JP2009262419A - 発光装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 少ない駆動用ICで時分割駆動することができる発光素子アレイおよびそれを用いた小形・高精細な発光装置ならびにその発光装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】 n(nは2以上の整数)個のスイッチ用サイリスタSと、前記スイッチ用サイリスタSのNゲート電極dに個別に接続されるn本のゲート横配線GHと、前記n本のゲート横配線GHのうちのいずれか1つとNゲート電極bが接続される複数の発光用サイリスタTとを含んで発光素子アレイチップ1を構成し、この発光素子アレイチップ1を発光素子アレイ部LpとL’pのそれぞれについてp個用意し、これらの発光用サイリスタTが千鳥状に配置されるように配列した発光素子アレイ部Lp,L’pと、これらを駆動する駆動用IC130,131を含む発光装置10である。アレイチップの発光点の間隔が広くても高精細を簡単に実現することができる。
【選択図】 図10

Description

本発明は、複数の発光素子によって構成された発光素子アレイを含む発光装置およびこの発光装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真プリンタなどの光プリンタヘッドとして用いられている発光装置として、多数の発光ダイオードを配列して形成されるLEDアレイがある。このLEDアレイは、発光ダイオードと駆動回路とを個別に接続するためのボンディングパッドを多数有する。たとえば電子写真プリンタを、A3サイズ、600dpiの仕様で構成した場合、ボンディングパッドと回路配線との接続箇所の数は、LEDのアノードまたはカソードを導通基板によって共通電極としても発光素子と同じ数だけ必要となり、約7300にも及ぶ。このため両者を周知のワイヤボンディング法によって接続する作業に極めて長い時間を必要とするので、生産性を向上させることが困難である。また前記ボンディングパッドを形成するための面積は、発光素子を形成するための面積よりも大きな面積が必要となる上、電子写真プリンタによって形成すべき画像が高精細になるほど、走査方向における単位長あたりの発光素子の数が増加するため、ボンディングパッド数も増加し、装置が大形化する。
ボンディングパッドの数を減少させるための第1の従来の技術として、ダイナミック(時分割)駆動方式の発光素子アレイがある。この技術は、LEDアレイをm個のLEDから成るn個(m,n:いずれも正の整数)のグループで構成し、各グループでLEDのアノードまたはカソードを共通にして、m×nのマトリクス配線としたものである。ダイナミック駆動では、このマトリクス配線に与える駆動信号を時分割で切り換えて各LEDを発光させる。この方式のLEDアレイを用いると、各LEDと駆動回路とを個別に接続する前述したLEDアレイと比較して、ボンディングパッドの数を1/4程度に減少させることができる(たとえば特許文献1参照)。
また第2の従来の技術として、各LEDに電界効果トランジスタがそれぞれ接続されて構成される発光素子アレイを駆動する方式の発光装置がある(たとえば特許文献2参照)。この発光装置では、発光素子アレイに、NANDゲートなどから成るスイッチ素子を内蔵した駆動用ICが接続され、この駆動用ICに内蔵されるスイッチ素子が、ストローブ信号(STB)とゲート信号との論理積をとり、このストローブ信号が真値をとる間のみゲート信号を出力することによって、発光素子アレイをダイナミック駆動することができる。
また第3の従来の技術として、発光素子に接続される配線の占有面積を低減するために、発光素子としてPNPN構造を有する発光サイリスタを使用し、アノードおよびカソードのいずれか一方を導通基板によって共通に形成し、アノードおよびカソードの他方と、ゲート電極とをマトリックス状に接続する発光素子アレイがある(たとえば特許文献3および4参照)。この方式ではほとんど電流の流れないゲート電極を発光素子アレイ全体にわたって電極配線を用いて接続することによって、電極配線の線幅を細くし、かつ電極配線を形成する面積を低減することができる。
特開平11−268333号公報 特開平6−177431号公報 特開平3−194978号公報 特開2001−217457号公報
第1の従来の技術では、m+n本の電極配線をLEDのアノードまたはカソードと接続するために、LEDが発光すると、各電極配線にLEDの発光強度に比例した主電流が流れる。この場合、配線抵抗が大きいと配線抵抗の損失によって駆動用ICの消費電力が増大したり、駆動性能が低下したりするので、ある程度電極配線幅を広げて配線抵抗を小さくする必要がある。このため、電極配線を形成するための面積が増し、LEDアレイが形成されたチップの表面積が増加するという問題がある。
また第2の従来の技術では、NANDゲートなどから成るスイッチ素子を内蔵した駆動用ICを、発光素子アレイに接続する必要がある。複数の発光素子アレイを用いて発光装置を構成する場合には、発光素子アレイの数が増大すると、各発光素子アレイに接続される駆動用IC数が増大するため、装置全体が複雑化したり、大きくなったりするという問題がある。
また第1〜第3の従来の技術では、たとえば、m×nのマトリクス配線を用いてダイナミック(時分割)駆動を行う場合には、1つの発光素子アレイについては、m+nの電極配線ですむ。しかしながら、p(pは、2以上の整数)個の発光素子アレイを用いて発光装置を構成する場合には、発光素子アレイの数に比例したp×(m+n)本の電極配線が必要となる。また、発光素子アレイを駆動するための駆動用ICの出力端子の数も、必要な電極配線数に応じて増加するので、駆動用ICの端子の数と1つの発光素子アレイの端子の数とが等しい場合には、発光素子アレイの数だけの駆動用ICが必要となる。このように、複数の発光素子アレイを用いて発光装置を構成したときには、従来の技術では多くの駆動用ICが必要となり、また発光素子アレイと駆動用ICとを接続する配線数が増大するため、装置全体が複雑化したり、装置が大きくなったりするという問題がある。
さらに第1〜第3の従来の技術では、発光素子の間隔を狭くしてさらに高精細化しようとした場合、発光素子アレイの端部から発光素子までの間隔が狭くなるため、発光素子アレイのダイシング加工等が困難となり、高精細化することが難しいという問題もある。
上述に鑑み、本発明の目的は、少ない駆動用ICで時分割駆動することができる発光素子アレイを含み、一つの発光素子アレイ上の発光素子の配列間隔を狭くすることなく高精細化を実現することのできる小形な発光装置、ならびにこの発光装置を備える画像形成装置を提供することである。
本発明の発光装置は、
直線状に配列された複数の第1発光素子を含む第1の発光素子アレイと、
直線状に配列された複数の第2発光素子を含み、前記複数の第2発光素子が前記複数の第1発光素子に対して千鳥状の位置となるように、前記第1の発光素子アレイに隣接して配置された第2の発光素子アレイと、
前記第1および第2の発光素子アレイに対して信号を供給する駆動回路と、を含む発光装置であって、
前記発光素子アレイは、
第1電極と、第2電極と、前記第1電極に第1信号が入力されていて、かつ前記第2電極に第2信号が入力されているときに制御信号が出力される第1制御電極とを備えるn(nは2以上の整数)個のスイッチ素子であって、前記n個のスイッチ素子の第1電極が相互に電気的に接続されたスイッチ素子と、
前記各第1制御電極に個別に接続されるn本の信号伝送路と、を含み、
前記発光素子は、
第3電極と、前記n本の信号伝送路のうちのいずれか1つに接続される第2制御電極とを備え、
前記第3電極に第3信号が入力されていて、かつ前記第2制御電極に制御信号が入力されているときに発光するものであり、
前記各信号伝送路には、少なくとも1つの前記発光素子の第2制御電極が接続され、
前記駆動回路は、
前記第1電極と電気的に接続され、前記第1信号を供給する第1の駆動回路と、
前記第2電極と電気的に接続され、前記第2信号を供給する第2の駆動回路と、
前記第3電極と電気的に接続され、前記第3信号を供給する第3の駆動回路と、を含み、
前記第1、第2および第3の駆動回路のいずれか1つは、対応する信号を前記第1および第2の発光素子アレイに対して独立に供給し、他の駆動回路は、対応する信号を共通化して前記第1および第2の発光素子アレイの双方に供給するようにした。
また、本発明の画像形成装置は、本発明の発光装置と、
感光体ドラムに前記発光装置の発光素子からの光を集光する集光手段と、
前記発光装置からの光が前記集光手段によって前記感光体ドラムに集光されて露光された感光体ドラムに現像剤を供給する現像剤供給手段と、
感光体ドラムに現像剤によって形成された画像を記録シートに転写する転写手段と、
記録シートに転写された現像剤を定着させる定着手段と、を含み、
前記第1、第2および第3駆動回路は、画像情報に基づいて前記第1、第2および第3信号をそれぞれ供給するようにした。
本発明の発光装置によれば、発光素子アレイ上に直線状に配列された複数の発光素子が、平面視したときに互いに千鳥状の位置となるように、発光素子アレイ同士が隣接して配置されている。つまり、発光素子は直線状にほぼ等間隔に並べられたものが、例えば2列配列され、これらの配列方向に対し垂直方向には、一方の発光素子アレイの隣接する2つの発光素子の間に、他方の発光素子アレイ部の発光素子の1つが配置されるという位置関係となる。したがって、印字列の方向に多数の発光素子を高密度に配置できる。しかも発光素子アレイの配列間隔を狭くする必要がないため発光素子アレイの端部の加工を容易にすることができる。
このように発光素子アレイを配列する場合、複数列となるため、従来の構成では、駆動用ICや配線数を多数必要とする。しかしながら、本発明に係る発光素子アレイは、以下説明するように少ない駆動用IC数および配線数で構成された発光装置が実現でき、小形かつ高精細を実現することが容易である。
まず、第1信号および第2信号が共に入力されているときに制御信号を出力するn(nは2以上の整数)個のスイッチ素子と、前記制御信号が伝送されるn本の信号伝送路と、前記信号伝送路からの制御信号と共に、第3信号が入力されているときに発光する複数(n個以上)の発光素子とを含んで構成される。各スイッチ素子の第1電極は、スイッチ素子間でそれぞれ相互に電気的に接続されているので、発光素子アレイに含まれる全てのスイッチ素子に共通の第1信号を与えることができる。
発光素子アレイを構成する各スイッチ素子に共通の第1信号が入力されている場合には、第2信号が入力されるスイッチ素子に接続された信号伝送路に制御信号が出力される。さらに制御信号が出力される信号伝送路に接続された発光素子に第3信号が入力されると、この発光素子が発光する。逆に、発光素子アレイに共通の第1信号が入力されていない場合には、各スイッチ素子は、第2信号が入力されていても、制御信号を出力しないので、発光素子に第3信号が入力されたとしても、第3信号が入力された発光素子は発光しない。
したがって、複数の発光素子アレイを用いて発光装置を構成する場合には、第1信号によって、どの発光素子アレイに属する発光素子を発光させるかを選択することができる(以下、第1信号が入力されている発光素子アレイは選択状態にあるという)。そこで、発光装置を構成する各発光素子アレイに順番に第1信号を与えて選択状態にすることで、各発光素子アレイに第2信号および第3信号を与えるための駆動用IC、ならびに各発光素子と駆動用ICとの間の配線を共用させて、複数の発光素子アレイ間で時分割駆動を行うことができる。
このように、本発明に係る発光素子アレイを用いて発光装置を構成すると、各発光素子アレイ間で駆動用ICおよび配線を共用することができるので、少ない駆動用IC数および配線数で構成された発光装置が実現できる。具体的には、駆動用の第1信号〜第3信号は、いずれか1つを各発光素子アレイに対し独立に供給し、他を共通化して供給する。発光素子アレイが複数となっても、この構成にすれば少ない駆動用ICおよび配線数で各発光素子を選択的に発光させることができる。
また本発明の画像形成装置によれば、前記発光装置を用いた画像形成装置が提供される。画像形成手順は、最初に、画像情報に基づいて前記発光装置を前記第1、第2および第3の駆動回路によって駆動して、前記発光装置からの光を集光手段によって、帯電した感光体ドラムに集光することによって、感光体ドラムは露光され、その表面に静電潜像が形成される。次に、静電潜像が形成された感光体ドラムに、現像剤供給手段によって現像剤を供給すると、感光体ドラムに現像剤が付着して画像が形成される。最後に、転写手段によって、感光体ドラムに現像剤によって形成された画像を記録シートに転写して、定着手段によって記録シートに転写された現像剤を定着させることによって、記録シートに画像が形成される。前記発光装置が、小形・高精細であって、安定に動作する信頼性の高いものであるので、例えば2400dpiといった高精細な画像を安定に形成することができる画像形成装置となる。
以下、図面を参照して本発明の発光装置および画像形成装置について詳細に説明する。
図1は、本発明の発光装置の発光素子アレイ部分の第1の実施の形態としての発光素子アレイチップ1を示す概略的な等価回路図である。なお、以降の説明において複数の構成要素は、1〜kや1〜nなどの添字を付して示すが、総称する場合や不特定のものを示す場合、これらの添字を省いて記載する場合がある。
発光素子アレイチップ1は、k(記号kは、自然数)個の発光素子と、n個のスイッチ素子と、n本のゲート横配線GH1〜GHnとを含む。k個の発光素子は、それぞれ発光サイリスタから成る。スイッチ素子は、n個のサイリスタから成るスイッチ用サイリスタS1〜Snと、第1の抵抗体に対応するn個のプルアップ抵抗RP1〜RPnと、第2の抵抗体に対応するn個のCS抵抗RCS1〜RCSnとを含む。本実施の形態では、n=4の場合について説明する。以後、k個の発光素子をそれぞれ発光用サイリスタT1〜Tkと記載する場合がある。本実施の形態では、ゲート横配線GHが信号伝送路に対応する。
発光素子を構成する発光用サイリスタT1〜Tkの動作を制御するための電極として、アノードa1〜akおよびNゲート電極b1〜bkを用いる。各発光用サイリスタTのカソードは共通の電極として接地されている。本実施の形態では、アノードaが第3電極に対応し、Nゲート電極bが第2制御電極に対応する。
スイッチ素子を構成するスイッチ用サイリスタS1〜S4の動作を制御するための電極として、アノードc1〜c4およびNゲート電極d1〜d4を用いる。スイッチ用サイリスタSのカソードは共通の電極として接地されている。本実施の形態では、アノードcが第2電極に対応し、Nゲート電極dが第1制御電極に対応する。
スイッチ用サイリスタS1〜S4のNゲート電極d1〜d4は、CS抵抗RCS1〜RCS4の一端、プルアップ抵抗RP1〜RP4の一端およびゲート横配線GH1〜GH4と接続される。相互に接続される素子の参照符号には互いに同じ番号を付して記載する。たとえば第1番目のスイッチ用サイリスタS1のNゲート電極d1は、第1番目のCS抵抗RCS1、第1番目のプルアップ抵抗RP1および第1番目のゲート横配線GH1と接続される。第i(1≦i≦n、ただしn=4)番目のスイッチ用サイリスタSiのNゲート電極diは、第i番目のCS抵抗RCSi、プルアップ抵抗RPiおよびゲート横配線GHiと接続される。
