれVTH(L1),…,VTH(L7),VTH(L8)とすると、発光信号φE1,φE2のハイレベルVを、発光素子L5のしきい電圧VTH(L5)よりも大きく、発光素子L1〜L4,L6〜L8のしきい電圧のうち、最低値のものよりも小さな値に選ぶことによって、発光素子L5のみを選択的にオン状態として、発光させることができる。発光信号φE1,φE2のハイレベルの電圧または電流は、等しく選ばれる。
時刻t4が経過した時刻t5で、駆動手段257は、発光信号φE1,φE2をハイレベルからローレベルにする。これによって、アノード電位が0Vとなり、カソードの電位と等しくなるので、発光状態にあった発光素子L5はオフ状態になり、すなわちターンオフして消灯する。
時刻t5が経過した時刻t6で、駆動手段257は、走査信号φ2をローレベルからハイレベルにする。これによって、スイッチ素子T2の発光部Ts2がオン状態となり、すなわちターンオンして発光する。
スイッチ素子T2の発光部Ts2がオン状態となった後、時刻t7で、駆動手段257は、走査信号φ1をローレベルにする。これによって、スイッチ素子T1の発光部Ts1はオフ状態となり、すなわちターンオフして消灯する。時刻t7で、発光信号φE1,φE2は、ローレベルである。時刻t7では、スイッチ素子T1〜T5および発光素子L1〜L8の全てが消灯している。
時刻t7が経過した時刻t8で、駆動手段257は、発光信号φE1,φE2をローレベルからハイレベルする。これによって、発光信号伝送路E1,E2に接続される発光素子L1〜L8のうち、スイッチ素子T2に接続される発光素子L4,L6のみがオン状態になり、すなわちターンオンして発光する。それら以外の発光素子L1〜L3,L5,L7,L8は、スイッチ素子T1,T3〜T5がオフ状態であるので、消灯している。
時刻t8が経過した時刻t9で、駆動手段257は、発光信号φE1,φE2をハイレベルからローレベルにする。これによって、発光状態にあった発光素子L4,L6はオフ状態になり、すなわちターンオフして消灯する。時刻t9では、発光素子L1〜L8の全てが消灯している。
時刻t9が経過した時刻t10で、駆動手段257は、走査信号φ1をローレベルからハイレベルにする。これによって、スイッチ素子T3の発光部Ts3がオン状態となり、すなわちターンオンして発光する。
スイッチ素子T3の発光部Ts3がオン状態となった後、時刻t11で、駆動手段257は、走査信号φ2をローレベルにする。これによって、スイッチ素子T2の発光部Ts2はオフ状態となり、すなわちターンオフして消灯する。時刻t11で、発光信号φE1,φE2は、ローレベルである。時刻t11では、発光素子L1〜L8の全てが消灯している。
時刻t11が経過した時刻t12で、駆動手段257は、発光信号φE1,φE2をローレベルからハイレベルする。これによって、発光信号伝送路E1,E2に接続される発光素子L1〜L8のうち、スイッチ素子T3に接続される発光素子L3,L7のみがオン状態になり、すなわちターンオンして発光する。それら以外の発光素子L1,L2,L4〜L6,L8は、スイッチ素子T1,T2,T4,T5がオフ状態であるので、消灯している。
時刻t12が経過した時刻t13で、駆動手段257は、発光信号φE1,φE2をハイレベルからローレベルにする。これによって、発光状態にあった発光素子L3,L6はオフ状態になり、すなわちターンオフして消灯する。時刻t13では、発光素子L1〜L8の全てが消灯している。
時刻t13が経過した時刻t14で、駆動手段257は、スタート信号φSおよび走査信号φ2をローレベルからハイレベルにする。これによって、走査スタート用スイッチ素子T0およびスイッチ素子T4の発光部Ts4がオン状態となり、すなわちターンオンして発光する。
スイッチ素子T4の発光部Ts4がオン状態となった後、時刻t15で、駆動手段257は、走査信号φ1をローレベルにする。これによって、スイッチ素子T3の発光部Ts3はオフ状態となり、すなわちターンオフして消灯する。時刻t15で、発光信号φE1,φE2は、ローレベルである。時刻t15では、発光素子L1〜L8の全てが消灯している。
時刻t15が経過した時刻t16で、駆動手段257は、発光信号φE1,φE2をローレベルからハイレベルする。これによって、発光信号伝送路E1,E2に接続される発光素子L1〜L8のうち、スイッチ素子T4に接続される発光素子L2,L8のみがオン状態になり、すなわちターンオンして発光する。それら以外の発光素子L1,L3〜L7は、スイッチ素子T1〜T3,T5がオフ状態であるので、消灯している。