CS抵抗RCSの他端は共通のセレクト信号が入力されるセレクト信号入力端子CSに接続されることで相互に電気的に接続される。プルアップ抵抗RPの他端は、共通の電源電圧が入力される電源電圧入力端子Vccに接続される。ゲート横配線GHは、スイッチ用サイリスタSのNゲート電極dから出力された制御信号を伝送する。本実施の形態では、CS抵抗RCSの他端が第1電極に対応し、セレクト信号が第1信号に対応する。
各スイッチ用サイリスタSのアノードc1〜c4は、各ゲート信号入力端子G1〜G4にそれぞれ接続される。好ましい構成として、スイッチ用サイリスタSのアノードc1〜c4とゲート信号入力端子G1〜G4との間には電流制限抵抗RI1〜RI4が接続される。本実施の形態では、ゲート信号が第2信号に対応し、電流制限抵抗RIが第3の抵抗体に対応する。
発光素子として用いられる発光用サイリスタTは、m個の発光素子ブロックB1〜Bmから構成され、1つの発光素子ブロックは、n個以下の発光用サイリスタTの群からなる。1つの発光素子ブロックBを構成する発光用サイリスタTの数は、n以下である。本実施の形態ではn=4であり、すべての発光素子ブロックを構成する発光用サイリスタTの数をn(=4)に設定している。したがって、発光用サイリスタTの個数kと発光素子ブロックBの個数mとの関係は、k=4mとなる。また、発光用サイリスタTの配列方向に沿う一方から他方へ向かって、発光用サイリスタTに番号を第1番から第k番まで付し、各発光素子ブロックにも配列方向の一方から他方へ向かって第1番から第m番まで番号を付すと、第i(1≦i≦m)番目の発光素子ブロックBiには、第4i−3番目から第4i番目の発光用サイリスタTが属する。
各発光素子ブロックB1〜Bmに、個別に発光信号入力端子A1〜Amが設けられる。各発光素子ブロックBを構成する発光用サイリスタTは、アノードaが発光素子ブロックBごとに共通の発光信号入力端子Aに接続されることで相互に電気的に接続される。また、各発光素子ブロックBを構成する発光用サイリスタTのNゲート電極bはそれぞれ、異なるゲート横配線GHに接続される。ゲート横配線の配線順に第1番から第4番まで番号を付すと、第i(1≦i≦m)番目の発光素子ブロックBiでは、第4i−3番目の発光用サイリスタT4i−3のゲート電極が1番目のゲート横配線GH1に接続され、第4i−2番目の発光用サイリスタT4i−2のゲート電極が2番目のゲート横配線GH2に接続され、第4i−1番目の発光用サイリスタT4i−1のゲート電極が3番目のゲート横配線GH3に接続され、第4i番目の発光用サイリスタT4iのゲート電極が4番目のゲート横配線GH4にそれぞれ接続される。また、第i(1≦i≦m)番目の発光素子ブロックBiに属する全ての発光用サイリスタTのアノードaが共通の発光信号入力端子Aiに接続される。本実施の形態では、発光信号が第3信号に対応する。
次に、発光素子アレイチップ1に用いられる発光用サイリスタTとスイッチ用サイリスタSの構成と動作について説明する。
一般に、発光サイリスタは、直接遷移形のP型半導体とN型半導体とを交互に積層したPNPN構造を有する半導体素子であり、逆阻止3端子サイリスタと同様な負性抵抗特性を有する。各半導体層をカソード側からアノード側へ順に第1半導体層(N型)、第2半導体層(P型)、第3半導体層(N型)、第4半導体層(P型)とすれば、Nゲート電極とは第3半導体層(N型)に設けられる制御用の電極のことであり、Pゲート電極とは第2半導体層(P型)に設けられる制御用の電極のことである。
カソードを共通の電極として接地する場合はNゲート電極を用い、アノードを接地する場合はPゲート電極を用いる。いずれの導電型のゲート電極を用いるかは、アノードまたはカソードのどちらを共通の電極とするかによって決まるので、共通の電極が決まっている場合には、単にゲート電極bと記載する。
ここで、発光信号の電圧とは、発光信号がアノードaに与えられることによって、発光用サイリスタTのアノードaおよびカソード間に印加される電圧を意味し、発光信号の電流とは、発光信号が与えられることによって発光用サイリスタTのアノードaに流入する電流を意味する。また、制御信号の電圧とは、制御信号がNゲート電極bに与えられることによって、発光用サイリスタTのNゲート電極bおよびカソード間に印加される電圧を意味し、制御信号の電流とは、制御信号が与えられることによって、Nゲート電極bに流入する電流を意味する。
図2は、発光用サイリスタTのアノード電圧とアノード電流との関係である順方向電圧−電流特性を示すグラフである。アノード電圧は、カソードの電位を0(零)ボルト(V)としたときのアノードの電位を表し、アノード電流は、アノードに流入する電流を表す。
図2は、横軸をアノード電圧とし、縦軸をアノード電流としている。また、図2には負荷線70も示されている。発光用サイリスタTは、ゲート電極bに制御信号を与えることによってしきい電圧が低下するので、動作点が、順方向電圧−電流特性を表す特性曲線71と、負荷線70とが交わるオフ状態のq2点から、特性曲線71と負荷線70とが交わるオン状態のq1点へと遷移することで発光する。オン状態のq1点では、アノードとカソードとの間に主電流が流れる。
具体的に数値を使って、発光用サイリスタTの動作を説明する。ここでは、カソードの電位を0ボルト(V)として、発光信号がハイ(H)レベルのとき、アノードaに5Vの電位を与え、発光信号がロー(L)レベルのとき、アノードaに0Vの電位を与えるものとする。また制御信号がハイ(H)レベルのとき、ゲート電極bに5Vの電位を与え、制御信号がロー(L)レベルのとき、ゲート電極gに0Vの電位を与えるものとする。
まず、ゲート信号がハイ(H)レベルのとき、ゲート電極bの電位は5Vとなるので、アノード電流を流すためには、ゲート電極bの電位5Vよりも、第3半導体層(N型)および第4半導体層(P型)によって形成されるダイオードの順方向降下電圧分だけ高い電位をアノードaに与える必要がある。順方向降下電圧は、発光サイリスタがGaAsまたはAlGaAsで作製される場合には約1.5Vである。したがって、発光信号をハイ(H)レベルにしても、発光用サイリスタTは、q2点のオフ状態となり発光しない。
次に、ゲート信号がロー(L)レベルのとき、ゲート電極bの電位は0Vとなるので、アノード電流を流すためには、ゲート電極gの電位0Vよりも、第3半導体層(N型)および第4半導体層(P型)によって形成されるダイオードの順方向降下電圧分だけ高い電位をアノードaに与える必要がある。したがって、発光信号をハイ(H)レベルにすれば、発光用サイリスタTは、q1点のオン状態となりアノード電流が流れ発光する。
なお、スイッチ用サイリスタSの構成およびその動作も、発光用サイリスタTの場合と同様に説明することができる。
次に、図1に示した発光素子アレイチップ1の概略的な動作について等価回路図を用いて説明する。
図3は、発光素子アレイチップL1の動作を説明するために、図1に示す等価回路図のうちの一部を抽出した図であり、図4は、図3に示す等価回路図を論理回路図記号で示す論理回路図である。図3において、図1と対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。なお、図3では、発光信号入力端子A1と発光信号の出力端子λ1との間、およびゲート信号入力端子G1とゲート信号の出力端子μ1との間に、100Ωの大きさの負荷抵抗RL1,RL2を設けている。また、プルアップ抵抗RP1の大きさを2kΩに設定し、CS抵抗RCS1の大きさを2kΩとし、プルアップ抵抗RP1の他端には、電源電圧Vccとして5Vが入力される。なお、図1に示した電流制限抵抗RIはより好ましい構成として例示したものであるので、図3および図5においては用いていない。電流制限抵抗RIの有無によらず、発光素子アレイチップ1の基本的動作は同じである。
図5は、本実施の形態の発光素子アレイチップ1における動作特性の一例を示すグラフである。横軸は時間(単位;1マイクロ秒(μs)/div)、縦軸は信号レベル(単位;ボルト(V))を示している。図3と図5との対応を示すと、図5で、太い実線はスイッチ用サイリスタS1のゲート電極d1の電位、細い実線はセレクト信号入力端子CSの電位、太い破線はスイッチ用サイリスタS1のアノードc1の電位、細い破線は発光用サイリスタT1のアノードa1の電位をそれぞれ示す。なお、測定は図3に示した1番目の発光用サイリスタT1,スイッチ用サイリスタS1について行っているが、他の素子についても同様の結果が得られる。
図5に示した動作特性の測定では、発光信号としてハイ(H)レベルの5mAの電流を与え、発光信号を与えていないときは、ロー(L)レベルであって、発光用サイリスタTに電流が流れない状態(0mA)とする。また、ゲート信号としてゲート信号入力端子Gにハイ(H)レベルの5Vの電圧を与え、ゲート信号を与えていないときは、ロー(L)レベルであって0Vの電位が印加されている状態とする。また、セレクト信号としてロー(L)レベルの0Vの電位をセレクト信号入力端子CSに与え、セレクト信号を与えていないときは、ハイ(H)レベルであって5Vの電位が印加されている状態とする。また測定中において電源電圧Vccとして5Vをプルアップ抵抗RP1の他端に印加している。負荷抵抗RL1,RL2、プルアップ抵抗PR1およびCS抵抗RCS1は、図3に示したものと同じに設定し、好ましい形態として用いる電流制限抵抗RIは、組込まれていない。
まず、図5に示すtm1の時間帯では、ゲート信号、セレクト信号および発光信号を入力した状態であって、ゲート信号入力端子Gの電圧がハイレベル(5V)に設定され、セレクト信号入力端子CSの電圧がローレベル(0V)に設定され、発光信号入力端子に印加される電流がハイレベル(5mA)に設定される。
この場合、細い実線で示すようにセレクト信号入力端子CSは、ほぼ0Vであり、かつ電源電圧Vccは、5Vである。仮にスイッチ用サイリスタS1および発光用サイリスタT1がオフ状態であれば、ゲート電極d1の電位はCS抵抗RCS1とプルアップ抵抗RP1の分圧比である約2.5Vを示すが、tm1の時間帯では、ハイレベル(5V)の電圧がスイッチ用サイリスタS1のアノードc1に与えられているので、スイッチ用サイリスタS1はオン状態に遷移する。この結果、太い実線で示されるゲート電極d1の電位は、ほぼ0Vを示す。この状態では、スイッチ用サイリスタS1のゲート電極d1と、発光用サイリスタT1のゲート電極b1とは、ゲート横配線GH1で接続されているので、発光用サイリスタT1のゲート電極b1の電位もほぼ0Vを示すことになる。このことは、ローレベル(0V)の制御信号がスイッチ用サイリスタS1のゲート電極d1から発光用サイリスタT1のゲート電極b1へゲート横配線GH1を伝送して入力されたことを意味する。さらに、発光用サイリスタT1のアノードa1にもハイレベル(5mA)の発光信号が与えられることによって、発光用サイリスタT1もオン状態に遷移して発光する。このように発光用サイリスタT1がオン状態の場合、細い破線で示される発光用サイリスタT1のアノードa1の電位は、発光用サイリスタTの駆動電圧レベルである約1.8Vを
示している。また、太い破線で示されるスイッチ用サイリスタS1のアノードc1の電位は、スイッチ用サイリスタS1がオン状態となったときの、スイッチ用サイリスタSの駆動電圧レベルである約2Vを示している。
次に、図5に示すtm2の時間帯では、セレクト信号および発光信号が入力され、ゲート信号が入力されていない状態であって、ゲート信号入力端子Gの電圧がローレベル(0V)に設定され、セレクト信号入力端子CSの電圧がローレベル(0V)に設定され、発光信号入力端子に印加される電流がハイレベル(5mA)に設定される。
この場合も、細い実線で示すようにセレクト信号入力端子CSは、ほぼ0Vである。しかし、tm1の時間帯と異なり、ゲート信号入力端子Gの電圧がローレベル(0V)なので、太い破線で示されるスイッチ用サイリスタS1のアノードc1の電位は0Vであり、スイッチ用サイリスタS1はオフ状態である。したがって、太い破線で示されるスイッチ用サイリスタS1のゲート電極d1の電位は、CS抵抗RCS1とプルアップ抵抗RP1との分圧比である約2.5Vを示し、ゲート電極d1と接続された発光用サイリスタT1のゲート電極b1の電位も約2.5Vになる。発光用サイリスタT1のアノードa1には、ハイレベル(5mA)の発光信号が与えられているが、この場合の発光用サイリスタT1のしきい電圧より低いためオフ状態となる。また、細い破線で示される発光用サイリスタT1のアノードa1の電位は、発光信号の入力レベルである5mAの電流を流したときの電位として2.5Vを示している。
次に、図5に示すtm3の時間帯では、ゲート信号、および発光信号を入力し、セレクト信号を入力していない状態であって、ゲート信号入力端子Gの電圧がハイレベル(5V)に設定され、セレクト信号入力端子CSの電圧がハイレベル(5V)に設定され、発光信号入力端子に印加される電流がハイレベル(5mA)に設定される。
この場合、細い実線で示すようにセレクト信号入力端子CSはほぼ5Vである。太い実線で示されるスイッチ用サイリスタS1のゲート電極d1の電位もほぼ5Vになるが、図5に示す実験結果ではCR時定数のために、tm3の時間帯において3〜5Vの電位を示している。ゲート信号入力端子Gにはハイレベル(5V)の電圧が与えられているが、ゲート電極d1の電位が高いためにしきい電圧がゲート信号の電圧レベルより高くなり、スイッチ用サイリスタS1はオフ状態になる。したがって、太い破線で示されるスイッチ用サイリスタS1のアノードc1の電位は、ゲート信号の入力レベルである5Vを示している。同様に、発光用サイリスタT1にはハイレベル(5mA)の発光信号が与えられているが、スイッチ用サイリスタS1のゲート電極d1と接続されたゲート電極b1の電位が高いために、発光用サイリスタT1はオフ状態になる。したがってまた、細い破線で示される発光用サイリスタT1のアノードa1の電位は、発光信号の入力レベルである5mAの電流を流したときの電位として2.5Vを示している。
最後に、図5に示すtm4の時間帯では、発光信号のみを入力し、ゲート信号およびセレクト信号を入力していない状態であって、ゲート信号入力端子Gの電圧がローレベル(0V)に設定され、セレクト信号入力端子CSの電圧がハイレベル(5V)に設定され、発光信号入力端子に印加される電流がハイレベル(5mA)に設定される。
この場合、細い実線で示すようにセレクト信号入力端子CSはほぼ5Vであり、太い実線で示されるスイッチ用サイリスタS1のゲート電極d1の電位もほぼ5Vを示す。また、ゲート信号入力端子Gの電圧がローレベル(0V)なので、太い破線で示されるスイッチ用サイリスタS1のアノードc1の電位は0Vを示し、スイッチ用サイリスタS1はオフ状態である。一方、発光用サイリスタT1にはハイレベル(5mA)の発光信号が与えられているが、スイッチ用サイリスタS1のゲート電極d1と接続されたゲート電極b1の電位が5Vと高いために、発光用サイリスタT1はオフ状態になる。したがって、細い破線で示される発光用サイリスタT1のアノードa1の電位は、発光信号の入力レベルである5mAの電流を流したときの電位として2.5Vを示している。