時刻t16が経過した時刻t17で、駆動手段257は、発光信号φE1,φE2をハイレベルからローレベルにする。これによって、発光状態にあった発光素子L2,L8はオフ状態になり、すなわちターンオフして消灯する。時刻t17では、発光素子L1〜L8の全てが消灯している。
時刻t17が経過した時刻t18で、駆動手段257は、走査信号φ1をローレベルからハイレベルにする。これによって、スイッチ素子T1,T5の発光部Ts1,Ts5がオン状態となり、すなわちターンオンして発光する。
スイッチ素子T1,T5の発光部Ts1,Ts5がオン状態となった後、時刻t19で、駆動手段257は、スタート信号φSおよび走査信号φ2をローレベルにする。これによって、走査スタート用スイッチ素子T0およびスイッチ素子T4の発光部Ts4はオフ状態となり、すなわちターンオフして消灯する。時刻t19では、発光信号φE1,φE2は、ローレベルであり、および発光素子L1〜L8の全てが消灯している。
時刻t19が経過した時刻t20で、駆動手段257は、発光信号φE1,φE2をローレベルからハイレベルする。これによって、発光信号伝送路E1,E2に接続される発光素子L1〜L8のうち、スイッチ素子T1,T5に接続される発光素子L1,L5のみがオン状態になり、すなわちターンオンして発光する。それら以外の発光素子L2〜L4,L6,L7は、スイッチ素子T2〜T4がオフ状態であるので、オフ状態となり消灯している。
時刻t20が経過した時刻t21で、駆動手段257は、発光信号φE1,φE2をハイレベルからローレベルにする。これによって、発光状態にあった発光素子L1,L5はオフ状態になり、すなわちターンオフして消灯する。時刻t21では、発光素子L1〜L8の全てが消灯している。
このように駆動手段257が、スタート信号φSと、走査信号φ1,φ2と、発光信号φE1,φE2とを供給することによって、発光素子ブロックCに含まれる発光素子L1〜L8を発光させることができる。
発光素子ブロックC1に含まれる発光素子L1〜L8を全て点灯させるときには、駆動手段257は、発光素子L5を点灯させた後、発光素子L4,L6を点灯させ、次に発光素子L3,L7を点灯させ、次に発光素子L2,L8を点灯させ、次に発光素子L1を点灯させ、時刻t20以降では、駆動手段257は、発光素子L1,L5を同時に点灯させた後、発光素子L4,L6を点灯させ、次に発光素子L3,L7を点灯させ、次に発光素子L2,L8を点灯させることができる。駆動手段257が、時刻t18においてスイッチ素子T1,T5をオン状態とすることによって、スイッチ素子T1,T5に接続される発光素子L1,L5を同時に発光させることができるようになるので、発光素子L1〜L8を発光させるために必要な時間をさらに低減することができる。トリガ信号伝送路G1〜G5のうち、制御信号伝送路G1,G5は、発光素子ブロックCに含まれる発光素子L1〜L8のうち、それぞれ1つの発光素子Lとしか接続されていないので、時刻t18においてスイッチ素子T1,T5をオン状態にして、制御信号伝送路G1,G5に同時にトリガ信号信号を伝送させることによって、発光装置100による感光体ドラム90への露光の高速化が可能である。
発光素子L1〜L8に与えるトリガ信号をそれぞれ時分割して切り換え、すなわちトリガ信号伝送路Gに接続されるスイッチ素子Tを順番に発光状態に切り換えて、発光素子L1〜L8を発光可能な状態にする場合では、1サイクルの切り換え時間、すなわちスイッチ素子T1〜T5の全てを順番に発光状態にする時間は、スイッチ素子Tが発光してから消灯するまでの時間をTsとすると、Ts×5(回)の切換時間が必要であるが、発光装置100では、スイッチ素子T1,T5を同じタイミングで発光させることによって、1サイクルの切り換え時間を、Ts×4(回)にすることができる。したがって、スイッチ素子T1〜T5の発光状態が切り換わる1サイクルの切り換え時間を短縮して、各発光素子L1〜L8による光走査の周期を短くすることができる。