以上のように、tm1の時間帯においては、セレクト信号を与えた状態で、ゲート信号をスイッチ用サイリスタS1のアノードc1に与えると、スイッチ用サイリスタS1がオン状態となってゲート電極d1の電位がローレベル(0V)になる。このゲート電極d1のローレベル(0V)の電位が制御信号としてゲート横配線GH1を伝送してスイッチ用サイリスタS1のゲート電極d1に伝送され、発光用サイリスタT1のゲート電極b1の電位も0Vになる。そして、制御信号が与えられた状態で発光用サイリスタT1のアノードa1に発光信号が与えられると、発光用サイリスタT1を発光させることができる。このようにセレクト信号、ゲート信号および発光信号の3つの信号の全てが与えられたときにのみ発光用サイリスタT1が発光し、3つの信号のうちの1つでも与えられなければ発光用サイリスタT1は発光しない。
図3および図4に示す回路の真理値表を表1にまとめる。表1において出力がハイ(H)レベルのときに、発光用サイリスタT1が発光し、出力がロー(L)レベルのときには、発光用サイリスタT1は、消灯している。表1からわかるように、セレクト信号入力端子CSがロー(L)レベル、かつゲート信号入力端子G1がハイ(H)レベル、かつ発光信号入力端子A1がハイ(H)レベルのときにのみ発光用サイリスタT1を選択的に発光させることができる。
Figure 2009262419
図1に示す発光素子アレイチップ1においても、同様のことが成立する。発光素子アレイチップ1のスイッチ用サイリスタSのゲート電極dは共通のセレクト信号入力端子CSに接続されているので、共通のセレクト信号入力端子CSからローレベルの電圧が入力されると、全てのスイッチ用サイリスタS1〜S4のゲート電極d1〜d4の電位がCS抵抗RCSの抵抗値とプルアップ抵抗RPの抵抗値との分圧比で決まる電位(例えばこの例において分圧比が1:1のときには約2.5V)になる。この状態が、発光素子アレイチップ1の選択状態(セレクト状態)である。このセレクト状態のときに、第i(1≦i≦4)番目のゲート信号入力端子Giから第i番目のスイッチ用サイリスタSiのアノードciにゲート信号が入力されると、その入力された第i番目のスイッチ用サイリスタSiがオン状態に遷移する。すると、第i番目のスイッチ用サイリスタSiのゲート電極diの電圧がほぼ0Vになり、この結果、そのゲート電極diに接続された第i番目のゲート横配線GHi、およびその第i番目のゲート横配線に接続された発光用サイリスタTのゲート電極bの電圧がほぼ0Vになる。このことは、ローレベル(0V)の制御信号がスイッチ用サイリスタSiのゲート電極diから発光用サイリスタTのゲート電極bへゲート横配線GHiを伝送して入力されたことを意味する。さらに第i番目のゲート横配線GHiに接続された発光用サイリスタTのアノードaに発光信号を与えることで、その発光用サイリスタTを選択的に発光させることができる。
以上のように、ローレベルのセレクト信号が入力されてスイッチ用サイリスタSがセレクト状態にあるときに、スイッチ用サイリスタSのうち、ゲート信号がアノードcに入力されたスイッチ用サイリスタSはオン状態に遷移する。スイッチ用サイリスタSがオン状態に遷移するとそのゲート電極dの電位は0Vになり、スイッチ用サイリスタSとゲート横配線で接続された発光用サイリスタTのゲート電極bの電位も0になる。この状態で発光用サイリスタTのアノードaに発光信号が入力されると、その発光用サイリスタはオン状態に遷移し発光する。
セレクト信号が入力されていないとき(セレクト状態にないとき)には、ゲート信号が発光素子アレイチップ1のスイッチ用サイリスタSのアノードcに入力されても、スイッチ用サイリスタSはオン状態に遷移することはない。したがって、そのスイッチ用サイリスタSにゲート横配線GHで接続された発光用サイリスタTのアノードaに発光信号を与えても、その発光用サイリスタTを発光させることはできない。
このように、セレクト信号によって、ゲート信号をスイッチ用サイリスタSから発光用サイリスタTに受け渡すか否かを制御することができることから、複数の発光素子アレイチップを用いた発光装置では、発光素子アレイチップ間で発光信号およびゲート信号を共用して時分割駆動を行うことができる。
また、図1に示した発光素子アレイチップ1においては、発光素子ブロックB内においてアノードaが共通の発光信号入力端子Aに接続されるため、発光素子アレイチップ1内においてもダイナミック駆動を実現できる。図1では、発光信号は発光素子ブロックBごとに設置された発光信号入力端子Aに入力される。発光信号は、選択された発光素子ブロックBのすべての発光用サイリスタTのアノードaに与えられるが、同じブロックに属する発光用サイリスタTは異なるゲート横配線GHに接続されているため、ゲート信号によって発光させる発光用サイリスタTを選択的に発光させることができる。
このようにすれば、複数の発光素子ブロックBにおいてゲート横配線GHを共用することができるため、複数の発光素子ブロック間で時分割駆動をすることができ、発光用サイリスタTの数が多くてもゲート横配線GHの数を減らすことができてチップ幅を縮小することができる。また、ゲート横配線GHの数が減るから、スイッチ用サイリスタSの数も少なくて済み構成を簡単にすることができる。
また、図1に示した発光素子アレイチップ1においては、好ましい構成として、スイッチ用サイリスタSのアノードc1,c2,c3,c4とゲート信号入力端子G1、G2、G3、G4との間には電流制限抵抗RI1〜RI4が接続される。
発光素子アレイを用いて発光装置を構成する場合には、高速化の目的で、複数の発光素子アレイチップ1にセレクト信号を同時に与えて、複数の発光素子アレイチップ1を同時にセレクト状態にすることができる。このとき、セレクト状態にある複数の発光素子アレイチップ1間では、ゲート信号が共用されているので、複数のスイッチ用サイリスタSが同時期にスイッチングする。一般に発光サイリスタがスイッチングしてオン状態に遷移すると、アノードとカソードとの間に主電流が流れるので、ゲート信号供給用の駆動回路の出力電圧が低下する。したがって、複数のスイッチ用サイリスタSのアノードcに入力されるゲート信号のタイミングがずれる場合には、最初にゲート信号が入力されるスイッチ用サイリスタSがスイッチングして主電流が流れると、遅れてゲート信号が入力されるスイッチ用サイリスタSは、ゲート信号の電圧の不足のためにスイッチングしないことが起こりえる。そこで、各スイッチ用サイリスタSのアノードcに接続された電流制限抵抗RIを介してゲート信号を与えることで、駆動回路の出力電圧の低下を抑制し、複数のスイッチ用サイリスタを確実にスイッチングさせることができる。
次に、本実施の形態の発光素子アレイチップ1の構成について具体的に説明する。
図6は、第1の実施の形態の発光素子アレイチップ1の基本構成を示す平面図である。図7は、図6の切断面線VII−VIIから見た発光素子アレイチップ1の基本的構成を示す一部の断面図である。図8は、図6の切断面線VIII−VIIIから見た発光素子アレイチップ1の基本的構成を示す一部の断面図である。なお図6は、各発光用サイリスタTの光の出射方向を紙面に垂直手前側として配置された発光素子アレイチップ1の平面を示し、ゲート横配線GH1〜GH4、電源ライン11、セレクト信号伝送路14、電源用ボンディングパッドVs、セレクト信号入力端子CS、発光用サイリスタT、スイッチ用サイリスタS、プルアップ抵抗RP、およびCS抵抗RCSは、図解を容易にするため斜線を付して示されている。
発光素子アレイチップ1に含まれる複数の発光用サイリスタTは、相互に間隔W1をあけて配列されている。発光用サイリスタTは、露光用の発光素子である。本実施の形態では、各発光用サイリスタTは、等間隔に配列され、かつ直線状に配列される。各発光用サイリスタTの光の出射方向に沿う方向を厚み方向Zとし、配列方向Xおよび厚み方向Zに垂直な方向を幅方向Yとする。発光用サイリスタTは、600nm〜800nmの波長の光を発光可能に形成される。
発光用サイリスタTは、PNPN構造を有する発光サイリスタによって形成されるので、P型半導体と、N型半導体とを交互に積層した単純な構成で実現することができ、装置の作成が容易となる。前述したように、発光用サイリスタTはゲート電極b1〜bkに、制御信号を与えることによって発光信号の電圧よりも、しきい電圧が低下した状態で、発光信号がアノードa1〜akに与えられたとき発光する。
発光用サイリスタT1〜Tkは、発光素子ブロックB1〜Bmに分けられ、同一の発光素子ブロックBに属する発光用サイリスタTのアノードaは共通の発光信号入力端子Aとしてのボンディングパッドに接続される。本実施の形態における発光信号用ボンディングパッドAは、第3ボンディングパッドに対応する。また、本実施の形態では、ゲート横配線GHの本数に等しい4個の発光用サイリスタTが1つの発光素子ブロックBを構成する。たとえば、発光用サイリスタTの配列方向に沿う一方から他方へ向かって、発光用サイリスタTに番号を第1番から第k番まで付し、配列方向に沿う一方から他方へ向かって、発光素子ブロックBに番号を第1番から第m番まで付すと、第i(1≦i≦m)番目の発光素子ブロックBiに属する第4i−3番目から第4i番目の全ての発光用サイリスタT4i−3〜T4iのアノードaと、発光信号用ボンディングパッドAiとの間に接続部60が設けられて、電気的に接続される。発光用サイリスタTのアノードaと発光信号用ボンディングパッドAと接続部60とは同時に一体で形成される。また、本実施の形態では、好ましい構成として、発光信号用ボンディングパッドAは発光用サイリスタTの配列方向Xに沿って、ゲート横配線GHを挟んで発光用サイリスタTと反対側に設置される。
配列方向Xの各発光用サイリスタTの間隔W1および発光用サイリスタTの配列方向Xの長さW2は、発光素子アレイチップ1が搭載される後述する画像形成装置87において形成すべき画像の解像度によって決定され、たとえば画像の解像度が600dpiの場合、間隔W1は、約24μmに選ばれ、長さW2は、約18μmに選ばれる。
各ゲート横配線GHは、発光素子アレイチップ1に沿って配列方向Xに、発光素子アレイチップ1の配列方向Xの一端部から他端部間にわたって延びる。各ゲート横配線GHは、幅方向Yに間隔をあけて配列される。本実施の形態では、発光用サイリスタTに近接する側から順番に、ゲート横配線GH4、ゲート横配線GH3、ゲート横配線GH2およびゲート横配線GH1の順番に配列される。さらに、本実施の形態では、セレクト信号をスイッチ用サイリスタSのゲート電極dに供給するためのセレクト信号伝送路14がゲート横配線GH1と平行に、発光用サイリスタTと離反する側に配置される。セレクト信号伝送路14は、接続部75を介してセレクト信号入力端子CSとしてのボンディングパッドに接続される。本実施の形態におけるセレクト信号用ボンディングパッドCSは、第1ボンディングパッドに対応する。また、各ゲート横配線GH間およびゲート横配線GH1とセレクト信号伝送路14との間の間隔W3は、相互に隣接するゲート横配線GH間およびゲート横配線GH1とセレクト信号伝送路14との間で短絡が生じない距離に選ばれ、たとえば5μmに選ばれる。
発光用サイリスタTのゲート電極b1〜bkは、本実施の形態では、後述する第3半導体層24によって構成され、ゲート横配線GH1〜GH4のいずれかとの間に接続部61,62,63,64が形成される。ここで、発光用サイリスタTの配列方向に沿う一方から他方へ向かって、発光用サイリスタTに番号を第1番から第k番まで付し、配列方向の一方から他方へ向かって発光素子ブロックBに第1番から第m番まで番号を付すことにすれば、配列方向に沿う第i(1≦i≦m)番目の発光素子ブロックBiに属する第4i−3番目から第4i番目の発光用サイリスタTについては、第4i−3番目の発光用サイリスタT4i−3のゲート電極と第1番目のゲート横配線GH1との間に接続部61が形成され、第4i−2番目の発光用サイリスタT4i−2のゲート電極と第2番目のゲート横配線GH2との間に接続部62が形成され、第4i−1番目の発光用サイリスタT4i−1のゲート電極と第3番目のゲート横配線GH3との間に接続部63が形成され、第4i番目の発光用サイリスタT4iのゲート電極と第4番目のゲート横配線GH4との間に接続部64が形成される。また、第i(1≦i≦m)番目の発光素子ブロックBiに属する全ての発光用サイリスタTのアノードaと配列方向に沿うi番目の発光信号入力端子Aiとの間に接続部60が形成される。このように、同じ発光素子ブロックBに属する発光用サイリスタTが異なるゲート横配線GHに接続されることで、前述したように発光用サイリスタTのダイナミック駆動が可能となる。
スイッチ用サイリスタSは、好ましい構成として、発光信号用ボンディングパッドA間に生じたスペースに配置される。複数の発光用サイリスタTからなる1つの発光素子ブロックBに対して、発光信号を供給するためのボンディングパッドを1つ備えることとなるので、発光信号用ボンディングパッドA間にスペースを生じ、そのスペースを有効に活用してスイッチ素子などを配置することができる。各スイッチ用サイリスタSのアノードcにゲート信号を供給するためのゲート信号入力端子Gとしてのボンディングパッドも、ボンディングパッド間に生じたスペースを活用して配置される。
本実施の形態では、ゲート信号用ボンディングパッドGは第2ボンディングパッドに対応する。アノードcとゲート信号用ボンディングパッドGとは一体に形成される。このように配置することで、スイッチ用サイリスタSなどを設けても、発光素子アレイチップ全体の大きさがそれによって増大することを避けることができ、小形な発光素子アレイチップを構成することができる。なお、スイッチ用サイリスタSの個数nはゲート横配線GHの本数に等しく、本実施の形態ではn=4である。また、CS抵抗RCSも、発光信号入力端子Aとしてのボンディングパッド間に生じたスペースを利用して、スイッチ用サイリスタSに近接して配置される。
本実施の形態におけるスイッチ用サイリスタSのゲート電極dは、後述する第3半導体層34で構成される。スイッチ用サイリスタSのゲート電極dとCS抵抗RCSとの間には接続部65が形成され、さらにゲート電極dと対応するゲート横配線GHとの間にも接続部66が形成されることで電気的に接続される。ゲート電極dとCS抵抗RCSとを接続する接続部65と、ゲート電極dとゲート横配線GHとを接続する接続部66とは一体に形成される。また、CS抵抗RCSは、半導体膜のシート抵抗を利用したもので構成され、CS抵抗RCSとセレクト信号伝送路14との間に接続部67が形成される。
プルアップ抵抗RPは、本実施の形態では、スイッチ用サイリスタSを構成する半導体層の一部を用いて、スイッチ用サイリスタSと一体で形成される。プルアップ抵抗RPは半導体膜のシート抵抗を利用したものである。プルアップ抵抗RPの一部と電源ライン11との間に接続部68が形成され、プルアップ抵抗の接続部68の側に電源電圧Vccが与えられる。
電源ライン11は、ゲート横配線GHと平行に配線され、本実施の形態では、発光信号用ボンディングパッドAを挟んでゲート横配線GHと離反する側に配置される。電源ライン11は、接続部69によって、電源電圧Vccが与えられるボンディングパッドに電気的に接続される。電源電圧Vccが与えられるボンディングパッドを単に電源用ボンディングパッドVsと記載する場合がある。