発光装置100においても感光体ドラム90を露光するときの露光量は、発光素子Lの発光強度は一定として、発光素子Lの発光する時間によって調整される。すなわち、発光素子L1〜L8では、発光信号φEがハイレベルとなる時間を決定することによって、露光量が決定される。発光素子Lの発光強度によって露光量を変更する場合、発光素子Lに与える電圧または電流を細かく制御する必要があるので困難であるが、発光時間によって露光量を変更することによって、発光信号φEがハイレベルとなる時間を調整するだけでよいので、露光量の制御がしやすく、また定電圧または定電流が発光素子Lに与えられるので、発光素子Lを安定して発光させることができる。発光素子Lが発光する時間、言い換えれば発光信号φEがハイレベルとなる時間は、スイッチ素子Tが発光している時間の80%以下に選ばれる。
以上のように駆動手段257が、スタート信号φSおよび走査信号φE1,φE2を繰り返して与えることによって、スイッチ素子T0〜T5の発光状態が、配列方向Xに沿って順次転送される。スイッチ素子Tの発光部Tsが発光しているとき、この発光している発光部Tsに接続されている発光素子Lに接続される発光信号伝送路Eの発光信号φEをローレベルからハイレベルにすることによって、この発光しているスイッチ素子Tに対応する、すなわち発光している発光部Tsを有するスイッチ素子Tに接続されている発光素子Lのみを選択的に発光させることができる。
発光装置100では、発光素子アレイ11およびスイッチ素子アレイ112を前述したように設けることによって、前述の発光装置10と同様に装置を小型化することができる。またトリガ信号検出用端子Kを用いてスイッチ素子Tおよび発光素子Lに不良があるか否かを検出することができ、前述した発光装置10と同様な効果を達成することができる。
また発光装置100では、2本の走査信号伝送路Sでスイッチ素子Tを光走査することができるので、走査信号伝送路接続部Hの数を低減して、発光体チップ120を回路基板に実装したときの発光体チップ120に接続される外部信号伝送路の数を低減して、発光体チップ120を回路基板に実装するための作業時間を短縮を図ることができる。
さらに発光装置100では、発光素子ブロックCに含まれ、相互に隣接する発光素子Lでは、それぞれのゲート17が第h番目および第h+1番目(記号hは、1以上N以下の整数)のトリガ信号信号伝送路Gh,Gh+1に個別に接続されることになる。これによって第1番目〜第N+1番目のトリガ信号伝送路Gに時分割で順番にトリガ信号を伝送させ、すなわちトリガ信号伝送路G1〜G5に接続されるスイッチ素子Tの発光部Tsを順番に発光させて、発光素子ブロック部分Bに含まれる各発光素子Lに発光信号φEを与えて各発光素子Lを発光させたときに、相互に隣接する発光素子Lの発光するタイミングの時間的なずれが大きくなってしまうことを抑制することができ、さらに隣接する発光素子Lが同じトリガ信号伝送路Gに接続されないので、相互に隣接する発光素子Lが同時に発光してしまうことを抑制することができる。また相互に隣接する発光素子ブロックCで、相互に隣接する発光素子Lについても、同様にそれぞれのゲート17が第h番目および第h+1番目のトリガ信号伝送路Gh,Gh+1に個別に接続されることになるので、発光素子アレイ11の全域にわたって、相互に隣接する発光素子L間における発光するタイミングが大きくずれてしまうことを抑制するとともに、同じ相互に隣接する発光素子Lが同じタイミングで発光してしまうことが抑制される。
これによって発光装置100を、前記感光体ドラム90を露光する露光装置として用いると、相互に隣接する発光素子L間における発光するタイミングが大きくずれてしまうことが抑制されるので、感光体ドラム90に露光される露光位置に不連続点が発生せず、かつ相互に隣接する発光素子Lが同時に発光することが抑制されるので、各発光素子Lの発光した時の発熱のムラを抑制して、各発光素子Lの温度変化による発光特性を揃えることができ、さらに相互に隣接する発光素子Lから発生する光が干渉することが防止することができるので、感光体ドラム90を精度よく露光することができ、画像形成装置87において、優れた画像品質の記録画像を得ることができる。
図24は、複数の発光体チップ120によって形成される発光体チップ組立体180の基本的構成を示す一部の平面図である。なお、同図は、各発光素子Lの光の出射方向を紙面に垂直手前側として配置された発光体チップ組立体180の平面を示す。発光体チップ組立体180は、前記発光体チップ組立体80と同様に、画像形成装置の露光装置に用いられる。