発光用サイリスタTのアノードa、スイッチ用サイリスタSのアノードc、ゲート横配線GH、セレクト信号伝送路14、電源ライン11、接続部60〜69、発光信号用ボンディングパッドA、ゲート信号用ボンディングパッドG、セレクト信号用ボンディングパッドCS、および電源用ボンディングパッドVsは、金属材料および合金材料などの導電性を有する材料によって形成される。具体的には、金(Au)、金とゲルマニウムとの合金(AuGe)、金と亜鉛との合金(AuZn)、ニッケル(Ni)およびアルミニウム(Al)などによって形成される。
また、図6に示す発光素子アレイチップ1は、好ましい構成として、スイッチ用サイリスタSの表面(基板反対側)に遮光手段として遮光膜12を設けている。スイッチ用サイリスタSは、発光用サイリスタTと同様にスイッチングの際に発光するが、その発光は不要であり、発光による光が発光用サイリスタTに入射して発光用サイリスタTのしきい値を変動させてしまうことを避けるために、遮光膜12が用いられる。遮光膜12としては、その発光に対して不透明な材質から成る部材で表面を覆ったものとすればよい。適当な層間絶縁膜を施した場合には、ゲート横配線GHに用いる金(Au)薄膜などが好適に用いられる。また、スイッチ用サイリスタSと発光用サイリスタTとをできるだけ遠ざけて配置することも有効であり、図6の平面図で示すように、ゲート横配線GHを跨いで一方側に発光用サイリスタT、他方側にスイッチ用サイリスタSを配置するようにしてもよい。
なお、前述した電流制限抵抗RIはより好ましい構成として付加する場合があるが、図6に示した発光素子アレイチップ1の平面図においては用いていない。
以下、発光素子アレイチップ1の構成について、図7〜図9を参照してさらに詳細に説明する。
発光用サイリスタTには、基板21の厚み方向Zの一表面上に第1半導体層22、第2半導体層23、第3半導体層24、第4半導体層25およびオーミックコンタクト層27がこの順に積層される構造が含まれる。ここで、第1半導体層22と第3半導体層24とには、N型またはP型のいずれか一方の導電型が用いられ、第2半導体層23と第4半導体層25には他方の導電型が用いられることによって、NPNPまたはPNPNのサイリスタ構造が形成される。また、オーミックコンタクト層27には、第4半導体層25と同じ導電型の半導体が用いられる。
スイッチ用サイリスタSは、本実施の形態では発光用サイリスタTと同時に形成されるので各層の構成は同一となる。具体的には、スイッチ用サイリスタSは、基板21の表面のうち、発光用サイリスタTが形成された面と同一表面上に、第1半導体層32、第2半導体層33、第3半導体層34、第4半導体層35、およびオーミックコンタクト層37がこの順に積層されて形成される。以下の説明において、発光用サイリスタTに関する説明はスイッチ用サイリスタSについても同様である。
基板21には、本実施の形態では、第1半導体層22と同じ導電型の半導体基板が用いられる。基板21の厚み方向Zで、各半導体層22〜25が積層されている表面とは反対側の表面上には、全面にわたって裏面電極26が形成される。裏面電極26は、金属材料および合材料などの導電性を有する材料によって形成される。具体的には裏面電極26は、金(Au)、金とゲルマニウムとの合金(AuGe)および金と亜鉛との合金(AuZn)などによって形成される。裏面電極26は、各発光用サイリスタTの共通の電極として用いられる。
本実施の形態では、第1半導体層22と第3半導体層24の導電型はN型であり、第2半導体層23と第4半導体層25の導電型はP型である。したがって、発光用サイリスタTおよびスイッチ用サイリスタSのカソードが共通の電極としての裏面電極26に接続され、ゲート電極にはNゲート電極が用いられる。裏面電極26を接地して、カソード電位を零(0)ボルト(V)にすると、各発光用サイリスタTのアノードaに電圧または電流を印加する電源に、正電源を用いることができるので好ましい。
絶縁層28は、発光用サイリスタTおよびスイッチ用サイリスタSの表面に沿って形成されており、発光用サイリスタTとスイッチ用サイリスタSとの間にも形成され、各発光用サイリスタTおよび各スイッチ用サイリスタSが相互に絶縁層28によって電気的に絶縁される。絶縁層28は、電気絶縁性および透光性ならびに平坦性を有する樹脂材料によって形成される。たとえば、ポリイミドおよびベンゾシクロブテン(BCB)など、発光用サイリスタTが発する波長の光の95%以上を透過する樹脂材料が用いられる。
絶縁層28のうち、オーミックコンタクト層27の表面(基板と離反する側)を覆う部分の一部に貫通孔29が形成される。この貫通孔29にアノードaの一部が形成されて、オーミックコンタクト層27に接触している。貫通孔29は、発光用サイリスタTの配列方向Xの中央で、かつ発光用サイリスタTの幅方向Yの中央が絶縁層28から露出するように形成されており、アノードaからの電流を、発光用サイリスタTの中央部に効率的に供給して、発光用サイリスタTを発光させることができる。発光用サイリスタTでは、主に第3半導体層24と、第4半導体層25との界面付近で、第3半導体層24寄りの領域において光が発生する。
発光用サイリスタTのアノードaの配列方向Xの長さW3は、発光用サイリスタTの配列方向Xの長さW2の1/3以下に形成される。アノードaは、発光用サイリスタTの光の出射方向の一部を覆うが、長さW3を前述したように選ぶことによって、発光用サイリスタTから発せられ光を、なるべく遮らないようにする。
基板21、各半導体層22〜25およびオーミックコンタクト層27の材料などについてさらに具体的に説明する。
基板21は、III−V族化合物半導体およびII−VI族化合物半導体などの結晶成長が可能な半導体基板であり、たとえば、ガリウム砒素(GaAs)、インジウムリン(InP)、ガリウムリン(GaP)、シリコン(Si)およびゲルマニウム(Ge)などの半導体材料によって形成される。
第1半導体層22は、ガリウム砒素(GaAs)、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびインジウムガリウムリン(InGaP)などの半導体材料によって形成される。第1半導体層22のキャリア密度は、1×1018cm−3程度のものが望ましい。
第2半導体層23は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料によって形成される。第2半導体層23を形成する半導体材料には、第1半導体層22を形成する半導体材料のエネルギーギャップと同じ、もしくは第1半導体層22を形成する半導体材料のエネルギーギャップよりもエネルギーギャップが小さいものが選ばれる。第2半導体層23のキャリア密度は1×1017cm−3程度のものが望ましい。
第3半導体層24は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料によって形成される。第3半導体層24を形成する半導体材料には、第2半導体層23を形成する半導体材料のエネルギーギャップと同じ、もしくは第2半導体層23を形成する半導体材料のエネルギーギャップよりもエネルギーギャップが小さいものが選ばれる。第3半導体層24のキャリア密度は、1×1018cm−3程度のものであることが望ましい。第3半導体層24は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料によって形成することによって、発光素子として高い内部量子効率を得ることができる。
第4半導体層25は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)およびガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料によって形成される。第4半導体層25を形成する半導体材料には、第2半導体層23および第3半導体層24を形成する半導体材料のエネルギーギャップと同じ、もしくは第2半導体層23および第3半導体層24を形成する半導体材料のエネルギーギャップよりもエネルギーギャップが大きいものが選ばれる。第4半導体層25のキャリア密度は、1×1018cm−3程度のものであることが望ましい。
オーミックコンタクト層27は、ガリウム砒素(GaAs)およびインジウムガリウムリン(InGaP)などの半導体材料によって形成される第4半導体層25と同じ導電型の半導体層であり、アノード配線Eとのオーミック接合を行うためのものである。オーミックコンタクト層27のキャリア密度は1×1019cm−3以上のものが望ましい。
第1半導体層22、第2半導体層23、第3半導体層24、第4半導体層25およびオーミックコンタクト層27は、基板21の一表面に分子線エピタキシャル成長および化学気相成長(CVD)法などのエピタキシャル成長法用いて順次積層して形成することができる。その後、フォトリソグラフィを用いたパターニングとエッチングとを用いて、各発光用サイリスタTおよびスイッチ用サイリスタSが形成される。したがって、一連の製造プロセスにおいて、発光用サイリスタTおよびスイッチ用サイリスタSを同時に形成することになるので、スイッチ用サイリスタSおよび発光用サイリスタTを構成する各半導体層の層構成が同一になる。結果として、スイッチ用サイリスタSおよび発光用サイリスタTはいずれも発光機能およびスイッチ機能の両方を兼ね備えたものになるが、スイッチ用サイリスタSはそのうちスイッチ機能のみを用いる。このようにすれば同じ構造で特性が安定したものを一度に簡単に作製することができ、製造コストを低減することができる。
なお、絶縁層28は、各半導体層を形成した後、前述したポリイミドなどの樹脂材料をスピンコーティングしてから硬化させ、さらに電極と発光用サイリスタTとの接続に必要な各貫通孔29,30を形成するためにフォトリソグラフィによるパターニングおよびエッチングを施すことで作製される。
図8に示すように、発光用サイリスタTの幅方向Yの形状については、発光用サイリスタTの第1半導体層22と、第2半導体層23と、第3半導体層24とのゲート横配線GH寄りの端部は、第4半導体層25と、オーミックコンタクト層27とのゲート横配線GH寄りの端部よりも、ゲート横配線GHに向かって突出し、ゲート横配線GHとの被接続部101を構成する。被接続部101の配列方向Xの長さは、前述した長さW2と等しい。なお、第3半導体層24のうち、被接続部101を構成する部分は、第4半導体層25が積層される部分よりも厚みが小さい。この理由は、エッチング工程によって、第3半導体層24の表面を露出させて被接続部101を形成するときに、第4半導体層25が残存しないようにオーバーエッチングするためである。
スイッチ用サイリスタSの幅方向Yの形状についても同様に、スイッチ用サイリスタSの第1半導体層32と、第2半導体層33と、第3半導体層34とのゲート横配線GH寄りの端部は、第4半導体層35と、オーミックコンタクト層37とのゲート横配線GH寄りの端部よりも、ゲート横配線GHに向かって突出し、ゲート横配線GHとの被接続部102を構成する。また、オーバーエッチングを施すために、第3半導体層34のうち、被接続部102を構成する部分の厚みは、第4半導体層35が積層される部分の厚みよりも小さく形成される。
絶縁層28は、発光用サイリスタTおよびスイッチ用サイリスタSの表面に沿って形成されるとともに、発光用サイリスタTとスイッチ用サイリスタSとの間にも形成され、発光用サイリスタTとスイッチ用サイリスタSとが絶縁層28によって電気的に絶縁される。発光用サイリスタTとスイッチ用サイリスタSとの間に形成された絶縁層28の表面には、ゲート横配線GHおよびセレクト信号伝送路14が形成され、さらにそれらの表面に沿って絶縁層103が形成される。また、スイッチ用サイリスタSを挟んでゲート横配線と離反する側の絶縁層28の表面には、電源ライン11が形成され、さらにその表面に沿って絶縁層103が形成される。
形成された絶縁層28,103のうち、発光用サイリスタTの被接続部101およびゲート横配線GHの表面(基板反対側)に積層される部分には、貫通孔104,105が形成される。発光用サイリスタTの第3半導体層24(ゲート電極bに対応する)とゲート横配線GHとを電気的に接続する接続部61は、これらの貫通孔104,105の部分および貫通孔104,105に挟まれた絶縁層28,103の部分に積層して設けられる。また、絶縁層28,103のうち、スイッチ用サイリスタSの被接続部102およびゲート横配線GHの表面(基板反対側)に積層される部分にも、貫通孔105,106が形成される。スイッチ用サイリスタSの第3半導体層34(ゲート電極dに対応する)とゲート横配線GHを電気的に接続する接続部66は、これらの貫通孔105,106の部分および貫通孔105,106に挟まれた絶縁層28,103とに積層して設けられる。図8に示すように、ゲート横配線GHに積層する部分の絶縁層103に設けられた貫通孔105が共通する場合には、接続部61,66は一体で形成される。
また、前述したように、発光用サイリスタTに積層される絶縁層28のうち、オーミックコンタクト層27の表面(基板反対側)に積層される部分の一部には貫通孔29が形成される。この貫通孔29にアノードaの一部が形成されて、オーミックコンタクト層27に接触している。アノードaは、発光信号入力端子Aとの接続部60とともに一体形成される。接続部60は発光用サイリスタTの第4半導体層25とオーミックコンタクト層27のゲート横配線GH寄りの端部の一部を覆い、第3半導体層24に設けられた被接続部101に積層された絶縁層28の表面(基板反対側)の一部も積層して形成される。同様に、スイッチ用サイリスタSに積層される絶縁層28のうち、オーミックコンタクト層37の表面(基板反対側)に積層される部分の一部には貫通孔107が形成される。この貫通孔107にアノードcの一部が形成されて、オーミックコンタクト層37に接触している。
またスイッチ用サイリスタSは遮光膜12で覆われる。遮光膜12の幅方向Yの一方の端は、スイッチ用サイリスタSの第4半導体層35およびオーミックコンタクト層37の、発光用サイリスタTと反対側の端部を覆い、遮光膜12の幅方向Yの他方の端は、スイッチ用サイリスタSの第3半導体層34の被接続部102を覆い、セレクト信号伝送路14とスイッチ用サイリスタSとの中央付近まで延びる。
図9は、図6の切断面線IX−IXから見た発光素子アレイチップ1の基本的構成を示す一部の断面図である。
CS抵抗RCSおよびプルアップ抵抗RPは、発光用サイリスタTおよびスイッチ用サイリスタSを構成する各半導体層22〜25,32〜35のいずれかからなる半導体層を薄膜抵抗として利用すればよい。本実施の形態では、プルアップ抵抗RPは、第1半導体層52、第2半導体層53、および第3半導体層54によって構成される半導体薄膜を利用しており、CS抵抗RCSは、第1半導体層42、第2半導体層43、および第3半導体層44を利用している。CS抵抗RCSおよびプルアップ抵抗RPは、本実施の形態では、発光用サイリスタTおよびスイッチ用サイリスタSを構成する各半導体層22〜25,32〜35およびオーミックコンタクト層27,37を形成するときに同時に形成されるので、新たな製造工程を必要としない。
CS抵抗RCSを構成する第3半導体層44の幅方向Yの一方の端部の表面は、スイッチ用サイリスタSのゲート電極dとCS抵抗RCSとを接続する接続部65の一端が接続され、CS抵抗RCSの一端に相当する。またCS抵抗RCSを構成する第3半導体層44の幅方向Yの他方の端部は、セレクト信号伝送路14とCS抵抗RCSとを接続する接続部67の一端が接続され、CS抵抗RCSの他端に相当する。