発光体チップ組立体180は、前記図13に示される発光体チップ120を複数有し、各発光装置100の各発光素子Lを直線状に配列して構成される。発光体チップ組立体180は、プリント配線基板などの回路基板に、発光装置100の裏面電極26を臨ませて実装し、発光装置100の各発光素子Lを略直線状に並べることによって形成される。複数の発光体チップ120は、前記発光素子Lの配列方向Xを揃えて2列に配列され、一方の列の発光体チップ120の発光素子Lと、他方の列の発光体チップ120の発光素子Lが、配列方向Xに連続するように千鳥状に配置される。各発光体チップ120は、幅方向Yで隣接する発光体チップ120に発光素子アレイ11を臨ませて配置される。発光体チップ120では、発光素子アレイ11の幅方向Yの他方Y2のみに、発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19が設けられるので、一方の列の発光体チップ120の発光素子アレイ11と、他方の列の発光体チップ120の発光素子アレイ11とを近接させて、各発光素子Lを略直線状に配置することができる。幅方向Yに相互に隣接する一方の列の発光体チップ120の発光素子アレイ11に含まれる発光素子Lと、他方の発光体チップ120の発光素子アレイ11に含まれる発光素子Lとの幅方向Yにおける光軸間の間隔は、発光素子アレイ11における発光素子Lの配列方向Xの長さW1の1倍〜2倍程度に選ばれ、例えば600dpiのとき42.3μmに選ばれる。発光体チップ組立体180が含む発光体チップ120の数は、画像形成装置87において形成する画像の幅によって決定される。また一方の列の発光体チップ120の発光素子アレイ11の配列方向Xの一方X1の端部の発光素子Lと、他方の列の発光体チップ120の発光素子アレイ11の配列方向Xの他方X2の端部の発光素子Lとは、配列方向Xにおいて予め定める距離W1離間して設けられる。また一方の列の発光体チップ120の発光素子アレイ11の配列方向Xの他方X2の端部の発光素子Lと、他方の列の発光体チップ120の発光素子アレイ11の配列方向Xの一方X1の端部の発光素子Lとは、配列方向Xにおいて予め定める距離W1離間して設けられる。
各発光装置100の発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19は、外部の信号伝送路であるボンディングワイヤによって、回路基板の接続すべき部分に電気的に接続される。回路基板には、前述した駆動手段257が実装される。駆動手段257は、ボンディングワイヤを介して、発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19に信号を与える。駆動手段257を、発光体チップ120が実装される回路基板に設けることによって、駆動手段257から各発光素子Lおよび各スイッチ素子Tまでの信号伝送路の距離を短くして、駆動手段257から発光信号伝送路接続部F、走査信号伝送路接続部Hおよびスタート信号伝送路接続部19までの信号伝送路によって伝送される信号にノイズが重畳されてしまうことを抑制することができる。
本実施の形態の発光装置100では、スイッチ素子Tbは、トリガ信号伝送路Gdと接続され、記号「b」,「d」は正の整数であり、d=(N+1)+1−bに選ばれているが、本発明のさらに他の実施の形態において、記号「b」,「d」は正の整数であり、b=dに選ばれてもよい。このような構成であっても、発光素子ブロックCにおいてトリガ信号が与えられる順序が変更されるだけであり、発光装置100と同様の効果を達成することができる。
本発明のさらに他の実施の形態では、前述した各実施の形態においてトリガ信号の信号レベルを測定した後、発光装置10,100からトリガ信号検出用端子Kを、切り離して発光装置を構成してもよい。この場合、発光体チップ20のうちトリガ信号検出用端子Kが形成される部分、すなわち発光体チップ20,120の配列方向Xの他方X2の端部を切断して切り離す。これによって発光装置をより小形に形成することができる。
本発明のさらに他の実施の形態では、前述した各実施の形態の発光装置において、一方導電型をP型とし、他方導電型をN型としてもよい。一方導電型をP型とし他方導電型をN型としても、バイアス電圧の極性を、一方導電型をN型とし他方導電型とP型としたときとは反対とすることによって、前述の各実施の形態の発光装置と同様の効果を得ることができる。
本発明のさらに他の実施の形態では、前述した各実施の形態の発光装置において、駆動手57,257を発光体チップ80,180が実装される回路基板に設けるのではなく、画像形成装置本体の制御手段96が設けられる回路基板などに設ける構成としてもよい。駆動手段57,257を発光体チップ80,180が設けられる回路基板とは異なる場所に設けることによって、発光体チップ80,180が設けられる回路基板をより小型化することができ、感光体ドラム90の周囲において配置しやすくなる。
本発明のさらに他の実施の形態では、前述の各実施の形態の発光装置において、各半導体層は、それぞれが多層に形成されてもよい。例えば、第1の一方導電型半導体層は、一方導電型の半導体層が、複数積層されて構成されてもよく、第1の他方導電型半導体層は、他方導電型の半導体層が、複数積層されて構成されてもよく、第2の一方導電型半導体層は、一方導電型の半導体層が、複数積層されて構成されてもよく、第2の他方導電型半導体層は、他方導電型の半導体層が、複数積層されて構成されてもよい。
なお、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
本発明の実施の一形態の発光装置10の基本的構成を示す一部の平面図である。 図1のa1,a2,a3およびa4によって外囲される部分を拡大して示す平面図である。 図2の切断面線I−Iから見た発光装置10の基本的構成を示す一部の断面図である。 図2の切断面線II−IIから見た発光装置10の基本的構成を示す一部の断面図である。 図2の切断面線III−IIIから見た発光装置10の基本的構成を示す一部の断面図である。 図1の切断面線IV−IVから見た発光装置10の基本的構成を示す一部の断面図である。 図1の切断面線V−Vから見た発光装置10の基本的構成を示す一部の断面図である。 発光素子Lおよびスイッチ素子T、アノード電圧とアノード電流との関係である順方向電圧−電流特性を示すグラフである。 図1に示される発光装置10の基本的構成を示す一部の等価回路を示す回路図である。 駆動手段57が、スタート信号伝送路Sに与えるスタート信号φSと、第1走査信号伝送路S1に与える走査信号φ1と、第2走査信号伝送路S2に与える走査信号φ2と、第3走査信号伝送路S3に与える走査信号φ3と、および発光信号伝送路E1に与える発光信号φE1と、発光素子ブロックA1の発光素子Lの発光強度と、走査スタート用スイッチ素子T0およびスイッチ素子Tの発光強度とを示す波形図である。 複数の発光体チップ20によって形成される発光体チップ組立体80の基本的構成を示す一部の平面図である。 発光装置10を有する画像形成装置87の基本的構成を示す側面図である。 本発明の他の実施の形態の発光装置100を概略的に示す平面図である。 図13のb1,b2,b3およびb4によって外囲される部分を拡大して示す平面図である。 図14の切断面線VI−VIから見た発光装置100の基本的構成を示す一部の断面図である。 図14の切断面線VII−VIIから見た発光装置100の基本的構成を示す一部の断面図である。 図13のc1,c2,c3およびc4によって外囲される部分を拡大して示す平面図である。 図17の切断面線VIII−VIIIから見た発光装置100の基本的構成を示す一部の断面図である。 図17の切断面線IIX−IIXから見た発光装置100の基本的構成を示す一部の断面図である。 図17の切断面線IX−IXから見た発光装置100の基本的構成を示す一部の断面図である。
図17の切断面線X−Xから見た発光装置100の基本的構成を示す一部の断面図である。 図13に示される発光装置100の基本的構成を示す一部の等価回路を示す回路図である。 駆動手段257が、スタート信号伝送路Sに与えるスタート信号φSと、第1走査信号伝送路15aに与える走査信号φ1と、第2走査信号伝送路15bに与える走査信号φ2と、発光信号伝送路E1に与える発光信号φE1と、発光信号伝送路E2に与える発光信号φE2と、発光素子L1〜L8の発光強度と、走査スタート用スイッチ素子T0およびスイッチ素子T1〜T5の発光強度とを示す波形図である。 複数の発光体チップ120によって形成される発光体チップ組立体180の基本的構成を示す一部の平面図である。 第1の従来の技術の発光装置1の基本構造の概略的な回路構成を示す回路図である。 第2の従来の技術の発光装置2の基本構造の概略的な回路構成を示す回路図である。 発光装置2の平面図である。
符号の説明
10,100 発光装置
11 発光素子アレイ
12 スイッチ素子アレイ
E 発光信号伝送路
G トリガ信号伝送路
S 走査信号伝送路
K トリガ信号検出用端子
L 発光素子
T スイッチ素子
17 発光素子のゲート
18 スイッチ素子のゲート
20,120 発光体チップ
80,180 発光体チップ組立体
87 画像形成装置