CS抵抗RCSを構成する第1半導体層42、第2半導体層43、および第3半導体層44と、プルアップ抵抗RPを構成する第1半導体層52、第2半導体層53、および第3半導体層54との全体の厚みを決定するためのエッチング工程も、被接続部101,102の形成と同時に行われる。したがって、CS抵抗RCSおよびプルアップ抵抗RPの厚みと被接続部101,102の厚みは等しい。
図9において、絶縁層28は、CS抵抗RCSおよびプルアップ抵抗RPの表面に沿って形成されるとともに、CS抵抗RCSおよびプルアップ抵抗RPとの間にも形成され、CS抵抗RCSおよびプルアップ抵抗RPとが絶縁層28によって電気的に絶縁される。前述したように絶縁層28の表面には、ゲート横配線GH、セレクト信号伝送路14および電源ライン11が形成され、さらにそれらの表面に沿って絶縁層103が形成される。
形成された絶縁層28,103のうち、セレクト信号伝送路14およびCS抵抗RCSを構成する第3半導体層44の幅方向Yの他端部の表面(基板反対側)に積層される部分には、貫通孔109,110が形成されて、それらを電気的に接続するための接続部67が設けられる。また、絶縁層28のうち、CS抵抗RCSを構成する第3半導体層44の幅方向Yの一端部の表面(基板反対側)に積層される部分にも貫通孔111が形成され、スイッチ用サイリスタSのゲート電極dとの接続部65が設けられる。さらに、形成された絶縁層28,103のうち、プルアップ抵抗RPと電源ライン11に積層される部分にも貫通孔112,113が形成され、それらを電気的に接続する接続部68が形成される。
図10は、本発明の発光装置の実施の一形態としての発光装置10を模式的に示すブロック回路図である。発光装置10は、複数の発光素子アレイチップL1,L2,…,Lp−1,Lp,L’1,L’2,…,L’p−1,L’p(記号pは、2以上の正の整数)と、発光素子アレイチップL1〜Lp,L’1〜L’pの駆動回路として、発光信号を供給する発光信号駆動IC130と、ゲート信号を供給するゲート信号駆動IC131とを含んで構成される。セレクト信号を供給するセレクト信号駆動部132はゲート信号駆動IC131に含まれる。各駆動ICは後述する制御手段96に基づいて、画像情報を出力する。本実施の形態では、発光信号のライン(アノード;第3電極)を複数の発光素子アレイチップ間で共用する構成としている。また、ゲート信号のライン(ゲート;第2電極)も複数の発光素子アレイチップ間で共用する構成としている。それに対して、セレクト信号のライン(第1電極)については各発光素子アレイチップごと独立して供給するようにしている。
本実施の形態では各アレイチップL,L’には、図1に示す第1の実施の形態の発光素子アレイチップ1を用いる。なお、セレクト信号駆動部132が第1の駆動回路に対応し、ゲート信号駆動IC131が第2の駆動回路に対応し、発光信号駆動IC130が第3の駆動回路に対応する。
各アレイチップL,L’は、配列方向Xに沿って発光素子Tがそれぞれ一列に配列される。このとき各アレイチップL,L’は、第1の発光素子アレイLpの第1発光素子Tと、第2の発光素子アレイL’pの第2発光素子Tとが平面視したときに、それぞれの発光素子が相互に千鳥状の位置となるように配置される。また、各アレイチップL,L’は各発光素子Tからの光の出射方向を揃えて回路基板に実装される。ただし図10には回路基板は図示していない。また、発光信号駆動IC130とゲート信号駆動IC131(セレクト信号駆動部132含む)とは、回路基板に実装される。回路基板にはさらに、各駆動IC130〜131と駆動部132の出力端子と各アレイチップL,L’のボンディングパッドとを接続するためのパターン配線が形成され、パターン配線とボンディングパッドとがボンディングワイヤで接続される。
このとき、各アレイチップL,L’において、複数の発光素子Tは、それぞれが形成されている基板の配列方向Xに沿った一方寄りにずらして設けられている。そして、ボンディングパッドは、基板の他方寄り(発光素子Tが存在する側とは反対の側)に配列方向に沿って、相互に間隔をあけて配列されて設けられている。さらに、互いに隣接するアレイチップL,L’は、平面視したときに、それぞれのボンディングパッド同士が互いに外側を向くように配置されている。したがって、各アレイチップL,L’のそれぞれの発光素子Tの列同士を互いに近づけて配置することができる。また、ボンディングパッドがアレイチップの外側に配置されているので、外部の回路基板からのワイヤボンディングを行いやすく、ボンディングしたワイヤの反射による悪影響を抑えることができる。
前述したように、図1および図5に示す第1の実施の形態の発光素子アレイチップ1には、m個の発光信号用ボンディングパッドA、1個のセレクト信号用ボンディングパッドCS、および4個のゲート信号用ボンディングパッドGが含まれる。さらにプルアップ抵抗RPの他端(スイッチ用サイリスタSのゲート電極dが接続されるのと反対側)に印加される正電源を接続するための電源用ボンディングパッドVsが設けられる(図示せず)。
なお、図10に示されたp個のアレイチップL,L’が実装されている本実施の形態の場合には、各アレイチップL,L’を構成する発光素子Tの配列方向Xに沿う一方から他方に向かって、各アレイチップに第1番から第p番まで番号を付すと、第i10(1≦i10≦p)番目のアレイチップL,L’のセレクト信号用ボンディングパッドCSをセレクト信号用ボンディングパッドCSi10,CSi10’と記載する。
発光信号駆動IC130は、各アレイチップL,L’の発光信号用ボンディングパッドA1〜Amと同数(m個)の発光信号出力端子λ1〜λmを有する。各発光信号用ボンディングパッドAと発光信号出力端子λとの接続は、異なるアレイチップ間で配線を共用して接続される。p個のアレイチップが実装されている本実施の形態の場合には、各アレイチップLを構成する発光素子Tの配列方向Xに沿う一方から他方に向かって、発光信号用ボンディングパッドA1〜Amに第1番から第m番まで番号を付し、また発光信号出力端子λ1〜λmにも第1番から第m番まで番号を付すと、p個のアレイチップL,L’のそれぞれの第i(1≦i≦m)番目の発光信号用ボンディングパッドAi同士が電気的に接続され、さらに第i番目の発光信号出力端子λiに電気的に接続される。この例では、アレイチップLおよびアレイチップL’のそれぞれの第i番目のボンディングパッドAiが発光信号出力端子λiに共通に接続される。
ゲート信号駆動IC131は各アレイチップL,L’のゲート信号用ボンディングパッドG1〜G4と同数(4個)のゲート信号出力端子μ1〜μ4を有する。各ゲート信号用ボンディングパッドGとゲート信号出力端子μとの接続は、異なるアレイチップ間で配線を共用して接続される。p個のアレイチップが実装されている本実施の形態の場合には、各アレイチップLを構成する発光素子Tの配列方向Xに沿う一方から他方に向かって、ゲート信号用ボンディングパッドG1〜G4に第1番から第4番まで番号を付し、またゲート信号出力端子μ1〜μ4にも第1番から第4番まで番号を付すと、p個のアレイチップL,L’それぞれの第i(1≦i≦4)番目のゲート信号用ボンディングパッドGi同士が電気的に接続され、さらに第i番目のゲート信号出力端子μiに電気的に接続される。この例では、アレイチップLおよびアレイチップL’のそれぞれの第i番目のボンディングパッドGiがゲート信号出力端子μiに共通に接続される。
セレクト信号駆動部132はアレイチップLと同数(p個)のセレクト信号出力端子ν1〜νp,ν1’〜νp’を有する。各セレクト信号用ボンディングパッドCSi10とセレクト信号出力端子ν,ν’との接続は、各アレイチップと個別に接続される。p個のアレイチップが実装されている本実施の形態の場合には、各アレイチップL,L’を構成する発光素子Tの配列方向Xに沿う一方から他方に向かって、各アレイチップに第1番から第p番まで番号を付し、またセレクト信号出力端子ν1〜νp,ν1’〜νp’にも第1番から第p番まで番号を付すと、第i10(1≦i10≦p)番目のアレイチップLのセレクト信号用ボンディングパッドCSi10と第i10番目のセレクト信号出力端子νi10とが電気的に接続され、第i10(1≦i10≦p)番目のアレイチップL’のセレクト信号用ボンディングパッドCSi10’と第i10番目のセレクト信号出力端子νi10’とが電気的に接続される。この例では、アレイチップLおよびアレイチップL’のそれぞれの第i10番目のセレクト信号出力端子CSi10およびセレクト信号用ボンディングパッドCSi10’に独立に接続される。
前述したように、各アレイチップL,L’のセレクト信号用ボンディングパッドCS,CS’とセレクト信号出力端子ν,ν’とが個別に接続されるので、セレクト信号駆動部132は、各アレイチップL,L’のセレクト信号用ボンディングパッドCS,CS’に順番に(例えばCS1,CS1’,CS2,CS2’・・・・・CSp’のように)セレクト信号を出力して、アレイチップL,L’を順番にセレクト状態にすることできる。一方、各アレイチップL,L’とゲート信号駆動IC131との配線は共用されているので、例えば、第i(1≦i≦4)番目のゲート信号出力端子μiから出力されたゲート信号は、すべてのアレイチップL,L’の第i(1≦i≦4)番目のゲート信号用ボンディングパッドGiに入力され、すべてのアレイチップL,L’の第i番目のスイッチ用サイリスタSiのアノードciに入力される。しかし、各アレイチップL,L’の第i番目のスイッチ用サイリスタSiの中でスイッチングするのは、セレクト信号が入力されることでセレクト状態にあるアレイチップL,L’(L,L’ではいずれか一方)のみである。さらに、セレクト状態にあるアレイチップL,L’の第i番目のゲート横配線GHiに接続された発光用サイリスタTの中で、発光信号駆動IC130から発光信号が入力された発光素子ブロックBに属する発光用サイリスタTが発光する。
このように、セレクト状態にあるアレイチップL,L’を順番に切り替えることで、複数の発光素子アレイ間でゲート信号駆動IC131および発光信号駆動IC130を共用にする時分割駆動を安定に動作させることができる。したがって、駆動用ICの数、および駆動用ICを実装する基板の層数を少なくすることができ、発光素子アレイおよび駆動用IC実装基板の面積を小さくすることができ、結果として小型でかつ安定に動作する発光装置が実現できる。
また、このように複数の発光素子アレイにおけるゲート信号(第2信号)の配線を共通化し、さらに発光信号(第3信号)の配線を共通化するとともに、セレクト信号(第1信号)を発光素子アレイ部のそれぞれに対し独立に供給する場合、駆動IC数を少なくできるので、低コスト化に有利である。また、発光信号を共通化するので、熱の発生や消費電力を抑えることもできる。
アレイチップL,L’の各発光用サイリスタTが千鳥状に配置されることにより、水平方向Xに対する発光用サイリスタTの密度を、アレイチップL,L’単独の水平方向Xに対する発光用サイリスタTの密度の二倍にすることができるので簡単に高精細化することができる。例えば1200dpi印字用のアレイチップを使って2400dpi印字用の発光素子アレイ集合体を構成することができる。単一の発光素子アレイを用いて2400dpi印字用発光素子アレイ集合体を構成するには、発光素子Tの配列ピッチを1200dpi印字用に比べて1/2にする必要がある、この場合、最も外側の発光素子からアレイチップの距離が短くなるため、アレイチップの端部のダイシングやレーザカット等の加工が困難になる問題点がある。本発明の実施形態によれば、例えばそのような2400dpi印字用アレイチップを用いなくても、アレイチップの端部の加工が比較的容易な1200dpi印字用のアレイチップを用いて2400dpi印字用の発光素子アレイ集合体を構成することができるので、簡単に高精細を実現することができる。
アレイチップの実装方法としては、たとえば次のような方法を採用することができる。a)アレイチップの長辺の2つの側面と短辺のいずれか一方の側面とをアレイチップの内側に支持体により少なくとも3点で押圧して支持する。b)これら支持体全体をxyz方向およびφψ回転方向を制御することにより、その支持体により支持されたアレイチップを基板上の所定位置に運ぶ。c)所定位置に運んだアレイチップを基板に固定し、その支持をはずす。このとき、一方から他方に向かってアレイチップLおよびアレイチップL’を、支持体が隣接するアレイチップに干渉しないように交互に実装する。
このようにアレイチップL,L’を実装すれば、アレイチップ同士を互いに接近させて千鳥状に配置することが容易に行える。
上記の実装方法を用いる場合、アレイチップの長辺の2つの側面を支持する支持体は、長辺の中央を支持することが好ましい。それら2つの支持部の中点を中心とする回転方向のモーメントを残りの支持部で固定する際、アレイチップをその回転方向に対し安定に保持するとともにアレイチップL,L’の隣接する重なり部を多く取ることができるので、高密度かつ安定にアレイチップL,L’を千鳥状に実装することができるからである。
図11は、発光装置10の動作を示すタイミングチャートであり、横軸は基準時刻からの経過時間を表し、縦軸は信号レベルを電圧または電流の大きさで表す。図11では、発光信号駆動IC130、ゲート信号駆動IC131、およびセレクト信号駆動部132のそれぞれの信号出力端子(発光信号出力端子λ、ゲート信号出力端子μ、およびセレクト信号出力端子ν)から出力される信号(発光信号、ゲート信号およびセレクト信号)の波形が示されている。さらに、プルアップ抵抗RPの他端(スイッチ用サイリスタSのゲート電極dが接続されるのと反対側)に印加される電源電圧Vccの波形も示されている。なお、図11では、出力波形の参照符号には、各信号出力端子と接続されるボンディングパッド(信号入力端子)の参照符号を用いている。
本実施の形態では、発光信号駆動IC130は、ハイ(H)レベルのとき5mA、ロー(L)レベルのとき0mAの定電流を出力する。ゲート信号駆動IC131は、ハイ(H)レベルのとき1mA、ロー(L)レベルのとき0mAの定電流を出力する。セレクト信号駆動部132は、ハイ(H)レベルのとき5V、ロー(L)レベルのとき0Vの定電圧を出力する。また、プルアップ抵抗の他端(スイッチ用サイリスタSのゲート電極dが接続されるのと反対側)に印加される電源電圧Vccは5Vである。
図11を用いて、発光装置10の動作を時間の経過の順に説明する。時刻t0では、セレクト信号はハイ(H)レベルであるので、どのアレイチップも選択状態にない。時刻t1で、第1番目のアレイチップL1に入力されるセレクト信号をロー(L)レベルにすることで、第1番目のアレイチップL1がセレクト状態になる。時刻t2で、各アレイチップLの第1番目のゲート信号入力端子G1にハイ(H)レベルの信号が入力される。すると、選択状態にある第1番目のアレイチップL1のみ、第1番目のスイッチ用サイリスタS1がスイッチングしてオン状態に遷移し、スイッチ用サイリスタS1のゲート電極d1に接続されたゲート横配線GH1の電位がほぼローレベル(0V)になる。次に、時刻t3で、各アレイチップの発光信号入力端子A1〜Amに発光信号が入力される。すると、選択状態にある第1番目のアレイチップL1のうちで、第1番目のゲート横配線GH1に接続された発光用サイリスタTが発光する。時刻t4で発光信号がロー(L)レベルに戻るので消灯する。次に、時刻t5で、第1番目のゲート信号入力端子G1に入力されるゲート信号がロー(L)レベルに戻り、第2番目のゲート信号入力端子G2に入力されるゲート信号がハイ(H)レベルになる。すると、選択状態にある第1番目のアレイチップL1のみ、第2番目のスイッチ用サイリスタS2がスイッチングしてオン状態に遷移する。時刻t6〜t7では、再び各アレイチップの発光信号入力端子A1〜Amに発光信号が入力される。すると、選択状態にある第1番目のアレイチップL1のうちで、第2番目のゲート横配線GH2に接続された発光用サイリスタTが発光する。以下同様に、第3番目、第4番目と順にスイッチ用サイリスタS3,S4がオン状態となり、再び第1番目のスイッチ用サイリスタS1がオン状態となることが同様の周期で繰り返されるとともに同様のタイミングで各アレイチップの発光信号入力端子A1〜Amに発光信号が入力され、選択状態にあるアレイチップL1の発光素子T1〜Tmが順番に発光する。
次に第1番目のアレイチップL’1に入力されるセレクト信号をロー(L)レベルにすることで、第1番目のアレイチップL’1がセレクト状態になった状態で、発光信号およびゲート信号を上記と同様のタイミングでゲート信号入力端子Gと発光信号入力端子Aに入力することにより、選択状態にあるアレイチップL2の発光素子T1〜Tmが順番に発光する。以下同様にアレイチップL2,L’2,・・・・,Lp,L’pの順に選択状態となり、各アレイチップL,L’の全ての発光用サイリスタTが順番に個別に発光する。
なお、各アレイチップL,L’を選択状態とする順番はこの限りではない。
このように、セレクト信号を第1番目のアレイチップから順番に与え、順番にアレイチップを選択状態にすることで、アレイチップL,L’ごとの時分割駆動が可能となる。さらに、ゲート信号が、第1番目のスイッチ用サイリスタから順番に与えられることで、アレイチップL,L’の中での時分割駆動が可能になる。
図12は、本実施の形態の発光素子アレイチップ1を含んだ発光装置10を使用した画像形成装置の基本的構成を示す側面図である。
画像形成装置87は、電子写真方式の画像形成装置であり、発光装置10Y,10M,10C,10Kを、感光体ドラム90への露光装置に使用している。発光装置10Y,10M,10C,10Kは、各駆動IC(発光信号駆動IC130、ゲート信号駆動IC131、セレクト信号駆動部132)が設けられる回路基板に実装される。
画像形成装置87は、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のカラー画像を形成するタンデム方式を採用した装置であり、大略的に、4つの発光装置10Y,10M,10C,10Kと、集光手段であるレンズアレイ88Y,88M,88C,88Kと、発光装置10Y,10M,10C,10Kおよび各駆動IC130,131,132,136が実装された回路基板と、レンズアレイ88を保持する第1ホルダ89Y,89M,89C,89Kと、4つの感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kと、4つの現像剤供給手段91Y,91M,91C,91Kと、転写手段である転写ベルト92と、4つのクリーナ93Y,93M,93C,93Kと、4つの帯電器94Y,94M,94C,94Kと、定着手段95と、制御手段96とを含んで構成される。
各発光装置10Y,10M,10C,10Kは、各駆動ICによって各色のカラー画像情報に基づいて駆動される。たとえば、4つ発光装置10Y,10M,10C,10Kの配列方向Xの長さは、たとえば200mm〜400mmに選ばれる。
各発光装置10Y,10M,10C,10Kの発光用サイリスタTからの光は、レンズアレイ88を介して各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kに集光して照射される。レンズアレイ88は、たとえば発光素子の光軸上にそれぞれ配置される複数のレンズを含み、これらのレンズを一体的に形成して構成される。
発光装置10Y,10M,10C,10Kが実装される回路基板およびレンズアレイ88は、第1ホルダ89によって保持される。ホルダ89によって、発光用サイリスタTの光照射方向と、レンズアレイ88のレンズの光軸方向とがほぼ一致するようにして位置合わせされる。
各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kは、たとえば円筒状の基体表面に感光体層を被着して成り、その外周面には各発光装置10Y,10M,10C,10Kからの光を受けて静電潜像が形成される静電潜像形成位置が設定される。
各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kの周辺部には、各静電潜像形成位置を基準として回転方向下流側に向かって順番に、露光された感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kに現像剤を供給する現像剤供給手段91Y,91M,91C,91K、転写ベルト92、クリーナ93Y,93M,93C,93K、および帯電器94Y,94M,94C,94Kがそれぞれ配置される。感光体ドラム90に現像剤によって形成された画像を記録シートに転写する転写ベルト92は、4つの感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kに対して共通に設けられる。
感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kは、第2ホルダによって保持され、この第2ホルダと第1ホルダ89とは、相対的に固定される。各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kの回転軸方向と、各発光装置10Y,10M,10C,10Kの配列方向Xとがほぼ一致するようにして位置合わせされる。
転写ベルト92によって、記録シートを搬送し、現像剤によって画像が形成された記録シートは、定着手段95に搬送される。定着手段95は、記録シートに転写された現像剤を定着させる。感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kは、回転駆動手段によって回転される。
制御手段96は、前述した各駆動IC130,131,132,136にクロック信号および画像情報を与えるとともに、感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kを回転駆動する回転駆動手段、現像剤供給手段91Y,91M,91C,91K、転写ベルト92、帯電器94Y,94M,94C,94Kおよび定着手段95の各部を制御する。
このような構成の画像形成装置87では、各発光素子を発光状態とするか、または非発光状態とするかを、主電流が流れないゲート電極gに接続されているゲート横配線GHを伝送するゲート信号によって切り換えるため、発光装置10Y,10M,10C,10Kを実装するための回路基板側に形成されるゲート信号の伝送路も細くすることが可能で、回路基板を小形化することができ、さらにこのゲート信号駆動IC131についても主電流を切り換える事が無いため、ICの容量が小さくできるので、小形化および低コスト化を実現することができる。
以上のように、本実施の形態の発光素子アレイチップ1によれば、スイッチ素子として設けたスイッチ用サイリスタSが、セレクト信号により選択された時間にのみゲート信号を発光用サイリスタT側に受け渡すように動作するため、このような発光素子アレイチップ1を複数配列して駆動する場合において、複数の発光素子アレイチップ1ごとに駆動用ICを接続せずとも、発光信号およびゲート信号を与える駆動用ICおよび配線を共用して時分割駆動することができるので、少ない駆動用ICと配線数で時分割駆動することができるという基本的な作用効果を有する。
また、アノードaが複数の発光用サイリスタTで共通化された発光素子ブロックBを複数設け、複数の発光素子ブロックBでゲート横配線GHを共有した場合には、1つの発光素子アレイチップ1内においても複数の発光素子ブロックB間で時分割駆動をすることができる。この結果、駆動用ICに接続すべきゲート横配線GHの数を減らすことできるので、ゲート信号の出力ポート数の少ない駆動用ICを用いて、少ない駆動用ICで時分割駆動することができる発光装置を提供できる。
また、発光信号、ゲート信号およびセレクト信号を供給するためのボンディングパッドA,G,CSを発光素子の配列方向Xに配置する場合には、1つの発光素子ブロックBに対して発光信号用ボンディングパッドAを1つ備えることとなり、隣り合う発光素子ブロックBに対しそれぞれ1つ配置される発光信号用のボンディングパッドA同士の間にスペースが生じる。したがって、そのスペースを有効に活用してスイッチ用サイリスタSなどを配置することができるので、スイッチ用サイリスタSなどを設けても発光素子アレイチップのサイズが増大することを避けることができ、小形な発光素子アレイチップを提供することができるという点で有利である。
また、スイッチ素子および発光素子は発光サイリスタを含んで構成されるから、たとえばNANDゲートやインバータなどといった複雑な半導体装置を用いることなく、簡単な構成で、ゲート信号を入力すべき発光素子アレイチップ1を選択する論理回路を構成することができるので、設計が容易となり、また製造工程を簡略化することができる点で有利である。
また、プルアップ抵抗RPおよびCS抵抗RCSなどを用いる構成とすることによって、スイッチ用サイリスタSのゲートの電位を、CS抵抗RCSおよびプルアップ抵抗RPの抵抗値の選択によって自由に設定することができるという利点がある。またCS抵抗RCSの代わりとしてダイオードおよびサイリスタなどを用いても同様の時分割駆動を行うことができるが、この場合には、オフ状態のスイッチ用サイリスタSのゲートに接続されるダイオードおよびサイリスタがオン状態となる。したがって4個のスイッチ用サイリスタSを備える発光素子アレイチップ1を時分割駆動する場合には、3個のスイッチ用サイリスタSがオフ状態となり、3個のダイオードまたはサイリスタがオン状態となって、CS抵抗RCSの代わりに用いられるダイオードまたはサイリスタのデューティー比が高くなって装置の信頼性が低下する。しかしながら本実施の形態の発光素子アレイチップ1ではCS抵抗RCSを用いることによって、オン状態となるのはスイッチ用サイリスタSのうちの1個だけなので、スイッチ素子のデューティー比が低くなり、装置の信頼性が向上する。
また、ゲート信号用ボンディングパッドGとスイッチ用サイリスタSのアノードcの間に電流制限抵抗RIを接続する場合には、高速化の目的で複数のスイッチ用サイリスタSを同時にオン状態に遷移させるとき、複数間でスイッチングのタイミングが少しずれても、最初のスイッチングによってゲート信号の信号電圧が低下することがなく、複数のスイッチ用サイリスタSのアノードcの電位が安定に確保される。したがって、複数のスイッチ用サイリスタを確実にスイッチングさせることができるため、複数の発光素子アレイチップ1で同じ時分割のタイミングにすることができ、高速化に有利である。
また、スイッチ用サイリスタSを構成する半導体層と発光用サイリスタTを構成する半導体層とを同じ層構成となるように形成するときには、発光用サイリスタTとスイッチ用サイリスタSとを同時に同じ工程で製造することができる。よって、発光素子としての発光用サイリスタTの他にスイッチ用サイリスタSを設ける本発明の構成であっても、製造工程が複雑化することがなく、製造においても有利な発光素子アレイを提供することができる。
また、スイッチ用サイリスタSの表面に遮光手段として金属薄膜などを設ける場合には、そのスイッチ用サイリスタSの発光による光が発光用サイリスタTに入射して発光用サイリスタTのしきい値を変動させてしまうことを避けることができるという点で有利である。
また本発明に係る発光素子アレイチップ1を用いることにより、発光装置が、小形であって、安定に動作する信頼性の高いものとなるので、良好な画像を安定に形成することができる画像形成装置を提供できる。
このように、本発明によれば、少ない駆動用ICで時分割駆動することができる発光素子アレイおよびそれを用いた小形な発光装置ならびにその発光装置を備える画像形成装置を提供することができる。
図13は、本発明の発光装置の実施の他の形態の発光装置210を模式的に示すブロック回路図である。本実施の形態の発光装置210は、前述した発光装置10に類似し、発光装置10とは、発光信号駆動IC、セレクト信号駆動部およびそれらと発光素子アレイとの配線の構成が異なるのみであり、他の構成は同様であるので、同様の構成には同様の参照符号を付してその説明を省略する。
発光装置210は、複数の発光素子アレイチップM1,M2,…,Mp−1,Mp,M’1,M’2,…,M’p−1,M’p(記号pは、2以上の正の整数)を備える発光素子アレイ部と、発光素子アレイチップM1〜Mp,M’1〜M’pの駆動回路として、発光信号駆動IC230,230’と、ゲート信号駆動IC231(セレクト信号を供給するセレクト信号駆動部232を含む)とを含んで構成される。各駆動ICは前述した制御手段96に基づいて、画像情報を出力する。
本実施の形態では、セレクト信号のライン(第1電極)を複数の発光素子アレイチップ間で共用する構成としている。また、ゲート信号のライン(ゲート;第2電極)も複数の発光素子アレイチップ間で共用する構成としている。それに対して、発光信号のライン(第3電極)については各発光素子アレイチップごと独立して供給するようにしている。
本実施の形態では各アレイチップM,M’には、後述する図14に示す発光素子アレイチップ201を用いる。なお、セレクト信号駆動部232が第1の駆動回路に対応する。
各アレイチップM,M’は、配列方向Xに沿ってそれぞれ発光素子Tが一列に配列され、一方の発光素子アレイMpの発光素子と他方の発光素子アレイM’pの発光素子とが、平面視したときに互いには千鳥状に配置され、隣接して配置される。そして、各発光素子Tからの光の出射方向を揃えて回路基板に実装される。ただし、図13には回路基板は図示していない。
また、発光信号駆動IC230とゲート信号駆動IC231とセレクト信号駆動部232とは、回路基板に実装される。回路基板にはさらに、各駆動IC130,131,232の出力端子と各アレイチップMのボンディングパッドとを接続するためのパターン配線が形成され、パターン配線とボンディングパッドとがボンディングワイヤで接続される。
図14は、発光装置210が備える発光素子アレイチップ201を示す概略的な等価回路図である。発光素子アレイチップ201は、前述した発光素子アレイチップ1に類似し、さらに詳細に述べると発光素子アレイチップ1から、CS抵抗RCSおよびセレクト信号入力端子CSを取り除いた残余の構成を有するので、発光素子アレイチップ1の各部分に対応する部分には同様の参照符号を付してその説明を省略する。発光素子アレイチップ201では、発光素子アレイチップ1において電源電圧入力端子Vccとなっている部位が、セレクト信号入力端子CSとして機能する。