Claims (7)

  1. 発光体チップにより構成される発光装置であって、
    前記発光体チップは、
    予め定める部位にトリガ信号を与えることによって発光信号の電圧または電流よりもしきい電圧またはしきい電流が低下した状態で、かつ前記発光信号が与えられたとき発光する発光素子を複数有し、この複数の発光素子が相互に間隔をあけて配列される発光素子アレイと、
    各発光素子の予め定める部位に接続され、トリガ信号を伝送するトリガ信号伝送路と、
    相互に隣接する2つ以上の発光素子に接続されて、前記発光信号を伝送する発光信号伝送路と、
    それぞれが異なる発光信号伝送路に接続される2つ以上の発光素子の予め定める部位に、前記トリガ信号伝送路を介してそれぞれ接続され、走査信号に応答して、接続された各発光素子の予め定める部位に前記トリガ信号伝送路を介してトリガ信号を与えるスイッチ素子を複数有し、この複数のスイッチ素子が、前記配列方向において前記発光素子アレイに隣接した領域に、前記配列方向に沿って配列されるスイッチ素子アレイと、
    前記スイッチ素子アレイの各スイッチ素子に接続され、配列方向に隣接するスイッチ素子毎に、異なるタイミングで与えられる前記走査信号を伝送する複数の走査信号伝送路とを含むことを特徴とする発光装置。
  2. 前記発光体チップは、前記発光信号伝送路と外部からの信号伝送路とを接続する発光信号伝送路接続部と、前記走査信号伝送路と外部からの信号伝送路とを接続する走査信号伝送路接続部とを含み、
    前記発光素子アレイおよび前記スイッチ素子アレイは、前記発光素子の光の出射方向および前記配列方向に垂直な方向において、前記発光体チップの一方寄りの領域に設けられ、
    前記発光信号伝送路接続部および前記走査信号伝送路接続部が、ノイズの重畳が抑制されるように、前記発光素子アレイおよび前記スイッチ素子アレイに対して前記発光素子の光の出射方向および前記配列方向に垂直な方向に近接し、かつ前記発光素子の光の出射方向および前記配列方向に垂直な方向において、前記発光体チップ方寄りの領域に、前記配列方向に沿って配列されることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 発光信号伝送路接続部および走査信号伝送路接続部は、ボンディングパッドによって形成されることを特徴とする請求項2記載の発光装置。
  4. 前記発光体チップは、前記トリガ信号伝送路に接続される信号検出用端子を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置。
  5. 前記発光体チップは、N+1本の前記トリガ信号伝送路を含み、前記発光素子アレイは、共通の発光信号伝送路に接続されるN(Nは、2以上の整数)個の前記発光素子の群から成る発光素子ブロック部分が複数形成され、相互に隣接する2つの前記発光素子ブロック部分によって発光素子ブロックが形成されて成り、
    前記発光素子ブロックにおける発光素子の配列方向に沿う一方から他方に向かって第n(1≦n≦2×N)番目の発光素子の予め定める部位と、N+1本のトリガ信号伝送路のうちの、第m(1≦m≦N+1)番目のトリガ信号伝送路とが、
    nが、1≦n≦Nのとき、mが、m=nを満たし、
    nが、N+1≦n≦2×Nのとき、mが、m=2×N+2−nを満たすように接続されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の発光装置を複数有し、各発光装置の各発光素子を直線状に配列して構成されることを特徴とする発光装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光装置と、
    画像情報に基づいて前記発光装置を駆動する駆動手段と、
    帯電した感光体ドラムに前記発光装置の発光素子からの光を集光する集光手段と、
    前記発光装置からの光が前記集光手段によって前記感光体ドラムに集光されて露光された感光体ドラムに現像剤を供給する現像剤供給手段と、
    感光体ドラムに現像剤によって形成された画像を記録シートに転写する転写手段と、
    記録シートに転写された現像剤を定着させる定着手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。
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