また図示を省略するが、発光素子アレイチップ201は、図6〜図9に示す発光素子アレイチップ1において、セレクト信号伝送路14、CS抵抗RCS、セレクト信号入力端子CS、接続部67,75を除いた残余の構成を有する。発光素子アレイチップ201では、これらの図6〜9における電源ライン11がセレクト信号伝送路として機能し、電源用ボンディングパッドVsがセレクト信号入力端子CSとして機能する。
本実施の形態の発光装置210では、前述した発光装置10において、セレクト信号駆動部132がセレクト信号出力端子ν,ν’を有し、それぞれ独立に発光素子アレイチップL,L’にセレクト信号を供給するのに対して、セレクト信号駆動部232はセレクト信号出力端子νを発光素子アレイチップM,M’のセレクト信号入力端子CS,CS’に共通に接続される構成である。
また、発光装置10において、発光信号出力端子λが発光素子アレイチップL,L’の発光信号入力端子A,A’に共通に接続されるのに対して、発光装置210では、発光信号駆動IC230,230’が発光信号出力端子λ,λ’を有し、それぞれ独立に発光素子アレイチップM,M’に発光信号を供給する構成である。
また本実施の形態の発光装置210では、前述した発光装置10において設けられているCS抵抗RCSの役割を、駆動ICであるセレクト信号駆動部232に設けることを特徴としている。
図15は、セレクト信号駆動部232の一部の構成の一例を示す図である。セレクト信号駆動部232は、ハイレベルおよびローレベルを有する第1信号であるセレクト信号のハイレベルまたはローレベルの電位を設定する設定手段233を備える。本実施の形態では、設定手段233は、セレクト信号のローレベルの電位を設定する。またセレクト信号駆動部232は、設定手段233に応じた信号レベルのセレクト信号を出力可能な出力部234を備える。設定手段233は、第1信号レベル設定手段である。
設定手段233は、直列接続され、中途の接続部235からセレクト信号のローレベルの電位を設定するための電圧を出力する、複数の抵抗器Rからなる。本実施の形態では、複数の抵抗器Rは、2つの抵抗器Ra,Rbによって実現される。抵抗器Raの一端236には、予め定める電位Vpが与えられ、抵抗器Raと抵抗器Rbとの接続部235は、後述する演算増幅器の非反転入力端子に接続される。予め定める電位Vpは、たとえば5ボルトに選ばれる。また抵抗器Rbの他端は、グランドに接続される。グランドの電位は、たとえば0ボルトに選ばれる。
出力部234は、各発光素子アレイチップM1〜Mp,M’1〜M’pにそれぞれ対応するセレクト信号出力端子ν1〜νpを個別に有する電圧切換部CSG1〜CSGpと、設定手段233に接続され、設定手段233の接続部235から出力される電圧に応じてセレクト信号のローレベルの電圧を生成する電圧生成部237とを備える。
電圧切換部CSGは、2つのスイッチ素子Sw1,Sw2と、インバータNOTとを含んで構成される。スイッチ素子Sw1,Sw2は、電界効果型トランジスタによって構成される。スイッチ素子Sw1,Sw2は、電圧切換部CSGにスイッチ駆動信号が与えられたときに、相補的にオンオフするように接続されている。具体的には、スイッチ素子Sw1のドレインには、セレクト信号のハイレベルの電位となる予め定める電位Vcsgが与えられ、スイッチ素子Sw1のソースには、スイッチ素子Sw2のドレインが接続される。スイッチ素子Sw2のソースは、各電圧切換部CSGにおいて共通に、信号線241に接続される。スイッチ素子Sw1のソースおよびスイッチ素子Sw2のドレインは、セレクト信号出力端子νに接続される。
またスイッチ素子Sw1のゲートは、インバータNOTに接続される。スイッチ素子Sw1のゲートにはインバータNOTを介してスイッチ駆動信号が与えられ、またスイッチ素子Sw2のゲートにはスイッチ駆動信号が直接与えられる。スイッチ駆動信号は、セレクト信号駆動部232の制御回路から与えられるICの内部信号である。スイッチ駆動信号はパルス信号であり、ハイレベルおよびローレベルの部分を有する。スイッチ駆動信号がハイレベルのとき、第1スイッチ素子SW1が非導通で、かつ第2スイッチ素子SW2が導通し、スイッチ駆動信号がローレベルのとき、第1スイッチ素子SW1が導通で、かつ第2スイッチ素子SW2が非導通となる。セレクト信号駆動部232の制御回路は、前述した制御手段96に応じてスイッチ駆動信号を電圧切換部CSGに与える。
電圧生成部237は、信号線241と、演算増幅器242と、抵抗器Rcと、スイッチ素子Sw3とを含んで構成される。スイッチ素子Sw3は、電界効果型トランジスタによって実現される。演算増幅器242の反転入力端子には、信号線241が接続され、非反転入力端子には接続部235が接続され、出力端子にはスイッチ素子Sw3のゲートが接続される。スイッチ素子Sw3のドレインは信号線241に接続され、ソースはグランドに接続される。信号線241には、抵抗器Rcの一端が接続され、抵抗器Rcの他端には、予め定める電位VDDが与えられる。このような回路構成とすることによって、電圧生成部237では、演算増幅器242の非反転入力端子に与えられる電圧に応じて、信号線241の電圧が設定される。
前述したスイッチ駆動信号によって、スイッチ素子Sw1,Sw2が相補的に開閉され、これによって、セレクト信号出力端子νに予め定める電位Vcsgまたは信号線241の電位が与えられて、セレクト信号の信号レベルがハイレベルまたはローレベルとなる。信号線241の電位は、予め定める電位VDDから抵抗器Rcの抵抗値に、この抵抗器Rcに流れる電流値を乗算して得られる電圧分だけ降下したものとなる。したがって、抵抗器Ra,Rbの抵抗比を変えるか、または抵抗器Raの一端236に与えられる予め定める電位Vdを変更することによって、接続部235から出力される電圧を変更することができ、簡単な構成で信号レベルを変更することができる。またセレクト信号駆動部232は、電圧生成部237が設けることによって、たとえば抵抗器Rbの抵抗値を0Ωとすると、図1に示した発光素子アレイチップ1を駆動するICとして使用可能となり、汎用性を向上させることができる。
このようなセレクト信号駆動部232から出力されるセレクト信号は、前述のセレクト信号駆動部132から出力されるセレクト信号と同様の波形となるが、本実施の形態では、セレクト信号のローレベルの電位を、たとえば2.5ボルトとし、ハイレベルの電位を、たとえば5ボルトとなるように、第1および第2抵抗器Ra,Rbおよび抵抗器Rcの抵抗値と、予め定める電位Vpおよび予め定める電位VDDとが決定されている。発光素子アレイチップ201の動作は、前述した表1に示す真理値表で表すように動作する。
以上のような発光装置210では、前述した発光装置10と同様に、発光素子Tを選択的に発光させることができ、発光装置10と同様の効果を達成することができる。さらに発光装置210では、セレクト信号の信号レベルを、発光素子アレイチップ201の外部に設けられる設定手段233によって設定することができるので、CS抵抗RCSを設ける必要がなく、装置全体として抵抗素子を削減することができ、また電源ラインを削減することができ、さらにセレクト信号伝送路に流れる電流が小さくなることによって、このセレクト信号伝送路をより細く形成することができるので、発光素子アレイチップの回路を簡略化して、チップサイズを小さくすることができる。また、設定手段233は、複数の発光素子アレイチップで共有されるセレクト信号駆動部232に1つ設ければ済むため、個々の発光素子アレイチップに、設定手段233と同様の機能を設けるのに比べて全体として発光装置の機能を低下されることなく構成を簡略化することができる。
また発光装置210では、スイッチ用サイリスタSがオン状態のときにのみ、プルアップ抵抗RPに電流が流れるので、前述した発光装置10と比較して、電流消費量を低減することができる。また設定手段233によって、セレクト信号の信号レベルを任意に設定することができるので、設計の自由度を向上させることができる。
本実施の形態では、設定手段233が第1信号レベル設定手段に対応するが、設定手段233および出力部234を含んで第1信号レベル設定手段としてもよい。
またセレクト信号駆動部232を、図1に示した発光素子アレイチップ1を駆動するICとして用いる場合、設定手段233によってセレクト信号のハイレベルの電位を設定することができる。この場合、たとえばローレベルの電位は、グランド電位となるように電圧切換部CSGの第2スイッチ素子Sw2をグランドに接続し、第1スイッチ素子Sw1を信号線241に接続すればよい。
図16を用いて、発光装置210の動作を時間の経過の順に説明する。時刻t0では、セレクト信号はハイ(H)レベルであるので、どのアレイチップも選択状態にない。時刻t1で、第1番目のアレイチップM1,M’1に入力されるセレクト信号をロー(L)レベルにすることで、第1番目のアレイチップM1,M’1がセレクト状態になる。時刻t2で、各アレイチップM,M’の第1番目のゲート信号入力端子G1にハイ(H)レベルの信号が入力される。すると、選択状態にある第1番目のアレイチップM1,M’1のみ、第1番目のスイッチ用サイリスタS1がスイッチングしてオン状態に遷移し、スイッチ用サイリスタS1のゲート電極d1に接続されたゲート横配線GH1の電位がほぼローレベル(0V)になる。次に、時刻t3で、各アレイチップの発光信号入力端子A1〜Amに発光信号が入力される。すると、選択状態にある第1番目のアレイチップM1,M’1のうちで、第1番目のゲート横配線GH1に接続された発光用サイリスタTが発光する。時刻t4で発光信号がロー(L)レベルに戻るので消灯する。次に、時刻t5で、第1番目のゲート信号入力端子G1に入力されるゲート信号がロー(L)レベルに戻り、第2番目のゲート信号入力端子G2に入力されるゲート信号がハイ(H)レベルになる。すると、選択状態にある第1番目のアレイチップM1,M’1のみ、第2番目のスイッチ用サイリスタS2がスイッチングしてオン状態に遷移する。時刻t6〜t7では、再び各アレイチップの発光信号入力端子A1〜Amに発光信号が入力される。すると、選択状態にある第1番目のアレイチップM1,M’1のうちで、第2番目のゲート横配線GH2に接続された発光用サイリスタTが発光する。以下同様に、第3番目、第4番目と順にスイッチ用サイリスタS3,S4がオン状態となり、再び第1番目のスイッチ用サイリスタS1がオン状態となることが同様の周期で繰り返されるとともに同様のタイミングで各アレイチップの発光信号入力端子A1〜Amに発光信号が入力され、選択状態にあるアレイチップM1,M’1のそれぞれの発光素子T1〜Tmが順番に発光する。その際、アレイチップMの発光素子Tの1つとアレイチップM’の発光素子Tの1つが同時に発光する。
次に第1番目のアレイチップM2,M’2に入力されるセレクト信号をロー(L)レベルにすることで、第2番目のアレイチップM2,M’2がセレクト状態になった状態で、発光信号およびゲート信号を上記と同様のタイミングでゲート信号入力端子Gと発光信号入力端子Aに入力することにより、選択状態にあるアレイチップM2,M’2の発光素子T1〜Tmが順番に発光する。以下同様にアレイチップ(M3,M’3),・・・・,(Mp,M’p)の順に選択状態となり、各アレイチップM,M’の全ての発光用サイリスタTが順番に2つずつ発光する。
なお、各アレイチップM,M’を選択状態とする順番はこの限りではない。
このように、セレクト信号を第1番目のアレイチップから順番に与え、順番にアレイチップを選択状態にすることで、アレイチップM,M’ごとの時分割駆動が可能となる。さらに、ゲート信号が、第1番目のスイッチ用サイリスタから順番に与えられることで、アレイチップM,M’の中での時分割駆動が可能になる。
本実施の形態の発光装置210では、発光信号がアレイチップM,M’に対して独立に供給されるから、すなわち発光エネルギー(発光時間と発光強度の積)をアレイチップM,M’のそれぞれに対して独立に制御して入力することができる。したがって、アレイチップMの1つ発光用サイリスタTと発光用サイリスタM’の1つの発光用サイリスタTとを同時に発光させることができる。この場合、発光装置10の場合よりも二倍の速さでアレイチップM,M’の発光用サイリスタTの発光の走査をすることができるから、画像形成装置においては印画速度を早くすることができ、高速化に有利である。また、アレイチップM,M’を複数の駆動用ICを用いて独立に制御する場合は、個々の駆動用ICに転送される発光信号のデータを簡単なものにすることができる。
図17は、発光素子アレイチップ201の動作特性を模擬的に測定するための回路図を示す。発光素子アレイチップ201の動作特性を模擬的に測定するために、発光素子アレイチップ1について、図17に示すように、電源電圧入力端子Vccとセレクト信号入力端子CSと間に、ハイレベルが5Vであり、ローレベルが任意レベルの電圧VLowとなる電圧を印加して、動作確認を行った。
図18は、図17の回路における動作特性の一例を示すグラフである。図17において、横軸は時間(単位;500ナノ秒(ns)/div)、縦軸は信号レベル(単位;ボルト(V))を示している。図18において、二点鎖線は電源電圧入力端子Vccとセレクト信号入力端子CSと間に印加される電圧Vcc−csを示し、破線はゲート信号入力端子G1の電位を示し、一点鎖線はゲート信号入力端子G2の電位を示し、実線は発光信号入力端子A1に接続される発光用サイリスタT1〜T4のアノードの電位を表す。なお、測定は図17に示した1番目の発光素子ブロックB1,ゲート信号入力端子G1,G2について行っているが、他の素子についても同様の結果が得られる。
図18に示した動作特性の測定では、発光信号としてハイ(H)レベルの20mA(駆動電圧が約2.4V)の電流を与え、発光信号を与えていないときは、ロー(L)レベルであって、発光用サイリスタTに電流が流れない状態(0V、0mA)とする。また、ゲート信号としてゲート信号入力端子Gにハイ(H)レベルの5Vの電圧を与え、ゲート信号を与えていないときは、ロー(L)レベルであって0Vの電位が印加されている状態とする。負荷抵抗RL1,RL2、プルアップ抵抗PR1およびCS抵抗RCS1は、図3に示したものと同じに設定し、好ましい形態として用いる電流制限抵抗RIの抵抗値は、1000Ωとした。
また図18に示した動作特性の測定では、「CSA Delay」を120nsとし、「GA Delay」を140nsとしている。ここで「CSA Delay」とは、Vcc−cs信号がローレベルになってからGA1信号がハイレベルにするまでに必要な時間で、発光素子アレイチップの内部での各信号ライン(信号伝送路)の電位が時定数による遅れでローレベルになるまでに必要な時間を表す。また「GA Delay」とは、GA信号間(例えばGA1をローレベルにしてからGA2をハイレベルにするまでの時間)で設ける必要がある時間で、GA1をローレベルにするとGA1にスイッチ素子に接続された信号伝送路の電位が0Vから所定の電位(例えば2.5V)に戻るが、これも時定数によって遅れが生じるため、信号伝送路の電位が0Vから所定の電位に戻るために必要な時間を表す。またクロック周波数は100メガヘルツ(MHz)としている。
まず、図18に示すtn1の時間帯では、ゲート信号入力端子G1の電圧がハイレベル(5V)に設定され、電源電圧入力端子Vccとセレクト信号入力端子CSとの間に印加される電圧がローレベル(2.5V)に設定され、発光信号入力端子Aに印加される電流がハイレベル(20mA)に設定される。tn1の時間帯では、ハイレベル(5V)の電圧がスイッチ用サイリスタS1のアノードc1に与えられているので、スイッチ用サイリスタS1はオン状態に遷移する。さらに、発光用サイリスタT1のアノードa1にもハイレベル(20mA)の発光信号が与えられることによって、発光用サイリスタT1がオン状態に遷移して発光する。このように発光用サイリスタT1がオン状態の場合、実線で示される発光用サイリスタT1のアノードの電位は、発光用サイリスタTの駆動電圧レベルである約2.4Vを示している。
次に、図18に示すtn2の時間帯では、ゲート信号入力端子G2の電圧がハイレベル(5V)に設定され、電源電圧入力端子Vccとセレクト信号入力端子CSとの間に印加される電圧がローレベル(2.5V)に設定され、発光信号入力端子Aに印加される電流がハイレベル(20mA)に設定される。tn2の時間帯では、ハイレベル(5V)の電圧がスイッチ用サイリスタS1のアノードc1に与えられているので、スイッチ用サイリスタS2はオン状態に遷移する。さらに、発光用サイリスタT2のアノードにもハイレベル(20mA)の発光信号が与えられることによって、発光用サイリスタT2がオン状態に遷移して発光する。このように発光用サイリスタT2がオン状態の場合、実線で示される発光用サイリスタT2のアノードの電位は、発光用サイリスタTの駆動電圧レベルである約2.4Vを示している。
次に、図18に示すtn3の時間帯では、ゲート信号入力端子G1の電圧がハイレベル(5V)に設定され、電源電圧入力端子Vccとセレクト信号入力端子CSとの間に印加される電圧がハイレベル(5V)に設定され、発光信号入力端子Aに印加される電流がハイレベル(20mA)に設定される。tn3の時間帯では、ハイレベル(5V)の電圧がスイッチ用サイリスタS1のアノードc1に与えられても、スイッチ用サイリスタS1はオン状態に遷移しない。さらに、発光用サイリスタT1のアノードにもハイレベル(2mA)の発光信号が与えられても、発光用サイリスタT1がオン状態に遷移せず発光しない。このように発光用サイリスタT1がオフ状態の場合、実線で示される発光用サイリスタT1のアノードの電位は、発光用サイリスタTの駆動電圧レベルである約2.4Vよりも約0.7〜0.8V高くなる。
次に、図18に示すtn4の時間帯では、ゲート信号入力端子G2の電圧がハイレベル(5V)に設定され、電源電圧入力端子Vccとセレクト信号入力端子CSとの間に印加される電圧がハイレベル(5V)に設定され、発光信号入力端子Aに印加される電流がハイレベル(20mA)に設定される。tn4の時間帯では、ハイレベル(5V)の電圧がスイッチ用サイリスタS1のアノードc1に与えられても、スイッチ用サイリスタS2はオン状態に遷移しない。さらに、発光用サイリスタT2のアノードにもハイレベル(2mA)の発光信号が与えられても、発光用サイリスタT2がオン状態に遷移せず発光しない。このように発光用サイリスタT2がオフ状態の場合、実線で示される発光用サイリスタT2のアノードの電位は、発光用サイリスタTの駆動電圧レベルである約2.4Vよりも約0.7〜0.8V高くなる。
以上の動作特性は、発光装置210において、セレクト信号をハイレベル(5V)およびローレベル(0V)で切り替えてセレクト信号入力端子CSに与える場合と同様である。したがって、発光装置210においても、セレクト信号、ゲート信号および発光信号の3つの信号の全てがハイレベルのときにのみ発光用サイリスタTが発光し、3つの信号のうちの1つでもローレベルであれば発光用サイリスタTは発光しないことが分かる。
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。たとえば、前述した画像形成装置87における発光装置10を、前述した発光装置210に換えて構成してもよく、このような構成としても同様の効果を達成することができ、さらに発光装置を小形化することができるので、さらに高解像度の画像を形成することができるようになる。
本発明の発光装置の発光素子アレイ部分の第1の実施の形態としての発光素子アレイチップ1を示す概略的な等価回路図である。 発光用サイリスタTのアノード電圧とアノード電流との関係である順方向電圧−電流特性を示すグラフである。 図1の発光素子アレイチップ1を示す概略的な等価回路図の一部である。 図3に示される等価回路図を論理回路図記号で表す論理回路図である。 第1の実施の形態の発光素子アレイチップ1における動作特性の一例を示すグラフである。 第1の実施の形態の発光素子アレイチップ1の基本構成を示す一部の平面図である。 図6の切断面線VII−VIIから見た発光素子アレイチップ1の基本的構成を示す一部の断面図である。 図6の切断面線VIII−VIIIから見た発光素子アレイチップ1の基本的構成を示す一部の断面図である。 図6の切断面線IX−IXから見た発光素子アレイチップ1の基本的構成を示す一部の断面図である。 本発明の発光装置の実施の一形態の発光装置10を模式的に示すブロック回路図である。 発光装置10の動作を示すタイミングチャートである。 発光素子アレイチップ1を用いた画像形成装置の基本的構成を示す側面図である。 本発明の実施の他の形態の発光装置210を模式的に示すブロック回路図である。 発光装置210が備える発光素子アレイチップ201を示す概略的な等価回路図である。 セレクト信号駆動部232の一部の構成の一例を示す図である。 発光装置210の動作を示すタイミングチャートである。 発光素子アレイチップ201の動作特性を模擬的に測定するための回路図を示す。 図17の回路における動作特性の一例を示すグラフである。
符号の説明
1,4,201,L1〜Lp,M1〜Mp,L’1〜L’p,M’1〜M’p 発光素子アレイチップ
10,210 発光装置
T1〜Tk(T) 発光用サイリスタ
S1〜S4(S) スイッチ用サイリスタ
B1〜Bm(B) 発光素子ブロック
a1〜ak(a) 発光用サイリスタのアノード
b1〜bk(b) 発光用サイリスタのNゲート電極
c1〜c4(c) スイッチ用サイリスタのアノード
d1〜d4(d) スイッチ用サイリスタのNゲート電極
GH1〜GH5(GH) ゲート横配線(信号伝送路)
A1〜Am(A),A1’〜Am’(A’) 発光信号入力端子
G1〜G4,G1’〜G4’(G) ゲート信号入力端子
CS,CS’ セレクト信号入力端子
RP1〜RP4 プルアップ抵抗
RCS1〜RCS4 CS抵抗
RI1〜RI4 電流制限抵抗
21 半導体基板
22,32,42,52 第1半導体層
23,33,43,53 第2半導体層
24,34,44,54 第3半導体層
25,35 第4半導体層
26 裏面電極
87 画像形成装置
130,230,230’ 発光信号駆動IC
131,231 ゲート信号駆動IC
132,232 セレクト信号駆動部
233 設定手段
234 出力部
237 電圧生成部
Ra,Rb,Rc 抵抗器
Sw1〜Sw3 スイッチ素子
GSC1〜GSCp 電圧切換部

Claims (10)

  1. 直線状に配列された複数の第1発光素子を含む第1の発光素子アレイと、
    直線状に配列された複数の第2発光素子を含み、前記複数の第2発光素子が前記複数の第1発光素子に対して千鳥状の位置となるように、前記第1の発光素子アレイに隣接して配置された第2の発光素子アレイと、
    前記第1および第2の発光素子アレイに対して信号を供給する駆動回路と、を含む発光装置であって、
    前記発光素子アレイは、
    第1電極と、第2電極と、前記第1電極に第1信号が入力されていて、かつ前記第2電極に第2信号が入力されているときに制御信号が出力される第1制御電極とを備えるn(nは2以上の整数)個のスイッチ素子であって、前記n個のスイッチ素子の第1電極が相互に電気的に接続されたスイッチ素子と、
    前記各第1制御電極に個別に接続されるn本の信号伝送路と、を含み、
    前記発光素子は、
    第3電極と、前記n本の信号伝送路のうちのいずれか1つに接続される第2制御電極とを備え、
    前記第3電極に第3信号が入力されていて、かつ前記第2制御電極に制御信号が入力されているときに発光するものであり、
    前記各信号伝送路には、少なくとも1つの前記発光素子の第2制御電極が接続され、
    前記駆動回路は、
    前記第1電極と電気的に接続され、前記第1信号を供給する第1の駆動回路と、
    前記第2電極と電気的に接続され、前記第2信号を供給する第2の駆動回路と、
    前記第3電極と電気的に接続され、前記第3信号を供給する第3の駆動回路と、を含み、
    前記第1、第2および第3の駆動回路のいずれか1つは、対応する信号を前記第1および第2の発光素子アレイに対して独立に供給し、他の駆動回路は、対応する信号を共通化して前記第1および第2の発光素子アレイの双方に供給する、発光装置。
  2. 前記スイッチ素子および前記発光素子が、カソードまたはアノードを共通の電極とする発光サイリスタを含んで構成され、
    前記スイッチ素子がさらに、第1および第2の抵抗体を含んで構成され、
    (a)カソードを共通の電極とする場合は、
    前記スイッチ素子を構成する発光サイリスタのNゲート電極は、前記第1および第2の抵抗体のそれぞれの一端と接続され、
    前記第1の抵抗体の他端には、共通の電極に対して正の電圧が印加され、
    前記第1電極は、第2の抵抗体の他端であり、
    前記第2電極は、スイッチ素子を構成する発光サイリスタのアノードであり、
    前記第3電極は、発光素子を構成する発光サイリスタのアノードであり、
    前記第1制御電極は、スイッチ素子を構成する発光サイリスタのNゲート電極であり、
    前記第2制御電極は、発光素子を構成する発光サイリスタのNゲート電極であり、
    (b)アノードを共通の電極とする場合は、
    前記スイッチ素子を構成する発光サイリスタのPゲート電極は、前記第1および第2の抵抗体のそれぞれの一端と接続され、
    前記第1の抵抗体の他端には、共通の電極に対して負の電圧が印加され、
    前記第1電極は、第2の抵抗体の他端であり、
    前記第2電極は、スイッチ素子を構成する発光サイリスタのカソードであり、
    前記第3電極は、発光素子を構成する発光サイリスタのカソードであり、
    前記第1制御電極は、スイッチ素子を構成する発光サイリスタのPゲート電極であり、
    前記第2制御電極は、発光素子を構成する発光サイリスタのPゲート電極である、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記スイッチ素子および前記発光素子が、カソードまたはアノードを共通の電極とする発光サイリスタを含んで構成され、
    前記スイッチ素子がさらに抵抗体を含んで構成され、
    (a)カソードを共通の電極とする場合は、
    前記スイッチ素子を構成する発光サイリスタのNゲート電極は、前記抵抗体の一端と接続され、
    前記第1電極は、前記抵抗体の他端であり、
    前記第2電極は、スイッチ素子を構成する発光サイリスタのアノードであり、
    前記第3電極は、発光素子を構成する発光サイリスタのアノードであり、
    前記第1制御電極は、スイッチ素子を構成する発光サイリスタのNゲート電極であり、
    前記第2制御電極は、発光素子を構成する発光サイリスタのNゲート電極であり、
    (b)アノードを共通の電極とする場合は、
    前記スイッチ素子を構成する発光サイリスタのPゲート電極は、前記抵抗体の一端と接続され、
    前記第1電極は、前記抵抗体の他端であり、
    前記第2電極は、スイッチ素子を構成する発光サイリスタのカソードであり、
    前記第3電極は、発光素子を構成する発光サイリスタのカソードであり、
    前記第1制御電極は、スイッチ素子を構成する発光サイリスタのPゲート電極であり、
    前記第2制御電極は、発光素子を構成する発光サイリスタのPゲート電極であり、
    前記第1の駆動回路は、ハイレベルおよびローレベルを有する前記第1信号の前記ハイレベルまたは前記ローレベルの電位を設定する第1信号レベル設定部を有する、請求項1に記載の発光装置。
  4. 前記第1信号は、前記一方および前記他方の発光素子アレイ部のそれぞれに対し独立に供給される、請求項1記載の発光装置。
  5. 前記第2信号は、前記一方および前記他方の発光素子アレイ部のそれぞれに対し独立に供給される、請求項1記載の発光装置。
  6. 前記第3信号は、前記一方および前記他方の発光素子アレイ部のそれぞれに対し独立に供給される、請求項1記載の発光装置。
  7. 前記複数の発光素子は、前記第3電極が相互に電気的に接続されるn個以下の発光素子から成る複数の発光素子ブロックを構成し、
    同じ発光素子ブロックに含まれる各発光素子の前記第2制御電極は、異なる前記信号伝送路に接続される、請求項1乃至6のいずれかに記載の発光装置。
  8. 基板と、前記基板の一表面上に設けられるボンディングパッドとを含む請求項1乃至7のいずれかに記載の発光装置であって、
    前記発光素子は、前記基板の前記一表面上に、略直線状に配列されて設けられ、
    前記n本の信号伝送路は、前記基板の前記一表面上に、前記発光素子の配列方向に沿って設けられ、
    前記ボンディングパッドは、前記発光素子の配列方向に沿って相互に間隔をあけて配列されて設けられ、
    前記第1電極に接続される第1ボンディングパッドと、
    前記各第2電極にそれぞれ接続される第2ボンディングパッドと、
    前記各発光素子ブロックに含まれる発光素子の第3電極に接続され、前記各発光素子ブロックに個別に設けられ、発光素子の数よりも少ない数の第3ボンディングパッドと、を含み、
    前記スイッチ素子は、隣接する前記ボンディングパッドの間に配置される、発光装置。
  9. 基板と、前記基板の一表面上に設けられ、前記駆動回路と接続され、前記信号が供給されるボンディングパッドとを含む請求項1乃至7のいずれかに記載の発光装置であって、
    前記発光素子は、前記基板の前記一表面上の一方寄りに、略直線状に配列されて設けられ、
    前記ボンディングパッドは、前記基板の前記一表面上の他方寄りに、前記発光素子の配列方向に沿って相互に間隔をあけて配列されて設けられ、
    前記第1および第2の発光素子アレイは、平面視したときに、それぞれの前記ボンディングパッド同士が互いに外側を向くように配置されている、発光装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の発光装置と、
    感光体ドラムに前記発光装置の発光素子からの光を集光する集光手段と、
    前記発光装置からの光が前記集光手段によって前記感光体ドラムに集光されて露光された感光体ドラムに現像剤を供給する現像剤供給手段と、
    感光体ドラムに現像剤によって形成された画像を記録シートに転写する転写手段と、
    記録シートに転写された現像剤を定着させる定着手段と、を含み、
    前記第1、第2および第3駆動回路は、画像情報に基づいて前記第1、第2および第3信号をそれぞれ供給する、画像形成装置。
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